説明

粉粒体材料の減圧式乾燥装置

【課題】簡易な構造でありながらも、粉粒体材料の加熱乾燥効率を向上し得る粉粒体材料の減圧式乾燥装置を提供する。
【解決手段】粉粒体材料が貯留されるホッパー20と、該ホッパー内を減圧する減圧手段3とを備えた粉粒体材料の減圧式乾燥装置1であって、前記ホッパーの外周に設けられたホッパー外周保温部40,26と、加熱したガスを前記ホッパー内に供給する加熱ガス供給部4と、前記加熱ガス供給部を制御して予め設定された所定温度となるように加熱させたガスを供給させる制御部80とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体材料が貯留されるホッパーと、該ホッパー内を減圧する減圧手段とを備えた粉粒体材料の減圧式乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の粉粒体材料の減圧式乾燥装置としては、粉粒体材料を貯留するホッパーを密閉した状態で、該ホッパー内を減圧手段によって減圧しながら、ホッパーの内周壁などに密に設けた熱伝導フィンによって、ホッパー内に貯留された粉粒体材料を加熱する態様とされていた(例えば、下記特許文献1及び特許文献2参照)。
このようなものでは、熱伝導フィンを均一に加熱するために、比較的、消費電力の大きいヒーターを採用する必要があり、また、ホッパー内に貯留された粉粒体材料を均一に加熱するためには熱伝導フィンを密に設ける必要があるため、装置のコストが高くなるという問題があった。また、熱伝導フィンを密に設けることで、清掃性が悪くなるという問題があった。
【0003】
一方、下記特許文献3では、真空槽の外周面のみに加熱手段を設け、該真空槽の内側に、該真空槽の内周面から均等な間隔を隔ててスペーサを配置した構成とされた真空乾燥装置が提案されている。このものでは、真空槽内に貯留された材料が、真空槽の内周面とスペーサとの間を通過しながら乾燥されるので、真空槽の外周面に設けられている加熱手段のみからの加熱であっても、均一に乾燥することができる、と説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−127153号公報
【特許文献2】特開2000−127154号公報
【特許文献3】特許第4084692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献3に記載された真空乾燥装置では、例えば、熱伝導率が比較的、低い合成樹脂ペレット等の粉粒体材料を加熱乾燥処理する場合には、当該粉粒体材料が断熱材となり、真空槽を横断する方向に粉粒体材料の温度差(温度勾配)が生じることが考えられる。このような温度差の発生を防止するには、つまりは粉粒体材料の少なくとも次工程に向けて排出される量(全量または次工程からの要求に応じた所定量)を所定温度に均一に加熱するには、スペーサの外周面と、真空槽の内周面との間の間隔を、比較的、近接させる必要があり、ホッパーの貯留可能容量が小さくなるという問題があった。
また、外周からの熱伝導のみによる加熱であるので、特に、装置の起動時には、真空槽の筺体自体の昇温に熱エネルギーが消費されるため、立ち上がり時間が長期化し、さらに、上記排出される量を所定温度に均一に加熱する時間も長期化するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、簡易な構造でありながらも、粉粒体材料の加熱乾燥効率を向上し得る粉粒体材料の減圧式乾燥装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明に係る粉粒体材料の減圧式乾燥装置は、粉粒体材料が貯留されるホッパーと、該ホッパー内を減圧する減圧手段とを備えた粉粒体材料の減圧式乾燥装置であって、前記ホッパーの外周に設けられたホッパー外周保温部と、加熱したガスを前記ホッパー内に供給する加熱ガス供給部と、前記加熱ガス供給部を制御して予め設定された所定温度となるように加熱させたガスを供給させる制御部とを備えていることを特徴とする。
【0008】
上記構成とされた本発明では、所定温度となるように加熱したガスを供給することで、減圧式でありながらも、粉粒体材料を言わば、加熱ガスによって直接的に加熱することができ、粉粒体材料を効率的に加熱することができる。つまり、加熱ガスによって粉粒体材料を加熱するとともに、その加熱処理と、減圧手段による減圧処理とによって、粉粒体材料から浮き出てきて、ホッパー内に蒸散した水分や揮発物質(以下、水分等と略す。)を、上記加熱ガスと置換させながら減圧手段による吸引によってホッパー外に迅速に排出させることができ、粉粒体材料の加熱乾燥処理を効率的に行うことができる。
このような加熱ガスは、外気(大気)を加熱して供給するようにしてもよいが、比較的、低露点の調質されたコンプレッサーエアー等を供給することで、ホッパー内の粉粒体材料の乾燥処理をより効率的に行うことができる。
【0009】
また、従来の減圧式乾燥装置のような熱伝導を主とした加熱処理と比べて、装置起動時における立ち上がり時間を飛躍的に短縮でき、また、粉粒体材料の少なくとも次工程に向けて排出される量を所定温度に均一に加熱する時間を短縮することができる。
さらに、従来の減圧式乾燥装置のように、粉粒体材料を加熱するための熱伝導フィンを、ホッパー内に密に配置する必要がない、または熱伝導フィンを設けないようにすることもできる。従って、ホッパー内の清掃性を飛躍的に向上させることができるとともに、ホッパー内における粉粒体材料の貯留可能容量を効率的に大きくすることができる。
さらにまた、ホッパー外周保温部によって、ホッパーからの放熱を防止することができるので、ホッパー内に供給する加熱ガスの熱エネルギーを効率的に粉粒体材料の加熱処理に充当させることができ、迅速な加熱乾燥処理を行うことができる。
【0010】
ここに、上記粉粒体材料は、粉体・粒体状の材料を指すが、微小薄片状や短繊維片状、スライバー状の材料等を含み、その材料としては、合成樹脂材等の樹脂ペレットや樹脂繊維片等、または金属材料や半導体材料、木質材料、薬品材料、食品材料等、加熱乾燥処理が必要な材料が挙げられる。
また、上記減圧手段によってなされるホッパー内の減圧状態は、該ホッパー内が大気圧より低い圧力状態となる真空状態を指すが、当該装置の起動中、つまり、粉粒体材料の乾燥時には、常時、減圧状態となるように、加熱ガスの供給量と、減圧手段による吸引量(排気量)とを調整するようにしてもよい。または、当該装置の起動中、一時的にホッパー内が大気圧以上となる稼働態様も含む。
【0011】
本発明においては、前記加熱ガス供給部を、圧縮空気源からのガスを貯留するガス貯留部と、このガス貯留部と前記ホッパーとを連通させる管路に設けられた開閉弁と、該管路を通過したガスを前記ホッパー内の下端部に導入させるガス導入口とを備えたものとし、前記制御部によって、前記開閉弁を開放させ、前記ガス貯留部のガスを前記ホッパー内に瞬発的に導入させて該ホッパー内を急昇圧させるようにしてもよい。
このような構成とすれば、ガスの瞬発的な導入によるホッパー内の急昇圧によって、ホッパー内に貯留された粉粒体材料層に衝撃が加えられ、粉粒体材料層を変動させることができる。従って、ホッパー内壁への粉粒体材料の付着や粉粒体材料の固化(ブリッジ)を防止することができる。つまり、当該装置において加熱乾燥された粉粒体材料は、樹脂成形機等の供給先の要求等に応じて、供給先に向けて排出、給送がなされるが、このような排出、給送が、比較的、長時間なされない場合には、ホッパー内の粉粒体材料層に移動、変動が生じず、加熱乾燥処理が進むに従って、粉粒体材料の種類によっては、粉粒体材料同士が付着し、塊のように固化する傾向がある。上記構成とされた本発明によれば、このように、粉粒体材料層の移動、変動がない場合、つまり、排出、給送が比較的、長時間なされない場合に、瞬発的にガスを導入させてホッパー内を急昇圧させることで、ホッパー内の粉粒体材料の固化状態を崩す、または固化を事前に防ぐことができる。
【0012】
上記のように瞬発的に導入されるガスによる粉粒体材料層の挙動は、ホッパー内において積層状態で密に粉粒体材料が貯留されているため、その積層状態が崩れるような挙動、つまり、攪拌されるような挙動とはならず、瞬発的なガスの導入によって層全体が持ち上げられるように僅かに浮き、それによって個々の粉粒体材料が僅かに移動、変動し、固化状態を崩す、または固化を事前に防ぐことができる。
なお、ガス貯留部の容量、つまりは瞬発的に導入されるガスの導入量や、ガス貯留部とホッパーとを連通させる管路の内径、瞬発的に導入させるガスの圧力、ガスの導入によるホッパー内の昇圧度合いは、ホッパーに貯留される粉粒体材料の貯留量や種類、減圧手段により減圧されるホッパー内の真空度などに応じて、ホッパー内の粉粒体材料層を上記のように変動させ得る程度に設定するようにすればよい。
また、上記制御部によって上記開閉弁を開放させるタイミングは、例えば、ホッパー下部に設けられた排出ダンパーなどの材料排出部の排出動作を監視しておき、排出がなされた後、次の排出がなされるまでの間に、予め設定された所定の時間を越える度に、開放させるようにしてもよい。または、開閉弁の上流側(ガス貯留部側)に圧力検出手段を設け、該圧力検出手段による検出値が予め設定された所定の圧力値を上回る度に、開放させるようにしてもよい。
【0013】
また、本発明においては、前記ホッパー外周保温部を、前記ホッパーの外周に設けられた加熱手段と、該加熱手段の外周に設けられた断熱材とを備えたものとしてもよい。
このような構成とすれば、ホッパーの放熱をより効果的に防止できるとともに、このホッパー外周保温部の加熱手段によって、ホッパー内の粉粒体材料の昇温を補助することができる。つまり、ホッパー内では、減圧作用と、加熱ガスの供給とによって粉粒体材料を直接的かつ効率的に加熱乾燥処理できるとともに、ホッパーの外周からの伝熱によって間接的に加熱することができる。
【0014】
また、本発明においては、前記加熱ガス供給部を、螺旋状に形成されたガス通気路と、このガス通気路内に当該ガス通気路に沿って配された線状ヒーターとを備えたものとしてもよい。
このような構成とすれば、ホッパー内に供給されるガスを効率的に加熱することができる。つまり、螺旋状のガス通気路内を通過するガスと線状ヒーターとが効率的に接触し、これらの熱交換が、例えば、シーズヒーターやプレートヒーター、放熱フィン付ヒーター等の発熱体を内蔵したヒーターボックス等の加熱器と比べて効率的になされ、該ガスを効率的に加熱することができる。
このように、加熱効率を向上させることができるので、例えば、上記ヒーターボックス等の加熱器と比べて電気容量を比較的、小さいものにでき、省電力化を図ることができるとともに、当該加熱器自体を小型化できる。従って、当該加熱器を、ホッパーに近接した位置や、ホッパーの外周などに設置することができ、熱損失等を低減することができる。
【0015】
また、上記のように螺旋状のガス通気路内を通過するガスを線状ヒーターによって加熱する構成とすることで、比較的、応答性を高めることができる。つまり、上記ガス通気路内を通過する加熱対象であるガスを加熱するための発熱体が線状であるので、発熱体自体の熱容量が比較的、小さくなり、発熱体自体の昇温または降温が比較的、迅速になされる。この結果、螺旋状のガス通気路内を通過するガスの流量の増減がなされるような場合や、外気温の変動、その他の外乱による出口側(ホッパー側)のガスの温度に変動が生じるような場合にも、その増減や変動に伴って、当該線状ヒーターへの通電制御がなされることによる当該加熱器の出口側におけるガスの温度を、比較的、迅速に所定の温度に追従させることができる。つまり、オーバーシュートやアンダーシュートなどが生じ難くなり、ホッパー内に供給される加熱したガスの温度を、比較的、安定した温度にコントロールすることができる。
【0016】
また、本発明においては、前記ガス通気路を、前記ホッパーの外周に周方向に沿って螺旋状に設けるようにしてもよい。
このような構成とすれば、当該ガス通気路に沿って配された線状ヒーターを、ホッパー外周保温部の加熱手段として兼用させることができる。また、ホッパー内に供給するガスを加熱する加熱手段が、ホッパーに極めて近接した位置となり、熱損失をより効果的に低減することができる。
【0017】
また、本発明においては、前記ガス通気路の末端を、ホッパー下端部のすり鉢状に形成された内周壁に開口させ、該内周壁に、該開口を覆うとともに、該開口から吐出されたガスを分散させる多孔板を、該内周壁に沿わせるように設けてもよい。
このような構成とすれば、ガス通気路の末端の開口から分散させてホッパー内に加熱したガスを導入させることができる。
【0018】
また、本発明においては、前記加熱ガス供給部を、前記ホッパー内の略中央に上下に設けられたガス通気管と、このガス通気管の下端部に設けられたガス吐出口とを備えたものとしてもよい。
このような構成とすれば、ホッパー内に上下に設けられたガス通気管を経て、ホッパー内の下端部から加熱されたガスをホッパー内に供給することができる。
また、ホッパー内の粉粒体材料を、ガス吐出口から吐出された加熱ガスによって加熱することができるとともに、当該ガス通気管の外周からの伝熱によっても加熱することができる。これによれば、ホッパー内の粉粒体材料を、より効率的に加熱乾燥処理することができる。特に、加熱手段を備えたホッパー外周保温部を設けた場合には、上記ガス通気管の下端部から吐出される加熱ガスによる直接的な加熱と、ガス通気管の外周及びホッパー外周からの伝熱による間接的な加熱とによって、ホッパー内の粉粒体材料を、より効率的に加熱乾燥処理することができる。
【0019】
また、本発明においては、上記加熱ガス供給部に、ホッパー内へ供給するガスの流量を調整する流量調整部を設けるようにしてもよい。この場合、ホッパー内における粉粒体材料の加熱乾燥処理状態を示す所定の制御要因を検出するための検出手段を設け、この検出手段の検出値に基づいて上記制御部によって上記流量調整部を制御し、当該装置によってなされる粉粒体材料の加熱乾燥処理に適した流量となるように供給する加熱ガスの流量を増減させるようにしてもよい。例えば、上記減圧手段を駆動して上記ホッパー内を減圧しながら、上記検出手段の検出値が予め設定された所定の閾値を上回ったときには、加熱ガスの流量を減少させ、この検出値が上記閾値を下回ったときには、加熱ガスの流量を増加させるように上記流量調整部を制御するようにしてもよい。
