説明

米飯加工食品用の包装体及び米飯加工食品用の包装袋

【課題】海苔を挟んだ内シートと外シートとが二つ折りにされてシールされた状態から開封するに際して、海苔が破れないようにした米飯加工食品用の包装体及び包装袋を提供する。
【解決手段】米飯加工食品用の包装体は、長さ方向に切断可能な外シート10と、海苔1を介して外シート10に重ね合わされる内シート30とを備え、周縁部がシールS1されるとともに、前記内シート30内におにぎり2が挟まれるように二つ折りとされ、折り返された折返し部を除く三方がシールS1されておにぎり2を包装する。外シート10の内側に開裂案内線21を全長にわたって設けたカバーシート20が重ね合わされる。開裂案内線21がカバーシート20の両端部でほぼ中心に設けられ、中間部で側縁部に偏心して設けられる。そして、前記カバーシート20の両側縁部に沿うラインL1と、前記開裂案内線21に沿うラインL2でカバーシート20と外シート10とがシールS2,S3される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外シートと内シートとの間に海苔などのシート状食品を挟み、内シート内におにぎりや寿司などの米飯加工食品を包装し、開封時に内シートをシート状食品と米飯加工食品との間から引き抜き、米飯加工食品とシート状食品とが一体となるようにした米飯加工食品用の包装体及びこの米飯加工食品用の包装体によって米飯加工食品を包装した米飯加工食品用の包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の店舗で販売されている海苔付きのおにぎりは、おにぎりと海苔とが分離した状態で包装されている。そして、近年においては、おにぎりと海苔とを分離しつつも、包装中や開封時におにぎりが圧迫されることがなく、開封したときに、おにぎりの柔らかさを保つことができるようにした米飯加工食品用の包装体及び米飯加工食品用の包装袋が各種提供されている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示された米飯加工食品用の包装体は、図17に示すように、長さ方向に分断可能な外シート110と、幅方向に分離可能な2枚の内シート130,130とが海苔等のシート状食品1を挟んで重ね合わされ、両シート110,130,130の外周縁部がシールS(網掛けで図示)されることにより、シート状食品1を密封している。
【0004】
外シート110は、両端を結ぶ長さ方向に切断されるが、長さ方向と直交する方向へ引き裂かれないようにするための一対の規制部材111,111が一端から他端まで備えられている。また、外シート110の両端で、前記一対の規制部材111,111の間には、切込み112,112が入れられている。一方、2枚の内シート130,130は、内側側部131,131が重ね合わされ、両端に切欠部132,132が設けられている。
【0005】
このような米飯加工食品用の包装体は、内シート130,130上におにぎり等の米飯加工食品2を載せた状態で、図18に示すように二つ折りとされ、重なり合う内シート130,130の三方の周縁部が切欠部132,132を除いてシールSされ、そして内シート130,130の切欠部132,132によって接合している外シート110の周縁部同士がシールSされることによって、柔らかい米飯加工食品2を包装した包装袋Hが製袋される。
【0006】
この包装された米飯加工食品2を食するには、包装袋Hの上側の両角部を摘み、その角部が離隔する方向に引っ張る。すると、外シート110が切込み112,112から折り返された折返し部の方へ引き裂かれる。外シート110には、規制部材111,111が備えられていることから、外シート110は、両側の周縁部の方へ引き裂かれることがなく、折返し部の方へ確実に引き裂かれる。そして、内シート130,130がシート状食品1と米飯加工食品2との間から引き抜かれることにより、シート状食品1が米飯加工食品2を包んだ状態で食することができる。
【0007】
【特許文献1】特開2004−261056号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示された米飯加工食品用の包装袋Hは、上側の両角部を摘み、その角部が離隔する方向に引っ張ることによって開封するため、内シート130,130及び外シート110は、折返し部の中心が支点となって、傾斜姿勢となり、シート状食品1を押圧する。すると、内シート130,130と外シート110とに挟まれたシート状食品1には、押圧力が加えられ、シート状食品1が中心分で破れてしまい、食しにくくなることがある。
【0009】
