説明

紫外線感受性有効成分の安定化

【課題】UV−感受性有効成分の安定化を提供すること。
【解決手段】開示されていることは、ジベンゾイルメタン誘導体のような紫外線感受性有効成分を安定化するための式(1)
【化1】


で表されるメロシアニン誘導体の使用である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
紫外線放射(光)が人の皮膚に有害であることは良く知られている。波長に応じて、紫外線放射は異なる種類の皮膚損傷を引き起こす。UV−B放射(約290乃至約320nm)は日光皮膚炎の原因であり、そして皮膚がんを引き起こし得る。UV−A放射(約320乃至約400nm)は皮膚の色素沈着を引き起こす一方で、日光皮膚炎の一因にもなりそして皮膚がんを誘発する。更に、UV−B放射の悪影響はUV−A放射によって更に悪化され得る。
【0002】
それ故、有効な日焼け止め製剤は好ましくは、人の皮膚が日光によって損傷するのを防ぐために約290nm乃至約400nmの全範囲にわたっている、少なくとも1種のUV−A及びUV−Bフィルターの両方を含む。
【0003】
UV−Aの影響は主として細胞DNA、脂質及びたんぱく質の異なる種類の分解を誘発するフリーラジカル、例えば反応性酸素種によって介在される。明らかな兆候はしばしば長期の、蓄積された影響の結果である。これが皮膚の光による老化がUV−A光と関連がある理由である。通常の戸外のUV−A放射は皮膚の張り及び弾力の損失を導く、コラーゲンたんぱく質及びエラスチンたんぱく質の分解を引き起こすのに十分な影響をもち得る。それ故に日々のスキンケアのUVA保護は重要な関係がある。
【0004】
主として3−ベンジリデンカンファー、サリチル酸エチルヘキシル及びp−メトキシ桂皮酸エステル、たとえばp−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルの誘導体である多くのUV−Bフィルターが日焼け止め製剤中に使用されるために登録されている。
【0005】
最も一般的に使用されている市販のUV−Aフィルターはジベンゾイルメタン誘導体であり、特に4−(第三−ブチル)−4’−メトキシジベンゾイルンメタン(アボベンゾンとも呼ばれている、CAS No.70356−09−1)であり、商標Parsol(登録商標)1789の下にDSM社によって及び商標Eusolex(登録商標)9020の下にメルク社によって市販されている。他のジベンゾイルメタン誘導体は米国特許第4,489,057号明細書、米国特許第4,387,089号明細書及び米国特許第4,562,067号明細書に開示されている。
【0006】
残念なことに、日焼け止め組成物に使用されるこれら特徴的なUVA吸収有機化合物は、日焼けによる損傷からの保護が失われる結果を伴う比較的急速な光崩壊に弱点がある。ジベンゾイルメタン化合物は特にUVA放射に特に感受性があることも知られている。一般的にUV−A遮蔽剤としてアボベンゾンが配合された日焼け止め製剤はまた、特定のUV安定化剤、例えばエチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(オクトクリレン)又は4−メチルベンジリデンカンファーを含んでいる。ジベンゾイルメタン誘導体を安定化させる他の方法はナフタレンジカルボン酸のジエステル及び/又はポリエステルの添加を含む。
【0007】
低い光安定性であるが効果的な有効成分、例えばユビキノン、レチノイド及びカロチノイド、である、紫外線フィルターと異なるいくつかの化粧品補助剤が知られている。化粧品及び皮膚用製剤でのこれら有効成分の使用は望ましく、それ故に安定化は好都合であろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第4,489,057号明細書
【特許文献2】米国特許第4,387,089号明細書
【特許文献3】米国特許第4,562,067号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の1つの課題は従って、紫外線感受性有効成分の安定性を向上させること及び活性並びに特性が長時間にわたって保持される紫外線感受性有効成分を含む安定した化粧品及び皮膚用製剤を提供することである。
【0010】
驚くべきことに、約320乃至約450nmの紫外/可視領域で吸収する特定のメロシアニン誘導体の使用が少なくとも1つの紫外線感受性有効成分を含む化粧品及び皮膚用製剤の安定性を向上させ得ることが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0011】
それ故、本発明は、式(1)
【化1】

