説明

簡易保冷体調整方法

【課題】冷却する必要が生じた折に、所望の冷却力を、随時、発揮できる冷却剤を提供する。
【解決手段】スプレー缶に充填された液化ガスを噴霧して対象物を氷結させ、または、加湿された含浸体を氷結させ、その氷結された含浸体を対象物に密着させることにより達成される。殺菌作用のある薬剤等を混入させて含浸させれば、外傷等を伴う応急処置にも利用できる。液化ガスにアルコール類を添加することにより、殺菌効果も期待できる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明は、簡易に調製可能な冷却システムに関し、特に、対象物を液化ガスの冷却作用により氷結させる冷却方法に関する。
【0002】
また、加湿された含浸体を液化ガスの冷却作用により氷結させ、簡易に冷却体を得る冷却方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、主に屋外スポーツにおいて、熱中症、打身、捻挫、打撲、その他、虫刺され等により、患部を部分冷却する必要が生じた折には、持参の水や、氷が用いられていた。
【0004】
また、飲料水やビールなどを屋外で嗜む場合や、魚を代表とする生鮮食品の保存にも、水や、氷が用いられていた。
【0005】
しかし、水の場合、その冷却力が弱く、その効能に眼界があった。
【0006】
また、氷の場合、長時間、携行すると融けてしまい水となり、その冷却力が弱く、その効能に眼界があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、簡易に対象物を氷結させ、もしくは、水などを用いた含浸体を氷結させ冷却体を得る方法が必要とされていた。
【0008】
しかも、主に屋外などにおいては、携行性に優れた冷却方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、従来の持参の水や氷による冷却する方法の欠点を克服する冷却方法を提供することである。
【0010】
具体的な目的は、対象物を氷結させ、もしくは、水などを用いた含浸体を氷結させ冷却体を得る方法により達成される。
【発明の構成】
【0011】
そこで、以下に、具体的な発明の構成を述べる。
【0012】
液化ガスのうち、イソペンタンなどのガスの場合、対象物や含浸体に直接用いることができるので、所望の容器に封入して使用する。
【0013】
しかし、その他の液化ガスは、携行性と作用性を鑑みれば、適度の大きさのスプレー缶に封入されていることが望ましい。
【0014】
スプレー缶に封入する液化ガスは、特段に限定されるものではないが、冷却作用以外に対象物への作用が少ないものが望ましい。
【0015】
具体的には、LPGガスを代表として、DMEガス、フロンガス、イソペンタン等が、挙げられる。
【0016】
含浸体は、タオル等の繊維製品や、スポンジ製品が用いられる。
【0017】
含浸体を加湿させるには、水が用いられるが、他の薬液を用いてもよい。
【0018】
以下に、具体的な方法を述べる。
【発明の実施の形態1】
【0019】
魚を代表とする生鮮食品の保存において、直接、対象物である魚の必要部位を凍結させる方法。
【0020】
通常、鮮魚は鰓と内臓部分から腐敗するものであり、当該部分を凍結させることにより、腐敗を防ぎ、長期保存に耐えることができる。
【0021】
そこで、スプレー缶に充填された液化ガスを、直接、対象物である魚の必要部位である鰓と内臓部分に接触させることにより当該部分を凍結させる。
【0022】
本実施例の場合、部分凍結を目的とするので、液化ガスの飛散を防ぎ、対象物に液化ガスが直接に接することができるよう、スプレーのノズルには、飛散防止用に円柱状の管を設けることが望ましい。
【0023】
使用に際しては、該鮮魚の鰓や内臓部分に、該管を差込み、液化ガスを噴出させることにより、必要部分を凍結させることができる。
【0024】
保存に際しては、鰓と内臓部分を部分凍結させた該鮮魚を既存の保冷容器に収納し、併せて凍結部分以外の腐敗防止のために氷を収納することにより長期保存が可能となる。
【発明の実施の形態2】
【0025】
飲料水やビールなどを屋外で嗜む場合において、水などを用いた含浸体を氷結させ冷却体を得、飲料水やビールなどの対象物を冷却する方法
【0026】
タオル等の繊維製品に、水を含浸させる。
【0027】
その後、冷却させる対象物の形状に該繊維製品を形成させると、密着性に富み冷却効果がより高いものとなる。
【0028】
含浸させた該繊維製品へスプレー缶に充填された液化ガスを噴霧し、該繊維製品を氷結させ、対象物に接合させて冷却させる。
【発明の実施の形態3】
【0029】
熱中症、打身、捻挫、打撲、その他、虫刺され等において、水などを用いた含浸体を氷結させ冷却体を得、患部を冷却する方法
【0030】
タオル等の繊維製品に、水を含浸させる。
【0031】
その後、冷却させる患部の形状に該繊維製品を形成させると、密着性に富み冷却効果がより高いものとなる。
【0032】
また、水のみでなく、殺菌作用のある薬剤等を混入させて含浸させれば、外傷等を伴う応急処置にも利用できる。
【0033】
含浸させた該繊維製品へスプレー缶に充填されたLPGガスを噴霧し、該繊維製品を氷結させ、患部に当てて応急治療とする。
【0034】
なお、冷却効果をより良くするためにLPGガスに、エチルアルコールなどのアルコール類を添加することも可能である。
【0035】
この場合、患部の殺菌効果も期待できる。
【0036】
また、覚醒、気付や、集中力を得るための薬剤を添加することも可能である。
【発明の効果】
【0037】
以上述べたごとく、本発明は、冷却するに際し、携行性に優れ、所望の冷却力を、随時、発揮できるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化ガスを対象物に接触させることにより必要部分を凍結させる方法。
【請求項2】
液化ガスを噴霧することにより、含浸体を氷結させ、対象物を冷却する方法。
【請求項3】
液化ガスを噴霧することにより、含浸体を氷結させ、患部を部分冷却する方法。
【請求項4】
液化ガスを噴霧する手段が、携行可能なスプレー缶であることを特徴とする、請求項1、請求項2、請求項3に記載の患部冷却方法。
【請求項5】
前記スプレー缶に充填された液化ガスが、LPGガス、DMEガス、フロンガス、イソペンタンの内1種以上であることを特徴とする、請求項1、請求項2、請求項3に記載の患部冷却方法。
【請求項6】
前記スプレー缶に充填された液化ガスに、エチルアルコールを添加したことを特徴とする、請求項3に記載の患部冷却方法。
【請求項7】
前記スプレー缶に充填された液化ガスに、薬剤を添加したことを特徴とする、請求項3に記載の患部冷却方法。
【請求項8】
前記含浸体に、殺菌作用のある薬剤を含浸させたことを特徴とする、請求項3に記載の患部冷却方法。

【公開番号】特開2012−187371(P2012−187371A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76531(P2011−76531)
【出願日】平成23年3月12日(2011.3.12)
【出願人】(500524693)株式会社ルック (5)
【Fターム(参考)】