説明

空間像表示装置

【課題】従来に比べて高精細な立体表示を容易に実現することができるようにする。
【解決手段】p色の画素を複数有する2次元表示部1と、その画素配列に対して斜めに配置されたレンチキュラーレンズ2とを組み合わせることで、同時刻に、複数の視野角に対応する複数の光線を面分割で空間中に放射する。かつ、各シリンドリカルレンズ2Aと2次元表示部1の各画素との相対的な位置を周期的に変位させることで、各シリンドリカルレンズ2Aによる任意の画素からの表示画像光の放射方向を周期的に変位させる。3次元映像の1フレーム分に対応する画像を、2次元表示部1の各画素ごとに時分割で表示すると共に、2次元表示部1における時分割表示のタイミングと変位手段による相対的な位置を変位させるタイミングとを同期制御する。これにより、面分割方式と時分割方式とを組み合わせた立体表示がなされ、従来に比べて高精細な立体表示を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間像を表示することにより3次元的な表示を行う装置、特に、少なくとも2次元表示装置とレンチキュラーレンズとを備えた空間像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、観察者の両眼に視差のある画像を見せることで立体視を実現する2眼式の立体表示装置が知られている。一方、人間が持つ立体知覚機能には、両眼視差、輻輳、生理的調整および運動視差の4つが知られているが、2眼式では両眼視差を満足するものの、その他の知覚機能との間に認識の不一致や矛盾が生じることが多い。こういった不一致や矛盾は実世界ではありえないため、脳が混乱し疲労を引き起こすと言われている。
【0003】
そこで、より自然な立体視を実現する方法として空間像方式の開発が進められている。空間像方式では、放射方向の異なる複数の光線を空間中に放射することで、複数の視野角に対応した空間像を形成する。空間像方式では、人間が持つ立体知覚機能のうち、両眼視差、輻輳および運動視差を満足させることができる。特に、極めて細かく細分化された視野角に対してそれぞれ適した画像を空間中に表示させることができれば、人間の焦点調整機能である生理的調整も含めたすべての立体知覚機能を満足させることができ、自然な立体像を感じさせることができる。空間像を形成する方法としては、複数の視野角に対応した画像を高速に時分割で切り替えて表示するような、「時分割方式」での表示方法が知られている。時分割方式を実現するものとしては、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を利用して作成されたマイクロ偏向ミラーアレイを用いたものが知られている。これは、時分割された画像光をマイクロ偏向ミラーアレイによって画像の切り替えタイミングに同期して偏向させるものである。
【0004】
空間像方式としてはまた、液晶ディスプレイなどの2次元表示装置とレンチキュラーレンズとを組み合わせた方式が知られている(非特許文献1,2および特許文献1,2参照)。この方式では、2次元表示装置の1つの表示面内に複数の視野角に対応する画像を同時に詰め込んで一度に表示すると共に、その複数の視野角に対応する画像を、レンチキュラーレンズを介して適切な方向に偏向して放射することで複数の視野角に対応した空間像を形成する。これは、上述の時分割方式とは異なり、1つの表示面内で複数の視野角に対応する画像を分割して同時に表示しているので、「面分割方式」と呼ばれる。
【0005】
ここで、レンチキュラーレンズとは、複数のシリンドリカルレンズ(円筒レンズ)を互いの円筒軸(中心軸)が略平行となるように並列配置して全体としてシート状(板状)に構成されたものである。上述の面分割方式では、レンチキュラーレンズを構成するシリンドリカルレンズの焦点面を2次元表示装置の表示面に一致するように配置する。2次元表示装置とレンチキュラーレンズとの最も単純な組み合わせ方としては、シリンドリカルレンズの円筒軸と2次元表示装置の縦方向とを平行に設定する方法がある。この方法の場合、2次元表示装置の表示面は通常、水平方向(横方向)および垂直方向(縦方向)に配置された多数の画素で構成されているので、水平方向に配置された所定数の複数の画素に1つのシリンドリカルレンズを対応させて「3次元画素」が構成される。「3次元画素」とは、空間像を表示するための画素の1つの単位であり、2次元表示装置の所定数の複数の画素からなる画素群が1つの「3次元画素」として設定される。シリンドリカルレンズの円筒軸から各画素までの水平距離で、その画素から出射される光のシリンドリカルレンズ通過後の水平進行方向(偏向角)が決まるので、3次元画素として用いた水平画素数と同じだけの水平表示方向が得られる。この構成方法では、水平表示方向を多くすると、3次元表示の水平方向の解像度が極端に低下するとともに、3次元表示の水平・垂直の解像度にアンバランスが生じるという問題点が指摘されている。特許文献1には、この問題点を解決するために、シリンドリカルレンズの円筒軸を2次元表示装置の縦方向に対して傾斜して配置する方法が提案されている。
【0006】
図19(A)は、特許文献1で提案されている表示方式の一例を示している。図19(A)において、2次元表示装置101は、R,G,Bの3色の画素102を複数有している。画素102は、垂直方向には同一色のものが配列され、水平方向にはR,G,Bの3色が周期的に現れるように配列されている。レンチキュラーレンズ103は、複数のシリンドリカルレンズ104を有している。レンチキュラーレンズ103は、画素102の垂直配列方向に対して傾けて配置されている。この表示方式では、水平方向にM個、垂直方向にN個、計M×N個の画素102で1つの3次元画素を構成し、M×N個の水平表示方向を実現する。このとき、レンチキュラーレンズ103の傾き角をθとすると、
θ=tan-1(px/Npy)とすることで、3次元画素内のすべての画素102について、シリンドリカルレンズ104の円筒軸に対する水平距離を異なる値に設定することができる。ここで、pxは各色の画素102の水平方向のピッチであり、pyは各色の画素102の垂直方向のピッチである。
【0007】
図19(A)の例では、N=2、M=7/2として、7個の画素102を用いて1つの3次元画素を構成し、7個の水平表示方向を実現している。図19(A)において画素102に付している1〜7の番号はその7個の水平表示方向に対応することを示している。このようにレンチキュラーレンズ103を傾けて用いることで、水平方向の画素102のみでなく、垂直方向の画素102をも用いて、1つの3次元画素を構成することができ、3次元表示の水平方向の解像度の低下を抑え、水平・垂直方向の解像度のバランスを向上できることが提案されている。
【0008】
