説明

窒素酸化物排出の低減を伴う、改質器ガスに基づく還元方法

本発明は、高温還元ガスと接触させることによって、金属酸化物(3)を金属化材料に還元するための方法に関する。当該還元ガスは、少なくとも部分的に、二酸化炭素(CO)および/または水蒸気(HO)を含むガスと気体状炭化水素との混合物の触媒改質によって生成され、改質の際に行われる吸熱改質プロセスのための熱は、少なくとも部分的に、燃焼ガスの燃焼によって供給される。本発明はまた、前記方法を実施するための装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温還元ガスと接触させることによって、金属酸化物を金属化材料に還元するための方法に関する。当該還元ガスは、少なくとも部分的に、二酸化炭素(CO)および/または水蒸気(HO)を含むガスと気体状炭化水素との混合物の触媒改質によって生成される。改質の際に行われる吸熱改質プロセスのための熱は、少なくとも部分的に、燃焼ガスの燃焼を介して供給される。また、本発明は当該方法を実施するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高温還元ガスと接触させることによって、金属酸化物を金属化材料に還元するための方法であって、当該還元ガスが、少なくとも部分的に天然ガスの触媒改質によって生成され、改質の際に行われる吸熱改質プロセスのための熱は、少なくとも部分的に燃焼ガスの燃焼を介して供給される方法は、例えば特許文献1の図1に記載されている。法的な規制ゆえに、前記方法において発生する排ガスから、当該排ガスを環境中に放出する前にCOを効率的に分離する方法が望まれている。特許文献1に示されたような方法においては、改質器のための燃焼ガスは、酸素源としての空気と共に燃焼させられるので、燃焼排ガスは大量の窒素を含有している。それに対応して、燃焼排ガスからCOを除去するための後続の設備は、相応に大きく設計しなければならない。加えて、小さい圧力下にある燃焼排ガスからCOを除去するために想定されるのは、化学的吸収方法のみである。当該化学的吸収方法は設備が大きく、かつ、エネルギーを多く消費する。
さらに、従来のバーナーが使用される場合、窒素によって燃焼排ガスの窒素酸化物含有量は大きくなる。そのため、厳しさを増しつつある環境規制ゆえに、大抵は後置される脱硝設備、特に窒素酸化物の選択的接触還元(SCR)を行うための方法が必要になる。低NOバーナーを用いる場合、燃焼排ガスの窒素酸化物含有量が大きくなることは避けられるが、このようなバーナーの火炎パターンは、改質器において使用するには不利である。
【0003】
酸素源として空気を用いることのさらなる不利点は、改質器、および、場合によって燃焼排ガス管に設けられている復熱装置において、窒素含有量が多いことにより、放射を介して行われる伝熱は比較的わずかな程度にとどまり、大部分の伝熱が対流を介して行われ、伝熱は対流を介して行われる場合、放射を介する場合よりもはるかに非効率的となる、という理由による。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2006/135984号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の不利点を解消できる方法と、当該方法を実施するための装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題は、高温還元ガスと接触させることによって、金属酸化物を金属化材料に還元するための方法であって、当該還元ガスは、少なくとも部分的に、二酸化炭素(CO)および/または水蒸気(HO)を含むガスと気体状炭化水素との混合物の触媒改質によって生成され、改質の際に行われる吸熱改質プロセスのための熱は、少なくとも部分的に、燃焼ガスの燃焼によって供給され、このとき発生する燃焼排ガスは排出され、当該燃焼俳ガスは、冷却されるとともに水を除去される方法において、前記燃焼ガスの燃焼のために必要とされる酸素が、前記燃焼ガスに対して、冷却されるとともに水を除去された前記燃焼排ガスの部分量と純粋な酸素とから生成されるガス混合物によって供給されることを特徴とする方法によって解決される。