【0020】
上記のように流量を増減させる態様に代えて、または加えて、装置の起動時には、ホッパー内に投入された粉粒体材料の全量が、外気温程度であるので、迅速に昇温させるべく、減圧手段を起動させずに、または減圧手段を起動させた状態で、加熱ガスをホッパー内に供給させるように上記制御部によって加熱ガス供給部を制御するようにしてもよい。この際、ホッパー内が大気圧以上であってもよく、または減圧状態であってもよい。また、この際、比較的、大風量の加熱ガスをホッパー内に供給させるようにしてもよい。
一方、ホッパー内の粉粒体材料の加熱処理が所定程度なされた後(例えば、上記検出手段の検出値が予め設定された所定の閾値を上回ったとき、若しくは、その後、所定時間経過したとき、または、予め設定された初期運転時間を経過したとき)は、減圧下で加熱ガスをホッパー内に供給させるように上記制御部によって加熱ガス供給部を制御するようにしてもよい。この際、比較的、小風量の加熱ガスをホッパー内に供給させるようにしてもよい。
上記制御要因としては、ホッパー内の粉粒体材料が加熱乾燥処理されるに従って変動する種々の物理量が挙げられ、例えば、時間、温度、湿度(露点)、圧力(真空度)等が挙げられる。そして、これら制御要因を検出する検出手段としては、これら物理量の変動を検出可能なものとすればよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る粉粒体材料の減圧式乾燥装置は、上述のような構成としたことで、簡易な構造でありながらも、粉粒体材料の加熱乾燥効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る粉粒体材料の減圧式乾燥装置の一実施形態を模式的に示す概略構成図である。
【図2】(a)は、図1におけるX−X線矢視に対応させた一部破断概略平面図、(b)は、同減圧式乾燥装置のホッパー下部を模式的に示す一部破断概略分解側面図である。
【図3】本発明に係る粉粒体材料の減圧式乾燥装置の他の実施形態を模式的に示す概略構成図である。
【図4】(a)、(b)は、いずれも同減圧式乾燥装置が備える加熱ガス供給部を説明するための説明図であり、(a)は、同加熱ガス供給部を模式的に示す概略構成図、(b)は、同加熱ガス供給部の熱交換器を模式的に示す概略正面図である。
【図5】(a)〜(c)は、いずれも本発明に係る粉粒体材料の減圧式乾燥装置に適用される加熱ガス供給部の一変形例をそれぞれ模式的に示す概略構成図、(d)は、本発明に係る粉粒体材料の減圧式乾燥装置に適用されるガス導入口の一変形例を模式的に示す一部破断概略拡大縦断面図である。
【図6】(a)、(b)は、いずれも本発明に係る粉粒体材料の減圧式乾燥装置の更に他の実施形態をそれぞれ模式的に示す概略構成図である。
【図7】(a)、(b)は、いずれも本発明に係る粉粒体材料の減圧式乾燥装置の更に他の実施形態をそれぞれ模式的に示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1及び図2は、本実施形態に係る粉粒体材料の減圧式乾燥装置を説明するための説明図である。
なお、図1,図3〜図7においては、ガスや粉粒体材料を流通させる管路(ガス管路、粉粒体材料輸送管路など)の一部を、実線にて模式的に示している。
また、図2(b)では、後記する断熱材26の図示を省略している。
【0024】
図例の粉粒体材料の減圧式乾燥装置1は、図1に示すように、粉粒体材料が貯留される貯留槽としてのホッパー本体20を備えたホッパー部2と、このホッパー本体20内を減圧する減圧手段3と、ホッパー本体20内に加熱したガスを供給する加熱ガス供給部4と、制御盤8とを備えている。
ホッパー部2の投入側(上方側)には、材料投入部6が設けられ、ホッパー部2の排出側(下方側)には、材料排出部7が設けられている。
また、図例では、当該減圧式乾燥装置1は、フレーム状に枠組みされるとともに、下部にキャスターを有した機台10に設置されている。
【0025】
ホッパー部2のホッパー本体20は、ステンレスやアルミニウム等の金属材料等で製され、上部が円筒形状、下部が逆円錐形状とされており、このホッパー本体20の下端部には材料排出管20aが連成されている。
ホッパー本体20の内方空間の下方側部位には、貯留した粉粒体材料を下部側(下層側)から順にスムーズに排出させるための整流部としての円錐形状の先入れ先出し傘20bが設けられている。
また、逆円錐形状とされた下部の内周壁は、すり鉢状に形成されており、その下部内周壁には、加熱ガス供給部4を経て加熱されたガスをホッパー本体20内へ導入するための内周壁開口21が設けられている(図2(a)も参照)。この内周壁開口21は、下部内周壁の下端近傍、つまり材料排出管20aの近傍に設けられている。
【0026】
また、この下部内周壁には、図2(a)に示すように、内周壁開口21を覆うとともに、下部内周壁に沿うように多孔板22が設けられている。この多孔板22には、多数の通気孔22aが開設されており、これら通気孔22aは、ガスの流通が可能で、ホッパー本体20内に貯留される粉粒体材料の通過を阻止する孔径とされている。
内周壁開口21からホッパー本体20内に吐出、供給された加熱ガスは、この多孔板22によって、ホッパー本体20内に分散して供給される。つまり、内周壁開口21から吐出された加熱ガスは、多孔板22と、この多孔板22によって覆われている下部内周壁との間の空間を周方向及び上下方向に沿って拡散されながら、多数の通気孔22aを経てホッパー本体20内に導入される。
【0027】
なお、図例では、通気孔22aの形状を円形状としたものを示しているが、矩形状や楕円状、長孔状、六角形状等、他の形状とされたものとしてもよい。また、通気孔22aの配列態様も図例のように、ホッパー本体20の平面視における円心を中心として放射状に配列されたものに限られず、千鳥状や並列状に配列されたものとしてもよい。さらに、このような多孔板としては、図例のようなパンチング加工によって多数の通気孔を形成したものに限られず、メッシュ状や網状の多孔板としてもよい。
また、通気孔の孔径は、粉粒体材料によっては、平均粒径から乖離した微粉状のものが含まれる場合があり、このような微粉状のものまでの通過を阻止する孔径とする必要はない。
さらに、この多孔板22は、図1のように、下部内周壁の下端縁近傍から下部内周壁の1/3〜1/2程度の高さの部位までを覆うように設けるようにしてもよく、下部内周壁の概ね全体を覆うように設けるようにしてもよい。このような多孔板22による下部内周壁を覆う度合いは、すり鉢状に形成された下部内周壁の錐面のなす立体角や、多孔板の開口率、孔径等に応じて、ホッパー本体20内の概ね全体に加熱ガスを分散して供給し得るように設定すればよい。
さらにまた、多孔板22の表面と、ホッパー本体20の内周壁面とが略面一状となるように、または、多孔板22の表面がホッパー本体20の内周壁面よりも段落ち状に外周側に位置するように、ホッパー本体20の内周壁を二重構造乃至は段差形状としてもよい。
【0028】
ホッパー本体20の円筒形状とされた上部側の上端は、上方に向けて開口しており、該上端には、該開口を気密的に封止するための蓋体20cが着脱自在に設けられている。この蓋体20cの上面には、減圧手段としての真空ポンプ(真空発生器)3に接続された真空吸引管路11が接続される吸引管路接続部が設けられている。この吸引管路接続部及び蓋体20cには、後記する材料投入部6の材料投入貯留管63と、当該ホッパー本体20の内方空間とを連通させる開口部が設けられている。また、該吸引管路接続部には、ホッパー本体20内において生じる水分等を含んだガスを、真空吸引管路11に向けて排出するためのガス排出口23が設けられている。
なお、蓋体20cの上部にガス排出口23を有した上記吸引管路接続部を設ける態様に代えて、ホッパー本体20の上部外周部に、当該ホッパー本体20内に開口するガス排出口を有した吸引管路接続部を設けるような態様としてもよい。
【0029】
このホッパー本体20の上部には、ホッパー本体20内に貯留される粉粒体材料の材料レベルを検出するためのホッパー材料センサ(レベル計)24と、ホッパー本体20に貯留された粉粒体材料層を通過したガスの温度を検出する検出手段としての温度センサ(材料層通過温度検出用センサ)25とが設けられている。
本実施形態では、ホッパー材料センサ24は、粉粒体材料の有無によるアーム部の揺動によってリミットスイッチのON/OFFがなされることにより、ホッパー本体20内の材料レベルが、満レベルであるか、所定レベルまで低下したかを検出する態様としているが、ホッパー本体20内の材料レベルを検出可能なものであればどのようなレベル計でもよい。
【0030】
材料層通過温度検出用センサ25は、本実施形態では、ホッパー本体20内に貯留されている粉粒体材料が満レベルまで貯留されている状態において、その粉粒体材料の最上層部からホッパー本体20の上端部を封止する蓋体20cまでの空間に、その検出部が臨むように配設されている。つまり、この材料層通過温度検出用センサ25は、ホッパー本体20内に貯留されている粉粒体材料層の上方空間(材料非貯留空間)の雰囲気温度を測定している。
これらホッパー材料センサ24及び材料層通過温度検出用センサ25は、後記する制御盤8に設けられた制御部としてのCPU80に信号線等を介して接続されている。
なお、図例では、蓋体20cを貫通してホッパー材料センサ24及び材料層通過温度検出用センサ25を設けた例を示しているが、ホッパー本体20の上部外周壁を貫通させて、これらを設けるような態様としてもよい。
【0031】
また、ホッパー本体20の外周には、ホッパー外周保温部40,26が設けられている。本実施形態では、後記する加熱ガス供給部4の螺旋状ガス加熱部40と、この螺旋状ガス加熱部40を被装するように外周に設けられた断熱材26とによってホッパー外周保温部を構成している。
断熱材26としては、各種フォーム系(発泡系)断熱材や繊維系断熱材、樹脂系断熱材としてもよい。または、例えば、多孔質のウレタンフォーム、シリカなどの粉末若しくはグラスファイバーなどの繊維で芯材を形成し、その芯材をガスバリア性の金属フィルムなどの包装材で外装して真空吸引することにより形成された真空断熱材等としてもよい。
【0032】
真空ポンプ3は、真空吸引管路11を介してホッパー本体20の上部に設けられたガス排出口23に接続されており、ホッパー本体20に貯留された粉粒体材料を、減圧作用によって乾燥処理するために駆動され、ホッパー本体20内を減圧するための減圧手段を構成する。
この真空ポンプ3の吸引方向上流側(排気側とは異なる側)には、当該真空ポンプ3に塵埃や揮発物質等が導入されないようにするため、また、真空ポンプ3から装置外に排気されるガスを清浄化するためにフィルタ11aが設けられている。
ここに、真空ポンプ3によってなされるホッパー本体20内の減圧状態は、ホッパー本体20内が大気圧より低い圧力状態となる真空状態を指すが、加熱ガスの導入によって一時的にホッパー本体20内の圧力が大気圧以上となる場合を含む。
なお、真空ポンプ3に代えて、例えば、エジェクタ装置等の他の真空発生器を採用するようにしてもよい。
【0033】
この真空ポンプ3は、例えば、ホッパー本体20内の到達真空度が、50kPa(abs)〜4kPa(abs)程度となるよう減圧できるポンプを採用するようにしてもよく、好ましくは、20kPa(abs)〜4kPa(abs)程度となるよう減圧できるポンプを採用するようにしてもよい。また、真空ポンプ3は、ホッパー本体20の容量等に応じて数秒程度の比較的、短時間でホッパー本体20内が所定の真空度に到達する程度の排気速度(排気量)とされたものとしてもよい。
このような真空ポンプ3は、後記する加熱ガス供給部4によってホッパー本体20内に最大風量のガスが導入された際にも、ホッパー本体20内が大気圧より低い圧力状態となるようなものとしてもよい。
また、図例では、真空ポンプ3を、一段のみで構成したものを例示しているが、ホッパー本体20の容量や所望する到達真空度等に応じて、例えば、真空ポンプを複数設けた多段構成としてもよい。
また、真空ポンプ3の吸引方向上流側には、図示を省略しているが、真空度を検出するための圧力センサや圧力ゲージ等の圧力計、大気開放弁などが設けられている。
【0034】
材料投入部6は、ホッパー部2の上部に設けられた上記吸引管路接続部の上方に設けられており、本実施形態では、粉粒体材料を貯留する材料貯留タンク9などの材料貯留部から材料輸送管15を介して輸送される粉粒体材料を捕集する捕集器60と、この捕集器60の下方に連設された第1スライド弁61と、この第1スライド弁61の下方に連設された上記同様の吸引管路接続部と、該吸引管路接続部の下方に連設され、捕集器60からの粉粒体材料を受け入れて、一時的に貯留する材料投入貯留管63と、該材料投入貯留管63の下方に連設された第2スライド弁65とを備えている。
【0035】
捕集器60は、吸引方式によって材料貯留タンク9に貯留された粉粒体材料を捕集する構成とされており、その空気吸引管接続部が、材料輸送用ブロワ13に空気吸引管14を介して接続されている。また、捕集器60の材料輸送管接続部に材料貯留タンク9からの材料を輸送するための材料輸送管15が接続されている。なお、図1において、符号14aは、材料輸送用ブロワ13の吸引方向上流側に配された上記同様のフィルタである。
第1スライド弁61は、弁体ケーシング内に、透孔部と閉塞部とを有したスライド弁体をスライド自在に収容し、このスライド弁体を、エアシリンダ等からなるスライド弁駆動部によってスライドさせることで開閉されるスライド式弁装置とされている。
この第1スライド弁61のスライド弁体は、上記スライド弁駆動部によってスライド移動されることで、上記透孔部を捕集器60の排出口に整合させて該排出口と吸引管路接続部を上下に貫通する開口部及び材料投入貯留管63とを連通させる補給位置と、捕集器60の排出口と上記吸引管路接続部の開口部及び材料投入貯留管63との連通を上記閉塞部によって遮断する遮断位置とに切り替え制御される。
【0036】
上記吸引管路接続部の開口部は、第1スライド弁61のスライド弁体の透孔部と材料投入貯留管63とを連通させる構成とされ、該開口部には、当該吸引管路接続部に接続される真空吸引管路12に向けて材料投入貯留管63内のガスを排出するためのガス排出口62が設けられている。
