説明

窓下ヒータ

【課題】発熱体の過剰発熱が発生せず、安全性に優れた窓下ヒータを提供する。
【解決手段】窓下ヒータ10は、隙間を隔てて互いに平行に配置された複数の帯板状の発熱フィン11a,11bを有する本体部11と、発熱フィン11a,11bを設置面上で横架状態に保持するため前記設置面と当接可能な複数の保持部12a,12bを有する保持部材12L,12C,12Rと、を備えている。発熱フィン11a,11bの両端には、楕円筒状で端部がドーム状をした保護部材13L,13Rが取り付けられている。保持部材12L,12Rはそれぞれ本体部11の両端寄りの位置に保護部材13L,13Rと一体的に設けられ、保持部材12Cは本体部11の中央に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全性を確保しながら建築物の窓ガラスの結露防止および冷気によるドラフトを防止するために使用する窓下ヒータに関する。
【背景技術】
【0002】
外気温度が低下する冬の時期等においては、冷たい外気と暖かい室内との気温差により、建築物の窓ガラスの内面に結露が発生することが多い。結露を放置しておくと、窓ガラス内面に沿って流れ落ちた水分が窓枠部分に浸透して腐食やカビ発生の原因となることがある。このような結露の弊害を防止するためには、窓ガラスに発生した結露を頻繁に払拭したり、部屋の通気性を高めて結露発生そのものを防止したりする等の対策が講じられてきた。
【0003】
しかしながら、窓ガラスを頻繁に払拭するには多大な手間を要し、夜間の睡眠中に度々起床して払拭作業を行うのは現実的には不可能である。一方、外気に面する窓を少し開けたり、小窓を開けたりして、部屋の通気性を高めれば、結露発生を防止することはできるが、寒い時期には、開けた部分から冷たい隙間風が侵入し、暖房の妨げとなる。また、防犯の観点からも好ましくない。さらに、外気温度が低下する冬の時期等は、外部の冷気が窓ガラス面から室内へ伝わり、窓付近に居る人がドラフトを感じることがある。
【0004】
そこで、室内の窓際に設置しておくことにより、窓ガラスの結露を防止することのできる「結露防止用ヒーター」が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1記載の「結露防止用ヒーター」を窓ガラスの下部に設置すれば、この「結露防止用ヒーター」によって加温された空気が上昇して窓ガラスの温度低下を防止するため、結露の発生を防ぐことができる。
【0005】
【特許文献1】特開2003−106677号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に窓下ヒータは室内の窓際、特に、窓際の床面に設置して使用されるが、窓ガラスの室内側にはカーテン等が吊り下げられていることが多いので、カーテンの裾部分の一部が窓下ヒータの発熱部分に接触したり、被さったりする可能性がある。稼働中の窓下ヒータの発熱部分にカーテンの一部が被さった場合、その部分が局所的に過剰に発熱して、トラブルが発生するおそれがある。
【0007】
一方、特許文献1記載の「結露防止用ヒーター」においては、空気導入口から熱風放出口側の方向を鉛直方向、斜め上方あるいは水平方向に設定することができるが、鉛直方向及び水平方向に設定した場合、結露防止効果が低い。一方、窓ガラスに対して斜め上方に設定した場合の結露防止効果は良好であるが、「結露防止用ヒーター」を作動させるための電源コンセントが適切な位置にないとき、電源コードの長さにより、当該「結露防止用ヒーター」の設置方向が限定されることがある。例えば、この「結露防止ヒーター」を窓ガラスの下部に設置したとき、「結露防止ヒーター」の電源コードが右側端部にあり、電源コンセントが窓ガラスの左側にあり、そのままの状態では電源コードが電源コンセントに届かない場合は、「結露防止ヒーター」の左右を入れ替え、電源コードのある方の端部を、電源コンセントに近い窓ガラスの左側に設置しなければならない。
【0008】
このような状況の下では、空気導入口から熱風放出口側の方向を、窓ガラスに対して斜め上方に設定できず、逆に、窓ガラスに対して斜め下方に設定せざるを得ないので、結露防止効果は著しく低下する。このような場合、「結露防止ヒーター」の電源コードに延長コードを継ぎ足せば、離れた場所にある電源コンセントに接続することは可能であるが、延長コードが足に引っ掛かるおそれがある。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、発熱体の過剰発熱が発生せず、安全性に優れた窓下ヒータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の窓下ヒータは、隙間を隔てて互いに平行に配置された複数の線状、棒状、管状若しくは帯板状の発熱体と、前記発熱体に設けられた電導発熱手段と、前記発熱体を設置面上で横架状態に保持するための保持部材と、前記発熱体付近の温度を検知して前記発熱体の温度を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段を前記電導発熱手段の給電回路に直列状に設けたことを特徴とする。
