説明

空気調和機

【課題】ドラフト感をほとんど感じさせることなく、暖房能力を向上させる。
【解決手段】空気調和機1は、室内機2と、室内機と冷媒回路を介して接続された室外機3とを備えており、室内機2は、冷媒回路を構成する配管の一部をそれぞれ有する熱交換器20及び輻射パネル22と、熱交換器20の近傍に配置されたファン21とを有している。空気調和機1は、輻射パネル22に冷媒を流さないで熱交換器20に冷媒を流して温風暖房を行う温風暖房運転と、熱交換器20に冷媒を流して温風暖房を行い且つ輻射パネル22に冷媒を流して輻射暖房を行う輻射暖房運転と、熱交換器20に冷媒を流して温風暖房を行い且つ輻射パネル22に冷媒を流して輻射暖房を行うと共に、輻射暖房運転時および温風暖房運転時よりファン21によって発生する風量を小さくした輻射微風暖房運転とが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器とファンと輻射パネルとを備えた空気調和機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気調和機の室内機として、冷媒回路を構成する配管の一部をそれぞれ有する熱交換器及び輻射パネルと、熱交換器の近傍に配置された室内ファンとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1)。この空気調和機は、暖房運転モードとして、温風暖房と輻射暖房の両方を行うファン・パネルモードと、温風暖房と輻射暖房とを自動的に切り換える自動モードと、温風暖房を行わないで輻射暖房のみを行うパネルモードのいずれかを設定可能である。輻射暖房のみを行い温風暖房を行わない場合には、室内ファンの運転を停止させている。また、輻射暖房のみを行う場合には、温風暖房と輻射暖房の両方を行う場合よりも圧縮機の運転周波数を低く設定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭63−113239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、温風暖房を行わずに輻射暖房を行う場合、圧縮機の運転周波数を低くすると、輻射暖房の能力が不足し、十分な暖房を行えない場合がある。また、輻射暖房の能力を上げるために、圧縮機の運転周波数を上げた場合、室内ファンを停止しているために、熱交換器における冷媒の熱交換量が少なく、冷媒回路内の圧力が高くなってしまう。そのため、高圧異常により空気調和機の運転が停止するという問題が生じる。
また、温風暖房と輻射暖房の両方を行うと、圧縮機の運転周波数を上げることができ、これらの問題は解決するものの、通常の温風暖房ではドラフト感を与えるため、ドラフト感のない暖房を求めるユーザーの要望に答えることができなかった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、ドラフト感をほとんど感じさせることなく、暖房能力を向上させることのできる空気調和機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係る空気調和機は、室内機と、前記室内機と冷媒回路を介して接続された室外機とを備えた空気調和機であって、前記室内機が、前記冷媒回路を構成する配管の一部をそれぞれ有する熱交換器及び輻射パネルと、前記熱交換器の近傍に配置されたファンとを有しており、前記熱交換器に冷媒を流して温風暖房を行い且つ前記輻射パネルに冷媒を流して輻射暖房を行う輻射暖房運転と、前記熱交換器に冷媒を流して温風暖房を行い且つ前記輻射パネルに冷媒を流して輻射暖房を行うと共に、前記輻射暖房運転時より前記ファンによって発生する風量を小さくした輻射微風暖房を行う輻射微風暖房運転とが可能であることを特徴とする。
【0007】
この空気調和機では、輻射微風暖房運転時には、ファンによって発生する風量を小さくしているため、ユーザーにドラフト感をほとんど感じさせない温風暖房を行うことが可能である。また、ファンを停止させてないことで熱交換器による熱交換量が大きいため、冷媒回路内の圧力が高くなり過ぎるのを防止できる。そのため、ファンを停止させて輻射暖房のみを行う場合よりも、室外機の圧縮機の回転数を増大させることができ、暖房能力を向上させることができる。
【0008】
第2の発明に係る空気調和機は、第1の発明において、前記室内機が設置された室内の温度を検出する室内温度センサと、前記室内温度センサで検出された室内温度に基づいて、前記輻射暖房運転と前記輻射微風暖房運転とを切り換える切り換え手段を備えていることを特徴とする。
【0009】
この空気調和機では、室内温度が低い場合に輻射暖房運転を行い、室内温度が高い場合に輻射微風暖房運転を行うように、室内温度に応じて輻射暖房運転と輻射微風暖房とを切り換えることができる。これにより、室内温度が低い場合に迅速に室内温度を上昇させることができるとともに、室内温度が高くなると、ドラフト感のほとんどない暖房に自動的に切り換えることができる。
【0010】
