端子台の試験用配線治具
【課題】試験用配線作業の効率を大幅に向上する。
【解決手段】ねじアップ機能を持つねじアップ式端子台10に試験用配線を電気的に接続する試験用配線治具1において、アップしたねじ12の下端部12aと導体端子11の上面との間に、上側接触子2および下側接触子3をそのばね性を利用して挿入することによりワンタッチで着脱可能であるため、ねじ12による締結および取り外し作業を無くしてワンタッチによる装着作業のみとすることが可能となる。
【解決手段】ねじアップ機能を持つねじアップ式端子台10に試験用配線を電気的に接続する試験用配線治具1において、アップしたねじ12の下端部12aと導体端子11の上面との間に、上側接触子2および下側接触子3をそのばね性を利用して挿入することによりワンタッチで着脱可能であるため、ねじ12による締結および取り外し作業を無くしてワンタッチによる装着作業のみとすることが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば原子力発電所、火力発電所および変電所などの配電盤、制御盤および監視盤などに用いられる配線中継および分岐装置としての例えばねじアップ式端子台などの端子台に用いられる端子台の試験用配線治具に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の端子台は、電源装置から電源電圧を印加する側と、継電器、シーケンサおよびモータ、さらにはランプなどの各種装置に電源電圧を受ける側の配線を中継接続する器具として用いられている。このような従来の端子台として、ねじアップ式端子台がある。
【0003】
このねじアップ式端子台は、導体端子のねじ穴からねじを回転離脱させた状態で導体端子面に対して垂直方向にねじを座金と共に上方に離間(ばねによるアップ移動)させ、導体端子面のねじ穴と、その離間しているねじの下端との間に電線先端部の圧着端子を挿入してドライバの先短部などでねじ頭を押し下げてねじ締結を行うことにより、このねじ締結作業を、容易かつ素早くかつねじの落下なく安全に行うことができる。
【0004】
この種の配電盤、制御盤および監視盤などの出荷時には、現地設置時に電源装置を端子台に接続することから、電源装置から電気を送る側には端子台に配線が為されておらず、各種装置に電気を受ける側は端子台の端子に配線が為されている。この状態で、配電盤、制御盤および監視盤などの出荷試験を行う必要がある。
【0005】
このような出荷試験を行う場合、試験用電源装置を、電気を送る側の端子台の端子に圧着端子を介してねじ締結により配線接続して、電気を受ける側の継電器、シーケンサおよびモータ、さらにはランプなどの各種装置に試験用電源電圧を印加して、継電器、シーケンサおよびモータ、さらにはランプなどの各種装置の動作が正常動作をするかどうかの確認や、出力電圧値および出力電流値などを確認するなどの出荷試験を行う。その出荷試験後には、電気を送る側の端子台の端子に、ねじ締結により試験用電源装置に接続していた配線を、ねじを緩めて外すことになる。
【0006】
このように、出荷試験時に、電気を送る側の端子台の端子に圧着端子を介してねじ締結により配線接続して試験用電源装置を接続したり、出荷試験後にねじを緩めてこの配線を外す必要があるが、ねじを締めたり緩めたりするのに工数を要してしまい、製造コストがかかるという問題を有していた。
【0007】
これを解決するために特許文献1に試験用配線治具が提案されている。特許文献1の試験用配線治具では、試験用電源装置に接続される試験用配線の先端部に磁石を設け、この磁石を、電気を送る側の端子台の端子ねじに磁力により接続固定する試験用配線治具としている。これによって、出荷試験時および出荷試験後にねじによる配線工数を大幅に抑えることができる。
【0008】
特許文献1を図11を用いて説明すると、図11に示すように、その試験用配線治具は、端子接触素子100a、100bの先端部の永久磁石101a、101bの接触面SAおよび接触面SBにより、端子台における端子板の締付ねじの頭部102の接触面SCに磁力により接続固定される。この場合、その永久磁石101a、101bの接触面SAおよび接触面SBは、締付ねじの頭部102の接触面SCに沿って、良好な接触性を得るために、XYZ全ての方向に独立に変位可能となっている。
【0009】
特許文献2では、端子台の複数の端子に対して一括配線可能なショートバーなどの金属板を用いて、ねじによる配線接続を合理化した試験用治具が提案されている。
【0010】
特許文献2の試験用治具では、図12に示すように、耐電圧試験などで複数回路に一括して電圧を印加する場合に、連続した櫛状の複数の各弾性接触片201を、それぞれ端子台202の側方から各接続端子203の上方に進入させ、かつ、その先端下部をその締付ねじ204の頭部に接触させ、次いで、この状態で、弾性係止部205を端子台202の対応側部のカバー係止用凹部206に係止させる。
【0011】
矢印Aに示すように、弾性係止部205付近を中心に下方向に回動させ、他側の弾性係止片207を他側のカバー係止用凹部206に係止させる。こうして、耐電圧試験用短絡板200の取り付け作業は極めて簡単かつスピーディに完了する。
【0012】
このような耐電圧試験用短絡板200のカバー係止用凹部206への取り付け状態において、複数の各弾性接触片201は、その弾力性により接続端子203の締付ねじ204に対する確実な接触を保持し、これによって、全接続端子203間の短絡が確実に実現できる。また、両側の弾性係止部205および弾性係止片207は、各々同様に、その弾力性により各隔壁の両側部の各カバー係止用凹部206に対する確実な係止状態を保持し、これによって、弾性接触片201の接続端子203の締付ねじ204に対する接触を確実に維持することができる。
【0013】
一方、耐電圧試験用電源は、耐電圧試験用短絡板200の本体に、その側部に突出してある端子片208のいずれかに、例えば、これを外装するようなコネクタ類で接続することにより、容易かつ確実に電気的に接続することができる。
【0014】
さらに、特許文献3,4では、コンタクトプローブを用いて、ねじによる配線接続を合理化した試験用配線治具が提案されている。
【0015】
特許文献3では、図13に示すように、入出力端子台300の両端の端子金具301を緩めておき、残りの中間部の端子金具301はしっかりと台座302にねじ込んでおく。次に、これに対向する配線接続器具303を、コンタクトプローブである接触子金具304の先端のV字状切り込み部が入出力端子台300の端子金具301側に近づくように移動させて、接触子金具304を両端の端子金具301によって挟んでねじ留めする。
【0016】
このとき、両端の接触子金具304はそのV字状先端が端子金具301の頭部と台座302との間に挟まり、端子金具301を締め付けることによって接触子金具304がねじ留めされ、これによって、接続器具ベース305と入出力端子台300とが機械的に固定されると共に、電気的に接続される。残る中間部の接触子金具304は、対向する端子金具301が台座302にねじ込まれているので、端子金具301の頭部が接触子金具304のV字状切り込み部の内部に入り込み、突合せで接触する。この際、スプリング306は端子金具301の頭部に接触子金具304のV字状切り込み部が接触した瞬間から圧縮を開始して、その伸張力により接触子金具304を必要な接触圧力を持って端子金具301の頭部に押し付けて電気的に突合せで接触させる。
【0017】
よって、入出力端子台300への配線接続は両端2つの端子金具301のねじ留め作業だけで済み、残りの中間部分の接触子金具304の接続はスプリング306の伸張力により突合せで接触するため、接続作業の時間が大幅に短縮すると共に、その接続作業も簡単なものとなり、配線効率を大幅に向上させることができる。
【0018】
また、接触子金具304の先端には、V字状切り込み部が形成され、このV字状切り込み部の内側と端子金具301の頭部とは突合せで接触させるので、従来のように接続のたびに端子金具301を台座302から取外す必要がなくなり、両端の端子金具301を緩めて接触子金具304の先端を締め付けるだけで良いので、作業効率を大幅に向上させることができる。
【0019】
特許文献4では、図14に示すように、外部入出力端子接続治具400は、制御盤の性能試験時に、盤の外部入出力端子と試験信号入出力用のコンタクトプローブ401とを接続する際に、端子台全面を被覆するカバー402をワンタッチで取付けおよび取り外し可能にし、カバー402に端子に対向する部位にコンタクトプローブ401を挿入貫通する穴403を開設し、治具ベース404にカバー402を固着させ、プローブ401を治具ベース404に装着し、外部入出力端子のねじ頭部とプローブ401との接続を維持するようにし、カバー402、治具ベース404を透明のアクリルブロック製とし、カバー402のプローブ401の取付け口に、プローブ401が外部入出力端子のねじ頭部に圧接時にプローブ401を退避孔に退避させることができる。
【0020】
特許文献5では、端子台に専用の構造を用いて、アタッチメントを着脱可能とした端子台およびこれに用いる試験用配線治具が提案されている。
【0021】
特許文献5の試験用配線治具では、図15の斜視図に示すように、端子板501とコイルスプリングにより付勢された座金502との間に電線503の先端の圧着端子を挟持し、座金502に螺着した端子ねじ504を締結するねじアップ方式の端子台500において、コネクタ型の試験用アタッチメント506を、ねじアップ方式の端子台500の上から差し込み、この試験用アタッチメント506に、耐電圧試験用短絡アダプタ507とシーケンス試験アダプタ508とを各々独立または個別に差し込んで接続する。
【0022】
この試験用アタッチメント506は、ねじアップ方式の端子台500への一つの端子接続部から耐電圧試験用短絡アダフタ507およびシーケンス試験アダプタ508への複数の接続部を分岐させたタブ端子509を備えている。また、ねじアップ方式の端子台500に耐電圧試験用短絡アダフタ507およびシーケンス試験アダプタ508の何れかを個別に差し込んで接続した複数個のものを、接続できるようにする一端子接続アダプタ510も備えている。
【0023】
