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簡易型口臭診断キット
説明

簡易型口臭診断キット

【課題】口臭診断を行う簡便な検査キットを提供する。
【解決手段】口臭(硫化水素)の判定のために、メチレンブルー法とペーパークロマトグラフィーの原理を用いて固相での発色に用いることによって、簡便、かつ目視により判定できる。濾紙もしくは綿棒に亜鉛を含有させた支持体を用いて検体中の硫化水素を捕捉、固定後、発色剤N,N'-Dimethyl-p-phenylenediamineと塩化第2鉄からなる化学反応産物を「固定液」、補助濾紙を用いることにより、反応夾雑物を除去し、メチレンブルーを単離することである。そして目視あるいは光電色差計により硫化水素を定量する。メチレンブルーは安定な色素であるので高感度で確実な測定ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口臭の程度を簡便に測定する検査キットに関するものである。

【背景技術】
【0002】
成人の69.6% は口腔内に何らかの自覚症状や悩みをかかえている。そしてその内訳は 14.5% が口臭に関することである。一般に、口臭は男性にやや多く、年齢階級別には45〜54歳の年齢層に多いと報告されている(保健福祉動向調査、1999)。口臭症は一般に、真性口臭症、仮性口臭症、口臭恐怖症に分類されるが、真性口臭症には生理的口臭と病的口臭がある。生理的口臭は起床時に最も強く、空腹時や疲労時に高まるなど日内変動がみられ、病的口臭は原疾患、器質的変化などに伴う口臭であり、多くは口腔由来の歯周病に起因する。その他に舌苔の多量付着、口腔乾燥症、重症齲蝕、義歯の清掃不良などが原因となる。
口臭の原因物質は、硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドなどの揮発性硫黄化合物 (VSC: Volatile Sulfur Compounds) であり、その病態によって原因物質の構成は異なる。VSCは主に口腔内細菌が脱落上皮細胞や白血球を分解して産生され、舌背後方部に付着する舌苔がその産生部位となることが多い。事実、Persson らは歯周病原性細菌である Porphyromonas gingivalisFusobacterium nucleatumTannerella forsythia による硫化水素の発生をガスクロマトグラフィー法で測定している(非特許文献1および2)。
口臭診断における硫化水素の測定には、官能検査法(術者の嗅覚による検査)が主体であるが、口臭診断補助機器を併用する場合がある。VSC の特異的な測定が可能な機器には、口臭測定用ガスクロマトグラフィーをはじめ、 MSハリメーター、ブレストロン、オーラルクロマなどの簡易型測定機器がある(非特許文献3〜5)。しかしながら、操作の煩雑性などから集団健診やチェアサイドでのスクリーニングに十分に活用されていない。

【0003】
口臭診断機器のオーラルクロマ (Oral Chroma TM,) MSハリメーター (Halimeter TM) は共に同じ原理で、検知部に半導体ガスセンサーを使用することにより、従来のガスクロマトグラフィーにおいて必要であったキャリアガスを不要とするガス検知装置である。そして半導体ガスセンサー自体はガス成分に対して高感度で反応するため、硫化水素、メチルメルカプタン、およびジメチルサルファイドのガス濃度の測定ができ、口臭原因の特定や、特にその主要原因である歯周病の診断、治療効果の確認に使用されている。しかしながら、高価(約78万円、平成22年現在)であると共に、口臭の発生部位を特定することができない欠点がある。

【0004】
これらの欠点を解決すると共に簡便で、かつ目視できる硫化水素を検出することによる口臭の検出方法を考案した。硫化水素の濃度を簡便に測定することによって、簡便に歯周病源菌 ( Porphyromonas gingivalis
) の菌数を予想することができる。

【0005】
【非特許文献1】Persson S. et al. The formation of hydrogen sulfide andmethylmercaptan by oral bacteria. Oral Microbiol Immunol 1990, 5:195-201.
【非特許文献2】NakanoY. et al. Correlation between oral malodor and periodontal bacteria. MicrobesInfect 2002, 4:679-683.
【非特許文献3】佐藤修一ら、揮発性硫黄化合物測定器ハリメーターを用いた口臭測定の検討、日歯周誌1999, 41: 195-200.
【非特許文献4】大橋顕二郎ら、ブレストロンを用いた口臭と臨床パラメーターの関係について、日歯周誌2007, 49:191-197.
【非特許文献5】Vandekerckhove B. et al. Clinical reliability of non-organolepticoral malodour measurements. J. Clin. Periodontol. 2009, 36: 964-969.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、口臭の程度の診断において、簡易でかつ信頼できる方法がないことである。


【課題を解決するための手段】
【0007】
口臭(硫化水素)の判定のために、メチレンブルー法とペーパークロマトグラフィーの原理を用いて固相での発色に用いることによって、簡便、かつ目視により判定できる。
本発明の測定原理は、塩化第2鉄の存在下で硫化物イオンが N, N'-Dimethyl -p- phenylenediamine と反応して定量的に生成する発色メチレンブルーより硫化水素および硫化物イオンを定量することである。メチレンブルーは安定な色素であるので高感度で確実な測定ができる。
本発明は、濾紙もしくは綿棒に亜鉛を含有させた支持体を用いて検体中の硫化水素を捕捉、固定後、発色剤 N, N'-Dimethyl -p-
phenylenediamine と塩化第2鉄からなる化学反応産物を「固定液」、補助濾紙を用いることにより、反応夾雑物を除去し、メチレンブルーを単離することである。そして目視あるいは光電色差計により硫化水素を定量することである。

