説明

管理装置、通信端末、グループ通信システム、グループ管理方法、通信端末の制御方法

【課題】離れてしまった後もコミュニケーションが継続可能となり、また、同じ場所に居たのだが、同時刻には居なかったユーザ同士のコミュニケーションも取れるようなグループ通信を実現する。
【解決手段】通信端末の位置情報、グループへの参加期限を示す参加締め切り情報、参加可能エリアに基づいてグループを選択することにより、完全に同じ時刻に近くに居る場合でなくてもグループ通信を行うことができ、かつ、その場所を離れてしまった後でもグループ通信を継続できる。また、同じ場所に居たのだが、同時刻には居なかった(居た時間帯が異なる)ユーザ同士のコミュニケーションも取れるようになる。そして、例えば、あるユーザが3時にその場所を立ち去って30分後を新規参加締め切り期限とすれば、9時過ぎに同じ場所に居て、全く接点の無いような別のユーザが同一グループに参加することも無くなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は管理装置、通信端末、グループ通信システム、グループ管理方法、通信端末の制御方法に関し、特にユーザの位置情報を用いて生成したグループの管理装置、グループ生成処理を行う通信端末、グループ参加処理を行う通信端末、これらを含むグループ通信システム、グループ管理方法、通信端末の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のユーザがそれぞれ通信端末を用いてグループ通信を行えば、話題を複数人で共有することができ、コミュニケーションを深めることができる。
グループ通信を実現するサービスとして、PTT(Push-to-talk)サービスが知られている。これは、携帯電話機などの通信端末をトランシーバのように用いて、簡単な操作でグループ通信を実現するものである。
【0003】
ところで、GPS(Global Positioning System)機能を有する通信端末を用いてPTTサービスによるグループ通信を行う場合に、グループ内の通信端末の地理的位置を取得して表示する技術もある(例えば、特許文献1参照)。また、PTTサービスにおいて、GPSやRFID(Radio Frequency IDentification)によって位置情報を取得し、取得した情報を基にグループを形成する技術もある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
さらに、PTTサービス加入者の位置情報をGPSなどによって取得し、距離上所定の範囲内に位置する加入者間のグループ通信を可能にする技術もある(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2007−150768号公報
【特許文献2】特開2007−150985号公報
【特許文献3】特開2006−81184号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した技術を利用すれば、GPSなどによって他の通信端末の位置を取得することによって、距離的に近くに居る他の通信端末とのグループ通信を実現することができる。
しかしながら、そのグループ通信を行うことができる通信端末は、完全に同じ時刻に近くに居る場合に限られてしまう。すなわち、距離的に近くに居たことがあっても、その時刻がわずかに異なる通信端末同士はグループ通信を行うことができない、という問題点がある。例えば、同じ場所に居たのだが、あるユーザは3時迄その場所に居て、ユーザは3時1分以降にその場所に居た場合(つまり、完全には同じ時刻に居なかった場合)に、両者のコミュニケーションが取れないという問題点がある。
【0006】
本発明は上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は距離的に近くに居る他の通信端末とのグループ通信を、完全に同じ時刻に近くに居る場合でなくても実現することのできる管理装置、通信端末、グループ通信システム、グループ管理方法、通信端末の制御方法を提供することである。
本発明の他の目的は、上記のように作成したグループを利用して、その場でのコミュニケーションのみならず、その場を離れた後のコミュニケーションの継続を実現することのできる管理装置、通信端末、グループ通信システム、グループ管理方法、通信端末の制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1による管理装置は、
通信端末の位置情報に基づいて、該通信端末がグループへの参加が可能なエリアである参加可能エリアを決定する参加可能エリア決定手段と、
少なくとも、前記通信端末の位置情報と、グループへの参加可能期限を示す新規参加締め切り情報と、前記参加可能エリアとに基づき、前記参加可能エリア内に存在し、かつ、参加可能期限内のグループを選択するグループ選択手段と、
を含むことを特徴とする。この構成によれば、距離的に近くに居る通信端末同士のグループ通信を、完全に同じ時刻に近くに居る場合でなくても実現することができる。なお、通信端末の「位置情報」は、GPSによって取得される位置情報の他、その通信端末の通信の際に利用されるアクセスポイント装置を識別するためのID情報、その通信端末の在圏する無線エリアに対応する無線基地局装置を識別するためのID情報なども含む概念である。
【0008】
本発明の請求項2による管理装置は、請求項1において、
前記参加可能エリア決定手段によって決定された参加可能エリアに関する情報である参加可能エリア情報と、前記グループ選択手段によって選択されたグループに関する情報である参加可能グループ情報とを前記通信端末に送信する送信手段を更に含むことを特徴とする。この構成によれば、選択されたグループに関する情報を通信端末に送信することにより、ユーザが参加したいグループを選択することができる。
【0009】
本発明の請求項3による管理装置は、請求項2において、前記送信手段は、前記参加可能グループ情報に基づき、参加可能なグループについて、通信端末からグループまでの距離に応じて表示文字数が制御されたグループ名を、該通信端末へ送信することを特徴とする。通信端末においてグループ名を表示する際、グループまでの距離に応じて、表示文字数を制御することにより、タイトル名全体を知るためにそれを見たユーザをグループの方向へ誘導することができると考えられる。また、そのグループ方向への移動の際、表示されている文字数により、そのグループまでの距離を感覚的に把握できる。
【0010】
本発明の請求項4による管理装置は、請求項1から請求項3までのいずれか1項において、
通信端末が参加可能なグループのうち、該通信端末が参加すべきグループを所定アルゴリズムに従って決定するグループ決定手段と、前記グループ決定手段によって決定されたグループに関する情報を、通信端末へ送信する決定グループ情報送信手段とを更に含むことを特徴とする。このような構成によれば、グループへの参加要求が通信端末から送信されない場合でも、参加すべきグループを決定でき、グループへの参加を促すことができる。
【0011】
本発明の請求項5による管理装置は、請求項4において、通信端末からグループ作成要求があった際に作成したグループについて、少なくとも、前記新規参加締め切り情報と、前記参加可能エリア情報と、該グループの参加メンバに関する参加メンバ情報とを管理するグループ管理手段を更に含み、
前記グループ管理手段は、前記グループ決定手段によって決定されたグループについて、前記参加メンバ情報の登録を行うことを特徴とする。この構成によれば、各グループの参加メンバを容易に管理することができる。
本発明の請求項6による管理装置は、請求項1から請求項3までのいずれか1項において、前記グループへの参加要求を取得する参加要求取得手段を更に含むことを特徴とする。この構成によれば、管理装置は、グループへの参加要求を通信端末から取得することができる。
【0012】
本発明の請求項7による管理装置は、請求項6において、
通信端末からグループ作成要求があった際に作成したグループについて、少なくとも、前記新規参加締め切り情報と、前記参加可能エリア情報と、該グループの参加メンバに関する参加メンバ情報とを管理するグループ管理手段と、
前記参加要求取得手段によって取得した参加要求に含まれている通信端末の位置情報に基づき、該グループへの新規参加可否を判断する新規参加判断手段と、
を更に含み、
前記グループ管理手段は、前記新規参加判断手段によって参加可能と判断されたメンバに関する情報を、前記参加メンバ情報として管理することを特徴とする。この構成によれば、各グループの参加メンバである通信端末を容易に管理することができる。そして、各グループの参加メンバである通信端末を管理することにより、作成したグループを利用して、その場でのコミュニケーションのみならず、その場を離れた後のコミュニケーション継続を実現できる。
【0013】
本発明の請求項8による管理装置は、請求項5または請求項7において、
前記グループ管理手段は、更に、参加メンバの属性情報を管理し、
前記グループ選択手段は、更に、前記参加メンバの属性情報に基づき、グループを選択することを特徴とする。このようにすれば、コミュニティに参加可能なユーザの属性情報、例えば年齢および性別に基づいて、適切なグループを選択することができる。
【0014】
本発明の請求項9による管理装置は、請求項5、請求項7および請求項8のうちのいずれか1項において、
前記グループ管理手段は、更に、グループに参加可能なエリアの大きさに関する広さ情報を管理し、
前記参加可能エリア決定手段は、更に、前記広さ情報に基づき、前記参加可能エリアを決定することを特徴とする。このようにすれば、メンバがグループに参加しやすい広さに、エリアを設定することができる。参加可能なエリアを段階的に設定できれば、次のようなメリットがある。すなわち、エリアを大きく(つまり広く)するほど近くにいる感が失われる代わりにメンバが増えやすく、エリアを小さく(つまり狭く)するほどメンバが増えにくいが近くにいる感が強まる。この点を考慮し、複数段階にエリアを設定できるようにするのが望ましい。例えば、複数段階に設定できる広さ情報として、「大」、「小」の2段階が考えられるが、2段階に限定されず、より多くの段階に設定できるようにしてもよい。
【0015】
本発明の請求項10による管理装置は、請求項5、請求項7から請求項9までのうちのいずれか1項において、
前記グループ管理手段が管理している情報を更新する更新手段を更に含むことを特徴とする。例えば定期的に、情報を更新することにより、グループやそれに参加している通信端末の位置を継続して把握することができる。
本発明の請求項11による管理装置は、請求項10において、前記グループ管理手段は、更に、各グループの管理者であるマスタを示すマスタ情報を管理し、
あるグループのマスタが変更された場合、前記更新手段は、そのグループについてのマスタ情報を変更することを特徴とする。この構成によれば、マスタの引き継ぎを実現することができる。
【0016】
本発明の請求項12による管理装置は、請求項1から請求項11までのいずれか1項において、前記参加可能エリア決定手段は、グループの作成を要求する通信端末の位置情報を中心点として、前記参加可能エリアを決定することを特徴とする。通信端末の位置情報を中心点として参加可能エリアを管理することにより、その管理がし易くなる。
本発明の請求項13による管理装置は、請求項1から請求項11までのいずれか1項において、
前記参加可能エリア決定手段は、グループの作成を要求する通信端末の位置情報を中心点とせずに、一定の範囲内で確率的にまたは確定的にずらした位置を中心点として、前記参加可能エリアを決定することを特徴とする。ずらした位置を中心点として管理することにより、マスタの存在位置を他のユーザから隠蔽することができる。
【0017】
本発明の請求項14による管理装置は、請求項1から請求項13までのいずれか1項において、各グループの盛り上がり度合いを示す盛り上がり指数情報を算出する盛り上がり指数情報算出手段と、前記盛り上がり指数情報算出手段によって算出された盛り上がり指数情報を、送信する盛り上がり指数情報送信手段とを更に含むことを特徴とする。盛り上がり指数情報を通信端末のユーザに提示すれば、周囲に複数のグループが位置している場合に、参加するグループをユーザが選択する際の目安にすることができる。盛り上がり指数情報の提示方法としては、例えば、盛り上がり指数情報の値に応じて表示色を変える、という方法が考えられる。
【0018】
本発明の請求項15による管理装置は、請求項1から請求項14までのいずれか1項において、通信端末を用いたコミュニティを実現するコミュニティ手段を更に含むことを特徴とする。このような構成により、例えば、チャット、掲示板の閲覧や書込み、対戦ゲーム、クーポンの取得など通信端末によるコミュニティを実現することができる。
本発明の請求項16による管理装置は、請求項1から請求項15までのいずれか1項において、
少なくとも、通信端末のユーザの嗜好に関する嗜好情報と、グループの作成を要求する通信端末からの距離とを含む、探索条件に一致する通信端末を探索する探索手段(例えば、図18中のステップS706に対応)を更に含むことを特徴とする。嗜好情報が一致する通信端末の探索を行うことにより、近場で嗜好情報も合う人とグルーピングを行うことができる。
【0019】
本発明の請求項17による管理装置は、請求項16において、前記探索条件を更新する条件更新手段(例えば、図18中のステップS718に対応)を更に含むことを特徴とする。嗜好情報が一致する通信端末の探索を行い、かつ、探索結果に応じて探索条件を更新することにより、近場で嗜好情報も合う人とグルーピングを行うことができる。
本発明の請求項18による管理装置は、請求項17において、
前記嗜好情報は、階層構造になっており、
前記条件更新手段が前記距離と前記嗜好情報の階層とのいずれか一方を固定して他方を順に変えて前記探索手段による探索を行った後、固定していた方を変えた状態で同様に他方を順に変えて前記探索手段による探索を行うようにしたことを特徴とする。このような構成によれば、探索条件を順次更新して適切にグルーピングを行うことができる。
【0020】
本発明の請求項19による管理装置は、請求項18において、
前記嗜好情報は、階層構造になっており、
前記条件更新手段は、前記嗜好情報と前記距離とのうち、いずれか一方の優先度を高く設定し、他方を順に変えて前記探索手段による探索を行うようにしたことを特徴とする。このような構成によれば、優先度に応じて適切にグルーピングを行うことができる。
本発明の請求項20による管理装置は、請求項17において、
前記嗜好情報は、階層構造になっており、
前記条件更新手段は、前記距離を固定し、前記嗜好情報の階層を最下層から順次上げて探索を行うことを特徴とする。このような構成によれば、嗜好情報の階層を順次変えて適切にグルーピングを行うことができる。
【0021】
本発明の請求項21による管理装置は、請求項17において、
