説明

空気清浄機

【課題】一般家庭や車載等で使用される空気清浄機において、車載時にはエンジン始動後に前回の運転状態を再現し、家庭での商用電源使用時には運転スイッチを押した場合に運転を開始することを目的とする。
【解決手段】イオンを発生するイオン発生装置4と、空気を通風させる送風手段5と、電圧検出回路10とを有しイオン発生装置4と送風手段5を制御する制御装置3を備えた構成にしたことにより、車載時には運転状態を再現し、商用電源使用時には運転スイッチを押した場合に運転を開始することができる空気清浄機を得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気浄化作用のあるイオンを発生する機能を搭載した空気清浄機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車載用機器として、電源の状態を判定し、当該電源の安定時にのみ不揮発性メモリへのアクセスを許可するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下、その車載用機器について図11を参照しながら説明する。
【0004】
図11において、電子制御装置101は、外部電源接続端子102と、電源回路103と、マイクロコンピュータ104と、不揮発性メモリとしてのEEPROM105と、このEEPROM105の電源をON/OFFする制御スイッチ106と、前記外部電源接続端子102に印加された電圧を検出する電圧検出回路107を備える。外部電源接続端子102の+端子には、イグニッションキースイッチ等のメインスイッチ108を介して車載バッテリー109が接続されている。
【0005】
上記構成において、メインスイッチ108のONに従い外部電源接続端子102を介して電源回路103の+端子にバッテリー電源が取り込まれる。
【0006】
電源回路103は、前記取り込んだバッテリー電源から所定の定電圧Vcc(例えば5V)を生成し、マイクロコンピュータ104等に供給している。
【0007】
マイクロコンピュータ104は、EEPROM105のデータ読み出し及びデータ書き込みを行う信号線により接続され、図示しないエンジンの燃料噴射制御や点火時期制御等を実施する。
【0008】
また、EEPROM105には制御スイッチ106を介して電源回路103に接続されている。この制御スイッチ106はマイクロコンピュータ104によりON/OFF制御される。
【0009】
マイクロコンピュータ104は電圧検出回路107によりバッテリー電源の電圧が規定値以上(例えば12V以上)で安定している場合のみ制御スイッチ106をONしてEEPROM105に電源を供給し、データ読み出し及びデータ書き込みを行い、それ以外は制御スイッチ106をOFFしてEEPROM105への電源供給を遮断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2001−202294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このような従来の車載用機器では、メインスイッチがONして電源が安定している間、もしくはエンジンが始動後の電源が安定している間は負荷を動作し続けるというものであった。
【0012】
このような従来の車載機器にならって、空気清浄機を車載にした場合にはメインスイッチのONによって空気清浄機に電源が供給されて運転を開始してしまうことになる。
【0013】
空気清浄機の場合には、他の車載機器に比べて使用開始の緊急度よりも省エネルギー性と清音性が重視されることからメインスイッチのONで運転を開始することは不要であった。すなわち、メインスイッチのONで運転をしてしまうという課題を有していた。
【0014】
そこで本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、車載時にはエンジン始動後のみ、前回の運転状態を再現し、家庭での商用電源使用時には電源が印加されても運転スイッチを押した場合にのみ運転を開始する可搬タイプの空気清浄機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
