説明

立体構造及び直鎖状エピトープに対する抗体を用いたHCV感染の予防及び治療

C型肝炎ウイルス(HCV)のエンベロープタンパク質E1及びE2の立体構造エピトープについて、HCV感染者由来のモノクローナル抗体群を用いて同定し特徴を調べた。HCVタンパク質E1又はE2のこれらの保存立体構造及び直鎖状エピトープは、HCVに対するヒトの免疫応答において重要であり、ウイルスの中和に特に重要であると考えられる。これら立体構造エピトープの同定に基づいて、完全立体構造エピトープを有するペプチド及びミモトープを含むワクチンを調製し、HCV感染予防及び/又は治療のために患者に投与することができる。それぞれ特定のE1又はE2エピトープに対する、4種の異なるモノクローナル抗体グループを同定することで、HCVに対する感染者の応答に基づいて感染者を分類することができ、適当な治療投与計画を決めることができる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
C型肝炎ウイルス1bのE1タンパク質のアミノ酸206〜313内の立体構造エピトープに対する抗体。
【請求項2】
多重HCV遺伝子型に由来するHCV E1タンパク質のアミノ酸194〜204内の直鎖状エピトープに対する抗体。
【請求項3】
H−114により認識されるエピトープに対する抗体。
【請求項4】
H−111により認識されるエピトープに対する抗体。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の抗体を発現する細胞系。
【請求項6】
B細胞系である、請求項5に記載の細胞系。
【請求項7】
ヒト細胞系である、請求項5に記載の細胞系。
【請求項8】
哺乳類細胞系である、請求項5に記載の細胞系。
【請求項9】
真核細胞系である、請求項6に記載の細胞系。
【請求項10】
ハイブリドーマである、請求項5に記載の細胞系。
【請求項11】
エプスタイン−バーウイルス(EBV)で形質転換されている、請求項5に記載の細胞系。
【請求項12】
ウイルスで感染されている、請求項5に記載の細胞系。
【請求項13】
ファージで感染されている、請求項5に記載の細胞系。
【請求項14】
請求項1又は2に記載の抗体を提示するウイルス。
【請求項15】
モノクローナル抗体である、請求項1、2、3又は4のいずれかに記載の抗体。
【請求項16】
人体に適応させた抗体である、請求項1、2、3又は4のいずれかに記載の抗体。
【請求項17】
哺乳類の抗体である、請求項1、2、3又は4のいずれかに記載の抗体。
【請求項18】
HCV E1タンパク質又はペプチドを請求項1、2、3又は4のいずれかに記載の抗体に、抗体がHCV E1タンパク質又はペプチドに結合するのに十分な時間、接触させ;
E1の推定受容体を発現する細胞とHCV E1タンパク質又はペプチドと抗体とを、タンパク質又はペプチドによる推定受容体への結合を可能にするのに充分な時間、接触させ;
タンパク質又はペプチドによる細胞への結合を検出する(抗体の非存在下における結合と比較して細胞表面への結合が低下していた場合、受容体をHCV E1受容体と同定する)
段階を包含する、HCV E1タンパク質又はペプチドに対する受容体を同定する方法。
【請求項19】
請求項1、2、3又は4のいずれかに記載の抗体を固体支持体に付着し;抗体をHCV E1タンパク質又はペプチドに、HCV E1タンパク質又はペプチドが抗体に結合してタンパク質又はペプチド−抗体複合体を形成するのに十分な時間、接触させ;
ライブラリータンパク質又はペプチドが複合体に結合するのに十分な時間、複合体をライブラリータンパク質又はペプチドと接触させ;
未結合のライブラリータンパク質又はペプチドを複合体から除去し;
複合体に結合するライブラリータンパク質又はペプチドを同定する(ここで結合したライブラリータンパク質又はペプチドは推定HCV E1受容体である)
段階を包含する、HCV E1タンパク質又はペプチドに対する受容体を同定する方法。
【請求項20】
請求項1、2、3又は4のいずれかに記載の抗体と、薬剤として許容される賦形剤とを含む薬剤組成物。
【請求項21】
抗体が、HCVのE1及びE2タンパク質に対するものであることを特徴とする、2種以上のモノクローナル抗体の組み合わせを含む薬剤組成物。
【請求項22】
抗体が、単一HCV遺伝子型のE1及びE2タンパク質に対するものであることを特徴とする、請求項21に記載の薬剤組成物。
【請求項23】
抗体が、多重HCV遺伝子型のE1及びE2タンパク質に対するものであることを特徴とする、請求項21に記載の薬剤組成物。
【請求項24】
抗体が直鎖状エピトープに対するものである、請求項21に記載の薬剤組成物。
【請求項25】
抗体が立体構造エピトープに対するものである、請求項21に記載の薬剤組成物。
【請求項26】
