説明

粉体樹脂浸漬処理方法および粉体樹脂浸漬処理装置

【課題】粉体樹脂の表面高さを高精度で管理でき、かつ、レベルセンサなどを用いた複雑な制御が不要で低コストな粉体樹脂浸漬処理方法および装置を提供する。
【解決手段】粉体樹脂Rに浸漬させる対象物Wを把持する把持部60と、粉体樹脂Rを保持する第1粉体槽40と、第1粉体槽40の内部に収容可能であって粉体樹脂Rを保持する第2粉体槽30と、第2粉体槽30の上端面すり切り位置まで粉体樹脂Rの充填を行う充填手段と、把持部60に把持された対象物Wを第2粉体槽30に充填された粉体樹脂Rに浸漬させる浸漬手段とを有する。また、第2粉体槽30の上端面すり切り位置まで粉体樹脂Rを充填する充填工程と、対象物Wを第2粉体槽30に充填された粉体樹脂Rに浸漬させる浸漬工程とを繰り返し行う。粉体樹脂Rは上端面すり切り位置で維持されるので、粉体樹脂の表面高さを高精度で管理できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物を粉体槽に保持される粉体樹脂に浸漬させる粉体樹脂浸漬処理方法およびその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コイルの接合部の絶縁処理を行う技術として、粉体槽内に収容された粉体樹脂にコイルの接合部を浸漬させる技術の一例が開示されている(例えば特許文献1を参照)。特許文献1の技術では、コイルの接合部が回転電機の一端側の全周に亘って軸方向に突出して配置されているため、回転電機の一端面を粉体樹脂の表面に対して平行にして粉体樹脂に向けて降下させることで、接合部を粉体樹脂に浸漬させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−290691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、粉体樹脂は接合部に付着するため、大量生産する場合に対象物(ワーク)を入れ替える毎に粉体槽内の粉体樹脂が減ってしまう。このため、従来では粉体樹脂の表面をレベルセンサにより感知し、常に表面高さが一定になるように粉体樹脂を補充する必要がある。粉体樹脂の表面高さを一定にする制御は、精度を出すのが非常に難しく、粉体樹脂の付着位置を厳しく管理する必要がある製品に対しては不向きである。また、レベルセンサや制御部などが必要となり、コストが嵩んでいた。
【0005】
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、粉体樹脂の表面高さを高精度で管理でき、かつ、レベルセンサなどを用いた複雑な制御が不要で低コストな粉体樹脂浸漬処理方法および粉体樹脂浸漬処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、対象物(ワーク)を粉体槽に保持される粉体樹脂に浸漬させる粉体樹脂浸漬処理方法において、前記粉体槽は、第1粉体槽とその内部に収容可能な第2粉体槽とを有し、前記第2粉体槽の上端面すり切り位置まで粉体樹脂を充填する充填工程と、前記対象物を前記第2粉体槽に充填された粉体樹脂に浸漬させる浸漬工程と、を有することを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、第2粉体槽の粉体樹脂表面位置は、充填工程後には上端面すり切り位置になるため、各浸漬工程において粉体樹脂の付着位置を高精度で管理できる。これによって、レベルセンサ等による複雑な位置制御が不要なため、低コストな処理が実現できる。また、第1粉体槽に行う粉体樹脂の充填は対象物への粉体付着位置に影響しないので、管理をラフにできる。なお、「対象物」は粉体樹脂を付着させる必要がある物あれば任意であり、例えば固定子用コイル等が該当する。粉体樹脂に浸漬させるのは、対象物の全体であってもよく、対象物の一部であってもよい。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記充填工程は、前記第2粉体槽の上端面を第1粉体槽の粉体樹脂表面位置よりも下方に沈めることにより、前記第2粉体槽の上端面すり切り位置まで粉体樹脂を充填することを特徴とする。この構成によれば、第2粉体槽を第1粉体槽に沈めるだけで、簡単に第2粉体槽の粉体樹脂表面位置を高精度に維持できる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記充填工程と前記浸漬工程は連続的に繰り返されることを特徴とする。この構成によれば、毎回充填工程により第2粉体槽は上端面すり切り位置まで粉体樹脂が充填されるので、粉体樹脂の付着位置について個体差を抑制できる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記浸漬工程において、前記対象物が前記第2粉体槽へ沈められることにより溢れ出た粉体樹脂は、前記第1粉体槽にて回収されることを特徴とする。この構成によれば、溢れ出た粉体樹脂を次回以降に再使用するため、溢れ出た分の粉体樹脂を新たに補充する必要がなく、ランニングコストを抑えることができる。