【0007】
水の除去は部分的または完全であってよいが、少なくとも部分的な水の除去が行われる必要がある。
【0008】
好ましくは、金属酸化物は酸化鉄である。さらに、Richardson-Jeffesダイアグラムに基づいて、ニッケル、銅、鉛、コバルトなどを還元することもできる。
【0009】
還元ガスは、少なくとも部分的に、二酸化炭素(CO)および/または水蒸気(HO)を含むガスと気体状炭化水素との混合物の触媒改質によって生成される。当該改質は、少なくとも部分的に、気体状炭化水素の、HOおよびCOによる、水素(H)および一酸化炭素(CO)への変換を通じて行われる。改質に必要な物質HOおよび/もしくはCOは、改質のための混合物に、それぞれ個別に、もしくは共に加えられるか、ならびに/または二酸化炭素COおよび/もしくは水蒸気HOを含むガス中に存在するHOおよび/もしくはCOが用いられる。好ましくは、当該混合物には、少なくともHOが水蒸気として加えられる。
【0010】
気体状炭化水素は、例えば天然ガス、メタン、プロパン、石炭ガス化からの合成ガス、またはコークス炉ガスなどであると理解される。気体状炭化水素という概念は、例えば純粋なプロパンなどのように、ただ1つの化合物が存在するという可能性と、例えばプロパンおよびメタンの混合物などのように、複数の化合物の混合物が存在するという可能性とを含んでいる。
【0011】
二酸化炭素COおよび/または水蒸気HOを含むガスは、例えば、本発明に係る金属酸化物の還元方法からの炉頂ガスである。このとき、炉頂ガスは、金属酸化物の金属化材料への還元が行われる還元ユニットから排出されるガスであると理解される。場合に応じて、当該ガスは改質の前に、例えば共に搬送された粉塵および/または水の分離によって洗浄される。
二酸化炭素COおよび/または水蒸気HOを含むガスは、例えば溶融還元法などの、金属酸化物のその他の還元方法からの送出ガス、または、例えばルルギ固定床ガス化炉もしくはシーメンス噴流床ガス化炉などの、石炭ガス化法からの合成ガスでもあり得る。好ましくは、当該ガスは、本発明に係る金属酸化物の還元方法からの炉頂ガスである。
【0012】
直接還元法からの炉頂ガスの一般的な組成を表1に示す。
【0013】
【表1】

【0014】
二酸化炭素COおよび/または水蒸気HOを含むガス中における、二酸化炭素COの量の下限は0Vol%、好ましくは5Vol%、より好ましくは15Vol%であり、上限は25Vol%、好ましくは30Vol%、より好ましくは40Vol%である。
【0015】
二酸化炭素COおよび/または水蒸気HOを含むガス中における、水蒸気HOの量の下限は0Vol%、好ましくは10Vol%であり、上限は20Vol%、好ましくは55Vol%である。
【0016】
触媒改質によって、還元成分として主にHとCOとを含む還元ガスが得られる。このような改質は吸熱反応であることが知られている。それゆえ、改質器には、例えば改質器に配設されているバーナーにおいて、燃焼ガスを酸素と燃焼させることによって、熱が供給される。
【0017】
本発明により、上記の燃焼ガスの燃焼のために必要とされる酸素は、当該燃焼ガスに対して、冷却されるとともに水をほぼ除去された燃焼排ガスの部分量と純粋な酸素とから生成されるガス混合物によって供給される。当該ガス混合物は、好ましくは、
−少なくとも10Vol%、好ましくは少なくとも20Vol%であって、25Vol%、好ましくは30Vol%までの純粋なOと、
−少なくとも70Vol%、好ましくは少なくとも75Vol%であって、80Vol%、好ましくは90Vol%までの燃焼排ガスと、
から合成される。
【0018】
上記の関連において純粋な酸素とは、大部分酸素から成るガス、好ましくは酸素含有量が90Vol%を超えるガス、特に好ましくは酸素含有量が95Vol%を超えるガスのことである。このとき100Vol%に至るための残部は主に窒素および、アルゴンなど他の空気成分から成る。この点は例えば以下の理由によって重要である。すなわち、「化石燃料のクリーン化を伴うCOの回収および貯留」というテーマに関する欧州委員会のプロジェクトであるDYNAMISが定める要件によれば、COを豊富に含む流体の特質に関してはCOが95Vol%を超え、かつ、例えばN,Ar,Hなど全ての非凝縮性ガスについては、4Vol%を下回ることが規定されている。当該要件は、本発明に係る方法において生成される、燃焼排ガスに由来する、COを豊富に含むガス流の場合、燃焼ガスの燃焼の際にOの純度を高めることによってのみ実現可能である。
