説明

管理システム、管理方法および一時保管文書サーバ

【課題】複数世界にまたがって存在しえる電子文書等を一元的に管理する。
【解決手段】ネットワーク上に接続されたクライアントに存在する電子文書などを所定のメタデータと共に受領する文書管理サーバ32と、メタバース世界に設けられた電子鞄と情報通信でき、メタバース世界で作成され、または受領した電子文書などを所定のメタデータと共に一時保管する一時保管文書サーバと、一時保管文書サーバに存在する電子文書等とメタデータとを文書サーバに送信する送信手段と、クライアントから送られてきた検索書誌データを基にメタデータおよび/または電子文書等を検索対象として該当する電子文書等をクライアント側に送信する送信機能を有し、クライアントに一時的に文書を保管する場合、その文書の所定のメタデータを取得するメタデータ取得手段を一時保管文書サーバが有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子文書等の一元管理方法、管理装置に関し、特に複数世界における電子文書等の文書管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、文書の保管方法としては、単純に分類すると紙の形式で書架や収納箱等に保管する方法と、パソコンなどで電子的に作成した電子文書をパソコンの記憶装置やUSBメモリーのような持ち運びできる記憶装置に保管し、またネットワークを経由して文書サーバに保管するというような方法が存在している。上記文書を利用活用するためには文書自体に分類を付与し、また文書ファイルに分類を付与して同じカテゴリーに入る文書をまとめて保管することなども行われている。
【0003】
最近では、文書に機密分類を付与し、機密性の高いものは鍵のかかる文書保管庫に保管し、機密性の低い文書は必ずしも鍵のかからない場所に保管するなど保管方法に違いが設けられている。電子文書の場合でも分類された電子ファイルに関連の電子文書が保管されるが、機密性の高い文書は、文書それ自体にアクセス制限をつけることが可能であり、同じファイルの中に保管されていても機密性の高い文書を権限のない人が見ることはできないようにされている。
【0004】
このように、リアルの世界と電子の世界でも保管方法が並列して存在しており、各同一の世界でも機密性の観点から同じカテゴリーの文書が別々の場所に保管されるということが生じている。最近、メタバースという3次元仮想空間を利用して、様々なビジネスモデルが考え出されてきている(例えば、特許文献1参照)。つまり、メタバース内で作成された文書が存在し、その文書のやり取りがアバター間で行われるということも考えられる。
【0005】
リアル世界と電子世界でさえ本来同じカテゴリーに入る文書が別々に保管管理されており、これにさらにメタバースが加わることによって一層文書の分散化が生じてしまうことになる。近年の発達した技術を用いることにより、メタバースで作成した電子文書が電子世界やリアル世界に送られることもでき、逆にリアル世界か電子世界からメタバースの世界に電子文書が送られるということが頻繁に行われるような時代が早晩来ることが想定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そうなると何が問題になるかといえば、文書の検索に支障がでてくるということである。欲しい文書やデータをいつでもどこでも欲しい時に簡単に取り出せないということになる。リアルの世界に存在する文書を全て電子化して、電子の世界に存在させたとしても、メタバースでは特殊な事情があり、一元化ができない。
【0007】
つまり、メタバース世界に入るためには、特別にパスワード、ログインが必要であり、通常のインターネットやLANの世界に存在する文書サーバの電子文書とは取り扱いが異なっている。言い換えると、メタバースは通常オフィスで使用されているネットワーク環境とは異なる管理下にあり、両者の世界間では電子文書の共有化が実現されていないのが現状である。
【0008】
そうなると、同じように電子化されている文書、データ、映像等が簡単にかつ一度の検索で取り出すことができないという不便さがでてくることになる。
【0009】
さらに、異なる世界の電子文書等を集中管理するような保管手段があったとしても、その中からユーザーが取り出したいものを適切かつ迅速に取り出すことが求められる。異なる入力手段から取り込まれる電子文書等を1件ずつ個別に分類を付与して保管するようなことは、確かに確実な方法であるが、その分類を付与する手間が大変となる。入力手段が異なるために、統一した分類を付与することの困難性が高まる。パソコンであればネットワークにつながっているので、分類表を参照することは容易であるが、デジカメのように通常ネットワークに接続されていない場合には、リアルタイムまたは随時変更される可能性のある分類表をその本体に持つことは困難である。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電子世界やメタバース世界の複数世界にまたがって存在しえる電子文書等(画像、映像、データなどを含む)を一元的に管理して、利用者にとって世界の区別なく利用や活用が可能な文書管理装置を提供することを目的とする。
【0011】
本発明の別の目的は、複数世界にまたがって存在する電子文書等を一元管理する装置において、その電子文書等の固有の情報を取得するようにした文書管理装置を提供することである。
【0012】
本発明のさらに別の目的は、複数世界にまたがって存在する電子文書等を一元管理する装置において、その電子文書等の固有の情報を用いて自動的に分類を付与する文書管理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、文書管理サーバと、メタバース内で作成または受信された電子文書を記憶する一時保管文書サーバとを備える管理システムであって、前記文書管理サーバは、端末装置および前記一時保管文書サーバから送信される電子文書とメタデータとを対応づけて記憶する文書記憶手段と、前記端末装置から送信される検索キーに基づき前記文書記憶手段から検索した前記電子文書を前記端末装置に送信する第1送信手段と、を備え、前記一時保管文書サーバは、前記メタバースで作成または受信された電子文書とメタデータとを対応づけて記憶する一時記憶手段と、前記一時記憶手段に記憶された電子文書とメタデータとを前記文書管理サーバに送信する第2送信手段と、を備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、異なる世界で作成され、または受領した電子文書等であっても、一元的に保管管理することができ、検索、閲覧および利用が便利となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本実施の形態を実施するための全体のシステム構成図である。
【図2】図2は、本実施の形態に用いられる三次元仮想空間オフィスを説明する図である。
【図3】図3は、三次元仮想クライアントオフィスの一場面を示す図である。
【図4】図4は、仮想複合機の機能を説明するための図である。
【図5】図5は、実世界のMFPと仮想世界のMFPとの機能の一例を示す図である。
【図6】図6は、本実施の形態の実施例を説明するための図である。
【図7】図7は、メタバースアドレス帳を示す図である。
【図8】図8は、本実施の形態に用いられる電子鞄に保管されている電子文書等の一覧を示す図である。
【図9】図9は、本実施の形態の他の実施例に係る電子文書等の自動分類の動作を示すフローチャートである。
【図10】図10は、本実施の形態の他の実施例に係る電子文書等の分類を登録する入力画面を示す図である。
【図11】図11は、本実施の形態に用いられるメタデータと分類コードとの対応関係を示すテーブルである。
【図12】図12は、本実施の形態に係る複数世界における電子文書等の管理システムの構成を示す図である。
【図13】図13は、本実施の形態に用いられる、電子文書ごとのメタデータ項目を示す表である。
【図14−1】図14−1は、本実施の形態に係る電子文書検索の入力画面を示す図である。
【図14−2】図14−2は、本実施の形態に係る検索結果を表示した画面を示す図である。
【図15】図15は、本実施の形態に係る電子文書の送信・保管の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる文書管理装置の一実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態のシステム全体の構成図である。全体のシステムは、パブリック三次元仮想空間プロバイダーサイト1、プライベート三次元仮想空間プロバイダーサイト2、クライアントサイト3およびユーザーサイト4から構成されている。
