端子金具、及び端子金具付き電線
【課題】導通不良の発生が抑制されたクローズドバレル型の端子金具の提供。
【解決手段】本発明に係る端子金具10は、一端が閉塞し他端が開口した円筒状の胴体部11と、前記胴体部11の内周面に対して間隔を保った状態で、前記胴体部11の閉塞した前記一端側から開口した前記他端側に向かって延びる棒状の心棒部12と、を備える。
【解決手段】本発明に係る端子金具10は、一端が閉塞し他端が開口した円筒状の胴体部11と、前記胴体部11の内周面に対して間隔を保った状態で、前記胴体部11の閉塞した前記一端側から開口した前記他端側に向かって延びる棒状の心棒部12と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子金具、及び端子金具付き電線に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等で使用される被覆電線の端末には、端子金具が取り付けられている。この種の端子金具は、具体的には、前記被覆電線の絶縁層から露出した複数本の素線からなる撚り線(芯線)の先端に取り付けられるものであり、相手側の端子や電極等と電気的に接続される。
【0003】
このような端子金具としては、特許文献1に示されるような、クローズドバレル型のものが知られている。このクローズドバレル型の端子金具は、前記被覆電線の撚り線が挿入される円筒状の部分(バレル部)を有している。前記端子金具は、この円筒状の部分が前記撚り線を囲んだ状態でかしめられて(圧縮変形されて)、前記被覆電線に取り付けられる。クローズドバレル型の端子金具は、一般的なオープンバレル型の端子金具と比べて、バレル部(円筒状の部分)の強度を充分に確保できる等の利点を有しており、汎用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−86259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記被覆電線の撚り線を構成する素線の本数(撚り本数)が多い場合(特に、撚り線全体が太い場合)、クローズドバレル型の端子金具を、その撚り線の中央付近にある素線に対して、直接、接触させることが難しい。そのため、各素線間に、ある程度の接触抵抗が生じてしまうと、前記端子金具と前記撚り線との間の導通不良が発生する虞があり、問題となっている。特に、各素線がアルミニウム製の素線からなる場合、各素線の表面に接触抵抗の原因となる酸化被膜が形成され易いため、問題となっている。
【0006】
本発明の目的は、導通不良の発生が抑制されたクローズドバレル型の端子金具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る端子金具は、一端が閉塞し他端が開口した円筒状の胴体部と、前記胴体部の内周面に対して間隔を保った状態で、前記胴体部の閉塞した前記一端側から開口した前記他端側に向かって延びる棒状の心棒部と、を備える。
【0008】
前記端子金具において、前記心棒部の先端が、先細り形状をなしてもよい。前記心棒部の先端が、先細り形状をなしていると、前記端子金具の前記導体部内に、複数本の素線からなる電線の芯線を挿入し易くなる。
【0009】
前記端子金具において、前記心棒部が、円柱状をなしてもよい。このような、円柱状をなす心棒部は、フライス盤を利用して形成し易い。そのため、このような心棒部を備えた端子金具は、加工し易く、量産性に優れる。
【0010】
前記端子金具において、前記心棒部が、多角柱状をなしてもよい。前記心棒部が多角柱状であると、その周りには、縁(エッジ)部分が形成されることになる。例えば、心棒部が六角注状であれば、6個の縁部が形成されることになる。このような心棒部を備えた端子金具に、電線の芯線を挿入すると、その挿入時に、前記縁部分が芯線と接触することによって、部分的に削り取られることになる。そのため、心棒部が多角柱状であると、端子金具と電線の芯線との導通性が向上して、導通不良が更に抑制される。
【0011】
本発明に係る端子金具付き電線は、複数本の素線からなる芯線と、前記芯線を被覆する絶縁層とを有する被覆電線と、一端が閉塞し他端が開口した円筒状をなすと共に、前記芯線を内側に挿入させた状態で、前記芯線と密着するように圧縮変形される胴体部と、前記胴体部の内周面に対して間隔を保った状態で、前記胴体部の閉塞した前記一端側から開口した前記他端側に向かって延びると共に、前記芯線と密着する棒状の心棒部とを有する端子金具と、を備える。
【0012】
前記端子金具付き電線において、前記胴体部は、前記心棒部の外周面形状と、同じ形状となるように圧縮変形されてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、導通不良の発生が抑制されたクローズドバレル型の端子金具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態1に係る端子金具の斜視図
【図2】端子金具の正面図
【図3】図2のA−A’線断面図
【図4】端末部に端子金具が被せられた被覆電線の上面図
【図5】被覆電線の正面図
【図6】図4のB−B’線断面図
【図7】実施形態1に係る端子金具付き電線の上面図
【図8】図7のC−C’線断面図
【図9】実施形態2に係る端子金具付き電線の上面図
【図10】図9のD−D’線断面図