(式中、
、L又はLは互いに独立して、水素原子、ヒドロキシ基、炭素原子数1乃至22のアルキル基、炭素原子数1乃至22のアルコキシ基、炭素原子数2乃至22のアルケニル基、炭素原子数2乃至22のアルキニル基、炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基、炭素原子数3乃至12のシクロアルケニル基、炭素原子数7乃至20のアラルキル基、炭素原子数1乃至20のヘテロアルキル基、炭素原子数3乃至12のシクロヘテロアルキル基、炭素原子数4乃至20のヘテロアラルキル基、炭素原子数6乃至18のアリール基を表し、
はCN、−COR、−COOR、−CONR、炭素原子数2乃至22のアルケニル基、炭素原子数2乃至22のアルキニル基、炭素原子数3乃至12のシクロアルケニル基、炭素原子数6乃至18のアリール基、炭素原子数2乃至12のヘテロアルキル基、炭素原子数3乃至5のヘテロシクロアルキル基、又は炭素原子数3乃至12のヘテロアリール基を表し、
、R、R及びRは互いに独立して、水素原子、炭素原子数1乃至22のアルキル基、炭素原子数2乃至22のアルケニル基、炭素原子数2乃至22のアルキニル基、炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基、炭素原子数3乃至12のシクロアルケニル基、炭素原子数7乃至20のアラルキル基、炭素原子数1乃至20のヘテロアルキル基、炭素原子数3乃至12のシクロヘテロアルキル基、炭素原子数5乃至20のヘテロアラルキル基、炭素原子数6乃至18のアリール基、炭素原子数3乃至12のヘテロアリール基、−(CH−SiR161718、又は基−X−Silを表し、又は、
とL、LとL、LとL、LとR、LとR、LとR、LとR、LとR、RとR、RとR、RとR、及びRとRは、互いに結合して、中断されていないか又は1つ以上の−O−、−S−又は−NR−によって中断され得、及び/又は更に他の芳香族環と結合し得、及び/又は1つ以上の炭素原子数1乃至6のアルキル基によって置換され得る、1、2、3又は4個の炭素環又はヘテロ環を形成し得、及び
各々のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基又はシクロアルキレン基は未置換であるか又は1つ以上のR10によって置換され得、及び
各々のアリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、又はアラルキレン基は未置換であるか又は1つ以上のR11によって置換され得、
はR12、COR12、COOR12、又はCONR1213を表し、
10はハロゲン原子、OH、NR1415、O−R14、S−R14、CO−R14、O−CO−R14、オキソ基、チオノ基、(炭素原子数1乃至6の)アルキリデン基、CN、COOR14、CONR1415、SONR1415、SO14、SO14、SiR161718、OSiR161718、POR1617、又は基−X−Silを表し、
11は、炭素原子数1乃至12のアルキルチオ基、炭素原子数3乃至12のシクロアルキルチオ基、炭素原子数1乃至12のアルケニルチオ基、炭素原子数3乃至12のシクロアルケニルチオ基、炭素原子数1乃至22のアルコキシ基、炭素原子数3乃至12のシクロアルコキシ基、炭素原子数1乃至12のアルケニルオキシ基、又は未置換か又は1つ以上のRにより置換され得る炭素原子数3乃至12のシクロアルケニルオキシ基、ハロゲン原子、CN、SH、OH、CHO、R19、OR19、SR19、C(R19)=CR1920、O−CO−R19、NR1920、CONR1920、SONR1920、SO19、COOR19、OCOOR19、NR19COR20、NR19COOR20、SiR161718、OSiR161718、P(=O)R1617、又は基−X−Silを表し
16、R17及びR18は互いに独立して炭素原子数1乃至22のアルキル基、炭素原子数6乃至18のアリール基、又は炭素原子数1乃至22のアルコキシ基を表し、
12、R13、R14、R15、R19及びR20はお互いに独立して水素原子、炭素原子数1乃至22のアルキル基、炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基、炭素原子数2乃至12のアルケニル基、炭素原子数3乃至12のシクロアルケニル基、炭素原子数6乃至18のアリール基、炭素原子数3乃至12のヘテロアリール基、炭素原子数7乃至20のアラルキル基、又は炭素原子数4乃至20のヘテロアラルキル基を表し、又は
12とR13、R14とR15、及び/又はR19とR20は互いに結合して、未置換であるか又は炭素原子数1乃至4のアルキル基で置換されたピロリジン基、ピペリジン基、ピペラジン基、又はモルホリン基を形成し得、
Xはリンカーであり、及び
Silはシラン部分、オリゴシロキサン部分又はポリシロキサン部分を表し、
nが1の場合、
及びRは互いに独立して、水素原子、炭素原子数1乃至22のアルキル基、炭素原子数2乃至22のアルケニル基、炭素原子数2乃至22のアルキニル基、炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基、炭素原子数3乃至12のシクロアルケニル基、炭素原子数7乃至20のアラルキル基、炭素原子数2乃至20のヘテロアルキル基、炭素原子数3乃至12のシクロヘテロアルキル基、炭素原子数6乃至18のアリール基、炭素原子数4乃至20のヘテロアラルキル基、炭素原子数3乃至12のヘテロアリール基、−(CH−SiR161718、又は−X−Silを表し、
uは1乃至12の数であり、
は、CN、−COR、COOR、又は−CONRを表し、
nが2の場合、
、R及びRのうち1つは2価の基であり、並びにR、R及びRのうち2つはnが1の場合の通りに定義されるか、又は
窒素原子と共にR及びRは6員ヘテロ環を形成し、及び同時にRはnが1の場合の通りに定義され、
nが3の場合、
、R及びRのうち1つは3価の基を表し、並びにR、R及びRのうち2つはnが1の場合の通りに定義され、
nが4の場合、
、R及びRのうち1つは4価の基を表し、並びにR、R及びRのうち2つはnが1の場合の通りに定義される。)で表されるメロシアニン誘導体の、有機紫外線感受性有効成分を安定化するための使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1はメロシアニンによるBMDBMの安定化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ハロゲン原子は塩素原子、臭素原子、フッ素原子又はヨウ素原子であり、好ましくは塩素原子である。
【0014】
アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキリデン基又はシクロアルケニル基は直鎖であるか又は枝分かれし得、単環又は多環であり得る。
【0015】
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二−ブチル基、イソブチル基、第三−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、n−オクタデシル基、エイコシル基又はドデシル基である。
【0016】
アルケニル基としては、例えば直鎖の炭素原子数2乃至12のアルケニル基又は好ましくは枝分かれした炭素原子数3乃至12のアルケニル基である。炭素原子数1乃至12のアルキル基は、ビニル基、アリル基、2−プロペン−2−イル基、2−ブテン−1−イル基、3−ブテン−1−イル基、1,3−ブタジエン−2−イル基、2−シクロブテン−1−イル基、2−ペンテン−1−イル、3−ペンテン−2−イル基、2−メチル−1−ブテン−3−イル基、2−メチル−3−ブテン−2−イル基、3−メチル−2−ブテン−1−イル基、1,4−ペンタジエン−3−イル基、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキサン−1−イル基、3−シクロヘキサン−1−イル基、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル基、1−p−メンテン−8−イル基、4(10)−ツジェニ−10−イル基、2−ノルボルネン−1−イル基、2,5−ノルボルナジエン−1−イル基、7,7−ジメチル−2,4−ノルカラジエン−3−イル基、又はヘキセニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、若しくはドデセニル基の異なる異性体のようなものである。
【0017】
炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、トリメチルシクロヘキシル基又は好ましくはシクロヘキシル基である。
【0018】
炭素原子数7乃至18のアラルキル基としては、例えばベンジル基、2−ベンジル−2−プロピル基、ベータ−フェニル−エチル基、9−フルオレニル基、アルファ,アルファ−ジメチルベンジル基、オメガ−フェニル−ブチル基、オメガ−フェニル−オクチル基、オメガ−フェニル−ドデシル基、又は3−メチル−5−(1’1’3’3’−テトラメチル−ブチル)−ベンジル基である。
【0019】
炭素原子数1乃至6のアルキリデン基としては、例えばメチレン、エチレ−1−エン、プロピレ−2−エンである。
【0020】
炭素原子数6乃至14のアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、2−フルオレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基又はテルフェニリル基である。
【0021】
炭素原子数3乃至12のヘテロアリール基は4n+2の共役パイ電子を有する不飽和の又は芳香族の基で、例えば2−チエニル基、2−フリル基、2−ピリジル基、2−チアゾリル基、2−オキサゾリル基、2−イミダゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、又は未置換であるか若しくは、所望によりそれら窒素酸化物形態のNヘテロ環の場合のベンゾトリアゾリル基のように、1乃至6個のエチル基、メチル基、エチレン基及び/又はメチレン基、よって置換されている、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、チアゾル環、オキサゾル環、イミダゾール環、イソチアゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、及びベンゼン環からなる他の環系である。
【0022】
炭素原子数4乃至18のヘテロアラルキル基としては、例えば炭素原子数3乃至12のヘテロアリール基で置換された炭素原子数1乃至8のアルキル基である。
【0023】
式(1)で表される化合物は好ましくはそれらのE,E−、E,Z−又はZ,Z−異性体で存在する。
【0024】
好ましくは、
前記式(1)中、
は水素原子、又はOHを表し、
は−COOR、−COR、−CONR、又は−CNを表し、
及びLは互いに独立して水素原子、又は炭素原子数1乃至22のアルキル基を表し、
はシアノ基、COR、COOR、CONR、炭素原子数2乃至12のヘテロアルキル基、炭素原子数3乃至5のヘテロシクロアルキル基、炭素原子数6乃至18のアリール基、炭素原子数3乃至12のヘテロアリール基、炭素原子数2乃至12のヘテロアルキル基、又は炭素原子数3乃至5のヘテロシクロアルキル基を表し、
及びRは互いに独立して水素原子、炭素原子数1乃至22のアルキル基、炭素原子数乃至2乃至12のアルケニル基、炭素原子数2乃至12のアルキニル基、炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基、炭素原子数3乃至12のシクロアルケニル基、炭素原子数7乃至12のアラルキル基、炭素原子数1乃至12のヘテロアルキル基、炭素原子数乃至4乃至20のヘテロアラルキル基、炭素原子数6乃至18のアリール基、又は炭素原子数3乃至12のヘテロアリール基、又は−X−Silを表し、又は
とL、LとL、LとL、LとR、LとR、LとR、LとR、LとR、RとR、RとR、RとR、及びRとRは互いに結合して、中断されていないか又は1つ以上の−O−、−S−又は−NR−で中断され得、及び/又はさらに他の芳香族環と結合し得、及び/又は1つ以上の炭素原子数1乃至6のアルキル基で置換され得る、1、2、3、又は4個の炭素環又はヘテロ環を形成し得、
nが1であり、及び
、R、R及びRは式(1)における通りに定義されるところの、式(1)で表される化合物あが使用される。
【0025】
より好ましいものは、
前記式(1)中、
は水素原子、又はOHを表し、
は−COOR、−COR、−CONR、又は−CNを表し、
及びLは互いに独立して水素原子を表し、
はシアノ基、COR、COOR、CONRを表し、
、R、R及びRはお互いに独立して、水素原子、炭素原子数1乃至22のアルキル基、炭素原子数2乃至22のアルケニル基、炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基、炭素原子数1乃至20のヘテロアルキル基、炭素原子数6乃至18のアリール基、
−(CH−SiR161718、又は基−X−Silを表し、及び
及びRは互いに独立して水素原子、炭素原子数1乃至22のアルキル基、又は−X−Silを表し、又は
とL、LとR、LとR、RとR、及びRとRは、互いに結合して、中断されていないか又は1つ以上の−O−、−S−、又は−NR−によって中断され得、及び/又はさらに他の芳香族環と結合し得、及び/又は1つ以上の炭素原子数1乃至6のアルキル基で置換され得る、1、2、3、又は4個の炭素環又はヘテロ環を形成し得、
nが1の場合、
16、R17、R18、X、Sil及びuは請求項1における通りに定義されるところの式(1)で表される化合物の使用である。
【0026】
さらに好ましいものは、
前記式(1)中、
、L及びLは水素原子を表すか、又は
とLは互いに結合して、1つ又は2つのメチル基で置換され得るシクロヘキサン環を形成し得るところの式(1)で表されるものの使用である。
【0027】
なお一層好ましいものは、
前記式(1)中、
とRは一緒になってピペリジン環を形成し、
nは2であり、及び
、L、L、R及びRは式(1)における通りに定義されるところの式(1)で表される化合物である。
【0028】
本発明に使用される最も好ましいメロシアニン誘導体は、式
【化2】