そこで、本発明は、シート状食品を挟んだ内シートと外シートとが二つ折りにされてシールされた状態から開封するに際して、シート状食品が破れないようにした米飯加工食品用の包装体及び米飯加工食品用の包装袋を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る米飯加工食品用の包装体は、長さ方向に切断可能な外シートと、シート状食品を介して外シートに重ね合わされ、かつ、外シートの分離に伴って分離される内シートとを備えている米飯加工食品用の包装体であって、前記外シートの内面にカバーシートが重ね合わされ、両端部でカバーシートの幅方向のほぼ中心に位置し、中間部でカバーシートの側縁側に偏心する開裂案内線がカバーシートの全長にわたって設けられ、前記カバーシートの両側縁部に沿うライン及び前記開裂案内線に沿うラインでカバーシートと外シートとがシールされていることを特徴としている。
【0011】
この米飯加工食品用の包装体によれば、内シートが米飯加工食品と接合するように二つ折りとされ、折り返された折返し部を除く三方が重なり合って三方ないし必要な部位がシールされることにより、又は、上側中心部が摘めるように米飯加工食品の外形に沿って折り曲げられ、必要な部位がシールされることにより、米飯加工食品用の包装袋が製袋される。この米飯加工食品用の包装体は、カバーシートが開裂案内線によって内側と外側とで連通しているが、カバーシートの外面には外シートが重ね合わされ、カバーシートの両側縁部に沿うラインがシールされているため、外気が内外シートに挟まれたシート状食品の方に流入しないようにすることができる。
【0012】
この米飯加工食品用の包装袋を開封するには、二つ折りにされた場合は、例えば上側両角部を離隔する方向に引っ張り、米飯加工食品の外形に沿って折り曲げられる場合は上側中心部の部分を離隔する方向に引っ張る。すると、外シートがカバーシートに設けられた開裂案内線に沿って引き裂かれる。開裂案内線に沿って外シートとカバーシートとがシールされているため、外シートは、このシールから逸れて引き裂かれることがない。また、開裂案内線は、中間部でカバーシートの側縁側に偏心して設けられているため、外シートが米飯加工食品の底部側まで引き裂かれたときに、カバーシートの中間部の側縁側が支点となって外シート及びカバーシートと内シートの片側が傾斜姿勢となる。したがって、外シート及びカバーシートと内シートとに挟まれているシート状食品には押圧力があまり加えられなくなり、破れないようにすることができる。
【0013】
また、前記と異なる本発明に係る米飯加工食品用の包装体は、長さ方向に切断可能な外シートと、シート状食品を介して外シートに重ね合わされ、かつ、外シートの分離に伴って分離される内シートとを備えている米飯加工食品用の包装体であって、前記外シートの外面にカバーシートが重ね合わされ、両端部でカバーシートの幅方向のほぼ中心に位置し、中間部でカバーシートの側縁側に偏心する開裂案内線が外シートの全長にわたって設けられ、前記カバーシートの両側縁部に沿うラインと、前記開裂案内線に沿うラインでカバーシートと外シートとがシールされていることを特徴としている。
【0014】
この米飯加工食品用の包装体によれば、前記の本発明に係る米飯加工食品用の包装体と同様、内シートが米飯加工食品と接合するように二つ折りとされ、折り返された折返し部を除く三方が重なり合って三方ないし必要な部位がシールされることにより、又は、上側中心部が摘めるように米飯加工食品の外形に沿って折り曲げられ、必要な部位がシールされることにより、米飯加工食品用の包装袋が製袋される。この米飯加工食品用の包装体は、外シートが開裂案内線によって内側と外側とで連通しているが、外シートの外面にはカバーシートが重ね合わされ、カバーシートの両側縁部に沿うラインがシールされているため、外気が内外シート間に挟まれたシート状食品の方に流入しないようにすることができる。
【0015】
この米飯加工食品用の包装袋を開封するには、二つ折りにされた場合は、例えば上側両角部を離隔する方向に引っ張り、米飯加工食品の外形に沿って折り曲げられる場合は上側中心部の部分を離隔する方向に引っ張る。すると、カバーシートが外シートに設けられた開裂案内線に沿って引裂かれる。開裂案内線に沿ってカバーシートと外シートとがシールされているため、カバーシートは、このシールから逸れて引き裂かれることがない。また、開裂案内線は、中間部でカバーシートの側縁側に偏心して設けられているため、カバーシートが米飯加工食品の底部側まで引き裂かれたときに、カバーシートの中間部の側縁側が支点となって外シート及びカバーシートと内シートの片側が傾斜姿勢となる。したがって、外シートと内シートとに挟まれているシート状食品には押圧力があまり加えられなくなり、破れないようにすることができる。
