説明

空気調和機

【課題】磁束量を数段階に可変可能な永久磁石電動機を用いて、断続運転することなく、高効率、且つ、高能力な運転が可能な空気調和機を提供する。
【解決手段】空気調和機100は、磁束量を可変可能な永久磁石電動機16を有する密閉型圧縮機1と、室内熱交換器3と、膨張装置4と、室外熱交換器5と、室温検出器7と、外気温検出器8と、制御部9と、を備え、制御部9により、空気調和機100の運転において、空調負荷が大きいと判断されたときに、永久磁石電動機16の磁束量を小さくする構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、磁束量を可変可能な永久磁石電動機を有する密閉型圧縮機を用いた空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機は、密閉型圧縮機に永久磁石電動機を用いるものが知られている。この永久磁石電動機は、巻線を有する固定子および永久磁石を有する回転子からなる。回転子は、円形の多数枚の鋼板を積層してなるコアの中心部に回転軸の挿通孔を有し、この挿通孔を囲む位置に複数の直線状の磁石収容孔を有する。これら磁石収容孔は、回転軸の軸方向に沿ってコアを貫通する深さ形状を持ち、それぞれ永久磁石を収容している。これら永久磁石の磁界と固定子の巻線が発する磁界との相互作用により、回転子に回転力が生じる。
【0003】
このような永久磁石電動機の例として、回転軸の軸方向に沿って配列された複数のコアからなる回転子を用い、この回転子の一方のコアに低保磁力の永久磁石を収容し、他方のコアに高保磁力の永久磁石を収容し、固定子の各相巻線に着磁用または減磁用の励磁電流を流すことで、低保磁力の永久磁石の磁力を変化させるものがある(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−304204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した永久磁石電動機を用いた空気調和機では次のような問題があった。即ち、上述した永久磁石電動機では、着磁用または減磁用の励磁電流を各相巻線に供給することで低保磁力の永久磁石の磁力を変化させることができる。
【0006】
このような永久磁石電動機は、その停止時において、磁束量を数段階、例えば二段に可変できる。このため、空気調和機は、空調負荷に応じて一度密閉型圧縮機を停止させ、永久磁石電動機の磁束量を可変させて磁束量を最適な磁束量に変えることで、効率のよい周波数で、密閉型圧縮機を駆動可能となる。
【0007】
しかし、磁束量を変更させるために密閉型圧縮機を停止させると、断続運転による室温変動により、快適性の悪化や電力のロスという問題もある。また、暖房の立ち上がりに時間を要するという問題がある。
【0008】
そこで本発明は、磁束量を数段階に可変可能な永久磁石電動機を用いて、高効率な運転が可能な空気調和機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の空気調和機は、次のように構成されている。
【0010】
本発明の一態様として、磁束量を少なくとも2段階に可変可能な永久磁石電動機を有する密閉型圧縮機を具備する空気調和機において、前記密閉型圧縮機の運転前に空調負荷を予測する予測手段と、前記密閉型圧縮機を運転するとともに、前記予測手段により予測された空調負荷に基づいて前記磁束量を可変する制御部と、を備え、前記制御部は、前記予測手段により前記空調負荷が大と予測されたときに前記永久磁石電動機の磁束量を小に設定して、前記密閉型圧縮機を運転することを特徴とする空気調和機が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、磁束量を数段階に可変可能な永久磁石電動機を用いて、高効率、且つ、高能力な運転が可能な空気調和機を提供することができる。また、空気調和機は、その運転モードを予め予測し、この予測した運転モードで効率の良い周波数となる磁束量とすることで、立ち上がり運転を高効率、且つ、高能力で行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態に係る空気調和機の構成を模式的に示す説明図。
【図2】同空気調和機に用いられる永久磁石電動機の第1コア及び第2コアの構成を示す斜視図。
【図3】同空気調和機の運転における密閉型圧縮機の運転周波数と時間との関係の一例を示す説明図。
【図4】同空気調和機の運転における密閉型圧縮機の運転周波数と時間との関係の一例を示す説明図。
【図5】同空気調和機の運転の一例を示す流れ図。
【図6】同空気調和機の運転モードの予測の一例を示す流れ図。
【図7】同空気調和機の運転モードの予測の一例を示す流れ図。
【図8】同空気調和機の運転モードの予測の一例を示す流れ図。
【図9】同空気調和機の運転における密閉型圧縮機の運転周波数と時間との関係の変形例を示す説明図。