で表される化合物から選択される。
【0029】
メロシアニン誘導体の具体的な例は下記に示すが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【表1】

【表2】

【表3】

【0030】
好ましい紫外線感受性有効成分は有機紫外線吸収剤である。一般的に、市販されており、かつ日焼け防止組成物に使用されている総ての有機紫外線吸収剤は本発明に使用されるメロシアニン誘導体によって保護され得る適当な有効成分である。
【0031】
それ故に、本発明は
(a)少なくとも1つの紫外線感受性成分、と
(b)少なくとも1つの、前記請求項の何れか1項で定義されたメロシアニン誘導体、とを含むことを特徴とする、生理的に許容可能な基剤(support)中の少なくとも1種の遮断システムを含んでいる組成物に言及する。
【0032】
前記紫外線感受性誘導体又は誘導体らは、組成物総質量に関して0.01質量%乃至20質量%、より好ましくは0.1質量%乃至10質量%及びさらに好ましくは0.1質量%乃至5質量%の量で存在する。
【0033】
前記メロシアニン誘導体又は誘導体らは組成物総質量に関して0.01質量%乃至20質量%、より好ましくは0.1質量%乃至10質量%及びさらに好ましくは0.1質量%乃至5質量%の量で存在する。
【0034】
本発明に従う組成物は、スキンケア製品、皮膚用のメイキャップ製品、日焼け防止製品又は皮膚洗浄製品を構成する。
【0035】
好ましくは、前記組成物は日焼け防止製品を構成する。
【0036】
生理学的に許容可能な基剤中に少なくとも1つの前記に定義された紫外線感受性成分を含む組成物中に存在する、本発明のメロシアニン誘導体は、紫外線放射に対する前記紫外線感受性成分の安定性を改善する。
【0037】
好ましくは、前記有機紫外線感受性有効成分は、p−アミノ安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、ジフェニルアクリレート、ベンゾフラン誘導体、ポリマー状有機紫外線吸収剤、桂皮酸誘導体、カンファー誘導体、ヒドロキシフェニルトリアジン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、及びメチルo−アミノベンゾエートから選択される。
【0038】
選択された紫外線感受性有効成分の例を表1に記載する。
【表4】

【表5】

【0039】
さらに、表3に与えられた参考文献に記載された紫外線吸収剤が本発明に従うメロシアニン(merocynine)誘導体によって安定化され得る。
【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【0040】
好ましくは、本発明に従うメロシアニン誘導体によって安定化された有機紫外線吸収剤がジベンゾイルメタン誘導体から選択され、そして最も好ましくはそれが4−(第3−ブチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタンである。
【0041】
本発明の極めて好ましい態様において、式(MC11)で表されるメロシアニン誘導体が4−(第3−ブチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタンの安定化のために使用される。
【0042】
化粧品又は皮膚用製中に存在する紫外線感受性有効成分が紫外線で誘発される分解に対抗して大いに保護される。このことは特にジベンゾイルメタン誘導体のために有効である。アボベンゾンのような紫外線感受性紫外線吸収剤を本発明に従うメロシアニン誘導体を用いて安定させることによって、光安定性の日焼け止め製剤が得られる。
【0043】
本発明に従う光安定性の日焼け止め製剤の例を下記に記載する。
【表13】

