説明

粉体供給装置、及び、粉体供給方法

【課題】 安定して粉体を供給することができる粉体供給装置、及び、粉体供給方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 粉体供給装置1は、フィードタンク11内の粉体をフィードタンク11の下流の粉体用バルブ21を介して粉体輸送配管31から供給する粉体供給装置であって、フィードタンク11に設けられ、粉体を流動化する流動化ガスを導入する粉体流動化部54と、粉体流動化部54と粉体用バルブ21との間に設けられ、粉体を再流動化する再流動化ガスを導入する粉体再流動化部57と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体供給装置、及び、粉体供給方法に関し、詳しくは、安定して粉体を供給することができる粉体供給装置、及び、粉体供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
溶鉱炉設備や火力発電プラント等に用いる燃焼炉として、粉体供給装置から供給される微粉炭等の粉体燃料を燃焼する燃焼炉が知られている。この燃焼炉においては、粉体燃料を空気と共に燃焼炉内に噴射しながら燃焼させる。このような微粉炭を用いた燃焼方式は、石炭自体の燃焼性が高い等の理由から広く普及している。
【0003】
この燃焼炉に粉体燃料を供給する粉体供給装置としては、粉体燃料をキャリアガスにより搬送する気体搬送式の粉体供給装置が知られており、このような粉体供給装置においては、フィードタンク内の粉体燃料が粉体輸送配管に供給されて、粉体輸送配管内のキャリアガスにより搬送される。粉体輸送配管内への粉体燃料の供給量の制御は、フィードタンク下部の排出口付近に設けられた粉体用バルブの開度により制御する場合がある。
【0004】
また、フィードタンクからフィードタンク外に粉体が容易に供給されるようにするために、フィードタンク内に流動化ガスが導入されて、導入された流動化ガスにより、フィードタンク内の粉体が流動化される粉体供給装置が知られている。
【0005】
下記特許文献1に記載の粉体供給装置においては、上記のようにフィードタンク内に流動化ガスが導入され、流動化された粉体がフィードタンクから供給される。この流動化された粉体は、上記のように粉体用バルブの開度により供給量が制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平05−147735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の特許文献1に記載の粉体供給装置のようにフィードタンク内に流動化ガスが導入される場合、流動化ガスが導入されない場合よりも、粉体用バルブにおける閉塞が生じにくくなる。しかし、更に粉体用バルブにおける閉塞が生じにくく、安定して粉体を供給することができる粉体供給装置が求められている。
【0008】
そこで、本発明は、安定して粉体を供給することができる粉体供給装置、及び、粉体供給方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の粉体供給装置は、フィードタンク内の粉体を前記フィードタンクの下流の粉体用バルブを介して粉体輸送配管から前記フィードタンク外に供給する粉体供給装置であって、前記フィードタンクに設けられ、前記粉体を流動化する流動化ガスを導入する粉体流動化部と、前記粉体流動化部と前記粉体用バルブとの間に設けられ、前記粉体を再流動化する再流動化ガスを導入する粉体再流動化部と、を備えることを特徴とするものである。
【0010】
このような粉体供給装置によれば、流動化ガスにより流動化した粉体が、粉体用バルブに入る前において、再流動化ガスにより更に流動化(再流動化)され、再流動化された粉体が粉体用バルブに導入される。従って、粉体用バルブに導入される粉体は、流動性が高く、粉体により粉体用バルブが閉塞されることを防止することができる。このため、本発明の粉体供給装置によれば、安定して粉体を供給することができる。
【0011】
また、上記粉体供給装置において、前記粉体用バルブは、前記粉体輸送配管の途中に設けられており、前記粉体再流動化部は、前記粉体輸送配管における前記粉体流動化部と前記粉体用バルブとの間に設けられていることが好ましい。
【0012】
一般的にバルブは、管の途中に設けることが容易であり、従って、粉体用バルブを粉体輸送配管の途中に設けることが、粉体供給装置の作製上で容易である。しかし、流動化している粉体であっても、フィードタンクから粉体輸送配管に入ると流動性が低下し、粉体用バルブにおいて閉塞が生じ易くなる。そこで、このような粉体供給装置によれば、粉体輸送配管において粉体が再流動化されるため、粉体用バルブにおいて、閉塞が生じることを防止することができる。
【0013】
また、上記粉体供給装置において、前記粉体再流動化部は、前記粉体用バルブに接続されていることが好ましい。
【0014】
このような粉体供給装置によれば、粉体再流動化部と粉体用バルブとが隣り合い、粉体再流動化部と粉体用バルブとの距離を最短にすることができる。従って、粉体用バルブにより流動性の高い粉体を導入することができるので、粉体用バルブにおける閉塞を更に適切に防止することができ、さらに安定して粉体を供給することができる。
【0015】
また、上記粉体供給装置において、前記再流動化ガスの導入量は、前記粉体用バルブの開度に基づいて定められることが好ましい。
【0016】
このように再流動化ガスの導入量を定めることにより、粉体用バルブの開度に応じて、閉塞の生じ易さに変化がある場合に、閉塞の生じ易さに合わせて、再流動化ガスの導入量を変化させることができ、閉塞をより適切に防止することができる。
【0017】
さらに、上記粉体供給装置において、前記再流動化ガスの導入量は、前記粉体用バルブの開度の変化に対して、逆に変化することが好ましい。
【0018】
具体的には、再流動化ガスは、粉体用バルブの開度が大きくなるほど、少なく導入され、粉体用バルブの開度が小さくなるほど、多く導入される。このような再流動化ガスの導入としては、例えば、再流動化ガスの導入量が、粉体用バルブの開度と反比例するように変化することが挙げられる。一般的に、粉体用バルブの開度が小さな場合は、粉体による閉塞が生じ易く、粉体用バルブの開度が大きな場合は、粉体による閉塞が生じにくい。従って、再流動化ガスの導入量が、粉体用バルブの開度に基づいて定められることにより、再流動化ガスが不要に多く導入されることを防止することができる。
