説明

符号化方法、装置及び機器、及び復号化方法

【課題】様々な入力信号のための包括的な符号化/復号化方法を導入することによって、様々な入力信号についての圧縮効率を、複雑な処理を必要とせず向上可能な方法を提供する。
【解決手段】符号化方法は、入力信号フレームを符号化するための第2の符号化モードを、入力信号フレームの信号特性についての解析に従って選択し、入力信号フレームを符号化するために使用される、予め設定された第1の符号化モードと、第2の符号化モードとのための、符号化要求値を取得し、上記の符号化モードから、符号化要求値に基づいて、入力信号フレームを符号化するための符号化モードを決定し、決定された符号化モードの情報と、決定された符号化モードに従って符号化された符号化データとを多重化することを含む。従って、符号化モードに関する適合性と優先順位付けとが達成されることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号符号化及び復号化の分野に関し、より具体的には、信号圧縮技術に、特に、符号化方法、符号化装置、符号化機器、及び復号化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無損失圧縮技術は、帯域幅を節約して、無損失の復元された信号を生成するため、符号化効率を効果的に向上させることが可能である。しかし、信号間の固有エントロピーに起因して、様々な信号についての圧縮効率は、様々な圧縮解決法によって大幅に変化し、そして、実時間伝送においては高い複雑さが要求される。従って、符号化効率と複雑さとの間のトレードオフ、及び様々な信号への適応を、最大限に実現することは一般に困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
既存の無損失圧縮技術は、より高い圧縮比を得るために、主として音声記憶に適用可能である。しかし、そのような適用は、より高い複雑さをもたらす。別の技術では、より大きな圧縮比を得るために、信号の各サンプルが圧縮及び符号化される。しかし、異なる入力信号の各サンプルが、同じ圧縮モードで圧縮される場合、信号特性が無視され、そして、入力信号に適していない圧縮モードが、入力信号を圧縮及び符号化するために使用される可能性が高い。従って、圧縮効率は大幅に劣化する。より悪い状況では、信号が圧縮及び符号化されることさえできない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、符号化方法、符号化装置、復号化方法、及び復号化装置に関する。様々な入力信号のための包括的な符号化/復号化方法を導入することによって、様々な入力信号についての圧縮効率が、より低い複雑さで向上させられる。
【0005】
この目的のために、本発明の一実施形態による音声符号化方法が提供される。方法は、
入力信号フレームを符号化するための第2の符号化モードを、入力信号フレームの信号特性についての解析に従って選択し、
入力信号フレームを符号化するために使用される、予め設定された第1の符号化モードと、第2の符号化モードとのための、符号化要求値を取得し、
上記の符号化モードから、符号化要求値に基づいて、入力信号フレームを符号化するための符号化モードを決定し、
決定された符号化モードの情報と、決定された符号化モードに従って符号化された符号化データとを多重化することを含む。
【0006】
従って、本発明の様々な実施形態による機器、方法、及び装置が、様々な符号化モードに対応するために導入される。包括的な符号化方法、包括的な符号化装置、及び包括的な符号化機器を使用することによって、入力信号フレームと様々な符号化ポリシーとに基づいた、様々な符号化モードの間での効果的な切り換えが、信号が圧縮及び符号化される際に実行される。従って、複雑さと圧縮効率とに対する様々な要求が満たされることが可能である。その結果、より少ない複雑さで、圧縮効率が効果的に向上させられる。
【0007】
本発明の実施形態における、又は従来技術における、技術的解決法の更なる理解を提供するために、実施形態又は従来技術の説明において使用される添付の図面の簡単な紹介を以下で行う。明らかに、以下の説明における添付の図面は、本発明のいくつかの実施形態を例示するものにすぎない。また、添付の図面に基づいて、創造的な作業なしに、その他の図面が作成されることも可能であるということが、当業者によって容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態による符号化装置のブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による符号化装置のブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態による符号化方法のフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態による符号化方法のフローチャートである。
【図5】本発明の符号化方法の実施形態による、信号解析ポリシーのための決定プロセスである。
【図6】本発明の一実施形態による符号化方法のフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態による符号化方法のフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態による復号化方法のフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態による符号化システムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に関する技術的解決法は、以下の詳細な説明を、本発明の実施形態における添付の図面と共に参照することによって、より容易に理解されるようになるであろう。明らかに、本明細書に記載する実施形態は、網羅的なものではなく、本発明の実施形態の一部にすぎない。本発明の実施形態に基づいて、創造的な作業なしに企図された他のいかなる実施形態も、本発明の範囲に入ると解釈されるということは、当業者によって容易に理解される。
【0010】
<符号化装置の第1の実施形態>
図1は、本発明の一実施形態による符号化装置のブロック図である。図1に示すように、符号化装置は、符号化要求評価ユニット11と、モード決定ユニット12と、符号化ユニット13とを含んでもよい。符号化要求評価ユニット11は、入力信号フレームを符号化するために使用される、第1の符号化モードと、その他の符号化モードのうちの少なくとも1つとのための、符号化要求値を評価するように構成される。モード決定ユニット12は、上記の符号化モードから、符号化要求評価ユニット11によって取得された符号化要求値に基づいて、入力信号フレームを符号化するために使用される符号化モードを、モード選択ポリシーに従って決定するように構成される。符号化ユニット13は、モード決定ユニット12によって決定された符号化モードを使用して、入力信号フレームを符号化するように構成される。
【0011】
本実施形態によれば、符号化装置が、様々な符号化モードに対応するために導入される。包括的な符号化装置を使用して、第1の符号化モードと、その他の符号化モードのうちの少なくとも1つとのための、符号化要求値を判定することによって、入力信号フレームと様々な符号化ポリシーとに基づいた、様々な符号化モードの間での効果的な切り換えが、信号が圧縮及び符号化される際に実行される。従って、複雑さと圧縮効率とに対する様々な要求が満たされることが可能である。その結果、より少ない複雑さで、圧縮効率が効果的に向上させられる。
【0012】
<符号化装置の第2の実施形態>
図2は、本発明の一実施形態による符号化装置のブロック図である。図2に示すように、符号化装置は、符号化要求評価ユニット11と、モード決定ユニット12と、符号化ユニット13とを含んでもよい。符号化要求評価ユニット11は、入力信号フレームを符号化するために使用される、第1の符号化モードと、その他の符号化モードのうちの少なくとも1つとのための、符号化要求値を評価するように構成される。モード決定ユニット12は、上記の符号化モードから、符号化要求評価ユニット11によって取得された符号化要求値に基づいて、入力信号フレームを符号化するために使用される符号化モードを、モード選択ポリシーに従って決定するように構成される。符号化ユニット13は、モード決定ユニット12によって決定された符号化モードを使用して、入力信号フレームを符号化するように構成される。