【図10】同空気調和機の運転モードの変形例を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る空気調和機の室内機について詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る空気調和機100の構成、及び、この空気調和機100に設けられた密閉型圧縮機1の構成を断面で示す説明図、図2は同密閉型圧縮機1に用いられる永久磁石電動機16の第1コア23a及び第2コア23bの構成を示す斜視図、図3は同空気調和機100の暖房運転及び除霜運転における密閉型圧縮機1の運転周波数と経過時間との関係の一例を示す説明図、図4は同空気調和機100の暖房運転及びサーモオフ運転における密閉型圧縮機1の運転周波数と経過時間との関係の一例を示す説明図、図5は同空気調和機100の運転の一例を示す流れ図、図6は同空気調和機100の運転モードの予測の一例を示す流れ図、図7は同空気調和機100の運転モードの予測の一例を示す流れ図、図8は同空気調和機100の運転モードの予測の一例を示す流れ図をそれぞれ示している。なお、図1中、Fは暖房運転時の冷媒の流れを、Gは冷房運転時の冷媒の流れを、Sは信号線を、それぞれ示している。
【0014】
図1に示すように、空気調和機100は、密閉型圧縮機1と、四方弁2と、室内熱交換器3と、膨張装置4と、室外熱交換器5と、アキュムレータ6と、を備えている。空気調和機100は、密閉型圧縮機1から吐出された冷媒が四方弁2を介して室内熱交換器3、膨張装置4及び室外熱交換器5を順次、又は、逆方向に順次移動するとともに、四方弁2及びアキュムレータ6を介して密閉型圧縮機1へ移動可能に形成されている。
【0015】
空気調和機100は、密閉型圧縮機1とアキュムレータ6とが接続されるとともに、この密閉型圧縮機1とアキュムレータ6とが、四方弁2に接続されている。また、空気調和機100は、室内熱交換器3、膨張装置4及び室外熱交換器5が順次接続され、四方弁2に接続されている。
【0016】
空気調和機100は、四方弁2を切り換えることにより、図1に示す実線及び破線の矢印F、Gに示すように、密閉型圧縮機1から吐出された冷媒の流れ方向を可変可能に形成されている。また、空気調和機100は、室温検出器7と、外気温検出器8と、制御部9と、を備えている。
【0017】
密閉型圧縮機1は、金属製の密閉容器10を有している。この密閉容器10の下部に2つの吸込口11a、11bが取付けられ、上部に1本の吐出管12が取付けられている。この吐出管12に高圧側配管を介して四方弁2が接続されている。なお、四方弁2に接続されたアキュムレータ6が、2本の吸込管13a,13bを介して上記吸込口11a,11bに接続される。
【0018】
密閉容器10の内部には、永久磁石電動機16および圧縮機構部17が上下に分かれて収容されている。永久磁石電動機16は、密閉容器10の内周面に接するように設けられ、電力供給部21に接続された筒状の固定子22、この固定子22の内側に回転可能に設けられた回転子23を有している。この回転子23の中心部に回転軸24が挿通され、その回転軸24の下方が圧縮機構部17に結合されている。
【0019】
圧縮機構部17は、上記吸込口11a,11bにそれぞれ連通する2つの圧縮室26a、26b、及び、これら圧縮室26a、26b内で回転軸24の回動を受けて偏心回転するローラ27a,27bを備えている。圧縮機構部17は、これらローラ27a,27bの偏心回転により圧縮室26a,26b内の冷媒を圧縮して密閉容器10内に吐出可能に形成されている。なお、吐出された冷媒は、吐出管12に接続された四方弁2を介して、室内熱交換器3又は室外熱交換器5の一方に流れる。
【0020】
永久磁石電動機16の回転子23は、図2に示すように、円形の多数枚の鋼板を積層してなる第1コア23aと、第1コア23aと同様に円形の多数枚の鋼板を積層してなる第2コア23bと、を備えている。なお、これら第1コア23a及び第2コア23bは、回転軸24の軸方向に沿って配列してなる。
【0021】
第1コア23aおよび第2コア23bは、図2に示すように、中心部に回転軸24を挿通孔可能に形成されている。また、第1コア23a及び第2コア23bは、回転軸24を囲む略正方形の四辺の位置にそれぞれ直線状、且つ、回転軸24に沿って第1、第2コア23a,23bを貫通する磁石収容孔をそれぞれ有している。
【0022】
第1コア23aの4つの磁石収容孔に、板状で低保磁力の4極(=4個)の第1永久磁石28がそれぞれ収容される。これら第1永久磁石28は、磁石収容孔の四辺方向の幅よりも小さい幅を有し、その中央位置が磁石収容孔の中央位置に対応する状態に収容および固定される。
【0023】
第2コア23bの4つの磁石収容孔に、板状で高保磁力の4極の第2永久磁石29がそれぞれ収容される。これら第2永久磁石29は、磁石収容孔の細長方向の幅とほぼ同じ幅を有している。即ち、第1永久磁石28の幅は、第2永久磁石29の幅より小さく形成されている。
【0024】
また、固定子22の内周面には複数の磁極歯が形成され、これら磁極歯に3つの相巻線が集中巻き装着される。これら相巻線が発する磁界と各永久磁石28,29が発する磁界との相互作用により、回転子23が回転する。