【0019】
また、上記粉体供給装置において、前記粉体輸送配管にキャリアガスを導入するキャリアガス供給部を更に備えることが好ましい。
【0020】
このような粉体供給装置によれば、キャリアガスにより、粉体を容易に搬送することができる。
【0021】
さらに、キャリアガスが導入される場合においては、前記流動化ガス及び前記再流動化ガスと、前記キャリアガスとが、同じ種類のガスであることが好ましい。
【0022】
キャリアガスと、流動化ガス及び再流動化ガスとが同じ種類のガスであれば、複数種類のガスを準備する必要がなく、また、複数種類のそれぞれのガスの性質を考慮する必要がないため、簡易にキャリアガスと、流動化ガス及び再流動化ガスを流すことができる。
【0023】
またさらに、流動化ガス及び再流動化ガスと、キャリアガスとが、同じ種類のガスである場合において、前記キャリアガスの一部は、前記粉体流動化部に前記流動化ガスとして供給されると共に、前記粉体再流動化部に前記再流動化ガスとして供給されることが好ましい。
【0024】
このように流動化ガス及び再流動化ガスを導入することにより、ガスの発生源を一カ所にすることができ、粉体供給装置の構成を簡易にすることができる。
【0025】
或いは、キャリアガスが導入される場合において、前記流動化ガス及び前記再流動化ガスは、前記キャリアガス本管から前記粉体輸送配管に導入される前記キャリアガスと異なる種類のガスとされることが好ましい。
【0026】
このような構成にすることにより、流動化ガスや再流動化ガスにキャリアガスと異なる独自の機能を持たすことができる。例えば、流動化ガスや再流動化ガスに粉体と化学反応を起こす反応性ガスを用いて、反応後の粉体が、粉体用バルブを介して粉体輸送配管に導入されるようにすることができる。
【0027】
また、本発明の粉体供給方法は、フィードタンク内の粉体を前記フィードタンクの下流の粉体用バルブを介して粉体輸送配管から前記フィードタンク外に供給する粉体供給方法であって、前記フィードタンクに設けられる粉体流動化部から導入する流動化ガスにより、前記粉体を流動化し、前記粉体流動化部と前記粉体用バルブとの間に設けられる粉体再流動化部から導入する再流動化ガスにより、前記粉体を再流動化し、再流動化された前記粉体を前記粉体用バルブに導入することを特徴とするものである。
【0028】
このような粉体供給方法によれば、流動化した粉体を粉体用バルブに導入するときに再流動化するため、高い流動性の粉体を粉体用バルブに導入することができる。従って、粉体用バルブが閉塞されることを防止することができ、安定して粉体を供給することができる。
【0029】
さらに、前記粉体用バルブは、前記粉体輸送配管の途中に設けられており、前記粉体再流動化部は、前記粉体輸送配管における前記粉体流動化部と前記粉体用バルブとの間に設けられていることが好ましい。
【0030】
流動化している粉体であっても、フィードタンクから粉体輸送配管に入ると流動性が低下する。従って、粉体用バルブが粉体輸送配管の途中に設けられる場合、粉体用バルブにおいて閉塞が生じ易くなる。そこで、このような粉体供給方法によれば、粉体輸送配管において粉体が再流動化されるため、粉体用バルブにおいて、閉塞が生じることを防止することができる。
【0031】
さらに、前記粉体再流動化部は、前記粉体用バルブに接続されていることが好ましい。
【0032】
粉体再流動化部が、粉体用バルブに接続されることにより、粉体再流動化部と粉体用バルブとが隣り合い、粉体再流動化部と粉体用バルブとの距離を最短にすることができる。従って、粉体用バルブにより流動性の高い粉体を導入することができるので、粉体用バルブにおける閉塞を更に適切に防止することができ、さらに安定して粉体を供給することができる。
【0033】
また、前記再流動化ガスの導入量を、前記粉体用バルブの開度に基づいて定めることが好ましい。
【0034】
このように再流動化ガスの導入量を定めることにより、粉体用バルブの開度に応じて、閉塞の生じ易さに変化がある場合に、閉塞の生じ易さに合わせて、再流動化ガスの導入量を変化させることができ、閉塞をより適切に防止することができる。
【0035】
さらに、前記再流動化ガスの導入量は、前記粉体用バルブの開度の変化に対して、逆に変化することが好ましい。
【0036】
具体的には、再流動化ガスは、粉体用バルブの開度が大きくなるほど、少なく導入され、粉体用バルブの開度が小さくなるほど、多く導入される。このような再流動化ガスの導入としては、例えば、再流動化ガスの導入量が、粉体用バルブの開度と反比例するように変化することが挙げられる。一般的に粉体用バルブの閉塞の生じ易さは、粉体用バルブの開度により変化するため、再流動化ガスの導入量が、粉体用バルブの開度に基づいて定められることにより、再流動化ガスが不要に多く導入されることを防止することができる。
【0037】
また、前記粉体輸送配管に接続されたキャリアガス本管から前記粉体輸送配管にキャリアガスを導入することが、粉体を容易に搬送することができる観点から好ましい。
【0038】
さらに、前記流動化ガス及び前記再流動化ガスと、前記キャリアガスとを、同じ種類のガスとすることが好ましい。
【0039】
キャリアガスと、流動化ガス及び再流動化ガスとが同じ種類のガスであれば、複数種類のガスを準備する必要がなく、また、複数種類のそれぞれのガスの性質を考慮する必要がないため、簡易にキャリアガスと、流動化ガス及び再流動化ガスを流すことができる。
【0040】
さらに、前記キャリアガスの一部を、前記粉体流動化部に前記流動化ガスとして供給すると共に、前記粉体再流動化部に前記再流動化ガスとして供給することが好ましい。
【0041】
このように流動化ガス及び再流動化ガスを導入することにより、ガスの発生源を一カ所にすることができ、容易に流動化ガス及び再流動化ガスを導入することができる。
【0042】
或いは、前記流動化ガス及び前記再流動化ガスと、前記キャリアガス本管から前記粉体輸送配管に導入する前記キャリアガスとを異なる種類のガスとすることが好ましい。
【0043】
