説明

紙幣処理機

【課題】 運用効率を向上させることができる紙幣処理機を提供する。
【解決手段】 入金口7に投入された紙幣の識別を行う入金識別部27と、この入金識別部27により真紙幣と識別された紙幣を金種別に分けて一時貯留する複数の一時貯留部8a〜8hと、これら一時貯留部8a〜8hに一時貯留された紙幣を入金確定後にそれぞれ収納する複数の紙幣収納部9a〜9dと、出金の際に複数の紙幣収納部9a〜9dから出金された紙幣の識別を行う出金識別部58とを備えた紙幣処理機1であって、1つの紙幣収納部が、2つ以上の一時貯留部から紙幣を受け入れ可能とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入金された紙幣を金種別に収納する紙幣処理機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
銀行等の出納機の一部として用いられ、バラ紙幣の入金あるいは出金等を行う紙幣処理機として、例えば、投入された紙幣を一枚ずつ分離して機体内に取り込むとともに、この取り込んだ紙幣の真偽および金種等を鑑別し、この鑑別結果に応じて目的の位置まで搬送する入出金ユニットと、該入出金ユニットから送り込まれた紙幣を金種別に一時貯留する一時貯留ユニットと、該一時貯留ユニットに一時貯留される紙幣を金種別に収納するとともにこれを出金用紙幣として繰り出し可能な金種別入出金収納部を有する収納部ユニットとから構成されるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような紙幣処理機は、銀行等の出納機として使用される為、短い時間で多量の処理を行わなければならない。
【特許文献1】特許第3515400号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、このような紙幣処理機には、自己精査といった機内に存在する紙幣を再確認(金種確認、計数確認等)する機能が設けられており、使用者は定期的にタイマー等による自動もしくは任意でこの機能を使用することになるが、この機能は、機内の紙幣を全て再識別及び再計数する関係上、比較的時間のかかる作業であり、この機能を使用している時には、構造上、入金等他の処理ができない状態になる。また、紙幣処理機は、その構造上、先に入金され一時貯留された紙幣が収納部に収納されるまで次の入金処理を実行できず、2以上の入金処理を並行して行うことができなかった。このように、従来の紙幣処理機は、運用効率向上の観点で、さらに改善の余地があった。
【0004】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、運用効率を向上させることができる紙幣処理機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、入金口に投入された紙幣の識別を行う第1の識別部と、該第1の識別部により真紙幣と識別された紙幣を金種別に分けて一時貯留する複数の一時貯留部と、これら一時貯留部に一時貯留された紙幣を入金確定後にそれぞれ収納する複数の収納部と、出金の際に前記複数の収納部から出金された紙幣の識別を行う第2の識別部とを備えた紙幣処理機であって、1つの前記収納部が、2つ以上の前記一時貯留部から紙幣を受け入れ可能とされていることを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記複数の一時貯留部を平面視で重なるように上下に複数段配置し、これら複数段の一時貯留部のうち最上段の一時貯留部を除くその他の段の一時貯留部を前記最上段の一時貯留部と平面視で重ならない状態に水平移動可能な水平移動手段と、最下段の一時貯留部を除くその他の段の一時貯留部を前記最下段の一時貯留部と同じ高さまで鉛直移動させる鉛直移動手段と、前記最下段の一時貯留部を除く所定の段の一時貯留部の紙幣を収納部に収納する際には、当該所定の段の一時貯留部より下の段の一時貯留部を前記水平移動手段で水平移動させた後に当該所定の段の一時貯留部を前記最下段の一時貯留部と同じ高さに前記鉛直移動手段で鉛直移動させる制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、入金処理時に、前記最下段の一時貯留部から順に紙幣を貯留していくことを特徴とする。
【0008】