しかしながら、図19(A)に示した表示方式では、1つの3次元画素につき、1つの水平表示方向には1つの色の画素102しか対応させていない。このため、1つの3次元画素内では1つの水平表示方向にR,G,Bの3原色を同時に表示できない。そのため、3つの3次元画素を組み合わせることで、1つの水平表示方向につきR,G,Bの3原色を表示している。図19(B)では、7個の水平表示方向のうち4番目の水平表示方向についての表示色を3次元画素ごとに示している。図19(B)に示すように、斜め方向に3つの3次元画素を組み合わせて用いることで1つの水平表示方向にR,G,Bの3原色を同時に表示し、フルカラー表示を実現している。この表示方式では、水平表示方向によって3次元画素の表示色が変化するため、3次元像に色むらが生じるという問題点が指摘されている。さらに、各色の画素102の画素構造に依存して水平表示方向に対して最大強度が変化するため、網膜像に水平方向の強度むらが生じる問題もある。特許文献2には、画素102の配列やレンチキュラーレンズ103の傾き角θを工夫することで、上述の特許文献1に記載の表示方式による問題点を改善する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第6,064,424号明細書
【特許文献2】特開平2005−309374号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】平山雄三,「平置き型立体ディスプレイシステム」,光学,第35巻,2006年,p.416−422
【非特許文献2】Y.Takaki,「Density directional display for generating natural three-dimensional images」,Proc.IEEE,2006年,第94巻,p.654−663
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、従来の時分割方式を用いる空間像表示装置では、コストや製造適性の点で、大面積の表示装置を実現することが難しいという問題がある。また、例えばマイクロ偏向ミラーアレイを用いた場合、すべてのマイクロミラーを精度良く同期させて偏向させるためには、個々のマイクロミラーを非常に高い精度でそれぞれ独立して制御する必要があり、制御が難しいという問題がある。
【0012】
また、従来の面分割方式を用いる空間像表示装置では、2次元表示装置の表示面内に3次元情報(多数の視野角に対応する画像)を同時に詰め込んでいることを特徴としている。2次元表示装置の限られた画素数に対して3次元情報を詰め込むのであるから、表示される3次元画像(空間像)の精細度は、必ず、2次元表示装置が表示し得る2次元画像の精細度より劣ることになる。しかも、空間像の鑑賞可能な領域を増やそうと思えば思うだけ、また、鑑賞者の動きに対して自然で滑らかな空間像を表示しようと思えば思うだけ、その精細度は2次元表示装置の精細度に比較して極端に劣化してしまうといった問題がある。これを回避するために、3次元情報を一度に全部2次元表示装置に詰め込むのではなく、人間の眼の持つ積分効果を利用して、少しずつ違った3次元情報を入れ込んだ2次元表示装置の画像を高速に切り替えながら時分割で表示するという方法が考えられる。これは時分割方式と面分割方式とを組み合わせた表示方法と言えるが、それを現実的に実現する具体的な手法はまだ開発されていない。
【0013】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、従来に比べて高精細な立体表示を容易に実現することができるようにした空間像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の空間像表示装置は、複数の視野角に対応する複数の光線を空間中に放射することで3次元的な空間像を形成する空間像表示装置であって、p色(pは1以上の整数)の画素を複数有し、各画素が、互いに直交(略直交)する縦方向および横方向の格子目上に2次元配列されることにより平面状の表示面が形成され、かつ、縦方向には同一色の画素が複数配列され、横方向には一定周期ごとに同じ色が現れるようにp色の画素が周期的に複数配列された2次元表示部と、複数のシリンドリカルレンズが互いの円筒軸が平行(略平行)となるように並列配置されて全体として板状に構成され、2次元表示部の表示面に対して全体として平行(略平行)となるように対向配置されると共に、2次元表示部の縦方向の軸に対してシリンドリカルレンズの円筒軸が表示面に平行(略平行)な面内で所定角度で傾斜するように配置され、2次元表示部からの表示画像光を各画素ごとに偏向して放射するレンチキュラーレンズと、レンチキュラーレンズまたは2次元表示部の少なくとも一方を表示面に平行(略平行)な面内で往復移動させることで、各シリンドリカルレンズと2次元表示部の各画素との相対的な位置を周期的に変位させ、各シリンドリカルレンズによる任意の画素からの表示画像光の放射方向を周期的に変位させる変位手段と、3次元映像の1フレーム分に対応する画像を2次元表示部の各画素ごとに時分割で表示させる制御を行うと共に、2次元表示部における時分割表示のタイミングと変位手段による相対的な位置を変位させるタイミングとを同期させる制御を行う制御手段とを備えたものである。これにより、2次元表示部とレンチキュラーレンズとの相対位置を変位動作させながら、その変位動作に同期した3次元映像の時分割の画像による光を2次元表示部からレンチキュラーレンズを介して空間中に放射することで、複数の視野角に対応した3次元的な空間像を表示するようにしたものである。
【0015】
本発明の空間像表示装置では、p色の画素を複数有する2次元表示部と、その画素配列に対して斜めに配置されたレンチキュラーレンズとを組み合わせることで、同時刻に、複数の視野角に対応する複数の光線が面分割で空間中に放射される。かつ、各シリンドリカルレンズと2次元表示部の各画素との相対的な位置が周期的に変位することで、各シリンドリカルレンズによる任意の画素からの表示画像光の放射方向が周期的に変位する。そして、3次元映像の1フレーム分に対応する画像が、2次元表示部の各画素ごとに時分割で表示されると共に、2次元表示部における時分割表示のタイミングと変位手段による相対的な位置を変位させるタイミングとが同期制御される。すなわち、本発明の空間像表示装置では、面分割方式と時分割方式とを組み合わせた立体表示がなされる。これにより、従来に比べて高精細な立体表示が実現される。
【0016】
本発明の空間像表示装置において、2次元表示部の横方向の各色についての画素ピッチをpx、縦方向の各色についての画素ピッチをpyとし、2次元表示部における縦方向にN個の画素と横方向にp×M個の画素とからなる計p×M×N個(N,Mは1以上の整数)の画素群を「3次元画素」としたとき、2次元表示部における縦方向に平行な線分とレンチキュラーレンズの円筒軸に平行な線分との成す角が、
θ=tan-1{(p・px)/(n・N・py)} ……(A)
(ただし、nは1以上の整数)
の関係式を満足することが好ましい。なお、この関係式は厳密に満たしていなくても、目標とする適切な表示品質が満たされる範囲内で概ね満たしていればよい。
【0017】
特に、変位手段が、レンチキュラーレンズまたは2次元表示部を2次元表示部の横方向と平行(略平行)な方向に往復移動させるようになされ、2次元表示部が、3次元映像の1フレーム分に対応する画像をm×n個の画像に時分割で表示するようになされ、関係式(A)においてn・Nがpの整数倍であるとき、制御手段は、レンチキュラーレンズと2次元表示部との所定の一方向における相対的な基準位置をx0として、各シリンドリカルレンズと2次元表示部の各画素との所定の一方向における相対的な位置xijを、次の関係式(1)に従って変位させると共に、2次元表示部における時分割表示のタイミングを、関係式(1)に従って変位するタイミングに同期させる制御を行うことが好ましい。これにより、2次元表示部にm×n個の画像を時分割で表示するときに、m×n個の画像を表示しているそれぞれの状態で、各シリンドリカルレンズと2次元表示部の各画素との所定の一方向における相対的な位置がそれぞれ異なる状態となるようにする。なお、この関係式は厳密に満たしていなくても、目標とする適切な表示品質が満たされる範囲内で概ね満たしていればよい。
