説明

立体視画像表示方法および装置

【課題】立体視画像上において立体カーソルを用いて所定の位置を指定する際、所望の範囲以外を立体カーソルによって指定したことを容易に把握する。
【解決手段】立体視画像MG3内の所定の位置の指定を受け付けて立体視画像MG3内の所定の位置に立体視可能な立体指標C3を表示する際、立体視画像MG3の奥行情報を表すスケールSCおよび上記立体指標C3の奥行位置に応じてスケールSCに沿って移動するマーカーMKをさらに表示させ、立体視画像MG3の奥行方向の予め設定された制限範囲R内に立体指標C3が表示されている場合よりも制限範囲R以外に立体指標C3’,C3”が表示されている場合の方が立体指標C3’,C3”および/またはマーカーMKの移動速度の方が遅くなるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに異なる方向からの被写体へ放射線の照射によって放射線画像検出器により検出された放射線画像を用いて立体視画像を表示する立体視画像表示方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
病院の検査では病変周辺の組織片を採取することがあるが、近年、患者に大きな負担をかけずに組織片を採取する方法として、中が空洞の組織採取用の針(以下、生検針と称する)を患者に刺し、針の空洞に埋め込まれた組織を採取するバイオプシが注目されている。そして、このようなバイオプシを行うための装置としてステレオバイオプシ装置が提案されている。
【0003】
このステレオバイオプシ装置は、被験者に対して互いに異なる方向から放射線を照射して互いに視差のある複数の放射線画像を取得し、これらの放射線画像に基づいて立体視画像(ステレオ画像)を表示するものであり、この立体視画像を観察しながら病変の3次元的な位置を特定することができ、生検針の先端をその特定位置に到達するよう制御することによって所望の位置から組織片を採取することができるものである(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−279516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上述したようなステレオバイオプシ装置において病変の3次元的な位置を特定する方法として、立体視画像上に表示された立体カーソルを用いる方法が考えられる。この立体カーソルとは、右目用カーソル画像と左目用カーソル画像とを所定の視差量をもって表示することによって立体視可能に表示したものである。そして、右目用カーソル画像と左目用カーソル画像との視差量を変更することによって立体視画像上において奥行方向について移動可能なものであり、立体視画像上における奥行方向の位置も指定が可能である。
【0006】
しかしながら、立体カーソルの奥行方向についての周囲との位置関係た移動量は認識することが難しい。
【0007】
したがって、上述したように立体視画像を観察しながら病変の位置を指定する場合、立体カーソルによってターゲティングの位置を指定する際、被写体以外の範囲までターゲティングの位置として指定可能とした場合、観察者が立体カーソルを無駄な範囲まで動かしてしまう可能性があり、操作性が悪く、ターゲティングにも時間がかかってしまう。
【0008】
また、立体カーソルが被写体内に存在するのか、もしくは被写体以外の範囲に存在するのかを即座に判断できない場合もあり、ターゲティングに時間がかかってしまう場合もある。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑み、立体視画像上において立体カーソルを用いて所定の位置を指定する際、被写体の範囲などの所望の範囲以外を立体カーソルによって指定したことを容易に把握することでき、上述したようなターゲティングの操作性を向上することができる立体視画像表示方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の立体視画像表示装置は、互いに異なる撮影方向からの被写体への放射線の照射によって放射線画像検出器により検出された撮影方向毎の放射線画像を取得する放射線画像取得部と、放射線画像取得部によって取得された撮影方向毎の放射線画像を用いて立体視画像を表示する表示部とを備えた立体視画像表示装置において、表示部に表示されている立体視画像内の所定の位置の指定を受け付ける位置指定受付部と、所定の視差量を有する右目用指標画像と左目用指標画像とを表示させることによって、位置指定受付部によって受け付けられた立体視画像内の所定の位置に立体指標を立体視表示させる指標表示制御部と、立体視画像の奥行情報を表すスケールと立体指標の奥行位置に応じてスケールに沿って移動するマーカーとを表示部に表示させるスケール表示制御部とを備え、スケール表示制御部が、立体視画像の奥行方向の予め設定された制限範囲内に立体指標が表示されている場合におけるマーカーの移動速度よりも制限範囲以外に立体指標が表示されている場合におけるマーカーの移動速度の方を遅くするものであることを特徴とする。
【0011】
本発明の立体視画像表示装置は、互いに異なる撮影方向からの被写体への放射線の照射によって放射線画像検出器により検出された撮影方向毎の放射線画像を取得する放射線画像取得部と、放射線画像取得部によって取得された撮影方向毎の放射線画像を用いて立体視画像を表示する表示部とを備えた立体視画像表示装置において、表示部に表示されている立体視画像内の所定の位置の指定を受け付ける位置指定受付部と、所定の視差量を有する右目用指標画像と左目用指標画像とを表示させることによって、位置指定受付部によって受け付けられた立体視画像内の所定の位置に立体指標を立体視表示させる指標表示制御部とを備え、指標表示制御部が、立体視画像の奥行方向の予め設定された制限範囲内に立体指標が表示されている場合におけるその立体指標の移動速度よりも制限範囲以外に立体指標が表示されている場合におけるその立体指標の移動速度の方を遅くするものであることを特徴とする。
