説明

立体映像撮像用シャッタおよび立体映像撮像装置

【課題】映像における光量の偏りを最小限に抑え、光量を確保しつつ、クロストークの発生を排除することが可能となる。
【解決手段】2つの光路を通過した光束を交互に入射する立体映像撮像用シャッタ200の2つの回転体202は、同心円の円筒形状で形成され、第2光束屈折部154に向かう2つの光束を通過させるための開口部210を円筒形状の側面に相当する部分にそれぞれ有する。回転制御部250は、2つの回転体202を同一の回転角速度で逆方向に回転させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体映像を生成するための立体映像撮像用シャッタおよび立体映像撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子シャッタ式眼鏡や偏光眼鏡等を用い、水平視差のある2つの映像のうち一方の映像を左眼に、他方の映像を右眼に視認させることで、ユーザ(観察者)に対して、あたかもオブジェクトが立体的に存在するように知覚させる立体映像の技術が、映画やテレビジョン放送等様々な映像技術に採用されている。
【0003】
このような立体映像を知覚させるための技術として、左右2系統の光路中にそれぞれ個別に液晶シャッタを配置することで、一の撮像素子を通して水平視差のある左右2つの映像を交互に撮像する立体映像撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1)。このような立体映像撮像装置は、2つの液晶シャッタを開状態と閉状態とに時分割で交互に切り換えることで、一の撮像素子を通して水平視差のある左右2つの映像を撮像することができる。
【0004】
しかし、液晶シャッタは、開状態であってもその透過率は30%程度と低く、映像に必要な光量を十分に確保することが困難であり、撮影画像が暗くなったり、F値が低下したりする等の問題を有していた。
【0005】
また、液晶シャッタは、閉状態であっても完全に遮光することができず、また開状態と閉状態との切り換えに時間を要する(応答速度が遅い)といった問題がある。このため、液晶シャッタを利用して立体映像を生成した場合、一方の光路を通じて取得した映像に他方の光路を通じて取得した映像が混入する、所謂クロストークが生じることがあった。
【0006】
そこで、液晶シャッタに代えて、扇形の反射部材や半円形状の機械式シャッタを設けることで、液晶シャッタに比べ、十分な光量を確保しつつ、クロストークの発生を抑制できる技術が提案されている(例えば、特許文献2、3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−19663号公報
【特許文献2】特開2003−5312号公報
【特許文献3】特開2002−34056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した特許文献2または3に記載された技術では、開状態から閉状態に移行するために機械式シャッタが光束を遮る場合、扇形や半円の半径に該当する端部で徐々に光束を遮っていくこととなる。光束はある程度の面積を有するため、特許文献2または3に記載された技術で光束を任意の方向から順次遮光していくと、遮光面の上下や左右で光量に偏りが生じてしまい、その光束を通じて得られた映像においても光量に偏りが生じてしまう。同様に閉状態から開状態に移行する場合も映像における光量の偏りが生じてしまう。
【0009】
そこで本発明は、映像における光量の偏りを最小限に抑え、光量を確保しつつ、クロストークの発生を排除することが可能な、立体映像撮像用シャッタおよび立体映像撮像装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の立体映像撮像用シャッタ(200)は、2つの光路を通過した光束を交互に入射する立体映像撮像用シャッタ(200)であって、同心円の円筒形状で形成され、光束屈折部(154)に向かう2つの光束を通過させるための開口部(210)を前記円筒形状の側面に相当する部分にそれぞれ有した2つの回転体(202)と、前記2つの回転体(202)を同一の回転角速度で逆方向に回転させる回転制御部(250)とを備えることを特徴とする。
【0011】
前記回転体(202)の円周方向における前記開口部(210)の端部形状は、円周方向と垂直な方向の開口長さが漸減するように形成されてもよい。
【0012】
前記2つの回転体(202)は、円筒端部の少なくとも一方が開口している有底円筒形状であってもよい。
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の他の立体映像撮像用シャッタ(400)は、2つの光路を通過した光束を交互に入射する立体映像撮像用シャッタであって、略平行に配された2枚の円板形状で形成され、光束屈折部(154)に向かう2つの光束を通過させるための開口部(410)をそれぞれ有した2組の回転体(402)と、前記光束が通過する部分における前記2つの開口部(410)の移動方向が互いに逆方向となるように、1組の前記回転体(402)を同一の回転角速度で回転させる回転制御部(350)とを備えることを特徴とする。
【0014】
前記回転体(402)の円周方向における前記開口部(410)の端部形状は、半径方向の開口長さが漸減するように形成されてもよい。
【0015】
前記回転体(202、402)の円周方向における前記開口部(210、410)の端部形状は、略二等辺三角形に形成されてもよい。
【0016】
前記開口部(210、410)の前記円周方向の長さは、前記回転体(202、402)の円周の1/2以下であってもよい。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の立体映像撮像装置(100)は、2つの光路それぞれに配され、前記2つの光路を通過した光束を屈折させる2つの第1光束屈折部(150)と、前記2つの第1光束屈折部(150)それぞれから入射された光束を屈折する第2光束屈折部(154)と、前記第2光束屈折部(154)を通過した光束を受光する撮像素子(158)と、同心円の円筒形状で形成され、前記第1光束屈折部(150)から前記第2光束屈折部(154)に向かう2つの光束を通過させるための開口部(210)を前記円筒形状の側面に相当する部分にそれぞれ有した2つの回転体(202)と、前記2つの回転体(202)を同一の回転角速度で逆方向に回転させる回転制御部(250)とを備えることを特徴とする。
【0018】
上記課題を解決するために、本発明の他の立体映像撮像装置(300)は、2つの光路それぞれに配され、前記2つの光路を通過した光束を屈折させる2つの第1光束屈折部(150)と、前記2つの第1光束屈折部(150)それぞれから入射された光束を屈折する第2光束屈折部(154)と、前記第2光束屈折部(154)を通過した光束を受光する撮像素子(158)と、略平行に配された2枚の円板形状で形成され、前記第1光束屈折部(150)から前記第2光束屈折部(154)に向かう2つの光束を通過させるための開口部(410)をそれぞれ有した2組の回転体(402)と、前記光束が通過する部分における前記2つの開口部(410)の移動方向が互いに逆方向となるように、1組の前記回転体(402)を同一の回転角速度で回転させる回転制御部(350)とを備えることを特徴とする。
【0019】