【0025】
なお、相巻線は中性点で星形結線されており、その相巻線の非結線端に駆動装置が接続される。この駆動装置は、商用交流電源の交流電圧を直流電圧に変換する順変換部、この順変換部の出力端に接続されたスイッチング回路、スイッチング回路のスイッチングを制御する制御部、スイッチング回路と相巻線との間の各通電線に接続された2相通電位置検出部、スイッチング回路と相巻線との間の2つの通電線に設けられた電流センサ、電流センサに接続されたセンサレスベクトル制御部等で構成される。
【0026】
このような構成の永久磁石電動機16において、回転子23の第1コア23aに収容されている低保磁力の各第1永久磁石28は、相巻線に励磁電圧を印加して相巻線に励磁電流を供給することにより、着磁または減磁して磁力を変化させることができる。
【0027】
このとき、回転子23の第2コア23bに収容されている高保磁力の各第2永久磁石29は、保磁力が高いことから、相巻線に励磁電流が供給されても磁力が変化することはない。つまり、第1コア23aが磁束量可変となり、第2コア23bが磁束量非可変となる。
【0028】
なお、例えば、この磁束量の可変幅は数段、例えば、2段階に可変可能に形成されている。なお、永久磁石電動機16の他の構成の詳細は省略する。また、このような磁束量の可変は、永久磁石電動機16の駆動を停止しているときに、制御部9からの指示により行われる。
【0029】
以下、2段階に可変した磁束量は、大小で示す。なお、可変した磁束量が大の場合には、永久磁石電動機16の低回転側で効率が高い。なお、磁束量が大の場合には、回転数の増加割合に対する永久磁石電動機16の逆起電力の増加割合が高いため、所定の駆動電圧範囲では、回転数を高くできない。
【0030】
また、可変した磁束量が小の場合には、回転数の増加割合に対する永久磁石電動機16の逆起電力の増加割合が低いため、所定の駆動電圧範囲では、回転数を高くできる。但し、磁束量が小さい場合には、低回転数側で効率が低い。このため、空調負荷が大きく、高周波数(高い回転数)で密閉型圧縮機1が運転される場合には、磁束量を小さく、空調負荷が小さく、低周波数(低い回転数)で密閉型圧縮機1が運転される場合には、磁束量を大きくして運転されることが多く、このような磁束量により密閉型圧縮機1を運転することで、効率が良い運転が可能となる。
【0031】
室温検出器7は、室内の温度を検出可能に形成されている。なお、室温検出器7は、例えば信号線Sを介して制御部9に接続されている。室温検出器7は、制御部9に検出した室温の情報を送信可能に形成されている。
【0032】
外気温検出器8は、外気、例えば、室外熱交換器5周囲の外気温を検出可能に形成されている。なお、外気温検出器8は、例えば信号線Sを介して制御部9に接続されている。外気温検出器8は、制御部9に検出した外気温の情報を送信可能に形成されている。
【0033】
制御部9は、例えば、四方弁2、膨張装置4、室温検出器7、外気温検出器8及び電力供給部21、に信号線Sを介して接続されている。なお、制御部9は、他構成品とも信号線Sを介して接続されているが、ここでは、その詳細な説明は省略する。
【0034】
また、制御部9は、空気調和機100の遠隔操作盤による指示に基づいて、空気調和機100を各運転モードで運転可能に形成されている。具体的には、制御部9は、空気調和機100を暖房運転モード、冷房運転モード及び除湿運転モードで運転可能に形成されている。なお、暖房運転モードにより空気調和機100が運転される場合には、暖房運転の立ち上がり時において、空調負荷が大きく、密閉型圧縮機1は、高周波数で運転される。また制御部9は、少なくとも密閉型圧縮機1の前回停止時の運転モードを含む過去の空気調和機100の運転モード及び各設定を記憶する記憶手段31を備えている。
【0035】
制御部9は、各運転モードでの空気調和機100の運転中、又は、運転前に、各運転モードの運転制御として、除霜運転制御、サーモオフ運転制御、及び、予熱運転制御を行う機能を有している。
【0036】
除霜運転制御を行なう機能は、室外熱交換器5の温度を検知し、この室外熱交換器5の検知温度が所定温度以下になった場合に、室外熱交換器5に霜が付着していると判断し、室外熱交換器5への送風の停止や、四方弁2を切り換えて、室外熱交換器5に付着した霜の除霜を行う機能である。なお、除霜運転は、所定の時間として例えば予め設定された室外熱交換器5の除霜が終了すると想定される時間の経過、又は、室外熱交換器5の温度が所定温度以上となるまで行われる。
【0037】
除霜運転について図3を用いて説明する。なお、図3の縦軸は密閉型圧縮機1の運転周波数を、横軸は経過時間をそれぞれ示す。図3に示すように、先ず、空気調和機100の暖房運転の運転により、室外熱交換器5の温度が所定温度以下になった場合に、暖房運転を一時的に停止させ、除霜運転を行う。除霜運転が所定の時間経過するか、又は、室外熱交換器5の温度が所定温度以上となることで、制御部9は、空気調和機1により、再度暖房運転を行う。このように、除霜運転は、暖房運転と交互に繰返し行われる。