【図11】実施形態3に係る端子金具の正面図
【図12】実施形態3に係る端子金具付き電線の断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態1>
以下、本発明の実施形態1に係る端子金具10と、この端子金具10を備えた端子金具付き電線1とについて、図1ないし図8を参照しつつ説明する。
【0016】
図1は、実施形態1に係る端子金具10の斜視図であり、図2は、端子金具10の正面図であり、図3は、図2のA−A’線断面図である。端子金具10は、所謂、クローズドバレル型であり、後述する被覆電線に圧着される円筒状のバレル部(本発明の胴体部に相当)11と、このバレル部11の内側に設けられている棒状の心棒部12と、バッテリー等の電気機器が備える電極等に取り付けられる端子部13とを備えている。この端子金具10は、純銅製の基材にすずめっきを施したものからなる。
【0017】
バレル部11は、被覆電線の芯線に対してかしめられる(圧着される)部分であり、全体的には、一端が開口し他端が閉塞した円筒状をなしている。このバレル部11の閉塞した端部(以下、閉塞端部)11aは、図2に示されるように、端子金具10(バレル部11)を正面から見た場合、略円形状をなしている。なお、この閉塞端部11aの背面側には、上述した端子部13が連続的に設けられている。また、バレル部11の開口した端部(以下、開口端部)11bは、図2に示されるように、略円環状をなしており、被覆電線の芯線の挿入口となっている。なお、開口端部11bの内縁部分は、被覆電線の芯線をバレル部11内に挿入し易くするために、面取りされている。閉塞端部11aと開口端部11bとの間の部分は、円筒状の壁部11cからなり、その内側に、被覆電線の芯線が収容される。
【0018】
本実施形態の場合、バレル部11の外径は18.6mm、バレル部11の内径は16.1mmに設定されている。
【0019】
心棒部12は、バレル部11の内周面に対して所定の間隔を保った状態で、閉塞端部11aから開口端部11bに向かって真っ直ぐに延びている。心棒部12の根元部12aは、略円形状をなす閉塞端部11aの中心部分に一体的に設けられている。また、心棒部12の先端部12bは、面取りされており、所謂、先細り形状をなしている。その先端部12bの外周面は、先端部12b側から根元部12a側に向かって広がるように傾斜した円錐面状をなしている。なお、先端部12b以外の心棒部12の外周面は、図2に示されるように、円柱面状をなしている。本実施形態の場合、心棒部12の太さ(直径)は、バレル部11の周壁部分の厚みよりも、大きく設定されている。本実施形態の場合、心棒部12の直径は、4.0mmに設定されている。本実施形態の場合、心棒部12の先端部12bは、バレル部11内に収容されている。
【0020】
端子部13は、閉塞端部11aからバレル部11の長さ方向に沿って張り出す枠部11aと、この枠部11aで囲まれると共にバッテリー端子等の棒状の端子が挿入される孔部13bとを備えている。端子部13は、相手側の前記棒状の端子が孔部13b内に挿入された状態で、前記棒状の端子に対して導通が図られる。
【0021】
本実施形態の端子金具10は、例えば、所定の金属部材を、フライス盤を利用して加工することによって得られる。なお、他の実施形態においては、端子金具10の心棒部12を、バレル部11等とは別個に製造しておき、その後、心棒部12をバレル部11の閉塞端部11aに、ろう付けによって取り付けてもよい。
【0022】
図4は、端末部に端子金具10が被せられた被覆電線20の上面図であり、図5は、被覆電線20の正面図であり、図6は、図4のB−B’線断面図である。被覆電線20は、複数の細いアルミ製の素線23(23a,23b)を螺旋状に撚り合せてなる芯線22を樹脂製の絶縁被覆(絶縁層)21で被覆したものであり、その端末部においては、絶縁被覆21が剥ぎ取られて芯線22が露出されている。なお、撚り線状の芯線22の直径は、105sqである。
【0023】
図5には、端子金具10が被せられる前の状態の被覆電線20が示されている。図5に示されるように、この被覆電線20は、芯線22及び絶縁被覆21が共に略円形状をなしている。本実施形態の被覆電線20は、アルミ製の芯線22を使用することで、軽量化や低コスト化が図られている。なお、説明の便宜上、芯線22を構成する複数の素線23のうち、中心側に配されるものを素線23bと称し、外側に配されるものを素線23aと称する。本実施形態の場合、芯線22の中心側には、7本の素線23bが配されており、芯線22の外側には、前記素線23bを囲むように12本の素線23aが配されている。
【0024】
被覆電線20の芯線22は、その先端部分が閉塞端部11aに突き当る位置まで端子金具10内に挿入されている。図6に示されるように、端子金具10内において、中心側の各素線23bは、心棒部12を取り囲むように配され、外側の各素線23aは、バレル部11(壁部11c)の内周面に沿って配されている。なお、心棒部12の先端部12bは、上述したように、所謂、先細り形状をなしているため、心棒部12が、撚り線状の芯線22内(素線23同士の間)に挿し込まれ易くなっていると共に、前記芯線22がバレル部11(壁部11c)内を進み易くなっている。
【0025】