このような方法にすることにより、流動化ガスや再流動化ガスに、キャリアガスと異なる独自の機能を持たすことができる。例えば、流動化ガスや再流動化ガスに粉体と化学反応を起こす反応性ガスを用いて、反応後の粉体が、粉体用バルブを介して粉体輸送配管に導入されるようにすることができる。
【発明の効果】
【0044】
以上のように、本発明によれば、安定して粉体を供給することができる粉体供給装置、及び、粉体供給方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態に係る粉体供給装置を示す図である。
【図2】粉体用バルブの一部の構成を示す図である。
【図3】粉体用バルブの断面の構成を示す図である。
【図4】粉体流量の時間的な変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、本発明に係る粉体供給装置、及び、粉体供給方法の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0047】
図1は、本発明の実施形態に係る粉体供給装置を示す図である。
【0048】
図1に示すように、粉体供給装置1は、所定量の微粉炭等の粉体燃料を供給するフィードタンク11と、フィードタンク11に供給する粉体燃料が貯蔵されている均圧タンク12と、フィードタンク11に接続され、フィードタンク11内に供給する内圧用ガスを搬送する内圧用ガス供給配管32と、内圧用ガス供給配管32に設けられフィードタンク11内の圧力を調節する内圧調節弁22と、フィードタンク11に設けられ、フィードタンク11内に流動化ガスを導入する粉体流動化部54と、粉体流動化部54に接続され、流動化ガスを搬送する流動化ガス管34と、流動化ガス管34に設けられる流動化ガス用バルブ24と、フィードタンク11から供給される粉体燃料を搬送する粉体輸送配管31と、粉体輸送配管31に接続され、フィードタンク11から供給される粉体燃料の量を調節する粉体用バルブ21と、粉体輸送配管31で搬送される粉体燃料の流量を検出する粉体流量計40と、粉体用バルブ21と粉体流動化部54との間に設けられ、再流動化ガスを導入する粉体再流動化部57と、粉体再流動化部57に接続され、再流動化ガスを搬送する再流動化ガス管37と、再流動化ガス管37に設けられる再流動化ガス用バルブ27と、を主な構成として備える。
【0049】
フィードタンク11及び均圧タンク12は、金属製のタンクであり、フィードタンク11は、均圧タンク12の下に配置され、均圧タンク12の下部に接続された粉体供給配管35が、フィードタンク11の上部に接続されている。この粉体供給配管35を介して、均圧タンク12からフィードタンク11に粉体燃料が供給される。また、粉体供給配管35の途中には、粉体供給用弁25が設けられており、粉体供給用弁25の開閉により、均圧タンク12からフィードタンク11への粉体燃料の供給有無が制御される。
【0050】
フィードタンク11には、ロードセル45が接続されており、このロードセル45により、フィードタンク11からロードセル45にかかる重量が連続的に検出される。そして、ロードセル45には、重量指示調節計46が接続されており、ロードセルから出力される検出信号を基にフィードタンク11内の粉体燃料の重量が連続的に計測されて、粉体燃料の重量に基づいた情報を含む信号が出力される。
【0051】
さらに、フィードタンク11には、圧力指示計48が接続されており、フィードタンク11内の圧力が検出されて、フィードタンク11内の圧力に基づく情報を含む信号が出力される。
【0052】
また、フィードタンク11の下部には、粉体輸送配管31が接続されており、フィードタンク11から供給される粉体燃料は、フィードタンク11から粉体輸送配管31内に導入され、上述のように、粉体輸送配管31により搬送される。
【0053】
また、フィードタンク11の下方における粉体輸送配管31の途中には、上述のように、粉体用バルブ21が接続されている。従って、フィードタンク11から供給される粉体燃料は、粉体用バルブ21を介して、粉体輸送配管31により搬送される。
【0054】
粉体用バルブ21は、球体に所定の内径を有する貫通孔が形成されたボール弁や、側面に切り欠きが設けられた一組の円柱体が、側面同士が接するように並べられた回転式調節弁等から構成されている。この粉体用バルブ21の開度を調節することにより、フィードタンク11から供給される粉体燃料の量を一定の幅に制御することができる。また、この粉体用バルブ21は、粉体が通過するバルブであるため、直接、粉体の流量を制御でき、このため粉体用バルブの開度を調節することにより、粉体流量を短時間に大きく変動させることが可能である。また、粉体用バルブ21には、粉体用バルブ指示計41が接続されており、粉体用バルブ指示計41は、粉体用バルブ21の開度を調節することができるよう構成されている。なお、本明細書において、単に「粉体流量」という場合、粉体輸送配管内の粉体の流量を意味する。
【0055】
ここで、粉体用バルブ21の一例として、粉体用バルブ21が、側面に切り欠きが設けられた一組の円柱体が、側面同士が接するように並べられた回転式調節弁等から構成される場合の例について説明する。図2は、このような粉体用バルブ21の一部の構成を示す図であり、図3は、粉体用バルブ21の断面における構成を示す図である。図2、図3に示すように、粉体用バルブ21は、弁箱76と、弁箱76内に収納され、それぞれが略円柱状の一組の弁体71と、弁体71の軸を貫通している軸芯73とを主な構成として備える。なお、図3においては、理解の容易のため弁箱76を省略している。
【0056】
それぞれの弁体71は、上記のようにそれぞれ略円柱状の形状をしており、それぞれの弁体71の側面72には、切り欠き75が形成されている。また、それぞれの弁体71の軸に沿って軸芯73が設けられている。そして、それぞれの弁体71は、それぞれの弁体71の長手方向が平行となるようにして、弁体71のそれぞれの側面72同士が接して、軸中心に回転可能に配置されている。そして、それぞれの弁体71を軸中心に回転させたときに、側面72における切り欠き75が形成された部分同士が、互いに対向することが可能とされている。従って、図2、図3に示すように、それぞれの切り欠き75が対向している状態においては、それぞれの切り欠き75により、それぞれの弁体71の間において、通過口Hが形成される。そして、それぞれの弁体71を軸中心に回転させることにより、通過口Hの穴径を変化させることができる(それぞれの軸芯73を通る面における通過口Hの面積を変化させることができる。)。この通過口Hは、フィードタンク11から通じる穴であり、通過口Hの穴径を調節することにより、フィードタンク11から供給される粉体燃料の量が調節される。