【0018】
パブリック三次元仮想空間プロバイダーサイト1は、三次元仮想空間を不特定多数のまたは契約ユーザーに提供するためのプロバイダーが運営するサイトである。例えば、米国のLinden Lab社が運営するセカンドライフ(同社の登録商標)などがこれに該当する。このパブリック三次元仮想空間プロバイダーサイト1は、パブリック三次元仮想空間管理サーバ11、ユーザー接続管理サーバ12、ユーザー認証サーバ13、ログ管理サーバ14からなる。
【0019】
パブリック三次元仮想空間管理サーバ11は、外部にパブリックオブジェクトDB(データベース)15とパブリック仮想空間DB(データベース)16がそれぞれ接続されている。そして、上記2つのDBのデータを用いてパブリック三次元仮想空間管理サーバ11内部に三次元仮想空間17を構築する。
【0020】
ユーザー接続管理サーバ12は、パブリック三次元仮想空間でユーザーが所望の活動ができるようにユーザーPCとの接続を管理する。
【0021】
ユーザーのユーザー認証サーバ13は、ユーザーのID、パスワード等から認証を行い、パブリック三次元仮想空間へのアクセスを許可する。
【0022】
ログ管理サーバ14は、ユーザーのパブリック三次元仮想空間内での活動の記録を取るように構成されている。
【0023】
次に、プライベート三次元仮想空間プロバイダーサイト2について説明する。このプライベート三次元仮想空間プロバイダーサイト2は、プライベート三次元仮想空間を契約クライアント企業に提供するためのプロバイダーが運営するサイトである。
【0024】
クライアント企業は、契約によりプライベート三次元仮想空間をイントラバース、CRM、SCM等の空間として利用することができる。
【0025】
このプライベート三次元仮想空間プロバイダーサイト2は、プライベート三次元仮想空間管理サーバ21、ユーザー接続管理サーバ22、ユーザー認証サーバ23、ログ管理サーバ24からなる。
【0026】
プライベート三次元仮想空間管理サーバ21は、外部にプライベートオブジェクトDB(データベース)25とプライベート仮想空間DB(データベース)26がそれぞれ接続されている。上記2つのDBのデータを用いてプライベート三次元仮想空間管理サーバ21内部に三次元仮想空間27を構築する。
【0027】
ユーザー接続管理サーバ22は、プライベート三次元仮想空間でユーザーが所望の活動ができるようにユーザーPCとの接続を管理する。ユーザー接続管理サーバ22は、リアルタイムに相手と会話ができるように音声または文字情報を双方向に送信する送信手段73を備えている。
【0028】
ユーザーには、クライアント企業の内部ユーザーと、クライアント企業と取引をする立場のユーザー(個人や企業)がある。
【0029】
ユーザーのユーザー認証サーバ23は、ユーザーのID、パスワード等から認証を行い、パブリック三次元仮想空間へのアクセスを許可する。
【0030】
ログ管理サーバ24は、ユーザーのパブリック三次元仮想空間内での活動の記録を取るように構成されている。
【0031】
プライベート三次元仮想空間管理サーバ21の中のコーポレートアバター自動作成手段21Aは、コーポレートアバターの外観を形成する。動的情報管理手段21Bは、コーポレートアバターが現時点でどのような状況にあるのかを管理する。静的情報表示手段70は、コーポレートアバターの静的情報を画面に表示する。静的情報とは、実世界(現実世界、または、リアル世界とも言う)での氏名、所属(会社名も含む)、役職、電話番号、FAX番号、および、メールアドレスなどのアバターに固有の情報を表す。
【0032】
次にクライアントサイト3について説明する。
【0033】
クライアントサイト3は、企業のイントラネットを基本構成としており、基幹系のERPサーバ31、情報系の文書管理サーバ32、メール、スケジューラやワークフローを含むグループウエアサーバ33、多機能プリンタのような複合機(MFP)34および企業内のユーザーのための多数のパソコン(PC)等の端末35で構成されており、それらはLAN36に接続されている。このLAN36は上記インターネット5に接続されている。
【0034】
なお、クライアントサイト3内で、端末35上での電子データの新規作成は許可されているが、複製は禁止とするように構成してもよい。例えば、端末35では、電子データの新規作成のみを許可するソフトウエアのみをインストール可能とするように構成する。または、端末35をシンクライアントとし、グループウエアサーバ33上の電子データの複製ができないソフトウエアを、シンクライアントである端末35が実行するように構成してもよい。端末35上での複製が禁止される場合、ユーザーが電子データを複製するときには、後述の仮想MFPを用いて電子データの複製を作る必要がある。このような構成により、ユーザーが電子データの複製を自由に作成できなくなり、複製が必要な場合には、意識的に仮想MFPを用いて意識的に複製をしたり、他のアバターに渡したりすることになるので、セキュリティの強化が実現できる。
【0035】
次に、ユーザーサイト4について説明する。
【0036】
このユーザーサイト4は、パブリック三次元仮想空間プロバイダー、またはプライベート三次元仮想空間プロバイダーにとっての不特定多数のユーザーであり、その契約ユーザーの複数のパソコン(PC)41より構成されている。このパソコン41は、インターネット5に接続されている。
【0037】
次に、図2を用いて本実施の形態で用いられる三次元仮想空間オフィス50について説明する。
【0038】
三次元仮想空間オフィス50は、上記プライベート三次元仮想空間プロバイダーサイト2のプライベート三次元仮想空間管理サーバ21の内部にある三次元仮想空間に27に形成されており、クライアント企業の内部のユーザーや、クライアント企業と取引をする立場のユーザーのアバターが仕事をするための三次元仮想空間オフィス50を構成する。
【0039】
三次元仮想空間オフィス50のユーザーのパソコン(PC)51は、クライアントサイト3のLAN36に接続されている。クライアントサイト3には、実世界のクライアント(図示せず)と同様に、基幹系のERPサーバ31、情報系の文書管理サーバ32、メール、スケジューラやワークフローを含むグループウエアサーバ33、多機能プリンタのような複合機(MFP)34および企業内のユーザーのための多数の端末35で構成されており、それらはLAN36に接続されている。このLAN36は上記インターネット5に接続されている。
【0040】
三次元仮想クライアントオフィス50とクライアントサイト3は全て仮想である。
【0041】
次に、三次元仮想クライアントオフィス50の一例について図3を用いて説明する。
【0042】
この三次元仮想空間画面100には会社X101とその内部の仮想会議室102が表示されている。この会社X101の仮想オフィス内には、同じ会社Xの社員である自己コーポレートアバター103、コーポレートアバターMr.A104、Mr.B105、Mr.C106、Mr.D107が存在している。この5名は企業の中の仮想会議室102で会議を行っている。この仮想会議室102には、会議に使用される仮想空間表示パネル108が取り付けられている。この会社Xはある都市の一部に形成されており、道路109の先にはABC商事110がある。道路109には、Y社のコーポレートアバターMr.E111、Z社のコーポレートアバターMr.F112、Mr.G113がそれぞれ歩いている。
【0043】
コーポレートアバターは色彩付けが後述する色彩付け手段69によって付けられている。他社のコーポレートアバターは、自社とは異なる色、例えば青色を表示するようにしている。これによって社内外コーポレートアバターを明確に区別することができる。勿論、色は任意に定めることができる。
【0044】
本実施例は、自社の会社だけに限定した三次元仮想空間ではなく、図1のパブリック三次元仮想空間プロバイダーサイト1に設けられているものである。図1で説明したと同様の各種の機能が各サーバ11〜14、パブリックオブジェクトDB15、パブリック空間DB16に設けられている。同様なので、その詳細説明は省略する。
【0045】
三次元仮想空間画面100の左サイドには、仮想オフィスで行われる様々な企業活動に必要なアクションボタンが用意されている。上から順に、メールボタン114、文書作成ボタン115、添付ボタン116、破棄ボタン117、編集ボタン118、送信(手渡し)ボタン119、保管ボタン120、コピーボタン121、会話(機密)ボタン122、会議ボタン123などが用意されている。その他、図示していないが、テレコンファレンス、終了、一時中断、開始などのアクションボタンも用意されている。