さらに、このねじアップ方式の端子台500には、端子名を示す短冊状の文字板511が使用されているが、試験用アタッチメント506をねじアップ方式の端子台500に差し込んで接続する際には、文字板511を取り外し、その文字板511を試験用アタッチメント506に装着できるようにする。安全カバー512はねじアップ方式の端子台500を覆い、安全を期するために使用する。
【0024】
さらに、特許文献6では、導電板に試験用ターミナルを締結した端子台が提案されている。
【0025】
特許文献6では、図16(a)および図16(b)に示すように、端子台600の止メ金601を利用して、止メ金601の中央部上に試験用ターミナル602を組込んだ試験用ターミナル付端子台であって、この試験用ターミナル602によって通電試験の準備が簡略化でき、試験用ターミナル602の穴内にバナナプラグ付試験用電線(図示せず)を差し込むことによって効率良く作業が行える。このように、通電試験を行う際に、締付けねじ603の取外し作業および取付作業を省略するために、試験用ターミナル601を用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】特開2007−73477号公報
【特許文献2】特開2004−273189号公報
【特許文献3】特開2004−247114号公報
【特許文献4】特開2002−71711号公報
【特許文献5】特開平6−283224号公報(特許第2921256号公報)
【特許文献6】実開平5−15338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
上記特許文献1の試験用配線の磁石による従来の接続構成では、ねじ材料が鉄の場合に、試験用配線とねじとの接続に問題はないが、ねじ材料がステンレスや真鍮などの非磁性体の場合には、試験用配線を磁石によりねじと接続することができない。また、ねじ材料が鉄の場合に、試験用配線を磁石によりねじに接続したとしても、磁石を介して試験対象の装置側に電流を流すと、磁石は抵抗が大きいため、電流が制限されてしまい、端子台の定格電流を大幅に下回る場合が生じる。例えば端子台の定格電流が30Aの場合に、治具通電電流が1A以下になることもあり得る。この場合には、正確な動作試験や性能試験が実施できないという問題が生じる。
【0028】
上記特許文献2のショートバーを用いた従来の試験用治具では、端子台の複数の端子を経由して各装置に電源電圧を印加する耐圧試験には、確かに、ショートバーなどの金属板を用いて、ねじによる配線接続を合理化することができるが、端子台の複数の端子個々を経由して、それぞれの各装置に電源電圧を印加する場合には、一括接続するためのショートバーは用いることができないし、ねじによる配線接続がなくなるわけでもないので、ねじによる配線接続に多大な工数を要してしまい、製造コストがかかるという問題がなくなるわけではない。
【0029】
上記特許文献3,4のコンタクトプローブを用いた従来の試験用治具では、コンタクトプローブ自体の価格が高価であり、コンタクトプローブ自体の接触抵抗は低いものの、コンタクトプローブを介して試験対象の装置側に電流を流すと、コンタクトプローブは電流を流す容量が小さいため、電流が大幅に制限されてしまい、端子台の定格電流を大幅に下回る場合が生じる。例えば端子台の定格電流が30Aの場合に、治具通電電流が1A以下になることもあり得る。この場合には、正確な動作試験や性能試験が実施できないという問題が生じる。
【0030】
上記特許文献5のアタッチメントを用いた端子台およびこれに用いる試験用治具では、アタッチメントを複数用いるため、価格が高くなると共に、端子台の端子との接触部と、アタッチメントとの接触部との二箇所の接触部を持つ構造であり、接触部が故障する可能性が相乗的に高くなる。
【0031】
上記特許文献6の試験用の導電ねじを用いた従来の構造では、試験用ターミナル602自体の端子台600の止メ金601への取り付けは、ねじによる締結および取り外しとなるため、配線作業自体の時間短縮にはならないという問題を有していた。
【0032】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、ねじによる締結および取り外し作業を無くしてワンタッチによる装着作業のみとすることにより、試験用配線作業の効率を大幅に向上することができる端子台の試験用配線治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0033】
本発明の端子台の試験用配線治具は、ねじアップ機能を持つねじアップ式端子台において、アップしたねじの下端部と、該ねじが締結可能とされるねじ穴を持つ導電端子との間にばね性を有して挿入されて、該導電端子に電気的に接触すると共に、外部配線に接続されている導電性接触子を有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0034】
また、好ましくは、本発明の端子台の試験用配線治具における導電性接触子として、手前側と先端側間の側面部を介して一体化して上側の先端側と下側の先端側でばね性を有して分離した帯板状の上側接触子および下側接触子を有する。
【0035】
さらに、好ましくは、本発明の端子台の試験用配線治具において、前記上側接触子および前記下側接触子の一体化した根元部および前記手前側をカバーする樹脂ケースと、該樹脂ケース内で該上側接触子および該下側接触子の各手前側に設けられ、前記外部配線と電気的に接続可能とする接続部とをさらに有する。
【0036】
さらに、好ましくは、本発明の端子台の試験用配線治具における樹脂ケースは、前記上側接触子および前記下側接触子の一体化した根元部および前記手前側を両側から挟み込んで抱き合わせてカバーする。
【0037】
さらに、好ましくは、本発明の端子台の試験用配線治具における樹脂ケースの二つを抱き合わた1ユニットまたは複数ユニットを固定する固定シャフトを更に有する。
【0038】
さらに、好ましくは、本発明の端子台の試験用配線治具における上側接触子が前記下側接触子よりも長く突出されており、該上側接触子の先端部が、前記アップしたねじの下端部の下に挿入し易くするために下側に折れ曲がっている。
【0039】
さらに、好ましくは、本発明の端子台の試験用配線治具における下側接触子の下面には、前記導電端子のねじ穴に嵌合可能な抜け止め用の円形突部が形成されている。
【0040】
さらに、好ましくは、本発明の端子台の試験用配線治具における樹脂ケースは、装着保持機構として、前記アップしたねじの下端部を両側から挟み込んで治具装着状態を保持する突起片部を設けている。
【0041】
さらに、好ましくは、本発明の端子台の試験用配線治具において、前記上側接触子および前記下側接触子の手前側の接続部は、レセプタクルが着脱自在なファストンタブかまたは半田端子である。
【0042】
さらに、好ましくは、本発明の端子台の試験用配線治具における接続部は、1ユニットに2つ設けられている。
【0043】
さらに、好ましくは、本発明の端子台の試験用配線治具を使用するねじアップ式端子台は、絶縁ユニットによって前記導電端子の表面に対して垂直方向に移動自在にガイドされる座金を持つ座金付のねじと、該座金付のねじの下端部が該導電端子のねじ穴から離間する方向に該座金付のねじに付勢力を付与するばね部材とを有して、前記ねじアップ機能を持たせている。
【0044】
上記構成により、以下、本発明の作用を説明する。
【0045】
本発明においては、アップしたねじの下端部と、ねじが締結可能とされる導電端子との間にばね性を有して挿入されて、導電端子に電気的に接触すると共に、外部配線に接続された導電性接触子を有している。
【0046】
これによって、アップしたねじの下端部と導体端子の上面との間に、この導電性接触子をそのばね性を利用して挿入することによりワンタッチで着脱可能である。したがって、試験用配線治具のねじアップ式端子台への装着にねじの締結作業を行うことなく、ワンタッチで容易かつ素早く、試験用配線治具の導電性接触子を導電端子の入力側に確実に装着することが可能となる。よって、ねじによる締結および取り外し作業を無くしてワンタッチによる装着作業のみとして、試験用配線作業の効率を大幅に向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0047】
以上により、本発明によれば、アップしたねじの下端部と導体端子の上面との間に、導電性接触子をそのばね性を利用して挿入することによりワンタッチで着脱可能であるため、ねじによる締結および取り外し作業を無くしてワンタッチによる装着作業のみとすることができて、試験用配線作業の効率を大幅に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態1における端子台の試験用配線治具の要部構成例を示す図であって、(a)はその試験用配線治具の上面図であり、(b)はその試験用配線治具の側面図であり、(c)はその試験用配線治具の正面図である。
【図2】図1の試験用配線治具の縦断面図である。
【図3】図2の試験用配線治具をねじアップ式端子台に用いて試験する状態を示す要部構成図である。
【図4】図1の試験用配線治具を端子台に装着前の状態を示す平面図である。
【図5】図1の試験用配線治具を端子台に装着後の状態を示す平面図である。
【図6】本発明の実施形態2における端子台の試験用配線治具の要部構成例を示す図であって、(a)はその試験用配線治具の上面図であり、(b)はその試験用配線治具の側面図であり、(c)はその試験用配線治具の正面図である。
【図7】図6の試験用配線治具の縦断面図である。
【図8】図6の試験用配線治具をねじアップ式端子台に用いて試験する状態を示す要部構成図である。
【図9】図6の上側接触子の先端側の拡大上面図である。
【図10】図6の下側接触子の先端側の拡大下面図である。
【図11】特許文献1に開示されている従来の端子台の試験用配線治具の要部構成例を示す拡大断面図である。
【図12】特許文献2に開示されている従来の試験用配線治具を端子台に取り付けた場合の要部構成例を示す縦断面図である。
【図13】特許文献3に開示されている従来の試験用配線治具を端子台に取り付けた場合の要部構成例を示す平面図である。
【図14】特許文献4に開示されている従来の端子台の試験用配線治具の構成例を示す斜視図である。
【図15】特許文献5に開示されている従来の端子台の試験用配線治具の構成例を示す斜視図である。