【0016】
また、前記本発明に係る米飯加工食品用の包装体において、前記カバーシートは、前記シート状食品とほぼ同じ幅に形成され、前記開裂案内線の中間部がシート状食品の側縁部付近に位置するように偏心して設けられていることが好ましい。この米飯加工食品用の包装体によれば、開裂案内線がカバーシート又は外シートの中間部でシート状食品の側縁部付近に偏心することにより、カバーシート又は外シートが米飯加工食品の底部においてシート状食品の側縁部付近が押圧され、引き裂かれるため、開封に際して外シートがシート状食品をほとんど押圧されず、破れないようにすることができる。
【0017】
また、前記本発明に係る米飯加工食品用の包装体において、前記開裂案内線は、二股に分岐して中間部が2本設けられていることが好ましい。この米飯加工食品用の包装体によれば、開裂案内線が二股に分岐して中間部で2本設けられていることにより、包装袋は、上側両角部ないし中心部を右方向に引っ張っても左方向に引っ張っても開封することができる。また、開裂案内線が二股に分岐していることにより、外シートが両方向に引き裂かれた後に、外シート及びカバーシートの中間部がシート状食品を挟む残存部とすることができる。
【0018】
また、前記本発明に係る米飯加工食品用の包装体において、前記開裂案内線は、焼切りによって形成され、所々に非焼切り部が設けられていることが好ましい。この米飯加工食品用の包装体によれば、開裂案内線が焼切りによって形成されることにより、大きな力を加えなくても開封することができる。そして、カバーシートは、開裂案内線を境界に2枚又は3枚に分離されるが、所々に設けられた非焼切り部によって、一体化することができる。なお、非焼切り部は、開封に際して、外シートが引き裂かれるときに、当然、切断される。
【0019】
また、前記本発明に係る米飯加工食品用の包装体において、前記内シートには、米飯加工食品上を滑りやすくするための凹凸部が中間部に設けられていることが好ましい。この米飯加工食品用の包装体によれば、内シートの中間部に凹凸部が設けられていることにより、中間部が接合している米飯加工食品は、開封に際して、内シートに引っ張られないため、割れないようにすることができる。
【0020】
また、前記本発明に係る米飯加工食品用の包装体において、前記内シートは、2枚の並列されたサイドシートと、該サイドシートの内側側部に重ね合わされ、かつ、引裂き予定線が設けられたセンターシートとを備え、各サイドシートの内側側部とセンターシートの両側部とがそれぞれシールされていることが好ましい。この米飯加工食品用の包装体によれば、内シートは、米飯加工食品を包装している状態において、シート状食品と米飯加工食品とを隔絶し、開封に際して、内シートが反対方向に引っ張られることにより、センターシートに設けられた引裂き予定線で分離される。センターシートは、サイドシートにシールされていることにより、サイドシートが引っ張れたときに、センターシートも引っ張られ、センターシートがシート状食品と米飯加工食品との間に残存することがない。さらに、センターシートが引裂き予定線から逸れる方向に引っ張られても、センターシートとサイドシートのシールによって規制され、センターシートは逸れることなく全長にわたって確実に引き裂かれる。
【0021】
また、前記本発明に係る米飯加工食品用の包装体において、前記センターシートは、2枚重ねられていることが好ましい。この米飯加工食品用の包装体によれば、センターシートが2枚重ねられていることにより、引裂き予定線がレーザ光や超音波などによって設けられる場合において、1枚目のセンターシートが焼き切られたとしても、2枚目のセンターシートが焼き切られずに、気密性を確保することができる。
【0022】
また、前記本発明に係る米飯加工食品用の包装体において、前記引裂き予定線は、ハーフカットによって設けられていることが好ましい。この米飯加工食品用の包装体によれば、引裂き予定線がハーフカットによって設けられていることにより、内フィルムの内面側と外面側とが確実に隔絶され、シート状食品が湿気ることなく、パリパリ感を確保することができるだけでなく、内フィルムのセンターシートを容易に引き裂くことができる。
【0023】
また、本発明に係る米飯加工食品用の包装袋は、前記本発明に係るいずれかの米飯加工食品用の包装体が米飯加工食品を挟むように二つ折りとされ、内シートの周縁部の三方が重なり合ってシールされていることを特徴としている。
【0024】
