説明

精密加工用快削ステンレス鋼素材及びその製造方法

【課題】優れた切削加工精度、切削性、耐食性、環境性のいずれをも同時に満足することのできる精密加工用快削ステンレス鋼素材とその製造方法を提供する。
【解決手段】ミクロンメーターレベルの切削による成形を行う精密加工用快削ステンレス鋼素材であって、前記快削性付与材がh−BN粒子であり、鋼中に単体状態で分散していることを特徴とする構成を採用した。また、その製造方法として、h−BN粒子が析出している精密加工用快削ステンレス鋼素材を加熱した後に急冷して、h−BN粒子を固溶消滅させ、その後焼もどしを行うことにより、h−BN粒子を再度素材中に均一に分散析出させることを特徴とする構成を採用した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミクロンメートルレベルの切削による成形を行う精密加工用快削ステンレス鋼素材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、精密部品を加工する素材として、その耐食性を生かしてステンレス鋼を用いることが行われていたが、精密加工においてステンレス鋼を用いることは、一般の鉄鋼を用いるのに比べ、切削加工が困難であるので、その切削性を改善することが望まれていた。
切削性を改善したステンレス鋼としては、硫黄快削ステンレス鋼SUS303が広く知られているが、切削後の表面が粗くなり、ミクロンメートルレベルの精密な切削加工に用いることは困難であるとされていた。
つまり、従来は、切削性と精密加工性(切削後の表面粗さ)は、ステンレス鋼では両立しないものとされていた。
【0003】
国際特許出願WO2008/016158には、優れた切削性と耐食性を同時に満足することができる快削ステンレス鋼とその製造方法が開示されている。この発明では、耐食性が従来のステンレス鋼材料と同等で、25%程度の切削性の改良が行われたが、この材料の切削加工後の表面粗さに関しての開示はされていない。
【0004】
このように、切削加工後の表面性状に優れ、かつ、耐食性に優れた精密加工用快削ステンレス鋼素材及びその製造方法は、現在のところ開示されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような実情に鑑み、切削性と精密加工性の双方を満足できる精密加工用快削ステンレス鋼素材及びその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、固体潤滑材として優れ、化学的に安定で酸あるいはアルカリに侵されることのないh−BN(六方晶系窒化ホウ素)粒子の性質を有効に利用し、特定の熱処理によりh−BNが固溶・再析出することを利用することで、寸法精度が重要視される切削加工後の表面性状及び切削性並びに耐食性に優れた精密加工用快削ステンレス鋼素材とその製造方法を見い出し、なされたものである。
【0007】
発明1は、ミクロンメーターレベルの切削による成形を行う精密加工用快削ステンレス鋼素材であって、その快削性付与材がh−BN(六方晶系窒化ホウ素)粒子であって、粒径が200nmから5μmの球状の前記h−BN粒子が鋼中に単体状態で分散析出していることを特徴とする構成を採用した。ここで単体状態とは、複数個のh−BN粒子同士あるいはh−BN以外の非金属介在物粒子とh−BN粒子が凝集していない状態を言う。
【0008】
発明2は、発明1の精密加工用快削ステンレス鋼素材において、そのB含有量が0.003〜0.1mass%であることを特徴とする構成を採用した。
【0009】
発明3は、発明1の精密加工用快削ステンレス鋼素材において、そのN含有量がモル比においてB含有量と同等かそれ以上あることを特徴とする構成を採用した。
【0010】
発明4は、発明1〜3のいずれかに記載の精密加工用快削ステンレス鋼素材において、その旋削加工面の表面粗さの10点平均粗さ(Rz)が5μm以下となる旋削表面特性を有することを特徴とする構成を採用した。
【0011】
発明5は、発明4に記載の精密加工用快削ステンレス鋼素材において、前記旋削表面特性は、直径8mmの丸棒を以下の条件で旋削して得られたことを特徴とする構成を採用した。
切削速度:16m/min、切り込み深さ:0.2mm、工具送り速度:0.08mm/rev、工具材質:M30、工具形状:正三角形、チップブレーカーあり、切削液:不使用。
【0012】
発明6は、発明1〜5のいずれかに記載の精密加工用快削ステンレス鋼素材の製造方法であって、Bは、フェロボロン又は金属ボロンの添加により、Nは溶解雰囲気を(アルゴン+窒素)あるいは減圧した窒素中での溶解により、ステンレス溶鋼に添加することを特徴とする構成を採用した。
【0013】
発明7は、発明1〜5のいずれかに記載の精密加工用快削ステンレス鋼素材の製造方法であって、Bは、フェロボロン又は金属ボロンの添加により、Nは窒素含有化合物の添加により、ステンレス溶鋼に添加することを特徴とする構成を採用した。
【0014】
