説明

粉粒体供給装置

【課題】 簡易な構成でしかも高精度なバッチ計量を実現できる粉粒体供給装置を提供すること。
【解決手段】 粉粒体供給装置において、粉粒体排出口に排出筒を接続すると共に、該排出筒の下端に計量枡を接続し、上記排出口から排出される粉粒体を、当該粉粒体固有の安息角の円錐形を保持した状態で上記計量枡内に堆積し、上記円錐形の頂点部分をレベルセンサーで検出し、該検出に基づいて上記粉粒体の排出を停止することにより、上記計量桝にて粉粒体を正確に計量し得るように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体供給機から供給される粉粒体を正確に計量し得る機能を有する粉粒体供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、外筒内部に内筒を同心的に設け、該内筒の下端と外筒底板に一定の粉粒体排出間隔を設けて内外筒間に環状通路を形成し、外筒底板に攪拌翼を設置し、内筒に供給された粉粒体を上記環状通路に一定の安息角を以って流出させた状態で、上記攪拌翼の回転により、上記環状通路の排出口から粉粒体を定量排出する粉粒体供給装置が実用化されている(例えば特許文献1)。
【0003】
かかる粉粒体供給装置では、バッチ計量を行う場合、排出された粉粒体を一旦容器で受け、電子秤等の精密な計量機で重量を計量して設定値に達した時点で粉粒体供給機を停止する方法がとられている(電子秤の構成について、例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−2965
【特許文献2】特開平5−79927
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来のバッチ計量の構成では、高精度で計量することが可能であるが、電子秤等の高精度な計量機器が必要となるため、装置価格が高額化するという課題があった。
【0006】
また、粒度の比較的大きい粒体を簡易な構成で計量する粉粒体供給装置の実現が望まれている。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、簡易な構成でしかも高精度なバッチ計量を実現できる粉粒体供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため本発明は、
第1に、底板の上面に外筒を立設し、該外筒の内部に内筒を外筒と同心円上に配設し、該外筒と該内筒の間に流量調節リングを該底板の上方に配設し、該底板と該流量調節リングの間に生じた粉粒体排出間隙から粉粒体を環状通路へ流出させ、底板の上面に設けた回転羽根により掻き集められながら該環状通路を周回し、該底板に設けた排出口より粉粒体を排出する粉粒体供給装置において、上記排出口に排出筒を接続すると共に、該排出筒の下端に計量枡を接続し、上記回転羽根の所定量の回転により、上記排出口から排出される粉粒体を、当該粉粒体固有の安息角の円錐形を保持した状態で上記計量枡内に堆積することにより、当該粉粒体を上記計量桝にて計量し得るように構成し、計量後の粉粒体を計量桝下部の開閉蓋を開いて取り出し可能に構成したものであることを特徴とする粉粒体供給装置により構成される。
【0009】
上記排出筒は例えばホッパー部(40a)及び円筒形管部(40b)からなる排出ホッパー(40)等から構成することができる。上記回転羽根を所定量回転させる構成としては、例えばレベルセンサーを使用して所定高さの粉粒体の円錐形頂点部分の検出に基づいて上記回転羽根を停止させることができるし、タイマーを用いて一定時間だけ上記回転羽根を回転させること等が考えられる。上記回転羽根は例えば中央回転羽根(18)及び外周回転羽根(33)等をいう。このように構成すると、精密な電子秤等を用いることなく簡易かつ正確に粉粒体の計量を行うことができる。
【0010】