この米飯加工食品用の包装袋によれば、前記のように、開封に際して、外シートがシート状食品を押圧しなくなり、シート状食品が割れないようにすることができる。そして、米飯加工食品用の包装体が二つ折りとされることにより、ふんわりとやわらかく握られた米飯加工食品を好適に包装することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、外シートの内面にカバーシートが重ね合わされ、このカバーシートに開裂案内線が設けられ、又は、外シートの外面にカバーシートが重ね合わされ、この外シートに開裂案内線が設けられ、この開裂案内線が両端部でほぼ中心に位置し、中間部でカバーシートの側縁側に偏心し、かつ、カバーシートと外シートとが前記開裂案内線に沿うラインでシールされていることにより、開封に際して、外シートを前記開裂案内線に沿って引き裂くことができる。そして、開裂案内線がカバーシートの中間部で側縁部に偏心して設けられていることにより、引き裂かれた外シートは、シート状食品を押圧することがなく、シート状食品が破られないで食することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明に係る米飯加工食品用の包装体(以下、「包装体」という。)の実施形態について図1から図16を参照しながら説明する。この包装体は、図1又は図2に示すように、米飯加工食品2を収納できる大きさの長方形状の外シート10と、この外シート10の内面に重ね合わされるカバーシート20と、シート状食品1を介して外シート10及びカバーシート20に重ね合わされる内シート30からなり、内外シート30,10はシート状食品1よりも外側における所定の囲み領域、例えば外周縁部がシールS1(網点で図示)され、シート状食品1を密封するように一体化されている。
【0027】
なお、米飯加工食品2には、三角形状や樽形状などに軟らかくふんわりと又は通常の硬さに握られた各種おにぎりの他、寿司なども含まれるが、ここでは「おにぎり」という。また、シート状食品1には、シート状の海苔の他、畳鰯なども含まれるが、ここでは「海苔」という。
【0028】
そして、カバーシート20は、焼切り、ハーフカット、又はミシン目などによる開裂案内線21が全長にわたって設けられている。この開裂案内線21は、カバーシート20の両端部において幅方向のほぼ中心(正確な中心を含む。)に設けられ、この内寄り部分から二股に分岐し、中間部においてカバーシート20の側縁側に偏心して2本設けられる。図1に示す包装体のカバーシート20は、海苔1の中心線部分を覆う幅に形成され(以下、「第1の実施形態という。」)、図2に示す包装体のカバーシート20は、海苔1のほぼ全幅を覆う幅に形成される(以下、「第2の実施形態」という。)。
【0029】
第1の実施形態の開裂案内線21の中間部は、ほぼ長円形に設けられ、第2の実施形態の開裂案内線21の中間部は、ほぼ楕円形に設けられる。いずれにしても、開裂案内線21が焼切りによって形成される場合は、所々に非焼切り部22が設けられ、カバーシート20が開裂案内線21で分離しないようにされている。
【0030】
このようなカバーシート20と外シート10とは、カバーシート20の両側縁に沿うラインL1でシールS2され、開裂案内線21に沿うラインL2でシールS3されることにより一体化されている。第1の実施形態では、開裂案内線21の両端部の両側を挟むラインL2a、開裂案内線21の二股に分岐する部分に挟まれるラインL2b、そして開裂案内線21の中間部の内側で平行なラインL2cにおいてカバーシート20と外シート10とがシールS3される。
【0031】
また、第2の実施形態では、開裂案内線21の両端部及び二股に分岐する部分の外側を挟むラインL2d、そして、開裂案内線21の分岐している部分から中間部において、内側に沿うラインL2eにおいてカバーシート20と外シート10とがシールS3される。したがって、いずれのシールも不連続部Pが設けられている。ただし、いずれの実施形態においても、不連続部Pが設けられることなくシールS3してもよい。
【0032】
そして、外シート10には、開裂案内線2の一方の分岐部分と重なる位置にV字形、U字形、X字形などの切込み案内線12が設けられる。この切込み案内線12は、ハーフカットによって設けることが好ましいが、切り目やミシン目によって設けてもよい。そして、ハーフカットが切断されても、また、切込み案内線12が切り目やミシン目によって設けられても、切込み案内線12と開裂案内線21とによって外シート10とカバーシート20との内外が連通しないように隔絶性を確保するため、外シート10とカバーシート20とは切込み案内線12を覆う部分が弱シールS9される。
【0033】