前記撮像素子(158)が光電変換を行う時間分、遮光状態になるように前記開口部(210、410)が形成されてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、映像における光量の偏りを最小限に抑え、光量を確保しつつ、クロストークの発生を排除することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1の実施形態にかかる立体映像撮像装置の概略的な機能を示した機能ブロック図である。
【図2】比較例を説明するための説明図である。
【図3】シャッタの備える回転体、および反射部の備える回転体の具体的な構成を説明するための説明図である。
【図4】比較例のシャッタの軌跡を説明するための説明図である。
【図5】第1の実施形態にかかる立体映像撮像用シャッタの具体的な構成を説明するための説明図である。
【図6】回転体が有する開口部を説明するための説明図である。
【図7】立体映像撮像用シャッタの開状態と閉状態とを説明するための説明図である。
【図8】2つの回転体の閉状態から開状態への移行期間、または開状態から閉状態への移行期間を説明するための説明図である。
【図9】撮像素子に集光する光束を説明するための説明図である。
【図10】撮像素子に集光する光束を説明するための説明図である。
【図11】撮像素子に集光する光束を説明するための説明図である。
【図12】撮像素子に集光する光束を説明するための説明図である。
【図13】立体映像撮像用シャッタの開閉動作と、撮像素子面の光量の変化を説明するための説明図である。
【図14】グローバルシャッタ方式の撮像素子の処理を説明するための説明図である。
【図15】ローリングシャッタ方式の撮像素子の処理を説明するための説明図である。
【図16】ローリングシャッタ方式の撮像素子の処理を説明するための説明図である。
【図17】第2の実施形態にかかる立体映像撮像装置の概略的な機能を示した機能ブロック図である。
【図18】第2の実施形態にかかる1組の回転体を説明するための説明図である。
【図19】第2の実施形態にかかる立体映像撮像用シャッタの他の例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0023】
(第1の実施形態)
従来、左右2系統の光路中にそれぞれ個別に液晶シャッタを配置することで、一の撮像素子を通して水平視差のある左右2つの映像を交互に撮像する立体映像撮像装置が提案されている。一方で、液晶シャッタは、開状態であってもその透過率が低く、閉状態であっても完全に遮光することができず、光量不足や、クロストークの発生といった問題があった。
【0024】
そこで、本実施形態では、液晶シャッタに代えて、機械式シャッタとしての立体映像撮像用シャッタを採用することで、映像における光量の偏りを最小限に抑え、光量を確保しつつ、クロストークの発生を排除することが可能な立体映像撮像装置を提供することを目的とする。
【0025】
(立体映像撮像装置100)
図1は、第1の実施形態にかかる立体映像撮像装置100の概略的な機能を示した機能ブロック図である。図1において、撮像部104は、上面から見た図を示し、光束を破線で、データの流れを実線で、制御信号の流れを一点鎖線でそれぞれ示す。図1に示すように、立体映像撮像装置100は、操作部102と、撮像部104と、保持部106と、表示部108と、中央制御部110とを含んで構成される。
【0026】
立体映像撮像装置100において、後述する撮像部104の入口には、二つの孔が設けられており、立体映像撮像装置100を上面視撮像素子158側から第1光束屈折部150側を見た場合の右側の孔を通過した光束RLFによって右の光路が形成され、左側の孔を通過した光束LLFによって左の光路が形成される。
【0027】
操作部102は、レリーズスイッチを含む操作キー、十字キー、ジョイスティック、後述する表示部108の表示面に重畳されたタッチパネル等を含んで構成され、ユーザの操作入力を受け付ける。
【0028】
撮像部104は、後述する撮像制御部の制御指令に応じて、映像データを生成し、その映像データを後述する保持部106に出力する。撮像部104の具体的な構成については、後に詳述する。
【0029】
保持部106は、RAM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、不揮発性RAM、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶媒体で構成され、中央制御部110の制御指令に応じて、撮像部104が生成した映像データを保持する。
【0030】
表示部108は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成され、中央制御部110の制御指令に応じて、保持部106に保持された映像データに基づく映像や、撮像中の映像等を表示する。
【0031】
中央制御部110は、中央処理装置(CPU)、中央制御部110を動作するためのプログラム等を格納したROM、一時的なデータ保存およびワークエリアとして利用されるRAM等を含む半導体集積回路で構成され、保持部106や他の電子回路と協働して立体映像撮像装置100全体を管理および制御する。また、中央制御部110は、回転制御部250、撮像制御部252としても機能する。
【0032】
回転制御部250は、後述する立体映像撮像用シャッタ200における回転体202を回転制御する。撮像制御部252は、撮像部104を制御する。回転制御部250および撮像制御部252の具体的な構成については、後に詳述する。
【0033】
ここで、上述した撮像部104の構成を具体的に説明すると、図1に示すように撮像部104は、第1光束屈折部150(図1中、右第1光束屈折部150a、左第1光束屈折部150bで示す)と、集光レンズ152(図1中、右集光レンズ152a、左集光レンズ152bで示す)と、第2光束屈折部154と、後方レンズ系156と、撮像素子158と、駆動回路160と、立体映像撮像用シャッタ200とを含んで構成される。
【0034】
第1光束屈折部150は、ミラー、プリズム等で構成され、右第1光束屈折部150aは右の光路に、左第1光束屈折部150bは左の光路にそれぞれ配される。右第1光束屈折部150aは、右の光路を通過した光束RLF(以下、単に右光束RLFと称する)を第2光束屈折部154の方向に屈折させ、左第1光束屈折部150bは、左の光路を通過した光束LLF(以下、単に左光束LLFと称する)を第2光束屈折部154の方向に屈折させる。なお、本実施形態の立体映像撮像装置100における、右の撮像系(視野)と左の撮像系(視野)とは、人間の右の眼と左の眼との幅に略等しい間隔で略平行の関係となるようにしているが、装置の設計条件によって、右の撮像系と左の撮像系との間隔は、人間の右の眼と左の眼との幅よりも広くても狭くてもよい。
【0035】
集光レンズ152は、負の屈折力を有する、例えば凹レンズで構成され、右集光レンズ152aは、右第1光束屈折部150aと第2光束屈折部154との間に、左集光レンズ152bは、左第1光束屈折部150bと第2光束屈折部154との間にそれぞれ配される。右集光レンズ152aは、右光束RLFを集光して第2光束屈折部154の方向に導き、左集光レンズ152bは、左光束LLFを集光して第2光束屈折部154の方向に導く。
【0036】
