説明

空気圧制御式把持装置

【課題】対象ワークを外側からまたは中空の場合は内側から把持可能空気圧制御式把持装置を提供すること。
【解決手段】把持装置は、遠位開口部に続く中間空間と加圧された流体源に接続される誘導槽23’の範囲を内側で定める支持スリーブ16から構成される。中間空間にはグリッパー手段21が遠位開口部に面して取り付けられ、かつ把持できる部分と係合するよう設計される。誘導槽には制御ピストン22が加圧された流体によってグリッパー手段を作動または停止するよう対応する第一位置に、および少なくとも一つの弾性反応要素27によって前記グリッパー手段を停止または作動するのに対応する第二位置に可動に格納される。グリッパー手段は外側から、または空洞を有する場合は内側から、把持できる部分を把持するよう装備されることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いずれの型のマニピュレーターによって物品、本体または道具、あるいは取り付け具を、把持、突き押し、および/または位置決めをする、空気圧制御式把持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットまたは取扱装置によって取り扱われる物品や本体を把持し、そして素早く解放することができる装置は、印刷作業、ロボット技術、オートメーション、および組立など様々な部門での時間の節約、およびひいては操作または作業コストを削減する目的で、既によく知られている。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的はしかし、製作が容易で信頼性があり、外側からまたは中空の場合は内側から取り扱うことができうる、物品や本体など事前に適用される中間要素を把持するグリッパー型把持装置を内蔵する、上記の範囲で使用するための革新的な空気圧制御式把持装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本目的は、マニピュレーターおよび主として空気である加圧された流体源に接続するための、少なくとも一つの近位接続手段、および遠位軸開口部のある支持スリーブから構成される把持できる部分が備わる、物品または本体を把持し取り扱う空気圧制御式把持装置によって達成される。把持装置は、前記スリーブが、前記末端開口部に近接する内部の中間空間、および加圧された流体源に接続される誘導槽を形成することを特徴とし、および前記中間空間では、グリッパー手段は遠位開口部に面して取り付けられ、前記把持できる部分に係合されるよう設計され、および前記誘導槽では、制御ピストンが、前記層に供給される加圧流体による前記グリッパー手段の作動または停止に対応する第一位置に、および、少なくとも一つの弾性反応要素による前記グリッパー手段の作動または停止に対応する第二位置に、可動に格納される。
【0005】
従属する請求項はこの後、装置自体のいくつかの構成材の、好適で有利な実施例に言及する。
【0006】
本発明は、例証的なしかし限定的ではない同封の図面を参照することにより、実行される説明の過程で詳細が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】外側からボールグリップを把持する装置の構成材の分解図である。
【図2】組み立てられ、かつ把持されるボールグリップに接続された図1の装置の斜視図である。
【図3】組み立てられているが、把持されるボールグリップは別になっている装置の側面図である。
【図4】顎が開いている、図3の矢印A−Aに沿った装置の軸断面図である。
【図5】図4に類似するが、ボールグリップそれぞれが、把持の中間、または解放の位置である装置の断面図である。
【図6】図5に類似するが、把持されるそれぞれのボールグリップの把持位置にある装置の断面図である。
【図7】空洞のボールグリップ内部を把持する装置の構成材の分解図である。
【図8】把持される、別々のボールグリップに関する、組み立てられた図7の装置の側面図である。
【図9】動作停止位置の、図3の矢印B−Bに沿った装置の軸断面図である。
【図10】空洞ボールグリップに係合された装置の側面図である。および、