【0012】
また、上記本発明の立体視画像表示装置においては、スケール表示制御部を、スケールとマーカーとを2次元表示するものとできる。
【0013】
また、スケール表示制御部を、スケールとマーカーとを立体視表示するものとできる。
【0014】
また、指標表示制御部を、所定の操作が受け付けられた際、立体指標を予め設定された基準位置に自動的に移動させるものとできる。
【0015】
また、基準位置を、被写体の奥行方向についての端部とすることができる。
【0016】
また、指標表示制御部を、被写体が設置される設置面の位置情報を取得し、その設置面の位置を基準位置とするものとできる。
【0017】
また、指標表示制御部を、被写体が乳房である場合に、その乳房を圧迫する圧迫板の位置情報を取得し、その圧迫板の位置を基準位置とするものとできる。
【0018】
また、被写体の厚さ情報を取得する厚さ情報取得部を設け、指標表示制御部を、厚さ情報取得部によって取得された厚さ情報に基づいて制限範囲を設定するものとできる。
【0019】
また、指標表示制御部を、表示部がステレオバイオプシに用いられる立体視画像を表示する場合に、ステレオバイオプシに用いられる生検針の形状の情報に基づいて制限範囲を設定するものとできる。
【0020】
また、指標表示制御部を、表示部がステレオバイオプシに用いられる立体視画像を表示する場合に、ステレオバイオプシに用いられる生検針の挿入方向の情報に基づいて制限範囲を設定するものとできる。
【0021】
本発明の立体視画像表示方法は、互いに異なる撮影方向からの被写体への放射線の照射によって放射線画像検出器により検出された撮影方向毎の放射線画像を取得し、その取得した撮影方向毎の放射線画像を用いて立体視画像を表示する立体視画像表示方法において、立体視画像内の所定の位置の指定を受け付け、所定の視差量を有する右目用指標画像と左目用指標画像とを表示することによって立体視画像内の所定の位置に立体指標を立体視表示するとともに、立体視画像の奥行情報を表すスケールと立体指標の奥行位置に応じてスケールに沿って移動するマーカーとを表示する際、立体視画像の奥行方向の予め設定された制限範囲内に立体指標が表示されている場合におけるマーカーの移動速度よりも制限範囲以外に立体指標が表示されている場合におけるマーカーの移動速度の方を遅くすることを特徴とする。
【0022】
本発明の立体視画像表示方法は、互いに異なる撮影方向からの被写体への放射線の照射によって放射線画像検出器により検出された撮影方向毎の放射線画像を取得し、その取得した撮影方向毎の放射線画像を用いて立体視画像を表示する立体視画像表示方法において、立体視画像内の所定の位置の指定を受け付け、所定の視差量を有する右目用指標画像と左目用指標画像とを表示することによって立体視画像内の所定の位置に立体指標を立体視表示する際、立体視画像の奥行方向の予め設定された制限範囲内に立体指標が表示されている場合におけるその立体指標の移動速度よりも制限範囲以外に立体指標が表示されている場合におけるその立体指標の移動速度の方を遅くすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明の立体視画像表示方法および装置によれば、立体視画像内の所定の位置の指定を受け付け、その所定の位置に立体視可能な立体指標を表示する際に、立体視画像の奥行情報を表すスケールおよび上記立体指標の奥行位置に応じてスケールに沿って移動するマーカーをさらに表示させ、立体指標が予め設定された制限範囲内に表示されている場合の立体指標および/またはマーカーの移動速度よりも立体指標が制限範囲以外に表示されている場合の移動速度の方が遅くなるようにしたので、これにより観察者が制限範囲以外の所定の位置を指定したことを容易に把握することができる。
【0024】
したがって、観察者が誤って被写体以外の位置をターゲティングしてしまうのを防止することができ、さらに観察者が立体指標を無駄な範囲まで動かしてしまうのを防止することによって操作性を向上させることができる。
【0025】
また、所定の操作が受け付けられた際、立体指標を予め設定された基準位置に自動的に移動させるようにした場合には、たとえば立体指標が奥側または手前側に移動し過ぎてしまい、その奥行位置を観察者が把握できなくなってしまった場合などにおいても、立体指標を予め既知の基準位置に戻すことができ、立体指標の奥行位置を即座に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の立体視画像表示装置の一実施形態を用いた乳房画像撮影表示システムの概略構成図
【図2】図1に示す乳房画像撮影表示システムのアーム部を図1の右方向から見た図
【図3】図1に示す乳房画像撮影表示システムの撮影台を上方から見た図
【図4】図1に示す乳房画像撮影表示システムのコンピュータ内部の概略構成を示すブロック図
【図5】ホイールマウスの構成を示す外観図
【図6】本発明の立体視画像表示装置の一実施形態を用いた乳房画像撮影表示システムの作用を説明するためのフローチャート図
【図7】(A)モニタに表示された右目用放射線画像MG1および右目用カーソル画像C1と左目用放射線画像MG2および左目用カーソル画像C2の一例を示す図、(B)モニタに表示されたステレオ画像MG3、立体カーソルC3、スケールSCおよびマーカーMK(2次元表示)と、制限範囲Rとの一例を示す図