【0019】
純粋な酸素における酸素含有量が大きいほど、燃焼排ガスにおいて窒素含有量に対するCO含有量が多くなるとともに、燃焼排ガスにおける非凝縮性ガスの割合が小さくなる。
【0020】
冷却され、かつ、水を除去された本発明に係る燃焼排ガスは、主にCOから成る。燃焼のために必要とされる酸素を、本発明に係るガス混合物によって本発明に記載されるように供給することは、以下の有利点を有する。すなわち、冷却され、かつ、水をほぼ除去されたCO含有燃焼排ガスと、純粋な酸素との選択された混合比によって、火炎温度が相応に調整される。
【0021】
前記ガス混合物は、バーナーに供給される前に、好ましくは燃焼排ガスとの熱交換を介して予熱される。当該予熱によってエネルギーの全消費が低減される結果、前記方法の効率が高められる。このようにして燃焼排ガスの熱が再び還元プロセスに回収されるためである。
【0022】
本発明に係る方法の実施において、バーナーにもたらされる窒素は、酸素ドナーとして空気を使用する場合と比べて、はるかに少ないか、もしくは問題にならないくらい少量である。それに応じて燃焼排ガスもNOをわずかしか排出しないか、もしくはNOを排出しない。そのためにコストの嵩むNO除去装置を省略できる。燃焼排ガスは窒素の代わりに、良好なエミッタであるCOを主に含んでいるため、伝熱は放射に比べて非効率的である対流を介さずに、放射を介してはるかに強く行われる。
【0023】
燃焼排ガスの部分量であって、バーナーのためのガス混合物を形成するために用いられない部分量は、環境中に排出される。
好適に燃焼排ガスの当該部分量が環境中に排出される前に、少なくとも燃焼排ガスの当該部分量からCOが分離される。このとき、本発明に係る方法を実施する際、燃焼排ガスのCO含有量が大きいことにより、燃焼排ガスのCO含有量がはるかに小さい従来の方法を実施する場合に比べて、燃焼排ガスから、より効率的にCOを生じさせることができる。分離されたCOは例えば液化されるとともに隔離することができ、これによって金属酸化物を還元するプロセスのCO排出を低減させる。
【0024】
本発明に係る方法において燃焼ガスは、
−金属酸化物の金属化材料への還元が行われる際に生じる炉頂ガス
−例えば天然ガス、メタン、プロパン、石炭ガス化からの合成ガス、コークス炉ガスなどの気体状炭化水素
からなるグループからの少なくとも一つのガスを含む。
1つの実施の形態によれば、燃焼ガスは上記のグループの少なくとも一つのガスから成る。
【0025】
本発明のさらなる対象は、金属酸化物を金属化材料に還元するための還元ユニットと、二酸化炭素(CO)および水蒸気(HO)を含むガスと気体状炭化水素との混合物の触媒改質を実施するための改質器であって、前記改質器には、混合物を供給するための混合物供給管が設けられているとともに、前記改質器には、燃焼ガスの燃焼によって熱を供給するためのバーナーが設けられている改質器と、高温還元ガスを前記改質器から前記還元ユニットに供給するための還元ガス供給管と、炉頂ガスを前記還元ユニットから吐出すための吐出管と、燃焼排ガスを前記改質器から排出するための排出管であって、燃焼排ガスを冷却するとともに当該燃焼排ガスから水を除去するための少なくとも一つの装置を含む排出管と、を有する本発明に係る方法を実施するための装置において、前記バーナーには、燃焼ガスを供給するための装置と、冷却と水の除去を行うための前記少なくとも一つの装置を通過した後に得られる前記燃焼排ガスの部分量と、純粋な酸素と、から生成されるガス混合物を供給するための装置と、が設けられていることを特徴とする装置である。
燃焼排ガスの冷却と、当該燃焼排ガスから水を除去することとは、好ましくは同一の装置内で行われる。このとき水の除去は部分的または完全に行われるが、少なくとも部分的な水の除去が好ましい。