前記条件更新手段は、距離とその距離の範囲内において前記嗜好情報が一致する端末数との関係について作成した近似曲線に基づき、嗜好情報が一致する端末の目標数に対応する距離を設定し、前記探索手段による探索を行うようにしたことを特徴とする。近似曲線を利用することにより、グループ作成の可能性を高めることができる。
本発明の請求項22による管理装置は、請求項17において、
前記条件更新手段は、前記嗜好情報が一致する通信端末が規定数に達するために過去どの程度まで距離を伸ばしたかという統計情報を用いて距離を設定し、前記探索手段による探索を行うようにしたことを特徴とする。過去の統計情報を利用することにより、グループ作成の可能性を高めることができる。
【0022】
本発明の請求項23による管理装置は、請求項17において、
前記条件更新手段は、前記嗜好情報が一致する通信端末の人口密度から、嗜好情報が一致する通信端末の目標数を達成するために必要な面積を計算し、それに基づき前記目標数を達成できそうな距離を設定し、前記探索手段による探索を行うようにしたことを特徴とする。嗜好情報が一致する通信端末の人口密度を考慮することにより、グループ作成の可能性を高めることができる。
【0023】
本発明の請求項24による管理装置は、請求項17において、
作成したいグループの規模に対応する探索条件の選択肢を、グループの作成を要求する通信端末に提示する選択肢作成手段(例えば、図23中のステップS718に対応)を更に含み、選択された選択肢に応じて前記条件更新手段が前記探索条件を更新することを特徴とする。このような構成によれば、選択肢を選択することによって、グルーピングを容易に実現できる。
【0024】
本発明の請求項25による通信端末は、通信端末のグループに参加するためのグループ参加処理を行う通信端末であって、自端末の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得手段と、自端末のユーザが参加可能なグループを探索するために、前記位置情報取得手段によって取得した位置情報を含むグループサーチ要求を送信するグループサーチ要求送信手段と、自端末のユーザが参加可能なグループに関する参加可能グループ情報を取得する参加可能グループ情報取得手段とを含むことを特徴とする。このような構成によれば、ユーザの位置に応じて、参加可能なグループに関する参加可能グループ情報を取得できる。なお、「位置情報」は、GPSによって取得される位置情報の他、その通信端末の通信の際に利用されるアクセスポイント装置を識別するためのID情報、その通信端末の在圏する無線エリアに対応する無線基地局装置を識別するためのID情報なども含む概念である。
【0025】
本発明の請求項26による通信端末は、請求項25において、グループに参加可能なエリアの大きさに関する広さ情報を指定するための広さ情報指定手段を更に含み、
前記グループサーチ要求送信手段は、更に、前記広さ情報を送信することを特徴とする。このようにすれば、参加可能なグループを見つけやすい広さに、エリアを設定することができる。設定できる広さ情報として、例えば「大」、「小」の2段階が考えられるが、より多段階にエリアを設定できるようにしてもよい。
本発明の請求項27による通信端末は、請求項25または請求項26において、前記参加可能グループ情報取得手段によって取得した参加可能グループ情報を保存する保存手段を更に含むことを特徴とする。このような構成によれば、参加可能グループ情報を端末内で読出すことができるので、処理を迅速に行うことができる。
【0026】
本発明の請求項28による通信端末は、請求項25から請求項27までのいずれか1項において、前記参加可能グループ情報取得手段は、前記参加可能グループ情報と共に、各グループの盛り上がり度合いを示す盛り上がり指数情報を取得し、
前記参加可能グループ情報と共に、前記盛り上がり指数情報を自端末のユーザに提示する提示手段を更に含むことを特徴とする。盛り上がり指数情報を提示すれば、周囲に複数のグループが位置している場合に、参加するグループをユーザが選択する際の目安にすることができる。
【0027】
本発明の請求項29による通信端末は、請求項25から請求項28までのいずれか1項において、前記参加可能グループ情報に基づき、少なくとも参加可能なグループ名を表示する表示手段と、前記表示手段によってグループ名を表示する際、自端末からそのグループまでの距離に応じて該グループ名の表示文字数を制御する表示制御手段とを更に含むことを特徴とする。距離に応じて、グループ名の表示文字数を制御することにより、タイトル名全体を知るためにそれを見たユーザをグループの方向へ誘導することができると考えられる。また、そのグループ方向への移動の際、表示されている文字数により、そのグループまでの距離を感覚的に把握できる。
【0028】
本発明の請求項30による通信端末は、請求項25から請求項29までのいずれか1項において、前記保存手段に保存された参加可能グループ情報によって示される参加可能なグループのうち、ユーザが参加を希望する参加希望グループに関する情報を入力操作するための入力手段と、前記入力手段によって入力された参加希望グループに関する情報を、グループを管理する装置へ送信する送信手段とを更に含むことを特徴とする。このような構成により、参加を希望するグループをユーザの意思で選択することができる。
【0029】
本発明の請求項31による通信端末は、請求項25から請求項29までのいずれか1項において、前記保存手段に保存された参加可能グループ情報によって示される参加可能なグループのうち、自端末が参加すべきグループを所定アルゴリズムに従って決定するグループ決定手段と、前記グループ決定手段によって決定されたグループに関する情報を、グループを管理する装置へ送信する送信手段とを更に含むことを特徴とする。このような構成により、参加すべきグループを所定アルゴリズムに従って適切に選択することができる。
【0030】
本発明の請求項32による通信端末は、請求項25から請求項31までのいずれか1項において、自端末の移動距離および時間経過の少なくとも一方に応じて、自端末の位置に関する情報を、グループを管理する装置へ送信する位置情報送信手段を更に含むことを特徴とする。このように構成すれば、通信端末の位置を、管理装置が把握できる。
本発明の請求項33による通信端末は、請求項25から請求項32までのいずれか1項において、他の通信端末との間でコミュニティを実現するコミュニティ手段を更に含むことを特徴とする。このような構成により、例えば、チャット、掲示板の閲覧や書込み、対戦ゲーム、クーポンの取得など通信端末によるコミュニティを実現することができる。
【0031】
本発明の請求項34による通信端末は、通信端末のグループを作成するためのグループ作成処理を行う通信端末であって、自端末の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報取得手段によって取得された位置情報およびグループ作成要求を、グループを管理する装置へ送信する送信手段と、前記位置情報取得手段によって取得される位置情報を、グループを管理する装置へ送信する必要性を判断する判断手段とを含むことを特徴とする。このように構成すれば、マスタの通信端末の位置を、管理装置が把握できる。なお、「位置情報」は、GPSによって取得される位置情報の他、その通信端末の通信の際に利用されるアクセスポイント装置を識別するためのID情報、その通信端末の在圏する無線エリアに対応する無線基地局装置を識別するためのID情報なども含む概念である。
【0032】
本発明の請求項35による通信端末は、請求項34において、グループに参加可能なエリアの大きさに関する広さ情報を指定するための広さ情報指定手段を更に含み、
前記送信手段は、更に、前記広さ情報指定手段によって指定された広さ情報を、グループを管理する装置に送信することを特徴とする。このようにすれば、メンバがグループに参加しやすい広さに、エリアを設定することができる。
【0033】
本発明の請求項36によるグループ通信システムは、
請求項1から請求項24までのいずれか1項に記載の管理装置と、
請求項25から請求項33までのいずれか1項に記載の通信端末と、
自端末の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報取得手段によって取得された位置情報およびグループ作成要求を、グループを管理する装置へ送信する送信手段とを含み、通信端末のグループを作成するためのグループ作成処理を行う他の通信端末と、
を含むことを特徴とする。この構成によれば、距離的に近くに居る通信端末同士のグループ通信を、完全に同じ時刻に近くに居る場合でなくても実現することができる。なお、「位置情報」は、GPSによって取得される位置情報の他、その通信端末の通信の際に利用されるアクセスポイント装置を識別するためのID情報、その通信端末の在圏する無線エリアに対応する無線基地局装置を識別するためのID情報なども含む概念である。
【0034】
本発明の請求項37によるグループ通信システムは、請求項36において、
前記他の通信端末は、グループに参加可能なエリアの大きさに関する広さ情報を指定するための広さ情報指定手段を更に含み、
前記送信手段は、更に、前記広さ情報指定手段によって指定された広さ情報を、グループを管理する装置に送信することを特徴とする。この構成によれば、距離的に近くに居る通信端末同士のグループ通信を、完全に同じ時刻に近くに居る場合でなくても実現することができ、かつ、メンバがグループに参加しやすい広さに、エリアを設定することができる。
【0035】
本発明の請求項38によるグループ管理方法は、
通信端末の位置情報に基づいて、該通信端末がグループへの参加が可能なエリアである参加可能エリアを決定する参加可能エリア決定ステップと、
少なくとも、前記通信端末の位置情報と、グループへの参加可能期限を示す新規参加締め切り情報と、前記参加可能エリアとに基づき、前記参加可能エリア内に存在し、かつ、参加可能期限内のグループを選択するグループ選択ステップとを含むことを特徴とする。この方法によれば、距離的に近くに居る通信端末同士のグループ通信を、完全に同じ時刻に近くに居る場合でなくても実現することができる。なお、通信端末の「位置情報」は、GPSによって取得される位置情報の他、その通信端末の通信の際に利用されるアクセスポイント装置を識別するためのID情報、その通信端末の在圏する無線エリアに対応する無線基地局装置を識別するためのID情報なども含む概念である。
【0036】
本発明の請求項39による通信端末の制御方法は、通信端末のグループに参加するためのグループ参加処理を行う通信端末の制御方法であって、自端末の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得ステップと、自端末のユーザが参加可能なグループを探索するために、前記位置情報取得ステップにおいて取得した位置情報を含むグループサーチ要求を送信するグループサーチ要求送信ステップと、自端末のユーザが参加可能なグループに関する参加可能グループ情報を取得する参加可能グループ情報取得ステップと、前記参加可能グループ情報取得ステップによって取得した参加可能グループ情報を保存する保存ステップとを含むことを特徴とする。この方法によれば、ユーザの位置に応じて、参加可能なグループに関する参加可能グループ情報を取得できる。なお、「位置情報」は、GPSによって取得される位置情報の他、その通信端末の通信の際に利用されるアクセスポイント装置を識別するためのID情報、その通信端末の在圏する無線エリアに対応する無線基地局装置を識別するためのID情報なども含む概念である。
【0037】
本発明の請求項40による通信端末の制御方法は、通信端末のグループを作成するためのグループ作成処理を行う通信端末の制御方法であって、自端末の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得ステップと、前記位置情報取得ステップにおいて取得された位置情報およびグループ作成要求を、グループを管理する装置へ送信する送信ステップと、前記位置情報取得ステップにおいて取得される位置情報を、グループを管理する装置へ送信する必要性を判断する判断ステップとを含むことを特徴とする。この方法によれば、マスタの通信端末の位置を、管理装置が把握できる。なお、「位置情報」は、GPSによって取得される位置情報の他、その通信端末の通信の際に利用されるアクセスポイント装置を識別するためのID情報、その通信端末の在圏する無線エリアに対応する無線基地局装置を識別するためのID情報なども含む概念である。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、通信端末の位置情報、グループへの参加期限を示す参加締め切り情報、参加可能エリアに基づいてグループを選択することにより、完全に同じ時刻に近くに居る場合でなくてもグループ通信を行うことができ、かつ、その場所を離れてしまった後でもグループ通信を継続できる。
また、同じ場所に居たのだが、同時刻には居なかった(居た時間帯が異なる)ユーザ同士のコミュニケーションも取れるようになる。ここで、例えば、あるユーザが3時にその場所を立ち去って30分後を新規参加締め切り期限とすれば、9時過ぎに同じ場所に居て、全く接点の無いような別のユーザが同一グループに参加することも無くなる。
さらに、嗜好情報が一致する通信端末の探索を行い、かつ、探索結果に応じて探索条件を更新することにより、近場で嗜好情報も合う人とグルーピングを行うことができる。嗜好情報が一致しない場合や、自分の必要とする人数すなわち規定数まで集まらない場合でも、対象範囲を徐々に広げていくことによって、グループを組める確率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において参照する各図では、他の図と同等部分は同一符号によって示されている。
(グループ通信システム)
図1は、本発明の実施形態によるグループ通信システムの構成例を示すブロック図である。同図を参照すると、本実施形態によるグループ通信システムは、サーバとしての機能を有し、グループ通信を実現するための管理装置であるグループ管理サーバ20と、移動機である通信端末40、60と、を含んで構成されている。
【0040】
本例では、グループ通信を行うグループを作成する端末が通信端末40、作成されたグループに参加してグループ通信を行う端末が通信端末60である。以下、説明の都合上、通信端末40を「グループ作成端末40」、通信端末60を「グループ参加端末60」、と呼ぶことがある。グループ作成端末40、及び、グループ参加端末60は、共に、無線通信にてグループ管理サーバ20と通信を行うことが可能となっている。
【0041】
(グループ管理サーバの構成例)
図1において、グループ管理サーバ20は、通信端末40、60それぞれと通信を行うための通信部21と、通信端末によるコミュニティ(例えば、チャット、掲示板の閲覧や書込み、対戦ゲーム、クーポンの取得など)を実現するためのコミュニティ部22と、各通信グループに関連する情報を管理する管理部23と、通信端末からの参加可否判断などを行う判断部24とを備えている。これら各部は、グループ管理サーバ20内のCPU(Central Processing Unit)が、ソフトウェアまたはファームウェアによるプログラムを実行することなどによって実現される。なお、これら各部は、相互に信号の入出力が可能なように接続されている。