請求項4に係る発明は、請求項2または請求項3に係る発明において、精査処理時に、精査する紙幣を前記最下段の一時貯留部に貯留していくとともに入金処理を開始可能とし、精査処理と並行して入金処理を開始する際には、入金する紙幣を最下段より上方の空いた一時貯留部に貯留していくことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、1つの収納部が2つ以上の一時貯留部から紙幣を受け入れ可能とされているため、複数の処理を並行して行うことが可能であり、例えば、一の一時貯留部を精査処理用として使用し、他の一時貯留部を入金処理用として使用すれば、精査処理をしながら入金処理を行うことが可能になり、また、一の一時貯留部を先行する入金処理用として使用し、他の一時貯留部を次の入金処理用として使用すれば、先の入金処理の途中で次の入金処理を開始することも可能になる。すなわち、運用効率を向上させることができる。
【0010】
請求項2の発明によれば、2つ以上の一時貯留部とこれらから紙幣を受け入れ可能な1つの収納部とを同一鉛直線上に配置することが可能になり、スペースの高効率化を図ることができる。
【0011】
請求項3の発明によれば、最下段の一時貯留部を積極的に使用することで、収納部への紙幣の受け渡し時に一時貯留部の移動を極力減らして、収納に関わる時間を短くすることができる。
【0012】
請求項4の発明によれば、精査処理のために最下段の一時貯留部を使用することで、精査中の収納部への紙幣の受け渡しを一時貯留部を移動させずにスムースに行うことが可能になるため、さらに効率の良い運用が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して以下に説明する。
本実施形態の紙幣処理機1は、バラ紙幣の入金、収納、回収および出金等の紙幣に関する各処理を行うことが可能とされ、銀行等における出納機の一部として他の図示略の硬貨処理機等と組み合わせて用いられるものである。
【0014】
本実施形態の紙幣処理機1は、図1及び図2に示すように、その外側部分を構成する機体3が略直方体形状をなしており、機体3の左側面5側の上部にはバラ紙幣が投入される入金口7が設けられ、この入金口7に隣り合うようにして、機体3内からリジェクト紙幣が繰り出されるリジェクト口10が設けられ、機体3の右側面6側の上部には機体3内から出金紙幣が繰り出される出金口14が設けられている。これら入金口7、リジェクト口10および出金口14は、いずれも機体前後方向の位置を合わせており、機体前後方向の略前面12側に設けられている。
【0015】
入金口7には、入金口7に投入されたバラ紙幣を、図6に示す制御部72からの動作指令によって一枚ずつ分離して機体3内に繰り出す紙幣繰出部16が設けられており、この紙幣繰出部16には、紙幣繰出部16から繰り出された紙幣を搬送する入金搬送部18が接続されている。なお、バラ紙幣は、長手方向を機体3の前後方向に沿わせた姿勢で積層状態で入金口7に投入されるとともに、常にこの姿勢を維持した状態で機体3内で移動し、この姿勢で例えばリジェクト口10あるいは出金口14へ繰り出される。
【0016】
この入金搬送部18は、紙幣繰出部16から略水平に沿って右側面6側に延出する右方延出部20と、この右方延出部20の末端から下方に延出する下方延出部22と、下方延出部22の途中位置から分岐して左側面5側に延出する上段左方延出部23と、下方延出部22の末端から左側面5側に延出する下段左方延出部24とを有する入金搬送路26を有しており、この入金搬送路26の右方延出部20には、入金口7に投入された紙幣の金種、真偽、正損および搬送異常の識別と計数とを行う入金識別部27(第1の識別部)が設けられている。
【0017】
右方延出部20における入金識別部27よりも右側面6側つまり下流側からは、入金識別部27により真紙幣かつ正紙幣で正常搬送と識別された紙幣以外のリジェクト紙幣をリジェクト口10に搬送するリジェクト搬送路29が分岐している。
【0018】
さらに、入金搬送部18は、入金搬送路26の上段左方延出部23における機体3の右側面6側から分岐して下方に延出する搬送路31と、この搬送路31よりも機体左側面5側の位置から分岐して下方に延出する搬送路32と、この搬送路32よりも機体左側面5側の位置から分岐して下方に延出する搬送路33と、上段左方延出部23の末端から下方に延出する搬送路34とを有している。
【0019】
また、入金搬送部18は、下段左方延出部24における機体3の右側面6側から分岐して下方に延出する搬送路35と、この搬送路35よりも機体左側面5側の位置から分岐して下方に延出する搬送路36と、この搬送路36よりも機体左側面5側の位置から分岐して下方に延出する搬送路37と、下段左方延出部24の末端から下方に延出する搬送路38とを有している。このような入金搬送部18は、全体にわたって入金口7と機体前後方向の位置を合わせている。
【0020】