【0046】
コーポレートアバターは、コーポレートアバター同士の会話だけでなく、上述したアクションボタンで様々な仕事をこの三次元仮想世界で行うことができる。
【0047】
まず、メールボタン114を押すと、メニュー画面が表示され、メール作成、メールリード、メール編集、メール送信の各機能を選択することができる。それらのいずれかを選択することによって各機能にふさわしい画面が表示され、それぞれの処理を行うことができる。メール送信の場合には、アドレス帳ボタン74を押すことで、図7に示すようなメタバースアドレス帳75を表示させて、利用することができる。
【0048】
また、作成したメールを送信せずに、送りたいコーポレートアバターがいるところにジャンプまたは移動してコーポレートアバターとの会話の中で手渡すこともできる。その場合には、送信(手渡し)ボタン119を押すと、メニュー画面で送信先選択か手渡しかの選択画面がでてくるので、手渡しを選択してアクションさせると現在所有しているメール文書が相手に渡される。会話だけでなく、相手に文書として残しておきたい場合には便利である。相手のコーポレートアバターはメール文章をその場で読み、会話などを通じて補足もできるので、仕事が効率化できる。送りたいコーポレートアバターが不在の場合にはメール送信して残しておけばよい。上記のメタバースアドレス帳75を利用すれば、図7に示すようにアクティブ欄76でそのコーポレートアバターがいるかどうかを判別できる。
【0049】
さらに、上述したように、コンタクトしたいコーポレートアバターが仮想空間オフィスにいることが判明した場合に、直接会話したいときにはそのコーポレートアバターを指定して、ジャンプボタン124を押せば瞬時にそのコーポレートアバターの近傍にジャンプすることができる。
【0050】
文書作成ボタン115を選択することで、仮想空間オフィス内で文書を作成することができる。例えばマイクロソフト社のワード、エクセル等(同社の登録商標)を利用して文書を作成できる。添付ボタン116は、作成した文書に別の文書等を添付することができる機能を持つ。破棄ボタン117は、作成した文書または保管している文書または他のコーポレートアバターから受け取った文書などの中で不要な文書を破棄するという機能である。送信(手渡し)ボタン119は既に説明したので省略する。保管ボタン120は、作成したり受け取ったりした文書等を自分の記録手段に保管する機能である。コピーボタン121は、手持ちの文書等を単に複製するという機能である。後述する特別な機能を持った複合機に比べると簡単な機能である。
【0051】
会話(機密)ボタン122は、アバターを指定してこのボタンを押すことで会話モードに入ることができる。このボタンを押した時に、最初にメニュー画面を出して、会話(オープン)または機密会話かを選択させることができる。既に詳細を説明したので、省略する。会議ボタン123は、これを選択することで、2人以上のコーポレートアバターとの会議モードに入ることができる。会議ボタン123を押すと、メニュー画面がでて会議に参加すべきコーポレートアバターを選択するように案内がでる。このとき、近くにコーポレートアバターが集まっており、簡単にマウスでクリックしてすることができる選択と、メタバースアドレス帳から「選択する」を選んで、指定することができる。また、会議に入るコーポレートアバターがここに自分で会議に参加することを選択してもよい。しかし、誰でも自由に会議に参加できるタイプと特定のコーポレートアバターしか参加を許されていない会議とがある。それは、オープン会議と限定会議とに区分され、限定会議には、主催者であるコーポレートアバターが指定して会議に入るのが一般的な手順として好ましい。オープン会議は、コーポレートアバターが各自参加設定して入ればよい。
【0052】
メッセージ欄83にメッセージを書き、通信ボタン84を押すことによって、通常行われているe−Mailのようにメッセージを送り、そのメッセージを相手のメールサーバーに残しておくことができる。会話が終了した時に、会話情報を全て記録として保存したい時には、通信ボタン84の右にある保存ボタン91を押すことによってログ管理サーバ24に会話情報を保存できる。
【0053】
次に、仮想複合機について説明する。仮想会議室102の中には仮想的な複合機である仮想MFP125が設置されている。仮想MFP125や仮想空間表示パネル108などの設備や備品は仮想空間内のショップで購入することができる。勿論自らそのような物品を創造することもできる。この詳細は、セカンドライフ等で普通に行われているので説明を省略する。
【0054】
ところで、都市の風景、会社の建物、会社内の組織レイアウト図などはパブリック空間DB16、プライベート仮想空間DB26に記録されている。
【0055】
ただし、この新規の仮想MFP125は、画面上でこの仮想MFP125をクリックすることで仮想MFP125が持っている様々な機能をその近傍に表示する。
【0056】
上記仮想MFP125の機能について図4を用いて説明する。仮想MFP125をクリックすると機能一覧メニュー画面126が表示される。一般的なものとして最初のメニュー画面126には、図示しているように「使用する機能を選択してください。」という文章の後に、4つの機能、コピー機能、スキャナー機能、FAX機能、プリント機能をそれぞれ選択できるようになっている。
【0057】
一番上のコピー機能を選択すると、コピー機能メニュー画面127が現われ、「コピーする文書等を選択してください。」として、検索、選択、編集、コピーの機能選択ができるようになっている。検索機能は、コピーすべき文書を図示していない文書サーバまたは仮想空間内の自己の保管する文書記憶手段(図示せず)から検索し、その結果をウインドウ128に表示するようになっている。複数の文書の中から該当する文書を選択する。選択ボタンでもよいが、マウスでクリックする方法をとってもよい。次に、選択した文書をコピーするが、その前に編集機能を選択することによって、ウインドウ128に例えば、カラー、白黒、両面、集約コピー、濃淡、後処理(綴じ)などの編集指示を出すことができる。最後にコピー機能ボタンを押すことで上記編集とおりのコピー(複製)が仮想空間内で行われる。
【0058】
次に、スキャナー機能を選択するとメニュー画面129が表れる。「スキャンする文書を選択してください。」の次に、検索、選択、送信・保管先、スキャンの機能が表示される。検索、選択は上述したコピー機能と同様なので、省略する。送信・保管先を選択するとスキャンした文書を誰に送信するのか、またはどこに保管するのかを指定することができる。送信先は、先のメタバースアドレス帳75がウインドウ130に表示され、そこから選択し、スキャン機能を押せば、スキャンした文書が送信先に送られる。保管先を選択すれば、どこの文書サーバか記憶装置かをウインドウ130で選択できるようになっている。
【0059】
FAX機能を選択すると、同様にメニュー画面131が現われ、「FAXする文書等を選択してください。」の次に検索、選択、送信先、送信の各機能の選択ができるようになっている。送信先機能を押すとウインドウ132にメタバースアドレス帳75が表示され、FAX番号を確認し(番号が登録されているか)送信ボタンを押して文書が送信される。
【0060】
最後に、プリント機能を選択するがこの機能は、コピー機能と意味合いが違っている。ユーザーが作成中または作成終了した文書をプリントする場合には、図3のコピーボタン121を押せばよい。ここのプリント機能とは、他のコーポレートアバターや実世界の人間が自分宛に文書を送信してくれたものを検索し、取り出すという機能である。このプリント機能を選択すると、メニュー画面133が現われ、「取り出したい印刷文書を選択してください。」という文章の後に、検索、取り出し機能が選択できるようになっている。検索機能を押すと、自分宛に送られた電子文書等だけがウインドウ134に表示される。セキュリティ上、他人宛の文書は取り出せないようになっている。複数ある文書から必要な文書を指定し、取り出しボタンを押すことでその文書を取り出すことができる。
【0061】
ところで、仮想MFP125は、コーポレートアバターがこれをクリックするとメニュー画面126を表示するようにしたが、これに代えて実世界MFPの操作パネルの図形を画面に表示させ、その操作パネルの各機能を指定して編集指示をさせることができる。送信先や保管先などは上述した方法と同様である。この方法により、実世界の複合機の持っている機能を直接表示できるので、ユーザーは望ましい機能を確認しながらコピーなどすることができるという利点を持つ。
【0062】