xij=x0+b0・i+a0・j
ただし、
i=0,……,(m−1) mは1以上の整数
j=0,……,(n−1) nは1以上の整数
a0=p・px/n
b0=a0/(N・m)
……(1)
【0018】
また特に、関係式(A)においてn・Nがpの整数倍ではないとき、制御手段は、レンチキュラーレンズと2次元表示部との所定の一方向における相対的な基準位置をx0として、各シリンドリカルレンズと2次元表示部の各画素との所定の一方向における相対的な位置xijを、次の関係式(2)に従って変位させると共に、2次元表示部における時分割表示のタイミングを、関係式(2)に従って変位するタイミングに同期させる制御を行うことが好ましい。これにより、2次元表示部にm×n個の画像を時分割で表示するときに、m×n個の画像を表示しているそれぞれの状態で、各シリンドリカルレンズと2次元表示部の各画素との所定の一方向における相対的な位置がそれぞれ異なる状態となるようにする。なお、この関係式は厳密に満たしていなくても、目標とする適切な表示品質が満たされる範囲内で概ね満たしていればよい。
xij=x0+b0・i+a0・j
ただし、
i=0,……,(m−1) mは1以上の整数
j=0,……,(n−1) nは1以上の整数
a0=(p・px)/n
b0=px
m=p
……(2)
【0019】
このような所定の関係式を満足するように適切な制御を行うことで、空間像の明るさの強度むらと色むらとが抑制され、より良好な空間像表示が行える。
【発明の効果】
【0020】
本発明の空間像表示装置によれば、p色の画素を複数有する2次元表示部とその画素配列に対して斜めに配置されたレンチキュラーレンズとを適切に組み合わせて面分割で複数の視野角に対応する複数の光線を空間中に放射し、かつ、レンチキュラーレンズの各シリンドリカルレンズと2次元表示部の各画素との相対的な位置を周期的に変位させ、各シリンドリカルレンズによる任意の画素からの表示画像光の放射方向を周期的に変位させ、3次元映像の1フレーム分に対応する画像を、2次元表示部の各画素ごとに時分割で表示させると共に、2次元表示部における時分割表示のタイミングと相対的な位置を変位させるタイミングとを同期制御するようにしたので、面分割方式と時分割方式とを組み合わせた立体表示を実現できる。また、レンチキュラーレンズまたは2次元表示部を全体的に移動させることで時分割表示を実現するようにしたので、例えばマイクロ偏向ミラーアレイの個々のマイクロミラーを時分割で独立に同期制御するような場合に比べて、同期制御も容易となる。これにより、従来に比べて高精細な立体表示を容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る空間像表示装置の概略構成を、1つの3次元画素から放射される光線の状態と共に示した外観図である。
【図2】図1に示した光線を上方から見た状態を示す説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る空間像表示装置の全体構成を示すブロック図である。
【図4】映像信号の作成方法の一例を説明するための模式図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る空間像表示装置における2次元表示部の画素の構成列とレンチキュラーレンズの配置例とを示す説明図である。
【図6】2次元表示部とレンチキュラーレンズとの相対移動の動作例を、赤色の画素に着目して3次元の1フレーム期間内で時分割で示した説明図である。
【図7】任意の発光点(画素)からの光線の偏向角について説明するための鳥瞰図(A)および側方断面図(B)である。
【図8】任意の発光点とシリンドリカルレンズの中心線(円筒軸)Y1を表示面に投影した線Y’との距離xsについての説明図である。
【図9】光線の偏向角φ,φ’の関係について説明するための鳥瞰図である。
【図10】光線の偏向角φ,φ’の関係について説明するための図であり、(A)は光線を表示面に垂直な方向(Z方向)から見た上面図、(B)は光線を表示面の縦方向(Y方向)から見た側面図、(C)は放射をシリンドリカルレンズの中心軸方向(Y’方向)から見た側面図である。
【図11】図6におけるタイミングT9での表示状態をより詳しく示した説明図である。
【図12】図6に示した動作を実現するための2次元表示部とレンチキュラーレンズとの相対変位量とその相対移動のタイミングとの関係の第1の例を示す説明図である。
【図13】図6に示した動作を実現するための2次元表示部とレンチキュラーレンズとの相対変位量とその相対移動のタイミングとの関係の第2の例を示す説明図である。
【図14】色むらが抑制されることを示す説明図である。
【図15】図14におけるタイミングT1,T4,T7での表示状態を拡大して示した説明図である。
【図16】図14におけるタイミングT2,T5,T8での表示状態を拡大して示した説明図である。
【図17】図14におけるタイミングT3,T6,T9での表示状態を拡大して示した説明図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態に係る空間像表示装置の表示例を示す説明図である。
【図19】(A)は2次元表示装置とレンチキュラーレンズとを組み合わせた従来の立体表示装置の一例を示す平面図、(B)はある1つの表示方向に表示される画素の状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
【0023】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る空間像表示装置の外観の概略構成を示している。図1にはまた、ある画素(3次元画素11)から放射される光線の状態を示している。図2は、その光線を上方から見た状態を示している。図3は、本実施の形態に係る空間像表示装置の構成を回路要素も含めて全体的に示したものである。
【0024】
本実施の形態に係る空間像表示装置は、2次元表示装置とレンチキュラーレンズ2とを備えている。2次元表示装置は、例えば液晶表示パネル等の表示デバイスからなる2次元表示部1を有している。レンチキュラーレンズ2は、複数のシリンドリカルレンズ2Aが互いの円筒軸が略平行となるように並列配置されて全体として板状に構成されている。レンチキュラーレンズ2は、2次元表示部1の表示面1Aに対して全体として略平行となるように対向配置されている。また、各シリンドリカルレンズ2Aの焦点面が2次元表示部1の表示面1Aに一致するように対向配置されている。また、レンチキュラーレンズ2は、シリンドリカルレンズ2Aの円筒軸が2次元表示部1の縦方向(Y方向)に対して傾斜するようにして配置されている。レンチキュラーレンズ2は、2次元表示部1からの表示画像光を各画素ごとに偏向して放射するようになっている。
【0025】