【発明の効果】
【0008】
本発明の口臭診断キットは、被験者が、当該診断濾紙もしくは綿棒を口に含んだ後、発色薬を滴下して反応させ、さらに「固定液」を添加することによってより鮮やかな青色の色調に発色することができ、肉眼的に簡単に結果を定量的に判定できるという利点がある。

【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、亜鉛含有支持体を用いて検体中の硫化水素を捕捉、固定後、発色剤として N, N'-Dimethyl -p-
phenylenediamine 溶液を添加し、次いで塩化第2鉄溶液を加えて生成されるメチレンブルー量を簡便に目視できるように、多角的に思考、実験、考察を重ねたものである。基本となる反応原理を図1に示した(非特許文献6、特許文献1)。すなわち、亜鉛含有支持体におけるメチレンブルー反応は、メチレンブルー色に加えて赤褐色を呈し、反応で生じたメチレンブルーの青色の識別を見づらくしている。しかしながら、「固定液」組成物50〜100 micro L の添加による化学反応と補助濾紙付加によるペーパークロマトグラフィーの原理からメチレンブルー以外の反応夾雑物を固層反応相から周辺に展開して除外し、バックグランドを鮮明にすることにより、正確且つ簡便にメチレンブルー量が目視できる。
従来の方法は溶液中に硫化水素を捕捉する亜鉛化合物を加えて形成されるメチレンブルーを遠心分離操作後、分光光度計の吸光度より硫化水素を定量するのが一般的であった。しかしながら、操作が煩雑で、多くの機器が必要であった。特許文献、非特許文献を含めてこのようなメチレンブルー量から口臭(硫化水素)を測定する方法は見出すことができない。

【0010】
【特許文献1】新メチレンブルー分析法―特開2007−292565
【非特許文献6】菅原庄吾ら、砂泥堆積物溶存硫化物の簡便な現場抽出/吸光度定量及びその有明海北東部堆積物への適用、分析化学 (2010) 59, 1155-1161
【0011】
本発明の要素は、塩化第2鉄を吸収させた担体(具体的には、濾紙もしくは綿棒)からなるもので、これを口に入れて口臭サンプルを採取する、あるいは、唾液や舌苔など液体を含むサンプルを直接吸収して被検物質を採取する。その後、発色液によって、生成された硫化水素の濃度に対して定量的に発色が進行することによって口臭の程度を測定できるものである。
「固定液」はメチレンブルーの生成・発色を速やかに進行させ、かつ安定化させるための試薬で、本明細書において「固定液」と呼んでいる、酸化剤とpH緩衝材および界面活性剤からなる組成物を用い、メチレンブルーの検出を鮮明にする。

【実施例1】
【0012】
濾紙での検出方法
濾紙片における口臭(硫化水素)の発色法と「固定液」の添加効果
口臭(硫化水素)判定濾紙の作製
硫酸亜鉛溶液の調製:
Zinc sulfate heptahydrate (シグマアルドリッチ株式会社) 2 gを蒸留水 8 ml に溶解し、20 % 硫酸亜鉛溶液を作製した。そして濾紙片(直径 21.5 mm 、厚さ 0.7mm ; Advantec, No.526 ;東洋濾紙会社)に硫酸亜鉛溶液 100 micro Lを滴下し、自然乾燥した後、室温で保存した。図2は、濾紙を支持器具で挟んで使いやすくした口臭(硫化水素)判定濾紙である。

【0013】
発色反応によって生成されたメチレンブルーは塩基性色素であるため、セルロースよりなる木綿繊維、中性濾紙に吸着されやすいと考えられる。事実、陰イオン交換クロマトグラフイー用濾紙(厚さ 0.2 mm; Whatman DE81; Whatman
Int. Ltd., England )、および陽イオン交換クロマトグラフイー用濾紙(厚さ 0.23 mm; Whatman P81; Whatman
Int. Ltd., England )で試みたところ、発色試薬が固層反応相で沈殿したり、あるいは拡がってメチレンブルーの生成反応がスムースに進行せず、一定のメチレンブルー色素を検出ことができなかった。

【0014】
発色剤の組成の決定
メチレンブルー法の発色のために必要な試薬のそれぞれについて、最適な濃度を決定するために、それぞれの試薬を種々の濃度で準備して、発色試験を繰り返してそれぞれの最適濃度を決めた。

【0015】
至適硫酸亜鉛濃度の決定
硫酸亜鉛溶液は、Zinc sulfate heptahydrate を使用して蒸留水で調製した。そして各濃度 5%〜40% (w/v%) の硫酸亜鉛溶液 100 micro L を濾紙片(直径 21.5 mm、厚さ 0.7mm; Advantec, No.526 )に滴下し、自然乾燥させた後、室温で保存した。
反応試験は、次のように実施した。すなわちプラスチック製容器( 55ml 容量; Falcon 社組織培養フラスコ 3108/ KN3362041、日本ベクトン・ディッキンソン株式会社、東京)の底に 1.25 mM Na2S 溶液 0.1ml、次いで容器壁に 3.4M 塩酸 0.1ml を加え、濾紙片を挿入後、容器のキャップを閉めた。そしてNa2S溶液と塩酸を接触させて硫化水素を発生させ、0 %-40 % (w/v%) の硫酸亜鉛溶液を含有する濾紙片に捕捉、固定させた。5分後、濾紙片を容器から取り出し、実施例1に従い、メチレンブルー量を NF333 簡易型分光色差計(日本電色工業株式会社、東京)で A660 測定した。
硫酸亜鉛濃度の上昇に従い、硫化水素の捕捉量は増加した。しかしながら、亜鉛の食事摂取基準は一般に 10 mg/day であり、その耐容上限量は男性で 40〜45 mg/day、 女性で 30〜35 mg/day であるとされている。従って、これらのことを考慮して、硫酸亜鉛溶液20%濃度を用いて濾紙片あたりの硫酸亜鉛量は食品安全基準の範囲である 20 mg とした(図3)。