第3の発明に係る空気調和機は、第1または第2の発明において、前記室外機に設けられた圧縮機と、前記圧縮機を制御する制御手段と、前記熱交換器での圧力についての上限値が記憶された記憶手段とを備え、前記輻射暖房運転及び前記輻射微風暖房運転の少なくとも一方が行われている場合に、前記制御手段が、前記熱交換器での圧力が前記上限値に対応する圧力とほぼ一致するように前記圧縮機を制御することを特徴とする。
【0011】
この空気調和機では、輻射暖房運転時または輻射微風暖房運転時には、冷媒回路内の圧力が上限圧力とほぼ一致するように圧縮機は制御されるため、暖房能力を向上させることができる。
【0012】
第4の発明に係る空気調和機は、第3の発明において、前記熱交換器に設けられた熱交温度センサを備え、前記記憶手段が、前記熱交換器での圧力についての前記上限値として、前記熱交換器における熱交温度の上限温度を記憶しており、前記輻射暖房運転及び前記輻射微風暖房運転の少なくとも一方が行われている場合に、前記制御手段が、前記熱交温度センサで検出された熱交温度が前記上限温度とほぼ一致するように前記圧縮機を制御することを特徴とする。
【0013】
この空気調和機では、熱交換温度センサで検出される熱交換温度が上限温度にほぼ一致するように圧縮機を制御することで、冷媒回路内の圧力が上限圧力にほぼ一致するように制御することができる。
【0014】
第5の発明に係る空気調和機は、室内機と、前記室内機と冷媒回路を介して接続された室外機とを備えた空気調和機であって、前記室内機が、前記冷媒回路を構成する配管の一部をそれぞれ有する熱交換器及び輻射パネルと、前記熱交換器の近傍に配置されたファンとを有しており、前記輻射パネルに冷媒を流さないで前記熱交換器に冷媒を流して温風暖房を行う温風暖房運転と、前記熱交換器に冷媒を流して温風暖房を行い且つ前記輻射パネルに冷媒を流して輻射暖房を行うと共に、前記温風暖房運転時より前記ファンによって発生する風量を小さくした輻射微風暖房を行う輻射微風暖房運転とが可能であることを特徴とする。
【0015】
この空気調和機では、輻射微風暖房運転時には、ファンによって発生する風量を小さくしているため、ユーザーにドラフト感をほとんど感じさせない温風暖房を行うことが可能である。また、ファンを停止させてないことで熱交換器による熱交換量が大きいため、冷媒回路内の圧力が高くなり過ぎるのを防止できる。そのため、ファンを停止させて輻射暖房のみを行う場合よりも、室外機の圧縮機の回転数を増大させることができ、暖房能力を向上させることができる。
【0016】
第6の発明に係る空気調和機は、第5の発明において、前記室外機に設けられた圧縮機と、前記圧縮機を制御する制御手段と、前記熱交換器での圧力についての上限値が記憶された記憶手段とを備え、前記輻射微風暖房運転が行われている場合に、前記制御手段が、前記熱交換器での圧力が前記上限値に対応する圧力とほぼ一致するように前記圧縮機を制御することを特徴とする。
【0017】
この空気調和機では、輻射微風暖房運転時には、冷媒回路内の圧力が上限圧力とほぼ一致するように圧縮機は制御されるため、暖房能力を向上させることができる。
【0018】
第7の発明に係る空気調和機は、第6の発明において、前記熱交換器に設けられた熱交温度センサを備え、前記記憶手段が、前記熱交換器での圧力についての前記上限値として、前記熱交換器における熱交温度の上限温度を記憶しており、前記輻射微風暖房運転が行われている場合に、前記制御手段が、前記熱交温度センサで検出された熱交温度が前記上限温度とほぼ一致するように前記圧縮機を制御することを特徴とする。
【0019】
この空気調和機では、熱交換温度センサで検出される熱交換温度が上限温度にほぼ一致するように圧縮機を制御することで、冷媒回路内の圧力が上限圧力にほぼ一致するように制御することができる。
【0020】
第8の発明に係る空気調和機は、第1〜第7のいずれかの発明において、前記輻射パネルに供給される冷媒の量を調整する弁機構を備え、前記冷媒回路において、前記輻射パネル及び前記弁機構と、前記熱交換器とが並列に設けられていることを特徴とする。
【0021】
この空気調和機では、輻射パネルおよび弁機構が、熱交換器と並列に設けられているため、輻射パネルに冷媒を流さずに温風暖房のみ行う運転と、輻射パネルに冷媒を流す輻射暖房運転又は輻射微風暖房運転とを、弁機構を開閉するだけで切り換えることができる。
【発明の効果】
【0022】
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0023】
第1および第5の発明では、輻射微風暖房運転時には、ファンによって発生する風量を小さくしているため、ユーザーにドラフト感をほとんど感じさせない温風暖房を行うことが可能である。また、ファンを停止させてないことで熱交換器による熱交換量が大きいため、冷媒回路内の圧力が高くなり過ぎるのを防止できる。そのため、ファンを停止させて輻射暖房のみを行う場合よりも、室外機の圧縮機の回転数を増大させることができ、暖房能力を向上させることができる。
【0024】