【0011】
このような構成とすれば、発熱体の各部分の温度を検知して制御手段が発熱体の温度を制御することができるため、カーテン等の他の物品が発熱体の一部に接触したり、被さったりするようなことがあっても、その部分が局所的に過剰発熱することがなくなり、安全性が向上する。
【0012】
ここで、前記発熱体を設置面上で横架状態に保持するため前記設置面と当接可能な複数の保持部を前記保持部材に設けることが望ましい。このような構成とすれば、複数の保持部のいずれかを選択して設置面に当接させて窓下ヒータを設置することにより、設置時における発熱体の姿勢が選択的に変更可能となる。このため、窓ガラスに対して適切な姿勢にセットすることができる。
【0013】
この場合、前記発熱体の表面に凹凸面を設ければ、発熱体の表面積が増加するため、放熱性が向上する。また、手足などが誤って発熱体に触れた場合でも、発熱体表面と面接触しないので、手足が触れる面積が減り、熱さを感じにくく、安全性が向上する。
【0014】
また、複数の前記発熱体のうち、外側に位置する前記発熱体の幅または外径を内側に位置する前記発熱体の幅または外径より小さくすれば、発熱体同士の隙間を空気が流動しやすくなるため、加温された空気が窓面に沿って上昇する効果が促進され、結露防止機能が高まる。また、窓下に設置した当該窓下ヒータを室内側に居る使用者や居住者が見たとき、細長い形状に見えるため、スッキリした印象を与え、外観性が高まる。
【0015】
一方、複数の前記保持部のいずれかを選択して前記設置面に当接させて当該窓下ヒータを設置することにより、設置時における複数の前記発熱体の配列方向の傾斜角度が選択的に変更可能とすることができる。このような構成とすれば、複数の保持部のいずれかを選択して設置面に当接させて窓下ヒータを設置することにより、窓ガラスに対する発熱体の傾斜角度を適切にセットすることができる。また、窓ガラスに対する発熱体の傾斜角度を変えることなく、窓下ヒータの設置方向を変えることができる。
【0016】
従って、窓際から電源コンセントまでの距離により、窓下ヒータの設置方向が限られる場合、複数の保持部の何れかを選択して設置面に当接させることにより、発熱体を適切な傾斜角度(例えば、窓ガラスに対して上り勾配をなす角度)に設定することができる。即ち、電源コンセントの位置に左右されることなく、窓下ヒータを適切な姿勢にセットすることができ、優れた結露防止機能を発揮する。
【0017】
また、前記発熱手段としてPTCヒータを使用することもできる。PTCヒータとは、Positive Temperature Coefficient ヒータの略語であり、正の温度係数をもったヒータである。キュリー点以上の温度になると急激に抵抗が増加することにより、自己温度制御機能をもった定温発熱体である。前記発熱手段にPTCヒータを使用すれば、温度を常に一定に保つように自己制御するため、安定した結露防止機能を得ることができる。また、気温が高いときは消費電力が低減されるので、省エネとなる。さらに、発熱上限温度(例えば、約60℃に設定可能)も自己制御するので、火災のおそれがなく、安全性も高い。
【0018】
さらに、前記発熱体の表面に植毛加工を施せば、発熱体の表面が植毛の繊維で覆われた状態となり、手足等が直接発熱体に触れることがなくなるため、火傷の心配がなくなり、安全性が向上する。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、発熱体の過剰発熱が発生せず、安全性に優れた窓下ヒータを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の実施の形態である窓下ヒータを示す斜視図、図2は図1に示す窓下ヒータの正面図、図3は図1に示す窓下ヒータの平面図、図4は図1に示す窓下ヒータの側面図、図5は図2におけるA−A線断面図、図6は図5の一部拡大図、図7は図6の一部拡大図、図8は図1に示す窓下ヒータの概略回路図、図9は図1に示す窓下ヒータの使用状態を示す斜視図である。
【0021】
図1〜図5に示すように、本実施形態の窓下ヒータ10は、隙間を隔てて互いに平行に設置された複数の帯板状の発熱体である発熱フィン11a,11bを有する本体部11と、発熱フィン11a,11bを設置面H上で横架状態に保持するため前記設置面Hと当接可能な複数の保持部12a,12bを有する保持部材12L,12C,12Rと、を備えている。発熱フィン11a,11bの両端には、楕円筒状で端部がドーム状をした保護部材13L,13Rが取り付けられている。保持部材12L,12Rはそれぞれ本体部11の両端寄りの位置に保護部材13L,13Rと一体的に設けられ、保持部材12Cは本体部11の中央に設けられている。