【図8】(A)モニタに表示された右目用放射線画像MG1、右目用カーソル画像C1、右目用スケールSC1および右目用マーカーMK1と、左目用放射線画像MG2、右目用カーソル画像C2、左目用スケールSC2および左目用マーカーMK2との一例を示す図、(B)モニタに表示されたステレオ画像MG3、立体カーソルC3、スケールSC3およびマーカーMK3(立体視表示)と、制限範囲Rとの一例を示す図
【図9】本発明の立体視画像表示装置のその他の実施形態を用いた乳房画像撮影表示システムのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の立体視画像表示装置の一実施形態を用いた乳房画像撮影表示システムについて説明する。本実施形態の乳房画像撮影表示システムは、着脱可能なバイオプシユニットを取り付けることにより乳房用のステレオバイオプシ装置としても動作するシステムである。まず、本実施形態の乳房画像撮影表示システム全体の概略構成について説明する。図1は、バイオプシユニットが取り付けられた状態の乳房画像撮影表示システムの概略構成を示す図である。
【0028】
本実施形態の乳房画像撮影表示システム1は、図1に示すように、乳房画像撮影装置10と、乳房画像撮影装置10に接続されたコンピュータ3と、コンピュータ3に接続されたモニタ4および入力部5とを備えている。
【0029】
そして、乳房画像撮影装置10は、図1に示すように、基台11と、基台11に対し上下方向(Z方向)に移動可能であり、かつ回転可能な回転軸12と、回転軸12により基台11と連結されたアーム部13を備えている。図2は、図1の右方向から見たアーム部13を示している。
【0030】
アーム部13はアルファベットのCの形をしており、その一端には撮影台14が、その他端には撮影台14と対向するように放射線照射部16が取り付けられている。アーム部13の回転および上下方向の移動は、基台11に組み込まれたアームコントローラ31により制御される。
【0031】
撮影台14の内部には、フラットパネルディテクタ等の放射線画像検出器15と、放射線画像検出器15からの電荷信号の読み出しを制御する検出器コントローラ33が備えられている。また、撮影台14の内部には、放射線画像検出器15から読み出された電荷信号を電圧信号に変換するチャージアンプや、チャージアンプから出力された電圧信号をサンプリングする相関2重サンプリング回路や、電圧信号をデジタル信号に変換するAD変換部などが設けられた回路基板なども設置されている。
【0032】
撮影台14はアーム部13に対し回転可能に構成されており、基台11に対してアーム部13が回転したときでも、撮影台14の向きは基台11に対し固定された向きとすることができる。
【0033】
放射線画像検出器15は、放射線画像の記録と読出しを繰り返して行うことができるものであり、放射線の照射を直接受けて電荷を発生する、いわゆる直接型の放射線画像検出器を用いてもよいし、放射線を一旦可視光に変換し、その可視光を電荷信号に変換する、いわゆる間接型の放射線画像検出器を用いるようにしてもよい。また、放射線画像信号の読出方式としては、TFT(thin film transistor)スイッチをオン・オフされることによって放射線画像信号が読みだされる、いわゆるTFT読出方式のものや、読取光を照射することによって放射線画像信号が読み出される、いわゆる光読出方式のものを用いることができる。また、間接型の放射線画像検出器としては、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサを用いたものや、CCD(Charge Coupled Device Image Sensor)を用いたものを利用するようにしてもよい。
【0034】
放射線照射部16の中には放射線源17と、放射線源コントローラ32が収納されている。放射線源コントローラ32は、放射線源17から放射線を照射するタイミングと、放射線源17における放射線発生条件(管電流、時間、管電圧等)を制御するものである。
【0035】
また、アーム部13の中央部には、撮影台14の上方に配置されて乳房を押さえつけて圧迫する圧迫板18と、その圧迫板18を支持する支持部20と、支持部20を上下方向(Z方向)に移動させる移動機構19が設けられている。圧迫板18の位置、圧迫圧は、圧迫板コントローラ34により制御される。図3は、図1に示す圧迫板18を上方から見た図であるが、同図に示すように、圧迫板18には、撮影台14と圧迫板18により乳房を固定した状態でバイオプシを行えるよう所定の大きさの開口部6が設けられている。
【0036】
バイオプシユニット2は、その基体部分が圧迫板18の支持部20の開口部に差し込まれ、基体部分の下端がアーム部13に取り付けられることによって、乳房画像撮影表示システム1と機械的、電気的に接続されるものである。
【0037】
そして、バイオプシユニット2は、乳房に穿刺される生検針21を有し、着脱可能に構成された生検針ユニット22と、生検針ユニット22を支持する針支持部23と、針支持部23をレールに沿って移動させ、あるいは針支持部23を出し入れさせることにより、生検針ユニット22を図1から図3に示すX、YおよびZ方向に移動させる移動機構24とを備える。生検針ユニット22の生検針21の先端の位置は、移動機構24が備える針位置コントローラ35により、3次元空間における位置座標(x、y、z)として認識され、制御される。なお、図1における紙面垂直方向がX方向、図2における紙面垂直方向がY方向、図3における紙面垂直方向がZ方向である。
【0038】
コンピュータ3は、中央処理装置(CPU)および半導体メモリやハードディスクやSSD等のストレージデバイスなどを備えており、これらのハードウェアによって、図4に示すような放射線画像記憶部40、制御部41、カーソル表示制御部42、スケール表示制御部43および乳房厚情報取得部44が構成されている。
