説明

粒子を検出、分類及び同定する方法及びシステム

空中浮揚性及び非空中浮揚性粒子の、個別の、実質的にリアルタイムでの、検出、分類及び同定のための方法及び装置であって、粒子の流れを光学的レポーター及びマーカーと反応するように導いてからその流れを、個々の粒子がそれらの検出される多数の同定用の特徴を有するように励起光源にさらすことによる当該方法及び装置を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般に、エアゾール分析器に関係し、一層詳細には、生物学的及び他の空中浮揚性粒子の、粒子の固有の光学的特性並びにその分子及び生体分子光学的レポーターとの相互作用の利用による、リアルタイムの検出、分類及び同定に関係する。
【背景技術】
【0002】
室内及び屋外の空気の質のモニタリング、肺疾患患者のモニタリング、伝染病のヒト及び動物のモニタリングに関して、及びテロ活動又は攻撃的軍事行動などによる有害なエアゾールの意図的放出の早期の検出のために、空中浮揚性の生物学的及び非生物学的粒子のリアルタイムの検出、分類及び同定に対する要求は増大している。
【0003】
多くの室内及び屋外環境には、ヒトへの健康上の脅威を与えるエアゾールがある。有害なエアゾールは、自然の及び人為的な多くの発生源から生じうる。かかるエアゾールの存在をモニターする能力は、テロ活動に用いられる又は攻撃的軍事行動用のエアゾールの影響は、致死的でありうるために、エアロゾールへの露出を最少にする手段を提供することができる。かかる有害又は致死的エアゾールには、性質上、生物学的、化学的及び放射性のタイプのものが含まれる。
【0004】
生物学的警告能力を必要とする特定の応用には、戦場防御、臨界実験装置及び複合建造物例えば軍事基地の周囲の防御、室内及び屋外の両方のエアゾール攻撃に対する設備防護、郵便物バイオハザードスクリーニング(生物的有害物質の検査)、職業的衛生のモニタリング(監視)、室内空気の質のモニタリング、患者の呼吸感染のモニタリングなどが含まれる。これらの応用の各々については、様々な複雑なエアゾールバックグラウンドに遭遇し、それによって、関心ある生物学的エアゾールを検出して、各応用につき普通に遭遇するエアゾールから区別することを意欲を掻き立てる問題にしている。当分野の現状で、リアルタイムの生物学的ポイント検出は、粒子の弾性散乱及び/又はその空気動力学的直径をエアゾール飛行時間技術を用いて測定することにより、生物学的粒子の励起を介して自己蛍光を感知すること及び内因性蛍光体の検出を含む。個々の空中浮揚粒子からの自己蛍光、弾性散乱、及びエアゾール飛行時間情報の抽出に関する技術は、現在利用可能な最も鋭敏なリアルタイム技術である。米国特許第6,194,731号;5,999,250号;5,895,922号;5,701,012号;6,653,067号;米国特許出願公開第20030223063号;米国特許出願公開第20040125371号;米国特許第6,885,440号;及び米国実用特許出願第10/834,537号を参照されたい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
幾つかの公知の生物学的エアゾール検出方法の主な限界には、低濃度の固有の蛍光体を含む空中浮揚粒子の検出、及びそれらを蛍光を発するバックグラウンドのエアゾールから区別することが困難又は不可能であることが含まれる。
【0006】
米国特許第6,885,440号は、単一連続波のレーザー又は50MHz以上の変調周波数を有するレーザーの利用によるミー散乱技術及び自己蛍光を利用する生物学的粒子の検出及び分類のための方法及び装置を開示している。この出願人の特許を、参照によりその開示すべてをここに援用して本文の記載の一部とする。
【0007】
2004年4月29日に出願された米国特許出願第10/834,537号は、弾性散乱、自己蛍光、及び少なくとも一つの単一の連続波レーザー及び/又は20MHz以上の変調周波数を有するレーザーの利用による複雑な屈折率検出技術を利用する、生物学的粒子の検出及び分類のための方法及び装置を開示している。この出願を、参照によりその開示すべてをここに援用して本文の記載の一部とする。
【0008】
それ故、空中浮揚性の生物学的及び非生物学的粒子を検出するための、及び特定の生物学的及び非生物学的粒子を普通に遭遇するバックグラウンド粒子から区別するための改良された方法に対する要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、空中浮揚性の生物学的及び非生物学的粒子を、粒子の固有の光学的特性及びその分子及び/又は生体分子光学的レポーターとの相互作用の測定に基づいて、ほぼリアルタイムで、検出、分類及び同定するための方法、装置、及びシステムを企図している。本発明によれば、5つの異なる光学的現象である弾性散乱、吸収、蛍光、リン光及び化学発光の組合せを利用する。加えて、分子及び生体分子レポーターを、採取した空中浮揚性粒子に導入する手段には、その後のかかるレポーターとエアゾール粒子中に存在する特異的分析物との相互作用がもたらされており、この相互作用は、弾性散乱、吸収、蛍光、リン光及び/又は化学発光検出技術の利用により観察される。これらの分子及び/又は生体分子レポーターの適用は、固有の蛍光体を有しないか又は低濃度の固有の蛍光体を有する空中浮揚性の生物学的及び非生物学的粒子の検出を向上(増進)させる更なる手段を与える。これらの分子及び/又は生物学的レポーターはまた、関心ある粒子の天然のバックグラウンドエアゾールからの区別を向上させる手段をも提供する。更に、分子及び生体分子レポーターの適用は、かかるレポーターの適当な選択及びかかるレポーター又はレポーター前駆体との反応のために特定の分析物を利用可能にするように採取した空中浮揚性粒子を調製する方法の適当な選択による、関心ある空中浮揚性粒子のほぼリアルタイムの同定のための手段を与える。
【0010】
分子及び生体分子レポーター又はレポーター前駆体を、採取した空中浮揚性粒子に導入する手段は、それらの集めた空中浮揚性粒子への空中浮揚適用によるか又は液体適用によるものを含む。かかるレポーター又はレポーター前駆体の空中浮揚性適用は、蒸発/凝縮、分子昇華及びエアゾール凝集技術によって達成することができる(これらのすべては、かかるレポーター又はレポーター前駆体の、採取した空気中に存在する空中浮揚性粒子の表面への選択的及び制御された付着の機能を与える)。かかるレポーター又はレポーター前駆体の液体適用は、先ず、採取した空中浮揚性粒子をインパクション(衝突)又は静電気的収集技術を利用すること、その後、必要であれば、空中浮揚性粒子内の特異的分析物の秤動、及びその後のかかる光学的レポーター又はレポーター前駆体の導入によって達成することができる。多くの種類の分子及び生体分子レポーター又はレポーター前駆体を利用することができ、これらは、比色、蛍光、リン光及び化学発光によるインジケーターの種類の光インジケーターに分解されうる。液体ベースの診断応用に用いられる均質アッセイ及び技術は、容易に適用することができる。均質アッセイ及び技術を利用して、特異的な生物学的及び非生物学的分析物を測定することができる。表1は、代表的で有用な適用可能な分析物の一覧を与えるが、これは必ずしも完全ではない。
【0011】
【表1】

【0012】
本発明によれば、エアゾール検出の感度及び特異性を増大させる手段は、好ましくは、空中浮揚性粒子のサイズ、自己蛍光、又は吸光特性の検出を分子又は生体分子光学的レポーター又はレポーター前駆体と組み合わせることにより創出される。分子又は生体分子光学的レポーター又はレポーター前駆体の適用は、それらの、採取されたエアゾールへの空中浮揚性付着によるか又は収集されたエアゾールへの液体導入によって達成される。これらのレポーター又はレポーター前駆体による、空中浮揚性粒子のサイズ、自己蛍光、又は吸収特性の組み合わされた検出は、反応した粒子及び反応していない粒子の空中浮揚検出又は表面検出によって達成される。
【0013】
採取した空中浮揚性粒子と光学的レポーターとの間の反応環境は、好ましくは、1)粒子表面上での、蒸発/凝縮、分子昇華又はエアゾール凝集技術を利用する液層の成長により、又は2)空中浮揚性粒子を収集し、収集された粒子を液体薄膜に導入することによって創出される。光学的レポーターの空中浮揚適用には、液層の厚さ及び化学組成を、上記の技術の各々につき制御することができる。最適の液層の厚さ及び化学組成を、実施される均質アッセイに依って適用することができる。収集してから光学的レポーター又はレポーター前駆体を含む薄膜に導入した粒子については、採取した空中浮揚性粒子からの特異的分析物の秤動のための手段を含み得る適当な反応環境、及びその後の、光学的レポーター又は光学的レポーター前駆体の特異的分析物への導入が必要とされる。
【0014】
光学的レポーターの空中浮揚適用で、蒸発/凝縮技術を用いる場合には、このレポーター、適当な溶媒、及び他の必要な試薬を、蒸発させた後に、採取したエアゾールを含む領域に導入する。このレポーター、溶媒、及び他の必要な試薬を、次いで、エアゾール粒子の表面に吸着させる。この現象は、有核凝縮として公知であり、粒子のサイズ、形状、化学組成、表面構造及び表面荷電を含む多くの因子に依存している。図1は、この過程の説明を与えるものである。この図において、光学的レポーター10は、エアゾール試料に蒸気の形態で導入される。可溶性の核では、サイズの安定な液滴を生じる過飽和及び不飽和状態の両方で凝縮が起こりうる。不溶性の核では、粒子の直径がケルビン直径より大きければ、その核は、そのサイズの液滴のように振舞い、凝縮により成長する。図1において、光学的レポーター10は、エアゾール試料に蒸気の形態で導入される。この蒸気の形態の光学的レポーター10は、次いで、エアゾール粒子20の表面に吸着する。次いで、十分な吸着により、液体薄膜30が、粒子表面上に造られる。この技術により、光学的レポーター又は前駆体を、次いで、エアゾール粒子20の表面上に見出される適当なマーカーと反応させて、蛍光、リン光、化学発光、又は比色変化(色彩の変化)ベースの光学的レポーター応答を生成する。この有核凝縮の過程についての専門論文は、William C. Hindsによる「Aerosol Technology; Properties, Behavior and Measurement of Airborne Particles」中に見出すことができる。
【0015】
光学的レポーターの空中浮揚適用で、分子昇華技術を用いる場合には、レポーター、適当な溶媒、及び他の必要な試薬は、昇華され、次いで、採取したエアゾールを含む領域に導入される。次いで、蒸発/凝縮技術を用いる場合のように、レポーター、溶媒及び他の必要な試薬をエアゾール粒子の表面上に吸着させて、上記の段落に記載のように有核凝縮の原理に従う。
【0016】
光学的レポーターの空中浮揚適用で、エアゾール凝集技術を用いる場合には、レポーター、適当な溶媒、及び他の必要な試薬を、エレクトロスプレー又は空気噴霧法及び他の空気エアゾール化状態法を利用してエアゾール化する。ナノメートル〜ミクロンのサイズの直径のエアゾールを、これらの方法を利用して生成することができ、これらのエアゾールを、次いで、採取したエアゾールを含む領域に導入する。これらの液体エアゾールを、次いで、採取したエアゾールと衝突させて、レポーター、溶媒及び他の試薬の、採取したエアゾール粒子の表面への導入のための手段を与える。図2は、この過程を説明しているものである。図2において、光学的レポーター又は前駆体を含む液体エアゾール40を、エアゾール生成技術を用いて生成する。このエアゾールを、次いで、採取したエアゾール粒子20に導入し、エアゾールが凝集するための環境を与える。光学的レポーター又は前駆体を含む液体エアゾール40の、採取したエアゾール粒子20との凝集は、液体薄膜32を、採取したエアゾール粒子20の表面上に生成する。この(これらの)光学的レポーター又は前駆体を、次いで、エアゾール粒子20の表面上に見出される適当なマーカーと反応させて、蛍光、リン光、化学発光又は色彩の変化の何れかをベースとする光学的レポーター応答を生成する。エアゾール凝集の詳細な説明については、前述の、William C. Hindsによる「Aerosol Technology; Properties, Behavior and Measurement of Airborne Particles」を参照されたい。0.5〜20ミクロンの直径の範囲内の呼吸可能な範囲の粒子を検出する場合は、エアゾール凝集の最適な条件は、ナノメートル〜ミクロンの直径のエアゾールを、ナノメートル〜ミクロンの直径の採取されたエアゾールへの導入のために生成すべきである。凝集は、同じサイズの粒子間よりも異なるサイズの粒子間で一層早く進行する。採取したエアゾールの大きい吸着表面と、採取したエアゾール表面への小さいレポーター粒子の迅速な拡散との組合せは、レポーター、適当な溶媒及び他の必要な試薬を採取したエアゾールに適用するための迅速な手段に匹敵する。例えば、0.01μmの粒子と1.0μmの粒子との凝集は、1.0μm粒子だけの凝集より500倍迅速である。下記の表2は、異なるサイズのエアゾール粒子間の凝集の凝集係数の一覧を与える。
【表2】

ナノメートル〜ミクロンのサイズのエアゾールを生成する方法は、エレクトロスプレー及び空気噴霧法を含む。エレクトロスプレー噴霧法を用いた場合、ナノメートル〜ミクロンのサイズの直径のエアゾールを、エレクトロスプレーシステムをコーンジェットモードで運転することによって生成することができる。これは、キャピラリーチューブの先端に支持された液体メニスカスを高電位に帯電させることにより達成される。適当な条件下で、液体は、コーンの形状となり、コーンの頂点は、顕微鏡的な(非常に小さい)液体フィラメントを放射し、それは、特定の流れと流量を運ぶ。コーンジェットは、次いで、液滴のエレクトロスプレーにしばしば、単分散形態でばらけて、それらの液滴の直径は、数ナノメートル〜数百ミクロンの直径に制御される。これらの液滴のサイズは、主として、液体の導電性及び流量によって制御される。テーラーコーン生成の過程の詳細及び種々の構成についての実験結果については、Rossell-Lompart及びFernandez De La Mora (1994), Kaufman等、(1995), Fernandez De La Mora (1992), 及びFernandez De La Mora及びLoscertales (1994)を参照されたい。下記の米国特許もまた、エレクトロスプレー技術についての専門論文を提供する:米国特許第6,802,456号及び米国特許出願公開第2004/0177807.
