簡易型浄化装置
【課題】山間僻地や災害等の発生時に於いて、河川や池の水を生分解性の磁性体凝集剤を用いて浄化処理して飲料水としたり、或いは、学校や一般家庭等から排出される汚濁水を浄化処理して再利用できるようにし、汚濁水の処理装置自体の構造の簡略化及び小型化並びに装置の製造コスト、ランニングコストの引き下げを図る。
【解決手段】支持フレーム2に鉛直回転自在に支持され、内部に汚濁水を貯留する開閉可能な容器3と、容器3を鉛直回転させる手動式の操作レバー5と、容器3内の汚濁水へ混入されて汚濁物質を凝集させる生分解性の磁性体凝集剤と、容器3内に配設され、磁性体凝集剤により作られたフロックを引き寄せる磁石体6と、引き寄せられたフロックを受け取る受皿7とを備えており、操作レバー5により容器3を鉛直回転させ、磁性体凝集剤を混入した汚濁水を混合攪拌してフロックを形成し、当該フロックを磁石体6により引き寄せて受皿7に回収する。
【解決手段】支持フレーム2に鉛直回転自在に支持され、内部に汚濁水を貯留する開閉可能な容器3と、容器3を鉛直回転させる手動式の操作レバー5と、容器3内の汚濁水へ混入されて汚濁物質を凝集させる生分解性の磁性体凝集剤と、容器3内に配設され、磁性体凝集剤により作られたフロックを引き寄せる磁石体6と、引き寄せられたフロックを受け取る受皿7とを備えており、操作レバー5により容器3を鉛直回転させ、磁性体凝集剤を混入した汚濁水を混合攪拌してフロックを形成し、当該フロックを磁石体6により引き寄せて受皿7に回収する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に山間僻地や災害等の発生時に於いて、河川や池の水を生分解性の磁性体凝集剤を用いて浄化処理して飲料水としたり、或いは、学校や一般家庭等に於いて、排出した汚濁水を生分解性の磁性体凝集剤を用いて浄化処理して再利用できるようにした簡易型浄化装置に係り、特に、河川等の水や、学校に於いて、絵の具や墨汁、水性塗料で汚れた筆や刷毛等を洗った時に発生する汚濁水、雑巾掛けした後の雑巾を洗った時に発生する汚濁水等を、極めて簡単な構造の小型の装置でもって浄化処理して再利用できるようにし、水不足に容易に対応することができるようにすると共に、水の浪費や汚濁水の処理に伴う浄化費用の問題を解決し、子供たちに水や環境問題に関心を持たせることができるようにした簡易型浄化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、低開発国の山間僻地等に於いては、河川や池の水を単に沈澱濾過しただけで飲用に供されている場合が多く見られる。
また、学校等では、絵の具や墨汁で汚れた筆等の洗浄や雑巾掛けした後の雑巾の洗浄には、多量の水道水を使用しているうえ、汚れた筆や雑巾等を洗浄した時に発生した汚濁水をそのままの状態で下水道に流したりしている。
【0003】
そのため、前者の場合に於いては、極めて不衛生であり、健康を害すると云う問題があり、また、後者の場合に於いては、筆や雑巾等の洗浄に要する水道代が高くなることは勿論のこと、汚濁水の処理に伴う浄化処理費用も相当なものになっており、学校等で使う水の浪費と排水が大きな問題となっている。
【0004】
そこで、これらの問題を解決するため、河川等の水や発生した汚濁水をその場で浄化処理して再利用したり、或は汚濁水を垂れ流さないようにした装置が開発され、登録実用新案第3120980号公報(特許文献1参照)として公開されている。
【0005】
即ち、前記登録実用新案第3120980号公報に開示された多目的廃水処理装置は、図13に示す如く、キャスター付きのボックス20内に、処理水(汚濁水)の凝集沈澱処理及びオゾン処理を行う凝集沈殿・オゾン処理タンク21と、凝集沈澱処理及びオゾン処理を行った処理水の濾過処理、沈澱処理及び活性炭による処理を行う濾過タンク22とを設置し、前記凝集沈殿・オゾン処理タンク21内に、処理水を循環させて攪拌する水中ポンプ23と、オゾンを含んだ空気を処理水内に放出するオゾンエアブロア24とを配設すると共に、ボックス20の外壁にオゾンを含んだ空気をオゾンエアブロア24へ供給するオゾン発生装置25を取り付けた構造となっており、絵の具や墨汁を含む汚水、グリストラップの汚水、飼育用池等の汚水を凝集沈殿剤、オゾン発生装置25、活性炭等を使用して浄化処理し、その処理水を再利用可能としたものである。
【0006】
しかし、前記多目的廃水処理装置は、水中ポンプ23やオゾン発生装置25等を必要とするため、装置自体の構造が極めて複雑になるうえ、水中ポンプ23及びオゾン発生装置25を動かすのに電力を必要とし、山間僻地では容易に使用できないうえ、装置の製造コスト及びランニングコストの引き下げを図れないと云う問題があった。
【0007】
また、この多目的廃水処理装置は、ボックス20内の上段に凝集沈殿・オゾン処理タンク21を、ボックス20内の下段に濾過タンク22をそれぞれ設置する構造となっているため、装置自体が大型化すると云う問題があった。
【0008】
更に、この多目的廃水処理装置は、凝集沈殿剤を使用して汚水の凝集沈澱処理を行うようにしているが、具体的な凝集沈殿剤の種類が記載されておらず、もしも、凝集沈殿剤にアルミニウム系凝集剤やポリアクリルアミド等の合成高分子凝集剤を用いている場合には、環境に対する安全性(2次汚染)の点に問題を残す結果となり、安全性に面に於いても問題が発生することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】登録実用新案第3120980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、このような問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、河川等の水や学校や一般家庭等から排出される汚濁水を浄化処理して再利用できるようにし、水不足や水の浪費、汚濁水の処理に伴う浄化費用の問題等を解決できると共に、子供たちに水や環境問題に関心を持たせることができ、加えて、汚濁水を処理する装置自体の構造の簡略化及び小型化並びに装置の製造コスト、ランニングコストの引き下げ等を図れるようにした簡易型浄化装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の発明は、支持フレームに支持軸を介して鉛直回転自在に支持され、内部に汚濁水を貯留する開閉可能な密閉状の容器と、支持軸に連結され、容器を鉛直回転させる手動式の操作レバーと、容器内の汚濁水へ混入されて水中の汚濁物質を凝集させる生分解性の磁性体凝集剤と、容器内に配設され、磁性体凝集剤により作られたフロックを磁力により引き寄せる磁石体と、磁石体の手前側に配設され、磁石体により引き寄せられたフロックを受け取る受皿とを備えており、操作レバーにより容器を鉛直回転させ、磁性体凝集剤を混入した汚濁水を混合攪拌してフロックを形成し、当該フロックを磁石体により引き寄せて受皿に回収する構成としたことに特徴がある。
【0012】
本発明の請求項2の発明は、容器が、円筒のタンク状に形成されており、容器の上壁部に形成されて容器内に汚濁水、磁性体凝集剤、磁石体及び受皿を入れるための入口と、この入口を開閉するキャップと、容器の周壁部に形成されて容器内の様子を確認できる透明な覗き窓と、容器の下端部に設けられて容器内の浄化された水を取り出す開閉弁とを備えていることに特徴がある。
【0013】
本発明の請求項3の発明は、容器が、上下に分割可能な構造の円筒のタンク状に形成されており、容器の上壁部に形成されて容器内に汚濁水及び磁性体凝集剤を入れるための入口と、この入口を開閉するキャップと、容器の周壁部に形成されて容器内の様子を確認できる透明な覗き窓と、容器の下端部に設けられて容器内の浄化された水を取り出す開閉弁とを備えており、容器自体を上下に分割して磁石体及び受皿の出し入れを行えるようにしたことに特徴がある。
【0014】
本発明の請求項4の発明は、容器の底壁部外面に、汚濁水を入れた容器の回転をスムースに行えるようにウエイトを取り付けたことに特徴がある。
【0015】
本発明の請求項5の発明は、容器の覗き窓近傍位置又は覗き窓に、容器内の汚濁水又は浄水の量を測る目盛りを設けたことに特徴がある。
【0016】
本発明の請求項6の発明は、開閉弁の入口側に、フロックの流出を阻止するストレーナーを設けたことに特徴がある。
【0017】
本発明の請求項7の発明は、磁性体凝集剤を、磁性材製の微粒体と生分解性ポリマーの凝集剤との混合体、若しくは、外表面にシラン化合物又はその重合物を結合した磁性材製の微粒体に、生分解性ポリマーの凝集剤を結合してなる磁性体凝集剤としたことに特徴がある。
【0018】
本発明の請求項8の発明は、磁石体が、円盤状のケーシング内に複数の永久磁石を内蔵して成り、容器の底壁部内面に着脱自在に取り付けられていることに特徴がある。
【0019】
本発明の請求項9の発明は、受皿が、容器の底壁部内面又は磁石体自体に磁石体を覆う状態で着脱自在に取り付けられており、磁石体の磁力により引き寄せられた水中に浮遊するフロックを磁石体の手前で受け取って回収する構成としたことに特徴がある。