第2に、レベルセンサーを上記計量枡の上端開口の上部に設置し、上記計量桝内に堆積していく上記粉粒体の上記安息角にて形成される円錐形の頂点部分を、上記レベルセンサーにて検出し得るように構成し、上記レベルセンサーの上記頂点部分の検出に基づいて、上記回転羽根の回転駆動を停止することにより、上記計量桝によって上記粉粒体を計量し得るように構成したものであることを特徴とする上記第1記載の粉粒体供給装置により構成される。
【0011】
レベルセンサーは例えば発光センサー(45)と受光センサー(45’)により構成することができる。このように構成すると、粉粒体固有の安息角により構成される円錐形(円錐形部分)の頂点部分のレベル(高さ)をレベルセンサーにて検出し、これに基づいて回転羽根を停止するように構成したので、電子秤等を用いることなく、簡易な構成で正確な計量を行うことができる。
【0012】
第3に、上記計量桝の上部と上記排出筒との間に、内径が上方にいくに従い上記計量桝の内径より漸次縮径する環状縮径部を設けると共に、上記環状縮径部の上端開口の上部にレベルセンサーを設け、上記環状縮径部の傾斜面の水平面に対する傾斜角度(β)を、上記粉粒体固有の安息角(α)より大となるように形成することにより、上記環状縮径部内に粉粒体が堆積していく過程において該粉粒体の安息角(α)にて形成される円錐形の傾斜面が上記環状縮径部の傾斜面に接するように構成し、かつ上記環状縮径部を通過してその上端開口から上方に形成された上記粉粒体の円錐形の頂点部分を上記レベルセンサーにて検出し得るように構成し、上記レベルセンサーの上記頂点部分の検出に基づいて、上記回転羽根の回転駆動を停止することにより、上記計量桝によって上記粉粒体を計量し得るように構成したものであることを特徴とする上記第1記載の粉粒体供給装置により構成される。
【0013】
このように構成すると、粉粒体固有の安息角により形成される円錐形(円錐形部分)が崩壊することを防止し得るので、粉粒体の粒度の大小に拘わらず、常時正確な計量を行うことができる。
【0014】
第4に、上記環状縮径部の水平面に対する傾斜角度(β)と上記粉粒体の安息角(α)との関係は、「α<β<π/2」であることを特徴とする上記第3記載の粉粒体供給装置により構成される。
【0015】
第5に、上記回転羽根の回転時間を計時し得るタイマーを設け、上記回転羽根を一定時間回転することにより、上記計量桝に一定量の粉粒体を堆積し得るように構成したものであることを特徴とする上記第1記載の粉粒体供給装置により構成される。
【0016】
このように構成すると、レベルセンサーを用いる必要もなく、簡易に粉粒体の計量を行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は上述のように、計量枡に粉粒体固有の安息角にて当該粉粒体を堆積させて計量し得るにように構成したものであるから、電子秤等の高価な計測機器を用いることなく、安価でありながら粉粒体の高精度なバッチ計量を行うことができるものである。
【0018】
また、計量枡内において粉粒体固有の安息角により形成される円錐形が崩壊することを防止し得るため、比較的粒度の大きい粉粒体であっても、高精度なバッチ計量を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る粉粒体供給装置の縦断面図である。
【図2】図1のX−X線断面図である。
【図3】同上装置の平面図である。
【図4】同上装置の側面図である。
【図5】同上装置の正面図である。
【図6】同上装置の計量枡近傍の縦断面図である。
【図7】同上装置の他の実施形態における計量枡近傍の縦断面図である。
【図8】同上装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図9】同上装置の制御部の動作手順を示すフローチャートである。
【図10】同上装置の制御部の動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る粉粒体供給装置を詳細に説明する。
【0021】
