紙葉類検知センサ
【課題】磁性体を有する紙葉類の残留磁気を良好に検知することができる紙葉類検知センサを提供すること。
【解決手段】磁性体を有する紙葉類Wを搬送する搬送路Rの近傍に配設され、搬送される紙葉類Wに対して着磁部22を通じて磁界を印加する着磁体(11)と、搬送路Rにおける着磁体の下流側に配設され、着磁体による印加により紙葉類Wの磁性体が帯びる残留磁気によって生ずる磁界を検出面23を通じて検出する磁気検出部(12)とを備えた紙葉類検知センサ10において、着磁部22は、平面状の着磁面24と、着磁面24から搬送路Rに向けて突出し、頂部25aが検出面23と同一平面上となる態様で紙葉類Wの搬送方向に沿って延在する長尺状の突起部25とを有して成るものである。
【解決手段】磁性体を有する紙葉類Wを搬送する搬送路Rの近傍に配設され、搬送される紙葉類Wに対して着磁部22を通じて磁界を印加する着磁体(11)と、搬送路Rにおける着磁体の下流側に配設され、着磁体による印加により紙葉類Wの磁性体が帯びる残留磁気によって生ずる磁界を検出面23を通じて検出する磁気検出部(12)とを備えた紙葉類検知センサ10において、着磁部22は、平面状の着磁面24と、着磁面24から搬送路Rに向けて突出し、頂部25aが検出面23と同一平面上となる態様で紙葉類Wの搬送方向に沿って延在する長尺状の突起部25とを有して成るものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙葉類検知センサに関し、より詳細には、例えば磁性体を含有してなるインクによって印刷された紙幣等の紙葉類の磁気特性等を検知する紙葉類検知センサに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えば紙幣や有価証券や商品券等の紙葉類の真贋等を識別する場合に、磁性体を含有してなるインクによって紙葉類に印刷された文字や図形や記号の磁気特性等を検知する紙葉類検知センサが用いられている。
【0003】
そのような紙葉類検知センサは、紙葉類を搬送するための搬送路上に配設されており、着磁体(着磁手段)と磁気検出素子(磁気検出手段)とを共通のホルダ内に収納して一体的に構成されている。着磁体は、例えば永久磁石等から構成されるものである。この着磁体は、ホルダを構成し、かつ搬送路に対向するプレートに形成された着磁部を通じて、搬送される紙葉類に対して磁界を印加するものである。磁気検出素子は、例えば磁気インピーダンス素子であり、搬送路における着磁体の下流側に収納されている。この磁気検出素子は、上記着磁部が形成された同一のプレートに形成された検出面を通じて、着磁体による印加により紙葉類の磁性体が帯びる残留磁気によって生ずる磁界を検出するものである(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−105647号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したような紙葉類検知センサでは、着磁体は1kガウス程度の磁力を必要とするため、実際の環境下では、着磁部に砂鉄や鉄粉等が付着してしまうのが一般的である。このように砂鉄や鉄粉等の付着物が着磁部に付着してしまうと、搬送路を通じて搬送される紙葉類の一部が該付着物に接触して該付着物を移動させてしまい、これにより、着磁体により印加された紙葉類の磁界が大きく変動し、磁気検出素子がこの磁界の変動を検出して出力が変化し、その結果、紙葉類の正しい残留磁気によって生ずる磁界を検知することができないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みて、磁性体を有する紙葉類の残留磁気を良好に検知することができる紙葉類検知センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を解決するために、本発明の請求項1に係る紙葉類検知センサは、磁性体を有する紙葉類を搬送する搬送路の近傍に配設され、搬送される紙葉類に対して着磁部を通じて磁界を印加する着磁手段と、前記搬送路近傍における前記着磁手段の下流側に配設され、前記着磁手段による印加により前記紙葉類の磁性体が帯びる残留磁気によって生ずる磁界を検出面を通じて検出する磁気検出手段とを備えた紙葉類検知センサにおいて、前記着磁部は、平面状の着磁面と、前記着磁面から前記搬送路に向けて突出し、頂部が前記検出面と同一平面上となる態様で前記紙葉類の搬送方向に沿って延在する長尺状の突起部とを有して成ることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2に係る紙葉類検知センサは、上述した請求項1において、前記着磁手段及び前記磁気検出手段が同一のホルダ内に収納され、前記着磁部及び前記検出面が、前記ホルダを構成し、かつ前記搬送路に対向する共通のプレートに形成してあることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3に係る紙葉類検知センサは、上述した請求項2において、前記プレートには、前記着磁面と前記突起部との境界部分、並びに前記着磁面と前記検出面との境界部分に、それぞれ緩斜面が形成してあることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4に係る紙葉類検知センサは、磁性体を有する紙葉類を搬送する搬送路の近傍に配設され、搬送される紙葉類に対して着磁部を通じて磁界を印加する着磁手段と、前記搬送路近傍における前記着磁手段の下流側に配設され、前記着磁手段による印加により前記紙葉類の磁性体が帯びる残留磁気によって生ずる磁界を検出面を通じて検出する磁気検出手段とを備えた紙葉類検知センサにおいて、前記着磁手段及び前記磁気検出手段が同一のホルダ内に収納され、前記着磁部と同一のプレートに形成された前記検出面は、最大高さ位置となる態様で前記搬送路に向けて突出した位置に形成してあることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項5に係る紙葉類検知センサは、上述した請求項4において、前記プレートの前記着磁部及び前記検出面の両側には、前記搬送路に向けて突出し、頂部が前記検出面と同一平面状となる態様で前記紙葉類の搬送方向に延在する規制部材が設けてあることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項6に係る紙葉類検知センサは、磁性体を有する紙葉類を搬送する搬送路の近傍に配設され、搬送される紙葉類に対して着磁部を通じて磁界を印加する着磁手段と、前記搬送路近傍における前記着磁手段の下流側に配設され、前記着磁手段による印加により前記紙葉類の磁性体が帯びる残留磁気によって生ずる磁界を検出面を通じて検出する磁気検出手段とを備えた紙葉類検知センサにおいて、前記着磁部及び前記検出面の両側には、前記搬送路に向けて突出し、頂部が最大高さとなる態様で前記紙葉類の搬送方向に沿って延在する規制部材が設けてあることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項7に係る紙葉類検知センサは、上述した請求項6において、前記着磁手段及び前記磁気検出手段が同一のホルダ内に収納され、前記着磁部、前記検出面及び前記規制部材が、前記ホルダを構成し、かつ前記搬送路に対向する共通のプレートに形成してあることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項8に係る紙葉類検知センサは、上述した請求項1〜7のいずれか一つにおいて、前記着磁手段は、前記紙葉類の磁性体が有する保磁力以上の磁界強度を有する永久磁石であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項9に係る紙葉類検知センサは、上述した請求項1〜8のいずれか一つにおいて、前記磁気検出手段は、薄膜フラックスゲート型磁気検出素子又は磁気インピーダンス素子であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の紙葉類検知センサによれば、着磁部は、平面状の着磁面と、着磁面から搬送路に向けて突出し、頂部が検出面と同一平面上となる態様で紙葉類の搬送方向に沿って延在する長尺状の突起部とを備えてなるので、着磁面の方が突起部表面よりも着磁手段までの距離が短いため、該着磁面に作用する磁力が突起部表面で作用するよりも強い。