説明

空調制御システム、空調制御方法および空調制御プログラム

【課題】発熱量が大きい建物の室内を効率的に冷却することができる空調制御システム、空調制御方法および空調制御プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】室内から吸気した空気を冷却して前記室内へ排気する冷却機と、地熱を用いて室内の空気を冷却するパイプとを併用して室内を冷却し、かかる室内の温度に基づいて、地熱を用いた空気の冷却効率を算出し、算出した冷却効率がよい場合には、地熱を用いた空気の冷却を極力用いるように、冷却機へ送出される風量と、パイプへ送出される風量とを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調制御システム、空調制御方法および空調制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
サーバや通信機器などの電子機器を収容するデータセンタ等では、室内に配設された各種電子機器が誤動作しないように、室内を常に一定温度以下に保つことが望ましい。したがって、データセンタ等では、通常は室内外に設けられた空調機を用いて室内を一定温度以下に保つことになる。しかし、空調機で室内を冷却する際には電子機器の動作に必要な電力に加えて空調機を運転するための電力やエネルギーが必要になり、この余分な電力により生ずる二酸化酸素(CO)の排出が環境上の問題となる。
【0003】
このため、データセンタ等では、二酸化酸素(CO)の排出量を削減するために冷却効率を高める技術が提案されている。具体的には、電子機器の処理負荷を均等に分散させて室内温度をなるべく均等にしたり、電子機器の発熱量に応じて空調機の温度や風量を制御する技術が提案されている。このような技術を用いた場合には、室温の上昇が抑制されるので、冷却効率を向上させることが期待できる。
【0004】
また、室内全体を冷暖房する際に、地熱を利用する空調制御システムも知られている。例えば、地中にパイプを埋設して、地中で冷却されたパイプ内の液体や気体を用いて室内を冷却する技術が提案されている。このような地熱を用いた空調制御システムは、主に、個人の家や公共施設などに利用されることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−97586号公報
【特許文献2】特開2004−301470号公報
【特許文献3】特開2005−009737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術のいずれを用いたとしても、発熱量が大きいデータセンタ等の室内を効率良く冷却できないという問題がある。具体的には、電子機器の処理負荷を均等に分散させる従来技術や、電子機器の発熱量に応じて空調機を制御する従来技術は、空調機の効率化にとどまり余分な電力削減には限界があった。結果的に、室内に多数配設された電子機器が稼働するような発熱密度の高いデータセンタ等の冷却では空調機を運転するための余分な電力も大きく、余分な二酸化炭素(CO)の排出量も大きかった。また、地熱を利用する空調制御システムの場合には、個人の家等に採用するには適切であるかも知れないが、データセンタ等の発熱量が大きい室内を冷却するには限界があった。
【0007】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、発熱量が大きい建物の室内を効率的に冷却することができる空調制御システム、空調制御方法および空調制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の開示する空調制御システムは、一つの態様において、熱源を有する室内から吸気した空気を冷却して前記室内へ排気する冷却機と、一端が地中に埋設され、他端が前記室外の所定の空間である冷却空間に配設され、地熱を利用して冷却空間の空気を冷却するパイプと、前記室内の空気を前記冷却空間へ送出する送出部と、前記パイプによって冷却された前記冷却空間の空気を前記室内へ送入する送入部と、前記室内の温度または熱源の発熱量に基づいて、前記冷却機によって吸気される風量と、前記送出部によって前記冷却空間へ送出される風量とを制御する制御部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本願の開示する空調制御システムの一つの態様によれば、発熱量の大きな熱源を有する室内を効率的に冷却することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、実施例1に係る空調制御システムの構成例を示す図である。
【図2】図2は、実施例2に係る空調制御システムの構成例を示す図である。
【図3】図3は、実施例2における制御装置の構成例を示す図である。
【図4】図4は、冷却効率情報の一例を示す図である。
【図5】図5は、図2に示したA矢視による計算機室の上面図の一例である。
【図6】図6は、実施例2に係る空調制御システムによる空調制御を示すフローチャートである。
【図7】図7は、実施例3に係る空調制御システムが適用された計算機室の上面図の一例である。
【図8】図8は、図7に示した通風弁の一例を示す図である。
【図9】図9は、図7に示した通風弁の一例を示す図である。
【図10】図10は、実施例3における制御装置の構成例を示す図である。
【図11】図11は、冷却効率情報の一例を示す図である。
【図12】図12は、発熱量情報の一例を示す図である。
【図13】図13は、実施例3に係る空調制御システムによる空調制御を示すフローチャートである。
【図14】図14は、電子機器の発熱量を予測する処理例を説明するための図である。
【図15】図15は、電子機器の発熱量を予測する処理例を説明するための図である。
【図16】図16は、電子機器の発熱量を予測する処理例を説明するための図である。
【図17】図17は、空調制御システムの構成例を示す図である。
【図18】図18は、空調制御システムの構成例を示す図である。
【図19】図19は、HPの一例を示す図である。
【図20】図20は、空調制御プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願の開示する空調制御システム、空調制御方法および空調制御プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本願の開示する空調制御システム、空調制御方法および空調制御プログラムが限定されるものではない。
【実施例1】
【0012】
まず、図1を用いて、実施例1に係る空調制御システムの構成について説明する。図1は、実施例1に係る空調制御システムの構成例を示す図である。なお、図1中に図示した白抜きの矢印は、空気の流れの一例を示す。
【0013】
実施例1に係る空調制御システム1は、地中2の上に建てられている部屋3に適用されている。一般に部屋3内には、熱源20(人間、家庭用電気機器、IT機器など)が置かれている。また、図1に示すように、地中2と部屋3との間には、冷却空間6が設けられている。部屋3の内部または外部には、冷却機4と、送出部5と、制御部9とが設けられる。また、地中2には、パイプ7a〜7eの一端が埋設され、他の一端は冷却空間6に配置されている。また、部屋3と冷却空間6との間には、送入部8a〜8dが設けられている。
【0014】
冷却機4は、部屋3の室内の空気を吸気して、吸気した空気を冷却して部屋3へ排気する。送出部5は、部屋3の室内の空気を冷却空間6へ送出する。パイプ7a〜7eは、一端が地中2に埋設され、他端が冷却空間6に配設される。かかるパイプ7a〜7eのうち、冷却空間6に配設された部位は、冷却空間6内の空気を、地中2の地熱を用いて冷却する。送入部8a〜8dは、パイプ7a〜7eによって冷却された冷却空間6の空気を部屋3へ送入する。地熱を用いて冷却するパイプの一例としてはヒートパイプが挙げられる。ヒートパイプは地熱の利用効率が良い。しかし、パイプ7a〜7eの実現方法はヒートパイプに限らなくても良く、二重パイプの空気循環型やパイプ内に水を循環させるものであってもよい。
【0015】
すなわち、図1に示した例において、部屋3は、送出部5、冷却空間6および送入部8a〜8dを介してパイプ7a〜7eによって地熱で冷却されるとともに、必要に応じて冷却機4によって冷却される。言い換えれば、実施例1に係る空調制御システム1は、地熱を用いた空気の冷却と、冷却機4による空気の冷却とを併用して部屋3の空気を冷却する空気還流型の空調制御システムを形成する。
【0016】
そして、実施例1における制御部9は、部屋3の室内の温度または熱源の発熱量に基づいて、冷却機4によって吸気される空気量と、送出部5によって冷却空間6へ送出される空気量とを制御する。
【0017】
一般に、部屋3の室内は、外気の温度や室内熱源の状況に応じて温度が変化するが、ある一定温度(以下、「所望室内温度」と言う)以下に保つことが求められている。例えば、この所望室内温度は、ある場合には人間が快適に感じられる温度であり、ある場合には機器の安定動作に必要な温度であり、ある場合には最も冷却エネルギー効率の良い温度である。最近の地球環境への対応を考えると冷却エネルギー効率の向上が重要な課題となっている。この点から自然エネルギーである地熱の利用は地球環境上好ましい。しかし、地熱の利用は利用できる土壌の熱容量には制限があり、パイプ7a〜7eによって冷却された後の冷却空間6の温度は、冷却空間6に送出される空気の温度や、冷却空間6に送出される空気量によって変動する。
【0018】
例えば、冷却空間6は、部屋3から送出される空気の温度が26℃の時にパイプ7a〜7eによって18℃に冷却されるものとした場合、部屋3から送出される空気の温度が30℃である時には、冷却空間6は、18℃に冷却されるとは限らず、例えば、24℃に冷却されたりする。
【0019】
また、例えば、冷却空間6は、28℃の空気が単位時間あたりに空気量U1で冷却空間6に送出される時にパイプ7a〜7eによって22℃に冷却されるものとした場合、28℃の空気が単位時間あたりに空気量U2で冷却空間6に送出される時には、冷却空間6は、22℃に冷却されるとは限らない。例えば、「空気量U1<空気量U2」である時には、冷却空間6は、パイプ7a〜7eによって22℃以上に冷却されたりする。