真空吸引管路12は、上記した真空ポンプ3に接続された真空吸引管路11に接続されており、この真空吸引管路12には、当該真空吸引管路12を開閉するための開閉弁としての第1電磁弁66が設けられている。
材料投入貯留管63には、当該材料投入貯留管63の材料有無を検出するための投入管材料センサ64が設けられている。
この材料投入貯留管63は、投入管材料センサ64の種類にもよるが、例えば、透明のガラス管等とされており、その容量は、ホッパー本体20に設けられたホッパー材料センサ24の材料レベル低下の検出に伴ってなされる一投入動作によって、ホッパー本体20内に投入可能な程度としてもよい。
投入管材料センサ64は、材料投入貯留管63内の粉粒体材料の貯留有無を検出可能なものであれば、どのようなものでもよいが、例えば、静電容量式レベル計(近接センサ)としてもよい。
【0037】
第2スライド弁65は、上記第1スライド弁61と同様の構成であり、透孔部及び閉塞部を有したスライド弁体、これをスライド自在に収容する弁体ケーシング、及びスライド弁体をスライドさせるスライド弁駆動部等を有している。
この第2スライド弁65のスライド弁体は、上記スライド弁駆動部によってスライド移動されることで、上記透孔部を材料投入貯留管63の下端排出口に整合させて該下端排出口と、ホッパー本体20の上部に設けられた上記吸引管路接続部の開口部及び蓋体20cの上記開口部とを連通させて、材料投入貯留管63とホッパー本体20の内方空間とを連通させる投入位置と、材料投入貯留管63の下端排出口と上記吸引管路接続部の開口部及び蓋体20cの上記開口部との連通を上記閉塞部によって遮断することで、材料投入貯留管63とホッパー本体20とを気密的に分離する遮断位置とに切り替え制御される。
【0038】
このような構成とされた材料投入部6では、ホッパー材料センサ24からの材料要求信号に基づいて、制御盤8に設けられたCPU80によって制御されて、以下のように投入動作が実行される。
ホッパー材料センサ24からの材料要求信号(OFF信号)、及び当該材料投入部6の投入管材料センサ64からの材料要求信号(OFF信号)が出力されていない状態では、第1スライド弁61及び第2スライド弁65は閉止され、また、材料投入貯留管63内には、所定量の粉粒体材料が貯留されている。
ホッパー材料センサ24から材料要求信号が出力されれば、第1電磁弁66を所定時間、開放させて、材料投入貯留管63内を真空ポンプ3によって真空状態にする。
【0039】
上記のように第1電磁弁66を開放させた後、所定の第1時間が経過すれば、上記第2スライド弁65を所定の第2時間が経過するまで開とする。つまり、第2スライド弁65のスライド弁体を上記投入位置に切り替えて、材料投入貯留管63内に貯留された粉粒体材料を、ホッパー部2のホッパー本体20内に投入する。
上記第1時間は、第1電磁弁66を開放させることでなされる材料投入貯留管63内の真空度が、ホッパー本体20内の真空度と概ね同程度となるように設定される。材料投入貯留管63の容量は、ホッパー本体20の容量に比べて、非常に小さく、また、ガスの導入等がなされておらず、瞬時に所定の真空度に達するので、上記第1時間は、1秒以下または数秒程度の短い時間としてもよい。
また、上記第2時間は、材料投入貯留管63内に貯留された粉粒体材料の全量がホッパー本体20内に投入可能な時間以上に設定すればよい。
上記状態では、材料投入貯留管63内の粉粒体材料がホッパー本体20に投入されて、材料投入部6の投入管材料センサ64から材料要求信号が出力されるが、第2スライド弁65が閉とされるまでは、材料投入貯留管63への材料補給は行わないようにしている。
【0040】
上記所定時間が経過すれば、第1電磁弁66及び第2スライド弁65を閉とし、その後、材料輸送用ブロワ13を駆動し、第1スライド弁61を所定の第3時間が経過するまで開とする。
これにより、材料貯留タンク9から粉粒体材料が捕集器60に向けて材料輸送管15を介して輸送され、捕集器60から材料投入貯留管63に補給される。
この粉粒体材料の投入・補給動作は、ホッパー材料センサ24からの材料要求信号の出力がなされている間は、繰り返しなされる。
【0041】
上記のように、本実施形態に係る材料投入部6を用いてホッパー本体20への粉粒体材料の投入動作を行う態様とすることで、真空ポンプ3によって所定の減圧状態とされるホッパー本体20の減圧状態を破壊するようなことがない。これにより、ホッパー本体20内において、後記するように加熱乾燥処理される粉粒体材料の加熱乾燥効率を、より効果的に高めることができる。
なお、ホッパー本体20内の減圧状態を破壊(真空破壊)させることなく、ホッパー本体20に材料を投入し得る材料投入部6としては、図例のものに限られず、他の材料投入部を採用するようにしてもよい。または、このような態様に代えて、捕集器の下部に開閉バルブを設けて、開閉バルブが開放された際には、ホッパー本体20内の減圧状態が破壊されるような材料投入部を採用するようにしてもよい。
【0042】
材料排出部7は、ホッパー本体20の下端部に連成された材料排出管20aの下方に設けられており、ホッパー本体20の下端排出口となる材料排出管20aから排出された粉粒体材料を受け入れる計量輸送タンク74と、この計量輸送タンク74を移動させるスライド式弁装置とを備えている。このスライド式弁装置は、計量輸送タンク74の上端部が固着されたスライド弁体71と、スライド弁体71をスライド自在に支持する弁体ハウジング70と、スライド弁体71をスライドさせるためのエアシリンダ等からなるタンクスライド弁駆動部72とを備えている(図2(b)も参照)。
【0043】
弁体ハウジング70の上面には、樹脂成形機19等の加工機上に設置された一時貯留ホッパー19aに向けて粉粒体材料を輸送するための材料輸送管17が接続される材料輸送管接続部73が設けられている。この一時貯留ホッパー19aには、空気吸引管18が接続されており、この空気吸引管18の末端には、上記同様のブロワが設けられている。また、この一時貯留ホッパー19aの材料投入貯留管には、成形機側材料センサ19bが付設されている。
また、弁体ハウジング70の天板部には、ホッパー本体20の材料排出管20aに連通する材料受け入れ開口部と、材料輸送管接続部73に連通接続された材料輸送側開口部とがスライド方向に沿って所定間隔を隔てて設けられている。この所定間隔は、後記するスライド弁体71が待機位置とされた際に、その透孔部が、これら材料受け入れ開口部及び材料輸送側開口部のいずれにも整合せずに、当該弁体ハウジング70の天面(天板部)によってスライド弁体71の透孔部の閉塞が可能な程度の間隔とすればよい。
【0044】
スライド弁体71は、タンクスライド弁駆動部72によるスライド移動を伴って、上記材料受け入れ開口部及び材料輸送側開口部に連通する透孔部と、上記材料受け入れ開口部を閉塞する閉塞部とを有している。
このスライド弁体71は、タンクスライド弁駆動部72によってスライド移動されて、上記材料受け入れ開口部と上記透孔部とを連通させる計量位置と、該材料受け入れ開口部を上記閉塞部によって閉塞して遮断する待機位置と、上記透孔部と上記材料輸送側開口部とを連通させるとともに、該材料受け入れ開口部を上記閉塞部によって閉塞して遮断する輸送位置とに切り替え制御される。
【0045】
計量輸送タンク74は、その上端部開口をスライド弁体71の上記透孔部に整合させて、スライド弁体71の下面に固着されている。つまり、上記計量位置では、当該計量輸送タンク74とホッパー本体20の材料排出管20aとが連通し、上記待機位置では、当該計量輸送タンク74の上端部開口が弁体ハウジング70の天面によって閉塞され、上記輸送位置では、当該計量輸送タンク74と材料輸送管17とが連通する。
この計量輸送タンク74の外周部には、ホッパー本体20の材料排出管20aから投入される粉粒体材料の貯留レベルを検出するためのタンク材料センサ76が設けられている。このタンク材料センサ76が計量手段として機能し、計量輸送タンク74内に所定量の粉粒体材料が貯留されたことを検出する。
また、この計量輸送タンク74の下端部には、ガスの流通が可能で粉粒体材料の通過を阻止するガス流通網やガスの流通が可能とされた多孔質体などのフィルタからなるガス流通部75が設けられており、このガス流通部75には、ガス流通管路16が接続されるガス流通管接続部が設けられている。
【0046】
ガス流通管路16は、計量輸送タンク74内の空気を吸引、または計量輸送タンク74内に外気を導入する構成とされており、図例では、真空吸引管路11に接続された吸引管16aと、外気を導入するための外気導入管16bとに分岐している。
吸引管16aには、当該吸引管16aを開閉するための開閉弁としての第2電磁弁77が配設されており、外気導入管16bには、上記同様のフィルタが設けられるとともに、当該外気導入管16bを開閉するための開閉弁としての第3電磁弁78が配設されている。
【0047】
このような構成とされた材料排出部7では、成形機側材料センサ19bからの材料要求信号に基づいて、制御盤8に設けられたCPU80によって制御されて、以下のように排出動作が実行される。
成形機側材料センサ19bから材料要求信号が出力されれば、計量輸送タンク74を、タンクスライド弁駆動部72によって、上記待機位置から上記計量位置に移動させる。
【0048】
上記待機位置では、スライド弁体71の上記透孔部は、弁体ハウジング70の天面によって閉塞されており、この状態で、吸引管16aに配された第2電磁弁77を開とすることで、真空ポンプ3による吸引によって、計量輸送タンク74内は、真空状態となる。また、この待機位置では、スライド弁体71の上記閉塞部によって、ホッパー本体20の材料排出管20aが気密的に封止されている。
この計量輸送タンク74が上記待機位置から上記計量位置に移動される際には、第2電磁弁77の開状態を継続させており、該計量位置では、スライド弁体71の上記透孔部がホッパー本体20の材料排出管20aに連通し、ホッパー本体20内の粉粒体材料が計量輸送タンク74に向けて投入される。つまり、計量輸送タンク74は、その真空状態が維持されたまま、ホッパー本体20の材料排出管20aに連通される。
【0049】
上記計量位置において、計量輸送タンク74に設けられたタンク材料センサ76が満信号を出力すれば、計量輸送タンク74を、上記計量位置から上記輸送位置に移動させる。また、第2電磁弁77を閉、第3電磁弁78を開とし、成形機側ブロワ(不図示)を、所定の第4時間が経過するまで駆動させる。
上記輸送位置では、スライド弁体71の上記透孔部が弁体ハウジング70に設けられた上記材料輸送側開口部を介して材料輸送管接続部73に連通し、スライド弁体71の上記閉塞部によって、ホッパー本体20の材料排出管20aが気密的に封止された状態となる。また、外気導入管16bからの外気導入を伴って、成形機側ブロワの駆動による吸引空気によって、計量輸送タンク74内に貯留された粉粒体材料が、材料輸送管17を介して、一時貯留ホッパー19aに向けて輸送される。
上記第4時間は、計量輸送タンク74内に貯留された粉粒体材料の全量を一時貯留ホッパー19aに向けて輸送可能な時間以上に設定すればよい。
【0050】
上記第4時間が経過し、かつ、成形機側材料センサ19bの材料要求信号の出力が継続されている場合は、第2電磁弁77を開、第3電磁弁78を閉とし、所定の第5時間が経過するまで、上記計量輸送タンク74を上記計量位置に位置させる。
この第5時間は、上記輸送位置において真空破壊された計量輸送タンク74内を所定の真空状態(ホッパー本体20と概ね同程度の真空状態)となるまでに要する時間とすればよい。
上記第5時間が経過すれば、計量輸送タンク74を、上記待機位置から上記計量位置に移動させ、上記同様、計量輸送タンク74内に所定量の粉粒体材料を貯留させ、タンク材料センサ76が満信号を出力すれば、計量輸送タンク74を上記計量位置から上記輸送位置に移動させ、また、第2電磁弁77を閉、第3電磁弁78を開とし、成形機側ブロワを、上記第4時間が経過するまで駆動させる。
【0051】
この計量・輸送動作によって粉粒体材料が一時貯留ホッパー19aに輸送されて、成形機側材料センサ19bから満信号が出力されれば、計量・輸送動作を停止し、計量輸送タンク74を上記のように待機位置に位置させる。
以降、同様に、上記成形機側材料センサ19bからの材料要求信号によって、上記計量・輸送動作の実行が繰り返しなされる。
【0052】
上記のように、本実施形態に係る材料排出部7を用いて上記ホッパー本体20からの粉粒体材料の排出動作を行う態様とすることで、真空ポンプ3によって所定の減圧状態とされるホッパー本体20の減圧状態を破壊するようなことがない。これにより、ホッパー本体20内において、後記するように加熱乾燥処理される粉粒体材料の加熱乾燥効率を、より効果的に高めることができる。また、排出動作に伴って、ホッパー本体20内の粉粒体材料が外気等に晒されることがない。
なお、上記成形機側ブロワは、材料投入部6における投入・補給動作と、材料排出部7における計量・輸送動作とが、別のタイミングでなされるように制御される場合等においては、空気吸引管18を、切り替え弁等を介して、材料輸送用ブロワ13に接続された空気吸引管14に接続して、材料輸送用ブロワ13を、樹脂成形機19への材料輸送用ブロワとして兼用するようにしてもよい。
【0053】
また、ホッパー本体20内の減圧状態を破壊(真空破壊)させることなく、ホッパー本体20からの材料を排出し得る材料排出部7としては、図例のものに限られず、他の材料排出部を採用するようにしてもよい。若しくは、このような態様に代えて、ホッパー本体20の下部に開閉バルブを介して貯留タンク等を設けて、開閉バルブが開放された際には、ホッパー本体20内の減圧状態が破壊されるような材料排出部を採用するようにしてもよい。
または、上記各態様に代えて、当該ホッパー本体20を、例えば、樹脂成形機19等の加工機の投入口に直接または一時貯留ホッパー等を介して設置するような態様の場合には、材料投入部6と同様の構成とした材料排出部を採用するようにしてもよい。このような態様によっても、ホッパー本体20内の減圧状態を破壊(真空破壊)させることなく、ホッパー本体20からの材料を排出し得る構成となる。
【0054】