第2の発明では、室内温度が低い場合に輻射暖房運転を行い、室内温度が高い場合に輻射微風暖房運転を行うように、室内温度に応じて輻射暖房運転と輻射微風暖房とを切り換えることができる。これにより、室内温度が低い場合に迅速に室内温度を上昇させることができるとともに、室内温度が高くなると、ドラフト感のほとんどない暖房に自動的に切り換えることができる。
【0025】
第3および第6の発明では、輻射暖房運転時または輻射微風暖房運転時には、冷媒回路内の圧力が上限圧力とほぼ一致するように圧縮機は制御されるため、暖房能力を向上させることができる。
【0026】
第4および第7の発明では、熱交換温度センサで検出される熱交換温度が上限温度にほぼ一致するように圧縮機を制御することで、冷媒回路内の圧力が上限圧力にほぼ一致するように制御することができる。
【0027】
第8の発明では、輻射パネルおよび弁機構が、熱交換器と並列に設けられているため、輻射パネルに冷媒を流さずに温風暖房のみ行う運転と、輻射パネルに冷媒を流す輻射暖房運転又は輻射微風暖房運転とを、弁機構を開閉するだけで切り換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態に係る空気調和機の概略構成を示す回路図であって、冷房運転時と温風暖房運転時の冷媒の流れを示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る空気調和機の概略構成を示す回路図であって、輻射暖房運転時と輻射微風暖房運転時の冷媒の流れを示す図である。
【図3】空気調和機を制御する制御部の概略構成を示すブロック図である。
【図4】輻射1運転モード運転時の空気調和機の各部の動作と、室内温度および輻射パネル温度を示すグラフである。
【図5】輻射2運転モード運転時の空気調和機の各部の動作と、室内温度および輻射パネル温度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る空気調和機1の実施の形態について説明する。
【0030】
<空気調和機1の全体構成>
図1および図2に示すように、本実施形態の空気調和機1は、室内に設置される室内機2と、室外に設置される室外機3と、リモコン4(図3参照)とを備えている。室内機2は、室内熱交換器20と、室内熱交換器20の近傍に配置された室内ファン21と、輻射パネル22と、室内電動弁(弁機構)23と、室内の気温を検出するための室内温度センサ24とを備えている。また、室外機3は、圧縮機30と、四路切換弁31と、室外熱交換器32と、室外熱交換器32の近傍に配置された室外ファン33と、室外電動弁34とを備えている。
【0031】
この空気調和機1では、室内熱交換器20、圧縮機30、四路切換弁31、室外熱交換器32、および室外電動弁34が接続されて環状の冷媒回路10が構成されている。また、冷媒回路10において、室内熱交換器20の両側の配管が、バイパス配管11によって接続されている。
このバイパス配管11には、輻射パネル22と室内電動弁23が設けられている。バイパス配管11における輻射パネル22の両側には、パネル入温度センサ25と、パネル出温度センサ26が付設されている。また、冷媒回路10における圧縮機30の吸入側と四路切換弁31との間にはアキュムレータ35が介設されており、冷媒回路10における圧縮機30の吐出側と四路切換弁31との間には、吐出温度センサ36が付設されている。また、室外熱交換器32には、室外熱交温度センサ28が付設されている。
【0032】
室内熱交換器20は、冷媒回路の一部を構成する配管を有しており、室内熱交温度センサ27が付設されている。室内熱交換器20は、室内ファン21の風上側に配置されている。室内熱交換器20との熱交換により加熱または冷却された空気が、室内ファン21によって温風または冷風として室内に吹き出されることで、温風暖房または冷房が行われる。
【0033】
輻射パネル22は、室内機2の表面側に配置されており、冷媒回路の一部を構成する配管を有している。この配管を流れる冷媒の熱が室内に輻射されることで輻射暖房が行われる。室内電動弁23は、輻射パネル22に供給される冷媒の流量を調整するために設けられている。
【0034】
本実施形態の空気調和機1は、冷房運転、温風暖房運転、輻射暖房運転、および輻射微風暖房運転を行うことができる。冷房運転は、輻射パネル22に冷媒を流さないで室内熱交換器20に冷媒を流して冷房を行う運転であって、温風暖房運転は、輻射パネル22に冷媒を流さないで室内熱交換器20に冷媒を流して温風暖房を行う運転である。輻射暖房運転は、室内熱交換器20に冷媒を流して温風暖房を行うと共に、輻射パネル22に冷媒を流して輻射暖房を行う運転である。輻射微風暖房運転は、温風暖房運転時および輻射暖房運転時よりも低風量で温風暖房を行うと共に、輻射パネル22に冷媒を流して輻射暖房を行う運転である。
【0035】
各運転時における冷媒回路の冷媒の流れについて図1および図2を用いて説明する。