2次元表示部1は、p種類(p色(pは1以上の整数))の画素10を複数有し、各画素10が、互いに略直交する縦方向(Y方向)および横方向(X方向)の格子目上に2次元配列されることにより平面状の表示面1Aが形成されている。2次元表示部1はまた、縦方向には同一色の画素10が複数配列され、横方向には一定周期ごとに同じ色が現れるようにp色の画素10が周期的に複数配列されている。このような2次元表示部1としては、例えば液晶表示デバイスを用いることができる。液晶表示デバイスは、一対のガラス基板間に、各画素10に形成された画素電極が挟まれた構造(図示せず)となっている。また、これら一対のガラス基板間には、さらに液晶層など(図示せず)が設けられている。
【0026】
図5は、2次元表示部1の画素10の構成列とレンチキュラーレンズ2の配置例とをより具体的に示している。2次元表示部1とレンチキュラーレンズ2は、2次元表示部1の同一色の画素10で構成されている縦列の中心を通る線分(Y方向に平行な線分)とレンチキュラーレンズ2の円筒軸Y1に平行な線分との成す角が、
θ=tan-1{(p・px)/(n・N・py)} ……(A)
(ただし、nは1以上の整数)
の関係式(A)を満足するように配置されている。なお、この関係式は厳密に満たしていなくても、目標とする適切な表示品質が満たされる範囲内で概ね満たしていればよい。
【0027】
図5の例では、2次元表示部1の画素10が、4種類(R:赤,G1:緑1,G2:緑2,B:青)の画素10R,10G1,10G2,10Bで構成されており、関係式(A)におけるp=4となる。図5の例で緑を2種類の画素10G1,10G2に分けているのは色域を広げる目的であるが、もちろん、通常の3原色(R,G,B)、3種類の画素10R,10G,10Bのみで構成しても構わない。ただし、3原色のときは、p=3となる。なお、関係式(A)において、p=3である場合に限り、nが特に2以上の整数であることが好ましい。関係式(A)において、pxは2次元表示部1の横方向(X方向)の各色についての画素ピッチを示し、pyは縦方向(Y方向)の各色についての画素ピッチを示している。Nは1つの3次元画素11に含まれるY方向の画素数である。「3次元画素」とは、空間像を表示するための画素の1つの単位であり、2次元表示部1の所定数の複数の画素からなる画素群が1つの「3次元画素」として設定される。より具体的には、縦方向にN個の画素10と横方向にp×M個の画素10とからなる計p×M×N個(N,Mは1以上の整数)の画素群が「3次元画素」として設定される。そして、1つの3次元画素11から同時刻に放射される放射方向のそれぞれ異なる光線数ν0は、
ν0=p・M・N
を満足する。図5の例では、縦方向にN=4、横方向にM=4が設定されている。また、関係式(A)において、nは任意の整数であるが、一度決めると同じ空間像表示装置のシステム内では変えることはできない。図5の例ではn=2とされている。本実施の形態においては、レンチキュラーレンズ2の形状に対して特に制約はないが、一つだけ制約がある。それは、レンチキュラーレンズ2のピッチが3次元画素11のX方向の長さと等しいことである。すなわち、レンチキュラーレンズ2における各シリンドリカルレンズ2AのX方向のピッチprが、
pr=p・px・M
を満足する値となっている。なお、この関係式は厳密に満たしていなくても、目標とする適切な表示品質が満たされる範囲内で概ね満たしていればよい。
【0028】
本実施の形態に係る空間像表示装置は、レンチキュラーレンズ2または2次元表示部1の少なくとも一方を表示面1Aに略平行な面内で往復移動させることで、各シリンドリカルレンズ2Aと2次元表示部1の各画素10との相対的な位置を周期的に変位させ、各シリンドリカルレンズ2Aによる任意の画素10からの表示画像光の放射方向を周期的に変位させる変位手段を備えている。また、3次元映像の1フレーム分に対応する画像を2次元表示部1の各画素10ごとに時分割で表示させる制御を行うと共に、2次元表示部1における時分割表示のタイミングと変位手段による相対的な位置を変位させるタイミングとを同期させる制御を行う制御手段を備えている。
【0029】
図3には、その制御を行うための回路要素を示している。図3に示したように、この空間像表示装置は、2次元表示部1内の各画素10へ映像信号に基づく駆動電圧を供給するXドライバ(データドライバ)33と、2次元表示部1内の各画素10を図示しない走査線に沿って線順次駆動するYドライバ(ゲートドライバ)34と、これらXドライバ33およびYドライバ34を制御するタイミング制御部(タイミング・ジェネレータ)31と、外部からの映像信号を処理して時分割映像信号を生成する映像信号処理部30(シグナル・ジェネレータ)と、この映像信号処理部30からの時分割映像信号を記憶するフレームメモリである映像メモリ32とを備えている。
【0030】
映像信号処理部30は、外部から供給される映像信号に基づいて、1つの被写体に対する複数の視野角(偏向角)に応じて時分割で切り替えられる時分割映像信号を生成し、映像メモリ32へ供給するものである。また、この映像信号処理部30は、時分割映像信号の切り替えのタイミングに同期してXドライバ33、Yドライバ34および圧電素子制御部35が動作するように、所定の制御信号をタイミング制御部31へ供給するようになっている。なお、このような時分割映像信号は、例えば図4に示したように、表示対象とする撮像対象物4を様々な角度(視野角に対応)から撮像することによって予め作成しておくようにしてもよい。
【0031】
この空間像表示装置はまた、上記「変位手段」の一具体例に対応する圧電素子21を備えている。なお、図3の例では、圧電素子21をレンチキュラーレンズ2に設けているが、この空間像表示装置では、レンチキュラーレンズ2と2次元表示部1との相対位置を変位させるように、相対的に移動させれば良いため、2次元表示部1に圧電素子21を設けるようにしても良い。またはレンチキュラーレンズ2と2次元表示部1との双方に設けるようにしても良い。
【0032】
この空間像表示装置はまた、圧電素子21による相対位置変位動作の制御を行うための圧電素子制御部35を備えている。この圧電素子制御部35は、タイミング制御部31によるタイミング制御に従って、相対位置変位動作の制御信号S1を圧電素子21へ供給するようになっている。
ここで、タイミング制御部31および圧電素子制御部35が、上記「制御手段」の一具体例に対応する。
【0033】
圧電素子21は、例えばレンチキュラーレンズ2の側面に配設されており、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの圧電材料を含んで構成される。この圧電素子21は、制御信号S1に従って、2次元表示部1とレンチキュラーレンズ2との間の相対位置が、X−Y平面内のX軸方向に沿って往復運動をするように変位させるものである。なお、圧電素子21によるこのような相対位置変位動作の詳細については、後述する。
【0034】
次に、以上のように構成された空間像表示装置の動作を説明する。
【0035】
この空間像表示装置では、図3に示したように、映像信号処理部30から供給される時分割映像信号に基づき、Xドライバ33およびYドライバ34から画素電極への駆動電圧(画素印加電圧)が供給される。具体的には、2次元表示部1が例えば液晶表示デバイスである場合、Yドライバ34から2次元表示部1内の1水平ライン分のTFT素子のゲートへ画素ゲートパルスが印加され、それと共にXドライバ33からその1水平ライン分の画素電極へ、時分割映像信号に基づく画素印加電圧が印加される。これにより、バックライトが図示しない液晶層で変調され、表示画像光が2次元表示部1内の各画素10から発散されるため、その結果、時分割映像信号に基づく2次元表示画像が画素10単位で生成される。