加熱ガス供給部4は、螺旋状ガス加熱部40と、この螺旋状ガス加熱部40にガスを供給するとともに、流量調整部を有したガス供給部50とを備えている。
螺旋状ガス加熱部40は、図1及び図2に示すように、ホッパー本体20の外周に周方向に沿って巻回されるように螺旋状に設けられたガス通気路としての螺旋状ガス管路41と、この螺旋状ガス管路41内に挿入された線状発熱体を有した線状ヒーター42(図2(b)参照)とを備えている。この螺旋状ガス加熱部40は、上述のように、本実施形態では、ホッパー外周保温部を構成し、その線状ヒーター42がホッパー外周保温部の加熱手段としても機能する。
この螺旋状ガス管路41の末端の接続部は、図2(b)に示すように、ホッパー本体20の内周壁開口21に連通しており、この接続部には、当該螺旋状ガス加熱部40の出口側のガスの温度、つまり、ホッパー本体20に導入されるガスの温度を検出するためのガス温度センサ43が設けられている。
【0055】
螺旋状ガス管路41は、本実施形態では、図1に示すように、ホッパー本体20の外周側面の上端部近傍部位を基端として、ホッパー本体20の外周側面に沿って設けられており、その上下の概ね全体に亘って配設され、その末端がホッパー本体20の外周側面の下端部近傍部位に設けられた上記接続部に接続されている。つまり、本実施形態では、螺旋状ガス管路41は、ホッパー本体20の円筒形状とされた上部の外周、及び逆円錐形状とされた下部の外周の概ね全体に亘って配設されている。また、図例では、螺旋状ガス管路41は、隣接する管路同士を比較的、近接乃至は当接させるようにして巻回されている。
この螺旋状ガス管路41は、例えば、内径が4mm〜30mm程度、管路長さが1m〜10m程度の銅管等を螺旋状に屈曲させて形成されている。このような螺旋状ガス管路41の内径や管路長さは、ホッパー本体20内に導入する加熱ガスの流量やホッパー本体20の外郭形状等に応じて設定すればよい。
また、この螺旋状ガス管路41の基端部は、三方継手等を介して、後記するガス供給部50のガス供給管56に接続されている。
【0056】
線状ヒーター42は、例えば、螺旋状ガス管路41の上記基端部に設けられた三方継手等の接続口から線状発熱体を挿入し、その接続口を当該線状ヒーター42の端子部で封止して設けられている。
この線状ヒーター42の線状発熱体は、ニクロム線等の発熱線を、絶縁材で被覆して構成されており、螺旋状ガス管路41内に当該螺旋状ガス管路41の長手方向に沿って配されている。
この線状ヒーター42の線状発熱体は、螺旋状ガス管路41の上記基端部から螺旋状ガス管路41の長手方向の全長に亘って配設するようにしてもよく、上記基端部から、例えば、少なくとも2/3程度を超えた部位に達するまで配設するようにしてもよい。
なお、この線状ヒーター42の線状発熱体の径は、例えば、数mm程度としてもよい。また、線状ヒーター42の線状発熱体の長さは、螺旋状ガス管路41の長さ未満とすればよく、粉粒体材料の種類や初期水分率等により設定される目標加熱温度や当該線状発熱体自体の発熱量等に応じて設定するようにしてもよい。
これら線状ヒーター42と螺旋状ガス管路41とを含んだ加熱器(ガス加熱手段)は、上記銅管内に、線状ヒーター42の線状発熱体を挿入させた後、上記のように螺旋状に銅管を屈曲させて形成するようにしてもよい。
【0057】
この螺旋状ガス加熱部40の線状ヒーター42は、ガス温度センサ43の測定温度信号(検出温度)に基づいて、ホッパー本体20内に供給する加熱ガスの温度が予め設定された所定の温度となるように、制御盤8に設けられたCPU80によってON/OFF制御またはPID制御等の通電の制御がなされる。上記所定の温度は、粉粒体材料の種類や初期水分率等により設定される目標加熱温度、ホッパー本体20の容量や次の処理工程(樹脂成形機19や該樹脂成形機19上に設置された一時貯留ホッパー19a、その他の加工機等(不図示))に向けて一度に排出される排出量等に応じて設定可能であるが、例えば、80℃〜160℃程度としてもよい。
【0058】
このように、ホッパー本体20内に供給するガスを加熱する加熱器を、線状ヒーター42を挿入した螺旋状ガス管路41によって構成することで、螺旋状ガス管路41を通過するガスを、線状ヒーター42によって効率的に加熱することができる。すなわち、螺旋状ガス管路41内を通過するガスと線状ヒーター42の線状発熱体とが効率的に接触し、これらの熱交換が、例えば、シーズヒーターやプレートヒーター、放熱フィン付ヒーター等の発熱体を内蔵したヒーターボックス等の加熱器と比べて、効率的になされ、該ガスを効率的に加熱することができる。このように、ガスの加熱効率を向上させることができるので、例えば、上記ヒーターボックス等の加熱器と比べて、電気容量を比較的、小さいものにでき、省電力化を図ることができるとともに、当該加熱器自体を小型化できる。また、本実施形態のように、ホッパー本体20の外周側面に沿って設けることで、熱損失等を低減することができるとともに、ホッパー本体20の外周を加熱することができる。
【0059】
また、上記のように螺旋状ガス管路41内を通過するガスを線状ヒーター42によって加熱する構成としているので、比較的、応答性を高めることができる。すなわち、螺旋状ガス管路41内を通過する加熱対象であるガスを加熱するための発熱体が線状発熱体であるので、発熱体自体の熱容量が比較的、小さくなり、発熱体自体の昇温または降温が比較的、迅速になされる。この結果、螺旋状ガス管路41を通過するガスの流量の増減や、外気温の変動、その他の外乱による出口側(ホッパー側)のガスの温度の変動に伴って、線状ヒーター42への通電制御がなされることによる螺旋状ガス管路41の出口(ホッパー本体20内に開口する内周壁開口21)におけるガスの温度を、比較的、迅速に所定の温度に追従させることができる。すなわち、オーバーシュートやアンダーシュートなどが生じ難くなり、ホッパー本体20内に導入される加熱したガスの温度を、比較的、安定した温度にコントロールできる。
【0060】
つまりは、従来のヒーターボックス型の加熱器を採用し、ホッパー本体内に供給する加熱ガスの流量を増減させる制御を実行する場合において、特に、比較的、小流量のガスを加熱する際には、ボックス内に導入されたガスがボックス内に配されたシーズヒーター等の発熱体の全体に均一に接触せず、つまり、全体との熱交換がなされず、該発熱体の一部に接触して短絡経路を辿るようにして導出されることが考えられる。この結果、該発熱体に局所的な過熱が生じる場合があり、該発熱体が損傷することも考えられる。また、このような局所的な過熱が生じた状態で、流量を増加させれば、出口側の温度が所定温度よりも急激に上昇する(オーバーシュート)場合があり、安定的な温度コントロールが困難となることが考えられる(逆も同様の現象が生じることが考えられる)。さらに、このようなヒーターボックス型の加熱器では、ボックス内から導出側の管路へ導出される際に、圧力損失が大きくなることも考えられる。
一方、上記構成とされた本実施形態に係る減圧式乾燥装置1が備える螺旋状ガス加熱部40によれば、上述のようなことを防止することができる。
【0061】
さらに、本実施形態では、ホッパー本体20の外周に、ホッパー外周保温部の加熱手段としての螺旋状ガス加熱部40を設けており、この螺旋状ガス加熱部40の基端をホッパー本体20の上部外周に配置する一方、その末端をホッパー本体20の外周下端部に配置した構成としている。従って、螺旋状ガス管路41を送気されるガスは、ホッパー本体20の外周を上部側から下部側に向けて徐々に、その管内に設けられた線状ヒーター42によって所定温度まで昇温される。この結果、例えば、螺旋状ガス加熱部の基端及び末端を上下逆にして配置する場合と比べて、ホッパー本体20内の特に下層側の粉粒体材料、つまり、十分に加熱処理する必要がある粉粒体材料を、内周壁からの熱伝導によって効率的に加熱することができる。
【0062】
なお、ホッパー本体20内に供給するガスを加熱する加熱器としては、上記のような螺旋状ガス加熱部40に限られず、他の加熱器を採用するようにしてもよい。例えば、シーズヒーターやプレートヒーター等の発熱体をボックス状のガス加熱部内に配設し、該ボックス状ガス加熱部内の該発熱体によってガスを加熱する構成とされたようなヒーターボックスとしてもよい。
または、発熱体として面状のセラミック(半導体)ヒーターを内蔵した多数の放熱フィン、若しくはセラミックヒーターに付設された多数の放熱フィンを組み合わせて、多数のガス流通路をガス通過方向に沿って形成した放熱フィン付ヒーターとしてもよい。その他、上記以外の加熱器を採用するようにしてもよい。
【0063】
ガス供給部50は、ガス源5,5Aからのガスを切り替えて供給する供給ガス切替手段と、ガス通過管路を通過するガスの流量を調整する流量調整部とを有している。
上記ガス源は、本実施形態では、圧縮空気を供給する圧縮空気源5と、フィルタ52bを介して大気開放された外気を導入する導入源5Aとを備えている。
圧縮空気源5は、例えば、コンプレッサー等の圧縮機によって圧縮された空気を、アフタークーラ、ドレンセパレータ等を介して蓄える空気タンク等としてもよい。このような圧縮空気源5は、当該減圧式乾燥装置1専用の圧縮空気源5を設けるようにしてもよいが、空気圧機器が設置される工場等においては、上記のような圧縮空気源5が工場設備として設けられているのが一般的であるので、その設備を利用するようにしてもよい。
なお、圧縮空気源5に圧縮空気を供給、遮断するための電磁弁などの開閉弁を設けるようにしてもよい。
【0064】
圧縮空気源5には、乾燥空気導入管路51の一端部が接続されており、この乾燥空気導入管路51には、圧縮空気源5から他端側に向けて、調質ユニット51bと、ドライヤー51cと、圧縮空気源5を介して導入される乾燥空気を供給、遮断するための開閉弁としての第4電磁弁51aとがこの順に配設されている。
調質ユニット51bとしては、圧縮空気(コンプレッサーエアー)の圧力を調整するためのレギュレータや塵埃等を捕捉するためのフィルタ、ミスト状のオイル等を捕捉するためのマイクロミストセパレータ(オイルミストフィルタ)等を備えたものとしてもよい。
ドライヤー51cは、上記コンプレッサーエアーを適度に乾燥させるためのものであって、例えば、中空糸膜式のドライヤー等、簡易型のドライヤーとしてもよい。このドライヤー51cを通過したコンプレッサーエアーの露点は、例えば、−10℃〜−40℃程度の比較的、低露点となるようにしてもよい。
【0065】
導入源5Aのフィルタ52bには、外気導入管路52の一端部が接続されており、この外気導入管路52には、フィルタ52bを介して導入される外気を供給、遮断するための開閉弁としての第6電磁弁52aが配設されている。
これら乾燥空気導入管路51及び外気導入管路52のそれぞれの他端部は、三方継手等を介して、導入側管路53の一端部に接続されている。
この導入側管路53の他端部には、三方継手等を介して、複数本(本実施形態では、2本)の分岐管路54,55(第1分岐管路54、第2分岐管路55)の一端部がそれぞれ接続されている。
第1分岐管路54には、流量を調整するための流量制御弁としてのニードルバルブ54aが配設されており、第2分岐管路55には、当該第2分岐管路55を通過するガスを供給、遮断するための開閉弁としての第5電磁弁55aが配設されている。
各分岐管路54,55のそれぞれの他端部は、三方継手等を介して、加熱部側管路56の一端部に接続されており、この加熱部側管路56の他端部は、螺旋状ガス加熱部40の螺旋状ガス管路41の上記基端に接続されている。
【0066】
上記構成とされたガス供給部50においては、第4電磁弁51aを開、第6電磁弁52aを閉とすれば、導入側管路53に向けて、圧縮空気源5からのコンプレッサーエアー(乾燥空気)の導入が、乾燥空気導入管路51を介して可能となる。一方、第4電磁弁51aを閉、第6電磁弁52aを開とすれば、導入側管路53に向けて、導入源5Aからの外気の導入が、フィルタ52b及び外気導入管路52を介して可能となる。つまり、これら第4電磁弁51a及び第6電磁弁52aを選択的に開閉制御することで、乾燥空気と外気とを選択的に導入可能とし、これら第4電磁弁51a及び第6電磁弁52aが供給ガス切替手段として機能する。また、第4電磁弁51a及び第6電磁弁52aの両方を閉とすれば、ガスの導入が停止される構成とされている。
【0067】
このように、乾燥空気と外気とを選択的に切り替えて、螺旋状ガス加熱部40へ供給し得る態様、つまりはホッパー本体20内に導入し得る態様とすることで、例えば、夏季等の比較的、外気の湿度が高い場合には、乾燥空気導入管路51を介して乾燥空気を導入させるようにしたり、冬季等の比較的、外気の湿度が低い場合には、外気導入管路52を介して外気を導入させるようにしたりすることができる。また、例えば、当該減圧式乾燥装置1の起動時等、運転初期の段階では、ホッパー本体20に貯留された粉粒体材料を昇温させることに重点を置き、加熱した外気を導入させ、ある程度、昇温した後には、粉粒体材料を乾燥させることに重点を置いて、加熱した乾燥空気を導入させるような制御態様を採用することもできる。
【0068】
なお、本実施形態では、第4電磁弁51a及び第6電磁弁52aを開閉制御することによって、上記乾燥空気または外気を選択的に切り替えて上記ホッパー本体20内に導入し得る態様を例示しているが、乾燥空気または外気を選択的に切り替えてホッパー本体20に導入し得るものであれば、他の構成を採用するようにしてもよい。
または、このような態様に代えて、乾燥空気若しくは外気のいずれか一方を導入可能な態様としてもよい。つまり、乾燥空気導入管路51及び外気導入管路52のうちのいずれか一方のみを備えたものとしてもよい。
【0069】
本実施形態では、当該減圧式乾燥装置1の作動中、常時、所定流量のガスの通過が可能となるよう、第1分岐管路54に配設されたニードルバルブ54aを調整しており、第2分岐管路55に配設された第5電磁弁55aを開閉制御することによって、導入されるガスの流量の増減が可能とされている。
第5電磁弁55aを閉とすれば、第1分岐管路54を介して所定流量のガスがガス源5(5A)から加熱部側管路56に向けて流通可能となる。一方、第5電磁弁55aを開とすれば、第1分岐管路54を通過する上記所定流量のガスに、第2分岐管路55の流量を加えたガスがガス源5(5A)から加熱部側管路56に向けて流通可能となる。なお、以下では、第5電磁弁55aを閉とした状態における第1分岐管路54を通過するガスを小流量ガスとし、第5電磁弁55aを開とした状態における分岐管路54,55を通過するガスを大流量ガスとして説明する。