端子金具10は、その内側に被覆電線20の芯線22が挿入された状態で、公知の圧着機(不図示)により圧縮変形されて、被覆電線20の芯線22にかしめられる。図7は、実施形態1に係る端子金具付き電線1の上面図であり、図8は、図7のC−C’線断面図である。図7に示されるように、端子金具10は、そのバレル部11の軸方向(電線方向)における略中央部が、前記圧着機が備える一対の圧着ダイス間で挟まれて圧縮変形される。バレル部11は、その外周面側から内周面側に向かって、芯線22を締め付けるように圧縮変形される。図8に示されるように、バレル部11(壁部11c)の圧縮変形された部分(以下、圧着部)111は、その断面が六角形状をなしている。本実施形態の場合、圧着部11は、1辺が7.8mmの六角形状に圧縮変形されている。なお、バレル部11において、圧着部111以外の部分112,113は、略円筒状をなしており、それぞれ芯線22の周りを囲んでいる。
【0026】
圧着部111の内面は、芯線22の外側にある各素線23aが密着している。図8に示されるように、各素線23aは、六角形状をなす圧着部111の内面に沿って環状に並んでいる。芯線22のうち少なくとも素線23aは、バレル部11(壁部11c)と直に接触することによって、互いに導通することができる。なお、各素線23aは、中心側の各素線23bを取り囲むようにも並んでおり、各素線23aと各素線23bとが、互いに密着されている。
【0027】
また、バレル部11の内側にある心棒部12の周り(周面)には、芯線22の中心側にある各素線23bが密着している。そのため、芯線22のうち少なくとも素線23bは、心棒部12と直に接触することによって、互いに導通することができる。したがって、本実施形態の端子金具10は、外側の各素線23aのみならず、中心側の各素線23bに対しても、直に接触することができるため、導通不良の発生を抑制できる。
【0028】
なお、本実施形態の端子金具10は、上述したように、心棒部12が円柱状をなしている。このような、円柱状をなす心棒部は、フライス盤を利用して形成し易い。そのため、このような心棒部を備えた端子金具は、加工し易く、量産性に優れる。
【0029】
なお、本実施形態の端子金具付き電線1は、例えば、電気自動車において走行用の動力源を構成するバッテリー、インバータ、モータ等の装置(不図示)の間に、配索されて利用される。
【0030】
<実施形態2>
次いで、本発明の実施形態2を、図9及び図10を参照しつつ説明する。図9は、実施形態2に係る端子金具付き電線1Aの上面図であり、図10は、図9のD−D’線断面図である。本実施形態の端子金具付き電線1Aは、実施形態1と同様、被覆電線20及び端子金具10からなる。本実施形態の端子金具付き電線1Aも、実施形態1と同様、被覆電線20の末端部に取り付けられた端子金具10(図4参照)を、所定の圧着機(不図示)を利用して圧縮変形されたものからなる。ただし、本実施形態の端子金具付き電線1Aは、圧縮変形後の端子金具10の形状(圧着部11Aの形状)が、実施形態1のものと異なっている。
【0031】
本実施形態では、実施形態1とは異なる一対の圧着ダイスを備えた圧着機(不図示)が利用される。本実施形態の場合、図10に示されるような、端子金具10の断面形状が得られるような圧着ダイスが用いられる。端子金具10の圧着部111Aは、図10に示されるように、六方対称形状に圧縮変形されている。圧着部111Aは、軸方向に沿って延びると共に外側に向かって突出した6つの突出部111A1と、隣り合った突出部111A1間に形成される6つの溝部111A2とを備える。
【0032】
各突出部111A1の内側には、芯線22の外側にある各素線23aが挟まっている。本実施形態の場合、1つの突出部111A1に対して、2本の素線23aが挟まっている。そして、突出部111A1をなす壁部11cの内面は、各素線23aと密着している。また、溝部111A2をなす壁部11cの内面は、芯線22の中心側にある各素線23bと密着している。つまり、本実施形態では、端子金具10のバレル部11(壁部11c)は、芯線22の外側の各素線23aのみならず、芯線22の中心側の各素線23bにも直接、接触している。なお、心棒部12には、実施形態1と同様、芯線22の中心側の各素線23bが密着している。
【0033】
本実施形態の端子金具付き電線1Aは、実施形態1と比べて、圧着部111Aにおける端子金具10の芯線22に対する接触面積が大きくなっている。また、芯線22の中心側にある各素線23bは、心棒部12によってバレル部11の内面側に寄せられており、各素線23bが、圧縮部111Aをなす壁部11cの内面と、直接、接触し易くなっている。したがって、本実施形態の端子金具付き電線1Aは、そのバレル部11が芯線22の外側にある各素線23aのみならず、芯線22の中心側にある各素線23bに対して直接、接触することができるため、実施形態1と比べて、端子金具10と芯線22との間の導通性(電気接続性)に優れるものとなっている。
【0034】
<実施形態3>
次いで、本発明の実施形態3を、図11及び図12を参照しつつ説明する。図11は、実施形態3に係る端子金具10Bの正面図であり、図12は、実施形態3に係る端子金具付き電線10Bの圧着部Bにおける断面図である。本実施形態における端子金具10Bの基本的な構成は、実施形態1の端子金具10と同様である。ただし、端子金具10Bの心棒部12Bの形状が、実施形態1のものと異なっている。
【0035】