【0016】
至適塩化第2鉄濃度の決定
N,
N'-Dimethyl- p- phenylenediamine 溶液と塩化第2鉄溶液の共存下で生成されるメチレンブルー量に対する塩化第2鉄溶液の至適濃度を調べた。すなわち、塩化第2鉄(和光純薬、東京)は 1.2 M 塩酸溶液(和光純薬、東京)を使用して 0 −50 mg/ml 濃度の塩化第2鉄溶液を調製した。それ以外は図3と同じ実験条件である。図4に示すように、メチレンブルー量の生成は 10 mg/ml 塩化第2鉄溶液が最適であった。それゆえにメチレンブルーの生成反応には 10 mg/ml 塩化第2鉄溶液を使用することにした。

【0017】
至適塩酸濃度の決定
塩化第2鉄溶液を調製する際の至適塩酸濃度を決めるために、 12 M 塩酸(和光純薬、東京)溶液を使用して 0.1 M〜4.5M 塩酸溶液を調製した。塩化第2鉄を溶解する至適塩酸濃度は図5に示すように、メチレンブルー量の生成から 1.2 M 塩酸溶液であることが分かった。従って、メチレンブルー生成反応における塩酸濃度は 1.2 M 塩酸溶液とした。

【0018】
至適 N, N'-Dimethyl-p- phenylenediamine 濃度の決定
N,
N'-Dimethyl- p- phenylenediamine 溶液はエタノールで 1.0mg/ml 〜 2.0 mg/ml に調製した。それ以外は図1と同じ実験条件である。メチレンブルー生成反応は N, N'-Dimethyl- p-
phenylenediamine 濃度の上昇と共に増加し、 1.0mg/ml〜1.5 mg/ml でプラトーに達した(図6)。2.0mg/ml ではメチレンブルー生成量はさらに増加したが、 N, N'-Dimethyl- p-
phenylenediamine 溶液の一部に沈殿が生じた。それゆえに至適濃度は 1.0 mg/ml の N, N'-Dimethyl- p-
phenylenediamine 溶液とした。

【0019】
検査キットの組成
上記の条件検討の結果、最適な条件を組み合わせて、下記のような組成で検査キットを構成した。

【0020】
1. 発色液 (N, N'-Dimethyl- p- phenylenediamine 1 mg/ml) 溶液の調製
N,
N'-Dimethyl- p-phenylenediamine 溶液(100 mg/ml)は N, N'-Dimethyl - p-
phenylenediamine(関東化学、東京) 100 mg をエタノール(和光純薬、東京) 1 ml に溶解し、低温保存した。そして使用時にその溶液 0.05 mlに0.1M Tris-HCl 緩衝液(pH 7.5) 0.45 ml を加えて10倍希釈、さらにその 0.1 ml に 0.1M Tris-HCl 緩衝液( pH 7.5 ) 0.9 ml を加えて 10倍希釈した(最終的に100倍希釈)。

【0021】
2.塩化第2鉄(
10 mg/ml) 溶液の調製
塩化第2鉄(和光純薬、東京) 100 mg を1.2 M 塩酸 9.9ml に溶解。尚、 1.2 M 塩酸は 12 M 塩酸(和光純薬、東京) 10 ml に 、蒸留水 90 ml を加えて調製し、低温室で保存した。

【0022】
「固定液」の原理と組成の決定
メチレンブルー生成反応は強酸性下で進行するが、メチレンブルーの発色度はpHや還元により強く影響を受ける。
より鮮明な発色を得るために、発色剤を添加した後、酸化剤およびpH緩衝剤を添加することが効果的であった。具体的には、酸化剤として過マンガン酸カリウム、pH緩衝剤として塩化アンモニウムおよびリン酸2水素カリウムからなる組成液(pH4.2)を濾紙に添加した。さらに、これらの試薬の浸透を容易にさせる界面活性剤を用いることが有効で、試験した結果、なかでも Cetylpyridinium chloride を用いることによって、酸化剤とpH緩衝剤は、濾紙の中を速やかに展開・拡散させることができた。
その際、「固定液」の滴下位置が重要であった。濾紙の中央付近に吸着させたサンプルに発色剤を同じく中央付近に滴下し、ついで「固定液」を濾紙の中央に当該「固定液」を滴下することによって、濾紙の持つクロマトグラフィー効果によって、余分となった発色剤および夾雑物質が濾紙の中央から周辺へと移動して、一方、反応後に生じたメチレンブルー色素は中央に残ったままとなった。すなわち、発色剤の色である赤褐色は、周辺部分へと移動し、反応で生ずるメチレンブルーの色が、鮮明な青となって中央部に残り、反応結果を明確に判定することができるようになった。