本発明に係る粉粒体供給装置は(図1)、底板13の上面に外筒14を立設し、外筒14の内部に内筒15を外筒14と同心円上に配設すると共に、外筒14の上端と内筒15の外周に当接するドーナツ形蓋21を接合させ、内筒15を底板13上方に支持し、内筒15と外筒14の間に断面が逆L字型の流量調節リング16を配設する。
【0022】
そして、上記ドーナツ形蓋21の板面と流量調節リング16のリブ16’の板面に、各々上下方向の同一位置に、貫通孔21a,21a,21a及び貫通孔16a,16a,16aを各々120度毎に3箇所ずつ設け(図3参照)、これら上下の各貫通孔(21aと16a)の各々にボルトBを挿通して下端をナットNにて螺着することで、上記流量調節リング16を上記ドーナツ形蓋21に対して上下方向に調節可能に宙吊り固定し、これにより上記底板13と流量調節リング16の下端との間に粉粒体排出間隙tを設ける。
【0023】
上記底板13の中心には軸孔34を介して直立回転軸20が突設されており、該回転軸20は、上記底板13の下部に配備した減速機23を介して電動機22に接続されている。この直立回転軸20にはボス19が嵌合しており、当該ボス19の外周下端に4枚の中央回転羽根(回転羽根)18が該ボス19と一体に形成されている(図2、図3参照)。
【0024】
上記各中央回転羽根18は、上記底板13上を放射状に該外筒14内壁付近まで延伸され、各先端部18a,18b,18c,18dにおいて外筒14より若干小半径の外周回転リング17を外筒14と同心円となるように立設保持している(図2参照)。また上記各回転羽根18は、上記ボス19から四方(90度毎)に延伸されており、各羽根18は回転方向(矢印A方向)側に凸の湾曲状に形成されている。
【0025】
上記流量調節リング16と上記外周回転リング17間には環状通路32が形成され、環状通路32内の上記底板13の1箇所には円形の排出口13aが穿設されている。この環状通路32内においては、上記外周回転リング17の下端内周から中心方向に12枚の外周回転羽根(回転羽根)33が設けられている(図2参照)。これらの外周回転羽根33は上記中央回転羽根18と同一高さに設けられており、それらの先端は上記内筒15の外周近傍まで、当該外周回転リング17の中心方向へ延伸され、上記中央回転羽根18の隣接する羽根間に各3本ずつ等間隔に配置されている。
【0026】
上記排出口13aには排出ホッパー(排出筒)40が接続されている(図6参照)。この排出ホッパー40は、上部の逆円錐形のホッパー部40aと、該ホッパー部40aの下半部を形成し、該ホッパー部40aとその中心線cを共通とする円筒形管部40bとから構成されている。この排出ホッパー40はその上端部が上部フランジ40cにより上記排出口13aに隙間無く結合しており、その下方の上記円筒形管部40b下端の下部フランジ40dに後述の計量桝41が接続されている。上記下部フランジ40dは拡径部40d’を介して設けられており、その結果、該下部フランジ40dの内径は、上記円筒形管部40bの内径よりも拡大されている。
【0027】
上記排出ホッパー40の上記下部フランジ40dには円筒形状の上記計量桝41がその上部フランジ41aを以って接続されている。この計量桝41は、その円筒形の中心が上記排出ホッパー40の上記中心線cと共通しており、その内径が上記円筒形管部40bより大きく、上記下部フランジ40dの内径と同一となるように構成されている。上記計量桝41の下部(底)は常閉の開閉蓋43にて閉鎖されており、一定量の粉粒体を貯留し得るように構成されている。
【0028】
この開閉蓋43は、図4に示すように、その一端の支持軸43aを中心として開閉可能に設けられており、常時は閉鎖状態にてロックされているが、計量が終了した後、ロックが解除され図4に示すように自重により上記支持軸43aを中心として開放し得るように構成している。尚、開閉蓋43の構成はこれに限らず、上記支持軸43aに駆動モータ(図8、蓋開閉駆動部53)のプーリを接続し、該モータを正逆駆動することにより上記開閉蓋43を開閉し得るように構成しても良い。
【0029】