【0042】
ここで、図2(a)は、グループ管理サーバ20の機能構成例を示している。同図を参照すると、本例のグループ管理サーバ20は、グループ参加端末60の位置情報に基づいて、そのグループ参加端末60がグループへの参加が可能なエリアである参加可能エリアを決定する参加可能エリア決定手段241と、少なくとも、グループ参加端末60の位置情報と、グループへの参加可能期限を示す新規参加締め切り情報と、参加可能エリアとに基づき、参加可能エリア内に存在し、かつ、参加可能期限内のグループを選択するグループ選択手段242と、参加可能エリア決定手段241によって決定された参加可能エリアに関する情報である参加可能エリア情報と、グループ選択手段242によって選択されたグループに関する情報である参加可能グループ情報とをグループ参加端末60に送信する送信手段211とを備えている。
【0043】
また、本例のグループ管理サーバ20は、グループ作成端末40からグループ作成要求があった際に作成したグループについて、少なくとも、新規参加締め切り情報と、参加可能エリア情報と、そのグループの参加メンバに関する参加メンバ情報とを管理するグループ管理手段231と、グループ管理手段231が管理している情報を更新する更新手段232と、グループへの参加要求に含まれているグループ作成端末40の位置情報に基づき、そのグループへの新規参加可否を判断する新規参加判断手段243とを備えており、グループ管理手段231は、新規参加判断手段243によって参加可能と判断されたメンバに関する情報を、参加メンバ情報として管理する。
【0044】
さらに、本例のグループ管理サーバ20は、各グループの盛り上がり度合いを示す盛り上がり指数情報を算出する盛り上がり指数情報算出手段244と、盛り上がり指数情報算出手段244によって算出された盛り上がり指数情報を、送信する盛り上がり指数情報送信手段212と、通信端末を用いたコミュニティ(例えば、チャット、掲示板の閲覧や書込みなど)を実現するコミュニティ手段221とを備えている。盛り上がり指数については、後述する。
【0045】
なお、図2(a)に示されているように、本例のグループ管理サーバ20においては、送信手段211および盛り上がり指数情報送信手段212が図1中の通信部21に、コミュニティ手段221が図1中のコミュニティ部22に、グループ管理手段231および更新手段232が図1中の管理部23に、参加可能エリア決定手段241、グループ選択手段242、新規参加判断手段243および盛り上がり指数情報算出手段244が図1中の判断部24に、それぞれ対応する。
【0046】
以上のようなグループ管理サーバ20の機能を実現するためには、例えば、図2(b)のようなハードウェア構成を採用すればよい。同図に示されているグループ管理サーバ20は、各種の情報を入力するためのキーボード201およびマウス202と、各種の情報を表示するためのディスプレイ203と、他の装置や端末と信号授受を行うための通信インタフェース204と、各部を制御するためのCPU205と、各種の情報などを記憶するためのメモリ206と、各部を接続して信号授受を実現するためのバス200とを備えている。そして、CPU205がソフトウェアまたはファームウェアによるプログラムを実行することなどにより、上記の各機能を実現することができる。
【0047】
(グループ作成端末の構成例)
図1において、グループ作成端末40は、グループ管理サーバ20と通信を行うための通信部41と、GPS機能などによって自端末の現在位置に関する情報を取得するための位置確認部42と、自端末の現在位置に関する情報をグループ管理サーバ20へ送信する判断を行う判断部43と、各種の情報を入力するための入力部44とを備えている。これら各部は、グループ作成端末40内のCPUが、ソフトウェアまたはファームウェアによるプログラムを実行することなどによって実現される。このプログラムは、グループ作成端末40の製造時にもともと組み込まれていてもよいし、ネットワークを介して別の装置からダウンロードしてもよい。なお、これら各部は、相互に信号の入出力が可能なように接続されている。
【0048】
ここで、図3(a)は、グループ作成端末40の機能構成例を示している。同図を参照すると、本例のグループ作成端末40は、自端末の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得手段421と、位置情報取得手段421によって取得された位置情報およびグループ作成要求を、グループ管理サーバ20へ送信する送信手段411と、位置情報取得手段421によって取得される位置情報を、グループ管理サーバ20へ送信する必要性を判断する判断手段431と、グループに参加可能なエリアの大きさに関する広さ情報を指定するための広さ情報指定手段441とを備えており、通信端末のグループを作成するためのグループ作成処理を行う。
なお、図3(a)に示されているように、本例のグループ作成端末40においては、送信手段411が図1中の通信部41に、位置情報取得手段421が図1中の位置確認部42に、判断手段431が図1中の判断部43に、広さ情報指定手段441が図1中の入力部44に、それぞれ対応する。
【0049】
以上のようなグループ作成端末40の機能を実現するためには、例えば、図3(b)のようなハードウェア構成を採用すればよい。同図に示されているグループ作成端末40は、各種の情報を入力するためのキーパッド401と、各種の情報を表示するためのディスプレイ402と、他の装置や端末と信号授受を行うための通信インタフェース403と、各部を制御するためのCPU404と、各種の情報などを記憶するためのメモリ405と、各部を接続して信号授受を実現するためのバス400とを備えている。そして、CPU404がソフトウェアまたはファームウェアによるプログラムを実行することなどにより、上記の各機能を実現することができる。このプログラムは、グループ参加端末40の製造時にもともと組み込まれていてもよいし、ネットワークを介して別の装置からダウンロードしてもよい。
【0050】
(グループ参加端末の構成例)
図1において、グループ参加端末60は、グループ管理サーバ20と通信を行うための通信部61と、GPS機能などによって自端末の現在位置に関する情報を取得するための位置確認部62と、少なくとも参加可能なグループに関する情報を保存する保存部63と、各種の情報を表示するための表示部64と、各種の情報を入力するための入力部65と、他の通信端末と共にコミュニティを実現するためのコミュニティ部66とを備えている。
【0051】
ここで、図4(a)は、グループ参加端末60の機能構成例を示している。同図を参照すると、本例のグループ参加端末60は、自端末の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得手段621と、自端末のユーザが参加可能なグループを探索するために、位置情報取得手段621によって取得した位置情報を含むグループサーチ要求を送信するグループサーチ要求送信手段611と、自端末のユーザが参加可能なグループに関する参加可能グループ情報を取得する参加可能グループ情報取得手段612と、参加可能グループ情報取得手段612によって取得した参加可能グループ情報を保存する保存手段631とを備え、通信端末のグループに参加するためのグループ参加処理を行う。
【0052】
また、本例のグループ参加端末60は、参加可能グループ情報と共に、盛り上がり指数情報を自端末のユーザに提示する提示手段641と、参加可能グループ情報に基づき、参加可能なグループ名を表示する表示手段642と、表示手段によってグループ名を表示する際、自端末からそのグループまでの距離に応じて該グループ名の表示文字数を制御する表示制御手段643とを備えている。
【0053】
さらに、本例のグループ参加端末60は、保存手段631に保存された参加可能グループ情報によって示される参加可能なグループのうち、ユーザが参加を希望する参加希望グループを入力操作するための入力手段651と、グループに参加可能なエリアの大きさに関する広さ情報を指定するための広さ情報指定手段652と、入力手段651によって入力された参加希望グループに関する情報を、グループ管理サーバ20へ送信する送信手段613とを備えている。参加可能な範囲内に複数のグループがある場合、個々のグループを入力手段651による方向キーで選択できるようにする。これにより、ほぼ同一エリアでグループが重なっていても任意のものを選択できる。また、自端末の周囲のグループを探索する際、参加可能なグループを見つけやすい広さに、エリアを設定することができる。設定できる広さ情報として、例えば「大」、「小」の2段階が考えられるが、より多段階にエリアを設定できるようにしてもよい。
また、本例のグループ参加端末60は、自端末の移動距離および時間経過の少なくとも一方に応じて、自端末の位置に関する情報を、グループ管理サーバ20へ送信する位置情報送信手段614と、他の通信端末との間でコミュニティを実現するコミュニティ手段661とを備えている。
【0054】
なお、図4(a)に示されているように、本例のグループ参加端末60においては、グループサーチ要求送信手段611、参加可能グループ情報取得手段612、送信手段613および位置情報送信手段614が図1中の通信部61に、位置情報取得手段621が図1中の位置確認部62に、保存手段631が図1中の保存部63に、提示手段641、表示手段642および表示制御手段643が図1中の表示部64に、入力手段651および広さ情報指定手段652が図1中の入力部65に、コミュニティ手段661が図1中のコミュニティ部66に、それぞれ対応する。
【0055】
以上のようなグループ参加端末60の機能を実現するためには、例えば、図6(b)のようなハードウェア構成を採用すればよい。同図に示されているグループ参加端末60は、各種の情報を入力するためのキーパッド601と、各種の情報を表示するためのディスプレイ602と、他の装置や端末と信号授受を行うための通信インタフェース603と、各部を制御するためのCPU604と、各種の情報などを記憶するためのメモリ605と、各部を接続して信号授受を実現するためのバス600とを備えている。そして、CPU604がソフトウェアまたはファームウェアによるプログラムを実行することなどにより、上記の各機能を実現することができる。このプログラムは、グループ参加端末60の製造時にもともと組み込まれていてもよいし、ネットワークを介して別の装置からダウンロードしてもよい。
【0056】
(グループ作成時の処理)
グループ作成端末40のユーザは、自分の現在位置にグループを作成することができる。グループを作成したユーザは、そのグループのマスタとなる。
ここでは、上述したグループ通信システムにおけるグループ作成時の処理について、図5を参照して説明する。
同図において、グループ作成端末40の位置確認部42は、端末自身の現在位置情報をGPSによって取得する(ステップS201)。ここで取得した情報は、通信部41に渡される(ステップS202)。通信部41は、無線通信を利用してグループ管理サーバ20の通信部21に対してグループ作成要求の信号に、位置情報およびそのグループへの新規参加締め切り期限情報ならびにグループ参加条件情報を付与して送信する(ステップS203、S204)。
【0057】
グループ管理サーバ20の通信部21は、グループ作成要求の信号を受信すると、管理部23に対して作成要求と位置情報とを送る(ステップS205)。管理部23は作成要求に従い、新しいグループを1つ作成し、受信した位置情報と紐付けて管理する(ステップS206)。
グループ参加条件情報とは、例えば、グループに参加できるエリア、グループに参加可能な年齢および性別、である。グループに参加できるエリアとして、例えば、大きなエリア、または、小さなエリアのいずれか一方を選択できるようにしてもよい。つまり、グループに参加可能なエリアの大きさに関する広さ情報を指定できるようにしてもよい。グループに参加可能なユーザの属性情報、例えば年齢および性別として、R18、全世代可、同性のみ、異性も可、などを選択できるようにしてもよい。
【0058】
(グループ管理テーブル)
グループ管理サーバ20のグループ管理手段には、グループの内容を示す情報がグループ管理テーブルに保持されている。このグループ管理テーブルには、例えば、図6に示されているように、そのグループを識別するためのグループIDと、そのグループのタイトルと、そのグループのマスタとなるユーザを示すマスタ情報と、このグループの中心位置(つまり中心点)の緯度および経度の情報と、そのグループの作成日時と、そのグループの参加条件と、そのグループの参加人数と、参加者に関する情報である参加者情報と、そのグループの広さに関する広さ情報とが登録されている。なお、グループの作成日時は、グループへの参加締め切り期限管理のために利用される。
【0059】
ここで、マスタ情報とは、そのグループを作成したユーザのユーザID、または、後にマスタの引き継ぎが行われた場合には新たにマスタとなったユーザのユーザIDである。
また、参加者情報は、参加者それぞれのID情報である。広さは、そのグループに参加可能なエリアである(例えば、「大」または「小」である)。
参加条件は、そのグループに参加可能な年齢性別条件である。
【0060】
ここで、グループの作成時点では、マスタのみが参加していることになるので、人数は「1」である。つまり、参加者が1名の場合でもグループが形成される。ただし、作成者が自動的には「参加者」にならないようにすることも、可能である。
なお、本例では、グループに参加可能なエリアの形状は円形とする。このため、その円の中心位置の緯度および経度がテーブルに登録される。もっとも、そのエリアの形状は円形ではなく、楕円、三角形、四角形、五角形、六角形などの任意の形状の多角形でもよい。ただし、エリアの形状が円形であれば、その中心位置だけをテーブルに登録すれば済むので、管理がしやすいというメリットがある。
【0061】
(初期登録処理)
ところで、本システムによるグループ通信を行うためには、事前に、ユーザIDの初期登録が必要である。このユーザID情報の初期登録処理について図7を参照して説明する。
同図において、ユーザがグループ作成端末40を操作し、アプリケーションプログラムを起動する(ステップS501a)。すると、入力部44から判断部43へ判断指令が送られ(ステップS501b)、グループ作成端末40自身で管理番号を保持しているか判断される(ステップS502)。ステップS502において、管理番号を保持している場合、すでに登録が完了していることになるので、そのまま処理が終了となる。
【0062】
一方、管理番号を保持していない場合、ID登録依頼画面が表示され(ステップS503)、これを見たユーザは、自己のユーザID情報を入力部44から入力する(ステップS504)。ユーザID情報には、本例では、性別、その他プロフィール情報が含まれている。すると、グループ作成端末40の通信部41を介してグループ管理サーバ20へ、SIM(Subscriber Identity Module)製造番号、ID情報を含むID作成依頼が送信される(ステップS505a、S505b)。