ここで、実世界MFPおよび仮想MFP125の機能について説明する。図5は、実世界MFPおよび仮想MFP125の機能の相違について説明する図である。図5は、黒丸の位置に対応する世界(リアル世界、電子世界、またはメタバース)から、矢印の先に示す世界に対して、各機能により電子文書が出力されることを表している。なお、図5に示した各機能に対する文書の出力元および出力先の関係は一例であり、これ以外の出力元または出力先とするように構成してもよい。
【0063】
図5に示すように、実世界MFPは、例えばコピー機能、プリント機能およびスキャナー機能を備えている。例えば実世界MFPでコピー機能を実行すると、リアル世界の文書をコピーした紙媒体をリアル世界に出力する。コピー機能の実行により、リアル世界の文書を電子化した電子文書を電子世界に出力してもよい。また、電子世界およびメタバースのいずれからも実世界MFPに対してプリントを実行できる(プリント機能)。実世界MFPでスキャナー機能を実行すると、リアル世界の文書をスキャンして電子化した電子文書を電子世界またはメタバースに出力する。
【0064】
一方、仮想MFP125でコピー機能を実行すると、電子鞄などのメタバース内の仮想的な記憶手段(仮想記憶手段)に記憶された電子文書を、電子世界にコピーできる。上述のように、メタバース内の他の記憶手段に電子文書をコピーしてもよい。仮想MFP125でプリント機能を実行すると、上述のように自分宛に送られた電子文書が電子世界からメタバース内の電子鞄などの仮想記憶手段に取り出される。仮想MFP125でスキャナー機能を実行すると、例えば電子鞄に保管している電子文書が、他のアバターの電子鞄などの指定した保管先に出力される。
【0065】
ところで、実世界の複合機とほぼ同じ機能を有する仮想複合機(仮想MFP125)を作り出すことによって上述したアクションが可能となる。つまり、仮想複合機は実世界複合機と一対一でつながっているのである。しかも、実世界が持つ複合機の主要編集機能を備えている。しかしながら実世界複合機は、実際の複写物を出力させる必要があるが、仮想複合機には実物の複写物を出す必要がないので、画像形成装置や定着装置、紙の搬送機構などは不要である。電子的に複製すればよいという機能に限定している。
【0066】
この種の仮想複合機は、実世界の複合機の製造メーカが、三次元仮想空間用のアイテムとして仮想空間内で販売することによって、ユーザーは仮想空間と実世界とを結ぶMFP通信を実現することができる。
【0067】
実世界の複合機を使わずに何故仮想複合機を使うのかということに関しては、次のような利点を持っているからである。(1)第1点は、仮想空間オフィスなら、瞬時に自分に便利な複合機が置いてある場所に移動することができる。(2)実世界での自分の近くの複合機が使用中である場合、仮想空間で使用していない複合機を判別でき、直ちに使用することができる。(3)自分の使用したい機能を持つ複合機かどうかを、仮想複合機をクリックするだけで判別することができる。そのために、わざわざ実世界のように上下階や遠方まで歩く必要がない。(4)実際に、複写物を出さないので省エネルギーであり、エコ対策につながるという利点を持っている。
【0068】
次に、仮想空間オフィスでの仮想複合機の別の使い方について説明する。例えば、自己コーポレートアバターが、会社の同僚にある書類のコピーを転送する場合を想定する。実世界では、紙文書を複写機でコピーし、社内便に入れて送付する。または、パソコンからメールを作成し、それに電子文書を検索し添付しメール送信するという方法が行われる。仮想空間オフィスでは、仮想MFP125付近に移動するか、画面で見えていればそれをクリックするだけで、使用可能状態になる。例えば、指定した仮想複合機の固有の操作パネルが表示されるので、必要な文書を検索し、コピー、送信をガイドに従って操作していけば送信が完了する。同僚に文書が届けられると、届いた時点でその同僚のコーポレートアバターと上記送信した文書を見ながらリアルタイムコミュニケーションを行うことができる。会話(機密)ボタンで会話モードに入ることができる。
【0069】
会話、会議、テレコンファレンスモードに関して説明する。キーボードによる文字表示を画面下部のメッセージ欄83を見ることでオンラインリアルタイム会話ができるが、音声によって会話することもできる。そのどちらかを選択するように設定することができる。例えば、会話(機密)ボタンを押した時のメニュー画面で、音声会話モードを選択すれば可能となる。ただし、相手の仕事環境のこともあるので、会議室等音声会話が可能な環境の時に選択するのが好ましい。音声会話であっても、文字等の会話と同様に、全ての会話内容を記憶することができる。先のメニュー画面がでた時点で例えば、音声会話(記録)、音声会話(記録なし)を予め選択させるようにすることができる。記録する場合には、ログ管理サーバ14、24に保管する。後日検索できるように、年月日、時間、会話者名、場所などのキーとなる情報と共にセットで保管する。こうすれば、時系列で検索するか、人別に検索するかを選択して、容易に検索をすることができる。
【0070】
仮想空間オフィスの最も優れている点は、会社内のオフィス間の距離が大きく離れている場合にその効果が発揮される。例えば、東京オフィスと米国のサンフランシスコオフィスがあったとして、両者との同じ仮想空間イントラネットのなかにその仮想空間オフィスが構築されていたとする。時差の問題を解消することは必要であるが、両オフィスにいるコーポレートアバター同士が会話する必要が生じたとする。東京の自己コーポレートアバターがサンフランシスコオフィスに瞬時に移動するか、メタバースアドレス帳75とジャンプボタン(機能)124を使用して相手のコーポレートアバターの近傍に瞬時に移動することができる。そこで、リアルタイムコミュニケーションを行うことができる。また、サンフランシスコオフィスで開かれる会議がある場合に、瞬時にその会議室に移動し、リアルタイム会議に参加することができるという利点を持つ。あたかも同じ場所で会議をしているかのような雰囲気や環境の中での会議を体感できる。時間的(速さ)問題、移動時間、移動コスト、省エネ、迅速決定など多くの点で利点を発揮できる。
【0071】
ところで、メタバースアドレス帳75の維持や管理に関して説明する。コーポレートアバターはどのようにして自己のメタバースアドレス帳75を充実していくのか。つまり、会話すべき相手のメタバースアドレスを新規登録していくのかという点に関して説明する。
【0072】
通常、コーポレートアバター同士が仮想空間オフィスで会話をする場合には、メタバースアドレスを必ずしも必要としない。相手のコーポレートアバターをクリックして会話モードには入れるからである。しかし、近くにいない遠方のコーポレートアバターとたまたまある社内会議で会ったとか、または外部の会議で他社のコーポレートアバターとであったというような場合、相互に名刺交換のようにコーポレートアバターのメタバースアドレスを交換することができる。例えば、図3の左サイド下部に情報交換ボタン135を設けることにより、コーポレートアバターの所有している基本事項情報を交換することができる。リアル世界の名刺交換と同様に考えればよい。ただし、仮想空間内で行われるので、会話中にこのボタン135を押すことで、自分の会社名、所属、役職、会社住所、電話番号、FAX番号、メールアドレス、メタバースアドレスを相手に送信し、逆に相手からも同様の情報を入手することができる。入手した情報は自動的にメタバースアドレス帳75に記録保管される。
【0073】
このように、メタバースアドレス帳75にはメタバースアドレスのみならずリアル世界で使用されるe−mailアドレスも持つので(図7参照)、三次元仮想空間からe−mailアドレスを利用してリアル世界の人との通信や、逆にリアル世界の人が入手したメタバースアドレスを利用して仮想空間にいるコーポレートアバターと通信しあうということが可能となる。勿論、異なる三次元仮想空間プロバイダー間のアバター間の交信も可能となる。このようなマルチバースの時代になると、相互の情報通信が可能となるようにメタバースアドレスの標準化が前提となる。
【0074】
次に、仮想空間内で他の会社を訪問することがある。図3に示すように、会社X101のコーポレートアバターが外部のABC商事110を訪問するという場合を説明する。自己コーポレートアバター103がABC商事110を訪問すると、まずその会社の受付に行くことになる。そこで、コーポレートアバター103は自己紹介すると共に、その会社の面会したい人を受付に伝える。会社内の共有スペースに設けられた会議室に入ることで相手のコーポレートアバターとの会議などが開かれる。会議室での会話内容が他人に聞かれてはまずいので、会話(機密)モードを選択することによって会話内容に機密を保護することができる。