【0017】
空気噴霧法は、高速空気流に与えられる吸引、重力又は圧力による液体の導入を含む。これらの条件下で、液体は、条件によって、数十ナノメートル〜数百ミクロンに及ぶ直径の液滴の多分散分布にばらける。
【0018】
他の現在のエアゾール生成技術は、顕微鏡的な孔を含む金属ディスクの振動による、小さいミクロンサイズの直径のチューブ及び高速で供給される液体の利用による、及び加熱されたキャピラリーチューブによる液滴形成を含む。最初の2つの技術は、顕微鏡的な液体フィラメントを生成し、それらは、ばらけて単分散のミクロン直径の液滴を形成する。顕微鏡的な孔を含む振動する表面を利用するエアゾール生成の専門論文については、米国特許第6,814,071号;6,782,886号;6,755,189号;6,629,646号;6,140,804号;6,540,154;6,540,153号;6,467,476号;6,427,682号;6,085,740号;6,014,970号;5,938,117号;5,164,740号;5,758,637号;5,586,550号を参照されたい。加熱したキャピラリーチューブの技術は、試料を気化させてから、均質な核形成により凝縮させてエアゾールを形成する。加熱したキャピラリーチューブを用いるサブミクロンのエアゾールの生成についての専門論文は、米国特許第6,701,921号;6,681,769号;6,681,998号;6,568,390号;6,557,552号;6,516,796号;6,501,052号;6,491,233号;6,234,167号;及び5,743,251号を参照されたい。
【0019】
図6に示した一実施形態に、蒸発/凝縮、分子昇華又はエアゾール凝集技術を利用して、光学的レポーター又は前駆体の空中浮揚適用を与える検出システムのレイアウトを与えてある。この実施形態においては、エアゾール又は蒸気生成器410を利用して、蒸気又はエアゾールを生成する。蒸気又はエアゾールとして生成された光学的レポーター又は前駆体を、次いで、採取したエアゾール粒子と共に凝集/凝縮領域425に導入する。この領域において、光学的レポーター又はレポーター前駆体の蒸気は、採取されたエアゾール粒子の表面に吸着され又は光学的レポーター若しくはレポーター前駆体エアゾールは、採取したエアゾール粒子と凝集する。このエアゾールを、次いで、リアルタイム空中浮揚性粒子光学センサー430への遅延した導入を与える寸法と形状を有するエアゾール反応領域に導入する。真空ポンプ490を用いて、採取した空気を、エアゾール凝集/凝縮領域及び反応領域435及びリアルタイム空中浮揚性粒子光学センサー430に引き込む。少なくとも一つの液体送達システム460及び470を利用して、光学的レポーター又はレポーター前駆体を蒸気又はエアゾール生成器410に送達する。液体送達システムの例は、三口バルブを有するシリンジポンプ、シリンジポンプの分配速度及びシリンジ再充填の自動制御並びに光学的レポーター又はレポーター前駆体及び必要な補助試薬の貯蔵のための貯蔵器である。エアゾール反応領域435を離れた後に、反応した粒子と反応していない粒子を、リアルタイム空中浮揚性光学センサー430に一度に一つ導入して検出する。シグナルプロセッサー480を利用して、弾性散乱及び/又は蛍光、リン光、又は化学発光シグナルを処理する。主マイクロ制御装置475を利用して、真空ポンプ490、エアゾール/蒸気生成器410、液体送達システム460及び470、並びにリアルタイム空中浮揚性光学センサー430を制御する。
【0020】
集めてから薄膜に、好ましくは光学的レポーター又はレポーター前駆体を含む非固体材料の薄膜に導入した粒子については、採取したエアゾール粒子を、先ず、静電気又は慣性インパクション(慣性衝突)技術を利用して表面上に集める。用語「非固体」は、ゲル、ペースト、樹脂、液体、ヒドロゲルなど、及び固体でないと考えられる粘度を有する任意の物質を含むということが理解されるであろう。図3は、光学的レポーター又は前駆体の、慣性衝突技術を用いる、集めたエアゾールへの液体適用の説明を与えるものである。この実施形態では、エアゾールは、単一ノズル又はマルチノズルのインパクター中に引き込まれる。インパクターは、空気引入れ口、エアゾールを加速するための単一又はマルチのノズル及び慣性衝突表面よりなる。慣性衝突の過程は、徹底的に研究されており、慣性衝突の詳細な説明については、William C. Hindsによる「Aerosol Technology; Properties, Behavior and Measurement of Airborne Particles」を参照されたい。この発明の目的のためには、0.5〜10.0ミクロンの直径のサイズ範囲のエアゾールを集めることのできる慣性衝突が望ましい。図3において、マルチジェットノズル50は、採取したエアゾール20を収集表面へ加速するために用いられる。収集表面は、一実施形態において、前面及び背面を有する振動可能部材から構成される平面的エアゾール発生器70の前面であり、この部材は、少なくとも一つのテーパー付きの孔を有する。平面的エアゾール発生器70の前面は、乾燥表面又は液体薄膜55を有することができる。かかるエアゾール発生器の例は、米国特許第6,921,020号中に見出すことができる。この実施形態において、液体薄膜は、エアゾールがこの表面上に収集される前に、収集中に、又は収集後に加えられる。他の実施形態において、エアゾールは、乾燥した表面又は液体の薄膜表面上に収集されてから、次いで、平面的エアゾール発生器70の前面に運ばれる。液体薄膜55の、収集されたエアゾール20への導入に際して、光学的レポーター又は前駆体60を、予め決めた時間にわたって、収集されたエアゾール20と反応させて、適当なマーカーを含む収集されたエアゾール粒子65の表面上の光学的レポーター応答を生成する。この光学的レポーター応答は、蛍光、リン光、化学発光、色彩変化、又はこれらの組合せに基づくものであってよい。光学的レポーター応答及び収集された粒子のサイズ、自己蛍光又は吸収特性は、平面的エアゾール発生器70の表面上でモニターするか、又は収集した粒子を再エアゾール化すること及びその後の単一粒子の検出によって空中浮揚様式で検出することができる。
【0021】
図4に示したように、反応した及び反応していない収集したエアゾールの空中浮揚検出は、これらの粒子を平面的エアゾール発生器70を利用して再エアゾール化することによって達成することができる。発生器70は、前面及び背面を有し、少なくとも一つのテーパー付きの孔を有する振動可能部材から構成されている、この振動可能部材が振動すると、液体がこれらのテーパー付き孔から射出されて、発生器70の前面に供給された液体薄膜55、反応していない収集されたエアゾール20及び反応した収集されたエアゾール65の両方を効率的にエアゾール化する。発生器70は、収集された粒子と液体薄膜の両方を非常に効率的にエアゾール化し、マイクロリットルの容積しか必要としない。一度再エアゾール化されれば、これらの反応した及び反応していない粒子は、リアルタイム空中浮揚性粒子光学センサー430に引き込まれ、次いで、一度に一つずつ検出される。発生器70はまた、インパクター表面(衝突表面)を効率的に再生する機構としても役立ち、それによって多数の衝突させられたエアゾールの測定が実施されうる。
【0022】
図7は、未処理の空中浮揚性粒子と処理された空中浮揚性粒子の組み合わせた検出のための検出システムのレイアウトを示している。適用及び所望の検出レベルに依って、エアゾール濃縮機400を用いて、採取したエアゾールを濃縮して、検出システムに導入される粒子の数を富化し得る。このアプローチを利用すれば、1000もの高い濃縮率を達成することができる。渦流ブロワー440が、真空源として用いられる。
【0023】
濃縮されたエアゾールを、次いで、エアゾールを静電気若しくは慣性衝突又は両方の組合せを利用して収集するエアゾールコレクター405に導入する。上記のように、採取したエアゾールを、次いで、エアゾール発生器70の前面に集める。液体薄膜をエアゾール発生器70の前面に、エアゾールを集める前、収集中、又は集めた後に、少なくとも一つの液体送達システム460及び470を利用して施す。液体送達システムの例は、三口バルブを含むシリンジポンプ、シリンジポンプの分配速度及びシリンジ再充填の自動制御並びに光学的レポーター又はレポーター前駆体及び必要な支持試薬の貯蔵のための貯臓器である。好適実施形態において、このエアゾール発生器の前面は、平面的であって、直径0.5”未満(約1.27cm未満)、好ましくは0.2”以下(約0.508cm以下)である。一例は、米国特許第6,921,020号に記載されているものである。上記の節に記載のように、この発生器は、前面及び背面を有する振動可能部材より構成されており、該部材は、少なくとも一つのテーパー付きの孔を有する。ピエゾセラミック素子を、この振動可能部材に接着して、電気的振動シグナルがこのピエゾセラミック素子に加えられた場合には、振動可能部材は振動する。振動可能部材の垂直方向のたわみは、その前面に付着した液体を強制的にテーパー付きの孔へ入れ、次いで、液体をテーパー付きの孔から高速で射出して液体フィラメントを形成し、液体フィラメントは、単分散のミクロンサイズの液滴にばらける。生成される液滴のサイズは、液体の粘度及び表面張力並びにテーパー付きの孔の直径の関数である。これらのテーパー付きの孔の構造及びそれらの直径は、振動可能素子の製造において制御することができ、この発明の好適な実施形態は、典型的には直径0.5〜5ミクロンの、最大範囲が0.5〜30ミクロンのエアゾールの再エアゾール化を許す直径の孔であり、これは、典型的には、5〜7ミクロンに、最大孔直径30〜40ミクロンに近い孔の直径に匹敵する。約60,000Hzの振動数を、この技術を用いて達成することができ、パルス持続時間及び動作周期の両方をマイクロ制御装置475を用いて電気的に制御することができる。環状の熱サイクル装置が発生器70の背面に結合されていることは、更に好ましく、これによってエアゾールが発生器70から取り入れ口420へ出ることが許容され、発生器70の前面の迅速な冷却及び/又は加熱の両方の手段をも与える。この能力は、幾つかの光学的レポーター又はレポーター前駆体の反応速度論において補助として、タンパク質及び二本鎖デオキシリボ核酸及びリボ核酸分子を変性させる手段として、細胞及び芽胞型粒子の溶解における補助として役立ち、そして集めたエアゾール粒子について核酸型アッセイを行なう手段を与える。
【0024】
このアプローチを利用して、光学的レポーター又はレポーター前駆体及び支持試薬の、発生器70の前面への正確な及び制御された送達を達成することができる。加えて、反応した且つ収集したエアゾール65、反応していない且つ収集したエアゾール20及び廃支持試薬の正確な及び制御された再エアゾール化を、1ミリ秒までという低いパルス持続時間によって達成することができる。直径0.200”以下(約0.508cm以下)の好適な振動可能部材を用いて、5〜30マイクロリットルの液体容積を一貫して適用し、その後、発生器70に適用するパルス持続時間及び速度に依って、数秒〜数分で再エアゾール化することができる。小さい試薬容積、エアゾール生成速度についての大きいダイナミックレンジ及び正確な制御された液体送達を用いることにより、この検出システムを構成して、反応した及び反応していないエアゾールの再エアゾール化による、収集したエアゾールに対するほぼ連続的な処理をもたらすことができる。このシステムはまた、適用及び予想される分析物濃度に依って、より長いエアゾール収集時間及び/又はより長い試料反応時間を実施するように構成することもできる。このシステムはまた、エアゾール収集が他の固定時間で起きており、検出システムが、光学的レポーターを含む再エアゾール化された且つ反応した粒子及び反応していない粒子の両方を又はどちらか一方だけを検出するように構成されている場合に、処理されてない空中浮揚性粒子だけを、それらのサイズ、自己蛍光、固定した時間についての吸収特性を測定して、検出するために形成することもできる。
