空間的な色分離による可変フィルタリングを用いたスペクトル検出器又はレーザ走査顕微鏡
検出光路と、少なくとも1つの第1の結像光学系(2、5)とを備えるレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器であって、第1の結像光学系が、スペクトル分散されたプローブ光をフーリエ面に結像し、それにより、フーリエ面で、プローブ光の個々のスペクトル成分が空間的に互いに分離され、フーリエ面にはマイクロミラーアレイ(4)が設けられ、マイクロミラーの制御により、検出光線のスペクトル選択性偏向が行われ、検出器光線の有用光成分が検出器に達する、レーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器において、スペクトル選択を向上するために、少なくとも1つの第2のマイクロミラーアレイ(15)が提供され、第2のマイクロミラーアレイへの第1のマイクロミラーアレイの1対1結像が提供されるか、または同じマイクロミラーアレイを光が少なくとも2回通過し、光学手段を通る第1の通過と第2の通過の間の光路内で、少なくともマイクロミラーアレイ上での第1の通過時と第2の通過時の光線の空間的なずれが生成される、レーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
特許文献1に、空間光変調器(SLM)によって入射ビームのスペクトル特性解析を行うための光学的構成及び方法が記載されている。マイクロミラーアレイ(デジタルミラーデバイス−DMD)を用いた一実施形態では、選択されたスペクトル成分のみが検出器の方向に反射される。
【0002】
特許文献2には、同時に励起される複数の色素を有するセルプローブの蛍光信号のスペクトル分解検出を行うための構成が記載されている。物体光が分光され、適切なアレイ=検出器によって受光される。物体光のスペクトルはフィルタされずに受光され、励起光のスペクトル成分を含むことができる。
【0003】
特許文献3及び特許文献4では、蛍光顕微鏡において物体光のスペクトル選択性検出を行うための光学的構成が提示されており、この構成は、物体光のスペクトル成分を角度分離して分光するための分散エレメントを含む。これらの構成は、バンドパスフィルタとして作用するが、柔軟性の高い物体光のスペクトルフィルタリングは可能ではない。
【0004】
特許文献5、特許文献6、及び特許文献7には、移動可能な遮光機構を備える実施形態が記載されている。
したがって、これらの装置は、蛍光の複数のスペクトル範囲の同時検出を可能にする。しかしながら、検出される範囲の数は、検出器−遮光機構ユニットの数によって制限される。また、使用される遮光機構は、バンドパスフィルタ機能しか利用できないので、これらの装置は、柔軟性のある物体光のスペクトルフィルタリングが可能ではない。
【0005】
特許文献8には、1チャンネル検出器のみを用いて物体光の複数のスペクトル範囲を同時に検出するための装置が記載されている。
検出対象の光線成分の選択は、遮断エレメントによって行われる。所望でない成分は検出光路から除外される。この手法は、柔軟性の高い物体光のフィルタリングを可能にする。しかしながら、この構成では、検出される全範囲に関する総強度しか測定されないので、ここでは蛍光のスペクトル特性解析は可能でない。さらに、個々のウェブの無視できない厚さが、蛍光の強度の損失をもたらす。
【0006】
特許文献9では、物体光が分光され、マルチチャンネル検出器上に結像される。分散エレメントの上流に低減手段が設けられる。
しかしながら、使用される低減手段の特性のみによってフィルタ機能が決定されるので、柔軟性の高い物体光のスペクトルフィルタリングは可能でない。
【0007】
特許文献10には、顕微鏡において照明光路、物体光路、及び検出光路が純粋に幾何学的に互いに分離されている装置が記載されている。この装置では、検出器の前で、物体光の追加の後処理フィルタリングが必要である。
【0008】
特許文献11には、特許文献10に記載されている構成及び方法に基づく手法でのメインビームスプリッタが記載されている。照明光路、物体光路、及び検出光路が純粋に幾何学的に互いに分離されている。これに関して、DMDユニットを含むマイクロ構造エレメントが4f配置のフーリエ面内で使用されて、照明光線の所望のスペクトル成分を所期の通りに顕微鏡に入射結合させる。散乱光の抑制効率は限られており、したがって追加の後処理フィルタリングが必要となる。
【0009】
特許文献12には、顕微鏡でのスペクトル検出器の利用が記載されており、ここではプローブ光のスペクトルが検出器によって受光される。これに関して、プローブから放出されてそこで散乱された光は、そのスペクトル成分に分解され、適切な光学系によって、所期の通りに切替え可能なマイクロミラーアレイ(デジタルミラーデバイス−DMD)上に結像される。この場合、光線の所望でない波長は検出されない。これは、プローブで散乱された励起光のさらなる抑制を可能にする。物体光のスペクトルを受光するために、スペクトル分解された個々の光線成分が時間的に連続して検出器に結像される。個々のスペクトル範囲の強度によって全体のスペクトルが得られる。
【0010】
特許文献13及び特許文献14には、顕微鏡において蛍光の複数のスペクトル範囲を同時に検出するための光学的構成が記載されている。これに関して、物体光がスペクトル分解されて、複数の偏向マイクロミラーからなる配列に結像される。各マイクロミラーは、複数の傾斜角によって特徴付けられる。
【0011】
個々のマイクロミラーの縁部及び表面での散乱により、抑制の効率が制限される。
特許文献15には、特許文献13及び特許文献14に記載される光学的構成のさらなる発展形態が記載されている。
【0012】
この装置は、コリメートレンズを加えて拡張されており、このコリメートレンズは、マイクロミラーユニットと検出器の間の検出光路内で使用される。したがって、スペクトル分解された個々の部分ビームが検出器上に平行に結像される。
【0013】
個々のマイクロミラーの縁部及び表面での散乱により、抑制の効率はここでもわずか約3ODに制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第5504575号明細書(B1)
【特許文献2】米国特許第6750036号明細書(B2)
【特許文献3】米国特許第6809815号明細書(B1)
【特許文献4】米国特許第6954306号明細書(B2)
【特許文献5】米国特許第5886784号明細書
【特許文献6】米国特許第6852967号明細書(B2)
【特許文献7】米国特許第6977724号明細書(B2)
【特許文献8】独国特許出願公開第102004031049号明細書(A1)
【特許文献9】独国特許第10102033号明細書(B4)
【特許文献10】米国特許第6377344号明細書(B2)
【特許文献11】独国特許出願公開第102007002583号明細書(A1)
【特許文献12】米国特許第7212338号明細書(B2)
【特許文献13】米国特許第6396053号明細書(B1)
【特許文献14】米国特許第6459484号明細書(B1)
【特許文献15】米国特許第7190451号明細書(B2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、本発明の課題は、適切な光学的構成を用いてさらなる効率的な物体光のフィルタリングを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この課題は、独立請求項1、2、3、4、6、12の前提部に従ったそのようなタイプの装置において、特徴部に記載される特徴によって解決される。
好ましい発展形態は、従属請求項の対象である。
【0017】
本発明によれば、所望でない励起光を依然として含んでいる可能性があり、かつ、ピンホール又はファイバから検出器に送られる検出光に、スペクトルフィルタリングが施される。
【0018】
本発明の手法では、さらに、分光のための回折格子と、所望の光(例えば蛍光)と所望でない光(励起光)を選択するためのマイクロミラーアレイ(MEMS(ミラー)アレイ)とが使用される。
【0019】
有利には、同一のMEMSアレイ又は実質的に同一のミラーアレイによって変調を2回行い、その際、2回目の光線通過を空間的にずらすことによって、例えば少なくともOD6の非常に高い分離性能が達成される。
【0020】
さらに、有利には、再収束させるために1対1結像系が使用される。
さらに、有利には、コンパクトで費用対効果の高い構成を実現するために、MEMSとプリズムがどちらも往復の光路に使用される。
【0021】