そのため、空中を浮遊する小さな砂鉄や鉄粉等は、着磁面に付着し、突起部表面には付着し難い。突起部は、頂部が検出面と同一平面上となり、搬送される紙葉類が着磁面に付着する付着物(砂鉄や鉄粉等)に接触して該付着物を移動させてしまう虞れがない。従って、着磁手段により印加された紙葉類の磁界が大きく変動してしまうことがなく、紙葉類の残留磁気をを良好に検知することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る紙葉類検知センサの好適な実施の形態について詳細に説明する。尚、以下においては、紙葉類識別装置に適用される紙葉類検知センサについて説明する。
【0018】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1における紙葉類検知センサを適用した紙葉類識別装置を模式的に示したものである。ここで例示する紙葉類識別装置1は、磁性体を含有してなるインクによって紙葉類Wに印刷された文字や図形や記号(以下、適宜これらを単に「磁気印刷部」と称する)の磁気特性等を検知し、かかる検知結果に基づいて紙葉類Wの真贋を識別するもので、紙葉類Wを搬送する搬送路Rの近傍に配設してある。この紙葉類識別装置1は、進入センサ2、紙葉類検知センサ10、紙葉類進入検出部3、磁気検出部駆動部4及び信号処理回路6を備えている。
【0019】
進入センサ2は、搬送路Rの入口近傍に配設してある。この進入センサ2は、例えば反射型フォトインタラブタのような光センサ等であり、進入する紙葉類Wを非接触で検知するものである。
【0020】
紙葉類検知センサ10は、搬送路Rの上側における進入センサ2の下流側に配設してある。この紙葉類検知センサ10は、着磁体(着磁手段)11及び磁気検出部(磁気検出手段)12を備えており、搬送路Rを搬送される紙葉類Wに印刷された磁気印刷部の磁気量を検知するものである。紙葉類検知センサ10についての詳細は後述する。
【0021】
紙葉類進入検出部3は、進入センサ2に接続してあり、該進入センサ2が紙葉類Wの進入を検知して出力した信号に基づき、紙葉類Wの進入を検出するものである。磁気検出部駆動部4は、紙葉類進入検出部3及び磁気検出部12のそれぞれに接続してあり、紙葉類進入検出部3が紙葉類Wの進入を検出して出力した信号に基づき、磁気検出部12に駆動する旨の指令信号を出力するものである。信号処理回路6は、磁気検出回路5を通じて磁気検出部12に接続してあり、磁気検出部12が磁界を検出して出力した検出信号に基づき、予め記憶してある基準値と比較して所定の許容範囲内にあるか否かを判定して紙葉類Wの真贋を判定するものである。
【0022】
図2〜図5は、それぞれ図1における紙葉類検知センサの構成を示したものであり、図2は、検知側を上面に示した斜視図であり、図3は、検知側を上面に示した平面図であり、図4は、図3におけるA−A線断面図であり、図5は、図3におけるB−B線断面図である。これら図2〜図5において、紙葉類検知センサ10は、着磁体11及び磁気検出部12がホルダ20の内部に収納されて一体的に構成してある。
【0023】
着磁体11は、例えば3つの四角柱状の永久磁石11a,11b,11cを、紙葉類Wの搬送方向に対して直交する方向に沿って所定の間隔で並列させて立設させることにより構成したものである。ここに、永久磁石11a,11b,11cとしては、例えばサマリウム・コバルト磁石やネオジム磁石等の磁気特性に優れた希土類磁石が用いられており、紙葉類Wの磁性体が有する保磁力以上の磁界強度を有するものである。着磁体11を構成する中央位置の永久磁石11aは、検知側(図2及び図4では上方側、図5では右方側)がS極であり、その反対側がN極となる態様で立設してあり、この永久磁石11aの両側に配設された永久磁石11b,11cは、ともに検知側がN極であり、その反対側がS極となる態様で立設してある。これにより、着磁体11は、両側の永久磁石11b,11cの検知側であるN極から中央位置の永久磁石11aの検知側であるS極に向かう磁界を搬送路Rを通過する紙葉類Wの磁気印刷部に印加させる。
【0024】
磁気検出部12は、搬送路Rにおける着磁体11の下流側に設けてある。この磁気検出部12は、例えば磁気インピーダンス素子や薄膜フラックスゲート型磁気検出素子により構成してある。そのような磁気検出部12は、上述した磁気検出部駆動部4から出力された指令信号に基づき通電状態となって駆動するものであり、着磁体11による印加により紙葉類Wの磁性印刷部が帯びる残留磁気によって生ずる磁界を検出するものである。符号13は、端子であり、磁気検出部12と、磁気検出部駆動部4及び磁気検出回路5とを接続するためのものである。
【0025】
また、磁気検出部12の周囲には、磁気シールド部材28が設けてある。磁気シールド部材28は、例えばパーマロイ、アモルファス等から形成されるものであり、着磁体11からの磁界波及を抑制するためのものである。
【0026】
ホルダ20は、上述したように、着磁体11及び磁気検出部12等を収容する筐体である。このホルダ20の上面側、すなわち搬送路Rに対向する面(以下、検知面ともいう)側には、トッププレート21が設けてある。トッププレート21は、例えばリン青銅等の非金属材料により形成されたものである。このトッププレート21には、着磁体11に対応する部位に着磁部22が形成してあるとともに、磁気検出部12に対応する部位に検出面23が形成してある。
【0027】
着磁部22は、着磁面24及び突起部25を有して構成してある。着磁面24は、平面状のものである。突起部25は、例えば絞り加工等で形成したものであり、着磁面24から搬送路Rに向けて突出し、頂部25aが検出面23と同一平面上となる態様で紙葉類Wの搬送方向に沿って延在する長尺状のものである。この突起部25と着磁面24との境界部分には、緩斜面26が形成してある。また、突起部25の突出高さは、付着する可能性のある空気中を浮遊する小さな砂鉄や鉄粉よりも大きくするために例えば0.2〜0.5mm程度である。
【0028】
検出面23は、平面状のものであり、突起部25の頂部25aとともに最大高さとなる態様で、着磁面24よりも搬送路Rに向けて突出した位置にある。つまり、検出面23は、突起部25とともに搬送路面を構成することになる。この検出面23の突出高さは、突起部25と同程度であり、付着する可能性のある空気中を浮遊する小さな砂鉄や鉄粉よりも大きくするために着磁面24に比して例えば0.2〜0.5mm程度の大きさである。また、検出面23と着磁面24との境界部分には緩斜面27が形成してある。
【0029】