【図16】(a)は、特許文献6に開示されている従来の端子台の試験用配線治具の構成例を示す正面図であり、(b)は、その端子台の試験用配線治具の構成例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下に、本発明の実施形態に係る端子台の試験用配線治具の実施形態1、2について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0050】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1における端子台の試験用配線治具の要部構成例を示す図であって、(a)はその試験用配線治具の上面図であり、(b)はその試験用配線治具の側面図であり、(c)はその試験用配線治具の正面図である。
【0051】
図1(a)〜図1(c)において、本実施形態1の端子台の試験用配線治具1は、手前側と先端側21,31間で側面を介して一体化して上側の先端側21と下側の先端側31でばね性を有して分離した帯板状の導電性接触子としての上側接触子2および下側接触子3と、これらの上側接触子2および下側接触子3の一体化した根元部側を両側から挟み込んでカバーする二つの樹脂ケース4、4と、二つの樹脂ケース4、4の側面を貫通して固定する固定シャフトとしての締結シャフト5と、樹脂ケース4内で上側接触子2および下側接触子3のいずれかの手前側に電気的に接続する、電源装置に接続された配線部材6とを有している。
【0052】
上側接触子2および下側接触子3は金属製で前後に長い板状に形成されており、図2の縦断面図に示すように、上下2枚の上側接触子2および下側接触子3は、手前側22,32と先端側21,31間の各一方側面部にそれぞれ連設する連設部23で折り曲げられて一体化しており、先端側21,31で上側と下側に所定間隔(ねじの下端部と導電端子の上面との距離に応じた寸法であって、導電端子の上面に対して先端側31が所定の接触圧力を得る程度の寸法)を空けて分離した状態で、上下2枚の上側接触子2および下側接触子3の先端側21,31が接近または離間可能にばね性を持っている。2枚のばね性金属板(上側接触子2および下側接触子3)は、端子台への装着のために先端部分で挿入可能でしかも接触信頼性がある程度のばね性を持たせる必要がある。
【0053】
二つの樹脂ケース4、4は、互いに抱き合わされて手前側が開放された箱型状に構成されており、図2の縦断面図に示すように、手前側の開放面に対向する外郭側面41に上下2つの切り欠き部(ここでは一括した1つの切り欠き部)が形成され、この上下2つの切り欠き部に上側接触子2および下側接触子3が両側から嵌め込まれた状態で両側から抱き合わされて箱型を構成している。二つの樹脂ケース4、4は、上側接触子2および下側接触子3の手前側22,32と、手前側22,32と先端側21,31間の連設部23とをカバーして収容し、両側面から立設したリブ(図示せず)によって上側接触子2および下側接触子3が保持されている。上側接触子2および下側接触子3の手前側22,32は、互いに所定距離(絶縁距離)を置くように折り曲げられており、その折り曲げられた上側接触子2および下側接触子3の手前側22,32間には、二つの樹脂ケース4、4を互いに抱き合わした状態を固定する締結シャフト5を貫通させるための穴42が形成されている。この穴42は、金属製の締結シャフト5と、上側接触子2および下側接触子3の手前側22,32との絶縁を図るために、穴42の周縁から円環状にリブ(図示せず)が立設されている。
【0054】
締結シャフト5は、ねじ部とナット部で構成されており、二つの樹脂ケース4、4を互いに抱き合わした状態で固定するために用いられる。また、締結シャフト5は、必要なだけ一または複数の試験用配線治具1を一体化するために用いることもできる。
【0055】
配線部材6は、その一方端に試験用電源の出力端が接続されており、その他方端に、上側接触子2および下側接触子3の手前側22または32の接続部としての半田端子が半田で接続される。例えば、配線部材6が上側接触子2の手前側22に半田で接続された場合には、残った下側接触子3の手前側32には、別の配線部材6が接続可能である。例えば、この別の配線部材6を、端子台の隣接端子同士をショートさせる隣端子との渡り線のために用いることもできる。
【0056】
ここで、本実施形態1の試験用配線治具1をねじアップ式端子台に用いて試験する場合について図3〜図5を用いて詳細に説明する。
【0057】
図3は、図2の試験用配線治具1をねじアップ式端子台に用いて試験する状態を示す要部構成図である。
【0058】
図3において、ねじアップ式端子台10は、電源装置から電源電圧を印加する導体端子11の入力側11aと、継電器、シーケンサおよびモータ、さらにはランプなどの被試験用の各種装置に電源電圧を受ける導体端子11の出力側11bとを有している。この導体端子11の入力側11aに、電源装置や各種計測機器などが接続された試験用配線治具1の上側接触子2および下側接触子3がワンタッチで接続され、導体端子11の出力側11bに、継電器、シーケンサおよびモータ、さらにはランプなどの被試験用の各種装置が接続される。
【0059】
このねじアップ式端子台10は、導体端子11のねじ穴からねじを回転離脱させた状態で導体端子11の上面に対して垂直方向にねじ12を座金13と共に上方に離間(ばね14によるアップ移動)させ、導体端子11の上面のねじ穴と、その離間しているねじ12の下端12aとの間に、試験用配線治具1の上側接触子2および下側接触子3をそのばね性で挿入して、上側接触子2とねじ12の下端12aとを当接させると共に、下側接触子3と端子11の上面とを当接させることができる。このように、アップしたねじ12の先端部(下端12a)と導体端子11の上面との間に、2枚のばね性金属板である上側接触子2および下側接触子3をそのばね性を利用して挿入することによりワンタッチで着脱可能である。したがって、試験用配線治具1のねじアップ式端子台10への装着にねじ12の締結作業を行うことなく、ワンタッチで容易かつ素早く、試験用配線治具1の上側接触子2および下側接触子3を導電端子11の入力側11aに確実に装着することができる。これによって、ねじ12による締結および取り外し作業を無くしてワンタッチによる装着作業のみとすることができて、試験用配線作業の効率を大幅に向上することができる。
【0060】
なお、本実施形態1では、ねじアップ端子台10は、ねじ12が保持される1段式を用いたが、これに限らず、2段式のねじアップ端子台であっても、試験用配線治具1の上側接触子2および下側接触子3を導電端子11の入力側11aに装着するのに何ら変わりはない。
【0061】
また、本実施形態1では、試験用配線治具1はテストプラグとして1ユニットの場合について説明したが、これに限らず、図4および図5のように試験用配線治具1Aとして、複数ユニットで構成されていてもよい。図4および図5は、ねじアップ端子台10が10ユニットの場合で、試験用配線治具1Aとして10ユニットの場合である。試験用配線治具1Aとして、10個の単ユニットの試験用配線治具1を締結シャフト5により連結すればよい。図4に示す10ユニットの試験用配線治具1Aを、図5に示すように、ねじアップ端子台10の各導電端子11に、上側接触子2および下側接触子3をワンタッチでそのばね性を利用して挿入することにより、より素早く確実に装着することができる。
【0062】
(実施形態2)
上記実施形態1では、試験用配線治具1に装着保持機構を設けておらず、配線部材を試験用配線治具1に半田で接続した場合について説明したが、本実施形態2では、試験用配線治具に装着保持機構(容易に外れない構造)を設け、配線部材を着脱自在に構成した場合について説明する。
【0063】
図6は、本発明の実施形態2における端子台の試験用配線治具の要部構成例を示す図であって、(a)はその試験用配線治具の上面図であり、(b)はその試験用配線治具の側面図であり、(c)はその試験用配線治具の正面図である。
【0064】
図6(a)〜図6(c)において、本実施形態2の端子台の試験用配線治具1Bは、手前側と先端側21,31間の側面部で連結して一体化して上側の先端側21と下側の先端側31でばね性を有して分離した導電性接触子としての帯板状の上側接触子2Bおよび下側接触子3Bと、これらの上側接触子2Bおよび下側接触子3Bの一体化した根元部側を両側から挟み込んでカバーすると共に、端子台のアップしたねじをキャッチする突起片部43を持つ二つの樹脂ケース4B、4Bと、二つの樹脂ケース4B、4Bの側面を貫通して固定する固定シャフトとしての締結シャフト5と、樹脂ケース4B内で上側接触子2Bおよび下側接触子3Bのいずれかの手前側に電気的に接続する、電源装置に接続された配線部材6とを有している。
【0065】
上側接触子2Bおよび下側接触子3Bは金属製で板状に形成されており、図7の縦断面図に示すように、上下2枚の上側接触子2Bおよび下側接触子3Bは、手前側22,32と先端側21,31間の各一方側面部にそれぞれ連設する連設部23で折り曲げられて一体化しており、上側の先端側21と下側の先端側31で所定間隔(ねじの下端部と導電端子の上面との距離に応じた寸法であって、導電端子の上面に対して先端側31が所定の接触圧力を得る程度の寸法)を空けて分離した状態で、上下2枚の上側接触子2Bおよび下側接触子3Bの先端側21,31が接近または離間可能にばね性を持っている。
【0066】
さらに、2枚のばね性金属板である上側接触子2Bと下側接触子3Bとはその先端部の長さが、上側接触子2Bの方が下側接触子3Bよりも長く突き出ており、上側接触子2Bの先端が、端子台のアップしたねじの下端部を拾い易くするために下側に折れ曲がっている。また、下側接触子3Bの下面には、試験用配線治具1Bが端子台に装着された状態を維持するために、図10に示すように、端子台の端子のねじ穴に嵌合可能な抜け止め用の円形突部33が形成されている。
【0067】
このように、ねじ12の先端部(下端部12a)と端子板(導電端子11)との間に対してより挿入が容易なように、2枚のばね性金属板(上側接触子2Bと下側接触子3B)の上側(上側接触子2B)は下方に向いている。下側のばね性金属板(下側接触子3B)は、抜け止め用に、導電端子11のねじ穴に嵌まり込むように円形突部33が下面側に突出して設けられている。
【0068】
