立体表示装置および立体表示方法
【課題】パララックスバリア方式による解像度低下を改善する立体表示装置を提供する。
【解決手段】4つの視点映像がそれぞれ時分割された第1および第2の表示パターン20A,20Bを順次表示することによって1画面内に合成する液晶表示パネルと、この液晶表示パネルからの表示画像光を透過する複数の開口と表示画像光を遮蔽する複数の遮蔽部とを有し、それら複数の開口および複数の遮蔽部の配置状態が第1および第2の表示パターン20A,20Bに対応して切り替え可能に構成され、液晶表示パネルに表示された第1および第2の表示パターン20A,20Bの各々を、2つの視点での立体視が可能となるように光学的に分離するスイッチ液晶パネルとを備える。ここで、第1および第2の表示パターン20A,20Bにおいて相互に対応する単位画素4A〜4D同士が、相対的に画面垂直方向へ平行移動した位置に存在する。
【解決手段】4つの視点映像がそれぞれ時分割された第1および第2の表示パターン20A,20Bを順次表示することによって1画面内に合成する液晶表示パネルと、この液晶表示パネルからの表示画像光を透過する複数の開口と表示画像光を遮蔽する複数の遮蔽部とを有し、それら複数の開口および複数の遮蔽部の配置状態が第1および第2の表示パターン20A,20Bに対応して切り替え可能に構成され、液晶表示パネルに表示された第1および第2の表示パターン20A,20Bの各々を、2つの視点での立体視が可能となるように光学的に分離するスイッチ液晶パネルとを備える。ここで、第1および第2の表示パターン20A,20Bにおいて相互に対応する単位画素4A〜4D同士が、相対的に画面垂直方向へ平行移動した位置に存在する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パララックスバリア方式による立体表示が可能な立体表示装置および立体表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、立体視表示を実現できる表示装置(立体表示装置)が注目を集めている。立体視表示は、互いに視差のある(視点の異なる)左眼用映像と右眼用映像を表示するものであり、観察者が左右の目でそれぞれを見ることにより奥行きのある立体的な映像として認識することができる。また、互いに視差がある3つ以上の映像を表示することにより、観察者に対してより自然な立体映像を提供することが可能な表示装置も開発されている。
【0003】
このような立体表示装置は、専用の眼鏡が必要なものと不要なものとに大別されるが、観察者にとっては専用の眼鏡は煩わしく感じるものであり、専用の眼鏡が不要なもの(すなわち裸眼で立体視が可能なもの)が望ましい。裸眼で立体視が可能な立体表示装置としては、例えばパララックスバリア(視差バリア)方式やレンチキュラー方式を採用した立体表示装置が知られている。これらの方式の立体表示装置では、互いに視差がある複数の映像(視点映像)を同時に表示し、表示装置と観察者の視点との相対的な位置関係(角度)によって見える映像が異なるようになっている。このような立体表示装置で複数の視点の映像を表示した場合には、映像の実質的な解像度が、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置などの表示装置自体の解像度を視点の数で割ったものとなり、画質が低下してしまうという問題があった。
【0004】
この問題を解決するために、様々な検討がなされている。例えば、特許文献1には、パララックスバリア方式において、各バリアの透過状態および遮断状態を時分割的に切り替えて時分割表示することにより、等価的に解像度を改善する方法が提案されている。
【0005】
ところが、パララックスバリアが画面垂直方向へ延在する場合には、画面水平方向における解像度を向上させることはできるものの、画面垂直方向における解像度の向上は困難である。そこで、画面水平方向の解像度と画面垂直方向の解像度とのバランス(解像度バランス)を改善するための技術として、ステップバリア方式が開発されている。このようなステップバリア方式では、パララックスバリアの開口の並び方向(もしくは延在方向)、あるいはレンチキュラーレンズの軸方向が画面の斜め方向に設定され、斜め方向に隣接して一列に並ぶ複数色(例えばR(赤色),G(緑色),B(青色))のサブ画素が1つの単位画素を構成するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−157033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら最近では、視点数に関わらず、解像度バランスの改善と共に解像度そのものの改善も求められている。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、複数の視点映像を用いて立体表示を行う場合に、解像度バランスを損なうことなく解像度の劣化を改善することのできる立体表示装置および立体表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の立体表示装置は、空間的に分割されたp個(pは2以上の整数)の視点映像を、時間的に分割されたq個(qは2以上p以下の整数)の表示パターンを順次表示することによって1画面内に合成する2次元表示部と、この2次元表示部に表示されたq個の表示パターンの各々を構成するp個の視点映像を、p個の視点での立体視が可能となるように光学的に分離する光学分離素子を備える。ここで、2次元表示部は、カラー映像表示に必要なr種(rは3以上の整数)の色をそれぞれ表示する複数のサブ画素からなる単位画素を複数有し、画面垂直方向の同一列上に同色のサブ画素が配列され、かつ、画面水平方向の同一列上に異色のサブ画素が順に配列されたものである。また、q個の表示パターンのうちp個の視点映像の各々を構成する配列パターンは、それぞれ、斜め方向に並ぶ複数のサブ画素からなるサブ画素列が画面水平方向においてp列ごとに複数表示されたものである。1画面内に合成されたq個の表示パターンは、相対的に画面垂直方向へ平行移動したときに相互に対応する単位画素同士が重なり合うこととなる位置に設けられている。光学分離素子は、例えば、2次元表示部からの光または2次元表示部へ向かう光を透過する複数の光透過部と、2次元表示部からの光または2次元表示部へ向かう光を遮蔽する複数の遮光部とを有し、それら複数の光透過部および複数の遮光部の配置状態がq個の表示パターンに対応して切り替え可能に構成された可変式パララックスバリアである。
【0010】
本発明の第2の立体表示装置は、空間的に分割されたp個(pは2以上の整数)の視点映像を、時間的に分割されたq個(qは2以上p以下の整数)の表示パターンで順次表示する表示部と、p個の視点映像を光学的に分離する光学分離素子とを備える。ここで、表示部は、斜め方向に並ぶ複数のサブ画素からなる単位画素を複数有し、q個の表示パターンは、相対的に画面垂直方向へ平行移動したときに相互に対応する単位画素同士が重なり合うこととなる位置に設けられている。
【0011】
本発明の立体表示方法は、空間的に分割されたp個(pは2以上の整数)の視点映像を、時間的に分割されたq個(qは2以上p以下の整数)の表示パターンを順次表示することによって2次元表示部の1画面内に合成するステップと、光学分離素子を用い、2次元表示部に表示されたq個の表示パターンの各々を構成するp個の視点映像を、p個の視点での立体視が可能となるように光学的に分離するステップとを含む。ここで、2次元表示部として、カラー映像表示に必要なr種(rは3以上の整数)の色をそれぞれ表示する複数のサブ画素からなる単位画素を複数有し、画面垂直方向の同一列上に同色のサブ画素が配列され、かつ、画面水平方向の同一列上に異色のサブ画素が順に配列されたものを用いる。また、q個の表示パターンのうちp個の視点映像の各々を構成する配列パターンを、それぞれ、斜め方向に並ぶ複数のサブ画素からなるサブ画素列が画面水平方向においてp列ごとに複数表示されたものとする。さらに、q個の表示パターンを、相対的に画面垂直方向へ平行移動したときに相互に対応する単位画素同士が重なり合うこととなる位置に設ける。光学分離素子としては、例えば、2次元表示部からの光または2次元表示部へ向かう光を透過する複数の光透過部と、2次元表示部からの光または2次元表示部へ向かう光を遮蔽する複数の遮光部とを有し、それら複数の光透過部および複数の遮光部の配置状態がq個の表示パターンに対応して切り替え可能に構成された可変式パララックスバリアを用いるとよい。
【0012】
本発明の立体表示装置および立体表示方法では、複数の表示パターンのうちの、空間分割された各視点映像を構成する配列パターンは、それぞれ、斜め方向に並ぶ複数のサブ画素の列が画面水平方向において所定間隔で複数表示されたものである。このような複数の表示パターンを順次、時分割的に表示することにより、それら複数の表示パターンが視点映像ごとに時間積分された一の合成映像を形成することとなる。また、複数の表示パターンにおいて相互に対応する単位画素同士は、相対的に画面垂直方向へ平行移動したときに重なり合う位置に存在しているので、垂直方向の解像度が改善される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の立体表示装置および立体表示方法によれば、空間分割された複数の視点映像を、時間分割された複数の表示パターンを順次表示することによって1画面内に合成するようにした。これにより、1つの表示パターンを用いて各視点映像を空間分割表示する場合と比べ、立体表示時の解像度低下を改善することができる。さらに、1画面内に合成された複数の表示パターンは、相対的に画面垂直方向へ平行移動したときに、相互に対応する単位画素同士が重なり合うこととなる位置に設けられているので、各視点映像における垂直方向の解像度をより向上させることができる。ここで、サブ画素の色の種類、視点映像の数および表示パターンの数を適切に選択することにより、画面垂直方向の解像度と画面水平方向の解像度とのバランスを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る立体表示装置の構成を示す構成図である。
【図2】第1の実施の形態に係る立体表示装置における表示制御に関わる回路を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態に係る立体表示装置における液晶表示パネルのサブ画素配列を示す平面図である。
【図4】図1などに示した液晶表示パネルに表示される第1および第2の表示パターンの例を表す平面図である。
【図5】図1などに示したスイッチ液晶パネルに形成される第1および第2のバリアパターンの例を表す平面図である。
【図6】第1および第2の表示期間において立体視をしている状態を模式的に表す説明図である。
【図7】第1の実施の形態において第1の視点映像を構成するサブ画素の配列パターンを表す平面図である。