【0011】
請求項5に記載の発明は、前記第2粉体槽内の粉体樹脂は、流動手段の作用により流動していることを特徴とする。この構成によれば、第2粉体槽内の粉体樹脂が固化することがないので、対象物をスムーズに粉体樹脂内に沈めることができる。
【0012】
請求項6に記載の発明は、前記第1粉体槽内の粉体樹脂は、流動手段の作用により流動していることを特徴とする。この構成によれば、第1粉体槽内の粉体樹脂が固化することがないので、第2粉体槽をスムーズに粉体樹脂内に沈めることができる。
【0013】
請求項7に記載の発明は、前記流動手段は、圧縮空気が多孔板を介して前記粉体樹脂内へ噴出することを特徴とする。この構成によれば、エアバブリングが行われるので、粉体樹脂の固化を効果的に防止できる。
【0014】
請求項8に記載の発明は、前記流動手段の作用によって生じる粉体樹脂の粉面変動を消失するために、前記第1粉体槽および前記第2粉体槽のうち一方または双方を振動させることを特徴とする。この構成によれば、流動手段によって粉体樹脂の粉面変動が生じても、粉体槽(特に第2粉体槽)を振動させることで当該粉面変動を消失させることができる。よって粉体槽内の粉体樹脂の表面位置が一定(すなわち粉面が平坦)になるので、対象物に対する粉体樹脂の付着位置を高精度に維持できる。
【0015】
請求項9に記載の発明は、粉体樹脂に浸漬させる対象物を把持する把持部と、粉体樹脂を保持する第1粉体槽と、前記第1粉体槽の内部に収容可能であって粉体樹脂を保持する第2粉体槽と、前記第2粉体槽の上端面すり切り位置まで粉体樹脂の充填を行う充填手段と、前記把持部に把持された対象物を前記第2粉体槽に充填された粉体樹脂に浸漬させる浸漬手段と、を有することを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、第2粉体槽は粉体樹脂充填位置において上端面すり切り位置まで粉体樹脂が充填されるので、粉体樹脂の対象物への付着位置が常に一定になり、高精度で位置管理ができる。これによって、レベルセンサ等による複雑な位置制御が不要なため、部品点数が少なく低コストな処理装置が実現できる。また、第1粉体槽への粉体樹脂充填は対象物への粉体樹脂付着位置に影響しないので、管理をラフにできる。
【0017】
請求項10に記載の発明は、前記充填手段および前記浸漬手段は、前記第1粉体槽内の粉体樹脂を前記第2粉体槽に充填する粉体樹脂充填位置と、前記対象物を粉体樹脂に浸漬させる粉体樹脂浸漬位置との間で、前記第2粉体槽を往復運動させる駆動装置によって構成することを特徴とする。この構成によれば、駆動装置によって第2粉体槽を粉体樹脂充填位置と粉体樹脂浸漬位置との間で往復運動させるという簡単な構成で実現できる。したがって、製造コストを低く抑えることができる。
【0018】
請求項11に記載の発明は、前記粉体樹脂充填位置は、前記第2粉体槽の上端面が前記第1粉体槽の粉体樹脂表面位置よりも下方である位置であることを特徴とする。この構成によれば、第2粉体槽の上端面が第1粉体槽の粉体樹脂内に沈みこむため、確実にすり切り位置まで粉体樹脂を充填できる。
【0019】
請求項12に記載の発明は、前記粉体樹脂浸漬位置は、前記第2粉体槽の上端面が前記対象物の浸漬を施す規定の部位よりも下方となる位置であることを特徴とする。この構成によれば、対象物の粉体樹脂が付着すべきでない部分に粉体樹脂が付着することを防止できる。
【0020】
請求項13に記載の発明は、前記対象物が前記第2粉体槽へ沈められることにより溢れ出た粉体樹脂は、前記第1粉体槽にて回収されることを特徴とする。この構成によれば、溢れ出た粉体樹脂を次回以降に再使用するため、溢れ出た分の粉体樹脂を新たに補充する必要がなく、ランニングコストを抑えることができる。
【0021】
請求項14に記載の発明は、前記第2粉体槽内の粉体樹脂は、流動手段の作用により流動していることを特徴とする。この構成によれば、第2粉体槽内の粉体樹脂が固化することがないので、対象物をスムーズに粉体樹脂内に沈めることができる。