二つの樹脂ケース4B、4Bは、互いに抱き合わされて手前側が開放された箱型状に構成されており、図7の縦断面図に示すように、手前側の開放面に対向する外郭側面41に上下2つの切り欠き部(ここでは一括した1つの切り欠き部)が形成され、この上下2つの切り欠き部に上側接触子2Bおよび下側接触子3Bが嵌め込まれた状態で両側から抱き合わされて箱型を構成している。二つの樹脂ケース4B、4Bは、上側接触子2Bおよび下側接触子3Bの手前側22,32と、手前側22,32と先端側21,31間の連設部23とを収容し、両側面から立設したリブ(図示せず)によって保持されている。上側接触子2Bおよび下側接触子3Bの手前側22,32は、締結シャフト5との間で互いに所定の絶縁距離を置くように折り曲げられており、その折り曲げられた上側接触子2Bおよび下側接触子3Bの手前側22,32にそれぞれ形成された二つのファストンリブ間には、二つの樹脂ケース4B、4Bを互いに抱き合わした状態を固定する固定シャフトとしての締結シャフト5を貫通させるための穴42が形成されている。この穴42は、金属製の締結シャフト5と、上側接触子2Bおよび下側接触子3Bの手前側22,32の二つのファストンリブとの間の絶縁を図るために、穴42の周縁から円環状にリブ(図示せず)が立設されている。
【0069】
また、二つの樹脂ケース4B、4Bにはそれぞれ、試験用配線治具1Bの装着保持機構として、端子台側の外郭側面41に、端子台のアップしたねじの下端部を両側から挟みこんで、下側接触子3Bの手前側32に設けられた抜け止め用の円形突部33と共に、試験用配線治具1Bの装着状態を保持する突起片部43を設けている。この突起片部43は、図9に示すように、二つの樹脂ケース4B、4Bの各外郭側面41からそれぞれ突出して、先端部分のばね性で、端子台のアップしたねじ12の下端部12aがU字状切り欠き部43b内に挿入されて先端部分の両側からねじ12の下端部12aを挟み込んで保持するようになっている。ねじ12の下端部12aを突起片部43のU字状切り欠き部43b内に容易に案内するために、U字状切り欠き部43bの入口部分の両側にC部43aが形成されている。さらに、突起片部43は、その下部の上側接触子2および下側接触子3の先端側21、31が変形しないようにするための保護壁にもなっている。
【0070】
締結シャフト5は、ねじ部とナット部で構成されており、二つの樹脂ケース4B、4Bを互いに抱き合わした状態で固定するために用いられる。また、締結シャフト5は、必要なだけ複数の試験用配線治具1Bを一体化するために用いることもできる。
【0071】
配線部材6は、その一方端に試験用電源の出力端が接続されており、その他方端のレセプタクル61に、上側接触子2および下側接触子3の手前側22または32の接続部としての各ファストンタブが着脱自在である。例えば、配線部材6の他方端のレセプタクル61が上側接触子2の手前側22のファストンタブに挿入されて電気的に接続された場合に、残った下側接触子3の手前側32のファストンタブに、別の配線部材6の他方端のレセプタクル61が接続可能である。例えば、この別の配線部材6の他方端のレセプタクル61を用いて、端子台の隣接端子同士をショートさせるための渡り線として用いることもできる。
【0072】
ここで、本実施形態1の試験用配線治具1Bをねじアップ式端子台に用いて試験する場合について図8を用いて詳細に説明する。
【0073】
図8は、図7の試験用配線治具1Bをねじアップ式端子台に用いて試験する状態を示す要部構成図である。
【0074】
図8において、ねじアップ式端子台10は、電源装置から電源電圧を印加する導電端子11の入力側11aと、継電器、シーケンサおよびモータ、さらにはランプなどの被試験用の各種装置に電源電圧を受ける導体端子11の出力側11bとを有している。この導電端子11の入力側11aに、電源装置や各種計測機器などが接続された試験用配線治具1の上側接触子2Bおよび下側接触子3Bがワンタッチで接続され、導電端子11の出力側11bに、継電器、シーケンサおよびモータ、さらにはランプなどの被試験用の各種装置がねじ12の締結により接続される。
【0075】
このねじアップ式端子台10は、導電端子11のねじ穴からねじを回転離脱させた状態で導電端子11の上面に対して垂直方向にねじ12を座金13と共に上方に離間(ばね14によるアップ移動)させ、導電端子11の上面のねじ穴と、その離間してアップしいるねじ12の下端部12aとの間に、試験用配線治具1の上側接触子2Bおよび下側接触子3Bを挿入して、上側接触子2Bとねじ12の下端12aとを当接させると共に、下側接触子3Bと導電端子11の上面とを当接させることができる。このように、アップしたねじ12の先端部(下端部12a)と導電端子11の上面との間に、2枚のばね性金属板である上側接触子2および下側接触子3をそのばね性を利用して挿入することによりワンタッチで容易に着脱可能である。したがって、試験用配線治具1のねじアップ式端子台10への装着にねじ12の締結作業を行うことなく、ワンタッチで容易かつ素早く、試験用配線治具1の上側接触子2Bおよび下側接触子3Bを導電端子11の入力側11aに確実に装着することができる。
【0076】
以上により、本実施形態1、2によれば、アップしたねじ12の下端部12aと導体端子11の上面との間に、上側接触子2Bおよび下側接触子3Bをそのばね性を利用して挿入することによりワンタッチで着脱可能であるため、ねじ12による締結および取り外し作業を無くしてワンタッチによる装着作業のみとすることができて、試験用配線作業の効率を大幅に向上することができる。
【0077】
なお、本実施形態2では、試験用配線治具1Bはテストプラグとして1ユニットの場合について説明したが、これに限らず、複数ユニットで構成されていてもよい。複数個の単ユニットの試験用配線治具を締結シャフト5により連結すればよい。複数ユニットの試験用配線治具を、ねじアップ端子台10の各端子11に、上側接触子2Bおよび下側接触子3Bをワンタッチで挿入することにより素早く装着することができる。
【0078】
なお、本実施形態1、2では、締結シャフト5を用いて一または複数ユニットを一体化するために用いたが、これに限らず、各ユニットが隣接する側壁に嵌め合いを設けて複数ユニットを連結するように構成してもよい。
【0079】
以上のように、本発明の好ましい実施形態1〜3を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態1〜3に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態1〜3の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、例えば原子力発電所、火力発電所および変電所などの配電盤、制御盤および監視盤などに用いられる配線中継および分岐装置としての例えばねじアップ式端子台などの端子台に用いられる端子台の試験用配線治具の分野において、アップしたねじの下端部と導体端子の上面との間に、導電性接触子をそのばね性を利用して挿入することによりワンタッチで着脱可能であるため、ねじによる締結および取り外し作業を無くしてワンタッチによる装着作業のみとすることができて、試験用配線作業の効率を大幅に向上することができる。
【符号の説明】
【0081】
1、1A,1B 端子台の試験用配線治具
2、2B 上側接触子
21 上側の先端側
22 上側の手前側(半田端子またはファストンタブ)
23 連設部
3、3B 下側接触子
31 下側の先端側
32 下側の手前側(半田端子またはファストンタブ)
33 円形突部
4、4B 樹脂ケース
41 外郭側面
42 穴
43 突起片部
43a C部
43b U字状切り欠き部
5 締結シャフト
6 配線部材
61 レセプタクル(被挿入端子)
10 ねじアップ式端子台
11 導電端子
11a 入力側
11b 出力側
12 ねじ
12a ねじの下端部
13 座金
14 ばね(ばね部材)
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば原子力発電所、火力発電所および変電所などの配電盤、制御盤および監視盤などに用いられる配線中継および分岐装置としての例えばねじアップ式端子台などの端子台に用いられる端子台の試験用配線治具に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の端子台は、電源装置から電源電圧を印加する側と、継電器、シーケンサおよびモータ、さらにはランプなどの各種装置に電源電圧を受ける側の配線を中継接続する器具として用いられている。このような従来の端子台として、ねじアップ式端子台がある。
【0003】
このねじアップ式端子台は、導体端子のねじ穴からねじを回転離脱させた状態で導体端子面に対して垂直方向にねじを座金と共に上方に離間(ばねによるアップ移動)させ、導体端子面のねじ穴と、その離間しているねじの下端との間に電線先端部の圧着端子を挿入してドライバの先短部などでねじ頭を押し下げてねじ締結を行うことにより、このねじ締結作業を、容易かつ素早くかつねじの落下なく安全に行うことができる。
【0004】
この種の配電盤、制御盤および監視盤などの出荷時には、現地設置時に電源装置を端子台に接続することから、電源装置から電気を送る側には端子台に配線が為されておらず、各種装置に電気を受ける側は端子台の端子に配線が為されている。この状態で、配電盤、制御盤および監視盤などの出荷試験を行う必要がある。
【0005】
このような出荷試験を行う場合、試験用電源装置を、電気を送る側の端子台の端子に圧着端子を介してねじ締結により配線接続して、電気を受ける側の継電器、シーケンサおよびモータ、さらにはランプなどの各種装置に試験用電源電圧を印加して、継電器、シーケンサおよびモータ、さらにはランプなどの各種装置の動作が正常動作をするかどうかの確認や、出力電圧値および出力電流値などを確認するなどの出荷試験を行う。その出荷試験後には、電気を送る側の端子台の端子に、ねじ締結により試験用電源装置に接続していた配線を、ねじを緩めて外すことになる。
【0006】
このように、出荷試験時に、電気を送る側の端子台の端子に圧着端子を介してねじ締結により配線接続して試験用電源装置を接続したり、出荷試験後にねじを緩めてこの配線を外す必要があるが、ねじを締めたり緩めたりするのに工数を要してしまい、製造コストがかかるという問題を有していた。
【0007】