このように、複数の分岐管路54,55を設け、このうちの少なくとも一つに開閉弁55aを設けて流量を増減させる態様とすることで、簡易な構成によって流量調整部を構成することができる。
【0070】
また、第1分岐管路54を、常時、所定流量のガスの通過が可能となるように構成しているので、該所定流量のガスをホッパー本体20内に連続的に導入させることができる。これにより、後記するように、真空ポンプ3を駆動して、ホッパー本体20内を減圧しながら、加熱したガスを導入することによって、粉粒体材料の表面に浮き出てきて、ホッパー本体20内に蒸散した水分等を、当該加熱ガスによって置換しながら、真空ポンプ3による吸引によってホッパー本体20外にスムーズに排出させることができる。
また、これにより、導入するガスを加熱するための線状ヒーター42等のガス加熱手段の損傷等を防止することもできる。
さらに、上記のように複数の分岐管路を設けてガスの流量を増減させる態様とすることで、簡易な構成でありながらも、これら分岐管路の本数や各管路の径、開閉弁等のバルブ径などを所望する流量の増減幅や増減段階等に応じて設定することで、導入するガスの流量を細かく増減させることも可能となる。
【0071】
なお、後記する基本動作の一例では、第5電磁弁55aを、間欠的に開放させることによって、ホッパー本体20に導入される加熱されたガスの流量を、間欠的に増大させる態様を例示しているが、このような態様に限られない。例えば、導入するガスの流量を増加させる場合は、第5電磁弁55aを連続的に開放させ、導入するガスの流量を減少させる場合は、第5電磁弁55aを閉止させるような態様としてもよい。
また、本実施形態では、螺旋状ガス加熱部40に向けて供給するガスの流量を調整するための流量調整部として、複数の分岐管路54,55を設け、このうちの少なくとも一つに開閉弁55aを設けて流量を増減させる態様を例示しているが、ガスの流量の増減が可能な構成であれば、どのようなものでもよい。例えば、第5電磁弁55aを、所定時間当たりの流量が増減するように、増加させる際と、減少させる際とにおいて、開閉タイミングを異ならせたり、開時における通過量を異ならせたりして、比較的、高速で開閉制御することで、導入するガスの流量を増減させるような態様としてもよい。この場合には、上記複数の分岐管路を設けずに、上記ガス源からのガスが通過する管路に開閉弁を設けるようにしてもよい。
または、上記複数の分岐管路を設ける態様に代えて、若しくは加えて、上記ガス源からのガスが通過する管路に、開度制御の可能なモータバルブなどの流量調整弁を設けるようにしてもよい。このような流量調整弁の開度を、CPU80によって制御することで、導入するガスの流量を増減させるようにしてもよい。
また、上記ガスとしては、外気や外気を調質するとともに乾燥させた乾燥空気に限られず、窒素、アルゴンなどのガスやその他、不活性ガスとしてもよい。
【0072】
制御盤8は、当該減圧式乾燥装置1の上記した各機器及び各部を所定のプログラムに従って制御するCPU80と、このCPU80に信号線等を介してそれぞれ接続された操作パネル及び記憶部とを備えている。このCPU80には、信号線等を介して、上記した各機器、各種センサ等が接続されている。
操作パネルは、各種設定操作や、後記する事前設定入力項目などを設定、入力したり、各種設定条件や、各種運転モードなどを表示したりするための表示操作部を構成する。
記憶部は、各種メモリ等から構成されており、操作パネルの操作により設定、入力された設定条件や入力値、後記する基本動作や上述の投入動作及び排出動作などの種々の動作を実行するための制御プログラムなどの各種プログラム、予め設定された各種動作条件や各種データテーブル等が格納される。
【0073】
次に、上記構成とされた本実施形態に係る減圧式乾燥装置1において実行される基本動作の一例を説明する。
【0074】
<材料初期投入工程>
当該減圧式乾燥装置1の起動時等において、ホッパー本体20内に粉粒体材料が貯留されていない状態(空状態)の場合は、材料初期投入工程を実行する。
材料投入部6の第1スライド弁61及び第2スライド弁65を開とし、捕集器60の排出口と、ホッパー本体20上部の蓋体20cの上記開口部とを連通させる。また、材料輸送用ブロワ13を駆動して、材料貯留タンク9に貯留された粉粒体材料を、材料輸送管15を介して捕集器60に向けて輸送する。この捕集器60に輸送された粉粒体材料は、各スライド弁61,65、材料投入貯留管63、蓋体20c等を介して、ホッパー本体20内に投入される。ホッパー材料センサ24が満レベルを検出すれば、各スライド弁61,65を閉とするとともに、材料輸送用ブロワ13を停止させる。
なお、ホッパー本体20内に粉粒体材料が貯留されている場合は、当該材料初期投入工程の実行は不要である。
また、このような材料初期投入工程を実行する際には、ホッパー材料センサ24が満レベルを検出して、第2スライド弁65を閉とした後、材料投入貯留管63内に、所定量の粉粒体材料を貯留させた後に、第1スライド弁61を閉とし、材料輸送用ブロワ13を停止させるようにしてもよい。
【0075】
<初期運転工程>
上記のようにホッパー本体20に所定量の粉粒体材料を貯留させた後、初期運転工程を実行する。この初期運転工程は、ホッパー本体20に貯留された粉粒体材料を、所定程度にまで昇温させるとともに、少なくとも下層部に位置する排出量に応じた粉粒体材料の加熱乾燥処理が十分になされるまで(所定の温度、水分率(含水率)になるまで)実行され、粉粒体材料のホッパー本体20への上記投入動作、及びホッパー本体20からの上記排出動作がなされない工程である。
真空ポンプ3及び線状ヒーター42を起動させるとともに、加熱ガス供給部4の第4電磁弁51a及び第5電磁弁55aを開とする。
すなわち、ホッパー本体20内を真空ポンプ3の駆動によって減圧しながら、加熱ガス供給部4によって加熱したガスを、ホッパー本体20内に導入させる。
【0076】
この際、加熱ガス供給部4の螺旋状ガス加熱部40は、ホッパー本体20の外周に沿って設けられているので、ホッパー本体20の放熱を防止しながら、ホッパー本体20を加熱する。また、上記のように所定温度に加熱された加熱ガスが、内周壁開口21及び多孔板22を経て、ホッパー本体20内に供給される。つまり、ホッパー本体20の内周壁からの熱伝導と、下端部から供給された加熱ガスとによって、ホッパー本体20内に貯留された粉粒体材料が加熱されるとともに、真空ポンプ3による減圧作用によって乾燥処理がなされる。
【0077】
上記加熱ガスを導入することによって、材料層を通過したガスの温度、つまり、材料層通過温度検出用センサ25の検出温度は、室温(外気温)程度の低い温度から徐々に上昇する。この材料層通過ガスの温度が、予め設定された所定の閾値を上回れば、加熱ガス供給部4の第5電磁弁55aを閉とし、導入するガスの流量を減少させる。
このように、本実施形態では、上記材料層を通過したガスの温度を、ホッパー本体20内における粉粒体材料の加熱乾燥処理状態を示す所定の制御要因とし、この温度によって、粉粒体材料の加熱乾燥処理状態を推定するようにしている。
上記所定の閾値は、粉粒体材料の種類や初期水分率等により設定される目標加熱温度、ホッパー本体20の容量や次の処理工程に向けて一度に排出される排出量等に応じて実験的乃至は経験的に設定するようにすればよく、例えば、40℃〜120℃程度としてもよい。
【0078】
この初期運転工程では、上記閾値を上回るまでは、加熱ガス供給部4の第4電磁弁51a及び第5電磁弁55aを開放させて、上記大流量ガス(最大風量の加熱ガス)をホッパー本体20内に導入させる。これにより、ホッパー本体20に貯留された粉粒体材料を迅速に昇温させることができる。
また、上記閾値を上回れば、所定の状態まで昇温したと判断し、第5電磁弁55aを閉とし、導入するガスの流量を減少させる。すなわち、上記小流量ガスをホッパー本体20内に導入させる。これにより、真空ポンプ3による吸引によってなされるホッパー本体20内の真空度が高められ、減圧作用と、小流量ガスの導入による加熱作用とによって、粉粒体材料の加熱乾燥処理が効率的になされる。
換言すれば、この初期運転工程では、その序盤においては、粉粒体材料を昇温させることに重点を置いた制御を実行し、終盤においては、少なくとも下層部の排出量に応じた粉粒体材料の乾燥度を高める制御を実行するようにしている。
【0079】
なお、上記初期運転工程を実行する時間は、ホッパー本体20の容量や排出量、粉粒体材料の種類や条件(初期水分率等)等に応じて実験的乃至は経験的に設定するようにすればよい。または、ホッパー本体20に貯留された材料層の最下層部の温度を検出する温度センサを設け、この温度センサの測定温度信号(検出温度)に基づいて、ホッパー本体20内の最下層部の材料が、所定の状態まで加熱乾燥処理がなされているか、否かを判別し、初期運転工程の終了を報知するような態様としてもよい。
また、上記閾値を上回ったときに、CPU80のタイマーなどの計時手段によるカウントを開始させ、所定時間が経過するまで当該初期運転工程を実行するような態様としてもよい。
【0080】
また、この初期運転工程においてなされる粉粒体材料の昇温は、ホッパー本体20に貯留された粉粒体材料の全量を、均一の温度になるまで昇温させる必要はなく、ホッパー本体20内に貯留されている粉粒体材料の最下部から4割〜7割程度の粉粒体材料の温度が所定の温度となるように昇温させるようにすればよい。換言すれば、ホッパー本体20の下部から導入された加熱ガスによって、ホッパー本体20内では、上層部から下層部に向けて徐々に温度が高くなるような温度勾配を形成するように、各層が昇温され、少なくとも後記する連続運転工程を開始するまでに、その連続運転工程の際に随時、最下層から排出される所定量の粉粒体材料の加熱乾燥処理が十分になされるまで当該初期運転工程を実行するようにすればよい。
【0081】
<連続運転工程>
上記のように、初期運転工程の実行がなされて、運転準備が整えば、連続運転工程に移行する。
この連続運転工程では、樹脂成形機19の上部に設置された一時貯留ホッパー19aの成形機側材料センサ19bからの材料要求信号(OFF信号)を受信することによって、上記排出動作がなされ、また、ホッパー材料センサ24からの材料要求信号(OFF信号)を受信することによって、上記投入動作がなされる。
この投入動作によって、例えば、室温程度の新たな粉粒体材料がホッパー本体20内に投入され、上記材料層を通過したガスの温度が急激に低下し、上記閾値を下回る。このように該閾値を下回ったときには、加熱ガス供給部4のガス供給部50の上記流量調整部を制御して、導入するガスの流量を増加させる。
【0082】
例えば、所定時間当りにおけるガスの通過量を増加させるように、第5電磁弁55aを間欠的に開放させることで、上記大流量ガスと小流量ガスとを交互に導入させる態様としてもよい。この加熱ガスの増加量は、上記のように新たに投入された粉粒体材料の昇温エネルギーに見合った量とするようにしてもよい。これによれば、より省エネルギー化を図ることができる。
上記のように導入する加熱ガスの流量を増加させることで、上記新たに投入された粉粒体材料の昇温が迅速になされ、上記材料層を通過したガスの温度が徐々に上昇する。その温度が上記閾値を上回ったときには、加熱ガス供給部4のガス供給部50の上記流量調整部を制御して、導入するガスの流量を減少させる。すなわち、上記初期運転工程時と同様、第5電磁弁55aを閉とし、上記小流量ガスをホッパー本体20内に導入させる。これにより、上記同様、ホッパー本体20内における真空度が高められ、減圧作用と、小流量ガスの導入による加熱作用とによって、粉粒体材料の加熱乾燥処理が効率的になされる。
以下、同様に、真空ポンプ3を駆動させてホッパー本体20内を減圧しながら、ホッパー本体20からの粉粒体材料の排出動作と、ホッパー本体20への粉粒体材料の投入動作とを伴って、材料層を通過したガスの温度が上記閾値を下回れば、導入するガスの流量を増加させ、材料層を通過したガスの温度が上記閾値を上回れば、導入するガスの流量を減少させるように制御する。
【0083】
以上のように、本実施形態に係る減圧式乾燥装置1によれば、ホッパー本体20内に貯留された粉粒体材料の加熱乾燥効率を高めながらも、省エネルギー化を図ることができるとともに、過熱による粉粒体材料の劣化(酸化、やけ、分解、変色など)等を防止することができる。
また、上記のように、予め設定された所定の温度となるように、ホッパー本体20に導入するガスの温度をコントロールしながら、加熱したガスを導入して、ホッパー本体20に貯留された粉粒体材料を加熱処理するようにしているので、従来の熱伝導フィンによる加熱処理を行うものと比べて、立ち上がり時間を飛躍的に短縮できるとともに、ホッパー本体20内の清掃性や粉粒体材料の貯留可能容量を飛躍的に向上させることができる。
【0084】
なお、ホッパー本体20内に導入する加熱ガスの流量の増減は、本基本動作例のような態様に限られず、上記したように種々の態様を採用することができる。または、本基本動作例のように、上記制御要因としての材料層通過ガスの温度に基づいて、加熱ガスの流量を増減制御する態様に代えて、所定量の加熱ガスを常時、供給するような態様としてもよい。
または、上記のような制御態様に加えて、若しくは代えて、上記初期運転工程を実行する際、つまり、当該減圧式乾燥装置1の起動直後は、真空ポンプ3を起動させずに、または真空ポンプ3を起動させた状態で、加熱ガスをホッパー本体20内に供給させるようにCPU80によって加熱ガス供給部4を制御するようにしてもよい。この際、ホッパー本体20内が大気圧以上であってもよく、または減圧状態であってもよい。また、この際、上記大流量の加熱ガスをホッパー本体20内に供給させるようにしてもよい。このような態様とすれば、ホッパー本体20内に貯留された粉粒体材料を、迅速に上記所定の状態まで昇温させることができる。
一方、ホッパー本体20内の粉粒体材料の加熱処理が所定程度なされた後(例えば、上記材料層を通過したガスの温度が、上記閾値を上回ったとき、若しくは、その後、所定時間経過したとき、または、予め設定された初期運転時間を経過したとき)は、減圧下で加熱ガスをホッパー本体20内に供給させるようにCPU80によって加熱ガス供給部4を制御するようにしてもよい。この際、上記小流量の加熱ガスをホッパー本体20内に供給させるようにしてもよい。