【0057】
また、上述のようにフィードタンク11には、フィードタンク11内の圧力を調節する内圧用ガスを供給する内圧用ガス供給配管32が接続されており、内圧用ガス供給配管32には、内圧調節弁22が設けられている。この内圧調節弁22の開度が調節されることで、フィードタンク11に供給される内圧用ガスの供給量が調節される。また、内圧調節弁22には、内圧調節弁指示計42が接続されており、内圧調節弁指示計42は、内圧調節弁22の開度を調節することができるよう構成されている。
【0058】
内圧用ガス供給配管32のフィードタンク11側と反対側には、ガス発生装置30が接続されている。このガス発生装置30から出力されるガスの一部が、内圧用ガス供給配管32に導入されて、内圧用ガスとされる。
【0059】
また、ガス発生装置30には、キャリアガス本管33が接続されている。キャリアガス本管33は、粉体燃料を搬送するためのキャリアガスを粉体輸送配管31に導入するための配管である。従って、キャリアガス本管33のガス発生装置30側と反対側は、上述の粉体輸送配管31における粉体用バルブ21を基準としたフィードタンク11側と反対側に接続されている。このキャリアガス本管33から粉体輸送配管31に導入されるキャリアガスにより、フィードタンク11から粉体用バルブ21を介して粉体輸送配管31に導入された粉体燃料が搬送される。さらに、キャリアガス本管33には、圧力指示計43が接続されており、キャリアガス本管33内の圧力が検出されて、キャリアガス本管33内の圧力に基づいた信号が出力される。
【0060】
なお、ガス発生装置30から出力されるガスの他の一部が、キャリアガス本管33に導入される。つまり、本実施形態においては、内圧用ガスとキャリアガスとが同じガス種とされる。
【0061】
また、キャリアガス本管33の途中から流動化ガス管34が分岐しており、流動化ガス管34のキャリアガス本管33との分岐側と反対側は、フィードタンク11の下部側に接続されている。本実施形態においては、このフィードタンク11に流動化ガス管34が接続されている部分が、粉体流動化部54とされている。流動化ガス管34には、キャリアガス本管33を流れるキャリアガスの一部が、流動化ガスとして導入され、流動化ガスは、粉体流動化部54を介して、フィードタンク11内に下方側から導入される。本実施形態においては、上記のように、キャリアガスの一部が流動化ガスとされるので、流動化ガスとキャリアガスとが同じガス種とされる。また、流動化ガス管34の途中には、流動化ガス用バルブ24が設けられており、流動化ガス用バルブ24の開度が調節されることにより、フィードタンク11内に導入される流動化ガスの量が調節される。さらに、流動化ガス用バルブ24には、流動化ガス用バルブ指示計44が接続されており、流動化ガス用バルブ指示計44は、流動化ガス用バルブ24の開度を調節することができるよう構成されている。
【0062】
またさらに、キャリアガス本管33における流動化ガス管34が分岐している場所とは異なる途中からは、再流動化ガス管37が分岐しており、再流動化ガス管37のキャリアガス本管33との分岐側と反対側は、粉体輸送配管31における粉体用バルブ21と粉体流動化部54との間に接続されている。本実施形態においては、この粉体用バルブ21と粉体流動化部54との間に再流動化ガス管37が接続されている部分が、粉体再流動化部57とされており、粉体再流動化部57から再流動化ガスが粉体輸送配管31に導入される。なお、図1においては、粉体再流動化部57と粉体用バルブ21との間が粉体輸送配管31で接続されているが、粉体再流動化部57は、粉体用バルブ21に直接接続されていることが好ましい。こうして、再流動化ガス管37には、キャリアガス本管33を流れるキャリアガスの一部が、再流動化ガスとして導入され、再流動化ガスは、粉体再流動化部57を介して、粉体用バルブ21と粉体流動化部54との間から導入される。上記のように、本実施形態においては、キャリアガス本管33の途中から再流動化ガス管37が分岐しており、再流動化ガスとキャリアガスとが同じガス種とされる。つまり、流動化ガス、再流動化ガス、キャリアガスが、共に同じガス種とされる。また、再流動化ガス管37の途中には、再流動化ガス用バルブ27が設けられており、再流動化ガス用バルブ27の開度が調節されることにより、導入される再流動化ガスの量が調節される。さらに、再流動化ガス用バルブ27には、再流動化ガス用バルブ指示計47が接続されており、再流動化ガス用バルブ指示計47は、再流動化ガス用バルブ27の開度を調節することができるよう構成されている。
【0063】
また、粉体輸送配管31における粉体燃料がキャリアガスにより搬送される部分、すなわち、粉体輸送配管31におけるキャリアガス本管33が接続される位置よりも下流側には、圧力指示計49が接続されており、粉体輸送配管31内の圧力が検出されて、粉体輸送配管31内の圧力に基づく情報を含んだ信号が出力される。また、粉体輸送配管31における粉体燃料がキャリアガスにより搬送される部分には、更に粉体流量計40が設けられており、粉体輸送配管31を流れる粉体流量が検知され、検知された情報を含んだ信号が出力されよう構成されている。
【0064】
このような粉体供給装置においては、フィードタンク11内の圧力は、キャリアガス本管33内の圧力よりも高くされ、キャリアガス本管33内の圧力は、粉体輸送配管31内の圧力よりも高くされる。粉体供給装置1は、これらの圧力同士の差圧を利用して、粉体燃料を搬送することができるよう構成されている。これらの圧力は、特に限定されないが、例えば、2MPa以上4MPa以下とされる。
【0065】