そして、入金搬送部18のリジェクト搬送路29を除く各末端位置つまり、搬送路31〜38の各末端位置には、入金識別部27により真紙幣かつ正紙幣で正常搬送と識別された紙幣を金種別に分けて一時貯留させる複数具体的には8つの一時貯留部8a,8b,8c,8d,8e,8f,8g,8hが接続されている。これら一時貯留部8a〜8hのうち、上段の一時貯留部8a〜8dは、互いに上下方向の位置を合わせるとともに互いに機体前後方向の位置を合わせている。また、これら一時貯留部8a〜8dの下側における一時貯留部8e〜8hにおいても、互いに上下方向の位置を合わせるとともに互いに機体前後方向の位置を合わせている。さらに、上段の一時貯留部8a〜8dと下段の一時貯留部8e〜8hとは、上下方向で対応する一時貯留部同士が平面視で重なるように配置されている。具体的に、一時貯留部8aと一時貯留部8eとが、一時貯留部8bと一時貯留部8fとが、一時貯留部8cと一時貯留部8gとが、一時貯留部8dと一時貯留部8hとが、それぞれ平面視で重なるように配置されている。
ここで、これら一時貯留部8a〜8hは、上下に段状をなし機体前後方向の略前方位置にあるときを基本位置としている。
【0021】
以上により、一時貯留部8a〜8hは、上下に複数段設けられるように配置されている。なお、一時貯留部8a〜8hは、上側から紙幣を受け入れて上下方向に集積させた状態で一時貯留させることになり、このように一時貯留させた紙幣を下方に落下させる。
【0022】
下段(最下段)の一時貯留部8e〜8hは、入金搬送路26における下方延出部22のこれら一時貯留部8e〜8hと高さが合う部分構成部と、一時貯留部8e〜8hに接続される各搬送路35〜38とともに一体のユニット39とされている。このユニット39は図示略のガイドレールによって機体前後方向に水平移動可能に設けられており、このガイドレールを含む図6に示すスライド機構部(水平移動手段)40で駆動されて水平移動する。具体的に、図2に示すように、このユニット39は機体前後方向の前面12側にあって、下段の一時貯留部8e〜8hを基本位置にある上段の一時貯留部8a〜8dに平面視において重ね合わせる状態となる上記した基本位置と、図3に示すように、機体前後方向の後面13側にあって、下段の一時貯留部8e〜8hを上段の一時貯留部8a〜8dに平面視で重ね合わせない状態となる後端位置との間で往復移動する。
【0023】
上段(最上段)の一時貯留部8a〜8dは、入金搬送路26における下方延出部22のこれら一時貯留部8a〜8dと高さが合う部分構成部と、一時貯留部8a〜8dに接続される各搬送路31〜34とともに一体のユニット41とされている。このユニット41は、図示略のガイドレールによって上下に昇降移動可能に設けられており、このガイドレールを含む図6に示すエレベータ機構部(鉛直移動手段)42で駆動されてガイドレールに沿って昇降する。つまり、図3に示すように、このユニット41の一時貯留部8a〜8dは、鉛直方向に移動可能となっている。ここで、ユニット41は、上記した基本位置と、下段の一時貯留部8e〜8hと同高さとなる下限位置との間で昇降する。
上記したスライド機構部40及びエレベータ機構部42は、図6に示す制御部72(制御手段)によって制御される。
【0024】
以上により、スライド機構部40が、上段の一時貯留部8a〜8d及び下段の一時貯留部8e〜8hが平面視で重なる状態から平面視で重ならない状態まで、上段の一時貯留部8a〜8dを除くその他の段、つまりここでは下段の一時貯留部8e〜8hを水平移動させる。また、エレベータ機構部42が、下段の一時貯留部8e〜8hを除くその他の段、つまりここでは上段の一時貯留部8a〜8dを下段の一時貯留部8e〜8hと同じ高さまで鉛直に移動させる。なお、ユニット39,41が、基本位置にあるとき、入金搬送部18は全体にわたって機体前後方向における位置を合わせており、機体前後方向の所定幅(最も長手方向長さが長い紙幣の長さにほぼ等しい長さ)の範囲内に設けられている。
【0025】
さらに、基本位置にあって上段の各一時貯留部8a〜8dと平面視で重なる状態で配置される下段の各一時貯留部8e〜8hの鉛直下方には、一時貯留部8a〜8hからの入金紙幣の受け入れを行う紙幣収納部(収納部)9a,9b,9c,9dが設けられている。
【0026】
ここで、一時貯留部8eの鉛直下方には、一時貯留部8a,8eに対応する紙幣収納部9aが、一時貯留部8fの鉛直下方には、一時貯留部8b,8fに対応する紙幣収納部9bが、一時貯留部8gの鉛直下方には、一時貯留部8c,8gに対応する紙幣収納部9cが、一時貯留部8hの鉛直下方には、一時貯留部8d,8hに対応する紙幣収納部9dが、それぞれ対応する一時貯留部と平面視で重なり合うように配置されている。
【0027】