そして、この目的を達成するために、本発明の空気清浄機は、イオンを発生するイオン発生装置と、前記イオン発生装置が内装され空気を通風させる送風手段と、前記イオン発生装置から発生するイオンを前記送風手段からの風により吹き出す吹出口と、前記発生装置を制御するとともに前記送風手段を制御する制御装置と、前記制御装置へ直流電源を供給する外部電源接続端子を備え、前記制御装置は外部電源接続端子に印加され電圧を検出する電源電圧検出手段と運転のON/OFFを切り換える運転スイッチを有し、前記制御装置は外部電源から電源供給が開始された際、その電圧が第一の電圧を上回る場合には前記運転スイッチが押されるまで運転停止状態を継続し、電源供給が開始された際、その電圧が前記第一の電圧よりも低い第二の電圧以下の場合には、電圧が一旦降下した後、上昇して安定した時に動作を自動的に開始させるという構成を有する。これにより、車載時にはエンジン始動後のみ、前回の運転状態を再現し、家庭での商用電源使用時には電源が印加されても運転スイッチを押した場合にのみ運転を開始する可搬タイプの空気清浄機を提供することという所期の目的を達成できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、イオンを発生するイオン発生装置と、前記イオン発生装置が内装され空気を通風させる送風手段と、前記イオン発生装置から発生するイオンを前記送風手段からの風により吹き出す吹出口と、前記発生装置を制御するとともに前記送風手段を制御する制御装置と、前記制御装置へ直流電源を供給する外部電源接続端子を備え、前記制御装置は外部電源接続端子に印加され電圧を検出する電源電圧検出手段と運転のON/OFFを切り換える運転スイッチを有し、前記制御装置は外部電源から電源供給が開始された際、その電圧が第一の電圧を上回る場合には前記運転スイッチが押されるまで運転停止状態を継続し、電源供給が開始された際、その電圧が前記第一の電圧よりも低い第二の電圧以下の場合には、電圧が一旦降下した後、上昇して安定した時に動作を自動的に開始させるという構成にしたことにより、車載時にはエンジン始動後のみ、前回の運転状態を再現し、家庭での商用電源使用時には電源が印加されても運転スイッチを押した場合にのみ運転を開始できるという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態1の商用電源使用時の回路ブロック図
【図2】本発明の実施の形態1の車載時の回路ブロック図
【図3】本発明の実施の形態1の商用電源使用時のタイミングチャート
【図4】本発明の実施の形態1の車載時のタイミングチャート
【図5】本発明の実施の形態2の車載時の回路ブロック図
【図6】本発明の実施の形態2の商用電源使用時の回路ブロック図
【図7】本発明の実施の形態5におけるタイミングチャート
【図8】本発明の実施の形態6におけるタイミングチャート
【図9】本発明の実施の形態7におけるタイミングチャート
【図10】本発明の実施の形態8におけるタイミングチャート
【図11】従来の空気清浄機の回路ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の請求項1記載の発明は、イオンを発生するイオン発生装置と、前記イオン発生装置が内装され空気を通風させる送風手段と、前記イオン発生装置から発生するイオンを前記送風手段からの風により吹き出す吹出口と、前記発生装置を制御するとともに前記送風手段を制御する制御装置と、前記制御装置へ直流電源を供給する外部電源接続端子を備え、前記制御装置は外部電源接続端子に印加され電圧を検出する電源電圧検出手段と運転のON/OFFを切り換える運転スイッチを有し、前記制御装置は外部電源から電源供給が開始された際、その電圧が第一の電圧を上回る場合には前記運転スイッチが押されるまで運転停止状態を継続し、電源供給が開始された際、その電圧が前記第一の電圧よりも低い第二の電圧以下の場合には、電圧が一旦降下した後、上昇して安定した時に動作を自動的に開始させるという構成を有する。これにより、電源供給が開始された際、その電圧が第二の電圧以下の場合には、電圧が一旦降下した後、上昇して安定した時に動作を自動的に開始させることで、車載時、バッテリーの消耗と空気清浄機の送風音を防止するとともに、エンジンの始動後はスイッチ操作なしに運転を開始することによりスイッチ操作の手間を省くことができ、また、第一の電圧を上回る場合には前記運転スイッチが押されるまで運転停止状態を継続することで商用電源使用時には、ACプラグを差し込んだ途端、突然運転を開始することを防止できるという効果を奏する。