従って、上記計量桝41を上記下部フランジ40dに接続した状態では、上記円筒形管部40bより上記拡径部40d’を介して当該下部フランジ40dにて内径が拡大し、当該拡大した内径と同一内径にて上記計量桝41に接続されるという構成となっている。そして、上記計量枡41に堆積する粉粒体の円錐形部分(円錐形)P’は、上記計量枡41の上端開口41’から上方に形成され、その頂点部分Pが上記下部フランジ40dの拡径部40d’を介して小径の円筒形管部40bに入り込んだ状態でレベルセンサー45,45’(後述)に検出されるように構成している。
【0030】
よって、上記排出口13aから排出ホッパー40に排出された粉粒体は、上記ホッパー部40aから小径の円筒形管部40bに円滑に誘導され、さらにそこから拡径された計量桝41に貯留されていく。尚、図6中、42は上記下部フランジ40dと上記上部フランジ41aとの間に介挿されたガスケットである。
【0031】
上記排出ホッパー40の上記円筒形管部40bの対向面にはセンサー用の透孔44a,44bが貫設されており、この透孔44a,44bに対応する上記円筒形管部40bの外側には、各々レベルセンサーとしての発光センサー45,受光センサー45’が設置されている。これらのレベルセンサーは、上記排出ホッパー40の下部フランジ40d上に固定されたL型アングル46,46’上に同一水準位置(水平基準線s参照)となるように水平に固定されており、上記発光センサー45から発せられた光を、上記透孔44a,44bを介して上記受光センサー45’にて受光し得るように構成している(図6中光線L参照)。このように、上記レベルセンサーは、上記計量枡41の上端開口41’の上部に設けられている。
【0032】
そして、上記排出口13aから排出される粉粒体は、上記計量桝41内において当該粉粒体固有の安息角αを以って略中心軸cを中心とする円錐形(円錐形部分P’)に堆積して行き、かかる状態でその堆積嵩が上昇して行く。そして、上記計量枡41内に堆積していく粉粒体Rの上記安息角αにて形成される円錐形部分P’の頂点部分Pが上記光線Lを遮ると、上記受光センサー45’への入光が遮断されるので、これを検出して粉粒体Rの供給動作を中止する。これにより、一定量の粉粒体Rを上記計量桝41に蓄積することができる。このように、上記計量枡41の上限位置まで粉粒体を蓄積することにより、粉粒体Rのバッチ計量を行うことができる。
【0033】
上記計量が終了した後は、開閉蓋43を開いて、計量後の粉粒体Rを取り出すことができる。上記開閉蓋43を開くと、計量枡41内部の計量後の粉粒体Rが下方に落下するので、上記計量枡41の下方にコンベア等を配置することにより、上記計量後の粉粒体Rを次工程に送出することができる。
【0034】
図7に示すものは、上記計量枡の他の実施形態である。同図において、上記図6の実施形態と同一部分、及び対応部分には同一符号を附して便宜上それらの説明は省略する。同図において、排出ホッパー(排出筒)40は上記実施形態と同様にホッパー部40aとそれに連続する円筒形管部40bを有しているが、円筒形管部40bの下部には、上記円筒形管部40bの内径より広い内径を有する下部フランジ40dから上記円筒形管部40bに向けて漸次縮径する縮径方向の傾斜面40e’を有する環状縮径部40eが連続して設けられている。かかる環状縮径部40eの中心は上記排出ホッパーの中心軸cに一致している。
【0035】
上記下部フランジ40dにはガスケット42を介して計量桝41の上部フランジ41aが接続されている。尚、上記計量桝41の内径は上記下部フランジ40dの内径と同一となるように構成されている。そして、上記環状縮径部40eの上端開口40e”の上部に上記レベルセンサー45,45’が位置するように構成されている。上記レベルセンサーは、上記環状縮径部40eの外周の傾斜面40e’において、上面に水平載置面47,47’を有するセンサー台48,48’を左右対称位置に設置し、上記載置面47,47’上に上記L型アングル46,46’を用いて発光センサー45及び受光センサー45’を上記実施形態と同様に対向配置する。
【0036】