【0022】
請求項15に記載の発明は、前記第1粉体槽内の粉体樹脂は、流動手段の作用により流動していることを特徴とする。この構成によれば、第1粉体槽内の粉体樹脂が固化することがないので、第2粉体槽をスムーズに粉体樹脂内に沈めることができる。
【0023】
請求項16に記載の発明は、前記流動手段は、前記第1粉体槽および前記第2粉体槽のうち一方または双方における底部にエアチャンバを設け、前記エアチャンバにより生成される圧縮空気を多孔板を介して粉体槽内に噴出させる構成とすることを特徴とする。この構成によれば、エアバブリングが行われるので、粉体樹脂の固化を効果的に防止できる。
【0024】
請求項17に記載の発明は、前記流動手段の作用によって生じる粉体樹脂の粉面変動を消失するために、前記第1粉体槽および前記第2粉体槽のうち一方または双方を振動させる振動装置を有することを特徴とする。この構成によれば、流動手段によって粉体樹脂の粉面変動が生じても、粉体槽(特に第2粉体槽)を振動させることで当該粉面変動を消失させることができる。よって粉体槽内の粉体樹脂の表面位置が一定(すなわち粉面が平坦)になるので、対象物に対する粉体樹脂の付着位置を高精度に維持できる。
【0025】
請求項18に記載の発明は、前記把持部と前記粉体槽とは相対的に回転可能に支持されることを特徴とする。この構成によれば、対象物(具体的には対象部の範囲内における多数の接合部)を連続的に浸漬処理できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】充填工程における粉体樹脂浸漬処理装置の構成例を示す側面図である。
【図2】対象物の構成例を示す図である。
【図3】第2粉体槽の構成例を模式的に示す縦断面図である。
【図4】第1粉体槽の構成例を模式的に示す縦断面図である。
【図5】アームの構成例を示す平面図である。
【図6】浸漬工程における粉体樹脂浸漬処理装置の構成例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
【0028】
まず、粉体樹脂浸漬処理装置の構成例について、図1を参照しながら説明する。図1には、粉体樹脂浸漬処理装置の構成例を側面図で示す。この図1には、後述する図6との対比において、第1粉体槽内の粉体樹脂を第2粉体槽に充填する充填工程を実現する姿勢状態を表す。なお特に明示しない限り、「充填」には「補填」を含むものとする。
【0029】
粉体樹脂浸漬処理装置10は、第2粉体槽に粉体樹脂を充填する充填工程と、対象物を第2粉体槽に充填された粉体樹脂に浸漬させる浸漬工程とを繰り返すことにより、対象物を粉体樹脂に浸漬させる機能を実現する。図1に示す粉体樹脂浸漬処理装置10は、駆動装置11、振動装置(すなわち第1振動装置50および第2振動装置20)、粉体槽(すなわち第1粉体槽40および第2粉体槽30)、把持部60などを有する。各要素の内容(構成、機能、作用等)については後述する。
【0030】
ここで、対象物W(ワーク)として用いる固定子用コイルについて、図2を参照しながら説明する。図2(A)には平面図を示し、図2(B)には側面図を示し、図2(C)には斜視図を示す。これらの図2(A)、図2(B)および図2(C)に示す対象物Wの固定子用コイルは、例えば導電性を有する長板状の線材でドーナツ状に形成され、回転電機の固定子を構成する固定子コア(固定子鉄心)に収容する。
【0031】
対象物Wは、複数相(例えばU相、V相、W相の三相等)の各相について、複数本の線材どうしを接続する接合部Waを多数有する。また対象物Wは、外部装置(例えばECU等)との接続を行う接続部Wbを複数有する。図示するように、多数の接合部Waは径方向X(中心Cから放射状の方向)に突出させるように形成し、複数の接続部Wbは軸方向Yに突出させるように形成する。接合部Waは溶接等により既に接続しているので粉体樹脂に浸漬して絶縁処理を行う必要がある反面、接続部Wbは外部装置との接続を行う必要があるので粉体樹脂が付着するのは好ましくない。こうしたことから、径方向Xに突出する多数の接合部Waは絶縁処理を行う対象部Tとなり、軸方向Yに突出する複数の接続部Wbは絶縁処理を行う必要がない非対象部nTとなる。
【0032】
図1に戻り、粉体樹脂浸漬処理装置10の各要素について説明する。駆動装置11は充填手段および浸漬手段に相当し、ロッド11aや取付部材11bなどを有する。ロッド11aは所定方向(図1の上下方向)に往復運動が可能に構成されている。取付部材11bはロッド11aの先端部に固定されており、アーム12,13を取り付けるための部材である。アーム12,13はロッド11aの運動に伴って移動しても対象物Wとの干渉を回避する形状、すなわち側面から見て「ヘ」字状に形成されている。