【0025】
図7に示した検出システムレイアウトにおいて、採取されたエアゾールはまた、米国特許第6,885,440号及び米国特許出願第10/834,537号に記載されたような空中浮揚性粒子検出技術を利用する、処理されていないエアゾールのリアルタイム検出のための空気取入れ口420にも引き込まれる。上記の特許及び特許出願は、参照によりその開示すべてを援用し、本文の記載の一部とする。空気取入れ口420において、再エアゾール化した反応した及び反応していない収集された粒子を、真空ポンプ490により与えられる真空により、未処理エアゾールを含む同じ空気試料流に導入する。この合わされたエアゾールを、次いで、リアルタイム空中浮揚性粒子光学センサー430に引き込む。光学センサー430を用いて、この合せたエアゾールを、一度に一粒子ずつ測定する。この合わせたエアゾールの測定のために、粒子サイズ、自己蛍光、及びルミネッセンスの、光学的レポーターによる、蛍光、リン光、化学発光、又は色彩変化としての、同時の又は同期した測定のための手段が提供される。シグナルプロセッサー480を用いて、弾性散乱及び/又は蛍光、リン光、又は化学発光シグナルを処理する。主マイクロ制御装置475を用いて、真空ポンプ490、エアゾール発生器70、液体送達システム460及び470、及びリアルタイムの空中浮揚性光学センサー430を制御する。
【0026】
ここに記載したのは、エアゾールを感知する3つの構成であり、それらは、2つの励起波長及び2つの自己蛍光及び/又は光学的レポーター検出チャンネルの変形物である。付加的なエアゾール感知用の構成は、米国特許第6,885,440号及び米国特許出願第10/834,537号に記載されている。これらの3つの構成において、エアゾールは、光学的目視検査領域に毎分0.5〜30リットルで引き込まれ、粒子は、一度に一つずつ、2つの光線によって照明される。これら2つの光線は、互いに空間的に分離した光線又は空間的に分離せずに重ね合わされた光線である。図9〜11は、異なる構成のブロックダイヤグラムを与えるものである。これらの構成の各々において、励起波長は、好ましくは、次の組合せの一つを含むことができる:220〜300nm及び340〜490nm;340〜490nm及び500〜1500nm;及び220〜300nm及び500〜1500nm。2つの別個のレーザー又はLED光源を用いて、励起波長を、上記の波長範囲内で与えることができ、又は単一レーザーを調波発生技術と協力して用いることができる。加えて、これらの光源の少なくとも一つを、変調した様式で、又は連続波光源として稼動することができる。これらの変調した光源につき、10MHz以上の変調速度が好適である。上記の紫外波長の励起範囲(220〜300nmの範囲及び部分的には340〜490nmの範囲)につき、調和的に生成された光源を用いることができ、それは、好ましくは、10MHz以上の変調速度を有する。レーザーラインを生成する光学素子を用いて、厚さ約5〜約300μのレーザーラインを生成し、フィールドの深さ及びレーザーライン幅は、用いるエアゾール入口オリフィスの直径の少なくとも2倍(2×)である。用いる光学素子は、レーザーラインを、励起波長の一方であって、エアゾール入口プローブに直交して配置された2つのレーザーラインによって既知の距離だけ励起波長から他方から分離されて励起波長の他方と光学的に整列された励起波長の一方で、又は励起波長の他方に空間的分離なしで重ね合わされた励起波長の一方で生成する。厚さ約5〜約300μのレーザーラインは、高い計数速度を可能にする短いエアゾール移動時間のための手段及び最適な光学的出力照明のための高い光学的エネルギー密度のための手段を提供する。
【0027】
図9は、2つの弾性散乱検出チャンネル並びに2つの自己蛍光及び光学的レポーター検出チャンネルを有する2つの励起光源を用いる構成を示している。エアゾールを、エアゾールノズル(図に示されていない)を介してセンサーセル200に引き込み、光学的目視検査領域201に導入する。2つの励起光源100、105を用いる。これらの励起光源100、105は、連続光源であってよく又は10MHz以上の振動数で変調してもよく、例えば、レーザー、発光ダイオード、又は他の光放射デバイスなどであってよい。励起光源100は、2つの波長範囲340〜490nm又は500〜1500nmの一方において、励起光源105よりも長い波長である。励起光源105は、励起光源100より短い波長であり、2つの波長範囲220〜300nm又は340〜490nmの一方において、放射する。これらの光源から放射された光は、非球面レンズ110を用いて平行化され、次いで、平行にされた光線を他の非球面レンズ110を用いてピンホール開口115上に集光させることにより空間的に濾光(フィルタリング)され、次いで、別の非球面レンズ114を用いて再平行化される。両光源からの平行化光線を、次いで、光源100及び105から放射された望ましくない波長、又は光学素子から生じる自己蛍光から放射された望ましくない波長を排除するために、狭帯域フィルター120、125に導入することができる。両励起光源100、105からの平行にされた光線を、それぞれ、平行にされた光線に対して約45°で配置されている鏡130及び二色性の鏡135に導入する。鏡130及び二色性の鏡135は、同じ光学トレイン上に2つの平行にされた光線源を位置決めする(アラインメントする)の手段を与える。
【0028】
本発明の一実施形態において、2つの平行にされた光線を、エアゾール入り口ノズルと直交する平面に沿って既知の距離だけ離して整列させ、それによって、単一検出器を用いて、弾性散乱光を異なる2つの励起波長で検出すること、及び2つの異なる励起波長での自己蛍光又はレポーター放射の検出のための他の単一検出器で検出することができる。これら2つの照明用光線を分離することは、個々の粒子を2つの異なる時点で、但し相関した様式で、照明することを可能にする。
【0029】
別の実施形態においては、これらの平行にされた光線を、空間的分離を用いずに、空間的に重ね合わせて、その後、一度に一つの光源だけが動作するように順次動力を与えられる。2つの光源についての切り替え頻度を、両光源を用いて採取された各粒子を照明するだけ十分に早く設定することができ、又は採取したエアゾールの一つの集団を一つの光源を用いて照明し、その後、別の光源を用いて別の集団を照明するように設定することもできる。これらの2つの平行にされた光線を、エアゾール入口ノズルと直交する平面に沿って整列させ、それによって、単一の検出器を用いて、弾性散乱光を2つの異なる励起波長で検出すること、及び2つの異なる励起波長での自己蛍光又はレポーター放射の検出のための別の単一検出器で検出することができる。
【0030】
両実施形態につき、これらの平行にされた光線を、次いで、光出口ミラー130又は二色性の鏡135に導入し、その後、エアゾールノズル領域において、厚さ及び深さが約5〜300μであり、フィールド深さ及び光線幅がエアゾール入口ノズルの直径より少なくとも2倍(2×)大きいシート状の光を生み出す一連の光線成形光学素子に導入する。一実施形態において、球形レンズ140及び円柱状レンズ145を用いて、上記のジオメトリ(幾何学配置)を生成する。本発明の好適実施形態においては、球形レンズ140及びパウエルレンズ145を用いる。
【0031】
光線成形素子140及び145から生成された2つの光線を、次いで、光学的目視検査領域201に導入する。この領域201において、粒子を、約50〜約1000ナノ秒のエアゾール移動時間で、一度に一つずつ照明する。この領域を前向きに出る光は、光トラップ215を用いて収集される。
【0032】
図9に示した実施形態において、弾性散乱として及び光ルミネッセンスとして放射された光は、共に、光収集レンズ150、152を用いて、65〜115°の範囲の側方角度で収集される。光収集レンズ150、152は、照明領域で放射された光を、65〜115°の範囲の側方角度で収集してから、次に、その光を、蛍光検出チャンネルのための帯域フィルター160への導入のために及び最後に受光素子(光検出器)205及び210へ導入するために光を平行化させる。収集レンズ150、152は、非球面集光レンズ、円柱状レンズ、又は回折光学素子であってよい。
【0033】
図9に示したように、2つの収集レンズ150、152を、この実施形態で用いる。収集レンズの一つは、両励起波長から粒子により放射された弾性散乱光を収集するために用い、もう一つは、発光した粒子からの、2つの励起波長の各々についての自己蛍光又はレポーター放射を収集するために用いる。自己蛍光又は光学的レポーターチャンネルについては、多帯域フィルター素子160を用いて、2つの異なる自己蛍光放射範囲又はレポーター放射範囲についてのルミネッセンス放射に対応する2つの波長範囲以外のすべての波長をフィルタリングして取り除く。
【0034】
弾性散乱光を、次いで、受光素子(光検出器)210に導入する。光検出器は、好ましくは、光電子増倍管、アバランシェフォトダイオード、又はシリコンフォトダイオードである。多帯域フィルター素子160を通過する自己蛍光又は光学的レポーター放射を、光電子増倍管、アバランシェフォトダイオード、又はこれらと類似の感度を有するシリコンフォトダイオードなどの単一の受容素子(光検出器)205に導入する。受光素子205及び210の両者からのシグナルを、次いで、前置増幅回路300に導入し、それにより、50〜1000ナノ秒の電流パルスを先ずアナログ電圧に変換し、次いで、アナログ-ディジタル変換器305を用いてデジタルシグナルに変換する。これらの4つのすべてのチャンネルからのシグナルを、次いで、分析のために、シグナルプロセッサー320に導入する。シグナルプロセッサー320は、例えば、マイクロ制御装置、デジタルシグナルプロセッサー、フィールドプログラマブルゲートアレイ、マイクロコンピューターなど、シグナルプロセッシング(信号処理)の分野の当業者が容易に理解できるものであればよい。
【0035】
図10は、図9に示したものと、弾性散乱、自己蛍光及びレポーター放射を検出するための光収集スキームが異なるが、それ以外は類似である構成を示している。この構成において、収集レンズ150から集められた光は、入射光を2つの別々の放射波長範囲に分離する二色性の鏡213に導入される。この放射波長範囲は、何れの励起波長が光源100及び105に用いられたか及び如何なる自己蛍光及び/又はレポーター放射範囲が必要かに基づいている。二色性の鏡213からの分離された光を、次いで、2つの異なる光学的フィルター素子212及び211に導入する。光学的フィルター素子212は、特定の自己蛍光又は光学的レポーター放射範囲に対応する波長だけを通すように構成されている。光学的フィルター素子211は、別の特定の自己蛍光又は光学的レポーター放射範囲に対応する波長だけを通すように構成されている。
【0036】