【0023】
「固定液」の調製
「固定液」は下記のように各溶液を混合して調製し、室温で保存した。
(1)1 Mリン酸2水素カリウム(関東化学;特級)溶液:10ml
(2)5 % Cetylpyridinium chloride 溶液:1.0ml
(3)20 mg/ml 過マンガン酸カリウム(和光純薬;特級)溶液:20micro L
(4)400 mM 塩化アンモニウム(関東化学;特級)溶液:3.3ml
尚、(2)〜(4)の調製は次のようにした。
(2)5 % Cetylpyridinium chloride 溶液の調製:Cetylpyridinium chloride (東京化成) 5g に蒸留水95 ml を加えて溶解。
(3) 20 mg/ml 過マンガン酸カリウム溶液の調製:過マンガン酸カリウム(和光純薬;特級) 200 mg を 1 M リン酸2水素カリウム溶液 10 ml に溶解。
(4) 400 mM 塩化アンモニウム溶液の調製:1 M リン酸2水素カリウム溶液を溶媒として塩化アンモニウム(関東化学;特級)を加えて 400 mM 塩化アンモニウム溶液を調製。

【0024】
「固定液」の効果を示す実験結果を示した。4つの実験区を設け、硫化水素の有無と「固定液」の添加の有無を比較した。
図7および表1に示すように鮮明且つ安定したメチレンブルー色素を検出することができると共に、生成反応で使用した発色試薬や反応夾雑物をペーパークロマトグラフィーの原理により固層反応相から周辺に除外することができ、バックグランドを鮮明にすることができた。すなわち、硫化水素を含有しない濾紙片は発色試薬の添加により赤褐色を呈するが「固定液」を 50 〜 100 micro L 添加することにより無色になり、また硫化水素を含有する濾紙片は鮮明なブルー色を呈した。

【0025】
【表1】

【0026】
気相における硫化水素量と濾紙片メチレンブルー量の関係
硫化水素は Na2S・9H2O (特級;和光純薬)より調製した。Na2S・9H2O は蒸留水に溶解し、1.25 mM 溶液で凍結保存(- 40度)した。そして使用時に蒸留水で希釈した。硫化水素の調製はプラスチック製容器 ( 55 ml容)の底に Na2S 溶液( 0.15 mM- 1.25 mM ) 各0.1ml を加え、次いで容器壁に 3.4 M 塩酸 0.1ml を加え、濾紙片を挿入した後、容器のキャップを閉めた。そして Na2S 溶液と塩酸を接触させて硫化水素を発生させ、硫化水素を濾紙片に捕捉、固定した。5分後、濾紙片を容器から取り出し、発色液( N, N'-Dimethyl- p-
phenylenediamine 1 mg/ml )溶液 30 micro L をその上に添加した。30秒後、さらに塩化鉄溶液 15 micro L を添加し、5分間、室温に放置した。そして「固定液」 50 micro Lを濾紙の中央部に添加した。硫化水素量の増加と共にメチレンブルーの青色が鮮明になった。気相における硫化水素量と反応生成したメチレンブルー量の関係を図8に示した。実際の発色は鮮やかな青であるが、特許明細書のためグレーで表した。
また、写真撮影後、メチレンブルー量を NF333 簡易型分光色差計(日本電色工業株式会社、東京)で A660 測定し、分光色差計のデータをグラフ化したところ、硫化水素量とメチレンブルー量の関係は 0 〜 2 micro g/tube において直線関係が得られた(図 9)。

【実施例2】
【0027】
硫化水素の定量における新規測定法とガスクロマトグラフィーの相関
ガスクロマトグラフィー・マススペクトロメトリー(GC-MS)による硫化水素の分析は長田ら(非特許文献7)の報告に従い、四重極 GC-MS( QP5000;島津)を用いて行った。各濃度の硫化水素標品( 2 micro g/mlトルエン;和光純薬)の抽出は硫化水素標準品を含む 15ml 褐色バイアル瓶を 50 度に加熱し、SPME (2 cm, 50/30 mm DVD/
Carboxen/ PDMS StableFlex; Supelco Corp, Bellefonte, PA, USA) のヘッドスペースを60分間挿入して行った。また、Na2S 溶液からの硫化水素はスクリューキャップで密封した 15ml 褐色バイアル内に蒸留水で溶解した 0.2mM Na2S 溶液 27micro L と3.4 M 塩酸(和光純薬) 27 micro L を5分間の反応より合成した。反応終了後、Na2S と塩酸の混合液をマイクロシリンジを用いて褐色バイアルから除去し、SPMEを用いてバイアル内に充満した硫化水素を抽出した。

【0028】
【非特許文献7】Osada K. et al., Effect of an orally ingested mugwort and mushroomextract mixture on urine odor from aged mice. Biosci Biotechnol Biochem., 72,1249-1256, 2008
【0029】
ガスクロマトグラフィーは Restek Stabilwax column (30 m x 0.32 mm x 0.5 mm; Restek Corp., Bellefonte, PA,
USA) を使用し、キャリアガスとしてヘリウム(エア・リキード工業ガス株式会社、東京; 2.4 ml/min)を用いた。カラムオーブンの温度は40度で5分間維持した後、毎分10度の割合で240度まで増加させた。注入部の温度は230度とした。その結果、図10に示すようなガスクロマトグラムで保持時間1分で硫化水素を検出、定量することができた。図10では、上から、(1)硫化水素標準標品 0.5 micro g/ tube、(2)同 1.0 micro g/ tube、(3)同2.0、(4)同4 、および(5) Na2S (0.7 micro g/ tube) に塩酸を加えてできる硫化水素を同じ保持時間のピークとして検出できた。
また、硫化水素濃度と
34MS ion current 量(図11)、ならびに新規測定法によるメチレンブルー量との間に0〜2micro gの間で直線関係が得られた(図12)。