冷房運転時には、室内電動弁23が閉弁されると共に、四路切換弁31が図1中破線で示す状態に切り換えられる。そのため、図1中破線の矢印で示すように、圧縮機30から吐出された高温高圧冷媒は、四路切換弁31を通って、室外熱交換器32に流入する。そして、室外熱交換器32において凝縮した冷媒は、室外電動弁34で減圧された後、室内熱交換器20に流入する。そして、室内熱交換器20において蒸発した冷媒は、四路切換弁31およびアキュムレータ35を介して、圧縮機30に流入する。
【0036】
温風暖房運転時には、室内電動弁23が閉弁されると共に、四路切換弁31が図1中実線で示す状態に切り換えられる。そのため、図1中実線の矢印で示すように、圧縮機30から吐出された高温高圧冷媒は、四路切換弁31を通って、室内熱交換器20に流入する。そして、室内熱交換器20において凝縮した冷媒は、室外電動弁34で減圧された後、室外熱交換器32に流入する。そして、室外熱交換器32において蒸発した冷媒は、四路切換弁31およびアキュムレータ35を介して、圧縮機30に流入する。
【0037】
輻射暖房運転時および輻射微風暖房運転時には、室内電動弁23が開弁されると共に、四路切換弁31が図2中実線で示す状態に切り換えられる。そのため、図2中実線の矢印で示すように、圧縮機30から吐出された高温高圧冷媒は、四路切換弁31を通って、室内熱交換器20と輻射パネル22に流入する。そして、室内熱交換器20と輻射パネル22において凝縮した冷媒は、室外電動弁34で減圧された後、室外熱交換器32に流入する。そして、室外熱交換器32において蒸発した冷媒は、四路切換弁31およびアキュムレータ35を介して、圧縮機30に流入する。
【0038】
<リモコン4>
リモコン4では、ユーザによって、運転の開始/停止の操作、運転モードの設定、室内温度の目標温度(室内設定温度)の設定、吹出風量の設定などが行われる。表1に示すように、本実施形態の空気調和機1では、リモコン4の操作により、主運転モードとして、冷房運転モード及び暖房運転モードのいずれかを選択できるようになっている。
【0039】
主運転モードとして暖房運転モードを選択した場合には、表1に示すように、温風暖房運転モードと、輻射暖房運転モードに含まれる輻射1運転モードと輻射2運転モードのいずれかを選択できるようになっている。
【0040】
【表1】

【0041】
表1に示すように、冷房運転モードは、冷房運転を行うモードであって、温風暖房運転モードは、温風暖房運転を行うモードであって、輻射1運転モードは、室内温度に応じて輻射暖房運転と輻射微風暖房運転とを切り換えるモードであって、輻射2運転モードは、輻射微風暖房運転を行うモードである。また、温風暖房運転モードまたは冷房運転モードを選択した場合には、風量設定として「風量自動」、「強」、「弱」のいずれかを選択できる。なお、本実施形態では、輻射1運転モードまたは輻射2運転モードが選択された場合には、風量は自動的に制御される。
【0042】
<制御部5>
次に、空気調和機1を制御する制御部5について図3を参照しつつ説明する。
図3に示すように、制御部5は、記憶部(記憶手段)50と、運転モード制御部(切り換え手段)51と、室内電動弁制御部52と、室内ファン制御部53と、圧縮機制御部(制御手段)54と、室外電動弁制御部55とを有している。
【0043】
(記憶部50)
記憶部50には、空気調和機1に関する種々の運転設定や、制御プログラムや、その制御プログラムの実行に必要なデータテーブルなどが記憶されている。運転設定には、室内温度の目標温度(室内設定温度)のように、ユーザによってリモコン4が操作されることで設定されるものと、空気調和機1に対して予め設定されたものとがある。本実施形態の空気調和機1では、輻射パネル22の目標温度範囲は、予め所定の温度範囲(例えば50〜55℃)に設定されている。なお、リモコン4の操作によって輻射パネル22の目標温度範囲を設定できるようになっていてもよい。また、記憶部50には、室内熱交換器20での上限圧力に対応する室内熱交換器20における熱交温度の上限温度が記憶されている。
【0044】
(運転モード制御部51)
運転モード制御部51は、リモコン4により、冷房運転モード、温風暖房運転モード、または輻射2運転モードの運転開始の操作が行われると、冷房運転、暖房運転、または輻射微風暖房運転を開始する。
また、運転モード制御部51は、リモコン4により、輻射1運転モード運転開始の操作が行われると、室内温度センサ24で検出された室内温度が室内設定温度未満の場合に、輻射暖房運転を開始すると共に、室内温度が室内設定温度以上の場合に、輻射微風暖房運転を開始する。
なお、本実施形態の空気調和機1では、リモコン4の操作によって運転が開始される場合に、室内温度が室内設定温度よりも所定温度Tb以上高い場合には、暖房運転が開始されない。
【0045】
また、運転モード制御部51は、輻射1運転モード運転時において、輻射暖房運転の途中に、室内温度センサ24で検出される室内温度が室内設定温度以上になった場合に、輻射暖房運転から輻射微風暖房運転に切り換えると共に、輻射微風暖房運転の途中に、室内温度が室内設定温度よりも所定温度Ta以上低くなった場合に、輻射微風暖房運転から輻射暖房運転に切り換える。