【0020】
このように、パイプ7a〜7eによる地熱を利用した冷却は、自然エネルギーを利用しているため冷却効率や地球環境の点からは好ましいが、冷却能力に制限があるため冷却空間6に送出される空気の温度や、冷却空間6に送出される空気量によって変動し、所定の温度以上の空気を冷却空間6へ大量に送出すると、冷却空間6の空気はパイプ7a〜7eによって所望の温度に十分に冷却されない場合がありうる。
【0021】
そこで、実施例1における制御部9は、例えば、部屋3の室内の温度または発熱量が所定値以上である場合には、パイプ7a〜7eによる冷却のみを用いるのでは部屋3を所望の温度以下に保つには十分に冷却されないと判定する。そして、制御部9は、冷却機4によって吸気される空気量を増大させるとともに、冷却空間6へ送出される空気量を必要に応じて減少させる。一方、制御部9は、部屋3の室内の温度または発熱量が所定値よりも低い場合には、パイプ7a〜7eによる冷却で所望の温度以下に保つのに十分であると判定する。そして、制御部9は、冷却機4によって吸気される空気量を減少させるとともに、冷却空間6へ送出される空気量を必要に応じて増減させる。
【0022】
これにより、実施例1に係る空調制御システム1は、部屋3の室内の温度または発熱量に基づいて、部屋3を効率的に冷却することができる。すなわち、実施例1に係る空調制御システム1は、例えば、発熱量が大きいために室温が常に高温になるような部屋であっても、部屋を効率的に冷却することができる。
【0023】
また、実施例1に係る空調制御システム1は、部屋3の温度または発熱量が所定値よりも低く、地熱を用いたパイプ7a〜7eによる冷却が部屋3の冷却に十分である場合には、冷却機4へ送出する空気量を減少させるので、冷却機4の消費電力を抑制することができる。
【0024】
以上のように、実施例1に係る空調制御システム1は、冷却機4による冷却と地熱を用いた冷却とを併用するので発熱量が大きい場合でも地熱を有効に利用することができ、消費電力を抑制して効率的に部屋3を冷却することができる。
【実施例2】
【0025】
次に、上記実施例1において説明した空調制御システムについて具体例を用いて説明する。実施例2では、実施例1において説明した空調制御システムをデータセンタに適用する例について説明する。
【0026】
[実施例2に係る空調制御システムの構成]
まず、図2を用いて、実施例2に係る空調制御システム100の構成について説明する。図2は、実施例2に係る空調制御システム100の構成例を示す図である。なお、図2中に図示した白抜きの矢印は、空気の流れの一例を示す。
【0027】
図2に示した空調制御システム100は、データセンタが有する計算機室110に適用されている。図2に示すように、石や、礫、砂など土壌10の上に冷却空間12が形成されている。計算機室110は、かかる冷却空間12の上部に建てられている。冷却空間12は、空気が流通可能な通路であり、通風路140a〜140dを有する。通風路140a〜140dは、冷却空間12の空気を計算機室110に送入する。なお、通風路140a〜140dは、図1に示した送入部8a〜8dに対応する。
【0028】
計算機室110は、電子機器111a〜111dが設置されている。電子機器111a〜111dは、例えば、サーバ、記憶装置、ルータやスイッチングハブなどの通信機器や、無停電電源装置(UPS:Uninterruptible Power Supply)である。このような電子機器111a〜111dは、動作時に発熱するので、計算機室110の室温を上昇させる。
【0029】
また、図2に示すように、計算機室110は、天井に、天井裏排気路113aと、天井裏通風路113bとを有する。天井裏排気路113aおよび天井裏通風路113bは、空気が流通可能な通路である。天井裏排気路113aと天井裏通風路113bとの間には、通風孔114a〜114dが設けられている。天井裏排気路113a内の空気の一部は、通風孔114a〜114dを介して天井裏通風路113bへ移動する。天井を天井裏排気路113aと天井裏通風路113bに分割するのは冷却機へ排気される空気と冷却空間へ送出される空気の流れを整流化するためである。また他の目的は、後述するように、計算機室内の温度に応じて計算機室の場所ごとに冷却空間へ送出する風量を制御するためでもある。
【0030】
また、天井裏排気路113aには、温度センサ130a〜130cが設置されている。温度センサ130a〜130cは、室内の空気の温度を検知する。図2に示した例では、温度センサ130a〜130cは、それぞれ設置されている位置の空気の温度を検知する。
【0031】
また、計算機室110は、床下に床下通風路115を有する。床下通風路115は、空気が流通可能な通路であり、後述する冷却機118から空気を排気されるとともに、冷却空間12から通風路140a〜140dを介して空気が送入される。なお、冷却機118から床下通風路115へ空気が排気されることにより、床下通風路115内には空気の移動が発生する。かかる床下通風路115内の空気流速に伴う吸引力により、冷却空間12の空気は、通風路140a〜140dを介して床下通風路115へ送入される。
【0032】
また、計算機室110は、室内または室外に冷却機118を有する。冷却機118は、天井裏排気路113aと通風路117とを介して、計算機室110の空気を吸気する。そして、冷却機118は、吸気した空気を冷却し、冷却後の空気を床下通風路115へ排気する。冷却機118によって床下通風路115へ排気された空気は、計算機室110へ移動する。
【0033】
また、冷却機118は、冷却機制御部119を有する。冷却機制御部119は、冷却機118によって吸気される空気量や、冷却機118に空気を何℃に冷却させるかを制御する。
【0034】
また、図2に示すように、空調制御システム100は、計算機室110の室外に、ファン120と、ヒートパイプ(以下、「HP」と言う)150a〜150gとを有する。ファン120は、通風路116を介して計算機室110の室内の空気を吸気し、吸気した空気を通風路122を介して冷却空間12へ送出する。
【0035】
また、ファン120は、ファン制御部121を有する。ファン制御部121は、ファン120の送出風量を制御する。具体的には、ファン制御部121は、ファン120によって冷却空間12へ送出される風量を制御する。例えば、ファン制御部121は、ファン120が有する翼の回転数を制御することにより、冷却空間12へ送出される風量を制御する。かかるファン120およびファン制御部121とは、図1に示した送出部5に対応する。
【0036】
HP150a〜150gは、内部に作動液と呼ばれる液体が封入されており、両端部の間で熱を移動させる。HP150aを例に挙げて説明する。HP150aは、図2に示すように、冷却空間12に配設される蒸発部151aと、土壌10に埋設される凝縮部152aとを有する。蒸発部151aは、冷却空間12内の空気の熱により作動液を気化させる。凝縮部152aは、蒸発部151aによって気化された作動液を液化して放熱する。凝縮部152aによって液化および放熱された作動液は、蒸発部151aに移動し、冷却空間12の空気を冷却する。図2では、図示することを省略したが、HP150b〜150gも、HP150aと同様に、蒸発部と凝縮部とを有し、冷却空間12の空気を冷却する。
【0037】
また、図2に示すように、土壌10に、断熱材11が埋設されている。断熱材11は、熱伝導性の低い素材であり、例えば、グラスウールや、ロックウール、セルロース、ウレタン、フェノール、ポリスチレンである。このような断熱材11は、土壌10と冷却空間12との間の熱伝導を抑制する。すなわち、土壌10は深さ5m(メートル)以下の地中では温度が例えば約16℃とほぼ一定であるが地表付近では夏季には例えば約28℃にも上昇してしまうが、断熱材11は、土壌10の地表熱が冷却空間12へ伝導することを抑制できるので、HP150a〜150gによって冷却された冷却空間12の空気が土壌10によって暖められることを防止することができる。さらに、夏季に大気温度が30℃以上に上昇した場合に、土壌10の地表付近の温度が上昇しすぎるのを防止することもできる。
【0038】
また、計算機室110は、操作室112を有する。操作室112は、データセンタの管理者等が作業を行う部屋である。図2に示した例では、操作室112は、制御装置160を有する。なお、図2の実施例では制御装置160の役割を明確にするために操作室112に設置された専用装置として例示されているが、操作室ではなく電子機器111a〜111dが設置されている部屋に設置されてもよいし、また電子機器111a〜111dの一部を制御装置160として兼用してもよい。図3に、実施例2における制御装置160の構成例を示す。図3に示すように、制御装置160は、冷却効率情報161と、制御部162とを有する。
【0039】
冷却効率情報161は、制御部162によってHP150a〜150gの冷却能力を予測する処理が行われる際に用いられる各種情報を記憶する。図4に、冷却効率情報161の一例を示す。図4に示した例では、冷却効率情報161は、検知温度、風量、冷却空間温度といった項目を有する。「検知温度」は、温度センサ130a〜130hによって検知された温度を示す。なお、ここでは、「検知温度」は、複数の温度センサ130a〜130hによって検知された温度の平均値を示すものとする。「風量」は、ファン120a〜120hから冷却空間12へ送出される総風量を示す。なお、図4に示した例では、U11の値が最も小さく、U12、U13、U14の順に、値が大きくなるものとする。「冷却空間温度」は、HP150a〜150hによって冷却された冷却空間12の平均温度を示す。
【0040】