【0039】
放射線画像記憶部40は、放射線画像検出器15によって取得された撮影角度毎の放射線画像信号を記憶するものである。
【0040】
制御部41は、各種のコントローラ31〜35に対して所定の制御信号を出力し、システム全体の制御を行うものであるとともに、放射線画像記憶部40に記憶された2枚の放射線画像に基づいてモニタ4にステレオ画像を表示させるものである。具体的な制御方法については後で詳述する。
【0041】
乳房厚情報取得部44は、圧迫板コントローラ34から圧迫板18の位置情報を取得し、その圧迫板の位置情報と予め設定された撮影台14の位置情報とに基づいて、乳房厚の情報を取得するものである。なお、本実施形態においては、撮影台14の位置は固定としたが、撮影台14の位置を変更可能に構成するようにしてもよく、その場合には、撮影台14の位置情報も取得して乳房厚の情報を取得するようにすればよい。
【0042】
カーソル表示制御部42は、所定の視差量をもった左目用カーソル画像と右目用カーソル画像とをモニタ4に表示することによって立体カーソルを表示するものである。そして、カーソル表示制御部42は、入力部5において受け付けられた立体カーソルの移動情報に基づいて左目用カーソル画像と右目用カーソル画像との視差量を変更することによって立体カーソルを奥行方向(Z方向)に移動させるものである。なお、立体カーソルのX方向およびY方向への移動は、左目用カーソル画像と右目用カーソル画像との視差量を一定に維持したままこれらの画像を移動させることにより行われる。
【0043】
そして、カーソル表示制御部42は、上述した乳房厚情報取得部44によって取得された乳房厚に基づいて、立体カーソルによって指定されるターゲティングの位置の制限範囲を設定するものである。なお。立体カーソルによって指定されるターゲティングの位置とは、たとえば、乳房における異常陰影などの組織を採取する位置のことをいう。このターゲティングの位置に生検針21のたとえば吸引孔などの組織採取部が配置されるように生検針ユニット22が移動制御される。
【0044】
具体的には、本実施形態のカーソル表示制御部42は、モニタ4に表示されたステレオ画像の奥行方向(Z方向)についてのターゲティングの位置の制限範囲を設定するものであり、乳房厚情報取得部44によって取得された乳房厚の情報に基づいて、奥行方向について乳房画像の範囲のみを制限範囲として設定する。なお、本実施形態においては、奥行方向についての制限範囲を設定するようにしたが、これに限らず、X−Y方向についても制限範囲を設定するようにしてもよく、その場合、たとえば、圧迫板18に設けられた開口部6の大きさの情報に基づいてX−Y方向についての制限範囲を設定するようにしてもよい。また、制限範囲については、乳房画像の範囲に限らず、たとえば乳房画像の範囲から±数mm〜±数10mm程度の範囲を制限範囲としてもよい。
【0045】
そして、カーソル表示制御部42は、上述したようにして設定された制限範囲内に立体カーソルが表示されている場合には、立体カーソルを通常時移動速度で移動させ、制限範囲以外に立体カーソルが表示されている場合には、立体カーソルを通常時移動速度よりも遅い異常時移動速度で移動させるものである。このようにして立体カーソルの移動速度を変更することによって、立体カーソルが制限範囲以外に位置していることを観察者に知らせることができる。異常時移動速度については、たとえば通常時移動速度の1/2〜1/10程度とすればよい。
【0046】
スケール表示制御部43は、モニタ4に表示されたステレオ画像の奥行情報を表すスケールとそのスケールに沿って移動するマーカーとを表示するものである。スケール表示制御部43によって表示されるマーカーは、上述した立体カーソルの奥行位置に応じてスケール上に表示されるものであり、立体カーソルが表示されている奥行位置と、マーカーが位置するスケールの奥行情報とが一致するように表示されるものである。そして、マーカーは、立体カーソルの奥行方向(Z方向)の移動にともなってスケール上を移動するものである。
【0047】
また、スケール表示制御部43は、上述したようにして設定された制限範囲内に立体カーソルが表示されている場合には、マーカーを通常時移動速度で移動させ、制限範囲以外に立体カーソルが表示されている場合には、マーカーを通常時移動速度よりも遅い異常時移動速度で移動させるものである。このようにして立体カーソルだけでなくマーカーの移動速度も変更することによって、立体カーソルが制限範囲以外に位置していることをより明確に観察者に知らせることができる。異常時移動速度については、たとえば通常時移動速度の1/2〜1/10程度とすればよい。
【0048】
なお、上述したように単に立体カーソルやマーカーの移動速度を変更するだけでなく、たとえば、立体カーソルが制限範囲内に表示されている場合における立体カーソルやマーカーの色や形と、立体カーソルが制限範囲以外に表示されている場合における立体カーソルやマーカーの色や形とを変えるようにしてもよい。また、立体カーソルが制限範囲内に表示されている場合には、その立体カーソルやマーカーを点灯表示し、立体カーソルが制限範囲以外に表示されている場合には、その立体カーソルやマーカーを点滅表示するようにしてもよい。
【0049】
入力部5は、たとえば、キーボードやマウスなどのポインティングデバイスから構成されるものであり、モニタ4に表示された立体カーソルの位置の指定を受け付けるものである。特に、本実施形態においては、立体カーソルの奥行方向の位置を移動させるものとして、図5に示すようなホイールマウス51が用いられる。ホイールマウス51は、回転ホイール52を備えており、この回転ホイール52を観察者が回転させることによって立体カーソルの奥行方向(Z方向)の位置が変更される。また、このホイールマウス51をドラッグすることによって立体カーソルのX−Y方向の位置が変更される。そして、このホイールマウス51を用いて立体カーソルを移動させて異常陰影などを指定することによってターゲティングが行われる。また、入力部5は、撮影者による撮影条件などの入力や操作指示の入力などを受け付けるものである。