端子金具10Bの心棒部12Bは、六角柱状をなしており、その断面形状が六角形状をなしている。つまり、心棒部12Bの外周面形状は、六角柱の周面形状(六角柱面状)となっている。そして、図12に示されるように、芯線22の周りにかしめられる端子金具10Bのバレル部11(圧着部111B)の断面形状も、六角形状をなしている。つまり、心棒部12Bにおける断面形状と、圧縮変形後のバレル部11(圧着部111B)の断面形状とは、互いに相似形であり、互いの各頂点の位置も対応している。
【0036】
本実施形態の場合、心棒部12Bの外周面と、圧着部111Bの内周面との間隔は、略一定に設定される。したがって、本実施形態の端子金具10Bは、心棒部12Bとバレル部11(圧着部111B)との間に、芯線22を構成する各素線23を均等に配置し易くなると共に圧縮し易くなっている。
【0037】
なお、本実施形態においても、心棒部12Bの先端部12Bbは、実施形態1と同様、面取りされている。そのため、被覆電線20の芯線22を、バレル部11内に挿入する際、心棒部12Bの先端部12Bbが芯線22に対して干渉することが抑制されている。
【0038】
本実施形態の端子金具10Bにおいて、心棒部12Bは、多角柱状(六角注状)をなしている。つまり、心棒部12Bの周りには、心棒部12Bの長さ方向(軸方向)に沿った6つの縁(エッジ)部分が形成されている。このような心棒部12Bを備えた端子金具19Bに、被覆電線20の芯線22を挿入すると、その挿入時に、前記縁部分が芯線22(特に素線23b)と接触することによって、芯線22(素線23b)表面上に形成されている酸化被膜が、部分的に削り取られることになる。すると、端子金具10Bと被覆電線20の芯線22との導通性(導電性)が向上して、導通不良が更に抑制されることになる。
【0039】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0040】
(1)上記実施形態1では、端子金具10として、純銅製の基材にすずめっきを施したものを利用していたが、他の実施形態においては、他の金属材料からなるものを利用してもよい。
【0041】
(2)上記実施形態1では、端子金具10における心棒部12の先端部12bが、略円錐状(円錐台状)の先細り形状をなしていたが、他の実施形態においては、例えば、略四角錐状、略三角錐状等の他の先細り形状をなすものであってもよい。
【0042】
(3)上記実施形態1では、撚り線状の芯線22をなす各素線23は、1本のアルミ線(導体)からなるものであったが、他の実施形態においては、素線23自身が、撚り線状であってもよい。
【0043】
(4)上記実施形態1では、心棒部12は、中心側の素線23bと接触する構成であったが、他の実施形態においては、心棒部12は、素線23bと共に、外側の素線23aにも接触してもよい。また、上記実施形態1では、バレル部11(圧着部111)は、外側の素線23aと接触する構成であったが、他の実施形態においては、バレル部11(圧着部)111は、素線23aと共に、中心側の素線23bと接触してもよい。
【0044】
(5)上記実施形態1では、端子金具付き電線1は、電気自動車に利用されるものであったが、他の実施形態においては、例えば、ハイブリッド自動車等の他の車両で利用されてもよいし、自動車以外の装置に利用されてもよい。
【0045】
(6)上記実施形態1では、円筒状の端子金具10(バレル部11)を正面から見た場合、その断面形状は、略真円状であったが、他の実施形態においては、例えば、楕円状であってもよい。
【0046】
(7)上記実施形態1では、心棒部12が円柱状をなしていたが、他の実施形態においては、例えば楕円柱状をなしていてもよい。更に、他の実施形態においては、心棒部12が、三角柱状、四角柱状、五角柱状、六角柱状等の多角柱状をなしていてもよい。
【0047】
(8)上記実施形態1では、心棒部12は、バレル部11内に収容されていたが、他の実施形態においては、例えば、心棒部12の先端部12bがバレル部11の開口端部11bから露出していてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1,1A,1B…端子金具付き電線、10,10B…端子金具、11…バレル部(胴体部)、12…心棒部、13…端子部、111…圧着部
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子金具、及び端子金具付き電線に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等で使用される被覆電線の端末には、端子金具が取り付けられている。この種の端子金具は、具体的には、前記被覆電線の絶縁層から露出した複数本の素線からなる撚り線(芯線)の先端に取り付けられるものであり、相手側の端子や電極等と電気的に接続される。
【0003】