抗体が直鎖状及び立体構造エピトープに対するものである、請求項21に記載の薬剤組成物。
【請求項27】
H−111及びCBH−5を含む、請求項21に記載の薬剤組成物。
【請求項28】
H−111及びCBH−7を含む、請求項21に記載の薬剤組成物。
【請求項29】
H−111及びCBH−4Gを含む、請求項21に記載の薬剤組成物。
【請求項30】
H−111及びCBH−8Cを含む、請求項21に記載の薬剤組成物。
【請求項31】
H−111及びCBH−17を含む、請求項21に記載の薬剤組成物。
【請求項32】
H−111及びCBH−2を含む、請求項21に記載の薬剤組成物。
【請求項33】
HCVに感染した又はHCVに感染しやすい患者を提供し;そして
患者に請求項1、2、3又は4のいずれかに記載の抗体を投与する
段階を包含する、HCVに感染した患者を治療する方法。
【請求項34】
HCVに感染した又はHCVに感染しやすい患者を提供し;そして
患者に請求項1、2、3又は4のいずれかに記載の抗体を投与する
段階を包含する、HCVに接触した患者を治療する方法。
【請求項35】
1種以上の異なる抗体を投与することを包含する、請求項33又は34に記載の方法。
【請求項36】
2種以上のモノクローナル抗体を患者に投与することを包含し、抗体がHCVのE1及びE2タンパク質に対するものであることを特徴とする、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
抗体が、単一HCV遺伝子型のE1及びE2タンパク質に対するものであることを特徴とする、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
抗体が、多重HCV遺伝子型のE1及びE2タンパク質に対するものであることを特徴とする、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
抗体が直鎖状エピトープに対するものである、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
抗体が立体構造エピトープに対するものである、請求項35に記載の方法。
【請求項41】
抗体が直鎖状及び立体構造エピトープに対するものである、請求項35に記載の方法。
【請求項42】
H−111及びCBH−5を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項43】
H−111及びCBH−7を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項44】
H−111及びCBH−4Gを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項45】
H−111及びCBH−8Cを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項46】
H−111及びCBH−17を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項47】
H−111及びCBH−2を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項48】
HCV1bE1タンパク質のアミノ酸206〜313を含む、HCVのE1タンパク質の立体構造エピトープを含むペプチド。
【請求項49】
アミノ酸が、HCV1bのE1タンパク質のアミノ酸206〜313に類似していることを特徴とする、HCV E1のアミノ酸配列を含むペプチド。
【請求項50】
HCV1bE1タンパク質のアミノ酸206〜313に類似したアミノ酸を含む非HCVタンパク質又はペプチド。
【請求項51】
HCV1bE1タンパク質のアミノ酸206〜313が天然の立体構造である、請求項50に記載の非HCVタンパク質又はペプチド
【請求項52】
請求項49に記載のペプチドに少なくとも60%の同一性を有するペプチド。
【請求項53】
請求項49に記載のペプチドに少なくとも70%の同一性を有するペプチド。
【請求項54】
請求項49に記載のペプチドに少なくとも80%の同一性を有するペプチド。
【請求項55】
請求項49に記載のペプチドに少なくとも90%の同一性を有するペプチド。
【請求項56】
アミノ酸206〜313を含むHCV E1の1b遺伝子型の立体構造エピトープに対して十分な三次元構造的類似性を有する作用物にして、該作用物の存在下で抗体へのエピトープの結合と競合させ、該作用物の非存在下での結合と比較するための作用物。
【請求項57】
ペプチドである、請求項56に記載の作用物。
【請求項58】
小分子である、請求項56に記載の作用物。
【請求項59】
化合物である、請求項56に記載の作用物。
【請求項60】