【0063】
この作成依頼を受信したグループ管理サーバ20の通信部61は、ID作成応答をグループ作成端末40に送信する(ステップS506a、S506b)。これを受信したグループ作成端末40の判断部43は、ID作成応答に含まれている管理番号を保持する(ステップS507)。
なお、以上はグループ作成端末40による初期登録処理について説明したが、グループ参加端末60においても同様に初期登録処理が行われる。
【0064】
以上の登録処理の結果、グループ管理サーバ20内に、ユーザID情報が登録される。例えば、図8に示されているように、管理番号、SIM(Subscriber Identity Module)製造番号、性別、その他のプロフィールが、ユーザID情報として登録される。なお、SIMを用いない通信端末の場合は、SIM製造番号の代わりに、その端末の機体番号を登録すればよい。
【0065】
(登録内容の変更)
また、すでに登録されているユーザID情報を変更することも可能である。このユーザID情報の変更登録について図9を参照して説明する。
同図において、ユーザがグループ作成端末40の入力部44を操作することにより、端末の表示画面がプロフィール操作画面に遷移し(ステップS601)、プロフィール入力画面が表示される(ステップS602)。ここで、ユーザがグループ作成端末40を操作することにより、ユーザID情報の少なくとも一部が入力される(ステップS603)。すると、プロフィール確認のための画面がグループ作成端末40に表示される(ステップS604)。次に、ユーザが登録ボタンを押下するなど、登録のための操作が行われるまで待機状態となる(ステップS604→S605…)。
【0066】
ユーザが登録のための操作を行うと、グループ作成端末40の通信部41を介して、グループ管理サーバ20へ、データが送信される(ステップS605→S606a、S606b、S606c)。グループ管理サーバ20では、通信部21においてそれを受信し、管理部23の登録内容を変更する(ステップS607)。そして、通信部21により、照会結果がグループ作成端末40へ送信される(ステップS608a、S608b)。
【0067】
(グループの作成)
ここで、グループ通信を行うためのグループの作成処理について、図10を参照して説明する。
同図において、グループの新規作成ボタン押下操作など、ユーザがグループ作成端末40の入力部44を操作する(ステップS401)。すると、グループ条件設定画面が表示される(ステップS402)。ここで、新規に作成したいグループの条件をユーザが入力することになる。
【0068】
次に、グループ作成端末40の位置確認部42によって、GPSによる位置測位が実行される(ステップS403)。そして、位置測位によって取得されたグループ作成端末40の位置情報(すなわち、緯度および経度)、ユーザID、グループ条件を含むグループ作成依頼が、グループ作成端末40の通信部41によって、グループ管理サーバ20へ送信される(ステップS404a、S404b)。このグループ作成依頼は、グループ管理サーバ20の通信部21によって受信され、判断部24に送られる(ステップS404c)。グループ管理サーバ20の判断部24では、グループへの参加可能エリアの中心点が算出される(ステップS405)。そして、新規に作成されたグループの内容を示す情報が管理部23に送られ(ステップS406)、テーブルに保持される(ステップS407)。テーブルへの保持が完了すると、エリア情報、ユーザ情報を含むグループ作成応答が、グループ管理サーバ20の管理部23から判断部24、通信部21を介してグループ作成端末40へ送信される(ステップS408a、S408b、S408c)。
【0069】
このグループ作成応答は、グループ作成端末40の通信部41によって受信され、判断部43に送られる(ステップS408d)。判断部43では、新規作成中のグループ数(つまり、参加募集中のグループ数)の値が「1」加算される(ステップS409)。新規作成中のグループ数が「0」ではないので、タイマによる計時が開始される(ステップS410→S411)。本例では、タイマの計時値は15分とする。そして、タイマの計時値である15分が経過した場合、GPSによる位置測位が実行される(ステップS412)。そして、位置測位によって取得されたグループ作成端末40の位置情報がグループ管理サーバ20へ通知される(ステップS413a、S413b、S413c)。なお、位置情報の通知後は、GPSトラッキングモードにて自端末の位置を把握し続け、更新される自端末の位置情報を元に、周辺のグループとの距離算出が行われ、距離に従った画面表示が行われる。
【0070】
グループ管理サーバ20においても、グループ作成応答の送信後にタイマによる計時が開始される(ステップS414)。グループ作成後、グループ管理サーバ20では、15分毎に、グループ作成端末40から送信されてくる位置情報通知が確認され、グループ作成端末40が参加可能エリア内に位置していれば、特に処理は行わない。
一方、グループ作成端末40が参加可能エリア内に位置していることが確認できない場合、それが2回連続すると、そのグループへの新規参加を締め切ることとし、新規参加締め切り通知が、グループ管理サーバ20からグループ作成端末40へ送信される(ステップS416、S417a、S417b、S417c)。その後、そのグループの新規参加締め切り処理が行われる(ステップS418)。また、30分経過してもグループ作成端末40から位置情報通知が送られてこない場合も、そのグループの新規参加締め切り処理が行われる(ステップS415→S418)。
【0071】
グループ管理サーバ20から新規参加締め切り通知を受信したグループ作成端末40では、新規作成中グループ数が「1」減算される(ステップS419)。その後、ステップS410に戻り、新規作成中のグループ数が「0」であれば、処理は終了となる。
なお、新規作成中のグループが存在する場合において、グループ作成端末40の電源がオフとなり、その後に電源がオンになることもある。この場合、新規作成中のグループ(つまり、参加募集中のグループ)があるか確認する処理がグループ作成端末40において行われ、新規作成中のグループがあり、かつ、グループ管理サーバ20への位置情報通知を前回送信してから15分以上経過していれば、グループ作成端末40はグループ管理サーバ20へ位置情報通知を直ちに送信する。
【0072】
以上説明したグループ作成端末40によれば、自端末の位置情報をグループ管理サーバ20に送信する必要性を判断する判断部43によって、より実態とあった新規参加締め切り処理が可能となる。すなわち、上記の例では、新規参加受付中のグループを作成したグループ作成端末40は、15分おきにグループ管理サーバ20に自端末の位置情報を送信する。ここで、位置情報を送るタイミングでのみグループ通信のためのアプリケーションを立上げていない場合、グループ作成端末40がエリア内に存在するにもかかわらずグループ管理サーバ20はグループ作成端末40がエリア内にいると判断できずに新規参加締め切りを終了してしまう。しかしながら、作成後20分後にアプリケーションを立ち上げた際に、送信の必要があれば(送信の必要があるのに15分後に送信できていない場合など)、位置情報の送信を行う。
【0073】
(参加可能なグループの探索)
ユーザがグループ探索のための操作を行うと、通信端末の表示画面には、その通信端末によって参加可能なグループが表示される。本例では、その参加可能なグループのタイトルが文字で表現される。タイトルを見ることによって、その内容を判断することができる。
次に、グループ探索時の処理について、図11を参照して説明する。
同図において、グループ参加端末60の位置確認部62は、端末自身の現在位置情報を取得する(ステップS300)。ここで取得した情報は、通信部61に渡される(ステップS301)。通信部61は、無線通信を利用してグループ管理サーバ20の通信部21に対して探索要求の信号を、位置情報を付与して送信する(ステップS302、S303)。
【0074】
グループ管理サーバ20の通信部21は、探索要求の信号を受信すると、判断部24に対して位置情報を含む探索要求を通知する(ステップS304)。判断部24は、グループ参加端末60の位置情報に基づいて、その端末がグループへの参加が可能なエリアである参加可能エリアを決定する(ステップS305)。次に、判断部24は、管理部23にて保存されているグループ情報を確認するため、グループ一覧を問い合わせる(ステップS306)。この問い合わせを受けた管理部23は、保存されているグループ一覧を読出し(ステップS307)、そのグループ一覧を問い合わせに対する応答として判断部24へ送信する(ステップS308)。これにより、判断部24は、全てのグループ情報を取得できる。
【0075】
判断部24は、グループ参加端末60から通知された位置情報と、各グループに付与されている位置情報とを比較し、参加可能なグループに関する情報を選択する(ステップS309)。本例では、予め設定された距離以内に中心位置があるグループ全てに関する情報を、グループ参加端末60に探索応答として返す(ステップS310、S311)。この探索応答は、グループ参加端末60の通信部61によって受信され、保存部63に送られる(ステップS312)。保存部63では、取得された、参加可能なグループに関する情報が保存される(ステップS313)。なお、ステップS309のグループ選択の際、少なくとも、通信端末の位置情報と、グループへの参加可能期限を示す新規参加締め切り情報と、参加可能エリアとに基づき、参加可能エリア内に存在し、かつ、参加可能期限内のグループを選択する。さらに、参加メンバの属性情報、例えば年齢および性別に基づいて、グループを選択してもよい。
【0076】
(盛り上がり指数に応じた表示)
グループによるコミュニティの盛り上がり指数に応じて通信端末でのグループの表示色を変えるようにしてもよい。その場合、盛り上がり指数をグループ管理サーバ20において算出し、この算出された盛り上がり指数を通信端末に送信する。通信端末の表示画面には、受信した盛り上がり指数に対応する色で、そのグループを表示する。例えば、最低指数を「青色」、最高指数を「赤色」として4段階の色で表示する。このように盛り上がり指数を表示すれば、周囲に複数のグループが位置している場合に、参加するグループをユーザが選択する際の目安にすることができる。
【0077】
盛り上がり指数とは、例えば、グループの作成時点から新規参加締め切り期限までの間、5分周期で発行されたコメント数をカウントし、その数によりそのグループの盛り上がり度合いを段階的に指標化したものである。ユーザの利便性を向上させることができる。なお、そのユーザがすでに参加しているグループ(そのユーザがマスタを担当しているグループも含む)についても同様に、盛り上がり指数に対応する色で表示してもよい。
【0078】
(距離に応じたタイトル表示)
通信端末においてグループ名を表示する場合、自端末からグループまでの距離に応じて、タイトルの表示文字数を制御してもよい。
図12は、通信端末の画面表示例を示す図である。例えば、本来、同図(a)のように、グループ名である「グループタイトル1」から「グループタイトル5」が表示される場合において、本例では同図(b)のように自端末からグループまでの距離に応じてそのグループ名の表示文字数を制御する。すなわち、自端末からグループまでの距離が小さい場合(つまり、近くのグループ)は、「グループタイトル1」、「グループタイトル2」のように、グループ名を全て表示する。これに対し、自端末からグループまでの距離が大きい場合(つまり、遠くのグループ)は、同図(b)の「グループタイ???」、「グループタ????」、「グルー??????」のように、グループ名を構成する文字が「?」に置き換えられて表示される。
【0079】
つまり、「グループタイトル3」については3文字が「?」に、「グループタイトル4」については4文字が「?」に、「グループタイトル5」については6文字が「?」に置き換えられて表示される。自端末からグループまでの距離が変化すれば、「?」に置き換えられる文字数が変化する。つまり、本例では、グループに徐々に近づいていく場合、グループ名を表す文字列の前側から段階的に表示されてゆき、最後に文字列すべてが表示されることになる。本例とは逆に、文字列の後側から段階的に表示されてゆき、最後に文字列すべてが表示されるようにしてもよい。また、「?」に置き換える文字の位置は、ランダムな位置にするなど、表示の手法には種々の変形が考えられる。
【0080】
つまり、グループ参加端末60において、自端末からグループまでの距離を取得しており、グループ名を表示する際、自端末からそのグループまでの距離に応じて該グループ名の表示文字数を制御する。
このように、グループ名を表示する際、自端末からそのグループまでの距離に応じて、そのグループ名の表示文字数を制御することにより、タイトル名全体を知るためにそれを見たユーザをグループの方向へ誘導することができると考えられる。また、そのグループ方向への移動の際、表示されている文字数により、そのグループまでの距離を感覚的に把握できる。
【0081】
また、グループ参加端末60において表示文字数を制御する代わりに、グループ管理サーバ20の送信手段211が参加可能なグループ名に関する情報を送信する際、グループ参加端末60からグループまでの距離に応じて表示文字数が予め制御されたグループ名を送信してもよい。グループ管理サーバ20で表示文字数の制御を行うので、グループ参加端末60の処理負荷を軽減できる。この場合、グループ参加端末60で取得した、自端末からグループまでの距離に関する情報をグループ管理サーバ20へ送信し、グループ管理サーバ20では参加可能グループ情報に基づき、参加可能なグループについて、グループ参加端末60からグループまでの距離に応じて表示文字数が制御されたグループ名を作成して通信端末へ送信すればよい。なお、グループ参加端末60からグループまでの距離が変化した場合、変化した距離に応じて表示文字数が再度制御されたグループ名か、変化した距離に対応する文字(例えば、1文字分)に関する情報のみを、グループ管理サーバ20からグループ参加端末60へ送信すればよい。
【0082】
このように、グループ参加端末60からそのグループまでの距離に応じて、そのグループ名の表示文字数を制御することにより、タイトル名全体を知るためにそれを見たユーザをグループの方向へ誘導することができると考えられる。また、そのグループ方向への移動の際、表示されている文字数により、そのグループまでの距離を直感的に把握できる。
【0083】
(マスタの位置の隠蔽)
上述したように、マスタがグループを作成した際、そのグループの参加可能エリア内にいる他のユーザがそのグループへの参加が可能となる。この場合、マスタがグループを作成した位置を中心とするエリアを作成する。