そして、外シート10の両端部の幅方向の中心にも切込み11,11が入れられ、この切込み11とカバーシート20の開裂案内線21の端部とが一致するようにカバーシート20と外シート10がシールS2,S3される。ただし、外シート10の切込み11と開裂案内線21の端部とが一致するように位置あわせする作業が容易でないため、外シート10とカバーシート20とを重ね合わせてシールS2,S3された後に、切込み11と開裂案内線21とが設けられる。また、外シート10の切込み11は、三角形状のVノッチや円形状のUノッチなどとすることにより、この切込み11を設けた外シート10をカバーシート20の開裂案内線21の端部とを位置合わせしてもよい。
【0034】
一方、内シート30は、図1又は図2に示すように、1枚のフィルムのセンターラインにミシン目又はハーフカットなどによって引裂き予定線30aを設けたもの、図3に示すように、2枚のフィルム31,31の内側端部31a,31aを単純に重ね合わせたもの、図4に示すように、2枚のフィルム31,31の内側端部31a,31aを折り返して重ね合わせたものなど、汎用されているものを使用することができる。
【0035】
さらに、内シート30は、図5に示すように、一定の間隔を空けて並列された2枚のサイドシート32,32と、このサイドシート32,32の内側側部に重ね合わされるセンターシート33とを備えたものとすることもできる。センターシート33のセンターラインには、レーザ光や超音波などによってハーフカットなどの引裂き予定線30aが設けられている。そして、サイドシート32,32の内側側部とセンターシート33の両側部とがそれぞれシールS4,S4され、2枚のサイドシート32,32とセンターシート33とが一体化される。
【0036】
センターシート33は、開封に際して、引裂き予定線30aで分離されるが、引裂き予定線30aから逸れる方向に引っ張れても、全長にわたって引裂かれるようにするため、前記のシールS4よりも内側で、サイドシート32,32の内側端縁に沿うラインにもシールS5,S5される。なお、各2本のシールS4,S5は、1本で兼用してもよい。
【0037】
また、内シート30は、図6に示すように、一定の間隔を空けて並列された2枚のサイドシート32,32と、このサイドシート32,32の内側部に重ね合わされる2枚の同じ形状のセンターシート34,35とを備えたものとすることができる。サイドシート32,32の内側側部とセンターシートの両側部とが2本又は1本ずつシールS4,S5され、2枚のサイドシート32,32と2枚のセンターシート34,35とが一体化される。
【0038】
また、内シート30は、図7に示すように、一定の間隔を空けて並列された2枚のサイドシート32,32と、このサイドシート32,32の内側側部に重ね合わされるセンターシート36と、このセンターシート36に重ね合わされ、かつ、センターシート36よりも幅の狭いセンターシート37とを備えたものとすることができる。そして、サイドシート32,32の内側部と幅の広いセンターシート36の両側部とが1本ずつシールS6,S6され、幅の広いセンターシート36の中心部付近と幅の狭いセンターシート37の両側部とが1本ずつシールS7,S7され、2枚のサイドシート32,32と2枚のセンターシート36,37とが一体化される。
【0039】
図6及び図7に示す内シート30は、一方のセンターシート35,37(又は34,36)にレーザ光又は超音波などが照射されることによって、2枚のセンターシート35,36;36,37のセンターラインにハーフカットなどの引裂き予定線30aが設けられる。この引裂き予定線30aを設ける際に、一方のセンターシート35,37(又は34,36)が切断しても、他方のセンターシート34,36(又は35,37)まで切断されることがないため、内シート30の隔絶性を確保することができる。
【0040】
このような内シート30は、いずれも、図1及び図2に示すように(図3ないし図7において図示せず)、おにぎり1上を滑りやすくするための凹凸部30bが中間部に設けられている。凹凸部30bは、図1及び図2の拡大図に示すような側面鋸歯形状、図示しない疣疣形状、ローレット形状など特定するものではない。また、図示したように内シート30の全幅にわたって設けるほか、おにぎり1が載せられる部分にのみ設けてもよい。
【0041】
そして、この内シート30と前記外シート10及びカバーシート20との間に海苔1を挟み、外周部がシールS1されることによって、包装体が完成する。この包装体の内シート30をおにぎり1に重ねて二つ折りにされ、又はおにぎり1の外形に沿って折り曲げられ、必要な部位がシールされることにより、例えば図8ないし図11に示すようなおにぎり用の包装袋Hが製袋される。
【0042】