【0085】
また、材料排出部7の排出動作をCPU80によって常時、監視しておき、排出がなされない時間が予め設定された所定の時間を越えたときに、加熱ガスの供給を停止させる一方、次に排出動作がなされたときに、加熱ガスの供給を再開させるような制御を実行するようにしてもよい。これによれば、省エネルギー化を図ることができる。
また、上記したように、乾燥空気を加熱して導入する態様に代えて、外気を加熱して導入する態様としてもよく、または、運転初期においては、外気を加熱して導入し、その後、乾燥空気を加熱して導入するような態様としてもよい。
さらに、上記基本動作例では、初期運転工程の前に、満レベルとなるまで上記材料初期投入工程を実行する態様を例示しているが、このような態様に限られない。例えば、上記材料初期投入工程に代えて、上記初期運転工程と同様の動作を実行し、上記投入動作を繰り返しながら、空状態から満レベルになるまで、徐々にホッパー本体20内に粉粒体材料を貯留させるような態様としてもよい。これによれば、空状態から満レベルになるまで投入動作がなされる間も、減圧しながら加熱ガスを導入させて加熱乾燥処理が行え、また、上記投入動作がなされる際にもホッパー本体20内の真空破壊がなされないので、粉粒体材料の加熱乾燥処理を効率的に行うことができる。
【0086】
また、本実施形態では、ホッパー本体20に貯留した粉粒体材料の加熱乾燥効率を高めるために、加熱ガス供給部4によってホッパー本体20内に供給される加熱ガスが、粉粒体材料層の下層部から上層部に向けて通過するように、加熱ガスのガス導入口としての内周壁開口21を、ホッパー本体20の下部に設け、真空ポンプ3に接続されたガス排出口23を、ホッパー本体20の上部に設けた態様としているが、他の部位にこれらガス導入口21及びガス排出口23を設けるようにしてもよい。または、ガス導入口(内周壁開口)を覆う多孔板を設けずに、材料排出管にガス導入口を有した接続部を設け、この接続部に螺旋状ガス管路41の末端を接続するようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、ホッパー本体20の内部の清掃性及び貯留可能容量を高めるべく、ホッパー本体20の内周壁を略平滑な面としているが、例えば、加熱ガス供給部4による粉粒体材料の加熱処理を補助するためや、ホッパー本体20を補強するなどのために、仕切壁やリブ、熱伝導フィン等をホッパー本体20の内部に設けるようにしてもよい。
【0087】
次に、本発明に係る粉粒体材料の減圧式乾燥装置の他の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図3及び図4は、第2実施形態に係る減圧式乾燥装置について説明するための説明図である。
なお、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
【0088】
本実施形態に係る粉粒体材料の減圧式乾燥装置1Aは、ホッパー部2Aのホッパー外周保温部、及び加熱ガス供給部4Aの構成が上記第1実施形態とは主に異なる。
ホッパー外周保温部は、本実施形態では、ホッパー本体20Aの外周に、外周ヒーター27を設け、この外周ヒーター27を被装するように上記同様の断熱材26を設けた構成とされている。また、本実施形態では、ホッパー本体20Aの外周部の温度を検出するためのホッパー外周温度検出用センサ28を設けている。
つまり、上記第1実施形態では、加熱ガス供給部の螺旋状ガス加熱部を、ホッパー外周保温部の加熱手段として機能させた例を示したが、本実施形態では、ホッパー外周保温部専用の外周ヒーターを設けた構成としている。
【0089】
外周ヒーター27は、円筒形状とされたホッパー本体20Aの上部外周を被覆するように設けられるとともに、逆円錐形状の下部外周を被覆するように設けられており、本実施形態では、上部側を一つのバンドヒーターで構成し、下部側を二つのバンドヒーターで構成している。この外周ヒーター27としては、ホッパー本体20Aの外周を被覆するように設けられるものであれば、他の面状ヒーター等、どのようなものとしてもよい。
この外周ヒーター27は、ホッパー外周温度検出用センサ28の測定温度信号(検出温度)に基づいて、ホッパー本体20Aの外周(ホッパー本体20Aを構成する筐体外周壁)が予め設定された所定の温度となるように、CPU80によってON/OFF制御またはPID制御等の通電の制御がなされる。上記所定の温度は、加熱処理がなされて所定温度に加熱される粉粒体材料の目標加熱温度等に応じて設定可能であり、例えば、40℃〜160℃程度としてもよい。
【0090】
このように、本実施形態では、上記第1実施形態とは異なり、ホッパー外周保温部の加熱手段を専用のものとしているが、ホッパー外周温度検出用センサ28の検出温度に基づいて、外周ヒーター27への通電制御を実行することで、省エネルギー化を図ることができる。つまり、装置の起動直後は、ホッパー本体20Aの筺体自体及びこれに貯留した粉粒体材料の温度が室温程度であるので、温度センサ28の検出温度に基づいて通電制御される外周ヒーター27の通電率は、比較的、高い状態である。一方、加熱ガス供給部4Aによる加熱ガスの供給によって、ホッパー本体20A内の粉粒体材料層の温度が徐々に上昇し、ホッパー本体20Aの外周温度も徐々に上昇するので、外周ヒーター27の通電率は減少し、省エネルギー化を図ることができる。
【0091】
また、上記第1実施形態において説明した内周壁開口及び多孔板に代えて、材料排出管20aの下部に、加熱ガス供給部の接続部を設け、この接続部に、ホッパー本体20A内に開口するガス導入口21Aを設けている(図4(a)も参照)。この接続部には、図4(a)に示すように、材料層最下層部温度検出用センサ29が設けられている。この材料層最下層部温度検出用センサ29は、ホッパー本体20A内において加熱乾燥処理される粉粒体材料の最下層部の温度を検出するために設けており、この材料層最下層部温度検出用センサ29の測定温度信号(検出温度)に基づいて、ホッパー本体20A内の最下層部の材料が、所定の状態まで加熱乾燥処理がなされているか、否かを判別するような態様としてもよい。この場合は、例えば、所定温度未満であれば、次の処理工程への排出または移行を遅らせ、所定温度に達するように、後記する加熱ガス供給部4Aから導入する加熱したガスの流量を増加させるような制御を実行するようにしてもよい。または、上記した材料層通過温度検出用センサ25に代えて、この材料層最下層部温度検出用センサ29を、粉粒体材料の加熱乾燥処理状態を示す所定の制御要因としての温度を検出するための検出手段として把握するようにしてもよい。
【0092】
加熱ガス供給部4Aは、本実施形態では、図4に示すように、螺旋状ガス加熱部40Aと、上記同様のガス供給部50とを備えている。
螺旋状ガス加熱部40Aは、末端が上記接続部に接続された螺旋状ガス管路41Aと、この螺旋状ガス管路41Aに沿って配設された線状発熱体を有した線状ヒーター42Aとを備えている。これら螺旋状ガス管路41A及び線状ヒーター42Aの構成は、図4(b)に示すように、上記第1実施形態と同様、螺旋状ガス管路41A内に、線状ヒーター42Aの線状発熱体を当該螺旋状ガス管路41Aの長手方向に沿って配設した構成とされている。本実施形態では、これらをホッパー本体の外周ではなく、ホッパー本体20Aのガス導入口21Aの近傍に配設している。また、螺旋状ガス管路41Aの末端には、当該螺旋状ガス加熱部40Aの出口側のガスの温度、つまり、ホッパー本体20Aに導入されるガスの温度を検出する上記同様のガス温度センサ43が設けられており、上記同様、このガス温度センサ43の検出温度に基づいて、線状ヒーター42Aへの通電制御がCPU80によってなされる。
このような螺旋状ガス加熱部40Aによっても、上記第1実施形態と同様、ホッパー本体20Aに供給するガスの加熱効率を向上でき、省電力化が図れるとともに、そのガスの温度を、比較的、迅速に所定の温度に追従させることができる。
【0093】
上記構成とされた本実施形態に係る減圧式乾燥装置1Aにおいても、上記第1実施形態において説明した減圧式乾燥装置1と同様の各種動作が実行され、同様の効果を奏する。
なお、本実施形態では、ホッパー外周温度検出用センサ28を、ホッパー本体20Aの上部外周に設けた態様を例示しているが、例えば、外周ヒーター27の設置数に応じて、外周ヒーター27毎に、温度センサを設け、個々の温度センサの検出温度に基づいて、各外周ヒーターを制御(多点制御)するような態様としてもよい。
また、外周ヒーター27を、ホッパー本体20Aの上下方向に沿って分割して複数箇所に設置し、それぞれに応じた部位に温度センサを設けて、上記同様に多点制御するようにしてもよい。
【0094】
さらに、上記第1実施形態において説明したように、材料排出部7の排出動作をCPU80によって常時、監視しておき、この排出動作に基づいて加熱ガスの供給制御を実行する態様では、排出がなされない時間が予め設定された所定の時間を越えたときに、加熱ガスの供給を停止させ、この停止の後、さらに予め設定された所定の時間が経過しても排出がなされないときには、外周ヒーター27への通電(給電)を停止させるようにしてもよい。これによれば、より省エネルギー化を図ることができる。そして、次に排出動作がなされたときには、加熱ガスの供給及び外周ヒーター27への通電を再開させるような制御を実行するようにすればよい。
さらにまた、本実施形態では、ホッパー外周保温部を、ホッパー本体20Aの外周側面の上下の概ね全体に亘って設けた外周ヒーター27と、断熱材26とによって構成した例を示しているが、ホッパー本体20Aの下部外周にのみ外周ヒーター27を設けるようにしてもよく、または、外周ヒーター27を設けずに断熱材26のみによって構成するようにしてもよい。
また、螺旋状ガス加熱部40Aの螺旋状ガス管路41Aの外郭を被装するような断熱材を設け、放熱を防止するようにしてもよい。
【0095】
次に、上記各実施形態に係る各減圧式乾燥装置に設けられる加熱ガス供給部の一変形例、及びガス導入口の一変形例を図5に基づいて説明する。
なお、上記各実施形態と同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
【0096】
図5(a)は、第1変形例に係る加熱ガス供給部4Bを示し、この加熱ガス供給部4Bは、上記同様の圧縮空気源5からの乾燥空気を通過させる乾燥空気導入管路51に配設されたガス加熱部40Bと、このガス加熱部40Bの下流側(ホッパー本体の下端部のガス導入口21(21A)側)に設けられ、ホッパー本体20(20A)内に加熱ガスを瞬発的に導入させて、ホッパー本体20(20A)内を急昇圧させて、ホッパー本体20(20A)内の粉粒体材料層に衝撃を与えてブリッジを防止するブリッジ防止手段とを備えている。
ガス加熱部40Bは、シーズヒーターやプレートヒーター等の発熱体をボックス状のガス加熱部内に配設し、該ボックス状ガス加熱部内においてガスを該発熱体によって加熱する構成とされたヒーターボックス型の加熱器とされている。このガス加熱部40Bを通過して加熱されたガスの温度は、上記同様のガス温度センサ43によって検出され、ガス加熱部40Bの発熱体への通電制御がCPU80(図1及び図3参照)によってなされる。
【0097】
上記ブリッジ防止手段は、ガス加熱部40Bの下流側に配された三方切換弁57と、この三方切換弁57の一接続口に接続され、圧縮空気源5からの高圧ガスを貯留するガス貯留部としてのガスタンク45とを備えている。
三方切換弁57の残余の二つの接続口は、乾燥空気導入管路51の上流側及び下流側にそれぞれ接続されている。また、三方切換弁57の下流側の乾燥空気導入管路51は、ホッパー本体の下端部のガス導入口21(21A)に接続されている。
この三方切換弁57は、所定のプログラムに従ってCPU80によって切換制御がなされ、圧縮空気源5とガスタンク45とを連通させるガス貯留状態と、ガスタンク45とガス導入口21(21A)とを連通させるガス導入状態とに切り換えがなされる。
ガスタンク45は、加熱された高圧ガスの貯留が可能な耐圧性かつ耐熱性のタンクとされており、このガスタンク45には、その外周を被装するように上記同様の断熱材46が設けられている。
また、ガス加熱部40Bの下流側で、三方切換弁57の上流側には、圧力調整弁44が設けられている。
【0098】
上記各実施形態において説明したように、ホッパー本体20(20A)に貯留された粉粒体材料は、供給先としての樹脂成形機19などの要求に応じて所定量が排出されるが、この排出動作がなされない場合には、ホッパー本体20(20A)に貯留された粉粒体材料に移動が生じない。特に、上記各実施形態に係る減圧式乾燥装置1,1Aにおいては、ホッパー本体の減圧状態を維持しながら、加熱ガスの供給を行うことで効率的な加熱乾燥処理がなされる反面、従来の通気式乾燥装置のような大風量のガスを常時、供給するようなものと比べて、加熱ガスの供給量が少ない。この結果、上記排出動作が、比較的、長時間なされない場合には、加熱乾燥処理が進むに従って、粉粒体材料の種類によっては、粉粒体材料同士が付着し、塊のように固化(ブリッジ)することが考えられる。
そこで、本変形例では、以下のように定期的に高圧ガスをホッパー本体20(20A)内に瞬発的に導入させて、ブリッジ現象を防止するようにしている。
【0099】
まず、三方切換弁57を、上記ガス貯留状態とし、圧力調整弁44によって予め設定された圧力に調整された高圧ガスが、ガスタンク45内に貯留される。
次いで、材料排出部7の排出動作が予め設定された所定時間を越えてなされないときには、三方切換弁57を、上記ガス導入状態に切り換え、加熱された高圧ガスを、ホッパー本体20(20A)内に瞬発的に導入させ、ホッパー本体20(20A)内を急昇圧させる。
上記排出動作は、例えば、CPU80によって、材料排出部7の材料排出バルブ(上記例では、スライド弁体71)の開閉動作を監視しておくようにしてもよい。そして、排出動作がなされたときには、CPU80の計時手段を作動させてカウントし、次の排出動作がなされるまでの間に、上記所定時間が経過すれば、加熱された高圧ガスを、ホッパー本体20(20A)内に瞬発的に導入させるようにしてもよい。