ところで、作成されたグループの中心点をそのまま用いると、グループ作成者すなわちマスタの存在していた位置(移動していなければ存在している位置)が他のユーザに分かってしまう可能性がある。このため、マスタの存在位置を隠蔽するための処理を行うことが望ましい。これを実現するには、グループ管理サーバ20において、以下の処理を行う。すなわち、図13(a)のように、マスタがグループを作成した位置の中心点Pから一定の半径の円を作成する。そして、同図(b)のように、その円の内部の任意の位置に参加可能エリアの中心点Qを作成する。作成する中心点Qは、ランダムな位置とする。したがって、必ず同図(b)のようにずらした位置を中心点Qとする参加可能エリアAが作成されるのではなく、別のある時は同図(c)のようにずれた位置を中心点Q’とする参加可能エリアA’が作成される。
【0084】
(変形例)
(1)以上の説明においては、グループ参加端末60をユーザが操作することによって、参加を希望するグループを入力部65から入力することとしている。ここで、予め定められたアルゴリズムに従って、参加すべきグループを決定するようにしてもよい。この場合、図14に示されているように、判断部67を設ければよい。この場合、グループ参加端末60には、図2中の入力手段651を設けず、図15に示されているように、保存手段631に保存された参加可能グループ情報によって示される参加可能なグループのうち、自端末が参加すべきグループを所定アルゴリズムに従って決定するグループ決定手段671が備えられている。そして、送信手段613は、グループ決定手段671によって決定されたグループに関する情報を、グループ管理サーバ20へ送信する。なお、用いるアルゴリズムとしては、例えば、ユーザの現在位置に最も近いグループを選ぶもの、グループをランダムで選ぶもの、全て選択する、等が考えられる。同図に示されているグループ参加端末60の機能は、例えば、図6(b)を参照してすでに述べたハードウェア構成によって実現することができる。
【0085】
(2)ところで、参加すべきグループを決定する場合、グループ参加端末60ではなく、グループ管理サーバ20において、参加すべきグループを決定してもよい。この場合、図16に示されているように、グループ参加端末60が参加可能なグループのうち、その端末が参加すべきグループを所定アルゴリズムに従って決定するグループ決定手段245と、グループ決定手段245によって決定されたグループに関する情報を、通信端末へ送信する決定グループ情報送信手段213とをグループ管理サーバ20に追加すればよい。この場合も、用いるアルゴリズムとしては、例えば、ユーザの現在位置に最も近いグループを選ぶもの、グループをランダムで選ぶもの、全て選択する、等が考えられる。同図に示されているグループ管理サーバ20の機能は、例えば、図6(b)を参照してすでに述べたハードウェア構成によって実現することができる。
【0086】
(3)また、マスタの役目を引継ぎできるようにしてもよい。すなわち、グループへの参加が締め切られる前に、マスタが脱退のための操作を行うと、そのエリアにいる他のユーザがマスタを引き継ぐことが可能となるようにしてもよい。その場合、新規参加受付中のグループにおいて、グループ作成端末40からグループ管理サーバ20へマスタの脱退要求が送信される。すると、グループ管理サーバ20から、そのグループに参加している他のグループ参加端末60へ、マスタが脱退した旨を通知する。
その後、そのグループの参加者からマスタ登録の依頼を受信すると、グループ管理サーバ20は、そのグループについてのマスタ情報を変更する。これにより、そのユーザのユーザIDが新しいマスタとしてテーブルに保持される(図6参照)。その後の処理は、以上と同様である。
【0087】
(4)上述した実施形態においては、より近くに居る人とのコミュニケーションが望ましいものの、対象範囲を狭めるほど嗜好情報がマッチする人が見つかりにくくなる。そこで、グループを作る場合に、より良い条件(例えば、距離的に近い、嗜好上ぴったり合うなど)のメンバでコミュニケーションを取れるようにグルーピングを行うための変形例について、図17を参照して説明する。
【0088】
同図において、この変形例では、グループ管理サーバ20内に、条件更新部25が追加されている。この条件更新部25は、嗜好が一致する端末の探索を行い、かつ、その探索結果に応じて探索条件の更新処理を行う。この更新処理は、グループ管理サーバ20内のCPUが、ソフトウェアまたはファームウェアによるプログラムを実行することなどによって実現される。この更新処理の具体的内容については、後述する。
【0089】
図18は、図17のグループ通信システムにおける、グループ管理サーバ20、グループ作成端末40、および、グループ参加端末60の処理例を示すシーケンス図である。
同図において、最初に、グループ管理サーバ20の管理部23に、各通信端末(グループ参加端末60)のタグ情報が保存される(ステップS700)。このタグ情報は、端末のユーザの嗜好情報などである。このタグ情報は、端末の識別子と対応付けられて、管理部23に保存される。
【0090】
この状態において、グループ作成端末40の位置確認部42は、端末自身の現在位置情報をGPSによって取得する(ステップS701)。ここで取得した情報は、通信部41に渡される(ステップS702)。通信部41は、無線通信を利用してグループ管理サーバ20の通信部21に対してグループ作成要求の信号に、位置情報およびそのグループへの新規参加締め切り期限情報ならびにグループ参加条件情報、さらには最大隔離距離およびタグ情報を付加して送信する(ステップS703、S704)。なお、グループ作成端末40のタグ情報については、グループ作成要求の信号に付加されてグループ管理サーバ20に送信されてもよいし、グループ管理サーバ20の管理部23に予め保存されていてもよい。
【0091】
グループ管理サーバ20の通信部21は、グループ作成要求の信号を受信すると、判断部24に対して位置要求の送信先とする端末を決定するための位置要求端末決定依頼を送る(ステップS705)。判断部24は、グループ作成端末40を中心とし最大隔離距離を半径とする範囲内に、タグ情報の一致する端末が存在するか否かについて探索処理を行う(ステップS706)。この探索処理を行う場合、判断部24から管理部23へのアクセスが行われ、グループ作成端末40からのグループ作成要求に付加されていたタグ情報に一致するタグ情報に対応付けられている端末の識別子が取得される(ステップS706’)。
【0092】
判断部24は、探索結果すなわち取得された識別子を通信部21へ送る(ステップS707)。判断部24は、受取った探索結果すなわち識別子を有する通信端末について、現在の位置情報を取得するため、その端末(すなわち、グループ参加端末60)へ探索要求を送信する(ステップS708)。この探索要求は、グループ参加端末60の通信部61によって受信される。そして、グループ参加端末60の通信部61は、位置確認部62へ位置情報要求を送る(ステップS709)。
【0093】
グループ参加端末60の位置確認部62は、端末自身の現在の位置情報をGPSによって取得する(ステップS710)。ここで取得された位置情報は、通信部61に渡される(ステップS711)。通信部61は、無線通信を利用してグループ管理サーバ20の通信部21に対して位置情報通知を送信する(ステップS713)。図示せぬ他のグループ参加端末においても同様の処理が行われ、端末自身の位置情報が位置情報通知としてグループ管理サーバ20の通信部21に送信される。
【0094】
グループ管理サーバ20の通信部21は、各端末から位置情報通知を受取ると、それを判断部24に送る(ステップS714)。各端末からの位置情報を受取った判断部24は、グループ作成端末40およびグループ参加端末60によってグループの作成が可能かどうか判定する処理を行う(ステップS715)。この場合、タグ情報の一致するグループ参加端末が、グループ作成端末40を中心とし最大隔離距離を半径とする範囲内に規定数(つまり嗜好情報が一致する通信端末の目標数)以上存在するか否かを判定する。この規定数は、例えば「3」とする。上記距離を半径とする範囲内に、タグ情報の一致するグループ参加端末が規定数以上存在する場合はグループの作成が可能であり、規定数未満の場合はグループの作成が不可能である。
【0095】
ステップS715の判定の結果、グループの作成が可能であれば、タグ情報の一致するグループ参加端末の識別子をグループ管理サーバ20内の管理部23に保存することによって、グループが作成される(ステップS715→S716)。
一方、判定の結果、グループの作成が不可能であれば、判断部24から条件更新部25へその旨が通知される(ステップS715→S717)。この通知を受取った条件更新部25は、判断部24による探索処理のための条件を更新する、条件更新処理を行う(ステップS718)。例えば、最大隔離距離や嗜好条件を変更し、新たな探索条件とする。この条件更新処理の終了後、ステップS706へ戻り、上記と同様の処理が繰返し行われる。上記と同様の処理が繰返し行われることにより、グループが作成できるか再度判断される。
【0096】
条件更新処理は、最大隔離距離と嗜好条件との少なくとも一方を変更することによって行われる。本例においては、嗜好情報が階層構造になっているとする。例えば、第1階層から第4階層までの4つの階層構造であり、第1階層が「スポーツ」の場合、第2階層が「野球」等の種目、第3階層がチーム名、第4階層がそのチームに所属している選手名、である。階層は4つに限定されず、これより多くてもよいし、少なくてもよい。
【0097】
このような階層構造になっている嗜好情報について、例えば、次の(a)から(e)のアルゴリズムに従い、最大隔離距離や嗜好条件を更新した後、探索が再度行われる。以下、これらのアルゴリズムについて説明する。
(a)階層を機械的に上げて探索
距離を固定し、階層を最下層から機械的に順次上げて探索していく。例えば、特定の選手名(すなわち最下層)で探索した結果、嗜好情報が一致する通信端末の数が規定数以上存在しなかった場合、チーム名、野球、スポーツ、の順に階層を上げて探索を順次行う。この探索のアルゴリズムについて、図19を参照して説明する。
【0098】
同図に示されているように、最初に、距離を固定値に、嗜好情報の階層を最下層に、それぞれ設定する(ステップS801)。この条件で探索処理を行う(ステップS802)。探索の結果、嗜好情報が一致する通信端末の数が規定数に達しなければ(規定数以上でなければ)、嗜好情報の階層を1段階上げる(ステップS803→S804)。このように更新された探索条件で探索処理を再度行う(ステップS802)。以下、探索条件の更新と探索処理とを繰返し行う。
そして、探索の結果、嗜好情報が一致する通信端末の数が規定数に達した場合、それら通信端末によってグループを作成する(ステップS803→S805)。
【0099】
(b)距離、階層を順に変えて探索
距離を伸ばしていき、嗜好情報が一致する通信端末が規定数に達しなければ、嗜好情報の階層を上げて距離を再度縮めてから探索していく。この探索のアルゴリズムについて、図20を参照して説明する。
同図に示されているように、最初に、距離を初期値に、嗜好情報の階層を最下層に、それぞれ設定する(ステップS901)。この条件で探索処理を行う(ステップS902)。探索の結果、嗜好情報が一致する通信端末の数が規定数に達しなければ(規定数以上でなければ)、設定した距離が所定値に達したか判断される(ステップS903→S904)。設定した距離が所定値に達していなければ、距離の設定値を上げた後(ステップS904→S905)、探索処理を再度行う(ステップS905→S902)。以下、探索条件(距離の設定値)の更新と探索処理とを繰返し行う。そして、設定した距離が所定値に達した場合、距離を初期値に設定し、かつ、嗜好情報の階層を1段階上げた後(ステップS904→S906)、探索処理を再度行う(ステップS906→S902)。以後、距離、階層を、同様に更新して探索処理を繰返し行う。
【0100】
ステップS902の探索の結果、嗜好情報が一致する通信端末の数が規定数に達した場合、それら通信端末によってグループを作成する(ステップS903→S907)。
なお、以上説明した(b)の場合、嗜好情報の優先度を高くしているため、優先度の低い距離の値を変更しつつ探索を繰返し行っている。これとは逆に、先述した(a)の場合、距離の優先度を高くしているため、嗜好情報の階層を変更しつつ探索を繰返し行っている。嗜好情報、距離のいずれの優先度を高くするかについて、グループ作成端末から指示できるようにしてもよい。これを実現するには、いずれの優先度を高くするかについての指示情報を、グループ作成端末からのグループ作成要求(図18中のステップS704)に付加して送信すればよい。
【0101】
(c)近似曲線を作成して予測した距離を設定して探索
距離を何度か伸ばしてそれぞれ集まる人数(つまり嗜好情報が一致する通信端末数)を調べた後、距離と人数との関係について近似曲線を作成することによって予測し、グループを構成する目標人数(つまり嗜好情報が一致する通信端末の目標数)を達成できそうな距離まで一気に伸ばす。この探索のアルゴリズムについて、図21を参照して説明する。
同図に示されているように、最初に、距離を初期値に、嗜好情報の階層を固定値に、それぞれ設定する(ステップS101)。この条件で探索処理を行う(ステップS102)。探索の結果、嗜好情報が一致する通信端末の数が規定数に達しなければ(規定数以上でなければ)、嗜好情報が一致している通信端末の数を設定されている距離の値と共に記憶する(ステップS103→S104)。
【0102】
上記ステップS102からステップS104までの処理を、距離の値を上昇させて、その上昇回数が規定値に達するまで行う(ステップS104→S105→S106…)。距離の値の上昇回数が規定値に達した場合、記憶しておいた、嗜好情報が一致している通信端末の数および設定されている距離の値に基づき、距離と集まる人数との関係について近似曲線を作成する(ステップS105→S107)。そして、作成された近似曲線に基づき、距離と集まる人数との関係について予測し、目標人数を達成できそうな距離まで一気に伸ばした距離を設定する(ステップS108)。この距離の設定後、さらに探索処理を行う(ステップS108→S102)。
そして、探索の結果、嗜好情報が一致する通信端末の数が規定数に達した場合、それら通信端末によってグループを作成する(ステップS103→S109)。
【0103】
(d)過去の統計情報を利用して探索
同じタグ情報を持つ通信端末(すなわち嗜好情報が一致する通信端末)が規定数に達するために過去どの程度まで距離を伸ばしたかという統計情報を用いて、距離を設定する。そして、この設定された距離で探索処理を行う。探索の結果、嗜好情報が一致する通信端末の数が規定数に達した場合、それら通信端末によってグループを作成する。
【0104】
(e)人口密度に基づき、距離を設定して探索
同じタグ情報を持つ通信端末(すなわち嗜好情報が一致する通信端末)の人口密度から、グループを構成する目標人数(つまり嗜好情報が一致する通信端末の目標数)を達成するために必要な面積を計算し、それに基づき上記目標人数を達成できそうな距離を算出し、それを最大隔離距離として設定する。そして、この設定された距離で探索処理を行う。探索の結果、嗜好情報が一致する通信端末の数が目標人数に達した場合、それら通信端末によってグループを作成する。