【0030】
溶液滴下における硫化水素量と濾紙片のメチレンブルー量の関係を次のようにして調べた。
各濃度の Na2S 溶液 50 micro L を濾紙片に添加する。30秒後、発色液 ( N, N'-Dimethyl- p-
phenylenediamine 1 mg/ml)溶液 30 micro L をその上に添加する。30秒後、さらに塩化鉄溶液 15 micro L を添加し、5分間室温にて反応を進めた。そして「固定液」50 micro L を濾紙の中央部に添加した。バックグラウンドにある発色液の赤褐色は周辺に流されて消えてしまいメチレンブルーの青色が鮮明に残った(図13)。写真撮影後、メチレンブルー量を NF333 簡易型分光色差計(日本電色工業株式会社、東京)で A660 測定したところ、硫化水素量とメチレンブルー量の関係は 0 〜 340 ng/濾紙において直線関係が得られた(図14)。また、検体溶液を直接、濾紙片に滴下する方法は気相中の検体を捕捉、固定する方法より検出感度が約13.8倍高いことが明らかになった。

【実施例3】
【0031】
綿棒での口臭(硫化水素)検出方法
綿棒における口臭(硫化水素)の発色法と補助濾紙の付加効果について述べる。
口臭(硫化水素)判定綿棒の作製
小綿棒、中綿棒(株式会社サンタン)はそれぞれ 20 % 硫酸亜鉛溶液 100 micro L、150 micro L を吸収させ、自然乾燥した後、室温で保存した(図15)。
綿棒として市販されている通常の綿棒が使用可能で、綿棒のサイズによって吸収できるサンプル量は、次の様な量であった。
綿棒サイズ,小:サンプル量50 〜 100 micro L、中:サンプル量50 〜 150 micro L
【0032】
綿棒を支持体とした測定キットの調製
(1)発色液(N, N'-Dimethyl-p- phenylenediamine 1 mg/ml)溶液の調製。
低温保存した
N, N'-Dimethyl-p- phenylenediamine 溶液 (100 mg/ml) 0.05 mlに 0.1M Tris-HCl 緩衝液 (pH7.5) 0.45 mlを加えて10倍希釈、さらにその 0.1 ml に 0.1M Tris-HCl 緩衝液 (pH 7.5) 0.9 mlを加えて10倍希釈する(最終的に100倍希釈)。
(2)発色液 30 micro Lを綿棒先端から吸収。
(3)塩化第2鉄(10 mg/ml)溶液の調製
塩化第2鉄(和光純薬、東京) 100 mg を 1.2 M 塩酸 9.9ml に溶解。尚、1.2 M 塩酸は 12 M 塩酸(和光純薬、東京) 10 mlに、蒸留水 90 ml を加えて調製し、低温室で保存した。
(4)30秒後、塩化鉄 15 micro L を綿棒先端から吸収。
(5)5分後、補助濾紙管を装着し、次いで「固定液」 50 micro L を先端から吸収、発色。
(6)補助濾紙管を取り除き発色の判定(綿棒は硫化水素 濃度によりリング状にブルー色を呈する)。

【0033】
小型および中型綿棒における硫化水素の検出の手順
小綿棒の場合
1.サンプルの採取
2.30秒後、発色液15 micro L を先端から吸収
3.30秒後、塩化鉄30micro L を先端から吸収
4.5分後、「固定液」50micro L を先端から吸収、発色。

中綿棒の場合
1.サンプルの採取
2.30秒後、発色液 50 micro Lを先端から吸収
3.30秒後、塩化鉄 30 micro L を先端から吸収
4. 5分後、「固定液」 100 micro Lを先端から吸収、発色。

【0034】
補助濾紙管の役割と作製
綿棒におけるメチレンブルー反応において、クロマトグラフィー原理に基づいた夾雑物質を展開して除去するには、十分な溶液の浸透が必要となる。しかしながら綿棒の吸水量には限度がある。そこで、綿棒の軸側に吸収体として筒状の濾紙を追加した。それを補助濾紙管と名付けた。濾紙(厚さ0.7mm; Advantec, No.526;東洋濾紙会社)を 14 mm x 25 mm に裁断し、直径約5 mm の円筒状の補助濾紙管を作製した(図16)

【0035】
綿棒による発色過程において、「固定液」の添加効果は濾紙片と同様に認められた。しかしながら、綿棒の吸水容量は濾紙片に比して小さいため、その効果は十分でなかった。そのため、補助濾紙の装着を試みた。その結果、図17, 表2に示すように鮮明且つ安定したメチレンブルー色素を検出することができると共に、生成反応で使用した発色試薬や反応夾雑物をペーパークロマトグラフィーの理論により固層反応相から補助濾紙へと移動させ、発色場所から除外することができ、バックグランドを鮮明にすることができた。
このように補助濾紙の役割は、給水容量を増加させて、ペーパークロマトグラフィーの原理の昂進であり、濾紙でなくとも水分を速やかに吸収できる物質、すなわち綿や紙、シリカゲルなどの入手しやすい素材を用いても同様の効果が得られる。