【0020】
本発明の請求項10の発明は、容器内に汚濁水の水温を高めるヒータを配設すると共に、前記ヒータに電力を供給する手動式の発電機を操作レバーの内側に組み込み、操作レバーの回転操作により発電機を駆動して電力を発生させ、この電力をヒータに供給して汚濁水を温めようにしたことに特徴がある。
【0021】
本発明の請求項11の発明は、ヒータを、水中に浮遊するフロックが通過可能なメッシュを有するネット状のヒータとすると共に、前記ネット状のヒータで受皿の上方開口を覆う構成としたことに特徴がある。
【発明の効果】
【0022】
本発明の請求項1の簡易型浄化装置は、支持フレームに鉛直回転自在に支持された容器と、容器を鉛直回転させる手動式の操作レバーと、容器内の汚濁水へ混入される生分解性の磁性体凝集剤と、容器内に配設されて磁性体凝集剤により作られたフロックを磁力により引き寄せる磁石体と、磁石体の手前側に配設されて磁石体により引き寄せられたフロックを受け取る受皿とを備えており、操作レバーにより容器を鉛直回転させ、磁性体凝集剤を混入した汚濁水を混合攪拌してフロックを形成し、当該フロックを磁石体により引き寄せて受皿に回収する構成としているため、冒頭で述べた従来の廃水処理装置に比較して構造の簡略化及び小型化を図れると共に、混合攪拌用の水中ポンプ等を省略することができ、装置の製造コスト及びランニングコストの引き下げを図れる。
また、本発明の請求項1の簡易型浄化装置は、汚濁水及び磁性体凝集剤を入れた容器を鉛直回転させているため、汚濁水と磁性体凝集剤が効率良く混合攪拌されることになり、浄化処理を素早く行える。
更に、本発明の請求項1の簡易型浄化装置は、汚濁水と生分解性の磁性体凝集剤を混合攪拌して水中に浮遊する汚濁物質を凝集させてフロックとし、当該フロックを磁石体及び受皿により回収するようにしているため、汚濁水を飲用に適した清水とすることができる。その結果、本発明の簡易型浄化装置を用いれば、山間僻地や災害等の発生時に於いて、河川等の水を飲料水として利用することができ、また、学校に於いて、絵の具や墨汁、水性塗料で汚れた筆や刷毛等を洗った時に発生する汚濁水や、雑巾掛けした後の雑巾を洗った時に発生する汚濁水を簡単に浄化処理して再利用することができ、水不足や水の浪費、汚濁水の処理に伴う浄化処理費用の問題を解決できると共に、子供たちに水や環境問題に関心を持たせることができる。
【0023】
本発明の請求項2〜請求項11の簡易型浄化装置は、上記効果に加えて更に次のような優れた効果を奏することができる。
【0024】
即ち、本発明の請求項2の簡易型浄化装置は、容器が、汚濁水、磁性体凝集剤、磁石体及び受皿の入口と、入口を開閉するキャップと、容器内の様子を確認する透明な覗き窓と、浄水を取り出す開閉弁とを備えているため、容器内への汚濁水及び磁性体凝集剤の投入、磁石体及び受皿の出し入れ、浄水の取り出しを簡単且つ容易に行えるうえ、透明な覗き窓により容器内の汚濁水の処理状況や汚濁水及び浄水の量を目視することができ、取扱性に極めて優れている。
【0025】
本発明の請求項3の簡易型浄化装置は、容器が、上下に分割可能な構造の円筒のタンク状に形成されており、汚濁水及び磁性体凝集剤の入口と、入口を開閉するキャップと、容器内の様子を確認する透明な覗き窓と、浄水を取り出す開閉弁とを備えているため、請求項2の簡易型浄化装置と同じ作用効果を奏することができる。
【0026】
本発明の請求項4の簡易型浄化装置は、容器の底壁部外面にウエイトを取り付けているため、汚濁水を入れた容器を簡単且つ容易に鉛直回転させて容器内の汚濁水と磁性体凝集剤を混合攪拌するでき、学校で使用する場合に子供でも簡単且つ容易に使用することができる。
【0027】
本発明の請求項5の簡易型浄化装置は、容器の覗き窓近傍位置又は覗き窓に、容器内の汚濁水又は浄水の量を測る目盛りを設けているため、容器内の汚濁水の量や浄水の量を正確に知ることができる。
【0028】
本発明の請求項6の簡易型浄化装置は、容器に設けた開閉弁の流入口側にストレーナーを設けているため、容器内の浄水を取り出す際に浄水と一緒にフロックが流出したり、開閉弁がフロックにより閉塞するのを防止することができる。
【0029】
本発明の請求項7の簡易型浄化装置は、磁性体凝集剤を、磁性材製の微粒体と生分解性ポリマーの凝集剤との混合体、若しくは、外表面にシラン化合物又はその重合物を結合した磁性材製の微粒体に、生分解性ポリマーの凝集剤を結合してなる磁性体凝集剤としているため、従前のポリアクリルアミド等の合成高分子凝集剤の場合よりも汚濁物質の凝集を効率良く行え、且つ、残留した凝集剤が自然界で速く自然分解されるので安全性に於いても優れている。
【0030】
本発明の請求項8の簡易型浄化装置は、磁石体が、円盤状のケーシング内に複数の永久磁石を内蔵して成り、容器の底壁部内面に着脱自在に取り付けられているため、取扱性に優れていると共に、磁石体が汚れた場合には、容器内から取り出して洗浄することができ、衛生的にも優れたものとなる。
【0031】
本発明の請求項9の簡易型浄化装置は、受皿が、容器の底壁部内面又は磁石体自体に磁石体を覆う状態で着脱自在に取り付けられており、磁石体の磁力により引き寄せられた水中に浮遊するフロックを磁石体の手前で受け取って回収するようにしているため、磁石体自体にフロックが吸着回収されることがなく、また、回収したフロックの取り出しを簡単且つ容易に行える。
【0032】
本発明の請求項10の簡易型浄化装置は、容器内に汚濁水の水温を高めるヒータを配設すると共に、前記ヒータに電力を供給する手動式の発電機を操作レバーの内側に組み込み、操作レバーの回転操作により発電機を駆動して電力を発生させ、この電力をヒータに供給して汚濁水を温めようにしているため、浄化処理する汚濁水の水温が低い冬季や寒冷地域に於いて使用する場合でも、低水温の汚濁水の温度を水浄化処理に適した温度(通常10℃以上、好ましくは10〜25℃、より好ましくは20℃付近)に上げることができ、磁性体凝集剤の凝集性能に悪影響を及ぼすことがない。また、手動式の発電機を備えているため、電力を学校等のコンセントから取る必要がなく、ランニングコストの低減を図れるうえ、山間僻地等の電源のない場所でも使用することができる。
【0033】
本発明の請求項11の簡易型浄化装置は、ヒータを、水中に浮遊するフロックが通過可能なメッシュを有するネット状のヒータとすると共に、前記ネット状のヒータで受皿の上方開口を覆う構成としているため、ネット状のヒータを通過して受皿に回収されたフロックが受皿から排出され難くなる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1実施形態に係る簡易型浄化装置の正面図である。
【図2】図1に示す簡易型浄化装置の側面図である。
【図3】図1に示す簡易型浄化装置の平面図である。
【図4】図1のA−A線拡大断面図である。
【図5】図2のB−B線拡大断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る簡易型浄化装置の正面図である。
【図7】図6に示す簡易型浄化装置の側面図である。
【図8】図6に示す簡易型浄化装置の平面図である。
【図9】図6のC−C線拡大断面図である。
【図10】図6のD−D線拡大断面図である。
【図11】図7のE−E線拡大断面図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係る簡易型浄化装置の縦断面図である。
【図13】従来の廃水処理装置の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図5は本発明の第1実施形態に係る簡易型浄化装置1を示し、当該簡易型浄化装置1は、例えば、学校に於いて、絵の具や墨汁、水性塗料で汚れた筆や刷毛等を洗った時に発生する汚濁水や、雑巾掛けした後の雑巾を洗った時に発生する汚濁水を浄化処理して再利用できるようにし、水の浪費や汚濁水の処理に伴う浄化費用の問題を解決できると共に、子供たちに水や環境問題に関心を持たせることができるようにしたものであり、主に汚濁水の水温が10℃以上になる夏季等の季節や温暖地域で使用されるものである。
【0036】
即ち、前記簡易型浄化装置1は、支持フレーム2と、支持フレーム2に鉛直回転自在に支持され、内部に汚濁水を貯留する開閉可能な密閉状の容器3と、容器3を鉛直回転させる手動式の操作レバー5と、容器3内の汚濁水へ混入されて水中の汚濁物質を凝集させる生分解性の磁性体凝集剤と、容器3内に配設され、磁性体凝集剤により作られたフロックを磁力により引き寄せる磁石体6と、磁石体6の手前側に配設され、磁石体6により引き寄せられたフロックを受け取る受皿7とから成り、操作レバー5の回転操作により容器3を鉛直回転させ、磁性体凝集剤を混入した汚濁水を混合攪拌してフロックを形成し、当該フロックを磁石体6により引き寄せて受皿7に回収するようにしたものである。
【0037】
具体的には、前記支持フレーム2は、ABS樹脂等の合成樹脂材により形成されており、図1〜図3に示す如く、対向状に配置した三角形状の一対の支持板2aと、両支持板2aの下端部同士を連結する帯状の一対の連結板2bとから成る。