【0033】
アーム13の先端には、図5に示す取付部材13aを通じて第2粉体槽30が取り付けられている。この構成によれば、駆動装置11のロッド11aを運動させることにより、第2粉体槽30の位置を変化させることができる。なお、駆動装置11にはロッド11aの運動量を制御する制御部(図示せず)を備えている。この制御部が行う制御によって、図1に示す充填工程(粉体樹脂充填位置)と、後述する図6に示す浸漬工程(粉体樹脂浸漬位置)との切り換えを繰り返し行うことができる。
【0034】
アーム12,13(図1の例ではアーム12)には、第2振動装置20を備える。第2振動装置20は例えばバイブレータ等が該当し、アーム12,13を通じて第2粉体槽30を振動させる機能を有する。第2粉体槽30の振動は、後述する第2流動手段33によって第2粉体槽30内に発生する気泡B(エアバブル)が上端面すり切り位置Sp(図3を参照)で破裂する際に発生する粉面変動を消失させるために行う。第2振動装置20の振動量(周期,方向,変位等)は、第2粉体槽30内で発生させた気泡Bの大きさや数量等に応じて、粉面変動が消失するように適切に設定する。
【0035】
第2粉体槽30は、後述する第1粉体槽40とともに「粉体槽」を構成する。図示するように、第2粉体槽30は第1粉体槽40の内部に収容可能な大きさで形成する。この第2粉体槽30は、上方が開口する箱状に形成され、開口部から槽内に粉体樹脂Rを充填(または補填)する。また第2粉体槽30には、槽内に充填された粉体樹脂Rを流動させるための第2流動手段33を備える。図1及び図3に示す第2流動手段33は、第2多孔板31と第2エアチャンバ32とで構成される。すなわち、第2エアチャンバ32で圧縮空気を生成し、直上に位置する第2多孔板31を介して槽内に気泡Bを噴出させてエアバブリングを行い、粉体樹脂Rを流動させる。図3に示す例では、第2多孔板31全体から満遍なく気泡Bを噴出させている。
【0036】
第1粉体槽40は、第2粉体槽30と同様に、上方が開口する箱状に形成され、開口部から槽内に粉体樹脂Rを充填する。また第1粉体槽40には、槽内に充填された粉体樹脂Rを流動させるための第1流動手段43を備える。図1及び図4に示す第1流動手段43は、第1多孔板41と第1エアチャンバ42とで構成される。すなわち、第1エアチャンバ42で圧縮空気を生成し、直上に位置する第1多孔板41を介して槽内に気泡Bを噴出させてエアバブリングを行い、粉体樹脂Rを流動させる。図4に示す例では、第1多孔板41全体から満遍なく気泡Bを噴出させている。
【0037】
第1粉体槽40の下方には、当該第1粉体槽40の全体を振動させる第1振動装置50を備える。この第1振動装置50は、第2振動装置20と同様に、例えばバイブレータ等が該当する。第1粉体槽40の振動は、後述する第1流動手段43によって第1粉体槽40内に発生する気泡Bが粉体樹脂表面位置Rs(図4を参照)で破裂する際に発生する粉面変動を消失させるために行う。第1振動装置50の振動量(周期,方向,変位等)は、第1粉体槽40内で発生させた気泡Bの大きさや数量等に応じて、粉面変動が消失するように適切に設定する。
【0038】
把持部60は、対象物Wを交換して把持する把持機能と、把持中の対象物Wを回転させる回転機能とを併せ持つ。把持機能は、未処理置き場にある対象物Wを把持して浸漬処理を行う位置(すなわち図1および図6に示す位置であり、以下「処理位置」とも呼ぶ。)に移動させる機能と、全ての接合部Waについて浸漬処理を終えた対象物Wを既処理置き場に移動して開放する機能である。回転機能は、1回の浸漬工程で処理できる接合部Waの数(例えば2)が限られているため、未処理の接合部Waが処理位置に到達するまで対象物Wを回転させる機能である。なお、把持部60の具体的な構成については周知の機構を用いて実現できるので、各機能についての図示と説明を省略する。
【0039】
次に、図1に示す充填工程と、図6に示す浸漬工程とについて説明する。充填工程では、第2粉体槽30の上端面(すなわち図3に示す上端面すり切り位置Sp)まで粉体樹脂Rを充填する。浸漬工程では、対象物Wを第2粉体槽30に充填された粉体樹脂Rに浸漬させる。充填工程と浸漬工程とは、対象物Wを構成する全ての接合部Waを浸漬処理するまで連続的に繰り返す。充填工程および浸漬工程のうち一方または双方において、第1流動手段43および第2流動手段33の作用による粉体樹脂Rの流動と、第1振動装置50および第2振動装置20の作用による粉面変動の消失とを併せて行う。以下では、各工程の具体的な作動や作用等について説明する。