【図8】第1の実施の形態において第1の視点映像として認識される合成映像を表す平面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における第1の表示パターンの例を表す平面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態における第2の表示パターンの例を表す平面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態における第3の表示パターンの例を表す平面図である。
【図12】第2の実施の形態において第1の視点映像として認識される合成映像を表す平面図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態における第1および第2の表示パターンの例を表す平面図である。
【図14】本発明の実施例としての立体表示装置における視点数と解像度バランスとの関係を表す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態という。)について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
<第1の実施の形態>
[立体像表示装置の構成]
図1は、本発明の第1の実施の形態としての立体表示装置の全体構成を表している。図2は、この立体表示装置の表示制御に関わる回路を示している。この立体表示装置は、図1に示したように、液晶表示パネル2と、液晶表示パネル2の背面側に配置されたバックライト3と、液晶表示パネル2の表示面側に対向するように配置されたスイッチ液晶パネル1とを備えている。この立体表示装置はまた、図2に示したように、液晶表示パネル2における表示動作を制御するためのタイミングコントローラ21および視点映像データ出力部23を備えている。さらに、スイッチ液晶パネル1におけるスイッチング動作を制御するためのタイミングコントローラ22およびバリア用画素データ出力部24を備えている。
【0017】
図3は、液晶表示パネル2の画素配列の例を示している。液晶表示パネル2は、カラー表示に必要とされるR(赤色),G(緑色),B(青色)の3色のサブ画素が2次元的に複数配列された画素構造を有している。図3に示したように、画面水平方向(X軸方向)の同一列上には各色のサブ画素が周期的に現れ、かつ、画面垂直方向(Y軸方向)の同一列には同一色のサブ画素が並ぶような画素配列とされている。液晶表示パネル2は、このような画素構造において、バックライト3から照射された光をサブ画素ごとに変調させることで2次元的に画像表示を行うようになっている。液晶表示パネル2は、タイミングコントローラ21の制御に基づいて、視点映像データ出力部23から出力された立体表示用の視差画像の表示を行うようになっている。
【0018】
なお、立体視を実現するためには、左眼10Lと右眼10Rとに異なる視点映像を見せる必要があるため、少なくとも右眼用映像と左眼用映像との2つの視点映像が必要となる。3つ以上の視点映像を用いた場合には多眼視を実現できる。本実施の形態では、4つの視点映像(第1〜第4の視点映像)を形成する(すなわち、視点数を4とする)と共に、そのうちの2つの視点映像(ここでは第1および第2の視点映像)を用いて観察する場合を説明する。
【0019】
液晶表示パネル2は、右眼用(第1視点)および左眼用(第2視点)を含む4つの視点映像を空間的に分割すると共に、時間的に分割されたq個(qは2以上p以下の整数)の表示パターンを順次表示することによって1画面内に合成して表示するようになっている。ここで、液晶表示パネル2は、2種類の表示パターンを交互に表示(時分割表示)することにより、4つの視点映像の表示位置を周期的に2つの状態に切り換えるようになっている。各表示パターンに対応する画像データは、視点映像データ出力部23から出力されるようになっている。各表示パターンを表示するタイミングは、タイミングコントローラ21によって制御されるようになっている。
【0020】
図4(A),4(B)は、時分割表示される2種類の表示パターンの例として、第1および第2の表示パターン20A,20Bを示している。図4(A),4(B)では、例えばR1,G1,B1の符号を付したサブ画素からなる第1のサブ画素列と、R2,G2,B2の符号を付したサブ画素からなる第2のサブ画素列と、R3,G3,B3の符号を付したサブ画素からなる第3のサブ画素列と、R4,G4,B4の符号を付したサブ画素からなる第4のサブ画素列とが各々斜め方向に平行に延在し、画面水平方向において周期的に配置されている。サブ画素R1,G1,B1は、第1の視点映像(例えば右眼用映像)を表示する単位画素4Aの構成要素となり、サブ画素R2,G2,B2は、第2の視点映像(例えば左眼用映像)を表示する単位画素4Bの構成要素となる。なお、サブ画素R3,G3,B3からなる単位画素4Cが第3の視点映像を構成し、サブ画素R4,G4,B4からなる単位画素4Dが第4の視点映像を構成する。この結果、斜め方向に延在するストライプ状の第1〜第4の視点映像が、画面水平方向において周期的に配列されることとなる。
【0021】
図4(A)の第1の表示パターン20Aと、図4(B)の第2の表示パターン20Bとは、第1〜第4の視点映像をそれぞれ表示する単位画素の位置が相互に異なっている。例えば第1の表示パターン20Aにおいて第1の視点映像が割り当てられていたサブ画素R1,G1,B1からなる単位画素4Aは、第2の表示パターン20Bでは第3の視点映像が割り当てられ、サブ画素R3,G3,B3からなる単位画素4Cとなっている。同様に、第1の表示パターン20Aにおいて第2、第3または第4の視点映像が割り当てられていた単位画素4B,4C,4Dは、それぞれ、第2の表示パターン20Bでは第4、第1または第2の視点映像が割り当てられ、単位画素4D,4A,4Bとなっている。
【0022】
スイッチ液晶パネル1は、2次元的に配列された複数の画素を有し、画素ごとに光を透過する状態と透過しない状態とに切り換えるスイッチング動作が可能なものである。スイッチ液晶パネル1は、可変式のパララックスバリアとしての機能を実現するものである。スイッチ液晶パネル1は、液晶表示パネル2に表示された各視差画像を、立体視が可能となるように光学的に分離するためのバリアパターンを形成するようになっている。スイッチ液晶パネル1は、図4(A),4(B)に示した第1および第2の表示パターン20A,20Bに各々対応する2種類のバリアパターンを周期的に2つの状態に切り換えて形成するようになっている。
【0023】
図5(A),5(B)は、その2つのバリアパターン(第1および第2のバリアパターン10A,10B)の例を示している。第1および第2のバリアパターン10A,10Bは、いずれも液晶表示パネル2からの表示画像光を遮蔽する遮蔽部(遮光部)11と、表示画像光を透過する開口(光透過部)12とからなるパターンである。図5(A)は、図4(A)の第1の表示パターン20Aに対応する第1のバリアパターン10Aであり、図5(B)は、図4(B)の第2の表示パターン20Bに対応する第2のバリアパターン10Bである。すなわち、第1のバリアパターン10Aは、第1の表示パターン20Aで各視点映像を表示しているときに立体視が可能となるように表示画像光を光学的に分離するものである。一方、第2のバリアパターン10Bは、第2の表示パターン20Bで各視点映像を表示しているときに立体視が可能となるように表示画像光を光学的に分離するものである。第1および第2のバリアパターン10A,10Bにおける開口12の配置位置および形状は、この立体表示装置を所定の位置、所定の方向から観察者が見たときに、観察者の左右の眼10L,10Rに異なる視点映像の光が別々に入射されるように設定されている。なお、図5(A),5(B)では、開口12が、第1〜第4のサブ画素列に対応して斜め方向へ延在するステップ形状を有するものとした。
【0024】
スイッチ液晶パネル1において第1および第2のバリアパターン10A,10Bを形成するための画素データは、バリア用画素データ出力部24から出力されるようになっている。スイッチ液晶パネル1における各バリアパターンを形成するタイミング(各サブ画素からの光を透過する状態と透過しない状態とに切り換えるタイミング)は、タイミングコントローラ22によって制御されるようになっている。液晶表示パネル2で表示する各表示パターンの画像データは視点映像データ出力部23から出力されるが、このとき各表示パターンが切り替わるときに得られるフレーム信号がバリア用画素データ出力部24を介してタイミングコントローラ22に出力されている。タイミングコントローラ22は、そのフレーム信号に基づいて、各バリアパターンの切り換えタイミングを、液晶表示パネル2における各表示パターンの切り換えタイミングと同期するように制御するようになっている。
【0025】
[立体表示装置の動作]
この立体表示装置では、液晶表示パネル2において、1画面内に各視点映像が第1および第2の表示パターン20A,20Bに空間分割されて表示されると共に、それら第1および第2の表示パターン20A,20Bが周期的に切り換えて表示される。すなわち、各視点映像が空間的、かつ時間的に分割されて液晶表示パネル2に表示される。スイッチ液晶パネル1では、これら第1および第2の表示パターン20A,20Bの切り換えに同期して、立体視が可能となるように周期的に第1および第2のバリアパターン10A,10Bを形成する。
【0026】
図6(A)は、この立体表示装置において、第1の表示期間T1内で立体視している状態を模式的に示している。図6(B)は、第1の表示期間T1とは異なる第2の表示期間T2内で立体視している状態を模式的に示している。ここで、第1および第2の表示期間T1,T2は、いずれも60分の1秒以下(60Hz以上)であることが望ましい。第1の表示期間T1では、液晶表示パネル2には第1の表示パターン20A(図4(A))が表示されると共に、スイッチ液晶パネル1には第1のバリアパターン10A(図5(A))が形成される。一方、第2の表示期間T2では、液晶表示パネル2には第2の表示パターン20B(図4(B))が表示されると共に、スイッチ液晶パネル1には第2のバリアパターン10B(図5(B))が形成される。
【0027】
図6(A),6(B)では、観察者の右眼10Rを第1視点、左眼10Lを第2視点としている。第1の表示期間T1では、第1〜第4の視点映像が、液晶表示パネル2上で、第1の表示パターン20Aに従ってサブ画素R1,G1,B1からなるサブ画素列と、サブ画素R2,G2,B2からなるサブ画素列と、サブ画素R3,G3,B3からなるサブ画素列と、サブ画素R4,G4,B4からなるサブ画素列とに順次割り振られて表示される。このような表示を、スイッチ液晶パネル1によって形成された第1のバリアパターン10A(図5(A))を介して観察する。こうすると、図6(A)に示したように、右眼10Rには第1の視点映像を形成するサブ画素R1,G1,B1からの光のみが認識される。一方、左眼10Lには第2の視点映像を形成するサブ画素R2,G2,B2からの光のみが認識される。これにより、第1の表示期間T1においては、第1の視点映像と第2の視点映像とに基づく立体像が知覚される。なお、図6(A)は、図4(A)において破線で囲んだ領域VIAにおける、画面(XY平面)と直交する断面構成を表す概念図である。
【0028】