【0038】
前記容器3は、ABS樹脂等の合成樹脂材により円筒のタンク状に形成されており、図4及び図5に示す如く、容器3の上壁部には、容器3内に汚濁水、磁性体凝集剤、磁石体6及び受皿7を入れるための入口3aが形成されている。この入口3aは、入口3aの周縁部に着脱自在に螺着されるキャップ3bにより開閉自在となっており、磁石体6及び受皿7を容器3内に出し入れできる大きさに形成されている。
また、容器3の周壁部には、図1及び図4に示す如く、容器3内の様子(汚濁水の浄化状況、汚濁水の量、浄水の量)を確認するための縦長の透明な覗き窓3cが設けられている。この覗き窓3c近傍の容器3外壁面には、容器3内の汚濁水や浄水の量を測る目盛り3dが設けられている。
更に、容器3の下端部には、図1、図2及び図4に示す如く、底壁から数cm離れた位置に開閉弁3eが設けられており、容器3内の浄化された水を取り出せるようになっている。この開閉弁3eには、コックが使用されており、その入口側には、フロックの流出を阻止する金属製又は合成樹脂製の網構造のストレーナー3fが設けられている。また、開閉弁3eの出口には、ビニールホースが接続可能となっている。
更に、容器3内の開閉弁3e上方位置には、容器3内の浄水を開閉弁3eから取り出す際に、開閉弁3e側に流れて来る容器3内の細かいフロック(スラッジ)を溜めるための空間を形成する平面形状が略三日月状のスラッジ受止め部3jが形成されている。
更に、容器3の底壁部外面には、汚濁水を入れた容器3の回転をスムースに行えるようにウエイト3gが取り付けられている。
更に、容器3の底壁部内面には、磁石体6及び受皿7を着脱自在に嵌合保持する環状の保持部3iが突出形成されており、保持部3iの内周面に磁石体6が着脱自在に嵌合され、また、保持部3iの外周面に受皿7が着脱自在に嵌合されるようになっている。
【0039】
そして、前記容器3は、図4に示す如く、周壁部の外壁面に対向状に取り付けた支持軸3hを支持フレーム2の両支持板2aに設けた軸受4に支持させることによって、支持フレーム2に鉛直回転自在に支持されている。
【0040】
前記操作レバー5は、ABS樹脂等の合成樹脂材により形成されており、容器3の一方の支持軸3h端部に連結されて容器3自体を支持軸3hを中心にして鉛直回転させることができるようになっている。
【0041】
前記磁性体凝集剤は、ポリグルタミン酸とマグネタイトを化学結合させたものであり、具体的には、磁性材であるマグネタイトの微粒子(粒径0.1〜20μm)の外表面にアミノ基を官能基とするAPTS(シラン化合物)をコーティングし、これに凝集性を備えたポリグルタミン酸のナトリウム塩をアミド結合により結合させたものである。
この実施形態に於いては、磁性体凝集剤として、日本ポリグル株式会社製のPG−M(製品名)が使用されている(再公表2008−105521号公報参照)。
尚、磁性体凝集剤は、磁性材であるマグネタイトの微粒子とポリグルタミン酸を主剤とする生分解性凝集剤とを混合して形成した磁性体凝集剤であっても良い。
【0042】
前記磁石体6は、図4及び図5に示す如く、円盤状のケーシング6a内に複数の永久磁石6bを内蔵して成り、容器3の底壁部内面に形成した保持部3iに着脱自在に嵌合され、水中に浮遊するフロックを磁力により引き寄せるものである。
この磁石体6の磁石密度は、容器3が鉛直回転して容器3内の汚濁水と磁性体凝集剤が混合攪拌されている状態に於ては容器3内の磁性体凝集剤及びフロックを吸着せず、且つ、容器3の鉛直回転が停止した時点に於いて水中に浮遊するフロックを吸着できる程度に設定されている。
【0043】
前記受皿7は、図4及び図5に示す如く、ABS樹脂等の合成樹脂材により円形の皿状に形成されており、その下面には、容器3の底壁部内面に形成した保持部3iに着脱自在に嵌合される環状の係止部7aが形成されている。
この受皿7は、磁石体6の表面に密着する状態で容器3の底部に配設されており、磁石体6により引き寄せられたフロックを受け取るものである。
【0044】
尚、この実施形態に於いては、簡易型浄化装置1の寸法は、高さ48cm、幅43cm、奥行37.5cmに、容器3の寸法は、高さ33cm、直径30cmにそれぞれ設定されている。
また、磁性体凝集剤は、付属品として付けられており、0.2g〜0.4gの磁性体凝集剤(汚濁水1リットル当り0.2g〜0.4gの磁性体凝集剤を使用)を密封状の小さい袋に詰めたものものが100袋〜500袋(100リットル〜500リットル分)用意されている。この磁性体凝集剤は、数g単位、10g単位、数十g単位、100g単位又は数百g単位で密封状の袋に詰めるようにしても良いことは勿論である。
【0045】
次に、上述した簡易型浄化装置1を用い、学校に於いて、絵の具や墨汁、水性塗料で汚れた筆や刷毛等を洗った時に発生する汚濁水や、雑巾掛けした後の雑巾を洗った時に発生する汚濁水を浄化処理する場合について説明する。
【0046】
先ず、容器3のキャップ3bを開けて容器3内に汚濁水を入れると共に、汚濁水の量に見合った磁性体凝集剤を容器3内に入れ、容器3の入口3aをキャップ3bにより閉塞する。
このとき、容器3内に入れる汚濁水の量は、透明な覗き窓3c及び目盛り3dにより測ることができるので、容器3内に入れる凝集剤の量も簡単且つ正確に判る。
【0047】
次に、操作レバー5を握って容器3を数分間鉛直回転させ、容器3内の汚濁水と磁性体凝集剤とを混合攪拌する。そうすると、磁性体凝集剤により水中の汚濁物質が凝集し始めてフロックを形成する。これにより、容器3内の汚濁水が順次浄化処理されて清水となる。
このとき、容器3内の汚濁水の処理状況を透明な覗き窓3cから覗くことができるので、汚濁水が清水になった時点で容器3の回転操作を止めることができるため、必要以上に浄化処理操作を行うこともない。
【0048】
そして、汚濁水が清水になったら、容器3の回転を止める。そうすると、水中に浮遊している磁性体凝集剤により作られたフロックが磁石体6の磁力により容器3の底壁側へ引き寄せられ、受皿7内に回収される。
このときにも、容器3内の様子を透明な覗き窓3cから覗くことができるので、受皿7内へのフロックの回収状況を確認することができる。
【0049】
水中に浮遊しているフロックが受皿7に回収されたら、開閉弁3eを開放して容器3内の清水を取り出し、これを再利用する。
このとき、開閉弁3eの流入口側にストレーナー3fを設けているため、清水と一緒にフロックが流出したり、開閉弁3eがフロックにより閉塞するのを防止することができる。
尚、受皿7に回収されたフロックは、容器3内の清水を取り出した後、容器3内から受皿7を取り出して廃棄する。
また、汚濁水の浄化処理により受皿7及び磁石体6が汚れたら、これらを容器3内から取り出して洗浄した後、再度容器3内に装着する。
【0050】
上述した簡易型浄化装置1は、学校に於いて、絵の具や墨汁、水性塗料で汚れた筆や刷毛等を洗った時に発生する汚濁水や、雑巾掛けした後の雑巾を洗った時に発生する汚濁水の浄化に使用した場合、汚濁水を浄化処理して再利用することができ、水の浪費や汚濁水の処理に伴う浄化費用の問題を解決できると共に、子供たちに水や環境問題に関心を持たせることができる。
【0051】
図6〜図11は本発明の第2実施形態に係る簡易型浄化装置1を示し、当該簡易型浄化装置1は、例えば、学校に於いて、絵の具や墨汁、水性塗料で汚れた筆や刷毛等を洗った時に発生する汚濁水や、雑巾掛けした後の雑巾を洗った時に発生する汚濁水を浄化処理して再利用できるようにし、水の浪費や汚濁水の処理に伴う浄化費用の問題を解決できると共に、子供たちに水や環境問題に関心を持たせることができるようにしたものであり、主に汚濁水の水温が10℃以下になる冬季等の寒い季節や寒冷地域で使用されるものである。
【0052】
即ち、前記簡易型浄化装置1は、支持フレーム2と、支持フレーム2に鉛直回転自在に支持され、内部に汚濁水を貯留する開閉可能な密閉状の容器3と、容器3を鉛直回転させる手動式の操作レバー5と、容器3内の汚濁水へ混入されて水中の汚濁物質を凝集させる生分解性の磁性体凝集剤と、容器3内に配設され、磁性体凝集剤により作られたフロックを磁力により引き寄せる磁石体6と、磁石体6の手前側に配設され、磁石体6により引き寄せられたフロックを受け取る受皿7と、容器3内に配設され、汚濁水の水温を高めるヒータ8と、操作レバー5の内側に組み込まれ、ヒータ8に電力を供給する手動式の発電機9とから成り、操作レバー5の回転操作により発電機9を駆動して電力を発生させ、この電力をヒータ8に供給して低水温の汚濁水を磁性体凝集剤の凝集反応に適した温度にまで温め、また、操作レバー5の回転操作により容器3を鉛直回転させ、磁性体凝集剤を混入した汚濁水を混合攪拌してフロックを形成し、当該フロックを磁石体6により引き寄せて受皿7に回収するようにしたものである。
【0053】
この簡易型浄化装置1は、上述した第1実施形態に係る簡易型浄化装置1にヒータ8及び手動式の発電機9を新たに付加したものであり、支持フレーム2、容器3、操作レバー5、磁性体凝集剤、磁石体6及び受皿7は、第1実施形態に係る簡易型浄化装置1のものと同じ構造及び同じ形状に形成されている。