次いで、散乱光を、受光素子(光検出器)210に導入する。この受光素子は、光電子増倍管、アバランシェフォトダイオード、又はシリコンフォトダイオードである。この実施形態においては、単一の弾性散乱チャンネルのみが、エアゾール検出に用いられる。光学的フィルター素子211及び212を通過する自己蛍光又はレポーター放射は、それぞれ、光電子増倍管、アバランシェフォトダイオード、又はこれらと同じ感度を有するシリコンフォトダイオードなどの受容素子(光検出器)205及び207に導入される。受光素子205、207及び210からのシグナルを、次いで、前置増幅回路300に導入し、それにより、50〜1000ナノ秒の電流パルスを先ずアナログ電圧に変換し、次いで、アナログ−ディジタル変換器305を用いてデジタルシグナルに変換する。これらの3つのすべてのチャンネルからのシグナルを、次いで、分析のために、シグナルプロセッサー320に導入する。シグナルプロセッサー320は、例えば、マイクロ制御装置、デジタルシグナルプロセッサー、フィールドプログラマブルゲートアレイ、マイクロコンピューターなど、シグナルプロセッシングの分野の当業者が容易に理解できるものであればよい。
【0037】
図11は、近位前方弾性散乱検出及び2つの自己蛍光/レポーター検出チャンネルを用いる二連式の波長励起スキームを示している。エアゾールは、センサーセル200内に、エアゾールノズル(図に示されていない)を通して導入され、光学的目視検査領域201に導入される。2つの励起光源(光源と表示)100、112を用いる。励起光源100は、連続光源であってよく又は10MHz以上の波長で変調されてもよく、例えば、レーザー、発光ダイオード、又は他の発光デバイスなどであってよい。励起光源100は、2つの波長範囲、すなわち340〜490nmの波長範囲又は500〜1500nmの波長範囲の一つにおいて、励起光源112よりも一層長波長である。励起光源112は、2つの波長範囲、すなわち220〜300nmの波長範囲又は340〜490nmの波長範囲一つにおいて、励起光源100よりも一層短波長である。励起光源112は、非線形調波変換を用いて、上記の紫外波長範囲を生成する。これらの光源から放射された光が、未だ平行化されてない場合は、その光を、非球面レンズ110を用いて平行化してから、その平行にされた光線を他の非球面レンズ110を用いてピンホール開口115に合焦することにより空間的にフィルタリングし、それから別の非球面レンズ114を用いて再平行化する。両光源からの平行にされた光線を、次いで、光源100及び112から又は光学素子から生成された自己蛍光から放射された不必要な波長を除去するために、狭帯域フィルター120、125に導入することができる。両励起光源100、112からの平行にされた光線を、それぞれ、平行にされた光線に対して45°で配置されている鏡130及び二色性の鏡135に導入する。鏡130及び二色性の鏡135は、2つの平行光源を同じ光学的装置上に整列する手段を与える。
【0038】
これらの平行にされた光線を、空間で空間的な分離なしで重ね合わせる。これらの2つの平行にされた光線を、エアゾール入口ノズルと直交する平面に沿って整列させ、それによって、単一の検出器207を用いて、弾性散乱光を近位前方で検出することを可能し、2つの別の検出器は、2つの異なる励起波長での自己蛍光放射又はレポーター放射の検出のために用いられる。
【0039】
これらの重ね合わせた平行にされた光線を、次いで、光出口ミラー130又は二色性の鏡135に導入し、次いで、一連の光線整形光学素子に導入して、エアゾールノズル領域において、約5〜約300μの厚さの、及びフィールド深さ及び光線幅がエアゾール入口ノズルの直径より少なくとも約2倍(2×)大きいシート状の光を生み出す。一実施形態において、球面レンズ140及び円柱状レンズ145を用いて、上記のジオメトリを生成する。本発明の一つの好適実施形態においては、球面レンズ140及びパウエルレンズ145を用いる。
【0040】
光線整形素子140及び145から生成されたこれら2つの光線は、次いで、光学的目視検査領域201に導入される。粒子は、この領域201内で、約50〜約1000ナノ秒のエアゾール移動時間で、一度に一つずつ照明される。この領域を、前向きで0〜4°の角度範囲で出る光は、光トラップ180を用いて集められ、4〜30°の角度範囲で出る光は、光学フィルター170に導入されて、励起光源100又は112の一つにより生成されたもの以外のすべての波長をフィルタリングにより除く。4〜30°の角度範囲で、近位前方で集められた光は、次いで、光検出器209に導入され、生成されたシグナルは、ミー散乱理論に基づく粒子サイズの測定に用いられる。
【0041】
この実施形態では2つの収集レンズ150、152を用いて、2つの異なる波長範囲で照明された粒子からの自己蛍光又はレポーター放射を集める。一方の自己蛍光又は光学的レポーター放射チャンネルにつき、光学フィルター素子212を用いて、自己蛍光又は光学的レポーター放射範囲に相当する波長範囲以外のすべての波長をフィルタリングにより除く。他方の自己蛍光又は光学的レポーター放射チャンネルについては、光学フィルター素子211を用いて、第二の自己蛍光又は光学的レポーター放射範囲に相当する波長範囲以外のすべての波長をフィルタリングにより除く。
【0042】
光学フィルター素子211及び212を通過する自己蛍光又はレポーター放射は、それぞれ、受光素子(光検出器)205及び207に導入される。受光素子205及び207は例えば、光電子増倍管、アバランシェフォトダイオード、又は光電子増倍管又はアバランシェフォトダイオードと類似の感度を有するシリコンフォトダイオードである。受光素子205、207及び210からのシグナルを、次いで、前置増幅回路300に導入し、それにより、50〜1000ナノ秒の電流パルスを先ずアナログ電圧に変換し、次いで、アナログ-ディジタル変換器305を用いてデジタルシグナルに変換する。これらの3つのすべてのチャンネルからのシグナルを、次いで、分析のために、シグナルプロセッサー320に導入する。シグナルプロセッサー320は、例えば、マイクロ制御装置、デジタルシグナルプロセッサー、フィールドプログラマブルゲートアレイ又はマイクロコンピューターであればよい。このことは、シグナルプロセッシングの分野の当業者が容易に理解できるであろう。
【0043】
図5に示したように、反応した及び反応していない収集されたエアゾール粒子の表面検出は、平面的エアゾール発生器70の前面の少なくとも一つの励起光源80による照明により達成されうる。この励起光源は、レーザー又は発光ダイオードであってよい。光学的検出器90は、自己蛍光及び/又は光学的レポーターの蛍光、リン光若しくは化学発光の検出のためにエアゾール発生器70の前面の上に配置することができる。このアプローチを用いて、エアゾールを収集した場合、収集したエアゾール20の自己蛍光を、エアゾール発生器70の前面を少なくとも一つの励起光源80による照明することによりモニターすることができ、その蛍光放射は、少なくとも一つの光学的検出器90を用いて検出される。この(これらの)励起波長は、生物学的粒子において通常見出される内因性発蛍光団、例えば芳香族性アミノ酸、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)、フラビン、クロロフィルなどの最適な励起のために選択される。最適な励起波長は、下記の2つの励起範囲を含む:220〜300nm及び340〜490nm。光学的レポーターの励起に利用可能な多くの光源があり、どの光源を適用するかどうかについての選択は、何れの光学的レポーターを使用するかに依存している。採取したエアゾールをエアゾール発生器70の前面に衝突させる(インパクトさせる)ことにより、インパクター表面を再生するための手段が提供される。発生器70は、好ましくは、前面及び背面を有する振動可能部材を含み、該部材は、少なくとも一つのテーパー付き孔を有している。振動可能部材を振動させると、液体が、これらのテーパー付き孔から射出され、該発生器70の前面に供給された液体及び収集されたエアゾール20の両者が効率的にエアゾール化される。これは、インパクター表面を効率的に再生して多数の衝突させられたエアゾールの測定を実行しうるようにする機構として役立つ。
【0044】
図8は、収集された自己蛍光及び光学的レポーター反応した粒子の表面検出のための検出システムのレイアウトを示している。適用及び検出の所望のレベルに依って、エアゾール濃縮機400を利用して採取したエアゾールを濃縮して、検出システムに導入された粒子の数を富化させることができる。このアプローチを用いて、1000もの高い濃縮率を達成することができる。渦流ブロワー440を、真空源として用いる。
【0045】
濃縮されたエアゾールを、次いで、エアゾールを静電気若しくは慣性衝突又は両方の組合せを利用して収集するエアゾールコレクター405に導入する。上述したように、採取したエアゾールを、次いで、エアゾール発生器415の前面に集める。この実施形態において、エアゾール発生器415は、その前面からの自己蛍光及び光学レポーター放射の表面検出のための手段となる、エアゾール発生器415に一体的に組み込まれた光学センサーを含む。エアゾールを集める前、収集中、又は集めた後に、少なくとも一つの液体送達システム460及び470を利用して、液体薄膜がエアゾール発生器415の前面に施される。液体送達システムの例は、三口バルブを含むシリンジポンプ、シリンジポンプの分配速度及びシリンジ再充填の自動制御並びに光学的レポーター又はレポーター前駆体及び必要な支持試薬の貯蔵のための貯臓器である。好適実施形態において、このエアゾール発生器の前面は、平面的であって、直径0.5”未満(約1.27cm未満)、好ましくは0.2”以下(約0.508cm以下)である。環状の熱サイクル装置が発生器415の背面に接着されていることが更に好ましく、環状の熱サイクル装置が発生器415は、エアゾールが発生器415から取り入れ口420へ出ることを許容し、発生器415の前面の迅速な冷却及び/又は加熱の両方の手段をも与える。この能力は、幾つかの光学的レポーター又はレポーター前駆体の反応速度論における補助として、タンパク質及び二本鎖デオキシリボ核酸及びリボ核酸分子を変性させる手段として、細胞及び芽胞型粒子の溶解における手段として役立ち、そして集めたエアゾール粒子について核酸型アッセイを行なう手段を与える。
【0046】
エアゾールの収集中に、この一体化された光学センサーを、自己蛍光又は光学的レポーター放射を少なくとも一つの放射範囲で測定するように構成することができる。所定時間の経過後に、又は特性の物質の存在を示すシグナルが生成された後に、エアゾール発生器415は、反応した及び反応していないエアゾール並びに支持試薬を廃液貯蔵器に放出して再生された表面をもたらし、エアゾール収集、検出及び再生のサイクルが、再度反復される。シグナルプロセッサー480は、エアゾール発生器415の前面を測定することにより検出された自己蛍光及び光学的レポーター放射シグナルを処理するために利用される。主マイクロ制御装置475は、真空ポンプ409、エアゾール発生器410、液体送達システム460及び470、並びにリアルタイム空中浮揚性光学センサー409を制御するために用いられる。
【0047】