【0013】
入力信号フレームは、符号化要求評価ユニット11に、フレームごとに入る。符号化要求評価ユニット11は、入力信号フレームを受信し、入力信号フレームを符号化するために使用される、少なくとも2つの符号化モードのための、符号化要求値を評価する。第1の符号化モードは、ダイナミックレンジ符号化モード(dynamic range encoding mode)であってもよい。その他の符号化モードのうちの少なくとも1つは、ダイナミックレンジ符号化モードとは異なる符号化モードを含む。その他の符号化モードが1つのタイプである場合、その他の符号化モードは、予測符号化モード(prediction encoding mode)であってもよい。その他の符号化モードのうちの少なくとも1つは、以下に限定されないが、予測符号化モード、一定符号化モード(constant encoding mode)、ランレングス符号化モード(run−length encoding mode)、又はパルス符号化モード(pulse encoding mode)を含んでもよい。符号化要求値は、入力信号フレームを符号化するために様々な符号化モードによって必要とされるビット数、及び/又は、入力信号フレームを符号化するために必要とされるバイト数を含む。符号化要求値は、様々な符号化モードを使用して符号化を実行することによって、又は、入力信号フレームのパラメータ情報に基づいて、符号化モードの特性と組み合わせて、評価を行うことによって取得されてもよい。従って、符号化要求値が、様々な符号化モードを使用して入力信号フレームを符号化することによって取得される場合、符号化ユニット13は、符号化要求評価ユニット11内に配置されてもよく、又は、符号化要求評価ユニット11と一緒に1つの論理エンティティ内にあってもよく、又は、独立した論理エンティティであってもよい。符号化要求値が、入力信号フレームのパラメータ情報に基づいて評価される場合、符号化ユニット13は、モード決定ユニット12の出力を受信し、決定されたモードに従って符号化を実行する。
【0014】
本実施形態による符号化装置は、信号解析ユニット14を更に含んでもよい。信号解析ユニット14は、入力信号フレームが符号化要求評価ユニット11に入る前に、第1の符号化モード以外のその他の符号化モードから、第2の符号化モードを、入力信号フレームの信号特性に基づいて、信号解析ポリシーに従って選択するように構成され、ここで、第2の符号化モードは、符号化要求評価ユニット11に入力される、その他の符号化モードのうちの少なくとも1つとしての役割を果たす。信号解析ユニット14の出力を受信した場合、符号化要求評価ユニット11は、入力信号フレームを符号化するために使用される、第1の符号化モードと第2の符号化モードとのための、符号化要求値を、別個に取得する。
【0015】
符号化要求評価ユニット11は、入力信号フレームを符号化するために様々な符号化モードによって必要とされる、符号化要求値を出力する。モード決定ユニット12は、入力信号フレームを符号化するためのモードを、モード選択ポリシーに従って決定する。モード選択ポリシーは、取得された符号化要求値から、最小の符号化要求値を判定すること、又は、取得された符号化要求値から、閾値に最も近い符号化要求値を判定すること、又は、符号化を実行するための、第1の符号化モードと、その他の符号化モードのうちの少なくとも1つとのうちの1つを、優先して採用すること、及び、符号化モードに対応する符号化モード識別子と、符号化のために必要とされる対応するパラメータとを生成し、符号化モード識別子と、パラメータとを、符号化ユニット13に送信することを含む。
【0016】
符号化ユニット13は、入力信号フレームを、モード決定ユニット12によって決定された符号化モードを使用して符号化する。あるいは、前述のように、符号化要求評価ユニット11が、符号化要求値を取得するプロセスにおいて、入力信号フレームを、様々な符号化モードに基づいて符号化してもよく、前記符号化された入力信号フレームが、符号化ユニット13によって再利用されてもよい。符号化される信号は、符号化された入力信号フレームと、符号化モード識別子と、符号化によって必要とされるパラメータとを含む。他の実施形態では、符号化される信号は、その他の信号又は情報を更に含んでもよい。
【0017】
本実施形態によれば、符号化装置が、様々な符号化モードに対応するために導入される。包括的な符号化装置を使用して、第1の符号化モードと、その他の符号化モードのうちの少なくとも1つとのための、符号化要求値を判定することによって、入力信号フレームと様々な符号化ポリシーとに基づいた、様々な符号化モードの間での効果的な切り換えが、信号が圧縮及び符号化される際に実行される。従って、複雑さと圧縮効率とに対する様々な要求が満たされることが可能である。その結果、より少ない複雑さで、圧縮効率が効果的に向上させられる。
【0018】
<符号化装置の第3の実施形態>
符号化装置は、信号解析ユニット14と、符号化要求評価ユニット11と、モード決定ユニット12と、符号化ユニット13とを含む。信号解析ユニット14は、入力信号フレームの信号特性を解析し、入力信号フレームを符号化するための第2の符号化モードを選択するように構成される。符号化要求評価ユニット11は、入力信号フレームを符号化するために使用される、第1の符号化モードと第2の符号化モードとのための、符号化要求値を評価するように構成される。モード決定ユニット13は、それらの符号化モードから、符号化要求値に基づいて、入力信号フレームを符号化するための符号化モードを決定するように構成される。符号化ユニット13は、決定された符号化モードを使用して、入力信号フレームを符号化するように構成される。
【0019】
信号解析ユニット14は、入力信号フレームを解析し、入力信号フレームを符号化するための様々な符号化モードから、第2の符号化モードを選択するように構成される。入力信号フレームの様々な信号特性は、様々な符号化モードに対応してもよい。信号特性は、以下に限定されないが、一定信号(constant signal)、特別な一定信号(special constant signal)、パルス信号(pulse signal)、又は、少なくとも2つの値を有する多値信号(multi−valued signal)を含む。信号解析ユニットは、第2の符号化モードを、信号解析ポリシーに従って選択してもよい。信号解析ポリシーは、入力信号フレームの様々な信号特性を解析し、入力信号フレームの特性に対応する符号化モードを選択することを含む。G711符号ストリーム信号を例に取る。入力信号フレームが一定信号であると判定された場合、一定符号化モードが第2の符号化モードとして選択される。入力信号フレームが、一定特性に一致せず、しかし、入力信号フレームのパルス情報が、予め設定された条件を満たす場合、パルス符号化モードが、第2の符号化モードとして選択されてもよい。信号解析ポリシーは、信号特性がいかなる予め設定された特性にも一致しない入力信号フレームのために、予測符号化モードを使用することを更に含んでもよい。解析が、いずれの特性も一致しないことを示す場合、例えば、入力信号フレームが、通常の一定でも、特別な一定でもなく、入力信号フレームが、予め設定されたパルス数に一致せず、入力信号フレームが、多値信号でもない場合、予測符号化モードが、解析の後で、第2の符号化モードとして選択される。本実施形態における符号化要求評価ユニットとモード決定ユニットとは、第1の符号化モードと第2の符号化モードとのための、符号化要求値の評価において、及び、第1の符号化モードと第2の符号化モードとの間での符号化モードの選択に関する判定において、符号化装置の第1の実施形態におけるものとは異なる。本実施形態における符号化ユニットは、符号化装置の第1の実施形態におけるものと同一である。
【0020】
符号化装置の第1の実施形態とのもう1つの違いは、本実施形態の符号化装置が、信号解析ユニット14から出力された第2の符号化モードが予測モードであるかどうかを識別するための、予測モード識別ユニット15を更に含むということである。