そして、フィードタンク11内の圧力を調節することで、フィードタンク11内の圧力とキャリアガス本管33内の圧力との差圧や、キャリアガス本管33内の圧力と粉体輸送配管31内の圧力との差圧や、フィードタンク11内の圧力と粉体輸送配管31内の圧力との差圧を調節することができる。上述のように粉体供給装置1は、差圧を利用して粉体燃料を搬送しているため、フィードタンク11から供給される粉体燃料の流量は、上述の粉体用バルブ21の開度に加えて、これらの差圧によっても調節することができる。別言すれば、内圧調節弁22の開度により、フィードタンク11内の圧力を調節することで、上記の差圧を調節することができ、フィードタンク11から供給される粉体燃料の流量を調節することができる。このように上記の差圧を制御することにより、粉体燃料の流量を調節する場合、粉体流量の微調節を行うことができる。
【0066】
さらに粉体供給装置1は、メモリ61と接続された制御部60を備えている。制御部60は、粉体流量計40、圧力指示計43、48、49、及び、重量指示調節計46と接続されており、制御部60には、粉体流量計40から出力される粉体流量に関する情報を含んだ信号、及び、圧力指示計43から出力されるキャリアガス本管33内の圧力に関する情報を含んだ信号、及び、圧力指示計48から出力されるフィードタンク11内の圧力に関する情報を含んだ信号、及び、圧力指示計49から出力される粉体輸送配管31内の圧力に関する情報を含んだ信号、及び、重量指示調節計46から出力されるフィードタンク11内の粉体燃料の重量に関する情報を含んだ信号等が入力される。そして、制御部60は、必要に応じて、圧力指示計43、48、49からの信号や、重量指示調節計46から出力される信号を利用して、メモリ61の情報、粉体流量計40からの信号等の少なくとも一方に基づいて、制御信号を生成する。また、制御部60は、粉体用バルブ指示計41、及び、内圧調節弁指示計42、及び、流動化ガス用バルブ指示計44、及び、再流動化ガス用バルブ指示計47に接続されており、粉体用バルブ指示計41、及び、内圧調節弁指示計42、及び、流動化ガス用バルブ指示計44、及び、再流動化ガス用バルブ指示計47に生成した制御信号を入力するように構成されている。
【0067】
粉体用バルブ指示計41は、制御部60からの制御信号に基づいて、粉体用バルブ21の開度を調節することができるよう構成されている。つまり、制御部60が粉体流量計40からの信号に基づいて制御信号を出力する場合には、粉体用バルブ指示計41は、粉体流量計40からの情報に基づいて粉体用バルブ21の開度を調節する。従って、この場合、粉体用バルブ21は、粉体流量計40からの情報に基づいて、粉体流量を調節することとなる。一方、制御部60がメモリ61の情報に基づいて制御信号を出力する場合には、粉体用バルブ指示計41は、メモリ61の情報に基づいて粉体用バルブ21の開度を調節する。従って、この場合、粉体用バルブ21は、メモリ61からの情報に基づいて、粉体流量を調節することとなる。
【0068】
また、内圧調節弁指示計42は、制御部60からの信号に基づいて、内圧調節弁22の開度を調節することができるよう構成されている。つまり、制御部60が粉体流量計40からの信号に基づいて制御信号を出力する場合には、内圧調節弁指示計42は、粉体流量計40からの情報に基づいて内圧調節弁22の開度を調節する。従って、この場合、内圧調節弁22は、粉体流量計40からの情報に基づいて、粉体流量を調節することとなる。一方、制御部60がメモリ61の情報に基づいて制御信号を出力する場合には、内圧調節弁指示計42は、メモリ61の情報に基づいて内圧調節弁22の開度を調節する。従って、この場合、内圧調節弁22は、メモリ61からの情報に基づいて、粉体流量を調節することとなる。なお、制御部60は、内圧調節弁22の開度を調節する信号を生成するときに、必要に応じて圧力指示計43、48、49からの信号を利用する。
【0069】
また、流動化ガス用バルブ指示計44は、制御部60からの信号に基づいて、流動化ガス用バルブ24の開度を調節することができるよう構成されている。つまり、制御部60が、例えば、粉体流量計40からの信号に基づいて制御信号を出力する場合には、流動化ガス用バルブ指示計44は、粉体流量計40からの情報に基づいて流動化ガス用バルブ24の開度を調節する。従って、この場合、流動化ガス用バルブ24は、粉体流量計40からの情報に基づいて、流動化ガスの導入量を調節することとなる。一方、制御部60が、メモリ61の情報に基づいて制御信号を出力する場合には、流動化ガス用バルブ指示計44は、メモリ61の情報に基づいて流動化ガス用バルブ24の開度を調節する。従って、この場合、流動化ガス用バルブ24は、メモリ61からの情報に基づいて、流動化ガスの導入量を調節することとなる。
【0070】
また、再流動化ガス用バルブ指示計47は、制御部60からの信号に基づいて、再流動化ガス用バルブ27の開度を調節することができるよう構成されている。本実施形態においては、制御部60が、粉体用バルブ21の開度に基づいて再流動化ガスの導入量の制御信号を出力する場合には、再流動化ガス用バルブ指示計47は、粉体用バルブ21の開度に基づいて再流動化ガス用バルブ27の開度を調節する。従って、この場合、再流動化ガス用バルブ27は、粉体用バルブ21の開度に基づいて、再流動化ガスの導入量を調節することとなる。なお、この場合、制御部60が出力する粉体用バルブ21の開度に基づいた制御信号は、制御部60が粉体用バルブ指示計41に出力する制御信号と関連して制御部60で生成される。一方、制御部60が、メモリ61の情報に基づいて制御信号を出力する場合には、再流動化ガス用バルブ指示計47は、メモリ61の情報に基づいて再流動化ガス用バルブ27の開度を調節する。例えば、メモリ61に粉体用バルブ21の開度と再流動化ガスの導入量が記憶されている場合、制御部60は、粉体用バルブ21の開度が定まるとメモリ61の情報から再流動化ガス用バルブ27の開度を調節する制御信号を生成して、この制御信号を再流動化ガス用バルブ指示計47に送る。従って、この場合、再流動化ガス用バルブ27は、メモリ61からの情報に基づいて、再流動化ガスの導入量を調節することとなる。
【0071】