【0019】
また、前記制御装置は電源が遮断される前の状態を記憶する不揮発性メモリを有し、電源供給が開始された際、その電圧が第二の電圧以下の場合には、電圧が一旦降下した後、上昇して安定した時に、前記不揮発性メモリに記憶された状態で動作開始するという構成を有する。これにより、車載時、運転開始後に風量等の設定を行うためのスイッチ操作の手間を省くことができるという効果を奏する。
【0020】
また、前記制御装置は電圧が第二の電圧以下で安定している場合でも運転スイッチが押された場合には運転を開始するという構成を有する。これにより、エンジンが停止状態でも車内の集塵や脱臭を行うことができるという効果を奏する。
【0021】
また、前記制御装置は電圧が第二の電圧以下で安定している場合でも運転スイッチが押された場合には一定時間のみ運転するという構成を有する。これにより、エンジンが停止状態でも車内の集塵や脱臭を行うことができ、かつバッテリーの消耗を防止することができるという効果を奏する。
【0022】
また、前記制御装置は運転を開始後、電源の電圧が降下して安定した場合には消費電力が最小となる運転状態に切り換えるという構成を有する。これにより、車載時エンジン停止後も車内の集塵や脱臭を行うことができ、かつバッテリーの消耗を最小限に抑えることができるという効果を奏する。
【0023】
また、前記制御装置は運転を開始後、電源の電圧が降下して安定した場合には風量が最小となる運転状態に切り換えるという構成を有する。これにより、車載時エンジン停止後も発生する騒音を最小限に抑え車内の集塵や脱臭を行うことができるという効果を奏する。
【0024】
また、制御装置は電源が遮断される前の状態を記憶する不揮発性メモリを有し、前記制御装置は外部電源から電源供給が開始された際、第二の電圧以下で安定した場合には消費電力が最小となる運転状態で動作開始し、その後、電圧が一旦降下した後、上昇して安定した時には前記不揮発性メモリに記憶された状態に運転状態を変更するという構成を有する。これにより、エンジンが停止後でも車内の集塵や脱臭を行うことができ、バッテリーの消耗を最小限にすることができるという効果を奏する。
【0025】
また、制御装置は電源が遮断される前の状態を記憶する不揮発性メモリを有し、前記制御装置は外部電源から電源供給が開始された際、第二の電圧以下で安定した場合には風量が最小となる運転状態で動作開始し、その後、電圧が一旦降下した後、上昇して安定した時には前記不揮発性メモリに記憶された状態に運転状態を変更するという構成を有する。これにより、エンジンが停止後でも騒音を最小限に抑えた状態で車内の集塵や脱臭を行うことができるという効果を奏する。
【0026】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0027】
(実施の形態1)
図1に示すように、空気清浄機本体1には外部電源接続端子2と制御装置3とイオン発生装置4と送風手段5が内蔵されており、前記イオン発生装置4から発生するイオンは前記送風手段5からの風により吹出口(図示せず)から吹き出すようになっている。
【0028】
前記制御装置3は、前記外部電源接続端子2に接続された電源回路6と、マイクロコンピュータ7を有し、前記イオン発生装置4と前記送風手段5をそれぞれトランジスタ8、9を介して電源を通電制御している。
【0029】
また、前記マイクロコンピュータ7には、前記外部電源接続端子2から電源電圧検出手段である電圧検出回路10と、運転スイッチ11が接続されている。
【0030】
家庭等での商用電源での使用時にはACプラグ12を有したACアダプタ13の出力が外部電源接続端子2に接続される。
【0031】
また、図2に示すように車載時には外部電源接続端子2には接続コード(図示せず)によりアクセサリーソケット(図示せず)からメインスイッチ14を介して車載バッテリー15に接続される。
【0032】
上記構成において、家庭用での使用時には、ACプラグ12がコンセント(図示せず)に差し込まれるとACアダプタ13から電源が外部電源接続端子2に供給される。第一の電圧は、車載バッテリー15の公称電圧である12Vより高い14V程度に設定され、前記ACアダプタ13の出力電圧はこの第一の電圧を超える電圧(例えは14.5V)を出力するように設計されている。
【0033】