また、運転モード制御部51は、暖房運転を行っている際、室内温度が室内設定温度よりも所定温度Tb以上高くなった場合に、自動的に運転を停止し(サーモオフ)、その後、室内温度が室内設定温度まで低下した場合に、再び運転を開始する(サーモオン)。
【0046】
(室内電動弁制御部52)
室内電動弁制御部52は、室内電動弁23の開度を制御する。表2に示すように、冷房運転時または温風暖房運転時には、室内電動弁制御部52は、室内電動弁23を閉弁する。なお、表2は、各運転時における室内電動弁23、室内ファン21、および圧縮機30の制御状態を示している。
【0047】
【表2】

【0048】
表2に示すように、輻射暖房運転時または輻射微風暖房運転時には、室内電動弁制御部52は、輻射パネル22の温度に基づいて室内電動弁23の開度を制御する。具体的には、パネル入温度センサ25およびパネル出温度センサ26でそれぞれ検出された温度の平均値に基づいて、輻射パネル22の表面温度(予測値)を算出し、この輻射パネル22の表面温度の予測値(以下、単に輻射パネル温度という)が、パネル目標温度範囲(例えば50〜55℃)となるように、室内電動弁23の開度を制御する。輻射パネル温度がパネル目標温度範囲よりも低いほど、室内電動弁制御部52は、輻射パネル22に供給される冷媒の流量が増加するように室内電動弁23の開度を制御する。但し、運転開始時(リモコン4の操作による運転開始時またはサーモオンによる運転開始時)から所定時間t1が経過するまでは、室内電動弁制御部52は、室内電動弁23を初期開度に制御する。なお、本実施形態では、輻射パネル温度を算出するために、パネル入温度センサ25とパネル出温度センサ26の検出温度の両方を用いているが、パネル入温度センサ25の検出温度のみを用いてもよく、パネル出温度センサ26の検出温度のみを用いてもよい。
【0049】
(室内ファン制御部53)
室内ファン制御部53は、室内ファン21の回転数を制御する。温風暖房運転の風量自動運転時、輻射暖房運転時、および輻射微風暖房運転時にそれぞれ選択されるファンタップと、各ファンタップに対応する回転数を表3に示す。
【0050】
【表3】

【0051】
温風暖房運転の風量自動運転時には、室内ファン制御部53は、室内温度センサ24で検出される室内温度や室内設定温度等に基づいて、表3に示す5段階のファンタップA1〜A5のいずれかを選択して、このファンタップに対応する回転数(a1〜a5)に室内ファン21を制御する。また、温風暖房運転であって、風量設定として「強」または「弱」が設定された場合には、それぞれ予め設定されたファンタップが決定される。
【0052】
また、冷房運転時の風量自動運転時には、室内ファン制御部53は、室内温度センサ24で検出される室内温度や室内設定温度等に基づいて、予め設定された複数のファンタップのいずれかを選択して、このファンタップに対応する回転数に室内ファン21を制御する。また、冷房運転であって、風量設定として「強」または「弱」が設定された場合には、それぞれ予め設定されたファンタップが決定される。
【0053】
また、輻射暖房運転時には、室内ファン制御部53は、室内温度センサ24で検出される室内温度や室内設定温度等に基づいて、表3に示す7段階のファンタップB1〜B7のいずれかを選択して、このファンタップに対応する回転数(b1〜b7)に室内ファン21を制御する。
【0054】
また、輻射微風暖房運転時には、室内ファン制御部53は、表3に示すファンタップC1に対応する回転数c1に室内ファン21を制御する。回転数c1は、温風暖房運転時の回転数a1〜a5および輻射暖房運転時の回転数b1〜b7のいずれよりも小さい。回転数c1は、室内ファン21の回転に伴う音がほとんど生じず、且つ、ドラフト感をほとんど感じさせない値である。
【0055】
(圧縮機制御部54)
圧縮機制御部54は、圧縮機30の運転周波数を制御する。
温風暖房運転時および冷房運転時には、室内温度や室内設定温度等に基づいて、圧縮機30の周波数を制御する。具体的には、室内温度と室内設定温度との差が大きいほど、圧縮機制御部54は、圧縮機30の周波数が増加するように圧縮機30を制御する。
【0056】
また、輻射暖房運転時および輻射微風暖房運転時には、圧縮機制御部54は、室内熱交温度センサ27で検出される熱交温度が、冷媒回路内の上限圧力に対応する上限温度とほぼ一致するように圧縮機30を制御する(この制御を上限制御とする)。具体的には、圧縮機30の周波数は、室内温度と室内設定温度に基づく制御によって、室内熱交温度センサ27で検出される熱交温度が上限温度を超えるように制御される場合であっても、熱交温度が上限温度を超えることなく上限温度付近の値となるように制御される。
【0057】
(室外電動弁制御部55)
室外電動弁制御部55は、室内温度や室内設定温度等に基づいて、室外電動弁34の開度を制御する。
【0058】
<空気調和機1の動作>