このような端子金具としては、特許文献1に示されるような、クローズドバレル型のものが知られている。このクローズドバレル型の端子金具は、前記被覆電線の撚り線が挿入される円筒状の部分(バレル部)を有している。前記端子金具は、この円筒状の部分が前記撚り線を囲んだ状態でかしめられて(圧縮変形されて)、前記被覆電線に取り付けられる。クローズドバレル型の端子金具は、一般的なオープンバレル型の端子金具と比べて、バレル部(円筒状の部分)の強度を充分に確保できる等の利点を有しており、汎用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−86259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記被覆電線の撚り線を構成する素線の本数(撚り本数)が多い場合(特に、撚り線全体が太い場合)、クローズドバレル型の端子金具を、その撚り線の中央付近にある素線に対して、直接、接触させることが難しい。そのため、各素線間に、ある程度の接触抵抗が生じてしまうと、前記端子金具と前記撚り線との間の導通不良が発生する虞があり、問題となっている。特に、各素線がアルミニウム製の素線からなる場合、各素線の表面に接触抵抗の原因となる酸化被膜が形成され易いため、問題となっている。
【0006】
本発明の目的は、導通不良の発生が抑制されたクローズドバレル型の端子金具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る端子金具は、一端が閉塞し他端が開口した円筒状の胴体部と、前記胴体部の内周面に対して間隔を保った状態で、前記胴体部の閉塞した前記一端側から開口した前記他端側に向かって延びる棒状の心棒部と、を備える。
【0008】
前記端子金具において、前記心棒部の先端が、先細り形状をなしてもよい。前記心棒部の先端が、先細り形状をなしていると、前記端子金具の前記導体部内に、複数本の素線からなる電線の芯線を挿入し易くなる。
【0009】
前記端子金具において、前記心棒部が、円柱状をなしてもよい。このような、円柱状をなす心棒部は、フライス盤を利用して形成し易い。そのため、このような心棒部を備えた端子金具は、加工し易く、量産性に優れる。
【0010】
前記端子金具において、前記心棒部が、多角柱状をなしてもよい。前記心棒部が多角柱状であると、その周りには、縁(エッジ)部分が形成されることになる。例えば、心棒部が六角注状であれば、6個の縁部が形成されることになる。このような心棒部を備えた端子金具に、電線の芯線を挿入すると、その挿入時に、前記縁部分が芯線と接触することによって、部分的に削り取られることになる。そのため、心棒部が多角柱状であると、端子金具と電線の芯線との導通性が向上して、導通不良が更に抑制される。
【0011】
本発明に係る端子金具付き電線は、複数本の素線からなる芯線と、前記芯線を被覆する絶縁層とを有する被覆電線と、一端が閉塞し他端が開口した円筒状をなすと共に、前記芯線を内側に挿入させた状態で、前記芯線と密着するように圧縮変形される胴体部と、前記胴体部の内周面に対して間隔を保った状態で、前記胴体部の閉塞した前記一端側から開口した前記他端側に向かって延びると共に、前記芯線と密着する棒状の心棒部とを有する端子金具と、を備える。
【0012】
前記端子金具付き電線において、前記胴体部は、前記心棒部の外周面形状と、同じ形状となるように圧縮変形されてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、導通不良の発生が抑制されたクローズドバレル型の端子金具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態1に係る端子金具の斜視図
【図2】端子金具の正面図
【図3】図2のA−A’線断面図
【図4】端末部に端子金具が被せられた被覆電線の上面図
【図5】被覆電線の正面図
【図6】図4のB−B’線断面図
【図7】実施形態1に係る端子金具付き電線の上面図
【図8】図7のC−C’線断面図
【図9】実施形態2に係る端子金具付き電線の上面図
【図10】図9のD−D’線断面図
【図11】実施形態3に係る端子金具の正面図
【図12】実施形態3に係る端子金具付き電線の断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態1>
以下、本発明の実施形態1に係る端子金具10と、この端子金具10を備えた端子金具付き電線1とについて、図1ないし図8を参照しつつ説明する。
【0016】
図1は、実施形態1に係る端子金具10の斜視図であり、図2は、端子金具10の正面図であり、図3は、図2のA−A’線断面図である。端子金具10は、所謂、クローズドバレル型であり、後述する被覆電線に圧着される円筒状のバレル部(本発明の胴体部に相当)11と、このバレル部11の内側に設けられている棒状の心棒部12と、バッテリー等の電気機器が備える電極等に取り付けられる端子部13とを備えている。この端子金具10は、純銅製の基材にすずめっきを施したものからなる。
【0017】
バレル部11は、被覆電線の芯線に対してかしめられる(圧着される)部分であり、全体的には、一端が開口し他端が閉塞した円筒状をなしている。このバレル部11の閉塞した端部(以下、閉塞端部)11aは、図2に示されるように、端子金具10(バレル部11)を正面から見た場合、略円形状をなしている。なお、この閉塞端部11aの背面側には、上述した端子部13が連続的に設けられている。また、バレル部11の開口した端部(以下、開口端部)11bは、図2に示されるように、略円環状をなしており、被覆電線の芯線の挿入口となっている。なお、開口端部11bの内縁部分は、被覆電線の芯線をバレル部11内に挿入し易くするために、面取りされている。閉塞端部11aと開口端部11bとの間の部分は、円筒状の壁部11cからなり、その内側に、被覆電線の芯線が収容される。