第2光束屈折部154は、光束を反射する面に反射コートが施された三角柱プリズム等で構成され、右集光レンズ152aで集光された右光束RLF(右第1光束屈折部150aから入射された光束)の中心(光軸)と、左集光レンズ152bで集光された左光束LLF(左第1光束屈折部150bから入射された光束)の中心(光軸)とが一致するように、後方レンズ系156の方向に屈折させる。
【0037】
後方レンズ系156は、焦点調整に用いられるフォーカスレンズ、露光調整に用いられる絞り(アイリス)、撮像対象の拡大および縮小に用いられるズームレンズ等を含んで構成され、第2光束屈折部154から入射された光束を撮像素子158に結像させる。
【0038】
撮像素子158は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等で構成され、後方レンズ系156から入射された光束を受光し、光電変換(A/D変換)して映像データを生成する。本実施形態において撮像素子158は、後述する立体映像撮像用シャッタ200を通過した右光束RLFと左光束LLFとを時分割で交互に、映像信号に光電変換する。したがって、映像データは、水平視差のある右左2つの映像データが交互に配されたものとなる。
【0039】
駆動回路160は、撮像制御部の制御指令に応じて、後方レンズ系156を構成する各レンズを駆動させる。
【0040】
立体映像撮像用シャッタ200は、集光レンズ152と第2光束屈折部154との間に配され、後述する回転制御部の制御指令に応じて、右集光レンズ152aから第2光束屈折部154への右光束RLFの通過と、左集光レンズ152bから第2光束屈折部154への左光束LLFの通過とを時分割で交互に切り換える。以下、立体映像撮像用シャッタ200が第2光束屈折部154へ光束を通過させる状態を開状態とし、第2光束屈折部154への光束の通過を遮断する状態を閉状態とする。
【0041】
理解の容易のため、まず立体映像撮像用シャッタ200と比較するための二つの比較例を以下に記載する。そして、それら比較例の問題点について述べた後、本実施形態にかかる立体映像撮像用シャッタ200の具体的な構成について詳述する。
【0042】
図2(a)に比較例となるシャッタ10の動作を、図2(b)に比較例となる反射部30の二つの例をそれぞれ記載する。シャッタ10は一の回転体で光束を遮る構成をとり、反射部30は一の回転体で光束を導光する構成をとる。
【0043】
図3は、シャッタ10の備える回転体12、および反射部30の備える回転体32の具体的な構成を説明するための説明図である。ここで、図3(a)および(b)は、左集光レンズ152bと第2光束屈折部154との間に配された回転体12が左光束LLFを遮光状態にする場合を例に挙げて説明している。
【0044】
図2(a)に示すように、一の回転体12で構成されるシャッタ10で光束を遮る場合、右集光レンズ152aと第2光束屈折部154との間、および、左集光レンズ152bと第2光束屈折部154との間にそれぞれ一つずつ回転体12を配する。回転体12は、それぞれの回転体12に接続されたモータ14の駆動によって回転する。
【0045】
図3(a)に示すような、一の半円形状の回転体12でシャッタ10を構成する場合、回転体12は遮光性を有する板で構成され、回転軸Pを回転中心として回転し(図3中、矢印で示す)、半円形状の半径に該当する端部20で徐々に光束を遮ることで開状態から閉状態へ切り換える。
【0046】
また図3(b)に示すような、回転軸Pを回転中心として回転する円板形状の遮光性を有する板に、円周に沿って切り欠き16が形成された一の回転体12でシャッタ10を構成する場合、切り欠き16の直線状の端部20で光束を徐々に遮る。シャッタ10を回転体12で構成する場合、切り欠き16が左光束LLFを通過している間がシャッタ10の開状態となる。そして、左光束LLFが遮光状態である場合には、右光束RLFが通過状態になるように、右光束RLFが遮光状態である場合には、左光束LLFが通過状態になるように、回転体12の互いの位相を制御する。
【0047】
また、図2(b)に示すように、第2光束屈折部154に代えて、シャッタを利用せず、一の回転体32で構成される反射部30で光束を導光する場合、右集光レンズ152aと後方レンズ系156との間、および、左集光レンズ152bと後方レンズ系156との間に一つずつ回転体32をそれぞれ配する。回転体32は、それぞれの回転体32に接続されたモータ34の駆動によって回転する。
【0048】
図3(c)に示すような、一の扇形の回転体32で反射部30を構成する場合、回転体32は光束を反射するミラー等の反射部材で構成され、回転軸Pを回転中心として回転し(図3中、矢印で示す)、扇形の半径に該当する端部40で徐々に光束を反射する(図3中、反射部分をハッチングで示す)。反射部30は、左光束LLFを反射していない状態である場合には、右光束RLFを反射するように、右光束RLFを反射していない場合には、左光束LLFを反射するように、回転体32の互いの位相を制御する。
【0049】
したがって、シャッタ10または反射部30の開状態から閉状態(光束の通過状態から遮光状態、または光束の反射する状態から反射させない状態)への移行期間において光束は、直線状の端部20、40で徐々に遮られ、閉状態から開状態(光束の遮光状態から通過状態、または、光束を反射させない状態から反射させる状態)への移行期間において、直線状の端部20、40で徐々に光束の通過面積が増加することになる。
【0050】
図4は、比較例のシャッタ10の軌跡を説明するための説明図である。図4中、端部20は、Q1〜Q5の順で光束を遮光するものとし、端部20がQ1の位置にあるときは開状態であり、Q5の位置にあるときは閉状態である。図4(a)に示すように、直線状の端部20が、回転軸Pを回転中心としてQ1からQ2の位置に移動して光束を遮ると、図4(b)に示すように、光束の上部が遮光される(図4中、遮光部分を黒い塗りつぶしで示す)ことになる。このとき、撮像素子158に到達する光束は、上部が欠けた状態となり、上下および左右で光量に偏りが生じてしまう。
【0051】
また、直線状の端部20が、Q2からQ3の位置に移動して光束を遮ると、図4(c)に示すように、光束の上半分が遮光されることになる。このとき、撮像素子158に到達する光束は、上半分が欠けた状態となり、左右で光量の偏りは生じないものの、上半分は、光量がほとんど得られないことになってしまう。
【0052】
さらに直線状の端部20が、Q3からQ4の位置に移動して光束を遮ると、図4(d)に示すように、光束の下部のみが通過することになる。このとき、撮像素子158に到達する光束は、下部のみの状態となり、上下および左右で光量に偏りが生じてしまう。このような、光量に偏りが生じる現象は、シャッタ10の閉状態から開状態への移行期間でも発生する。
【0053】
このように、光束を任意の方向から直線状の端部20で順次遮光していくと、遮光面の上下や左右で光量に偏りが生じてしまい、撮像素子158を構成する各画素が、同時に露光が開始できず、生成される映像データに露光ムラが発生する。また、撮像素子158に均一な像が結像できなくなってしまうという問題もある。したがって、シャッタ10が完全に開状態になっている間しか映像データを生成することができず、映像の全体的な光量が低下する原因となっていた。
【0054】
また、図2(a)に示すシャッタ10や、図2(b)に示す、反射部30では、回転体12、32を右の光路および左の光路それぞれに配置することになるため、シャッタ10や反射部30が占有する空間が大きくなってしまう。また、図2(b)に示す、回転体32は、第2光束屈折部154を備える立体映像撮像装置100と比較して、反射面の面積を大きくしなければならず表面精度の確保も必要となってしまう。