図8に示す第1の包装形態に係る包装袋Hは、包装体を二つ折りとし、両端部を重ね合わせて帯状にシールすることによって四角形状の正面部及び背面部を設け、両側部を内側に折り曲げることによって側面部を設け、側面部を複数箇所でポイントシールしたものである。また、図9に示す第2の包装形態に係る包装袋Hは、第1の包装形態と同様、包装体を二つ折りとし、両端部を重ね合わせて帯状にシールすることによって四角形状の正面部及び背面部を設け、両側部を内側に折り曲げることによって側面部を設けるが、側面部をライン状にシールしたものである。
【0043】
また、図10に示す第3の包装形態に係る包装袋Hは、包装体をおにぎり1の外形に沿って折り曲げ、必要な部位をシールしたものであるが、上側中心が摘めるように突出したものとされている。また、図11に示す第4の包装形態に係る包装袋Hは、包装体を二つ折りとし、折返部を除いた三方をシールし、四角形状の正面部及び背面部を設け、側面部を設けないものである。
【0044】
また、図12又は図14に示す第5の包装形態は、背面部又は正面部に商品情報などを記載したラベル40を外シート10に貼付したもので、ラベル40の上縁に多数の切込みが形成されている。ラベル40は、第1、第2、第4の包装形態に係る包装袋Hのように正面部及び背面部が四角形状の場合だけでなく、第3の包装形態のように正面部及び背面部が三角形状の場合であっても外シート10に貼付することができる。
【0045】
そして、いずれの包装袋Hも、カバーシート20に開裂案内線21が設けられているが、外面に外シート10が重ね合わされ、カバーシート20の両側縁に沿うラインL1でシールS2されているため、密封された海苔1は、外気と隔絶され、湿気ることがない。また、外シート10に切込み案内線12が入れられているが、弱シールS9によって、外気が外シート10とカバーシート20との内外が連通されず、海苔1が湿気らないようにされている。さらに、内シート30の引裂き予定線30aがハーフカットによって設けられることによっても、密封された海苔1は、おにぎり1と隔絶され、湿気ることがない。
【0046】
ここで、図8に示す第5の包装形態の包装袋Hの開封方法を図12ないし図15を参照しながら説明する。なお、第1から第4の包装形態の包装袋Hも同様に開封することができる。
【0047】
第1の実施形態の包装体からは、図12に示すような包装袋Hが製袋される。この包装袋Hは、カバーシート20に設けられた開裂案内線21の中間部が海苔1の中心線部分よりも外側に位置している。
【0048】
また、第2の実施形他の包装体からは、図14に示すような包装袋Hが製袋される。この製袋された包装袋Hは、カバーシート20に設けられた開裂案内線21の中間部が海苔1の側部付近に位置している。
【0049】
そして、第1及び第2のいずれの実施形態の包装袋Hも上側両角部ないし切込み11の両側を保持し、例えば、図面において左側を固定した状態とし、右側を右下の方に引っ張る。すると、外シート10が切込み11を開封基点にカバーシート20の開裂案内線21に沿って引き裂かれる。このとき、カバーシート20に設けられた非焼切り部22は、容易に切断される。
【0050】
そして、外シート10に入れられたV字形などの切込み案内線12は、引っ張られる方向(この実施形態では右方向)に引き裂かれ、弱シールS9(図1、図2を参照)が剥がされる。さらに、外シート10は、開裂案内線21に沿って底部の方へ引き裂かれ、外シート10及びカバーシート20が左右に分離する。途中において、外シート10にラベル40が貼付されているが、ラベル40の上縁41に多数の切込みが形成されていることにより、ラベル40も容易に引き裂かれる。
【0051】
このように外シート10が引き裂かれ、カバーシート20ととともに、左右に分離すると同時に、内シート30は、センターラインで分離する。すなわち、図1及び図2に示した内シート30にあっては、ミシン目やハーフカットによる引裂き予定線30aが引き裂かれ、図3及び図4に示した内シート30にあっては、重なり合っている内側側部が離間し、図5ないし図7に示した内シート30にあっては、センターシート34,35,36,37の引裂き予定線30aが引き裂かれ、それぞれ左右に分離する。また、図5ないし図7に示した内シート30は、センターシート34,35,36,37がサイドシート32,32にシールS4,S6,S7されているため、センターシート34,35,36,37が内部に残留することなく、サイドシート32,32とともに、海苔1とおにぎり2との間から引き抜かれる。
【0052】
また、内シート30の折返し部に設けられた凹凸部30bにより、内シート30の折返し部は、おにぎり2上をスムーズに移動する。したがって、内シート30は、おにぎり2を引っ張ることがなく、おにぎり2は割れることがない。
