説明

粉末調味料

【課題】 本発明は、本来の風味の変化、溶解性を低下させることなく粉末調味料の吸湿性を改善する方法が未だ知られていない現状から、これらの問題点を解決した粉末調味料を提供することを目的とする。
【解決手段】 水不溶性成分を除去した水溶性画分をα−アミラーゼ処理、さらにアミログルコシダーゼ処理した後、処理物にエタノールを加え80%エタノール濃度としたときに沈殿する80%エタノール不溶性画分に含まれる糖質を0.1%以上含有することにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水不溶性成分を除去した水溶性画分をα−アミラーゼ処理、さらにアミログルコシダーゼ処理した後、処理物にエタノールを加え80%エタノール濃度としたときに沈殿する80%エタノール不溶性画分に含まれる糖質を0.1%以上含有することを特徴とする保存安定性かつ溶解分散性に優れた粉末調味料に関する。
【背景技術】
【0002】
粉末調味料は、通常、動物性または植物性のエキス類、醤油、アミノ酸、核酸、味噌などを混合した後、噴霧乾燥したものであり、インスタントラーメン、カップラーメン、味噌汁などに用いられている。これらの粉末は、吸湿性が高く、長時間放置すると固結する傾向がある。また、お湯に溶かして使用する際にママコとなり、均一に溶解分散することが難しいといった問題もある。このような微粉末の保存安定性と溶解分散性を改良する方法としてはいくつか報告されている。例えば、澱粉または澱粉誘導体を含有する方法(例えば、特許文献1参照。)や環状デキストリンを含有する方法(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、これらの方法では保存安定性は若干改良されるが、溶解性の低下、保存中に澱粉臭などが発生するなど調味料独自の風味が損なわれてしまうなどの問題があり必ずしも満足いくものでなかった。
【0003】
【特許文献1】特願2002−16910号(第1頁−4頁)
【特許文献2】特開昭55−21725号(第1頁−4頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、本来の風味の変化、溶解性を低下させることなく粉末調味料の吸湿性を改善する方法が未だ知られていない現状から、これらの問題点を解決した粉末調味料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、前項記載の目的を達成すべく鋭意検討を重ねる中で、水不溶性成分を除去した水溶性画分をα−アミラーゼ処理、さらにアミログルコシダーゼ処理した後、処理物にエタノールを加え80%エタノール濃度としたときに沈殿する80%エタノール不溶性画分に含まれる糖質を0.1%以上含有させることにより意外なことに問題点が解決し保存安定性と溶解分散性の面で優れた粉末調味料を提供できることを見い出した。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、保存安定性かつ溶解分散性の優れた粉末調味料を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の粉末調味料とは、動物性あるいは植物性の粉末エキス類、粉末ソース、醤油粉末、アミノ酸、核酸、粉末味噌、タンパク分解物粉末より選ばれる1種または2種以上を含有する吸湿性の高い粉末調味料のことである。好ましくは動物性あるいは植物性の粉末エキス類、粉末ソース、粉末醤油、粉末味噌であり、さらに好ましくは、動物性あるいは植物性の粉末エキス類、粉末ソース、粉末醤油である。また、前記粉末調味料を含有する粉末製品、例えば、即席麺用粉末スープ、パスタ用粉末スープ、うどん用粉末スープ、吸い物用粉末スープ、粉末ホワイトソース、粉末すし飯の素、粉末炒飯の素も本発明の粉末調味料に含まれる。
【0008】
また、粉末調味料には、砂糖、乳糖、デキストリンなどの原料を賦形剤として使うことも可能である。
【0009】
本発明における水溶性画分とは、水に分散させたときに完全溶解する画分であり、水不溶性成分の除去とは、遠心分離やろ過により水に不溶な部分を除去することである。
【0010】
本発明のα−アミラーゼ処理とは、粉末調味料10gを水50gに均一に溶解した際に発生する粉末調味料の水不溶性成分をろ過することにより除去して得られた水溶性画分をpH7.5±0.1、60%±2℃でα−アミラーゼ0.1ml(10,000−11,000単位/ml)30分間処理することをいう。ここでいう単位とは、1%デンプン糊液10ml(100mgデンプン)のBlue Valueを40℃、1分間に1%低下させる酵素量を1単位と定義する。
【0011】