以下、本発明を概略的な図面に基づいてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】ピンホール又はファイバ端部1からの多色光が、ミラーによって偏向された後に、結像回折格子2によってスペクトル分解され、TIRプリズム3を通ってDMD4に結像される構成の図。
【図2】図1による構成とは異なる構成の図。
【図3】図1による構成に第2のTIRプリズム14と第2のDMD15を加えた拡張を示す構成の図。
【図4】図3による構成に対応する構成の図。
【図5】側面図(上)と上面図(下)を示す図。
【図6】上面図(下)と側面図(上)を示す図。
【図7】可変空間フィルタとしてDMDを備えるスペクトル検出器を示す図。
【図8】スペクトルの再結合、及び点状出射結合又は検出を行う構成の図。
【図9】可変空間フィルタとして2つのDMDが提供される構成の図。
【図10】1対1結像のためのミラー光学系を含む構成の図。
【図11】可変空間フィルタとして2回使用されるDMDと、1対1結像のためのミラー光学系とを含む構成の図。
【図12】2回使用されるDMDと、同じ回折格子で1対1結像と再結合を行うためのレンズ光学系とを含む構成の図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1:
ピンホール又はファイバ端部1からの多色光が、ミラーによって偏向された後に、結像回折格子2によってスペクトル分解され、TIRプリズム3を通ってDMD4に結像される。
【0024】
TIRプリズムは、好ましくは、空気ギャップを有して接着された2つの個別のプリズムからなる。実質的に垂直な光はプリズム間の境界面を通り抜けるが、斜めの光は(対応する角度で)全反射される。
【0025】
プリズム3の前の視野レンズ5が、個々の単色光束のメインビームを平行に揃え、それによりDMD4の平面での入射角を同じにする。
DMD4の個々のミラーの角度調整に対応して、所望でない波長はオフ光チャンネル6へ反射され、所望の波長はオン光チャンネル7へ反射される。オフ光6は光トラップ(図示せず)に至る。オン光7は、レンズ8によって瞳面9に集光される。
【0026】
瞳面9に配置された平面状の、空間分解タイプでない検出器10が、DMD4で選択された(1つ又は複数の)波長の強度を測定する。
図2:
図2に示される構成は、図1による構成とは以下の点で異なる。すなわち、DMD4の下流の瞳面9に第2の結像回折格子11が配置され、第2の結像回折格子11は、DMD4で選択された各色の光束を共軸上に再結合し、それにより第1のピンホール又はファイバ入射端12からの像を生成する。したがって、検出器を点状検出器として設計することができ、又は色を選択された光をファイバもしくはピンホール12内に入射結合することができる。
【0027】
ここでは、レンズ8はその光学的な作用に関してハーフレンズでよく、場所を取らずに、結像回折格子11を介してピンホール12の方向へ進む光の指向を保証するが、当然、当業者には別の指向法も考えられよう。
図3:
図3による構成は、図1による構成に第2のTIRプリズム14と第2のDMD15を加えた拡張を示す。瞳面9の下流に配置されたさらなるレンズ13が、先のレンズ8と共に、第2のDMD平面15上への第1のDMD平面4のテレセントリック1対1結像を生成する。ここで、第1のDMD4での波長に基づく選択を繰り返すことができ、これにより、所望でない波長の大幅な減衰が達成される。
【0028】
例えば、所望でないスペクトル成分の光減衰の、OD3からOD6への増加を実現することができる。選択された光束は、第2の視野レンズ16を通して第2の結像回折格子17に送られ、第2の結像回折格子17は、構成2の場合と同様に、共軸上に各色の光束を再結合させる。選択された光は、もう1つのミラー18を介して点状検出器によって受光することができ、又はファイバもしくはピンホール12内に入射結合させることができる。
図4:
図4に示される構成は、図3による構成に対応する(入射結合に関して鏡映である)が、相違点は、第2のDMD平面への第1のDMD平面の1対1結像のために反射屈折系(例えばダイソン(Dyson)光学系)が使用されることである。
【0029】
その反射屈折系は、レンズ8及び13、ならびに例えば球状凹面鏡21からなる。それにより、1対1結像の光機械的な必要部品を減少させることができる。すべてのさらなる要素及び機能は、図3による構成のものに対応する。
図5:
図5は、側面図(上)と上面図(下)を示す。
【0030】
図5による構成では、第2のTIRプリズムと第2のDMDはないが、構成3によるものと同様に、波長に基づく選択が2度実現される。このために、上面図に示されているように、第1の結像回折格子17は、視野レンズ5、TIRプリズム3、及びDMD4に対して偏心して配置される。偏心とは、光学構成の対称面Sが回折格子2及び17の光学中心線A1、A2と一致しないことを意味する。
【0031】
それに対応して、生成されるスペクトルもDMD4上で偏心位置となる。波長に基づく選択が、前述した構成と同様に行われる。先と同様に、オン光8は、レンズを通して瞳9の方向に集光される。ここでは、検出器の代わりにミラー22が配置され、このミラー22が光を反射してDMD4に戻す。DMD4での第1のスペクトルの横方向への偏心により、戻ってくる光束は、第1のスペクトルの偏心の2倍に相当する横方向ずれをもってDMD4に当たる。この位置で、第1の検出時とは別のDMD4のミラーエレメントによって、波長に基づく第2の選択が行われる。第2の選択のオン光は、TIRプリズム3、視野レンズ5、及び偏心の第2の結像回折格子17、ならびにミラー18を通して、点状検出器又はファイバ出射端12に送られる。
図6:
上面図(下)と側面図(上)を示す。
【0032】
図6による構成でも、第2のTIRプリズム及び第2のDMDなしで、波長に基づく選択が2度実現される。
さらにまた、分光と再結合のために1つの中心結像回折格子24のみが使用される。DMD4での第1のスペクトルの偏心は、入射光束の傾きにより生じる。この構成では、分光と再結合のために1つの回折格子24のみが使用されるので、構成5とは異なり、スペクトル1とスペクトル2が同じ向きを向いていなければならない。
【0033】
これは、瞳9の下流でのさらなる結像によって達成される。
さらなるレンズ23が、ルーフトップミラー25の対称面内にスペクトル1の中間像を生成し、この中間像が次いで、適正な向きで、所望のずれをもってDMD4に結像される。次いで、第2の選択後、オン光は、視野レンズ5と、スペクトル成分の再結合のための結像回折格子24とを通して点状検出器又はファイバ出射端12に送られる。
【0034】
図7〜図12による構成は、図1〜図6による構成に対応するが、相違点は、オン光とオフ光の分離のためにTIRプリズムが使用されないことである。視野及び口径が小さい場合、十分に長い自由な光路長によってもこの分離を行うことができる。それにより、必要部品及び経費を減少させることができる。
【0035】
図13及び図14による構成は、図1及び図7によるものに対応し、瞳面内の平面状の検出器の代わりに、追加の結像機構26がスペクトルの像を空間分解検出器27上に生成する。
【0036】
図7は、可変空間フィルタとしてDMDを備えるスペクトル検出器を示し、スペクトルは回折格子によって生成され、このスペクトルは再結合されず、大面積の検出器が瞳面に配置される。
【0037】
図8では、スペクトルの再結合、及び点状出射結合又は検出が行われる。
図9では、可変空間フィルタとして2つのDMDが提供され、さらに1対1結像のためのレンズ光学系が提供され、やはり1点へのスペクトル成分の再結合を行う。
【0038】
図10は、1対1結像のためのミラー光学系を含む。
図11は、可変空間フィルタとして2回使用されるDMDと、1対1結像のためのミラー光学系とを含む。
【0039】
図12は、2回使用されるDMDと、同じ回折格子で1対1結像と再結合を行うためのレンズ光学系とを含む。
本発明によれば、図示した構成において、従来技術よりも、MOEMSベースのスペクトル検出フィルタの明らかな利用上の利点が得られる。
【0040】
最大の利用上の利点は、非常に短い切り替え時間及び高いコントラストの生成と併せて、提供される高い柔軟性から得られる。詳細には、例えば以下の興味深い利用可能性が生まれる。
柔軟性の高いスペクトルフィルタ設計
フィルタを、使用される色素/励起光源に直接適合可能である。したがって、フィルタは、相応に調整可能な励起光源と共に、使用される色素の吸収特性に基づく励起条件の最適化をサポートし、したがって、より低い強度で励起することができるので、自家蛍光に対するコントラストを高める。これは特に、励起と放出の間で非常に低いストークシフトを有する色素にも有効である。スペクトルフィルタのエッジ急峻度が従来のエッジフィルタよりも高いため、ほぼ除去されずに後方散乱される励起光の吸収及び放出の最大値が、それにもかかわらず非常に効率的に抑制される。さらに、他の所望でないスペクトル成分(自家蛍光)も必要に応じて容易に抑制することができる。