従って、図1〜図5に示す第1実施形態に係る簡易型浄化装置1と同じ部位・部材には同一の参照番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0054】
前記ヒータ8は、図9〜図11に示す如く、水中に浮遊するフロックが通過可能なメッシュを有する円形のネット状のヒータに形成されており、受皿7の上方開口を覆う状態で受皿7の外周縁部に着脱自在に取り付けられている。
このネット状のヒータ8は、発熱線材(ニクロム線や合成繊維の外表面にカーボン粒子を均質にコーティングしたもの等)の外周囲に、当該発熱線材を保護し、且つ、水中への漏電を防止するポリウレタン樹脂やポリエステル樹脂等から成る耐水絶縁層を形成した耐水発熱糸を用いて円形のネット状に編んだものである。
【0055】
前記手動式の発電機9は、ケーシング9a内に発電用回転機9b及び増速ギア装置9cが配設されており、増速ギア装置9cの入力軸を手で回して発電用回転機9bを回転させることによって電気を発生させるものである。この手動式の発電機9には、従来公知のものが用いられており、増速ギア装置9cの入力軸を容器3の外壁面に取り付けた一方の支持軸3hと兼用させている。
また、手動式の発電機9は、支持フレーム2の片方の支持板2a外面に固定されており、増速ギア装置9cの入力軸、即ち、容器3の一方の支持軸3h端部には、操作レバー5が取り付けられている。
更に、手動式の発電機9のケーシング9a内には、前記支持軸3hが挿通される中空軸型のスリップリング装置11(静止体から回転体に対して電力と電気信号を伝達することのできる装置)が設けられており、発電機9により得られた電力をリード線12を介してネット状のヒータ8に供給するようになっている。
尚、リード線12は、支持軸3hに形成した中空穴に通されており、その一端部がスリップリング装置11の集電環に、また、その他端部がネット状のヒータ8にそれぞれ接続されている。
【0056】
前記簡易型浄化装置1によれば、容器3内に汚濁水及び磁性体凝集剤を入れ、操作レバー5を回転させると、発電機9により得られた電力がヒータ8に供給されて汚濁水を温め、また、容器3が鉛直回転して磁性体凝集剤を混入した汚濁水が混合攪拌されてフロックが形成され、汚濁水が順次浄化処理されて行く。
【0057】
そして、汚濁水が清水になったら、容器3の回転を止める。そうすると、水中に浮遊している磁性体凝集剤により作られたフロックが磁石体6の磁力により容器3の底壁側へ引き寄せられ、ネット状のヒータ8の網目を通過して受皿7内に回収される。
尚、受皿7に回収されたフロックは、受皿7の上方開口がネット状のヒータ8で覆われているため、受皿7から排出され難くなる。
【0058】
この第2実施形態に係る簡易型浄化装置1は、上述した第1実施形態に係る簡易型浄化装置1と同様の作用効果を奏することができる。
しかも、この簡易型浄化装置1は、容器3内の汚濁水を温めることができるため、浄化処理する汚濁水の水温が低い冬季や寒冷地域に於いて使用する場合でも、低水温の汚濁水の温度を水浄化処理に適した温度(通常10℃以上、好ましくは10〜25℃、より好ましくは20℃付近)に上げることができ、磁性体凝集剤の凝集性能に悪影響を及ぼすことがない。
【0059】
図12は本発明の第3実施形態に係る簡易型浄化装置1を示し、当該簡易型浄化装置1は、容器3を上下に分割可能な構造の円筒のタンク状に形成したものであり、容器3の下端部をネジ構造により着脱自在としたものである。
この簡易型浄化装置1は、容器3を上下に分割可能に構成しているため、容器3を分解することによって、容器3内への磁石体6及び受皿7の出し入れをより一層簡単且つ容易に行うことができる。
尚、この簡易型浄化装置1は、支持フレーム2、容器3、操作レバー5、磁性体凝集剤、磁石体6及び受皿7が、図1〜図5に示す第1実施形態に係る簡易型浄化装置1のものと同じ構造及び同じ形状に形成されているため、第1実施形態に係る簡易型浄化装置1と同じ部位・部材には同一の参照番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の簡易型浄化装置1は、学校で排出される汚濁水を浄化処理するだけでなく、河川等の水や一般家庭で排出される汚濁水を浄化処理しても良く、或は、地震や洪水等の災害時に河川、池、プール等の水を浄化処理し、これを生活用水として使用することもできる。
【符号の説明】
【0061】
1は簡易型浄化装置、2は支持フレーム、3は容器、3aは入口、3bはキャップ、3cは透明な覗き窓、3dは目盛り、3eは開閉弁、3fはストレーナー、3gはウエイト、3hは支持軸、5は操作レバー、6は磁石体、7は受皿、8はヒータ、9は手動式の発電機。
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に山間僻地や災害等の発生時に於いて、河川や池の水を生分解性の磁性体凝集剤を用いて浄化処理して飲料水としたり、或いは、学校や一般家庭等に於いて、排出した汚濁水を生分解性の磁性体凝集剤を用いて浄化処理して再利用できるようにした簡易型浄化装置に係り、特に、河川等の水や、学校に於いて、絵の具や墨汁、水性塗料で汚れた筆や刷毛等を洗った時に発生する汚濁水、雑巾掛けした後の雑巾を洗った時に発生する汚濁水等を、極めて簡単な構造の小型の装置でもって浄化処理して再利用できるようにし、水不足に容易に対応することができるようにすると共に、水の浪費や汚濁水の処理に伴う浄化費用の問題を解決し、子供たちに水や環境問題に関心を持たせることができるようにした簡易型浄化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、低開発国の山間僻地等に於いては、河川や池の水を単に沈澱濾過しただけで飲用に供されている場合が多く見られる。
また、学校等では、絵の具や墨汁で汚れた筆等の洗浄や雑巾掛けした後の雑巾の洗浄には、多量の水道水を使用しているうえ、汚れた筆や雑巾等を洗浄した時に発生した汚濁水をそのままの状態で下水道に流したりしている。
【0003】
そのため、前者の場合に於いては、極めて不衛生であり、健康を害すると云う問題があり、また、後者の場合に於いては、筆や雑巾等の洗浄に要する水道代が高くなることは勿論のこと、汚濁水の処理に伴う浄化処理費用も相当なものになっており、学校等で使う水の浪費と排水が大きな問題となっている。
【0004】
そこで、これらの問題を解決するため、河川等の水や発生した汚濁水をその場で浄化処理して再利用したり、或は汚濁水を垂れ流さないようにした装置が開発され、登録実用新案第3120980号公報(特許文献1参照)として公開されている。
【0005】
即ち、前記登録実用新案第3120980号公報に開示された多目的廃水処理装置は、図13に示す如く、キャスター付きのボックス20内に、処理水(汚濁水)の凝集沈澱処理及びオゾン処理を行う凝集沈殿・オゾン処理タンク21と、凝集沈澱処理及びオゾン処理を行った処理水の濾過処理、沈澱処理及び活性炭による処理を行う濾過タンク22とを設置し、前記凝集沈殿・オゾン処理タンク21内に、処理水を循環させて攪拌する水中ポンプ23と、オゾンを含んだ空気を処理水内に放出するオゾンエアブロア24とを配設すると共に、ボックス20の外壁にオゾンを含んだ空気をオゾンエアブロア24へ供給するオゾン発生装置25を取り付けた構造となっており、絵の具や墨汁を含む汚水、グリストラップの汚水、飼育用池等の汚水を凝集沈殿剤、オゾン発生装置25、活性炭等を使用して浄化処理し、その処理水を再利用可能としたものである。
【0006】
しかし、前記多目的廃水処理装置は、水中ポンプ23やオゾン発生装置25等を必要とするため、装置自体の構造が極めて複雑になるうえ、水中ポンプ23及びオゾン発生装置25を動かすのに電力を必要とし、山間僻地では容易に使用できないうえ、装置の製造コスト及びランニングコストの引き下げを図れないと云う問題があった。
【0007】
また、この多目的廃水処理装置は、ボックス20内の上段に凝集沈殿・オゾン処理タンク21を、ボックス20内の下段に濾過タンク22をそれぞれ設置する構造となっているため、装置自体が大型化すると云う問題があった。
【0008】