【0021】
予測モード識別ユニット15が、第2の符号化モードが予測モードではないことを識別した場合、識別された結果が符号化ユニット13に送信される。符号化ユニット13は、第2の符号化モードを使用して入力信号フレームを符号化する。予測モード識別ユニット15が、第2の符号化モードが予測モードであることを識別した場合、識別された結果は符号化要求評価ユニット11に送信される。
【0022】
符号化装置の第1及び第2の実施形態におけるモード選択ポリシーと信号解析ポリシーとは、記憶ユニット16を介して符号化装置内に記憶されてもよく、又は読み出されてもよい。記憶ユニットは、符号化装置内の論理エンティティであってもよく、又は、データ情報が外部から読み出されるように、符号化装置から分離していてもよい。
【0023】
本実施形態によれば、符号化装置が、様々な符号化モードに対応するために導入される。包括的な符号化装置を使用することによって、フレーム信号を符号化するための第2の符号化モードが、信号特性についての解析に基づいて選択される。選択された第2の符号化モードが予測モードではない場合、信号は直ちに符号化されて出力される。選択された第2の符号化モードが予測モードである場合、入力信号フレームを符号化するために使用される、第1の符号化モードと第2の符号化モードとのための、符号化要求値に基づいて、最適な符号化モードが選択される。このようにして、入力信号フレームと様々な符号化ポリシーとに基づいた、様々な符号化モードの間での効果的な切り換えが、信号が圧縮及び符号化される際に実行される。従って、複雑さと圧縮効率とに対する様々な要求が満たされることが可能である。その結果、より少ない複雑さで、圧縮効率が効果的に向上させられる。
【0024】
<符号化方法の第1の実施形態>
図3は、本発明の一実施形態による符号化方法のフローチャートである。方法は、以下のステップを含む。
【0025】
ステップ201:入力信号フレームの信号特性についての解析が行われ、入力信号フレームを符号化するための第2の符号化モードが選択される。
【0026】
符号化される入力信号フレームは、様々な信号特性を有する。入力信号フレームの特性についての解析が行われる。解析結果に基づいて、入力信号フレームを符号化するための様々な符号化モードから、第2の符号化モードが選択される。入力信号フレームは、PCM信号であってもよく、又は、G.711標準に従ってポイントごとに符号化された信号に類似していてもよく、又は、その他の信号であってもよい。
【0027】
ステップ202:入力信号フレームを符号化するために使用される、予め設定された第1の符号化モードと、第2の符号化モードとのための、符号化要求値が取得される。
【0028】
入力信号フレームを符号化するための第1の符号化モードは、予め設定されている。第1の符号化モードは、ダイナミックレンジ符号化モードであってもよい。入力信号フレームを符号化するために使用される、第1の符号化モードと、ステップ201で取得された第2の符号化モードとのための、符号化要求値が評価される。符号化要求値は、入力信号フレームを符号化するために必要とされるビット数又はバイト数である。
【0029】
ステップ203:入力信号フレームを符号化するための符号化モードが、それらの符号化モードから、様々な符号化要求値に基づいて選択される。
【0030】
様々な符号化モードのもとでの、計算された符号化要求値が、特定のポリシーに従って比較される。入力信号フレームを符号化するための符号化モードが、その比較から選択される。
【0031】
ステップ204:決定された符号化モードの情報と、決定された符号化モードに従って符号化された符号化データとが、符号化及び多重化される。
【0032】
加えて、符号化を行うためのいくつかの符号化パラメータも、復号器が正常に復号化することができるようにするために多重化される。
【0033】
本実施形態によれば、符号化方法が、様々な符号化モードに対応するために導入される。包括的な符号化方法を使用することによって、フレーム信号を符号化するための第2の符号化モードが、信号特性についての解析に基づいて選択される。入力信号フレームを符号化するために使用される、第1の符号化モードと第2の符号化モードとのための、符号化要求値に基づいて、最適な符号化モードが選択される。このようにして、入力信号フレームと様々な符号化ポリシーとに基づいた、様々な符号化モードの間での効果的な切り換えが、信号が圧縮及び符号化される際に実行される。従って、複雑さと圧縮効率とに対する様々な要求が満たされることが可能である。その結果、より少ない複雑さで、圧縮効率が効果的に向上させられる。
【0034】
<符号化方法の第2の実施形態>
図4は、本発明の一実施形態による符号化方法のフローチャートである。方法は、以下のステップを含む。
【0035】
ステップ401:入力信号フレームについての解析が、信号特性に基づいて行われる。
【0036】
入力信号フレームは、様々な信号特性を有する。本実施形態では、最初に、入力信号フレームの信号特性が解析される。入力信号フレームの信号特性は、入力信号フレーム全体が一定信号であるかどうかを含む。信号が一定信号である場合、一定が特別な一定であるかどうかが更に判定される。入力信号フレームの信号特性は、入力信号フレーム全体が2つ以上の値を有するかどうか、又は、入力信号フレームのパルスの数も含んでもよい。入力信号フレームの信号特性は、上記のタイプに限定されない。入力信号フレームの信号特性は、信号特性を反映することが可能な全ての信号特性を含む。
【0037】
ステップ402:入力信号フレームを符号化するための符号化モードが、信号解析ポリシーに従って、入力信号フレームの解析結果に基づいて選択される。そのような符号化モードは、第2の符号化モードと呼ばれる。異なる信号特性は、異なる符号化モードに対応する。入力信号フレームを解析することによって、入力信号フレームのための符号化モードが、予め設定された信号解析ポリシーに従って決定されてもよい。信号解析ポリシーは、第2の符号化モードを選択するために様々な信号特性を解析することを、解析結果に基づいて選択を行うことに優先して含んでもよい。例えば、信号が一定信号であるかどうかが最初に判定される。次に、信号が多値信号であるかどうかが判定される。最後に、信号がパルス信号であるかどうかが判定される。判定プロセスは、以下の通りであってもよい。ステップ401で取得された解析結果に基づいて、入力信号フレームが一定信号であるかどうかが最初に判定される。入力信号フレーム全体が一定信号である場合、対応する一定符号化モードが、第2の符号化モードとして選択される。あるいは、フレーム信号が特別な一定フレーム信号であるかどうかが更に判定される。フレーム信号が特別な一定フレーム信号である場合、特別一定符号化モード(special constant encoding mode)が選択される。それ以外の場合、通常一定符号化モード(normal constant encoding mode)が選択される。信号が一定信号ではない場合、信号が多値信号であるかどうかが判定される。入力信号フレーム全体が2つの値を含む場合、多値符号化モード(multi−valued encoding mode)が、第2の符号化モードとして選択される。信号特性の判定が完了するまで、残りについては類推によって推論されてもよい。判定のための上記の順序は、実際の状況に応じて調節されてもよい。信号解析ポリシーは、様々な信号特性の判定の優先順位と、どの信号特性が解析される必要があるかについての決定とを含む。対応する符号化モードは、以下に限定されないが、一定符号化モード、パルス符号化モード、多値符号化モード、又はランレングス符号化モードを含む。信号特性が、予め設定された特性に適合しない信号に対しては、予測符号化モードが、第2の符号化モードとして使用される。図5は、信号解析ポリシーに基づいた判定プロセスを示す。
【0038】