【0026】
1つの実施の形態によれば、冷却と水の除去とを行うための少なくとも一つの装置を通過した後に得られる燃焼排ガスの部分量と、純粋な酸素とから生成されるガス混合物を供給するための装置は、排出管から分岐しているガス混合物管を含んでおり、当該ガス混合物管内に、純粋な酸素を供給するための酸素供給管が出口を有している。
【0027】
排出管には好適に、燃焼排ガス流からCOを生成するための装置が設けられている。このような方法で、環境雰囲気中に排出されるCO量を低減することができる。生成されたCOは、例えば隔離装置に供給され得る。このときCOは、例えば燃焼排ガス流から分離することによって作り出される。
【0028】
燃焼排ガス流からCOを分離するための装置は、燃焼排ガスの流れ方向において見た場合、ガス混合物管が排出管から分岐する箇所に対して、前置または後置されていてよい。
【0029】
燃焼排ガスの部分量と純粋な酸素とを含むガス混合物を供給するための装置には、好ましくは当該ガス混合物を加熱するための装置、例えば燃焼排ガスからガス混合物への伝熱の途上で当該燃焼排ガスを介して加熱を行うための復熱装置が設けられている。
【0030】
1つの実施の形態によれば、還元ユニットは流動床カスケードである。
【0031】
他の実施の形態によれば、還元ユニットは固定床還元シャフトである。
【0032】
以下に本発明を概略的な図に基づいてより詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る装置を示す図であり、ここで、二酸化炭素(CO)および/または水蒸気(HO)を含むガスは炉頂ガスである。
【図2】二酸化炭素(CO)および/または水蒸気(HO)を含むガスが、図1とは異なる源から発生する類似の装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1において、還元ユニット1、ここでは固定床還元シャフトにおいて、酸化物添加装置2を通じて、金属酸化物3、この場合は酸化鉄が、ペレットまたは塊鉱などの形で加えられる。吐出管5を通じて、還元ユニット内で金属酸化物を金属化材料に還元する際、還元ガスから発生する炉頂ガスが、還元ユニットから吐出される。吐出管5内には、ガスをガイドする設備部分における圧力低下を克服するためにコンプレッサ17a、17bが存在している。炉頂ガスと気体状炭化水素との混合物を触媒改質するための改質器4内には、混合物供給管6を通じて、炉頂ガスと気体状炭化水素、この場合は天然ガスとの混合物が供給される。このとき、天然ガスは天然ガス供給管7を通じて供給される。改質器4には、燃焼ガスの燃焼によって熱を供給するためのバーナー8a、8b、8cが設けられている。改質器4内に生成された高温還元ガスは、還元ガス供給管9を通じて、還元ユニット1に供給される。改質器内での燃焼ガスの燃焼に際して発生する燃焼排ガスを排出するための排出管10を通じて、燃焼排ガスが改質器から排出される。このとき、燃焼排ガスは改質器4から流出する。排出管10は、燃焼排ガスを冷却するとともに燃焼排ガスから水を除去するための装置11を含んでいる。同一の装置において、冷却と水の除去とが行われる。バーナー8a、8b、8cには、燃焼ガス管12によって表される、燃焼ガスを供給するための装置が設けられている。燃焼ガス管12を通じて、バーナー8a、8b、8cに燃焼ガスとして、
− 炉頂ガスのための吐出管5に含まれている、炉頂ガス脱塵装置13において脱塵され た炉頂ガスと、
− 破線で示されている天然ガス供給管14を通じて燃焼ガス管12に供給される気体状炭化水素である天然ガス、
との混合物が供給される。
− 燃焼排ガスを冷却するとともに当該燃焼排ガスから水を除去するための装置11を 通過した後に得られる燃焼排ガスの部分量と、
− 純粋な酸素、
とから生成されるガス混合物を供給するための装置を介して、当該ガス混合物はバーナー8a、8b、8cに供給される。燃焼ガスは酸素を含有するガス混合物とともに、バーナーによって、熱を排出しながら燃焼される。ガス混合物を供給するためのこの装置は、ガス混合物管15によって表されている。ガス混合物管15は排出管10から分岐している。ガス混合物管15内でガイドされるガスの流れ方向で見て、排出管10からの分岐の下流において、純粋な酸素を供給するための酸素供給管16がガス混合物管15内に出口を有している。
