説明

立体高架橋構造の施工方法

【課題】部品点数の削減、作業効率の向上、接合方法の簡素化等を可能にした立体高架橋構造の施工方法を提供する。
【解決手段】プレキャストコンクリート製の橋脚16を基礎上に立設して固定する工程と、橋脚16への取付部36と、取付部36から両側に延びるアーチ頂部で半割にされた一対の半割アーチ部38とを有するプレキャストコンクリート製の半割アーチ梁18を、取付部36を橋脚16上に設置して橋脚16と連結し、隣接する半割アーチ梁18の端部同士を連結して橋脚16上に橋軸方向に縦梁を架設支持する工程と、縦梁に橋軸と交差方向に架設される横梁20を下面に一体に形成したプレキャストコンクリート製のスラブ部材22を、横梁20を介し縦梁間に架設して縦梁と連結し、隣接するスラブ部材22同士を連結してスラブを構築する工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体高架橋構造の施工方法に関し、特に、プレキャストコンクリート部材を用いた立体高架橋構造の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本願出願人は、先に、プレキャストコンクリート部材を用いた立体高架橋構造を提案した(特許文献1参照)。
【0003】
この立体高架橋構造は、橋脚と、この橋脚上に橋軸方向に架設支持される半割アーチ梁からなる縦梁と、縦梁に橋軸と交差方向に架設される横梁と、横梁上に構築されるスラブとをプレキャストコンクリートにて形成することで、施工の省力化及び工期の短縮化を可能にしたものである。
【特許文献1】特開2005−120719号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この提案にかかる立体高架橋構造は、4種類のプレキャストコンクリート部材を接合するようになっており、特に、横梁上でスラブとスラブ、スラブと横梁という2方向の接合を行う必要があり、部品点数の削減、作業効率の向上、接合方法の簡素化等の点で、改良すべき点が残されていた。
【0005】
本発明の目的は、部品点数の削減、作業効率の向上、接合方法の簡素化等を可能にした立体高架橋構造の施工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明の立体高架橋構造の施工方法は、プレキャストコンクリート製の橋脚を基礎上に立設して固定する工程と、
前記橋脚への取付部と、前記取付部から両側に延びるアーチ頂部で半割にされた一対の半割アーチ部とを有するプレキャストコンクリート製の半割アーチ梁を、前記取付部を前記橋脚上に設置して橋脚と連結し、隣接する半割アーチ梁の端部同士を連結して前記橋脚上に橋軸方向に縦梁を架設支持する工程と、
前記縦梁に前記橋軸と交差方向に架設される横梁を下面に一体に形成したプレキャストコンクリート製のスラブ部材を、前記横梁を介し前記縦梁間に架設して前記縦梁と連結し、隣接する前記スラブ部材同士を連結してスラブを構築する工程と、
を含むことを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、プレキャストコンクリート製の橋脚を地盤または基礎上に設置して固定した後、橋脚への取付部から両側に延びるアーチ頂部で半割にされた一対の半割アーチ部を有するプレキャストコンクリート製の半割アーチ梁の取付部を橋脚上に設置して橋脚と連結することで、半割アーチ梁が橋脚に倒れる方向の荷重をかけることがなく、橋脚はバランスよく独立して立設した状態とすることができる。
【0008】
この場合、半割アーチ梁は一対の半割アーチ部がアーチ頂部で連結される状態となり、曲げ荷重が比較的小さくなる位置での連結を行うことができ、半割アーチ梁の端部同士の連結を簡略な継手にて行うことができる。
【0009】
この状態で横梁を下面に一体に形成したスラブ部材縦梁間に架設して縦梁と連結し、かつ、スラブ部材同士を連結してスラブを構築する。
【0010】
この場合、横梁とスラブ部材とが一体となっているので、部品点数を削減することができると共に、横梁とスラブ部材とを連結する作業がなくなり、横梁と縦梁、スラブ部材とスラブ部材を連結する作業のみですむため、作業効率の向上と接合方法の簡素化がなし得ることとなる。
【0011】
本発明においては、前記橋脚の立設時には、
前記橋脚の下部を転倒防止金具にて支持して転倒防止及び水平方向位置調整を行うと共に、