ステップ402は、ステップ401と並行して実行されてもよい。1つの信号特性についての解析の後で、信号解析ポリシーに基づいて、信号特性に対応する符号化モードが第2の符号化モードとして選択されてもよいかどうかが判定されてもよい。ステップ402は、ステップ401の完了に基づいて、第2の符号化モードを、信号解析ポリシーに従って選択するために実行されてもよい。上記のステップは、圧縮効率が更に保証されるようにするために、信号特性に基づいて符号化モードを効果的に選択することを可能にしうる。
【0039】
ステップ403:第2の符号化モードが予測モードであるかどうかが識別される。第2の符号化モードが予測モードではない場合、方法はステップ407に進む。第2の符号化モードが予測モードである場合、後続のステップが実行される。
【0040】
ステップ404:入力信号フレームを符号化するために使用される、予め設定された第1の符号化モードのための、符号化要求値が取得される。
【0041】
ステップ404は、少なくとも2つの方法で実施されてもよい。第1の方法は、入力信号フレームを、第1の符号化モードを使用してフレームごとに符号化して、符号化のために必要とされる符号化要求値を計算することである。第2の方法は、入力信号フレームを、第1の符号化モードを使用してフレームごとに符号化するために必要とされる符号化要求値を評価して、符号化要求値についての評価を取得することである。
【0042】
第1の符号化モードは、ダイナミックレンジ符号化モードであってもよい。ダイナミックレンジ符号化モードのための符号化要求値は、符号化のために必要とされるビット数又はバイト数を含んでもよい。ビット数又はバイト数は、入力信号フレームを符号化するための複雑さの特性情報を表すために使用される。本実施形態は、ビット数の例で記載される。各サンプルポイントを符号化するために必要とされるビット数は、符号化される信号の最小サンプルポイント値と最大サンプルポイント値とに基づいて計算される。例えば、符号化される信号xの、取得された最大サンプルポイント値max(x)と最小サンプルポイント値min(x)とに基づいて、各サンプルポイントを符号化するために必要とされるビット数「code_bits」は、code_bits=log[(max(x)−min(x)+1]という式によって取得されてもよい。あるいは、符号化される信号のダイナミックレンジを取得するために、ステップ404に先立って判定が実行されてもよい。ダイナミックレンジは、所定の閾値と比較される。符号化される信号のダイナミックレンジが、予め設定された閾値以下である場合に、ステップ404が実行される。又は、ダイナミックレンジが、閾値未満であるか、又は閾値を超えるか、又は閾値1未満でありかつ閾値2を超えるか、又は、第2の符号化モードのためのビット数が、閾値よりも大きい。
【0043】
ステップ405:入力信号フレームを符号化するために使用される、第2の符号化モードのための、符号化要求値が取得される。このステップは、ステップ404に先立って、ステップ404の後に、かつ/又は、ステップ404と並行して実行されてもよい。ステップ404における方法と同様に、入力信号フレームを符号化するために使用される、第2の符号化モードのための、符号化要求値が、第2の符号化モードを使用して入力信号フレームを符号化するために必要とされるビット数又はバイト数を計算するための方法に従って取得される。あるいは、ステップ405に先立って判定が実行されてもよい。第2の符号化モードのためのビット数が閾値よりも大きい場合、ステップ406が実行される。
【0044】
ステップ406:ステップ404及びステップ405で取得された符号化要求値が比較される。入力信号フレームを符号化するための符号化モードが、第1の符号化モード及び第2の符号化モードから、モード選択ポリシーに従って選択される。
【0045】
モード選択ポリシーは、取得された符号化要求値から、最小の符号化要求値を判定することを含む。このモード選択ポリシーに従って、第1のモードのために必要とされる符号化要求値が、第2のモードのために必要とされる符号化要求値未満である場合、入力信号フレームを符号化するための第1のモードが選択される。第1のモードのために必要とされる符号化要求値が、第2のモードのために必要とされる符号化要求値以上である場合、第2の符号化モードが、入力信号フレームを符号化するために選択される。モード選択ポリシーは、取得された符号化要求値から、閾値に最も近い符号化要求値を判定することを更に含む。このモード選択ポリシーに従って、これらの2つのモードのための符号化要求値が、予め設定された閾値と比較される。符号化要求値と閾値との間の差の絶対値がより小さい符号化要求値に対応する符号化モードが、入力信号フレームを符号化するために選択される。あるいは、閾値よりも小さい符号化要求値に対応する符号化モードが、入力信号フレームを符号化するために選択される。モード選択ポリシーは、符号化を実行するために使用される、第1の符号化モードと、その他の符号化モードのうちの少なくとも1つとのうちの1つを、優先して採用することを更に含む。様々な環境においては、場合によっては、予め設定された符号化モードで符号化を実行する必要がある。従って、最初に使用されるモードが依然として存在する。もちろん、第1の符号化モード及び第2の符号化モードから、入力信号フレームのための符号化モードを選択するためのモードポリシーは、上記のタイプに限定されない。モード選択ポリシーは、当業者によって考案されることが可能な全ての解決法を含む。
【0046】
ステップ407:決定された符号化モードの情報と、決定された符号化モードに従って符号化された符号化データとが、符号化及び多重化される。
【0047】
ステップ404及びステップ405において、符号化を介して符号化要求値を計算する方法が使用された場合、ステップ407において、第1の符号化モードの情報と、ステップ404における符号化結果とが、第1の符号化モードのために必要とされるパラメータと共に、多重化及び符号化される。多重化されたデータは、次に、復号器に出力される。あるいは、第2の符号化モードの情報と、ステップ405における符号化結果とが、第2の符号化モードのために必要とされるパラメータと共に、多重化及び符号化される。多重化されたデータは、次に、復号器に出力される。ステップ404及びステップ405において使用された評価方法によって、符号化要求値が取得された場合、ステップ407において、入力信号フレームが、ステップ406で決定された符号化モードを使用してフレームごとに符号化されて、符号化データが取得される。ステップ403における、入力としての識別結果に対しては、入力信号フレームが、識別結果に基づいて符号化及び多重化される。
【0048】
符号化された入力信号フレームと、符号化モード識別子と、符号化のために必要とされるパラメータとが多重化される。符号化のために必要とされるパラメータは、サンプルポイントの数と、サンプルポイントの最小値と、各サンプルポイントを符号化するためのビット数とを含む。また、パラメータは、選択された符号化モードによって決まる、予測係数、予測次数、エントロピー符号化パラメータなどを含んでもよい。選択された符号化モードは、入力信号フレームを圧縮及び符号化するために使用される。
【0049】
符号化される信号が第2の符号化モードを使用することが決定された場合、第2の符号化モードに対応する符号化モード識別子が生成されて送信される。入力信号フレームは、第2の符号化モジュールを介して、第2の符号化モードを使用して符号化される。
【0050】
符号化される信号が第1の符号化モードを使用することが決定された場合、入力信号フレームは、ダイナミックレンジ符号化モジュールによって符号化される(ダイナミックレンジ符号化モジュールを例に取る場合)。符号化される信号のフレームヘッダ情報と、符号化される信号のサンプルポイント値の情報と、ダイナミックレンジ符号化モードに対応する符号化モード識別子とが送信される。フレームヘッダ情報は、符号化される信号のサンプルポイントの最小値と、各サンプルポイントを符号化するためのビット数とである。符号化される信号のサンプルポイント値の情報は、符号化される信号のサンプルポイント値である。符号化される信号のフレームヘッダ情報は、ダイナミックレンジ符号化モードに対応する符号化モード識別子に基づいて符号化される。符号化される信号のサンプルポイントの情報は、各サンプルポイントを符号化するために必要とされるビット数に基づいて、ビットごとに符号化される。
【0051】