メモリ61には、例えば、粉体流量と、粉体用バルブ21の開度と、フィードタンク11内の圧力及びキャリアガス本管33内の圧力及び粉体輸送配管31内の圧力のいずれか2つにおける差圧と、の関係を示すテーブルや、粉体用バルブ21の開度と、再流動化ガス用バルブ27の開度との関係を示すテーブル等が、記憶されている。粉体用バルブ21が、メモリ61からの情報に基づいて、粉体流量を調節する場合には、この粉体用バルブ21の開度を示すメモリ61の情報に基づいて、制御部60により粉体用バルブ21の開度を調節する制御信号が生成され、この制御信号が、粉体用バルブ指示計41に入力される。また、例えば、内圧調節弁22が、メモリ61からの情報に基づいて、粉体流量を調節する場合には、フィードタンク11内の圧力及びキャリアガス本管33内の圧力及び粉体輸送配管31内の圧力のいずれか2つにおける差圧が特定されると、圧力指示計43、48、49の少なくとも2つからの情報と、差圧を示すメモリ61の情報とに基づいて、制御部60により内圧調節弁22の開度を調節する制御信号が生成され、この制御信号が、内圧調節弁指示計42に入力される。このメモリ61のテーブルは、実験等により事前に求められて、メモリ61内に記録されているものである。
【0072】
このような粉体供給装置1は、粉体輸送配管31が、粉体燃料を燃焼してエネルギーを取り出す燃焼炉100に直接的、或いは、間接的に接続されている。
【0073】
次に、粉体供給装置1の動作について説明する。
【0074】
まず、粉体供給用弁25が開けられて、均圧タンク12から粉体燃料が粉体供給配管35を介して、フィードタンク11に供給される。
【0075】
そして、流動化ガス用バルブ24が開けられて、粉体流動化部54を介して流動化ガス管34から流動化ガスがフィードタンク11内に導入される。流動化ガスがフィードタンク11内に導入されることにより、フィードタンク11内の粉体燃料は、流動化され、フィードタンク11から粉体燃料が粉体輸送配管31内に供給され易い状態とされる。そして、フィードタンク11内の圧力と粉体輸送配管31内の差圧により、フィードタンク11から粉体輸送配管に粉体燃料が供給される。
【0076】
更に、再流動化ガス用バルブ27が開けられて、粉体燃料が粉体用バルブ21の通過口Hを閉塞しないように、再流動化ガス管37を介して粉体再流動化部57から再流動化ガスが導入され、粉体用バルブ21と粉体流動化部54との間において、粉体燃料が再流動化される。上述のように、本実施形態において、粉体再流動化部57は、粉体輸送配管31における粉体流動化部54と粉体用バルブ21との間に設けられている。粉体燃料は、フィードタンク11から粉体輸送配管31に入ると流動性が低下し、粉体用バルブ21において閉塞が生じ易くなる。しかし、粉体輸送配管31において粉体が再流動化されるため、粉体用バルブ21において、閉塞が生じることを防止することができる。また、本実施形態においては、粉体再流動化部57と粉体用バルブ21との間が粉体輸送配管31で接続されているが、粉体再流動化部57が粉体用バルブ21に接続されていれば、粉体用バルブ21の直上において、粉体燃料が再流動化され、再流動化された粉体燃料が粉体用バルブ21に導入されるため、粉体用バルブ21の通過口Hを通過し易くなり好ましい。
【0077】
そして、作業者により入力手段から粉体流量の設定値SVにかかる情報が入力される。なお、図1において、入力手段は省略されている。入力された情報は、制御部60に入力されて、制御部60は、メモリ61を参照して、入力された粉体流量の設定値SVにかかる情報に対応する粉体用バルブ21の開度、及び、フィードタンク11内の圧力及びキャリアガス本管33内の圧力及び粉体輸送配管31内の圧力のいずれか2つにおける差圧を読みだす。
【0078】
次に、制御部60は、メモリ61の情報に基づいて、粉体用バルブ21の開度にかかる制御信号を生成し、この制御信号を粉体用バルブ指示計41に送付する。粉体用バルブ指示計41は、制御部60からの制御信号に基づいて粉体用バルブ21の開度を調節する。こうして、粉体用バルブ21の初期の開度がメモリ61の情報に基づいて調節される。
【0079】
このとき、上述のように再流動化ガスの導入量が、粉体用バルブ21の開度に基づいて定められ、本実施形態においては、再流動化ガスの導入量は、粉体用バルブ21の開度の変化に対して、逆に変化する。具体的には、粉体用バルブ21の開度が大きくなると共に、制御部60からの制御信号により、再流動化ガス用バルブ27の開度が小さくなり、再流動化ガスの導入量が少なくなる。つまり、再流動化ガスの導入量は、粉体用バルブ21の開度と反比例するように制御される。これは、次の理由による。すなわち、一般的に、粉体用バルブ21の開度が小さな場合は、粉体燃料による閉塞が生じ易く、粉体用バルブ21の開度が大きな場合は、粉体燃料による閉塞が生じにくい。従って、粉体燃料による閉塞が生じ易い粉体用バルブ21の開度が小さな状態では、再流動化ガスの導入量が多くされ、粉体燃料による閉塞が生じにくい粉体用バルブ21の開度が大きな状態では、再流動化ガスの導入量が少なくされる。このように、再流動化ガスの導入量が、粉体用バルブの開度に基づいて定められることにより、再流動化ガスが不要に多く導入されることを防止することができる。
【0080】
さらに、制御部60は、メモリ61の情報及び圧力指示計43、48、49の少なくとも2つからの情報を参照して、内圧調節弁22の開度にかかる制御信号を生成して、この制御信号を内圧調節弁指示計42に送付する。内圧調節弁指示計42は、制御部60からの制御信号に基づいて内圧調節弁22の開度を調節する。内圧調節弁22の開度が調節されると、フィードタンク11内の圧力及びキャリアガス本管33内の圧力及び粉体輸送本管31内の圧力のいずれか2つにおける初期の差圧が所定の範囲とされ、差圧が一定となるように調節される。なお、粉体供給装置1を使用する環境や、粉体燃料の状態等によりメモリ61のテーブル上の差圧と、実際の差圧とが異なる場合、再度、圧力指示計43、48、49の少なくとも2つからの情報に基づいて、制御部60は、差圧が一定になるように、内圧調節弁22の開度にかかる制御信号を再び生成して、この制御信号を内圧調節弁指示計42に送付する。そして、再び内圧調節弁22の開度が調節されて、差圧が一定となるように調節される。別言すれば、メモリ61のテーブル上の差圧と、実際の差圧とが異なる場合、圧力指示計43、48、49の少なくとも2つからの情報で、内圧調節弁22にフィードバックがかかり、フィードタンク11内の圧力とキャリアガス本管33内の圧力との差圧、及び、キャリアガス本管33内の圧力と粉体輸送配管31内の圧力との差圧、及び、フィードタンク11内の圧力と粉体輸送配管31内の圧力との差圧のいずれかが一定となるように、内圧調節弁22の開度が再度調節されることが好ましい。このように調節することで、より差圧が正確に調節される。