上記紙葉類検知センサ10が適用された紙葉類識別装置1は、次のようにして搬送される紙葉類Wの真贋を識別する。
【0030】
図には明示しない搬送ローラや搬送ベルト等の搬送手段により搬送される紙葉類Wが搬送路Rに進入すると、進入センサ2が検知してその旨を信号として紙葉類進入検出部3に出力され、進入したことが検出される。そして、紙葉類進入検出部3から磁気検出部駆動部4に紙葉類Wが進入した旨の信号が出力されると、磁気検出部駆動部4から紙葉類検知センサ10の磁気検出部12に駆動指令が出力され、磁気検出部12が通電状態になって駆動する。
【0031】
搬送路Rに進入した紙葉類Wが着磁体11の磁界が及ぶ領域に到達すると、図6に示すように、紙葉類検知センサ10は、着磁体11により生ずる磁界、すなわち両側の永久磁石11b,11cのN極から中央位置の永久磁石11aのS極に向かう磁界をトッププレート21の着磁部22を通じて印加して、紙葉類Wの磁気印刷部を磁化させる。磁気印刷部が磁化された紙葉類Wは、そのまま搬送路Rを搬送される。
【0032】
そして、通電状態となった磁気検出部12が、磁性印刷部が帯びる残留磁気によって生ずる磁界を検出し、その検出結果を検出信号として磁気検出回路5を通じて信号処理回路6に出力し、その後通電状態が解除されて待機状態になる。信号処理回路6では、磁気検出部12により出力された検出信号に基づき、予め記憶してある基準値と比較して所定の許容範囲内にあるか否かを判定して紙葉類Wの真贋を判定する。
【0033】
そのように紙葉類検知センサ10では、着磁部22を通じて着磁体11の磁界が紙葉類Wに印加される。この着磁部22は、着磁面24と突起部25とを有しており、着磁面24の方が突起部25の表面よりも着磁体11(永久磁石11a,11b,11c)までの距離が短いため、該着磁面24に作用する磁力が突起部25の表面で作用するよりも強い。そのため、図6に示すように、空中を浮遊する小さな砂鉄や鉄粉等の付着物Fは、着磁面24に付着し、突起部25の表面には付着し難い。上述したように、突起部25は、頂部25aが検出面23と同一平面上となり、検出面23とともに搬送路面を構成するものであるから、搬送される紙葉類Wが着磁面24に付着する付着物(砂鉄や鉄粉等)Fに接触して該付着物Fを移動させてしまう虞れがない。
【0034】
従って、紙葉類検知センサ10によれば、搬送される紙葉類Wが着磁面24に付着する付着物Fに接触して該付着物Fを移動させてしまう虞れがないので、着磁体11により印加された紙葉類Wの磁界が大きく変動してしまうことがなく、紙葉類Wの残留磁気を良好に検知することができる。
【0035】
また、紙葉類検知センサ10によれば、突起部25の表面に付着物Fが付着し難いために、着磁部22の全面が付着物Fに覆われる虞れがなく、着磁体11により生ずる磁界を確実に紙葉類Wに印加させることができるとともに、耐環境性にも優れたものになる。
【0036】
更に、紙葉類検知センサ10によれば、トッププレート21における着磁面24と突起部25との境界部分、並びに着磁面24と検出面23との境界部分に緩斜面26,27が形成してあるので、紙葉類Wがトッププレート21に引っ掛かったり、詰まってしまう虞れがない。
【0037】
<実施の形態2>
図7及び図8は、それぞれ本発明の実施の形態2における紙葉類検知センサを示したものであり、図7は、紙葉類の搬送方向に直行する方向から見た場合を模式的に示した断面図であり、図8は、紙葉類の搬送方向に平行な方向から見た場合を模式的に示した断面図である。尚、上述した実施の形態1における紙葉類検知センサ10と同一の構成を有するものには同一の符号を付してその説明を省略する。
【0038】
これら図7及び図8において、紙葉類検知センサ30は、着磁体11及び磁気検出部12がホルダ40の内部に収納されて一体的に構成してある。
【0039】
ホルダ40は、上述したように、着磁体11及び磁気検出部12等を収容する筐体である。このホルダ40の上面側、すなわち搬送路Rに対向する面側には、トッププレート41が設けてある。トッププレート41は、例えばリン青銅等の非金属材料により形成されたものである。このトッププレート41には、着磁体11に対応する部位に着磁面42(着磁部)が形成してあるとともに、磁気検出部12に対応する部位に検出面43が形成してある。
【0040】
着磁面42は、平面状のものである。検出面43は、平面状のものであり、最大高さとなる態様で着磁面42よりも搬送路Rに向けて突出した位置にある。つまり、検出面43は、搬送路面を構成することになる。この検出面43の突出高さは、付着する可能性のある空気中を浮遊する小さな砂鉄や鉄粉よりも大きくするために例えば0.2〜0.5mm程度の大きさである。また、検出面43と着磁面42との境界部分には緩斜面47が形成してある。
【0041】
そのような構成の紙葉類検知センサ30においては、検出面43が最大高さ位置にあって搬送路面を構成するため、搬送される紙葉類Wが着磁面42に接触する虞れがない。そのため、着磁面42に付着する付着物(砂鉄や鉄粉等)に接触して該付着物を移動させてしまう虞れがない。従って、紙葉類検知センサ30によれば、搬送される紙葉類Wが着磁面42に付着する付着物に接触して該付着物を移動させてしまう虞れがないので、着磁体11により印加された紙葉類Wの磁界が大きく変動してしまうことがなく、紙葉類Wの残留磁気をを良好に検知することができる。
【0042】
また、紙葉類検知センサ30によれば、トッププレート41における着磁面42と検出面43との境界部分に緩斜面47が形成してあるので、紙葉類Wがトッププレート41に引っ掛かったり、詰まってしまう虞れがない。
【0043】
以上、本発明の実施の形態2について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0044】
図9及び図10は、それぞれ本発明の実施の形態2における紙葉類検知センサの変形例を示したものであり、図9は、紙葉類の搬送方向に直行する方向から見た場合を模式的に示した断面図であり、図10は、紙葉類の搬送方向に平行な方向から見た場合を模式的に示した断面図である。尚、上述した実施の形態1及び2における紙葉類検知センサと同一の構成を有するものには同一の符号を付してその説明を省略する。
【0045】
これら図9及び図10において、紙葉類検知センサ30′は、着磁体11及び磁気検出部12がホルダ40′の内部に収納されて一体的に構成してある。
【0046】
ホルダ40′は、上述したように、着磁体11及び磁気検出部12等を収容する筐体である。このホルダ40′の上面側、すなわち搬送路Rに対向する面側には、トッププレート41が設けてある。トッププレート41には、着磁面42及び検出面43の他に、規制部材44が形成してある。規制部材44は、着磁面42及び検出面43の両側に設けてあり、搬送路Rに向けて突出し、頂部が検出面43とともに最大高さとなる態様で紙葉類Wの搬送方向に沿って延在するものである。つまり、この規制部材44は、頂部が検出面43と同一平面上となり、検出面43とともに搬送路面を構成する。
【0047】
そのような構成の紙葉類検知センサ30′においては、規制部材44が検出面43とともに最大高さ位置にあって搬送路面を構成するため、搬送される紙葉類Wが着磁面42に接触する虞れがない。そのため、着磁面42に付着する付着物(砂鉄や鉄粉等)に接触して該付着物を移動させてしまう虞れがない。従って、紙葉類検知センサ30′によれば、搬送される紙葉類Wが着磁面42に付着する付着物に接触して該付着物を移動させてしまう虞れがないので、着磁体11により印加された紙葉類Wの磁界が大きく変動してしまうことがなく、紙葉類Wの残留磁気をを良好に検知することができる。