すべての紙幣収納部9a〜9dは、機体3内に収納された状態で、上端部の高さ位置が同じとされており、下端部の高さ位置も同じとされている。
【0028】
なお、各紙幣収納部9a〜9dは、一時貯留部8a〜8hのうち直上にあるものから紙幣を受け入れて上下方向に紙幣を集積させた状態で収納することになり、すべての紙幣収納部9a〜9dの下部それぞれには、このように収納した紙幣を一枚ずつ分離して繰出可能な分離繰出装置44が設けられている。そして、制御部72からの指令で分離繰出装置44を駆動することにより紙幣収納部9a〜9d内の紙幣を出金させる。
【0029】
各分離繰出装置44には、各分離繰出装置44から繰り出された紙幣を出金口14へ搬送する出金搬送部46が接続されている。この出金搬送部46は、各紙幣収納部9a〜9dから繰り出された紙幣を搬送する出金搬送路48を有しており、この出金搬送路48は、機体右側面6側に向けて水平に延出する右方延出部50と、この右方延出部50の末端から上方に延出して出金口14に接続される上方延出部52とを有している。
【0030】
出金搬送路48は、紙幣収納部9aから出金された紙幣を搬送する合流搬送路53と、紙幣収納部9bから出金された紙幣を搬送する合流搬送路54と、紙幣収納部9cから出金された紙幣を搬送する合流搬送路55と、紙幣収納部9dから出金された紙幣を搬送する合流搬送路56とを有しており、これら各合流搬送路53〜56は、右方延出部50に合流している。さらに、出金搬送路48の上方延出部52の途中から分岐して、上記入金搬送路26の下段左方延出部24へと接続する分岐路49を有している。
【0031】
そして、上方延出部52の分岐路49より下方(上流)側には、出金紙幣の金種、真偽、正損等の識別や、斜行、二重送り等の搬送の異常を確認する出金識別部58(第2の識別部)が設けられている。
【0032】
また、出金搬送部46は、出金搬送路48の上方延出部52における分岐路49よりも上方(下流)側から分岐し機体右側に延出してリジェクトボックス60に接続されるリジェクト搬送路61を有している。このリジェクト搬送路61は、出金識別部58で搬送異常紙幣等の出金不可と識別された出金不可紙幣をリジェクトボックス60へと搬送することになり、その結果、出金可能な真券のみが出金口14へと搬送される。また、自己精査を行う際には、真券は、分岐路49を介し入金搬送路26に戻されて一時貯留部8e〜8hの金種に応じた各部へと搬送される。
【0033】
なお、各搬送部18,46の各分岐部分には、制御部72からの指令を受けて作動する図6に示す振分機構(振分手段)73が設けられており、搬送される紙幣を、入金識別部27もしくは出金識別部58の識別結果に基づいて振り分ける。
【0034】
また、出金搬送部46は全体にわたって、ユニット39,41が基本位置にあるときの入金搬送部18と、一時貯留部8a〜8hと、各紙幣収納部9a〜9dとに、機体前後方向における位置を合わせており、機体前後方向の所定幅(最も長手方向長さが長い紙幣の長さにほぼ等しい長さ)の範囲内に設けられている。
【0035】
上段の一時貯留部8a〜8dを含むユニット41を昇降させる図6に示すエレベータ機構部42、このユニット41の基本位置および下限位置をそれぞれ検出するセンサ64、下段の一時貯留部8e〜8hを含むユニット39を水平移動させるスライド機構部40、このユニット39の基本位置および後端位置をそれぞれ検出するセンサ65が制御部72に接続されている。さらに、この制御部72には、各処理の操作がオペレータにより入力される操作部68、処理のガイドメニュー、処理状態および処理結果等を表示する表示部67、上記した入金搬送部18、一時貯留部8a〜8h、紙幣収納部9a〜9d、出金搬送部46が接続されている。
【0036】
ここで、一時貯留部8a〜8hと紙幣収納部9a〜9dについてさらに述べる。
本実施形態の紙幣処理機1における一時貯留部8a〜8hは、上述したように、機体3の上下方向に2段、機体3の左右方向に4列になるように配置されており、全部で8個の一時貯留部8a〜8hが設けられている。上段に一時貯留部8a〜8d、下段に一時貯留部8e〜8hが配置されているが、基本的に、直上直下の一時貯留部同士は同一の金種の紙幣を受け入れることになる。例えば、一時貯留部8a及び一時貯留部8eは千券用、一時貯留部8b及び一時貯留部8fは二千券用、一時貯留部8c及び一時貯留部8gは五千券用、一時貯留部8d及び一時貯留部8hは万券用とする。
【0037】