【0075】
次に、コーポレートアバターの電子鞄について図6を用いて説明する。
【0076】
コーポレートアバターは電子鞄(ブリーフケース)を持つことができる。コーポレートアバターの標準装備としてもよいが、仮想空間内のショップで購入することができるようにしてもよい。図6に示すように電子鞄を所有した場合には、画面68の左サイドに電子鞄ボタン138が表示される。この電子鞄の機能は、仮想空間オフィスで入手した電子文書等を一時保管したり、他人に渡すために用意した電子文書等を一時保管したりするためのものである。電子鞄ボタン138を押すと、電子鞄に保管されている電子文書等の一覧を示す一時保管文書一覧表139が表示される。
【0077】
例えば、リアル世界からパソコンを使って仮想空間オフィスのコーポレートアバターに文書やメールを送る場合を想定する。
【0078】
図1に示すように、リアル世界のユーザーサイト4からパソコン41を使ってメタバースアドレス帳75を開き、対象とするコーポレートアバターを選択する。通常行われている方法で、メール文書を作成し、必要に応じて文書等を添付してメール送信作業に入る。この場合、相手のコーポレートアバターが三次元仮想空間に入っているかどうかは無関係である。しかしながら、相手のコーポレートアバターがリアル世界と三次元仮想空間との通信手段を持っていない場合には、通信はできない。これを可能にするのが、電子鞄(ブリーフケース)である。従って、上記の送信モード(メール作成モードでも可)操作で、メタバースアドレス帳75を開いたときに登録されているコーポレートアバターが電子鞄(ブリーフケース)を装備しているかどうかを図7の上記メタバースアドレス帳75の電子鞄有無欄137に表示するようにすれば便利である。この電子鞄有無欄137に丸印で表示されているものは電子鞄を装備しているということが分かる。
【0079】
図3に示す仮想オフィスは、会社名X社の中の一組織を示している。X社の中には、当然X社のコーポレートアバターだけが入ることが可能である。リアル世界の会社入場と同様に仮想オフィスへの入場は入り口または受付においてユーザー認証サーバ23に登録されているデータ(IDとパスワード)との照合によって許可、不許可が判定される。このように仮想オフィスといえどもセキュリティ管理がリアル世界同様に実施されている。
【0080】
図3に示すコーポレートアバターは上述したように色彩が施されており、自己コーポレートアバター103は赤色を施され、会話状態にないコーポレートアバターは白色を施され、会話が可能なコーポレートアバターは黄色の色彩が施されている。このような色彩付け手段69はプライベート三次元仮想空間管理サーバ21に設けられている。
【0081】
上記仮想オフィスを示す表示画面100には、メタバースアドレス帳(三次元仮想空間アドレス帳)75を呼び出すボタン74が左下に設けられている。
【0082】
このメタバースアドレス帳ボタン74を選択し、マウスボタンでクリックすると図7に示すようなメタバースアドレス帳75が表示される。このメタバースアドレス帳75の構成は、アクティブ欄76、英文氏名77、日本語氏名78、所属会社・部署名79、MV(メタバース)アドレス80、電子鞄有無欄137より構成されている。このメタバースアドレス帳75は、図1に示すプライベート三次元仮想空間管理サーバ21の中のMVアドレス記憶手段81(第3記憶手段)に保存されている。また、図7には図示していないが、上記MVアドレス記憶手段81のメタバースアドレス帳75には実世界で利用されるe‐Mailアドレス、コーポレートアバター名、FAX番号、電話番号等も一緒に記憶されている。どの情報をメタバースアドレス帳75の画面に表示するかは予めまたは、随時ユーザーが設定することができる。
【0083】
上記MVアドレス記憶手段81はプライベート三次元仮想空間プロバイダーサイト2に契約して加入している全てのユーザーのアドレス情報が記憶されている。クライアントサイト3には、ユーザーの個人別MVアドレス帳をグループウエアサーバ33の中のアドレス情報記憶手段(図示せず)に記憶してもよいし、クライアントの端末35のハードディスクに保存するようにしてもよい。
【0084】
同様に、パブリック三次元仮想空間プロバイダーサイト1においてもMVアドレス情報を三次元仮想空間管理サーバ11の記憶手段に保管している。
【0085】
このように各種のメタバース(三次元仮想空間)プロバイダーサイトのMVアドレス情報を共有することにより、三次元仮想空間間のコミュニケーションが実現でき、三次元仮想空間から実世界のメールアドレスを指定することでコミュニケーションを行うことができ、さらには、実世界からMVアドレスを指定することで三次元仮想空間と実世界とのコミュニケーションを行うことが可能となる。
【0086】
従って、電子鞄を持っていないコーポレートアバターにリアル世界から電子メールを送る操作を誤って行った場合には、送信ができず、「電子鞄を装備していないので送信できません。」というメッセージを出す。送信ができる場合には、「送信可能」という表示を出すこともできる。問題がなければあえてこの表示を出さなくすることもできる。
【0087】
リアル世界から三次元仮想空間のコーポレートアバターへの電子メールの送信を正常に完了することができると、対象のコーポレートアバターの電子鞄中に上記文書(メール含む)が一時的に保管される。図3の左サイドに示すように電子鞄ボタン138が設けられる。この電子鞄アイテムも仮想世界の中のショップで購入することができる。購入時にリアル世界と三次元仮想空間との通信ができるための必要なソフトウエア環境が装備される。このとき、自分の仮想空間画面には電子鞄ボタン138も表示設定することができる。
【0088】
例えば、自己コーポレートアバター103は、画面の電子鞄ボタン138を押すことによって、自分に送られてきたメール、他人からもらった電子書類、自分が所有する文書を他人に渡すための文書などを全て一時的に保管するものである。
【0089】
例えば、電子鞄ボタン138を押すと、図6および図8のようにそこに保管されている電子文書等の一覧が表示される。この一時保管文書一覧表139には、選択欄140、保管日付欄141、FROM欄142、文書タイプ欄143、タイトル欄144などが設けられている。選択欄140にマウスで選択(レ点など)して、上部にあるアクションボタンを押せばその処理が行われるように構成されている。アクションボタンとしては、破棄ボタン145、送信(手渡し)ボタン146、閉じるボタン147がある。
【0090】
保管日付欄141には、電子鞄の中に当該電子文書が保管された年月日を表示している。必要に応じて時間(時分秒)を表示するように設定することができる。FROM欄142は、誰からの文書なのかを表示している。この中には自分が他人に渡すものも含まれているので、この欄には自分の名前が表示されることがある。文書タイプ欄143は、この文書が電子メールであるのか、ワード文書か、写真や動画のようなものであるのかの種別を表示する。タイトル欄144は、その電子文書に付けられている文書タイトルを表示するが、そのようなものがない電子文書の場合にはそれに付随して持っているメタデータの中のタイトルに近い情報をそこに表示するように予め決めて表示するようにすることができる。
【0091】
この一時保管文書一覧表139に表示されている文書欄(どこでも可)をクリックするとその保管されている文書の内容を画面に表示し、確認することができる。
【0092】
次に、リアル世界から三次元仮想空間への文書等の別の送信に関する実施例について説明する。図1にはリアル世界のユーザーサイト4に設置されている複合機42が示されている。ユーザーはある文書をこの複合機42を利用して三次元仮想空間内の特例のコーポレートアバターに送信するという事例である。ユーザーは、所定の文書を複合機42のスキャナー機能を利用し、当該文書をスキャンする。このスキャナーの機能の中に送信相手を指定する手順が通常含まれている。この手順の中で、送信相手のURLやメールアドレスなどを指定するが、ここでメタバースアドレス帳75が登録できるように設定しておけば、指定ができる。その表示は図8のようなものを利用することができる。このメタバースアドレス帳75を標準装備した複合機を設置できると都合がよい。そうでない場合には、ネットワークを利用してサーバや記録手段の中から自己が保存しているメタバースアドレス帳75を呼び出し、そこから送信先を選定するようにすることもできる。
【0093】
より効果的なコミュニケーションを取るには、上記のように文書を仮想世界のコーポレートアバターに送信した後、自分もそのコーポレートアバターのいる三次元仮想空間プロバイダーサイトに入り込み、上記コーポレートアバターと直接リアルタイムコミュニケーションを行うようにする。その際、先の送信した文書を基にして話し合いをすることができる。