【0100】
また、例えば、上記連続運転工程に移行するまでは、三方切換弁57を切り換えて、ガス加熱部40Bとガス導入口21(21A)とを連通させて、所定流量(例えば、上記大流量)の加熱ガスをホッパー本体20(20A)内に導入させる態様としてもよい。
また、上記連続運転工程では、上記材料層を通過した温度が、上記閾値を上回るまでは、上記所定流量の加熱ガスを導入させる一方、上記閾値を上回ったときには、CPU80の計時手段を作動させてカウントし、上記閾値を下回ることなく、上記所定時間が経過すれば、三方切換弁57を上記ガス貯留状態に切り換えてガスタンク45に所定量の高圧ガスを貯留させた後、三方切換弁57を上記ガス導入状態に切り換えて加熱された高圧ガスを、ホッパー本体20(20A)内に瞬発的に導入させるようにしてもよい。つまり、上記のように排出動作を監視して、高圧ガスの導入制御を実行する態様に代えて、または加えて、材料層通過温度に基づいて、高圧ガスの導入制御を実行するようにしてもよい。
【0101】
上記構成とされた加熱ガス供給部4Bを備えた減圧式乾燥装置によれば、上記高圧ガスの瞬発的な導入によるホッパー本体20(20A)内の急昇圧によって、ホッパー本体20(20A)内に貯留された粉粒体材料層に衝撃が加えられ、粉粒体材料層を変動させることができる。従って、ホッパー本体の内壁への粉粒体材料の付着や粉粒体材料の固化(ブリッジ)を防止することができる。つまり、ホッパー本体20(20A)内に貯留された粉粒体材料層が瞬発的なガスの導入によって持ち上げられるように僅かに浮き、それによって個々の粉粒体材料が僅かに移動、変動し、固化状態を崩す、または固化を事前に防ぐことができる。
【0102】
なお、上記のように定期的に高圧ガスをホッパー本体20(20A)内に瞬発的に導入させるタイミング制御としては、上記した例に限られず、ホッパー本体内における粉粒体材料の変動、特に排出に伴う貯留レベルの減少を直接的または間接的に検出し得る検出手段を設け、この検出手段の検出信号が出力されてから、次に該検出信号が出力されるまでの間に、上記所定時間を越える度に、つまり、該所定時間の間隔で定期的にCPU80の制御により、高圧ガスを瞬発的に導入させるような態様としてもよい。
上記検出手段としては、上記した材料排出部7の材料排出バルブや、材料層通過温度を検出する温度センサ、若しくは樹脂成形機19側に設けられた材料センサ19b、さらには、ホッパー本体内の粉粒体材料の貯留レベルの減少を検出し得る材料センサが挙げられ、その他、種々の検出手段を採用するようにしてもよい。
または、このように検出手段によってホッパー本体内における粉粒体材料の変動を監視する態様に代えて、高圧ガスをホッパー本体20(20A)内に瞬発的に導入させる間隔を所定時間として予め設定しておくようにしてもよい。つまり、ホッパー本体内における粉粒体材料の変動の有無等に関わらず、予め設定された所定時間の間隔で定期的に高圧ガスを導入させるようにしてもよい。これによれば、単純な制御によりブリッジ現象を防止することができる。
【0103】
また、上記所定時間は、粉粒体材料の種類等に応じて、上記ブリッジ現象を防止し得る程度の時間で、実験的乃至は経験的に予め設定しておくようにしてもよい。好ましくは、固化状態となる前、つまり、ブリッジが生じる前に、高圧ガスの導入がなされるような時間で、設定してもよい。
また、ガスタンク45の容量、つまりは瞬発的に導入されるガスの導入量や、ガスタンク45とホッパー本体20(20A)とを連通させる乾燥空気導入管路51の内径、瞬発的に導入させるガスの圧力、ガスの導入によるホッパー内の昇圧度合いは、ホッパー本体20(20A)に貯留される粉粒体材料の貯留量や種類、真空ポンプ3により減圧されるホッパー本体20(20A)内の真空度などに応じて、ホッパー本体20(20A)内の粉粒体材料層を上記のように変動させ得る程度に設定するようにすればよい。また、この高圧ガスの導入は、例えば、1秒以内または数秒程度の瞬時になされるようにしてもよい。
さらに、上記高圧ガスの瞬発的な導入によって、ホッパー本体20(20A)内の圧力が一時的に大気圧以上となるようにしてもよく、または、真空状態が維持されるものとしてもよい。
【0104】
また、乾燥空気導入管路51のガス加熱部40Bの下流側に、切換弁等を介して分岐管を接続し、この分岐管をバイパス経路として、ガスタンク45の下流側の乾燥空気導入管路51に接続するようにしてもよい。このような構成とした場合、上記連続運転工程に移行するまでは、上記切換弁を分岐管側に切り換えて、所定流量のガスを導入させる一方、上記連続運転工程に移行した後は、上記切換弁をガスタンク45側に切り換えて、上記同様にして所定態様で高圧ガスを瞬発的に導入させるようにしてもよい。
さらに、乾燥空気導入管路51のガスタンク45の下流側乃至は上記バイパス経路に、上記同様の流量調整部を設け、上記同様にして流量の増減制御を実行するようにしてもよい。この場合は、上記材料層を通過した温度が、上記閾値を上回ったときには、流量を減少させるとともに、タイマーのカウントを開始させ、上記閾値を下回ることなく、上記所定時間が経過すれば、高圧ガスを導入させる一方、上記所定時間が経過するまでに、上記材料層を通過した温度が、上記閾値を下回ったときには流量を増加させるとともに、タイマーをリセットするような制御を実行するようにしてもよい。
【0105】
図5(b)は、第2変形例に係る加熱ガス供給部4Cを示し、この加熱ガス供給部4Cも上記第1変形例と同様、ブリッジ防止手段を備えている。なお、上記第1変形例と同様の構成及び動作については、その説明を省略または簡略に説明する。
本変形例に係る加熱ガス供給部4Cは、ガス加熱部の構成が上記第1変形例とは異なる。
すなわち、本変形例では、加熱ガス供給部4Cのガス加熱部40Cを、ヒーターボックス型の加熱器に代えて、ガスタンク45A内にシーズヒーターやプレートヒーター等の発熱体を配設してガス加熱部40Cを構成している。
【0106】
上記構成とされた加熱ガス供給部4Cにおいても上記第1変形例と同様の動作を実行でき、上記同様、ブリッジ現象を防止することができる。
なお、本変形例では、上記第1変形例と同様、乾燥空気導入管路51に三方切換弁57を配設し、その一接続口にガスタンク45Aを接続した例を示しているが、三方切換弁57を設けずに、ガスタンク45Aにガスの導入口と導出口とを設けてこれらを乾燥空気導入管路51に接続し、その導出口の下流側に開閉弁を設けるような態様としてもよい。これによれば、該開閉弁を開閉制御することで、ガスタンク45Aへの高圧ガスの貯留及びホッパー本体20(20A)への高圧ガスの瞬発的な導入と、ホッパー本体20(20A)への所定流量の加熱ガスの供給とを切り換えて実行することができる。
【0107】
図5(c)は、第3変形例に係る加熱ガス供給部4Dを示し、この加熱ガス供給部4Dも上記第1変形例及び第2変形例と同様、ブリッジ防止手段を備えている。なお、上記第1変形例と同様の構成及び動作については、その説明を省略または簡略に説明する。
本変形例に係る加熱ガス供給部4Dは、ガス加熱部の構成が上記第1変形例とは異なる。
すなわち、本変形例では、加熱ガス供給部4Dのガス加熱部40Dを、螺旋状のガス加熱部40Dとしている。つまり、この螺旋状ガス加熱部40Dは、ガスタンク45Bの外周に沿って螺旋状ガス管路41を配設し、この螺旋状ガス管路41内には、図示は省略しているが、上記同様の線状発熱体が配設されている。
また、ガスタンク45Bには、螺旋状ガス管路41の末端が接続されてガスが導入される導入口と、当該ガスタンク45Bの下流側の乾燥空気導入管路51に接続される導出口とが設けられており、この導出口の下流側には開閉弁57Aが設けられている。
また、螺旋状ガス加熱部40Dの外周には、上記同様の断熱材46が設けられている。
【0108】
上記構成とされた加熱ガス供給部4Dにおいても上記第1変形例と同様の動作を実行でき、上記同様、ブリッジ現象を防止することができる。つまり、開閉弁57Aを開閉制御することで、ガスタンク45Bへの高圧ガスの貯留及びホッパー本体20(20A)への高圧ガスの瞬発的な導入と、ホッパー本体20(20A)への所定流量の加熱ガスの供給とを切り換えて実行することができる。
なお、本変形例では、螺旋状ガス加熱部40Dをガスタンク45Bの外周に巻回した構成としているが、ガスタンク45Bのガス通過方向上流側に近接させた位置に螺旋状ガス加熱部40Dを設けるような態様としてもよい。つまり、上記第1変形例に係る加熱ガス供給部のガス加熱部に代えて、上記第2実施形態において説明したような螺旋状ガス加熱部を設けるような態様としてもよい。
【0109】
なお、上記第1変形例乃至第3変形例では、上記各実施形態において説明した加熱ガス供給部4,4Aに代えて、各加熱ガス供給部4B,4C,4Dをそれぞれ設けた態様としているが、上記各実施形態において説明した加熱ガス供給部4,4Aに加えて、これら各加熱ガス供給部4B,4C,4Dをそれぞれ設けるようにしてもよい。この場合は、各ガス導入口の上流側に、各加熱ガス供給部4B,4C,4Dを各加熱ガス供給部4,4Aと並列的にそれぞれ接続するようにしてもよく、若しくは、各加熱ガス供給部4B,4C,4D用のガス導入口を別途、設けるようにしてもよい。また、この場合は、これら各変形例に係る各加熱ガス供給部4B,4C,4Dは、ブリッジ防止手段として、高圧ガスのみを上記した態様で瞬発的に導入させるものとしてもよい。
【0110】
または、上記各実施形態において説明した加熱ガス供給部4,4Aの乾燥空気導入管路51に代えて、上記第1変形例乃至第3変形例に係る加熱ガス供給部4B,4C,4Dを設けるような態様としてもよい。この場合は、各加熱ガス供給部4,4Aの第4電磁弁51aを設けずに、三方切換弁57(または開閉弁57A)を第4電磁弁として機能させるようにしてもよい。
さらには、ホッパー本体20(20A)に供給する加熱ガスの温度の安定性の観点からは、上記各変形例のように、ガスタンクの上流側にガス加熱部を設けることが望ましいが、例えば、上記各実施形態において説明した加熱ガス供給部4,4Aの乾燥空気導入管路51に、上記第1変形例において説明した圧力調整弁44及び三方切換弁57を設け、この三方切換弁57にガスタンク45を接続した態様としてもよい。この場合は、螺旋状ガス管路の出口側における加熱ガスの温度が安定した所定の温度となるように、螺旋状ガス管路の管路長さを十分に長くするようにしてもよく、また、高圧ガスの圧力損失を低減するために、管路径や管路の曲率などを設定するようにしてもよい。
【0111】
図5(d)は、上記第1変形例乃至第3変形例において説明した加熱ガス供給部4B,4C,4Dを備えた減圧式乾燥装置に好適に採用されるガス導入口の一変形例を示す。
本変形例では、ホッパー本体20Bの下端部に、乾燥空気導入管路51が接続されるガス導入接続部58を設け、このガス導入接続部58に、ガス導入口21Bを設けている。
このガス導入接続部58は、ホッパー本体20Bの下端部に設けられた材料排出管20dを受け入れる空間を内方に有し、材料排出管20dの外周及び下端周縁との間に、加熱ガスの流通が可能な隙間を形成するようにして、材料排出管20dを囲むように設けられており、これら隙間がガス導入口21Bとして機能する。つまり、短管状の材料排出管20dを受け入れて、この材料排出管20dとガス導入接続部58とによって二重管構造のような構成とされたガス導入部としている。
【0112】
上記構成とされたガス導入部では、乾燥空気導入管路51を経て供給される加熱ガス(高圧ガス)は、材料排出管20dの周囲を経て、材料排出管20dの下端からホッパー本体20B内に導入される。つまり、材料排出管20dの下端周縁の全周から材料排出管20dの内方に向けて加熱ガスを導入させることができる。
これにより、上記各実施形態において説明した各ガス導入口と比べて、加熱ガス供給部からホッパー本体に導入される加熱ガスの圧力損失を低減することができるとともに、ホッパー本体内の粉粒体材料層に対して、局部的な導入とはならず、当該ガスの吹き抜け等が生じることを防止することができる。
【0113】
なお、このガス導入口21Bを備えたガス導入部を、上記各実施形態において説明した各ガス導入口に代えて、設けるようにしてもよい。第1実施形態において説明したガス導入口21に代えて適用する場合には、多孔板等を設けずに、螺旋状ガス管路の末端を、上記したガス導入口21Bに接続するようにすればよい。
または、上述のように、第1変形例乃至は第3変形例に係る加熱ガス供給部を、上記各実施形態において説明した加熱ガス供給部に加えて設ける場合には、上記各実施形態において説明した各ガス導入口に加えて、このガス導入口21Bを備えたガス導入部を設けるようにしてもよい。
【0114】
次に、本発明に係る粉粒体材料の減圧式乾燥装置の更に他の実施の形態について、図6及び図7に基づいて説明する。
なお、上記各実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
【0115】
図6(a)は、第3実施形態に係る減圧式乾燥装置1Bを示し、この減圧式乾燥装置1Bは、ホッパー部2Bのホッパー外周保温部、及び加熱ガス供給部4Eの構成が上記各実施形態とは主に異なる。
加熱ガス供給部4Eは、ホッパー本体20の逆円錐形状とされた下部の外周に周方向に沿って設けられた上記同様の螺旋状ガス加熱部40Eと、上記同様のガス供給部50とを備えている。この螺旋状ガス加熱部40Eは、上記第1実施形態とは異なり、下部外周の上端近傍を基端とし、この基端に上記同様のガス供給部50が接続されている。
また、ホッパー本体20の円筒形状とされた上部外周には、上記同様の外周ヒーター27を設けている。
つまり、本実施形態では、螺旋状ガス加熱部40Eが、ホッパー本体20の下部外周のホッパー外周保温部の加熱手段として機能し、外周ヒーター27が、ホッパー本体20の上部外周のホッパー外周保温部の加熱手段として機能する。
【0116】
上記構成とされた本実施形態に係る減圧式乾燥装置1Bにおいても、上記各実施形態と同様の各種動作が実行され、同様の効果を奏する。
なお、ホッパー本体20の上部外周に外周ヒーター27を設けずに、上部外周には断熱材26のみを設けるような態様としてもよい。これによってもホッパー本体20の下部外周、つまりは材料排出部に近い側の外周を、螺旋状ガス加熱部40Eによって保温、加熱することができる。