【0044】
【表14】

【0045】
【表15】

【0046】
【表16】

【0047】
【表17】

【0048】
【表18】

【0049】
【表19】

【0050】
【表20】

【0051】
【表21】

【表22】

【0052】
【表23】

【0053】
【表24】

【0054】
【表25】

【0055】
【表26】

【0056】
【表27】

【0057】
【表28】

【表29】

【0058】
【表30】

【0059】
【表31】

【表32】

【0060】
【表33】

【表34】

【0061】
【表35】

【表36】

【0062】
【表37】

【表38】

【0063】
【表39】

【0064】
【表40】

【0065】
【表41】

【0066】
【表42】

【0067】
【表43】

【0068】
【表44】

【0069】
【表45】

【0070】
【表46】

【0071】
【表47】

【0072】
【表48】

【0073】
【表49】

【0074】
【表50】

【0075】
【表51】

【0076】
【表52】

【0077】
【表53】

【0078】
【表54】

【0079】
【表55】

【0080】
【表56】

【0081】
【表57】

【0082】
【表58】

【0083】
【表59】

【0084】
【表60】

【0085】
【表61】

【0086】
【表62】

【0087】
【表63】

【0088】
化粧品又は医薬製剤は、例えばクリーム、ジェル、ローション、アルコール性及び水性/アルコール性溶液、エマルジョン、ワックス/脂肪脂組成物、スティック製剤、粉末又は軟膏であり得る。前記の紫外線フィルターに加えて化粧品又は医薬製剤は下記に記載されたような更なる補助剤を含み得る。
【0089】
水及び油の含まれるエマルジョン(例えば、W/O、O/W、O/W/O及びW/O/
Wエマルジョン又はミクロエマルジョン)として、製剤は、例えば、組成物の全量に基づいて0.1乃至30質量%、好ましくは0.1乃至15質量%、及び特に0.5乃至10質量%の1種以上の紫外線吸収剤と、組成物の全量に基づいて1乃至60質量%、特に5乃至50質量%、及び好ましくは10乃至35質量%の少なくとも1種の油成分と、組成物の全量に基づいて0乃至30質量%、特に1乃至30質量%、及び好ましくは4乃至20質量%の少なくとも1種の乳化剤と、組成物の全量に基づいて10乃至90質量%、特に30乃至90質量%の水と、0乃至88.9質量%、特に1乃至50質量%の更なる化粧品として許容される補助剤とを含む。
【0090】
本発明に従う化粧又は医薬の組成物/製剤はまた、下記に記載された1種以上の更なる化合物を含み得る。
【0091】
脂肪アルコール
セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、オレイルアルコール、オクチルドデカノールを含む、炭素原子数6乃至18、好ましくは炭素原子数8乃至10の脂肪アルコールをベースとしたゲルベ(Guerbet)アルコール、炭素原子数12乃至15のアルコールのベンゾエート、アセチル化ラノリンアルコール等。
【0092】
脂肪酸のエステル
直鎖の炭素原子数6乃至24の脂肪酸と直鎖の炭素原子数3乃至24のアルコールとのエステル、枝分かれした炭素原子数6乃至13のカルボン酸と直鎖の炭素原子数6乃至24の脂肪アルコールとのエステル、直鎖の炭素原子数6乃至24の脂肪酸と枝分かれしたアルコール、特に2−エチルヘキサノールとのエステル、ヒドロキシカルボン酸と直鎖又は枝分かれした炭素原子数6乃至22の脂肪アルコール特にジオクチルマレート、とのエステル、直鎖及び/又は枝分かれした脂肪酸と多価アルコール(例えばプロピレングリコール、二量体ジオール又は三量体トリオール)及び/又はゲルベアルコールとのエステル、例えばカプロン酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸及びエルカ酸並びにそれらの工業用等級の混合物(例えば、天然脂肪及びオイルの加圧除去において、ローレンのオキソ合成からのアルデヒドの還元において、又は不飽和脂肪酸の二量化において得られる)と、アルコール、例えばイソプロピルアルコール、カプロンアルコール、カプリルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルモレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、リノイルアルコール、リノレニルアルコール、エレオステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール及びブラシジルアルコール並びにそれらの工業用等級の混合物(例えば、脂肪及びオイルをベースとした工業用等級のメチルエステル又はローレンのオキソ合成からのアルデヒドの高圧での水素化において、及び不飽和脂肪アルコールの二量化におけるモノマー画分として得られる)とのエステル。
【0093】
そのようなエステルオイルの例は、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルステアレート、イソプロピルイソステアレート、イソプロピルオレアート、n−ブチルステアレート、n−ヘキシルラウレート、n−デシルオレアート、イソオクチルステアレート、イソノニルステアレート、イソノニルソノナノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、2−ヘキシルラウレート、2−ヘキシルデシルステアレート、2−オクチルドデシルパルミテート、オレイルオレアート、オレイルエルケート、エルシルオレアート、エルシルエルケート、セテアリルオクタノエート、セチルパルミテート、
セチルステアレート、セチルオレアート、セチルベヘネート、セチルアセテート、ミリスチルミリステート、ミリスチルベヘネート、ミリスチルオレアート、ミリスチルステアレート、ミリスチルパルミテート、ミリスチルラクテート、プロピレングリコールジカプリレート/カプレート、ステアリルヘプタノエート、ジイソステアリルマレート、オクチルヒドロキシステアレート等である。
【0094】
グリセリルエステル及び誘導体を含む天然の又は合成トリグリセリド
他のアルコールとの反応により変性された、炭素原子数6乃至18の脂肪酸をベースとしたジ−又はトリグリセリド(カプリル/カプリン酸トリグリセリド、小麦胚芽グリセリド等)。ポリグリセリンの脂肪酸エステル(ポリグリセリル−n、例えばポリグリセリル−4カプレート、ポリグリセリル−2イソステアレート等、又はヒマシ油、水素化植物油、スイートアーモンド油、小麦胚芽油、ゴマ油、水素化綿実油、ココナッツ油、アボカド油、コーン油、水素化ヒマシ油、シアバター、ココアバター、大豆油、ミンク油、ヒマワリ油、ベニバナ油、マカダミアナッツ油、オリーブ油、水素化牛脂、アプリコット種子油、ヘーゼルナッツ油、ルリヂサ(borago)油等。
【0095】
長鎖酸とアルコールとのエステルを含むワックス並びにワックス様特性を有する化合物、例えば、カルナウバワックス、ミツロウ(白色又は黄色)、ラノリンワックス、キャンデリラワックス、オゾケライト、木ロウ、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、セテアリルエステルワックス、合成ミツロウ等。また、セテアリルアルコール又は部分グリセリドのような親水性ワックス。
【0096】
真珠光沢ワックス:
アルキレングリコールエステル、特に、エチレングリコールジステアレート、脂肪酸アルカノールアミド、特に、ココ脂肪酸ジエタノールアミド、部分グリセリド、特に、ステアリン酸モノグリセリド、多価の、未置換又はヒドロキシ置換カルボン酸と6乃至22個の炭素原子を有する脂肪アルコールのエステル、特に、酒石酸の長鎖エステル、脂肪物質、例えば、脂肪アルコール、脂肪ケトン、脂肪アルデヒド、脂肪エーテル及び脂肪カルボネート、該脂肪物質は、合計して少なくとも24個の炭素原子を有し、特には、ラウロン及びジステアリルエーテル、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸又はベヘン酸のような脂肪酸、12乃至22個の炭素原子を有するオレフィンエポキシドと12乃至22個の炭素原子を有する脂肪アルコール、及び/又は2乃至15個の炭素原子及び2乃至10個のヒドロキシ基を有するポリオールの環開生成物、及びその混合物を含む。
【0097】
炭化水素オイル:
ミネラルオイル(軽又は重)、ワセリン(黄色又は白色)、マイクロクリスタリンワックス、パラフィン及びイソパラフィン化合物、ポリデセン及びポリブテンのような水素化イソパラフィン分子、水素化ポリイソブテン、スクアラン、イソヘキサデカン、イソドデカン及び植物及び動物種からの他のもの。
【0098】
シリコーン又はシロキサン(有機置換ポリシロキサン)
ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン、及びまた、アミノ−、脂肪酸−、アルコール−、ポリエーテル−、エポキシ−、フッ素−、グリコシド−及び/又はアルキル−変性シリコーン化合物で、室温で液体又は樹脂状形態であり得るもの。直鎖ポリシロキサン、ジメチコーン(ダウコーニング200液体、ロディアミラシルDM)、ジメチコノール、環状シリコーン液体、シクロペンタシロキサン揮発物(ダウコーニング345液体)、フェニルトリメチコーン(ダウコーニング556液体)。また、ジメチルシロキサン単位200乃至300個の平均鎖長を有するジメチコーンと水素化シリケートの混合物であるシメチコーンも適当である。トッド(Todd)らによる、適当な揮発性シリコーンの調査の詳細が、Cosm.Toil.91巻,27号(19
76年)で更に見られ得る。
【0099】
フッ素化又はペルフルオロ化オイル