一時貯留部8a〜8hの下部に各々の一時貯留部8a〜8hに対応して設けられた紙幣収納部9a〜9dは、入金及び出金可能な金種別の紙幣収納箱体であって、これらは互いに高さ方向の位置を一致させた状態で配置されている。上記したように、直上直下の一時貯留部8a〜8hは基本的に同一金種の紙幣を受け入れるように設定されており、それらと同一の鉛直線上に配置される紙幣収納部9a〜9dもまた同一の金種を受け入れるよう設定されている。すなわち、金種別に各一時貯留部8a〜8hを設定した場合、上記した例に対応するべく紙幣収納部9aは千券用、紙幣収納部9bは二千券用、紙幣収納部9cは五千券用、紙幣収納部9dは万券用となる。
【0038】
なお、これら紙幣収納部9a〜9dは、各々が機体3から着脱不可能な固定式の箱体であっても、機体3から着脱可能なカセット式の箱体であってもよい。固定式あるいは着脱式のいずれにしても紙幣収納部9a〜9dを含むユニットは、機体3から機体3の前方または側方へと引き出し可能になっており、紙幣のジャム処理時や、カセット式の場合の紙幣収納部9a〜9dを着脱するときには、図示略の操作キー等によってロックを解除することで、紙幣収納部9a〜9dを引き出すことが可能になる。
【0039】
また、上記した紙幣収納部9a〜9dは、受け入れる紙幣を任意に設定することが可能になっている。出金を行わない紙幣入金機とすることもでき、その場合、千券及び万券の混合や、二千券及び損券等の混合にすることも可能である。
【0040】
以上に述べた本実施形態の紙幣処理機1は、処理を行わない待機状態においては、上段の一時貯留部8a〜8dを含むユニット41及び下段の一時貯留部8e〜8hを含むユニット39が基本位置にある。
【0041】
このような紙幣処理機1に大量の紙幣を入金する場合、上記のような待機状態で、オペレータにより、入金口7に大量のバラ紙幣が積層状態で投入され、操作部68から入金開始のための操作入力がなされると、制御部72は、紙幣繰出部16で入金口7からバラ紙幣を一枚ずつ分離して繰り出し、入金搬送部18は、図4の太線で示すルートに沿って、繰り出されたバラ紙幣を所定の場所まで搬送する。繰り出されたバラ紙幣は、搬送の途中で入金識別部27により識別をされ、その識別結果に基づいて各振分機構73によって各部に振り分けられる。そして、入金可能紙幣以外のリジェクト紙幣をリジェクト搬送路29を介してリジェクト口10に排出させる一方、入金可能紙幣を入金識別部27の識別結果に基づいて対応する金種の一時貯留部8a〜8hに一時貯留させる。まずは下段の一時貯留部8e〜8hから順に貯留していき、下段の一時貯留部8e〜8hが満杯になったところで、上段の一時貯留部8a〜8dに貯留していく。
【0042】
そして、入金口7の紙幣がすべてリジェクト口10あるいは一時貯留部8a〜8hに至ると、制御部72は、入金された紙幣の金種別の計数結果等を入金識別部27の識別結果に基づいて表示部67に表示させる。この表示を見てオペレータが操作部68に入金承認の操作を入力すると、制御部72は、図2及び図4に示すように、下段の一時貯留部8e〜8h内に一時貯留された紙幣を、そのままの基本位置で下方の紙幣収納部9a〜9dへと受け渡し、次に図3及び図4に示すように、下段の一時貯留部8e〜8hをスライド機構部40によって後端位置に水平移動させた後、エレベータ機構部42によって上段の一時貯留部8a〜8dを下端位置に位置させ、一時貯留部8a〜8dから紙幣を下方の紙幣収納部9a〜9dへと受け渡す。
【0043】
このようにして、各一時貯留部8a〜8hへと金種別に分類したまま、鉛直下方にある紙幣収納部9a〜9dに紙幣を収納させる。つまり、一時貯留部8a及び一時貯留部8eの紙幣を紙幣収納部9aに、一時貯留部8b及び一時貯留部8fの紙幣を紙幣収納部9bに、一時貯留部8c及び一時貯留部8gの紙幣を紙幣収納部9cに、一時貯留部8d及び一時貯留部8hの紙幣を紙幣収納部9dに、それぞれ収納させる。これらの収納が完了すると、上段の一時貯留部8a〜8dを基本位置まで上昇させた後に、下段の一時貯留部8e〜8hを基本位置まで水平移動させて、入金処理を終了する。
【0044】
また、2人の使用者が続けて入金処理を行う場合、図4に示すように、1人目の使用者の処理紙幣は下段の一時貯留部8e〜8hに貯留していき、2人目の使用者の処理紙幣は上段の一時貯留部8a〜8dに貯留していく。つまり、下段の一時貯留部8e〜8hに貯留した1人目の使用者の入金が確定した後、これら下段の一時貯留部8e〜8h内に貯留されている紙幣を下方の各紙幣収納部9a〜9dへと収納している間に2人目の使用者の入金処理つまり上段の一時貯留部8a〜8dへの一時貯留が開始可能となり、使用者は、先の入金処理動作の終了を待つことなく続けて入金することができる。そして、1人目の使用者の入金が完了した後で、上記と同様にして上段の一時貯留部8a〜8dの紙幣を紙幣収納部9a〜9dに収納する。
【0045】