例えば、図4に示した冷却効率情報161は、検知温度が「26℃」であり、風量が「U12」である場合には、HP150a〜150hによって冷却空間12が「17℃」に冷却されることを示している。また、例えば、図4に示した冷却効率情報161は、検知温度が「26℃」で、風量が「U14」の場合には、冷却空間12が「20℃」に冷却されることを示している。また、例えば、図4に示した冷却効率情報161は、検知温度が「30℃」で、風量が「U12」の場合は冷却空間12が「20℃」に冷却されることを示している。すなわち、検知温度が低く風量が小さい場合は冷却空間12は、例えば地熱温度16℃からHPの抵抗分だけ上昇した例えば17℃に保たれるが、検知温度が上層した場合、または風量が増加した場合には冷却空間12は17℃から上昇していくことを示している。
【0041】
制御部162は、空調制御システム100を制御する。実施例2における制御部162は、図2に図示することを省略したが、後述するファン制御部121や、冷却機制御部119や、温度センサ130a〜130cと有線または無線で接続されている。かかる制御部162は、図1に示した制御部9の一部に対応する。なお、制御部162による処理については、図6を用いて後に詳細に説明する。
【0042】
次に、図5を用いて、図2に示した計算機室110の上面図について説明する。図5は、図2に示したA矢視による計算機室110の上面図の一例である。図5に示すように、空調制御システム100は、ファンや冷却機を複数有してもよい。具体的には、図4に示した例では、空調制御システム100は、8個のファン120a〜120hと、4個の冷却機118a〜118dとを有する。
【0043】
ファン120a〜120hは、それぞれファン制御部121a〜121hを有する。冷却機118a〜118dは、それぞれ冷却機制御部119a〜119dを有する。また、冷却機118a〜118dは、それぞれ通風路117a〜117dを介して、計算機室110の空気を吸気する。
【0044】
また、図5に示した例では、空調制御システム100は、8個の温度センサ130a〜130hを有する。かかる温度センサ130a〜130hは、図2に示した例と同様に、天井裏排気路113aに設置される。なお、図5に示した平面空間の上部と、通風路170a〜170hとは、図2に示した天井裏通風路113bと、通風路116とに対応する。
【0045】
[実施例2に係る空調制御システム100による空調制御]
次に、図6を用いて、実施例2に係る空調制御システム100による空調制御について説明する。図6は、実施例2に係る空調制御システム100による空調制御を示すフローチャートである。図6では、説明を簡単にするために計算機室110の温度をある所望温度T11以下に保つように制御する例を示している。また、計算機室110から排気された空気の検知温度すなわち温度センサ130a〜130hで検知された温度が計算機室110の最高温度である例を示す。しかし、本発明の効果は図6の例に限定されず、例えば計算機室110の最高温度が温度センサ130a〜130hで検知される温度より部分的に高くなりうる場合や、計算機室110の温度を所望温度以下に保つのではなくもっとも冷却効率の良い温度に可変制御する場合にも適用できる。
【0046】
図6に示すように、空調制御システム100の制御部162は、まず、温度センサ130a〜130hによって検知された温度を取得する(ステップS101)。また、制御部162は、ファン120a〜120hによって冷却空間12へ送出されている現時点の風量を取得する(ステップS102)。なお、制御部162は、ファン120a〜120hの送出風量をファン制御部121a〜121hから取得する。
【0047】
続いて、制御部162は、検知温度および送出風量と、冷却効率情報161に記憶されている各種情報とに基づいて、HP150a〜150gの今後の冷却能力を予測する(ステップS103)。具体的には、制御部162は、HP150a〜150gによって冷却される冷却空間12の空気の温度を予測する。
【0048】
例えば、温度センサ130a〜130hによって検知された温度の平均値が「28℃」であり、ファン120a〜120hから冷却空間12へ送出される総風量が「U12」であるものとする。また、冷却効率情報161が図4に示した状態であるものとする。かかる場合に、制御部162は、冷却効率情報161に記憶されている各種情報に基づいて、HP150a〜150gによって冷却空間12が「18℃」に冷却されると予測する。
【0049】
続いて、制御部162は、冷却機118a〜118dから排出されている排出風量と、冷却機118a〜118dによって吸気されている空気の温度と、冷却機118a〜118dによって排気されている空気の温度とを取得する(ステップS104)。具体的には、制御部162は、冷却機制御部119a〜119dから、冷却機118a〜118dの風量を取得し、取得した風量を加算することにより、冷却機118a〜118dから床下通風路115へ送出されている排出風量の総和を取得する。また、制御部162は、冷却機制御部119a〜119dから、冷却機118a〜118dによって吸気されている空気の温度と、冷却機118a〜118dによって排気されている空気の温度とを取得する。
【0050】
続いて、制御部162は、ステップS103において予測した冷却能力と、ステップS104において取得した各種情報に基づいて、HPによって冷却される空気量と、冷却機によって冷却される空気量との割合を算出する(ステップS105)。
【0051】
例えば、システム起動時において、HP150a〜150gと冷却機118a〜118dとの冷却配分が「5:5」であるものとする。また、計算機室110の所望室内温度T11が30℃であるものとする。一例として、データセンタの機器の最大発熱量が1MW(1メガワット)、平均稼動率が30%、HP150a〜150gの最大冷却能力が0.3MW、冷却機118a〜118dの最大冷却能力が0.7MWであるような場合は、システム起動時には、HP150a〜150gと冷却機118a〜118dの冷却能力をそれぞれ0.2MWずつになるような風量と冷却機温度に設定する。
【0052】
このとき、制御部162は、ステップS103において予測した冷却空間12の空気の温度が、所望室内温度T11である30℃よりも低ければ、HP150a〜150gによる冷却の割合を高くするとともに、冷却機118a〜118dによる冷却の割合を低くする。言い換えれば、制御部162は、冷却空間12の空気の温度が、計算機室110の所望温度T11である30℃を超えない範囲で、HP150a〜150gによる冷却の割合を高くするとともに、冷却機118a〜118dによる冷却の割合を低くする。例えば、制御部162は、HP150a〜150gと冷却機118a〜118dとの冷却配分を「5:5」から「6:4」に変更する。もし、電子機器の稼働率が低くHP150a〜150gと冷却機118a〜118dとの冷却配分を「10:0」にしても30℃を超えないならば、HP150a〜150gの風量を減少させる。例えば冷却配分が「10:0」の場合に図4で検知温度が28℃、風量がU12であれば、検知温度30℃、風量をU11となるように移行する。これによりエネルギー効率をさらに上げることができる。
【0053】
一方、上記例において、制御部162は、ステップS103において予測した冷却空間12の空気の温度が、所望室内温度T11である30℃よりも高い場合は、全体として冷却能力が不足しているので全体の冷却能力を増加させる。この場合、一般的には、HP150a〜150gによる地熱の最大冷却能力は一定であるので、地熱の最大冷却能力に達成している場合はHP150a〜150gの風量をU12からU13に増加させたとしても地熱での冷却能力は増加しない。したがって冷却空間12の空気温度が所望温度T11である30℃を超える場合は、冷却機118a〜118dによる冷却の割合を高くする。言い換えれば、制御部162は、地熱での冷却能力を超える場合は、冷却機118a〜118d能力を増加させ、結果として、合計の風量を増加させる。例えば、制御部162は、HP150a〜150gと冷却機118a〜118dとの冷却配分を「5:5」から「4:6」に変更するように制御する。
【0054】
そして、制御部162は、上記ステップS105において算出した割合に基づいて、ファン120a〜120hの送出風量の総和を算出する(ステップS106)。例えば、ステップS105においてHP150a〜150gと冷却機118a〜118dとの冷却割合が「5:5」から「6:4」に変更されたものとする。かかる場合に、制御部162は、ファン120a〜120hの総風量を、現状の総風量に「6/5」を乗算する。
【0055】
そして、制御部162は、ステップS106において算出したファン120a〜120hの総風量と、温度センサ130a〜130hによって検知された温度とに基づいて、ファン120a〜120hのそれぞれの風量を算出する(ステップS107)。具体的には、制御部162は、HP150a〜150gの冷却効率が高くなるように、ファン120a〜120hのそれぞれの風量を算出する。
【0056】
例えば、地熱で冷却されるHP部分の冷却効率のみを考えると、地中温度と冷却空間12に送風される温度の差が大きいほど、すなわち冷却空間12にファン120a〜120hで送風される温度が高いほど冷却効率がよい。一方、全体の冷却効率を考えると、入力温度が上昇すれば出力である冷却空間の温度も上昇するので、この温度が所望温度を超えないようにする必要がある。そこで、制御部162は、温度センサ130a〜130hのうち温度が高い付近の通風路に接続されるファンの風量を大きくし、温度センサの温度が低い近傍の通風路に接続されるファンの風量を減少させる。具体的には、温度センサ130aの温度が最も高く、温度センサ130hの温度が最も低い場合は、温度センサ130aの近傍の通風路170aに接続されるファン120aの風量を最も大きくし、温度センサ130hの近傍の通風路170hに接続されるファン120hの風量を最も小さくする。それ以外のファンも同様に接続される通風路の近傍の温度に応じて総風量がステップ106で決められた値になるようにそれぞれのファンの風量を算出する。また、もし120aの風量を増やしすぎると冷却空間102の温度が所望温度を超えてしまう場合や、風量がファン120aの最大風量に達した場合にはファン120aの風量をそれ以上は増加させず、次に温度が高い近傍の通風路に接続されるファンの風量を増加させる。
【0057】