これを解決するために特許文献1に試験用配線治具が提案されている。特許文献1の試験用配線治具では、試験用電源装置に接続される試験用配線の先端部に磁石を設け、この磁石を、電気を送る側の端子台の端子ねじに磁力により接続固定する試験用配線治具としている。これによって、出荷試験時および出荷試験後にねじによる配線工数を大幅に抑えることができる。
【0008】
特許文献1を図11を用いて説明すると、図11に示すように、その試験用配線治具は、端子接触素子100a、100bの先端部の永久磁石101a、101bの接触面SAおよび接触面SBにより、端子台における端子板の締付ねじの頭部102の接触面SCに磁力により接続固定される。この場合、その永久磁石101a、101bの接触面SAおよび接触面SBは、締付ねじの頭部102の接触面SCに沿って、良好な接触性を得るために、XYZ全ての方向に独立に変位可能となっている。
【0009】
特許文献2では、端子台の複数の端子に対して一括配線可能なショートバーなどの金属板を用いて、ねじによる配線接続を合理化した試験用治具が提案されている。
【0010】
特許文献2の試験用治具では、図12に示すように、耐電圧試験などで複数回路に一括して電圧を印加する場合に、連続した櫛状の複数の各弾性接触片201を、それぞれ端子台202の側方から各接続端子203の上方に進入させ、かつ、その先端下部をその締付ねじ204の頭部に接触させ、次いで、この状態で、弾性係止部205を端子台202の対応側部のカバー係止用凹部206に係止させる。
【0011】
矢印Aに示すように、弾性係止部205付近を中心に下方向に回動させ、他側の弾性係止片207を他側のカバー係止用凹部206に係止させる。こうして、耐電圧試験用短絡板200の取り付け作業は極めて簡単かつスピーディに完了する。
【0012】
このような耐電圧試験用短絡板200のカバー係止用凹部206への取り付け状態において、複数の各弾性接触片201は、その弾力性により接続端子203の締付ねじ204に対する確実な接触を保持し、これによって、全接続端子203間の短絡が確実に実現できる。また、両側の弾性係止部205および弾性係止片207は、各々同様に、その弾力性により各隔壁の両側部の各カバー係止用凹部206に対する確実な係止状態を保持し、これによって、弾性接触片201の接続端子203の締付ねじ204に対する接触を確実に維持することができる。
【0013】
一方、耐電圧試験用電源は、耐電圧試験用短絡板200の本体に、その側部に突出してある端子片208のいずれかに、例えば、これを外装するようなコネクタ類で接続することにより、容易かつ確実に電気的に接続することができる。
【0014】
さらに、特許文献3,4では、コンタクトプローブを用いて、ねじによる配線接続を合理化した試験用配線治具が提案されている。
【0015】
特許文献3では、図13に示すように、入出力端子台300の両端の端子金具301を緩めておき、残りの中間部の端子金具301はしっかりと台座302にねじ込んでおく。次に、これに対向する配線接続器具303を、コンタクトプローブである接触子金具304の先端のV字状切り込み部が入出力端子台300の端子金具301側に近づくように移動させて、接触子金具304を両端の端子金具301によって挟んでねじ留めする。
【0016】
このとき、両端の接触子金具304はそのV字状先端が端子金具301の頭部と台座302との間に挟まり、端子金具301を締め付けることによって接触子金具304がねじ留めされ、これによって、接続器具ベース305と入出力端子台300とが機械的に固定されると共に、電気的に接続される。残る中間部の接触子金具304は、対向する端子金具301が台座302にねじ込まれているので、端子金具301の頭部が接触子金具304のV字状切り込み部の内部に入り込み、突合せで接触する。この際、スプリング306は端子金具301の頭部に接触子金具304のV字状切り込み部が接触した瞬間から圧縮を開始して、その伸張力により接触子金具304を必要な接触圧力を持って端子金具301の頭部に押し付けて電気的に突合せで接触させる。
【0017】
よって、入出力端子台300への配線接続は両端2つの端子金具301のねじ留め作業だけで済み、残りの中間部分の接触子金具304の接続はスプリング306の伸張力により突合せで接触するため、接続作業の時間が大幅に短縮すると共に、その接続作業も簡単なものとなり、配線効率を大幅に向上させることができる。
【0018】
また、接触子金具304の先端には、V字状切り込み部が形成され、このV字状切り込み部の内側と端子金具301の頭部とは突合せで接触させるので、従来のように接続のたびに端子金具301を台座302から取外す必要がなくなり、両端の端子金具301を緩めて接触子金具304の先端を締め付けるだけで良いので、作業効率を大幅に向上させることができる。
【0019】
特許文献4では、図14に示すように、外部入出力端子接続治具400は、制御盤の性能試験時に、盤の外部入出力端子と試験信号入出力用のコンタクトプローブ401とを接続する際に、端子台全面を被覆するカバー402をワンタッチで取付けおよび取り外し可能にし、カバー402に端子に対向する部位にコンタクトプローブ401を挿入貫通する穴403を開設し、治具ベース404にカバー402を固着させ、プローブ401を治具ベース404に装着し、外部入出力端子のねじ頭部とプローブ401との接続を維持するようにし、カバー402、治具ベース404を透明のアクリルブロック製とし、カバー402のプローブ401の取付け口に、プローブ401が外部入出力端子のねじ頭部に圧接時にプローブ401を退避孔に退避させることができる。
【0020】
特許文献5では、端子台に専用の構造を用いて、アタッチメントを着脱可能とした端子台およびこれに用いる試験用配線治具が提案されている。
【0021】
特許文献5の試験用配線治具では、図15の斜視図に示すように、端子板501とコイルスプリングにより付勢された座金502との間に電線503の先端の圧着端子を挟持し、座金502に螺着した端子ねじ504を締結するねじアップ方式の端子台500において、コネクタ型の試験用アタッチメント506を、ねじアップ方式の端子台500の上から差し込み、この試験用アタッチメント506に、耐電圧試験用短絡アダプタ507とシーケンス試験アダプタ508とを各々独立または個別に差し込んで接続する。
【0022】
この試験用アタッチメント506は、ねじアップ方式の端子台500への一つの端子接続部から耐電圧試験用短絡アダフタ507およびシーケンス試験アダプタ508への複数の接続部を分岐させたタブ端子509を備えている。また、ねじアップ方式の端子台500に耐電圧試験用短絡アダフタ507およびシーケンス試験アダプタ508の何れかを個別に差し込んで接続した複数個のものを、接続できるようにする一端子接続アダプタ510も備えている。
【0023】
さらに、このねじアップ方式の端子台500には、端子名を示す短冊状の文字板511が使用されているが、試験用アタッチメント506をねじアップ方式の端子台500に差し込んで接続する際には、文字板511を取り外し、その文字板511を試験用アタッチメント506に装着できるようにする。安全カバー512はねじアップ方式の端子台500を覆い、安全を期するために使用する。
【0024】
さらに、特許文献6では、導電板に試験用ターミナルを締結した端子台が提案されている。
【0025】
特許文献6では、図16(a)および図16(b)に示すように、端子台600の止メ金601を利用して、止メ金601の中央部上に試験用ターミナル602を組込んだ試験用ターミナル付端子台であって、この試験用ターミナル602によって通電試験の準備が簡略化でき、試験用ターミナル602の穴内にバナナプラグ付試験用電線(図示せず)を差し込むことによって効率良く作業が行える。このように、通電試験を行う際に、締付けねじ603の取外し作業および取付作業を省略するために、試験用ターミナル601を用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】特開2007−73477号公報
【特許文献2】特開2004−273189号公報
【特許文献3】特開2004−247114号公報
【特許文献4】特開2002−71711号公報
【特許文献5】特開平6−283224号公報(特許第2921256号公報)
【特許文献6】実開平5−15338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
上記特許文献1の試験用配線の磁石による従来の接続構成では、ねじ材料が鉄の場合に、試験用配線とねじとの接続に問題はないが、ねじ材料がステンレスや真鍮などの非磁性体の場合には、試験用配線を磁石によりねじと接続することができない。また、ねじ材料が鉄の場合に、試験用配線を磁石によりねじに接続したとしても、磁石を介して試験対象の装置側に電流を流すと、磁石は抵抗が大きいため、電流が制限されてしまい、端子台の定格電流を大幅に下回る場合が生じる。例えば端子台の定格電流が30Aの場合に、治具通電電流が1A以下になることもあり得る。この場合には、正確な動作試験や性能試験が実施できないという問題が生じる。
【0028】
上記特許文献2のショートバーを用いた従来の試験用治具では、端子台の複数の端子を経由して各装置に電源電圧を印加する耐圧試験には、確かに、ショートバーなどの金属板を用いて、ねじによる配線接続を合理化することができるが、端子台の複数の端子個々を経由して、それぞれの各装置に電源電圧を印加する場合には、一括接続するためのショートバーは用いることができないし、ねじによる配線接続がなくなるわけでもないので、ねじによる配線接続に多大な工数を要してしまい、製造コストがかかるという問題がなくなるわけではない。
【0029】
上記特許文献3,4のコンタクトプローブを用いた従来の試験用治具では、コンタクトプローブ自体の価格が高価であり、コンタクトプローブ自体の接触抵抗は低いものの、コンタクトプローブを介して試験対象の装置側に電流を流すと、コンタクトプローブは電流を流す容量が小さいため、電流が大幅に制限されてしまい、端子台の定格電流を大幅に下回る場合が生じる。例えば端子台の定格電流が30Aの場合に、治具通電電流が1A以下になることもあり得る。この場合には、正確な動作試験や性能試験が実施できないという問題が生じる。
【0030】
上記特許文献5のアタッチメントを用いた端子台およびこれに用いる試験用治具では、アタッチメントを複数用いるため、価格が高くなると共に、端子台の端子との接触部と、アタッチメントとの接触部との二箇所の接触部を持つ構造であり、接触部が故障する可能性が相乗的に高くなる。