ペルフルオロヘキサン(perfluorhexane)、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロペンタン、ポリペルフルオロメチルイソプロピルエーテル。
【0100】
乳化剤
いずれの慣用に使用され得る乳化剤も、前記組成物のために使用され得る。乳化剤システムは、例えば、カルボン酸及びその塩;ナトリウム、カリウム及びアンモニウムのアルカリ石鹸;カルシウム又はマグネシウムの金属石鹸;ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びオレイン酸のような有機ベースの石鹸等を含み得る。アルキルホスフェート又はリン酸エステル、酸ホスフェート、ジエタノールアミンホスフェート、カリウムセチルホスフェート。エトキシル化カルボン酸又はポリエチレングリコールエステル、PEG−nアクリレート。8乃至22個の炭素原子を有する直鎖脂肪アルコールであって、エチレンオキシドの2乃至30モルから及び/又はプロピレンオキシド0乃至5モルから、アルキル基に12乃至22個の炭素原子を有する脂肪酸基及び8乃至15個の炭素原子を有するアルキルフェノール基で、枝分かれしたもの。脂肪アルコールポリグリコールエーテル、例えば、ラウレス−n、セテアレス−n、ステアレス−n、オレス−n。脂肪酸ポリグリコールエーテル、例えば、PEG−n−ステアレート、PEG−n−オレアート、PEG−n−ココエート。モノグリセリド及びポリオールエステル。エチレンオキシド1乃至30モルとポリオールからの付加生成物の炭素原子数12乃至22の脂肪酸モノ−及びジ−エステル。脂肪酸及びポリグリセロールエステル、例えば、グリセロールモノステアレート、ジイソステアロイルポリグリセリル−3−ジイソステアレート、ポリグリセリル−3−ジイソステアレート、トリグリセリルジイソステアレート、ポリグリセリル−2−セスキイソステアレート又はポリグリセリルジメレート。多数の前記種類の物質からの化合物の混合物も適している。脂肪酸ポリグリコールエステル、例えば、ジエチレングリコールモノステアレート、脂肪酸及びポリエチレングリコールエステル、脂肪酸及びサッカロースエステル、例えばスクロースエステル、グリセロール及びサッカロースエステル、例えばスクロースグリセリド。ソルビトール及びソルビタン、6個乃至22個の炭素原子を有する飽和及び不飽和脂肪酸のソルビタンモノ−及びジ−エステル並びにエチレンオキシド付加生成物。ポリソルベート−nシリーズ、ソルビタンエステル、例えばセスキイソステアレート、ソルビタン、PEG−(6)−イソステアレートソルビタン、PEG−(10)−ソルビタンラウレート、PEG−17−ジオレアートソルビタント。グルコース誘導体、炭素原子数8乃至22のアルキル−モノ及びオリゴ−グリコシド並びに、好ましい砂糖成分としてグルコースを持つエトキシル化同族体。O/W乳化剤、例えば、メチルグルセス−20セスキステアレート、ソルビタンステアレート/スクロースココエート、メチルグルコースセスキステアレート、セテアリルアルコール/セテアリルグルコシド。W/O乳化剤、例えば、メチルグルコースジオレアート/メチルグルコースイソステアレート。スルフェート及びスルホン化誘導体、ジアルキルスルホスクシネート、ジオクチルスクシネート、アルキルラウリルスルホネート、直鎖状スルホン化パラフィン、スルホン化テトラプロピレンスルホネート、ナトリウムラウリルスルフェート、アンモニウム及びエタノールアミンラウリルスルフェート、ラウリルエーテルスルフェート、ナトリウムラウレススルフェート、スルホスクシネート、アセチルイソチオネート、アルカノールアミドスルフェート、タウリン、メチルタウリン、イミダゾールスルフェート。アミン誘導体、アミン塩、エトキシル化アミン、ヘテロ環を含む鎖を持つオキシドアミン、例えば、アルキルイミダゾリン、ピリジン誘導体、イソキノテイン、セチルピリジニウムクロリド、セチルピリジニウムブロミド、第四アンモニウム、例えばセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTBA)、ステアリルアルコニウム。アミド誘導体、アルカノールアミド、例えばアシルアミドDEA、エトキシ化アミド、例えばPEG−nアシルアミド、オキシジアミド。ポリシロキサン/ポリアルキル/ポリエーテルコポリマー及び誘導体、ジメチコ
ーン、コポリオール、シリコーンポリエチレンオキシドコポリマー、シリコーングリコールコポリマー。プロポキシル化又はPOE−nエーテル[メロキサポール(Meroxapols)]、ポラキサマー(Polaxamer)又はポリ(オキシエチレン)m−ブロック−ポリ(オキシプロピレン)n−ブロック(オキシエチレン)。分子中に少なくとも1種の第四アンモニウム基及び少なくとも1種のカルボキシレート基及び/又はスルホネート基を持つ両性イオン界面活性剤。特に適する両性イオン性界面活性剤はベタイン、例えば、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニムグリシネート、ココアルキルジメチルアンモニムグリシネート、N−アシルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニムグリシネート、それぞれ、アルキル基又はアシル基中に8個乃至18個の炭素原子を有するココアシルアミノプロピルジメチルアンモニムグリシネート及び2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリン、及び更に、ココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネート、N−アルキルベタイン、N−アルキルアミノベタイン。アルキルイミダゾリン、アルキルペプチド、リポアミノ酸、自己乳化塩基並びに、ケイ.エフ.デポロ(K.F.DePolo)、「化粧品学のショートテキストブック(Ashort textbook of cosmetology)」、第8章、表8−7、第250及び251頁、に記載された化合物。
【0101】
非イオン性乳化剤、例えば、PEG−6ミツロウ(及び)PEG−6ステアレート(及び)ポリグリセリル2−イソステアレート[アピファック(Apifac)]、グリセリルステアレート(及び)PEG−100ステアレート。[アルラセル(Arlacel)165]、PEG−5グリセリルステアレート[アルラトン(Arlatone)983S]、ソルビタンオレアート(及び)ポリグリセリル−3リシノレート[アルラセル(Arlacel)1689]、ソルビタンステアレート及びスクロースココエート[アルラトン(Arlatone)2121]、グリセリルステアレート及びラウレス−23[セラシンス(Cerasynth)945]、セテアリルアルコール及びセテス−20[セトマクロゴールワックス(Cetomacrogol Wax)]、セテアリルアルコール及びポリソルベート60及びPEG−150及びステアレート−20[ポラワックス(Polawax)GP200、ポラワックス(Polawax)NF]、セテアリルアルコール及びセテアリルポリグルコシド[エマルガード(Emulgade)PL1618]、セテアリルアルコール及びセテアレス−20[エマルガード(Emulgade)1000NI、コスモワックス(Cosmowax)]、セテアリルアルコール及びPEG−40ひまし油[エマルガード(Emulgade)Fスペシャル]、セテアリルアルコール及びPEG−40ひまし油及びナトリウムセテアリルスルフェート[エマルガード(Emulgade)F]、ステアリルアルコール及びステアレス−7及びステアレス−10[エマルゲータ(Emulgator)E2155]、セテアリルアルコール及びステアレス−7及びステアレス−10[乳化ワックスU.S.N.F]、グリセリルステアレート及びPEG−75ステアレート[ゲロット(Gelot)64]、プロピレングリコールセテス−3アセテート[ヘテスター(Hetester)PCS]、プロピレングリコールイソセス−3アセテート[ヘテスター(Hetester)PHA]、セテアリルアルコール及びセテス−12及びオレス−12[ランブリトールワックス(LanbritolWax)N21]、PEG−6ステアレート及びPEG−32ステアレート[テフォス(Tefose)1500]、PEG−6ステアレート及びセテス−20及びステアレス−20[テフォス(Tefose)2000]、PEG−6ステアレート及びセテス−20及びグリセリルステアレート及びステアレス−20[テフォス(Tefose)2561]、グリセリルステアレート及びセテアレス−20[テジナシッド(Teginacid)H.C.X]。
【0102】
非イオン性乳化剤、例えば、PEG−2ステアレートSE、グリセリルステアレートSE[モネルジン(Monelgine)、クチナ(Cutina)KD]、プロピレングリコールステアレート[テジン(Tegin)P]、セテアリルアルコール及びナトリウ
ムセテアリルスルフェート[ラネット(Lanette)N、クチナ(Cutina)LE、クロダコル(Crodacol)GP]、セテアリルアルコール及びナトリウムラウリルスルフェート[ラネット(Lanette)W]、トリラネス−4ホスフェート及びグリコールステアレート及びPEG−2ステアレート[セデフォス(Sedefos)75]、グリセリルステアレート及びナトリウムラウリルスルフェート[テジナシッド(Teginacid)スペシャル]。カチオン酸塩基、例えば、セテアリルアルコール及びセトリモニウムブロミド。
【0103】
乳化剤は、配合物の全質量に基づいて、例えば、1乃至30質量%、特に4乃至20質量%、そして好ましくは5乃至10質量%の量、使用され得る。
【0104】
O/Wエマルジョンに調合されるとき、この様な乳化剤システムの好ましい量は、オイル相の5%乃至20%を構成し得る。
【0105】
補助剤及び添加剤