次に、空気調和機1の各暖房運転モードの動作について説明する。輻射1運転モードおよび輻射2運転モードについては、図4および図5のグラフを参照しつつ説明する。図4および図5のグラフは、横軸が時間を示し、縦軸が、室内温度、室内ファン21の回転数、圧縮機30の運転周波数、輻射パネル温度、および室内電動弁23の開度をそれぞれ示している。
【0059】
(温風暖房運転モード運転)
リモコン4により温風暖房運転モード運転開始の操作が行われると共に、風量設定として「風量自動」が選択されると、室内ファン制御部53により、室内ファン21は、室内温度に応じて、ファンタップA1〜A5のいずれかに対応する回転数に制御される。また、圧縮機制御部54により、圧縮機30は、室内温度と室内設定温度との差が大きいほど、運転周波数が増加するように制御される。また、室内電動弁23は閉弁される。
【0060】
また、リモコン4により温風暖房運転モード運転開始の操作が行われると共に、風量設定として「強」または「弱」が選択された場合には、室内電動弁23と圧縮機30は、「風量自動」が選択された場合と同様に制御され、室内ファン21は、室内ファン制御部53によって、所定のファンタップに対応する回転数に制御される。
【0061】
(輻射1運転モード運転)
図4に示すように、リモコン4により輻射1運転モード運転開始の操作が行われると、運転開始の室内温度が室内設定温度未満の場合、輻射暖房運転が開始される。この場合、室内ファン制御部53によって、室内ファン21は、室内温度と室内設定温度に応じて、ファンタップB1〜B7のいずれかに対応する回転数に制御される。また、圧縮機制御部54によって、圧縮機30は、室内熱交温度センサ27で検出される熱交温度が上限温度とほぼ一致するように制御される(上限制御される)。また、室内電動弁制御部52によって、室内電動弁23は、運転開始から所定時間t1が経過するまでは、初期開度に制御され、運転開始から所定時間t1が経過すると、輻射パネル温度がパネル目標温度範囲内となるように開度が制御される。なお、図4では、室内電動弁23の初期開度は、全開よりも小さい開度となっているが、初期開度は全開であってもよい。
【0062】
輻射暖房運転中に、室内温度が室内設定温度に達すると、輻射暖房運転から輻射微風暖房運転に切り換えられる。これにより、室内ファン制御部53によって、室内ファン21は、ファンタップC1に対応する回転数c1に制御される。また、室内電動弁制御部52および圧縮機制御部54によって、室内電動弁23および圧縮機30は、輻射微風暖房に切り換えられる前と同様に制御される。
【0063】
室内温度がさらに上昇して、室内設定温度が室内設定温度よりも所定温度Tb以上高くなると、自動的に運転が停止する(サーモオフ)。これにより、室内ファン21および圧縮機30は停止し、室内電動弁23は全閉状態に切り換えられる。その後、室内温度が室内設定温度まで低下すると、再び運転が開始される(サーモオン)。図4では、サーモオン時の室内温度が、室内設定温度以上であるため、輻射微風暖房運転が開始され、サーモオフ前と同様に、室内電動弁23、室内ファン21、圧縮機30は制御される。
【0064】
輻射微風暖房運転中に、室内温度が室内設定温度よりも所定温度Ta以上低くなると、輻射微風暖房運転から輻射暖房運転に切り換えられ、上述した輻射暖房運転時と同様に、室内電動弁23、室内ファン21および圧縮機30は制御される。
【0065】
(輻射2運転モード運転)
図5に示すように、リモコン4により輻射2運転モード運転開始の操作が行われると、輻射微風暖房運転が開始される。室内ファン制御部53によって、室内ファン21は、ファンタップC1に対応する回転数c1に制御される。また、圧縮機制御部54によって、圧縮機30は、室内熱交温度センサ27で検出される熱交温度が上限温度とほぼ一致するように制御される(上限制御される)。また、室内電動弁制御部52によって、室内電動弁23は、運転開始から所定時間t1が経過するまでは、初期開度に制御され、運転開始から所定時間t1が経過すると、輻射パネル温度がパネル目標温度範囲内となるように開度が制御される。
【0066】
(デフロスト運転)
また、空気調和機1では、暖房運転モード運転時に室外熱交換器32に付着した霜を取り除くために、四路切換弁31を図1および図2中破線で表示した状態に切り換えて、暖房運転から除霜運転(デフロスト運転)に切り換える。本実施形態の空気調和機1では、除霜運転を行う場合に、室内電動弁23を閉弁する。これにより、輻射パネル22に低温の冷媒が流れないため、輻射パネル22の温度低下を抑制することができる。そのため、再び暖房運転を開始したときに、輻射パネル22の温度を迅速にパネル目標温度範囲内とすることができる。
【0067】
なお、除霜運転時の室内電動弁23の制御はこれに限定されるものではなく、輻射パネル温度が所定の温度になるまで、室内電動弁23を所定の開度に維持して、輻射パネル温度が上記所定の温度まで下がったときに、室内電動弁23を閉状態に切り換えてもよい。この場合、輻射パネル22に低温の冷媒が流れるため、輻射パネル22の温度はある程度低下するものの、輻射パネル22内の高温の冷媒を室外熱交換器32の除霜に利用することができるため、上述した場合よりも室外熱交換器32に付着した霜を迅速に取り除くことができる。また、除霜運転中に輻射パネル22に霜が付着するのを防止できる。