【0050】
モニタ4は、コンピュータ3から出力された2つの放射線画像信号を用いてステレオ画像を表示するとともに、上述した立体カーソル、スケールおよびマーカーを表示するものである。
【0051】
ステレオ画像および立体カーソルを表示する構成としては、たとえば、2つの画面を用いて2つの放射線画像信号に基づく放射線画像をそれぞれ表示させて、これらをハーフミラーや偏光グラスなどを用いることで一方の放射線画像は観察者の右目に入射させ、他方の放射線画像は観察者の左目に入射させることによってステレオ画像を表示する構成を採用することができる。または、たとえば、2つの放射線画像を所定の視差量だけずらして重ね合わせて表示し、これを偏光グラスで観察することでステレオ画像を生成する構成としてもよいし、もしくはパララックスバリア方式およびレンチキュラー方式のように、2つの放射線画像を立体視可能な3D液晶に表示することによってステレオ画像を生成する構成としてもよい。
【0052】
次に、本実施形態の乳房画像撮影表示システムの作用について、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0053】
まず、撮影台14の上に乳房Mが設置され、圧迫板18により乳房が所定の圧力によって圧迫される(S10)。
【0054】
次に、入力部5おいて、撮影者によって種々の撮影条件が入力された後、撮影開始の指示が入力される。なお、このとき生検針ユニット22は、上方に待避しており、まだ乳房には穿刺されていないものとする。
【0055】
そして、入力部5において撮影開始の指示があると、乳房Mのステレオ画像の撮影が行われる(S12)。具体的には、まず、制御部41が、予め設定されたステレオ画像の撮影のための撮影角度を読み出し、その読み出した撮影角度の情報をアームコントローラ31に出力する。なお、本実施形態においては、このときの撮影角度の情報としてθ=±2°が予め記憶されているものとするが、これに限らず、たとえば、±2°以上±5°以下であれば如何なる角度を用いてもよい。さらに、−θ=0°と+θ=4°のように非対象な角度の組み合わせでも良い。
【0056】
そして、アームコントローラ31において、制御部41から出力された撮影角度の情報が受け付けられ、アームコントローラ31は、この撮影角度の情報に基づいて、図2に示すように、アーム部13が撮影台14に垂直な方向に対して+θ°回転するよう制御信号を出力する。すなわち、本実施形態においては、アーム部13を撮影台14に垂直な方向に対して+2°回転するよう制御信号を出力する。
【0057】
そして、このアームコントローラ31から出力された制御信号に応じてアーム部13が+2°回転する。続いて制御部41は、放射線源コントローラ32および検出器コントローラ33に対して放射線の照射と放射線画像信号の読出しを行うよう制御信号を出力する。この制御信号に応じて、放射線源17から放射線が射出され、乳房を+2°方向から撮影した放射線画像が放射線画像検出器15によって検出され、検出器コントローラ33によって放射線画像信号が読み出され、その放射線画像信号に対して所定の信号処理が施された後、コンピュータ3の放射線画像記憶部40に記憶される。
【0058】
次に、アームコントローラ31は、図2に示すように、アーム部を初期位置に一旦戻した後、撮影台14に垂直な方向に対して−θ°回転するよう制御信号を出力する。すなわち、本実施形態においては、アーム部13を撮影台14に垂直な方向に対して−2°回転するよう制御信号を出力する。
【0059】
そして、このアームコントローラ31から出力された制御信号に応じてアーム部13が−2°回転する。続いて制御部41は、放射線源コントローラ32および検出器コントローラ33に対して放射線の照射と放射線画像の読出しを行うよう制御信号を出力する。この制御信号に応じて、放射線源17から放射線が射出され、乳房を−2°方向から撮影した放射線画像が放射線画像検出器15によって検出され、検出器コントローラ33によって放射線画像信号が読み出され、所定の信号処理が施された後、コンピュータ3の放射線画像記憶部40に記憶される。
【0060】
そして、コンピュータ3の放射線画像記憶部40に記憶された2つの放射線画像信号は、放射線画像記憶部40から読み出された後、所定の信号処理が施されてモニタ4に出力される。そして、本実施形態のモニタ4においては、2つの放射線画像信号に基づいてステレオ画像が表示されるとともに、この表示と同時に、カーソル表示制御部42から出力された右目用カーソル画像と左目用カーソル画像とに基づいて立体カーソルが表示され、さらにスケール表示制御部43から出力された制御信号に基づいて上述したスケールとマーカーとが表示される(S14)。
【0061】
図7(A)は、モニタ4に表示された右目用放射線画像MG1および右目用カーソル画像C1と、左目用放射線画像MG2および左目用カーソル画像C2と、スケールSCおよびマーカーMKとの一例を模式的に示したものである。図7(B)は、図7(A)に示した右目用放射線画像MG1と左目用放射線画像MG2とから構成されるステレオ画像MG3と、右目用カーソル画像C1と左目用カーソル画像C2とから構成される立体カーソルC3と、スケールSCおよびマーカーMKとの一例を模式的に示した図である。
【0062】