さらに、第1の表示期間T1に続く第2の表示期間T2においては、第1〜第4の視点映像が、液晶表示パネル2上で、第2の表示パターン20Bに従ってサブ画素R1,G1,B1からなるサブ画素列と、サブ画素R2,G2,B2からなるサブ画素列と、サブ画素R3,G3,B3からなるサブ画素列と、サブ画素R4,G4,B4からなるサブ画素列とに順次割り振られて表示される。このような表示を、スイッチ液晶パネル1によって形成された第2のバリアパターン10B(図5(B))を介して観察する。こうすると、図6(B)に示したように、右眼10Rには第1の視点映像を形成するサブ画素R1,G1,B1からの光のみが認識される。一方、左眼10Lには第2の視点映像を形成するサブ画素R2,G2,B2からの光のみが認識される。これにより、第2の表示期間T2においても、第1の視点映像と第2の視点映像とに基づく立体像が知覚される。なお、図6(B)は、図4(B)において破線で囲んだ領域VIBにおける、画面(XY平面)と直交する断面構成を表す概念図である。
【0029】
図7(A)は、第1の表示期間T1において右眼10Rによって視認できる第1の視点映像を構成するサブ画素の配列パターン20A1を表している。一方、図7(B)は、第2の表示期間T2において右眼10Rによって視認できる第1の視点映像を構成するサブ画素の配列パターン20B1を表している。ここで、配列パターン20A1および配列パターン20B1において相互に対応する単位画素同士は、相対的に画面垂直方向へ平行移動したときに互いに重なり合う位置に設けられている。一方の配列パターン20A1において表示されるサブ画素列は、他方の配列パターン20B1において表示されるサブ画素列同士の中間に位置している。例えば、配列パターン20A1における画素4A1は、画面垂直方向へサブ画素2つ分移動することにより、配列パターン20B1における画素4A2と重なり合う関係にある。
【0030】
第1および第2の表示期間T1,T2は極めて短い時間であるため、観察者には、配列パターン20A1と配列パターン20B1とが重なり合った1つの映像として認識される。すなわち、観察者にとっては、右眼10Rから得られる第1の視点映像として、図8に示したように、図7(A)に示したサブ画素の配列パターン20A1と図7(B)に示したサブ画素の配列パターン20B1とを合成してなる合成映像20Rが認識される。よって、第1の表示期間T1と第2の表示期間T2とを通して、結果的に液晶表示パネル2上の全サブ画素のうち半分を使用して第1の視点映像が表示されることとなる。したがって、第1の視点映像の表示に関して、空間的な解像度は、時分割表示を行わない場合(1つの表示パターンのみによって第1の視点映像を空間分割表示する場合)と比較して2倍に向上する。ここでは、配列パターン20A1および配列パターン20B1において相互に対応する単位画素同士が相対的に画面垂直方向へ平行移動した位置に存在するので、第1の視点映像における画面垂直方向の解像度が2倍に向上することとなる。
【0031】
なお、本実施の形態では、第1の視点映像を右眼10Rで観察すると共に第2の視点映像を左眼10Lで観察することにより立体像を知覚するようにしたが、第1〜第4の視点映像のうちの2つを任意に組み合わせることで立体像の観察は可能である。
【0032】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態によれば、空間分割された第1〜第4の視点映像を、時間分割された第1および第2の表示パターン20A,20Bを順次表示することによって1画面内に合成するようにした。これにより、表示パターンを1つのみ用いて各視点映像を空間分割表示する場合と比べ、立体表示時の解像度を改善することができる。ここでは、第1および第2の表示パターン20A,20Bのうち、各視点映像を構成する単位画素同士が相対的に画面垂直方向へ平行移動した位置に存在するようにしたので、各視点映像における垂直方向の解像度をより向上させることができる。その結果、画面垂直方向の解像度と画面水平方向の解像度とのバランスを向上させつつ、高精細の立体映像を表示することができる。さらに、本実施の形態では、一方の配列パターン20Aにおいて表示されるサブ画素列が、他方の表示パターン20Bにおいて表示されるサブ画素列同士の中間に位置するので、合成映像20Rにおける画面内での解像度の均質性を確保することができる。
【0033】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態としての立体表示装置について説明する。なお、上記第1の実施の形態に係る立体表示装置と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0034】
上記第1の実施の形態では、液晶表示パネル2が、2種類の表示パターン(第1および第2の表示パターン20A,20B)を交互に表示(時分割表示)することにより、第1〜第4の視点映像の表示位置を周期的に2つの状態に切り換えるようにした。これに対し本実施の形態は、図9〜図11に示したように、液晶表示パネル2が、3種類の表示パターンを順次表示(時分割表示)することにより、第1〜第6の視点映像の表示位置を周期的に3つの状態に切り換えるようにしたものである。3種類の表示パターンは、液晶表示パネル2において第1の表示期間T1、第2の表示期間T2、第3の表示期間T3の順に表示される。
【0035】
図9〜図11は、液晶表示パネル2において時分割表示される3種類の表示パターン(第1〜第3の表示パターン25A〜25C)をそれぞれ表している。図9〜図11では、第1〜第6の視点映像をそれぞれ構成する第1〜第6のサブ画素列が、斜め方向に互いに平行に延在し、X軸方向において周期的に配置されている。第1のサブ画素列はサブ画素R1,G1,B1からなる。同様に、第2のサブ画素列はサブ画素R2,G2,B2、第3のサブ画素列はサブ画素R3,G3,B3、第4のサブ画素列はサブ画素R4,G4,B4、第5のサブ画素列はサブ画素R5,G5,B5、第6のサブ画素列はサブ画素R6,G6,B6によってそれぞれ構成される。この結果、斜め方向に延在するストライプ状の第1〜第6の視点映像が、X軸方向において周期的に配列されることとなる。
【0036】
図9の第1の表示パターン25Aと、図10の第2の表示パターン25Bと、図11の第3の表示パターン25Cとは、第1〜第6の視点映像をそれぞれ表示する単位画素の位置が相互に異なっている。ここで、第1の表示パターン25Aは第1の表示期間T1において表示され、第2の表示パターン25Bは第2の表示期間T2において表示され、第3の表示パターン25Cは第3の表示期間T3において表示される。
【0037】
図9〜図11では、いずれも、第1の視点映像を構成するサブ画素R1,G1,B1のみを網掛けして示している。第1〜第3の表示パターン25A,25B,25Cにおいて相互に対応する単位画素同士は、相対的にY軸方向へ平行移動したときに互いに重なり合う位置に設けられている。例えば、第1の表示パターン25A1における画素4A1は、Y軸方向へサブ画素2つ分または4つ分移動することにより、第2および第3の表示パターン25B,25Cにおける画素4A2,4A3と重なり合う関係にある。
【0038】
本実施の形態においても、第1〜第3の表示期間T1〜T3が極めて短い時間であるため、観察者には、時分割表示される第1〜第3の表示パターン25A,25B,25Cが全て重なり合った1つの映像として認識される。すなわち、観察者にとっては、例えば右眼10Rから得られる第1の視点映像として、図12に示したような合成映像25Rが認識される。よって、第1〜第3の表示期間T1〜T3を通して、結果的に液晶表示パネル2上の全サブ画素のうち半分を使用して第1の視点映像が表示されることとなる。したがって、第1の視点映像の表示に関して、空間的な解像度は、時分割表示を行わない場合(1つの表示パターンのみによって第1の視点映像を空間分割表示する場合)と比較して2倍に向上する。ここでは、第1〜第3の表示パターン25A,25B,25Cにおいて相互に対応する単位画素同士が相対的に画面垂直方向へ平行移動した位置に存在するので、第1の視点映像における画面垂直方向の解像度が2倍に向上することとなる。第2〜第6の視点映像についても同様である。
【0039】
このように、本実施の形態においても、空間分割された第1〜第6の視点映像を、時間分割された第1〜第3の表示パターン25A〜25Cを順次表示することによって1画面内に合成するようにした。これにより、1つの表示パターンを用いて各視点映像を空間分割表示する場合と比べ、立体表示時の解像度を改善することができる。ここで、第1〜第3の表示パターン25A〜25Cのうち、各視点映像を構成する単位画素同士が相対的に画面垂直方向へ平行移動した位置に存在するようにしたので、各視点映像における垂直方向の解像度をより向上させることができる。その結果、画面垂直方向の解像度と画面水平方向の解像度とのバランスを向上させつつ、高精細の立体映像を表示することができる。
【0040】
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態としての立体表示装置について説明する。なお、上記第1の実施の形態に係る立体表示装置と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0041】
上記第1の実施の形態では、液晶表示パネル2が、2種類の表示パターン(第1および第2の表示パターン20A,20B)を交互に表示(時分割表示)することにより、第1〜第4の視点映像の表示位置を周期的に2つの状態に切り換えるようにした。これに対し本実施の形態は、図13に示したように、液晶表示パネル2が、2種類の表示パターンを順次表示(時分割表示)することにより、第1および第2の視点映像の表示位置を周期的に2つの状態に切り換えるようにしたものである。
【0042】
図13(A),13(B)は、液晶表示パネル2において時分割表示される2種類の表示パターン(第1および第2の表示パターン26A,26B)をそれぞれ表している。図13では、第1および第2の視点映像をそれぞれ構成する第1および第2のサブ画素列が、斜め方向に互いに平行に延在し、X軸方向において交互に繰り返して配置されている。第1のサブ画素列はサブ画素R1,G1,B1からなり、第2のサブ画素列はサブ画素R2,G2,B2からなる。この結果、斜め方向に延在するストライプ状の第1および第2の視点映像が、X軸方向において交互に配列されることとなる。
【0043】
図13(A)の第1の表示パターン26Aと、図13(B)の第2の表示パターン26Bとは、第1の視点映像を表示する単位画素の位置と、第2の視点映像を表示する単位画素の位置とが相互に入れ替わっている。ここで、第1の表示パターン26Aは第1の表示期間T1において表示され、第2の表示パターン26Bは第2の表示期間T2において表示される。
【0044】
本実施の形態においても、第1および第2の表示期間T1,T2が極めて短い時間であるため、観察者には、時分割表示される第1および第2の表示パターン26A,26Bが全て重なり合った1つの映像として認識される。よって、第1および第2の表示期間T1,T2を通して、結果的に液晶表示パネル2上の全サブ画素を使用して第1および第2の視点映像がそれぞれ表示されることとなる。したがって、第1および第2の視点映像の表示に関して、空間的な解像度の低下は生じない。