更に、この多目的廃水処理装置は、凝集沈殿剤を使用して汚水の凝集沈澱処理を行うようにしているが、具体的な凝集沈殿剤の種類が記載されておらず、もしも、凝集沈殿剤にアルミニウム系凝集剤やポリアクリルアミド等の合成高分子凝集剤を用いている場合には、環境に対する安全性(2次汚染)の点に問題を残す結果となり、安全性に面に於いても問題が発生することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】登録実用新案第3120980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、このような問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、河川等の水や学校や一般家庭等から排出される汚濁水を浄化処理して再利用できるようにし、水不足や水の浪費、汚濁水の処理に伴う浄化費用の問題等を解決できると共に、子供たちに水や環境問題に関心を持たせることができ、加えて、汚濁水を処理する装置自体の構造の簡略化及び小型化並びに装置の製造コスト、ランニングコストの引き下げ等を図れるようにした簡易型浄化装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の発明は、支持フレームに支持軸を介して鉛直回転自在に支持され、内部に汚濁水を貯留する開閉可能な密閉状の容器と、支持軸に連結され、容器を鉛直回転させる手動式の操作レバーと、容器内の汚濁水へ混入されて水中の汚濁物質を凝集させる生分解性の磁性体凝集剤と、容器内に配設され、磁性体凝集剤により作られたフロックを磁力により引き寄せる磁石体と、磁石体の手前側に配設され、磁石体により引き寄せられたフロックを受け取る受皿とを備えており、操作レバーにより容器を鉛直回転させ、磁性体凝集剤を混入した汚濁水を混合攪拌してフロックを形成し、当該フロックを磁石体により引き寄せて受皿に回収する構成としたことに特徴がある。
【0012】
本発明の請求項2の発明は、容器が、円筒のタンク状に形成されており、容器の上壁部に形成されて容器内に汚濁水、磁性体凝集剤、磁石体及び受皿を入れるための入口と、この入口を開閉するキャップと、容器の周壁部に形成されて容器内の様子を確認できる透明な覗き窓と、容器の下端部に設けられて容器内の浄化された水を取り出す開閉弁とを備えていることに特徴がある。
【0013】
本発明の請求項3の発明は、容器が、上下に分割可能な構造の円筒のタンク状に形成されており、容器の上壁部に形成されて容器内に汚濁水及び磁性体凝集剤を入れるための入口と、この入口を開閉するキャップと、容器の周壁部に形成されて容器内の様子を確認できる透明な覗き窓と、容器の下端部に設けられて容器内の浄化された水を取り出す開閉弁とを備えており、容器自体を上下に分割して磁石体及び受皿の出し入れを行えるようにしたことに特徴がある。
【0014】
本発明の請求項4の発明は、容器の底壁部外面に、汚濁水を入れた容器の回転をスムースに行えるようにウエイトを取り付けたことに特徴がある。
【0015】
本発明の請求項5の発明は、容器の覗き窓近傍位置又は覗き窓に、容器内の汚濁水又は浄水の量を測る目盛りを設けたことに特徴がある。
【0016】
本発明の請求項6の発明は、開閉弁の入口側に、フロックの流出を阻止するストレーナーを設けたことに特徴がある。
【0017】
本発明の請求項7の発明は、磁性体凝集剤を、磁性材製の微粒体と生分解性ポリマーの凝集剤との混合体、若しくは、外表面にシラン化合物又はその重合物を結合した磁性材製の微粒体に、生分解性ポリマーの凝集剤を結合してなる磁性体凝集剤としたことに特徴がある。
【0018】
本発明の請求項8の発明は、磁石体が、円盤状のケーシング内に複数の永久磁石を内蔵して成り、容器の底壁部内面に着脱自在に取り付けられていることに特徴がある。
【0019】
本発明の請求項9の発明は、受皿が、容器の底壁部内面又は磁石体自体に磁石体を覆う状態で着脱自在に取り付けられており、磁石体の磁力により引き寄せられた水中に浮遊するフロックを磁石体の手前で受け取って回収する構成としたことに特徴がある。
【0020】
本発明の請求項10の発明は、容器内に汚濁水の水温を高めるヒータを配設すると共に、前記ヒータに電力を供給する手動式の発電機を操作レバーの内側に組み込み、操作レバーの回転操作により発電機を駆動して電力を発生させ、この電力をヒータに供給して汚濁水を温めようにしたことに特徴がある。
【0021】
本発明の請求項11の発明は、ヒータを、水中に浮遊するフロックが通過可能なメッシュを有するネット状のヒータとすると共に、前記ネット状のヒータで受皿の上方開口を覆う構成としたことに特徴がある。
【発明の効果】
【0022】
本発明の請求項1の簡易型浄化装置は、支持フレームに鉛直回転自在に支持された容器と、容器を鉛直回転させる手動式の操作レバーと、容器内の汚濁水へ混入される生分解性の磁性体凝集剤と、容器内に配設されて磁性体凝集剤により作られたフロックを磁力により引き寄せる磁石体と、磁石体の手前側に配設されて磁石体により引き寄せられたフロックを受け取る受皿とを備えており、操作レバーにより容器を鉛直回転させ、磁性体凝集剤を混入した汚濁水を混合攪拌してフロックを形成し、当該フロックを磁石体により引き寄せて受皿に回収する構成としているため、冒頭で述べた従来の廃水処理装置に比較して構造の簡略化及び小型化を図れると共に、混合攪拌用の水中ポンプ等を省略することができ、装置の製造コスト及びランニングコストの引き下げを図れる。
また、本発明の請求項1の簡易型浄化装置は、汚濁水及び磁性体凝集剤を入れた容器を鉛直回転させているため、汚濁水と磁性体凝集剤が効率良く混合攪拌されることになり、浄化処理を素早く行える。
更に、本発明の請求項1の簡易型浄化装置は、汚濁水と生分解性の磁性体凝集剤を混合攪拌して水中に浮遊する汚濁物質を凝集させてフロックとし、当該フロックを磁石体及び受皿により回収するようにしているため、汚濁水を飲用に適した清水とすることができる。その結果、本発明の簡易型浄化装置を用いれば、山間僻地や災害等の発生時に於いて、河川等の水を飲料水として利用することができ、また、学校に於いて、絵の具や墨汁、水性塗料で汚れた筆や刷毛等を洗った時に発生する汚濁水や、雑巾掛けした後の雑巾を洗った時に発生する汚濁水を簡単に浄化処理して再利用することができ、水不足や水の浪費、汚濁水の処理に伴う浄化処理費用の問題を解決できると共に、子供たちに水や環境問題に関心を持たせることができる。
【0023】
本発明の請求項2〜請求項11の簡易型浄化装置は、上記効果に加えて更に次のような優れた効果を奏することができる。
【0024】
即ち、本発明の請求項2の簡易型浄化装置は、容器が、汚濁水、磁性体凝集剤、磁石体及び受皿の入口と、入口を開閉するキャップと、容器内の様子を確認する透明な覗き窓と、浄水を取り出す開閉弁とを備えているため、容器内への汚濁水及び磁性体凝集剤の投入、磁石体及び受皿の出し入れ、浄水の取り出しを簡単且つ容易に行えるうえ、透明な覗き窓により容器内の汚濁水の処理状況や汚濁水及び浄水の量を目視することができ、取扱性に極めて優れている。
【0025】
本発明の請求項3の簡易型浄化装置は、容器が、上下に分割可能な構造の円筒のタンク状に形成されており、汚濁水及び磁性体凝集剤の入口と、入口を開閉するキャップと、容器内の様子を確認する透明な覗き窓と、浄水を取り出す開閉弁とを備えているため、請求項2の簡易型浄化装置と同じ作用効果を奏することができる。
【0026】
本発明の請求項4の簡易型浄化装置は、容器の底壁部外面にウエイトを取り付けているため、汚濁水を入れた容器を簡単且つ容易に鉛直回転させて容器内の汚濁水と磁性体凝集剤を混合攪拌するでき、学校で使用する場合に子供でも簡単且つ容易に使用することができる。
【0027】
本発明の請求項5の簡易型浄化装置は、容器の覗き窓近傍位置又は覗き窓に、容器内の汚濁水又は浄水の量を測る目盛りを設けているため、容器内の汚濁水の量や浄水の量を正確に知ることができる。
【0028】
本発明の請求項6の簡易型浄化装置は、容器に設けた開閉弁の流入口側にストレーナーを設けているため、容器内の浄水を取り出す際に浄水と一緒にフロックが流出したり、開閉弁がフロックにより閉塞するのを防止することができる。
【0029】
本発明の請求項7の簡易型浄化装置は、磁性体凝集剤を、磁性材製の微粒体と生分解性ポリマーの凝集剤との混合体、若しくは、外表面にシラン化合物又はその重合物を結合した磁性材製の微粒体に、生分解性ポリマーの凝集剤を結合してなる磁性体凝集剤としているため、従前のポリアクリルアミド等の合成高分子凝集剤の場合よりも汚濁物質の凝集を効率良く行え、且つ、残留した凝集剤が自然界で速く自然分解されるので安全性に於いても優れている。
【0030】
本発明の請求項8の簡易型浄化装置は、磁石体が、円盤状のケーシング内に複数の永久磁石を内蔵して成り、容器の底壁部内面に着脱自在に取り付けられているため、取扱性に優れていると共に、磁石体が汚れた場合には、容器内から取り出して洗浄することができ、衛生的にも優れたものとなる。
【0031】
本発明の請求項9の簡易型浄化装置は、受皿が、容器の底壁部内面又は磁石体自体に磁石体を覆う状態で着脱自在に取り付けられており、磁石体の磁力により引き寄せられた水中に浮遊するフロックを磁石体の手前で受け取って回収するようにしているため、磁石体自体にフロックが吸着回収されることがなく、また、回収したフロックの取り出しを簡単且つ容易に行える。
【0032】
本発明の請求項10の簡易型浄化装置は、容器内に汚濁水の水温を高めるヒータを配設すると共に、前記ヒータに電力を供給する手動式の発電機を操作レバーの内側に組み込み、操作レバーの回転操作により発電機を駆動して電力を発生させ、この電力をヒータに供給して汚濁水を温めようにしているため、浄化処理する汚濁水の水温が低い冬季や寒冷地域に於いて使用する場合でも、低水温の汚濁水の温度を水浄化処理に適した温度(通常10℃以上、好ましくは10〜25℃、より好ましくは20℃付近)に上げることができ、磁性体凝集剤の凝集性能に悪影響を及ぼすことがない。また、手動式の発電機を備えているため、電力を学校等のコンセントから取る必要がなく、ランニングコストの低減を図れるうえ、山間僻地等の電源のない場所でも使用することができる。