また、ホッパー本体20の円筒形状とされた上部と、逆円錐形状とされた下部とを、別体とし、これら上部と下部とをヒンジ等で連結するとともに、緊締具等によって開閉自在に緊締した構成としてもよい。この場合、上部側を開放させた際には、下部に設けられた螺旋状ガス加熱部40Eを下部内周壁とともに、ホッパー本体20から取り外せる構造としてもよい。これによれば、螺旋状ガス加熱部40Eのメンテナンス性を向上させることができる。
さらに、図例では、螺旋状ガス加熱部40Eを、ホッパー本体20の下部外周の概ね全体に亘って、該下部外周に沿わせるように配設した例を示しているが、下部外周の一部にのみ設けるようにしてもよく、例えば下方側部位にのみ設けるようにようにしてもよい。
【0117】
また、二点鎖線で示すように、上記第1変形例乃至は第3変形例に係る加熱ガス供給部4B,4C,4Dを別途、設けるようにしてもよい(以下の第4実施形態乃至は第6実施形態においても同様)。この場合は、上記したガス導入口21Bを備えたガス導入部をホッパー本体の下端部に設けるようにしてもよい。
または、上記したように、これら加熱ガス供給部4B,4C,4Dを加熱ガス供給部4Eと並列的に、若しくは組み合わせて設けるような態様としてもよい(以下の第4実施形態乃至は第6実施形態においても同様)。
【0118】
図6(b)は、第4実施形態に係る減圧式乾燥装置1Cを示し、この減圧式乾燥装置1Cは、ホッパー部2Cの加熱ガス供給部4Fの構成が上記各実施形態とは主に異なる。
加熱ガス供給部4Fは、ホッパー本体20Cの外周の上下の概ね全体に沿って設けられた螺旋状ガス加熱部40Fと、ホッパー本体20C内に上下に沿って設けられたガス通気管47とを備えている。
螺旋状ガス加熱部40Fの螺旋状ガス管路41は、上記第1実施形態とは異なり、ホッパー本体20Cの下端部近傍を基端とし、この基端に上記同様のガス供給部50が接続されている。また、該基端から上部側に向けてホッパー本体20Cの外周に螺旋状に巻回されており、その末端が、ホッパー本体20Cの上部外周に設けられたガス通気管47との接続部に接続されてガス通気管47に連通している。
【0119】
ガス通気管47は、ホッパー本体20Cの平面視して略中央に配置され、ホッパー本体20Cの内方空間において上下に設けられている。
このガス通気管47の下端部(螺旋状ガス管路41からのガスが送気されるガス通気路の末端部)には、加熱ガスをホッパー本体20C内に分散して吐出する複数のガス吐出口47aが設けられている。また、この下端部は、陣笠形状乃至は円錐形状とされており、この下端部が上記同様の整流部としての先入れ先出し傘としても機能する。
また、この下端部には、ホッパー本体20C内に吐出される加熱ガスの温度を検出する上記同様のガス温度センサ43が設けられている。なお、螺旋状ガス管路41の末端の接続部にガス温度センサ43を設けるようにしてもよい。
または、図例のようにホッパー本体20Cの外周に、螺旋状ガス加熱部を設ける態様に代えて、上記第2実施形態において説明した螺旋状ガス加熱部4Aを設け、その末端をガス通気管47に接続するようにしてもよい。
【0120】
上記構成とされた本実施形態に係る減圧式乾燥装置1Cにおいても、上記各実施形態と同様の各種動作が実行され、同様の効果を奏する。
また、本実施形態によれば、ホッパー本体20C内に貯留された粉粒体材料を、ガス通気管47の下端部から吐出される加熱ガスによる直接的な加熱と、ガス通気管47の外周及びホッパー本体20Cの外周(内周壁)からの伝熱による間接的な加熱とによって、より効率的に加熱乾燥処理することができる。
なお、ホッパー本体20Cの上部外周側の全体若しくは一部のみに、螺旋状ガス加熱部40Fを設けた構成とし、これが設けられていない部位の外周の全体若しくは一部には、上記同様の外周ヒーターを設けるようにしてもよく、または、螺旋状ガス加熱部40Fを設けない部位には断熱材のみを設ける構成としてもよい。
【0121】
図7(a)は、第5実施形態に係る減圧式乾燥装置1Dを示し、この減圧式乾燥装置1Dは、ホッパー部2Dのホッパー外周保温部、及び加熱ガス供給部4Gの構成が上記各実施形態とは主に異なる。
加熱ガス供給部4Gは、上記同様のガス供給部50と、このガス供給部50に接続された上記第4実施形態と概ね同様のガス通気管47Aとを備えている。このガス通気管47Aは、上記第4実施形態とは異なり、その管内に、シーズヒーターやパイプヒーター等の発熱体を配設してガス加熱部40Gを構成している。
また、本実施形態では、ホッパー本体20Cの外周に、加熱手段を設けず、断熱材26のみを設けた構成としている。
【0122】
上記構成とされた本実施形態に係る減圧式乾燥装置1Dにおいても、上記各実施形態と同様の各種動作が実行され、同様の効果を奏する。
なお、ホッパー本体20Cの下部外周または外周側面の上下の全体に亘って、上記同様の加熱手段を設けるようにしてもよい。
【0123】
図7(b)は、第6実施形態に係る減圧式乾燥装置1Eを示し、この減圧式乾燥装置1Eは、ホッパー部2Eの構成が上記第2実施形態とは主に異なる。
ホッパー部2Eのホッパー本体20Dは、上記各実施形態に係るホッパー本体と比べて、上下に長尺に形成されており、このホッパー本体20Dの内方空間には、ブロック体48が配置されている。
【0124】
ブロック体48は、例えば、放熱性の良いステンレスやアルミニウム等の金属材料で形成されており、上下に長尺の中空円筒形状とされている。このブロック体48は、ホッパー本体20Dの内周壁から円心方向に延びる複数本のハンガーアームによってホッパー本体20D内に宙吊り状に配置され、その外周側面とホッパー本体20Dの内周面との間に全周に亘って略均等な隙間を設けるように配置されている。
また、このブロック体48の上端部には、材料投入部6から投入される粉粒体材料をホッパー本体20D内に均等に分散させる円錐部48aが設けられている。また、ブロック体48の下端部には、ホッパー本体20Dの下端部から供給される加熱ガスをホッパー本体20D内に均等に分散させる逆円錐部48bが設けられている。
【0125】
上記構成とされた本実施形態に係る減圧式乾燥装置1Eにおいても、上記各実施形態と同様の各種動作が実行され、同様の効果を奏する。
また、ブロック体48によってホッパー本体20Dの貯留可能容量は、上記各実施形態と比べて減少するが、加熱乾燥効率は従来のものと比べて向上させることができる。すなわち、ブロック体48がスペーサー部材として機能し、このブロック体48の外周とホッパー本体20Dの内周壁との間の均等空間に貯留された粉粒体材料を、下端部から供給される加熱ガスによる直接的な加熱と、外周ヒーター27による外周(内周壁)からの伝熱とによって迅速に加熱することができる。
なお、本実施形態において説明したブロック体48と同様のブロック体を、上記第1実施形態及び第3実施形態において説明した各ホッパー本体の内方空間に設けるようにしてもよい。
【0126】
なお、上記第1実施形態、第3実施形態及び第4実施形態では、ホッパー本体の外周に設けた螺旋状ガス加熱部を、断面円形状とされたパイプ状の螺旋状ガス管路によって構成した例を示しているがこのような構成に限られない。例えば、ホッパー本体の外周部を二重壁構造とし、この二重壁の空間を区切る仕切り壁を螺旋状に設けることで、螺旋状のガス通気路を構成するような態様としてもよい。
また、上記各実施形態では、ホッパー本体内における粉粒体材料の加熱乾燥処理状態を示す所定の制御要因を検出するための検出手段として、材料層通過温度または粉粒体材料の最下層部の温度を検出する温度センサを例示し、この温度センサの検出温度に基づいて、ホッパー本体内に供給する加熱ガスの流量の増減や加熱ガスの導入態様等を制御する態様を例示したが、このような態様に限られない。
【0127】
例えば、材料層を通過したガスの温度を検出する検出手段としては、検出部を真空吸引管路11内に臨むように配設した温度センサとしてもよい。または、ホッパー本体内に貯留された粉粒体材料の上層部の層内温度を検出する材料層上層部温度検出用センサを上記検出手段として設けるようにしてもよく、若しくは、ホッパー本体内に貯留された粉粒体材料の中層部の層内温度を検出する材料層中層部温度検出用センサを上記検出手段として設けるようにしてもよい。
さらには、上記のように、ホッパー本体内における粉粒体材料の加熱乾燥処理状態を示す所定の制御要因を温度とし、該温度を検出するための温度センサを設ける態様に代えて、制御要因を湿度(露点)として、該湿度(露点)を検出するための湿度(露点)センサを上記検出手段として設ける態様としてもよい。このように、制御要因を湿度(露点)とした場合には、湿度(露点)が高い側から低い側に移行する場合が検出値の上昇と把握し、湿度(露点)が低い側から高い側に移行する場合が検出値の下降と把握すればよい。
【0128】
さらに、ホッパー本体内における粉粒体材料の加熱乾燥処理状態を示す所定の制御要因としては、上記したような温度や湿度(露点)に限られず、例えば、ホッパー本体内または真空吸引管路等の真空度を制御要因とし、該真空度を検出するための圧力計を上記検出手段として設けるようにしてもよい。このような真空度は、上記のようにホッパー本体内を減圧しながら加熱乾燥処理を行う際に、ホッパー本体内の真空度は、徐々に所定の真空度に近づいていくが、ホッパー本体内の粉粒体材料等に含まれる水分は、上記減圧処理によって、徐々に気化し、その気化作用によって、急激には所定の真空度に達することがないので、そのような所定の真空度を閾値として設定し、上記圧力計の検出した真空度が、所定の真空度に達したときに、粉粒体材料の加熱乾燥処理状態が所望の状態に達したと推定し、導入するガスの流量を減少させるような態様としてもよい。このような態様では、導入するガスの流量に応じた複数の閾値を設定するようにしてもよい。
【0129】
さらにまた、上記各実施形態及び各変形例において説明した各部構成や動作例等を、これらの機能を阻害しない限りにおいて適宜、変形し、組み合わせるようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、ホッパー本体に貯留された粉粒体材料は、樹脂成形機等の供給先の要求に応じて、所定量が排出される態様を示しているが、その全量を一度に排出させる態様とされたものにも本発明に係る減圧式乾燥装置の適用が可能である。
【符号の説明】
【0130】
1,1A,1B,1C,1D,1E 粉粒体材料の減圧式乾燥装置
20,20A,20B,20C,20D ホッパー本体(ホッパー)
21 内周壁開口(ガス導入口)
21A,21B ガス導入口
22 多孔板
26 断熱材(ホッパー外周保温部)
27 外周ヒーター(ホッパー外周保温部、加熱手段)
3 真空ポンプ(真空発生器、減圧手段)
4,4A,4B,4C,4D,4E,4F,4G 加熱ガス供給部
40,40E,40F 螺旋状ガス加熱部(ホッパー外周保温部、加熱手段)
41 螺旋状ガス管路(ガス通気路)
42 線状ヒーター
45,45A,45B ガスタンク(ガス貯留部)
47,47A ガス通気管
47a ガス吐出口(ガス導入口)
5 圧縮空気源
57 三方切換弁(開閉弁)
57A 開閉弁
80 CPU(制御部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体材料が貯留されるホッパーと、該ホッパー内を減圧する減圧手段とを備えた粉粒体材料の減圧式乾燥装置であって、
前記ホッパーの外周に設けられたホッパー外周保温部と、加熱したガスを前記ホッパー内に供給する加熱ガス供給部と、前記加熱ガス供給部を制御して予め設定された所定温度となるように加熱させたガスを供給させる制御部とを備えていることを特徴とする粉粒体材料の減圧式乾燥装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記加熱ガス供給部は、圧縮空気源からのガスを貯留するガス貯留部と、このガス貯留部と前記ホッパーとを連通させる管路に設けられた開閉弁と、該管路を通過したガスを前記ホッパー内の下端部に導入させるガス導入口とを備えており、
前記制御部は、前記開閉弁を開放させ、前記ガス貯留部のガスを前記ホッパー内に瞬発的に導入させて該ホッパー内を急昇圧させることを特徴とする粉粒体材料の減圧式乾燥装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記ホッパー外周保温部は、前記ホッパーの外周に設けられた加熱手段と、該加熱手段の外周に設けられた断熱材とを備えていることを特徴とする粉粒体材料の減圧式乾燥装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記加熱ガス供給部は、螺旋状に形成されたガス通気路と、このガス通気路内に当該ガス通気路に沿って配された線状ヒーターとを備えていることを特徴とする粉粒体材料の減圧式乾燥装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記ガス通気路は、前記ホッパーの外周に周方向に沿って螺旋状に設けられていることを特徴とする粉粒体材料の減圧式乾燥装置。
【請求項6】
請求項4または5において、
前記ガス通気路の末端は、ホッパー下端部のすり鉢状の内周壁に開口しており、該内周壁には、該開口を覆うとともに、該開口から吐出されたガスを分散させる多孔板が、該内周壁に沿うように設けられていることを特徴とする粉粒体材料の減圧式乾燥装置。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか1項において、
前記加熱ガス供給部は、前記ホッパー内の略中央に上下に設けられたガス通気管と、このガス通気管の下端部に設けられたガス吐出口とを備えていることを特徴とする粉粒体材料の減圧式乾燥装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−167993(P2011−167993A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−35534(P2010−35534)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【出願人】(000146054)株式会社松井製作所 (70)
【Fターム(参考)】