前記橋脚の下端部に設けられた第1の高さ調整手段にて高さ調整が行われるようにすることができる。
【0012】
このような構成とすることにより、転倒防止金具にて橋脚を確実に立設して水平位置を調整し、第1の高さ調整手段にて高さを調整することで、橋脚の確実かつ正確な立設固定が行え、作業効率を向上させることができ、作業時間を短縮することができる。
【0013】
本発明においては、前記半割アーチ梁の前記橋脚への設置時には、
前記橋脚と前記半割アーチ梁との取付け部に調芯用の凹凸部を設けて、水平位置決めを行い、
前記半割アーチ梁の半割アーチ部の端部に取り付けた第1の架設治具を隣接する半割アーチ梁の半割アーチ部の端部と連結させて半割アーチ梁の捩れ及び隣接する半割アーチ梁同士の距離の調整を行うと共に、
前記橋脚上端もしくは前記半割アーチ梁下端部に配設した第2の高さ調整手段にて高さ調整を行うようにすることができる。
【0014】
このような構成とすることにより、凸部を調芯用凹部に挿入することで、橋脚に対する半割アーチ梁の水平位置決めを確実かつ効率よく、短時間で行うことができ、しかも、第1の架設治具により半割アーチ梁の捩れ及び隣接する半割アーチ梁同士の距離の調整を確実かつ効率よく、短時間で行うことができ、さらには、第2の高さ調整手段により半割アーチ梁の高さ調整を確実かつ効率よく、短時間で行うことができる。
【0015】
本発明においては、前記スラブ部材の前記縦梁への架設時には、
前記スラブ部材に取り付けた第2の架設治具を隣接するスラブ部材と連結させて水平方向の位置及び隣接するスラブ部材との距離の調整を行うと共に、
前記半割アーチ梁もしくは前記スラブ部材に設けた第3の高さ調整手段にて高さ調整を行うようにすることができる。
【0016】
このような構成とすることにより、第2の架設治具にてスラブ部材の水平方向の位置及び隣接するスラブ部材との距離の調整を確実かつ効率よく、短時間で行うことができ、しかも、第3の高さ調整手段によりスラブ部材の高さ調整を確実かつ効率よく、短時間で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1〜図15は、本発明の一実施の形態に係る立体高架橋構造を示す図である。
【0019】
図1は、本実施の形態に係る立体高架橋構造を示す全体概略斜視図、図2は図1の各部材の斜視図、図3は図1の部分側面図である。
【0020】
この立体高架橋構造10は、例えば鉄道立体高架橋として用いられるもので、基礎杭12と、地中梁14と、橋脚16と、縦梁である半割アーチ梁18と、横梁20を一体に形成したスラブ部材22と、遮音壁24とを有している。
【0021】
基礎杭12は、図1及び図3に示すように、橋脚16の立設位置に橋軸方向と直交する方向に一対ずつ橋軸方向に沿って所定間隔で設けられるようになっている。
【0022】
また、この基礎杭12は、地盤条件に応じて合理的な工法及び杭種を選定して構築し、特に硬質地盤上に橋脚を立設する場合には省略することができる。
【0023】
地中梁14は、図1及び図3に示すように、橋脚16の立設位置で橋軸方向に沿って形成される一対の縦地中梁26と、一対の橋脚16の立設位置で、橋軸方向と直交する方向で形成される複数の横地中梁28とを有している。
【0024】
この地中梁14は、場所打ちコンクリートの打設によって構築されるようになっている。
【0025】
橋脚16は、プレキャストコンクリート製のもので、図4にも示すように、横断面八角形に形成されている。
【0026】
また、図4(3)に示すように、橋脚16の下端16aには、基礎杭12と連結するためのスリーブ継手30が周方向に複数本埋め込まれると共に、橋脚16の高さ調整を行うための第1の高さ調整手段となる高さ調整ボルト用のインサート32が4箇所に埋め込まれた状態となっている。
【0027】
橋脚16の上端16bにも、図4(1)に示すように、下端16aと同様に、半割アーチ梁18と連結するためのスリーブ継手30が周方向に複数本埋め込まれると共に、半割アーチ梁18の高さ調整を行うための第2の高さ調整手段となる高さ調整ボルト用のインサート32が4箇所に埋め込まれた状態となっている。
【0028】
半割アーチ梁18は、プレキャストコンクリート製のもので、図5にも示すように、橋脚16への取付部36と、この取付部36から橋軸方向両側に延びるアーチ頂部で半割にされた一対の半割アーチ部38とを有している。
【0029】