【0022】
左右の保護部材13L,13Rにはそれぞれパイロットランプ14が設けられ、一方の保護部材13Lから電源コード15が延設され、その先端に差込プラグ15aが設けられている。本実施形態の窓下ヒータ10は、電源コード15及び差込プラグ15aを除き、保持部材12Cを中心に左右対称の形状をなしている。
【0023】
図4に示すように、保持部材12R,12C,12Lにはそれぞれ互いに直角をなす二つの保持部12a,12bが設けられ、三つの保持部材12R,12C,12Lにおける保持部12a,12bが同じ位相をなすように配置されている。従って、図5に示すように、二つの保持部12a,12bのいずれかを選択して設置面Hに当接させて当該窓下ヒータ10を設置することにより、設置時における発熱フィン11a,11bの幅方向Dの傾斜方向を選択的に変更可能である。本実施形態の窓下ヒータ10においては、保持部12a、12bのいずれを設置面Hに当接させて当該窓下ヒータ10を設置したときも、発熱フィン11a,11bの幅方向Dの傾斜角度が窓ガラスWに対し45度をなすように設定されている。
【0024】
例えば、図5に示すように、保持部12aを設置面Hに当接させて窓下ヒータ10を設置すれば、発熱フィン11a,11bの幅方向Dの傾斜角度は窓ガラスWに対して45度の上り勾配をなすようにセットされる。従って、発熱フィン11a,11bの下方から発熱フィン11a,11bの隙間に流入した空気は、発熱フィン11a,11bに沿って移動しながら加温され、その上方から窓ガラスWに沿って上昇するため、窓ガラスWの結露を防止することができる。また、外部の冷気が窓ガラスW面から室内へ伝わるのを防止することができるため、窓ガラスW付近に居る人がドラフトを感じることもなくなる。
【0025】
一方、図5の右側に示す窓ガラスWが同図の左側にある場合、本体部11の仮想軸心11cを中心に本体部11を90度回転させ、保持部材12R,12C,12Lの保持部12bを設置面Hに当接させて窓下ヒータ10を設置すれば、発熱フィン11a,11bの幅方向Dの傾斜角度は窓ガラスWに対して45度の上り勾配をなすようにセットされる。従って、前述と同様、発熱フィン11a,11bによって加温された空気が窓ガラスに沿って上昇し、結露を防止することができる。
【0026】
このように、複数の保持部12a,12bのいずれかを選択して設置面Hに当接させて窓下ヒータ10を設置することにより、設置時における発熱フィン11a,11bの幅方向Dの傾斜方向が選択的に変更可能である。従って、窓ガラスWに対する発熱フィン11a,11bの傾斜方向を適切にセットすることができる。また、窓ガラスWに対する発熱フィン11a,11bの傾斜方向を変えることなく、窓下ヒータ10の電源コード15のある側を左右入れ替えることもできる。
【0027】
このため、使用場所における電源コンセントまでの距離により窓下ヒータ10の設置方向が限られる場合、複数の保持部12a,12bの何れかを選択して設置面Hに当接させることにより、発熱フィン11a,11bを適切な傾斜方向(例えば、窓ガラスWに対して45度上り勾配をなす角度)に設定することができる。即ち、電源コンセントの位置に左右されることなく、窓下ヒータ10を適切な姿勢にセットすることができ、優れた結露防止機能を発揮させることができる。
【0028】
また、図5,図6に示すように、発熱フィン11a,11bの電導発熱手段として、発熱フィン11a,11b内の幅方向Dの中央付近に一対のヒータ線11hが設置されている。ヒータ線11hはヒータガイド17によって発熱フィン11a,11bの内面11p,11qに係止されている。図7に示すように、ヒータガイド17は、平行な2列の突条部17aと、これらの突条部17aの間に設けられた凹溝部17bと、U溝状をした二列のヒータ収納部17cと、を有する断面略コ字状の部材である。ヒータ線11hはそれぞれヒータ収納部17cに収納されているため、ヒータ線11h同士が接触して過剰な発熱が生じることはない。
【0029】
図6に示すように、ヒータ線11hは、発熱フィン11a,11b内において当該発熱フィン11a,11bの対向領域に近い方の内面11p,11qに沿ってそれぞれ配置されている。前記対向領域は空気が流動し易い部分であるため、内面11p,11qに沿ってヒータ線11hを配置したことにより、加温された空気の上昇を促進させることができる。発熱フィン11a,11b及びヒータガイド17はアルミニウムの押出成型材であるが、これに限定するものではない。また、発熱フィン11a,11bの内面11p,11q等にヒータ線11hを保持するための保持部を設けることにより、ヒータガイド17を省略することもできる。
【0030】