上記環状縮径部40eの上記傾斜面40e’の水平面(水平線)からの傾斜角度βは、上記計量桝41に貯留される粉粒体の安息角αより大きくなるように構成している(β>α)。このように構成することにより、上記計量桝41に安息角αで堆積し、堆積嵩を増していく粉粒体Rは、その円錐形部分P’の傾斜面R’が上記環状縮径部40e内の傾斜面40e’に接触し、上記環状縮径部40eを通過してその上端開口40e”から上方に形成された上記粉粒体の円錐形の頂点部分Pが上記水平基準位置sに達し、上記頂点部分Pにより光線Lを遮るように構成されている。また、上記傾斜面40e’の角度βは最大でもπ/2を超えることはないので、上記環状縮径部40eの水平線に対する傾斜角度βと上記粉粒体の安息角αとの関係は、「α<β<π/2」となる。
【0037】
かかる実施形態によると、上記計量桝41内の粉粒体Rの円錐形部分(円錐形)P’の堆積部の傾斜面R’が上記傾斜面40e’に接接しながら堆積していくことになるので、粉粒体の円錐形部分P’が崩壊することを防止することができる。例えば、粒度(粒径)の大きい粒体等であって、固有の安息角による円錐形が崩れ易い材料の場合、堆積の過程において、円錐形部分P’の堆積部が一旦崩壊したり、粉粒体の滑落が生じ、再度の堆積により形成された円錐形部分P’の頂点部分Pをレベルセンサーで検出すると、計量精度が低下してしまう。本実施形態によると、上述のように堆積していく粉粒体の傾斜面が上記環状縮径部40eの内側の傾斜面40e’に接触するので、これにより粉粒体の堆積の過程での円錐形部分P’の崩壊を防止することができ、粒度の比較的大きな粉粒体であっても正確に計量を行うことができる。
【0038】
次に本発明の電気的構成を説明する。図8に示すように、本発明は、上記レベルセンサーの受光センサー45’から受光が停止した旨の信号が入力するとそれを検出し、制御部50に通知する検出回路51、上記駆動モータ22の駆動時間を計時するためのタイマー52、上記検出回路51、上記タイマー52、上記駆動モータ22が接続されており、上記検出回路51からの検出信号の入力に基づいて上記駆動モータ22の駆動及び停止を制御し、或いは上記タイマー52による計時に基づいて上記駆動モータ22の駆動及び停止を制御する制御部50を有している。この制御部50は、上記検出回路51、上記タイマー52からの信号の入力に基づいて図9又は図10に示す動作手順に従う動作を行うものであり、かかる動作は以下の動作説明にて詳細に説明する。尚、53は例えばモータ、ロータリーソレノイド等から構成される開閉蓋43の蓋開閉駆動部であり、制御部50は計量が終了したタイミングで上記蓋開閉駆動部53により上記開閉蓋43を開閉制御するものである。また、54は一旦計量が終了した後、次の計量動作を行わせるために操作するスタートボタンであり、一回のバッチ計量が終了した後、操作者が押すことにより再度の計量動作が行われる。尚、当該スタートボタン54を設けずに、連続的にバッチ計量が行われるように構成しても良い。
【0039】
次に、本発明の動作を説明する。
【0040】
内筒15内に粉粒体Rを供給し、該粉粒体Rは固有の安息角αで流量調節リング16から環状通路32に流出する。かかる状態で駆動モータ22を駆動すると(図9P1)、中央回転羽根18及び外周回転羽根33により粉粒体Rは環状通路32内を搬送され、排出口13aから下方に定量排出される。
【0041】
また、上記レベルセンサーをオンし、発光センサー45から発した光が受光センサー45’に到達し、当該受光センサー45’は受光信号を検出回路51に送信しており、制御部50は受光している旨、即ち、未だ粉粒体Rの堆積嵩が上記センサーの水準(水平基準線sの位置)に達していないことを認識しているとする。
【0042】
上記排出口13aから下方に排出された粉粒体Rは、排出ホッパー40のホッパー部40a、円筒形管部40bを介して計量桝41に堆積していく。上記粉粒体Rは上記計量桝41の底部に安息角αを以って円錐形に堆積して行き(図6参照)、当該安息角αを保った状態でその円錐形部分P’の堆積嵩(高さ)が上昇してゆく。そして、その円錐形の頂点部分Pが上記水平基準線sに達して上記発光センサー45の光を遮断すると、受光センサー45’の受光信号が消勢するため、上記検出回路51は制御部50に受光信号が遮断された旨の信号を送出する。