ここに記載のエアゾール検出用プラットフォームを用いる、生物学的、化学的又は放射性エアゾールの検出のために実施することのできる多くの均質アッセイがある。生物学的均質アッセイについては、種々の均質アッセイ技術を記載した多数の文献がある。これらの型のアッセイを生物学的エアゾールの検出及び同定に適用する目的について、かかる技術は、次のクラスにまとめることができる:染料インジケーター、酵素的、免疫学的及び核酸型のアッセイ。幾つかの有用な情報源は、「Conn's Biological Stains 第10版」(R.W. Horobin及びJ.A. Kiernan編)、「Handbook of Fluorescent Probes and Research Products」(Richard P. Haugland)、「Flow Cytometry 第3版」(Michael G. Ormerod編)、及び「Flow Cytometry:第一原理、第2版」(Alice Longbardi Givan編)である。上記のクラスのすべてについて、光学的レポーターの関心ある分析物との反応に際して、蛍光、リン光、化学発光を生成し又は色彩の変化を生成するアッセイを選択することは、この発明の目的である。
【0048】
採取したエアゾール粒子の検出及び分類のための図6、7及び8に示された検出用プラットフォームのために利用することのできる染料インジケーターアッセイの2〜3の型がある。染料インジケーターアッセイについての好適応答は、インジケーター染料が生物学的巨大分子に結合するまで弱い光学的効果を示すか又は該効果を示さないものである。一つの型は、染料の、生物学的巨大分子例えばタンパク質、脂質、炭水化物又は核酸ポリマーとの非共有結合性相互作用を包む。この型については、光学的レポーターの特異的分析物への結合に際して、蛍光放射の増進が認められるか又は色彩の変化が認められる。別の型の染料インジケーターアッセイには、染料又は染料前駆体の、前駆体とは異なる吸収特性を示す蛍光原又は発色原を生成する分析物との、発蛍光団又は発色団反応が含まれる。
【0049】
生物学的均質アッセイの別の型は、少なくとも一つの蛍光原又は色素原酵素基質を利用して、関心ある生物学的粒子中に見出される特定の種の酵素の存在を検出するアッセイである。蛍光原基質については、光学的レポーター前駆体は、発蛍光団前駆体であり、これは、採取した粒子中に見出される酵素による発蛍光団への触媒変換に際して蛍光性となる。色素原基質については、色彩の変化が、採取した粒子中に見出される酵素による色素原基質の発色団への触媒変換に際して認められる。これらの型の酵素基質の両方について、多くのアッセイが存在し、図7及び8に記載した上記の検出システムプラットフォームを、かかる光学的レポーターの特異的検出のために構成することができる。一段階式均質免疫アッセイもまた、関心ある生物学的粒子に特異的な抗原の免疫学的検出のために、図7に示されるように上記の検出プラットフォームを用いて利用することができる。これらのアッセイ型については、光学的レポーターを、関心ある生物学的粒子の表面で見出される抗原に特異的な抗体と結合させる。この光学的レポーターは、発蛍光団又はリン光性分子又は粒子である。細胞及び芽胞型の生物学的粒子の検出のためには、多数の抗原部位が、レポーター標識された抗体との結合に利用可能であるということが予想される。これは、採取された粒子の表面において濃縮された蛍光又はリン光シグナルを効果的に生成し、再エアゾール化された場合に、これらの粒子は、液体フローサイトメトリーにおいて免疫蛍光技術が適用される仕方と類似の様式で、一度に一つずつ検出される。これらの蛍光性レポーターは、抗体に結合された個々の染料分子、蛍光若しくはリン光性ナノスフェア若しくはミクロスフェア、量子ドット、又は幾つかの他の型の光ルミネセントナノクリスタルであってよい。
【0050】
生物学的エアゾールの、図7に示された検出用プラットフォームを用いた検出に利用することのできる生物学的均質アッセイの最後の型は、核酸アッセイである。図7に示された検出用プラットフォームは、蛍光又はリン光プローブ技術を利用する、核酸検出に好適な、統合されたエアゾール収集及び、試料調製方法を与える。小さい衝突表面、エアゾール発生器の前面に必要とされる小さい試薬容積、DNA及びRNAの変性及び核酸プローブハイブリダイゼーションのための迅速な熱トランスファー表面、並びにミクロン直径容積の再エアゾール化は、ゲノムDNA及びRNAについての核酸プローブアッセイの実施に好適な環境を造る。この検出プラットフォームを利用して、増幅していないゲノムDNA及びRNA並びに増幅したDNA/RNA検出を行なうことができる。増幅していないDNA/RNAの検出のためには、実施することのできる多くの均質アッセイがあり、例えば、FRETベースの分子ビーコンの利用、2色蛍光プローブ検出、競合的蛍光及びリン光ベースのプローブ技術などがある。標的DNA又はRNA配列の増幅のためには、光学的応答を生成するために利用することのできる多くの技術がある。核酸増幅技術についての有用な情報源は、「DNA Amplification: Current Technologies and Applications」(Vadim V. Demidov及びNatalia E. Broude編)である。
【実施例1】
【0051】
実施例1は、次の空中浮揚性粒子の検出及び分類のための手段を与える:細菌細胞、細菌芽胞、ウイルス凝集物、タンパク質毒素凝集物、糸状菌芽胞、昆虫遺骸、植物細胞遺骸及び紙粒子。二種類の光学的レポーターを、細菌細胞、細菌芽胞、ウイルス凝集物、及びタンパク質毒素凝集物を、糸状菌芽胞、昆虫遺骸、植物細胞遺骸及び紙粒子から区別するために利用する。Calcofluor White 2MR、Blankophor又はUVITEX 2Bを、セルロース又はキチンを含む粒子を検出するために利用する。これらの染料は、紫外線領域で励起可能であり、反応が早く、セルロース又はキチンとの結合に際して蛍光を発する。これらの光学的レポーターの一つを利用することは、糸状菌芽胞、昆虫遺骸、植物細胞遺骸及び紙粒子を、セルロースを含まない生物学的粒子、例えば細菌細胞、際菌芽胞、ウイルス凝集物、及びタンパク質毒素凝集物から区別する手段を与える。これらの染料は、350〜420nmの範囲で励起可能であり、400〜470nmで蛍光放射する。
【0052】
タンパク質に特異的な別の光学的レポーターが用いられる。タンパク質特異的な光学的レポーターは、検出器の単一の細胞及び芽胞粒子の検出下限を向上するために、及び細菌細胞、細菌芽胞、ウイルス凝集物及びタンパク質毒素凝集物の非生物学的蛍光性エアゾールからの区別を向上させるために用いられる。赤又は近IR励起可能な染料は、この検出チャンネルのために用いられ、幾つかの例は、NN−127、660nmで励起され、690〜790nmの蛍光放射するスクアリリウム染料、及びインドシアニングリーン染料(ICG:785nmで励起され、820nmでピーク放射)である。他の近IR染料は、ジョージア州立大学のGabor Patonay等により開発されたC−7、C−10又はC−12であり、785nmの励起波長及び790〜860nmの蛍光放射を有している。これらの染料は、タンパク質への非共有結合性結合に際して強力な蛍光性となる。
【0053】
図6に記載の検出システムレイアウトを利用する場合、2種類の光学的レポーターが、別々に生成されるか又は同じ溶液及びシリンジポンプを用いて分散され、エアゾールとして、採取されたエアゾールに導入される。一実施形態において、光学的レポーターエアゾールは、採取されたエアゾールに連続的に加えられる。別の実施形態において、光学的レポーターエアゾールは、周期ベース(例えば、毎分一回)で30秒間ほどにわたって導入される。更に別の実施形態において、光学的レポーターエアゾールは、自己蛍光性エアゾールの増加した存在、増大した粒子計数、又は増大した特定の種の吸収特性を有する、ディファレンシャル弾性散乱により測定された粒子レベルなどのある特性を含むエアゾールの集団の存在によりトリガーされた場合にのみ導入される。3つの実施形態のすべてについて、光学的レポーターエアゾールの採取したエアゾールとの凝集が起きた後で、その凝集したエアゾールを、次に、染料カルコフルオルホワイト2MR、ブランコフォア又はUVITEXの場合は光学的レポーターが、表面セルロース又はキチンと、又は染料NN−127、インドシアニングリーン、C−7、C−10又はC−12の場合は光学的レポーターが、表面タンパク質と反応するのに十分な時間を与えるように1〜30秒の遅れを与えて、エアゾール反応領域に導入する。反応した及び反応していないエアゾールを、次いで、図9、10又は11に記載したセンサー構成を利用する空中浮揚性粒子光学センサーに引き込む。一実施形態において、このセンサーは、未処理の及び処理された採取したエアゾールの検出を、光学的レポーターコーティングのために用いたエアゾール発生器の出力をエアゾール検出と同期させることによって互い違いになるように構成される。このアプローチを用いて、エアゾールセンサーは、0.5〜10.0ミクロンの直径範囲の粒子サイズ、自己蛍光及び/又はディファレンシャル弾性散乱を一定時間例えば30秒間測定するために構成することができる。その後、このエアゾールセンサーを、光学的レポーター検出モードに切り替える。この光学的レポーター検出モードは、測定粒子サイズ0.5〜10.0ミクロン直径範囲、及びこのサイズ範囲の各粒子についての2種の光学的レポーターの強度レベルである。これを達成するために、一つ又は二つの検出用チャンネルが、2つの励起波長405nm及び660nm又は785nm(タンパク質検出に何れの光学的レポーター染料が使われるかに依る)の弾性散乱光の検出に供される。ディファレンシャル弾性散乱測定を行なうならば、2つの弾性散乱検出用チャンネルが用いられる。そうでなければ、唯一つの弾性散乱検出用チャンネルが、粒子サイジングの目的のために用いられる。エアゾール感知のための構成に依って、一つ又は二つの検出用チャンネルが、自己蛍光及び2つの光学的レポーターチャンネルの両方の検出のために用いられる。
【0054】
図9に示したエアゾール感知のための構成を用いて、単一の検出器を用いて、フラビンの自己蛍光放射と、2種の光学的レポーター、すなわち420〜500nmの放射範囲を有するセルロース/キチン特異的な染料及び、NN−127については690〜790nm及びインドシアニングリーン、C−7、C−10、C−12については795〜900nmの放射範囲を有するタンパク質染料の蛍光放射との両方を検出する。2つの波長領域、すなわち、自己蛍光及びセルロース/キチン染料蛍光の両方の感知用の420〜580nmの波長領域及びタンパク質染料蛍光用の690〜790nm又は795nmから900nmの波長領域に選択的なマルチバンドの光学フィルターを利用する。自己蛍光を染料蛍光から分離するために、センサーが自己蛍光をセルロース/キチン染料蛍光と異なる時点で検出するという事実に加えて、セルロース/キチン染料蛍光の強度レベルを使用する。両方の型の光学的レポーターの検出は、2つの励起光源の出力を、両励起波長による各エアゾール事象の照明を許容する周波数に変調することにより、又は一つの光源を用いる集団の測定とその後に行われる他の光源を用いる集団の測定によって達成される。何れのモードを用いても、蛍光検出チャンネルから生成されたシグナルは、光源変調と同期され、それによって、光学的レポーターの蛍光を探知して最適なレポーターまでたどることができる。
【0055】
図10に示したエアゾール感知のための構成を用いて、405nm及び660nmの光源の両方の同時の利用、及びその後に行われる両光学的レポーターの同時の検出を各エアゾール事象について可能にする2つの別々の蛍光検出用チャンネルを使用する。上記の構成におけるように、自己蛍光が、光学的レポーターの蛍光と別の時点で測定され、蛍光強度レベルは、もしセルロース又はキチン物質が採取した粒子上に存在するならば、自己蛍光レベルよりも強くなるよう設計される。
【0056】