【0048】
<実施の形態3>
図11及び図12は、それぞれ本発明の実施の形態3における紙葉類検知センサを示したものであり、図11は、紙葉類の搬送方向に直行する方向から見た場合を模式的に示した断面図であり、図12は、紙葉類の搬送方向に平行な方向から見た場合を模式的に示した断面図である。尚、上述した実施の形態1及び2における紙葉類検知センサと同一の構成を有するものには同一の符号を付してその説明を省略する。
【0049】
これら図11及び図12において、紙葉類検知センサ50は、着磁体11及び磁気検出部12がホルダ60の内部に収納されて一体的に構成してある。
【0050】
ホルダ60は、上述したように、着磁体11及び磁気検出部12等を収容する筐体である。このホルダ60の上面側、すなわち搬送路Rに対向する面側には、トッププレート61が設けてある。トッププレート61は、例えばリン青銅等の非金属材料により形成されたものである。このトッププレート61には、着磁体11に対応する部位に着磁面62(着磁部)が形成してあるとともに、磁気検出部12に対応する部位に検出面63が形成してあり、これら着磁面62及び検出面63の両側に規制部材64が形成してある。
【0051】
着磁面62及び検出面63は、ともに平面状のものである。規制部材64は、着磁面62及び検出面63の両側に設けてあり、搬送路Rに向けて突出し、頂部が最大高さとなる態様で紙葉類Wの搬送方向に沿って延在するものである。つまり、この規制部材64は、頂部が搬送路面を構成する。ここに、規制部材64の突出高さは、付着する可能性のある空気中を浮遊する小さな砂鉄や鉄粉よりも大きくするために例えば0.2〜0.5mm程度である。
【0052】
そのような構成の紙葉類検知センサ50においては、規制部材64の頂部が最大高さとなって搬送路面を構成するため、搬送される紙葉類Wが着磁面62に接触する虞れがない。そのため、着磁面62に付着する付着物(砂鉄や鉄粉等)に接触して該付着物を移動させてしまう虞れがない。従って、紙葉類検知センサ50によれば、搬送される紙葉類Wが着磁面62に付着する付着物に接触して該付着物を移動させてしまう虞れがないので、着磁体11により印加された紙葉類Wの磁界が大きく変動してしまうことがなく、紙葉類Wの残留磁気をを良好に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態1における紙葉類検知センサを適用した紙葉類識別装置1を模式的に示した模式図である。
【図2】図1における紙葉類検知センサの構成を示したものであり、検知側を上面に示した斜視図である。
【図3】図1における紙葉類検知センサの構成を示したものであり、検知側を上面に示した平面図である。
【図4】図3におけるA−A線断面図である。
【図5】図3におけるB−B線断面図である。
【図6】図3におけるB−B線断面図である。
【図7】本発明の実施の形態2における紙葉類検知センサを示したものであり、紙葉類の搬送方向に直行する方向から見た場合を模式的に示した断面図である。
【図8】本発明の実施の形態2における紙葉類検知センサを示したものであり、紙葉類の搬送方向に平行な方向から見た場合を模式的に示した断面図である。
【図9】本発明の実施の形態2における紙葉類検知センサの変形例を示したものであり、紙葉類の搬送方向に直行する方向から見た場合を模式的に示した断面図である。
【図10】本発明の実施の形態2における紙葉類検知センサの変形例を示したものであり、紙葉類の搬送方向に平行な方向から見た場合を模式的に示した断面図である。
【図11】本発明の実施の形態3における紙葉類検知センサを示したものであり、紙葉類の搬送方向に直行する方向から見た場合を模式的に示した断面図である。
【図12】本発明の実施の形態3における紙葉類検知センサを示したものであり、紙葉類の搬送方向に平行な方向から見た場合を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
【0054】
1 紙葉類識別装置
10,30,30′,50 紙葉類検知センサ
11 着磁体
12 磁気検出部
13 端子
20,40,40′,60 ホルダ
21,41,61 トッププレート
22(42,62) 着磁部(着磁面)
23,43,63 検出面
24 着磁面
25 突起部
25a 頂部
26,27 緩斜面
44,64 規制部材
W 紙葉類
R 搬送路
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙葉類検知センサに関し、より詳細には、例えば磁性体を含有してなるインクによって印刷された紙幣等の紙葉類の磁気特性等を検知する紙葉類検知センサに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えば紙幣や有価証券や商品券等の紙葉類の真贋等を識別する場合に、磁性体を含有してなるインクによって紙葉類に印刷された文字や図形や記号の磁気特性等を検知する紙葉類検知センサが用いられている。
【0003】
そのような紙葉類検知センサは、紙葉類を搬送するための搬送路上に配設されており、着磁体(着磁手段)と磁気検出素子(磁気検出手段)とを共通のホルダ内に収納して一体的に構成されている。着磁体は、例えば永久磁石等から構成されるものである。この着磁体は、ホルダを構成し、かつ搬送路に対向するプレートに形成された着磁部を通じて、搬送される紙葉類に対して磁界を印加するものである。磁気検出素子は、例えば磁気インピーダンス素子であり、搬送路における着磁体の下流側に収納されている。この磁気検出素子は、上記着磁部が形成された同一のプレートに形成された検出面を通じて、着磁体による印加により紙葉類の磁性体が帯びる残留磁気によって生ずる磁界を検出するものである(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−105647号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したような紙葉類検知センサでは、着磁体は1kガウス程度の磁力を必要とするため、実際の環境下では、着磁部に砂鉄や鉄粉等が付着してしまうのが一般的である。このように砂鉄や鉄粉等の付着物が着磁部に付着してしまうと、搬送路を通じて搬送される紙葉類の一部が該付着物に接触して該付着物を移動させてしまい、これにより、着磁体により印加された紙葉類の磁界が大きく変動し、磁気検出素子がこの磁界の変動を検出して出力が変化し、その結果、紙葉類の正しい残留磁気によって生ずる磁界を検知することができないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みて、磁性体を有する紙葉類の残留磁気を良好に検知することができる紙葉類検知センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を解決するために、本発明の請求項1に係る紙葉類検知センサは、磁性体を有する紙葉類を搬送する搬送路の近傍に配設され、搬送される紙葉類に対して着磁部を通じて磁界を印加する着磁手段と、前記搬送路近傍における前記着磁手段の下流側に配設され、前記着磁手段による印加により前記紙葉類の磁性体が帯びる残留磁気によって生ずる磁界を検出面を通じて検出する磁気検出手段とを備えた紙葉類検知センサにおいて、前記着磁部は、平面状の着磁面と、前記着磁面から前記搬送路に向けて突出し、頂部が前記検出面と同一平面上となる態様で