電源回路6は、外部電源接続端子2に接続されたACアダプタ13の電源から所定の定電圧Vcc(例えば5V)を生成し、マイクロコンピュータ7等に供給する。
【0034】
マイクロコンピュータ7は電源が供給されると、電圧検出回路10を介して外部電源接続端子2に印加されている電圧のモニターを開始する。
【0035】
図3に示すように、この時の電圧は第一の電圧を超えているので、イオン発生装置4と送風手段5には通電せず、以降、運転停止状態を継続する。
【0036】
運転停止状態において、運転スイッチ11が押されると、マイクロコンピュータ7はトランジスタ8、9をONしイオン発生装置4と送風手段5に電源を供給することにより、空気清浄機の運転を開始する。
【0037】
一方、車載時にメインスイッチ14がONされると車載バッテリー15から外部電源接続端子2を介して電源回路6に電源が供給され、電源回路6からマイクロコンピュータ7に電源が供給されると、マイクロコンピュータ7は電圧検出回路10を介して外部電源接続端子2に印加されている電圧のモニターを開始する。
【0038】
図4に示すように、第二の電圧は車載バッテリー15の公称電圧である12Vよりも若干高め電圧であって前記第一の電圧よりも低い電圧の13V程度に設定され、マイクロコンピュータ7は印加されている電圧がこの第二の電圧以下である時には、マイクロコンピュータ7はイオン発生装置4と送風手段5には通電をしない。
【0039】
車のセルモータ(図示せず)が作動すると電圧は約6〜8V程度まで一旦降下し、エンジンが始動すると電圧は再度上昇して安定する。
【0040】
マイクロコンピュータ7はこのように電圧が一旦降下し、再度上昇し安定した後に、トランジスタ8、9をONしイオン発生装置4と送風手段5に電源を供給することにより、空気清浄機の運転を開始する。
【0041】
以上のように、第二の電圧の設定と電圧の下降と上昇の検出により運転を開始する構成を備えたことにより、車載時においてはエンジンが始動するまでは、運転しないようにすることができバッテリーの消耗と空気清浄機の送風音を防止するとともに、エンジンの始動後にスイッチ操作なしに運転を開始することによりスイッチ操作の手間を省くことができる。
【0042】
また、第一の電圧の設定により家庭等での商用電源使用時には、一般的な空気清浄機と同様、一旦ACプラグを抜いた後、再度ACプラグをコンセントに差し込んでも、運転スイッチを押すまで運転を開始しないため、ACプラグを差し込んだ途端、突然運転を開始することを防止できる。
【0043】
(実施の形態2)
図5、図6は、本実施の形態2における回路構成図を示す。図5、図6において図2と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0044】
図5において、不揮発性メモリとしてのEEPROM16はマイクロコンピュータ7に信号線により接続されている。
【0045】
上記構成において、車載バッテリー15から電源が供給されエンジン始動後、電圧が安定した時にマイクロコンピュータ7はEEPROM16から記憶している運転状態を読出し、トランジスタ8、9をONしイオン発生装置4と送風手段5に電源を供給することにより、空気清浄機の運転を開始する。
【0046】
この状態で、運転スイッチ11が押され、風量等が変更された場合には、マイクロコンピュータ7は風量変更手段(図示せず)等を介して風量を変更するとともに、EEPROM16に変更された運転状態を書き込むことにより、運転状態を記憶する。
【0047】
一方、家庭等の商用電源からACアダプタ13を介して電源が供給された時には、マイクロコンピュータ7はEEPROM16から記憶している運転状態を読出し、運転スイッチ11が押された場合に、読み出した運転状態で空気清浄機の運転を開始する。
【0048】
以上のように、EEPROM16に運転状態を記憶することにより、以前の設定状態で運転を開始できるので、運転開始後に風量等の設定を行うためのスイッチ操作の手間を省くことができる。
【0049】
(実施の形態3)
図2、図4、図5において、車載にて使用時、メインスイッチ14がONされ車載バッテリー15から外部電源接続端子2を介して電源が供給されると、この電圧は第二の電圧以下で安定する。エンジンを始動しないメインスイッチ14をONしただけのこの状態ではマイクロコンピュータ7はイオン発生装置4と送風手段5には電源を供給せず、空気清浄機は停止状態を継続する。
【0050】