【0036】
【表2】

【0037】
綿棒における硫化水素量とメチレンブルー量の関係
各濃度の硫化ソーダ溶液 50 micro L を綿棒先端から吸収させる。30秒後、発色液(N, N'-Dimethyl- p-
phenylenediamine 1 mg/ml)溶液 30 micro L を綿棒先端から吸収させる。30秒後、塩化鉄溶液 15 micro L を綿棒先端から吸収し、補助濾紙管を装着して5分間、室温に放置する。次いで「固定液」 50 micro L を先端から吸収し、発色させる。補助濾紙管を取り除いて写真撮影後、NF333 簡易型分光色差計を用いてA660で測定した。

【0038】
中綿棒を用いた反応後の写真を示した(図18)。綿棒の頭の部分は反応で生成したメチレンブルーが鮮明な青を示し、綿棒の軸の方に位置する前述の補助濾紙は、未反応の試薬や夾雑物質をクロマトの原理で移動させて赤褐色に変化している(明細書ではカラー写真が使えないのでグレースケールで示した)。

【0039】
実施例2より得られた方法に基づいて綿棒における硫化水素量とメチレンブルー量の関係を求めたところ、中綿棒を用いても(図19)、小綿棒の場合でも(図20)、いずれもほぼ直線関係が得られた。従って、綿棒を用いてメチレンブルー量から硫化水素量を計測することができる。
中綿棒と小綿棒とサイズの異なった綿棒を用いて、種々の濃度の硫化水素を与えた後、発色液で反応させ、生成したメチレンブルーの発色をA660で測定した。

【実施例4】
【0040】
チオグリセロールの添加による検出試薬の安定化法
口臭(硫化水素)検出試薬の調製
N,
N-Dimethyl- p-phenylenediamine 原液の調製: N, N-Dimethyl- p-
phenylenediamine (関東化学株式会社、東京) 300 mgはチオグリセロール各溶液 (0mg/ml〜100 mg/ml) 3 mlに溶解し、発色原液として低温室で保存した。尚、チオグリセロール各溶液はチオグリセロール(和光純薬)をエタノール(和光純薬)に溶解して調製した。表3に示すように N, N-Dimethyl- p-
phenylenediamine 溶液は保存時間と共に酸化変色し、メチレンブルー生成反応が低下した。一方、チオグリセロールの添加は濃度に依存して N, N-Dimethyl- p-
phenylenediamine 溶液の酸化変色を抑制した。しかしながら、逆に過剰のチオグリセロール(540 mg/ml)添加はメチレンブルー生成反応を40% 抑制した。従って N, N-Dimethyl-
p-phenylenediamine 300 mg はチオグリセロール溶液 (54 mg/ml) 3 ml に溶解し、発色原液として低温室で保存した。

【0041】
【表3】


N,
N-dimethyl- p-phenylenediamine は、チオグリセロール各溶液 (0 mg/ml〜100 mg/ml) 3 ml に溶解し、発色原液として低温室で保存した。保存期間毎に 0.1 M Tris-HCl緩衝液(pH7.3)で100倍希釈した後、それぞれ300 micro L を96穴マイクロプレートに注入し、マイクロプレートリーダー (Labsystems- Multiskan MS,
Dainippon Pharm. Co., Tokyo, Japan) で A540 を測定した。

【実施例5】
【0042】
Porphyromonas gingivalis における硫化水素量とメチレンブルー量の関係
Persson らは歯周病原性菌である Porphyromonas gingivalis
(PG) は硫化水素の発生源として口臭の一因であると報告した(非特許文献1)。また Washio らは舌苔において硫化水素を産生する細菌数と口臭が相関すると報告した(非特許文献8)。これらの事実からPG菌数と硫化水素の発生量の関係について調べた。PG (ATCC33277) はGAM培地(日水製薬;東京)を用いて嫌気条件下(37度)で72 時間培養し、発生する硫化水素量は実施例2に従いメチレンブルー量を測定した。その結果、PG(3.4 ×
10の7乗個)は1200 ng の硫化水素を産生することがわかった(図21)。

【0043】
【非特許文献8】Washio J. et al..J Med Microbiol, 54, 889-895, 2005: Hydrogensulfide-producing bacteria in tongue biofilm and their relationship with oral malodour.
【実施例6】
【0044】
ヒトでの口臭濃度の測定
口臭外来患者における舌苔の硫化水素量とオーラルクロマで測定した口臭との関係を調べた。口臭の原因物質である硫化水素は主に口腔内細菌が脱落上皮細胞や白血球を分解して産生され、また舌背に付着する舌苔がその産生部位の一つであると考えられている。事実、Washio らは舌苔において硫化水素を産生する細菌数と口臭が相関することを報告している(非特許文献8)。これらの事実から実施例3に従い口臭外来患者の舌苔について、メチレンブルー量より硫化水素を測定し、舌苔の硫化水素量とオーラルクロマで測定した口臭との関係について調べた。口臭外来患者の舌苔は綿棒を用いて、舌背中央部を縦に10回擦過して採取した。表4に示すように80歳の女性患者におけるオーラルクロマでの口臭測定値は硫化水素: 29.4 ng/10ml、メチルメルカプタン: 7.8 ng/10ml、ジメチルスルファイド:1.6 ng/10mlであったが、舌苔の硫化水素量は図22に示すようにメチレンブルーの鮮やかな青色が観察され 35ng相当量であることが判った。また74歳の女性患者の口臭は硫化水素: 23.8 ng/10ml、メチルメルカプタン: 5.3 ng/10ml、ジメチルスルファイド: 6.8 ng/10mlで、舌苔の硫化水素量は70 ngであった。