なお、大量の紙幣を入金する場合や、2人の使用者が続けて入金処理を行う場合には、最初に入金される紙幣を上下段のどちらの一時貯留部8a〜8hに貯留してもよく、予めどちらか一方に設定しておくか、その都度切り替え手段によって切り替えられるようにしてもよい。
【0046】
以上のような入金処理の場合、入金搬送部18を使用し、出金搬送部46は使用しないため、出金搬送部46を使用し、入金搬送部18を使用しない出金処理を入金処理と並行して実行することができる。
【0047】
ここで、出金処理は、紙幣収納部9a〜9d内の紙幣を分離繰出装置44で一枚ずつ分離して繰り出し、繰り出された紙幣を出金搬送部46で出金口14まで搬送する。途中、出金識別部58にて、金種、真偽、正損等の識別や、斜行、二重送り等の搬送異常が確認される。そして、この出金識別部58による識別結果に応じて、偽券や損券、搬送異常紙幣等はリジェクトボックス60へ搬送され、真券のみが出金口14へと搬送されてオペレータへと出金されることになる。
【0048】
また、自己精査処理と入金処理とを並行して行う場合、図5に示すように、精査を行う紙幣は紙幣収納部9a〜9dから下段の一時貯留部8e〜8hに貯留していき、入金口7から入金する紙幣は空いている上段の一時貯留部8a〜8dに貯留していく。
【0049】
詳しくは、オペレータの操作もしくはタイマー等で自動的に自己精査開始のための指令が発せられると、制御部72は、まず、全ての処理動作が行われていないことを確認し、さらに、一時貯留部8a〜8h内に紙幣がないことをセンサ66によって確認する。仮に、他の処理動作が行われている場合には、それらの処理動作が終了するのを待ち、一時貯留部8a〜8h内に紙幣が存在する場合には、それらの紙幣を確定させ、それぞれに該当する紙幣収納部9a〜9d内に収納する。これらの処理が終了し、一時貯留部8a〜8h内に紙幣がないことが確認できた後、各紙幣収納部9a〜9d内の紙幣を順次繰り出す。
【0050】
各分離繰出装置44によって一枚ずつ分離して繰り出された紙幣収納部9a〜9d内の紙幣は、出金搬送路48に導かれ、図5の太線で示すルートに沿って出金識別部58へと搬送される。この出金識別部58にて、金種、真偽、正損等の識別や、斜行、二重送り等の搬送異常が確認される。そして、この出金識別部58の識別結果に応じて、偽券や損券、搬送異常紙幣等はリジェクトボックス60へ、真券は下段の一時貯留部8e〜8hの該当するいずれかへと搬送される。
【0051】
ここで例えば、紙幣収納部9a内に、既定(千円券)の正常な紙幣が収納されていた場合には、その紙幣は、それに対応する一時貯留部8eへと搬送され、また、異金種の正常な紙幣が収納されていた場合には、その紙幣は、それに対応する一時貯留部8f〜8hのいずれかへと搬送され、正常でない紙幣、搬送異常の紙幣は、リジェクトボックス60へと搬送される。
【0052】
紙幣収納部9a内に同一の金種を収納している場合、分離繰出装置44によって紙幣収納部9a内の紙幣が順次繰り出されて一時貯留部8eへと搬送されていき、一時貯留部8e内が満杯になると、一旦繰り出しを停止させ、一時貯留部8e内の紙幣を紙幣収納部9a内へと移動させる。このとき、紙幣収納部9a内の繰り出し前の紙幣と混ざらないように、精査後の紙幣を区分けのためのフラッパ62上に載置させる。この操作を繰り返し行い、元々紙幣収納部9a内にあった紙幣を全て繰り出し終えると、次に紙幣収納部9b内の紙幣の精査を行うために、分離繰出装置44によって紙幣収納部9b内の紙幣を順次一時貯留部8fへと繰り出し、紙幣収納部9a内の紙幣と同様の処理を行っていく。以降、順に紙幣収納部9c内、紙幣収納部9d内の紙幣を処理していき、最後の紙幣がリジェクトボックス60、もしくは下段の一時貯留部8e〜8hの該当するいずれかを介して対応する紙幣収納部9a〜9dへと運ばれると、制御部72は、精査結果を表示部67に表示し、記憶装置の在高を新たなものに書き換えるとともにフラッパ62上の紙幣を落下させて精査処理を終了させる。
【0053】
この精査処理中において、オペレータにより入金させる紙幣が入金口7にセットされ、操作部68に入金処理のための入力がなされると、制御部72は、精査処理と並行して入金処理を開始させる。すなわち、入金口7より、紙幣を一枚ずつ分離して繰り出しを行う。そして、繰り出された紙幣は入金搬送部18により入金搬送路26上を搬送され、途中、入金識別部27で識別が行われ、その識別結果に応じて振り分けがなされる。つまり、偽券や損券、搬送異常紙幣等は、リジェクト搬送路29を通ってリジェクト口10へ、真券は入金搬送路26を通って金種毎に上段の一時貯留部8a〜8dのいずれかへと搬送される。そして同時に、制御部72の記憶装置に識別・計数結果が記憶される。入金口7に投入された全ての紙幣が機体3内に取り込まれてリジェクト口10もしくは上段の一時貯留部8a〜8dのいずれかへと搬送されると、制御部72は表示部67に入金識別部27の識別結果を表示させ、オペレータにその後の処理動作を促す。すなわち、入金を確定するか、入金をキャンセルするか、もしくは、追加入金するかの選択をオペレータに促す。