【0043】
上記制御部50は上記検出回路からの上記信号を検出すると(図9P2)、該検出に基づいて駆動モータ22を停止する(図9P3)。上記駆動モータ22が停止すると、上記中央回転羽根18及び外周回転羽根33の回転が停止するので、上記排出口13aから粉粒体Rの排出が停止する。このとき、粉粒体Rは上記計量枡41の上端開口41’の位置から安息角αで円錐形を形成している状態であり(図6)、これにより一定量(例えば80g)の粉粒体が計量されたことになる。
【0044】
その後は、制御部50が蓋開閉駆動部53を動作させることにより開閉蓋43を開放する(図9P4)。これにより計量された粉粒体Rを計量枡41から下方に取り卸すことができる。このとき、上記開閉蓋43の下方に搬送コンベア等を設置することにより、バッチ計量された粉粒体を次の工程に送出することができる。
【0045】
上記計量桝41内の粉粒体を全て取り出した後は、上記開閉蓋43を閉鎖する(図9P4)。その後、制御部50は、スタートボタン54等の駆動モータ22の駆動指令を受けると(図9P5)、再度駆動モータ22を駆動開始して(図9P1)、上記動作を繰り返し行うことにより、粉粒体Rを極めて高い精度でバッチ計量することができる。このように、上記レベルセンサーによる粉粒体の頂点部分Pの検出に基づいて上記回転羽根18,33の回転を停止することにより、上記回転羽根18,33を所定量回転させ、これにより上記計量枡41に一定量の粉粒体を堆積させることによりバッチ計量を行うものである。
【0046】
次に、計量桝41として、図7の第2の実施形態を使用した場合の動作を説明する。
【0047】
この場合も、上記実施形態と同様に、上記レベルセンサーをオンし、発光センサー45から発した光が受光センサー45’に到達し、当該受光センサー45’は受光信号を検出回路51に送信しており、制御部50は受光している旨、即ち、未だ粉粒体Rの堆積嵩が上記センサーの水平基準線sに達していないことを認識しているとする(図9P1)。
【0048】
上記排出口13aから下方に排出された粉粒体は、排出ホッパー40のホッパー部40a、円筒形管部40bを介して計量桝41に堆積していく。上記粉粒体Rは上記計量桝41の底部に安息角αを以って円錐形に堆積して行き、当該安息角αを保った状態でその堆積嵩(高さ)が上昇してゆく。
【0049】
このとき、上記粉粒体Rの円錐形(円錐形部分P’)の傾斜面R’が上記環状縮径部40e内の傾斜面40e’に当接しながら堆積して行くが、上記傾斜面40e’の傾斜角度βが安息角αより大きいので、上記環状縮径部40eにおいて粉粒体Rの傾斜面R’は上記傾斜面40e’の内面に接触しながら嵩が上昇し、上記環状縮径部40eの出口(上端開口40e”)から、安息角αで小さな円錐形部分P’を形作り、その頂点部分Pが上記発光センサー45の光を遮断する。
【0050】
この際、上記粉粒体Rは上記環状縮径部40eの傾斜面40e’に密着又は接触しながらその嵩を上昇し、上記環状縮径部40eの上端開口40e”から上方向に臨出した小さな円錐形部分P’を形作るため、その円錐形部分P’が形崩れし難い。そして、この形崩れし難い円錐形P’の頂点部分Pによって粉粒体Rの高さをレベルセンサーで検出するように構成しているので、粉粒体Rの円錐形部分P’の崩れによる測定誤差を防止し、より正確に粉粒体を計量することができる。
【0051】
上記光センサー45の光が遮断された後は、上記実施形態と同様であり、受光センサー45’の受光信号が消勢するため上記検出回路51は制御部50に受光信号が遮断された旨の信号を送出する(図9P2)。
【0052】
上記制御部50は上記検出回路51からの上記信号に基づいて、駆動モータ22を停止する(図9P3)。上記駆動モータ22が停止すると、上記中央回転羽根18及び外周回転羽根33の回転が停止するので、上記排出口13aから粉粒体Rの供給が停止する。これにより、上記計量桝41内に所定の計量値(例えば80g)の粉粒体が計量される。