あるいは、ステップ403は、以下のステップを含んでもよい。
【0052】
ステップ403:第2の符号化モードが、判定モードセット内の符号化モードのうちの1つであるかどうかが識別される。
【0053】
判定モードセットは予め設定される。判定モードセットは、少なくとも1つの符号化モードを含んでもよい。少なくとも1つの符号化モードは、予測モード、又は、第1の符号化モードとは異なるその他のモードであってもよい。ステップ402で第2の符号化モードが選択された場合、第2の符号化モードが最初に判定される。第2の符号化モードが判定モードセット内にない場合、ステップ407が実行されて、第2の符号化モードを使用して入力信号フレームが符号化され、第2の符号化モードの情報と、第2の符号化モードを使用して符号化された符号化データとが多重化され、それ以外の場合、後続のステップが実行される。
【0054】
本実施形態によれば、符号化方法が、様々な符号化モードに対応するために導入される。包括的な符号化方法を使用することによって、フレーム信号を符号化するための第2の符号化モードが、信号特性についての解析に基づいて選択される。選択された第2の符号化モードが、判定モードセットに属していない場合、信号は直ちに符号化されて出力される。選択された第2の符号化モードが、判定モードセット内にある場合、入力信号フレームを符号化するために使用される、第1の符号化モードと第2の符号化モードとのための、符号化要求値に基づいて、最適な符号化モードが選択される。このようにして、入力信号フレームと様々な符号化ポリシーとに基づいた、様々な符号化モードの間での効果的な切り換えが、信号が圧縮及び符号化される際に実行される。従って、複雑さと圧縮効率とに対する様々な要求が満たされることが可能である。その結果、より少ない複雑さで、圧縮効率が効果的に向上させられる。
【0055】
<符号化方法の第3の実施形態>
図6は、本発明の一実施形態によるフローチャートである。フローチャートは、以下のステップを含む。
【0056】
ステップ601:入力信号フレームを符号化するために使用される、第1の符号化モードと、その他の符号化モードのうちの1つとのための、符号化要求値が取得される。
【0057】
第1の符号化モードは、ダイナミックレンジ符号化モードであってもよい。その他の符号化モードのうちの少なくとも1つは、ダイナミックレンジ符号化モードとは異なる、その他の符号化モードである。その他の符号化モードのうちの少なくとも1つが、1つのみのモードを含む場合、このモードは予測モードであってもよい。もちろん、その他の符号化モードも除外されない。
【0058】
ステップ602:入力信号フレームを符号化するための符号化モードが、それらの符号化モードから、符号化要求値に基づいて、モード選択ポリシーに従って選択される。
【0059】
ステップ603:決定された符号化モードの情報と、決定された符号化モードに従って符号化された符号化データとが、多重化される。
【0060】
本実施形態では、様々な符号化モードのための符号化要求値が直接評価される。入力信号フレームを符号化するための符号化モードが、それらの符号化モードから選択され、これにより、実装の複雑さが減少する。
【0061】
本実施形態によれば、符号化方法が、様々な符号化モードに対応するために導入される。包括的な符号化方法を使用して、第1の符号化モードと第2の符号化モードとのための、符号化要求値を判定することによって、入力信号フレームと様々な符号化ポリシーとに基づいた、様々な符号化モードの間での効果的な切り換えが、信号が圧縮及び符号化される際に実行される。従って、複雑さと圧縮効率とに対する様々な要求が満たされることが可能である。その結果、より少ない複雑さで、圧縮効率が効果的に向上させられる。
【0062】
<符号化方法の第4の実施形態>
図7は、本発明の一実施形態によるフローチャートである。フローチャートは、以下のステップを含む。
【0063】
ステップ801:入力信号フレームを符号化するために使用される、第1の符号化モードのための、符号化要求値が取得される。
【0064】
ステップ801は、少なくとも2つの方法で実施されてもよい。第1の方法は、入力信号フレームを、第1の符号化モードを使用してフレームごとに符号化して、符号化のために必要とされる符号化要求値を計算することである。第2の方法は、入力信号フレームをフレームごとに符号化するために使用される、第1の符号化モードのための、符号化要求値を評価して、符号化要求値についての評価を取得することである。
【0065】
第1の符号化モードは、ダイナミックレンジ符号化モードであってもよい。ダイナミックレンジ符号化モードのための符号化要求値は、符号化のために必要とされるビット数又はバイト数を含んでもよい。ビット数又はバイト数は、入力信号フレームを符号化するための複雑さの特性情報を表すために使用される。本実施形態は、ビット数の例で記載される。各サンプルポイントを符号化するために必要とされるビット数は、符号化される信号の最小サンプルポイント値と最大サンプルポイント値とに基づいて計算される。例えば、符号化される信号xの、取得された最大サンプルポイント値max(x)と最小サンプルポイント値min(x)とに基づいて、各サンプルポイントを符号化するために必要とされるビット数「code_bits」は、code_bits=log[(max(x)−min(x)+1]という式によって取得されてもよい。
【0066】
ステップ802:入力信号フレームを符号化するために使用される、その他の符号化モードのうちの少なくとも1つのための、符号化要求値が取得される。
【0067】
入力信号フレームを符号化するために使用される、ダイナミックレンジ符号化モードとは異なる符号化モードのための、符号化要求値が取得される。ステップ801における方法と同様に、入力信号フレームを符号化するために使用される、第2の符号化モードのための、符号化要求値が、その他の符号化モードによって必要とされるビット数又はバイト数を計算するための方法に従って取得される。符号化要求値は、符号化のために必要とされるビット数又はバイト数を含んでもよい。予測符号化モードを例に取る。その他の符号化モードのうちの少なくとも1つが、予測符号化モードである場合、予測符号化モードのための符号化要求値を取得するプロセスは、以下のステップを含んでもよい。
【0068】
符号化される信号の予測符号化モードを符号化するためのビット数は、符号化される信号の残留信号を符号化するために必要とされるビット数と、符号化される信号のフレームエッジ情報のビット数との合計である。残留信号に対してエントロピー符号化が実行されて、残留信号を符号化するために必要とされるビット数が取得される。本実施形態では、残留信号は、予測次数と予測係数とに基づいて取得される。次に、エントロピー符号化パラメータに基づいて、残留信号に対してエントロピー符号化が実行される。あるいは、エントロピー符号化の特性が、残留信号を符号化するために必要とされるビット数の計算を簡略化するために利用されてもよい。ライス符号化を例に取る。入力値はmである。ライスパラメータはsである。この値によって必要とされるビット数は、k+1+sであり、ここで、k=m>>(s−1)である。従って、予測残留信号に対して完全なエントロピー符号化を実行する必要はない。必要とされるビット数は、特性に従って評価されることが可能である。その結果として、解決法の複雑さが減少させられる。フレームエッジ情報は、フレーム長パラメータと、予測パラメータと、エントロピー符号化パラメータとを含む。フレーム長パラメータは、現在のフレーム内に含まれるサンプルポイントの数を識別するために使用される。予測パラメータは、予測次数及び予測係数などの、線形予測のために必要とされる情報を示す。エントロピー符号化パラメータに関して、ライス符号化を例に取る。ライス符号化においては、符号化効率を最適化するために、信号が変化するにつれて、対応するパラメータが変化してもよい。それらのパラメータは、符号化の最後に符号化されて、復号器に送信される必要がある。予測符号化モードを使用して入力信号フレームをフレームごとに符号化することによって符号化要求値を取得する方法に加えて、符号化要求値は、入力信号フレームの特性に従って評価されてもよい。
【0069】