【実施例】
【0045】
本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
【0046】
一般にステップバリア方式では、特定の視点数での解像度バランスは改善されるものの、それ以外の視点数では十分な解像度バランスが得られない場合がある。例えば、斜め方向へ順次配列された複数色のサブ画素によって形成されると共に空間分割および時分割されたストライプ状の視点映像の場合、元の2次元表示画像と比較して以下の式(1),(2)に示す解像度劣化が生じる。但し、Dは時分割表示される表示パターンの数であり、Cはサブ画素の色の種類の数であり、RVは垂直方向の解像度劣化指数であり、RHは水平方向の解像度劣化指数であり、OPは視点数である。なお、ここでは同色のサブ画素が垂直方向へ並び、異色のサブ画素が水平方向へ順に繰り返し並ぶように構成された2次元表示パネルを想定している。
【0047】
RV=D/OP ……(1)
RH=C/OP ……(2)
【0048】
ここで、解像度バランス指数Kを式(3)のように定義すると、垂直方向の解像度劣化指数RVと水平方向の解像度劣化指数RHとが一致する場合、すなわち、K=0のときに最も良好な解像度バランスとなる。一方、解像度バランス指数Kが大きくなるほど解像度バランスが劣化するといえる。
K=|log(RH/RV)| ……(3)
式(3)は、式(1),(2)に基づいて書き換えると
K=|log(C/D)| ……(4)
となる。
【0049】
そこで、本実施例では、3色のサブ画素により立体表示映像を表示する場合に、元の2次元表示画像と比較して解像度バランスがどのように変化するのかを算出した。具体的には、以下に示す条件を満たす比較例、実施例1および実施例2の各々について、視点数による解像度バランス指数Kの変化を求めた。その結果を図14に示す。なお、時分割された表示パターンでは、相互に対応する単位画素同士が相対的に画面垂直方向へ平行移動したときに重なり合う位置となるようにした。
【0050】
比較例;空間分割表示のみを行い時分割表示を行わなかった場合(D=1)。
実施例1;空間分割表示と共に視点映像の数(視点数OP)の半分の数(OP/2)の時分割表示を行った場合。
実施例2;空間分割表示と共に視点数OPと同じ数の時分割表示を行った場合。
【0051】
図14に示したように、空間分割表示のみを行う比較例では、視点数OPが9の場合に完全な解像度バランスが得られ、視点数OPが9から遠ざかるほど解像度バランス指数Kが上昇(すなわち、解像度バランスが劣化)してしまう。これに対し、視点数OPを表示パターンの数の2倍とした場合(実施例1)には、視点数OPが4および6のときに比較例よりも解像度バランスが改善され、視点数OPを表示パターンの数と同数とした場合(実施例2)には、視点数OPが2,3および4のときに比較例よりも解像度バランスが改善されることがわかった。
【0052】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、2次元表示部における単位画素を、R(赤色),G(緑色),B(青色)の3色のサブ画素によって構成する場合について説明したが、本発明では4色以上のサブ画素(R(赤色),G(緑色),B(青色)とW(白色)もしくはY(黄色)との組み合わせ)によって構成してもよい。
【0053】
また、本発明は、視点映像の数および表示パターンの数、ならびにその組み合わせは、上記実施の形態等で説明したものに限定されるものではない。すなわち、本発明の表示部は、空間的に分割されたp個(pは2以上の整数)の視点映像を、時間的に分割されたq個(qは2以上p以下の整数)の表示パターンを順次表示することによって1画面内に合成するものであればよい。したがって、本発明の可変式パララックスバリアは、複数の光透過部および複数の遮光部の配置状態がq個の表示パターンに対応して切り替え可能に構成され、表示部に表示されたq個の表示パターンを各々構成するp個の視点映像を、p個の視点での立体視が可能となるように光学的に分離するものであればよい。
【0054】
また、上記実施の形態では、観察者の側から光学分離素子としての可変式パララックスバリアと、2次元表示部としての液晶表示パネルと、光源としてのバックライトとを順に配置するようにした。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば観察者の側から2次元表示部と光学分離素子と光源とを順に配置するようにしてもよい。その場合、2次元表示部としては、例えば透過型の液晶ディスプレイを用いればよい。
【0055】
また、上記実施の形態では、表示部としてバックライトを使用するカラー液晶ディスプレイを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば有機EL素子を用いたディスプレイやプラズマディスプレイであってもよい。
【0056】
また、上記実施の形態では、バリアパターンにおける開口の形状をステップ形状としたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば斜め方向へ延在するストライプ状としてもよい。
【0057】
また、上記実施の形態では、光学分離素子として可変式のパララックスバリアを用いるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、透過光に対して光学的作用を付与する液晶レンズやレンチキュラーレンズを光学分離素子として用いることができる。液晶レンズは、例えば所定間隔で対向配置された一対の透明電極基板の間に液晶層を挿入したものであり、一対の透明電極基板の間に印加される電圧の状態に応じて、レンズ効果の無い状態とレンズ効果が発生する状態とに電気的に切り替え可能なものである。ここで、表示部に表示される表示パターンに応じて面内方向における印加電圧を適宜調整することにより、可変式パララックスバリアと同様の効果を得ることができる。また、レンチキュラーレンズは、シリンドリカルレンズを一次元方向に複数並べたものである。このレンチキュラーレンズについても、表示部に対して画面水平方向の位置を変化させることで、可変式パララックスバリアと同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0058】
1…スイッチ液晶パネル(可変式パララックスバリア)、2…液晶表示パネル、3…バックライト、10A,10B…第1および第2のバリアパターン、20A,20B…第1および第2の表示パターン、4…単位画素、R…(赤色)サブ画素、G…(緑色)サブ画素、B…(青色)サブ画素、10L…左眼、10R…右眼、11…遮蔽部、12…開口、21…タイミングコントローラ、22…タイミングコントローラ、23…視点映像データ出力部、24…バリア用画素データ出力部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、パララックスバリア方式による立体表示が可能な立体表示装置および立体表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、立体視表示を実現できる表示装置(立体表示装置)が注目を集めている。立体視表示は、互いに視差のある(視点の異なる)左眼用映像と右眼用映像を表示するものであり、観察者が左右の目でそれぞれを見ることにより奥行きのある立体的な映像として認識することができる。また、互いに視差がある3つ以上の映像を表示することにより、観察者に対してより自然な立体映像を提供することが可能な表示装置も開発されている。
【0003】
このような立体表示装置は、専用の眼鏡が必要なものと不要なものとに大別されるが、観察者にとっては専用の眼鏡は煩わしく感じるものであり、専用の眼鏡が不要なもの(すなわち裸眼で立体視が可能なもの)が望ましい。裸眼で立体視が可能な立体表示装置としては、例えばパララックスバリア(視差バリア)方式やレンチキュラー方式を採用した立体表示装置が知られている。これらの方式の立体表示装置では、互いに視差がある複数の映像(視点映像)を同時に表示し、表示装置と観察者の視点との相対的な位置関係(角度)によって見える映像が異なるようになっている。このような立体表示装置で複数の視点の映像を表示した場合には、映像の実質的な解像度が、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置などの表示装置自体の解像度を視点の数で割ったものとなり、画質が低下してしまうという問題があった。
【0004】
この問題を解決するために、様々な検討がなされている。例えば、特許文献1には、パララックスバリア方式において、各バリアの透過状態および遮断状態を時分割的に切り替えて時分割表示することにより、等価的に解像度を改善する方法が提案されている。
【0005】
ところが、パララックスバリアが画面垂直方向へ延在する場合には、画面水平方向における解像度を向上させることはできるものの、画面垂直方向における解像度の向上は困難である。そこで、画面水平方向の解像度と画面垂直方向の解像度とのバランス(解像度バランス)を改善するための技術として、ステップバリア方式が開発されている。このようなステップバリア方式では、パララックスバリアの開口の並び方向(もしくは延在方向)、あるいはレンチキュラーレンズの軸方向が画面の斜め方向に設定され、斜め方向に隣接して一列に並ぶ複数色(例えばR(赤色),G(緑色),B(青色))のサブ画素が1つの単位画素を構成するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−157033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら最近では、視点数に関わらず、解像度バランスの改善と共に解像度そのものの改善も求められている。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、複数の視点映像を用いて立体表示を行う場合に、解像度バランスを損なうことなく解像度の劣化を改善することのできる立体表示装置および立体表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の立体表示装置は、空間的に分割されたp個(pは2以上の整数)の視点映像を、時間的に分割されたq個(qは2以上p以下の整数)の表示パターンを順次表示することによって1画面内に合成する2次元表示部と、この2次元表示部に表示されたq個の表示パターンの各々を構成するp個の視点映像を、p個の視点での立体視が可能となるように光学的に分離する光学分離素子を備える。ここで、2次元表示部は、カラー映像表示に必要なr種(rは3以上の整数)の色をそれぞれ表示する複数のサブ画素からなる単位画素を複数有し、画面垂直方向の同一列上に同色のサブ画素が配列され、かつ、画面水平方向の同一列上に異色のサブ画素が順に配列されたものである。また、q個の表示パターンのうちp個の視点映像の各々を構成する配列パターンは、それぞれ、斜め方向に並ぶ複数のサブ画素からなるサブ画素列が画面水平方向においてp列ごとに複数表示されたものである。1画面内に合成されたq個の表示パターンは、相対的に画面垂直方向へ平行移動したときに相互に対応する単位画素同士が重なり合うこととなる位置に設けられている。光学分離素子は、例えば、2次元表示部からの光または2次元表示部へ向かう光を透過する複数の光透過部と、2次元表示部からの光または2次元表示部へ向かう光を遮蔽する複数の遮光部とを有し、それら複数の光透過部および複数の遮光部の配置状態がq個の表示パターンに対応して切り替え可能に構成された可変式パララックスバリアである。