並列化されたスペクトル走査/分光分析用途
基本的には、従来技術による分光計のフーリエ面での移動可能なスリットを用いて、個々の像点それぞれに関して数ナノメートルまでのスペクトル分解情報が得られる。しかし、従来技術では、機械的に実施しなければならない開始/停止運動、及び受信しなければならない大量のデータセットにより、かなりの受信時間を妥協して受け入れなければならない。MOEMSによって実現されるマイクロ秒範囲での切り替え時間が、これらのプロセスを非常に高速化する。さらに、MOEMSにより任意の分光形態を実現することができ、ライン検出器(PMT、CCD、EMCCD、CMOS)の使用によって、データ受信プロセスを並列化することができ、それにより、受信しなければならない像の数が減少し、これによって速度が高まり、プローブを酷使せずに済む。このようにして、複数の色素で着色されたプローブの信号をそれぞれの色素成分に非常に迅速に分離することができる(いわゆる「放出フィンガープリント」。独国特許第19915137号明細書及び独国特許第10151217号明細書も参照のこと)。
迅速なマルチトラッキング/励起フィンガープリント
高い切り替え速度により、フィルタをマイクロ秒範囲で様々な実験条件に適合させることができる。これは、原理的に、非常に迅速な、さらには画素ごとに行えるマルチトラッキングを可能にし、蛍光透過及びレーザ抑制をすぐに適合させることができる。さらに、同様にして、励起波長のさらなる調整により、生物学的プローブにおいて色素成分の選択的な励起及び分析を実現することができる(「励起フィンガープリント」。独国特許第10033180号明細書参照)。どちらの技法も、個々の像チャンネルで色素成分を個別に表すことができるようにする。
ピンホール調整
第1のMOEMS段階による励起光の入射結合時、励起光と検出光がどちらも同じピンホールを使用する。したがって、プローブでの励起スポットとピンホールとの誤差調整は行われない。さらに、メインビームスプリッタを用いた解決策により、さらなる色収差は生成されない。したがって、このシステムは制限なくFCSに適したものとなる。
反射測定
全励起光を光路上に進めるのに必要な数よりも少ないマイクロミラーを選択することにより、成分の部分反射を望み通りに生成することができる。したがって、反射測定により、共焦点表面分析を行うことができる。これは、現代の多層フィルタでの励起光線の高い抑制により、現行技術による共焦点系では可能でない。
【0041】
当然、本発明は、説明した実施形態に文字通りにしか関連しないのではなく、当業者は、開示した範囲を越えて様々な形態で変形及び修正を行うことができる。
【符号の説明】
【0042】
1…ピンホール又はファイバ出射端、2…結像回折格子、3…TIRプリズム、4…DMD、5…視野レンズ、6…光トラップの方向への光、7…有用光、8…レンズ、9…瞳面、10…検出器、11…傾斜ミラー、12…ファイバ出射端又は検出ピンホール、13…レンズ、14…TIRプリズム、15…DMD、16…視野レンズ、17…結像回折格子、18…傾斜ミラー、19…有用光、20…光トラップの方向への光、21…凹面鏡、22…平面鏡、23…レンズ、24…結像回折格子、25…ルーフトップミラー、26…レンズ、27…空間分解検出器。
【背景技術】
【0001】
特許文献1に、空間光変調器(SLM)によって入射ビームのスペクトル特性解析を行うための光学的構成及び方法が記載されている。マイクロミラーアレイ(デジタルミラーデバイス−DMD)を用いた一実施形態では、選択されたスペクトル成分のみが検出器の方向に反射される。
【0002】
特許文献2には、同時に励起される複数の色素を有するセルプローブの蛍光信号のスペクトル分解検出を行うための構成が記載されている。物体光が分光され、適切なアレイ=検出器によって受光される。物体光のスペクトルはフィルタされずに受光され、励起光のスペクトル成分を含むことができる。
【0003】
特許文献3及び特許文献4では、蛍光顕微鏡において物体光のスペクトル選択性検出を行うための光学的構成が提示されており、この構成は、物体光のスペクトル成分を角度分離して分光するための分散エレメントを含む。これらの構成は、バンドパスフィルタとして作用するが、柔軟性の高い物体光のスペクトルフィルタリングは可能ではない。
【0004】
特許文献5、特許文献6、及び特許文献7には、移動可能な遮光機構を備える実施形態が記載されている。
したがって、これらの装置は、蛍光の複数のスペクトル範囲の同時検出を可能にする。しかしながら、検出される範囲の数は、検出器−遮光機構ユニットの数によって制限される。また、使用される遮光機構は、バンドパスフィルタ機能しか利用できないので、これらの装置は、柔軟性のある物体光のスペクトルフィルタリングが可能ではない。
【0005】
特許文献8には、1チャンネル検出器のみを用いて物体光の複数のスペクトル範囲を同時に検出するための装置が記載されている。
検出対象の光線成分の選択は、遮断エレメントによって行われる。所望でない成分は検出光路から除外される。この手法は、柔軟性の高い物体光のフィルタリングを可能にする。しかしながら、この構成では、検出される全範囲に関する総強度しか測定されないので、ここでは蛍光のスペクトル特性解析は可能でない。さらに、個々のウェブの無視できない厚さが、蛍光の強度の損失をもたらす。
【0006】
特許文献9では、物体光が分光され、マルチチャンネル検出器上に結像される。分散エレメントの上流に低減手段が設けられる。
しかしながら、使用される低減手段の特性のみによってフィルタ機能が決定されるので、柔軟性の高い物体光のスペクトルフィルタリングは可能でない。
【0007】
特許文献10には、顕微鏡において照明光路、物体光路、及び検出光路が純粋に幾何学的に互いに分離されている装置が記載されている。この装置では、検出器の前で、物体光の追加の後処理フィルタリングが必要である。
【0008】
特許文献11には、特許文献10に記載されている構成及び方法に基づく手法でのメインビームスプリッタが記載されている。照明光路、物体光路、及び検出光路が純粋に幾何学的に互いに分離されている。これに関して、DMDユニットを含むマイクロ構造エレメントが4f配置のフーリエ面内で使用されて、照明光線の所望のスペクトル成分を所期の通りに顕微鏡に入射結合させる。散乱光の抑制効率は限られており、したがって追加の後処理フィルタリングが必要となる。
【0009】
特許文献12には、顕微鏡でのスペクトル検出器の利用が記載されており、ここではプローブ光のスペクトルが検出器によって受光される。これに関して、プローブから放出されてそこで散乱された光は、そのスペクトル成分に分解され、適切な光学系によって、所期の通りに切替え可能なマイクロミラーアレイ(デジタルミラーデバイス−DMD)上に結像される。この場合、光線の所望でない波長は検出されない。これは、プローブで散乱された励起光のさらなる抑制を可能にする。物体光のスペクトルを受光するために、スペクトル分解された個々の光線成分が時間的に連続して検出器に結像される。個々のスペクトル範囲の強度によって全体のスペクトルが得られる。
【0010】
特許文献13及び特許文献14には、顕微鏡において蛍光の複数のスペクトル範囲を同時に検出するための光学的構成が記載されている。これに関して、物体光がスペクトル分解されて、複数の偏向マイクロミラーからなる配列に結像される。各マイクロミラーは、複数の傾斜角によって特徴付けられる。
【0011】
個々のマイクロミラーの縁部及び表面での散乱により、抑制の効率が制限される。
特許文献15には、特許文献13及び特許文献14に記載される光学的構成のさらなる発展形態が記載されている。
【0012】
この装置は、コリメートレンズを加えて拡張されており、このコリメートレンズは、マイクロミラーユニットと検出器の間の検出光路内で使用される。したがって、スペクトル分解された個々の部分ビームが検出器上に平行に結像される。
【0013】
個々のマイクロミラーの縁部及び表面での散乱により、抑制の効率はここでもわずか約3ODに制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第5504575号明細書(B1)
【特許文献2】米国特許第6750036号明細書(B2)
【特許文献3】米国特許第6809815号明細書(B1)
【特許文献4】米国特許第6954306号明細書(B2)