図11に示したエアゾール感知のための構成を用いて、単一の弾性散乱チャンネルを用いて、光源の何れか一つを用いて粒子サイズを測定する。2つの別々の蛍光チャンネルを使用する:一つは、フラビンの蛍光及びセルロース/キチン染料の蛍光の両方を感知するために420〜580nmの放射用に構成されており、一つは、2つの放射範囲690〜790nm及び795〜900nmの一つを用いてタンパク質染料の蛍光用に構成されている。前述の構成によるように、これは、405nm及び660nmの光源の両方の同時の利用と、その後に行われる各エアゾール事象についての両光学的レポーターの同時の検出を可能にする。
【0057】
図7に示した検出システムレイアウトを用いて、エアゾールを、平面的エアゾール発生器の前面に集めるか、又は別の面に集めた後にエアゾール発生器の前面に液体輸送される。一実施形態において、光学的レポーターは、連続的に、採取したエアゾールに加えられ、反応した及び未反応の粒子を、センサーの空気流中に再エアゾール化する。別の実施形態においては、光学的レポーターエアゾールを、収集した粒子に、周期ベースで例えば30秒ほどにわたって毎分一回で、導入し、その後、反応した及び未反応の粒子を、センサー空気流中に再エアゾール化する。さらに別の実施形態においては、エアゾールの収集及びその後の光学的レポーターの収集したエアゾールへの導入は、特定の特性を有するエアゾールの集団の存在、例えば自己蛍光性エアゾールの増大した存在、増大した粒子計数、又は特定の種の吸収特性を有する粒子のディファレンシャル弾性散乱により測定される増大したレベルによってトリガーされた場合にだけ起きる。反応した及び未反応のエアゾールを、その後、上記のセンサー構成の何れかを用いて測定することができる。
【0058】
図8に示した検出システムレイアウトを用いて、エアゾールを、平面的エアゾール発生器の前面に集めるか、又は別の面に集めた後に該エアゾール発生器の前面に液体輸送される。一実施形態において、光学的レポーターは、連続的に、採取したエアゾールに加えられ、反応した及び未反応の粒子は、エアゾール発生器の前面で測定される。所定時間の経過後に、集めた試料をエアゾール化し、それによって別の収集サイクルを開始することができるようにすることによって、エアゾール発生器の前面を再生する。別の実施形態においては、光学的レポーターエアゾールを、集めた粒子に、周期ベースにて、例えば30秒ほどにわたって毎分一回で、導入し、反応した及び未反応の粒子をエアゾール発生器の前面で測定する。測定後に、集めた試料をエアゾール化し、それによって別の収集サイクルを開始することができるようにすることにより、エアゾール発生器の前面を再生する。さらに別の実施形態においては、エアゾールを、エアゾール発生器の前面に集めて、集めたエアゾールの自己蛍光を、405nm励起光源と、420〜580nm帯域光学的フィルターを有する蛍光検出器とを用いてモニターする。十分な自己蛍光レベルが測定される場合には、光学的レポーターを適用して、光学的レポーターの蛍光を測定する。
【0059】
この感知するための構成は、405nmの励起波長の光源と、660nm又は785nmの励起波長の光源との2つの光源から構成される。これらの光源は、エアゾール発生器の前面を照明するように方向付けられており、蛍光放射は、2つの光学的レポーターの各々について、単一の検出器を利用して及び光源を異なる時点で切り替えて、又は次の2つの放射範囲に対して選択的な光学フィルターを備えた2つの蛍光検出器を利用することにより測定される:セルロース/キチン染料蛍光用の420〜580nm及びタンパク質染料蛍光用の690〜790nm又は790nmから900nm。
【実施例2】
【0060】
実施例2は、266〜300nm及び350〜490nmで粒子を励起して、フルオレスカミンと呼ばれる染料を使用し、タンパク質特異的な光学的レポーターを検出することによる、空中浮揚性粒子の自己蛍光検出のための手段を提供する。266〜300nmでの励起は、生物学的粒子中に普遍的に存在するタンパク質において一般に見出される芳香族アミノ酸の検出のための手段を与える。350〜490nmでの励起は、生物学的粒子においてやはり一般に見出されるNADH及びフラビンの検出のための手段を与える。タンパク質染料フルオレスカミンは、速く作用する発蛍光性染料であり、405nmで励起されると、420〜580nmの強い蛍光放射を与える。実施例1で記載した検出システムレイアウト及びエアゾール感知のための構成は、この実施例において、同じ仕方で適用することができる。
【0061】
実施例2は、細菌細胞、細菌芽胞、ウイルス凝集物、及びタンパク質毒素凝集物の、紙粒子及び有機炭素粒子からの向上された区別についての利益を示し、単一細菌細胞及び芽胞の低い検出限界を向上させる手段を提供する。生物学的粒子を蛍光紙粒子から区別することは、郵便物の仕分け過程における、生物学的危険の低レベルでのリアルタイムの検出のための手段を提供する。
【実施例3】
【0062】
実施例3は、空中浮揚性粒子の自己蛍光の、405〜420nmで粒子を励起してタンパク質特異的な光学的レポーターをフルオレスカミンと呼ばれるタンパク質特異的染料を用いて検出することによる検出のための手段を提供する。405〜420nmでの励起は、やはり生物学的粒子において一般的に見出されるフラビンの検出のための手段を提供する。タンパク質染料フルオレスカミンは、速く作用する発蛍光性であり、405nmで励起されると、420〜580nmの強い蛍光放射をもたらす。実施例1で記載した検出システムレイアウト及びエアゾールの感知のための構成を、この実施例においても同様に適用することができる。
【0063】
実施例2によるのと同様に、実施例3は、細菌細胞、細菌芽胞、ウイルス凝集物、及びタンパク質毒素凝集物を、紙粒子から区別するための手段、単一細菌細胞及び芽胞の低い検出限界を向上させる手段、及びタンパク質含有空中浮揚性粒子の特異的検出のための手段を提供する。実施例2におけるように、生物学的粒子を蛍光紙粒子から区別することは、郵便物の仕分け過程における、生物学的危険の低レベルでのリアルタイムの検出のための手段を提供する。
【実施例4】
【0064】
実施例4は、空中浮揚性粒子を、粒子を405〜420nmで励起してタンパク質特異的光学的レポーターをフルオレスカミンと呼ばれる染料を利用して検出することによる、空中浮揚性粒子の自己蛍光検出のための手段を提供する。第二の励起光源を、NN−127と呼ばれる別のタンパク質特異的光学的レポーターを660nmで励起するために利用する。405〜420nmでの励起は、生物学的粒子において一般的に見出されるフラビンの検出のための手段を提供する。タンパク質染料フルオレスカミンは、速く作用する発蛍光性染料であり、405nmで励起されると、420〜580nmの強い蛍光放射を与える。NN−127は、非共有結合性染料であり、690〜790nmの蛍光放射を有するタンパク質に結合する際に、蛍光性となる。実施例1で記載された検出システムレイアウト及びエアゾール感知のための構成は、この実施例において、同様に適用することができる。
【実施例5】
【0065】
実施例5は、空中浮揚性粒子を、405〜420nmで粒子を励起してタンパク質特異的光学的レポーターをフルオレスカミンと呼ばれる染料を利用して検出することによる、空中浮揚性粒子の自己蛍光検出のための手段を提供する。第二の励起波長を、下記のタンパク質特異的光学的レポーターの一つを785nmで励起するために利用する:インドシアニングリーン、C−7、C−10、又はC−12。405〜420nmでの励起は、生物学的粒子において一般的に見出されるフラビンの検出のための手段を提供する。タンパク質染料フルオレスカミンは、速く作用するの発蛍光性染料であり、405nmで励起されると、420〜580nmの強い蛍光放射を与える。インドシアニングリーン、C−7、C−10又はC−12は、非共有結合性染料であり、795〜900nmの蛍光放射を有するタンパク質への結合に際して蛍光性となる。実施例1で記載した検出システムレイアウト及びエアゾール感知のための構成は、この実施例において同様に適用することができる。
【実施例6】
【0066】
実施例6は、放射性空中浮揚性粒子の検出のための手段を提供する。アルファ、ベータ、ガンマ、及び中性子放射の検出のために液体シンチレーションを利用する。アントラセンを、光学的レポーターとして利用することができ、アントラセンは、アルファ、ベータ、ガンマ、及び中性子放射の吸収に際して、360〜450nmの放射範囲で蛍光を発する。この型の検出は、「汚い爆弾」のデトネーションから生じたエアゾール及び他の放射性エアゾールの検出のために利用することができる。実施例1に記載した検出システムレイアウト及びエアゾール感知のための構成は、この型の処理されたエアゾールの感知のためには、励起光源は必要とされないことを除いて、この実施例において同様に適用することができる。励起光源無しで360〜450nmの蛍光放射範囲で蛍光を発するエアゾール事象の測定により、放射性エアゾールを検出し得る。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】蒸発/凝縮技術を利用した空中浮揚性粒子のコーティングを示した図である。
【図2】エアゾール凝集技術を利用した空中浮揚性粒子のコーティングを説明した図である。
【図3】内部詰込みを利用したエアゾール収集及び光学的レポーターの液体適用を示した図である。
【図4】再エアゾール化された反応した及び反応していない粒子の検出を示した図である。
【図5】反応した及び反応していない粒子の表面検出を示した図である。
【図6】光学的レポーターの空中浮揚性適用のための検出システムレイアウトを示した図である。
【図7】未処理の及び処理された空中浮揚性粒子を組み合わせて検出するための検出システムレイアウトを示した図である。
【図8】収集された自己蛍光性及び光学的レポーターと反応した粒子の表面検出のための検出システムレイアウトを示した図である。
【図9】二連の波長励起及び2つの弾性散乱及び2つの自己蛍光/光学的レポーター検出用チャンネルを利用するエアゾールの感知のための構成の一実施形態の概略図である。
【図10】二連の波長励起及びトーン弾性散乱及び2つの自己蛍光/光学的レポーター検出用チャンネルを利用するエアゾールの感知のための構成の一実施形態の概略図である。
【図11】二連の波長励起及び近位前方弾性散乱及び2つの自己蛍光/光学的レポーター検出用チャンネルを利用するエアゾールの感知のための構成の他の実施形態の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子を検出、分類及び同定するための方法であって、
試料を用意して、予め選択してある試料評価領域に導く工程と、該試料評価領域は粒子を含み;
少なくとも一つの光学レポーターを試料評価領域に供給する工程と;
少なくとも一つの光学的レポーターを、試料中の粒子の表面に接触させる工程と;
予め選択してあるマーカーを反応領域に供給する工程と;
光学的レポーターを、予め選択してあるマーカーと反応領域内で反応させて、記録可能な応答を誘出する工程と;
しるしを付けられ且つ吸着された光学的レポーター粒子を含む試料を光学的目視検査領域に導く工程と;
少なくとも一つの連続波の励起光源を用意して、不連続な波長を生成して放射させる工程と;
連続波励起光源からの光の少なくとも一つの不連続波長の光を光学的目視検査領域に導く工程と;
試料中の少なくとも一つの吸着され且つしるしを付けられた光学的レポーター粒子を、光学的目視検査領域で、少なくとも一つの励起光源を用いて照射する工程と;
光学的目視検査領域からの光を、複数の検出器に導き、該検出器は複数のシグナルを生成する工程と;