取付部36は、図7に示すように、下面36aに、橋脚16の上端16bに配置したスリーブ継手30と対応した位置に複数の露出鉄筋34を突出させると共に、橋脚16の上端16bのインサート32対応位置4箇所に第2の高さ調整手段となる高さ調整ボルト用のプレート40が埋め込まれた状態となっている。
【0030】
一対の半割アーチ部38は、それぞれの端部に、隣接して設けられた半割アーチ部38の端部と接合するためのループ継手鉄筋42を露出させた状態となっており、アーチ頂部位置でループ継手鉄筋42同士が間詰めコンクリートにて連結、固定されるようになっている。
【0031】
また、各半割アーチ部38の上面には、スラブ部材22の横梁20を支持するための梁受台44が2箇所ずつ、合計4箇所に、上方に突出した状態で形成されている。
【0032】
各梁受台44には、図6に示すように、上面に長さ方向に沿って横梁20と接合するための複数の露出鉄筋45が突出して設けられ、スラブ部材22の高さ調整を行うための第3の高さ調整部手段となる高さ調整ボルト用のインサート46が埋め込まれた状態となっている。
【0033】
また、この半割アーチ梁18は、橋脚16上に取り付けられた状態で、ほぼY字状に形成されることとなり、橋脚16を立設した状態で、左右のバランスが取れた状態となり、橋脚16に倒れ方向の荷重をかけることなく、自立できる状態となる。
【0034】
さらに、隣接する半割アーチ部38の端部同士の連結は、曲げ荷重が比較的小さくなるアーチ頂部で行われるため、その継手を簡略化することができる。
【0035】
また、この半割アーチ梁18が、組み立て状態でアーチ状の縦梁を構成するため景観にすぐれたものとすることができる。
【0036】
スラブ部材22は、プレキャストコンクリート製のもので、幅方向の全長にわたる長さを有し、その橋軸方向両端には、図8に示すように、ループ継手鉄筋60を張り出しておき、間詰コンクリートにより隣接するスラブ部材22との一体化を図るようにしている。
【0037】
このスラブ部材22の下面には、橋軸交差方向全長にわたって横梁20が一体に形成されており、この横梁20が、橋軸方向と交差する方向で隣り合う半割アーチ梁18の梁受台44上に掛けわたされるようになっている。
【0038】
横梁20の下面には、梁受台44の露出鉄筋45対応位置にスリーブ継手48が埋め込まれた状態となっており、このスリーブ継手48によって梁受台44と接合されるようになっている。
【0039】
また、このスラブ部材22は、1つの半割アーチ梁18に対して4枚配置されることとなり、横梁20間の間隔が短くなっていることから、スラブ部材22に生じる断面力も小さくでき、スラブ部材22の厚さの低減及び重量軽減につながり、コスト面でも有利なものとなっている。
【0040】
遮音壁24は、スラブ部材22の両側部に橋軸方向に沿って取り付けられるようになっている。
【0041】
また、立体高架橋の施工場所によっては、河川や道路などの障害物が存在するために、所定間隔で橋脚16を設置できない場合があり、このような場合に、図9に示すように、長スパンの弓状部材50を半割アーチ梁18間に介在させて対応するようにしている。
【0042】
この弓状部材50の上面には、半割アーチ梁18と同様に梁受台44が所定間隔で形成されている。
【0043】
次に、このような立体高架橋構造の施工方法について図10〜図15に基づいて説明する。
【0044】
まず、橋脚16を立設する位置で、複数本の基礎杭12を構築し、この基礎杭12を橋軸方向で一体化するように現場打ちコンクリートを打設して2本の縦地中梁26及びこれを連結する横地中梁28を構築しておく。
【0045】
この場合、基礎杭12の上端から橋脚16下端16aのスリーブ継手30に対応させて露出鉄筋を突出させておく。
【0046】
次に、図10に示すように、各基礎杭12上にクレーン52で吊り上げて、それぞれ橋脚16を設置し、橋脚16の下部と各杭基礎12とを連結する。
【0047】
この場合、橋脚16の設置位置に、図11(1)に示すように、橋脚16の下部を4方向から支持する転倒防止金具54を設置し、この転倒防止金具54内に橋脚16の下部を挿入して、転倒防止を行う。
【0048】
また、この転倒防止金具54に配されたボルトを回すことにより、橋脚16の水平方向位置の微調整を行う。
【0049】
また、高さ位置の調整は、橋脚16下端のインサート32に第1の高さ調整手段としての高さ調整ボルトを螺合させて高さ位置を調整する。
【0050】