【0033】
本発明の請求項11の簡易型浄化装置は、ヒータを、水中に浮遊するフロックが通過可能なメッシュを有するネット状のヒータとすると共に、前記ネット状のヒータで受皿の上方開口を覆う構成としているため、ネット状のヒータを通過して受皿に回収されたフロックが受皿から排出され難くなる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1実施形態に係る簡易型浄化装置の正面図である。
【図2】図1に示す簡易型浄化装置の側面図である。
【図3】図1に示す簡易型浄化装置の平面図である。
【図4】図1のA−A線拡大断面図である。
【図5】図2のB−B線拡大断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る簡易型浄化装置の正面図である。
【図7】図6に示す簡易型浄化装置の側面図である。
【図8】図6に示す簡易型浄化装置の平面図である。
【図9】図6のC−C線拡大断面図である。
【図10】図6のD−D線拡大断面図である。
【図11】図7のE−E線拡大断面図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係る簡易型浄化装置の縦断面図である。
【図13】従来の廃水処理装置の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図5は本発明の第1実施形態に係る簡易型浄化装置1を示し、当該簡易型浄化装置1は、例えば、学校に於いて、絵の具や墨汁、水性塗料で汚れた筆や刷毛等を洗った時に発生する汚濁水や、雑巾掛けした後の雑巾を洗った時に発生する汚濁水を浄化処理して再利用できるようにし、水の浪費や汚濁水の処理に伴う浄化費用の問題を解決できると共に、子供たちに水や環境問題に関心を持たせることができるようにしたものであり、主に汚濁水の水温が10℃以上になる夏季等の季節や温暖地域で使用されるものである。
【0036】
即ち、前記簡易型浄化装置1は、支持フレーム2と、支持フレーム2に鉛直回転自在に支持され、内部に汚濁水を貯留する開閉可能な密閉状の容器3と、容器3を鉛直回転させる手動式の操作レバー5と、容器3内の汚濁水へ混入されて水中の汚濁物質を凝集させる生分解性の磁性体凝集剤と、容器3内に配設され、磁性体凝集剤により作られたフロックを磁力により引き寄せる磁石体6と、磁石体6の手前側に配設され、磁石体6により引き寄せられたフロックを受け取る受皿7とから成り、操作レバー5の回転操作により容器3を鉛直回転させ、磁性体凝集剤を混入した汚濁水を混合攪拌してフロックを形成し、当該フロックを磁石体6により引き寄せて受皿7に回収するようにしたものである。
【0037】
具体的には、前記支持フレーム2は、ABS樹脂等の合成樹脂材により形成されており、図1〜図3に示す如く、対向状に配置した三角形状の一対の支持板2aと、両支持板2aの下端部同士を連結する帯状の一対の連結板2bとから成る。
【0038】
前記容器3は、ABS樹脂等の合成樹脂材により円筒のタンク状に形成されており、図4及び図5に示す如く、容器3の上壁部には、容器3内に汚濁水、磁性体凝集剤、磁石体6及び受皿7を入れるための入口3aが形成されている。この入口3aは、入口3aの周縁部に着脱自在に螺着されるキャップ3bにより開閉自在となっており、磁石体6及び受皿7を容器3内に出し入れできる大きさに形成されている。
また、容器3の周壁部には、図1及び図4に示す如く、容器3内の様子(汚濁水の浄化状況、汚濁水の量、浄水の量)を確認するための縦長の透明な覗き窓3cが設けられている。この覗き窓3c近傍の容器3外壁面には、容器3内の汚濁水や浄水の量を測る目盛り3dが設けられている。
更に、容器3の下端部には、図1、図2及び図4に示す如く、底壁から数cm離れた位置に開閉弁3eが設けられており、容器3内の浄化された水を取り出せるようになっている。この開閉弁3eには、コックが使用されており、その入口側には、フロックの流出を阻止する金属製又は合成樹脂製の網構造のストレーナー3fが設けられている。また、開閉弁3eの出口には、ビニールホースが接続可能となっている。
更に、容器3内の開閉弁3e上方位置には、容器3内の浄水を開閉弁3eから取り出す際に、開閉弁3e側に流れて来る容器3内の細かいフロック(スラッジ)を溜めるための空間を形成する平面形状が略三日月状のスラッジ受止め部3jが形成されている。
更に、容器3の底壁部外面には、汚濁水を入れた容器3の回転をスムースに行えるようにウエイト3gが取り付けられている。
更に、容器3の底壁部内面には、磁石体6及び受皿7を着脱自在に嵌合保持する環状の保持部3iが突出形成されており、保持部3iの内周面に磁石体6が着脱自在に嵌合され、また、保持部3iの外周面に受皿7が着脱自在に嵌合されるようになっている。
【0039】
そして、前記容器3は、図4に示す如く、周壁部の外壁面に対向状に取り付けた支持軸3hを支持フレーム2の両支持板2aに設けた軸受4に支持させることによって、支持フレーム2に鉛直回転自在に支持されている。
【0040】
前記操作レバー5は、ABS樹脂等の合成樹脂材により形成されており、容器3の一方の支持軸3h端部に連結されて容器3自体を支持軸3hを中心にして鉛直回転させることができるようになっている。
【0041】
前記磁性体凝集剤は、ポリグルタミン酸とマグネタイトを化学結合させたものであり、具体的には、磁性材であるマグネタイトの微粒子(粒径0.1〜20μm)の外表面にアミノ基を官能基とするAPTS(シラン化合物)をコーティングし、これに凝集性を備えたポリグルタミン酸のナトリウム塩をアミド結合により結合させたものである。
この実施形態に於いては、磁性体凝集剤として、日本ポリグル株式会社製のPG−M(製品名)が使用されている(再公表2008−105521号公報参照)。
尚、磁性体凝集剤は、磁性材であるマグネタイトの微粒子とポリグルタミン酸を主剤とする生分解性凝集剤とを混合して形成した磁性体凝集剤であっても良い。
【0042】
前記磁石体6は、図4及び図5に示す如く、円盤状のケーシング6a内に複数の永久磁石6bを内蔵して成り、容器3の底壁部内面に形成した保持部3iに着脱自在に嵌合され、水中に浮遊するフロックを磁力により引き寄せるものである。
この磁石体6の磁石密度は、容器3が鉛直回転して容器3内の汚濁水と磁性体凝集剤が混合攪拌されている状態に於ては容器3内の磁性体凝集剤及びフロックを吸着せず、且つ、容器3の鉛直回転が停止した時点に於いて水中に浮遊するフロックを吸着できる程度に設定されている。
【0043】
前記受皿7は、図4及び図5に示す如く、ABS樹脂等の合成樹脂材により円形の皿状に形成されており、その下面には、容器3の底壁部内面に形成した保持部3iに着脱自在に嵌合される環状の係止部7aが形成されている。
この受皿7は、磁石体6の表面に密着する状態で容器3の底部に配設されており、磁石体6により引き寄せられたフロックを受け取るものである。
【0044】
尚、この実施形態に於いては、簡易型浄化装置1の寸法は、高さ48cm、幅43cm、奥行37.5cmに、容器3の寸法は、高さ33cm、直径30cmにそれぞれ設定されている。
また、磁性体凝集剤は、付属品として付けられており、0.2g〜0.4gの磁性体凝集剤(汚濁水1リットル当り0.2g〜0.4gの磁性体凝集剤を使用)を密封状の小さい袋に詰めたものものが100袋〜500袋(100リットル〜500リットル分)用意されている。この磁性体凝集剤は、数g単位、10g単位、数十g単位、100g単位又は数百g単位で密封状の袋に詰めるようにしても良いことは勿論である。
【0045】
次に、上述した簡易型浄化装置1を用い、学校に於いて、絵の具や墨汁、水性塗料で汚れた筆や刷毛等を洗った時に発生する汚濁水や、雑巾掛けした後の雑巾を洗った時に発生する汚濁水を浄化処理する場合について説明する。
【0046】
先ず、容器3のキャップ3bを開けて容器3内に汚濁水を入れると共に、汚濁水の量に見合った磁性体凝集剤を容器3内に入れ、容器3の入口3aをキャップ3bにより閉塞する。
このとき、容器3内に入れる汚濁水の量は、透明な覗き窓3c及び目盛り3dにより測ることができるので、容器3内に入れる凝集剤の量も簡単且つ正確に判る。
【0047】
次に、操作レバー5を握って容器3を数分間鉛直回転させ、容器3内の汚濁水と磁性体凝集剤とを混合攪拌する。そうすると、磁性体凝集剤により水中の汚濁物質が凝集し始めてフロックを形成する。これにより、容器3内の汚濁水が順次浄化処理されて清水となる。
このとき、容器3内の汚濁水の処理状況を透明な覗き窓3cから覗くことができるので、汚濁水が清水になった時点で容器3の回転操作を止めることができるため、必要以上に浄化処理操作を行うこともない。
【0048】