【0031】
上記特許文献6の試験用の導電ねじを用いた従来の構造では、試験用ターミナル602自体の端子台600の止メ金601への取り付けは、ねじによる締結および取り外しとなるため、配線作業自体の時間短縮にはならないという問題を有していた。
【0032】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、ねじによる締結および取り外し作業を無くしてワンタッチによる装着作業のみとすることにより、試験用配線作業の効率を大幅に向上することができる端子台の試験用配線治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0033】
本発明の端子台の試験用配線治具は、ねじアップ機能を持つねじアップ式端子台において、アップしたねじの下端部と、該ねじが締結可能とされるねじ穴を持つ導電端子との間にばね性を有して挿入されて、該導電端子に電気的に接触すると共に、外部配線に接続されている導電性接触子を有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0034】
また、好ましくは、本発明の端子台の試験用配線治具における導電性接触子として、手前側と先端側間の側面部を介して一体化して上側の先端側と下側の先端側でばね性を有して分離した帯板状の上側接触子および下側接触子を有する。
【0035】
さらに、好ましくは、本発明の端子台の試験用配線治具において、前記上側接触子および前記下側接触子の一体化した根元部および前記手前側をカバーする樹脂ケースと、該樹脂ケース内で該上側接触子および該下側接触子の各手前側に設けられ、前記外部配線と電気的に接続可能とする接続部とをさらに有する。
【0036】
さらに、好ましくは、本発明の端子台の試験用配線治具における樹脂ケースは、前記上側接触子および前記下側接触子の一体化した根元部および前記手前側を両側から挟み込んで抱き合わせてカバーする。
【0037】
さらに、好ましくは、本発明の端子台の試験用配線治具における樹脂ケースの二つを抱き合わた1ユニットまたは複数ユニットを固定する固定シャフトを更に有する。
【0038】
さらに、好ましくは、本発明の端子台の試験用配線治具における上側接触子が前記下側接触子よりも長く突出されており、該上側接触子の先端部が、前記アップしたねじの下端部の下に挿入し易くするために下側に折れ曲がっている。
【0039】
さらに、好ましくは、本発明の端子台の試験用配線治具における下側接触子の下面には、前記導電端子のねじ穴に嵌合可能な抜け止め用の円形突部が形成されている。
【0040】
さらに、好ましくは、本発明の端子台の試験用配線治具における樹脂ケースは、装着保持機構として、前記アップしたねじの下端部を両側から挟み込んで治具装着状態を保持する突起片部を設けている。
【0041】
さらに、好ましくは、本発明の端子台の試験用配線治具において、前記上側接触子および前記下側接触子の手前側の接続部は、レセプタクルが着脱自在なファストンタブかまたは半田端子である。
【0042】
さらに、好ましくは、本発明の端子台の試験用配線治具における接続部は、1ユニットに2つ設けられている。
【0043】
さらに、好ましくは、本発明の端子台の試験用配線治具を使用するねじアップ式端子台は、絶縁ユニットによって前記導電端子の表面に対して垂直方向に移動自在にガイドされる座金を持つ座金付のねじと、該座金付のねじの下端部が該導電端子のねじ穴から離間する方向に該座金付のねじに付勢力を付与するばね部材とを有して、前記ねじアップ機能を持たせている。
【0044】
上記構成により、以下、本発明の作用を説明する。
【0045】
本発明においては、アップしたねじの下端部と、ねじが締結可能とされる導電端子との間にばね性を有して挿入されて、導電端子に電気的に接触すると共に、外部配線に接続された導電性接触子を有している。
【0046】
これによって、アップしたねじの下端部と導体端子の上面との間に、この導電性接触子をそのばね性を利用して挿入することによりワンタッチで着脱可能である。したがって、試験用配線治具のねじアップ式端子台への装着にねじの締結作業を行うことなく、ワンタッチで容易かつ素早く、試験用配線治具の導電性接触子を導電端子の入力側に確実に装着することが可能となる。よって、ねじによる締結および取り外し作業を無くしてワンタッチによる装着作業のみとして、試験用配線作業の効率を大幅に向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0047】
以上により、本発明によれば、アップしたねじの下端部と導体端子の上面との間に、導電性接触子をそのばね性を利用して挿入することによりワンタッチで着脱可能であるため、ねじによる締結および取り外し作業を無くしてワンタッチによる装着作業のみとすることができて、試験用配線作業の効率を大幅に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態1における端子台の試験用配線治具の要部構成例を示す図であって、(a)はその試験用配線治具の上面図であり、(b)はその試験用配線治具の側面図であり、(c)はその試験用配線治具の正面図である。
【図2】図1の試験用配線治具の縦断面図である。
【図3】図2の試験用配線治具をねじアップ式端子台に用いて試験する状態を示す要部構成図である。
【図4】図1の試験用配線治具を端子台に装着前の状態を示す平面図である。
【図5】図1の試験用配線治具を端子台に装着後の状態を示す平面図である。
【図6】本発明の実施形態2における端子台の試験用配線治具の要部構成例を示す図であって、(a)はその試験用配線治具の上面図であり、(b)はその試験用配線治具の側面図であり、(c)はその試験用配線治具の正面図である。
【図7】図6の試験用配線治具の縦断面図である。
【図8】図6の試験用配線治具をねじアップ式端子台に用いて試験する状態を示す要部構成図である。
【図9】図6の上側接触子の先端側の拡大上面図である。
【図10】図6の下側接触子の先端側の拡大下面図である。
【図11】特許文献1に開示されている従来の端子台の試験用配線治具の要部構成例を示す拡大断面図である。
【図12】特許文献2に開示されている従来の試験用配線治具を端子台に取り付けた場合の要部構成例を示す縦断面図である。
【図13】特許文献3に開示されている従来の試験用配線治具を端子台に取り付けた場合の要部構成例を示す平面図である。
【図14】特許文献4に開示されている従来の端子台の試験用配線治具の構成例を示す斜視図である。
【図15】特許文献5に開示されている従来の端子台の試験用配線治具の構成例を示す斜視図である。
【図16】(a)は、特許文献6に開示されている従来の端子台の試験用配線治具の構成例を示す正面図であり、(b)は、その端子台の試験用配線治具の構成例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下に、本発明の実施形態に係る端子台の試験用配線治具の実施形態1、2について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0050】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1における端子台の試験用配線治具の要部構成例を示す図であって、(a)はその試験用配線治具の上面図であり、(b)はその試験用配線治具の側面図であり、(c)はその試験用配線治具の正面図である。
【0051】
図1(a)〜図1(c)において、本実施形態1の端子台の試験用配線治具1は、手前側と先端側21,31間で側面を介して一体化して上側の先端側21と下側の先端側31でばね性を有して分離した帯板状の導電性接触子としての上側接触子2および下側接触子3と、これらの上側接触子2および下側接触子3の一体化した根元部側を両側から挟み込んでカバーする二つの樹脂ケース4、4と、二つの樹脂ケース4、4の側面を貫通して固定する固定シャフトとしての締結シャフト5と、樹脂ケース4内で上側接触子2および下側接触子3のいずれかの手前側に電気的に接続する、電源装置に接続された配線部材6とを有している。
【0052】
上側接触子2および下側接触子3は金属製で前後に長い板状に形成されており、図2の縦断面図に示すように、上下2枚の上側接触子2および下側接触子3は、手前側22,32と先端側21,31間の各一方側面部にそれぞれ連設する連設部23で折り曲げられて一体化しており、先端側21,31で上側と下側に所定間隔(ねじの下端部と導電端子の上面との距離に応じた寸法であって、導電端子の上面に対して先端側31が所定の接触圧力を得る程度の寸法)を空けて分離した状態で、上下2枚の上側接触子2および下側接触子3の先端側21,31が接近または離間可能にばね性を持っている。2枚のばね性金属板(上側接触子2および下側接触子3)は、端子台への装着のために先端部分で挿入可能でしかも接触信頼性がある程度のばね性を持たせる必要がある。
【0053】
二つの樹脂ケース4、4は、互いに抱き合わされて手前側が開放された箱型状に構成されており、図2の縦断面図に示すように、手前側の開放面に対向する外郭側面41に上下2つの切り欠き部(ここでは一括した1つの切り欠き部)が形成され、この上下2つの切り欠き部に上側接触子2および下側接触子3が両側から嵌め込まれた状態で両側から抱き合わされて箱型を構成している。二つの樹脂ケース4、4は、上側接触子2および下側接触子3の手前側22,32と、手前側22,32と先端側21,31間の連設部23とをカバーして収容し、両側面から立設したリブ(図示せず)によって上側接触子2および下側接触子3が保持されている。上側接触子2および下側接触子3の手前側22,32は、互いに所定距離(絶縁距離)を置くように折り曲げられており、その折り曲げられた上側接触子2および下側接触子3の手前側22,32間には、二つの樹脂ケース4、4を互いに抱き合わした状態を固定する締結シャフト5を貫通させるための穴42が形成されている。この穴42は、金属製の締結シャフト5と、上側接触子2および下側接触子3の手前側22,32との絶縁を図るために、穴42の周縁から円環状にリブ(図示せず)が立設されている。
【0054】