【図11】図10の矢印C−Cに沿った軸断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1〜6は、例として、取り扱いおよび/または位置決めされる物品または本体12に事前に固着される、把持できるボールグリップ11などを外側から把持するのに適する把持装置10を表す。このボールグリップ11は、同じように先細りになっているヘッド14でぶら下げられたキノコ形のような先細りのレッグ13を有し、それらの間は周辺の把持できる溝15で範囲が定められている。
【0009】
把持装置10は、基本的に円筒形であり、接続具17がシール18の介在によりねじ止めされる近位端、軸開口部19のある遠位端、および側面の、相対する側の位置する二つの縦長のスロット20を有する支持スリーブ16から構成される。
【0010】
支持スリーブ16は内部に、グリッパー手段21とそれに関連する制御ピストン22が備わる。ピストン22が、近位接合部17と中間空間23の間の位置で支持スリーブ16によって範囲が定められる誘導槽23’に格納されてその中で可動であるのに対し、グリッパー手段21は、側面スロット20と同じ高さでかつそれに一致するスリーブ16の中間空間23に配置される。
【0011】
グリッパー手段21は二つの補助的なグリッパーアーム24から成り、それぞれは対するピン24’と組み立てられて、各々のピンを振動させる。グリッパー24のそれぞれのアームは、もう一方のアームのそれに相対する末端グリッパーノーズ25を有し、グリッパーノーズは支持スリーブ16の遠位開口部19の付近にあり、そして把持できるボールグリップ12周辺の溝15の形によって構成される。グリッパーノーズ25が備わる側の反対の端に、グリッパーアーム24はそれぞれ、互いに向き合って後者の基部のスロットを通る制御ピストン22に接する、伸張部または付属部26を有する。二つのグリッパーアーム24の間には、スプリング27が設置され、操作把持位置で末端グリッパーノーズ25を互いに近づけ続け、また制御ピストン22を伸張部または付属部26を用いて、近位接合部17に向かって撤回位置に動かし続けるよう設計されている。しかしピストン22は、グリッパーアーム24の伸張部または付属部26を通じて、末端グリッパーノーズ25を引き離し、それによってグリッパー手段の開放が生じるよう、近位接合部17に作られる空洞28を通って槽23に供給される通常空気である加圧された流体によって、グリッパー手段21に向かって前方に可動である。
【0012】
近接接合部17はまた、通常、いずれのマニピュレーター部分またはマニピュレーター設備(図示せず)への把持装置10の剛性結合部を形成するための手段としても作用する。
【0013】
従って、実際、制御ピストン22が撤回位置に留まるのに対し、グリッパー手段21は、関連するスプリング27のおかげで通常は動作位置に留まる、つまり閉鎖されている。しかしながら、装置が把持できるボールグリップ11の近辺に移動されると、前記ボールグリップの先細りヘッド14に接するグリッパーアーム24のグリッパーノーズ25は初めに大きく開き(図5)、次に溝15で自動的に閉まり、図6のようにボールグリップを、そしてこれによってボールグリップに固着された物品または本体12を把持する。このように関連する物品または本体12は把持されて便利に取り扱われるだけでなく、把持装置を搭載する装置またはマニピュレーターの動作の適切な管理によって、押したり引いたりされることもでき、その結果として、既定の“ゼロ”位置に関して必要に応じた位置決めがなされる。
【0014】
その後、把持できるボールグリップ11とともにそれに関連する物品または本体12を解放するためには、制御ピストン22を前方に動かし、そして図4に示されるように、グリッパーアームとひいてはグリッパー手段の開口部をスプリング27と反対に回転させるために、加圧された流体を槽23’に供給するだけでよい。
【0015】
図7から11の実施例によると、把持装置30は、物品または本体32を取り扱いおよび/または配置するのに先立って固着され、およびこの場合は前部把持できる溝33を有するボールグリップ31を、逆に内部から把持するのに適している。
【0016】