【0054】
このとき、オペレータが操作部68より追加入金を指示すると、制御部72は入金口7に追加投入された紙幣を確認し、再度入金処理を繰り返す。この際、先の入金処理の計数結果に追加しながらの識別・計数となる。
【0055】
または、オペレータが操作部68より入金のキャンセルを指示すると、制御部72は、内部に紙幣が貯留されている上段の一時貯留部8a〜8dの引き出しロックを解除し、対応する一時貯留部8a〜8dを引き出し可能な状態にする。そして、オペレータが該当する一時貯留部を引き出すことで、内部に一時貯留された紙幣の回収を行う。このとき、制御部72は、記憶装置に記憶された識別・計数結果をリセットさせる。
【0056】
あるいは、オペレータが操作部68より入金の確定を指示すると、本来ならば制御部72は、一時貯留部8a〜8dに一時貯留されている紙幣を、紙幣収納部9a〜9d内に収納するための収納動作を開始させるのであるが、この場合は、精査処理が優先して行われるので、精査処理が終了するのを待つことになる。精査処理が終わり次第、一時貯留部8a〜8dの紙幣の紙幣収納部9a〜9d内への上記と同様の収納動作を開始させ、一時貯留部8a〜8d内の紙幣が紙幣収納部9a〜9d内へ収納されたところで、入金処理が終了する。同時に、記憶装置の在高も新たなものに書き換えられる。
【0057】
このような紙幣処理機1によれば、1つの紙幣収納部9aが2つの一時貯留部8a,8eから、1つの紙幣収納部9bが2つの一時貯留部8b,8fから、1つの紙幣収納部9cが2つの一時貯留部8c,8gから、1つの紙幣収納部9dが2つの一時貯留部8d,8hから、それぞれ紙幣を受け入れ可能とされているため、複数の処理を並行して行うことが可能であり、下段の一時貯留部8e〜8hを精査処理用として使用し、上段の一時貯留部8a〜8dを入金処理用として使用することで、精査処理をしながら入金処理を行うことが可能になり、また、下段の一時貯留部8e〜8hを先行する入金処理用として使用し、上段の一時貯留部8a〜8dを次の入金処理用として使用することで、先の入金処理の途中で次の入金処理を開始することも可能になる。すなわち、運用効率を向上させることができる。
【0058】
また、下段の一時貯留部8e〜8hが水平移動可能であり、上段の一時貯留部8a〜8dが鉛直移動可能であるため、複数の一時貯留部8a,8eとこれらの紙幣を収納させる紙幣収納部9aとを同一鉛直線上に配置することが可能になり、同様に一時貯留部8b,8fと紙幣収納部9bとを同一鉛直線上に配置することが可能になり、同様に一時貯留部8c,8gと紙幣収納部9cとを同一鉛直線上に配置することが可能になり、同様に一時貯留部8d,8hと紙幣収納部9dとを同一鉛直線上に配置することが可能になって、スペースの高効率化を図ることができる。
【0059】
入金処理の際、下段の一時貯留部8e〜8hを積極的に使用することで、紙幣収納部9a〜9dへの紙幣の受け渡し時に一時貯留部8a〜8hの移動を極力減らして、収納に関わる時間を短くすることができる。さらに、先の入金処理を実行中であっても、後の入金を上段の一時貯留部8a〜8d内へと貯留させることができるので、上記したように、2つの入金処理を行うことができる。また、一時貯留部8a〜8hの積層段数を増加すれば、2以上の入金処理を行うことが可能になる。また、同時に出金処理の実行も可能である。
【0060】
精査処理時には、下段の一時貯留部8e〜8hを使用することで、精査中の紙幣収納部9a〜9dへの紙幣の受け渡しを一時貯留部8e〜8hを移動させずにスムースに行うことが可能になるため、さらに効率の良い運用が可能になる。また、精査処理中であっても、上段の一時貯留部8a〜8dに入金紙幣を貯留することができるので、上記したように、精査処理と並行して入金処理を行うことができる。
【0061】
なお、上記では1つの紙幣収納部に対して2つの一時貯留部を設けたが、これに限られることなく、1つの紙幣に対して3つ以上の一時貯留部を設けてもよい。この場合も、最下段の一時貯留部を除く所定の段の一時貯留部の紙幣を紙幣収納部へと収納する際には、所定の段の一時貯留部より下の段の一時貯留部をスライド機構部40で水平移動させた後に、所定の段の一時貯留部を最下段の一時貯留部と同じ高さにエレベータ機構部42で鉛直移動させることになる。