本発明のアミログルコシダーゼ処理とは、前記α−アミラーゼ処理後の溶液を引き続きpH4.3±0.3、60±2℃でアミログルコシダーゼ0.3ml(140単位/ml)30分間処理することをいう。ここでいう単位とは、30分間に10mgのブドウ糖に相当する還元力の増加をもたらす酵素量を1単位と定義する。
【0012】
本発明の80%エタノール不溶性画分に含まれる糖質は、前記の如く水不溶性成分を除去した水溶性画分をα−アミラーゼ処理、さらにアミログルコシダーゼ処理した後、エタノール濃度を80%にしたときに生じる沈殿物に含まれる糖質である。(以下、「80%エタノール不溶性糖質」と略す)
【0013】
具体的には、前記アミノグルコシダーゼ処理後の溶液に直接、あるいは濃縮後、エタノールを加え、エタノール濃度を80%に調製した後、60分間、室温放置後、遠心分離、乾燥して粉末を得る。この粉末重量から蛋白質量、灰分量、脂質量と水分量を差し引き得られた量を80%エタノール不溶性糖質量とする。
【0014】
80%エタノール不溶性糖質量の添加量は、粉末調味料100gあたり0.01〜6.0gであるが、好ましくは1.5〜6.0g、さらに2.0〜6.0g以上であると保存安定性と溶解分散性の面で優れた粉末調味料を提供できるため一層好ましい。また、6.0g以上になると調味料の風味が悪くなり適さない。
【0015】
80%エタノール不溶性糖質を含む素材としては、例えば、ペクチン、ガラクトマンナン、低分子化アルギン酸、難消化性デキストリン、ポリデキストロースやチコリファイバーなどを挙げることができる。物性の面で特に好ましくはガラクトマンナン、難消化性デキストリン及びポリデキストロースから選ばれる1種又は2種類以上である。好ましくはガラクトマンナンと難消化性デキストリンから選ばれる1種又は2種類以上である。80%エタノール不溶性糖質は1種類単独で使用しても良いし、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。2種類以上の組み合わせとしては特に制限されない。
【0016】
前記ガラクトマンナンとしては、ガラクトマンナンを主成分とするグアーガム、ローカストビーンガム、タラガム、カシアガム、セスバニアガム、フェヌグリーク、低分子化ガラクトマンナンなどの天然粘質物が挙げられる。粘度の面から特に好ましくは低分子化ガラクトマンナンである。低分子化ガラクトマンナンは、前記のガラクトマンナンを加水分解し低分子化することにより得られるものである。加水分解の方法としては、酵素分解法、酸分解法など、特に限定するものではないが、分解物の分子量が揃い易い点から酵素分解法が好ましい。酵素分解法に用いられる酵素は、マンノース直鎖を加水分解する酵素であれば市販のものでも天然由来のものでも特に限定されるものではないが、アスペルギルス属菌やリゾップス属菌などに由来するβ−マンナナーゼが好ましい。
【0017】
市販品としては、サンファイバー(太陽化学社製)、ファイバロン(大日本製薬社製、グアファイバー(明治製菓社製)などが挙げられる。
【0018】
前記、低分子化アルギン酸としては、種々の細菌や褐藻類などの海生動物に存在するものなどのアルギン酸を、酸と熱とによって分解したものを用いることができる。市販品としては、ソルギン(カイゲン社製)などが挙げられる。
【0019】
前記、難消化性デキストリンとしては、澱粉を加熱、酵素処理して得られる難消化性の食物繊維を用いることができる。具体的には例えば、澱粉を酸性下で加熱処理して得られる焙焼デキストリンを、α−アミラーゼで加水分解処理し、さらに必要に応じて、グルコα−アミラーゼ処理、イオン交換樹脂クロマトグラフィー処理などの精製処理などを施して得ることができる。市販品としては、パインファイバー(松谷化学社製)やニュートリオース(ロケット社製)などが挙げられる。
【0020】
前記、ポリデキストロースとは、ブドウ糖、ソルビトール及びクエン酸をおおよそ89:10:1の割合で混合し高温真空下で重合させたものなどを用いることができる。市販品としては、ライテス(ファイザー社製)などが挙げられる。
【0021】
前記、チコリファイバーとは、特に限定されないがチコリの根から温水抽出し、精製、スプレードライにより粉末化したものを用いることができる。市販品としては、ラフィテリンST(日本シーベルヘグナー社製)などが挙げられる。
【0022】
本発明の水分含量の粉末調味料を製造するには、通常の液体調味料の乾燥粉末化する方法を用いることができる。例えば、減圧ドラム乾燥法や真空凍結乾燥法で乾燥粉末化する方法や噴霧乾燥法により乾燥粉末化する方法がある。これらの方法を用い処理条件を適宜選択することで得られた粉末の水分含量を好ましくは2.5%以下、さらに好ましは0.5〜2.0%にすると効果の点でより良い。
【0023】
本発明における5′−リボヌクレオチド類とは5′−イノシン酸または5′−グアニル酸の塩のことである。5′−リボヌクレオチド類の含量は、効果の面で調味量中の3〜50重量%、好ましくは15〜30重量%である。5′−リボヌクレオチド類の分析は、高速液体クロマトグラフィーを用いて測定することができる。