化粧品/医薬製剤、例えば、クリーム、ゲル、ローション、アルコール性及び水性/アルコール性溶液、エマルジョン、ワックス/脂肪組成物、スティック製剤、パウダー又は軟膏は、別の補助剤及び添加剤として、低刺激性界面活性剤、過脂肪剤、コンシステンシー調整剤、増粘剤、ポリマー、安定剤、生物由来の有効成分、脱臭有効成分、ふけ防止剤、フィルム形成剤、膨張剤、別の紫外線保護因子、酸化防止剤、ヒドロトロープ剤、防腐剤、防虫剤、セルフタニング剤、可溶化剤、香料オイル、着色料、バクテリア抑制剤等を更に含み得る。
【0106】
過脂肪剤
過脂肪剤として使用するために適する物質は、例えば、ラノリン及びレシチン、並びに更に、ポリエトキシル化又はアクリレート化ラノリン及びレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリド及び脂肪酸アルカノールアミドであり、後者は同時にフォーム安定剤として機能する。
【0107】
界面活性剤
適する低刺激性界面活性剤、即ち、皮膚により特に許容な物質、の例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、モノ−及び/又はジ−アルキルスルホスクシネート、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸ザルコシネート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタメート、α−オレフィンスルホネート、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグルコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン及び/又はプロテイン脂肪酸縮合生成物を包含し、後者は好ましくは、小麦プロテインをベースとする。
【0108】
コンシステンシー調整剤/増粘剤及びレオロジー変性剤
二酸化珪素、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、多糖類及びその誘導体、例えば、ヒアルロン酸、キサンタンガム、グアーガム(guar−guar)、寒天、アルギネート、カラゲナン、ゲラン、ペクチン、又は変性されたセルロース、例えば、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース。加えて、ポリアクリレート又は網状アクリル酸のホモポリマー、及びポリアクリルアミド、カルボマー[カルボポール(Carbopol)タイプ980、981、1382、ETD2001、ETD2020、ウルトレズ(Ultrez)10]又はサルケア(Salcare)レンジ、例えば、サルケアSC80(ステアレス−10アリルエーテル/アクリレートコポリマー)、サルケアSC81(アクリレートコポリマー)、サルケアSC91及びサルケアAST(アクリル酸ナトリウムコポリマー/PPG−1トリデセス−6)、セピゲル(Sepigel)305(ポリアクリルアミド/ラウレス−7)、シムルゲル(Simulgel)NS及びシ
ムルゲルEG(ヒドロキシエチルアクリレート/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー)、スタビレン(Stabilen)30(アクリレート/ビニルイソデカノエートクロスポリマー)、ペムレン(Pemulen)TR−1(アクリレート/炭素原子数10乃至30のアルキルアクリレートクロスポリマー)、ルヴィゲル(Luvigel)EM(アクリル酸ナトリウムコポリマー)、アクリン(Aculyn)28(アクリレート/ベヘネス−25メタクリレートコポリマー)等。
【0109】
ポリマー
適するカチオン性ポリマーは、例えば、カチオン性セルロース誘導体、例えば、名称「ポリマーJR400」の下にアマコール(Amerchol)社から入手可能な第四級化されたヒドロキシメチルセルロース、カチオン性澱粉、ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドとのコポリマー、第四級化されたビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えば、ルヴィクアット(Luviquat)(登録商標)(BASF社製)、ポリグリコールとアミンとの縮合生成物、第四級化されたコラーゲンポリペプチド、例えば、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン[ラメクアット(Lamequat)(登録商標)L/グリューナウ(Gruenau)社製]、第四級化された小麦ポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、例えば、アミドメチコーン、アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンとのコポリマー[カータレチン(Cartaretin)/サンズ(Sandoz)社]、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー[メルクアット(Merquat)550/ケムヴィロン(Chemviron)社]、例えば、仏国特許出願公開第2252840号明細書に記載されたポリアミノポリアミド、及びその架橋された水溶性ポリマー、カチオン性キチン誘導体、例えば、所望により、マイクロクリスタルとして分散された、第四級化されたキトサン;ジハロアルキル、例えばジブロモブタンと、ビスジアルキルアミン、例えばビスジメチルアミノ−1,3−プロパンとの縮合生成物、カチオン性グアーガム、例えば、セラネス(Celanese)社製のジャガー(Jaguar)C−17、ジャガーC−16;第四級化されたアンモニウム塩ポリマー、例えば、ミラノール(Miranol)社製のミラポール(Mirapol)A−15、ミラポールAD−1、ミラポールAZ−1。アニオン性、両性イオン性、両性及び非イオン性ポリマーとしては、例えば、酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル/ブチルマレエート/イソボルニルアクリレートコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー及びそのエステル、非架橋性ポリアクリル酸及びポリオールで架橋されたポリアクリル酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート−第三ブチル−アミノエチルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルカプロラクタムターポリマー及び更に、所望により誘導体化セルロースエーテル及びシリコーンが考慮される。更に、欧州特許第1093796号明細書(第3乃至8頁、第17乃至68段落)に記載されたポリマーを使用し得る。
【0110】
生物由来の有効成分
生物由来の有効成分は、例えば、トコフェロール、トコフェロールアセテート、トコフェロールパルミテート、アスコルビン酸、デオキシリボ核酸、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、プソイドセラミド、エッセンシャルオイル、植物抽出物及びビタミン複合体を意味するものと理解される。
【0111】
脱臭有効成分
脱臭有効成分として、例えば、制汗剤、例えばアルミニウムクロロハイドレート[J.
Soc.Cosm.Chem.24、281(1973)参照]が考慮される。ドイツ連邦共和国、フランクフルトのヘキストアクチエンゲゼルシャフト(HoechstAG)の登録商標ロクロン(Locron)の下に、例えば、式Al(OH)Cl・2.5HOに対応するアルミニウムクロロハイドレートの市販品が入手可能であり、その使用が特に好ましい[J.Pharm.Pharmacol.26、531(1975)参照]。前記クロロハイドレート以外に、アルミニウムヒドロキシアセテート及び酸性アルミニウム/ジルコニウム塩を使用することも可能である。別の脱臭有効成分として、エステラーゼ阻害剤を添加してもよい。この様な阻害剤は好ましくはトリアルキルシトレート、例えば、トリメチルシトレート、トリプロピルシトレート、トリイソプロピルシトレート、トリブチルシトレート及び、特にトリエチルシトレート[ヘンケル(Henkel)社製のヒダゲン(Hydagen)CAT]であり、これらは酵素活性を阻害し、従って、臭気の生成を減少させる。エステラーゼ阻害剤として考慮する別の物質は、ステロールスルフェート又はホスフェート、例えば、ラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スチグマステロール及びシトステロールスルフェート又はホスフェート;ジカルボン酸及びそのエステル、例えば、グルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピンモノエチルエステル酸、アジピンジエチルエステル酸、マロン酸及びマロン酸ジエチルエステル並びにヒドロキシカルボン酸及びそのエステル、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸又は酒石酸ジエチルエステルである。細菌植物叢に影響を及ぼし、そして汗分解性バクテリアを殺すか又はその成長を阻害する抗バクテリア有効成分が同様に、前記製剤中に(特に、スティック製剤中に)存在し得る。その例は、キトサン、フェノキシエタノール及びクロルヘキシジングルコネートを包含する。5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)フェノール[チバスペシャルティケミカルズインコーポレーッテッド(Ciba Specialty Chemicals Inc.)製のトリクロサン(Triclosan)、イルガサン(Irgasan)]が特に有効であることも証明された。
【0112】
ふけ防止剤