【0053】
そして、図13及び図15(ともにラベル40を図示せず)に示すように、外シート10が折返し部まで引き裂かれた状態において、海苔1がほとんど露出しているため、外シート10から海苔1に押圧力を加えず、海苔1は破れることがない。
【0054】
そして、残った外シート10の中間部分を摘み、左側を左下の方へ引っ張る。すると、外シート10は、切込み案内線12が起点となり、二股に分岐していた開裂案内線21で引っ張られる方向(この実施形態においては左方向)に引き裂かれ、図16に示すように、開裂案内線21に囲まれていたカバーシート20及びこのカバーシート20に重なり合っている外シート10がおにぎり2を掴む残余部Zとして残される。
【0055】
なお、残余部は、海苔1の側部付近が引き裂かれる第2の実施形態の包装袋Hにおいて好適に実施することができるが、第1の実施形態の包装袋Hにおいて実施することができることはいうまでもない。
【0056】
次に、前記と異なる実施形態の米飯加工食品の包装体について説明する。前記の実施形態では、カバーシート20が外シート10の内面に重ね合わされ、カバーシート20に開裂案内線21が設けられているが、異なる実施形態は、図示しないが、外シートに開裂案内線を設け、カバーシートがこの開裂案内線を覆うように外シートの外面に重ね合わされる。
【0057】
この場合であっても、開裂案内線は、両端部でカバーシートのほぼ中心に位置し、折返し部でカバーシートの側縁側に偏心するように設けられる。また、カバーシートの両側縁部に沿うラインと、開裂案内線に沿うラインでカバーシートと外シートとがシールされる。さらに、カバーシートが開裂案内線の分岐部と重なっている部分に切込みが入れられ、この切込みを覆うようにカバーシートと外シートとがS9される。このような包装体からも前記の実施形態と同様の包装袋が製袋され、同様に開封して、海苔が割れないようにして食することができる。
【0058】
なお、本発明は、前記の実施形態に限定することなく、特許請求の範囲に記載した技術的事項の範囲内において種々変更することができる。
【0059】
例えば、開裂案内線21は、前記のように、中間部において、長円形又は楕円形に形成し、2本設けられることにより、包装袋Hを右方向に引っ張っても左方向に引っ張っても開封することができるが、片側方向にのみ引っ張って開封すると限定する場合は、中間部の開裂案内線21は、片方に1本のみ偏心するように設けてもよい。また、残余部Zを設けない場合は、切込み21が入れられず、したがって、切込み21を覆う弱シールS9をする必要もない。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明に係る米飯加工食品用の包装体の第1の実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】本発明に係る米飯加工食品用の包装体の第2の実施形態を示す分解斜視図である。
【図3】本発明に係る米飯加工食品用の包装体を構成している内シートの第1の実施形態を示す要部拡大斜視図である。
【図4】本発明に係る米飯加工食品用の包装体を構成している内シートの第2の実施形態を示す要部拡大斜視図である。
【図5】本発明に係る米飯加工食品用の包装体を構成している内シートの第3の実施形態を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る米飯加工食品用の包装体を構成している内シートの第4の実施形態を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る米飯加工食品用の包装体を構成している内シートの第5の実施形態を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る米飯加工食品用の包装体によって製袋された包装袋の第1の形態を示す斜視図である。
【図9】本発明に係る米飯加工食品用の包装体によって製袋された包装袋の第2の形態を示す斜視図である。
【図10】本発明に係る米飯加工食品用の包装体によって製袋された包装袋の第3の形態を示す斜視図である。
【図11】本発明に係る米飯加工食品用の包装体によって製袋された包装袋の第4の形態を示す斜視図である。
【図12】本発明に係る第1の実施形態の米飯加工食品用の包装体によって製袋された包装袋を示す正面図である。
【図13】本発明に係る第1の実施形態の米飯加工食品用の包装体によって製袋された包装袋を開封している状態を示す正面図である。
【図14】本発明に係る第2の実施形態の米飯加工食品用の包装体によって製袋された包装袋を示す正面図である。