【0053】
その後は、開閉蓋43を開くことにより、計量された粉粒体Rを取り出すことができ、上記実施形態と同様に次工程に送ることができる(図9P4)。
【0054】
上記計量桝41内の粉粒体を全て取り出した後は、上記開閉蓋43を閉鎖して(図9P4)、スタートボタン54の押圧等の駆動指令に基づいて(図9P5)、再度駆動モータ22を駆動開始して、上記動作を繰り返し行うことにより、粉粒体Rを極めて高い精度でバッチ計量することができる。
【0055】
尚、駆動モータ22を停止してから若干の粉粒体が排出口13aから排出されるので、上記レベルセンサー45,45’の設置高さは、粉粒体の円錐形の頂点の若干下側とすることにより(図6、図7参照)、上記モータ22停止後の排出量を考慮した正確な計量を行うことができる。
【0056】
次に、上記レベルセンサーを使用しない簡易な実施例(第3の実施形態)を説明する(図10参照)。
【0057】
上記レベルセンサーを使用しない場合は、上記円筒形管部40bの上記透孔44a,44bは設ける必要はない。
【0058】
上記計量桝41の容量は一定であるので、上記駆動モータ22を一定時間駆動することにより、上記中央回転羽根18及び外周回転羽根33を一定時間回転駆動し、これにより上記排出口13aから上記計量桝41に一定量の粉粒体Rを供給する。上記中央回転羽根18及び外周回転羽根33の回転時間はタイマー52にて計時し、当該タイマー52にて計時された一定時間だけ上記駆動モータ22を駆動し、これにより上記中央回転羽根18及び外周回転羽根33が回転している時間に対応した一定量の粉粒体Rを計量桝41内に供給していく。これにより、粉粒体Rをバッチ計量する。
【0059】
具体的には、図10に示すように、まず駆動モータ22を回転駆動すると同時にタイマー52の計時を開始する(図10P1,P2)。上記駆動モータ22が駆動すると中央回転羽根18及び外周回転羽根33が回転し、粉粒体Rが排出口13aから計量桝41内に供給されていく。
【0060】
そして、制御部50は上記タイマー52の計時が予め設定された所定の時間となったとき、これを検出し、上記駆動モータ22を停止する(図10P2、P3)。すると、上記回転羽根18,33の回転が停止するので、排出口13aから計量桝41への供給も停止する。このとき、図6の実施形態であれば、粉粒体Rが、固有の安息角αの円錐形部分P’を形成しながら図6中の最上部の円錐形部分P’の位置まで堆積した時点で、上記駆動モータ22を停止するように設定すればよい。このように構成すると、上記計量枡41にて常時一定量の粉粒体Rを計量することができる。
【0061】
上記粉粒体Rの供給が終了した後は、開閉蓋43を開いて、粉粒体Rを取り出せばよい(図10P4)。その後は、制御部50がタイマー52をリセットし、駆動開始指令に基づいて再度ステップP1からの動作を繰り返すことにより、粉粒体Rのバッチ計量を行うことができる(図10P5)。かかる第3の実施形態によると、レベルセンサーを必要としないため、非常に簡易な構成により粉粒体の正確な計量を行うことができる。
【0062】
本発明は上述にように、回転羽根を所定量回転させることにより、粉粒体Rを計量枡41に、その固有の安息角αの円錐形(円錐形部分)を保持しながら堆積させるように構成したので、精密な電子秤等を用いることなく簡易に粉粒体Rの計量を行うことができる。
【0063】
また、粉粒体固有の安息角αにより構成される円錐形の頂点部分Pのレベル(高さ)をレベルセンサーにて検出し、これに基づいて回転羽根の回転を停止するように構成したので、電子秤等を用いることなく、簡易な構成で正確な計量を行うことができる。
【0064】
また、環状縮径部40eにより、粉粒体固有の安息角αにより形成される円錐形が崩壊することを防止し得るので、粉粒体の粒度に拘わらず、常時正確な計量を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明に係る粉粒体供給装置は、粒形に拘わらず定量供給することが可能であり、例えば、食材としてのパスタやマカロニ等の正確なバッチ計量を行うことができ、ヨーロッパの国々に見られるパスタやマカロニ等の自動販売機にも適用することができる。勿論、その他の粉粒体の計量にも広く用いることができるものである。