また、図6に示すように、発熱フィン11a,11bの外面部分(発熱フィン11a,11b同士の対向面を除く部分)に、それぞれ波形の凹凸面11sが形成されている。このような凹凸面11sがあることにより、発熱フィン11a,11bの表面積が増加するため、放熱性を高めることができる。また、手足などが誤って発熱フィン11a,11bに触れたとき、凹凸面11sの凸部分のみに触れることとなり、面接触しないので、熱さを感じにくく、安全性の向上に有効である。なお、凹凸面11sは、発熱フィン11a,11bの外面部分(発熱フィン11a,11b同士の対向面を除く部分)に形成されているため、発熱フィン11a,11b同士の隙間を通過する空気の流動性も良好であり、加温された空気も窓ガラス面に沿ってスムーズに上昇する。
【0031】
一方、図8に示すように、発熱フィン11a,11b付近の温度を検知して発熱フィン11a,11bの温度を制御する制御手段である複数のサーモスタット16が発熱フィン11a,11b内のヒータ線11hの給電回路に直列状に設けられている。なお、作図の都合により、図8中のサーモスタット16は発熱フィン11a,11bから離れた位置に記載しているが、実際には発熱フィン11a,11bの間に配置されている。詳しくは、それぞれのサーモスタット16が発熱フィン11a,11bの各部分の温度を正確に検知できるように、複数のサーモスタット16は、発熱フィン11a,11bの間に、間隔をおいて配置されている。また、ヒータ線11hの発熱により発熱フィン11a,11b付近が一定温度(例えば、約60℃)を維持するようにサーモスタット16によって制御されている。
【0032】
複数のサーモスタット16はそれぞれ発熱フィン11a,11b付近の温度を検知し、常に一定温度(例えば、約60℃)を維持するように、ヒータ線11hの温度をフィードバック制御する。また、窓下ヒータ10の近くに吊り下げられているカーテンの一部等が発熱フィン11a,11bの一部に接触したり、被さったりすることがあっても、同様にその場所に近いサーモスタット16が温度検知して局所的に過剰発熱が発生することを未然に防止するので、安全性に優れている。なお、図8に示す回路中にヒューズ(図示せず)を設けることもできる。この場合、ヒューズは単独で回路に組み込んでもよいが、サーモスタットとヒューズとが一体化されたもの(図示せず)を使用することもできる。
【0033】
また、図6に示すように、複数の発熱フィン11a,11bのうち、外側に位置する発熱フィン11aの幅D1を、内側に位置する発熱フィン11bの幅D2より小さくしている。このような構成とすれば、発熱フィン11a,11b同士の隙間を空気が流動しやすくなるため、加温された空気が窓ガラス面に沿って上昇する効果が促進され、結露防止機能を高めることができる。
【0034】
また、外側に位置する発熱フィン11aの幅D1を、内側に位置する発熱フィン11bの幅D2より小さくすることにより、図4,図5に示すように、保護部材13L,13Rの側面形状を楕円形にすることができる。従って、図9に示すように、窓ガラスW下の設置面Hに窓下ヒータ10を設置したとき、当該窓下ヒータ10を室内側に居る使用者や居住者から見ると、視線が楕円の長辺側と一致して窓下ヒータ10全体が細長くスリムな形状に見えるため、スッキリした印象を与え、外観性も良好である。
【0035】
窓下ヒータ10においては、発熱フィン11a,11bの熱源であるヒータ線11hとして炭素ヒータを使用しているが、これに限定するものではないので、PTCヒータ(図示せず)を使用することもできる。PTCヒータは、発熱上限温度(例えば、約60℃)を常に一定に保つように、消費電力を自己制御するため、安定した結露防止機能を得ることができる。また、気温が高いときは、発熱上限温度を維持するべく発熱量を抑制するように制御するので、消費電力が低減されて、省エネとなる。
【0036】
また、窓下ヒータ10においては、保持部材12L,12C,12Rは、発熱フィン11a,11bを有する本体部11に固定された構造であるが、保持部材12L,12C,12Rが、本体部11に対し、仮想軸心11c(図5参照)を中心に回転可能な構造とすることもできる。このような構成とすれば、窓下ヒータ10設置時における発熱フィン11a,11bの幅方向Dの傾斜角度を選択的に変更することができる。この場合、保持部材12L,12C,12Rの回転角度は、発熱フィン11a,11bの幅方向Dの傾斜角度が水平、垂直とならない範囲とすることが望ましく、これによって設置状況に応じた結露防止効果を確保することができる。
【0037】
例えば、窓下ヒータ10の設置位置が窓ガラスW面から比較的離れている場合、発熱フィン11a,11bの幅方向Dの傾斜角度が45度より小さい角度になるように保持部材12L,12C,12Rを調整すれば、暖かい気流が窓ガラスW面に到達する位置が通常時と変わらず、結露防止効果が損なわれない。一方、窓下ヒータ10の設置位置が窓ガラスW面に比較的近い場合、前記傾斜角度を45度より大きい角度になるように保持部材12L,12C,12Rを調整すれば、前述と同様、結露防止効果が損なわれない。