締結シャフト5は、ねじ部とナット部で構成されており、二つの樹脂ケース4、4を互いに抱き合わした状態で固定するために用いられる。また、締結シャフト5は、必要なだけ一または複数の試験用配線治具1を一体化するために用いることもできる。
【0055】
配線部材6は、その一方端に試験用電源の出力端が接続されており、その他方端に、上側接触子2および下側接触子3の手前側22または32の接続部としての半田端子が半田で接続される。例えば、配線部材6が上側接触子2の手前側22に半田で接続された場合には、残った下側接触子3の手前側32には、別の配線部材6が接続可能である。例えば、この別の配線部材6を、端子台の隣接端子同士をショートさせる隣端子との渡り線のために用いることもできる。
【0056】
ここで、本実施形態1の試験用配線治具1をねじアップ式端子台に用いて試験する場合について図3〜図5を用いて詳細に説明する。
【0057】
図3は、図2の試験用配線治具1をねじアップ式端子台に用いて試験する状態を示す要部構成図である。
【0058】
図3において、ねじアップ式端子台10は、電源装置から電源電圧を印加する導体端子11の入力側11aと、継電器、シーケンサおよびモータ、さらにはランプなどの被試験用の各種装置に電源電圧を受ける導体端子11の出力側11bとを有している。この導体端子11の入力側11aに、電源装置や各種計測機器などが接続された試験用配線治具1の上側接触子2および下側接触子3がワンタッチで接続され、導体端子11の出力側11bに、継電器、シーケンサおよびモータ、さらにはランプなどの被試験用の各種装置が接続される。
【0059】
このねじアップ式端子台10は、導体端子11のねじ穴からねじを回転離脱させた状態で導体端子11の上面に対して垂直方向にねじ12を座金13と共に上方に離間(ばね14によるアップ移動)させ、導体端子11の上面のねじ穴と、その離間しているねじ12の下端12aとの間に、試験用配線治具1の上側接触子2および下側接触子3をそのばね性で挿入して、上側接触子2とねじ12の下端12aとを当接させると共に、下側接触子3と端子11の上面とを当接させることができる。このように、アップしたねじ12の先端部(下端12a)と導体端子11の上面との間に、2枚のばね性金属板である上側接触子2および下側接触子3をそのばね性を利用して挿入することによりワンタッチで着脱可能である。したがって、試験用配線治具1のねじアップ式端子台10への装着にねじ12の締結作業を行うことなく、ワンタッチで容易かつ素早く、試験用配線治具1の上側接触子2および下側接触子3を導電端子11の入力側11aに確実に装着することができる。これによって、ねじ12による締結および取り外し作業を無くしてワンタッチによる装着作業のみとすることができて、試験用配線作業の効率を大幅に向上することができる。
【0060】
なお、本実施形態1では、ねじアップ端子台10は、ねじ12が保持される1段式を用いたが、これに限らず、2段式のねじアップ端子台であっても、試験用配線治具1の上側接触子2および下側接触子3を導電端子11の入力側11aに装着するのに何ら変わりはない。
【0061】
また、本実施形態1では、試験用配線治具1はテストプラグとして1ユニットの場合について説明したが、これに限らず、図4および図5のように試験用配線治具1Aとして、複数ユニットで構成されていてもよい。図4および図5は、ねじアップ端子台10が10ユニットの場合で、試験用配線治具1Aとして10ユニットの場合である。試験用配線治具1Aとして、10個の単ユニットの試験用配線治具1を締結シャフト5により連結すればよい。図4に示す10ユニットの試験用配線治具1Aを、図5に示すように、ねじアップ端子台10の各導電端子11に、上側接触子2および下側接触子3をワンタッチでそのばね性を利用して挿入することにより、より素早く確実に装着することができる。
【0062】
(実施形態2)
上記実施形態1では、試験用配線治具1に装着保持機構を設けておらず、配線部材を試験用配線治具1に半田で接続した場合について説明したが、本実施形態2では、試験用配線治具に装着保持機構(容易に外れない構造)を設け、配線部材を着脱自在に構成した場合について説明する。
【0063】
図6は、本発明の実施形態2における端子台の試験用配線治具の要部構成例を示す図であって、(a)はその試験用配線治具の上面図であり、(b)はその試験用配線治具の側面図であり、(c)はその試験用配線治具の正面図である。
【0064】
図6(a)〜図6(c)において、本実施形態2の端子台の試験用配線治具1Bは、手前側と先端側21,31間の側面部で連結して一体化して上側の先端側21と下側の先端側31でばね性を有して分離した導電性接触子としての帯板状の上側接触子2Bおよび下側接触子3Bと、これらの上側接触子2Bおよび下側接触子3Bの一体化した根元部側を両側から挟み込んでカバーすると共に、端子台のアップしたねじをキャッチする突起片部43を持つ二つの樹脂ケース4B、4Bと、二つの樹脂ケース4B、4Bの側面を貫通して固定する固定シャフトとしての締結シャフト5と、樹脂ケース4B内で上側接触子2Bおよび下側接触子3Bのいずれかの手前側に電気的に接続する、電源装置に接続された配線部材6とを有している。
【0065】
上側接触子2Bおよび下側接触子3Bは金属製で板状に形成されており、図7の縦断面図に示すように、上下2枚の上側接触子2Bおよび下側接触子3Bは、手前側22,32と先端側21,31間の各一方側面部にそれぞれ連設する連設部23で折り曲げられて一体化しており、上側の先端側21と下側の先端側31で所定間隔(ねじの下端部と導電端子の上面との距離に応じた寸法であって、導電端子の上面に対して先端側31が所定の接触圧力を得る程度の寸法)を空けて分離した状態で、上下2枚の上側接触子2Bおよび下側接触子3Bの先端側21,31が接近または離間可能にばね性を持っている。
【0066】
さらに、2枚のばね性金属板である上側接触子2Bと下側接触子3Bとはその先端部の長さが、上側接触子2Bの方が下側接触子3Bよりも長く突き出ており、上側接触子2Bの先端が、端子台のアップしたねじの下端部を拾い易くするために下側に折れ曲がっている。また、下側接触子3Bの下面には、試験用配線治具1Bが端子台に装着された状態を維持するために、図10に示すように、端子台の端子のねじ穴に嵌合可能な抜け止め用の円形突部33が形成されている。
【0067】
このように、ねじ12の先端部(下端部12a)と端子板(導電端子11)との間に対してより挿入が容易なように、2枚のばね性金属板(上側接触子2Bと下側接触子3B)の上側(上側接触子2B)は下方に向いている。下側のばね性金属板(下側接触子3B)は、抜け止め用に、導電端子11のねじ穴に嵌まり込むように円形突部33が下面側に突出して設けられている。
【0068】
二つの樹脂ケース4B、4Bは、互いに抱き合わされて手前側が開放された箱型状に構成されており、図7の縦断面図に示すように、手前側の開放面に対向する外郭側面41に上下2つの切り欠き部(ここでは一括した1つの切り欠き部)が形成され、この上下2つの切り欠き部に上側接触子2Bおよび下側接触子3Bが嵌め込まれた状態で両側から抱き合わされて箱型を構成している。二つの樹脂ケース4B、4Bは、上側接触子2Bおよび下側接触子3Bの手前側22,32と、手前側22,32と先端側21,31間の連設部23とを収容し、両側面から立設したリブ(図示せず)によって保持されている。上側接触子2Bおよび下側接触子3Bの手前側22,32は、締結シャフト5との間で互いに所定の絶縁距離を置くように折り曲げられており、その折り曲げられた上側接触子2Bおよび下側接触子3Bの手前側22,32にそれぞれ形成された二つのファストンリブ間には、二つの樹脂ケース4B、4Bを互いに抱き合わした状態を固定する固定シャフトとしての締結シャフト5を貫通させるための穴42が形成されている。この穴42は、金属製の締結シャフト5と、上側接触子2Bおよび下側接触子3Bの手前側22,32の二つのファストンリブとの間の絶縁を図るために、穴42の周縁から円環状にリブ(図示せず)が立設されている。
【0069】
また、二つの樹脂ケース4B、4Bにはそれぞれ、試験用配線治具1Bの装着保持機構として、端子台側の外郭側面41に、端子台のアップしたねじの下端部を両側から挟みこんで、下側接触子3Bの手前側32に設けられた抜け止め用の円形突部33と共に、試験用配線治具1Bの装着状態を保持する突起片部43を設けている。この突起片部43は、図9に示すように、二つの樹脂ケース4B、4Bの各外郭側面41からそれぞれ突出して、先端部分のばね性で、端子台のアップしたねじ12の下端部12aがU字状切り欠き部43b内に挿入されて先端部分の両側からねじ12の下端部12aを挟み込んで保持するようになっている。ねじ12の下端部12aを突起片部43のU字状切り欠き部43b内に容易に案内するために、U字状切り欠き部43bの入口部分の両側にC部43aが形成されている。さらに、突起片部43は、その下部の上側接触子2および下側接触子3の先端側21、31が変形しないようにするための保護壁にもなっている。
【0070】
締結シャフト5は、ねじ部とナット部で構成されており、二つの樹脂ケース4B、4Bを互いに抱き合わした状態で固定するために用いられる。また、締結シャフト5は、必要なだけ複数の試験用配線治具1Bを一体化するために用いることもできる。
【0071】
配線部材6は、その一方端に試験用電源の出力端が接続されており、その他方端のレセプタクル61に、上側接触子2および下側接触子3の手前側22または32の接続部としての各ファストンタブが着脱自在である。例えば、配線部材6の他方端のレセプタクル61が上側接触子2の手前側22のファストンタブに挿入されて電気的に接続された場合に、残った下側接触子3の手前側32のファストンタブに、別の配線部材6の他方端のレセプタクル61が接続可能である。例えば、この別の配線部材6の他方端のレセプタクル61を用いて、端子台の隣接端子同士をショートさせるための渡り線として用いることもできる。
【0072】
ここで、本実施形態1の試験用配線治具1Bをねじアップ式端子台に用いて試験する場合について図8を用いて詳細に説明する。
【0073】
図8は、図7の試験用配線治具1Bをねじアップ式端子台に用いて試験する状態を示す要部構成図である。
【0074】