前記紙葉類の搬送方向に沿って延在する長尺状の突起部とを有して成ることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2に係る紙葉類検知センサは、上述した請求項1において、前記着磁手段及び前記磁気検出手段が同一のホルダ内に収納され、前記着磁部及び前記検出面が、前記ホルダを構成し、かつ前記搬送路に対向する共通のプレートに形成してあることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3に係る紙葉類検知センサは、上述した請求項2において、前記プレートには、前記着磁面と前記突起部との境界部分、並びに前記着磁面と前記検出面との境界部分に、それぞれ緩斜面が形成してあることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4に係る紙葉類検知センサは、磁性体を有する紙葉類を搬送する搬送路の近傍に配設され、搬送される紙葉類に対して着磁部を通じて磁界を印加する着磁手段と、前記搬送路近傍における前記着磁手段の下流側に配設され、前記着磁手段による印加により前記紙葉類の磁性体が帯びる残留磁気によって生ずる磁界を検出面を通じて検出する磁気検出手段とを備えた紙葉類検知センサにおいて、前記着磁手段及び前記磁気検出手段が同一のホルダ内に収納され、前記着磁部と同一のプレートに形成された前記検出面は、最大高さ位置となる態様で前記搬送路に向けて突出した位置に形成してあることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項5に係る紙葉類検知センサは、上述した請求項4において、前記プレートの前記着磁部及び前記検出面の両側には、前記搬送路に向けて突出し、頂部が前記検出面と同一平面状となる態様で前記紙葉類の搬送方向に延在する規制部材が設けてあることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項6に係る紙葉類検知センサは、磁性体を有する紙葉類を搬送する搬送路の近傍に配設され、搬送される紙葉類に対して着磁部を通じて磁界を印加する着磁手段と、前記搬送路近傍における前記着磁手段の下流側に配設され、前記着磁手段による印加により前記紙葉類の磁性体が帯びる残留磁気によって生ずる磁界を検出面を通じて検出する磁気検出手段とを備えた紙葉類検知センサにおいて、前記着磁部及び前記検出面の両側には、前記搬送路に向けて突出し、頂部が最大高さとなる態様で前記紙葉類の搬送方向に沿って延在する規制部材が設けてあることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項7に係る紙葉類検知センサは、上述した請求項6において、前記着磁手段及び前記磁気検出手段が同一のホルダ内に収納され、前記着磁部、前記検出面及び前記規制部材が、前記ホルダを構成し、かつ前記搬送路に対向する共通のプレートに形成してあることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項8に係る紙葉類検知センサは、上述した請求項1〜7のいずれか一つにおいて、前記着磁手段は、前記紙葉類の磁性体が有する保磁力以上の磁界強度を有する永久磁石であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項9に係る紙葉類検知センサは、上述した請求項1〜8のいずれか一つにおいて、前記磁気検出手段は、薄膜フラックスゲート型磁気検出素子又は磁気インピーダンス素子であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の紙葉類検知センサによれば、着磁部は、平面状の着磁面と、着磁面から搬送路に向けて突出し、頂部が検出面と同一平面上となる態様で紙葉類の搬送方向に沿って延在する長尺状の突起部とを備えてなるので、着磁面の方が突起部表面よりも着磁手段までの距離が短いため、該着磁面に作用する磁力が突起部表面で作用するよりも強い。そのため、空中を浮遊する小さな砂鉄や鉄粉等は、着磁面に付着し、突起部表面には付着し難い。突起部は、頂部が検出面と同一平面上となり、搬送される紙葉類が着磁面に付着する付着物(砂鉄や鉄粉等)に接触して該付着物を移動させてしまう虞れがない。従って、着磁手段により印加された紙葉類の磁界が大きく変動してしまうことがなく、紙葉類の残留磁気をを良好に検知することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る紙葉類検知センサの好適な実施の形態について詳細に説明する。尚、以下においては、紙葉類識別装置に適用される紙葉類検知センサについて説明する。
【0018】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1における紙葉類検知センサを適用した紙葉類識別装置を模式的に示したものである。ここで例示する紙葉類識別装置1は、磁性体を含有してなるインクによって紙葉類Wに印刷された文字や図形や記号(以下、適宜これらを単に「磁気印刷部」と称する)の磁気特性等を検知し、かかる検知結果に基づいて紙葉類Wの真贋を識別するもので、紙葉類Wを搬送する搬送路Rの近傍に配設してある。この紙葉類識別装置1は、進入センサ2、紙葉類検知センサ10、紙葉類進入検出部3、磁気検出部駆動部4及び信号処理回路6を備えている。
【0019】
進入センサ2は、搬送路Rの入口近傍に配設してある。この進入センサ2は、例えば反射型フォトインタラブタのような光センサ等であり、進入する紙葉類Wを非接触で検知するものである。
【0020】
紙葉類検知センサ10は、搬送路Rの上側における進入センサ2の下流側に配設してある。この紙葉類検知センサ10は、着磁体(着磁手段)11及び磁気検出部(磁気検出手段)12を備えており、搬送路Rを搬送される紙葉類Wに印刷された磁気印刷部の磁気量を検知するものである。紙葉類検知センサ10についての詳細は後述する。
【0021】
紙葉類進入検出部3は、進入センサ2に接続してあり、該進入センサ2が紙葉類Wの進入を検知して出力した信号に基づき、紙葉類Wの進入を検出するものである。磁気検出部駆動部4は、紙葉類進入検出部3及び磁気検出部12のそれぞれに接続してあり、紙葉類進入検出部3が紙葉類Wの進入を検出して出力した信号に基づき、磁気検出部12に駆動する旨の指令信号を出力するものである。信号処理回路6は、磁気検出回路5を通じて磁気検出部12に接続してあり、磁気検出部12が磁界を検出して出力した検出信号に基づき、予め記憶してある基準値と比較して所定の許容範囲内にあるか否かを判定して紙葉類Wの真贋を判定するものである。
【0022】
図2〜図5は、それぞれ図1における紙葉類検知センサの構成を示したものであり、図2は、検知側を上面に示した斜視図であり、図3は、検知側を上面に示した平面図であり、図4は、図3におけるA−A線断面図であり、図5は、図3におけるB−B線断面図である。これら図2〜図5において、紙葉類検知センサ10は、着磁体11及び磁気検出部12がホルダ20の内部に収納されて一体的に構成してある。
【0023】