これらの検出器からのシグナルを、シグナルプロセッサーに導いて、実質的に同時に粒子の特性を実質的にリアルタイムで測定する工程とを含む当該方法。
【請求項2】
記録可能な応答を、蛍光応答、リン光応答、化学発光応答、比色応答及びこれらの組合せよりなる群から選択する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
光学的レポーターを、試料に、蒸発及び昇華よりなる群から選択する方法により、蒸気として導入する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
光学的レポーターが、試料中の粒子に、蒸発−凝縮工程及び蒸着工程よりなる群から選択する方法により吸着される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
光学的レポーターを、蒸発−凝縮;空気噴霧法;エレクトロスプレー噴霧法;超音波噴霧法;ピエゾ電気噴霧法;及び振動しうるオリフィスによる噴霧化方法よりなる群から選択するエアゾール発生方法を用いて、試料にエアゾールとして導入する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
光学的レポーターを、試料中の粒子表面に、エアゾール凝集を含む方法を利用して吸着させる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
試料中の吸収された光学的レポーター粒子が、弾性散乱特性;自己蛍光放出特性;自己蛍光を放射しない特性;レポーター誘導された蛍光;リン光;化学発光放射;誘導された色彩変化特性;レポーター誘導された蛍光なし;レポーター誘導されたリン光なし;レポーター誘導された化学発光なし;誘導された色彩変化なし;及びこれらの組合せよりなる群から選択する特性を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
他の必要な試薬を供給する工程と、他の必要な試薬を空中浮揚性光学的レポーターに吸着させて、試料中の粒子表面に吸着させる工程とを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
予め選択してあるマーカーが、粒子中に存在する特異的マーカーであり、生物学的マーカー、化学的マーカー、放射性マーカー、及びこれらの組合せよりなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
複数の波励起光源を用意する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
波励起用装置が、複数の不連続波長を提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
不連続波長が、調波発生技術により提供される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
光学的レポーター反応物を、全タンパク質;特異的タンパク質又はペプチド;アミノ酸;二本鎖デオキシリボ核酸(DNA);一本鎖デオキシリボ核酸;リボ核酸(RNA);特異的酵素;特異的DNA又はRNA配列;他の生物学的巨大分子;及びこれらの組合せよりなる群から選択する生物学的マーカーと反応させる工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
光学的レポーターが、放射性粒子と反応して蛍光応答を生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
光学的レポーターが、ガンマ、中性子、ベータ、アルファ線放射よりなる群から選択する放射を放つ放射性エアゾールの存在下で365〜445nmの蛍光放射範囲を与えるアントラセンである、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
放射性エアゾールに特異的な光学的レポーターの利用を、ラドンの検出のために利用する、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
放射性エアゾールに特異的な光学的レポーターの利用を、原子力設備の放射を監視するために利用する、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
放射性エアゾールに特異的な光学的レポーターの利用を、空中浮揚性放射性粒子の検出のために利用する、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
複数の検出器を、少なくとも一つの励起波長での弾性散乱の検出に供される少なくとも一つの検出器、及び少なくとも一つの励起波長での、自己蛍光;レポーター誘導された蛍光;リン光;及び化学発光よりなる群から選択する状態の検出に供される少なくとも一つの検出器と共に用いる、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
不連続粒子励起波長範囲を生成するのに用いられる連続波励起光源を、レーザー、発光ダイオード、光放射デバイス、及びこれらの組合せよりなる群から選択する、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
連続波励起光源が、約266〜約300nm;約350〜約490nm;及び約530〜約1500nmよりなる群から選択する粒子励起範囲を生成する、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
請求項1に記載の方法であって、2つの型の光学的レポーターの利用によって粒子を検出して分類可能であり、第一のレポーターがセルロース及びキチンに特異的であり、第二のレポーターがタンパク質に特異的であり、該方法が更に、
約350〜約420nmの第一の励起波長及び約660〜約785nmの第二の励起波長での弾性散乱光を、第一及び第二の異なるが相関した時点で検出するための検出器を用意する工程と;
約420〜約580nmの波長での自己蛍光を検出するため又は第三及び第四の励起波長でのレポーター誘導された蛍光を、2つの異なるが相関する時点で検出するための更なる検出器を用意する工程とを含み、第三の励起波長が約420〜約470nmであり、第四の励起波長を約670〜約700nm;約800〜約850nm及び約785nm〜よりなる群から選択する、当該方法。
【請求項23】
セルロース及びキチンの検出に特化したレポーターを、カルコフルオルホワイト2MR;ブランクフォア;UVITEX 2B;及びこれらの組合せよりなる群から選択する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
タンパク質の検出に特化したレポーターを、NN−127、スクアリリウム染料;インドシアニングリーン;及びこれらの組合せよりなる群から選択する、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
検出可能な粒子を、細菌細胞、細菌芽胞、ウイルス凝集物、タンパク質毒素凝集物、糸状菌芽胞、昆虫遺骸、植物細胞遺骸、紙及びこれらの組合せよりなる群から選択する、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
超微粒子の検出に必要とされる検出下限を、スクアリリウム染料;スクアリリウム染料NN−127;及びインドシアニングリーンよりなる群から選択する空中浮揚性タンパク質特異的光学的レポーターを適用することにより向上する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
粒子が、細菌細胞、細菌芽胞、ウイルス凝集物、タンパク質毒素凝集物、及びこれらの組合せよりなる群から選択する超微粒子である、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
超微粒子が、紙粒子から識別される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
請求項1に記載の方法であって、更に第一及び第二の異なる励起波長での弾性散乱光を、2つの異なるが相関する時点で検出するための少なくとも一つの検出器を用意する工程と、第一の波長は、約350〜約420nmであり、第二の波長は、約660〜約785nmであり;約420〜約580nmの波長での自己蛍光を検出するための、及び約660nm又は約785nmの励起波長を用いてレポーター誘導された蛍光を別々であるが相関する時点で検出するための、及び約670〜約700nm及び約800〜約850nmのレポーター誘導された検出最大波長放射を検出するタンパク質検出のための検出器を用意する工程とを含む、当該方法。
【請求項30】
光学的レポーターを、セルロースレポーター;キチンレポーター;タンパク質特異的光学的レポーター、及びこれらの組合せよりなる群から選択する、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
光学的レポーターを利用して、郵便物の分類プロセス及び送達プロセスにおいて、危険な及び危険でない生物学的粒子の存在を検出する、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
光学的レポーターを利用して、閉鎖環境内における生物学的攻撃の存在を検出する、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
光学的レポーターを利用して、屋外環境における生物学的攻撃の存在を検出する、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
タンパク質特異的な光学的レポーターを利用して、生物由来の生物学的エアゾールの存在を検出する、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
タンパク質特異的な光学的レポーターを利用して、生物の肺呼気の最中の生物学的エアゾールの存在を検出する、請求項1に記載の方法。
【請求項36】
セルロース及びキチン特異的な空中浮揚性光学的レポーター及びタンパク質特異的な空中浮揚性光学的レポーターを利用して、ヒト又は他の動物からの肺呼気の最中の生物学的エアゾールの存在を検出する、請求項1に記載の方法。
【請求項37】
細菌細胞、細菌芽胞、ウイルス凝集物及びタンパク質毒素凝集物、及びこれらの組合せよりなる群から選択する生物学的粒子の検出及び分類に、タンパク質特異的な光学的レポーターを利用し、そしてかかる検出が紙粒子の存在から区別される、請求項1に記載の方法。
【請求項38】
単一の細菌芽胞及び細胞の検出下限の向上のための手段を与える工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項39】
タンパク質特異的な光学的レポーターが、フルオレスカミンである、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
請求項1に記載の方法であって、更に、タンパク質検出のために、約350〜約490nmの一つの励起波長での弾性散乱光を検出するための第一の検出器及び約420〜約580nmの波長での自己蛍光及び約420〜約580nmの波長でのレポーター誘導された蛍光を検出するための第二の検出器を用意する工程を含む当該方法。
【請求項41】