【0055】
そこで、本実施形態の立体映像撮像用シャッタ200は、2つの回転体を重ねて、各光路に配することで、光量の偏りを最小限に抑えることが可能となる。
【0056】
図5は、第1の実施形態にかかる立体映像撮像用シャッタ200の具体的な構成を説明するための説明図であり、立体映像撮像用シャッタ200の鉛直(垂直)断面図を示す。図5に示すように、立体映像撮像用シャッタ200は、2つの回転体202(図5中、外回転体202a、内回転体202bで示す)と、第1モータ204aと、第2モータ204bとを含んで構成される。
【0057】
2つの回転体202は、同心円の円筒形状で形成され、外回転体202aの内側に内回転体202bが配される。詳細は後述するが、2つの回転体202は、第1光束屈折部150から第2光束屈折部154に向かう2つの光束(右光束RLF、左光束LLF)を通過させるための開口部を円筒形状の側面に相当する部分にそれぞれ有している。
【0058】
図5に示すように、第1モータ204aおよび第2モータ204bは、立体映像撮像装置100本体に固定された支持部220にそれぞれ固定されている。また、第1モータ204aの回転軸部に外回転体202aが、第2モータ204bの回転軸部に内回転体202bがそれぞれ固定されている。ここでは、第1モータ204aの回転軸Pと第2モータ204bの回転軸Pとが一致するように配し、さらに回転軸Pが、第2光束屈折部154が撮像素子158方向へ屈折させた光束の中心である光束中心Qと一致するように、立体映像撮像用シャッタ200を配している。
【0059】
また、図5に示すように、2つの回転体202は、円筒端部の少なくとも一方が開口している有底円筒形状である。これにより、2つの回転体202の内側に第2光束屈折部154を配置することができ、省スペース化を図ることができる。また、回転体202の開口している方の円筒端部から第2光束屈折部154で屈折された光束を撮像素子158に導くことができるため、第2光束屈折部154で集光した光束を屈折させる別途の手段を要さずとも、光束を確実に撮像素子158に到達させることができる。
【0060】
また、図3に示すシャッタ10や、反射部30の回転体12、32は、重心と回転軸が一致しないため、回転時に振動が発生してしまうが、立体映像撮像用シャッタ200は、重心と回転軸とを一致させることができるため、回転時の振動を抑えることが可能となる。
【0061】
第1モータ204aは、回転制御部の制御指令に応じて外回転体202aを回転させ、第2モータ204bは、回転制御部の制御指令に応じて内回転体202bを回転させる。第1モータ204aおよび第2モータ204bは、2つの回転体202を同一の回転角速度で逆方向に回転させる。
【0062】
なお、歯車等を利用して、外回転体202aを回転させるためのモータと、内回転体202bを回転させるためのモータとを同一のもので構成してもよいが、歯車等によって発生する動作音を削減するために、図5に示す、それぞれ別体のモータで、2つの回転体202を回転させる構成が好ましい。また、2つの回転体202を回転させる機構から生じる振動が、第1光束屈折部150、集光レンズ152、第2光束屈折部154、後方レンズ系156等の他の部材に伝達しないように構成することは言うまでもない。
【0063】
図6は、回転体202が有する開口部210を説明するための説明図であり、図6(a)は、外回転体202aの斜視図を示し、図6(b)は、外回転体202aおよび内回転体202bの展開図を示す。なお、図6(b)では、説明の便宜のため、回転体202を単なる面で示す。また、図6(a)において、外回転体202aを例に挙げて説明するが、径が異なるものの内回転体202bも同一の形状である。
【0064】
図6(a)に示すように、外回転体202aは、遮光性を有する樹脂や金属等で構成された本体206と、開口部210(図6中、210a、210bで示す)とを含んで構成され、回転軸Pを中心に回転する。図6(a)、(b)に示すように、開口部210は、略矩形状であり、その長手方向が外回転体202aの周囲方向に配されている。
【0065】
したがって、本実施形態にかかる立体映像撮像用シャッタ200は、外回転体202aおよび内回転体202bが逆方向に回転するため、光束に、開口部210aおよび開口部210bが重畳したときが開状態となり、開口部210同士が重畳していないときは、閉状態となる。
【0066】
外回転体202aおよび内回転体202bは、開口部210同士が重畳(交差)を開始する点が光束の中心となるように配され、右光束RLFと左光束LLFとで開状態と閉状態との位相が逆になる。
【0067】
図6(b)に示す、開口部210の短手方向の長さRについて、および、長手方向の長さM(図6中、Ma、Mbで示す:Mは図6(a)の状態における角度(例えば、175度等、180度未満であればよい)で表すこともできる)と、本体206の長手方向の長さL(図6中、La、Lbで示す:Lは図6(a)の状態での全周を示す)との関係については、後に説明する。
【0068】
図7は、立体映像撮像用シャッタ200の開状態と閉状態とを説明するための説明図であり、撮像素子158側から立体映像撮像用シャッタ200および第2光束屈折部154を見た図である。また、図7において、外回転体202aは時計回りに、内回転体202bは反時計回りにそれぞれ回転するものとし、本体206を実線で、開口部210を破線で示す。
【0069】
図7(a)に示す状態では、右光束RLFおよび左光束LLFは、外回転体202aの本体206に遮られて第2光束屈折部154に到達しない。すなわち、右光束RLFにとっても、左光束LLFにとっても、立体映像撮像用シャッタ200は、閉状態となる。
【0070】
一方、図7(a)の状態から外回転体202aおよび内回転体202bが回転し、図7(b)に示す状態になると、右光束RLFは、外回転体202aの本体206に遮られて第2光束屈折部154に到達しないが、左光束LLF側では、外回転体202aの開口部210aと内回転体202bの開口部210bとが重畳するため、左光束LLFは、外回転体202aおよび内回転体202bの開口部210を通過し、第2光束屈折部154に到達する。すなわち、立体映像撮像用シャッタ200は、左光束LLFにとって、開状態となり、右光束RLFにとって閉状態となる。
【0071】
さらに、図7(b)の状態から外回転体202aおよび内回転体202bが回転し、図7(c)に示す状態になると、左光束LLFは、外回転体202aの本体206に遮られて第2光束屈折部154に到達しないが、右光束RLF側では、外回転体202aの開口部210aと内回転体202bの開口部210bとが重畳するため、右光束RLFは、外回転体202aおよび内回転体202bの開口部210を通過し、第2光束屈折部154に到達する。すなわち、立体映像撮像用シャッタ200は、右光束RLFにとって、開状態となり、左光束LLFにとって閉状態となる。
【0072】
なお、外回転体202aの開口部210aと内回転体202bの開口部210bとは、所定の時点で対向する位置となるように設置される。こうすることで、右光束RLFと左光束LLFとを時分割で交互に、かつ同時間、第2光束屈折部154に到達させることができる。
【0073】