着磁体11は、例えば3つの四角柱状の永久磁石11a,11b,11cを、紙葉類Wの搬送方向に対して直交する方向に沿って所定の間隔で並列させて立設させることにより構成したものである。ここに、永久磁石11a,11b,11cとしては、例えばサマリウム・コバルト磁石やネオジム磁石等の磁気特性に優れた希土類磁石が用いられており、紙葉類Wの磁性体が有する保磁力以上の磁界強度を有するものである。着磁体11を構成する中央位置の永久磁石11aは、検知側(図2及び図4では上方側、図5では右方側)がS極であり、その反対側がN極となる態様で立設してあり、この永久磁石11aの両側に配設された永久磁石11b,11cは、ともに検知側がN極であり、その反対側がS極となる態様で立設してある。これにより、着磁体11は、両側の永久磁石11b,11cの検知側であるN極から中央位置の永久磁石11aの検知側であるS極に向かう磁界を搬送路Rを通過する紙葉類Wの磁気印刷部に印加させる。
【0024】
磁気検出部12は、搬送路Rにおける着磁体11の下流側に設けてある。この磁気検出部12は、例えば磁気インピーダンス素子や薄膜フラックスゲート型磁気検出素子により構成してある。そのような磁気検出部12は、上述した磁気検出部駆動部4から出力された指令信号に基づき通電状態となって駆動するものであり、着磁体11による印加により紙葉類Wの磁性印刷部が帯びる残留磁気によって生ずる磁界を検出するものである。符号13は、端子であり、磁気検出部12と、磁気検出部駆動部4及び磁気検出回路5とを接続するためのものである。
【0025】
また、磁気検出部12の周囲には、磁気シールド部材28が設けてある。磁気シールド部材28は、例えばパーマロイ、アモルファス等から形成されるものであり、着磁体11からの磁界波及を抑制するためのものである。
【0026】
ホルダ20は、上述したように、着磁体11及び磁気検出部12等を収容する筐体である。このホルダ20の上面側、すなわち搬送路Rに対向する面(以下、検知面ともいう)側には、トッププレート21が設けてある。トッププレート21は、例えばリン青銅等の非金属材料により形成されたものである。このトッププレート21には、着磁体11に対応する部位に着磁部22が形成してあるとともに、磁気検出部12に対応する部位に検出面23が形成してある。
【0027】
着磁部22は、着磁面24及び突起部25を有して構成してある。着磁面24は、平面状のものである。突起部25は、例えば絞り加工等で形成したものであり、着磁面24から搬送路Rに向けて突出し、頂部25aが検出面23と同一平面上となる態様で紙葉類Wの搬送方向に沿って延在する長尺状のものである。この突起部25と着磁面24との境界部分には、緩斜面26が形成してある。また、突起部25の突出高さは、付着する可能性のある空気中を浮遊する小さな砂鉄や鉄粉よりも大きくするために例えば0.2〜0.5mm程度である。
【0028】
検出面23は、平面状のものであり、突起部25の頂部25aとともに最大高さとなる態様で、着磁面24よりも搬送路Rに向けて突出した位置にある。つまり、検出面23は、突起部25とともに搬送路面を構成することになる。この検出面23の突出高さは、突起部25と同程度であり、付着する可能性のある空気中を浮遊する小さな砂鉄や鉄粉よりも大きくするために着磁面24に比して例えば0.2〜0.5mm程度の大きさである。また、検出面23と着磁面24との境界部分には緩斜面27が形成してある。
【0029】
上記紙葉類検知センサ10が適用された紙葉類識別装置1は、次のようにして搬送される紙葉類Wの真贋を識別する。
【0030】
図には明示しない搬送ローラや搬送ベルト等の搬送手段により搬送される紙葉類Wが搬送路Rに進入すると、進入センサ2が検知してその旨を信号として紙葉類進入検出部3に出力され、進入したことが検出される。そして、紙葉類進入検出部3から磁気検出部駆動部4に紙葉類Wが進入した旨の信号が出力されると、磁気検出部駆動部4から紙葉類検知センサ10の磁気検出部12に駆動指令が出力され、磁気検出部12が通電状態になって駆動する。
【0031】
搬送路Rに進入した紙葉類Wが着磁体11の磁界が及ぶ領域に到達すると、図6に示すように、紙葉類検知センサ10は、着磁体11により生ずる磁界、すなわち両側の永久磁石11b,11cのN極から中央位置の永久磁石11aのS極に向かう磁界をトッププレート21の着磁部22を通じて印加して、紙葉類Wの磁気印刷部を磁化させる。磁気印刷部が磁化された紙葉類Wは、そのまま搬送路Rを搬送される。
【0032】
そして、通電状態となった磁気検出部12が、磁性印刷部が帯びる残留磁気によって生ずる磁界を検出し、その検出結果を検出信号として磁気検出回路5を通じて信号処理回路6に出力し、その後通電状態が解除されて待機状態になる。信号処理回路6では、磁気検出部12により出力された検出信号に基づき、予め記憶してある基準値と比較して所定の許容範囲内にあるか否かを判定して紙葉類Wの真贋を判定する。
【0033】
そのように紙葉類検知センサ10では、着磁部22を通じて着磁体11の磁界が紙葉類Wに印加される。この着磁部22は、着磁面24と突起部25とを有しており、着磁面24の方が突起部25の表面よりも着磁体11(永久磁石11a,11b,11c)までの距離が短いため、該着磁面24に作用する磁力が突起部25の表面で作用するよりも強い。そのため、図6に示すように、空中を浮遊する小さな砂鉄や鉄粉等の付着物Fは、着磁面24に付着し、突起部25の表面には付着し難い。上述したように、突起部25は、頂部25aが検出面23と同一平面上となり、検出面23とともに搬送路面を構成するものであるから、搬送される紙葉類Wが着磁面24に付着する付着物(砂鉄や鉄粉等)Fに接触して該付着物Fを移動させてしまう虞れがない。
【0034】
従って、紙葉類検知センサ10によれば、搬送される紙葉類Wが着磁面24に付着する付着物Fに接触して該付着物Fを移動させてしまう虞れがないので、着磁体11により印加された紙葉類Wの磁界が大きく変動してしまうことがなく、紙葉類Wの残留磁気を良好に検知することができる。
【0035】
また、紙葉類検知センサ10によれば、突起部25の表面に付着物Fが付着し難いために、着磁部22の全面が付着物Fに覆われる虞れがなく、着磁体11により生ずる磁界を確実に紙葉類Wに印加させることができるとともに、耐環境性にも優れたものになる。
【0036】
更に、紙葉類検知センサ10によれば、トッププレート21における着磁面24と突起部25との境界部分、並びに着磁面24と検出面23との境界部分に緩斜面26,27が形成してあるので、紙葉類Wがトッププレート21に引っ掛かったり、詰まってしまう虞れがない。
【0037】
<実施の形態2>
図7及び図8は、それぞれ本発明の実施の形態2における紙葉類検知センサを示したものであり、図7は、紙葉類の搬送方向に直行する方向から見た場合を模式的に示した断面図であり、図8は、紙葉類の搬送方向に平行な方向から見た場合を模式的に示した断面図である。尚、上述した実施の形態1における紙葉類検知センサ10と同一の構成を有するものには同一の符号を付してその説明を省略する。
【0038】
これら図7及び図8において、紙葉類検知センサ30は、着磁体11及び磁気検出部12がホルダ40の内部に収納されて一体的に構成してある。
【0039】
ホルダ40は、上述したように、着磁体11及び磁気検出部12等を収容する筐体である。このホルダ40の上面側、すなわち搬送路Rに対向する面側には、トッププレート41が設けてある。トッププレート41は、例えばリン青銅等の非金属材料により形成されたものである。このトッププレート41には、着磁体11に対応する部位に着磁面42(着磁部)が形成してあるとともに、磁気検出部12に対応する部位に検出面43が形成してある。
【0040】