そして、制御部162は、ファン120a〜120hのそれぞれの風量が、ステップS107において算出した風量になるように制御する(ステップS108)。具体的には、制御部162は、ステップS107において算出した風量をファン制御部121a〜121hに通知する。これにより、ファン制御部121a〜121hは、制御部162から通知された風量になるように、それぞれのファン120a〜120hを制御する。
【0058】
また、制御部162は、上記ステップS105において算出した割合に基づいて、冷却機118a〜118dによって吸気される総風量と、冷却機118a〜118dによって排気される空気の平均温度を算出し、次に、それぞれの冷却機118a〜118dの吸気風量と排気空気温度を冷却効率が最適になるように算出する(ステップS109)。
【0059】
例えば、冷却機の効率は吸気温度が低いほど、また吸気温度と排気温度の温度差が小さいほど冷却効率が良い。そこで、ステップS105においてHP150a〜150gと冷却機118a〜118dとの冷却割合が「5:5」から「6:4」に変更された場合には、制御部162は、まず冷却機118a〜118dによって吸気される風量の総和を現状の総吸気風量に「4/5」を乗算して算出し、また、前述において算出した冷却機118a〜118dの吸気総風量に基づいて、計算機室110が所望室内温度に保たれるように、冷却機118a〜118dの排出空気温度の平均値を決定する。次に、制御部162は、算出した吸気総風量と平均排出空気温度に基づき全体の冷却効率が最も良くなるように、冷却機118a〜118dのそれぞれの吸気風量と排気空気温度を算出する。具体的には、冷却機118a〜118dのうち吸気温度の低い冷却機の風量を増加させると同時に排出空気の温度も下げ、また逆に吸気温度の高い冷却機の風量を減少させると同時に排出空気の温度も上げる。
【0060】
そして、制御部162は、冷却機118a〜118dのそれぞれの吸気風量が、ステップS109において算出した風量になるように制御する(ステップS110)。また、制御部162は、それぞれの冷却機118a〜118dによって排気される空気の温度が、ステップS109において算出した温度になるように制御する(ステップS110)。具体的には、制御部162は、ステップS109において算出した風量および温度を冷却機制御部119a〜119dに通知する。これにより、冷却機制御部119a〜119dは、制御部162から通知された風量および温度になるように、それぞれの冷却機118a〜118dを制御する。
【0061】
[実施例2の効果]
上述してきたように、実施例2に係る空調制御システム100は、計算機室110の温度に基づいて、HP150a〜150gによって冷却される空気量と、冷却機118a〜118dによって冷却される空気量との割合を変動させる。これにより、空調制御システム100は、データセンタのように発熱密度が高く、地熱を用いた冷却のみでは所望室内温度に保つことができないような部屋であっても、地熱を最大限に利用して室内を効率的に冷却することができ、室内を所望室内温度に保つことができる。
【0062】
また、実施例2に係る空調制御システム100は、HP150a〜150gによる冷却能力が計算機室110の冷却に寄与するように、冷却空間12へ送出する空気量を調整するので、地熱を用いた空気の冷却を極力用いることができる。このため、空調制御システム100は、冷却機で室内を冷却する際の余分な電力により発生する二酸化酸素(CO)の排出を抑制することができる。
【実施例3】
【0063】
上記実施例2では、室内の温度に基づいて、冷却機によって冷却される空気量と、HPによって冷却される空気量との割合を制御する例について説明した。しかし、本願の開示する空調制御システムは、発熱量が大きい電子機器ほど優先的に冷却することで、特定の機器の温度が上昇してしまうことを防止するようにすることもできる。そこで、実施例3では、電子機器の発熱量に基づいて、それぞれの電子機器に対する冷却特性を変動させる例について説明する。
【0064】
[実施例3に係る空調制御システムの構成]
まず、図7を用いて、実施例3に係る空調制御システム200の構成について説明する。図7は、実施例3に係る空調制御システム200が適用された計算機室210の上面図の一例である。なお、以下では、既に示した構成部位と同様の機能を有する部位には同一符号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。
【0065】
図7に示すように、実施例3における計算機室210は、冷却空間12と床下通風路115との間に、通風弁240a〜240hを有する。かかる通風弁240a〜240hは、図1に示した送入部8a〜8dに対応し、冷却空間12から床下通風路115へ移動する空気量を制御する。以下に、通風弁240a〜240hについて二例挙げて説明する。
【0066】
図8は、図7に示した通風弁240a〜240hの一例を示す図である。図8に示した通風弁240−1は、弁制御部241−1と、弁駆動部242−1と、弁243−1とを有する。弁制御部241−1は、弁駆動部242−1を制御する。弁駆動部242−1は、弁243−1を駆動させる。弁243−1は、弁駆動部242−1によって駆動されることにより、冷却空間12から床下通風路115への通路幅を変動させる。図8に示した通風弁240−1は、弁243−1の駆動量によって、冷却空間12から床下通風路115へ移動する空気量を調整することができる。なお、弁243−1は、図8に示した矢印の方向、すなわち、冷却空間12から床下通風路115への方向のみ駆動する。このため、通風弁240−1は、床下通風路115から冷却空間12へ空気が移動することを防止することができる。
【0067】
図9は、図7に示した通風弁240a〜240hの他の一例を示す図である。図9に示した通風弁240−2は、弁制御部241−2と、グリッド駆動部242−2と、弁243−2と、上部グリッド244と、下部グリッド245とを有する。弁制御部241−2は、グリッド駆動部242−2を制御する。グリッド駆動部242−2は、上部グリッド244および下部グリッド245を駆動させる。弁243−2は、冷却空間12から床下通風路115へ空気が移動する場合に開く。上部グリッド244および下部グリッド245は、グリッド駆動部242−2によって駆動されることにより、冷却空間12から床下通風路115への通路幅を変動させる。
【0068】
例えば、図9の上段に示した状態は、図9の中断に示した状態と比較して、冷却空間12から床下通風路115への通路幅が広い。したがって、図9の上段に示した状態は、図9の中断に示した状態よりも、冷却空間12から床下通風路115へ流通する空気量が多い。また、図9の下段に示した例のように、弁243−2は、冷却空間12から床下通風路115への方向のみ駆動する。このため、図9に示した通風弁240−2は、床下通風路115から冷却空間12へ空気が流通することを防止することができる。
【0069】
図7の説明に戻って、実施例3における計算機室210の室内または室外には、制御装置260を有する。図10に、実施例3における制御装置260の構成例を示す。図10に示すように、制御装置260は、冷却効率情報261aと、発熱量情報261bと、発熱量計測部261cと、制御部262とを有する。
【0070】
冷却効率情報261aは、制御部262によってHP150a〜150gの冷却能力を予測する処理が行われる際に用いられる各種情報を記憶する。図11に、冷却効率情報261aの一例を示す。図11に示した例では、冷却効率情報261aは、発熱量、風量、冷却空間温度といった項目を有する。「発熱量」は、電子機器111a〜111dの発熱量を示す。「風量」および「冷却空間温度」は、図4に示した「風量」および「冷却空間温度」と同様である。
【0071】
発熱量情報261bは、発熱量計測部261cによって電子機器111a〜111dの発熱量を計測する処理が行われる際に用いられる各種情報を記憶する。図12に、発熱量情報261bの一例を示す。図12に示した例では、発熱量情報261bは、仕事量、発熱量といった項目を有する。「仕事量」は、電子機器111a〜111dの仕事量を示す。「発熱量」は、電子機器ごとに、電子機器の発熱量を示す。図12に示した「発熱量」は、電子機器111a、111b、111cの発熱量を示している。
【0072】
例えば、図12に示した発熱量情報261bは、仕事量が「W10」である場合に、電子機器111aの発熱量が「Q11」、電子機器111bの発熱量が「Q12」、電子機器111cの発熱量が「Q13」であることを示している。また、例えば、図12に示した発熱量情報261bは、仕事量が「W20」である場合に、電子機器111aの発熱量が「Q21」、電子機器111bの発熱量が「Q22」、電子機器111cの発熱量が「Q23」であることを示している。
【0073】
発熱量計測部261cは、電子機器111a〜111dと有線または無線で接続されており、電子機器111a〜111dの発熱量を計測する。具体的には、発熱量計測部261cは、まず、電子機器111a〜111dの仕事量を計測する。例えば、発熱量計測部261cは、電子機器111a〜111dにおいて実行中のジョブやタスクの種類や数に基づいて、電子機器111a〜111dがそれらの実行に要する電力量を求める。そして、発熱量計測部261cは、取得した仕事量と、発熱量情報261bに記憶されている各種情報に基づいて、電子機器111a〜111dの発熱量を計測する。
【0074】
例えば、発熱量情報261bが図12に示した状態であるものとする。また、発熱量計測部261cは、電子機器111aの仕事量として「W10」を計測したものとする。かかる場合に、発熱量計測部261cは、発熱量情報261bから、仕事量「W10」に対応する電子機器111aの発熱量「Q11」を取得する。また、例えば、発熱量計測部261cは、電子機器111bの仕事量として「W20」を計測した場合には、発熱量情報261bから、仕事量「W20」に対応する電子機器111bの発熱量「Q22」を取得する。
【0075】