【0045】
【表4】



【0046】
一般に口臭の産生部位は、口腔内細菌が存在する歯肉溝や歯苔と考えられているが、歯苔より直接サンプリングして硫化水素を定量する方法は未だに報告されていない。従って、本願の方法は、口臭患者の硫化水素発生部位を直接的に特定できる初めての方法である。
表4においては、オーラロクロマトで測定した硫化水素量は、患者1と2では、ほぼ似た値であるが、本願の方法では、大きく値は異なった。オーラロクロマトでは、口腔内の全体の気相の分析しかできないが、本願の方法では、口腔内の特定の位置の硫化水素量を定量できることを意味している。新規な特徴を持った方法であるといえる。

【0047】
硫化水素は口臭の原因物質として有名であるが、近年、NO, COと同様にガス状バイオファクター(gasotransmitter)として注目されている(非特許文献9、10)。すなわち、内皮由来弛緩因子、抗炎症因子など情報伝達ガス分子として生理的に重要な機能を有していることが明らかにされつつある。しかしながら、その定量法については既にガスクロマトグラフィーをはじめ比色法など確立されているが、高価な機器の必要性やその操作の煩雑さから必ずしも十分に実用化されていない。このような背景から安価で、かつ簡便で目視できるような測定法の開発が待たれる。

【0048】
【非特許文献9】GadallaM. et al. J. Neurochem., 2010, 113, 14-26
【非特許文献10】FallerS. et al. Anesthesiology 2010, 113, 104-115.
【産業上の利用可能性】
【0049】
本願の方法を用いれば、より簡単にかつ安価に口臭の程度を定量でき、歯周病や虫歯の発見や治療に利用することができる。