そして、汚濁水が清水になったら、容器3の回転を止める。そうすると、水中に浮遊している磁性体凝集剤により作られたフロックが磁石体6の磁力により容器3の底壁側へ引き寄せられ、受皿7内に回収される。
このときにも、容器3内の様子を透明な覗き窓3cから覗くことができるので、受皿7内へのフロックの回収状況を確認することができる。
【0049】
水中に浮遊しているフロックが受皿7に回収されたら、開閉弁3eを開放して容器3内の清水を取り出し、これを再利用する。
このとき、開閉弁3eの流入口側にストレーナー3fを設けているため、清水と一緒にフロックが流出したり、開閉弁3eがフロックにより閉塞するのを防止することができる。
尚、受皿7に回収されたフロックは、容器3内の清水を取り出した後、容器3内から受皿7を取り出して廃棄する。
また、汚濁水の浄化処理により受皿7及び磁石体6が汚れたら、これらを容器3内から取り出して洗浄した後、再度容器3内に装着する。
【0050】
上述した簡易型浄化装置1は、学校に於いて、絵の具や墨汁、水性塗料で汚れた筆や刷毛等を洗った時に発生する汚濁水や、雑巾掛けした後の雑巾を洗った時に発生する汚濁水の浄化に使用した場合、汚濁水を浄化処理して再利用することができ、水の浪費や汚濁水の処理に伴う浄化費用の問題を解決できると共に、子供たちに水や環境問題に関心を持たせることができる。
【0051】
図6〜図11は本発明の第2実施形態に係る簡易型浄化装置1を示し、当該簡易型浄化装置1は、例えば、学校に於いて、絵の具や墨汁、水性塗料で汚れた筆や刷毛等を洗った時に発生する汚濁水や、雑巾掛けした後の雑巾を洗った時に発生する汚濁水を浄化処理して再利用できるようにし、水の浪費や汚濁水の処理に伴う浄化費用の問題を解決できると共に、子供たちに水や環境問題に関心を持たせることができるようにしたものであり、主に汚濁水の水温が10℃以下になる冬季等の寒い季節や寒冷地域で使用されるものである。
【0052】
即ち、前記簡易型浄化装置1は、支持フレーム2と、支持フレーム2に鉛直回転自在に支持され、内部に汚濁水を貯留する開閉可能な密閉状の容器3と、容器3を鉛直回転させる手動式の操作レバー5と、容器3内の汚濁水へ混入されて水中の汚濁物質を凝集させる生分解性の磁性体凝集剤と、容器3内に配設され、磁性体凝集剤により作られたフロックを磁力により引き寄せる磁石体6と、磁石体6の手前側に配設され、磁石体6により引き寄せられたフロックを受け取る受皿7と、容器3内に配設され、汚濁水の水温を高めるヒータ8と、操作レバー5の内側に組み込まれ、ヒータ8に電力を供給する手動式の発電機9とから成り、操作レバー5の回転操作により発電機9を駆動して電力を発生させ、この電力をヒータ8に供給して低水温の汚濁水を磁性体凝集剤の凝集反応に適した温度にまで温め、また、操作レバー5の回転操作により容器3を鉛直回転させ、磁性体凝集剤を混入した汚濁水を混合攪拌してフロックを形成し、当該フロックを磁石体6により引き寄せて受皿7に回収するようにしたものである。
【0053】
この簡易型浄化装置1は、上述した第1実施形態に係る簡易型浄化装置1にヒータ8及び手動式の発電機9を新たに付加したものであり、支持フレーム2、容器3、操作レバー5、磁性体凝集剤、磁石体6及び受皿7は、第1実施形態に係る簡易型浄化装置1のものと同じ構造及び同じ形状に形成されている。
従って、図1〜図5に示す第1実施形態に係る簡易型浄化装置1と同じ部位・部材には同一の参照番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0054】
前記ヒータ8は、図9〜図11に示す如く、水中に浮遊するフロックが通過可能なメッシュを有する円形のネット状のヒータに形成されており、受皿7の上方開口を覆う状態で受皿7の外周縁部に着脱自在に取り付けられている。
このネット状のヒータ8は、発熱線材(ニクロム線や合成繊維の外表面にカーボン粒子を均質にコーティングしたもの等)の外周囲に、当該発熱線材を保護し、且つ、水中への漏電を防止するポリウレタン樹脂やポリエステル樹脂等から成る耐水絶縁層を形成した耐水発熱糸を用いて円形のネット状に編んだものである。
【0055】
前記手動式の発電機9は、ケーシング9a内に発電用回転機9b及び増速ギア装置9cが配設されており、増速ギア装置9cの入力軸を手で回して発電用回転機9bを回転させることによって電気を発生させるものである。この手動式の発電機9には、従来公知のものが用いられており、増速ギア装置9cの入力軸を容器3の外壁面に取り付けた一方の支持軸3hと兼用させている。
また、手動式の発電機9は、支持フレーム2の片方の支持板2a外面に固定されており、増速ギア装置9cの入力軸、即ち、容器3の一方の支持軸3h端部には、操作レバー5が取り付けられている。
更に、手動式の発電機9のケーシング9a内には、前記支持軸3hが挿通される中空軸型のスリップリング装置11(静止体から回転体に対して電力と電気信号を伝達することのできる装置)が設けられており、発電機9により得られた電力をリード線12を介してネット状のヒータ8に供給するようになっている。
尚、リード線12は、支持軸3hに形成した中空穴に通されており、その一端部がスリップリング装置11の集電環に、また、その他端部がネット状のヒータ8にそれぞれ接続されている。
【0056】
前記簡易型浄化装置1によれば、容器3内に汚濁水及び磁性体凝集剤を入れ、操作レバー5を回転させると、発電機9により得られた電力がヒータ8に供給されて汚濁水を温め、また、容器3が鉛直回転して磁性体凝集剤を混入した汚濁水が混合攪拌されてフロックが形成され、汚濁水が順次浄化処理されて行く。
【0057】
そして、汚濁水が清水になったら、容器3の回転を止める。そうすると、水中に浮遊している磁性体凝集剤により作られたフロックが磁石体6の磁力により容器3の底壁側へ引き寄せられ、ネット状のヒータ8の網目を通過して受皿7内に回収される。
尚、受皿7に回収されたフロックは、受皿7の上方開口がネット状のヒータ8で覆われているため、受皿7から排出され難くなる。
【0058】
この第2実施形態に係る簡易型浄化装置1は、上述した第1実施形態に係る簡易型浄化装置1と同様の作用効果を奏することができる。
しかも、この簡易型浄化装置1は、容器3内の汚濁水を温めることができるため、浄化処理する汚濁水の水温が低い冬季や寒冷地域に於いて使用する場合でも、低水温の汚濁水の温度を水浄化処理に適した温度(通常10℃以上、好ましくは10〜25℃、より好ましくは20℃付近)に上げることができ、磁性体凝集剤の凝集性能に悪影響を及ぼすことがない。
【0059】
図12は本発明の第3実施形態に係る簡易型浄化装置1を示し、当該簡易型浄化装置1は、容器3を上下に分割可能な構造の円筒のタンク状に形成したものであり、容器3の下端部をネジ構造により着脱自在としたものである。
この簡易型浄化装置1は、容器3を上下に分割可能に構成しているため、容器3を分解することによって、容器3内への磁石体6及び受皿7の出し入れをより一層簡単且つ容易に行うことができる。
尚、この簡易型浄化装置1は、支持フレーム2、容器3、操作レバー5、磁性体凝集剤、磁石体6及び受皿7が、図1〜図5に示す第1実施形態に係る簡易型浄化装置1のものと同じ構造及び同じ形状に形成されているため、第1実施形態に係る簡易型浄化装置1と同じ部位・部材には同一の参照番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の簡易型浄化装置1は、学校で排出される汚濁水を浄化処理するだけでなく、河川等の水や一般家庭で排出される汚濁水を浄化処理しても良く、或は、地震や洪水等の災害時に河川、池、プール等の水を浄化処理し、これを生活用水として使用することもできる。
【符号の説明】
【0061】
1は簡易型浄化装置、2は支持フレーム、3は容器、3aは入口、3bはキャップ、3cは透明な覗き窓、3dは目盛り、3eは開閉弁、3fはストレーナー、3gはウエイト、3hは支持軸、5は操作レバー、6は磁石体、7は受皿、8はヒータ、9は手動式の発電機。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持フレーム(2)に支持軸(3h)を介して鉛直回転自在に支持され、内部に汚濁水を貯留する開閉可能な密閉状の容器(3)と、支持軸(3h)に連結され、容器(3)を鉛直回転させる手動式の操作レバー(5)と、容器(3)内の汚濁水へ混入されて水中の汚濁物質を凝集させる生分解性の磁性体凝集剤と、容器(3)内に配設され、磁性体凝集剤により作られたフロックを磁力により引き寄せる磁石体(6)と、磁石体(6)の手前側に配設され、磁石体(6)により引き寄せられたフロックを受け取る受皿(7)とを備えており、操作レバー(5)により容器(3)を鉛直回転させ、磁性体凝集剤を混入した汚濁水を混合攪拌してフロックを形成し、当該フロックを磁石体(6)により引き寄せて受皿(7)に回収する構成としたことを特徴とする簡易型浄化装置。
【請求項2】