【0036】
また、2次元表示部1から放射された表示画像光は、レンチキュラーレンズ2で概ね平行光束に変換されて射出される。この際、圧電素子制御部35から供給される制御信号S1に基づき、圧電素子21は、時分割映像信号の切り替えに応じて2次元表示部1とレンチキュラーレンズ2との間の相対位置をX−Y平面内で変位させる。例えばレンチキュラーレンズ2がX軸方向に沿って往復運動をするように変位させる。すると、時分割映像信号が切り替えられる度に、各々の持つ視野角に対応してそれらの相対位置関係がずれることになる。したがって、表示画像光が両眼視差および輻輳角に関する情報を含むものとなり、これにより観察者が見る角度(視野角)に応じて適切な表示画像光の平行光束が射出されるため、観察者が見る角度に応じた所望の立体映像の表示がなされる。
【0037】
この空間像表示装置では、1つの被写体に対し、複数の視野角に応じた映像信号(時分割映像信号)が時分割で切り替えられるため、従来の単純な面分割方式のように1枚の2次元映像の中に複数の視野角(偏向角)に対応した映像を含ませる必要がなくなり、2次元表示の場合と比べた画質の劣化(精細度の低下)が最小限に抑えられる。また、従来のようなMEMS技術等を用いずに製造することが可能であるため、簡易に得ることができる。さらに、全体としては平面形状の表示装置とすることができるため、コンパクト(薄型)な構成となる。
【0038】
以上のように本実施の形態では、2次元表示部1とレンチキュラーレンズ2との相対位置を変位動作させながら、その変位動作に同期した時分割の画像を2次元表示部1から、レンチキュラーレンズ2を介して投影し、空間像を表示することを1つの特徴としている。
【0039】
図6には、その2次元表示部1から時分割の画像を投影(表示)する目安となるタイミングを示してある。2次元表示部1から投影されるタイミングは、2次元表示部1とレンチキュラーレンズ2の相対位置に対して設定される。相対位置であるから、実際に移動するのは、レンチキュラーレンズ2であってもよいし、2次元表示部1の表示面1Aであってもよい。図6の例では、固定されたレンチキュラーレンズ2に対し2次元表示部1の表示面1Aが横方向(X方向に)に略平行移動したときの例を示してある。また、図6の例では、2次元表示部1の画素10が、3原色(R,G,B)、3種類の画素10R,10G,10Bで構成されている(p=3)。また、縦方向にN=2個、横方向にp×M=3×2個の画素群で3次元画素11が構成されている。
【0040】
まず、図6のT1に示すように、2次元表示部1の位置x0が、2次元表示部1から画像を投影する1つのタイミングであったとする。
すると、本実施の形態によれば、上述の関係式(A)においてn・Nがpの整数倍であるときは、2次元表示部1から画像が投影される他の位置のタイミングは次式(1)に基づいて決定される。なお、この関係式は厳密に満たしていなくても、目標とする適切な表示品質が満たされる範囲内で概ね満たしていればよい。
xij=x0+b0・i+a0・j
ただし、
i=0,……,(m−1) mは1以上の整数
j=0,……,(n−1) nは1以上の整数
a0=p・px/n
b0=a0/(N・m)
……(1)
【0041】
また、関係式(A)においてn・Nがpの整数倍ではないときは、2次元表示部1から画像が投影される他の位置のタイミングは概ね次式(2)に基づいて決定される。なお、この関係式は厳密に満たしていなくても、目標とする適切な表示品質が満たされる範囲内で概ね満たしていればよい。
xij=x0+b0・i+a0・j
ただし、
i=0,……,(m−1) mは1以上の整数
j=0,……,(n−1) nは1以上の整数
a0=(p・px)/n
b0=px
m=p
……(2)
【0042】
本実施の形態において、制御手段は、n・Nがpの整数倍であるときは、レンチキュラーレンズ2と2次元表示部1との相対的な基準位置をx0として、各シリンドリカルレンズ2Aと2次元表示部1の各画素10との相対的な位置xijを概ね上記関係式(1)に従って変位させると共に、2次元表示部1における時分割表示のタイミングを、関係式(1)に従って変位するタイミングに同期させる制御を行う。また、n・Nがpの整数倍ではないときは、上記関係式(1)に代えて上記関係式(2)に基づく制御を行う。
【0043】
図6には、上記関係式(1)のときを例に、x0の相対位置も含め、2次元表示部1から画像が投影される他の位置のタイミング、すなわち、式(1)を式(1)のi,jに関してわかりやすく表形式でまとめたものであり、それぞれのi,jでの2次元表示部1の位置を、レンチキュラーレンズ2の位置を固定しレンチキュラーレンズ2の位置を基準として図示してある。図6の例は、p=3,m=n=3,N=M=2のときの例である。m=n=3であるから、i=0,1,2、j=0,1,2となり、その結果、3行3列の表となっている。
【0044】
このような相対位置タイミングで2次元表示部1から画像を投影するメリットを説明するのであるが、その前に、わかりやすくするための基礎知識として、レンチキュラーレンズ2と2次元表示部1の表示面1A上の1つの発光点P1との相対位置と、発光点P1から投影される光線の偏向方向との関係について説明をする。
【0045】
図7(A),(B)に示したように、発光点P1をレンチキュラーレンズ2(のシリンドリカルレンズ2A)の焦点距離の位置(有効焦点距離:f)に配置すると、発光点P1から放射された光はレンチキュラーレンズ2の中心線Y1(シリンドリカルレンズ2Aの円筒軸)と垂直な方向には概ね、平行な帯状の光束が偏向角φ’の方向に放射される。今、レンチキュラーレンズ2の中心軸線を発光点P1があるY’−Xs面(すなわち、2次元表示部1の表示面1A)上へ、その投影線を投影したとき、発光点P1から投影線Y’までの距離をxsとすると、偏向角φ’のタンジェントは、概ね、次式(3)で表される。
tanφ’=xs/f ……(3)
【0046】
この式(3)を見ると、偏向角φ’のタンジェントは、発光点P1から中心線Y1を発光点面上に投影した線Y’までの距離xsに比例していることがわかる。図8には、このxsをわかりやすく図示している。本実施の形態では、2次元表示部1の各画素10がX,Y方向に格子状に並んでおり、レンチキュラーレンズ2の中心軸Y1はそのY軸に対してθの角度に配置される。そして、Xs軸は、図8に示すようにレンチキュラーレンズ2の中心軸Y1(の投影線Y’)に対して垂直な方向に配置され、原点Oはレンチキュラーレンズ2の中心線とxsが交わる点に配置されている。こうすると、各画素10からレンチキュラーレンズ2の中心線Y1までの距離xsは、各画素からXs軸に下ろした垂線とXs軸上の原点Oまでの距離となることがわかる。そして、このxsの値は偏向角φ’のタンジェントに比例した値となる。
【0047】
ところで、本実施の形態において関心がある偏向角φは、上記X軸方向に伝播する光線と2次元表示部1の表示面1Aに垂直な軸Zとの成す角度であるので、φをφ’を利用して記述しておく必要がある。φとφ’の関係を図9および図10(A)〜(C)を見ながら説明する。まず、2次元表示部1の表示面1Aは、X−Y面上に、2次元表示部1の格子状の画素10の格子がそれぞれX,Y軸方向と一致するように配置されている。この上にレンチキュラーレンズ2がレンチキュラーレンズ2の中心線がY軸と角度θを成すように配置されている。