有機分子である、請求項56に記載の作用物。
【請求項61】
無機分子である、請求項56に記載の作用物。
【請求項62】
ミモトープである、請求項56に記載の作用物。
【請求項63】
HCV1bのE1タンパク質のアミノ酸206〜313内の立体構造エピトープを含む、HCV E1のペプチド断片を含むワクチン。
【請求項64】
請求項1又は3に記載の抗体によって認識されるエピトープを含むHCV E1ペプチド断片を含むワクチン。
【請求項65】
H−114及びH−111からなる群より選ばれてなるヒトモノクローナル抗体により認識されるエピトープを含むHCV E1のペプチド断片を含むワクチン。
【請求項66】
請求項48に記載のペプチドを含むワクチン。
【請求項67】
請求項56に記載の作用物を含むワクチン。
【請求項68】
ヒトモノクローナル抗体により認識されるエピトープを含むHCV E1のペプチド断片少なくとも1個とヒトモノクローナル抗体により認識されるエピトープを含むHCV E2のペプチド断片少なくとも1個との組み合わせを含むワクチン。
【請求項69】
ペプチド断片が単一HCV遺伝子型のものである、請求項68に記載のワクチン。
【請求項70】
HCV E1及びE2のペプチド断片が多重HCV遺伝子型のものである、請求項68に記載のワクチン。
【請求項71】
エピトープが、HCV E1及びE2のペプチド断片上の直鎖状エピトープである、請求項68に記載のワクチン。
【請求項72】
エピトープが、HCV E1及びE2のペプチド断片上の立体構造エピトープである、請求項68に記載のワクチン。
【請求項73】
エピトープが、HCV E1及びE2のペプチド断片上の直鎖状エピトープと立体構造エピトープとの組み合わせである、請求項68に記載のワクチン。
【請求項74】
H−111及びCBH−5を含む、請求項68に記載のワクチン。
【請求項75】
H−111及びCBH−7を含む、請求項68に記載のワクチン。
【請求項76】
H−111及びCBH−4Gを含む、請求項68に記載のワクチン。
【請求項77】
H−111及びCBH−8Cを含む、請求項68に記載のワクチン。
【請求項78】
H−111及びCBH−17を含む、請求項68に記載のワクチン。
【請求項79】
H−111及びCBH−2を含む、請求項68に記載のワクチン。
【請求項80】
HCV感染患者から血清を得て;
請求項1又は2に記載の抗HCVモノクローナル抗体によるそのエピトープへの結合について、患者血清による阻害を測定し;そして
治療投与の候補者として患者を同定する
段階を含む、HCV感染患者を分類する方法。
【請求項81】
患者に抗体を投与する段階を更に包含する請求項44に記載の方法。
【請求項82】
個人を用意し;
請求項1又は2に記載の抗体を、抗体がその抗原に結合するのに好適な条件下で、該個人から得た体液に接触させ;そして
抗体によるペプチドへの結合を検出する
段階を含む、HCV感染を検出する方法。
【請求項83】
個人を用意し;
請求項1に記載の抗体少なくとも2種を、抗体/抗原結合するのに好適な条件下で、該個人から得た体液に接触させ;
抗体によるペプチドへの結合を検出し;そして
抗体結合の特性を分析してHCVの遺伝子型を決定する
段階を含む、HCVの遺伝子型を同定する方法。
【請求項84】
体液が血液である、請求項82又は83に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24】
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【図25A】
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【図25B】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43A】
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【図43B】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【公表番号】特表2006−504645(P2006−504645A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−519701(P2004−519701)
【出願日】平成15年6月27日(2003.6.27)
【国際出願番号】PCT/US2003/020580
【国際公開番号】WO2004/005316
【国際公開日】平成16年1月15日(2004.1.15)
【出願人】(503199973)ボード オブ トラスティーズ オブ リーランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティ (1)
【Fターム(参考)】