【0040】
(充填工程)
まず、駆動装置11を駆動してロッド11aを下方向(図1の矢印D1とは逆方向)に伸縮する。この伸縮は、第2粉体槽30の上端面を第1粉体槽40の粉体樹脂表面位置Rsよりも下方に沈め、図1に示す状態(粉体樹脂充填位置)に達するまで行う。粉体樹脂充填位置は、第2粉体槽30の上端面が第1粉体槽40の粉体樹脂表面位置Rsよりも下方となる位置である。
【0041】
図1の粉体樹脂充填位置では、第2粉体槽30が空の場合は上端面すり切り位置Spまで粉体樹脂Rを充填し、第2粉体槽30が上端面すり切り位置Spに達しない程度まで粉体樹脂Rが入っている場合は不足分を補填する。
【0042】
上述した第2粉体槽30への粉体樹脂Rの充填と並行して(あるいは充填後に)、把持部60の駆動により対象物Wを回転させる。対象物Wの回転は、これから浸漬処理を行おうとする未処理の接合部Waが処理位置(すなわち第2粉体槽30の直上となる位置)に達するまで行う。回転方向は任意に設定することができ、図1に示す矢印D2方向や、図6に示す矢印D6方向のいずれでもよい。さらには、対象部T(図2を参照)の接合部Waについて往復方向(すなわち矢印D2,D6の両方向)で浸漬処理を行ってもよい。
【0043】
対象物Wの全部またはその一部(具体的には接合部Waの全部)は、図示しない加熱装置(例えばヒーター等)を用いて、浸漬処理中または浸漬処理前に所定温度以上となるように加熱する。所定温度は粉体樹脂Rが固化し易い温度であって、一例として粉体樹脂Rにビスフェノール型エポキシを適用する場合は170〜180度である。
【0044】
(浸漬工程)
第2粉体槽30の上端面すり切り位置Spまで粉体樹脂Rを満たし、かつ、未処理の接合部Waが第2粉体槽30の直上に位置させた後、駆動装置11を駆動してロッド11aを上方向(図1の矢印D1)に伸縮する。この伸縮は、第2粉体槽30の上端面が図6に示す状態(粉体樹脂浸漬位置)に達するまで行う。粉体樹脂浸漬位置は、第2粉体槽30の上端面が対象物Wの浸漬を施す規定の部位よりも下方となる位置である。
【0045】
図6の粉体樹脂浸漬位置では、加熱された接合部Waが第2粉体槽30内の粉体樹脂Rに浸漬し、当該粉体樹脂Rが固化することにより絶縁処理が施される。対象物Wが沈められることに伴って第2粉体槽30から溢れ出た粉体樹脂Rは、下方に位置する第1粉体槽40にて回収される。なお、1回の浸漬で接合部Waに被覆される粉体樹脂Rの厚み(言い換えれば粉体樹脂Rによる絶縁抵抗値)が不足する場合は、駆動装置11を駆動してロッド11aを上下方向に伸縮させて2回以上の浸漬を繰り返し行えばよい。今回対象となる接合部Waの浸漬処理を完了すると、駆動装置11を駆動してロッド11aを上方向(図6の矢印D5)に伸縮させて図1の状態に戻す。
【0046】
上述した実施の形態によれば、以下に示す各効果を得ることができる。まず請求項1および請求項9に対応し、粉体樹脂Rに浸漬させる対象物Wを把持する把持部60と、粉体樹脂Rを保持する第1粉体槽40と、第1粉体槽40の内部に収容可能であって粉体樹脂Rを保持する第2粉体槽30と、第2粉体槽30の上端面すり切り位置Spまで粉体樹脂Rの充填を行う充填手段と、把持部60に把持された対象物Wを第2粉体槽30に充填された粉体樹脂Rに浸漬させる浸漬手段とを備える構成とした(図1および図6を参照)。また、駆動装置11の駆動によって、第2粉体槽30の上端面すり切り位置Spまで粉体樹脂Rを充填する充填工程と(図1を参照)、対象物Wを第2粉体槽30に充填された粉体樹脂Rに浸漬させる浸漬工程とを繰り返し行う(図6を参照)。この構成によれば、第2粉体槽30の粉体樹脂表面位置は、充填工程後には上端面すり切り位置Spになるため、各浸漬工程において粉体樹脂Rの付着位置(すなわち粉体樹脂Rの表面高さ)を高精度で管理できる。よってレベルセンサ等による複雑な位置制御が不要なため、低コストな処理が実現できる。また、第1粉体槽40に行う粉体樹脂Rの充填は対象物Wへの粉体付着位置に影響しないので、管理をラフにできる。また、粉体樹脂Rの対象物Wへの付着位置が常に一定になり、高精度で位置管理ができる。さらに、レベルセンサ等による複雑な位置制御が不要なため、部品点数が少なく低コストな処理装置が実現できる。
【0047】