【0068】
<空気調和機1の特徴>
以上説明した本実施形態の空気調和機1によると、輻射微風暖房運転時には、室内ファン21によって発生する風量を小さくしているため、ユーザーにドラフト感をほとんど感じさせない温風暖房を行うことが可能である。また、室内ファン21を停止させていないことで室内熱交換器20による熱交換量が大きいため、冷媒回路内の圧力が高くなり過ぎるのを防止できる。そのため、室内ファン21を停止させて輻射暖房のみを行う場合よりも、室外機3の圧縮機30の回転数を増大させることができ、暖房能力を向上させることができる。
【0069】
本実施形態の空気調和機1では、室内温度が低い場合に輻射暖房運転を行い、室内温度が高い場合に輻射微風暖房運転を行うように、室内温度に応じて輻射暖房運転と輻射微風暖房とが切り換えられる。これにより、室内温度が低い場合に迅速に室内温度を上昇させることができるとともに、室内温度が高くなると、ドラフト感のほとんどない暖房に自動的に切り換えることができる。
【0070】
また、本実施形態では、輻射1運転モード運転開始時に、室内温度が室内設定温度未満の場合に、輻射暖房運転を行い、室内温度が室内設定温度以上の場合に、輻射微風暖房運転に切り換えられる。そのため、室内温度を室内設定温度まで迅速に上昇させることができる。
【0071】
また、本実施形態では、輻射1運転モードで輻射微風暖房運転中に、室内温度が室内設定温度よりも所定温度Ta以上低い場合に、輻射微風暖房運転から輻射暖房運転に切り換えられる。これにより、室内温度が室内設定温度未満の場合に、輻射微風暖房運転から輻射暖房運転に切り換えるよりも、運転の切り換えを減らして輻射微風暖房運転を継続することができる。
【0072】
本実施形態の空気調和機1では、輻射暖房運転時または輻射微風暖房運転時には、冷媒回路内の圧力が上限圧力とほぼ一致するように圧縮機30は制御されるため、暖房能力を向上させることができる。また、本実施形態では、室内熱交温度センサ27で検出される熱交換温度が上限温度にほぼ一致するように圧縮機30を制御することで、冷媒回路内の圧力が上限圧力にほぼ一致するように制御することができる。
【0073】
本実施形態の空気調和機1は、輻射パネル22および室内電動弁23が、室内熱交換器20と並列に設けられているため、輻射パネル22に冷媒を流さずに温風暖房のみ行う温風暖房運転と、輻射パネル22に冷媒を流す輻射暖房運転又は輻射微風暖房運転とを、室内電動弁23を開閉するだけで切り換えることができる。
【0074】
また、本実施形態の空気調和機1では、輻射暖房運転時のファンタップ(B1〜B7)の数は、温風暖房運転時のファンタップ(A1〜A5)の数よりも多い。つまり、輻射暖房運転時には、温風暖房運転時よりも細かく室内ファン21の回転数が変化する。輻射暖房運転時に室内ファン21の回転数を細かく変化させることにより、輻射暖房運転から輻射微風暖房運転に切り換える際の室内ファン21の回転に伴う音を低減することができる。
【0075】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0076】
上記実施形態では、輻射1運転モードで輻射微風暖房運転の途中に、室内温度が室内設定温度よりも所定温度Tb以上低くなった場合に、輻射微風暖房運転から輻射暖房運転に切り換えられるが、室内温度が室内設定温度未満になった場合場合に、輻射微風暖房運転から輻射暖房運転に切り換えられるようになっていてもよい。
【0077】
上記実施形態では、輻射微風暖房運転時の室内ファン21の回転数は、予め設定された回転数c1に維持されるが、輻射暖房運転時の室内ファン21の回転数より小さい回転数であれば、変動してもよい。
【0078】
上記実施形態では、暖房運転として、温風暖房運転、輻射暖房運転、及び輻射微風暖房運転があって、輻射微風暖房運転時の室内風量が、温風暖房運転時の室内風量及び輻射暖房運転時の室内風量より小さい場合を説明したが、これに限定されない。
したがって、暖房運転として、輻射暖房運転及び輻射微風暖房運転があって、輻射微風暖房運転時での室内風量が、輻射暖房運転時の室内風量より小さい構成であればよい。上記実施形態では、運転モードとして、輻射1運転モード及び輻射2暖房運転モードだけでなく、他の運転モードを選択可能であるが、この場合、他の運転モードは選択できなくてもよい。従って、運転モードとして、例えば、冷房運転モードや、温風暖房運転モードが選択できなくてもよい。
【0079】
また、暖房運転として、温風暖房運転及び輻射微風暖房運転があって、輻射微風暖房運転時の室内風量が、温風暖房運転時での室内風量より小さい構成であればよい。上記実施形態では、運転モードとして、温風暖房運転モード及び輻射2運転モードだけでなく、他の運転モードを選択可能であるが、この場合、他の運転モードは選択できなくてもよい。従って、運転モードとして、例えば、冷房運転モードや、輻射1運転モードが選択できなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明を利用すれば、ドラフト感をほとんど感じさせることなく、暖房能力を向上させることができる。