【0024】
本発明の粉末調味料顆粒と親油性ポリグリセリン脂肪酸エステル及び親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルを接触、混合する方法は、まず粉末調味料を顆粒とする。粉末調味料を顆粒とするには、流動造粒、転動造粒、押出造粒するなど公知の造粒法により顆粒とすることができる。次いで、該顆粒を流動状態とし、そこに油脂に溶解分散した親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルと親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルを噴霧し、顆粒と親油性ポリグリセリン脂肪酸エステル及び親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルを接触、混合する。これにより、表面及び空隙内面が親油性ポリグリセリン脂肪酸エステル及び親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルで覆われた顆粒となる。
【0025】
ここで使用するポリグリセリン脂肪酸エステルは親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルと親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルの両者を併用する。本発明で使用する親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリンの平均重合度は4(テトラ)以上が望ましい。さらに好ましくは6(ヘキサ)以上,10(デカ)以上である。またHLBは8以下のものが好ましい。
【0026】
本発明で使用する親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルは、粉末調味料の溶解分散性を良くするために、なるべく親水性の強いものが良く、HLBが11以上のものが好ましい。
【0027】
本発明で使用する親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルとともにグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチンなどを併用することもできる。
【0028】
親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルに対する親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルの量は10〜80重量%、好ましくは30〜70重量%である。この範囲未満では溶解分散性の効果が弱く、この範囲を越えると長期保存における溶解分散性の維持効果が弱まる。
【0029】
本発明で使用する油脂は、親油性ポリグリセリン脂肪酸エステル及び親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルを顆粒全体に行き渡らせる効果を有している。使用する油脂は常温で液状を呈する液体油が好ましく、例えば大豆油、ナタネ油、コーン油、向日葵油、サフラワー油、オリーブ油などの液体油、またはこれらの混合油が使用できる。
【0030】
油脂中に溶解分散させるポリグリセリン脂肪酸エステルの量(親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルと親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルの総量)は、少ないと効果が弱まり、多すぎると噴霧により液滴を小さくすることが難しいため顆粒全体に均一に混ぜることが困難となるため、5〜60重量%が好ましい。
【0031】
親油性ポリグリセリン脂肪酸エステル及び親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルを溶解分散した油脂の顆粒に対する量は、1〜15重量%、好ましくは2〜8重量%である。この範囲未満では顆粒全体に親油性ポリグリセリン脂肪酸エステル及び親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルを行き渡らせることが困難となり、この範囲を越えると粉末調味料を溶解分散したときに表面に油滴が浮かび、また風味的に好ましくない。
【0032】
このようにして得た本発明の粉末調味料は、親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルの働きにより温水のみならず、冷水にも容易に溶解分散するものとなった。しかも親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルを加えることにより、長期間の保存においても溶解分散性が劣化しないものとなった。