フルオレスカミンを利用して、危険な及び危険でない生物学的粒子の存在を検出する、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
フルオレスカミンを利用して、生物学的エアゾールによる攻撃の存在を検出する、請求項37に記載の方法。
【請求項43】
試料が、空中浮揚性粒子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項44】
試料が、非空中浮揚性粒子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項45】
空中浮揚性粒子が、空中浮揚性光学的レポーターと接触する、請求項1に記載の方法。
【請求項46】
非空中浮揚性粒子が、非空中浮揚性光学的レポーターと非空中浮揚状態で接触する、請求項1に記載の方法。
【請求項47】
非空中浮揚状態が、非固体である、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
非空中浮揚状態が、固体である、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
吸着された粒子を、非空中浮揚状態から空中浮揚状態に解放する工程を更に含む請求項46に記載の方法。
【請求項50】
複数の粒子がレポーターに接触されて、レポーターが該複数の粒子の幾つかを吸着する、請求項46に記載の方法。
【請求項51】
粒子を検出、分類及び同定するためのシステムであって、
粒子を含む試料を、反応領域に導く手段と;
少なくとも一つの光学的レポーターを該反応領域に導く手段と、該レポーターは、該粒子と接触し、その後、予め選択してあるマーカーをこのレポーターと接触した粒子と反応させ;
不連続な波長を生成し且つ放射して吸着された粒子を照明するための少なくとも一つの連続波励起光源と;
波励起光源による該粒子の照明により散乱された光を検出するための少なくとも一つの検出器と、該検出器は粒子検出に際してシグナルを与えて送り;
更なる粒子特性を検出するための少なくとも一つの検出器と、該検出器は、粒子特性の検出に際してシグナルを生成して送り;
検出器からのシグナルを受けて、実質的に同時に、粒子特性を実質的にリアルタイムで測定するための少なくとも一つのシグナルプロセッサーとを含む当該システム。
【請求項52】
複数の波励起光源が設けられている、請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
波励起装置が、複数の不連続波長を提供する、請求項52に記載のシステム。
【請求項54】
不連続波長が、調波発生技術を利用して提供される、請求項52に記載のシステム。
【請求項55】
光学的レポーター反応物を、全タンパク質;特異的タンパク質又はペプチド;アミノ酸;二本鎖デオキシリボ核酸(DNA);一本鎖デオキシリボ核酸;リボ核酸(RNA);特異的酵素;特異的DNA又はRNA配列;他の生物学的巨大分子;及びこれらの組合せよりなる群から選択する生物学的マーカーと反応させる工程を更に含む、請求項51に記載のシステム。
【請求項56】
光学的レポーターが、放射性粒子と反応して、蛍光応答を生じる、請求項51に記載のシステム。
【請求項57】
光学的レポーターが、ガンマ、中性子、ベータ、アルファ線及びこれらの組合せよりなる群から選択する放射線を放つ放射性エアゾールの存在下で365〜445nmの蛍光放射範囲を提供するアントラセンである、請求項55に記載のシステム。
【請求項58】
放射性エアゾールに特異的な光学的レポーターの利用を、ラドンの検出のために用いる、請求項55に記載のシステム。
【請求項59】
放射性エアゾールに特異的な光学的レポーターの利用を、原子力設備の放射を監視するために利用する、請求項55に記載のシステム。
【請求項60】
放射性エアゾールに特異的な光学的レポーターの利用を、空中浮揚性放射性粒子の検出のために利用する、請求項55に記載のシステム。
【請求項61】
複数の検出器を、少なくとも一つの励起波長での弾性散乱の検出に供される少なくとも一つの検出器及び少なくとも一つの励起波長での、自己蛍光;レポーター誘導された蛍光;リン光;及び化学発光よりなる群から選択する状態の検出に供される少なくとも一つの検出器と共に用いる、請求項51に記載のシステム。
【請求項62】
不連続粒子励起波長範囲を生成するのに用いられる連続波励起光源を、レーザー、発光ダイオード、光放射デバイス、及びこれらの組合せよりなる群から選択する、請求項51に記載のシステム。
【請求項63】
連続波励起光源が、約266〜約300nm;約350〜約490nm;及び約530〜約1500nmよりなる群から選択する粒子励起範囲を生成する、請求項62に記載のシステム。
【請求項64】
請求項51に記載のシステムであって、2つの型の光学的レポーターの利用によって粒子を検出及び分類可能であり、第一のレポーターがセルロース及びキチンに特異的であり、第二のレポーターがタンパク質に特異的であり、
当該システムが更に、約350〜約490nmの第一の励起波長及び約660〜約785nmの第二の励起波長での及び第一及び第二の異なるが相関した時点での弾性散乱光を検出するための検出器が設けられ;約420〜約580nmの波長での自己蛍光を検出するための又は第三及び第四の励起波長でのレポーター誘導された蛍光を2つの異なるが相関する時点で検出するための更なる検出器が設けられており、第三の励起波長は約420〜約470nmであり、第四の励起波長は約670〜約700nm;約800〜約850nm及び約785nm〜よりなる群から選択される、当該システム。
【請求項65】
セルロース及びキチンの検出に特化したレポーターを、カルコフルオルホワイト2MR;ブランクフォア;UVITEX 2B;及びこれらの組合せよりなる群から選択する、請求項64に記載のシステム。
【請求項66】
タンパク質の検出に特化したレポーターを、NN−127、スクアリリウム染料;インドシアニングリーン;及びこれらの組合せよりなる群から選択する、請求項64に記載のシステム。
【請求項67】
検出可能な粒子を、細菌細胞、細菌芽胞、ウイルス凝集物、タンパク質毒素凝集物、糸状菌芽胞、昆虫遺骸、植物細胞遺骸、紙及びこれらの組合せよりなる群から選択する、請求項64に記載のシステム。
【請求項68】
超微粒子を、スクアリリウム染料;スクアリリウム染料NN−127;及びインドシアニングリーンよりなる群から選択する空中浮揚性タンパク質特異的光学的レポーターを適用することにより検出する、請求項51に記載のシステム。
【請求項69】
粒子が、細菌細胞、細菌芽胞、ウイルス凝集物、タンパク質毒素凝集物、及びこれらの組合せよりなる群から選択する超微粒子である、請求項64に記載のシステム。
【請求項70】
超微粒子が、紙粒子から識別される、請求項69に記載のシステム。
【請求項71】
請求項51に記載のシステムであって、更に、
第一及び第二の異なる励起波長での弾性散乱光を2つの異なるが相関する時点で検出するための少なくとも一つの検出器と、第一の波長は約350〜約490nmであり、第二の波長は約660〜約785nmであり;
約420〜約580nmの波長での自己蛍光を検出するための、及び約660nm又は約785nmの励起波長を用いてレポーター誘導された蛍光を別々であるが相関する時点で検出するための及び約670〜約700nm及び約800〜約850nmのレポーター誘導された検出最大波長放射を検出するタンパク質検出のための検出器とを含む、当該システム。
【請求項72】
光学的レポーターを、セルロースレポーター;キチンレポーター;タンパク質特異的光学的レポーター、及びこれらの組合せよりなる群から選択する、請求項51に記載のシステム。
【請求項73】
光学的レポーターを利用して、郵便物の分類プロセス及び送達プロセスにおいて、危険な及び危険でない生物学的粒子の存在を検出する、請求項51に記載のシステム。
【請求項74】
光学的レポーターを利用して、閉鎖環境内における生物学的攻撃の存在を検出する、請求項51に記載のシステム。
【請求項75】
光学的レポーターを利用して、屋外環境における生物学的攻撃の存在を検出する、請求項51に記載のシステム。
【請求項76】
タンパク質特異的な光学的レポーターを利用して、生物由来の生物学的エアゾールの存在を検出する、請求項51に記載のシステム。
【請求項77】
タンパク質特異的な光学的レポーターを利用して、生物の肺呼気の最中の生物学的エアゾールの存在を検出する、請求項51に記載のシステム。
【請求項78】
セルロース及びキチン特異的な空中浮揚性光学的レポーター及びタンパク質特異的な空中浮揚性光学的レポーターを利用して、ヒト又は他の動物からの肺呼気の最中の生物学的エアゾールの存在を検出する、請求項51に記載のシステム。
【請求項79】
細菌細胞、細菌芽胞、ウイルス凝集物及びタンパク質毒素凝集物、及びこれらの組合せよりなる群から選択する生物学的粒子の検出及び分類に、タンパク質特異的な光学的レポーターを利用し、そしてかかる検出が紙粒子の存在から区別される、請求項51に記載のシステム。
【請求項80】
単一の細菌芽胞及び細胞の検出下限の向上のための手段を更に含む、請求項51に記載のシステム。
【請求項81】
タンパク質特異的な光学的レポーターが、フルオレスカミンである、請求項51に記載のシステム。
【請求項82】
タンパク質検出のための、約350〜約490nmの一つの励起波長での弾性散乱光を検出するための第一の検出器と、約420〜約580nmの波長の自己蛍光及び約420〜約580nmの波長のレポーター誘導された蛍光を検出するための第二の検出器とを更に含む、請求項51に記載のシステム。
【請求項83】
フルオレスカミンを利用して、危険な及び危険でない生物学的粒子の存在を検出する、請求項51に記載のシステム。
【請求項84】
フルオレスカミンを利用して、生物学的エアゾールによる攻撃の存在を検出する、請求項51に記載のシステム。
【請求項85】
試料が、空中浮揚性粒子を含む、請求項51に記載のシステム。
【請求項86】
試料が、非空中浮揚性粒子を含む、請求項51に記載のシステム。
【請求項87】
空中浮揚性粒子が、空中浮揚性光学的レポーターと接触する、請求項51に記載のシステム。
【請求項88】
非空中浮揚性粒子が、非空中浮揚性光学的レポーターと非空中浮揚状態で接触する、請求項51に記載のシステム。
【請求項89】
非空中浮揚状態が、非固体である、請求項88に記載のシステム。
【請求項90】
非空中浮揚状態が、固体である、請求項88に記載のシステム。
【請求項91】
吸着された粒子を、非空中浮揚状態から空中浮揚状態に解放する手段を更に含む、請求項88に記載のシステム。
【請求項92】
複数の粒子がレポーターに接触されて、レポーターが該複数の粒子の幾つかを吸着する、請求項88に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2008−530583(P2008−530583A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−500716(P2008−500716)
【出願日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際出願番号】PCT/US2006/004653
【国際公開番号】WO2007/094758
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(505405995)
【Fターム(参考)】