図7(A),(B)に示すように、本実施形態においては、スケールSCおよびマーカーMKは右目用放射線画像MG1側のみに表示され、モニタ4には2次元画像として表示されるものとする。そして、本実施形態におけるスケールSCは、上方に向けて目盛が正側に増加するように表示されるものであるが、この目盛は、乳房のステレオ画像MG3の奥行量に対応しており、乳房のステレオ画像MG3の一番手前側の端面の位置を基準(0)とし、ステレオ画像MG3の奥側に向けてその奥行量が正側に増加するものとする。そして、マーカーMKは、立体カーソルC3の奥行位置に対応するスケールSC上の目盛位置に表示される。なお、本実施形態においては、乳房のステレオ画像MG3の一番手前側の端面の位置を基準(0)としたが、これに限らず、たとえばステレオ画像MG3の一番奥側の端面の位置を基準としてもよいし、モニタ面上を基準としてもよい。
【0063】
次に、上述したようにして乳房のステレオ画像および立体カーソルが表示された後、観察者によって乳房における石灰化や腫瘤などが発見され、引き続いてバイオプシユニット2によってそれらの組織を採取したい場合などには、まず、モニタ4に表示されたステレオ画像上において、観察者によって石灰化や腫瘤などのターゲットの位置が指定されるが、このターゲティングの前に、上述したターゲティングの制限範囲が設定される。
【0064】
具体的には、乳房厚情報取得部44が、圧迫板コントローラ34から圧迫板18の位置情報を取得し、その圧迫板の位置情報と予め設定された撮影台14の位置情報とに基づいて乳房厚の情報を取得し、その乳房厚の情報をカーソル表示制御部42に出力する(S16)。
【0065】
そして、カーソル表示制御部42は、入力された乳房厚の情報に基づいて、立体カーソルによって指定されるターゲティングの位置の奥行方向についての制限範囲を設定する(S18)。また、カーソル表示制御部42において設定された制限範囲の情報は、スケール表示制御部43に出力され、スケール表示制御部43においても対応する目盛の範囲に制限範囲が設定される。図7(B)には、カーソル表示制御部42とスケール表示制御部43において設定された制限範囲Rの一例を矢印で示している。
【0066】
上述したようにターゲティングの位置の制限範囲が設定された後、観察者によって立体カーソルを用いて石灰化や腫瘤などのターゲットの位置が指定される(S20)。
【0067】
そして、このときカーソル表示制御部42は、立体カーソルC3によって指定される奥行方向の位置が制限範囲R内である場合には(S22,YES)、立体カーソルC3を通常時移動速度で移動させて表示する(S24)。また、このときスケール表示制御部43は、立体カーソルC3の移動に応じてマーカーMKを通常時移動速度で移動させて表示する。
【0068】
一方、ターゲティングの奥行方向の位置が制限範囲R以外である場合には(S22,NO)、すなわち図7(B)に示すように立体カーソルがC3’やC3”の位置にある場合には、カーソル表示制御部42は、立体カーソルC3’,C3”を異常時移動速度で移動させて表示する(S28)。また、このときスケール表示制御部43は、立体カーソルC3’,C3”の移動に応じてマーカーMKを異常時移動速度で移動させて表示する。このように立体カーソルやマーカーの移動速度を通常時移動速度からこれよりも遅い異常時移動速度に変更することによって観察者に対して現在指定されているターゲティングの位置が制限範囲以外であることを報知することができる。また、立体カーソルが必要以上に奥側や手前側に移動することによってその位置が把握できなくなることを防止することができる。
【0069】
そして、このように立体カーソルおよびマーカーの移動速度が遅くなった場合には、観察者は、ターゲティングの位置が制限範囲R内となるように、再びターゲティングを行う(S30)。
【0070】
そして、上述したようなターゲティングによって制限範囲R内の位置が指定された場合には、その指定されたターゲティングの位置情報(x、y、z)が制御部41によって取得され、制御部41は、そのターゲティングの位置情報(x、y、z)をバイオプシユニット2の針位置コントローラ35に出力する。
【0071】
次いで、入力部5において所定の操作ボタンが押されると、制御部41から針位置コントローラ35に対し、生検針21を移動させる制御信号が出力される。針位置コントローラ35は、先に入力された位置情報(x、y、z)の値に基づき、生検針21の組織採取部が、座標(x、y、z+α)が示す位置に配置されるように、生検針21を移動する。ここでαは、生検針21が乳房に刺さらない程度に十分大きな値とする。これにより、生検針21がターゲットの上方にセットされる。
【0072】
その後、観察者により、生検針21の穿刺を指示する所定の操作が入力部5において行われると、制御部41と針位置コントローラ35の制御の下で、生検針21の組織採取部が座標(x、y、z)が示す位置に配置されるように生検針21が移動させられて、生検針21による乳房の穿刺が行われる(S26)。
【0073】
なお、上記実施形態においては、スケールSCおよびマーカーMKを2次元画像として表示するようにしたが、これらについてもステレオ画像として立体視表示するようにしてもよい。たとえば、図8(A)に示すように、モニタ4において、スケール表示制御部43によって所定の視差量を持った右目用スケールSC1および左目用スケールSC2と、右目用マーカーMK1および左目用マーカーMK2とを表示し、これにより図8(B)に示すような立体視可能なスケールSC3およびマーカーMK3を表示する。より具体的には、図8(B)に示すようにスケールSC3が観察者から見て手前側から奥側(モニタ側)に向けて奥行きを持って表示されるように、右目用スケールSC1と左目用スケールSC2とを互いに傾くように表示し、視差量が奥側に向けて次第に大きくなるように表示する。また、右目用マーカーMK1を右目用スケールSC1に沿って移動させて表示するとともに、左目用マーカーMK2を左目用スケールSC2に沿って移動させて表示することによって、立体視可能なスケールSC3に沿って立体視可能なマーカーMK3を移動させて表示することができる。