【実施例】
【0033】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれなどによって限定されるものではない。
【0034】
試験例1
粉末調味料の調製は表1に示した配合に従って行った。調製法は、粉々混合によって行った。
【0035】
表1の粉末調味料を相対湿度80%、25℃の条件下で2週間放置し得られた乾燥減量の数値より吸湿性を比較及び水に対する溶解分散性(60℃温水100mlに対する試料10gの溶解分散性)についても評価し、その結果を表2に示した。
【0036】
なお、本試験において、粉末醤油は、理研ビタミン社製を、即席麺用粉末スープ、粉末ソースとうどん用粉末スープは、ヒガシマル社製を、パスタ用粉末スープは、クノール社製を、蜆粉末エキスは、トーサム社製を、吸い物用粉末スープは、明治食品社製を、粉末ホワイトソースは、キューピ社製を、粉末すし飯の素は、永谷園社製を、粉末炒飯の素は、ハウス食品社製を、低分子ガラクトマンナン分解物は、商品名:サンファイバー、太陽化学社製を、難消化性デキストリンは、商品名:ファイバーソル2、松谷化学社製を使用した。
【0037】
また、溶解分散性の評価基準は以下の通りとした。
◎・・・非常に容易に溶解分散
○・・・容易に溶解分散
△・・・一部溶解分散せず
×・・・溶解分散せず
【0038】
【表1】

【0039】
【表2】

【0040】
表2より、比較品に比べ本発明品の安定性と溶解分散性が高いことが確認された。
【0041】
試験例2
醤油(固形分15%)80gに、デキストリン15gと低分子ガラクトマンナン分解物(商品名:サンファイバー、太陽化学社製)5gを溶解した固形分32%の調味液をノズル噴霧乾燥機(ニロ社製)を用いて、調味液の供給速度を600ml/hと一定にし、熱風温度を100〜200℃まで変化させ水分含量を1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.5%に調製した粉末調味料を30gずつ得た。それぞれの80%エタノール不溶性糖質(重量%)は、4.0、4.0、3.9、3.8、3.8、3.7であった。得られた粉末調味料を相対湿度90%、25℃の条件下で2ヶ月放置し得られた乾燥減量の数値より吸湿性を比較した。
【0042】
図1より、粉末調味料の乾燥減量を2.5%以下にすることで吸湿安定性が高くなった。
【0043】
試験例3
表3の粉末調味料200gを流動造粒装置に入れ、流動状態とする。これに、水30gのバインダー溶液を噴霧して粉末調味料の顆粒を得た。次いで該顆粒に対して表4の割合で油脂に分散した親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルと親水性脂肪酸エステルを顆粒粉末に噴霧し、粉末調味料とした。得られた粉末調味料を相対湿度50%の条件下で放置し得られた乾燥減量の数値より吸湿性を経時的(1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月)に比較した。さらに水に対する溶解分散性(水100mlに対する試料10gの溶解分散性)についても6ヶ月後に評価し、その結果を表5に示した。
【0044】
なお、本試験において、粉末醤油は、理研ビタミン社製を、低分子ガラクトマンナン分解物は、商品名:サンファイバー、太陽化学社製を使用した。
【0045】
また、溶解分散性の評価基準は試験例1の通りとした。
【0046】
【表3】

【0047】
【表4】

【0048】
【表5】

【0049】
表5より、本発明品は、保存安定性と溶解分散性が高いことが確認された。
【0050】
本発明の実施形態をあげれば以下のとおりである。
(1) 水不溶性成分を除去した水溶性画分をα−アミラーゼ処理、さらにアミログルコシダーゼ処理した後、処理物にエタノールを加え80%濃度にしたときに沈殿する80%エタノール不溶性画分に含まれる糖質を0.1%以上含有することを特徴とする粉末調味料。
(2) 水不溶性成分を除去した水溶性画分をα−アミラーゼ処理、さらにアミログルコシダーゼ処理した後、処理物にエタノールを加え80%エタノール濃度としたときに沈殿する80%エタノール不溶性画分に含まれる糖質を2.0%以上含有することを特徴とする前記(1)記載の粉末調味料。
(3) 水不溶性成分を除去した水溶性画分をα−アミラーゼ処理、さらにアミログルコシダーゼ処理した後、処理物にエタノールを加え80%エタノール濃度としたときに沈殿する80%エタノール不溶性画分に含まれる糖質を2.0〜6.0%以上含有することを特徴とする前記(1)記載の粉末調味料。
(4) 水分含量を2.5%以下にしたことを特徴とする前記(1)記載の粉末調味料。