着磁面42は、平面状のものである。検出面43は、平面状のものであり、最大高さとなる態様で着磁面42よりも搬送路Rに向けて突出した位置にある。つまり、検出面43は、搬送路面を構成することになる。この検出面43の突出高さは、付着する可能性のある空気中を浮遊する小さな砂鉄や鉄粉よりも大きくするために例えば0.2〜0.5mm程度の大きさである。また、検出面43と着磁面42との境界部分には緩斜面47が形成してある。
【0041】
そのような構成の紙葉類検知センサ30においては、検出面43が最大高さ位置にあって搬送路面を構成するため、搬送される紙葉類Wが着磁面42に接触する虞れがない。そのため、着磁面42に付着する付着物(砂鉄や鉄粉等)に接触して該付着物を移動させてしまう虞れがない。従って、紙葉類検知センサ30によれば、搬送される紙葉類Wが着磁面42に付着する付着物に接触して該付着物を移動させてしまう虞れがないので、着磁体11により印加された紙葉類Wの磁界が大きく変動してしまうことがなく、紙葉類Wの残留磁気をを良好に検知することができる。
【0042】
また、紙葉類検知センサ30によれば、トッププレート41における着磁面42と検出面43との境界部分に緩斜面47が形成してあるので、紙葉類Wがトッププレート41に引っ掛かったり、詰まってしまう虞れがない。
【0043】
以上、本発明の実施の形態2について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0044】
図9及び図10は、それぞれ本発明の実施の形態2における紙葉類検知センサの変形例を示したものであり、図9は、紙葉類の搬送方向に直行する方向から見た場合を模式的に示した断面図であり、図10は、紙葉類の搬送方向に平行な方向から見た場合を模式的に示した断面図である。尚、上述した実施の形態1及び2における紙葉類検知センサと同一の構成を有するものには同一の符号を付してその説明を省略する。
【0045】
これら図9及び図10において、紙葉類検知センサ30′は、着磁体11及び磁気検出部12がホルダ40′の内部に収納されて一体的に構成してある。
【0046】
ホルダ40′は、上述したように、着磁体11及び磁気検出部12等を収容する筐体である。このホルダ40′の上面側、すなわち搬送路Rに対向する面側には、トッププレート41が設けてある。トッププレート41には、着磁面42及び検出面43の他に、規制部材44が形成してある。規制部材44は、着磁面42及び検出面43の両側に設けてあり、搬送路Rに向けて突出し、頂部が検出面43とともに最大高さとなる態様で紙葉類Wの搬送方向に沿って延在するものである。つまり、この規制部材44は、頂部が検出面43と同一平面上となり、検出面43とともに搬送路面を構成する。
【0047】
そのような構成の紙葉類検知センサ30′においては、規制部材44が検出面43とともに最大高さ位置にあって搬送路面を構成するため、搬送される紙葉類Wが着磁面42に接触する虞れがない。そのため、着磁面42に付着する付着物(砂鉄や鉄粉等)に接触して該付着物を移動させてしまう虞れがない。従って、紙葉類検知センサ30′によれば、搬送される紙葉類Wが着磁面42に付着する付着物に接触して該付着物を移動させてしまう虞れがないので、着磁体11により印加された紙葉類Wの磁界が大きく変動してしまうことがなく、紙葉類Wの残留磁気をを良好に検知することができる。
【0048】
<実施の形態3>
図11及び図12は、それぞれ本発明の実施の形態3における紙葉類検知センサを示したものであり、図11は、紙葉類の搬送方向に直行する方向から見た場合を模式的に示した断面図であり、図12は、紙葉類の搬送方向に平行な方向から見た場合を模式的に示した断面図である。尚、上述した実施の形態1及び2における紙葉類検知センサと同一の構成を有するものには同一の符号を付してその説明を省略する。
【0049】
これら図11及び図12において、紙葉類検知センサ50は、着磁体11及び磁気検出部12がホルダ60の内部に収納されて一体的に構成してある。
【0050】
ホルダ60は、上述したように、着磁体11及び磁気検出部12等を収容する筐体である。このホルダ60の上面側、すなわち搬送路Rに対向する面側には、トッププレート61が設けてある。トッププレート61は、例えばリン青銅等の非金属材料により形成されたものである。このトッププレート61には、着磁体11に対応する部位に着磁面62(着磁部)が形成してあるとともに、磁気検出部12に対応する部位に検出面63が形成してあり、これら着磁面62及び検出面63の両側に規制部材64が形成してある。
【0051】
着磁面62及び検出面63は、ともに平面状のものである。規制部材64は、着磁面62及び検出面63の両側に設けてあり、搬送路Rに向けて突出し、頂部が最大高さとなる態様で紙葉類Wの搬送方向に沿って延在するものである。つまり、この規制部材64は、頂部が搬送路面を構成する。ここに、規制部材64の突出高さは、付着する可能性のある空気中を浮遊する小さな砂鉄や鉄粉よりも大きくするために例えば0.2〜0.5mm程度である。
【0052】
そのような構成の紙葉類検知センサ50においては、規制部材64の頂部が最大高さとなって搬送路面を構成するため、搬送される紙葉類Wが着磁面62に接触する虞れがない。そのため、着磁面62に付着する付着物(砂鉄や鉄粉等)に接触して該付着物を移動させてしまう虞れがない。従って、紙葉類検知センサ50によれば、搬送される紙葉類Wが着磁面62に付着する付着物に接触して該付着物を移動させてしまう虞れがないので、着磁体11により印加された紙葉類Wの磁界が大きく変動してしまうことがなく、紙葉類Wの残留磁気をを良好に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態1における紙葉類検知センサを適用した紙葉類識別装置1を模式的に示した模式図である。
【図2】図1における紙葉類検知センサの構成を示したものであり、検知側を上面に示した斜視図である。
【図3】図1における紙葉類検知センサの構成を示したものであり、検知側を上面に示した平面図である。
【図4】図3におけるA−A線断面図である。
【図5】図3におけるB−B線断面図である。
【図6】図3におけるB−B線断面図である。
【図7】本発明の実施の形態2における紙葉類検知センサを示したものであり、紙葉類の搬送方向に直行する方向から見た場合を模式的に示した断面図である。
【図8】本発明の実施の形態2における紙葉類検知センサを示したものであり、紙葉類の搬送方向に平行な方向から見た場合を模式的に示した断面図である。
【図9】本発明の実施の形態2における紙葉類検知センサの変形例を示したものであり、紙葉類の搬送方向に直行する方向から見た場合を模式的に示した断面図である。
【図10】本発明の実施の形態2における紙葉類検知センサの変形例を示したものであり、紙葉類の搬送方向に平行な方向から見た場合を模式的に示した断面図である。
【図11】本発明の実施の形態3における紙葉類検知センサを示したものであり、紙葉類の搬送方向に直行する方向から見た場合を模式的に示した断面図である。
【図12】本発明の実施の形態3における紙葉類検知センサを示したものであり、紙葉類の搬送方向に平行な方向から見た場合を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
【0054】
1 紙葉類識別装置
10,30,30′,50 紙葉類検知センサ
11 着磁体
12 磁気検出部
13 端子
20,40,40′,60 ホルダ
21,41,61 トッププレート
22(42,62) 着磁部(着磁面)
23,43,63 検出面
24 着磁面
25 突起部
25a 頂部
26,27 緩斜面
44,64 規制部材