図8は、2つの回転体202の閉状態から開状態への移行期間における開口部210の変化態様、または開状態から閉状態への移行期間における開口部210の変化態様を説明するための説明図である。図8では、開口部210同士の重畳部分を通過した光束をハッチングで示す。なお、閉状態から開状態への移行期間は、図8(a)から図8(d)の順で進行し、開状態から閉状態への移行期間は、図8(d)から図8(a)の順で進行する。ここでは、立体映像撮像用シャッタ200の閉状態から開状態への移行期間を例に挙げて説明する。
【0074】
図8(a)に示す状態において、外回転体202aの開口部210aと、内回転体202bの開口部210bとがそれぞれ光束を跨いでいるものの、開口部210同士が重畳していないため光束は第2光束屈折部154に到達しない。
【0075】
図8(a)に示す状態から徐々に、開口部210同士が重畳し始め、図8(b)に示す状態になると、開口部210aと開口部210bとが重畳し始め、重畳部分で光束が通過する。
【0076】
本実施形態にかかる開口部210の回転体202の円周方向の端部形状は、円周方向と垂直な方向の開口長さが漸減するように形成されている。ここでは、開口部210の円周方向の端部形状は、略二等辺三角形に形成されている。また、図8(a)に示すように開口部210aの端部212aと開口部210bの端部212bとが光束の光束中心Qを通るように、外回転体202aを第1モータ204aに、内回転体202bを第2モータ204bに固定する。
【0077】
これにより、図8(b)〜(d)に示すように、2つの回転体202が回転することで、2つの開口部210同士の重畳部分が、光束の光束中心から外側に向かって拡大されるように形成されることになる。したがって、立体映像撮像用シャッタ200を通過し、撮像素子158に到達する光束は、上下方向にも左右方向にもほとんど偏りが生じず、光量が略均一な映像データを得ることができる。
【0078】
また、開状態から閉状態への移行期間も、閉状態から開状態への移行期間と同様に、2つの回転体202が回転することにより、2つの開口部210同士の重畳部分が、外側から光束中心に向かって縮小されるように形成されることになる。
【0079】
上述したように、2つの回転体202の本体206は、遮光性を有する樹脂等で形成されているため、閉状態では、一方の光束を完全に遮光することができるため、クロストークの発生を確実に排除することができる。また、開状態では、光束を遮るものは存在しないため、映像の全体的な光量の低下を防止することが可能となる。
【0080】
本実施形態では、開口部210の円周方向の端部形状は、略二等辺三角形に形成されている例について説明したが、これに限定されず、長手方向と短手方向とが直交する直線状に形成されてもよい。この場合であっても、2つの回転体202が回転することにより、2つの開口部210同士の重畳部分が、光束中心から外側に向かって拡大されるように形成されることになるため、立体映像撮像用シャッタ200を通過し、撮像素子158に到達する光束における上下方向又は左右方向の偏りを大幅に低減することができる。
【0081】
また、図5、図6に示した立体映像撮像用シャッタ200の2つの回転体202は、その外周面と右光束RLFとの成す角が垂直ではなく、また、外周面と左光束LLFとの成す角が垂直ではない。したがって、回転体202の外周面と光束とが垂直でない場合、回転体202の本体206の厚みと、外回転体202aおよび内回転体202bのクリアランス(間隔)とを考慮し、上述した図8(c)に示す状態で、光束が遮られないように開口部210の形状を決定するとよい。
【0082】
また、回転体202の外周面と光束とが垂直でない場合、以下に説明する問題が生じる場合がある。
【0083】
図9〜12は、撮像素子158に集光する光束を説明するための説明図であり、立体映像撮像装置100を上面から見た図である。なお、図9中、右光束RLFの中心(光軸)をRLFC、最も外側をRLFO、左光束LLFの中心(光軸)をLLFC、最も外側をLLFOで示し、撮像素子158の中心をPで示す。また図10〜図12は、理解を容易にするため、左第1光束屈折部150bに入射される左光束LLFを示すが、右第1光束屈折部150aに入射される右光束RLFにおいても同様の現象が生じる。
【0084】
図9に示すように、RLFC、RLFO、LLFC、LLFOは、右第1光束屈折部150a、左第1光束屈折部150bでそれぞれ屈折され、第2光束屈折部154で屈折されて、後方レンズ系156で集光されて撮像素子158の中心に入射する。実際には、第1光束屈折部150で反射される光束は、様々な角度から第1光束屈折部150に入射されるため、すべての光束が撮像素子158の中心に入射するわけではない。
【0085】
図10に示すように、左光束LLF2は、図9の左光束LLFと同様に、左第1光束屈折部150b、第2光束屈折部154、後方レンズ系156を通じて撮像素子158の中心に入射する。一方、左光束LLF1は、撮像素子158の左端(図10中、下端)に集光し、左光束LLF3は、撮像素子158の右端(図10中、上端)に集光する。
【0086】
したがって、図11に示すように、2つの回転体202の外周面と光束とが成す角が垂直でない場合、すなわち、外回転体202aの開口部210aと、内回転体202bの開口部210bとの光束の光路長方向の位置がずれている場合、LLF3の外側の光線であるLLFO3が外回転体202aで遮られてしまい、この部分(図11中、黒い塗りつぶしで示す)の光量が低下してしまう。
【0087】
そこで、図12に示すように、2つの回転体202の外周面と光束とが成す角が垂直になるように、2つの回転体202を、回転軸と直交する面での断面積が撮像素子158の方向に推移するに従って漸増するような形状(ラッパ形状)とすることで、光量の低下を排除することが可能となる。
【0088】
続いて、図6(b)に示す、開口部210の長手方向の長さMと、本体206の長手方向の長さLとの関係について説明する。図6(b)に示すように、開口部210の長手方向(円周方向)の長さMは、本体206の長手方向(円周)の長さLの1/2未満である。長さMを長さLの1/2以上とすると、右光束RLFおよび左光束LLFの両方が第2光束屈折部154に同時に到達する時間が生じ、クロストークが発生してしまう。また、外回転体202aと内回転体202bとの空隙から進入する回折光を考慮して、長さMを長さLの1/2未満にして、右光束RLFおよび左光束LLFの両方を遮光する期間(以下、緩衝期間と称する)を設ける構成により、クロストークの発生を排除することが可能となる。
【0089】
図13は、立体映像撮像用シャッタ200の開閉動作と、撮像素子158面の光量の変化を説明するための説明図であり、横軸に時間を縦軸に光量を示す。図13中、閉状態から開状態への移行期間をAで、開状態から閉状態への移行期間をBで、緩衝期間をCで示す。また、開状態は、図8(c)、(d)で示す、光束がすべて立体映像撮像用シャッタ200を通過する状態を指す。
【0090】
図13(a)に示すように、右光束RLFおよび左光束LLFが両方とも撮像素子158に到達している期間は皆無であるため、クロストークの発生がないことが分かる。
【0091】
また図13(b)に示すように、図13(a)と比較して移行期間A、Bが長い場合であっても、本実施形態にかかる立体映像撮像用シャッタ200は、2つの開口部210同士の重畳部分が、光束中心から外側に向かって拡大されるように形成されるため、撮像素子158面の光量の偏りがない。したがって、移行期間A、Bに生成した映像データも、光量の偏りによって生じる露光ムラがないため、映像データとして利用することができる。