【0038】
このように、除霜運転制御を行なう機能は、空気調和機100により、暖房運転の途中に、室外熱交換器5の除霜運転を、所定の時間、又は、室外熱交換器5の温度に基づいて行なう機能である。なお、通常、1回目の除霜運転前までに、室温がある程度高くなり、1回目の除霜運転後は大きな暖房能力は要求されないことが多い。
【0039】
サーモオフ運転制御を行なう機能は、例えば、室温Tcが目標設定温度Tdより高い温度に調和された際に、密閉型圧縮機1の運転を一時的に停止させるとともに、密閉型圧縮機1の運転停止時に室温Tcが目標設定温度Td以下となった場合に、運転を再開する機能である。なお、密閉型圧縮機1は永久磁石電動機16により駆動されていても、圧縮機構部17の機能を停止可能であればよい。即ち、空気調和機100の空調機能が停止されていればよい。
【0040】
サーモオフ運転について、図4を用いて説明する。なお、図4の縦軸は密閉型圧縮機1の運転周波数を、横軸は経過時間をそれぞれ示す。図4に示すように、先ず、空気調和機100が暖房運転の運転により、室温Tcが目標設定温度Tdよりも高い温度となった場合には、無駄な暖房運転を避けるために、暖房運転を停止(サーモオフ)させる。
【0041】
その後、室温Tcが目標設定温度Td以下となった場合には、暖房運転を再開(サーモオン)させる。このように、サーモオフ運転制御は、室温Tcに応じて、暖房運転の運転・停止を切り換える機能である。なお、1回目のサーモオフ後は、大きな暖房能力は要求されない。
【0042】
予熱運転制御を行なう機能は、空気調和機100に電力が供給された状態であって、運転が停止状態である所謂待機中に、暖房運転の立ち上がりを向上させるために予め永久磁石電動機16等の各構成要素に通電し、予熱する機能である。なお、これらの各運転制御を行なう機能は、その詳細は省略する。
【0043】
また、制御部9は、磁束量を可変させる機能を有している。この磁束量を可変させる機能として、制御部9は、空気調和機100の起動後の運転モードを予測可能な予測手段32を備え、予測手段32により予測された運転モードに適した磁束量に可変可能に形成されている。
【0044】
さらに、制御部9は、磁束量を可変させる機能として、空気調和機100の運転が所定の時間経過後、室温Tcが目標設定温度Tdとなった場合に、磁束量を可変させる機能を有している。これは、暖房運転モードにより空気調和機100を運転させた場合であって、室温Tcが目標設定温度Tdとなった場合に、空気調和機100は、密閉型圧縮機1が低能力での運転となる。このため、永久磁石電動機16の回転数は低周波数でよい。
【0045】
即ち、暖房運転は、特に、立ち上がり時に空調負荷が大きく、高能力運転が必要となり、高い周波数で密閉型圧縮機1が運転される必要がある。しかし、室温Tcが目標設定温度Tdとなった場合には空調負荷は小さくなるため、低周波数で密閉型圧縮機1が運転される。
【0046】
このように、密閉型圧縮機1は、暖房運転モードによる暖房運転では、高周波数運転後に低周波数運転となる。このため、制御部9は、暖房運転モードで空気調和機100が運転されている場合であって室温Tcが目標設定温度Tdとなった場合に、磁束量を小から大に可変可能に形成されている。
【0047】
次に、予測手段32について説明する。予測手段32は、空気調和機1の空調負荷の大小、即ち、密閉型圧縮機1が高周波数運転及び低周波運転のいずれかで運転されるかを予測可能に形成されている。ここで、高周波数による密閉型圧縮機1の運転は、主として暖房運転の立ち上がり時に用いられるため、以下、空調負荷が大の場合を暖房運転として以下説明する。
【0048】
予測手段32は、空調負荷の予測として、次回の運転モードが暖房運転か否かを判断し、暖房運転の場合には、密閉型圧縮機1を高周波数で運転する旨の判断を行う予測機能を有している。
【0049】
具体的には、予測手段32は、外気温T0から運転モードを予測する機能(予測機能1)、前回の運転モードから運転モードを予測する機能(予測機能2)、及び、予熱制御の有無により運転モードを予測する機能(予測機能3)のいずれかを有している。
【0050】
予測機能1である、外気温T0から運転モードを予測する機能は、例えば、予測手段32が、外気温検出器8により検出された外気温T0を、所定の温度Tと比較し、外気温T0が、所定の温度Tと同等又は温度Tよりも低い温度の場合には、高周波運転を予測する機能である。
【0051】
なお、ここで、所定の温度Tとは、制御部9に設けられた記憶手段31に記憶された設定温度であって、例えば、設定された低外気温である(以下、「低外気温T」として説明)。この低外気温Tとは、例えば低外気暖房能力として空気調和機100のカタログに表示される温度等であり、2℃程度に設定されることが多い。
【0052】