【0018】
本実施形態の場合、バレル部11の外径は18.6mm、バレル部11の内径は16.1mmに設定されている。
【0019】
心棒部12は、バレル部11の内周面に対して所定の間隔を保った状態で、閉塞端部11aから開口端部11bに向かって真っ直ぐに延びている。心棒部12の根元部12aは、略円形状をなす閉塞端部11aの中心部分に一体的に設けられている。また、心棒部12の先端部12bは、面取りされており、所謂、先細り形状をなしている。その先端部12bの外周面は、先端部12b側から根元部12a側に向かって広がるように傾斜した円錐面状をなしている。なお、先端部12b以外の心棒部12の外周面は、図2に示されるように、円柱面状をなしている。本実施形態の場合、心棒部12の太さ(直径)は、バレル部11の周壁部分の厚みよりも、大きく設定されている。本実施形態の場合、心棒部12の直径は、4.0mmに設定されている。本実施形態の場合、心棒部12の先端部12bは、バレル部11内に収容されている。
【0020】
端子部13は、閉塞端部11aからバレル部11の長さ方向に沿って張り出す枠部11aと、この枠部11aで囲まれると共にバッテリー端子等の棒状の端子が挿入される孔部13bとを備えている。端子部13は、相手側の前記棒状の端子が孔部13b内に挿入された状態で、前記棒状の端子に対して導通が図られる。
【0021】
本実施形態の端子金具10は、例えば、所定の金属部材を、フライス盤を利用して加工することによって得られる。なお、他の実施形態においては、端子金具10の心棒部12を、バレル部11等とは別個に製造しておき、その後、心棒部12をバレル部11の閉塞端部11aに、ろう付けによって取り付けてもよい。
【0022】
図4は、端末部に端子金具10が被せられた被覆電線20の上面図であり、図5は、被覆電線20の正面図であり、図6は、図4のB−B’線断面図である。被覆電線20は、複数の細いアルミ製の素線23(23a,23b)を螺旋状に撚り合せてなる芯線22を樹脂製の絶縁被覆(絶縁層)21で被覆したものであり、その端末部においては、絶縁被覆21が剥ぎ取られて芯線22が露出されている。なお、撚り線状の芯線22の直径は、105sqである。
【0023】
図5には、端子金具10が被せられる前の状態の被覆電線20が示されている。図5に示されるように、この被覆電線20は、芯線22及び絶縁被覆21が共に略円形状をなしている。本実施形態の被覆電線20は、アルミ製の芯線22を使用することで、軽量化や低コスト化が図られている。なお、説明の便宜上、芯線22を構成する複数の素線23のうち、中心側に配されるものを素線23bと称し、外側に配されるものを素線23aと称する。本実施形態の場合、芯線22の中心側には、7本の素線23bが配されており、芯線22の外側には、前記素線23bを囲むように12本の素線23aが配されている。
【0024】
被覆電線20の芯線22は、その先端部分が閉塞端部11aに突き当る位置まで端子金具10内に挿入されている。図6に示されるように、端子金具10内において、中心側の各素線23bは、心棒部12を取り囲むように配され、外側の各素線23aは、バレル部11(壁部11c)の内周面に沿って配されている。なお、心棒部12の先端部12bは、上述したように、所謂、先細り形状をなしているため、心棒部12が、撚り線状の芯線22内(素線23同士の間)に挿し込まれ易くなっていると共に、前記芯線22がバレル部11(壁部11c)内を進み易くなっている。
【0025】
端子金具10は、その内側に被覆電線20の芯線22が挿入された状態で、公知の圧着機(不図示)により圧縮変形されて、被覆電線20の芯線22にかしめられる。図7は、実施形態1に係る端子金具付き電線1の上面図であり、図8は、図7のC−C’線断面図である。図7に示されるように、端子金具10は、そのバレル部11の軸方向(電線方向)における略中央部が、前記圧着機が備える一対の圧着ダイス間で挟まれて圧縮変形される。バレル部11は、その外周面側から内周面側に向かって、芯線22を締め付けるように圧縮変形される。図8に示されるように、バレル部11(壁部11c)の圧縮変形された部分(以下、圧着部)111は、その断面が六角形状をなしている。本実施形態の場合、圧着部11は、1辺が7.8mmの六角形状に圧縮変形されている。なお、バレル部11において、圧着部111以外の部分112,113は、略円筒状をなしており、それぞれ芯線22の周りを囲んでいる。
【0026】
圧着部111の内面は、芯線22の外側にある各素線23aが密着している。図8に示されるように、各素線23aは、六角形状をなす圧着部111の内面に沿って環状に並んでいる。芯線22のうち少なくとも素線23aは、バレル部11(壁部11c)と直に接触することによって、互いに導通することができる。なお、各素線23aは、中心側の各素線23bを取り囲むようにも並んでおり、各素線23aと各素線23bとが、互いに密着されている。
【0027】
また、バレル部11の内側にある心棒部12の周り(周面)には、芯線22の中心側にある各素線23bが密着している。そのため、芯線22のうち少なくとも素線23bは、心棒部12と直に接触することによって、互いに導通することができる。したがって、本実施形態の端子金具10は、外側の各素線23aのみならず、中心側の各素線23bに対しても、直に接触することができるため、導通不良の発生を抑制できる。