【0105】
以上のように、嗜好情報が一致する通信端末の探索を行い、かつ、探索結果に応じて探索条件を更新することにより、近場で嗜好情報も合う人とグルーピングを行うことができる。嗜好情報が一致しない場合や、自分の必要とする人数すなわち規定数まで集まらない場合でも、対象範囲を徐々に広げていくことによって、グループを組める確率を高めることができる。
【0106】
(5)上記(4)の変形例として、条件更新部をグループ管理サーバに設けるのではなく、グループ作成端末に設けてもよい。これを実現するには、図22に示されているように、条件更新部45をグループ作成端末40に設ける。そして、図23に示されているように、グループ作成端末40において、条件更新処理を行う。すなわち、ステップS715の探索の結果、嗜好情報が一致する通信端末の数が規定数に達しない場合に、それをグループ作成端末40に通知する(ステップS717a、S717b、S717c)。グループ作成端末40において手動入力などによって探索条件の更新処理が行われると(ステップS718)、その探索条件がグループ管理サーバに送信される(ステップS719a、S717a、S719c、S719d)。探索条件を更新するには、例えば、嗜好情報の内容や、距離の情報の一部を手動で入力できるようにすればよい。
【0107】
更新された探索条件を受取ったグループ管理サーバ20では、その条件に従って探索処理が行われる(ステップS720)。ステップS720の探索の結果、嗜好情報が一致する通信端末の数が規定数に達しない場合は、同様の処理が繰返し行われる(ステップS715’、S717a’〜S717c’、S718’)。
なお、図23中のステップS701〜S714については、既に述べた図18の場合と同様であるため、図示およびその説明を省略している。
【0108】
(6)ところで、図23中の探索条件の更新処理(ステップS718)において、探索条件を手動入力する代わりに、探索条件の選択肢をグループ作成端末40の画面に表示して提示し、それを選択できるようにしてもよい。この場合、例えば、嗜好情報の内容自体、距離の値、についての選択肢をグループ管理サーバにおいて作成し、それをグループ作成端末に提示し、ユーザに選択させればよい。また、階層化された嗜好情報の上位概念を、グループ管理サーバから予め取得しておき、グループ作成端末が選択肢を作成してもよい。
【0109】
この選択肢の例について、図24を参照して説明する。同図(a)は、階層化された嗜好情報について、ユーザに詳細に選択させる場合の画面表示例を示す図である。同図(a)の最初の画面表示SS1において、探索条件のうち、変更を許容するものについて、ユーザに選択させる。本例では、「変更しても良いものを選択して下さい」と表示し、それに加えて選択肢として「距離(現在:200m以内)」、「嗜好(現在:津軽りんご好き)」と表示している。この最初の画面表示SS1において、一方が選択された場合、次の画面表示に移行する。例えば、嗜好に関する選択肢すなわち「嗜好(現在:津軽りんご好き)」がユーザによって選択された場合、次の画面表示SS2に変わる。
【0110】
本例の画面表示SS2では、「広げる嗜好を選んでください」と表示し、5つの選択肢を表示している。すなわち、「1階層上(りんご好き)」、「1階層上(津軽好き)」、「2階層上(果物好き)」、「2階層上(青森好き)」、「3階層上(東北好き)」という選択肢を表示している。つまり、本例の場合、「津軽りんご好き」の上の階層として「りんご好き」および「津軽好き」が設定されている。そして、「りんご好き」の上の階層として「果物好き」が、「津軽好き」の上の階層として「青森好き」、さらにその上の階層として「東北好き」が、がそれぞれ設定されている。このため、これら表示された選択肢のうち、ユーザに選択されたものを条件として、グループ管理サーバ20において再探索が行われる。
なお、画面表示SS1において、距離に関する選択肢すなわち「距離(現在:200m以内)」が選択された場合、距離の数値について選択肢を与える画面表示に移行する。
【0111】
一方、同図(b)は、ユーザに簡単に選択させる場合の画面表示例を示す図である。同図(b)の最初の画面表示SS1は、同図(a)の最初の画面表示と同じである。この最初の画面表示SS1において、一方が選択された場合、グループ管理サーバ20において条件を変更し、変更された条件についてグループ管理サーバ20において再探索が行われる。例えば、嗜好に関する選択肢すなわち「嗜好(現在:津軽りんご好き)」がユーザによって選択された場合、1つの上の階層である「りんご好き」か「津軽好き」が新たな探索条件として設定され、グループ管理サーバ20において再探索が行われる。また、2つ上の階層である、「果物好き」か「青森好き」が新たな探索条件として設定され、グループ管理サーバ20において再探索が行われるようにしてもよい。
なお、同図(a)の場合と同様に、画面表示SS1において、距離に関する選択肢すなわち「距離(現在:200m以内)」が選択された場合、距離の数値について選択肢を与える画面表示に移行する。
【0112】
上記のように選択肢を与える場合において、ユーザによる選択の判断要素となる事項として、その選択肢を選択すると増加する人数(つまり増加すると予想される人数)を画面に表示してもよい。このようにすれば、ユーザが選択肢を適切に選択できると考えられる。この場合、増加する人数については、過去の統計情報などを参照してグループ管理サーバ20において事前に計算しておき、その計算結果を選択肢と共にグループ作成端末に送信すればよい。
【0113】
(7)さらに、作成したいグループの規模に対応する選択肢を提示してもよい。例えば、30以上の通信端末によるグループを作成するための条件、50以上の通信端末によるグループを作成するための条件、について選択肢をグループ管理サーバにおいて作成し、それをグループ作成端末に提示し、ユーザに選択させればよい。この場合、選択された選択肢に応じて、探索条件が更新され、更新された探索条件による探索が行われることになる。
【0114】
(8)上記では、選択肢に対する増加人数を、過去の統計情報などを参照して計算する場合について説明したが、探索を実際に行った結果を選択肢と共にグループ作成端末に送信してもよい。
この場合、グループ管理サーバ宛に探索要求を事前に送信し、その探索結果をグループ管理サーバから取得すればよい。この処理について、図25を参照して説明する。すなわち、同図に示されているように、グループ管理サーバ20の判断部24が、グループ作成端末40およびグループ参加端末60によってグループの作成が可能かどうか判定する処理を行い(ステップS721)、グループの作成が不可能であれば再探索を行う(ステップS722)。この再探索の結果に基づき、判断部24は、選択肢を作成する(ステップS723)。そして、その選択肢およびそれを選んだ場合に増加する人数に関する情報がグループ作成端末40へ送信される(ステップS724a、S724b、S724c)。
【0115】
選択肢およびそれを選んだ場合に増加する人数に関する情報を受信したグループ作成端末40では、それらを画面表示するなどの処理が行われ、選択肢および増加人数がユーザに提示される(ステップS725)。提示された選択肢がユーザによって選ばれると(ステップS726)、選ばれた選択肢がグループ管理サーバ20の判断部24に送信される(ステップS727a、S727b、S727c)。
【0116】
選ばれた選択肢を受信したグループ管理サーバ20では、選ばれた選択肢について再探索が行われた後(ステップS728)、グループの作成が可能かどうか判定される(ステップS729)。ステップS729の判定の結果、グループの作成が可能であれば、タグ情報の一致するグループ参加端末の識別子をグループ管理サーバ20内の管理部23に保存することによって、グループが作成される(ステップS729→S730)。
一方、判定の結果、グループの作成が不可能であれば、上記と同様に処理が繰返し行われる。
以上のように、探索を実際に行い、その結果を選択肢と共にユーザに提示することにより、グループの作成可能性について統計情報を参照するよりも正確かつ確実な選択肢をユーザに提示できる。
【0117】
(9)上記は、GPS機能によって取得した位置を、通信端末の位置情報とする場合について説明したが、無線LAN(Local Area Network)アクセスポイント装置(以下、APと略称する)の位置や基地局の位置を通信端末の位置情報として利用することもできる。
APにはユニークな識別情報が付与されているので、この識別情報はその通信端末が通信可能な状態にあるAPを特定することになる。つまり、APの識別情報は、通信端末の位置情報として扱うことができる。そして、同じAPと直接通信可能な状態にある2つの通信端末は、そのAPの位置を中心とする一定の距離内に位置しているとみなして、このことをグループ作成に利用することができる。
【0118】
2つの通信端末それぞれが異なるAPと直接通信可能な場合であっても(つまり直接通信可能なAPの識別情報が一致しない場合でも)、それらAPの位置が近いことをグループ管理サーバが認識していれば、それら通信端末についてグループを作成するようにしてもよい。その場合、互いに近い位置にあるAPに関する情報をグループ管理サーバが認識し、グループ作成などの管理をグループ管理サーバが行うことになる。
【0119】
また、携帯電話機による通信を実現するための無線基地局装置(以下、無線基地局と呼ぶ)にもユニークな識別情報が付与されているので、この識別情報はその携帯電話機の在圏するエリア(すなわち、在圏位置)を特定することになる。つまり、通信端末が携帯電話機である場合、無線基地局の識別情報は、通信端末の位置情報として扱うことができる。そして、同じ無線基地局と直接通信可能な状態にある2つの通信端末は、その無線基地局の位置を中心とする一定の距離内に位置しているとみなして、このことをグループ作成に利用することができる。
【0120】
2つの通信端末それぞれが異なる無線基地局と直接通信可能な場合であっても(つまり直接通信可能な無線基地局の識別情報が一致しない場合でも)、それら無線基地局の位置が近いことをグループ管理サーバが認識していれば、それら通信端末についてグループを作成するようにしてもよい。その場合、互いに近い位置にある無線基地局に関する情報をグループ管理サーバが認識し、グループ作成などの管理をグループ管理サーバが行うことになる。
【0121】
このように、APの位置や無線基地局の位置を通信端末の位置情報として利用すれば、GPS機能を利用する場合よりも電力消費が少なくて済むので、通信端末の電源であるバッテリの消費を抑えることができる。また、GPS機能を有していない通信端末を、上述したグループ作成端末やグループ参加端末として用いることができる。
具体的な処理の内容について、図26を参照して説明する。同図は、グループ作成端末40、グループ作成端末40が通信を行うために利用するAP30およびグループ管理サーバ20の信号授受を示すシーケンス図である。
【0122】
同図において、グループ作成端末40の通信部41による、グループ管理サーバ20との通信に、AP30が利用される(ステップS1001、S1002)。グループ作成端末40からの信号がグループ管理サーバ20の通信部21によって受信されると、管理部23により、APの識別情報であるID情報がその信号から抽出される(ステップS1004)。管理部23によって抽出されたID情報は、上述したように、グループ作成端末40の位置情報として扱うことができる。
【0123】
この位置情報は、グループ管理サーバ20の管理部23から通信部21、AP30を順に介して、グループ作成端末40に送られる(ステップS1005、S1006、S1007)。この位置情報は、グループ作成端末40の通信部21から位置確認部42に送られる(ステップS1008)。
位置確認部42では、受取った位置情報について、自端末の前回の位置(つまり利用していたAPのID情報)と一致しているか判断される(ステップS1009)。この結果、前回の位置と一致していると判断された場合は、位置が変更されていないため、そのまま処理は終了となる(ステップS1009→S1010)。
【0124】
一方、前回の位置と一致していないと判断された場合は、位置が変更されたため、グループ管理サーバ20への位置登録処理が行われる(ステップS1009→S1011)。これにより、位置情報登録のための位置登録信号が、グループ作成端末40の通信部41、AP30、グループ管理サーバ20の通信部21を順に経由して、管理部23に送られる(ステップS1012、S1013、S1014)。そして、管理部23において、新たな位置情報が登録され、管理される(ステップS1015)。
【0125】
以上の処理を常時行うことにより、グループ作成端末40においてGPS機能を利用する必要がなくなり、端末の電源であるバッテリの消費を抑えることができる。また、GPS機能を有していない通信端末をグループ作成端末として用いることができる。
同様に、グループ参加端末60についても、図27のように、通信部61による、グループ管理サーバ20との通信に、AP30が利用され(ステップS1101、S1102)、AP30のID情報が抽出されてグループ参加端末60の位置情報として扱われることにより、管理部23に位置情報が登録され、管理される(ステップS1103〜S1115)。 以上の処理を常時行うことにより、グループ参加端末60においてGPS機能を利用する必要がなくなり、端末の電源であるバッテリの消費を抑えることができる。また、GPS機能を有していない通信端末をグループ参加端末として用いることができる。
【0126】
APの代わりに無線基地局を利用する場合、図28のように、グループ作成端末40による、グループ管理サーバ20との通信に、無線基地局50が利用され(ステップS1211、S1102)、無線基地局50のID情報が抽出されてグループ作成端末40の位置情報として扱われることにより、管理部23に位置情報が登録され、管理される(ステップS1203〜S1215)。 以上の処理を常時行うことにより、グループ作成端末40においてGPS機能を利用する必要がなくなり、端末の電源であるバッテリの消費を抑えることができる。また、GPS機能を有していない通信端末をグループ作成端末として用いることができる。
【0127】
グループ参加端末60についても、図29のように、通信部61による、グループ管理サーバ20との通信に、無線基地局50が利用され(ステップS1301、S1302)、無線基地局50のID情報が抽出されてグループ参加端末60の位置情報として扱われることにより、管理部23に位置情報が登録され、管理される(ステップS1303〜S1315)。 以上の処理を常時行うことにより、グループ参加端末60においてGPS機能を利用する必要がなくなり、端末の電源であるバッテリの消費を抑えることができる。また、GPS機能を有していない通信端末をグループ参加端末として用いることができる。