上記は、例としてのみ、予測符号化モードに基づいている。このステップでは、様々な符号化モードのための符号化要求値が取得されてもよい。取得方法は、符号化モード自体とは異なる符号化方法に適用可能である。このステップでは、符号化要求値が、符号化モードに関わらず取得されてもよい。
【0070】
このステップを実行する前に、入力信号フレームに対して解析が行われてもよい。入力信号フレームの信号特性に応じて、様々な符号化モードから、1つ以上の符号化モードが、その他の符号化モードのうちの少なくとも1つとしての役割を果たすように選択されてもよく、これにより、符号化要求値の計算における複雑さが減少させられることが可能である。
【0071】
本実施形態では、ステップ801及びステップ802を実行する順序は交換されてもよく、又は、ステップ801及びステップ802は並行して実行されてもよい。
【0072】
ステップ803:ステップ801とステップ802とで取得された、少なくとも2つの符号化モードのための符号化要求値が比較される。入力信号フレームを符号化するための符号化モードが、上記の符号化モードから、モード選択ポリシーに従って選択される。
【0073】
比較ステップのために、ステップ802で取得された様々な符号化要求値が、モード選択ポリシーに従って最初に比較されてもよく、そして、ステップ801で取得された様々な符号化要求値と、モード選択ポリシーに従って更に比較される。あるいは、ステップ801とステップ802とで取得された様々な符号化要求値は、直接一緒に比較される。2つの手法の間の違いは、2ステップの比較では、比較の各ステップにおいて異なるモード選択ポリシーを採用してもよいのに対して、1ステップの比較では、1つのモード選択ポリシーのみを採用するということである。
【0074】
モード選択ポリシーは、取得された符号化要求値から、最小の符号化要求値を判定することを含む。このモード選択ポリシーに従って、第1のモードのために必要とされる符号化要求値が、第2のモードのために必要とされる符号化要求値未満である場合、第1のモードが、入力信号フレームを符号化するための符号化モードとして選択される。第1のモードのために必要とされる符号化要求値が、第2のモードのために必要とされる符号化要求値以上である場合、第2の符号化モードが、入力信号フレームを符号化するための符号化モードとして選択される。モード選択ポリシーは、取得された符号化要求値から、閾値に最も近い符号化要求値を判定することを更に含む。このモード選択ポリシーに従って、これらの2つのモードのための符号化要求値が、予め設定された閾値と比較される。符号化要求値と閾値との間の差の絶対値がより小さい符号化要求値に対応する符号化モードが、入力信号フレームを符号化するために選択される。あるいは、閾値よりも小さい符号化要求値に対応する符号化モードが、入力信号フレームを符号化するために選択される。モード選択ポリシーは、符号化を実行するための、第1の符号化モードと、その他の符号化モードのうちの少なくとも1つとのうちの1つを、優先して採用することを更に含む。様々な環境においては、場合によっては、予め設定された符号化モードで符号化を実施する必要がある。従って、最初に使用されるモードが依然として存在する。もちろん、第1の符号化モード及び第2の符号化モードから、入力信号フレームのための符号化モードを選択するためのモードポリシーは、上記のタイプに限定されない。モード選択ポリシーは、当業者によって考案されることが可能な全ての解決法を含む。2ステップの比較を例に取る。第1のステップにおいて、1つ以上の符号化要求値に対応する符号化モードが、ステップ802に基づいて取得されてもよく、ここで、閾値よりも小さい符号化要求値に対応する符号化モードが、入力信号フレームのための符号化モードとしての役割を果たす。第2のステップにおいて、最小の符号化要求値を判定する方法が、入力信号フレームを符号化するための符号化モードを決定するために使用される。
【0075】
ステップ804:決定された符号化モードの情報と、決定された符号化モードに従って符号化された符号化データとが、符号化及び多重化される。
【0076】
ステップ801及びステップ802において、符号化を介して符号化要求値が取得された場合、ステップ804において、符号化されたモードの情報と、ステップ801又は802において取得された符号化結果とが、符号化モードに従って符号化するために必要とされるパラメータと共に、ステップ803において決定された符号化モードに従って、符号化及び多重化される。多重化された結果は、復号器に出力される。ステップ801及びステップ802において使用された評価方法によって、符号化要求値が取得された場合、ステップ804において、入力信号フレームが、ステップ803で決定された符号化モードを使用してフレームごとに符号化されて、符号化データが取得される。
【0077】
符号化された入力信号フレームと、符号化モード識別子と、符号化のために必要とされるパラメータとが多重化される。符号化のために必要とされるパラメータは、サンプルポイントの数と、サンプルポイントの最小値と、各サンプルポイントを符号化するために必要とされるビット数とを含む。また、パラメータは、予測係数、予測次数、及びエントロピー符号化パラメータなどを含んでもよい。選択された符号化モードは、入力信号フレームを圧縮及び符号化するために使用される。
【0078】
符号化される信号が第1の符号化モードを使用することが決定された場合、入力信号フレームは、ダイナミックレンジ符号化モジュールによって符号化される(ダイナミックレンジ符号化モジュールを例に取る場合)。符号化される信号のフレームヘッダ情報と、符号化される信号のサンプルポイント値の情報と、ダイナミックレンジ符号化モードに対応する符号化モード識別子とが送信される。フレームヘッダ情報は、符号化される信号のサンプルポイントの最小値と、各サンプルポイントを符号化するためのビット数とである。符号化される信号のサンプル値の情報は、符号化される信号のサンプル値である。符号化される信号のフレームヘッダ情報は、ダイナミックレンジ符号化モードに対応する符号化モード識別子に基づいて符号化される。符号化される信号のサンプルの情報は、各サンプルを符号化するために必要とされるビット数に基づいて、ビットごとに符号化される。
【0079】
本実施形態によれば、符号化方法が、様々な符号化モードに対応するために導入される。包括的な符号化方法を使用することによって、入力信号フレームと様々な符号化ポリシーとに基づいた、様々な符号化モードの間での効果的な切り換えが、信号が圧縮及び符号化される際に実行される。従って、複雑さと圧縮効率とに対する様々な要求が満たされることが可能である。その結果、より少ない複雑さで、圧縮効率が効果的に向上させられる。
【0080】
<復号化方法の実施形態>
図8は、本発明の一実施形態による復号化方法のフローチャートである。方法は、以下のステップを含む。
【0081】
ステップ901:符号化されて送信された、多重化された信号が、逆多重化されて、フレーム信号を符号化するための符号化モードの情報と、符号化モードに従って符号化された符号化データとが取得される。
【0082】
ステップ902:逆多重化された符号化データが、符号化モードの情報に基づいて復号化されて、フレーム信号が取得される。符号化モードは、符号化の最後に、以下のステップに従って取得される。
【0083】
入力信号フレームを符号化するために使用される、第1の符号化モードと、その他の符号化モードのうちの1つとのための、符号化要求値が取得される。入力信号フレームを符号化するための符号化モードが、それらの符号化モードから、符号化要求値に基づいて、モード選択ポリシーに従って決定される。
【0084】