制御部262は、空調制御システム200を制御する。実施例3における制御部262は、図5に図示することを省略したが、ファン制御部121a〜121hや、冷却機制御部119a〜119dと有線または無線で接続されている。なお、制御部262による処理については、図13を用いて後に詳細に説明する。
【0076】
[実施例3に係る空調制御システム200による空調制御]
次に、図13を用いて、実施例3に係る空調制御システム200による空調制御について説明する。図13は、実施例3に係る空調制御システム200による空調制御を示すフローチャートである。
【0077】
図13に示すように、まず、発熱量計測部261cは、電子機器111a〜111dの仕事量を計測する(ステップS201)。そして、発熱量計測部261cは、取得した仕事量と、発熱量情報261bに記憶されている各種情報に基づいて、電子機器111a〜111dの発熱量を計測する(ステップS202)。
【0078】
続いて、制御部262は、ファン120a〜120hによって冷却空間12へ送出されている現時点の風量を取得する(ステップS203)。続いて、制御部262は、発熱量計測部261cによって計測された発熱量と、ステップS203において取得した送出風量とに基づいて、HP150a〜150gの冷却能力を予測する(ステップS204)。
【0079】
例えば、発熱量計測部261cによって計測された電子機器111a〜111dの発熱量の平均値が「Q101」であり、ファン120a〜120hから冷却空間12へ送出される総風量が「U13」であるものとする。また、冷却効率情報261aが図11に示した状態であるものとする。かかる場合に、制御部262は、HP150a〜150gによって冷却空間12が「18℃」に冷却されると予測する。
【0080】
続いて、制御部262は、冷却機118a〜118dから排出されている排出風量と、冷却機118a〜118dによって吸気されている空気の温度と、冷却機118a〜118dによって排気されている空気の温度とを取得する(ステップS205)。
【0081】
続いて、制御部262は、ステップS204において予測した冷却能力と、ステップS205において取得した各種情報に基づいて、HPによって冷却される空気量と、冷却機によって冷却される空気量との割合を算出する(ステップS206)。
【0082】
続いて、制御部262は、ステップS206において算出した割合に基づいて、ファン120a〜120hの風量の総和を算出する(ステップS207)。続いて、制御部262は、算出したファン120a〜120hの総風量と、発熱量計測部261cによって計測された電子機器111a〜111dの発熱量とに基づいて、それぞれの通風弁240a〜240hを通過する空気量を算出する(ステップS208)。
【0083】
例えば、制御部262は、計算機室210を効率的に冷却するために、発熱量が大きい電子機器の近傍に位置する通風弁を通過する空気量が大きくなるように通風弁240a〜240hを通過する空気量を算出する。また、例えば、制御部262は、発熱量が小さい電子機器の近傍に位置する通風弁を通過する空気量が小さくなるように通風弁240a〜240hを通過する空気量を算出する。これにより、制御部262は、発熱量が大きく、計算機室210の室温に比べて装置内の温度が大幅に上昇してしまう電子機器に対して個別に冷却能力を増大させ、発熱量が大きな電子機器の温度上昇を防止することができる。
【0084】
そして、制御部262は、通風弁240a〜240hを通過するそれぞれの空気量がステップS208において算出した空気量になるように制御する(ステップS209)。具体的には、制御部262は、ステップS208において算出した空気量を、通風弁240a〜240hを制御する弁制御部に通知する。例えば、制御部262は、通風弁240a〜240hが図8に示した例である場合には、弁制御部241−1に空気量を通知し、通風弁240a〜240hが図9に示した例である場合には、弁制御部241−2に空気量を通知する。これにより、弁制御部241−1や弁制御部241−2は、通風弁を通過する空気量が制御部262から通知された空気量になるように、弁駆動部242−1や、グリッド駆動部242−2を制御する。
【0085】
また、制御部262は、上記ステップS206において算出した割合に基づいて、冷却機118a〜118dによって吸気される風量と、冷却機118a〜118dによって排気される空気の温度を算出する(ステップS210)。
【0086】
そして、制御部262は、冷却機118a〜118dのそれぞれの吸気風量が、ステップS210において算出した風量になるように制御する(ステップS211)。また、制御部262は、それぞれの冷却機118a〜118dによって排気される空気の温度が、ステップS210において算出した温度になるように制御する(ステップS211)。
【0087】
なお、図13に示した例では、制御部262は、発熱量計測部261cによって計測された発熱量に基づいて、HP150a〜150gの冷却能力を予測する例を示した(ステップS204)。しかし、制御部262は、図6に示した例と同様に、温度センサによって検知された温度に基づいて、HP150a〜150gの冷却能力を予測してもよい。かかる場合には、空調制御システム200は、空調制御システム100と同様に温度センサを有し、制御装置260は、図4に例示した冷却効率情報161を有することになる。
【0088】
[実施例3の効果]
上述してきたように、実施例3に係る空調制御システム200は、HP150a〜150gによって冷却される空気量と、冷却機118a〜118dによって冷却される空気量との割合を変動させる。これにより、空調制御システム200は、室内を効率的に冷却することができる。
【0089】
さらに、実施例3に係る空調制御システム200は、発熱量が大きい電子機器の近傍に位置する通風弁を通過する空気量を増大させ、発熱量が小さい電子機器の近傍に位置する通風弁を通過する空気量を減少させる。これにより、実施例3に係る空調制御システム200は、発熱量が小さい電子機器よりも発熱量が大きい電子機器を優先して冷却することができるので、計算機室210の室温を下げずに発熱量が大きな電子機器が所望温度以上に上昇してしまうことを抑制できる。
【0090】
以上のことから、実施例3に係る空調制御システム200は、発熱量の大きな電子機器の温度が上昇することを抑制できるとともに、計算機室210を効率的に冷却することができる。
【0091】
なお、上記実施例3では、電子機器の仕事量に基づいて、電子機器の発熱量を計測する例を示した。しかし、発熱量計測部261cは、各電子機器の近傍に温度センサを取り付けて、高い温度が検知された温度センサが取り付けられた電子機器ほど、発熱量が大きいと判定してもよい。
【0092】
また、各電子機器の近傍に温度センサを取り付ける場合には、制御部262は、高い温度が検知された温度センサが取り付けられた電子機器の近傍に位置する通風弁を通過する空気量を増大させてもよい。同様に、制御部262は、低い温度が検知された温度センサが取り付けられた電子機器の近傍に位置する通風弁を通過する空気量を減少させてもよい。
【実施例4】
【0093】
ところで、本願の開示する空調制御システム等は、上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、実施例4では、本願の開示する空調制御システム等の他の実施例について説明する。
【0094】
(1)発熱量の予測処理
上記実施例3では、電子機器の現在の仕事量に基づいて、電子機器の発熱量を計測する例を示した。しかし、本願の開示する空調制御システムは、今後の電子機器の仕事量そのものを予測しても良いし、または発熱量を直接予測してもよい。図14〜図16は、電子機器の発熱量を予測する処理例を説明するための図である。
【0095】
図14に示した例では、予め、電子機器に所定のテストプログラム01を実行させる。そして、テストプログラム01の処理時間t01と、命令実行数P01と、テストプログラム01を実行開始してから実行終了するまでの電子機器の発熱量Q01を計測し、計測した値を記録しておく。同様の手順を、テストプログラム02〜nについても行い、それぞれのテストプログラム02〜nに対応する処理時間t01〜tn、命令実行数P01〜Pn、発熱量Q01〜Qnを所定の記憶部に記録しておく。
【0096】
そして、発熱量計測部261cは、上述した処理時間t01〜tn、命令実行数P01〜Pn、発熱量Q01〜Qnを用いて、1個の命令に対する単位時間当たりの発熱量を計算する。そして、発熱量計測部261cは、電子機器によって今後に実行される命令数を予測する。そして、発熱量計測部261cは、予測した命令数を、「1個の命令に対する単位時間当たりの発熱量」に乗算することにより、電子機器の今後の発熱量を予測する。
【0097】
図15に示した例では、図14に示した例と同様に、予め、電子機器にテストプログラム01〜nを実行させて、処理時間t01〜tn、命令実行数P01〜Pnと、発熱量Q01〜Qnを所定の記憶部に記録しておく。さらに、図15に示した例では、テストプログラム01〜nを実行した場合における命令実行処理のパターンX01〜Xnについても計測し、計測した命令実行処理パターンX01〜Xnを所定の記憶部に記録しておく。
【0098】
そして、発熱量計測部261cは、電子機器によって今後に実行される命令実行処理パターンと、電子機器によって今後に実行される命令数とを予測する。そして、発熱量計測部261cは、所定の記憶部から、予測した命令実行処理パターンと類似する命令実行処理パターンXyに対応する処理時間ty、命令実行数Py、発熱量Qyを取得する。そして、発熱量計測部261cは、取得した処理時間ty、命令実行数Py、発熱量Qyを用いて、1個の命令に対する単位時間当たりの発熱量を計算する。そして、発熱量計測部261cは、予測した命令数を、「1個の命令に対する単位時間当たりの発熱量」に乗算することにより、電子機器の発熱量を予測する。
【0099】
図16に示した例では、予め、電子機器に所定のテストプログラム01を実行させる。そして、テストプログラム01の処理時間t01と、命令実行数P01とを計測し、計測した値を所定の記憶部に記録しておく。さらに、テストプログラム01の実行中におけるプロセッサの発熱量Qp01、メモリアクセス回数M01、メモリ部の発熱量Qm01、CD−ROM等の周辺部へのアクセス回数S01、周辺部の発熱量Qs01を計測し、計測した値を記録しておく。