請求項2、請求項11および請求項12に対応し、充填工程では、第2粉体槽30の上端面を第1粉体槽40の粉体樹脂表面位置Rsよりも下方に沈めることにより、第2粉体槽30の上端面すり切り位置Spまで粉体樹脂Rを充填する構成とした(図1を参照)。この構成によれば、第2粉体槽30を第1粉体槽40に沈めるだけで、簡単に第2粉体槽30の粉体樹脂表面位置を高精度に維持できる。粉体樹脂充填位置は、第2粉体槽30の上端面が第1粉体槽40の粉体樹脂表面位置Rsよりも下方としたので(図1を参照)、第2粉体槽30の上端面が第1粉体槽40の粉体樹脂R内に沈みこむため、確実にすり切り位置まで粉体樹脂Rを充填できる。粉体樹脂浸漬位置は、第2粉体槽30の上端面が対象物Wの浸漬を施す規定の部位よりも下方としたので(図6を参照)、対象物Wの粉体樹脂Rが付着すべきでない部分に粉体樹脂Rが付着することを防止できる。
【0048】
請求項3に対応し、駆動装置11の駆動によって第2粉体槽30を往復運動させて、充填工程と浸漬工程とを連続的に繰り返すように構成した(図1および図6を参照)。この構成によれば、毎回充填工程により第2粉体槽30は上端面すり切り位置Spまで粉体樹脂Rが充填されるので、粉体樹脂Rの付着位置について個体差を抑制できる。
【0049】
請求項4および請求項13に対応し、浸漬工程において、対象物Wが第2粉体槽30へ沈められることにより溢れ出た粉体樹脂Rは、第1粉体槽40にて回収する構成とした(図6を参照)。この構成によれば、溢れ出た粉体樹脂Rを次回以降に再使用するため、溢れ出た分の粉体樹脂Rを新たに補充する必要がなく、ランニングコストを抑えることができる。
【0050】
請求項5および請求項14に対応し、第2粉体槽30内の粉体樹脂Rは、第2流動手段33(すなわち第2多孔板31および第2エアチャンバ32)の作用により流動するように構成した(図3を参照)。この構成によれば、第2粉体槽30内の粉体樹脂Rが固化することがないので、対象物Wをスムーズに粉体樹脂R内に沈めることができる。
【0051】
請求項6および請求項15に対応し、第1粉体槽40内の粉体樹脂Rは、第1流動手段43(すなわち第1多孔板41および第1エアチャンバ42)の作用により流動するように構成した(図4を参照)。この構成によれば、第1粉体槽40内の粉体樹脂Rが固化することがないので、第2粉体槽30をスムーズに粉体樹脂R内に沈めることができ、当該第2粉体槽30を粉体樹脂Rで充填することができる。
【0052】
請求項7および請求項16に対応し、流動手段は圧縮空気が多孔板を介して粉体樹脂R内へ噴出する構成とした。すなわち、第2多孔板31は第2エアチャンバ32により生成される圧縮空気を第2多孔板31を介して第2粉体槽30内に噴出させる構成とした(図3を参照)。同様に、第1多孔板41は第1エアチャンバ42により生成される圧縮空気を第1多孔板41を介して第1粉体槽40内に噴出させる構成とした(図4を参照)。これらの構成によれば、第1粉体槽40および第2粉体槽30のそれぞれでエアバブリングが行われるので、各槽における粉体樹脂Rの固化を効果的に防止できる。
【0053】
請求項8および請求項17に対応し、第1粉体槽40を振動させる第1振動装置50と、第2粉体槽30を振動させる第2振動装置20とを備える構成とした(図1,図6を参照)。この構成によれば、流動手段の作用によって粉体樹脂Rの粉面変動が生じても、粉体槽を振動させることで当該粉面変動を消失させることができる。よって粉体槽内の粉体樹脂Rの表面位置が一定(すなわち粉面が平坦)になる。特に第2粉体槽30では、対象物Wに対する粉体樹脂Rの付着位置を高精度に維持できる。
【0054】
請求項10に対応し、充填手段および浸漬手段は、第1粉体槽40内の粉体樹脂Rを第2粉体槽30に充填する粉体樹脂充填位置(図1に示す位置)と、対象物Wを粉体樹脂Rに浸漬させる粉体樹脂浸漬位置(図6に示す位置)との間で、第2粉体槽30を往復移動させる駆動装置11を備える構成とした。この構成によれば、駆動装置11によって第2粉体槽30を粉体樹脂充填位置と粉体樹脂浸漬位置との間で往復運動させるという簡単な構成で実現できる。したがって、製造コストを低く抑えることができる。
【0055】
請求項18に対応し、把持部60を第2粉体槽30に対して相対的に回転可能に支持される構成とした。この構成によれば、対象物W(具体的には対象部Tの範囲内における多数の接合部Wa)を連続的に浸漬処理できる。
【0056】
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
【0057】