【0010】
本発明の第2の立体表示装置は、空間的に分割されたp個(pは2以上の整数)の視点映像を、時間的に分割されたq個(qは2以上p以下の整数)の表示パターンで順次表示する表示部と、p個の視点映像を光学的に分離する光学分離素子とを備える。ここで、表示部は、斜め方向に並ぶ複数のサブ画素からなる単位画素を複数有し、q個の表示パターンは、相対的に画面垂直方向へ平行移動したときに相互に対応する単位画素同士が重なり合うこととなる位置に設けられている。
【0011】
本発明の立体表示方法は、空間的に分割されたp個(pは2以上の整数)の視点映像を、時間的に分割されたq個(qは2以上p以下の整数)の表示パターンを順次表示することによって2次元表示部の1画面内に合成するステップと、光学分離素子を用い、2次元表示部に表示されたq個の表示パターンの各々を構成するp個の視点映像を、p個の視点での立体視が可能となるように光学的に分離するステップとを含む。ここで、2次元表示部として、カラー映像表示に必要なr種(rは3以上の整数)の色をそれぞれ表示する複数のサブ画素からなる単位画素を複数有し、画面垂直方向の同一列上に同色のサブ画素が配列され、かつ、画面水平方向の同一列上に異色のサブ画素が順に配列されたものを用いる。また、q個の表示パターンのうちp個の視点映像の各々を構成する配列パターンを、それぞれ、斜め方向に並ぶ複数のサブ画素からなるサブ画素列が画面水平方向においてp列ごとに複数表示されたものとする。さらに、q個の表示パターンを、相対的に画面垂直方向へ平行移動したときに相互に対応する単位画素同士が重なり合うこととなる位置に設ける。光学分離素子としては、例えば、2次元表示部からの光または2次元表示部へ向かう光を透過する複数の光透過部と、2次元表示部からの光または2次元表示部へ向かう光を遮蔽する複数の遮光部とを有し、それら複数の光透過部および複数の遮光部の配置状態がq個の表示パターンに対応して切り替え可能に構成された可変式パララックスバリアを用いるとよい。
【0012】
本発明の立体表示装置および立体表示方法では、複数の表示パターンのうちの、空間分割された各視点映像を構成する配列パターンは、それぞれ、斜め方向に並ぶ複数のサブ画素の列が画面水平方向において所定間隔で複数表示されたものである。このような複数の表示パターンを順次、時分割的に表示することにより、それら複数の表示パターンが視点映像ごとに時間積分された一の合成映像を形成することとなる。また、複数の表示パターンにおいて相互に対応する単位画素同士は、相対的に画面垂直方向へ平行移動したときに重なり合う位置に存在しているので、垂直方向の解像度が改善される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の立体表示装置および立体表示方法によれば、空間分割された複数の視点映像を、時間分割された複数の表示パターンを順次表示することによって1画面内に合成するようにした。これにより、1つの表示パターンを用いて各視点映像を空間分割表示する場合と比べ、立体表示時の解像度低下を改善することができる。さらに、1画面内に合成された複数の表示パターンは、相対的に画面垂直方向へ平行移動したときに、相互に対応する単位画素同士が重なり合うこととなる位置に設けられているので、各視点映像における垂直方向の解像度をより向上させることができる。ここで、サブ画素の色の種類、視点映像の数および表示パターンの数を適切に選択することにより、画面垂直方向の解像度と画面水平方向の解像度とのバランスを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る立体表示装置の構成を示す構成図である。
【図2】第1の実施の形態に係る立体表示装置における表示制御に関わる回路を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態に係る立体表示装置における液晶表示パネルのサブ画素配列を示す平面図である。
【図4】図1などに示した液晶表示パネルに表示される第1および第2の表示パターンの例を表す平面図である。
【図5】図1などに示したスイッチ液晶パネルに形成される第1および第2のバリアパターンの例を表す平面図である。
【図6】第1および第2の表示期間において立体視をしている状態を模式的に表す説明図である。
【図7】第1の実施の形態において第1の視点映像を構成するサブ画素の配列パターンを表す平面図である。
【図8】第1の実施の形態において第1の視点映像として認識される合成映像を表す平面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における第1の表示パターンの例を表す平面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態における第2の表示パターンの例を表す平面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態における第3の表示パターンの例を表す平面図である。
【図12】第2の実施の形態において第1の視点映像として認識される合成映像を表す平面図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態における第1および第2の表示パターンの例を表す平面図である。
【図14】本発明の実施例としての立体表示装置における視点数と解像度バランスとの関係を表す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態という。)について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
<第1の実施の形態>
[立体像表示装置の構成]
図1は、本発明の第1の実施の形態としての立体表示装置の全体構成を表している。図2は、この立体表示装置の表示制御に関わる回路を示している。この立体表示装置は、図1に示したように、液晶表示パネル2と、液晶表示パネル2の背面側に配置されたバックライト3と、液晶表示パネル2の表示面側に対向するように配置されたスイッチ液晶パネル1とを備えている。この立体表示装置はまた、図2に示したように、液晶表示パネル2における表示動作を制御するためのタイミングコントローラ21および視点映像データ出力部23を備えている。さらに、スイッチ液晶パネル1におけるスイッチング動作を制御するためのタイミングコントローラ22およびバリア用画素データ出力部24を備えている。
【0017】
図3は、液晶表示パネル2の画素配列の例を示している。液晶表示パネル2は、カラー表示に必要とされるR(赤色),G(緑色),B(青色)の3色のサブ画素が2次元的に複数配列された画素構造を有している。図3に示したように、画面水平方向(X軸方向)の同一列上には各色のサブ画素が周期的に現れ、かつ、画面垂直方向(Y軸方向)の同一列には同一色のサブ画素が並ぶような画素配列とされている。液晶表示パネル2は、このような画素構造において、バックライト3から照射された光をサブ画素ごとに変調させることで2次元的に画像表示を行うようになっている。液晶表示パネル2は、タイミングコントローラ21の制御に基づいて、視点映像データ出力部23から出力された立体表示用の視差画像の表示を行うようになっている。
【0018】
なお、立体視を実現するためには、左眼10Lと右眼10Rとに異なる視点映像を見せる必要があるため、少なくとも右眼用映像と左眼用映像との2つの視点映像が必要となる。3つ以上の視点映像を用いた場合には多眼視を実現できる。本実施の形態では、4つの視点映像(第1〜第4の視点映像)を形成する(すなわち、視点数を4とする)と共に、そのうちの2つの視点映像(ここでは第1および第2の視点映像)を用いて観察する場合を説明する。
【0019】
液晶表示パネル2は、右眼用(第1視点)および左眼用(第2視点)を含む4つの視点映像を空間的に分割すると共に、時間的に分割されたq個(qは2以上p以下の整数)の表示パターンを順次表示することによって1画面内に合成して表示するようになっている。ここで、液晶表示パネル2は、2種類の表示パターンを交互に表示(時分割表示)することにより、4つの視点映像の表示位置を周期的に2つの状態に切り換えるようになっている。各表示パターンに対応する画像データは、視点映像データ出力部23から出力されるようになっている。各表示パターンを表示するタイミングは、タイミングコントローラ21によって制御されるようになっている。
【0020】
図4(A),4(B)は、時分割表示される2種類の表示パターンの例として、第1および第2の表示パターン20A,20Bを示している。図4(A),4(B)では、例えばR1,G1,B1の符号を付したサブ画素からなる第1のサブ画素列と、R2,G2,B2の符号を付したサブ画素からなる第2のサブ画素列と、R3,G3,B3の符号を付したサブ画素からなる第3のサブ画素列と、R4,G4,B4の符号を付したサブ画素からなる第4のサブ画素列とが各々斜め方向に平行に延在し、画面水平方向において周期的に配置されている。サブ画素R1,G1,B1は、第1の視点映像(例えば右眼用映像)を表示する単位画素4Aの構成要素となり、サブ画素R2,G2,B2は、第2の視点映像(例えば左眼用映像)を表示する単位画素4Bの構成要素となる。なお、サブ画素R3,G3,B3からなる単位画素4Cが第3の視点映像を構成し、サブ画素R4,G4,B4からなる単位画素4Dが第4の視点映像を構成する。この結果、斜め方向に延在するストライプ状の第1〜第4の視点映像が、画面水平方向において周期的に配列されることとなる。
【0021】
図4(A)の第1の表示パターン20Aと、図4(B)の第2の表示パターン20Bとは、第1〜第4の視点映像をそれぞれ表示する単位画素の位置が相互に異なっている。例えば第1の表示パターン20Aにおいて第1の視点映像が割り当てられていたサブ画素R1,G1,B1からなる単位画素4Aは、第2の表示パターン20Bでは第3の視点映像が割り当てられ、サブ画素R3,G3,B3からなる単位画素4Cとなっている。同様に、第1の表示パターン20Aにおいて第2、第3または第4の視点映像が割り当てられていた単位画素4B,4C,4Dは、それぞれ、第2の表示パターン20Bでは第4、第1または第2の視点映像が割り当てられ、単位画素4D,4A,4Bとなっている。
【0022】