【0048】
図9の鳥瞰図にはY,X軸とレンチキュラーレンズ2の中心軸Y1の方向線(投影線Y’)が記入されている。いま、2次元表示部1の画素10のうち原点Oの画素10からの光がレンチキュラーレンズ2を介して放射されたときを考える。図9において示した放射面50は、原点Oの画素10から放射される光束の形状である。立体形状なのでわかり辛いが、図9に示した放射面50の形状は、板状の矩形で、その矩形の一辺が原点Oを通るレンチキュラーレンズ2の中心線方向の線分(Y’)と一致した状態で、その矩形状の面がX−Y平面に垂直なZ軸からφだけ傾いて配置された形状をしている。このとき、求めたいのは、原点OからX軸線上の上空をX軸に沿った方向に放射される光線とZ軸との成す角度φと原点OからXs軸線上の上空をXs軸に沿った方向に放射される光線とZ軸との成す角度φ’との関係である。この図9の鳥瞰図をZ軸方向の真上から見た図が図10(A)の上面図である。原点Oから放射され、Xs軸上空をXs軸に沿って伝播する光線がXs軸に沿ってxsだけ伝播したときのXs軸からの高度は、
xs/tanφ’
となる。
【0049】
従って、原点Oから放射され、X軸上空をX軸に沿って伝播する光線がX軸に沿ってxだけ伝播したときのX軸からの高度は、図10(B),(C)の側面図を見てわかるように、
(xs・cosθ)/tanφ’
となる。これより、φとφ’の関係は、
tanφ=tanφ’/cosθ
【0050】
また、φのタンジェントとxsの関係もわかって、
tanφ=xs・{1/(f・cosθ)} ……(4)
xとの関係は、x=xs・cosθであるから、
tanφ=x・{1/(f・cos2θ)} ……(5)
すなわち、φのタンジェントはxやxsに比例することがわかる。以上で、わかりやすくするための基礎知識の説明は終了する。
【0051】
説明を本筋に戻して、以上説明した基礎知識を元に、図6を参照して式(1)に示したような相対位置タイミングで2次元表示部1から画像を投影するメリットの説明を行う。
【0052】
繰り返しになるが、図6には、式(1)のときを例に(すなわち、n・Nがpの倍数のとき)、x0の相対位置も含め、2次元表示部1から画像が投影される他の位置のタイミング、すなわち、式(1)を式(1)のi,jに関してわかりやすく表形式にまとめたものであり、それぞれのi,jでの2次元表示部1の位置を、レンチキュラーレンズ2の位置を固定し、レンチキュラーレンズ2の位置を基準として図示してある。また、図6の例は、p=3,m=n=3,N=M=2のときの例である。m=n=3であるから、i=0,1,2、j=0,1,2となり、その結果、3行3列の表となっている。
【0053】
本実施の形態では、i,jの順番は特に制約はないが、i,jすべての場合の相対位置において同等なタイミング条件で2次元表示部1から同等な条件において、それぞれ所定の画像が投影されることが望ましい。図6では、図を見てわかるように1列から順番に縦方向(i=0,1,2)に各i,jをスキャン(相対位置を変位)している(T1→T2→・・・・→T9)。このとき、1つの任意の「3次元画素」11に含まれる「R画素11R」に注目し、画素10とレンチキュラーレンズ2の中心軸Y1との距離をXs軸上にスキャンごとにその履歴を保存しながら棒線マークをプロットした図も図6に付加してある。すべての場合をスキャンすると最終的にはT9のようになる。図11に、図6のタイミングT9での状態を改めて拡大して示す。
【0054】
図11を見てわかるように、本実施の形態による条件式(1)(式(2)も同等)によれば、任意の「3次元画素」11のいま注目している画素10(ここではR画素10R)のレンチキュラーレンズ2の中心軸Y1からの距離関係は、Xs軸上の幅xwの中に等間隔(Δxw)に、
(N・M・m・n)本並ぶことがわかる。
【0055】
レンチキュラーレンズ2の中心軸Y1からの距離関係が、Xs軸上に等間隔に並べば、式(4)を見てわかるように、偏向角φのタンジェントはxsに比例するので、偏向角φのタンジェントも上記スキャンの結果、等間隔に並ぶことがわかる。すなわち、本実施の形態の定めるタイミングで2次元表示部1から画像を投影すれば、任意の2次元表示部1上に構成される任意の「3次元画素」の、ある種類の画素10(ここではR画素10R)から投影される光線の偏向角φのタンジェントが等間隔に、
(N・M・m・n)本だけ並ぶことがわかる。これは、1つの3次元画素11から3次元映像表示の1フレーム期間に放射される放射方向のそれぞれ異なる光線数ν、または3次元映像表示の1フレーム期間に1つの3次元画素により生成される視点数νに対応する。
【0056】
その様子を図1、図2に図示してある。図1、図2には、空間像表示装置の任意の3次元画素11のある種類の画素10(例えばR画素10R)から放射される光線の様子を示している。空間像は、空間像表示装置から任意の距離Lの場所(X’−Y''面上)で鑑賞するとし、鑑賞者は距離Lを保ったまま自由に画面と平行に移動できるものとする(今は説明をしやすくするために、鑑賞者は便宜上距離Lを保ったまま左右のみ移動可能としているが、距離Lは任意であるので、この説明のあとは、もちろん、鑑賞者は前後左右に移動して鑑賞することが可能である)。レンチキュラーレンズ2の中心線Y1と2次元表示部1の表示面1Aとに垂直な線(Z軸)を考え、2次元表示部1の表示面1Aと交差する点と鑑賞者が移動する線との交差する点をそれぞれO、O’とする。本実施の形態による相対位置タイミングで「3次元画素」11のある種類の画素10(例えば、R画素10R)を発光させると、今、レンチキュラーレンズ2を止めて考えると、図2に示すように、発光点がX軸に等間隔に並ぶ、すると上述の式(5)より偏向角φのタンジェントが等間隔に並ぶ。そしてまた、Oからxの位置での発光点P1から放射された光線は鑑賞者のLだけ離れたX’軸上のO’からx’だけ離れた次式(6)で示す点に到達する。ここで、fはレンチキュラーレンズ2(のシリンドリカルレンズ2A)の焦点距離(有効焦点距離)である。
x’=L・tanφ=x・{L/(f・cos2θ)} ……(6)
【0057】
式(6)を見てわかるように、X軸上の発光点P1の位置が等間隔に並ぶと、それに対応して距離Lだけ離れた鑑賞者のX’軸に到達したとき到達点の位置も等間隔に並ぶことがわかる。鑑賞者から見たときの明るさは鑑賞者の眼の瞳に入る光線数に比例するから、X’軸に到達したとき到達点の位置も等間隔に並ぶということは、鑑賞者はそのX’軸上のどの位置から鑑賞しても光の強度は同じであるということ、すなわち光の強度むらが発生しないということを意味している。今は、例えばR画素10Rについて考察したが、この考察はすべての種類の画素10についても同様に言えることである。
【0058】
図12および図13には、図6に示した相対位置タイミングを実現するためのスキャン方法の例を示してある。本実施の形態によれば、式(1)または式(2)のタイミングの順序には特に制約はない。従って、スキャンシステムの特性や都合によってタイミングの順序は決定されるのが一般的である。また、前述の式で示しているのは、2次元表示部1とレンチキュラーレンズ2の相対位置関係であるので、実際に可動させるのは、2次元表示部1であってもよいし、レンチキュラーレンズ2であってもよい。図12および図13の例では、レンチキュラーレンズ2を可動させた場合について示してある。