【0074】
なお、上述したようにスケールSC3とマーカーMK3とを立体視表示する場合においても、マーカーMK3が制限範囲R内を移動して表示される場合には、マーカーMK3を通常時移動速度で移動し、マーカーMK3が制限範囲R以外を移動して表示される場合には、異常時移動速度で移動するものとする。
【0075】
また、上記実施形態においては、スケールとマーカーとを表示するようにしたが、これらを表示することなく、立体カーソルの移動速度のみを変更するようにしてもよい。これによっても立体カーソルが制限範囲以外に位置することを観察者に報知することができる。
【0076】
また、上記実施形態においては、カーソル表示制御部42が、入力部5において観察者による所定の操作を受け付けた場合に、立体カーソルC3を予め設定された基準位置に自動的に移動させるようにしてもよい。このように立体カーソルC3を移動させることによって、たとえば立体カーソルC3を奥側または手前側に移動させ過ぎてその奥行位置が把握できなくなってしまった場合などにおいても、立体カーソルC3を予め既知の基準位置に戻すことができ、立体カーソルC3の奥行位置を即座に把握することができる。
【0077】
なお、上記基準位置としては、たとえば、乳房厚情報取得部44によって取得された乳房厚の情報に基づいて、図7(B)や図8(B)に示す乳房のステレオ画像MG3の一番手前側の端面中心や一番奥側の端面中心を設定することができる。なお、本実施形態においては、ステレオ画像MG3の一番奥側の端面の位置は撮影台14の乳房設置面に対応する位置であり、一番手前側の端面の位置は、圧迫板18の位置に対応するものである。もしくは、乳房のニップルの位置を検出し、そのニップル位置を基準位置としたり、ステレオ画像SG3の奥行方向についての中心位置を基準位置としてもよい。
【0078】
また、上記実施形態においては、乳房厚の情報に基づいてターゲティングの指定位置の制限範囲を設定するようにしたが、これに限らず、たとえば、乳房厚の情報と生検針21の形状の情報とに基づいて奥行方向の制限範囲を設定するようにしてもよい。生検針21の形状の情報とは、たとえば、生検針21の先端部分の大きさの情報や、生検針21の先端近傍に設けられた吸引孔から生検針21の先端までの距離の情報などがある。カーソル表示制御部42によって、このような生検針21の種々の形状の情報も含めて制限範囲を設定することにより、バイオプシを行った際に生検針21の先端が乳房を突き抜けないような制限範囲を設定することができる。
【0079】
また、生検針21の形状情報だけでなく、生検針21の挿入方向の情報も利用して制限範囲を設定するようにしてもよい。具体的には、上記実施形態においては生検針21を垂直方向から挿入するようにしたが、生検針21を垂直方向に対して所定の角度だけ傾けて挿入するように構成する場合には、その挿入方向も考慮して制限範囲を設定するようにしてもよい。具体的には、たとえば、図9に示すように生検針形状情報取得部45と生検針挿入方向情報取得部46を設け、この生検針形状情報取得部45によって取得された生検針の形状情報と生検針挿入方向情報取得部46によって取得された生検針の挿入方向の情報に基づいて、垂直方向に対する生検針21の挿入方向の傾きが大きいほど奥行方向(Z方向)の制限範囲を広く設定するようにしてもよい。
【0080】
生検針21の挿入方向の情報については、使用者が入力部5を用いて入力した情報を生検針挿入方向情報取得部46が取得するようにしてもよいし、たとえば、生検針21の挿入方向と放射線画像の撮影方向とが一定の角度差の関係である場合には、生検針挿入方向情報取得部46が、放射線画像の撮影方向の情報に基づいて生検針21の挿入方向の情報を取得するようにしてもよい。
【0081】
なお、上記実施形態は、ステレオバイオプシを行うことができる乳房画像撮影表示システムであるが、本発明は、ステレオバイオプシを行うことができる装置に限定されるものではなく、ステレオ画像を表示する装置であればその他の装置にも適用可能である。
【0082】
また、上記実施形態は、本発明の立体視画像表示装置を乳房画像撮影表示システムに適用したものであるが、本発明の被写体としては乳房に限らず、たとえば、胸部や頭部などを撮影する放射線画像撮影表示システムにも本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0083】
1 乳房画像撮影表示システム
2 バイオプシユニット
3 コンピュータ
4 モニタ
5 入力部
10 乳房画像撮影装置
13 アーム部
14 撮影台
15 放射線画像検出器
16 放射線照射部
17 放射線源
18 圧迫板
22 生検針ユニット
42 カーソル表示制御部
43 スケール表示制御部
44 乳房厚情報取得部
45 生検針形状情報取得部
46 生検針挿入方向情報取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる撮影方向からの被写体への放射線の照射によって放射線画像検出器により検出された前記撮影方向毎の放射線画像を取得する放射線画像取得部と、該放射線画像取得部によって取得された撮影方向毎の放射線画像を用いて立体視画像を表示する表示部とを備えた立体視画像表示装置において、
前記表示部に表示されている前記立体視画像内の所定の位置の指定を受け付ける位置指定受付部と、
所定の視差量を有する右目用指標画像と左目用指標画像とを表示させることによって、前記位置指定受付部によって受け付けられた立体視画像内の所定の位置に立体指標を立体視表示させる指標表示制御部と、