スイッチ液晶パネル1は、2次元的に配列された複数の画素を有し、画素ごとに光を透過する状態と透過しない状態とに切り換えるスイッチング動作が可能なものである。スイッチ液晶パネル1は、可変式のパララックスバリアとしての機能を実現するものである。スイッチ液晶パネル1は、液晶表示パネル2に表示された各視差画像を、立体視が可能となるように光学的に分離するためのバリアパターンを形成するようになっている。スイッチ液晶パネル1は、図4(A),4(B)に示した第1および第2の表示パターン20A,20Bに各々対応する2種類のバリアパターンを周期的に2つの状態に切り換えて形成するようになっている。
【0023】
図5(A),5(B)は、その2つのバリアパターン(第1および第2のバリアパターン10A,10B)の例を示している。第1および第2のバリアパターン10A,10Bは、いずれも液晶表示パネル2からの表示画像光を遮蔽する遮蔽部(遮光部)11と、表示画像光を透過する開口(光透過部)12とからなるパターンである。図5(A)は、図4(A)の第1の表示パターン20Aに対応する第1のバリアパターン10Aであり、図5(B)は、図4(B)の第2の表示パターン20Bに対応する第2のバリアパターン10Bである。すなわち、第1のバリアパターン10Aは、第1の表示パターン20Aで各視点映像を表示しているときに立体視が可能となるように表示画像光を光学的に分離するものである。一方、第2のバリアパターン10Bは、第2の表示パターン20Bで各視点映像を表示しているときに立体視が可能となるように表示画像光を光学的に分離するものである。第1および第2のバリアパターン10A,10Bにおける開口12の配置位置および形状は、この立体表示装置を所定の位置、所定の方向から観察者が見たときに、観察者の左右の眼10L,10Rに異なる視点映像の光が別々に入射されるように設定されている。なお、図5(A),5(B)では、開口12が、第1〜第4のサブ画素列に対応して斜め方向へ延在するステップ形状を有するものとした。
【0024】
スイッチ液晶パネル1において第1および第2のバリアパターン10A,10Bを形成するための画素データは、バリア用画素データ出力部24から出力されるようになっている。スイッチ液晶パネル1における各バリアパターンを形成するタイミング(各サブ画素からの光を透過する状態と透過しない状態とに切り換えるタイミング)は、タイミングコントローラ22によって制御されるようになっている。液晶表示パネル2で表示する各表示パターンの画像データは視点映像データ出力部23から出力されるが、このとき各表示パターンが切り替わるときに得られるフレーム信号がバリア用画素データ出力部24を介してタイミングコントローラ22に出力されている。タイミングコントローラ22は、そのフレーム信号に基づいて、各バリアパターンの切り換えタイミングを、液晶表示パネル2における各表示パターンの切り換えタイミングと同期するように制御するようになっている。
【0025】
[立体表示装置の動作]
この立体表示装置では、液晶表示パネル2において、1画面内に各視点映像が第1および第2の表示パターン20A,20Bに空間分割されて表示されると共に、それら第1および第2の表示パターン20A,20Bが周期的に切り換えて表示される。すなわち、各視点映像が空間的、かつ時間的に分割されて液晶表示パネル2に表示される。スイッチ液晶パネル1では、これら第1および第2の表示パターン20A,20Bの切り換えに同期して、立体視が可能となるように周期的に第1および第2のバリアパターン10A,10Bを形成する。
【0026】
図6(A)は、この立体表示装置において、第1の表示期間T1内で立体視している状態を模式的に示している。図6(B)は、第1の表示期間T1とは異なる第2の表示期間T2内で立体視している状態を模式的に示している。ここで、第1および第2の表示期間T1,T2は、いずれも60分の1秒以下(60Hz以上)であることが望ましい。第1の表示期間T1では、液晶表示パネル2には第1の表示パターン20A(図4(A))が表示されると共に、スイッチ液晶パネル1には第1のバリアパターン10A(図5(A))が形成される。一方、第2の表示期間T2では、液晶表示パネル2には第2の表示パターン20B(図4(B))が表示されると共に、スイッチ液晶パネル1には第2のバリアパターン10B(図5(B))が形成される。
【0027】
図6(A),6(B)では、観察者の右眼10Rを第1視点、左眼10Lを第2視点としている。第1の表示期間T1では、第1〜第4の視点映像が、液晶表示パネル2上で、第1の表示パターン20Aに従ってサブ画素R1,G1,B1からなるサブ画素列と、サブ画素R2,G2,B2からなるサブ画素列と、サブ画素R3,G3,B3からなるサブ画素列と、サブ画素R4,G4,B4からなるサブ画素列とに順次割り振られて表示される。このような表示を、スイッチ液晶パネル1によって形成された第1のバリアパターン10A(図5(A))を介して観察する。こうすると、図6(A)に示したように、右眼10Rには第1の視点映像を形成するサブ画素R1,G1,B1からの光のみが認識される。一方、左眼10Lには第2の視点映像を形成するサブ画素R2,G2,B2からの光のみが認識される。これにより、第1の表示期間T1においては、第1の視点映像と第2の視点映像とに基づく立体像が知覚される。なお、図6(A)は、図4(A)において破線で囲んだ領域VIAにおける、画面(XY平面)と直交する断面構成を表す概念図である。
【0028】
さらに、第1の表示期間T1に続く第2の表示期間T2においては、第1〜第4の視点映像が、液晶表示パネル2上で、第2の表示パターン20Bに従ってサブ画素R1,G1,B1からなるサブ画素列と、サブ画素R2,G2,B2からなるサブ画素列と、サブ画素R3,G3,B3からなるサブ画素列と、サブ画素R4,G4,B4からなるサブ画素列とに順次割り振られて表示される。このような表示を、スイッチ液晶パネル1によって形成された第2のバリアパターン10B(図5(B))を介して観察する。こうすると、図6(B)に示したように、右眼10Rには第1の視点映像を形成するサブ画素R1,G1,B1からの光のみが認識される。一方、左眼10Lには第2の視点映像を形成するサブ画素R2,G2,B2からの光のみが認識される。これにより、第2の表示期間T2においても、第1の視点映像と第2の視点映像とに基づく立体像が知覚される。なお、図6(B)は、図4(B)において破線で囲んだ領域VIBにおける、画面(XY平面)と直交する断面構成を表す概念図である。
【0029】
図7(A)は、第1の表示期間T1において右眼10Rによって視認できる第1の視点映像を構成するサブ画素の配列パターン20A1を表している。一方、図7(B)は、第2の表示期間T2において右眼10Rによって視認できる第1の視点映像を構成するサブ画素の配列パターン20B1を表している。ここで、配列パターン20A1および配列パターン20B1において相互に対応する単位画素同士は、相対的に画面垂直方向へ平行移動したときに互いに重なり合う位置に設けられている。一方の配列パターン20A1において表示されるサブ画素列は、他方の配列パターン20B1において表示されるサブ画素列同士の中間に位置している。例えば、配列パターン20A1における画素4A1は、画面垂直方向へサブ画素2つ分移動することにより、配列パターン20B1における画素4A2と重なり合う関係にある。
【0030】
第1および第2の表示期間T1,T2は極めて短い時間であるため、観察者には、配列パターン20A1と配列パターン20B1とが重なり合った1つの映像として認識される。すなわち、観察者にとっては、右眼10Rから得られる第1の視点映像として、図8に示したように、図7(A)に示したサブ画素の配列パターン20A1と図7(B)に示したサブ画素の配列パターン20B1とを合成してなる合成映像20Rが認識される。よって、第1の表示期間T1と第2の表示期間T2とを通して、結果的に液晶表示パネル2上の全サブ画素のうち半分を使用して第1の視点映像が表示されることとなる。したがって、第1の視点映像の表示に関して、空間的な解像度は、時分割表示を行わない場合(1つの表示パターンのみによって第1の視点映像を空間分割表示する場合)と比較して2倍に向上する。ここでは、配列パターン20A1および配列パターン20B1において相互に対応する単位画素同士が相対的に画面垂直方向へ平行移動した位置に存在するので、第1の視点映像における画面垂直方向の解像度が2倍に向上することとなる。
【0031】
なお、本実施の形態では、第1の視点映像を右眼10Rで観察すると共に第2の視点映像を左眼10Lで観察することにより立体像を知覚するようにしたが、第1〜第4の視点映像のうちの2つを任意に組み合わせることで立体像の観察は可能である。
【0032】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態によれば、空間分割された第1〜第4の視点映像を、時間分割された第1および第2の表示パターン20A,20Bを順次表示することによって1画面内に合成するようにした。これにより、表示パターンを1つのみ用いて各視点映像を空間分割表示する場合と比べ、立体表示時の解像度を改善することができる。ここでは、第1および第2の表示パターン20A,20Bのうち、各視点映像を構成する単位画素同士が相対的に画面垂直方向へ平行移動した位置に存在するようにしたので、各視点映像における垂直方向の解像度をより向上させることができる。その結果、画面垂直方向の解像度と画面水平方向の解像度とのバランスを向上させつつ、高精細の立体映像を表示することができる。さらに、本実施の形態では、一方の配列パターン20Aにおいて表示されるサブ画素列が、他方の表示パターン20Bにおいて表示されるサブ画素列同士の中間に位置するので、合成映像20Rにおける画面内での解像度の均質性を確保することができる。
【0033】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態としての立体表示装置について説明する。なお、上記第1の実施の形態に係る立体表示装置と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0034】
上記第1の実施の形態では、液晶表示パネル2が、2種類の表示パターン(第1および第2の表示パターン20A,20B)を交互に表示(時分割表示)することにより、第1〜第4の視点映像の表示位置を周期的に2つの状態に切り換えるようにした。これに対し本実施の形態は、図9〜図11に示したように、液晶表示パネル2が、3種類の表示パターンを順次表示(時分割表示)することにより、第1〜第6の視点映像の表示位置を周期的に3つの状態に切り換えるようにしたものである。3種類の表示パターンは、液晶表示パネル2において第1の表示期間T1、第2の表示期間T2、第3の表示期間T3の順に表示される。
【0035】