【0092】
図6に戻って、開口部210の寸法について説明すると、図6(b)に示すように、開口部210の短手方向の長さRは、開口部210を通過する光束の幅(太さ)によって決定される。すなわち、長さRは、光束の幅以上であればよい。また、図13(a)に示す緩衝期間を設けるために、開口部210の長さMは、長さLの1/2未満とする。また、外回転体202aおよび内回転体202bの厚みを考慮するとして、長さLaは長さLbより大きくなり、長さMaも長さMbより大きくなる。ただし、図6(a)の状態での角度換算値は等しい。
【0093】
図1に戻って、中央制御部110の構成について説明すると、回転制御部250は、第1モータ204aおよび第2モータ204bを制御し、2つの回転体202を同一の回転角速度で逆方向に同期をとって回転させる。例えば、立体映像撮像装置100を利用してフィールドシーケンシャル方式やフレームシーケンシャル方式の映像データを生成する場合、回転制御部250は、1/30秒ごと、または、1/60秒ごとに後方レンズ系156に右光束RLFおよび左光束LLFを交互に導くように、30回転/秒または60回転/秒で回転体202を回転させる。本実施形態において、回転制御部250は、後述する撮像制御部252による撮像素子158の撮像タイミングを同期信号として扱い、回転体202の回転制御を行う。こうして、開口部202同士が重畳を開始する点が光束の光束中心となり、右光束RLFと左光束LLFとで開状態と閉状態との位相が逆になる。
【0094】
撮像制御部252は、撮像部104を制御する。例えば、撮像制御部252は、適切な映像データが得られるように、撮像素子158および駆動回路160を駆動する。また、撮像制御部252は、撮像素子158から映像データを読み出し、保持部106に保持させる。さらに、撮像制御部252は、撮像タイミング(撮像開始タイミングおよび撮像終了タイミング)を回転制御部250に伝達する。
【0095】
図13(a)を参照して、撮像制御部252の制御処理について説明する。なお、ここでは、撮像素子158を構成する全画素を一度に読み出すことができるグローバルシャッタ方式を例に挙げて説明する。図13(a)に示す、時刻t0の時点から、撮像素子158において、左光束LLFの露光が開始される。本実施形態の立体映像撮像用シャッタ200を利用すれば、図13(a)に示す移行期間Aにおいても、撮像素子158面の光量に偏りがないため、時刻t0から所定の露光時間経過後に、撮像制御部252は、撮像素子158から全画素を同時に読み出すことができる。例えば、光量が十分である明るい被写体を撮像する場合であって、露光時間を短くする場合は、時刻t0から時刻t1の間の任意の時点で、撮像制御部252は、撮像素子158の全画素を同時に読み出す。撮像対象(被写体)が暗い場合や、後方レンズ系156の絞りを絞って被写界深度を深くする場合等、露光時間の最大限の利用が望まれる場合は、時刻t1の時点で、撮像制御部252は、撮像素子158の全画素を同時に読み出す。この場合の読み出しタイミングは、時刻t1以降であって緩衝期間Cの終了前であれば、任意の時刻でもよい。
【0096】
一方、図13(a)に示す、時刻t2の時点から、撮像素子158において、右光束RLFの露光が開始される。時刻t2の直前までは、左光束LLFが撮像素子158面に結像しているため、クロストークを排除するため、撮像制御部252は、時刻t1から時刻t2の間に、一旦撮像素子158から全画素を読み出し、映像データを破棄する。これにより、撮像素子158における、新たな右光束RLFに関する電荷の蓄積が開始され、左光束LLFの映像の混入を防ぐことができる。
【0097】
図14は、グローバルシャッタ方式の撮像素子158の処理を説明するための説明図である。図14では、nライン(図14中、L1〜Lnで示す)のCMOSで構成された撮像素子158を例に挙げ、図14(a)は、露光時間および緩衝期間が1/240秒の例を、図14(b)は、露光時間が3/480秒、緩衝期間が1/480秒の例をそれぞれ示す。
【0098】
図14(a)、(b)に示すように、グローバルシャッタ方式の撮像素子158を採用する場合、読み出しを行っている最中に露光するとクロストークが発生してしまうので、開状態から閉状態への移行期間が終了してから全画素の読み出しを行う必要がある。そこで、開状態から閉状態への移行期間の終了後に全画素を読み出すための読み出し期間を確保するために、かかる読み出し期間より長い緩衝期間(閉状態の期間)が必要となる。したがって、まず読み出し時間を算出し、算出した読み出し時間以上の緩衝期間をとれるように、開口部210の円周方向の長さMを決定する。このようにして、緩衝期間を読み出し時間として利用することができる。
【0099】
一方、撮像素子158から全画素を同時に読み出せない、ローリングシャッタ方式の場合、グローバルシャッタ方式と比較して、全画素の読み出しに時間を要する。
【0100】
図15、16は、ローリングシャッタ方式の撮像素子158の処理を説明するための説明図である。図15、16では、nライン(図15中、L1〜Lnで示す)のCMOSで構成された撮像素子158を例に挙げて説明し、図15(a)は、2D映像を撮像する場合のローリングシャッタ方式の撮像素子158の処理を、図15(b)は、緩衝期間を設けず、露光時間および読み出し期間が1/120秒の例を、図16(a)は、緩衝期間を設けず、露光時間および読み出し期間が1/240秒の例を、図16(b)は、緩衝期間を設け、露光時間が1/240秒、読み出し時間が1/480秒の例をそれぞれ説明する。
【0101】
図15(a)に示すように、2D映像を撮像する場合、撮像素子158に結像する光束は常に同一(図15(a)中、白抜きで示す)であるため、撮像素子158は常時露光させておき、一定間隔で読み出しを開始し、各画素において読み出しから次の読み出しまでの時間が同じになるようにすれば、読み出し後の各画素の露光時間を、全画素で均一にすることができる。
【0102】
しかし、立体映像撮像装置100でこのような読み出しタイミングで読み出しを行うと、読み出した映像データには、図15(b)に示すように、左光束LLF(図15(b)中、白抜きで示す)に、右光束RLF(図15(b)中、グレーで示す)が、右光束RLFに左光束LLFが混入してしまい、クロストークが生じてしまう。
【0103】
そこで、図16(a)に示すように、光束が立体映像撮像用シャッタ200を通過している期間の前半分(図16(a)の例では、1/240秒)を露光時間とし、後半分を読み出し期間とすることで、映像データにおけるクロストークの発生を排除することができる。しかし、この場合、読み出しと露光の切り換わりがおそいと、多少なりともクロストークが生じてしまうおそれがある。
【0104】
そこで、図16(b)に示すように、開状態から閉状態への移行期間終了後に緩衝期間を設けることで、読み出し時間の完了時点が多少遅延したとしても緩衝期間で吸収することができ、ローリングシャッタ方式であっても確実にクロストークを排除することが可能となる。
【0105】
図13(a)を参照して説明すると、ローリングシャッタ方式の撮像素子158を利用する場合、時刻t0の時点から左光束LLFの露光が開始される。その前の緩衝期間Cに、すでに全画素を読み出しておけば、右光束RLFの影響を受けることはない。また、時刻t0で全画素の露光結果のリセットを行ってもよい。
【0106】