【0081】
図4は、粉体輸送配管31内を搬送される粉体流量の時間的変化を示す図である。図4に示すように、粉体用バルブ21の初期の開度が調節され、内圧調節弁22により差圧が一定となるように調節されると、t1において、粉体輸送配管31内を搬送される粉体流量は、設定値SVに急激に近づく。
【0082】
次に、差圧が一定となるように調節された状態で、粉体流量計40からの情報に基づいて、粉体用バルブ21の開度が、粉体流量が一定となるように調節される。具体的には、メモリ61の情報に基づいて、粉体用バルブ21の開度や、フィードタンク11内の圧力及びキャリアガス本管33内の圧力及び粉体輸送本管31内の圧力のいずれか2つにおける差圧が調節されたとしても、粉体輸送配管31を搬送される粉体流量は、燃焼炉100からの影響や、粉体燃料の状態等により、常に変動する。そのため、粉体用バルブ21は、粉体流量計40からの情報に基づいて、この変動を打ち消すように開度が調節され、粉体流量が所定の範囲とされる。このように、粉体用バルブ21により粉体流量が一定となるように調節されるため、粉体流量が大きく変わる場合においても、短時間で粉体流量を制御することができる。なお、このときにおいても、上述のように再流動化ガスの導入量は、粉体用バルブ21の開度に基づいて定められるため、再流動化ガスの導入量は、粉体用バルブ21の開度と反比例するように制御される。
【0083】
次に、粉体流量が所定の範囲に入ったt2において、粉体用バルブ21の開度が一定とされる。そして、フィードタンク11内の圧力及びキャリアガス本管33内の圧力及び粉体輸送本管31内の圧力のいずれか2つにおける差圧が調節される。具体的には、制御部60は、粉体流量計40からの情報に基づいて、粉体流量の変動が打ち消されるようにして、差圧が調節されるように、内圧調節弁22の開度を調節する制御信号を生成し、内圧調節弁指示計42に制御信号を送る。従って、内圧調節弁22は、粉体流量計からの情報に基づいて、内圧調節弁指示計42により、開度が調節されて、これによりフィードタンク11内の圧力が調節されて、その結果、差圧が調節される。こうして、差圧により粉体輸送配管31内を搬送される粉体の流量が設定値SVに近づくように調節される。図4に示すように差圧を調節することによる粉体流量の調節は、微調節が可能である。従って、t2以降、差圧の調節により、粉体流量の設定値からの変動幅が小さくなっている。
【0084】
こうして、燃焼炉100には、変動幅が小さな粉体が供給される。
【0085】
以上説明したように、本実施形態の粉体供給装置1によれば、流動化ガスにより流動化した粉体燃料が、粉体用バルブ21に入る前において、再流動化ガスにより再流動化される。従って、粉体燃料により粉体用バルブ21の通過口Hが閉塞されることを防止することができる。このため、粉体供給装置1によれば、安定して粉体燃料を供給することができる。
【0086】
また、本実施形態においては、キャリアガスの一部が、流動化ガス及び再流動化ガスとされるため、ガスの発生源をガス発生装置30の一カ所にすることができ、粉体供給装置1の構成を簡易にすることができる。
【0087】
以上、本発明について、実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0088】
例えば、上記実施形態においては、粉体再流動化部57が、粉体輸送配管31における粉体流動化部54と粉体用バルブ21との間に設けられていた。しかし本発明はこれに限らず、粉体再流動化部57がフィードタンク11における粉体流動化部54と粉体用バルブ21との間に設けられても良い。
【0089】
また、上記実施形態において、再流動化ガスの導入量は、粉体用バルブ21の開度に基づいて定められ、粉体用バルブ21の開度の変化に対して、逆に変化するとしたが、本発明はこれに限らず、再流動化ガスの導入量は、粉体用バルブ21の開度の変化に対して、逆に変化しなくても良い。例えば、粉体用バルブ21の開度が、所定の開度よりも大きい場合には、再流動化ガスの導入量を粉体用バルブ21の開度の変化に対して、逆に変化するようにして、粉体用バルブ21の開度が、所定の開度よりも小さい場合においては、粉体用バルブ21の開度に関わらず、再流動化ガスの導入量を所定量導入するものとしても良い。また、再流動化ガスの導入量は、粉体用バルブ21の開度に基づいて定められなくても良く、例えば、再流動化ガスの導入量は、粉体用バルブ21の開度に関わらず一定とされても良い。
【0090】
また、上記実施形態においては、キャリアガスの一部が、流動化ガス及び再流動化ガスとされたが、本発明はこれに限らない。例えば、キャリアガスが複数の種類のガスから成り、流動化ガス及び再流動化ガスは、キャリアガスを構成する一部の種類のガスから成り、流動化ガス及び再流動化ガスは、粉体輸送配管31内に導入され、キャリアガスの一部とされることとしても良い。つまり、ガス発生装置30から出力されるキャリアガスと、流動化ガスや再流動化ガスとが別々の気体とされて、流動化ガスや再流動化ガスが、ガス発生装置30とは異なるガス発生装置から出力されても良い。そして、流動化ガスや再流動化ガスが、フィードタンク11から粉体輸送配管31に導入されて、更にガス発生装置30から出力されるキャリアガスが、粉体輸送配管31に導入されることにより、粉体燃料を搬送するキャリアガスは、複数種類のガスから構成される。この場合、流動化ガスや再流動化ガスに独自の機能を持たすことができる。例えば、流動化ガスや再流動化ガスに粉体燃料と化学反応を起こす反応性ガスを用いて、反応後の粉体燃料を粉体輸送配管で搬送することができる。
【0091】
また、上記実施形態においては、粉体燃料である粉体を供給する粉体供給装置について説明したが、本発明はこれに限らず、他の粉体を供給する粉体供給装置にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0092】