【0128】
(10)上記(9)では、グループ管理サーバにおいて、APの識別情報や無線基地局の識別情報を、通信端末の位置情報として扱い、管理している。この位置情報やグループの管理は、グループ管理サーバではなく、APや無線基地局において行ってもよい。この場合、グループの作成処理やグループに参加する通信端末の管理を行う管理部を、AP内に設ける必要がある。
【0129】
APがグループ作成処理を行う場合の手順について、図30を参照して説明する。同図は、グループ作成端末40とAP30との間における信号授受を示すシーケンス図である。
同図において、グループ作成端末40内の通信部41からグループ作成要求がAP30に向けて送信されると、AP30内の通信部31によって受信される(ステップS1401)。AP30内では、通信部31から管理部32へグループ作成要求が入力され(ステップS1402)、グループが作成される(ステップS1403)。グループの作成処理は、すでに述べた内容と同様である。その後、APによるグループ管理が開始される(ステップS1404)。
【0130】
また、図31は、グループへの参加を希望するグループ参加端末60とAP30との間における信号授受を示すシーケンス図である。同図において、グループへの参加を希望するグループ参加端末60内の通信部61において、送信処理が行われると(ステップS1501)、グループについての探索要求がAP30に向けて送信される(ステップS1502)。この探索要求は、AP30内の通信部31によって受信され、管理部32へ送られる(ステップS1503)。
【0131】
すると、管理部32においては、保存されているグループ一覧が読出される(ステップS1504)。この読出された内容は、探索応答としてグループ参加端末60に向けて送信される(ステップS1505、S1506)。この探索要求を受け取ったグループ参加端末60では、通信部61から保存部63へ保存要求が送られ(ステップS1507)、グループ一覧に関する情報が保存部63に保存される(ステップS1508)。以上の処理により、グループ参加端末60は、グループ情報を取得できる。
【0132】
グループ作成端末40が移動し、グループ作成時とは異なるAPと通信可能な状態になった場合、新たに通信可能になったAPがグループを管理する。つまり、そのグループを管理するAPの変更が行われる。この処理について、図32を参照して説明する。同図には、グループ作成端末40、グループ管理サーバ20、AP30およびAP30’における信号授受を示すシーケンス図である。同図において、AP30の通信部31からグループ作成端末40に向けて位置情報(つまり利用しているAPのID情報)が送信される(ステップS1601)。この位置情報は、グループ作成端末40の通信部21から判断部43に送られる(ステップS1602)。
【0133】
判断部43では、受取った位置情報に基づき、自端末が通信を行っているAPが変更されたか判断する(ステップS1603)。この場合、AP30の通信部31から受取った位置情報が、自端末の前回の位置(つまり元々利用されていたAPのID情報)と一致しているか判断される。
この結果、前回の位置と一致していると判断された場合は、位置が変更されていないため、そのまま処理は終了となる(ステップS1603→S1604)。
【0134】
一方、前回の位置と一致していないと判断された場合は、位置が変更されたため、グループ管理サーバ20への変更登録処理が行われる(ステップS1605→S1606、S1607)。これにより、グループ管理サーバ20の管理部23において、APに関する変更処理(つまり位置の変更登録)が行われる(ステップS1608)。
【0135】
その後、グループ作成端末40が新たに利用するAP30’によるグループ管理が開始されるための処理が行われる。この処理においては、最初に、元々利用されていたAP30の管理内容を抽出する要求が送信される(ステップS1609)。この要求は、AP30内の通信部31を介して管理部32に送られる(ステップS1609、S1610、S1611)。管理部32では、グループ作成端末40によって作成されたグループに関する管理内容が抽出される(ステップS1612)。この抽出された管理内容は、グループ管理サーバ20の管理部23へ送られる(ステップS1613、S1614、S1615)。
【0136】
グループ管理サーバ20の管理部23では、AP30、AP30’への通知処理が行われる(ステップS1616)。まず、グループ作成端末40が新たに利用するAP30’に向けて、通知処理が行われる(ステップS1617、S1618、S1619)。これにより、AP30’において、そのグループに関する管理が開始される(ステップS1620)。
また、その通知処理と同時、または前後して、グループ作成端末40が元々利用していたAP30に向けて、通知処理が行われる(ステップS1617、S1621、S1622)。これにより、AP30において、そのグループに関する管理が終了となる(ステップS1623)。
【0137】
図30〜図32を参照して説明したグループ通信システムの構成は、例えば、図33のようになる。同図のグループ通信システムは、グループ管理サーバ20と移動機である通信端末40および60との間に、AP30および30’が設けられた構成である。AP30は、通信部31、管理部32を備えている。また、AP30’は、通信部31’、管理部32’を備えている。
【0138】
なお、以上はAPにおいてグループの管理を行う場合について説明したが、無線基地局においてグループの管理を行うことができることは明らかである。その場合、図30〜図32を参照して説明した処理において、APの代わりに、無線基地局が利用され、上記と同様の処理が行われる。無線基地局を利用して上記と同様の処理を行う場合の構成は、例えば、図34のようになる。同図のグループ通信システムは、グループ管理サーバ20と移動機である通信端末40および60との間に、無線基地局50および50’が設けられた構成である。無線基地局50は、通信部51、管理部52を備えている。また、無線基地局50’は、通信部51’、管理部52’を備えている。通信部51および51’は、図30〜図32中の通信部31に対応する機能を有している。また、管理部52および52’は、図30〜図32中の管理部32に対応する機能を有している。
【0139】
(グループ管理方法)
ところで、上述したグループ通信システムにおいては、以下のようなグループ管理方法が実現されている。すなわち、グループ参加端末60の位置情報に基づいて、該端末がグループへの参加が可能なエリアである参加可能エリアを決定する参加可能エリア決定ステップ(図11中のステップS305に対応)と、少なくとも、前記グループ参加端末60の位置情報と、グループへの参加可能期限を示す新規参加締め切り情報と、前記参加可能エリアとに基づき、前記参加可能エリア内に存在し、かつ、参加可能期限内のグループを選択するグループ選択ステップ(図11中のステップS309に対応)とを含むグループ管理方法が実現されている。
この方法によれば、距離的に近くに居る通信端末同士のグループ通信を、完全に同じ時刻に近くに居る場合でなくても実現することができる。
【0140】
(通信端末の制御方法)
また、上述したグループ参加端末60においては、以下のような制御方法が採用されている。すなわち、グループ参加端末60のグループに参加するためのグループ参加処理を行うグループ参加端末60の制御方法であり、自端末の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得ステップ(図11中のステップS301に対応)と、自端末のユーザが参加可能なグループを探索するために、前記位置情報取得ステップにおいて取得した位置情報を含むグループサーチ要求を送信するグループサーチ要求送信ステップ(図11中のステップS303、S304に対応)と、自端末のユーザが参加可能なグループに関する参加可能グループ情報を取得する参加可能グループ情報取得ステップ(図11中のステップS311に対応)と、前記参加可能グループ情報取得ステップによって取得した参加可能グループ情報を保存する保存ステップ(図11中のステップS313に対応)とを含む制御方法が採用されている。
【0141】
この制御方法によれば、ユーザの位置に応じて、参加可能なグループに関する参加可能グループ情報を取得できる。
さらに、上述したグループ作成端末40においては、以下のような制御方法が採用されている。すなわち、グループ作成端末40のグループを作成するためのグループ作成処理を行う通信端末の制御方法であり、自端末の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得ステップ(図10中のステップS403に対応)と、前記位置情報取得ステップにおいて取得された位置情報およびグループ作成要求を、グループを管理する装置へ送信する送信手段(図10中のステップS404bに対応)と、前記位置情報取得ステップにおいて取得される位置情報を、グループを管理する装置へ送信する必要性を判断する判断ステップ(図10中のステップS411などに対応)とを含む制御方法が採用されている。この方法によれば、マスタが使用するグループ作成端末40の位置を、管理装置が把握できる。
【0142】
(まとめ)
以上説明したように、本発明においては、通信端末の位置情報と、グループへの参加可能期限を示す新規参加締め切り情報と、参加可能エリアとに基づいて、グループ参加可能エリア内に存在し、かつ、参加可能期限内のグループを選択して通信端末へ通知するので、完全に同じ時刻に近くに居る場合でなくてもグループ通信を行うことができ、かつ、その場所を離れてしまった後でもグループ通信を継続できる。
また、同じ場所に居たのだが、同時刻には居なかった(居た時間帯が異なる)ユーザ同士のコミュニケーションも取れるようになる。ほぼ同じ時刻で同じ場所に居れば、ユーザの一体感はあるだろうと考えられるので、バーゲン会場での戦利品情報交換などに、本発明を利用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0143】
本発明は、ユーザの位置情報を用いたグループの生成、生成したグループによるコミュニティの実現に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】本発明の実施形態によるグループ通信システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】(a)はグループ管理サーバの機能構成例を示す図、(b)は(a)の機能を実現するためのハードウェア構成例を示す図である。
【図3】(a)はグループ作成端末の機能構成例を示す図、(b)は(a)の機能を実現するためのハードウェア構成例を示す図である。
【図4】(a)はグループ参加端末の機能構成例を示す図、(b)は(a)の機能を実現するためのハードウェア構成例を示す図である。
【図5】図1のグループ通信システムにおけるグループ作成時の処理を示すシーケンス図である。
【図6】グループ管理テーブルの構成例を示す図である。
【図7】ユーザID情報の初期登録処理例を示す図である。
【図8】グループ管理サーバに登録される、ユーザID情報の例を示す図である。
【図9】ユーザID情報の変更登録処理例を示す図である。
【図10】グループ通信を行うためのグループの作成処理例を示す図である。
【図11】グループ探索時の処理例を示す図である。
【図12】距離に応じたタイトル表示例を示す図である。
【図13】参加可能エリアの設定例を示す図である。
【図14】図1のグループ通信システムの変形例を示すブロック図である。
【図15】グループ参加端末の変形例を示すブロック図である。
【図16】グループ管理サーバの変形例を示すブロック図である。
【図17】図1のグループ通信システムの変形例を示すブロック図である。
【図18】図17のグループ通信システムにおける、グループ管理サーバ、グループ作成端末、および、グループ参加端末の処理例を示すシーケンス図である。
【図19】階層を機械的にあげて探索する処理のアルゴリズムの例を示すフローチャートである。
【図20】距離、階層を順に変えて探索する処理のアルゴリズムの例を示すフローチャートである。
【図21】近似曲線を作成して予測した距離を設定して探索する処理のアルゴリズムの例を示すフローチャートである。
【図22】図17のグループ通信システムの変形例を示すブロック図である。
【図23】図22のグループ通信システムにおける、グループ管理サーバ、グループ作成端末、および、グループ参加端末の処理例を示すシーケンス図である。
【図24】探索条件の選択肢についての表示例を示す図である。
【図25】探索を実際に行った結果を選択肢と共に送信する場合の処理を示すシーケンス図である。
【図26】アクセスポイント装置の位置をグループ作成端末の位置情報として利用する場合の信号授受を示すシーケンス図である。
【図27】アクセスポイント装置の位置をグループ参加端末の位置情報として利用する場合の信号授受を示すシーケンス図である。
【図28】無線基地局装置の位置をグループ作成端末の位置情報として利用する場合の信号授受を示すシーケンス図である。
【図29】無線基地局装置の位置をグループ参加端末の位置情報として利用する場合の信号授受を示すシーケンス図である。
【図30】グループ作成処理をアクセスポイント装置が行う場合の手順を示すシーケンス図である。
【図31】グループ参加の際の処理をアクセスポイント装置が行う場合の手順を示すシーケンス図である。
【図32】グループについての管理をアクセスポイント装置が行う場合の手順を示すシーケンス図である。
【図33】アクセスポイント装置が図30〜図32の処理を行う場合のグループ通信システムの構成を示すブロック図である。
【図34】図33において、アクセスポイント装置の処理を、無線基地局装置が行う場合のグループ通信システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0145】
20 グループ管理サーバ
21 通信部
22 コミュニティ部
23 管理部
24 判断部
25 条件更新部
40 通信端末
41 通信部
42 位置確認部
43 判断部
44 入力部
45 条件更新部
60 通信端末
61 通信部
62 位置確認部
63 保存部
64 表示部
65 入力部
66 コミュニティ部
67 判断部
211 送信手段
212 指数情報送信手段
213 決定グループ情報送信手段
221 コミュニティ手段
231 グループ管理手段
232 更新手段
241 参加可能エリア決定手段
242 グループ選択手段
243 新規参加判断手段
244 指数情報算出手段
245 グループ決定手段
411 送信手段
421 位置情報取得手段
431 判断手段
441 広さ情報指定手段
611 グループサーチ要求送信手段
612 参加可能グループ情報取得手段
613 送信手段
614 位置情報送信手段
621 位置情報取得手段
631 保存手段
641 提示手段
642 表示手段
643 表示制御手段
651 入力手段
652 広さ情報指定手段