【0059】
特に図12の例は、図6の図中に振ってあるタイミングT1→T2,…→T9の順番にレンチキュラーレンズ2をスキャン(相対位置を変位)させたときの例である。この例では、1周期T1〜T9を繰り返して3次元映像表示の1フレーム期間に相当するスキャンを行っている。図13の例も同様に、図6の図中に振ってあるタイミングT1→T2,…→T9の順番にレンチキュラーレンズ2をスキャンさせたときの例であるが、この例では、T1→T2,…→T9の順番にスキャンし、その次にはT9,T8,…→T1と逆方向にスキャンを行い、以降はこれを繰り返すような動作をさせたときの例である。
【0060】
それぞれの例に特徴的に言えることは、図12の例は、常に一方向にスキャンしているときのタイミングを選ぶように配慮されており、スキャンシステムのヒステリシスが心配な場合に適している。たたし、一方向にスキャンした後は、高速で戻す必要があり高速動作可能なスキャンシステムが必要となる。一方、図13の例では、スキャンの往復運動を効率よく利用しているので、必要最低限のスキャン速度でよく比較的低速のスキャンシステムに適している。ただし、往復運動にヒステリシスがあると像が2重になるなどの問題が発生する恐れがあり、位置精度の高いスキャンシステムが求められる。
【0061】
なお、図13および図12を見てわかるように、2次元表示部1の2次元フレーム間隔tr(2次元映像表示の1フレーム期間)は、空間像表示装置が所定の光線数の光線で表示される空間像を表示するための一定の時間間隔、すなわち3次元映像表示の1フレーム期間(3次元フレーム間隔)がt3Dであるとすると、
t3D=q・(m・n・tr) qは1以上の整数
の関係を満足することが望ましい。ところで、式(1)または式(2)のx0についてであるが、これは偏向のオフセットであるので任意の定数である。通常、表示面1Aに対して左右対称的に偏向したいのであれば、スキャン振幅ピークをt0とするとt0の半分程度をオフセットx0とするのが望ましい。
【0062】
また、本実施の形態において、光線数ν(=N・M・m・n)、または視点数νを得るために2次元表示部1において3次元映像表示の1フレーム期間内に時分割で表示される2次元画像の総枚数gは、
g=m・n≧2
の関係式を満足することが好ましい。
【0063】
以上により、本実施の形態に係る空間表示装置において、レンチキュラーレンズ2と2次元表示部1との相対位置を変位させるタイミングと、2次元表示部1から映像を時分割で表示するタイミングとを適切に同期制御することで、鑑賞者は光強度むらのない空間像を鑑賞できることを説明した。
【0064】
次に、本実施の形態に係る空間表示装置によれば色むらを抑制できることを説明する。
本実施の形態による1つの3次元画素11を利用して所望の色を再現するためには、R,G,BやR,G1,G2,Bなどの各色の画素10が、各色について所定の光量で発光し混色された状態で鑑賞者に到達する必要がある。各色の画素10からの色を混色する方法としては、時間的にパラレルに各色の画素10を発光させ混色する方法と、人の眼の持つ積分機能を利用して短時間にシリアルに各色の画素10を所定の光量で発光させ混色する方法とがある。本実施の形態では、主としてパラレルとシリアルとを混在させて利用するが、3次元画素11を利用して各色の画素10の光を混色させて所望の色を再現させるための特徴的なポイントは、1つの3次元画素11からある所定の偏向方向に放射される光線に注目すると、上で説明した3次元フレーム間隔t3Dの間に、R,G,BやR,G1,G2,Bなどすべての種類の画素10から同等に所定の偏向方向に所定の光量で光線が放射される必要がある、ということである。
【0065】
本実施の形態によれば、1つの3次元画素11からある所定の偏向方向に放射される光線に注目すると、3次元フレーム間隔t3Dの間に、R,G,BやR,G1,G2,Bなどすべての種類の画素10から同等に所定の偏向方向に所定の光量で光線が放射され、色むらが抑制される。このことを図14を参照して説明する。なお、図14は、基本的には図6と同じものである。また、図14におけるタイミングT1,T4,T7での表示状態を図15に拡大して示す。また、タイミングT2,T5,T8での表示状態を図16に、タイミングT3,T6,T9での表示状態を図17に拡大して示す。
【0066】
いま、画素10がR,G,Bの3種類であるとすると、3次元フレーム間隔t3Dの間にある注目する偏向角の方向にR,G,Bのすべての画素10からの光線が放射されればよい。例えば図14に示した偏向角φ1に注目すると、1つの「3次元フレーム」を構成するスキャンのタイミングT1の状態ではR画素10Rから放射され、タイミングT4ではB画素10B、タイミングT7ではG画素10Gからそれぞれ放射されることがわかる(図15に拡大して示す)。
【0067】
また、もし、偏向角φ2に注目すると、1つの「3次元フレーム」を構成するタイミングT2の状態ではB画素10Bから放射され、タイミングT5ではG画素10G、タイミングT8ではR画素10Rからそれぞれ放射されることがわかる(図16に拡大して示す)。
また、もし、偏向角φ3に注目すると、1つの「3次元フレーム」を構成するタイミングT3の状態ではB画素10Bから放射され、タイミングT6ではG画素10G、タイミングT8ではR画素10Rからそれぞれ放射されることがわかる(図17に拡大して示す)。
【0068】
以上の例で示したように本実施の形態によれば、3次元フレーム間隔の間に、R,G,Bのすべての種類の画素10から同等に所定の偏向方向に光線が放射される。従って、色むらを抑制することができる。
【0069】
以上説明したように、本実施の形態の空間像表示装置によれば、p色の画素10を複数有する2次元表示部1と、その画素配列に対して斜めに配置されたレンチキュラーレンズと2を適切に組み合わせることで、同時刻に、複数の視野角に対応する複数の光線が面分割で空間中に放射される。かつ、各シリンドリカルレンズ2Aと2次元表示部1の各画素10との相対的な位置が周期的に変位することで、各シリンドリカルレンズ2Aによる任意の画素10からの表示画像光の放射方向が周期的に変位する。そして、3次元映像の1フレーム分に対応する画像が、2次元表示部1の各画素10ごとに時分割で表示されると共に、2次元表示部1における時分割表示のタイミングと変位手段による相対的な位置を変位させるタイミングとが同期制御される。すなわち、本実施の形態の空間像表示装置によれば、面分割方式と時分割方式とを組み合わせた立体表示を実現できる。また、レンチキュラーレンズ2または2次元表示部1を全体的に移動させることで時分割表示を実現するようにしたので、例えばマイクロ偏向ミラーアレイの個々のマイクロミラーを時分割で独立に同期制御するような場合に比べて、同期制御も容易となる。これにより、従来に比べて高精細な立体表示を容易に実現することができる。さらに、所定の関係式を満足するような適切な同期制御を行うことで、空間像の明るさの強度むらと色むらとが抑制され、より良好な空間像表示を行うことができる。
[第2の実施の形態]
【0070】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。なお、上記第1の実施の形態と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0071】