このように、転倒防止金具54にて橋脚16を確実に立設して水平位置を調整し、第1の高さ調整手段にて高さを調整することで、橋脚16の確実かつ正確な立設固定が行え、作業効率を向上させることができ、作業時間を短縮することができる。
【0051】
基礎杭12と橋脚16との接合は、図11(2)に示すように、基礎杭12の上端から突出させた露出鉄筋56を、橋脚16下端で橋脚16内の鉄筋58に接合されたスリーブ継手30内に挿入し、スリーブ継手30内にモルタル62を充填して行う。
【0052】
次に、図12に示すように、立設した橋脚16の上端にクレーン52で吊り上げた半割アーチ梁18の取付部36を載置し、半割アーチ梁18の取付部36と橋脚16の上端とを連結、固定する。
【0053】
この場合、図13(1)に示すように、橋脚16に配した調芯ピン64を半割アーチ梁18の取付部36の下面に設けた調芯用凹部66に挿入して水平位置決めを行う。
【0054】
また、同図(2)に示すように、半割アーチ梁18の半割アーチ部38の端部に一対のI形鋼68を介して取り付けた形鋼製の第1の架設治具70を隣接する半割アーチ梁18の半割アーチ部38の端部と一対のI形鋼68を介して連結させて半割アーチ梁の捩れ及び隣接する半割アーチ梁同士の距離の調整を行う。
【0055】
さらに、橋脚16の上端に配設したインサート32に第2の高さ調整手段としての高さ調整ボルトを螺合させてその他端部を取付部36のプレート40に当接させて高さ調整を行う。
【0056】
このように、調芯ピン64を調芯用凹部66に挿入することで、橋脚16に対する半割アーチ梁18の水平位置決めを確実かつ効率よく、短時間で行うことができ、しかも、第1の架設治具70により半割アーチ梁18の捩れ及び隣接する半割アーチ梁18同士の距離の調整を確実かつ効率よく、短時間で行うことができ、さらには、第2の高さ調整手段により半割アーチ梁18の高さ調整を確実かつ効率よく、短時間で行うことができる。
【0057】
また、橋脚16と半割アーチ梁18との接合は、半割アーチ梁18の取付部36の下端から突出させた露出鉄筋34を、橋脚16の上端でに設けたスリーブ継手30内に挿入し、スリーブ継手30内にモルタルを充填して行う。
【0058】
橋脚16と半割アーチ梁18とを接合した後、隣接する半割アーチ梁18同士を接合する。
【0059】
この場合、図13(3)に示すように、接合すべき半割アーチ梁18同士のループ継手鉄筋42同士を重ね合わせてその間に間詰めコンクリート72を充填、固化させて連結する。
【0060】
なお、半割アーチ梁18は支持架台78によって支持されるようになっている。
【0061】
次いで、図14に示すように、各半割アーチ梁18の梁受台44上にクレーンで吊り上げた52のスラブ部材22に一体に設けた横梁20を設置し、半割アーチ梁18と横梁20とを連結固定して半割アーチ梁18同士を横梁20にて橋軸方向と直交する方向で連結する。
【0062】
この場合、図15に示すように、スラブ部材22にH形鋼74を介して取り付けた形鋼製の第2の架設治具76を隣接するスラブ部材22とH形鋼74を介して連結させ、水平方向の位置及び隣接するスラブ部材22との距離の調整を行う。
【0063】
また、半割アーチ梁18に設けたインサート46に第3の高さ調整手段としての高さ調整ボルトを螺合させ、高さ調整を行う。
【0064】
このように、第2の架設治具76にてスラブ部材22の水平方向の位置及び隣接するスラブ部材22との距離の調整を確実かつ効率よく、短時間で行うことができ、しかも、第3の高さ調整手段によりスラブ部材の高さ調整を確実かつ効率よく、短時間で行うことができる。
【0065】
また、半割アーチ梁18とスラブ部材22との接合は、半割アーチ梁18の梁受部44に設けた露出鉄筋45を横梁20下面に設けたスリーブ継手48内に挿入し、スリーブ継手30内にモルタルを充填して行う。
【0066】
次いで、スラブ22同士を連結するとともに、スラブ22の両側部に遮音壁24を取り付ける。
【0067】
このスラブ部材22同士の連結は、接合すべきスラブ部材22同士のループ継手鉄筋60同士を重ね合わせてその間に間詰めコンクリート72を充填、固化させて連結する。
【0068】
本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の形態に変形可能である。
【0069】
例えば、前記実施の形態では、鉄道立体高架橋構造について説明したが、この例に限らず、例えば道路立体高架橋に応用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施の形態に係る立体高架橋構造を示す全体概略斜視図である。