【0028】
なお、本実施形態の端子金具10は、上述したように、心棒部12が円柱状をなしている。このような、円柱状をなす心棒部は、フライス盤を利用して形成し易い。そのため、このような心棒部を備えた端子金具は、加工し易く、量産性に優れる。
【0029】
なお、本実施形態の端子金具付き電線1は、例えば、電気自動車において走行用の動力源を構成するバッテリー、インバータ、モータ等の装置(不図示)の間に、配索されて利用される。
【0030】
<実施形態2>
次いで、本発明の実施形態2を、図9及び図10を参照しつつ説明する。図9は、実施形態2に係る端子金具付き電線1Aの上面図であり、図10は、図9のD−D’線断面図である。本実施形態の端子金具付き電線1Aは、実施形態1と同様、被覆電線20及び端子金具10からなる。本実施形態の端子金具付き電線1Aも、実施形態1と同様、被覆電線20の末端部に取り付けられた端子金具10(図4参照)を、所定の圧着機(不図示)を利用して圧縮変形されたものからなる。ただし、本実施形態の端子金具付き電線1Aは、圧縮変形後の端子金具10の形状(圧着部11Aの形状)が、実施形態1のものと異なっている。
【0031】
本実施形態では、実施形態1とは異なる一対の圧着ダイスを備えた圧着機(不図示)が利用される。本実施形態の場合、図10に示されるような、端子金具10の断面形状が得られるような圧着ダイスが用いられる。端子金具10の圧着部111Aは、図10に示されるように、六方対称形状に圧縮変形されている。圧着部111Aは、軸方向に沿って延びると共に外側に向かって突出した6つの突出部111A1と、隣り合った突出部111A1間に形成される6つの溝部111A2とを備える。
【0032】
各突出部111A1の内側には、芯線22の外側にある各素線23aが挟まっている。本実施形態の場合、1つの突出部111A1に対して、2本の素線23aが挟まっている。そして、突出部111A1をなす壁部11cの内面は、各素線23aと密着している。また、溝部111A2をなす壁部11cの内面は、芯線22の中心側にある各素線23bと密着している。つまり、本実施形態では、端子金具10のバレル部11(壁部11c)は、芯線22の外側の各素線23aのみならず、芯線22の中心側の各素線23bにも直接、接触している。なお、心棒部12には、実施形態1と同様、芯線22の中心側の各素線23bが密着している。
【0033】
本実施形態の端子金具付き電線1Aは、実施形態1と比べて、圧着部111Aにおける端子金具10の芯線22に対する接触面積が大きくなっている。また、芯線22の中心側にある各素線23bは、心棒部12によってバレル部11の内面側に寄せられており、各素線23bが、圧縮部111Aをなす壁部11cの内面と、直接、接触し易くなっている。したがって、本実施形態の端子金具付き電線1Aは、そのバレル部11が芯線22の外側にある各素線23aのみならず、芯線22の中心側にある各素線23bに対して直接、接触することができるため、実施形態1と比べて、端子金具10と芯線22との間の導通性(電気接続性)に優れるものとなっている。
【0034】
<実施形態3>
次いで、本発明の実施形態3を、図11及び図12を参照しつつ説明する。図11は、実施形態3に係る端子金具10Bの正面図であり、図12は、実施形態3に係る端子金具付き電線10Bの圧着部Bにおける断面図である。本実施形態における端子金具10Bの基本的な構成は、実施形態1の端子金具10と同様である。ただし、端子金具10Bの心棒部12Bの形状が、実施形態1のものと異なっている。
【0035】
端子金具10Bの心棒部12Bは、六角柱状をなしており、その断面形状が六角形状をなしている。つまり、心棒部12Bの外周面形状は、六角柱の周面形状(六角柱面状)となっている。そして、図12に示されるように、芯線22の周りにかしめられる端子金具10Bのバレル部11(圧着部111B)の断面形状も、六角形状をなしている。つまり、心棒部12Bにおける断面形状と、圧縮変形後のバレル部11(圧着部111B)の断面形状とは、互いに相似形であり、互いの各頂点の位置も対応している。
【0036】
本実施形態の場合、心棒部12Bの外周面と、圧着部111Bの内周面との間隔は、略一定に設定される。したがって、本実施形態の端子金具10Bは、心棒部12Bとバレル部11(圧着部111B)との間に、芯線22を構成する各素線23を均等に配置し易くなると共に圧縮し易くなっている。
【0037】
なお、本実施形態においても、心棒部12Bの先端部12Bbは、実施形態1と同様、面取りされている。そのため、被覆電線20の芯線22を、バレル部11内に挿入する際、心棒部12Bの先端部12Bbが芯線22に対して干渉することが抑制されている。
【0038】
本実施形態の端子金具10Bにおいて、心棒部12Bは、多角柱状(六角注状)をなしている。つまり、心棒部12Bの周りには、心棒部12Bの長さ方向(軸方向)に沿った6つの縁(エッジ)部分が形成されている。このような心棒部12Bを備えた端子金具19Bに、被覆電線20の芯線22を挿入すると、その挿入時に、前記縁部分が芯線22(特に素線23b)と接触することによって、芯線22(素線23b)表面上に形成されている酸化被膜が、部分的に削り取られることになる。すると、端子金具10Bと被覆電線20の芯線22との導通性(導電性)が向上して、導通不良が更に抑制されることになる。