予測機能2である、前回の運転モードから予測する機能は、制御部9の記憶手段31に記憶された前回の空気調和機100(前回の密閉型圧縮機1の停止時)の運転モードに基づいて、予測手段32が次回の空気調和機100(密閉型圧縮機1)の運転時の運転モードを予測する機能である。例えば、前回の空気調和機100の運転モードが暖房運転モードである場合には、次回も暖房運転モードであることを予測する。なお、前回の空気調和機100の運転モードだけでなく、外気温の情報をさらに加えて予測してもよい。
【0053】
予測機能3である予熱制御の有無により運転モードを予測する機能は、制御部9により空気調和機100の予熱がなされているときに、次回暖房運転モードが行われることから、予測手段32が次回の運転モードを暖房運転モードであると判断するものである。
【0054】
なお、上述した暖房運転(高周波運転)が予測された場合には、制御部9は、磁束量を小とし、他の運転モード(低周波運転)が予測され場合には、制御部9は、磁束量を大とする。
【0055】
次に、このように構成された磁束量を可変可能な永久磁石電動機16を用いた密閉型圧縮機1を有する空気調和機100の運転の一例を、図5〜8の流れ図、及び、図3,4の説明図を用いて説明する。
【0056】
図5の流れ図に示すように、先ず、制御部9は、予測手段32により空気調和機100の運転モードを予測する(ステップST1)。制御部9は、予測手段32で予測された運転モードを受信し、この予測された運転モードが暖房運転か否か、即ち、密閉型圧縮機1を高周波数で運転させるか否かの判断を行う(ステップST2)。予測手段32により予測された運転モードが暖房運転である場合、即ち、高周波数運転により密閉型圧縮機1を運転させる場合(ステップST2のYES)には、制御部9は、永久磁石電動機16の磁束量を小にする(ステップST3)。
【0057】
磁束量を小に可変させた状態で、遠隔操作盤等から空気調和機100の暖房運転モードによる運転指示があった場合には、制御部9は、空気調和機100を暖房運転モードで制御する(ステップST4)。制御部9は、空気調和機100を暖房運転させるとともに、除霜運転を行うか否かの判断を行う(ステップST5)。例えば、空気調和機100を所定の時間運転し、室外熱交換器5の温度が所定温度以下になった場合に、制御部9は、除霜運転を行う判断をする(ステップST5のYES)。
【0058】
除霜運転を行う判断により、図3に示すように、制御部9は、先ず、空気調和機100の運転を一度停止させる(ステップST6)。空気調和機100の運転停止後、制御部9は、磁束量を小から大に可変させる(ステップST7)。次に制御部9は、除霜運転を行う(ステップST8)。
【0059】
制御部9は、所定時間の経過又は室外熱交換器5の温度を確認し、除霜運転の運転又は停止を判断する(ステップST9)。所定時間の経過又は室外熱交換器5の温度が所定温度以下の場合(ステップST9のNO)には、除霜運転を継続させる(ステップST8)。所定時間の経過又は室外熱交換器5の温度が所定温度以上となった場合(ステップST9のYES)には、制御部9は、空気調和機100を暖房運転モードにより運転させる(ステップST10)。制御部9は、空気調和機100を暖房運転モードで運転させるとともに、除霜運転を行うか否かの判断を行う(ステップST11)。
【0060】
例えば、室外熱交換器5の温度が所定温度以下となった場合には、制御部9は、除霜運転を行なう判断を行い(ステップST11のYES)、ステップST8に戻り再び除霜運転を行う。ステップST9以下、同様の動作が行われる。なお、図3にもあるように、2回目以降の除霜運転においては、磁束量が可変されることはない。
【0061】
制御部9は、除霜運転を行なわない判断を行った場合(ステップST11のNO)に、遠隔操作盤からの空気調和機100の停止指示を確認(ステップST12)し、停止指示がない場合(ステップST12のNO)には、ステップST10に戻り暖房運転を継続する。ステップST11以下、同様の動作が行われる。
【0062】
停止指示があった場合(ステップST12のYES)には、制御部9は、空気調和機100を停止させる。これにより、空気調和機100の運転が終了する。
【0063】
なお、ステップST5において、除霜運転の判断が成されない場合(ステップST5のNO)には、制御部9は、サーモオフ運転、即ち、室温Tcが目標設定温度Tdであるか否かを判断する(ステップST13)。なお、室温Tcが目標設定温度Td以下(Tc≦Td)である場合には、制御部9は、暖房運転を継続させる(ステップST4)。ステップST5以下、同様の動作が行われる。
【0064】
室温Tcが目標設定温度Tdよりも高温である場合(ステップST13のYES)には、図4に示すように、制御部9は、暖房運転を停止させる(ステップST14)。制御部9は、空気調和機100の運転停止後、磁束量を小から大に可変させる(ステップST15)。次に制御部9は、室温Tcが目標設定温度Td以下となるまで、運転停止状態を維持する(ステップST16)。制御部9は、運転停止状態を維持するとともに、室温検出器7により室温Tcを監視する(ステップST17)。制御部9は、室温Tcが目標設定温度Td以下でない場合(ステップST17のNO)には、ステップST16に戻り、引き続き運転停止状態を維持する。ステップST17以下、同様の動作が行われる。