発明8は、発明1〜5のいずれかに記載の精密加工用快削ステンレス鋼素材の製造方法であって、請求項6又は7に記載の方法により得られた組織中にh−BN粒子が不均一に析出しているステンレス鋼を1200℃以上の温度まで加熱した後に急冷して、h−BN粒子を一旦固溶消滅させ、その後950〜1100℃の温度での焼もどし熱処理を行うことにより、h−BN粒子を再度分散析出させることを特徴とする精密加工用快削ステンレス鋼素材の製造方法。
【発明の効果】
【0015】
化学的に安定で酸あるいはアルカリに侵されることのないh−BN粒子を単体状態で分散析出させて、固体潤滑材として優れた切削性を持ち、切削加工精度に優れ、かつ、耐食性も劣化することもない、精密加工用快削ステンレス鋼素材とその製造方法を提供することができた。
特に、実施例に示す通り、切削後の表面粗さが、改削性のないスレンレス鋼と同様かそれ以上に少ない性能を有するものであり、精密加工後の表面処理加工がほとんど不要となった。
これらの効果は、固体潤滑材として優れた特性を持つh−BN粒子を精密加工用快削ステンレス鋼素材に有効に適用したことによるものであり、加工精度、耐食性、快削性のみならず、PbやSeのような環境負荷物質を使用しないため、環境性も満足し得る精密加工用快削ステンレス鋼素材の提供が実現できた。
また、加工精度が優れているため、更なる加工精度向上の工程、例えば研削加工、研磨加工を省略することも可能で、また、切削性の向上による切削機械の動力が削減され、電気エネルギー消費の低減化と、高速切削も可能なため、生産性の向上にもつながる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、上記の通りの特徴を持つものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
この発明の製造方法において、精密加工用快削ステンレス鋼素材の溶解は、溶解雰囲気の調整が可能な、通常のステンレス鋼を溶製する溶解炉を使用して行われる。この溶解において、B(ホウ素)の原料としては、フェロボロンあるいは金属ボロンが使用されるが、溶融点の低いフェロボロンのほうが溶解原料としては技術的に有利であり、B(ホウ素)の単位重量当たりの市場価格が低いため経済的である。
【0017】
Bの添加量は、精密加工用快削ステンレス鋼素材中の最終B含有量が一般的な目安として0.003〜0.1mass%B、更に好ましくは0.003〜0.03mass%Bである。また、N(窒素)の原料としては、溶解雰囲気中のNを吸収させる、あるいはステンレス鋼を構成する合金元素の窒化物、例えば窒化クロム、窒化フェロクロムなどの添加がある。
【0018】
精密加工用快削ステンレス素材中のN含有量は、一般的な目安としてモル比でN/Bが1以上であればよい。精密加工用快削ステンレス鋼素材中のNとBのモル比が1より小さいと、固溶するB量が増大し、切削性に有効なh−BNの析出量が減少するため、N/Bを1以上にする必要がある。N含有量は精密加工用快削ステンレス鋼素材中の構成元素成分にもよるが、BがNの活量を増加するので、Bの増加とともに鋼中の平衡N濃度は減少する。SUS304の成分組成では、加圧したN雰囲気中での溶解を除けば、0.25mass%以下となる。
【0019】
上記のようにして製造されたBとNを含有するステンレス鋼溶鋼は、鋳型に鋳湯され精密加工用快削ステンレス鋼鋳塊になる。
【0020】
精密加工用快削ステンレス鋼鋳塊は、通常の鍛造、圧延加工等の熱間加工を経て、精密加工用快削ステンレス鋼素材の棒材、線材、板材等に成形される。熱間加工後の精密加工用快削ステンレス鋼素材は室温まで空冷される。
精密加工用快削ステンレス鋼素材には、熱間加工後の冷却過程で、その冷却速度により、20〜30μm程度にまで粗大に成長したh−BNが素材の一部に不均一に分布して生成することがある。
【0021】
精密加工用快削ステンレス鋼素材中に析出したh−BNは、1200℃以上の温度に保持することにより、比較的短時間(例えば、1250℃では、0.5から1時間)にて固溶したBとNに分解した状態で、マトリックス中に存在することができる。このh−BNの固溶現象を利用して、素材中に不均一に、あるいは粗大に生成しているh−BNを素材中の再固溶する熱処理を行う。
なお、このような処理は、精密加工用快削ステンレス鋼素材が溶融した場合は不可能であるから、その溶融温度未満で処理する必要がある。
【0022】
この状態は急冷することにより、過飽和に固溶した状態のBとNを含有する精密加工用快削ステンレス鋼素材が得られる。急冷の操作は、通常のステンレス鋼に対して行われる水冷で構わないが、後述のh−BNを析出する温度範囲での冷却速度が、析出を起こさない冷却速度とする必要がある。
【0023】