把持装置30は基本的に、接合部37がシール38の中間位置にねじ止めされる近位端、開口部39のある先細りの遠位端、および側面に、相対する部分に二つの縦長のスロット40を有する円筒形の支持スリーブ36から構成される。内部で、支持スリーブ36がグリッパー手段41とそれに関連する制御ピストン42を保持する。ピストン42が、近位接合部37と側面のスロット40の間の位置で支持スリーブ36によって範囲が定められる槽43’に、格納されてそこを摺動するのに対し、グリッパー手段41は、前記側面スロット40と同じ高さでかつそれに一致する中間空間43に配置される。
【0017】
この場合、グリッパー手段41は、組み立てられて一般のピン44’を差し込んである、またそれぞれが末端グリッパーノーズ45を有する、二つの交差されたグリッパーアーム44から成る。グリッパーノーズは、支持スリーブ36の遠位開口部39の付近で外側に向かって反対を向いて面し、および把持できるボールグリップ31の空洞33に適合できるよう構成される。
【0018】
グリッパーノーズ45の反対の部分から、グリッパーアーム44はそれぞれ、制御ピストン42に向かいかつ接触する伸張部または付属部46を有する。支持スリーブ36周辺の一つの溝には、グリッパーアーム44の末端グリッパーノーズ45が、解放された待機位置に正常に近づき続けるよう、および前記グリッパーアームの伸張部または付属部46がピストン42に接触し続けるよう、グリッパーアーム44と係合する柔軟リング47が取り付けられる。
【0019】
制御ピストン42は、外側の柔軟リング47の補助によって後者の作動と停止を調節するため、グリッパーアーム44の伸張部と付属部46の間に入り、また誘導槽43’のピストンの位置によって決まる、円錐形部分42’を有する。ピストン42に使付随するスプリング49は近位接合部37に向かって撤回される位置にピストンを維持するよう作用し、この位置は、グリッパーアームと係合する柔軟リング47の一部にあるグリッパー手段の解放状態に適合する。さらに、ピストン42は、その円錐部分42’を用いてグリッパーアームの伸張部または付属部の開放、ひいてはグリッパーノーズ45部分の把持動作を起こすことができるよう、近位接合部37に形成された穴48を通って槽43’に供給される、通常は空気である加圧された流体によって、グリッパー手段41に向かって前方に移動することが可能である。
【0020】
制御ピストン42が撤回位置にある限り、グリッパー手段41は図9に示されるような待機位置に留まる。連結する装置30がいずれかのマニピュレーターによってボールグリップ41の付近に引き出されると、グリッパー手段は、ピストン42を前方へ動かすよう、またその円錐部分42’によって、図11に示されるように、グリッパーノーズ45が互いに離れて配置されることにより前記ボールグリップ42の空洞33内部に係合しているグリッパーアームの回転が生じるよう、槽43’に加圧された流体を供給することによって作動されることが可能である。
【0021】
中空のボールグリップ41とともにそれに関連する物品または本体42を解放するためには、槽43’から加圧流体を取り除くだけでよい。外側の柔軟リング47がグリッパー手段を待機状態の開始位置に戻す間、リターンスプリング48はここでピストンを押し返す。
【符号の説明】
【0022】
10把持装置
11ボールグリップ
12本体
13レッグ
14ヘッド
15溝
16支持スリーブ
17接続具
18シール
19開口部
20スロット
21グリッパー手段
22制御ピストン
23中間空間
23’誘導槽
24グリッパーアーム
24’ピン
25グリッパーノーズ
26伸張部または付属部
27スプリング
28空洞
30把持装置
31ボールグリップ
32物品または本体
33溝
36支持スリーブ
37接合部
38シール
39開口部
40スロット
41グリッパー手段
42ピストン
42’円錐形部分
43中間空間
43’槽
44グリッパーアーム
44’ピン
45グリッパーノーズ
46伸張部または付属部
47柔軟リング
48穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持できる部分が備わる、物品または本体を把持しかつ取り扱う空気圧制御式把持装置において、マニピュレーターおよび通常空気である加圧された流体源に接続するための少なくとも一つの近位接続手段、および遠位開口部のある、支持スリーブから構成され、前記スリーブ(16、46)は、前記遠位開口部に近接する内部の中間空間(23、43)、および加圧された流体源に接続される誘導槽(23’、43’)を形成することを特徴とし、および前記中間空間は、グリッパー手段(21、41)が遠位開口部に面して取り付けられかつ前記把持できる部分と係合するよう設計され、および前記誘導槽は、制御ピストン(22、42)が前記槽に供給される加圧された流体によって前記グリッパー手段の作動または停止に対応する第一位置、および少なくとも一つの柔軟性反応要素(27、47)によって前記グリッパー手段の作動または停止に対応する第二位置に、可動に格納されることを特徴とする把持装置。
【請求項2】
把持できる部分(11)は、同じように円錐であるヘッドを占める円錐シャンクを、それらの間に円形の周辺溝(15)を形成するよう有し、前記グリッパー手段(21)は、グリッパー手段が作動位置のとき前記把持できる部分の周辺溝に外側から係合するよう配置されることを特徴とする、請求項1に記載の把持装置。
【請求項3】
前記グリッパー手段(21)は、それぞれが対するピン上を振動させる二つの補助的なグリッパーアーム(24)から構成され、グリッパーアームはそれぞれ、片側に、もう一方のアームに相対しかつ支持スリーブの遠位開口部に近接する末端グリッパーノーズ(25)を、および反対側に、制御ピストン(22)に向かいかつ接触する伸長部または付属部(26)を有することを特徴とする、請求項2に記載の把持装置。
【請求項4】
弾性反応要素は、前記末端グリッパーノーズ(25)を通常作動グリップ位置に互いに近づけるよう保持し、および制御ピストン(22)を近位接続手段に向かって撤回される位置に動かすための、グリッパーアーム(24)の間に設置されるスプリング(27)であることを特徴とし、および前記ピストン(22)は、グリッパー手段の切断が引き起こされるよう、グリッパーアームの伸張部または付属部に向かって加圧された流体によって動かされる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の把持装置。
【請求項5】
把持できる部分(31)は前方グリッパー空洞(33)が備わり、前記グリッパー手段(41)は、グリッパー手段が作動位置のとき、把持できる部分の前記前方空洞の内部に接続するよう配置されることを特徴とする、請求項1に記載の把持装置。
【請求項6】
前記グリッパー手段(41)は、組み立てられて一般のピンが差し込んである二つの交差するグリッパーアーム(44)から構成されることを特徴とし、グリッパーアームはそれぞれ、片側に、支持スリーブ(36)の遠位開口部に近接する末端グリッパーノーズ(45)が、およびもう一方に、伸張部または付属部(46)を有し、相対する伸張部または付属部が制御ピストン(42)に向かって接するのに対し、前記グリッパーノーズ(45)は外側に向かって反対の方向に面する、請求項5に記載の把持装置。
【請求項7】
弾性リング(47)は支持スリーブ(36)周辺に位置し、および末端グリッパーノーズ(45)を互いに近づけて待機グリッパー位置に保持されるよう、および前記グリッパーアームの伸張部または付属部(46)がピストン(42)に接して保持されるよう、グリッパーアーム(44)と係合することを特徴とし、およびピストン(42)は、ピストンが加圧された流体によって一方向に動かされるとき、グリッパーアームの回転とグリッパー手段の作動が生じるよう、およびピストンが関連するリターンスプリング(49)によって反対の方向に動かされるとき、グリッパー手段の停止が生じるよう、前記伸張部または付属部に接する円錐部分(42’)を有する、請求項5および6に記載の装置。
【請求項8】
グリッパーアーム(24、44)は、支持スリーブ(16、36)の相対する側に提供される縦長の切り込みまたは穴(20、40)と一致することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の把持装置。
【請求項9】
近位接続手段はマニピュレーターに固定される部分に合う接合部、およびピストンの誘導槽へ加圧された流体を供給する少なくとも一つの穴から成る、請求項1〜8のいずれか一項に記載の把持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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