(5) 5′−リボヌクレオチド類を含むことを特徴とする前記(1)〜(4)いずれか記載の粉末調味料。
(6) 粉末調味料を顆粒とし、これに油脂に溶解分散した親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルと親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルを噴霧し、顆粒と親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルと親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルを接触、混合することを特徴とする前記(1)〜(5)いずれか記載の粉末調味料。
(7) 粉末調味料が粉末醤油である前記(1)〜(6)いずれか記載の粉末調味料。
(8) 粉末調味料が即席麺用粉末スープである前記(1)〜(6)いずれか記載の粉末調味料。
(9) 粉末調味料が粉末ソースである前記(1)〜(6)いずれか記載の粉末調味料。
(10) 粉末調味料がうどん用粉末スープ粉末味噌である前記(1)〜(6)いずれか記載の粉末調味料。
(11) 粉末調味料がパスタ用粉末スープである前記(1)〜(6)いずれか記載の粉末調味料。
(12) 粉末調味料が動物性あるいは植物性の粉末エキス類である前記(1)〜(6)いずれか記載の粉末調味料。
(13) 粉末調味料が吸い物用粉末スープである前記(1)〜(6)いずれか記載の粉末調味料。
(14) 粉末調味料が粉末ホワイトソースである前記(1)〜(6)いずれか記載の粉末調味料。
(15) 粉末調味料が粉末すし飯の素である前記(1)〜(6)いずれか記載の粉末調味料。
(16) 粉末調味料が粉末炒飯の素である前記(1)〜(6)いずれか記載の粉末調味料。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発品は、保存安定性と溶解分散性の面で優れた粉末調味料を提供できる。これにより保存性、溶解分散性の優れた粉末調味料を製造することが可能になり、本発明は食品産業の発展に貢献するところは多大である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】粉末調味料を相対湿度90%、25℃の条件下で2ヶ月放置し得られた乾燥減量の数値より吸湿性を比較した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水不溶性成分を除去した水溶性画分をα−アミラーゼ処理、さらにアミログルコシダーゼ処理した後、処理物にエタノールを加え80%エタノール濃度としたときに沈殿する80%エタノール不溶性画分に含まれる糖質を0.1%以上含有することを特徴とする粉末調味料。
【請求項2】
水不溶性成分を除去した水溶性画分をα−アミラーゼ処理、さらにアミログルコシダーゼ処理した後、処理物にエタノールを加え80%エタノール濃度としたときに沈殿する80%エタノール不溶性画分に含まれる糖質を2.0%以上含有することを特徴とする粉末調味料。
【請求項3】
水不溶性成分を除去した水溶性画分をα−アミラーゼ処理、さらにアミログルコシダーゼ処理した後、処理物にエタノールを加え80%エタノール濃度としたときに沈殿する80%エタノール不溶性画分に含まれる糖質を2.0〜6.0%以上含有することを特徴とする粉末調味料。
【請求項4】
水分含量が2.5%以下であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の粉末調味料。
【請求項5】
5′−リボヌクレオチド類を含むことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の粉末調味料。
【請求項6】
粉末調味料を顆粒とし、これに油脂に溶解分散した親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルと親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルを噴霧し、混合することを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の粉末調味料。

【図1】
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【公開番号】特開2008−61585(P2008−61585A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−243559(P2006−243559)
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(000204181)太陽化学株式会社 (244)
【Fターム(参考)】