図9〜図11は、液晶表示パネル2において時分割表示される3種類の表示パターン(第1〜第3の表示パターン25A〜25C)をそれぞれ表している。図9〜図11では、第1〜第6の視点映像をそれぞれ構成する第1〜第6のサブ画素列が、斜め方向に互いに平行に延在し、X軸方向において周期的に配置されている。第1のサブ画素列はサブ画素R1,G1,B1からなる。同様に、第2のサブ画素列はサブ画素R2,G2,B2、第3のサブ画素列はサブ画素R3,G3,B3、第4のサブ画素列はサブ画素R4,G4,B4、第5のサブ画素列はサブ画素R5,G5,B5、第6のサブ画素列はサブ画素R6,G6,B6によってそれぞれ構成される。この結果、斜め方向に延在するストライプ状の第1〜第6の視点映像が、X軸方向において周期的に配列されることとなる。
【0036】
図9の第1の表示パターン25Aと、図10の第2の表示パターン25Bと、図11の第3の表示パターン25Cとは、第1〜第6の視点映像をそれぞれ表示する単位画素の位置が相互に異なっている。ここで、第1の表示パターン25Aは第1の表示期間T1において表示され、第2の表示パターン25Bは第2の表示期間T2において表示され、第3の表示パターン25Cは第3の表示期間T3において表示される。
【0037】
図9〜図11では、いずれも、第1の視点映像を構成するサブ画素R1,G1,B1のみを網掛けして示している。第1〜第3の表示パターン25A,25B,25Cにおいて相互に対応する単位画素同士は、相対的にY軸方向へ平行移動したときに互いに重なり合う位置に設けられている。例えば、第1の表示パターン25A1における画素4A1は、Y軸方向へサブ画素2つ分または4つ分移動することにより、第2および第3の表示パターン25B,25Cにおける画素4A2,4A3と重なり合う関係にある。
【0038】
本実施の形態においても、第1〜第3の表示期間T1〜T3が極めて短い時間であるため、観察者には、時分割表示される第1〜第3の表示パターン25A,25B,25Cが全て重なり合った1つの映像として認識される。すなわち、観察者にとっては、例えば右眼10Rから得られる第1の視点映像として、図12に示したような合成映像25Rが認識される。よって、第1〜第3の表示期間T1〜T3を通して、結果的に液晶表示パネル2上の全サブ画素のうち半分を使用して第1の視点映像が表示されることとなる。したがって、第1の視点映像の表示に関して、空間的な解像度は、時分割表示を行わない場合(1つの表示パターンのみによって第1の視点映像を空間分割表示する場合)と比較して2倍に向上する。ここでは、第1〜第3の表示パターン25A,25B,25Cにおいて相互に対応する単位画素同士が相対的に画面垂直方向へ平行移動した位置に存在するので、第1の視点映像における画面垂直方向の解像度が2倍に向上することとなる。第2〜第6の視点映像についても同様である。
【0039】
このように、本実施の形態においても、空間分割された第1〜第6の視点映像を、時間分割された第1〜第3の表示パターン25A〜25Cを順次表示することによって1画面内に合成するようにした。これにより、1つの表示パターンを用いて各視点映像を空間分割表示する場合と比べ、立体表示時の解像度を改善することができる。ここで、第1〜第3の表示パターン25A〜25Cのうち、各視点映像を構成する単位画素同士が相対的に画面垂直方向へ平行移動した位置に存在するようにしたので、各視点映像における垂直方向の解像度をより向上させることができる。その結果、画面垂直方向の解像度と画面水平方向の解像度とのバランスを向上させつつ、高精細の立体映像を表示することができる。
【0040】
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態としての立体表示装置について説明する。なお、上記第1の実施の形態に係る立体表示装置と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0041】
上記第1の実施の形態では、液晶表示パネル2が、2種類の表示パターン(第1および第2の表示パターン20A,20B)を交互に表示(時分割表示)することにより、第1〜第4の視点映像の表示位置を周期的に2つの状態に切り換えるようにした。これに対し本実施の形態は、図13に示したように、液晶表示パネル2が、2種類の表示パターンを順次表示(時分割表示)することにより、第1および第2の視点映像の表示位置を周期的に2つの状態に切り換えるようにしたものである。
【0042】
図13(A),13(B)は、液晶表示パネル2において時分割表示される2種類の表示パターン(第1および第2の表示パターン26A,26B)をそれぞれ表している。図13では、第1および第2の視点映像をそれぞれ構成する第1および第2のサブ画素列が、斜め方向に互いに平行に延在し、X軸方向において交互に繰り返して配置されている。第1のサブ画素列はサブ画素R1,G1,B1からなり、第2のサブ画素列はサブ画素R2,G2,B2からなる。この結果、斜め方向に延在するストライプ状の第1および第2の視点映像が、X軸方向において交互に配列されることとなる。
【0043】
図13(A)の第1の表示パターン26Aと、図13(B)の第2の表示パターン26Bとは、第1の視点映像を表示する単位画素の位置と、第2の視点映像を表示する単位画素の位置とが相互に入れ替わっている。ここで、第1の表示パターン26Aは第1の表示期間T1において表示され、第2の表示パターン26Bは第2の表示期間T2において表示される。
【0044】
本実施の形態においても、第1および第2の表示期間T1,T2が極めて短い時間であるため、観察者には、時分割表示される第1および第2の表示パターン26A,26Bが全て重なり合った1つの映像として認識される。よって、第1および第2の表示期間T1,T2を通して、結果的に液晶表示パネル2上の全サブ画素を使用して第1および第2の視点映像がそれぞれ表示されることとなる。したがって、第1および第2の視点映像の表示に関して、空間的な解像度の低下は生じない。
【実施例】
【0045】
本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
【0046】
一般にステップバリア方式では、特定の視点数での解像度バランスは改善されるものの、それ以外の視点数では十分な解像度バランスが得られない場合がある。例えば、斜め方向へ順次配列された複数色のサブ画素によって形成されると共に空間分割および時分割されたストライプ状の視点映像の場合、元の2次元表示画像と比較して以下の式(1),(2)に示す解像度劣化が生じる。但し、Dは時分割表示される表示パターンの数であり、Cはサブ画素の色の種類の数であり、RVは垂直方向の解像度劣化指数であり、RHは水平方向の解像度劣化指数であり、OPは視点数である。なお、ここでは同色のサブ画素が垂直方向へ並び、異色のサブ画素が水平方向へ順に繰り返し並ぶように構成された2次元表示パネルを想定している。
【0047】
RV=D/OP ……(1)
RH=C/OP ……(2)
【0048】
ここで、解像度バランス指数Kを式(3)のように定義すると、垂直方向の解像度劣化指数RVと水平方向の解像度劣化指数RHとが一致する場合、すなわち、K=0のときに最も良好な解像度バランスとなる。一方、解像度バランス指数Kが大きくなるほど解像度バランスが劣化するといえる。
K=|log(RH/RV)| ……(3)
式(3)は、式(1),(2)に基づいて書き換えると
K=|log(C/D)| ……(4)
となる。
【0049】
そこで、本実施例では、3色のサブ画素により立体表示映像を表示する場合に、元の2次元表示画像と比較して解像度バランスがどのように変化するのかを算出した。具体的には、以下に示す条件を満たす比較例、実施例1および実施例2の各々について、視点数による解像度バランス指数Kの変化を求めた。その結果を図14に示す。なお、時分割された表示パターンでは、相互に対応する単位画素同士が相対的に画面垂直方向へ平行移動したときに重なり合う位置となるようにした。
【0050】
比較例;空間分割表示のみを行い時分割表示を行わなかった場合(D=1)。
実施例1;空間分割表示と共に視点映像の数(視点数OP)の半分の数(OP/2)の時分割表示を行った場合。
実施例2;空間分割表示と共に視点数OPと同じ数の時分割表示を行った場合。
【0051】
図14に示したように、空間分割表示のみを行う比較例では、視点数OPが9の場合に完全な解像度バランスが得られ、視点数OPが9から遠ざかるほど解像度バランス指数Kが上昇(すなわち、解像度バランスが劣化)してしまう。これに対し、視点数OPを表示パターンの数の2倍とした場合(実施例1)には、視点数OPが4および6のときに比較例よりも解像度バランスが改善され、視点数OPを表示パターンの数と同数とした場合(実施例2)には、視点数OPが2,3および4のときに比較例よりも解像度バランスが改善されることがわかった。
【0052】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、2次元表示部における単位画素を、R(赤色),G(緑色),B(青色)の3色のサブ画素によって構成する場合について説明したが、本発明では4色以上のサブ画素(R(赤色),G(緑色),B(青色)とW(白色)もしくはY(黄色)との組み合わせ)によって構成してもよい。
【0053】
また、本発明は、視点映像の数および表示パターンの数、ならびにその組み合わせは、上記実施の形態等で説明したものに限定されるものではない。すなわち、本発明の表示部は、空間的に分割されたp個(pは2以上の整数)の視点映像を、時間的に分割されたq個(qは2以上p以下の整数)の表示パターンを順次表示することによって1画面内に合成するものであればよい。したがって、本発明の可変式パララックスバリアは、複数の光透過部および複数の遮光部の配置状態がq個の表示パターンに対応して切り替え可能に構成され、表示部に表示されたq個の表示パターンを各々構成するp個の視点映像を、p個の視点での立体視が可能となるように光学的に分離するものであればよい。
【0054】
また、上記実施の形態では、観察者の側から光学分離素子としての可変式パララックスバリアと、2次元表示部としての液晶表示パネルと、光源としてのバックライトとを順に配置するようにした。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば観察者の側から2次元表示部と光学分離素子と光源とを順に配置するようにしてもよい。その場合、2次元表示部としては、例えば透過型の液晶ディスプレイを用いればよい。
【0055】
また、上記実施の形態では、表示部としてバックライトを使用するカラー液晶ディスプレイを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば有機EL素子を用いたディスプレイやプラズマディスプレイであってもよい。
【0056】
また、上記実施の形態では、バリアパターンにおける開口の形状をステップ形状としたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば斜め方向へ延在するストライプ状としてもよい。
【0057】