【特許文献5】米国特許第5886784号明細書
【特許文献6】米国特許第6852967号明細書(B2)
【特許文献7】米国特許第6977724号明細書(B2)
【特許文献8】独国特許出願公開第102004031049号明細書(A1)
【特許文献9】独国特許第10102033号明細書(B4)
【特許文献10】米国特許第6377344号明細書(B2)
【特許文献11】独国特許出願公開第102007002583号明細書(A1)
【特許文献12】米国特許第7212338号明細書(B2)
【特許文献13】米国特許第6396053号明細書(B1)
【特許文献14】米国特許第6459484号明細書(B1)
【特許文献15】米国特許第7190451号明細書(B2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、本発明の課題は、適切な光学的構成を用いてさらなる効率的な物体光のフィルタリングを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この課題は、独立請求項1、2、3、4、6、12の前提部に従ったそのようなタイプの装置において、特徴部に記載される特徴によって解決される。
好ましい発展形態は、従属請求項の対象である。
【0017】
本発明によれば、所望でない励起光を依然として含んでいる可能性があり、かつ、ピンホール又はファイバから検出器に送られる検出光に、スペクトルフィルタリングが施される。
【0018】
本発明の手法では、さらに、分光のための回折格子と、所望の光(例えば蛍光)と所望でない光(励起光)を選択するためのマイクロミラーアレイ(MEMS(ミラー)アレイ)とが使用される。
【0019】
有利には、同一のMEMSアレイ又は実質的に同一のミラーアレイによって変調を2回行い、その際、2回目の光線通過を空間的にずらすことによって、例えば少なくともOD6の非常に高い分離性能が達成される。
【0020】
さらに、有利には、再収束させるために1対1結像系が使用される。
さらに、有利には、コンパクトで費用対効果の高い構成を実現するために、MEMSとプリズムがどちらも往復の光路に使用される。
【0021】
以下、本発明を概略的な図面に基づいてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】ピンホール又はファイバ端部1からの多色光が、ミラーによって偏向された後に、結像回折格子2によってスペクトル分解され、TIRプリズム3を通ってDMD4に結像される構成の図。
【図2】図1による構成とは異なる構成の図。
【図3】図1による構成に第2のTIRプリズム14と第2のDMD15を加えた拡張を示す構成の図。
【図4】図3による構成に対応する構成の図。
【図5】側面図(上)と上面図(下)を示す図。
【図6】上面図(下)と側面図(上)を示す図。
【図7】可変空間フィルタとしてDMDを備えるスペクトル検出器を示す図。
【図8】スペクトルの再結合、及び点状出射結合又は検出を行う構成の図。
【図9】可変空間フィルタとして2つのDMDが提供される構成の図。
【図10】1対1結像のためのミラー光学系を含む構成の図。
【図11】可変空間フィルタとして2回使用されるDMDと、1対1結像のためのミラー光学系とを含む構成の図。
【図12】2回使用されるDMDと、同じ回折格子で1対1結像と再結合を行うためのレンズ光学系とを含む構成の図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1:
ピンホール又はファイバ端部1からの多色光が、ミラーによって偏向された後に、結像回折格子2によってスペクトル分解され、TIRプリズム3を通ってDMD4に結像される。
【0024】
TIRプリズムは、好ましくは、空気ギャップを有して接着された2つの個別のプリズムからなる。実質的に垂直な光はプリズム間の境界面を通り抜けるが、斜めの光は(対応する角度で)全反射される。
【0025】
プリズム3の前の視野レンズ5が、個々の単色光束のメインビームを平行に揃え、それによりDMD4の平面での入射角を同じにする。
DMD4の個々のミラーの角度調整に対応して、所望でない波長はオフ光チャンネル6へ反射され、所望の波長はオン光チャンネル7へ反射される。オフ光6は光トラップ(図示せず)に至る。オン光7は、レンズ8によって瞳面9に集光される。
【0026】
瞳面9に配置された平面状の、空間分解タイプでない検出器10が、DMD4で選択された(1つ又は複数の)波長の強度を測定する。
図2:
図2に示される構成は、図1による構成とは以下の点で異なる。すなわち、DMD4の下流の瞳面9に第2の結像回折格子11が配置され、第2の結像回折格子11は、DMD4で選択された各色の光束を共軸上に再結合し、それにより第1のピンホール又はファイバ入射端12からの像を生成する。したがって、検出器を点状検出器として設計することができ、又は色を選択された光をファイバもしくはピンホール12内に入射結合することができる。
【0027】
ここでは、レンズ8はその光学的な作用に関してハーフレンズでよく、場所を取らずに、結像回折格子11を介してピンホール12の方向へ進む光の指向を保証するが、当然、当業者には別の指向法も考えられよう。
図3:
図3による構成は、図1による構成に第2のTIRプリズム14と第2のDMD15を加えた拡張を示す。瞳面9の下流に配置されたさらなるレンズ13が、先のレンズ8と共に、第2のDMD平面15上への第1のDMD平面4のテレセントリック1対1結像を生成する。ここで、第1のDMD4での波長に基づく選択を繰り返すことができ、これにより、所望でない波長の大幅な減衰が達成される。
【0028】
例えば、所望でないスペクトル成分の光減衰の、OD3からOD6への増加を実現することができる。選択された光束は、第2の視野レンズ16を通して第2の結像回折格子17に送られ、第2の結像回折格子17は、構成2の場合と同様に、共軸上に各色の光束を再結合させる。選択された光は、もう1つのミラー18を介して点状検出器によって受光することができ、又はファイバもしくはピンホール12内に入射結合させることができる。
図4:
図4に示される構成は、図3による構成に対応する(入射結合に関して鏡映である)が、相違点は、第2のDMD平面への第1のDMD平面の1対1結像のために反射屈折系(例えばダイソン(Dyson)光学系)が使用されることである。
【0029】
その反射屈折系は、レンズ8及び13、ならびに例えば球状凹面鏡21からなる。それにより、1対1結像の光機械的な必要部品を減少させることができる。すべてのさらなる要素及び機能は、図3による構成のものに対応する。
図5:
図5は、側面図(上)と上面図(下)を示す。
【0030】
図5による構成では、第2のTIRプリズムと第2のDMDはないが、構成3によるものと同様に、波長に基づく選択が2度実現される。このために、上面図に示されているように、第1の結像回折格子17は、視野レンズ5、TIRプリズム3、及びDMD4に対して偏心して配置される。偏心とは、光学構成の対称面Sが回折格子2及び17の光学中心線A1、A2と一致しないことを意味する。
【0031】
それに対応して、生成されるスペクトルもDMD4上で偏心位置となる。波長に基づく選択が、前述した構成と同様に行われる。先と同様に、オン光8は、レンズを通して瞳9の方向に集光される。ここでは、検出器の代わりにミラー22が配置され、このミラー22が光を反射してDMD4に戻す。DMD4での第1のスペクトルの横方向への偏心により、戻ってくる光束は、第1のスペクトルの偏心の2倍に相当する横方向ずれをもってDMD4に当たる。この位置で、第1の検出時とは別のDMD4のミラーエレメントによって、波長に基づく第2の選択が行われる。第2の選択のオン光は、TIRプリズム3、視野レンズ5、及び偏心の第2の結像回折格子17、ならびにミラー18を通して、点状検出器又はファイバ出射端12に送られる。
図6:
上面図(下)と側面図(上)を示す。
【0032】
図6による構成でも、第2のTIRプリズム及び第2のDMDなしで、波長に基づく選択が2度実現される。
さらにまた、分光と再結合のために1つの中心結像回折格子24のみが使用される。DMD4での第1のスペクトルの偏心は、入射光束の傾きにより生じる。この構成では、分光と再結合のために1つの回折格子24のみが使用されるので、構成5とは異なり、スペクトル1とスペクトル2が同じ向きを向いていなければならない。
【0033】
これは、瞳9の下流でのさらなる結像によって達成される。