【0035】
排出管10の分岐部に、燃焼排ガス流からCOを生成するための装置18が設けられている。COを生成するための当該装置18の上流において、燃焼排ガスはコンプレッサ19を介して圧縮される。破線で表されたCO吐出管20を介して、分離された高COガスもしくは分離された高CO液は、本発明に係る方法を実施するための装置から排出される。排出の後、当該高COガスは例えば隔離され得る。
燃焼排ガス流からCOを生成するための装置18は、燃焼排ガスの流れ方向において、ガス混合物管15が排出管10から分岐している箇所の下流に設けられている。COの生成は燃焼排ガス流からの分離によって行われる。
【0036】
排出管10の他の分岐部は煙突につながっており、例えばCOを生成するための装置18もしくは当該装置の下流に設けられた設備が停止している間に、煙突を通じて燃焼排ガスが環境中に放出され得る。
排出管10内には、ガス混合物を加熱するための装置、この場合は、ガス混合物管内のガス混合物と排出管10内の燃焼排ガスとの間接的な熱交換のための復熱装置22が存在する。
さらに、排出管10内には、供給管6内の炉頂ガスと天然ガスの混合物を加熱するための装置、この場合は、ガス混合物管内の炉頂ガスと天然ガスの混合物と、排出管10内の燃焼排ガスとの間接的な熱交換のための復熱装置21が存在する。
【0037】
図に示されていない本発明に係る装置の実施の形態によれば、混合室が、純粋な酸素を供給するための酸素供給管がガス混合物管に合流する箇所とバーナーとの間のガス混合物管内に設けられており、この混合室はガス混合物をより良好に混合するために役立つ。
【0038】
図2は図1に類似した装置を示しているが、二酸化炭素(CO)および/または水蒸気(HO)を含むガスとして、炉頂ガスではなく、石炭ガス化法からの合成ガスが用いられる点が異なっている。この図示されていない石炭ガス化法からの合成ガスは、混合物供給管6に合流する合成ガス供給管23を通じて、混合物供給管6に導入される。このとき、混合物供給管6内で生成される合成ガスと天然ガスとの混合物は、改質器4内で改質される。見易さを考えて、図2において図1に対して付加された装置部材ならびに天然ガス供給管7のみに参照符号を付している。
【符号の説明】
【0039】
1 還元ユニット
2 酸化物添加装置
3 金属酸化物
4 改質器
5 吐出管
6 混合物供給管
7 天然ガス供給管
8a、8b、8c バーナー
9 還元ガス供給管
10 排出管
11 冷却/HO除去装置
12 燃焼ガス管
13 炉頂ガス脱塵装置
14 天然ガス供給管
15 ガス混合物管
16 酸素供給管
17a,17b コンプレッサ
18 CO生成装置
19 コンプレッサ
20 CO吐出管
21 復熱装置
22 復熱装置
23 合成ガス供給管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温還元ガスと接触させることによって、金属酸化物を金属化材料に還元するための方法であって、
前記還元ガスは、少なくとも部分的に、二酸化炭素(CO)および/または水蒸気(HO)を含むガスと気体状炭化水素との混合物の触媒改質によって生成され、
前記改質の際に行われる吸熱改質プロセスのための熱は、少なくとも部分的に、燃焼ガスの燃焼によって供給され、このとき発生する燃焼排ガスは排出され、該燃焼排ガスは冷却されるとともに水を除去される方法において、