【符号の説明】
【0081】
1 空気調和機
2 室内機
3 室外機
4 リモコン
20 室内熱交換器(熱交換器)
21 室内ファン(ファン)
22 輻射パネル
23 室内電動弁(弁機構)
24 室内温度センサ
27 室内熱交温度センサ(熱交温度センサ)
30 圧縮機
50 記憶部(記憶手段)
51 運転モード制御部(切り換え手段)
52 室内電動弁制御部
53 室内ファン制御部
54 圧縮機制御部(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内機と、前記室内機と冷媒回路を介して接続された室外機とを備えた空気調和機であって、
前記室内機が、前記冷媒回路を構成する配管の一部をそれぞれ有する熱交換器及び輻射パネルと、前記熱交換器の近傍に配置されたファンとを有しており、
前記熱交換器に冷媒を流して温風暖房を行い且つ前記輻射パネルに冷媒を流して輻射暖房を行う輻射暖房運転と、
前記熱交換器に冷媒を流して温風暖房を行い且つ前記輻射パネルに冷媒を流して輻射暖房を行うと共に、前記輻射暖房運転時より前記ファンによって発生する風量を小さくした輻射微風暖房を行う輻射微風暖房運転とが可能であることを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記室内機が設置された室内の温度を検出する室内温度センサと、
前記室内温度センサで検出された室内温度に基づいて、前記輻射暖房運転と前記輻射微風暖房運転とを切り換える切り換え手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記室外機に設けられた圧縮機と、
前記圧縮機を制御する制御手段と、
前記熱交換器での圧力についての上限値が記憶された記憶手段とを備え、
前記輻射暖房運転及び前記輻射微風暖房運転の少なくとも一方が行われている場合に、
前記制御手段が、前記熱交換器での圧力が前記上限値に対応する圧力とほぼ一致するように前記圧縮機を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記熱交換器に設けられた熱交温度センサを備え、
前記記憶手段が、前記熱交換器での圧力についての前記上限値として、前記熱交換器における熱交温度の上限温度を記憶しており、
前記輻射暖房運転及び前記輻射微風暖房運転の少なくとも一方が行われている場合に、
前記制御手段が、前記熱交温度センサで検出された熱交温度が前記上限温度とほぼ一致するように前記圧縮機を制御することを特徴とする請求項3に記載の空気調和機。
【請求項5】
室内機と、前記室内機と冷媒回路を介して接続された室外機とを備えた空気調和機であって、
前記室内機が、前記冷媒回路を構成する配管の一部をそれぞれ有する熱交換器及び輻射パネルと、前記熱交換器の近傍に配置されたファンとを有しており、
前記輻射パネルに冷媒を流さないで前記熱交換器に冷媒を流して温風暖房を行う温風暖房運転と、
前記熱交換器に冷媒を流して温風暖房を行い且つ前記輻射パネルに冷媒を流して輻射暖房を行うと共に、前記温風暖房運転時より前記ファンによって発生する風量を小さくした輻射微風暖房を行う輻射微風暖房運転とが可能であることを特徴とする空気調和機。
【請求項6】
前記室外機に設けられた圧縮機と、
前記圧縮機を制御する制御手段と、
前記熱交換器での圧力についての上限値が記憶された記憶手段とを備え、
前記輻射微風暖房運転が行われている場合に、
前記制御手段が、前記熱交換器での圧力が前記上限値に対応する圧力とほぼ一致するように前記圧縮機を制御することを特徴とする請求項5に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記熱交換器に設けられた熱交温度センサを備え、
前記記憶手段が、前記熱交換器での圧力についての前記上限値として、前記熱交換器における熱交温度の上限温度を記憶しており、
前記輻射微風暖房運転が行われている場合に、
前記制御手段が、前記熱交温度センサで検出された熱交温度が前記上限温度とほぼ一致するように前記圧縮機を制御することを特徴とする請求項6に記載の空気調和機。
【請求項8】
前記輻射パネルに供給される冷媒の量を調整する弁機構を備え、
前記冷媒回路において、前記輻射パネル及び前記弁機構と、前記熱交換器とが並列に設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−83011(P2012−83011A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−228647(P2010−228647)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】