さらなるレンズ23が、ルーフトップミラー25の対称面内にスペクトル1の中間像を生成し、この中間像が次いで、適正な向きで、所望のずれをもってDMD4に結像される。次いで、第2の選択後、オン光は、視野レンズ5と、スペクトル成分の再結合のための結像回折格子24とを通して点状検出器又はファイバ出射端12に送られる。
【0034】
図7〜図12による構成は、図1〜図6による構成に対応するが、相違点は、オン光とオフ光の分離のためにTIRプリズムが使用されないことである。視野及び口径が小さい場合、十分に長い自由な光路長によってもこの分離を行うことができる。それにより、必要部品及び経費を減少させることができる。
【0035】
図13及び図14による構成は、図1及び図7によるものに対応し、瞳面内の平面状の検出器の代わりに、追加の結像機構26がスペクトルの像を空間分解検出器27上に生成する。
【0036】
図7は、可変空間フィルタとしてDMDを備えるスペクトル検出器を示し、スペクトルは回折格子によって生成され、このスペクトルは再結合されず、大面積の検出器が瞳面に配置される。
【0037】
図8では、スペクトルの再結合、及び点状出射結合又は検出が行われる。
図9では、可変空間フィルタとして2つのDMDが提供され、さらに1対1結像のためのレンズ光学系が提供され、やはり1点へのスペクトル成分の再結合を行う。
【0038】
図10は、1対1結像のためのミラー光学系を含む。
図11は、可変空間フィルタとして2回使用されるDMDと、1対1結像のためのミラー光学系とを含む。
【0039】
図12は、2回使用されるDMDと、同じ回折格子で1対1結像と再結合を行うためのレンズ光学系とを含む。
本発明によれば、図示した構成において、従来技術よりも、MOEMSベースのスペクトル検出フィルタの明らかな利用上の利点が得られる。
【0040】
最大の利用上の利点は、非常に短い切り替え時間及び高いコントラストの生成と併せて、提供される高い柔軟性から得られる。詳細には、例えば以下の興味深い利用可能性が生まれる。
柔軟性の高いスペクトルフィルタ設計
フィルタを、使用される色素/励起光源に直接適合可能である。したがって、フィルタは、相応に調整可能な励起光源と共に、使用される色素の吸収特性に基づく励起条件の最適化をサポートし、したがって、より低い強度で励起することができるので、自家蛍光に対するコントラストを高める。これは特に、励起と放出の間で非常に低いストークシフトを有する色素にも有効である。スペクトルフィルタのエッジ急峻度が従来のエッジフィルタよりも高いため、ほぼ除去されずに後方散乱される励起光の吸収及び放出の最大値が、それにもかかわらず非常に効率的に抑制される。さらに、他の所望でないスペクトル成分(自家蛍光)も必要に応じて容易に抑制することができる。
並列化されたスペクトル走査/分光分析用途
基本的には、従来技術による分光計のフーリエ面での移動可能なスリットを用いて、個々の像点それぞれに関して数ナノメートルまでのスペクトル分解情報が得られる。しかし、従来技術では、機械的に実施しなければならない開始/停止運動、及び受信しなければならない大量のデータセットにより、かなりの受信時間を妥協して受け入れなければならない。MOEMSによって実現されるマイクロ秒範囲での切り替え時間が、これらのプロセスを非常に高速化する。さらに、MOEMSにより任意の分光形態を実現することができ、ライン検出器(PMT、CCD、EMCCD、CMOS)の使用によって、データ受信プロセスを並列化することができ、それにより、受信しなければならない像の数が減少し、これによって速度が高まり、プローブを酷使せずに済む。このようにして、複数の色素で着色されたプローブの信号をそれぞれの色素成分に非常に迅速に分離することができる(いわゆる「放出フィンガープリント」。独国特許第19915137号明細書及び独国特許第10151217号明細書も参照のこと)。
迅速なマルチトラッキング/励起フィンガープリント
高い切り替え速度により、フィルタをマイクロ秒範囲で様々な実験条件に適合させることができる。これは、原理的に、非常に迅速な、さらには画素ごとに行えるマルチトラッキングを可能にし、蛍光透過及びレーザ抑制をすぐに適合させることができる。さらに、同様にして、励起波長のさらなる調整により、生物学的プローブにおいて色素成分の選択的な励起及び分析を実現することができる(「励起フィンガープリント」。独国特許第10033180号明細書参照)。どちらの技法も、個々の像チャンネルで色素成分を個別に表すことができるようにする。
ピンホール調整
第1のMOEMS段階による励起光の入射結合時、励起光と検出光がどちらも同じピンホールを使用する。したがって、プローブでの励起スポットとピンホールとの誤差調整は行われない。さらに、メインビームスプリッタを用いた解決策により、さらなる色収差は生成されない。したがって、このシステムは制限なくFCSに適したものとなる。
反射測定
全励起光を光路上に進めるのに必要な数よりも少ないマイクロミラーを選択することにより、成分の部分反射を望み通りに生成することができる。したがって、反射測定により、共焦点表面分析を行うことができる。これは、現代の多層フィルタでの励起光線の高い抑制により、現行技術による共焦点系では可能でない。
【0041】
当然、本発明は、説明した実施形態に文字通りにしか関連しないのではなく、当業者は、開示した範囲を越えて様々な形態で変形及び修正を行うことができる。
【符号の説明】
【0042】
1…ピンホール又はファイバ出射端、2…結像回折格子、3…TIRプリズム、4…DMD、5…視野レンズ、6…光トラップの方向への光、7…有用光、8…レンズ、9…瞳面、10…検出器、11…傾斜ミラー、12…ファイバ出射端又は検出ピンホール、13…レンズ、14…TIRプリズム、15…DMD、16…視野レンズ、17…結像回折格子、18…傾斜ミラー、19…有用光、20…光トラップの方向への光、21…凹面鏡、22…平面鏡、23…レンズ、24…結像回折格子、25…ルーフトップミラー、26…レンズ、27…空間分解検出器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出光路と、少なくとも1つの第1の結像光学系とを備えるレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器であって、前記第1の結像光学系が、スペクトル分散されたプローブ光をフーリエ面に結像し、それにより、前記フーリエ面で、前記プローブ光の個々のスペクトル成分が空間的に互いに分離され、前記フーリエ面にはマイクロミラーアレイが設けられ、前記マイクロミラーの制御により、検出光線のスペクトル選択性偏向が行われ、検出器光線の有用光成分が前記検出器に達する、レーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器において、
前記第1の結像光学系と前記マイクロミラーアレイの間に、又は前記マイクロミラーアレイの前にTIRプリズムが提供され、前記TIRプリズムが、前記マイクロミラーアレイの方向に検出光を反射し、スペクトル選択後に有用光成分を検出方向に伝送することを特徴とする、レーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項2】
検出光路と、少なくとも1つの第1の結像光学系とを備えるレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器であって、前記第1の結像光学系が、スペクトル分散されたプローブ光をフーリエ面に結像し、それにより、前記フーリエ面で、前記プローブ光の個々のスペクトル成分が空間的に互いに分離され、前記フーリエ面にはマイクロミラーアレイが設けられ、前記マイクロミラーの制御により、検出光線のスペクトル選択性偏向が行われ、検出器光線の有用光成分が前記検出器に達する、レーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器において、
前記マイクロミラーアレイへの前記プローブ光の入射結合、及びマイクロミラーアレイからの検出すべき光と遮断すべき光の出射結合がTIRプリズムによって行われ、前記TIRプリズムが、前記マイクロミラーアレイによって生成された検出すべき光成分と遮断すべき光成分との角度差を拡大して、前記遮断すべき光成分の光路が、前記マイクロミラーアレイの下流に接続された平行光学系の有効径によって捕捉されないようにすることを特徴とする、レーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項3】