また、上記実施の形態では、光学分離素子として可変式のパララックスバリアを用いるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、透過光に対して光学的作用を付与する液晶レンズやレンチキュラーレンズを光学分離素子として用いることができる。液晶レンズは、例えば所定間隔で対向配置された一対の透明電極基板の間に液晶層を挿入したものであり、一対の透明電極基板の間に印加される電圧の状態に応じて、レンズ効果の無い状態とレンズ効果が発生する状態とに電気的に切り替え可能なものである。ここで、表示部に表示される表示パターンに応じて面内方向における印加電圧を適宜調整することにより、可変式パララックスバリアと同様の効果を得ることができる。また、レンチキュラーレンズは、シリンドリカルレンズを一次元方向に複数並べたものである。このレンチキュラーレンズについても、表示部に対して画面水平方向の位置を変化させることで、可変式パララックスバリアと同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0058】
1…スイッチ液晶パネル(可変式パララックスバリア)、2…液晶表示パネル、3…バックライト、10A,10B…第1および第2のバリアパターン、20A,20B…第1および第2の表示パターン、4…単位画素、R…(赤色)サブ画素、G…(緑色)サブ画素、B…(青色)サブ画素、10L…左眼、10R…右眼、11…遮蔽部、12…開口、21…タイミングコントローラ、22…タイミングコントローラ、23…視点映像データ出力部、24…バリア用画素データ出力部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間的に分割されたp個(pは2以上の整数)の視点映像を、時間的に分割されたq個(qは2以上p以下の整数)の表示パターンを順次表示することによって1画面内に合成する2次元表示部と、
前記2次元表示部に表示された前記q個の表示パターンの各々を構成するp個の視点映像を、p個の視点での立体視が可能となるように光学的に分離する光学分離素子と
を備え、
前記2次元表示部は、カラー映像表示に必要なr種(rは3以上の整数)の色をそれぞれ表示する複数のサブ画素からなる単位画素を複数有し、画面垂直方向の同一列上に同色の前記サブ画素が配列され、かつ、画面水平方向の同一列上に異色の前記サブ画素が順に配列されたものであり、
前記q個の表示パターンのうち前記p個の視点映像の各々を構成する配列パターンは、それぞれ、斜め方向に並ぶ複数の前記サブ画素からなるサブ画素列が画面水平方向においてp列ごとに複数表示されたものであり、
1画面内に合成された前記q個の表示パターンは、相対的に画面垂直方向へ平行移動したときに相互に対応する単位画素同士が重なり合うこととなる位置に設けられている
立体表示装置。
【請求項2】
前記サブ画素の色は3種類(r=3)であり、
前記視点映像の数および前記表示パターンの数は互いに等しく、かつ、2以上4以下の整数である
請求項1記載の立体表示装置。
【請求項3】
前記サブ画素の色は3種類(r=3)であり、
前記視点映像の数は前記表示パターンの数の2倍であり、かつ、4または6である
請求項1記載の立体表示装置。
【請求項4】
前記光学分離素子は、前記2次元表示部からの光または前記2次元表示部へ向かう光を透過する複数の光透過部と、前記2次元表示部からの光または前記2次元表示部へ向かう光を遮蔽する複数の遮光部とを有し、それら複数の光透過部および複数の遮光部の配置状態が前記q個の表示パターンに対応して切り替え可能に構成された可変式パララックスバリアである
請求項1記載の立体表示装置。
【請求項5】
前記可変式パララックスバリアにおける複数の光透過部は、前記サブ画素列に対応して斜め方向へ延在するステップ形状もしくはストライプ形状を有している
請求項4記載の立体表示装置。
【請求項6】
前記q個の表示パターンが表示される時間的間隔は1/60(秒)以下である請求項1記載の立体表示装置。
【請求項7】
前記表示パターンの数が2個(q=2)であり、一方の前記表示パターンにおいて表示される前記サブ画素列は、他方の前記表示パターンにおいて表示される前記サブ画素列同士の中間に位置する
請求項1記載の立体表示装置。
【請求項8】
空間的に分割されたp個(pは2以上の整数)の視点映像を、時間的に分割されたq個(qは2以上p以下の整数)の表示パターンで順次表示する表示部と、
前記p個の視点映像を光学的に分離する光学分離素子と
を備え、
前記表示部は、斜め方向に並ぶ複数の前記サブ画素からなる単位画素を複数有し、
前記q個の表示パターンは、相対的に画面垂直方向へ平行移動したときに相互に対応する単位画素同士が重なり合うこととなる位置に設けられている
立体表示装置。
【請求項9】
空間的に分割されたp個(pは2以上の整数)の視点映像を、時間的に分割されたq個(qは2以上p以下の整数)の表示パターンを順次表示することによって2次元表示部の1画面内に合成するステップと、
光学分離素子を用い、前記2次元表示部に表示された前記q個の表示パターンの各々を構成するp個の視点映像を、p個の視点での立体視が可能となるように光学的に分離するステップと
を含み、
前記2次元表示部として、カラー映像表示に必要なr種(rは3以上の整数)の色をそれぞれ表示する複数のサブ画素からなる単位画素を複数有し、画面垂直方向の同一列上に同色の前記サブ画素が配列され、かつ、画面水平方向の同一列上に異色の前記サブ画素が順に配列されたものを用い、
前記q個の表示パターンのうち前記p個の視点映像の各々を構成する配列パターンを、それぞれ、斜め方向に並ぶ複数の前記サブ画素からなるサブ画素列が画面水平方向においてp列ごとに複数表示されたものとし、
前記q個の表示パターンを、相対的に画面垂直方向へ平行移動したときに相互に対応する単位画素同士が重なり合うこととなる位置に設ける
立体表示方法。
【請求項10】
前記光学分離素子として、前記2次元表示部からの光または前記2次元表示部へ向かう光を透過する複数の光透過部と、前記2次元表示部からの光または前記2次元表示部へ向かう光を遮蔽する複数の遮光部とを有し、それら複数の光透過部および複数の遮光部の配置状態が前記q個の表示パターンに対応して切り替え可能に構成された可変式パララックスバリアを用いる
請求項9記載の立体表示方法。
【請求項1】
空間的に分割されたp個(pは2以上の整数)の視点映像を、時間的に分割されたq個(qは2以上p以下の整数)の表示パターンを順次表示することによって1画面内に合成する2次元表示部と、
前記2次元表示部に表示された前記q個の表示パターンの各々を構成するp個の視点映像を、p個の視点での立体視が可能となるように光学的に分離する光学分離素子と
を備え、
前記2次元表示部は、カラー映像表示に必要なr種(rは3以上の整数)の色をそれぞれ表示する複数のサブ画素からなる単位画素を複数有し、画面垂直方向の同一列上に同色の前記サブ画素が配列され、かつ、画面水平方向の同一列上に異色の前記サブ画素が順に配列されたものであり、
前記q個の表示パターンのうち前記p個の視点映像の各々を構成する配列パターンは、それぞれ、斜め方向に並ぶ複数の前記サブ画素からなるサブ画素列が画面水平方向においてp列ごとに複数表示されたものであり、
1画面内に合成された前記q個の表示パターンは、相対的に画面垂直方向へ平行移動したときに相互に対応する単位画素同士が重なり合うこととなる位置に設けられている
立体表示装置。
【請求項2】
前記サブ画素の色は3種類(r=3)であり、
前記視点映像の数および前記表示パターンの数は互いに等しく、かつ、2以上4以下の整数である
請求項1記載の立体表示装置。
【請求項3】
前記サブ画素の色は3種類(r=3)であり、
前記視点映像の数は前記表示パターンの数の2倍であり、かつ、4または6である
請求項1記載の立体表示装置。
【請求項4】
前記光学分離素子は、前記2次元表示部からの光または前記2次元表示部へ向かう光を透過する複数の光透過部と、前記2次元表示部からの光または前記2次元表示部へ向かう光を遮蔽する複数の遮光部とを有し、それら複数の光透過部および複数の遮光部の配置状態が前記q個の表示パターンに対応して切り替え可能に構成された可変式パララックスバリアである
請求項1記載の立体表示装置。
【請求項5】
前記可変式パララックスバリアにおける複数の光透過部は、前記サブ画素列に対応して斜め方向へ延在するステップ形状もしくはストライプ形状を有している
請求項4記載の立体表示装置。
【請求項6】
前記q個の表示パターンが表示される時間的間隔は1/60(秒)以下である請求項1記載の立体表示装置。
【請求項7】
前記表示パターンの数が2個(q=2)であり、一方の前記表示パターンにおいて表示される前記サブ画素列は、他方の前記表示パターンにおいて表示される前記サブ画素列同士の中間に位置する
請求項1記載の立体表示装置。
【請求項8】
空間的に分割されたp個(pは2以上の整数)の視点映像を、時間的に分割されたq個(qは2以上p以下の整数)の表示パターンで順次表示する表示部と、
前記p個の視点映像を光学的に分離する光学分離素子と
を備え、
前記表示部は、斜め方向に並ぶ複数の前記サブ画素からなる単位画素を複数有し、
前記q個の表示パターンは、相対的に画面垂直方向へ平行移動したときに相互に対応する単位画素同士が重なり合うこととなる位置に設けられている
立体表示装置。
【請求項9】
空間的に分割されたp個(pは2以上の整数)の視点映像を、時間的に分割されたq個(qは2以上p以下の整数)の表示パターンを順次表示することによって2次元表示部の1画面内に合成するステップと、
光学分離素子を用い、前記2次元表示部に表示された前記q個の表示パターンの各々を構成するp個の視点映像を、p個の視点での立体視が可能となるように光学的に分離するステップと
を含み、
前記2次元表示部として、カラー映像表示に必要なr種(rは3以上の整数)の色をそれぞれ表示する複数のサブ画素からなる単位画素を複数有し、画面垂直方向の同一列上に同色の前記サブ画素が配列され、かつ、画面水平方向の同一列上に異色の前記サブ画素が順に配列されたものを用い、
前記q個の表示パターンのうち前記p個の視点映像の各々を構成する配列パターンを、それぞれ、斜め方向に並ぶ複数の前記サブ画素からなるサブ画素列が画面水平方向においてp列ごとに複数表示されたものとし、
前記q個の表示パターンを、相対的に画面垂直方向へ平行移動したときに相互に対応する単位画素同士が重なり合うこととなる位置に設ける
立体表示方法。
【請求項10】
前記光学分離素子として、前記2次元表示部からの光または前記2次元表示部へ向かう光を透過する複数の光透過部と、前記2次元表示部からの光または前記2次元表示部へ向かう光を遮蔽する複数の遮光部とを有し、それら複数の光透過部および複数の遮光部の配置状態が前記q個の表示パターンに対応して切り替え可能に構成された可変式パララックスバリアを用いる
請求項9記載の立体表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−88505(P2012−88505A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−234798(P2010−234798)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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