【0038】
なお、前述の回転構造を採用する場合、保持部材12L,12C,12Rは本体部11に対し連続的に回転可能とし、発熱フィン11a,11bの幅方向Dの傾斜角度を任意に設定可能な構造としてもよいが、前記傾斜角度が15度〜75度の範囲内において15度単位で設定可能となるようにすることもできる。
【0039】
また、窓下ヒータ10においては、保持部材12L,12C,12Rに二つの保持部12a,12bが設けられているが、これに限定するものではないので、三つ以上の保持部を設けることもできる。例えば、保持部材を四角形、八角形等の多角形状とすれば、その外周のいずれかの辺部分を選択的に設置面に当接させて窓下ヒータを設置することにより、窓下ヒータ設置時における発熱フィンの幅方向の傾斜角度を選択的に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の窓下ヒータは、一般住宅あるいはその他の建築物に設けられた窓ガラスの結露防止手段として、広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施の形態である窓下ヒータを示す斜視図である。
【図2】図1に示す窓下ヒータの正面図である。
【図3】図1に示す窓下ヒータの平面図である。
【図4】図1に示す窓下ヒータの側面図である。
【図5】図2におけるA−A線断面図である。
【図6】図5の一部拡大図である。
【図7】図7は図6の一部拡大図である。
【図8】図1に示す窓下ヒータの概略回路図である。
【図9】図1に示す窓下ヒータの使用状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
10 窓下ヒータ
11 本体部
11a,11b 発熱フィン
11c 仮想軸心
11h ヒータ線
11p,11q 内面
11s 凹凸面
12a,12b 保持部
12L,12C,12R 保持部材
13L,13R 保護部材
14 パイロットランプ
15 電源コード
15a 差込プラグ
16 サーモスタット
17 ヒータガイド
17a 突条部
17b 凹溝部
17c ヒータ収納部
D 幅方向
D1,D2 幅
H 設置面
W 窓ガラス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隙間を隔てて互いに平行に配置された複数の線状、棒状、管状若しくは帯板状の発熱体と、前記発熱体に設けられた電導発熱手段と、前記発熱体を設置面上で横架状態に保持するための保持部材と、前記発熱体付近の温度を検知して前記発熱体の温度を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段を前記電導発熱手段の給電回路に直列状に設けたことを特徴とする窓下ヒータ。
【請求項2】
前記発熱体を設置面上で横架状態に保持するため前記設置面と当接可能な複数の保持部を前記保持部材に設けたことを特徴とする請求項1記載の窓下ヒータ。
【請求項3】
前記発熱体の表面に凹凸面を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の窓下ヒータ。
【請求項4】
複数の前記発熱体のうち、外側に位置する前記発熱体の幅または外径を内側に位置する前記発熱体の幅または外径より小さくしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の窓下ヒータ。
【請求項5】
複数の前記保持部のいずれかを選択して前記設置面に当接させて当該窓下ヒータを設置することにより、設置時における複数の前記発熱体の配列方向の傾斜角度が選択的に変更可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の窓下ヒータ。
【請求項6】
前記電導発熱手段がPTCヒータであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の窓下ヒータ。
【請求項7】
前記発熱体の表面に植毛加工を施したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の窓下ヒータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−8286(P2009−8286A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−168051(P2007−168051)
【出願日】平成19年6月26日(2007.6.26)
【出願人】(390022666)協立エアテック株式会社 (41)
【Fターム(参考)】