過飽和に固溶したBとNを800℃〜1150℃の温度で焼戻すと、固溶化熱処理で固溶したh−BNが再び析出する。800℃付近で焼戻しを行うと、B、Nのこの温度での平衡溶解度と過飽和溶解度との差が大きく、かつこの温度でのB、Nの拡散速度が遅いため拡散できる移動距離が小さいという二つの要因でh−BNの核発生が核成長よりも優先的に起こるため、非常に微細なh−BNが素材全体に均一に析出するのが見られる。逆に1150℃付近で焼もどすと、800℃付近での焼戻しとは反対に、h−BNの核成長が核発生よりも優先的に起こるため、大きな粒径に成長したh−BNの析出が見られる。
【0024】
したがって、切削性が良好となるような粒径及び分布状態のh−BNを析出させるのには、焼戻し温度の選択が重要である。試行実験を行った結果、切削性が良好となるような粒径及び分布状態が得られる焼戻し温度は、950〜1100℃の範囲が好ましい。
また、熱間加工の加工時の温度がh−BNが固溶した状態で行われる場合には、熱間加工後急冷することで、BとNが過飽和に固溶した状態を作ることも可能である。このような加工温度条件の場合には、1200℃以上の温度でのh−BN固溶化の熱処理が不要になることは言うまでもない。
【0025】
更に、焼戻しの保持時間に関しては、温度が高いほどBとNの拡散速度が速いため短時間ですみ、その範囲は0.5〜3時間、好ましくは1〜2時間で十分である。この焼もどし熱処理は、一般的なステンレス鋼に対して行われる溶体化熱処理を兼ねることができるため、溶体化熱処理時に行われる冷却速度で冷却する。
【0026】
Bの含有量を0.003mass%から0.1mass%にするのは、含有量が0.003mass%以下であると切削性に目立った効果がなくなり、0.1mass%を超え、多量のh−BNが析出することにより複数個のh−BN粒子が凝集する傾向が高まり、切削性は大きく向上するが、逆に表面粗さに悪影響を及ぼすためである。
【0027】
Nの含有量をモル比でN/Bが1以上にするのは、1に満たないと過飽和に固溶しているBとNの熱処理時のh−BNの再析出が十分に達成できないのと、Bが過剰に存在するため塑性加工がし難くなるためである。
【実施例】
【0028】
(実施例1) 市販のオーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)丸棒(重量2kg)を溶解原料として、コールドクルーシブル浮揚溶解炉を用いて溶解した。溶解原料の成分組成(mass%)は、0.06%C、0.28%Si、1.33%Mn、0.035%P、0.025%S、8.05%Ni、18.39%Crであった。溶融時に真空誘導溶解炉にNを0.07MPa封入し、溶鋼中のN濃度の調整を行った。溶融後、溶湯に市販のフェロボロン(19.2mass%B)を所定量添加し、B濃度の調整を行い、弱減圧N雰囲気中で溶け落ち後、1600℃で10min保持し、コールドクルーシブル中で凝固し、鋳塊を製造した。
鋳塊は、1200℃で、鍛造、圧延を施し、14mm角の棒材に加工し、空冷した。棒材を1250℃で0.5時間保持した後、水冷し、更に、1100℃で1時間保持した後水冷する熱処理を施した。
【0029】
溶製した開発鋼の分析値を表1に示した。
また、比較材1として、実施例1の溶解原料に使用した市販材のSUS304ステンレス鋼、比較材2として市販材の硫黄快削SUS303ステンレス鋼をいずれも径55mmの丸棒より切り出して表面粗さ試験の試料とした。
溶製した材料のB、N及びSの分析値(単位mass%)を表1に示す。
【0030】
【表1】

【0031】
表面粗さの評価試験として、試料から切り出した丸棒材試料について、走査型レーザー顕微鏡を用いて、表面粗さ(10点平均粗さRz)を測定した。試料は、いずれも、同一の旋削条件(切削速度、切り込み深さ、工具送り速度)で径が7.6mmまで旋削した。最終の切削条件は、切削速度:16m/min、切り込み深さ:0.2mm、工具送り速度:0.08mm/rev、工具材質:M30、工具形状:正三角形、チップブレーカーあり、切削液:不使用であった。表面粗さの測定結果を表2に示した。
【0032】
【表2】

【0033】
表2より、開発された精密加工用快削ステンレス鋼素材の表面粗さは、比較材1(SUS304)のそれよりも向上しており、比較材2の快削ステンレス鋼のSUS303に比較し表面粗さが1/3程度にまで減少し、はるかに向上している。この理由は、開発鋼では、微細h‐BN粒子が単対状態で分散しているのに対し、比較材2では、快削付与物質としてのMnS粒子が、粗大でかつ針状に伸長している金属組織を形成していることに起因している。図1に、開発鋼2から切り出した試料の折断面のSEM観察写真を示した。図1(a)は、1250℃で0.5時間保持した後水冷し、更に、1100℃で1時間保持した後水冷する熱処理を、図1(b)は、1250℃で0.5時間保持した後水冷し、更に、850℃で2時間保持した後水冷する熱処理を施したものである。図中の白色の球状粒子は全て、EDS分析により、h‐BN粒子であることが認められた。図1(a)の観察面では、3μm以下でh‐BN粒子が単体状態で分散しているのが認められ、更に、再析出温度が低い状態で析出させるとh‐BN粒子径がより小さくなる傾向があることが観察された。
【0034】