【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】基礎となるメチレンブルー法の発色原理: 発色試薬 N, N'-Dimethyl-p- phenylenediamine は、塩酸酸性化において塩化第2鉄を触媒として、硫化水素イオンと反応してメチレンブルーを生成する。この反応は、硫化水素イオン量に対して定量的に進行する。
【図2】口臭判定濾紙の平面図: 内径: 20 mm、外径: 26 mm、外枠: 22 mm、全体の長さ: 65 mm、濾紙片: 22 mm。 クロマトグラフィー用濾紙(直径 21.5 mm、厚さ0.7mm; Advantec,No.526;東洋濾紙会社)。サンプル量は、50 micro L 〜 100 micro Lが適当出る。
【図3】気相において硫化水素を捕捉し固定する濾紙片の硫酸亜鉛量とメチレンブルー生成: プラスチック製容器の底に1.25 mM Na2S溶液0.1ml、次いで容器壁に3.4M塩酸0.1mlを加え、濾紙片を挿入後、容器のキャップを閉めた。そしてNa2S溶液と塩酸を接触させて硫化水素を発生させ、0 %-40 % (w/v%)の硫酸亜鉛溶液を含有する濾紙片に捕捉、固定させた。5分後、濾紙片を容器から取り出し、実施例1に従い、メチレンブルー量を NF333 簡易型分光色差計で A660 で測定した。
【図4】気相において硫化水素を捕捉し固定する濾紙片のメチレンブルー産生に対する塩化第2鉄濃度の依存性: 塩化第2鉄溶液(0 −50 mg/ml) は1.2 M塩酸で溶解した。それ以外は図1と同じ実験条件である。
【図5】気相において硫化水素を捕捉し固定する濾紙片のメチレンブルー産生に対する塩化第2鉄溶液の塩酸依存性: 塩化第2鉄溶液(10 mg/ml) 溶液は0.1 M-4.5 M塩酸溶液で調製した。それ以外は図3と同じ実験条件である。
【図6】気相において硫化水素を捕捉し固定する濾紙片のメチレンブルー産生に対する N, N'-Dimethyl- p-phenylenediamine 溶液の濃度依存性: N, N'-Dimethyl- p- phenylenediamine 溶液はエタノールで 1.0mg/ml 〜 2.0 mg/ml に調製した。それ以外は図3と同じ実験条件である。
【図7】気相において硫化水素を捕捉し固定する濾紙片のメチレンブルー発色に対する「固定液」の効果: 1, 硫化水素 0 ng, 「固定液」なし; 2, 硫化水素 0 ng, 「固定液」50 micro L; 3, 硫化水素 50 ng, 「固定液」なし; 4, 硫化水素50 ng, 「固定液」50 micro L
【図8】気相における硫化水素量と反応性生成したメチレンブルー量の関係: 実際の発色は鮮やかな青であるが、特許明細書のためグレーで表した。 各サンプルの硫化水素濃度は、1, 0; 2, 0.5 micro g; 3, 1.0micro g; 4, 2 micro g; 5, 4 micro g.
【図9】気相における硫化水素量と反応性生成したメチレンブルー量の関係: 図8の結果を分光色差計で定量化してグラフ化したもの
【図10】ガスクロマトグラムーマススペクトロメトリー(GC-MS)による硫化水素の分析: 硫化水素の分析は長田らの報告に従い、四重極 GC-MS(QP5000;Shimadzu, Tokyo, Japan)を用いて行った。矢印は硫化水素の流出位置を示す。硫化水素は硫化水素標準標品 (2mg/mlトルエン;Wako Chemical, Japan)とNa2S溶液より調製したものを使用した。1.硫化水素標準標品 (0.5 micro g/tube);2. 硫化水素標準標品 (1.0 micro g/tube);3.硫化水素標準標品 (2 micro g/tube);4.硫化水素標準標品 (4 micro g/tube);5.Na2S(0.7 micro g/tube) +塩酸
【図11】ガスクロマトグラフィーマススペクトロメトリー(GC-MS)における硫化水素濃度と34MS ion current量の関係: 図10の成績より図式化した。
【図12】ガスクロマトグラフィーマススペクトロメトリー(GC-MS)における34MS ion current量と新規測定法によるメチレンブルー量との関係: 図9、図11の成績より図式化した
【図13】溶液滴下による硫化水素量と濾紙片のメチレンブルー量の関係: 硫化水素濃度、1, 340 ng、2. 115 ng、3. 38 ng、4, 19 ng、5, 0 ng。 各濃度の硫化ソーダ溶液50 micro Lを濾紙片に添加する。30秒後、発色液で反応させ、写真撮影したもの。
【図14】溶液滴下における硫化水素量と濾紙片のメチレンブルー量の関係: 図13で示したメチレンブルーの青をNF333簡易型分光色差計(日本電色工業株式会社、東京)でA660測定し図式化した。
【図15】綿棒の模式図、 小綿棒および中綿棒の場合のサイズを下記に示した。: 小綿棒: (1)全長 A=63.0±1.0mm。(2)綿長 B=15.0±2.0mm、(3)綿径 C=3.6±0.5mm 、(4)綿端と軸端の距離 D=1.5mm以上。 中綿棒:(1)全長 A=63.0±1.0mm、(2)綿長 B=15.0±2.0mm、(3)綿径 C=4.7±0.6mm、(4)綿端と軸端の距離 D=1.5mm以上
【図16】綿棒補助濾紙: 濾紙を丸めて筒状にしたもので、図の下にかかれているのが、補助濾紙もみのもの。図の上は、補助濾紙を綿棒の棒の方から先端方向に挿入して、装着したもの。補助濾紙の端と綿棒の先は接しており、綿部分からの水分は速やかに補助濾紙へと移行できる。
【図17】各種硫化水素濃度で反応させた綿棒の写真: 1, 硫化水素 0 ng, 「固定液」50 micro L、補助濾紙の装着あり; 2, 硫化水素 42.5ng,「固定液」50 micro L, 補助濾紙の装着あり;3, 硫化水素42.5ng, 「固定液」なし、補助濾紙の装着あり; 4硫化水素0 ng, 「固定液」なし, 補助濾紙なし; 5, 硫化水素 0 ng, 「固定液」50 micro L、補助濾紙なし;6, 硫化水素42.5ng, 「固定液」なし,補助濾紙なし; 7,硫化水素42.5ng, 「固定液」50 micro L,補助濾紙なし
【図18】中綿棒を用いて種々の硫化ソーダ量を与えたのち、発色させた結果の写真: 綿棒の頭部には、反応の結果生成するメチレンブルーが見られ、補助濾紙には未反応試薬や夾雑物による赤褐色が見られる。
【図19】中綿棒における硫化水素量とメチレンブルー量の関係: 図18の頭部の青色を NF333 簡易型分光色差計で A660 を測定し、図式化した。
【図20】小綿棒における硫化水素量とメチレンブルー量の関係
【図21】PGの硫化水素産生とメチレンブルー: PG (ATCC3327株) は濾紙片を挿入した Falcon 微生物用ペトリデイッシュ (100 mm x 15 mm; 日本ベクトン・デイキンソン株式会社、東京)で嫌気培養し、72時間後、濾紙片を取り出し、メチレンブルー量と菌数を測定した。
【図22】舌苔中の硫化水素産生とメチレンブルー: 女性患者(80歳)における舌苔中の硫化水素産生を実施例6に従い、メチレンブルーで測定。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メチレンブルー法の固相での反応原理を濾紙の上で実施することを特徴とした硫化水素濃度の定量方法で、予め硫酸亜鉛を吸収させたセルロース製濾紙を用いてサンプリングし、次に塩酸酸性化で N, N'-Dimethyl
-p-phenylenediamine と塩化第2鉄からなる発色液をサンプリングした位置の中央に滴下して、サンプル中の硫化水素と定量的に反応が進み、青いメチレンブルーの分子が定量的に生成するメカニズムを利用した口腔内硫化水素の簡易定量キット。

【請求項2】
請求項1において、発色液を滴下した後に、酸化剤、pH緩衝剤、および、界面活性剤からなる固定化液を滴下することによって、濾紙クロマトグラフィーの原理によって、未反応物および夾雑物質を濾紙周辺部に展開して、生成したメチレンブルー化合物の青色をより鮮明にさせる「固定液」と名付けた組成物。

【請求項3】
請求項1および2において、濾紙に替えて綿棒を用いることによって、口腔内の特定の場所から直接サンプリングできること特徴とした硫化水素検査キット。

【請求項4】
請求項3において、綿棒でのサンプリング後、発色反応の際に水分吸収容量を増加させる補助濾紙を追加すること特徴とした硫化水素検査キット。

【請求項5】
請求項1における発色液すなわち N, N'-Dimethyl -p- phenylenediamine を含む組成物の保存性を高めるためにチオグリセロールを共存させる組成物およびこれを用いた口臭検査キット


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図19】
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【図20】
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【図7】
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【図8】
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【図14】
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【図17】
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【図18】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−251915(P2012−251915A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125887(P2011−125887)
【出願日】平成23年6月5日(2011.6.5)
【出願人】(506185665)
【出願人】(593013074)
【出願人】(509322454)
【Fターム(参考)】