上記第1の実施の形態において、図14に示した例をよく見るとスキャン動作(相対位置を変位させる動作)によって3次元画素11のある注目した場所にR,G,Bのすべての画素10が順番に配置されることによって、色むらが抑制されていることがわかる。これに対し、図18(A),(B)は、本実施の形態に係る空間像表示装置における表示例を示している。なお、本実施の形態に係る空間像表示装置は、スキャン動作の方式が異なるのみで、その基本構成は、上記第1の実施の形態における空間像表示装置と同様である。
【0072】
本実施の形態では、図18(A),(B)に示した2つの状態で1つの3次元フレームを構成している。いま、例として偏向角がφaである部分に注目すると、図18(A)の第1の状態では、R画素10Rからの光が放射され、図18(B)の第2の状態では、G画素10GおよびB画素10Bからの光が同時に放射される。すなわち、1つの「3次元フレーム」の間に1つの3次元画素11からφaの偏向角にR,G,Bの各色の画素10からの光が放射されていることがわかる。図18(A),(B)の例では、図14の例とは若干様子が異なり、3次元画素11の違った場所にR,G,Bの各画素10が配置されることがわかる。しかし、1つの3次元画素11の中から同一方向に放射されれば、3次元画素11内での場所は異なっても各画素からの色を混色することができる。
【符号の説明】
【0073】
1…2次元表示部、1A…表示面(発光面)、2…レンチキュラーレンズ、2A…シリンドリカルレンズ、4…撮像対象物、10(10R,10G,10B)…画素、11…3次元画素、21…圧電素子、22…球面レンズ、30…映像信号処理部、31…タイミング制御部、32…映像メモリ、33…Xドライバ、34…Yドライバ、35…圧電素子制御部、50…放射面、P1…発光点、S1…制御信号、X…2次元表示部の横方向の軸、Y…2次元表示部の縦方向の軸、Y1…レンチキュラーレンズの中心軸(円筒軸)、Xs…レンチキュラーレンズの中心軸(円筒軸)に垂直な軸、Y’…レンチキュラーレンズの中心軸を2次元表示部の表示面に投影した軸、L…2次元表示部の表示面から任意の観察位置までの距離、X’…2次元表示部の表示面から距離Lの場所での横方向の軸、Y''…2次元表示部の表示面から距離Lの場所での縦方向の軸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の視野角に対応する複数の光線を空間中に放射することで3次元的な空間像を形成する空間像表示装置であって、
p色(pは1以上の整数)の画素を複数有し、前記各画素が、互いに直交する縦方向および横方向の格子目上に2次元配列されることにより平面状の表示面が形成され、かつ、縦方向には同一色の画素が複数配列され、横方向には一定周期ごとに同じ色が現れるようにp色の画素が周期的に複数配列された2次元表示部と、
複数のシリンドリカルレンズが互いの円筒軸が平行となるように並列配置されて全体として板状に構成され、前記2次元表示部の表示面に対して全体として平行となるように対向配置されると共に、前記2次元表示部の縦方向の軸に対して前記シリンドリカルレンズの円筒軸が前記表示面に平行な面内で所定角度で傾斜するように配置され、前記2次元表示部からの表示画像光を各画素ごとに偏向して放射するレンチキュラーレンズと、
前記レンチキュラーレンズまたは前記2次元表示部の少なくとも一方を前記表示面に平行な面内で往復移動させることで、前記各シリンドリカルレンズと前記2次元表示部の各画素との相対的な位置を周期的に変位させ、前記各シリンドリカルレンズによる任意の画素からの表示画像光の放射方向を周期的に変位させる変位手段と、
3次元映像の1フレーム分に対応する画像を前記2次元表示部の各画素ごとに時分割で表示させる制御を行うと共に、前記2次元表示部における時分割表示のタイミングと前記変位手段による前記相対的な位置を変位させるタイミングとを同期させる制御を行う制御手段と
を備え、
前記2次元表示部と前記レンチキュラーレンズとの相対位置を変位動作させながら、その変位動作に同期した前記3次元映像の時分割の画像による光を前記2次元表示部から前記レンチキュラーレンズを介して空間中に放射することで、複数の視野角に対応した3次元的な空間像を表示する
空間像表示装置。
【請求項2】
前記2次元表示部の横方向の各色についての画素ピッチをpx、縦方向の各色についての画素ピッチをpyとし、
前記2次元表示部における縦方向にN個の画素と横方向にp×M個の画素とからなる計p×M×N個(N,Mは1以上の整数)の画素群を「3次元画素」としたとき、
前記2次元表示部における縦方向に平行な線分と前記レンチキュラーレンズの円筒軸に平行な線分との成す角が、
θ=tan-1{(p・px)/(n・N・py)} ……(A)
(ただし、nは1以上の整数)
の関係式を満足し、かつ、前記関係式(A)においてn・Nがpの整数倍であり、
前記変位手段が、前記レンチキュラーレンズまたは前記2次元表示部を前記2次元表示部の前記横方向と平行な所定の一方向にのみ往復移動させるようになされ、
前記2次元表示部が、前記3次元映像の1フレーム分に対応する画像をm×n個の画像に時分割で表示するようになされている
請求項1に記載の空間像表示装置。
【請求項3】
1つの前記3次元画素から3次元映像表示の1フレーム期間に放射される放射方向のそれぞれ異なる光線数ν、または3次元映像表示の1フレーム期間に1つの前記3次元画素により生成される視点数νが、
ν=m・n・(M・N)
(ただし、mは1以上の整数)
の関係式を満足する
請求項2に記載の空間像表示装置。
【請求項4】
1つの前記3次元画素から同時刻に放射される放射方向のそれぞれ異なる光線数ν0が、
ν0=p・M・N
の関係式を満足する
請求項2に記載の空間像表示装置。
【請求項5】
前記光線数ν、または前記視点数νを得るために前記2次元表示部において3次元映像表示の1フレーム期間内に時分割で表示される画像の総枚数gが、
g=m・n≧2
の関係式を満足する
請求項3に記載の空間像表示装置。
【請求項6】
前記レンチキュラーレンズにおける前記各シリンドリカルレンズのX方向のピッチprが、
pr=p・px・M
を満足する値である
請求項2に記載の空間像表示装置。
【請求項7】
前記関係式(A)において、p=3である場合に限り、nが特に2以上の整数である
請求項2に記載の空間像表示装置。
【請求項8】
前記2次元表示部における2次元映像表示の1フレーム期間(2次元フレーム間隔)をtr、前記光線数ν本の光線を表示する3次元映像表示の1フレーム期間(3次元フレーム間隔)をt3Dとしたとき、
t3D=q・(m・n・tr)
(ただしqは1以上の整数)
の関係を満足する
請求項3に記載の空間像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−250330(P2010−250330A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−118221(P2010−118221)
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【分割の表示】特願2007−216399(P2007−216399)の分割
【原出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】