661 コミュニティ手段
671 グループ決定手段
A、A’ 参加可能エリア
P、P’、Q、Q’ 中心点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末の位置情報に基づいて、該通信端末がグループへの参加が可能なエリアである参加可能エリアを決定する参加可能エリア決定手段と、
少なくとも、前記通信端末の位置情報と、グループへの参加可能期限を示す新規参加締め切り情報と、前記参加可能エリアとに基づき、前記参加可能エリア内に存在し、かつ、参加可能期限内のグループを選択するグループ選択手段と、
を含むことを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記参加可能エリア決定手段によって決定された参加可能エリアに関する情報である参加可能エリア情報と、前記グループ選択手段によって選択されたグループに関する情報である参加可能グループ情報とを前記通信端末に送信する送信手段を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記送信手段は、前記参加可能グループ情報に基づき、参加可能なグループについて、通信端末からグループまでの距離に応じて表示文字数が制御されたグループ名を、該通信端末へ送信することを特徴とする請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
通信端末が参加可能なグループのうち、該通信端末が参加すべきグループを所定アルゴリズムに従って決定するグループ決定手段と、前記グループ決定手段によって決定されたグループに関する情報を、通信端末へ送信する決定グループ情報送信手段とを更に含むことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項5】
通信端末からグループ作成要求があった際に作成したグループについて、少なくとも、前記新規参加締め切り情報と、前記参加可能エリア情報と、該グループの参加メンバに関する参加メンバ情報とを管理するグループ管理手段を更に含み、
前記グループ管理手段は、前記グループ決定手段によって決定されたグループについて、前記参加メンバ情報の登録を行うことを特徴とする請求項4に記載の管理装置。
【請求項6】
前記グループへの参加要求を取得する参加要求取得手段を更に含むことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項7】
通信端末からグループ作成要求があった際に作成したグループについて、少なくとも、前記新規参加締め切り情報と、前記参加可能エリア情報と、該グループの参加メンバに関する参加メンバ情報とを管理するグループ管理手段と、
前記参加要求取得手段によって取得した参加要求に含まれている通信端末の位置情報に基づき、該グループへの新規参加可否を判断する新規参加判断手段と、
を更に含み、
前記グループ管理手段は、前記新規参加判断手段によって参加可能と判断されたメンバに関する情報を、前記参加メンバ情報として管理することを特徴とする請求項6に記載の管理装置。
【請求項8】
前記グループ管理手段は、更に、参加メンバの属性情報を管理し、
前記グループ選択手段は、更に、前記参加メンバの属性情報に基づき、グループを選択することを特徴とする請求項5または請求項7に記載の管理装置。
【請求項9】
前記グループ管理手段は、更に、グループに参加可能なエリアの大きさに関する広さ情報を管理し、
前記参加可能エリア決定手段は、更に、前記広さ情報に基づき、前記参加可能エリアを決定することを特徴とする請求項5、請求項7および請求項8のうちのいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項10】
前記グループ管理手段が管理している情報を更新する更新手段を更に含むことを特徴とする請求項5、請求項7から請求項9までのうちのいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項11】
前記グループ管理手段は、更に、各グループの管理者であるマスタを示すマスタ情報を管理し、
あるグループのマスタが変更された場合、前記更新手段は、そのグループについてのマスタ情報を変更することを特徴とする請求項10に記載の管理装置。
【請求項12】
前記参加可能エリア決定手段は、グループの作成を要求する通信端末の位置情報を中心点として、前記参加可能エリアを決定することを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項13】
前記参加可能エリア決定手段は、グループの作成を要求する通信端末の位置情報を中心点とせずに、一定の範囲内で確率的にまたは確定的にずらした位置を中心点として、前記参加可能エリアを決定することを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項14】
各グループの盛り上がり度合いを示す盛り上がり指数情報を算出する盛り上がり指数情報算出手段と、前記盛り上がり指数情報算出手段によって算出された盛り上がり指数情報を、送信する盛り上がり指数情報送信手段とを更に含むことを特徴とする請求項1から請求項13までのいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項15】
通信端末を用いたコミュニティを実現するコミュニティ手段を更に含むことを特徴とする請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項16】
少なくとも、通信端末のユーザの嗜好に関する嗜好情報と、グループの作成を要求する通信端末からの距離とを含む、探索条件に一致する通信端末を探索する探索手段を更に含むことを特徴とする請求項1から請求項15までのいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項17】
前記探索条件を更新する条件更新手段を更に含むことを特徴とする請求項16に記載の管理装置。
【請求項18】
前記嗜好情報は、階層構造になっており、
前記条件更新手段が前記距離と前記嗜好情報の階層とのいずれか一方を固定して他方を順に変えて前記探索手段による探索を行った後、固定していた方を変えた状態で同様に他方を順に変えて前記探索手段による探索を行うようにしたことを特徴とする請求項17に記載の管理装置。
【請求項19】
前記嗜好情報は、階層構造になっており、
前記条件更新手段は、前記嗜好情報と前記距離とのうち、いずれか一方の優先度を高く設定し、他方を順に変えて前記探索手段による探索を行うようにしたことを特徴とする請求項18に記載の管理装置。
【請求項20】
前記嗜好情報は、階層構造になっており、
前記条件更新手段は、前記距離を固定し、前記嗜好情報の階層を最下層から順次上げて探索を行うことを特徴とする請求項17に記載の管理装置。
【請求項21】
前記条件更新手段は、距離とその距離の範囲内において前記嗜好情報が一致する端末数との関係について作成した近似曲線に基づき、嗜好情報が一致する端末の目標数に対応する距離を設定し、前記探索手段による探索を行うようにしたことを特徴とする請求項17に記載の管理装置。
【請求項22】
前記条件更新手段は、前記嗜好情報が一致する通信端末が規定数に達するために過去どの程度まで距離を伸ばしたかという統計情報を用いて距離を設定し、前記探索手段による探索を行うようにしたことを特徴とする請求項17に記載の管理装置。
【請求項23】
前記条件更新手段は、前記嗜好情報が一致する通信端末の人口密度から、嗜好情報が一致する通信端末の目標数を達成するために必要な面積を計算し、それに基づき前記目標数を達成できそうな距離を設定し、前記探索手段による探索を行うようにしたことを特徴とする請求項17に記載の管理装置。
【請求項24】
作成したいグループの規模に対応する探索条件の選択肢を、グループの作成を要求する通信端末に提示する選択肢作成手段を更に含み、選択された選択肢に応じて前記条件更新手段が前記探索条件を更新することを特徴とする請求項17に記載の管理装置。
【請求項25】
通信端末のグループに参加するためのグループ参加処理を行う通信端末であって、
自端末の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得手段と、自端末のユーザが参加可能なグループを探索するために、前記位置情報取得手段によって取得した位置情報を含むグループサーチ要求を送信するグループサーチ要求送信手段と、自端末のユーザが参加可能なグループに関する参加可能グループ情報を取得する参加可能グループ情報取得手段とを含むことを特徴とする通信端末。
【請求項26】
グループに参加可能なエリアの大きさに関する広さ情報を指定するための広さ情報指定手段を更に含み、
前記グループサーチ要求送信手段は、更に、前記広さ情報を送信することを特徴とする請求項25に記載の通信端末。
【請求項27】
前記参加可能グループ情報取得手段によって取得した参加可能グループ情報を保存する保存手段を更に含むことを特徴とする請求項25または請求項26に記載の通信端末。
【請求項28】
前記参加可能グループ情報取得手段は、前記参加可能グループ情報と共に、各グループの盛り上がり度合いを示す盛り上がり指数情報を取得し、
前記参加可能グループ情報と共に、前記盛り上がり指数情報を自端末のユーザに提示する提示手段を更に含むことを特徴とする請求項25から請求項27までのいずれか1項に記載の通信端末。
【請求項29】
前記参加可能グループ情報に基づき、少なくとも参加可能なグループ名を表示する表示手段と、前記表示手段によってグループ名を表示する際、自端末からそのグループまでの距離に応じて該グループ名の表示文字数を制御する表示制御手段とを更に含むことを特徴とする請求項25から請求項28までのいずれか1項に記載の通信端末。
【請求項30】
前記保存手段に保存された参加可能グループ情報によって示される参加可能なグループのうち、ユーザが参加を希望する参加希望グループに関する情報を入力操作するための入力手段と、前記入力手段によって入力された参加希望グループに関する情報を、グループを管理する装置へ送信する送信手段とを更に含むことを特徴とする請求項25から請求項29までのいずれか1項に記載の通信端末。
【請求項31】
前記保存手段に保存された参加可能グループ情報によって示される参加可能なグループのうち、自端末が参加すべきグループを所定アルゴリズムに従って決定するグループ決定手段と、前記グループ決定手段によって決定されたグループに関する情報を、グループを管理する装置へ送信する送信手段とを更に含むことを特徴とする請求項25から請求項29までのいずれか1項に記載の通信端末。
【請求項32】
自端末の移動距離および時間経過の少なくとも一方に応じて、自端末の位置に関する情報を、グループを管理する装置へ送信する位置情報送信手段を更に含むことを特徴とする請求項25から請求項31までのいずれか1項に記載の通信端末。
【請求項33】
他の通信端末との間でコミュニティを実現するコミュニティ手段を更に含むことを特徴とする請求項25から請求項32までのいずれか1項に記載の通信端末。
【請求項34】
通信端末のグループを作成するためのグループ作成処理を行う通信端末であって、
自端末の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報取得手段によって取得された位置情報およびグループ作成要求を、グループを管理する装置へ送信する送信手段と、前記位置情報取得手段によって取得される位置情報を、グループを管理する装置へ送信する必要性を判断する判断手段とを含むことを特徴とする通信端末。
【請求項35】
グループに参加可能なエリアの大きさに関する広さ情報を指定するための広さ情報指定手段を更に含み、
前記送信手段は、更に、前記広さ情報指定手段によって指定された広さ情報を、グループを管理する装置に送信することを特徴とする請求項34に記載の通信端末。
【請求項36】
請求項1から請求項24までのいずれか1項に記載の管理装置と、
請求項25から請求項33までのいずれか1項に記載の通信端末と、
自端末の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報取得手段によって取得された位置情報およびグループ作成要求を、グループを管理する装置へ送信する送信手段とを含み、通信端末のグループを作成するためのグループ作成処理を行う他の通信端末と、
を含むことを特徴とするグループ通信システム。
【請求項37】
前記他の通信端末は、グループに参加可能なエリアの大きさに関する広さ情報を指定するための広さ情報指定手段を更に含み、
前記送信手段は、更に、前記広さ情報指定手段によって指定された広さ情報を、グループを管理する装置に送信することを特徴とする請求項36に記載のグループ通信システム。
【請求項38】
通信端末の位置情報に基づいて、該通信端末がグループへの参加が可能なエリアである参加可能エリアを決定する参加可能エリア決定ステップと、
少なくとも、前記通信端末の位置情報と、グループへの参加可能期限を示す新規参加締め切り情報と、前記参加可能エリアとに基づき、前記参加可能エリア内に存在し、かつ、参加可能期限内のグループを選択するグループ選択ステップと、
を含むことを特徴とするグループ管理方法。
【請求項39】
通信端末のグループに参加するためのグループ参加処理を行う通信端末の制御方法であって、
自端末の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得ステップと、自端末のユーザが参加可能なグループを探索するために、前記位置情報取得ステップにおいて取得した位置情報を含むグループサーチ要求を送信するグループサーチ要求送信ステップと、自端末のユーザが参加可能なグループに関する参加可能グループ情報を取得する参加可能グループ情報取得ステップと、前記参加可能グループ情報取得ステップによって取得した参加可能グループ情報を保存する保存ステップとを含むことを特徴とする通信端末の制御方法。
【請求項40】
通信端末のグループを作成するためのグループ作成処理を行う通信端末の制御方法であって、
自端末の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得ステップと、前記位置情報取得ステップにおいて取得された位置情報およびグループ作成要求を、グループを管理する装置へ送信する送信ステップと、前記位置情報取得ステップにおいて取得される位置情報を、グループを管理する装置へ送信する必要性を判断する判断ステップとを含むことを特徴とする通信端末の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2009−135869(P2009−135869A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−104678(P2008−104678)
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】