図8において、ねじアップ式端子台10は、電源装置から電源電圧を印加する導電端子11の入力側11aと、継電器、シーケンサおよびモータ、さらにはランプなどの被試験用の各種装置に電源電圧を受ける導体端子11の出力側11bとを有している。この導電端子11の入力側11aに、電源装置や各種計測機器などが接続された試験用配線治具1の上側接触子2Bおよび下側接触子3Bがワンタッチで接続され、導電端子11の出力側11bに、継電器、シーケンサおよびモータ、さらにはランプなどの被試験用の各種装置がねじ12の締結により接続される。
【0075】
このねじアップ式端子台10は、導電端子11のねじ穴からねじを回転離脱させた状態で導電端子11の上面に対して垂直方向にねじ12を座金13と共に上方に離間(ばね14によるアップ移動)させ、導電端子11の上面のねじ穴と、その離間してアップしいるねじ12の下端部12aとの間に、試験用配線治具1の上側接触子2Bおよび下側接触子3Bを挿入して、上側接触子2Bとねじ12の下端12aとを当接させると共に、下側接触子3Bと導電端子11の上面とを当接させることができる。このように、アップしたねじ12の先端部(下端部12a)と導電端子11の上面との間に、2枚のばね性金属板である上側接触子2および下側接触子3をそのばね性を利用して挿入することによりワンタッチで容易に着脱可能である。したがって、試験用配線治具1のねじアップ式端子台10への装着にねじ12の締結作業を行うことなく、ワンタッチで容易かつ素早く、試験用配線治具1の上側接触子2Bおよび下側接触子3Bを導電端子11の入力側11aに確実に装着することができる。
【0076】
以上により、本実施形態1、2によれば、アップしたねじ12の下端部12aと導体端子11の上面との間に、上側接触子2Bおよび下側接触子3Bをそのばね性を利用して挿入することによりワンタッチで着脱可能であるため、ねじ12による締結および取り外し作業を無くしてワンタッチによる装着作業のみとすることができて、試験用配線作業の効率を大幅に向上することができる。
【0077】
なお、本実施形態2では、試験用配線治具1Bはテストプラグとして1ユニットの場合について説明したが、これに限らず、複数ユニットで構成されていてもよい。複数個の単ユニットの試験用配線治具を締結シャフト5により連結すればよい。複数ユニットの試験用配線治具を、ねじアップ端子台10の各端子11に、上側接触子2Bおよび下側接触子3Bをワンタッチで挿入することにより素早く装着することができる。
【0078】
なお、本実施形態1、2では、締結シャフト5を用いて一または複数ユニットを一体化するために用いたが、これに限らず、各ユニットが隣接する側壁に嵌め合いを設けて複数ユニットを連結するように構成してもよい。
【0079】
以上のように、本発明の好ましい実施形態1〜3を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態1〜3に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態1〜3の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、例えば原子力発電所、火力発電所および変電所などの配電盤、制御盤および監視盤などに用いられる配線中継および分岐装置としての例えばねじアップ式端子台などの端子台に用いられる端子台の試験用配線治具の分野において、アップしたねじの下端部と導体端子の上面との間に、導電性接触子をそのばね性を利用して挿入することによりワンタッチで着脱可能であるため、ねじによる締結および取り外し作業を無くしてワンタッチによる装着作業のみとすることができて、試験用配線作業の効率を大幅に向上することができる。
【符号の説明】
【0081】
1、1A,1B 端子台の試験用配線治具
2、2B 上側接触子
21 上側の先端側
22 上側の手前側(半田端子またはファストンタブ)
23 連設部
3、3B 下側接触子
31 下側の先端側
32 下側の手前側(半田端子またはファストンタブ)
33 円形突部
4、4B 樹脂ケース
41 外郭側面
42 穴
43 突起片部
43a C部
43b U字状切り欠き部
5 締結シャフト
6 配線部材
61 レセプタクル(被挿入端子)
10 ねじアップ式端子台
11 導電端子
11a 入力側
11b 出力側
12 ねじ
12a ねじの下端部
13 座金
14 ばね(ばね部材)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじアップ機能を持つねじアップ式端子台において、アップしたねじの下端部と、該ねじが締結可能とされるねじ穴を持つ導電端子との間にばね性を有して挿入されて、該導電端子に電気的に接触すると共に、外部配線に接続されている導電性接触子を有する端子台の試験用配線治具。
【請求項2】
前記導電性接触子として、手前側と先端側間の側面部を介して一体化して上側の先端側と下側の先端側でばね性を有して分離した帯板状の上側接触子および下側接触子を有する請求項1に記載の端子台の試験用配線治具。
【請求項3】
前記上側接触子および前記下側接触子の一体化した根元部および前記手前側をカバーする樹脂ケースと、該樹脂ケース内で該上側接触子および該下側接触子の各手前側に設けられ、前記外部配線と電気的に接続可能とする接続部とをさらに有する請求項2に記載の端子台の試験用配線治具。
【請求項4】
前記樹脂ケースは、前記上側接触子および前記下側接触子の一体化した根元部および前記手前側を両側から挟み込んで抱き合わせてカバーする請求項3に記載の端子台の試験用配線治具。
【請求項5】
前記樹脂ケースの二つを抱き合わた1ユニットまたは複数ユニットを固定する固定シャフトを更に有する請求項4に記載の端子台の試験用配線治具。
【請求項6】
前記上側接触子が前記下側接触子よりも長く突出されており、該上側接触子の先端部が、前記アップしたねじの下端部の下に挿入し易くするために下側に折れ曲がっている請求項2に記載の端子台の試験用配線治具。
【請求項7】
前記下側接触子の下面には、前記導電端子のねじ穴に嵌合可能な抜け止め用の円形突部が形成されている請求項2に記載の端子台の試験用配線治具。
【請求項8】
前記樹脂ケースは、装着保持機構として、前記アップしたねじの下端部を両側から挟み込んで治具装着状態を保持する突起片部を設けている請求項3に記載の端子台の試験用配線治具。
【請求項9】
前記上側接触子および前記下側接触子の手前側の接続部は、レセプタクルが着脱自在なファストンタブかまたは半田端子である請求項3に記載の端子台の試験用配線治具。
【請求項10】
前記接続部は、1ユニットに2つ設けられている請求項3に記載の端子台の試験用配線治具。
【請求項11】
前記ねじアップ式端子台は、絶縁ユニットによって前記導電端子の表面に対して垂直方向に移動自在にガイドされる座金を持つ座金付のねじと、該座金付のねじの下端部が該導電端子のねじ穴から離間する方向に該座金付のねじに付勢力を付与するばね部材とを有して、前記ねじアップ機能を持たせている請求項1に記載の端子台の試験用配線治具。
【請求項1】
ねじアップ機能を持つねじアップ式端子台において、アップしたねじの下端部と、該ねじが締結可能とされるねじ穴を持つ導電端子との間にばね性を有して挿入されて、該導電端子に電気的に接触すると共に、外部配線に接続されている導電性接触子を有する端子台の試験用配線治具。
【請求項2】
前記導電性接触子として、手前側と先端側間の側面部を介して一体化して上側の先端側と下側の先端側でばね性を有して分離した帯板状の上側接触子および下側接触子を有する請求項1に記載の端子台の試験用配線治具。
【請求項3】
前記上側接触子および前記下側接触子の一体化した根元部および前記手前側をカバーする樹脂ケースと、該樹脂ケース内で該上側接触子および該下側接触子の各手前側に設けられ、前記外部配線と電気的に接続可能とする接続部とをさらに有する請求項2に記載の端子台の試験用配線治具。
【請求項4】
前記樹脂ケースは、前記上側接触子および前記下側接触子の一体化した根元部および前記手前側を両側から挟み込んで抱き合わせてカバーする請求項3に記載の端子台の試験用配線治具。
【請求項5】
前記樹脂ケースの二つを抱き合わた1ユニットまたは複数ユニットを固定する固定シャフトを更に有する請求項4に記載の端子台の試験用配線治具。
【請求項6】
前記上側接触子が前記下側接触子よりも長く突出されており、該上側接触子の先端部が、前記アップしたねじの下端部の下に挿入し易くするために下側に折れ曲がっている請求項2に記載の端子台の試験用配線治具。
【請求項7】
前記下側接触子の下面には、前記導電端子のねじ穴に嵌合可能な抜け止め用の円形突部が形成されている請求項2に記載の端子台の試験用配線治具。
【請求項8】
前記樹脂ケースは、装着保持機構として、前記アップしたねじの下端部を両側から挟み込んで治具装着状態を保持する突起片部を設けている請求項3に記載の端子台の試験用配線治具。
【請求項9】
前記上側接触子および前記下側接触子の手前側の接続部は、レセプタクルが着脱自在なファストンタブかまたは半田端子である請求項3に記載の端子台の試験用配線治具。
【請求項10】
前記接続部は、1ユニットに2つ設けられている請求項3に記載の端子台の試験用配線治具。
【請求項11】
前記ねじアップ式端子台は、絶縁ユニットによって前記導電端子の表面に対して垂直方向に移動自在にガイドされる座金を持つ座金付のねじと、該座金付のねじの下端部が該導電端子のねじ穴から離間する方向に該座金付のねじに付勢力を付与するばね部材とを有して、前記ねじアップ機能を持たせている請求項1に記載の端子台の試験用配線治具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図10】
【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−170747(P2010−170747A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−10391(P2009−10391)
【出願日】平成21年1月20日(2009.1.20)
【出願人】(000236780)不二電機工業株式会社 (15)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月20日(2009.1.20)
【出願人】(000236780)不二電機工業株式会社 (15)
【Fターム(参考)】
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