検出光路と、少なくとも1つの第1の結像光学系とを備えるレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器であって、前記第1の結像光学系が、スペクトル分散されたプローブ光をフーリエ面に結像し、それにより、前記フーリエ面で、前記プローブ光の個々のスペクトル成分が空間的に互いに分離され、前記フーリエ面にはマイクロミラーアレイが設けられ、前記マイクロミラーの制御により、検出光線のスペクトル選択性偏向が行われ、検出器光線の有用光成分が前記検出器に達する、レーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器において、
ピンホール及び/若しくは点検出器又はファイバ端部への結像のために、前記マイクロミラーアレイの下流に配置された、分散エレメントを備える第2の結像光学系によって、生成されている角度的な分散がなくなることを特徴とする、レーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項4】
検出光路と、少なくとも1つの第1の結像光学系とを備えるレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器であって、前記第1の結像光学系が、スペクトル分散されたプローブ光をフーリエ面に結像し、それにより、前記フーリエ面で、前記プローブ光の個々のスペクトル成分が空間的に互いに分離され、前記フーリエ面にはマイクロミラーアレイが設けられ、前記マイクロミラーの制御により、検出光線のスペクトル選択性偏向が行われ、検出器光線の有用光成分が前記検出器に達する、レーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器において、
前記マイクロミラーアレイの下流に配置された平行光学系の瞳面内に分散エレメントが配置され、前記分散エレメントが、前記プローブ光の分光のために使用されるエレメントと同一であり、それにより、光路上で前記プローブ光のすべてのスペクトル成分が再統合され、次いで検出器に結像されることを特徴とする、レーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項5】
分散と結像のために少なくとも1つの結像回折格子が提供される、請求項1から4のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項6】
検出光路と、少なくとも1つの第1の結像光学系とを備えるレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器であって、前記第1の結像光学系が、スペクトル分散されたプローブ光をフーリエ面に結像し、それにより、前記フーリエ面で、前記プローブ光の個々のスペクトル成分が空間的に互いに分離され、前記フーリエ面にはマイクロミラーアレイが設けられ、前記マイクロミラーの制御により、検出光線のスペクトル選択性偏向が行われ、検出器光線の有用光成分が前記検出器に達する、レーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器において、
前記スペクトル選択を向上するために、少なくとも1つの第2のマイクロミラーアレイが提供され、前記第2のマイクロミラーアレイへの前記第1のマイクロミラーアレイの1対1結像が提供されることを特徴とする、レーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項7】
前記第2のマイクロミラーアレイが前記第2のTIRプリズムの上流に配置される、請求項6に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項8】
前記1対1結像がテレセントリック結像系又は反射屈折系によって実現される、請求項6又は7に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項9】
前記反射屈折系がダイソン光学系である、請求項8に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項10】
1対1結像のための構成を備え、前記構成において、前記光学手段が、色収差を補正するように設計されたレンズ系である、請求項6に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項11】
1対1結像のための構成を備え、前記構成において、前記光学手段が、色消しレンズ及び凹面鏡からなる、請求項6に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項12】
検出光路と、少なくとも1つの第1の結像光学系とを備えるレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器であって、前記第1の結像光学系が、スペクトル分散されたプローブ光をフーリエ面に結像し、それにより、前記フーリエ面で、前記プローブ光の個々のスペクトル成分が空間的に互いに分離され、前記フーリエ面にはマイクロミラーアレイが設けられ、前記マイクロミラーの制御により、検出光線のスペクトル選択性偏向が行われ、検出器光線の有用光成分が前記検出器に達する、レーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器において、
前記スペクトル検出を向上するために、同じマイクロミラーアレイを光が少なくとも2回通過し、光学手段を通る第1の通過と第2の通過の間の光路内で、少なくとも前記マイクロミラーアレイ上での前記第1の通過時と前記第2の通過時の光線の空間的なずれが生成されることを特徴とする、レーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項13】
前記分散された光の第1及び第2の結像を前記マイクロミラーアレイ上で生成するために、偏心配置された光学系を備える、請求項12に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項14】
前記光路内で第1の通過と第2の通過の間の空間的なずれを生成するために、逆反射器、好ましくはルーフトップミラーが提供される、請求項12又は13に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項15】
1対1結像がテレセントリック結像系又は反射屈折系によって実現される、請求項12に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項16】
前記反射屈折系がダイソン光学系である、請求項15に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項17】
1対1結像のための構成を備え、前記構成において、前記光学手段が、色収差を補正するように設計されたレンズ系である、請求項15または16に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項18】
1対1結像のための構成を備え、前記構成において、前記光学手段が、色消しレンズ及び凹面鏡からなる請求項15または16に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項19】
少なくとも1つのスペクトル分散エレメントとして反射回折格子が提供される、請求項1から18のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項20】
少なくとも1つのスペクトル分散エレメントとして結像反射回折格子が提供される、請求項1から19のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項21】
少なくとも1つのスペクトル分散エレメントとして透過回折格子が提供される、請求項1から20のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項22】
少なくとも1つのスペクトル分散エレメントとしてプリズムが提供される、請求項1から21のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項23】
前記プローブ光の前記空間的に分離された成分が前記マイクロミラーによってスペクトル選択されて2つの異なる空間方向に反射されるように、前記マイクロミラーアレイが構成される、請求項1から22のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項24】
前記構成に組み込まれた各マイクロミラーアレイの後ろで、2つの出射方向が明確に互いに分離され、これら2つの方向の一方がビームトラップ内に結像される、請求項1から23のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項25】