【0100】
そして、発熱量計測部261cは、上述した処理時間t01〜tn、命令実行数P01〜Pn、発熱量Qp01〜Qpnを用いて、1個の命令に対する単位時間当たりのプロセッサの発熱量を計算する。また、発熱量計測部261cは、上述した処理時間t01〜tn、命令実行数P01〜Pn、発熱量Qm01〜Qmnを用いて、1回のメモリアクセスに対する単位時間当たりのメモリの発熱量を計算する。また、発熱量計測部261cは、上述した処理時間t01〜tn、命令実行数P01〜Pn、発熱量Qs01〜Qsnを用いて、1回の周辺部へのアクセスに対する単位時間当たりの周辺部の発熱量を計算する。
【0101】
そして、発熱量計測部261cは、今後に電子機器によって実行される命令数、電子機器によってメモリにアクセスされる回数、電子機器によって周辺部にアクセスされる回数を予測する。そして、発熱量計測部261cは、予測した命令数を、「1個の命令に対する単位時間当たりのプロセッサの発熱量」に乗算することにより、電子機器が有するプロセッサの発熱量を予測する。また、発熱量計測部261cは、予測したメモリアクセス回数を、「1回のメモリアクセスに対する単位時間当たりのメモリの発熱量」に乗算することにより、電子機器が有するメモリの発熱量を予測する。また、発熱量計測部261cは、予測した周辺部アクセス回数を、「1回の周辺部へのアクセスに対する単位時間当たりの周辺部の発熱量」に乗算することにより、電子機器が有する周辺部の発熱量を予測する。
【0102】
また、各電子機器に温度センサを取り付けた場合には、発熱量計測部261cは、予測した発熱量と、各電子機器の現状の温度とに基づいて、今後の電子機器近傍の温度を予測してもよい。そして、制御部262は、予測した温度が高い電子機器の近傍に位置する通風弁を通過する空気量を増大させてもよい。
【0103】
(2)空調制御システムの構成
また、上記実施例2では、図2を用いて空調制御システムの構成について説明したが、空調制御システムの構成は、図2に示した例に限られない。図17および図18を用いて、空調制御システムの他の構成例について説明する。図17および図18は、空調制御システムの構成例を示す図である。
【0104】
図17に示した空調制御システム300は、図2に示した空調制御システム200と比較して、通風路311と、ファン312とを新たに有する。また、図17に示した空調制御システム300は、図2に示した空調制御システム200と比較して、通風路140a〜140dを有さない。
【0105】
ファン312は、通風路311を介して、冷却空間12の空気を吸気して、吸気した空気を冷却機118へ排気する。図17に示した冷却機118は、ファン312によって排気された空気と、天井裏排気路113a内の空気とを冷却することになる。
【0106】
図18に示した空調制御システム400は、図2に示した空調制御システム200と比較して、HP150a〜150gの代わりにHP350a〜350dを有する。図18に示すように、HP350aは、天井裏通風路113bに配設される蒸発部351aと、土壌10に埋設される凝縮部352aとを有する。同様に、HP350b〜350dは、天井裏通風路113bに蒸発部が配設され、土壌10に凝縮部が埋設される。HP350a〜350dは、天井裏通風路113b内の空気を冷却する。
【0107】
図17および図18に示した冷却機118は、図2に示した冷却機が吸気する空気よりも冷却された空気を吸気することになる。このため、図17に示した空調制御システム300や図18に示した空調制御システム400は、冷却機118の動作量を低減することができる。
【0108】
(3)HPの形状
また、上述したHP150a〜150gや、HP350a〜350dは、土壌10に多くの熱を放熱し、冷却空間12の空気を効率的に冷却することが好ましい。そこで、土壌10に熱を放熱しやすく、冷却空間12の空気を冷却しやすいHP150について説明する。図19は、HP150の一例を示す図である。図19の左側には、HP150の断面図を示す。また、図19に右側には、A−A線の断面図を示す。
【0109】
図19の左側に示すように、蒸発部151は、入熱用のフィンである。このような蒸発部151は、面積が大きいので、冷却空間12の空気を効率的に入熱する。また、図19の右側に示すように、凝縮部152の外周面は、溝が形成された形状となっている。これにより、凝縮部152は、溝が形成されていない凝縮部よりも、放熱面積が大きくなる。したがって、凝縮部152と土壌10と熱交換率は、溝が形成されていない凝縮部よりも高い。このような凝縮部152は、土壌10に熱を放熱しやすい。
【0110】
このように、HP150は、入熱用のフィンである蒸発部151と、外周面に溝が形成された凝縮部152とを有するので、土壌10に多くの熱を放熱することができるとともに、冷却空間12の空気を効率的に冷却することができる。
【0111】
(4)空調制御プログラム
また、上記実施例1〜4で説明した空調制御システムの各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することもできる。また制御機器に組み込まれたマイクロコンピュータで実行することもできる。そこで、以下では、図20を用いて、上記実施例1で説明した空調制御システム1と同様の機能を有する空調制御プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図20は、空調制御プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【0112】
図20に示すように、空調制御システム1としてコンピュータ1000は、HDD(Hard Disk Drive)1010、RAM(Random Access Memory)1020およびCPU(Central Processing Unit)1030をバス1040で接続して構成される。
【0113】
ここで、HDD1010は、CPU1030による各種処理の実行時に用いられる情報を記憶する。RAM1020は、各種情報を一時的に記憶する。CPU1030は、各種演算処理を実行する。
【0114】
そして、HDD1010には、図20に示すように、図1に示した空調制御システム1の制御部9と同様の機能を発揮する空調制御プログラム1011があらかじめ記憶されている。なお、この空調制御プログラム1011を適宜分散させて、ネットワークを介して通信可能に接続された他のコンピュータの記憶部に記憶させておくこともできる。
【0115】
そして、CPU1030が、この空調制御プログラム1011をHDD1010から読み出してRAM1020に展開することにより、図20に示すように、空調制御プログラム1011は空調制御プロセス1021として機能するようになる。
【0116】
なお、上記の空調制御プログラム1011については、必ずしも最初からHDD1010に記憶させておかなくてもよい。例えば、コンピュータ1000に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ1000がこれらから各プログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
【0117】
さらには、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ1000に接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」などに各プログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ1000がこれらから各プログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
【0118】
(5)システム構成等
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、図10に示した発熱量計測部261cと、制御部262とは、統合されてもよい。
【0119】
また、図示した各構成要素数や、数値等は、一例であって、必ずしも図示の如く構成されていることを要しない。例えば、図2では、空調制御システム100が、7本のHP150a〜150gを有する例を示したが、空調制御システム100が有するHPの数は7本に限られない。例えば、空調制御システム100は、1本〜6本のHPを有してもよいし、8本以上のHPを有してもよい。また、図4や図11では、温度に関する情報を数値で示したが、かかる温度は一例であって他の数値であってもよい。
【0120】
また、地熱を用いて冷却するパイプの例としてはヒートパイプを用いて説明したが、パイプ7a〜7eの実現方法はヒートパイプに限らなくても良く、二重パイプの空気循環型やパイプ内に水を循環させるものであっても良い。
【0121】
また、冷却空間は図1では地面と部屋の間に設けられているが、部屋の周囲に設けても良く、また部屋の一部を仕切りで独立に区切って冷却空間としても良い。
【0122】
また、図2では冷却空間はHP7本に共通の一つの空間として設けられているが、複数のブロック空間に分割し、各ブロック空間ごとにHPと送出部と送入部を設けても良い。
【0123】
また、図2では天井裏は冷却機への排気路と冷却空間への送出通風路は水平方向に区切られているが、垂直方向に区切っても良いし、筒状に区切っても良い。また、図2では、排気路の空気の流れと冷却空間への送出通風路の空気の流れは逆方向になっているが、同一方向であっても良い。
【0124】
また、図2では部屋の空気を上方から排出し、下方から冷却しているが、一例として部屋の下方から排出し、上方から冷却しても良く、また部屋の一方の側面から排出して他の側面から冷却しても良い。例えば部屋の空気を下方から排出して情報から冷却する場合は、図2において部屋の空気を冷却空間へ送出する通風路116は短く、冷却空間から冷却された空気を部屋へ送入する通風路140a〜140dは長くなる。また、通風路140a〜140dとして建物の壁と部屋の壁の間の空間を利用しても良い。