【0039】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0040】
(1)上記実施形態1では、端子金具10として、純銅製の基材にすずめっきを施したものを利用していたが、他の実施形態においては、他の金属材料からなるものを利用してもよい。
【0041】
(2)上記実施形態1では、端子金具10における心棒部12の先端部12bが、略円錐状(円錐台状)の先細り形状をなしていたが、他の実施形態においては、例えば、略四角錐状、略三角錐状等の他の先細り形状をなすものであってもよい。
【0042】
(3)上記実施形態1では、撚り線状の芯線22をなす各素線23は、1本のアルミ線(導体)からなるものであったが、他の実施形態においては、素線23自身が、撚り線状であってもよい。
【0043】
(4)上記実施形態1では、心棒部12は、中心側の素線23bと接触する構成であったが、他の実施形態においては、心棒部12は、素線23bと共に、外側の素線23aにも接触してもよい。また、上記実施形態1では、バレル部11(圧着部111)は、外側の素線23aと接触する構成であったが、他の実施形態においては、バレル部11(圧着部)111は、素線23aと共に、中心側の素線23bと接触してもよい。
【0044】
(5)上記実施形態1では、端子金具付き電線1は、電気自動車に利用されるものであったが、他の実施形態においては、例えば、ハイブリッド自動車等の他の車両で利用されてもよいし、自動車以外の装置に利用されてもよい。
【0045】
(6)上記実施形態1では、円筒状の端子金具10(バレル部11)を正面から見た場合、その断面形状は、略真円状であったが、他の実施形態においては、例えば、楕円状であってもよい。
【0046】
(7)上記実施形態1では、心棒部12が円柱状をなしていたが、他の実施形態においては、例えば楕円柱状をなしていてもよい。更に、他の実施形態においては、心棒部12が、三角柱状、四角柱状、五角柱状、六角柱状等の多角柱状をなしていてもよい。
【0047】
(8)上記実施形態1では、心棒部12は、バレル部11内に収容されていたが、他の実施形態においては、例えば、心棒部12の先端部12bがバレル部11の開口端部11bから露出していてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1,1A,1B…端子金具付き電線、10,10B…端子金具、11…バレル部(胴体部)、12…心棒部、13…端子部、111…圧着部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が閉塞し他端が開口した円筒状の胴体部と、
前記胴体部の内周面に対して間隔を保った状態で、前記胴体部の閉塞した前記一端側から開口した前記他端側に向かって延びる棒状の心棒部と、を備える端子金具。
【請求項2】
前記心棒部の先端が、先細り形状をなす請求項1に記載の端子金具。
【請求項3】
前記心棒部が、円柱状をなす請求項1又は請求項2に記載の端子金具。
【請求項4】
前記心棒部が、多角柱状をなす請求項1又は請求項2に記載の端子金具。
【請求項5】
複数本の素線からなる芯線と、前記芯線を被覆する絶縁層とを有する被覆電線と、
一端が閉塞し他端が開口した円筒状をなすと共に、前記芯線を内側に挿入させた状態で、前記芯線と密着するように圧縮変形される胴体部と、前記胴体部の内周面に対して間隔を保った状態で、前記胴体部の閉塞した前記一端側から開口した前記他端側に向かって延びると共に、前記芯線と密着する棒状の心棒部とを有する端子金具と、を備える端子金具付き電線。
【請求項6】
前記胴体部は、前記心棒部の外周面形状と、同じ形状となるように圧縮変形される請求項5に記載の端子金具付き電線。
【請求項1】
一端が閉塞し他端が開口した円筒状の胴体部と、
前記胴体部の内周面に対して間隔を保った状態で、前記胴体部の閉塞した前記一端側から開口した前記他端側に向かって延びる棒状の心棒部と、を備える端子金具。
【請求項2】
前記心棒部の先端が、先細り形状をなす請求項1に記載の端子金具。
【請求項3】
前記心棒部が、円柱状をなす請求項1又は請求項2に記載の端子金具。
【請求項4】
前記心棒部が、多角柱状をなす請求項1又は請求項2に記載の端子金具。
【請求項5】
複数本の素線からなる芯線と、前記芯線を被覆する絶縁層とを有する被覆電線と、
一端が閉塞し他端が開口した円筒状をなすと共に、前記芯線を内側に挿入させた状態で、前記芯線と密着するように圧縮変形される胴体部と、前記胴体部の内周面に対して間隔を保った状態で、前記胴体部の閉塞した前記一端側から開口した前記他端側に向かって延びると共に、前記芯線と密着する棒状の心棒部とを有する端子金具と、を備える端子金具付き電線。
【請求項6】
前記胴体部は、前記心棒部の外周面形状と、同じ形状となるように圧縮変形される請求項5に記載の端子金具付き電線。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−58341(P2013−58341A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195003(P2011−195003)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]