【0094】
さらに、上記文書をもらったコーポレートアバターは、電子鞄の中の文書をリアル世界のその他の電子文書と一元管理するために三次元仮想空間内に設けられた文書管理サーバ32(図示していないが各プロバイダーサイト1,2内にも設けられている)に保管させることができる。これによって、リアル世界の電子文書も、三次元仮想空間内で作成された文書も一元管理することが可能となる。リアル世界のユーザーがパソコンを使って、自分の作成した電子文書を図1に示すクライアントサイト3内の文書管理サーバ32のURLを指定して送信し、保管することができる。
【0095】
次に、電子文書等の自動分類について図9および図10を用いて説明する。図9は、電子文書等の自動分類の動作を示すフローチャートである。図10は、電子文書等の分類を登録する入力画面を示している。一時保管文書サーバ158に保管されている電子文書等を文書管理サーバ32に転送し、保管する場合の自動分類のフローチャートである。まず、図9のフローチャートにおいて、アバターが文書保管することを指示した場合か、メタバースをログアウトする場合に、一時保管文書管理サーバ158内の電子文書等を文書管理サーバ32へ転送する処理が開始される(ステップS180)。アバターが一時保管文書サーバ158に電子文書等を保管する際に画面181に「分類は?」という問い合わせメッセージ182と共に既に登録されている分類項目一覧表183を表示する。この分類項目一覧表183は上記「分類は?」というメッセージ欄をクリックすることでプルダウンのように表示されることができる。そして該当する分類があればそれを選択することによって電子文書に分類を付与することができる。勿論一つの電子文書等に複数の分類を付与することもできる。例えば、ある電子文書に「AA02:社内規則」と「BB01:業績情報」の二つの分類を付与することができる。
【0096】
保管する場合に適当な分類項目が登録されていない場合には、「分類新規登録」ボタン184を押すことによって分類登録のウインドウが表れる(図示せず)。そのウインドウに新規の分類を入力することで登録が完了する。なお、入力後、同じ分類が既に登録されているような場合には、エラーメッセージを出すことで重複登録を防ぐことができる。また、複数の分類を付与する場合において、既存登録分類付与と新規分類登録とその付与を組み合わせて行えることは言うまでもない。さらに、当面分類をする必要がないか自動分類に任せたい場合には、「分類なし」ボタン185を押す。フローチャートでは、この場合、分類が付与されているかどうかの判断処理が実行され(ステップS186)、分類が上記作業によって付与されている場合には(ステップS186:Yes)、電子文書等をメタデータと分類とをセットにして文書管理サーバ32に転送し、保管される(ステップS187)。
【0097】
先の作業で、「分類なし」ボタン185を選択した場合には、マニュアルによる分類作業ではなく、ソフトウエアによる自動分類作業に入る。フローチャートのステップS186で分類が付与されていないと判断し(ステップS186:No)、メタデータに基づき分類する処理(ステップS188)に移行する。電子文書等には一時保管文書サーバ158に保管される際にそれに関連するメタデータが既に取得されている。このメタデータを基にして自動分類するのである。終了時にはボタン189を押下する。
【0098】
図11は、メタデータと分類コードの対応関係を示すテーブルである。自動分類は、図11のテーブル190に示すように予めメタデータ項目191と分類コード192、分類名称193が対応付けられている。例えば場所データに関するメタデータは、分類コード「CC01」(ロケーション)と対応付けられている。気象データは、分類コード「DD01」(気象)と、機密レベルデータは、分類コード「SS01」(機密)と、破棄予定日データは、分類コード「XX01」(破棄)とそれぞれ対応付けられている。これは例示であって、さらに多くのものを対応付けられることは言うまでもない。
【0099】
基本的なフローは、メタデータ項目をスキャンし、既にデータの入っているメタデータ項目を抽出して該当するものが上記のテーブル190に存在すれば、その分類コードを取得して、分類を付与する。さらに、スキャンすることによってさらに該当する項目があれば、順次分類コードを取得していけばよい。例えば、アバターがメタバース内でカメラを使用して特定の風景の写真を取り、それを保管するという事例で説明する。アバターは撮影した写真を電子鞄(図示せず)、つまり一時保管文書サーバ158に保管する。このときこの写真撮影時のメタデータである場所データ、作成日(撮影日)、作成者(撮影者)、気象データ、機密レベル(通常はオープンがセット)、保管期限が上記カメラの機能として付与されるように設定されていた。この一時保管された写真を文書管理サーバ32に保管する場合に、分類を付与するが、図11のテーブル190を利用すると、場所データ、気象データ、機密レベル、保管期限(破棄予定日)が合致するので、分類コードCC01、DD01、SS01、XX01がそれぞれ付与されることになる。
【0100】
図12は、複数世界における電子文書等の一元管理システムの構成図である。図1のクライアントサイト3をより詳細に示したもので、符号35はパーソナルコンピュータ等の端末を示す。この端末35は、LAN36に接続されており、このLAN36には検索サーバ150、マルチファンクションプリンタ34(以下MFPと称す)や文書管理サーバ32が接続されている。このMFP34は、機能としてスキャナー、コピー、ファクシミリ、プリンタという4つの機能を兼ね備えたものである。勿論4つ全てを有する必要はなく、スキャナー機能とその他の機能を兼ね備えているMFPであってもよい。MFP34は、実世界の紙文書151をスキャンして、LAN36に接続されている複数の文書管理サーバのうち指定した文書管理サーバ32にスキャンして得られた電子文書を送信し、保管させることができるようになっている。上記の端末35、MFP34、文書管理サーバ32は実世界に設置されている機器である。端末35によって作成された電子文書(図示せず)は、ネットワークに接続された文書管理サーバ32に保管することができる。また、端末35を利用してインターネット上の様々な文書を検索し、そこから得られた電子文書を上記と同様に文書管理サーバ32に保管することができる。
【0101】
次に、上記文書管理サーバ32に電子文書等(ここで言う電子文書等とは通常の電子文書だけでなく、電子画像(動画や静止画も含む)や電子データ(音声データも含む)などを全て総称して用いる。)を保管する方法について説明する。通常、電子文書等は、文書管理サーバ32内の記憶装置に日付、作成者(所有者)、文書名(タイトル)、文書形式、文書容量(サイズ)のような各種の書誌事項とともに保管される。また、単に保管するだけでなく、ファイルと呼ばれる記録領域にファイル名をつけて関連する電子文書等を保管することも通常行われている。こうすることにより、キーワードなどを用いて検索しなくても調査したいファイルを開いてその中にある関連電子文書等をある程度絞り込んだ状態で閲覧することが行われている。
【0102】
本実施の形態では、電子文書だけを取り扱うのではなく、上述したように電子画像や電子データなども合わせて文書管理サーバ32に保管するように構成されている。上述した3種類の電子情報は、それぞれ独特のメタデータを有してその電子情報が作成されている。例えば、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ152で撮影された電子画像は、電子画像のタイトルはないものの撮影年月や日時、撮影条件、撮影場所、撮影者、修正日時、受領日、などがメタデータとして付随されている。デジタル音声データも同様に、録音年月や日時、録音場所、対象者名、録音時間、録音者、受領者、などがメタデータとして付随されている。MFP34でスキャンした紙文書151の電子文書にも、スキャン日時、スキャン場所や機器名、スキャン者、送り先、文書名(必要に応じて入力可能)などがメタデータとして付随されている。以上のメタデータの項目は例示しただけであって、全てを網羅していないことを申し添えておく。また、他人が作成した電子文書を図12に示すように持ち運びのできる記録媒体153、例えばUSBメモリーやメモリーカードなどから端末35を経由して電子文書等を取り込むことが行われる。この場合にもこの電子文書等には、文書名、作成年月日、作成者、機密レベル、暗号キー、アクセス可能者、受領日、受領者、バージョン情報、データ容量などがメタデータとして付随されている。