停止状態において、運転スイッチ11が押されると、マイクロコンピュータ7に信号が入力され、マイクロコンピュータはイオン発生装置4と送風手段5に電源を供給し、空気清浄機の運転を開始する。
【0051】
以上のように、エンジンが始動していない状態では、通常バッテリーの消耗を防止するために空気清浄機の運転を停止させているが、運転スイッチを押すことにより、エンジンが停止状態でも車内の集塵や脱臭を行うことができる。
【0052】
(実施の形態4)
図2、図4、図5において、車載にて使用時、メインスイッチ14がONされ車載バッテリー15から外部電源接続端子2を介して電源が供給されると、この電圧は第二の電圧以下で安定する。エンジンを始動しないメインスイッチ14をONしただけのこの状態ではマイクロコンピュータ7はイオン発生装置4と送風手段5には電源を供給せず、空気清浄機は停止状態を継続する。
【0053】
停止状態において、運転スイッチ11が押されると、マイクロコンピュータ7に信号が入力され、マイクロコンピュータ7はイオン発生装置4と送風手段5に電源を供給し、空気清浄機の運転を開始する。運転開始後、一定時間(例えば、車内の空気が一巡し、ある程度の集塵・脱臭が終了する時間)経過した時に、マイクロコンピュータ7はイオン発生装置4と送風手段5への電源供給を停止し、空気清浄機の運転を止める。
【0054】
以上のように、エンジンが始動していない状態でも、運転スイッチを押すことにより、エンジンが停止状態でも車内の集塵や脱臭を行うことができ、一定時間経過後に自動的に停止させることにより、バッテリーの消耗を防止することができる。
【0055】
(実施の形態5)
図2、図7において、車載時エンジン始動後、マイクロコンピュータ7はイオン発生装置4と送風手段5に電源を供給し、空気清浄機の運転を行う。エンジン動作時には車載発電機により発電されるので、外部電源接続端子2を介して印加される電圧は車載バッテリー15の電圧よりも若干高くなっている。
【0056】
この状態でエンジンが停止すると車載発電機も停止するため、外部電源接続端子2を介して印加される電圧は降下して安定する。マイクロコンピュータ7はこの電圧の降下と安定を検出して、イオン発生装置4のイオン発生量を最小にするとともに、送風手段5の送風量を最小にすることで消費電力が最小となる運転状態に切り換える。
【0057】
以上のように、車載時エンジン停止後には、空気清浄機の消費電力が最小になるようにすることにより、バッテリーの消耗を最小限に抑えることができる。
【0058】
(実施の形態6)
図2、図8において、車載時エンジン始動後、マイクロコンピュータ7はイオン発生装置4と送風手段5に電源を供給し、空気清浄機の運転を行う。エンジン動作時には車載発電機により発電されるので、外部電源接続端子2を介して印加される電圧は車載バッテリー15の電圧よりも若干高くなっている。
【0059】
この状態でエンジンが停止すると車載発電機も停止するため、外部電源接続端子2を介して印加される電圧は降下して安定する。マイクロコンピュータ7はこの電圧の降下と安定を検出して、送風手段5の送風量が最小となる運転状態に切り換える。
【0060】
以上のように、車載時エンジン停止後には、空気清浄機の送風量が最小になるようにすることにより、空気清浄機から発生する騒音を最小限に抑えることができる。
【0061】
(実施の形態7)
図2、図9において、車載にて使用時、メインスイッチ14がONされ車載バッテリー15から外部電源接続端子2を介して電源が供給されると、この電圧は第二の電圧以下で安定する。エンジンを始動しないメインスイッチ14をONしただけのこの状態で、マイクロコンピュータ7はイオン発生装置4のイオン発生量を最小、送風手段5の送風量を最小として空気清浄機の運転を開始する。
【0062】
その後、エンジンが始動し、電圧が安定した時にマイクロコンピュータ7はEEPROM16から記憶している運転状態を読出し、その状態にイオン発生装置4と送風手段5を制御することにより、記憶していた運転状態に変更する。
【0063】
以上のように、エンジンが始動していない状態でも、最小の消費電力で空気清浄機を自動的に動作開始させることにより、エンジンが停止状態でも車内の集塵や脱臭を行うことができ、バッテリーの消耗を最小限にすることができる。
【0064】
(実施の形態8)