【図15】本発明に係る第2の実施形態の米飯加工食品用の包装体によって製袋された包装袋を開封している状態を示す正面図である。
【図16】本発明に係る第2の実施形態の米飯加工食品用の包装体によって制された包装袋を開封し終えた状態を示す正面図である。
【図17】従来の米飯加工食品用の包装体を示す分解斜視図である。
【図18】従来の米飯加工食品用の包装体によって製袋した包装袋を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0061】
1………シート状食品(海苔)
2………米飯加工食品(おにぎり)
10……外シート
20……カバーシート
21……開裂案内線
22……非焼切り部
30…… 内シート
30a…引裂き予定線
30b… 凹凸部
L1……カバーシートの側縁に沿うライン
L2……開裂案内線に沿うライン
S1…… シール
S2……シール
S3……シール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向に切断可能な外シートと、シート状食品を介して外シートに重ね合わされ、かつ、外シートの分離に伴って分離される内シートとを備えている米飯加工食品用の包装体であって、
前記外シートの内面にカバーシートが重ね合わされ、両端部でカバーシートの幅方向のほぼ中心に位置し、中間部でカバーシートの側縁側に偏心する開裂案内線がカバーシートの全長にわたって設けられ、前記カバーシートの両側縁部に沿うライン及び前記開裂案内線に沿うラインでカバーシートと外シートとがシールされていることを特徴とする米飯加工食品用の包装体。
【請求項2】
長さ方向に切断可能な外シートと、シート状食品を介して外シートに重ね合わされ、かつ、外シートの分離に伴って分離される内シートとを備えている米飯加工食品用の包装体であって、
前記外シートの外面にカバーシートが重ね合わされ、両端部でカバーシートの幅方向のほぼ中心に位置し、中間部でカバーシートの側縁側に偏心する開裂案内線が外シートの全長にわたって設けられ、前記カバーシートの両側縁部に沿うラインと、前記開裂案内線に沿うラインでカバーシートと外シートとがシールされていることを特徴とする米飯加工食品用の包装体。
【請求項3】
前記カバーシートは、前記シート状食品とほぼ同じ幅に形成され、前記開裂案内線の中間部がシート状食品の側縁部付近に位置するように偏心して設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の米飯加工食品用の包装体。
【請求項4】
前記開裂案内線は、二股に分岐して中間部が2本設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の米飯加工食品用の包装体。
【請求項5】
前記開裂案内線は、焼切りによって形成され、所々に非焼切り部が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の米飯加工食品用の包装体。
【請求項6】
前記内シートには、米飯加工食品上を滑りやすくするための凹凸部が中間部に設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の米飯加工食品用の包装体。
【請求項7】
前記内シートは、2枚の並列されたサイドシートと、該サイドシートの内側側部に重ね合わされ、かつ、引裂き予定線が設けられたセンターシートとを備え、各サイドシートの内側側部とセンターシートの両側部とがそれぞれシールされていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の米飯加工食品用の包装体。
【請求項8】
前記センターシートは、2枚重ねられていることを特徴とする請求項7に記載の米飯加工食品用の包装体。
【請求項9】
前記引裂き予定線は、ハーフカットによって設けられていることを特徴とする請求項7又は8に記載の米飯加工食品用の包装体。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載された米飯加工食品用の包装体が米飯加工食品を挟むように二つ折りとされ、内シートの周縁部の三方が重なり合ってシールされていることを特徴とする米飯加工食品用の包装袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−46170(P2009−46170A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−214810(P2007−214810)
【出願日】平成19年8月21日(2007.8.21)
【出願人】(506293177)信和産業株式会社 (20)
【Fターム(参考)】