上述した実施の形態では、対象物W(ワーク)として、接合部Waと接続部Wbとの突出方向が異なる固定子用コイルを適用した(図1,図2,図6を参照)。この形態に代えて、固定子用コイル以外のコイルや、対象物Wの一部(対象部Tの範囲内の接合部Waに相当する特定部位)に対してのみ浸漬処理を行い、他部(非対象部nTの範囲内の接続部Wbに相当する非特定部位)を浸漬処理しない対象物Wを適用することも可能である。これらの対象物Wについても上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0058】
上述した実施の形態では、対象物W(特に接合部Wa)に対して粉体樹脂Rを用いて浸漬処理を行う構成とした(図1および図6を参照)。この形態に代えて、粉体樹脂R以外の樹脂を用いて浸漬処理や、他の付着物を用いて表面処理を行う構成としてもよい。この場合でも、第2粉体槽30の表面位置(粉体樹脂表面位置Rsに相当)は、充填工程後には上端面すり切り位置Spになるため、各浸漬工程において粉体樹脂Rの付着位置を高精度で管理できる。
【0059】
上述した実施の形態では、粉体樹脂Rの流動を流動手段(第2流動手段33,第1流動手段43)によって行う構成とした(図3および図4を参照)。この形態に代えて、撹拌手段によって行う構成としてもよい。撹拌手段は、例えば各粉体槽内に備えて回転可能なスクリューや、粉体槽内に備える攪拌子(例えば磁性撹拌子)と当該攪拌子を回転させる回転装置(例えば磁力発生器)などが該当する。これらの構成であっても、粉体樹脂Rを流動させて固化を防止することができる。
【0060】
上述した実施の形態では、把持部60を第2粉体槽30に対して相対的に回転可能に支持する構成とした。この形態に代えて、第2粉体槽30を把持部60に対して相対的に回転可能に支持する構成としてもよい。また、把持部60と第1粉体槽40(第2粉体槽30を含む)とが相対的に回転可能に支持する構成としてもよい。いずれの形態にせよ、把持部60と粉体槽とが相対的に回転するので、対象部Tの範囲内における多数の接合部Waを連続的に浸漬処理することができる。
【0061】
上述した実施の形態では、アーム12,13は側面から見て「ヘ」字状に形成した(図1および図6を参照)。この形態に代えて、ロッド11aの運動に伴って移動しても対象物Wとの干渉を回避する形状であれは、他の形状(例えばクランク状やS字状等)に形成してもよい。また、アーム12,13を一本で構成してもよい。これらの場合であっても、充填工程と浸漬工程とを連続的に繰り返し行っても、対象物Wとの干渉を回避することができる。
【0062】
上述した実施の形態では、充填手段と浸漬手段とを一の駆動装置11で構成した(図1および図6を参照)。この形態に代えて、第2粉体槽30の上端面すり切り位置Spまで粉体樹脂Rの充填を行う充填装置で充填手段を実現し、把持部60に把持された対象物Wを第2粉体槽30に充填された粉体樹脂Rに浸漬させる浸漬装置で浸漬手段を実現する構成としてもよい。この場合でも充填工程と浸漬工程とを連続的に繰り返し行えるので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0063】
10 粉体樹脂浸漬処理装置
11 駆動装置(充填手段,浸漬手段)
12,13 アーム
20 第2振動装置(振動装置)
30 第2粉体槽(粉体槽)
31 第2多孔板
32 第2エアチャンバ
33 第2流動手段(流動手段)
40 第1粉体槽(粉体槽)
41 第1多孔板
42 第1エアチャンバ
43 第1流動手段(流動手段)
50 第1振動装置(振動装置)
60 把持部
R 粉体樹脂
Rs 粉体樹脂表面位置
Sp 上端面すり切り位置
W 対象物
Wa 接合部
Wb 接続部
T 対象部
nT 非対象部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を粉体槽に保持される粉体樹脂に浸漬させる粉体樹脂浸漬処理方法において、
前記粉体槽は、第1粉体槽とその内部に収容可能な第2粉体槽とを有し、
前記第2粉体槽の上端面すり切り位置まで粉体樹脂を充填する充填工程と、
前記対象物を前記第2粉体槽に充填された粉体樹脂に浸漬させる浸漬工程と、
を有することを特徴とする粉体樹脂浸漬処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の粉体樹脂浸漬処理方法において、
前記充填工程は、前記第2粉体槽の上端面を第1粉体槽の粉体樹脂表面位置よりも下方に沈めることにより、前記第2粉体槽の上端面すり切り位置まで粉体樹脂を充填することを特徴とする粉体樹脂浸漬処理方法。
【請求項3】