以上説明したように、本発明によれば安定して粉体を供給することができる粉体供給装置、及び、粉体輸送方法が提供され、溶鉱炉設備や火力発電プラント等に用いる燃焼炉に粉体燃料を安定して供給するための粉体供給装置や、その他の粉体供給装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0093】
1・・・粉体供給装置
11・・・フィードタンク
12・・・均圧タンク
21・・・粉体用バルブ
22・・・内圧調節弁
24・・・流動化ガス用バルブ
25・・・粉体供給用弁
27・・・再流動化ガス用バルブ
30・・・ガス発生装置
31・・・粉体輸送配管
32・・・内圧用ガス供給配管
33・・・キャリアガス本管
34・・・流動化ガス管
35・・・粉体供給配管
37・・・再流動化ガス管
40・・・粉体流量計
41・・・粉体用バルブ指示計
42・・・内圧調節弁指示計
43・・・圧力指示計
44・・・流動化ガス用バルブ指示計
45・・・ロードセル
46・・・重量指示調節計
47・・・再流動化ガス用バルブ指示計
48・・・圧力指示計
49・・・圧力指示計
54・・・粉体流動化部
57・・・粉体再流動化部
60・・・制御部
61・・・メモリ
71・・・弁体
72・・・側面
73・・・軸芯
75・・・切り欠き
76・・・弁箱
100・・・燃焼炉
H・・・通過口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィードタンク内の粉体を前記フィードタンクの下流の粉体用バルブを介して粉体輸送配管から前記フィードタンク外に供給する粉体供給装置であって、
前記フィードタンクに設けられ、前記粉体を流動化する流動化ガスを導入する粉体流動化部と、
前記粉体流動化部と前記粉体用バルブとの間に設けられ、前記粉体を再流動化する再流動化ガスを導入する粉体再流動化部と、
を備える
ことを特徴とする粉体供給装置。
【請求項2】
前記粉体用バルブは、前記粉体輸送配管の途中に設けられており、前記粉体再流動化部は、前記粉体輸送配管における前記粉体流動化部と前記粉体用バルブとの間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の粉体供給装置。
【請求項3】
前記粉体再流動化部は、前記粉体用バルブに接続されていることを特徴とする請求項2に記載の粉体供給装置。
【請求項4】
前記再流動化ガスの導入量は、前記粉体用バルブの開度に基づいて定められることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の粉体供給装置。
【請求項5】
前記再流動化ガスの導入量は、前記粉体用バルブの開度の変化に対して、逆に変化することを特徴とする請求項4に記載の粉体供給装置。
【請求項6】
前記粉体輸送配管にキャリアガスを導入するキャリアガス供給部を更に備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の粉体供給装置。
【請求項7】
前記流動化ガス及び前記再流動化ガスと、前記キャリアガスとが、同じ種類のガスであることを特徴とする請求項6に記載の粉体供給装置。
【請求項8】
前記キャリアガスの一部は、前記粉体流動化部に前記流動化ガスとして供給されると共に、前記粉体再流動化部に前記再流動化ガスとして供給されることを特徴とする請求項7に記載の粉体供給装置。
【請求項9】
前記流動化ガス及び前記再流動化ガスは、前記キャリアガス本管から前記粉体輸送配管に導入される前記キャリアガスと異なる種類のガスとされる
ことを特徴とする請求項6に記載の粉体供給装置。
【請求項10】
フィードタンク内の粉体を前記フィードタンクの下流の粉体用バルブを介して粉体輸送配管から前記フィードタンク外に供給する粉体供給方法であって、
前記フィードタンクに設けられる粉体流動化部から導入する流動化ガスにより、前記粉体を流動化し、
前記粉体流動化部と前記粉体用バルブとの間に設けられる粉体再流動化部から導入する再流動化ガスにより、前記粉体を再流動化し、
再流動化された前記粉体を前記粉体用バルブに導入する
ことを特徴とする粉体供給方法。
【請求項11】
前記粉体用バルブは、前記粉体輸送配管の途中に設けられており、前記粉体再流動化部は、前記粉体輸送配管における前記粉体流動化部と前記粉体用バルブとの間に設けられていることを特徴とする請求項10に記載の粉体供給方法。
【請求項12】
前記粉体再流動化部は、前記粉体用バルブに接続されていることを特徴とする請求項11に記載の粉体供給方法。
【請求項13】
前記再流動化ガスの導入量を、前記粉体用バルブの開度に基づいて定めることを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の粉体供給方法。
【請求項14】
前記再流動化ガスの導入量は、前記粉体用バルブの開度の変化に対して、逆に変化することを特徴とする請求項13に記載の粉体供給方法。
【請求項15】
前記粉体輸送配管に接続されたキャリアガス本管から前記粉体輸送配管にキャリアガスを導入することを特徴とする請求項10から14のいずれか1項に記載の粉体供給方法。
【請求項16】
前記流動化ガス及び前記再流動化ガスと、前記キャリアガスとを、同じ種類のガスとすることを特徴とする請求項15に記載の粉体供給方法。
【請求項17】
前記キャリアガスの一部を、前記粉体流動化部に前記流動化ガスとして供給すると共に、前記粉体再流動化部に前記再流動化ガスとして供給することを特徴とする請求項16に記載の粉体供給方法。
【請求項18】
前記流動化ガス及び前記再流動化ガスと、前記キャリアガス本管から前記粉体輸送配管に導入する前記キャリアガスとを異なる種類のガスとすることを特徴とする請求項15に記載の粉体供給方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−171740(P2012−171740A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35250(P2011−35250)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(391022326)ダイヤモンドエンジニアリング株式会社 (3)
【Fターム(参考)】