図2に比較材2(SUS303)の試料の折断面のSEM観察写真を示した。矢印で示されるのは、鋼中に繊維状に存在する径が数μm、長さ数十μmの伸長したMnS粒子であることがEDS分析で確認された。切削加工の際、伸長したMnS粒子が加工表面に出て、抜け落ちるため、抜け落ちたMnSの形状に相当する表面粗さが表2でも示されている。
【0035】
もちろん、この発明は以上の例に限定されるものではなく、細部に付いては様々な態様が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0036】
以上詳しく説明した通り、この発明によって、切削加工精度と被削性に優れ、かつ耐食性、対環境性にも優れた精密加工用快削ステンレス鋼素材が容易に提供できるようになり、ステンレス鋼を用いた各種加工分野に優れた利用性をもたらすことができた。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】開発鋼試料の折断面のSEM観察写真で、(a)は、熱処理条件が、1250℃、0.5時間保持後水冷、1100℃、1時間保持後水冷、(b)は、熱処理条件が、1250℃0.5時間保持後水冷、850℃、2時間保持後水冷である。
【図2】比較材2の試料の折断面のSEM観察写真。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0038】
【特許文献1】特開2002−38238号公報
【特許文献2】特開2001−234298号公報
【特許文献3】国際特許出願WO2008/016158

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミクロンメーターレベルの表面粗さで切削加工をなす精密加工用快削ステンレス鋼素材であって、粒径が200nmから5μmの球状のh−BN粒子が快削付与材として単体状態で分散していることを特徴とする精密加工用ステンレス鋼素材。
【請求項2】
請求項1に記載の精密加工用ステンレス鋼素材において、そのB含有量が0.003〜0.1mass%であることを特徴とする精密加工用ステンレス鋼素材。
【請求項3】
請求項1に記載の精密加工用ステンレス鋼素材において、そのN含有量がモル比において、B含有量と同等かそれ以上であることを特徴とする精密加工用ステンレス鋼素材。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の精密加工用快削ステンレス鋼素材において、その旋削加工面の表面粗さの10点平均粗さ(Rz)が5μm以下となる旋削表面特性を有することを特徴とする精密加工用ステンレス鋼素材。
【請求項5】
請求項4に記載の精密加工用快削ステンレス鋼素材において、前記旋削表面特性は、直径8mmの丸棒を以下の条件で旋削して得られたものであることを特徴とする精密加工用快削ステンレス鋼素材。
切削速度:16m/min、切り込み深さ:0.2mm、工具送り速度:0.08mm/rev、工具材質:M30、工具形状:正三角形、チップブレーカーあり、切削液:不使用。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の精密加工用快削ステンレス鋼素材の製造方法であって、Bは、フェロボロン又は金属ボロンの添加により、Nは、原料ステンレス鋼の溶解雰囲気を不活性ガスと窒素又は減圧した窒素とすることにより添加することを特徴とする精密加工用快削ステンレス鋼素材の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載の精密加工用快削ステンレス鋼素材の製造方法であって、ステンレス溶鋼へBNの原料としてのBは、フェロボロン又は金属ボロンの添加により、Nは窒素含有化合物の添加により、ステンレス溶鋼にB及びNを添加することを特徴とする精密加工用快削ステンレス鋼素材の製造方法。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれかに記載の精密加工用快削ステンレス鋼素材の製造方法であって、請求項6又は7に記載の方法により得られた組織中にh−BN粒子が不均一に析出しているステンレス鋼を1200℃以上の温度まで加熱した後に急冷して、h−BN粒子を一旦固溶消滅させ、その後950〜1100℃の温度での焼もどし熱処理を行うことにより、h−BN粒子を再度分散析出させることを特徴とする精密加工用快削ステンレス鋼素材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−231387(P2011−231387A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−104780(P2010−104780)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(301023238)独立行政法人物質・材料研究機構 (1,333)
【Fターム(参考)】