ふけ防止剤として、例えば、クライムバゾール、オクトピロックス及び亜鉛ピリチオンが使用され得る。慣用のフィルム形成剤は、例えば、キトサン、微結晶性キトサン、第四級化されたキトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、アクリル酸を高比率で含む第四級セルロース誘導体のポリマー、コラーゲン、ヒアルロン酸及びその塩並びに同様の化合物を包含する。
【0113】
酸化防止剤
第一光保護物質に加えて、紫外線が皮膚又は髪を貫通するとき誘発される光化学反応鎖を中断する種類の酸化防止剤からなる第二光保護物質を使用することも可能である。この様な酸化防止剤の典型例は、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)及びその誘導体、イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)及びその誘導体、ペプチド、例えばD,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシン及びその誘導体(例えば、アンセリン)、カロチノイド、カロテン、リコペン及びその誘導体、クロロゲン酸及びその誘導体、リポ酸及びその誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、アウロチオグリコース、プロピルチオウラシル並びに他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン並びにそのグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、ラウリル、パルミトイル、オレイル、リノレイル、コレステリル及びグリセリルエステル)及び更にその塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸及びその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、リピド、ヌクレオチド、ヌクレオシド及び塩)及び更にスルホキシミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタ−チオニンスルホキシミン)、更に(金属)キレート剤(例えば、ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフ
ェリン)、ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EDDS、EGTA及びその誘導体、不飽和脂肪酸及びその誘導体(例えば、リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸及びその誘導体、ユビキノン及びユビキノール及びその誘導体、ビタミンC及び誘導体(例えば、アスコルビルパルミテート、マグネシウムアスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート)、トコフェロール及び誘導体(例えば、ビタミンEアセテート)、ビタミンA及び誘導体(例えば、ビタミンAパルミテート)及び更にベンゾイン樹脂のコニフェリルベンゾエート、ルチン酸及びその誘導体、グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドロガイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸及びその誘導体、マンノース及びその誘導体、スーパーオキシドジスムターゼ、N−[3−(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]スルファニル酸(及びその塩、例えば、2ナトリウム塩)、亜鉛及びその誘導体(例えば、ZnO、ZnSO)、セレン及びその誘導体(例えば、セレンメチオニン)、スチルベン及びその誘導体(例えば、スチルベンオキシド、トランス−スチルベンオキシド)並びに、前述の有効成分の本発明の適する誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド及びリピド)。HSLS(=”ヒンダードアミン光安定剤”)化合物も挙げ得る。別の合成及び天然の酸化防止剤は、例えば、国際特許出願公開第0025731号パンフレットに記載されており:構造1乃至3(第2頁)、構造4(第6頁)、構造5及び6(第7頁)並びに化合物7乃至33(第8乃至14頁)である。
【0114】
存在する酸化防止剤の量は通常、式(1)で表される紫外線吸収剤の質量に基づいて、0.001乃至30質量%、好ましくは0.01乃至3質量%である。
【0115】
ヒドロトロープ剤
流れ挙動を改善するために、ヒドロトロープ剤、例えば、少数の炭素原子を持つエトキシル化又は非エトキシル化モノ−アルコール、ジオール若しくはポリオール又はそれらのエーテル(例えば、エタノール、イソプロパノール、1,2−ジプロパンジオール、プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピルグリコールモノメチルエーテル、プロピルグリコールモノエチルエーテル、プロピルグリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル及び同様の生成物)を用いることも可能である。前記目的のために考慮されるポリオールは、好ましくは2個乃至15個の炭素原子及び少なくとも二つのヒドロキシ基を有する。前記ポリオールは更に官能基、特にアミノ基も含み得、及び/又は窒素原子で変性され得る。典型例は以下のものである:グルセロール、アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、及び更に、100乃至1000ダルトンの平均分子量を有するポリエチレングリコール;1.5乃至10の固有縮合度を有する工業用等級のオリゴグリセロール混合物、例えばジグリセロール含有率40乃至50質量%を有する工業用等級のジグリセロール混合物;メチロール化合物、例えば、特に、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリトリトール及びジペンタエリトリトール;低級アルキルグルコシド、特にアルキル基中に1個乃至8個の炭素原子を有するもの、例えば、メチル及びブチルグルコシド;5個乃至12個の炭素原子を有する糖アルコール、例えば、ソルビトール又はマンニトール;5個乃至12個の炭素原子を有する糖、例えば、グルコース又はサッカロース;アミノ糖、例えばグルカミン;ジアルコールジアミン、例えば、ジエタノールアミン又は2−アミノ−1,3−プロパンジオール。
【0116】
防腐剤及びバクテリア抑制剤
適する防腐剤は、例えば、メチル−、エチル−、プロピル−及びブチルパラベン、ベンザルコニウムクロリド、2−ブロモ−2−ニトロ−プロパン−1,3−ジオール、デヒドロ酢酸、ジアゾリジニル尿素、2−ジクロロ−ベンジルアルコール、DMDAヒダントイン、ホルムアルデヒド溶液、メチルジブロモグルタニトリル、フェノキシエタノール、ナトリウムヒドロキシメチルグリシネート、イミダゾリジニル尿素、トリクロサン及び更に、下記文献:ケイ.エフ.デポロ(K.F.DePolo)、「化粧品学のショートテキストブック(Ashort textbook of cosmetology)」、第7章、表7−2、7−3、7−4及び7−5、第210乃至219頁、に記載された種類の物質を包含する。
【0117】
バクテリア抑制剤
バクテリア抑制剤の典型例は、グラム陽性菌に対して特定な作用を有する防腐剤、例えば、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジン(1,6−ジ(4−クロロフェニル−ビグアニド)ヘキサン)又はTCC(3,4,4’−トリクロロカルバニリド)である。多数の芳香族物質及びエーテル様オイルも抗菌性を有している。典型例は、クローブオイル中の、ミントオイル中の、そしてタイムオイル中の有効成分オイゲノール、メントール及びチモールである。興味深い天然脱臭剤は、テルペンアルコールのファルネソール(3,7,11−トリメチル−2,6,10−ドデカトリエン−1−オール)であり、これは、ライムブロッサムオイル中に存在する。グリセロールモノラウレートは静菌剤であることも証明された。存在する付加的なバクテリア抑制剤の量は通常、製剤の固形分含有率に基づいて、0.1乃至2質量%である。
【0118】
香料オイル
天然及び/又は合成香料物質の混合物を、香料オイルとして挙げ得る。天然香料物質は、例えば、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イランイラン)からの、茎及び葉(ゼラニウム、パチョリ、プチグレイン)からの、果実(アニス、コリアンダー、フェンネル、杜松)からの、果実の皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)からの、根(ニクズク、アンゲリカ、セロリ、カルダモン、フクジンソウ、アイリス、菖蒲)からの、木(松、白檀、ユソウボク、シーダー、紫檀)からの、ハーブ及びグラス(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)からの、針葉及び小枝(トウヒ、マツ、スコットランドマツ、モンタナマツ)からの、樹脂及びバルサム(ガルバナム、エレミ、ベンゾイン、マー、オリバナム、オポパナックス)からの、抽出物である。動物原料、例えば、シベット及びカストリウム、も考慮される。典型的な合成香料物質は、例えば、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール又は炭化水素タイプの生成物である。エステルタイプの香料物質化合物は、例えば、ベンジルアセテート、フェノキシエチルイソブチレート、p−第三−ブチル−シクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルメート、エチルメチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネート及びベンジルサリチレートである。前記エーテルは、例えば、ベンジルエチルエーテルを包含する;前記アルデヒドは、例えば、8個乃至18個の炭化水素原子を有する直鎖状アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアール及びブルジョナールを包含する;前記ケトンは、例えば、イオノン、イソメチルイオノン及びメチルセドリルケトンを包含する;前記アルコールは、例えば、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール及びテルピノールを包含する;そして、前記炭化水素は、主にテルペン及びバルサムを包含する。しかしながら、一緒になって魅力的な香りを生じさせる種々の香料物質の混合物を使用することが好ましい。アロマ成分として主に使用される比較的揮発性が低いエーテル様オイル、例えば、セージオイル、カモミールオイル、クローブオイル、ミリッサオイル、シナモン葉オイル、ライム花オイル、杜松ベリーオイル、ベチベルオイ