W 紙葉類
R 搬送路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性体を有する紙葉類を搬送する搬送路の近傍に配設され、搬送される紙葉類に対して着磁部を通じて磁界を印加する着磁手段と、
前記搬送路近傍における前記着磁手段の下流側に配設され、前記着磁手段による印加により前記紙葉類の磁性体が帯びる残留磁気によって生ずる磁界を検出面を通じて検出する磁気検出手段と
を備えた紙葉類検知センサにおいて、
前記着磁部は、
平面状の着磁面と、
前記着磁面から前記搬送路に向けて突出し、頂部が前記検出面と同一平面上となる態様で前記紙葉類の搬送方向に沿って延在する長尺状の突起部と
を有して成ることを特徴とする紙葉類検知センサ。
【請求項2】
前記着磁手段及び前記磁気検出手段が同一のホルダ内に収納され、
前記着磁部及び前記検出面が、前記ホルダを構成し、かつ前記搬送路に対向する共通のプレートに形成してあることを特徴とする請求項1に記載の紙葉類検知センサ。
【請求項3】
前記プレートには、前記着磁面と前記突起部との境界部分、並びに前記着磁面と前記検出面との境界部分に、それぞれ緩斜面が形成してあることを特徴とする請求項2に記載の紙葉類検知センサ。
【請求項4】
磁性体を有する紙葉類を搬送する搬送路の近傍に配設され、搬送される紙葉類に対して着磁部を通じて磁界を印加する着磁手段と、
前記搬送路近傍における前記着磁手段の下流側に配設され、前記着磁手段による印加により前記紙葉類の磁性体が帯びる残留磁気によって生ずる磁界を検出面を通じて検出する磁気検出手段と
を備えた紙葉類検知センサにおいて、
前記着磁手段及び前記磁気検出手段が同一のホルダ内に収納され、
前記着磁部と同一のプレートに形成された前記検出面は、最大高さ位置となる態様で前記搬送路に向けて突出した位置に形成してあることを特徴とする紙葉類検知センサ。
【請求項5】
前記プレートの前記着磁部及び前記検出面の両側には、前記搬送路に向けて突出し、頂部が前記検出面と同一平面状となる態様で前記紙葉類の搬送方向に延在する規制部材が設けてあることを特徴とする請求項4に記載の紙葉類検知センサ。
【請求項6】
磁性体を有する紙葉類を搬送する搬送路の近傍に配設され、搬送される紙葉類に対して着磁部を通じて磁界を印加する着磁手段と、
前記搬送路近傍における前記着磁手段の下流側に配設され、前記着磁手段による印加により前記紙葉類の磁性体が帯びる残留磁気によって生ずる磁界を検出面を通じて検出する磁気検出手段と
を備えた紙葉類検知センサにおいて、
前記着磁部及び前記検出面の両側には、前記搬送路に向けて突出し、頂部が最大高さとなる態様で前記紙葉類の搬送方向に沿って延在する規制部材が設けてあることを特徴とする紙葉類検知センサ。
【請求項7】
前記着磁手段及び前記磁気検出手段が同一のホルダ内に収納され、
前記着磁部、前記検出面及び前記規制部材が、前記ホルダを構成し、かつ前記搬送路に対向する共通のプレートに形成してあることを特徴とする請求項6に記載の紙葉類検知センサ。
【請求項8】
前記着磁手段は、前記紙葉類の磁性体が有する保磁力以上の磁界強度を有する永久磁石であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の紙葉類検知センサ。
【請求項9】
前記磁気検出手段は、薄膜フラックスゲート型磁気検出素子又は磁気インピーダンス素子であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の紙葉類検知センサ。
【請求項1】
磁性体を有する紙葉類を搬送する搬送路の近傍に配設され、搬送される紙葉類に対して着磁部を通じて磁界を印加する着磁手段と、
前記搬送路近傍における前記着磁手段の下流側に配設され、前記着磁手段による印加により前記紙葉類の磁性体が帯びる残留磁気によって生ずる磁界を検出面を通じて検出する磁気検出手段と
を備えた紙葉類検知センサにおいて、
前記着磁部は、
平面状の着磁面と、
前記着磁面から前記搬送路に向けて突出し、頂部が前記検出面と同一平面上となる態様で前記紙葉類の搬送方向に沿って延在する長尺状の突起部と
を有して成ることを特徴とする紙葉類検知センサ。
【請求項2】
前記着磁手段及び前記磁気検出手段が同一のホルダ内に収納され、
前記着磁部及び前記検出面が、前記ホルダを構成し、かつ前記搬送路に対向する共通のプレートに形成してあることを特徴とする請求項1に記載の紙葉類検知センサ。
【請求項3】
前記プレートには、前記着磁面と前記突起部との境界部分、並びに前記着磁面と前記検出面との境界部分に、それぞれ緩斜面が形成してあることを特徴とする請求項2に記載の紙葉類検知センサ。
【請求項4】
磁性体を有する紙葉類を搬送する搬送路の近傍に配設され、搬送される紙葉類に対して着磁部を通じて磁界を印加する着磁手段と、
前記搬送路近傍における前記着磁手段の下流側に配設され、前記着磁手段による印加により前記紙葉類の磁性体が帯びる残留磁気によって生ずる磁界を検出面を通じて検出する磁気検出手段と
を備えた紙葉類検知センサにおいて、
前記着磁手段及び前記磁気検出手段が同一のホルダ内に収納され、
前記着磁部と同一のプレートに形成された前記検出面は、最大高さ位置となる態様で前記搬送路に向けて突出した位置に形成してあることを特徴とする紙葉類検知センサ。
【請求項5】
前記プレートの前記着磁部及び前記検出面の両側には、前記搬送路に向けて突出し、頂部が前記検出面と同一平面状となる態様で前記紙葉類の搬送方向に延在する規制部材が設けてあることを特徴とする請求項4に記載の紙葉類検知センサ。
【請求項6】
磁性体を有する紙葉類を搬送する搬送路の近傍に配設され、搬送される紙葉類に対して着磁部を通じて磁界を印加する着磁手段と、
前記搬送路近傍における前記着磁手段の下流側に配設され、前記着磁手段による印加により前記紙葉類の磁性体が帯びる残留磁気によって生ずる磁界を検出面を通じて検出する磁気検出手段と
を備えた紙葉類検知センサにおいて、
前記着磁部及び前記検出面の両側には、前記搬送路に向けて突出し、頂部が最大高さとなる態様で前記紙葉類の搬送方向に沿って延在する規制部材が設けてあることを特徴とする紙葉類検知センサ。
【請求項7】
前記着磁手段及び前記磁気検出手段が同一のホルダ内に収納され、
前記着磁部、前記検出面及び前記規制部材が、前記ホルダを構成し、かつ前記搬送路に対向する共通のプレートに形成してあることを特徴とする請求項6に記載の紙葉類検知センサ。
【請求項8】
前記着磁手段は、前記紙葉類の磁性体が有する保磁力以上の磁界強度を有する永久磁石であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の紙葉類検知センサ。
【請求項9】
前記磁気検出手段は、薄膜フラックスゲート型磁気検出素子又は磁気インピーダンス素子であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の紙葉類検知センサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−140928(P2007−140928A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−334171(P2005−334171)
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】
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