【0125】
また、図2では制御装置は操作室に置かれた独立の機器として設けられているが、計算機室内の電子機器の一部を制御装置として使用しても良い。
【0126】
また、図3および図10の冷却効率情報や発熱量情報は固定された情報である必要はない。例えば、温度や風量を定期的に取得し、気温、地中の温度、土壌の状況、電子機器の稼働状況の変化などに応じて定期的に情報を更新しても良い。
【0127】
また、図2では部屋の熱源として電子機器の例が示されているが、熱源は人や家庭用電気機器であっても良い。例えば、地熱の冷却能力を超えて部屋に多数の人が集まった場合や、家庭用電気機器の発熱量が増加した場合であっても、地熱を利用して効率良く冷却することが出来る。また、熱源の一時的な発熱量の増加に備えて過大な地熱冷却設備を備える必要が無くなり、経済的な効果も得ることが出来る。
【0128】
以上の各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0129】
(付記1)熱源を有する室内から吸気した空気を冷却して前記室内へ排気する冷却機と、
一端が地中に埋設され、他端が前記室外の所定の空間である冷却空間に配設され、地熱を利用して冷却空間の空気を冷却するパイプと、
前記室内の空気を前記冷却空間へ送出する送出部と、
前記パイプによって冷却された前記冷却空間の空気を前記室内へ送入する送入部と、
前記室内の温度または熱源の発熱量に基づいて、前記冷却機によって吸気される風量と、前記送出部によって前記冷却空間へ送出される風量とを制御する制御部と
を備えたことを特徴とする空気還流型の空調制御システム。
【0130】
(付記2)前記室内に設置されている電子機器の仕事量に基づいて、該電子機器の発熱量を計測する発熱量計測部をさらに備え、
前記制御部は、前記発熱量計測部によって計測された発熱量が小さい電子機器よりも、発熱量が大きい電子機器ほど、前記パイプによって冷却された前記冷却空間から前記室内に送入される風量が多くなるように制御することを特徴とする付記1に記載の空調制御システム。
【0131】
(付記3)前記室内の温度を検知する一つまたは複数の温度センサ手段と、
前記温度センサ手段によって検知される温度と、前記冷却空間へ送出される風量と、前記冷却空間温度とを対応付けて記憶する冷却効率記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記冷却効率記憶部から、前記温度センサ手段によって検知された温度と、前記送出部によって前記冷却空間へ送出されている風量とに対応する冷却空間温度を取得し、取得した冷却空間温度が前記室内に対して設定されている所望の温度である所望室内温度よりも低いほど、前記送出部によって前記冷却空間へ送出される風量が大きくなるように制御することを特徴とする付記1または2に記載の空調制御システム。
【0132】
(付記4)前記発熱量計測部は、前記電子機器の仕事量を予測する機能を有し、予測した仕事量に基づいて該電子機器の発熱量を予測し、
前記制御部は、前記発熱量計測部によって予測された発熱量に基づいて、前記冷却空間から前記電子機器へ送入される風量を制御することを特徴とする付記2に記載の空調制御システム。
【0133】
(付記5)前記発熱量計測部は、パターン化されたジョブに応じた前記電子機器の単位処理量あたりの発熱量を記録する機能をさらに有し、前記電子機器の仕事量を予測する機能は今後前記電子機器に投入されるジョブのパターンと処理量とを予測し、前記電子機器毎にジョブパターンに応じて記録された発熱量と今後投入されるジョブの予測パターとより前記電子機器の今後の発熱量を予測し、
前記制御部は、予測された発熱量が小さい電子機器よりも、予測された発熱量が大きい電子機器ほど、前記冷却空間から前記電子機器へ送入される風量が多くなるように制御することを特徴とする付記4に記載の空調制御システム。
【0134】
(付記6)前記温度センサ手段は前記室内の複数の場所の温度を検知する機能を有し、前記送出部は前記室内の空気を複数の場所から風量を可変制御して吸気し前記冷却空間へ送出する機能とを有し、前記室内の検知された温度が高い近傍から吸気する風量を増加させ、検知された温度が低い近傍から吸気する風量を減少させて前記冷却空間へ送出することを特徴とする付記3に記載の空調制御システム。
【0135】
(付記7)前記冷却機は、前記室内の上部から空気を吸気し、前記室内の下部へ冷却した空気を排気し、
前記冷却空間は前記室外下部に設けられ、前記送出部は前記室内上部の空気を前記冷却空間に送出し、前記送入部は前記室内の下部から前記冷却空間の空気を送入することを特徴とする付記1に記載の空調制御システム。
【0136】
(付記8)前記室内上部には第一の通風空間が設けられ、前記室外上部には第二の通風空間が設けられ、前記室内下部には第三の通風空間が設けられ、前記冷却空間は前記第三の通風空間の下部室外に設けられ、前記第一の通風空間と前記第二の通風空間の間には通風孔が設けられ、前記第三の通風空間と前記冷却空間との間には前記送入部が設けられ、
前記冷却機は前記第一の通風空間を経由して前記室内の空気を吸気し、前記第三の通風空間を経由して前記室内へ冷却された空気を排気し、
前記送出部は前記第一の通風空間、前記通風孔、前記第二の通風空間を経由して前記冷却空間に前記室内の空気を送出し、前記冷却空間の空気を前記送入部、前記第三の通風空間を経由して前記室内に送入することを特徴とした付記7に記載の空調制御システム。
【0137】
(付記9)前記送入部は前記冷却空間から前記第三の通風空間へ送入する風量を可変制御する手段を風量制御手段を有し、前記風量制御手段は前記制御部の指示により風量を可変とすることを特徴とした付記8に記載の空調制御システム。
【0138】
(付記10)前記風量制御手段は、開閉量を可変可能な通風弁を備え、前記制御部の指示に応じて前記通風弁の開閉量を可変することにより前記送入部の風量を可変とすることを特徴とした付記9に記載の空調制御システム。
【0139】
(付記11)前記風量制御手段は、一部に穴の開いた第一および第二のグリッドを備え、前記第一のグリッドの片面と前記第二のグリッドの片面が相対するように設けられ、
さらに前記第一のグリッドと前記第二のグリッドの面に水平方向の相対位置関係を水平移動または回転移動させることにより前記第一のグリッドの穴と前記第二のグリッドの穴の重なりを可変制御する手段とを備え、
前記制御部の指示に応じて移動量を可変することにより前記送入部の風量を可変とすることを特徴とした付記9に記載の空調制御システム。
【0140】
(付記12)前記パイプは、地中に埋設される一端の外周面に溝が形成された形状であり、前記冷却空間に配設される他端が放熱フィンであることを特徴とする付記1〜11のいずれか一つに記載の空調制御システム。
【0141】
(付記13)前記冷却空間と前記地中との間に断熱材をさらに備えたことを特徴とする付記1〜12のいずれか一つに記載の空調制御システム。
【0142】
(付記14)熱源を有する室内から吸気した空気を冷却して前記室内へ排気する冷却機と、
前記室内から吸気した空気を冷却機の吸気入力部へ導く吸気部と、
一端が地中に埋設され、他端が前記室外の所定の空間である冷却空間に配設され、地熱を利用して冷却空間の空気を冷却するパイプと、
前記室内の空気を前記冷却空間へ送出する送出部と、
前記パイプによって冷却された前記冷却空間の空気を前記冷却機の吸気入力部へ導く送入部と、
前記室内の温度または熱源の発熱量に基づいて、前記冷却機によって吸気される風量と、前記送出部によって前記冷却空間へ送出される風量とを制御する制御部と
を備えたことを特徴とする空気還流型の空調制御システム。
【0143】
(付記15)前記室内の温度を検知する一つまたは複数の温度センサ手段と、
前記温度センサ手段によって検知される温度と、前記冷却空間へ送出される風量と、前記冷却空間温度とを対応付けて記憶する冷却効率記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記冷却効率記憶部から、前記温度センサ手段によって検知された温度と、前記送出部によって前記冷却空間へ送出されている風量とに対応する冷却空間温度を取得し、取得した冷却空間温度が前記室内に対して設定されている所望の温度である所望室内温度よりも低いほど、前記送出部によって前記冷却空間へ送出される風量が大きくなるように制御することを特徴とする付記14に記載の空調制御システム。
【0144】
(付記16)前記温度センサ手段は前記室内の複数の場所の温度を検知する機能を有し、前記送出部は前記室内の空気を複数の場所から風量を可変制御して吸気し冷却空間へ送出する機能とを有し、前記室内の検知された温度が高い近傍から吸気する風量を増加させ、検知された温度が低い近傍から吸気する風量を減少させて冷却空間へ送出することを特徴とする付記14又は15に記載の空調制御システム。
【0145】
(付記17)前記温度センサ手段は前記室内の複数の場所の温度を検知する機能を有し、前記冷却機の前記吸気部は前記室内の空気を複数の場所から風量を可変制御して吸気する機能とを有し、前記冷却空間の空気を前記冷却機の前記吸気入力部へ導く前記送入部は前記複数の吸気部に対応して複数設けられ、さらに前記複数の送入部は風量を可変制御する機能を有し、
前記室内の検知された温度が高い近傍から吸気する前記吸気部の風量を減少させるとともに対応する前記送入部の風量を増加させ、検知された温度が低い近傍から吸気する前記吸気部の風量を増加させるとともに対応する前記送入部の風量を減少させることを特徴とする付記14〜16のいずれか一つに記載の空調制御システム。
【0146】
(付記18)前記冷却機は、前記室内の上部から空気を吸気し、前記室内の下部へ冷却した空気を排気し、
前記冷却空間は前記室外下部に設けられ、前記送出部は前記室内上部の空気を前記冷却空間に送出することを特徴とする付記14に記載の空調制御システム。
【0147】
(付記19)前記室内上部には第一の通風空間が設けられ、前記室外上部には第二の通風空間が設けられ、前記室内下部には第三の通風空間が設けられ、前記冷却空間は前記第三の通風空間の下部室外に設けられ、前記第一の通風空間と前記第二の通風空間の間には通風孔が設けられ、