容器(3)は、円筒のタンク状に形成されており、容器(3)の上壁部に形成されて容器(3)内に汚濁水、磁性体凝集剤、磁石体(6)及び受皿(7)を入れるための入口(3a)と、この入口(3a)を開閉するキャップ(3b)と、容器(3)の周壁部に形成されて容器(3)内の様子を確認できる透明な覗き窓(3c)と、容器(3)の下端部に設けられて容器(3)内の浄化された水を取り出す開閉弁(3e)とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の簡易型浄化装置。
【請求項3】
容器(3)は、上下に分割可能な構造の円筒のタンク状に形成されており、容器(3)の上壁部に形成されて容器(3)内に汚濁水及び磁性体凝集剤を入れるための入口(3a)と、この入口(3a)を開閉するキャップ(3b)と、容器(3)の周壁部に形成されて容器(3)内の様子を確認できる透明な覗き窓(3c)と、容器(3)の下端部に設けられて容器(3)内の浄化された水を取り出す開閉弁(3e)とを備えており、容器(3)自体を上下に分割して磁石体(6)及び受皿(7)の出し入れを行えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の簡易型浄化装置。
【請求項4】
容器(3)の底壁部外面に、汚濁水を入れた容器(3)の回転をスムースに行えるようにウエイト(3g)を取り付けたことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の簡易型浄化装置。
【請求項5】
容器(3)の覗き窓(3c)近傍位置又は覗き窓(3c)に、容器(3)内の汚濁水又は浄水の量を測る目盛り(3d)を設けたことを特徴とする請求項2、請求項3又は請求項4に記載の簡易型浄化装置。
【請求項6】
開閉弁(3e)の入口側に、フロックの流出を阻止するストレーナー(3f)を設けたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の簡易型浄化装置。
【請求項7】
磁性体凝集剤を、磁性材製の微粒体と生分解性ポリマーの凝集剤との混合体、若しくは、外表面にシラン化合物又はその重合物を結合した磁性材製の微粒体に、生分解性ポリマーの凝集剤を結合してなる磁性体凝集剤としたことを特徴とする請求項1に記載の簡易型浄化装置。
【請求項8】
磁石体(6)は、円盤状のケーシング(6a)内に複数の永久磁石(6b)を内蔵して成り、容器(3)の底壁部内面に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載の簡易型浄化装置。
【請求項9】
受皿(7)は、容器(3)の底壁部内面又は磁石体(6)自体に磁石体(6)を覆う状態で着脱自在に取り付けられており、磁石体(6)の磁力により引き寄せられた水中に浮遊するフロックを磁石体(6)の手前で受け取って回収する構成としたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載の簡易型浄化装置。
【請求項10】
容器(3)内に汚濁水の水温を高めるヒータ(8)を配設すると共に、前記ヒータ(8)に電力を供給する手動式の発電機(9)を操作レバー(5)の内側に組み込み、操作レバー(5)の回転操作により発電機(9)を駆動して電力を発生させ、この電力をヒータ(8)に供給して汚濁水を温めようにしたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載の簡易型浄化装置。
【請求項11】
ヒータ(8)を、水中に浮遊するフロックが通過可能なメッシュを有するネット状のヒータ(8)とすると共に、前記ネット状のヒータ(8)で受皿(7)の上方開口を覆う構成としたことを特徴とする請求項10に記載の簡易型浄化装置。
【請求項1】
支持フレーム(2)に支持軸(3h)を介して鉛直回転自在に支持され、内部に汚濁水を貯留する開閉可能な密閉状の容器(3)と、支持軸(3h)に連結され、容器(3)を鉛直回転させる手動式の操作レバー(5)と、容器(3)内の汚濁水へ混入されて水中の汚濁物質を凝集させる生分解性の磁性体凝集剤と、容器(3)内に配設され、磁性体凝集剤により作られたフロックを磁力により引き寄せる磁石体(6)と、磁石体(6)の手前側に配設され、磁石体(6)により引き寄せられたフロックを受け取る受皿(7)とを備えており、操作レバー(5)により容器(3)を鉛直回転させ、磁性体凝集剤を混入した汚濁水を混合攪拌してフロックを形成し、当該フロックを磁石体(6)により引き寄せて受皿(7)に回収する構成としたことを特徴とする簡易型浄化装置。
【請求項2】
容器(3)は、円筒のタンク状に形成されており、容器(3)の上壁部に形成されて容器(3)内に汚濁水、磁性体凝集剤、磁石体(6)及び受皿(7)を入れるための入口(3a)と、この入口(3a)を開閉するキャップ(3b)と、容器(3)の周壁部に形成されて容器(3)内の様子を確認できる透明な覗き窓(3c)と、容器(3)の下端部に設けられて容器(3)内の浄化された水を取り出す開閉弁(3e)とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の簡易型浄化装置。
【請求項3】
容器(3)は、上下に分割可能な構造の円筒のタンク状に形成されており、容器(3)の上壁部に形成されて容器(3)内に汚濁水及び磁性体凝集剤を入れるための入口(3a)と、この入口(3a)を開閉するキャップ(3b)と、容器(3)の周壁部に形成されて容器(3)内の様子を確認できる透明な覗き窓(3c)と、容器(3)の下端部に設けられて容器(3)内の浄化された水を取り出す開閉弁(3e)とを備えており、容器(3)自体を上下に分割して磁石体(6)及び受皿(7)の出し入れを行えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の簡易型浄化装置。
【請求項4】
容器(3)の底壁部外面に、汚濁水を入れた容器(3)の回転をスムースに行えるようにウエイト(3g)を取り付けたことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の簡易型浄化装置。
【請求項5】
容器(3)の覗き窓(3c)近傍位置又は覗き窓(3c)に、容器(3)内の汚濁水又は浄水の量を測る目盛り(3d)を設けたことを特徴とする請求項2、請求項3又は請求項4に記載の簡易型浄化装置。
【請求項6】
開閉弁(3e)の入口側に、フロックの流出を阻止するストレーナー(3f)を設けたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の簡易型浄化装置。
【請求項7】
磁性体凝集剤を、磁性材製の微粒体と生分解性ポリマーの凝集剤との混合体、若しくは、外表面にシラン化合物又はその重合物を結合した磁性材製の微粒体に、生分解性ポリマーの凝集剤を結合してなる磁性体凝集剤としたことを特徴とする請求項1に記載の簡易型浄化装置。
【請求項8】
磁石体(6)は、円盤状のケーシング(6a)内に複数の永久磁石(6b)を内蔵して成り、容器(3)の底壁部内面に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載の簡易型浄化装置。
【請求項9】
受皿(7)は、容器(3)の底壁部内面又は磁石体(6)自体に磁石体(6)を覆う状態で着脱自在に取り付けられており、磁石体(6)の磁力により引き寄せられた水中に浮遊するフロックを磁石体(6)の手前で受け取って回収する構成としたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載の簡易型浄化装置。
【請求項10】
容器(3)内に汚濁水の水温を高めるヒータ(8)を配設すると共に、前記ヒータ(8)に電力を供給する手動式の発電機(9)を操作レバー(5)の内側に組み込み、操作レバー(5)の回転操作により発電機(9)を駆動して電力を発生させ、この電力をヒータ(8)に供給して汚濁水を温めようにしたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載の簡易型浄化装置。
【請求項11】
ヒータ(8)を、水中に浮遊するフロックが通過可能なメッシュを有するネット状のヒータ(8)とすると共に、前記ネット状のヒータ(8)で受皿(7)の上方開口を覆う構成としたことを特徴とする請求項10に記載の簡易型浄化装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−196644(P2012−196644A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63595(P2011−63595)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(510132554)株式会社ポリグルインターナショナル (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(510132554)株式会社ポリグルインターナショナル (4)
【Fターム(参考)】
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