【0103】
したがって、本実施の形態に係る文書管理サーバ32は、これらのメタデータと共に電子文書等を受領し、保管するように構成されている。図13は、電子文書ごとのメタデータ項目の一覧表を示している。例えば、図13に示すように文書管理サーバ32の記憶手段154には横軸にメタデータの各項目が並んだデータ一覧155が保管されており、取り込まれた電子文書等のメタデータを所定の場所に記録するように構成されている。これらを効率よくかつ正確に行うために、メタデータの統一したコード番号を利用することがよい。業界標準かデファクトで決められたものであれば、どのメーカの機器を使用して作成された電子文書等でも統一してメタデータを活用することができる。
【0104】
図13のデータ一覧155中に例示している「所有者」156とは、必ずしも作成者と同じではない。作成者から電子文書等をもらった人がこの電子文書等の所有者となる。つまり、いま機器を使って文書管理サーバ32に保管しようとしているその人が所有者なのである。通常は、作成者と所有者が一致する場合が多いが異なる場合があるので、項目は別にしている。「場所」157は、デジタルカメラやデジタルビデオカメラにGPS機能が付いていたりすれば、その画像を撮影した地図上のロケーション(経度と緯度情報、または都道府県や都市情報)情報を得ることが可能である。GPS・カメラ機能つきの携帯電話で撮影した電子画像も同様の場所情報をメタデータとして得ることができる。
【0105】
また、電子文書等には著作権が存在することがあるので、著作権者名を情報として持つようにすることもできる。このようにすれば、著作権者でない電子文書等の所有者が、内容を勝手に改変したり、著作権者の許可の必要な利用を行おうとした時に、それを禁止することができるような制御機能を持たせることができるのである。
【0106】
しかしながら、電子文書等の種類によってそれが持つメタデータは全て同じ項目を持っているわけではない。本実施の形態では、あるメタデータがなくて表中の項目全てが埋まらなくても差し支えないことを前提としている。つまり歯抜けの状態であってもよい。要は、利用者がある電子文書を検索して取り出したいときにメタデータを利用するのであるから、メタデータがないものは検索の対象にならないというだけのことである。しかし、メタデータがあれば、検索対象となってより精度の高い検索で必要な電子文書等を取り出すことができるのである。
【0107】
以上は、実世界と電子の世界を中心に文書管理を説明してきた。次は、三次元仮想空間、いわゆるメタバースの世界、つまり図1のプライベート三次元仮想空間プロバイダーサイト2における文書管理について説明する。
【0108】
図12のメタバースサーバ28はメタバースの運営に必要な様々なソフトウエアを保管し、起動させているサーバである。また、メタバース内で作成される様々な創造物、例えばアバター、土地、建物、部品、装飾物、各種機器、文書、マークなどを保管するプライベートオブジェクトDB25もある。メタバース運営にはいくつのメタバースサーバやDBが必要かはそれぞれの運営業者の方針により異なってくる。本実施例では、これらの必要なサーバをまとめてメタバースサーバと表現している。
【0109】
例えば、特許文献1のようにメタバースサーバには立体画像表示データを記憶する第1の記憶手段と、端末から送信されてきた仮想ルームを記憶する第2の記憶手段と、仮想ルームを作成するためのソフトウエアを記憶する記憶手段をもつように構成し、単独のサーバでもよいものが紹介されている。
【0110】
メタバース内で様々なビジネスが展開されるようになった。メタバース内の自己の島にショールームを建設して自己の商品を展示し、アバター店員が訪問してきたアバターに商品説明をするとか、入社前の会社訪問を、メタバースを利用して会社案内をするとかである。最近では、メタバースを会社の中でのみグループウエアとして活用することを試みる企業も現われてきた。例えばNOTESというグループウエアは企業内のコミュニケーションツールとして有名であるが、これに変わる手段としてメタバースを利用しようという試みである。
【0111】
いずれの場合でも、メタバース内で電子文書等が創作されるチャンスが考えられる。そして、このメタバースで創作された電子文書等(メタバース文書という)は、メタバース文書の作成者がメタバース内に保管し、または電子の世界の文書サーバに保管することが行われる。
【0112】
また、電子世界で作成された電子文書等を、メタバース内で取り出し、それを他のアバターに見せたり、またはそれを手渡したりすることも行われる。メタバースを中心に考えて、これを「中」とし、メタバースの外の世界を「外」とした場合、電子文書等のやり取りには、中⇔中、中→外、外→中という流れが発生し、さらに発展すると、中→外→中、外→中→外というような流れも存在しえることになる。
【0113】
このように、メタバース世界と電子世界とで電子文書等が行き来するようになってくると想定しなかった問題が生じる。通常メタバースに入るには、特定の会社が運営しているので、その会員登録を行い、与えられたユーザー名、パスワードを入力してログインしなければならない。そして、その特定のメタバース内でのあらゆる創造物はそのメタバース内でクローズされるのが普通である。つまり、外に持ち出すことが困難で、その逆の外からメタバース内に持ち込むことも困難である。技術の進展やユーザーニーズの変化により現在困難あったものでも、その障害は取り払われる時代が来ることは確実である。
【0114】
本実施の形態は、メタバース内で作成された電子文書等や、メタバース内で他のアバターから受領した電子文書等を、作成時や受領時に付随しているメタデータと共にメタバース用の一時保管文書サーバ158に保管する。メタバース内では、この一時保管文書サーバ158は、「電子鞄」138としてアバターには見えることになる。つまり、アバターは、自分が作成した電子文書等や他のアバターから受領した電子文書をこの電子鞄138に保管すると言う行為で、上記一時保管文書サーバ158にメタバース文書を保管することになる。この一時保管文書サーバ158では、最終的には電子の世界の文書管理サーバ32にメタバース文書が保管できるように文書等の保管形式を一致させる機能を有している。また、一時保管文書サーバ158には、所定の操作、例えば自己アバターがメタバースをログアウトしたタイミングで、またはアバター自身からの指示命令によってそこに保管されているメタバース文書を上記文書管理サーバ32に送信する送信手段159を有している。このとき、メタバース文書と共にメタデータも一緒に文書管理サーバ32に送られ、所定のフォーマットで記憶手段154に記録される。メタバース文書も保管することができる上記文書管理サーバ32には、メタデータ項目として「作成世界」が新たに設けられている。つまり、電子の世界で作成された創造物なのか、メタバースで創造されたものなのかが識別できるような項目である。さらに、マルチバース(メタバースが複数存在する状態)の時代になると、どのメタバースで作成されたものかが識別できるようにメタバースの名称をメタデータに持たせるようにすることができる。これによって、あるメタバースで作成されたメタバース文書を他のメタバースには送れないような制限をかける様にこの情報を利用することができる。
【0115】
次に、メタバース世界からアバターが自己の保有する電子の世界の電子文書等をメタバースに取り寄せたい場合について説明する。
【0116】
アバターは、メタバース内の電子鞄または所定のウインドウに設けられている検索バーを利用し、自分が取り出したい電子文書の特徴をキーワードとして入力する。入力されたキーワードを基に検索し検索結果を一時保管文書サーバ158に送信する。文書管理サーバ32にもこの検索結果を送信する送信手段159aが設けられている。
【0117】
この入力方法をより支援する実施例について図14−1、および図14−2を用いて説明する。
【0118】
図14−1は、ユーザーが端末35(パーソナルコンピュータ)の検索画面を使う場合、またはメタバース内でアバターが検索画面を使う場合の入力画面160である。どのようなメタデータの項目が検索可能であるかをユーザーに知らせるために、項目選択HELPボタン161を押すことによってプルダウンメニュー162が表示される。このメニュー162には、メタデータとして検索可能な項目の一覧がでるようになっている。この中の「作成者」をクリックし選択すると、左に示すウインドウ163の検索項目164に「作成者」が表示される。図14−2は検索結果を表示した画面を示す図である。連続して項目を選択することが可能なので、続けて「作成日」と「作成世界」を選択した。そうすると図14−2のように検索項目164に欄に先ほど選択した3つの項目「作成者」、「作成日」、「作成世界」の文字が表示される。次いで、入力データ欄165に引き出したいデータをユーザーが入力する。作成世界欄166には、メタバースのタイプか種類を入力する。入力が完了すると、検索ボタン167を押下する。この検索キーを基に文書管理サーバ32内の電子文書等を検索する。検索サーバを別途設けることもできる。(図示せず)