多重化された信号が逆多重化され、復号化される信号と、符号化モード識別子とが、復号化ユニットに送信される。予測モードを例に取る。符号化される信号が予測符号化モードを使用する場合、予測係数、予測次数、及びエントロピー符号化パラメータも取得される。復号化される信号を復号化するための復号化モードは、逆多重化された符号化モード識別子に基づいて決定される。符号化モード識別子に対応する符号化モードが、ダイナミックレンジ符号化モードである場合、復号化される信号のための復号化モードは、ダイナミックレンジ復号化モードである。次に、復号化される信号のフレームヘッダの情報と、サンプルポイント値の情報とが復号化され、そして、復号化されたヘッダ情報と、サンプルポイント値の情報とに従って、信号が無損失で復元される。符号化モード識別子に対応する符号化モードが、その他の符号化モードである場合、復号化される信号を復号化するための復号化モードは、予測復号化モードなどの、その他の復号化モードに対応する復号化モードであることが決定される。予測符号化モードを例に取る。復号化される信号に対して、エントロピー符号化パラメータに従って、エントロピー復号化を実行することによって、残留信号が取得される。逆多重化された予測係数と予測次数とに基づいて、残留信号が結合され、これにより、信号が無損失で復元される。
【0085】
本実施形態によれば、復号化方法が、様々な復号化モードに対応するために導入される。包括的な復号化方法を使用し、符号化プロセスの逆のプロセスを使用して信号を復号化することにより、入力信号フレームと様々な符号化ポリシーとに基づいた、様々な符号化モードの間での効果的な切り換えが、信号が圧縮及び符号化される際に実行される。従って、複雑さと圧縮効率とに対する様々な要求が満たされることが可能である。その結果、より少ない複雑さで、圧縮/伸長効率が効果的に向上させられる。
【0086】
<符号化装置の実施形態>
図9は、本発明の一実施形態による符号化システムの図である。システムは、信号受信装置01と、符号化モード決定装置02と、符号化装置03と、多重化及び出力装置04とを含む。
【0087】
信号受信装置01は、入力信号フレームを受信するように構成される。出力信号は、符号化される信号である。符号化モード決定装置02は、入力信号フレームの信号特性を解析し、入力信号フレームを符号化するための第2の符号化モードを選択し、入力信号フレームを符号化するために使用される、予め設定された第1の符号化モードと、第2の符号化モードとのための、符号化要求値を取得し、上記の符号化モードから、符号化要求値に基づいて、入力信号フレームを符号化するための符号化モードを決定するように構成される。符号化装置03は、決定された符号化モードを使用して、入力信号フレームを符号化するように構成される。多重化及び出力装置04は、決定された符号化モードの情報と、決定された符号化モードに従って符号化された符号化データとを多重化するように構成される。
【0088】
符号化装置03は、様々な符号化モードを使用して実行する符号器を備える。符号化モード決定装置02は、符号化装置03に結合されてもよく、又は、多重化及び出力装置04に結合されてもよい。符号化モード決定装置02が符号化装置03に結合される場合、符号化モード決定装置02は、符号化要求値の評価を、評価方法を介して取得する。入力信号フレームを符号化するための符号化モードが決定された後で、決定された符号化モードが符号化装置03に送信され、符号化装置03は、次に、その符号化モードを使用して入力信号フレームを符号化し、符号化結果を多重化及び出力装置04に送信する。多重化及び出力装置04は、多重化されたデータを、復号化のために復号器に送信する。符号化モード決定装置02が多重化及び出力装置04に結合される場合、符号化装置03と符号化モード決定装置02とは、1つの論理エンティティ内にあってもよく、又は、符号化モード決定装置02内に配置されてもよく、又は、独立した論理エンティティであってもよい。符号化モード決定装置02が符号化要求値を取得するプロセスは、符号化装置03を使用して、符号化のために必要とされる符号化要求値を、符号化を実行するための符号化モードを使用することによって取得することを含む。入力信号フレームを符号化するための符号化モードが決定された後で、符号化モードを使用して符号化されたデータと、モード識別子と、符号化パラメータとが、多重化及び出力装置に送信される。多重化及び出力装置は、受信したデータを多重化し、多重化された結果を、復号化のために復号器に出力する。
【0089】
本実施形態によれば、符号化システムが、様々な符号化モードに対応するために導入される。包括的な符号化システムを使用することによって、入力信号フレームと様々な符号化ポリシーとに基づいた、様々な符号化モードの間での効果的な切り換えが、信号が圧縮及び符号化される際に実行される。従って、複雑さと圧縮効率とに対する様々な要求が満たされることが可能である。その結果、より少ない複雑さで、圧縮効率が効果的に向上させられる。
【0090】
上記の実施形態では、様々な符号化モードのもとでの符号化動作が、ダイナミックレンジ符号器、一定符号器、予測符号器などを含む、様々な符号器によって実行される。入力信号フレームは、PCM信号であってもよく、又は、G.711標準のもとでポイントごとに符号化された信号に類似していてもよく、又は、実施形態における上記の動作に適用可能なその他の信号であってもよく、又は、当業者によって上記の実施形態から明瞭に考えられることが可能な信号であってもよい。
【0091】
前述の実施形態による方法の手順の全て又は一部は、関連するハードウェアを使用して、コンピュータプログラムによって指示された場合に実施されてもよいということが、当業者によって理解される。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体内に記憶されてもよい。実行中のプログラムは、上述のような様々な実施形態による方法の手順を含んでもよい。記憶媒体は、磁気ディスク、光ディスク、読み取り専用メモリ(ROM)、又はランダムアクセスメモリ(RAM)などであってもよい。
【0092】
前述の実施形態は本発明の技術的解決法のための例示にすぎず、本発明はこれに限定されないということに留意されたい。本発明の説明のために、好ましい実施形態を示したが、本発明の技術的解決法の精神及び範囲を逸脱することなく、本発明の技術的解決法に対して任意の修正又は均等物置換が行われてもよいということが、当業者によって理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号フレームを符号化するための第2の符号化モードを、前記入力信号フレームの信号特性についての解析に従って選択し、
前記入力信号フレームを符号化するために使用される、予め設定された第1の符号化モードと、前記第2の符号化モードとのための、符号化要求値を取得し、
上記の符号化モードから、前記符号化要求値に基づいて、前記入力信号フレームを符号化するための符号化モードを決定し、
前記決定された符号化モードの情報と、前記決定された符号化モードに従って符号化された符号化データとを多重化すること
を含むことによって特徴付けられる、音声符号化方法。
【請求項2】
前記入力信号フレームを符号化するための前記第2の符号化モードは、前記入力信号フレームの前記特性についての前記解析に基づいて、信号解析ポリシーに従って選択され、前記信号解析ポリシーは、
前記入力信号フレームの様々な信号特性を解析し、前記入力信号フレームの前記信号特性に対応する符号化モードを選択すること、又は、
予め設定された特性に一致しない信号特性を有する前記入力信号フレームのために、予測符号化モードを使用すること
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記入力信号フレームの様々な信号特性を解析し、前記入力信号フレームの前記信号特性に対応する符号化モードを選択することは、
前記入力信号フレームの前記信号特性を、前記信号特性の優先順位に従って解析し、
予め設定された条件に最初に一致した前記信号特性に対応する前記符号化モードを選択すること
を含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記入力信号フレームを符号化するための前記第2の符号化モードは、前記入力信号フレームの前記特性についての前記解析に基づいて、信号解析ポリシーに従って選択され、前記信号解析ポリシーは、
前記入力信号フレームが一定信号である場合、一定符号化モードを前記第2の符号化モードとして選択すること
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記入力信号フレームを符号化するための前記第2の符号化モードは、前記入力信号フレームの前記特性についての前記解析に基づいて、信号解析ポリシーに従って選択され、前記信号解析ポリシーは、