【0062】
なお、上記では、下段の一時貯留部8e〜8hと、入金搬送路26における下方延出部22の一時貯留部8e〜8hと高さが合う部分構成部と、一時貯留部8e〜8hに接続される各搬送路35〜38とを一体のユニット39とし、また、上段の一時貯留部8a〜8dと、入金搬送路26における下方延出部22の一時貯留部8a〜8dと高さが合う部分構成部と、一時貯留部8a〜8dに接続される各搬送路31〜34とを一体のユニット41として、水平移動及び昇降移動を段毎に一体で行うようにしているが、それぞれの一時貯留部8a〜8hを、全て独立して水平移動及び昇降移動可能に構成しても良い。
また、待機時に、関連するすべての一時貯留部8a〜8h、紙幣収納部9a〜9dを同一鉛直線上に並ぶように配置したが、配置に関してはこれに限定する必要はなく、前後左右の水平移動・上下の鉛直移動を取り入れることで、スペースの関係等を考慮した様々な配置にすることも可能である。
さらに、各一時貯留部8a〜8h及び紙幣収納部9a〜9dにおける収納すべき金種の設定は、上記に限ったものではなく、利用目的に合わせて適宜設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明における一実施形態の紙幣処理機を示す内部正面図である。
【図2】本発明における一実施形態の紙幣処理機を示す内部側面図である。
【図3】本発明における一実施形態の紙幣処理機を示す内部側面図である。
【図4】本発明における一実施形態の紙幣処理機の処理経路を太線で示す内部正面図である。
【図5】本発明における一実施形態の紙幣処理機の処理経路を太線で示す内部正面図である。
【図6】本発明における一実施形態の紙幣処理機の制御系を概略的に示すブロック図である。
【符号の説明】
【0064】
1 紙幣処理機
7 入金口
8a,8b,8c,8d,8e,8f,8g,8h 一時貯留部
9a,9b,9c,9d 紙幣収納部(収納部)
27 入金識別部(第1の識別部)
58 出金識別部(第2の識別部)
40 スライド機構部(水平移動手段)
42 エレベータ機構部(鉛直移動手段)
72 制御部(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入金口に投入された紙幣の識別を行う第1の識別部と、
該第1の識別部により真紙幣と識別された紙幣を金種別に分けて一時貯留する複数の一時貯留部と、
これら一時貯留部に一時貯留された紙幣を入金確定後にそれぞれ収納する複数の収納部と、
出金の際に前記複数の収納部から出金された紙幣の識別を行う第2の識別部とを備えた紙幣処理機であって、
1つの前記収納部が、2つ以上の前記一時貯留部から紙幣を受け入れ可能とされていることを特徴とする紙幣処理機。
【請求項2】
前記複数の一時貯留部を平面視で重なるように上下に複数段配置し、
これら複数段の一時貯留部のうち最上段の一時貯留部を除くその他の段の一時貯留部を前記最上段の一時貯留部と平面視で重ならない状態に水平移動可能な水平移動手段と、
最下段の一時貯留部を除くその他の段の一時貯留部を前記最下段の一時貯留部と同じ高さまで鉛直移動させる鉛直移動手段と、
前記最下段の一時貯留部を除く所定の段の一時貯留部の紙幣を収納部に収納する際には、当該所定の段の一時貯留部より下の段の一時貯留部を前記水平移動手段で水平移動させた後に当該所定の段の一時貯留部を前記最下段の一時貯留部と同じ高さに前記鉛直移動手段で鉛直移動させる制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の紙幣処理機。
【請求項3】
入金処理時に、前記最下段の一時貯留部から順に紙幣を貯留していくことを特徴とする請求項2記載の紙幣処理機。
【請求項4】
精査処理時に、精査する紙幣を前記最下段の一時貯留部に貯留していくとともに入金処理を開始可能とし、精査処理と並行して入金処理を開始する際には、入金する紙幣を最下段より上方の空いた一時貯留部に貯留していくことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の紙幣処理機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−209596(P2006−209596A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−22964(P2005−22964)
【出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【出願人】(500265501)ローレル精機株式会社 (191)
【Fターム(参考)】