図2、図10において、車載にて使用時、メインスイッチ14がONされ車載バッテリー15から外部電源接続端子2を介して電源が供給されると、この電圧は第二の電圧以下で安定する。エンジンを始動しないメインスイッチ14をONしただけのこの状態で、マイクロコンピュータ7は送風手段5の送風量を最小として空気清浄機の運転を開始する。
【0065】
その後、エンジンが始動し、電圧が安定した時にマイクロコンピュータ7はEEPROM16から記憶している運転状態を読出し、その状態にイオン発生装置4と送風手段5を制御することにより、記憶していた運転状態に変更する。
【0066】
以上のように、エンジンが始動していない状態でも、最小の風量で空気清浄機を自動的に動作開始させることにより、エンジンが停止状態でも騒音を最小限に抑えた状態で車内の集塵や脱臭を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明にかかる空気清浄機は、商用交流電源でも車載バッテリーでも運転を可能としたものであるので、一般家庭や車載用のほか事務所、店舗等でも有用である。
【符号の説明】
【0068】
3 制御装置
2 外部電源接続端子
4 イオン発生装置
5 送風手段
10 電圧検出回路
11 運転スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオンを発生するイオン発生装置と、前記イオン発生装置が内装され空気を通風させる送風手段と、前記イオン発生装置から発生するイオンを前記送風手段からの風により吹き出す吹出口と、前記発生装置を制御するとともに前記送風手段を制御する制御装置と、前記制御装置へ直流電源を供給する外部電源接続端子を備え、前記制御装置は外部電源接続端子に印加され電圧を検出する電源電圧検出手段と運転のON/OFFを切り換える運転スイッチを有し、前記制御装置は外部電源から電源供給が開始された際、その電圧が第一の電圧を上回る場合には前記運転スイッチが押されるまで運転停止状態を継続し、電源供給が開始された際、その電圧が前記第一の電圧よりも低い第二の電圧以下の場合には、電圧が一旦降下した後、上昇して安定した時に動作を自動的に開始させる空気清浄機。
【請求項2】
前記制御装置は電源が遮断される前の状態を記憶する不揮発性メモリを有し、電源供給が開始された際、その電圧が第二の電圧以下の場合には、電圧が一旦降下した後、上昇して安定した時に、前記不揮発性メモリに記憶された状態で動作開始するようにした請求項1記載の空気清浄機。
【請求項3】
前記制御装置は電圧が第二の電圧以下で安定している場合でも運転スイッチが押された場合には運転を開始するようにした請求項1もしくは請求項2記載の空気清浄機。
【請求項4】
前記制御装置は電圧が第二の電圧以下で安定している場合でも運転スイッチが押された場合には一定時間のみ運転するようにした請求項1もしくは請求項2記載の空気清浄機。
【請求項5】
前記制御装置は運転を開始後、電源の電圧が降下して安定した場合には消費電力が最小となる運転状態に切り換えるようにした請求項1〜2記載の空気清浄機。
【請求項6】
前記制御装置は運転を開始後、電源の電圧が降下して安定した場合には風量が最小となる運転状態に切り換えるようにした請求項1〜2記載の空気清浄機。
【請求項7】
制御装置は電源が遮断される前の状態を記憶する不揮発性メモリを有し、前記制御装置は外部電源から電源供給が開始された際、第二の電圧以下で安定した場合には消費電力が最小となる運転状態で動作開始し、その後、電圧が一旦降下した後、上昇して安定した時には前記不揮発性メモリに記憶された状態に運転状態を変更することを特徴とする空気清浄機。
【請求項8】
制御装置は電源が遮断される前の状態を記憶する不揮発性メモリを有し、前記制御装置は外部電源から電源供給が開始された際、第二の電圧以下で安定した場合には風量が最小となる運転状態で動作開始し、その後、電圧が一旦降下した後、上昇して安定した時には前記不揮発性メモリに記憶された状態に運転状態を変更することを特徴とする空気清浄機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−81503(P2013−81503A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221618(P2011−221618)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】