【0065】
制御部9は、室温Tcが目標設定温度Td以下となった場合(ステップST17のYES)に、暖房運転を再開させる(ステップST18)。制御部9は、再びサーモオフ運転を判断し(ステップST19)、室温Tcが目標設定温度Tdより高い温度である場合には、(ステップST19のYES)として、ステップST16に戻り、空気調和機100の運転を停止させる。ステップST17以下、同様の動作が行われる。なお、2回目以降のサーモオフ運転においては、磁束量が可変されることはない。
【0066】
次に、室温Tcが目標設定温度Td以下である場合には、制御部9は、暖房運転を継続させるとともに、遠隔操作盤からの空気調和機100の停止指示を確認(ステップST20)し、停止指示がない場合(ステップST20のNO)には、ステップST18に戻り、暖房運転を継続する。ステップST18以下、同様の動作が行われる。
【0067】
なお、停止指示があった場合(ステップST20のYES)には、制御部9は、空気調和機100を停止させる。これにより、空気調和機100の運転が終了する。
【0068】
ステップST2において、予測手段32により予測された運転モードが除湿運転又は冷房運転である場合、即ち、低周波数運転により密閉型圧縮機1を運転させる場合(ステップST2のNO)には、制御部9は、永久磁石電動機16の磁束量を大にする(ステップST21)。
【0069】
磁束量を大に可変した状態で、遠隔操作盤等から空気調和機100の除湿又は冷房運転モードによる運転指示があった場合には、制御部9は、空気調和機100により除湿又は冷房運転を行う(ステップST4)。制御部9は、除湿又は冷房運転を行いながら、遠隔操作盤からの空気調和機100の停止指示を確認(ステップST23)し、停止指示がない場合(ステップST23のNO)には、ステップST22に戻り、運転を維持する。遠隔操作盤からの空気調和機100の停止指示があった場合(ステップST23のYES)には、制御部9は、空気調和機100の運転を停止し、これにより空気調和機100の運転が終了する。
【0070】
以上のように、運転モードに基づいて磁束量を可変可能な密閉型圧縮機1を用いた空気調和機100の運転が行われる。なお、上述したステップST1の運転モードの予測について、予測機能1〜3を用いた例を以下図6〜8を用いて説明する。
【0071】
(予測機能1)
図6に示すように、運転モードの予測として、先ず、外気温検出器8により検出された外気温T0を検出する(ステップST31)。制御部9は、この外気温T0の情報を外気温検出器8から受信後、制御部9の記憶手段31に記憶された低外気温Tと比較する(ステップST32)。
【0072】
外気温T0が低外気温T以下(T0≦T)である場合(ステップST32のYES)には、制御部9は、外気温T0が低温であるとの事から、次回の空気調和機100の運転モードは暖房運転であると判断する。即ち、制御部9は、暖房運転である判断から、密閉型圧縮機1が高周波運転されることを予測する(ステップST33)。
【0073】
外気温T0が低外気温Tより高い(T0>T)場合(ステップST32のNO)には、除湿又は冷房運転であると判断する。即ち、制御部9は、この判断から、密閉型圧縮機1が低周波運転されることを予測する(ステップST34)。このようにして、制御部9は予測手段32の予測機能1により、次回の空気調和機100の運転モードを予測する。
【0074】
なお、上述したステップST32のNOの判断(T0>T)において、暖房運転が成されることも十分に想定されるが、設定温度が低い、又は、外気温との差が少ないため、低周波運転でも対応可能である。また、この判断は、記憶手段31に記憶された低外気温Tにより異なるため、ここではその詳細は省略する。
【0075】
(予測機能2)
図7に示すように、運転モードの予測として、先ず、制御部9は、記憶手段31に記憶された前回の空気調和機100の運転モードを確認する(ステップST41)とともに、前回の空気調和機100の運転モードが暖房運転か否かの判断を行う(ステップST42)。前回の運転モードが暖房運転である場合(ステップST42のYES)には、制御部9は、次回の空気調和機100の運転モードは暖房運転であると判断する。即ち、制御部9は、暖房運転である判断から、密閉型圧縮機1が高周波運転されることを予測する(ステップST43)。
【0076】
前回の運転モードが除湿運転又は冷房運転である場合(ステップST42のNO)には、制御部9は、次回の運転モードが除湿又は冷房運転であると判断する。即ち、制御部9は、この判断から、密閉型圧縮機1が低周波運転されることを予測する(ステップST44)。このようにして、制御部9は予測手段32の予測機能2により、次回の空気調和機100の運転モードを予測する。
【0077】
(予測機能3)