前記マイクロミラーアレイがDMDマトリックスである、請求項1から24のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項26】
前記マイクロミラーアレイがMOEMSマトリックスである、請求項1から25のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項27】
前記遮断すべき光成分の光路が、下流に接続された平行光学系の有効径によって捕捉されないよう、前記マイクロミラーアレイによって生成される検出すべき光成分と遮断すべき光成分の角度差が大きい、請求項1から26のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項28】
前記マイクロミラーアレイの下流に配置された平行光学系の瞳面内に大面積の検出器が配置される、請求項1から27のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項29】
前記スペクトルフィルタリングされた検出すべきプローブ光が、マルチチャンネル検出器上に結像される、請求項1から28のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項30】
前記マルチチャンネル検出器がマルチチャンネル光電子増倍管である、請求項1から29のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項31】
前記マルチチャンネル検出器が1次元又は2次元CCD検出器である、請求項1から30のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項32】
前記マルチチャンネル検出器が1次元又は2次元EMCCD検出器である、請求項1から31のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項33】
前記マルチチャンネル検出器が1次元又は2次元CMOS検出器である、請求項1から32のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項1】
検出光路と、少なくとも1つの第1の結像光学系とを備えるレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器であって、前記第1の結像光学系が、スペクトル分散されたプローブ光をフーリエ面に結像し、それにより、前記フーリエ面で、前記プローブ光の個々のスペクトル成分が空間的に互いに分離され、前記フーリエ面にはマイクロミラーアレイが設けられ、前記マイクロミラーの制御により、検出光線のスペクトル選択性偏向が行われ、検出器光線の有用光成分が前記検出器に達する、レーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器において、
前記第1の結像光学系と前記マイクロミラーアレイの間に、又は前記マイクロミラーアレイの前にTIRプリズムが提供され、前記TIRプリズムが、前記マイクロミラーアレイの方向に検出光を反射し、スペクトル選択後に有用光成分を検出方向に伝送することを特徴とする、レーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項2】
検出光路と、少なくとも1つの第1の結像光学系とを備えるレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器であって、前記第1の結像光学系が、スペクトル分散されたプローブ光をフーリエ面に結像し、それにより、前記フーリエ面で、前記プローブ光の個々のスペクトル成分が空間的に互いに分離され、前記フーリエ面にはマイクロミラーアレイが設けられ、前記マイクロミラーの制御により、検出光線のスペクトル選択性偏向が行われ、検出器光線の有用光成分が前記検出器に達する、レーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器において、
前記マイクロミラーアレイへの前記プローブ光の入射結合、及びマイクロミラーアレイからの検出すべき光と遮断すべき光の出射結合がTIRプリズムによって行われ、前記TIRプリズムが、前記マイクロミラーアレイによって生成された検出すべき光成分と遮断すべき光成分との角度差を拡大して、前記遮断すべき光成分の光路が、前記マイクロミラーアレイの下流に接続された平行光学系の有効径によって捕捉されないようにすることを特徴とする、レーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項3】
検出光路と、少なくとも1つの第1の結像光学系とを備えるレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器であって、前記第1の結像光学系が、スペクトル分散されたプローブ光をフーリエ面に結像し、それにより、前記フーリエ面で、前記プローブ光の個々のスペクトル成分が空間的に互いに分離され、前記フーリエ面にはマイクロミラーアレイが設けられ、前記マイクロミラーの制御により、検出光線のスペクトル選択性偏向が行われ、検出器光線の有用光成分が前記検出器に達する、レーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器において、
ピンホール及び/若しくは点検出器又はファイバ端部への結像のために、前記マイクロミラーアレイの下流に配置された、分散エレメントを備える第2の結像光学系によって、生成されている角度的な分散がなくなることを特徴とする、レーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項4】
検出光路と、少なくとも1つの第1の結像光学系とを備えるレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器であって、前記第1の結像光学系が、スペクトル分散されたプローブ光をフーリエ面に結像し、それにより、前記フーリエ面で、前記プローブ光の個々のスペクトル成分が空間的に互いに分離され、前記フーリエ面にはマイクロミラーアレイが設けられ、前記マイクロミラーの制御により、検出光線のスペクトル選択性偏向が行われ、検出器光線の有用光成分が前記検出器に達する、レーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器において、
前記マイクロミラーアレイの下流に配置された平行光学系の瞳面内に分散エレメントが配置され、前記分散エレメントが、前記プローブ光の分光のために使用されるエレメントと同一であり、それにより、光路上で前記プローブ光のすべてのスペクトル成分が再統合され、次いで検出器に結像されることを特徴とする、レーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項5】
分散と結像のために少なくとも1つの結像回折格子が提供される、請求項1から4のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項6】
検出光路と、少なくとも1つの第1の結像光学系とを備えるレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器であって、前記第1の結像光学系が、スペクトル分散されたプローブ光をフーリエ面に結像し、それにより、前記フーリエ面で、前記プローブ光の個々のスペクトル成分が空間的に互いに分離され、前記フーリエ面にはマイクロミラーアレイが設けられ、前記マイクロミラーの制御により、検出光線のスペクトル選択性偏向が行われ、検出器光線の有用光成分が前記検出器に達する、レーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器において、
前記スペクトル選択を向上するために、少なくとも1つの第2のマイクロミラーアレイが提供され、前記第2のマイクロミラーアレイへの前記第1のマイクロミラーアレイの1対1結像が提供されることを特徴とする、レーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項7】
前記第2のマイクロミラーアレイが前記第2のTIRプリズムの上流に配置される、請求項6に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項8】
前記1対1結像がテレセントリック結像系又は反射屈折系によって実現される、請求項6又は7に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項9】