前記冷却機は前記第一の通風空間を経由して前記室内の空気を吸気し、前記第三の通風空間を経由して前記室内へ冷却された空気を排気し、
前記送出部は前記第一の通風空間、前記通風孔、前記第二の通風空間を経由して前記冷却空間に前記室内の空気を送出することを特徴とした付記18に記載の空調制御システム。
【0148】
(付記20)前記パイプは、地中に埋設される一端の外周面に溝が形成された形状であり、前記冷却空間に配設される他端が放熱フィンであることを特徴とする付記14〜19のいずれか一つに記載の空調制御システム。
【0149】
(付記21)前記冷却空間と前記地中との間に断熱材をさらに備えたことを特徴とする付記14〜20のいずれか一つに記載の空調制御システム。
【0150】
(付記22)熱源を有する室内の空気を前記室内の上部から吸気して冷却し、冷却した空気を前記室内の下部へ排気する冷却機と、
一端が地中に埋設され、他端が前記室外上部の所定の空間である冷却空間に配設され、地熱を利用して冷却空間の空気を冷却するパイプと、
前記パイプの地中埋設部と冷却空間部の中間部を断熱する手段と
前記室内の空気を前記冷却空間を経由して前記冷却機の空気入力部へ送入する送入部と、
前記室内の温度または熱源の発熱量に基づいて、前記冷却機に送入される風量と、冷却機から排出される冷却空気温度とを制御する制御部と
を備えたことを特徴とする空気還流型の空調制御システム。
【0151】
(付記23)前記室内の温度を検知する一つまたは複数の温度センサ手段を備え、
前記制御部は、前記温度センサ手段によって検知された温度が前記室内に対して設定されている所望の温度である所望室内温度よりも低いほど、前記送入部によって前記冷却空間から前記冷却機へ送入される風量を減少させるか又は冷却機の排気温度を上昇させるように制御することを特徴とする付記22に記載の空調制御システム。
【0152】
(付記24)前記パイプは、地中に埋設される一端の外周面に溝が形成された形状であり、前記冷却空間に配設される他端が放熱フィンであることを特徴とする付記22又は23に記載の空調制御システム。
【0153】
(付記25)前記冷却空間と前記地中との間に断熱材をさらに備えたことを特徴とする付記22〜24のいずれか一つに記載の空調制御システム。
【0154】
(付記26)空調制御システムが行う空調制御方法であって、
前記空調制御システムは、
熱源を有する室内から吸気した空気を冷却して前記室内へ排気する冷却機と、一端が地中に埋設されるとともに他端が前記室外の所定の空間である冷却空間に配設されたパイプとを有し、さらに 前記室内の空気を前記冷却空間へ送出する送出ステップと、
前記パイプによって冷却された前記冷却空間の空気を前記室内へ送入する送入ステップと、
前記室内の温度に基づいて、前記冷却機によって吸気される風量と、前記送出ステップによって前記冷却空間へ送出される風量とを制御する制御ステップと
を実行することを特徴とする空調制御方法。
【0155】
(付記27)空調制御システムを制御するコンピュータに空調制御を実行させる空調制御プログラムであって、
前記空調制御システムは、熱源を有する室内から吸気した空気を冷却して前記室内へ排気する冷却機と、一端が地中に埋設されるとともに他端が前記室外の所定の空間である冷却空間に配設されたパイプとを有し、
前記コンピュータに、
前記室内の空気を前記冷却空間へ送出する送出手順と、
前記パイプによって冷却された前記冷却空間の空気を前記室内へ送入する送入手順と、
前記室内の温度に基づいて、前記冷却機によって吸気される風量と、前記送出手順によって前記冷却空間へ送出される風量とを制御する制御手順と
を実行させることを特徴とする空調制御プログラム。
【符号の説明】
【0156】
1、100、200、300、400 空調制御システム
2 地中
3 部屋
4 冷却機
5 送出部
6 冷却空間
7a〜7e パイプ
8a〜8d 送入部
9 制御部
10 土壌
11 断熱材
12 冷却空間
20 熱源
110 計算機室
111a〜111d 電子機器
112 操作室
113a 天井裏排気路
113b 天井裏通風路
114a 通風孔
115 床下通風路
118 冷却機
119 冷却機制御部
120、312 ファン
121 ファン制御部
122 通風路
130a〜130h 温度センサ
150a〜150g HP
160 制御装置
161 冷却効率情報
162 制御部
210 計算機室
240 通風弁
260 制御装置
261a 冷却効率情報
261b 発熱量情報
261c 発熱量計測部
262 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源を有する室内から吸気した空気を冷却して前記室内へ排気する冷却機と、
一端が地中に埋設され、他端が前記室外の所定の空間である冷却空間に配設され、地熱を利用して冷却空間の空気を冷却するパイプと、
前記室内の空気を前記冷却空間へ送出する送出部と、
前記パイプによって冷却された前記冷却空間の空気を前記室内へ送入する送入部と、
前記室内の温度または熱源の発熱量に基づいて、前記冷却機によって吸気される風量と、前記送出部によって前記冷却空間へ送出される風量とを制御する制御部と
を備えたことを特徴とする空気還流型の空調制御システム。
【請求項2】
前記室内に設置されている電子機器の仕事量に基づいて、該電子機器の発熱量を計測する発熱量計測部をさらに備え、
前記制御部は、前記発熱量計測部によって計測された発熱量が小さい電子機器よりも、発熱量が大きい電子機器ほど、前記パイプによって冷却された前記冷却空間から前記室内に送入される風量が多くなるように制御することを特徴とする請求項1に記載の空調制御システム。
【請求項3】
前記室内の温度を検知する一つまたは複数の温度センサ手段と、
前記温度センサ手段によって検知される温度と、前記冷却空間へ送出される風量と、前記冷却空間温度とを対応付けて記憶する冷却効率記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記冷却効率記憶部から、前記温度センサ手段によって検知された温度と、前記送出部によって前記冷却空間へ送出されている風量とに対応する冷却空間温度を取得し、取得した冷却空間温度が前記室内に対して設定されている所望の温度である所望室内温度よりも低いほど、前記送出部によって前記冷却空間へ送出される風量が大きくなるように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の空調制御システム。
【請求項4】
前記発熱量計測部は、前記電子機器の仕事量を予測する機能をし、予測した仕事量に基づいて該電子機器の発熱量を予測し、
前記制御部は、前記発熱量計測部によって予測された発熱量に基づいて、前記冷却空間から前記電子機器へ送入される風量を制御することを特徴とする請求項2に記載の空調制御システム。
【請求項5】
空調制御システムが行う空調制御方法であって、
前記空調制御システムは、
熱源を有する室内から吸気した空気を冷却して前記室内へ排気する冷却機と、一端が地中に埋設されるとともに他端が前記室外の所定の空間である冷却空間に配設されたパイプとを有し、さらに
前記室内の空気を前記冷却空間へ送出する送出ステップと、
前記パイプによって冷却された前記冷却空間の空気を前記室内へ送入する送入ステップと、
前記室内の温度に基づいて、前記冷却機によって吸気される風量と、前記送出ステップによって前記冷却空間へ送出される風量とを制御する制御ステップと
を実行することを特徴とする空調制御方法。
【請求項6】
空調制御システムを制御するコンピュータに空調制御を実行させる空調制御プログラムであって、
前記空調制御システムは、熱源を有する室内から吸気した空気を冷却して前記室内へ排気する冷却機と、一端が地中に埋設されるとともに他端が前記室外の所定の空間である冷却空間に配設されたパイプとを有し、
前記コンピュータに、
前記室内の空気を前記冷却空間へ送出する送出手順と、
前記パイプによって冷却された前記冷却空間の空気を前記室内へ送入する送入手順と、
前記室内の温度に基づいて、前記冷却機によって吸気される風量と、前記送出手順によって前記冷却空間へ送出される風量とを制御する制御手順と
を実行させることを特徴とする空調制御プログラム。
【請求項7】
熱源を有する室内から吸気した空気を冷却して前記室内へ排気する冷却機と、
前記室内から吸気した空気を冷却機の吸気入力部へ導く吸気部と、
一端が地中に埋設され、他端が前記室外の所定の空間である冷却空間に配設され、地熱を利用して冷却空間の空気を冷却するパイプと、
前記室内の空気を前記冷却空間へ送出する送出部と、
前記パイプによって冷却された前記冷却空間の空気を前記冷却機の吸気入力部へ導く送入部と、
前記室内の温度または熱源の発熱量に基づいて、前記冷却機によって吸気される風量と、前記送出部によって前記冷却空間へ送出される風量とを制御する制御部と
を備えたことを特徴とする空気還流型の空調制御システム。
【請求項8】
熱源を有する室内の空気を前記室内の上部から吸気して冷却し、冷却した空気を前記室内の下部へ排気する冷却機と、
一端が地中に埋設され、他端が前記室外上部の所定の空間である冷却空間に配設され、地熱を利用して冷却空間の空気を冷却するパイプと、
前記パイプの地中埋設部と冷却空間部の中間部を断熱する手段と
前記室内の空気を前記冷却空間を経由して前記冷却機の空気入力部へ送入する送入部と、
前記室内の温度または熱源の発熱量に基づいて、前記冷却機に送入される風量と、冷却機から排出される冷却空気温度とを制御する制御部と
を備えたことを特徴とする空気還流型の空調制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−153764(P2011−153764A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−15659(P2010−15659)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】