図8に示すように、運転モードの予測として、先ず、制御部9は、予熱制御の確認を行い(ステップST51)、予熱制御を実行しているか否かの判断を行う(ステップST52)。予熱制御を実行している場合(ステップST52のYES)には、制御部9は、次回の空気調和機100の運転モードは暖房運転であると判断する。即ち、制御部9は、暖房運転である判断から、密閉型圧縮機1が高周波運転されることを予測する(ステップST53)。
【0078】
予熱制御が行なわれていない場合(ステップST52のNO)には、制御部9は、次回の運転モードが除湿又は冷房運転であると判断する。即ち、制御部9は、この判断から、密閉型圧縮機1が低周波運転されることを予測する(ステップST54)。このようにして、制御部9は予測手段32の予測機能2により、次回の空気調和機100の運転モードを予測する。
【0079】
これらの予測手段32の予測機能1〜3のいずれかを用いて、次回の運転モードの予測が行われ、この予測された運転モードに基づいて制御部9が次回の運転モードを判断する(ステップST2)。運転モードの判断から、制御部9が、次回の運転モードに適した回転数で効率のよい磁束量に永久磁石電動機16の磁束量を変更することで、効率のよい密閉型圧縮機1の運転が可能となる。
【0080】
このように構成された空気調和機100によれば、予測手段32により運転モードを予測し、各運転モードに適した永久磁石電動機16の磁束量とすることで、空気調和機100を停止することなく、磁束可変後に空気調和機100を運転可能となり、空気調和機100を高効率に運転することが可能となる。
【0081】
また、予測手段32は、空気調和機100の使用に適した予測機能1〜3のいずれかを用いて、確実に次回の運転モードの、特に暖房運転を予測することで、磁束量を小にした状態で密閉型圧縮機1を高周波数運転で運転可能となり、暖房運転の立ち上がりを高効率、且つ、高能力とすることが可能となる。
【0082】
特に、暖房運転の立ち上がりは、高い能力を必要とするため、高い回転周波数で密閉型圧縮機1を運転する必要がある。このため、磁束量を小とすることで、高周波数で高い効率の良い運転が可能となる。また、暖房運転を一定時間経過、又は、目標設定温度Tdとなった後は、密閉型圧縮機1の回転数は低周波数にて運転させるため、磁束量を大とすることで、低周波数で高効率の運転が可能となる。
【0083】
即ち、空気調和機100の運転の状況に応じて、効率がよい磁束量とすることで、高効率、且つ、高能力の運転が可能な空気調和機100とすることが可能となる。
【0084】
また、暖房運転モードにおいて、磁束量を小から大に変更する際には、除湿運転又はサーモオフ運転時に、磁束量を変更することで、不必要に空気調和機100を停止することがない。このため、空気調和機100の断続運転を防止することが可能となり、断続運転による損失を防止し、効率のよい空気調和機100の運転となる。
【0085】
上述したように本実施の形態に係る空気調和機100によれば、予測手段32に予測された運転モードに適した磁束量により密閉型圧縮機1を駆動することで、高効率、且つ、高能力で空気調和機100を運転することが可能となる。また、暖房運転の状況に応じて断続運転を防止して磁束量を変更することで、断続運転による損失を防止するとともに、効率のよい空気調和機100の運転が可能となる。
【0086】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した例では、図3、5に示すように、暖房運転後の除霜運転において、磁束量を小から大に変えてから除霜運転を行うとしたがこれに限定されない。例えば、図9に示すように、暖房運転後に連続して除霜運転を行った後、暖房運転に切り換える際に、磁束量を小から大に変えても良い。
【0087】
また、上述した例では、予測手段32に予測機能1〜3を有し、これら予測機能のいずれかを用いて運転モードを予測すると説明したが、空気調和機100は、これら予測機能1〜3の全てを有していても、いずれか一を有していてもよい。即ち、空気調和機100の使用の用途によって、少なくとも暖房運転が予測可能な予測機能を有していれば良い。さらに言うなら、上述の予測機能のいずれかを有していることが望ましいが、暖房運転を予測可能であれば、上述の予測機能1〜3以外の予測機能であってもよい。
【0088】
また、上述した例では、サーモオフ運転は、室温Tcが目標設定温度Tdよりも高い温度で暖房運転を停止するとしたがこれに限定されない。具体的に説明すると、暖房運転において、室温Tcが目標設定温度Tdよりも高い温度に調和された場合に、暖房運転を停止させるものであるが、室温Tcが目標設定温度Tdにあがらないことがある。
【0089】
このような場合には、サーモオフが成されない。このため、磁束量を小から大に変更することができずに、磁束量が小であるにもかかわらず、低周波数で密閉型圧縮機1が駆動させることもある。このため、制御部9は、図10に示すように、一回目のサーモオフ時には、二回目以降のサーモオフよりも目標設定温度Tdを低温としてもよい。
【0090】