前記反射屈折系がダイソン光学系である、請求項8に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項10】
1対1結像のための構成を備え、前記構成において、前記光学手段が、色収差を補正するように設計されたレンズ系である、請求項6に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項11】
1対1結像のための構成を備え、前記構成において、前記光学手段が、色消しレンズ及び凹面鏡からなる、請求項6に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項12】
検出光路と、少なくとも1つの第1の結像光学系とを備えるレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器であって、前記第1の結像光学系が、スペクトル分散されたプローブ光をフーリエ面に結像し、それにより、前記フーリエ面で、前記プローブ光の個々のスペクトル成分が空間的に互いに分離され、前記フーリエ面にはマイクロミラーアレイが設けられ、前記マイクロミラーの制御により、検出光線のスペクトル選択性偏向が行われ、検出器光線の有用光成分が前記検出器に達する、レーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器において、
前記スペクトル検出を向上するために、同じマイクロミラーアレイを光が少なくとも2回通過し、光学手段を通る第1の通過と第2の通過の間の光路内で、少なくとも前記マイクロミラーアレイ上での前記第1の通過時と前記第2の通過時の光線の空間的なずれが生成されることを特徴とする、レーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項13】
前記分散された光の第1及び第2の結像を前記マイクロミラーアレイ上で生成するために、偏心配置された光学系を備える、請求項12に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項14】
前記光路内で第1の通過と第2の通過の間の空間的なずれを生成するために、逆反射器、好ましくはルーフトップミラーが提供される、請求項12又は13に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項15】
1対1結像がテレセントリック結像系又は反射屈折系によって実現される、請求項12に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項16】
前記反射屈折系がダイソン光学系である、請求項15に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項17】
1対1結像のための構成を備え、前記構成において、前記光学手段が、色収差を補正するように設計されたレンズ系である、請求項15または16に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項18】
1対1結像のための構成を備え、前記構成において、前記光学手段が、色消しレンズ及び凹面鏡からなる請求項15または16に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項19】
少なくとも1つのスペクトル分散エレメントとして反射回折格子が提供される、請求項1から18のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項20】
少なくとも1つのスペクトル分散エレメントとして結像反射回折格子が提供される、請求項1から19のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項21】
少なくとも1つのスペクトル分散エレメントとして透過回折格子が提供される、請求項1から20のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項22】
少なくとも1つのスペクトル分散エレメントとしてプリズムが提供される、請求項1から21のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項23】
前記プローブ光の前記空間的に分離された成分が前記マイクロミラーによってスペクトル選択されて2つの異なる空間方向に反射されるように、前記マイクロミラーアレイが構成される、請求項1から22のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項24】
前記構成に組み込まれた各マイクロミラーアレイの後ろで、2つの出射方向が明確に互いに分離され、これら2つの方向の一方がビームトラップ内に結像される、請求項1から23のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項25】
前記マイクロミラーアレイがDMDマトリックスである、請求項1から24のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項26】
前記マイクロミラーアレイがMOEMSマトリックスである、請求項1から25のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項27】
前記遮断すべき光成分の光路が、下流に接続された平行光学系の有効径によって捕捉されないよう、前記マイクロミラーアレイによって生成される検出すべき光成分と遮断すべき光成分の角度差が大きい、請求項1から26のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項28】
前記マイクロミラーアレイの下流に配置された平行光学系の瞳面内に大面積の検出器が配置される、請求項1から27のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項29】
前記スペクトルフィルタリングされた検出すべきプローブ光が、マルチチャンネル検出器上に結像される、請求項1から28のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項30】
前記マルチチャンネル検出器がマルチチャンネル光電子増倍管である、請求項1から29のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項31】
前記マルチチャンネル検出器が1次元又は2次元CCD検出器である、請求項1から30のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項32】
前記マルチチャンネル検出器が1次元又は2次元EMCCD検出器である、請求項1から31のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【請求項33】
前記マルチチャンネル検出器が1次元又は2次元CMOS検出器である、請求項1から32のいずれか一項に記載のレーザ走査顕微鏡又はスペクトル検出器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2013−506162(P2013−506162A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531253(P2012−531253)
【出願日】平成22年8月28日(2010.8.28)
【国際出願番号】PCT/EP2010/005294
【国際公開番号】WO2011/038816
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(506151659)カール ツァイス マイクロスコピー ゲーエムベーハー (71)
【氏名又は名称原語表記】CARL ZEISS MICROSCOPY GMBH
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月28日(2010.8.28)
【国際出願番号】PCT/EP2010/005294
【国際公開番号】WO2011/038816
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(506151659)カール ツァイス マイクロスコピー ゲーエムベーハー (71)
【氏名又は名称原語表記】CARL ZEISS MICROSCOPY GMBH
【Fターム(参考)】
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