検索が完了すると検索結果一覧の欄168に該当する電子文書等の一覧が表示される。このとき表示項目は、文書名は必須項目で、検索した項目に合致するメタデータも併せて表示するようにする。
【0119】
図15は、本実施の形態に係る電子文書の送信・保管の動作を示すフローチャートである。
【0120】
図15を用いて、作成した電子文書等を文書管理サーバ32へ送信し、保管するフローについて説明する。端末35で電子文書を作成する(ステップS170)。電子文書が完了したかどうかを判定し(ステップS171)、作成完了ならその電子文書に関連するメタデータを取得する(ステップS172)。メタデータを取得すると、電子文書とメタデータをセットにして一時保管する(ステップS173)。一時保管は、一時保管文書サーバ158の記憶手段(図示せず)に記憶される。次に上記作成した文書を最終的に保管するかどうかを判定する(ステップS174)。保管するということであれば(ステップS174:Yes)、一時保管文書サーバ158から文書管理サーバ32へ電子文書およびそのメタデータをセットで転送する(ステップS175)。なお、アバターが文書保管をすると判断しなかった場合(ステップS174:No)、物理的にメタバースからユーザーがログアウトするか否かが判定される(ステップS176)。ログアウトしない場合には(ステップS176:No)、ステップS174に戻る。ログアウトする場合には(ステップS176:Yes)、上記と同様に一時保管文書サーバ158に記憶されていた電子文書とそのメタデータをセットにして文書管理サーバ32へ転送する(ステップS175)。
【0121】
この場合、一時保管文書サーバ158には、メタデータ取得手段177(図12参照)が設けられている。
【0122】
電子の世界で端末35により電子文書を作成したり、受け取ったりした場合に電子文書に付随するメタデータを取得しなければならないが、このメタデータ取得手段177としてのソフトウエアは端末35中に保存されている。勿論、文書管理サーバ32の方にこのメタデータ取得手段を設け、端末35から電子文書等を受信する際に、その電子文書等に付随するメタデータを取得するようにしてもよい。しかしながら、端末35で作成されていない電子文書等を外部メモリー152,153やインターネット経由で得た場合には、メタデータを確実に取得することができない恐れがある。それを防ぐためにも端末35の方にメタデータ取得手段177を設けた方がよい。
【符号の説明】
【0123】
1 パブリック三次元仮想空間プロバイダーサイト
2 プライベート三次元仮想空間プロバイダーサイト
3 クライアントサイト
4 ユーザーサイト
21 プライベート三次元仮想空間管理サーバ
22 ユーザー接続管理サーバ
23 ユーザー認証サーバ
24 ログ管理サーバ
25 プライベートオブジェクトDB
26 プライベート仮想空間DB
27 三次元仮想空間
32 文書管理サーバ
35 クライアント(端末)
36 LAN
69 色彩付け手段
81 第3記憶手段(MVアドレス記憶手段)
102 仮想会議室
125 仮想MFP
138 電子鞄ボタン
139 一時保管文書一覧表
150 検索サーバ
154 記憶手段
158 一時保管文書サーバ(電子鞄)
159 送信手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0124】
【特許文献1】特開2004−178257号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書管理サーバと、メタバース内で作成または受信された電子文書を記憶する一時保管文書サーバとを備える管理システムであって、
前記文書管理サーバは、
端末装置および前記一時保管文書サーバから送信される電子文書とメタデータとを対応づけて記憶する文書記憶手段と、
前記端末装置から送信される検索キーに基づき前記文書記憶手段から検索した前記電子文書を前記端末装置に送信する第1送信手段と、を備え、
前記一時保管文書サーバは、
前記メタバースで作成または受信された電子文書とメタデータとを対応づけて記憶する一時記憶手段と、
前記一時記憶手段に記憶された電子文書とメタデータとを前記文書管理サーバに送信する第2送信手段と、
を備える管理システム。
【請求項2】
前記文書管理サーバは、
前記電子文書を、指定された分類項目に分類して前記文書記憶手段に記憶する分類手段をさらに備える、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記分類手段は、前記分類項目が指定されていない場合、前記電子文書に対応づけられた前記メタデータに基づいて分類項目を付与し、付与した分類項目に分類して前記文書記憶手段に記憶する、
請求項2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記一時保管文書サーバは、
前記端末装置から送信される電子文書のメタデータを取得するメタデータ取得手段をさらに備え、
前記文書記憶手段は、前記メタデータ取得手段により取得されたメタデータと前記端末装置から受信した電子文書とを対応づけて記憶する、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項5】
前記文書管理サーバは、
前記文書記憶手段に記憶された前記電子文書を、前記メタバースに備えられた仮想的な記憶手段に送信する第3送信手段をさらに備える、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項6】
前記メタデータは、前記電子文書を作成したメタバースを識別する識別情報を含み、
前記第3送信手段は、前記電子文書に対応するメタデータに含まれる前記識別情報と、前記仮想的な記憶手段を備える前記メタバースの前記識別情報とが一致しない場合に、前記電子文書を送信しない、
請求項5に記載の管理システム。
【請求項7】
文書管理サーバと、メタバース内で作成または受信された電子文書を記憶する一時保管文書サーバとを備える管理システムで実行される管理方法であって、
前記文書管理サーバが、端末装置および前記一時保管文書サーバから送信される電子文書とメタデータとを対応づけて文書記憶手段に記憶する文書記憶ステップと、
前記文書管理サーバが、前記端末装置から送信される検索キーに基づき前記文書記憶手段から検索した前記電子文書を前記端末装置に送信する第1送信ステップと、
前記一時保管文書サーバが、前記メタバースで作成または受信された電子文書とメタデータとを対応づけて一時記憶手段に記憶する一時記憶ステップと、
前記一時保管文書サーバが、前記一時記憶手段に記憶された電子文書とメタデータとを前記文書管理サーバに送信する第2送信ステップと、
を含む管理方法。
【請求項8】
文書管理サーバと、メタバース内で作成または受信された電子文書を記憶する一時保管文書サーバとを備える管理システムにおける前記一時保管文書サーバであって、
前記文書管理サーバは、
端末装置および前記一時保管文書サーバから送信される電子文書とメタデータとを対応づけて記憶する文書記憶手段と、
前記端末装置から送信される検索キーに基づき前記文書記憶手段から検索した前記電子文書を前記端末装置に送信する第1送信手段と、を備え、
前記一時保管文書サーバは、
前記メタバースで作成または受信された電子文書とメタデータとを対応づけて記憶する一時記憶手段と、
前記一時記憶手段に記憶された電子文書とメタデータとを前記文書管理サーバに送信する第2送信手段と、
を備える一時保管文書サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14−1】
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【図14−2】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−217352(P2011−217352A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−289253(P2010−289253)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】