【符号の説明】
【0066】
13 底板
13a 排出口
14 外筒
15 内筒
16 流量調節リング
18 中央回転羽根
32 環状通路
33 外周回転羽根
40 排出ホッパー
40a ホッパー部
40b 円筒形管部
40e 環状縮径部
40e’ 傾斜面
40e” 上端開口
41 計量枡
41’ 上端開口
43 開閉蓋
45 発光センサー(レベルセンサー)
45’ 受光センサー(レベルセンサー)
52 タイマー
α 安息角
β 傾斜角度
P 円錐形の頂点部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板の上面に外筒を立設し、該外筒の内部に内筒を外筒と同心円上に配設し、該外筒と該内筒の間に流量調節リングを該底板の上方に配設し、該底板と該流量調節リングの間に生じた粉粒体排出間隙から粉粒体を環状通路へ流出させ、底板の上面に設けた回転羽根により掻き集められながら該環状通路を周回し、該底板に設けた排出口より粉粒体を排出する粉粒体供給装置において、
上記排出口に排出筒を接続すると共に、該排出筒の下端に計量枡を接続し、
上記回転羽根の所定量の回転により、上記排出口から排出される粉粒体を、当該粉粒体固有の安息角の円錐形を保持した状態で上記計量枡内に堆積することにより、当該粉粒体を上記計量桝にて計量し得るように構成し、
計量後の粉粒体を計量桝下部の開閉蓋を開いて取り出し可能に構成したものであることを特徴とする粉粒体供給装置。
【請求項2】
レベルセンサーを上記計量枡の上端開口の上部に設置し、上記計量桝内に堆積していく上記粉粒体の上記安息角にて形成される円錐形の頂点部分を、上記レベルセンサーにて検出し得るように構成し、
上記レベルセンサーの上記頂点部分の検出に基づいて、上記回転羽根の回転駆動を停止することにより、上記計量桝によって上記粉粒体を計量し得るように構成したものであることを特徴とする請求項1記載の粉粒体供給装置。
【請求項3】
上記計量桝の上部と上記排出筒との間に、内径が上方にいくに従い上記計量桝の内径より漸次縮径する環状縮径部を設けると共に、上記環状縮径部の上端開口の上部にレベルセンサーを設け、
上記環状縮径部の傾斜面の水平面に対する傾斜角度(β)を、上記粉粒体固有の安息角(α)より大となるように形成することにより、上記環状縮径部内に粉粒体が堆積していく過程において該粉粒体の安息角(α)にて形成される円錐形の傾斜面が上記環状縮径部の傾斜面に接するように構成し、
かつ上記環状縮径部を通過してその上端開口から上方に形成された上記粉粒体の円錐形の頂点部分を上記レベルセンサーにて検出し得るように構成し、
上記レベルセンサーの上記頂点部分の検出に基づいて、上記回転羽根の回転駆動を停止することにより、上記計量枡によって上記粉粒体を計量し得るように構成したものであることを特徴とする請求項1記載の粉粒体供給装置。
【請求項4】
上記環状縮径部の水平面に対する傾斜角度(β)と上記粉粒体の安息角(α)との関係は、「α<β<π/2」であることを特徴とする請求項3記載の粉粒体供給装置。
【請求項5】
上記回転羽根の回転時間を計時し得るタイマーを設け、
上記回転羽根を一定時間回転することにより、上記計量桝に一定量の粉粒体を堆積し得るように構成したものであることを特徴とする請求項1記載の粉粒体供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−241543(P2010−241543A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−90885(P2009−90885)
【出願日】平成21年4月3日(2009.4.3)
【出願人】(592096111)株式会社ヨシカワ (19)
【Fターム(参考)】