前記燃焼ガスの燃焼のために必要とされる酸素は、前記燃焼ガスに対して、冷却されるとともに水を除去された前記燃焼排ガスの部分量と純粋な酸素とから生成されるガス混合物によって供給されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記二酸化炭素(CO)および/または水蒸気(HO)を含むガスは、金属酸化物の還元プロセスからの炉頂ガスであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記二酸化炭素(CO)および/または水蒸気(HO)を含むガスは、溶融還元プロセスからの送出ガス、または、石炭ガス化プロセスからの合成ガスであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも前記ガス混合物を生成するために用いられない前記燃焼排ガスの部分量から、COが生成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ガス混合物は、該ガス混合物が前記燃焼ガスに供給される前に加熱されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
金属酸化物(3)を金属化材料に還元するための還元ユニット(1)と、
二酸化炭素(CO)および/または水蒸気(HO)を含むガスと気体状炭化水素との混合物の触媒改質を実施するための改質器(4)であって、前記混合物を供給するための混合物供給管(6)が設けられているとともに、燃焼ガスの燃焼によって熱を供給するためのバーナー(8a、8b、8c)が設けられている前記改質器と、
高温還元ガスを前記改質器(4)から前記還元ユニット(1)に供給するための還元ガス供給管(9)と、
炉頂ガスを前記還元ユニット(1)から吐出すための吐出管(5)と、
燃焼排ガスを前記改質器(4)から排出するための排出管(10)であって、前記燃焼排ガスを冷却するとともに前記燃焼排ガスから水を除去するための少なくとも一つの装置(11)を含む排出管と、
を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法を実施するための装置において、
前記バーナー(8a、8b、8c)には、
燃焼ガスを供給するための装置と、
冷却と水の除去を行うための前記少なくとも一つの装置を通過した後に得られる前記燃焼排ガスの部分量と、純粋な酸素と、から生成されるガス混合物を供給するための装置と、
が設けられていることを特徴とする装置。
【請求項7】
前記燃焼ガスの部分量と純粋な酸素を含む前記ガス混合物を供給するための前記装置は、前記排出管(10)から分岐しているガス混合物管(15)を有しており、該ガス混合物管内に酸素供給管(16)が出口を有していることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記排出管(10)内に、燃焼排ガス流からCOを生成するための装置(18)が設けられていることを特徴とする請求項6または7に記載の装置。
【請求項9】
前記燃焼排ガスの部分量と、純粋な酸素と、から生成されるガス混合物を供給するための前記装置に、前記ガス混合物を加熱するための装置が設けられていることを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記ガス混合物を加熱するための前記装置は、燃焼排ガスから前記ガス混合物に熱を伝えるための復熱装置(22)であることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記還元ユニット(1)は流動床カスケードであることを特徴とする請求項6から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記還元ユニット(1)は固定床還元シャフトであることを特徴とする請求項6から10のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−501138(P2013−501138A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522089(P2012−522089)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際出願番号】PCT/EP2010/060174
【国際公開番号】WO2011/012452
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(595031362)シーメンス・ファオアーイー・メタルズ・テクノロジーズ・ゲーエムベーハー (23)
【Fターム(参考)】