また、後方レンズ系156の絞りを適切な状態にして、時刻t0から、右光束RLFの通過の開始時刻である時刻t2までの左光束LLFを露光可能な時間全体で撮像素子158を露光させてもよいが、撮像対象が明るすぎる場合、または絞りを開いて被写界深度を浅くしたい場合、露光期間を短くする必要がある。この場合、開状態の期間の任意の時刻で露光結果のリセットを行うことで、露光の開始時点を遅らせ、露光期間を、そのリセットした時刻から時刻t1までの時間にすることができる。
【0107】
したがって、本実施形態の立体映像撮像用シャッタ200を利用すれば、図13(a)に示す移行期間Bにおいても、撮像素子158面の光量に偏りがないため、リセットした時刻から時刻t1の間を露光時間として撮像素子158から各画素を順次読み出すことができる。そして時刻t2から右光束RLFの露光を開始する。
【0108】
なお、ここでは、左右片側の映像を毎秒60コマで撮像するフレームシーケンシャル方式を例に挙げて説明したが、撮像素子158からの読み出しをより高速に行える場合、回転体202の回転数を上げることで撮像コマ数を増加させることが可能である。また撮像時は、コマ数が4倍や8倍となるような速度で撮像し、それを通常速度で再生することで、1/4や1/8のスローモーションで再生することもできる。従来の液晶シャッタを用いた立体映像撮像装置では、液晶シャッタの応答速度が遅いため、このような処理が実現不可能であったり、コスト的に困難であったりする。しかし、立体映像撮像装置100の立体映像撮像用シャッタ200によれば、単位時間あたりの回転体202の回転数を上げるだけで、右光束RLFと左光束LLFの切り換え速度を上げることができる。
【0109】
また、立体映像撮像装置100において、2D映像を撮像する場合、回転制御部250は、右光束RLFまたは左光束LLFのいずれか一方が通過状態となる位置で回転体202の回転を停止すればよい。
【0110】
以上説明したように、本実施形態にかかる立体映像撮像用シャッタ200によれば、開状態では光束の透過率は100%であり、立体映像撮像用シャッタ200による光量の減衰がない。また、閉状態では光束の透過率は0%であるためクロストークの発生を回避することが可能となる。また、2つの開口部210同士の重畳部分が、光束中心から外側に向かって拡大されるように形成されることになるため、立体映像撮像用シャッタ200を通過し、撮像素子158に到達する光束は、上下方向にも左右方向にもほとんど偏りが生じず、光量が略均一な映像データを得ることができる。さらに、2つの回転体202を円筒形状とすることで、右光束RLF用のシャッタと左光束LLF用のシャッタとを同一の回転体202で構成することが可能となる。
【0111】
(第2の実施形態:立体映像撮像装置300)
上述した第1の実施形態では、立体映像撮像用シャッタ200を構成する回転体を円筒形状としているが、これに限らず、光束を跨ぐ、回転体の開口部が光束の中心から徐々に開状態、または、光束の中心に向かって徐々に閉状態になる構成であればよい。第2の実施形態では、他の形状の回転体を有する立体映像撮像装置300について説明する。
【0112】
図17は、第2の実施形態にかかる立体映像撮像装置300の概略的な機能を示した機能ブロック図である。図17において、撮像部304は、上面から見た図を示し、光束を破線で、データの流れを実線で、制御信号の流れを一点鎖線でそれぞれ示す。図17に示すように、立体映像撮像装置300は、操作部102と、撮像部304と、保持部106と、表示部108と、中央制御部310とを含んで構成される。撮像部304は、第1光束屈折部150(図17中、右第1光束屈折部150a、左第1光束屈折部150bで示す)と、集光レンズ152(図17中、右集光レンズ152a、左集光レンズ152bで示す)と、第2光束屈折部154と、後方レンズ系156と、撮像素子158と、駆動回路160と、立体映像撮像用シャッタ400とを含んで構成される。また、中央制御部310は、中央処理装置(CPU)、中央制御部310を動作するためのプログラム等を格納したROM、一時的なデータ保存およびワークエリアとして利用されるRAM等を含む半導体集積回路で構成され、保持部106や他の電子回路と協働して立体映像撮像装置300全体を管理および制御する。また、中央制御部310は、回転制御部350、撮像制御部252としても機能する。
【0113】
第1の実施形態における構成要素として既に述べた、操作部102、保持部106、表示部108、第1光束屈折部150、集光レンズ152、第2光束屈折部154、後方レンズ系156、撮像素子158、駆動回路160、撮像制御部252は、実質的に機能が等しいので重複説明を省略し、ここでは、構成が相違する立体映像撮像用シャッタ400および回転制御部350を主に説明する。
【0114】
図17に示すように、立体映像撮像用シャッタ400は、略平行に配された2枚の円板形状で形成され、第2光束屈折部154に向かう2つの光束(右光束RLF、左光束LLF)を通過させるための開口部410をそれぞれ有した2組の回転体402(図17中、右回転体402a、左回転体402bで示す)と、右回転体402aを回転させるための第1モータ450aと、左回転体402bを回転させるための第2モータ450bとを含んで構成される。また、円板404aの開口部410の端部と、円板404bの開口部410の端部とが光束の光束中心を通るように、円板404a、404bを第1モータ450aに固定し、円板404cの開口部410の端部と、円板404dの開口部410の端部とが光束の光束中心を通るように、円板404c、404dを第2モータ450bに固定する。
【0115】
図18は、第2の実施形態にかかる1組の回転体402を説明するための説明図である。図18において、右回転体402aを例に挙げて説明するが、左回転体402bも同一の形状である。
【0116】
図18に示すように、右回転体402aは、円板404aと円板404bとで構成される。円板404aおよび円板404bは、遮光性を有する樹脂等で構成された本体406と、開口部410とを含んで構成され、回転軸Pを中心に、同一の回転角速度で逆方向に回転する。図18に示すように、開口部410は、略矩形形状であり、その長手方向が円板404a、404bの回転方向に配されている。
【0117】
また上述した立体映像撮像用シャッタ200の開口部210と同様に、開口部410の回転体402の円周方向の端部形状は、半径方向の開口長さが漸減するように形成され、具体的に、開口部410の円周方向の端部形状は、略二等辺三角形に形成される。なお、円板404aの開口部410と円板404bの開口部410とは、所定の時点で対向する位置に配されるように設置され、円板404cの開口部410と円板404dの開口部410とは、所定の時点で対向する位置に配されるように設置される。こうすることで、右光束RLFと左光束LLFとを時分割で交互に、かつ同時間、第2光束屈折部154に到達させることができる。
【0118】
したがって、本実施形態にかかる立体映像撮像用シャッタ400は、右光束RLFに、円板404aの開口部410と円板404bの開口部410とが重畳したときが開状態となり、開口部410同士が重畳していないときは閉状態となる。同様に、立体映像撮像用シャッタ400は、左光束LLFに、円板404cの開口部410と円板404dの開口部410とが重畳したときが開状態となり、開口部410同士が重畳していないときは閉状態となる。
【0119】