前記入力信号フレーム全体が2つの値を含む場合、多値符号化モードを前記第2の符号化モードとして選択すること
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記入力信号フレームを符号化するための前記第2の符号化モードは、前記入力信号フレームの前記特性についての前記解析に基づいて、信号解析ポリシーに従って選択され、前記信号解析ポリシーは、
入力信号フレームのパルスの数がK未満である場合、パルス符号化モードを前記第2の符号化モードとして選択すること
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記入力信号フレームの前記特性に基づいて、前記入力信号フレームを符号化するための前記第2の符号化モードを選択した後に、前記方法は、
前記第2の符号化モードが予測モードであるかどうかを識別し、
前記第2の符号化モードが前記予想モードではない場合、前記入力信号フレームを前記第2の符号化モードを使用して符号化し、前記決定された符号化モードの前記情報と、前記決定された符号化モードを使用して符号化された前記符号化データとを多重化すること
を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記入力信号フレームを符号化するための前記符号化モードは、前記符号化要求値に基づいて、モード選択ポリシーに従って決定され、前記モード選択ポリシーは、
前記取得された符号化要求値から、最小の符号化要求値を判定すること、又は、
取得された前記符号化要求値から、閾値に最も近い符号化要求値を判定すること、又は、
符号化を実行するための、前記第1の符号化モードと、その他の符号化モードのうちの少なくとも1つとのうちの1つを、優先して採用すること
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記符号化要求値は、前記入力信号フレームを符号化するために必要とされるビット数及び/又はバイト数を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記符号化要求値は、前記入力信号フレームを符号化するために必要とされるビット数及び/又はバイト数を含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の符号化モードは、ダイナミックレンジ符号化モードであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の符号化モードは、ダイナミックレンジ符号化モードであることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
入力信号フレームの信号特性を解析し、前記入力信号フレームを符号化するための第2の符号化モードを選択するように構成された、信号解析ユニットと、
前記入力信号フレームを符号化するために使用される、予め設定された第1の符号化モードと、第2の符号化モードとのための、符号化要求値を評価するように構成された、符号化要求評価ユニットと、
上記の符号化モードから、前記符号化要求値に基づいて、前記入力信号フレームを符号化するための符号化モードを決定するように構成された、モード決定ユニットと、
前記決定された符号化モードを使用して、前記入力信号フレームを符号化するように構成された、符号化ユニットと
を備えることを特徴とする、音声符号化装置。
【請求項14】
前記信号解析ユニットは、前記入力信号フレームの前記信号特性を解析し、前記入力信号フレームを符号化するための前記第2の符号化モードを信号解析ポリシーに従って選択し、前記信号解析ポリシーは、
前記入力信号フレームの様々な信号特性を解析し、前記入力信号フレームの前記信号特性に対応する符号化モードを選択すること、又は、
予め設定された特性に一致しない信号特性を有する前記入力信号フレームのために、予測符号化モードを使用すること
を含むことを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記信号解析ユニットは、前記入力信号フレームの前記信号特性を解析し、前記入力信号フレームを符号化するための前記第2の符号化モードを信号解析ポリシーに従って選択し、前記信号解析ポリシーは、
前記入力信号フレームが一定信号である場合、一定符号化モードを前記第2の符号化モードとして選択すること
を含むことを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記信号解析ユニットは、前記入力信号フレームの前記信号特性を解析し、前記入力信号フレームを符号化するための前記第2の符号化モードを信号解析ポリシーに従って選択し、前記信号解析ポリシーは、
前記入力信号フレーム全体が2つの値を含む場合、多値符号化モードを前記第2の符号化モードとして選択すること
を含むことを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項17】
前記信号解析ユニットは、前記入力信号フレームの前記信号特性を解析し、前記入力信号フレームを符号化するための前記第2の符号化モードを信号解析ポリシーに従って選択し、前記信号解析ポリシーは、
入力信号フレームのパルスの数がK未満である場合、パルス符号化モードを前記第2の符号化モードとして選択すること
を含むことを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項18】
前記モード決定ユニットは、上記の符号化モードから、前記符号化要求値に基づいて、モード選択ポリシーに従って、前記入力信号フレームを符号化するための符号化モードを決定するように構成され、前記モード選択ポリシーは、
取得された前記符号化要求値から、最小の符号化要求値を判定すること、又は、
取得された前記符号化要求値から、閾値に最も近い符号化要求値を判定すること、又は、
符号化を実行するための、前記第1の符号化モードと、その他の符号化モードのうちの少なくとも1つとのうちの1つを、優先して採用すること
を含むことを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項19】
前記符号化要求値は、前記入力信号フレームを符号化するために必要とされるビット数及び/又はバイト数を含むことを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項20】
前記第1の符号化モードは、ダイナミックレンジ符号化モードであることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項21】
入力信号フレームを受信するように構成された、信号受信装置と、
前記入力信号フレームの信号特性を解析し、前記入力信号フレームを符号化するための第2の符号化モードを選択し、前記入力信号フレームを符号化するために使用される、予め設定された第1の符号化モードと、前記第2の符号化モードとのための、符号化要求値を取得し、上記の符号化モードから、前記符号化要求値に基づいて、前記入力信号フレームを符号化するための符号化モードを決定するように構成された、符号化モード決定装置と、
前記決定された符号化モードを使用して、前記入力信号フレームを符号化するように構成された、符号化装置と、
前記決定された符号化モードの情報と、前記決定された符号化モードに従って符号化された符号化データとを多重化するように構成された、多重化及び出力装置と
を備えることによって特徴付けられる、音声符号化システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−43795(P2011−43795A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−117289(P2010−117289)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(502385872)華為技術有限公司 (139)
【Fターム(参考)】