具体的に説明すると、制御部9は、サーモオフの回数をカウントする機能を有する。制御部9は、図5のステップST13におけるサーモオフの判断において、図10に示すように暖房運転モード開始後の次回サーモオフの回数をカウントする(ステップST61)。例えば、サーモオフがまだ行われていない場合(n=0)には、次回のサーモオフ回数は、n=n+1=0+1として、次回のサーモオフが一回目とカウントする。
【0091】
次に制御部9は、次回サーモオフが一回目(n=1)であるか否かの判断を行う(ステップST62)。例えば、次回サーモオフが一回目である場合(ステップST62のYES)には、目標設定温度をTd−ΔTとする(ステップST63)。即ち、任意の温度ΔTだけ低い温度を目標設定温度とする。
【0092】
なお、二回目以降のサーモオフ(ステップST62のNO)においては、目標設定温度Tdとする。このように、一回目のサーモオフを行う目標設定温度Td=Td−ΔTとすることで、目標設定温度より低い温度でサーモオフとなり、磁束量を大とすることとなる。このため、確実に磁束量を変化可能となり、効率のよい磁束量とすることが可能となる。これにより、高効率な空気調和機100の運転が可能となる。
【0093】
また、上述した例では、空気調和機100の暖房運転モードの立ち上がりにおいて、永久磁石電動機16の磁束量を小さくして運転するとしたが、これに限定されない。即ち、磁束量を小さくして運転することで、空調負荷が大きい高周波数での密閉型圧縮機1の運転の一例として暖房運転モードについて説明したが、暖房運転モードに限定されず、他の運転モードであってもよい。即ち、空気調和機100の運転モードにおいて、空調負荷の大きさ、例えば、密閉型圧縮機1の運転周波数の高低や、空気調和機に必要な熱量の大きさによって、磁束量を小大と可変させる構成であれば適用である。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0094】
1…密閉型圧縮機、2…四方弁、3…室内熱交換器、4…膨張装置、5…室外熱交換器、6…アキュムレータ、7…室温検出器、8…外気温検出器、9…外気温検出器、10…密閉容器、11a.11b…吸込口、12…吐出管、13a.13b…吸込管、16…永久磁石電動機、16…密閉型圧縮機、17…圧縮機構部、21…電力供給部、22…固定子、23…回転子、23a…第1コア、23b…第2コア、24…回転軸、26a.26b…圧縮室、27a.27b…ローラ、28…第1永久磁石、29…第2永久磁石、31…記憶手段、32…予測手段、100…空気調和機、F…暖房運転時の冷媒の流れ、G…冷房運転時の冷媒の流れ、S…信号線、T…所定の温度(低外気温)、Tc…室温、Td…目標設定温度、T0…外気温。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁束量を少なくとも2段階に可変可能な永久磁石電動機を有する密閉型圧縮機を具備する空気調和機において、
前記密閉型圧縮機の運転前に空調負荷を予測する予測手段と、
前記密閉型圧縮機を運転するとともに、前記予測手段により予測された空調負荷に基づいて前記磁束量を可変する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記予測手段により前記空調負荷が大と予測されたときに前記永久磁石電動機の磁束量を小に設定して、前記密閉型圧縮機を運転することを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記予測手段は、前記運転開始時の外気温に基づいて、前記空調負荷を予測することを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記予測手段は、前記密閉型圧縮機の前回停止時の前記運転モードを、前記密閉型圧縮機の次回運転時の前記運転モードとして予測し、暖房運転と予測したときに前記空調負荷を大と予測することを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記制御部は、前記永久磁石電動機の予熱が可能に形成され、
前記予測手段は、前記永久磁石電動機が予熱されたときに、前記空調負荷を大と予測することを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記制御部は、室外熱交換器に付着した霜を除霜する除霜運転又は室温が目標室温に空気調和されたときに前記密閉型圧縮機を一時的に停止させるサーモオフが可能に形成され、
前記除霜運転時又は前記サーモオフ時に、前記小に設定された磁束量を大に変更することを特徴とする請求項1乃至4に記載の空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−67079(P2011−67079A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−218037(P2009−218037)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(505461072)東芝キヤリア株式会社 (477)
【Fターム(参考)】