前記立体視画像の奥行情報を表すスケールと前記立体指標の奥行位置に応じて前記スケールに沿って移動するマーカーとを前記表示部に表示させるスケール表示制御部とを備え、
該スケール表示制御部が、前記立体視画像の奥行方向の予め設定された制限範囲内に前記立体指標が表示されている場合における前記マーカーの移動速度よりも前記制限範囲以外に前記立体指標が表示されている場合における前記マーカーの移動速度の方を遅くするものであることを特徴とする立体視画像表示装置。
【請求項2】
互いに異なる撮影方向からの被写体への放射線の照射によって放射線画像検出器により検出された前記撮影方向毎の放射線画像を取得する放射線画像取得部と、該放射線画像取得部によって取得された撮影方向毎の放射線画像を用いて立体視画像を表示する表示部とを備えた立体視画像表示装置において、
前記表示部に表示されている前記立体視画像内の所定の位置の指定を受け付ける位置指定受付部と、
所定の視差量を有する右目用指標画像と左目用指標画像とを表示させることによって、前記位置指定受付部によって受け付けられた立体視画像内の所定の位置に立体指標を立体視表示させる指標表示制御部とを備え、
該指標表示制御部が、前記立体視画像の奥行方向の予め設定された制限範囲内に前記立体指標が表示されている場合における該立体指標の移動速度よりも前記制限範囲以外に前記立体指標が表示されている場合における該立体指標の移動速度の方を遅くするものであることを特徴とする立体視画像表示装置。
【請求項3】
前記スケール表示制御部が、前記スケールと前記マーカーとを2次元表示するものであることを特徴とする請求項1記載の立体視画像表示装置。
【請求項4】
前記スケール表示制御部が、前記スケールと前記マーカーとを立体視表示するものであることを特徴とする請求項1記載の立体視画像表示装置。
【請求項5】
前記指標表示制御部が、所定の操作が受け付けられた際、前記立体指標を予め設定された基準位置に自動的に移動させるものであることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の立体視画像表示装置。
【請求項6】
前記基準位置が、前記被写体の前記奥行方向についての端部であることを特徴とする請求項5記載の立体視画像表示装置。
【請求項7】
前記指標表示制御部が、前記被写体が設置される設置面の位置情報を取得し、該設置面の位置を前記基準位置とするものであることを特徴とする請求項5または6記載の立体視画像表示装置。
【請求項8】
前記指標表示制御部が、前記被写体が乳房である場合に、該乳房を圧迫する圧迫板の位置情報を取得し、該圧迫板の位置を前記基準位置とするものであることを特徴とする請求項5または6記載の立体視画像表示装置。
【請求項9】
前記被写体の厚さ情報を取得する厚さ情報取得部を備え、
前記指標表示制御部が、前記厚さ情報取得部によって取得された厚さ情報に基づいて前記制限範囲を設定するものであることを特徴とする請求項1から8いずれか1項記載の立体視画像表示装置。
【請求項10】
前記指標表示制御部が、前記表示部がステレオバイオプシに用いられる前記立体視画像を表示する場合に、前記ステレオバイオプシに用いられる生検針の形状の情報に基づいて前記制限範囲を設定するものであることを特徴とする請求項1から9いずれか1項記載の立体視画像表示装置。
【請求項11】
前記指標表示制御部が、前記表示部がステレオバイオプシに用いられる前記立体視画像を表示する場合に、前記ステレオバイオプシに用いられる生検針の挿入方向の情報に基づいて前記制限範囲を設定するものであることを特徴とする請求項1から10いずれか1項記載の立体視画像表示装置。
【請求項12】
互いに異なる撮影方向からの被写体への放射線の照射によって放射線画像検出器により検出された前記撮影方向毎の放射線画像を取得し、該取得した撮影方向毎の放射線画像を用いて立体視画像を表示する立体視画像表示方法において、
前記立体視画像内の所定の位置の指定を受け付け、
所定の視差量を有する右目用指標画像と左目用指標画像とを表示することによって前記立体視画像内の所定の位置に立体指標を立体視表示するとともに、前記立体視画像の奥行情報を表すスケールと前記立体指標の奥行位置に応じて前記スケールに沿って移動するマーカーとを表示する際、
前記立体視画像の奥行方向の予め設定された制限範囲内に前記立体指標が表示されている場合における前記マーカーの移動速度よりも前記制限範囲以外に前記立体指標が表示されている場合における前記マーカーの移動速度の方を遅くすることを特徴とする立体視画像表示方法。
【請求項13】
互いに異なる撮影方向からの被写体への放射線の照射によって放射線画像検出器により検出された前記撮影方向毎の放射線画像を取得し、該取得した撮影方向毎の放射線画像を用いて立体視画像を表示する立体視画像表示方法において、
前記立体視画像内の所定の位置の指定を受け付け、
所定の視差量を有する右目用指標画像と左目用指標画像とを表示することによって前記立体視画像内の所定の位置に立体指標を立体視表示する際、
前記立体視画像の奥行方向の予め設定された制限範囲内に前記立体指標が表示されている場合における該立体指標の移動速度よりも前記制限範囲以外に前記立体指標が表示されている場合における該立体指標の移動速度の方を遅くすることを特徴とする立体視画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−70727(P2013−70727A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210250(P2011−210250)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】