請求項2に記載の粉体樹脂浸漬処理方法において、
前記充填工程と前記浸漬工程は連続的に繰り返されることを特徴とする粉体樹脂浸漬処理方法。
【請求項4】
請求項3に記載の粉体樹脂浸漬処理方法において、
前記浸漬工程において、前記対象物が前記第2粉体槽へ沈められることにより溢れ出た粉体樹脂は、前記第1粉体槽にて回収されることを特徴とする粉体樹脂浸漬処理方法。
【請求項5】
請求項2〜4の何れか一項に記載の粉体樹脂浸漬処理方法において、
前記第2粉体槽内の粉体樹脂は、流動手段の作用により流動していることを特徴とする粉体樹脂浸漬処理方法。
【請求項6】
請求項2〜5の何れか一項に記載の粉体樹脂浸漬処理方法において、
前記第1粉体槽内の粉体樹脂は、流動手段の作用により流動していることを特徴とする粉体樹脂浸漬処理方法。
【請求項7】
請求項5または6に記載の粉体樹脂浸漬処理方法において、
前記流動手段は、圧縮空気が多孔板を介して前記粉体樹脂内へ噴出することを特徴とする粉体樹脂浸漬処理方法。
【請求項8】
請求項5〜7の何れか一項に記載の粉体樹脂浸漬処理方法において、
前記流動手段の作用によって生じる粉体樹脂の粉面変動を消失するために、前記第1粉体槽および前記第2粉体槽のうち一方または双方を振動させることを特徴とする粉体樹脂浸漬処理方法。
【請求項9】
粉体樹脂に浸漬させる対象物を把持する把持部と、
粉体樹脂を保持する第1粉体槽と、
前記第1粉体槽の内部に収容可能であって粉体樹脂を保持する第2粉体槽と、
前記第2粉体槽の上端面すり切り位置まで粉体樹脂の充填を行う充填手段と、
前記把持部に把持された対象物を前記第2粉体槽に充填された粉体樹脂に浸漬させる浸漬手段と、
を有することを特徴とする粉体樹脂浸漬処理装置。
【請求項10】
請求項9に記載の粉体樹脂浸漬処理装置において、
前記充填手段および前記浸漬手段は、前記第1粉体槽内の粉体樹脂を前記第2粉体槽に充填する粉体樹脂充填位置と、前記対象物を粉体樹脂に浸漬させる粉体浸漬位置との間で、前記第2粉体槽を往復運動させる駆動装置によって構成することを特徴とする粉体樹脂浸漬処理装置。
【請求項11】
請求項9に記載の粉体樹脂浸漬処理装置において、
前記粉体樹脂充填位置は、前記第2粉体槽の上端面が前記第1粉体槽の粉体樹脂表面位置よりも下方となる位置であることを特徴とする粉体樹脂浸漬処理装置。
【請求項12】
請求項10または11に記載の粉体樹脂浸漬処理装置において、
前記粉体浸漬位置は、前記第2粉体槽の上端面が前記対象物の浸漬を施す規定の部位よりも下方となる位置であることを特徴とする粉体樹脂浸漬処理装置。
【請求項13】
請求項9〜12の何れか一項に記載の粉体樹脂浸漬処理装置において、
前記対象物が前記第2粉体槽へ沈められることにより溢れ出た粉体樹脂は、前記第1粉体槽にて回収されることを特徴とする粉体樹脂浸漬処理装置。
【請求項14】
請求項9〜13の何れか一項に記載の粉体樹脂浸漬処理装置において、
前記第2粉体槽内の粉体樹脂は、流動手段の作用により流動していることを特徴とする粉体樹脂浸漬処理装置。
【請求項15】
請求項9〜14の何れか一項に記載の粉体樹脂浸漬処理装置において、
前記第1粉体槽内の粉体樹脂は、流動手段の作用により流動していることを特徴とする粉体樹脂浸漬処理装置。
【請求項16】
請求項14または15に記載の粉体樹脂浸漬処理装置において、
前記流動手段は、前記第1粉体槽および前記第2粉体槽のうち一方または双方における底部にエアチャンバを設け、前記エアチャンバにより生成される圧縮空気を多孔板を介して粉体槽内に噴出させる構成とすることを特徴とする粉体樹脂浸漬処理装置。
【請求項17】
請求項14〜16の何れか一項に記載の粉体樹脂浸漬処理装置において、
前記流動手段の作用によって生じる粉体樹脂の粉面変動を消失するために、前記第1粉体槽および前記第2粉体槽のうち一方または双方を振動させる振動装置を有することを特徴とする粉体樹脂浸漬処理装置。
【請求項18】
請求項9〜17のいずれかに記載の粉体樹脂浸漬処理装置において、
前記把持部と前記粉体槽とは相対的に回転可能に支持されることを特徴とする粉体樹脂浸漬処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−139992(P2011−139992A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2170(P2010−2170)
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】