図19は、第2の実施形態にかかる立体映像撮像用シャッタ400の他の例を説明するための説明図である。図19に示すように、後述する回転制御部350の制御指令に応じて、円板404aを第3モータ452aで、円板404bを第1モータ450aで、同一の回転角速度で同一方向に回転させ、円板404cを第4モータ452bで、円板404dを第2モータ450bで、同一の回転角速度で同一方向に回転させる。
【0120】
回転制御部350は、第1モータ450aおよび第2モータ450b(図19に示す構成の場合、これらと、第3モータ452aと第4モータ452b)を制御し、光束が通過する部分における2つの開口部410の移動方向が互いに逆方向となるように、1組の回転体402を同一の回転角速度で回転させる。本実施形態においても、回転制御部350は、撮像制御部252による撮像素子158の撮像タイミングを同期信号として扱い、右回転体402aと左回転体402bの回転制御を行う。こうして、開口部202同士が重畳を開始する点が光束の光束中心となり、右光束RLFと左光束LLFとで開状態と閉状態との位相が逆になる。
【0121】
したがって、1組の回転体402における2つの開口部410同士の重畳部分が、光束中心から外側に向かって拡大されるように形成されることになる。したがって、立体映像撮像用シャッタ400を通過し、撮像素子158に到達する光束は、上下方向にも左右方向にもほとんど偏りが生じず、光量が略均一な映像データを得ることができる。開状態から閉状態への移行期間も、閉状態から開状態への移行期間と同様に、2組の回転体402が回転することにより、それぞれの組の回転体402の2つの開口部410同士の重畳部分が、外側から光束中心に向かって縮小されるように形成されることになる。
【0122】
上述したように、2組の回転体402の本体406は、遮光性を有する樹脂等で形成されているため、閉状態では、一方の光束を完全に遮光することができるため、クロストークの発生を確実に排除することができる。また、開状態では、光束を遮るものは存在しないため、映像の全体的な光量の低下を防止することが可能となる。
【0123】
本実施形態では、開口部410の円周方向の端部形状は、略二等辺三角形に形成されている例について説明したが、これに限定されず、直線状に形成されてもよい。この場合であっても、2組の回転体402が回転することにより、2つの開口部410同士の重畳部分が、光束中心から外側に向かって拡大されるように形成されることになるため、立体映像撮像用シャッタ400を通過し、撮像素子158に到達する光束に、上下方向または左右方向に偏りが生じる事態を回避することができる。
【0124】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明は、立体映像を生成するための立体映像撮像用シャッタおよび立体映像撮像装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0126】
100、300 …立体映像撮像装置
104、304 …撮像部
150 …第1光束屈折部
150a …右第1光束屈折部
150b …左第1光束屈折部
154 …第2光束屈折部
158 …撮像素子
200、400 …立体映像撮像用シャッタ
202、402 …回転体
202a …外回転体
202b …内回転体
210、410 …開口部
250、350 …回転制御部
252 …撮像制御部
402a …右回転体
402b …左回転体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの光路を通過した光束を交互に入射する立体映像撮像用シャッタであって、
同心円の円筒形状で形成され、光束屈折部に向かう2つの光束を通過させるための開口部を前記円筒形状の側面に相当する部分にそれぞれ有した2つの回転体と、
前記2つの回転体を同一の回転角速度で逆方向に回転させる回転制御部と、
を備えることを特徴とする立体映像撮像用シャッタ。
【請求項2】
前記回転体の円周方向における前記開口部の端部形状は、円周方向と垂直な方向の開口長さが漸減するように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の立体映像撮像用シャッタ。
【請求項3】
前記2つの回転体は、円筒端部の少なくとも一方が開口している有底円筒形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の立体映像撮像用シャッタ。
【請求項4】
2つの光路を通過した光束を交互に入射する立体映像撮像用シャッタであって、
略平行に配された2枚の円板形状で形成され、光束屈折部に向かう2つの光束を通過させるための開口部をそれぞれ有した2組の回転体と、
前記光束が通過する部分における前記2つの開口部の移動方向が互いに逆方向となるように、1組の前記回転体を同一の回転角速度で回転させる回転制御部と、
を備えることを特徴とする立体映像撮像用シャッタ。
【請求項5】
前記回転体の円周方向における前記開口部の端部形状は、半径方向の開口長さが漸減するように形成されたことを特徴とする請求項4に記載の立体映像撮像用シャッタ。
【請求項6】
前記回転体の円周方向における前記開口部の端部形状は、略二等辺三角形に形成されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の立体映像撮像用シャッタ。
【請求項7】
前記開口部の前記円周方向の長さは、前記回転体の円周の1/2以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の立体映像撮像用シャッタ。
【請求項8】
2つの光路それぞれに配され、前記2つの光路を通過した光束を屈折させる2つの第1光束屈折部と、
前記2つの第1光束屈折部それぞれから入射された光束を屈折する第2光束屈折部と、
前記第2光束屈折部を通過した光束を受光する撮像素子と、
同心円の円筒形状で形成され、前記第1光束屈折部から前記第2光束屈折部に向かう2つの光束を通過させるための開口部を前記円筒形状の側面に相当する部分にそれぞれ有した2つの回転体と、
前記2つの回転体を同一の回転角速度で逆方向に回転させる回転制御部と、
を備えることを特徴とする立体映像撮像装置。
【請求項9】
2つの光路それぞれに配され、前記2つの光路を通過した光束を屈折させる2つの第1光束屈折部と、
前記2つの第1光束屈折部それぞれから入射された光束を屈折する第2光束屈折部と、
前記第2光束屈折部を通過した光束を受光する撮像素子と、
略平行に配された2枚の円板形状で形成され、前記第1光束屈折部から前記第2光束屈折部に向かう2つの光束を通過させるための開口部をそれぞれ有した2組の回転体と、
前記光束が通過する部分における前記2つの開口部の移動方向が互いに逆方向となるように、1組の前記回転体を同一の回転角速度で回転させる回転制御部と、
を備えることを特徴とする立体映像撮像装置。
【請求項10】
前記撮像素子が光電変換を行う時間分、遮光状態になるように前記開口部が形成されることを特徴とする請求項8または9に記載の立体映像撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−133058(P2012−133058A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283961(P2010−283961)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】