【図2】図1の地上構造物の状態を示す分解斜視図である。
【図3】図1の立体高架橋構造の部分側面図である。
【図4】橋脚を示すもので、(1)はその平面図、(2)はその側面図、(3)はその底面図である。
【図5】半割アーチ梁の側面図である。
【図6】図5の半割アーチ梁の平面図である。
【図7】図5の取付部の底面図である。
【図8】スラブ部材の側面図である。
【図9】弓状部材を用いた立体高架橋構造の斜視図である。
【図10】橋脚を立設する状態を示す側面図である。
【図11】(1)は図10の転倒防止金具の拡大側面図、(2)はスリーブ継手の連結状態を示す断面図である。
【図12】図10の状態から半割アーチ梁を設置する状態を示す側面図である。
【図13】(1)は取付部の調芯状態を示す断面図、(2)は第1の架設治具の状態を示す側面図、(3)は半割アーチ梁同士の連結状態を示す断面図である。
【図14】図12の状態からスラブ部材を設置する状態を示す側面図である。
【図15】第2の架設治具の状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0071】
10 立体高架橋構造
12 基礎杭
14 地中梁
16 橋脚
18 半割アーチ梁
20 横梁
22 スラブ部材
26 縦地中梁
28 横地中梁
32、46 インサート
36 取付部
38 半割アーチ部
54 転倒防止金具
64 調芯ピン
66 調芯用凹部
70 第1の架設治具
76 第2の架設治具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレキャストコンクリート製の橋脚を基礎上に立設して固定する工程と、
前記橋脚への取付部と、前記取付部から両側に延びるアーチ頂部で半割にされた一対の半割アーチ部とを有するプレキャストコンクリート製の半割アーチ梁を、前記取付部を前記橋脚上に設置して橋脚と連結し、隣接する半割アーチ梁の端部同士を連結して前記橋脚上に橋軸方向に縦梁を架設支持する工程と、
前記縦梁に前記橋軸と交差方向に架設される横梁を下面に一体に形成したプレキャストコンクリート製のスラブ部材を、前記横梁を介し前記縦梁間に架設して前記縦梁と連結し、隣接する前記スラブ部材同士を連結してスラブを構築する工程と、
を含むことを特徴とする立体高架橋構造の施工方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記橋脚の立設時には、
前記橋脚の下部を転倒防止金具にて支持して転倒防止及び水平方向位置調整を行うと共に、
前記橋脚の下端部に設けられた第1の高さ調整手段にて高さ調整が行われることを特徴とする立体高架橋構造の施工方法。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記半割アーチ梁の前記橋脚への設置時には、
前記橋脚と前記半割アーチ梁との取付け部に調芯用の凹凸部を設けて、水平位置決めを行い、
前記半割アーチ梁の半割アーチ部の端部に取り付けた第1の架設治具を隣接する半割アーチ梁の半割アーチ部の端部と連結させて半割アーチ梁の捩れ及び隣接する半割アーチ梁同士の距離の調整を行うと共に、
前記橋脚上端もしくは前記半割アーチ梁下端部に配設した第2の高さ調整手段にて高さ調整を行うことを特徴とする立体高架橋構造の施工方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記スラブ部材の前記縦梁への架設時には、
前記スラブ部材に取り付けた第2の架設治具を隣接するスラブ部材と連結させて水平方向の位置及び隣接するスラブ部材との距離の調整を行うと共に、
前記半割アーチ梁もしくは前記スラブ部材に設けた第3の高さ調整手段にて高さ調整を行うことを特徴とする立体高架橋構造の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−239250(P2007−239250A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−60761(P2006−60761)
【出願日】平成18年3月7日(2006.3.7)
【出願人】(000166432)戸田建設株式会社 (328)
【出願人】(000230010)ジオスター株式会社 (77)
【Fターム(参考)】