ル、オリバナムオイル、ガルバナムオイル、ラブダナムオイル及びラバンジンオイル、も香料オイルとして適する。ベルガモットオイル、ジヒドロミルセノール、リリアル、リラル、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサムブレンフォルテ、アムブロキサン、インドール、ヘジオン、サンデライス、レモンオイル、タンジェリンオイル、オレンジオイル、アリルアミルグリコレート、シクロバータル、ラバンジンオイル、ムスカテルセージオイル、ダマスコーン、バーボンゼラニウムオイル、シクロヘキシルサリチレート、ベルトフィックスクール、イソ−イー−スーパー(iso−E−Super)、フィクソライド(Fixolide)NP、エバーニル、イラルデインガンマ、フェニル酢酸、ゲラニルアセテート、ベンジルアセテート、ローズオキシド、ロミラット、イロチル及びフロラマートを単独で又は、互いに混合して使用するのが好ましい。
【0119】
着色料
例えば、ヴァインハイムの化学出版社、ファルブシュトッフコミッション デア ドイッチェン フォルシュングスゲマインシャフト(Farbstoffkommission der Deutschen Forschungsgemeinschaft)の1984年の刊行物”化粧品の着色物質(Kosmetische Faerbemittel)”、第81乃至106頁に編集されたような、化粧品の目的のために適し且つ許容された物質が、着色料として使用され得る。着色料は通常、全混合物に基づいて、0.001乃至0.1質量%の濃度で使用される。
【0120】
SPF増強剤としてのポリマー状ビーズ又は中空球
上記紫外線吸収剤と、及び上記紫外線吸収剤の組み合わせと、SPF増強剤、例えばスチレン/アクリレートコポリマー、シリカビーズ、球状マグネシウムシリケート、架橋されたポリメチルメタクリレート[PMMA;ミコパールM305セピック(MicopearlM305Seppic)]のような非有効成分との組み合わせは、日焼け製剤の紫外線保護を極大化し得る。中空球添加物[シリカシェルズコボ.(Silica Shells Kobo.)]社製のサンスフィアーズISP(SunspheresISP)(登録商標)]は輻射線を偏向させ、従って、光子の有効路程は増加する(欧州特許第0893119号明細書を参照)。前述の幾つかのビーズは、塗る時の柔らかな手触りを与える。更に、この様なビーズ、例えばミコパールM305の光学活性は、反射現象を除去することにより、皮膚の艶を調節し得、そして紫外線を間接的に散乱させ得る。
【0121】
その他の添加剤
アルファグルコシルルチン(CAS登録番号130603−71−3)、o−ヒドロキシ安息香酸2−ブチルオクチル(CAS登録番号190085−41−7)、ビタミンE(CAS登録番号1406−18−4)、ビタミンE酢酸塩(CAS登録番号58−95−7)、ジエチルヘキシル2,6−ナフタレート、ジ−n−ブチルアジペート、ジ(2−エチルヘキシル)−アジペート、ジ(2−エチルヘキシル)−スクシネート及びジイソトリデシルアセレート(acellat)、及びまた、エチレングリコールジオレアート、エチレングリコールジイソトリデカノエート、プロピレングリコールジ(2−エチルヘキサノエート)、プロピレングリコールジイソステアレート、プロピレングリコールジペラルゴネート、ブタンジオールジイソステアレート、及びネオペンチルグリコールジカプリレートのようなジオールエステル。炭素原子数6乃至24の脂肪アルコール及び/又はゲルベアルコールと、飽和及び/又は不飽和の芳香族カルボン酸、特に安息香酸とのエステル、炭素原子数2乃至12のジカルボン酸と1乃至22個の炭素原子を有する直鎖又は枝分かれしたアルコール又は2乃至10個の炭素原子及び2乃至6個の水酸基を有するポリオールとのエステル、又はイミノジコハク酸及びイミノジコハク酸塩(imionjisuccinic acid salt)(CAS登録番号7408−20−0)又はラテックス粒子、アロエ、カモミール、イチョウ、朝鮮人参(ginseng)、コエンザイ
ムQ10、ラミナリアオクロレウカ(Laminaria ochroleuca)抽出物、ホオノキ(マグノリアオボラータ(Magnnolioborata))抽出物、ティーツリー(melalenca alterinifolia)葉オイル、ラズベリー(rubus idaeus)シードオイル、クランベリー(Vaccinium macrocarpon)シードオイル、カボチャ種子抽出物、カボチャ種子オイル、グレープシード抽出物、カルノシン、アルファアルブチン、マデカッソシド、termino−laside、テトラヒドロクルクミノイド(THC)、マイコスポリン、紅藻(porphyra umbikicalis)からのマイコスポリン様アミノ酸、マイコスポリン様アミノ酸(国際公開第2002039974号パンフレットに記載のような)、シス−9−オクタデセンジオン酸、リポ酸、ラウリミノジプロピオン酸トコフェリルホスフェート(LDTP)、ミクロクリスタリンセルロース(MCC),国際公開0341676号パンフレットに記載のようなポリカルボン酸、国際公開第0341675号パンフレットに記載のようなステロール(コレステロール、ラノステロール、フィトステロール)及び米国特許第6616935号明細書に記載のような直線ポリ−アルファ−グルカン。
【0122】
化粧品及び医薬製剤
化粧品及び医薬製剤は、広範な化粧品製剤中に含まれている。例えば、特に、下記の製剤が考慮される:
−スキンケア製剤、例えば、タブレット形態又は液体石鹸、合成洗剤又はウォシングペーストの形態の皮膚−ウォシング及びクレンジング製剤;
−バス製剤、例えば、液体(フォームバス、ミルク、シャワー製剤)又は固形バス製剤、例えば、バスキューブ及びバスソルト;
−スキンケア製剤、例えば、スキンエマルジョン、マルチ乳剤又はスキンオイル;
−化粧品パーソナルケア製剤、例えば、日中用クリーム又はパウダークリームの形態の顔用メイキャップ、フェイスパウダー(ルーズ又はプレスト)、ルージュ又はクリームメイキャップ、アイ−ケア製剤、例えば、アイシャドー製剤、マスカラ、アイライナー、アイクリーム又はアイ−フィックスクリーム;リップ−ケア製剤、例えば、リップスティック、リップグロス、リップコンターペンシル、ネイル−ケア製剤、例えば、マニキュア、マニキュア除去液、ネイルハードナー又はキューティクル除去液;
−フットケア製剤、例えば、フットバス、フットパウダー、フットクリーム又はフットバルサム、スペシャルデオドラント及び発汗抑制剤又はタコ除去製剤;
−光保護製剤、例えば、サンミルク、ローション、クリーム又はオイル、サンブロック又はトロピカル、プレタニング製剤又はアフターサン製剤;
−スキンタニング製剤、例えば、セルフタニングクリーム;
−脱色製剤、例えば、皮膚漂白用製剤又は皮膚増白製剤;
−防虫剤、例えば、防虫オイル、ローション、スプレー又はスティック;
−脱臭剤、例えば、脱臭スプレー、ポンプアクションスプレー、脱臭ゲル、スティック又はロール−オン;
−発汗抑制剤、例えば、発汗抑制スティック、クリーム又はロール−オン;
−傷ついた皮膚をクレンジングするため又はケアするための製剤、例えば、合成洗剤(固体又は液体)、ピーリング又はスクラッブ製剤又はピーリングマスク;
−化学的形態の脱毛製剤(除毛)、例えば、脱毛パウダー、液体脱毛製剤、クリーム−又ーペースト−形態の脱毛製剤、ゲル形態又はエアゾールフォームの脱毛製剤;
−シェービング製剤、例えば、シェービング石鹸、フォーミングシェービングクリーム、非発泡シェービングクリーム、フォーム及びゲル、ドライシェービングのためのプレシェーブ製剤、アフターシェーブ又はアフターシェーブローション;
−香料製剤、例えば、香料(オーデコロン、オードトワレ、オードパルファム、パルファムドトワレ、パヒューム)、パヒュームオイル又はパヒュームクリーム;
−化粧品ヘアトリートメント製剤、例えば、シャンプー又はコンディショナーの形態の洗髪製剤、ヘア−ケア製剤、例えば、プレトリートメント製剤、ヘアトニック、スタイリン
グクリーム、スタイリングゲル、ポマード、ヘアリンス、トリートメントパック、インテンシブヘアトリートメント、ヘア構成製剤、例えば、パーマネントウェーブ(ホットウェーブ、マイルドウェーブ、コールドウェーブ)のためのヘアウェービング製剤、ヘアストレートニング製剤、液体ヘアセッティング製剤、ヘアフォーム、ヘアスプレー、漂白製剤、例えば、過酸化水素溶液、増白シャンプー、ブリーチングクリーム、ブリーチングパウダー、ブリーチングペースト又はオイル、随時の、半−恒久的な又は恒久的な染髪剤、自己酸化染料を含む製剤、又は天然染髪剤、例えば、ヘナ又はカモミール。
【0123】
プレゼンテーション形態
記載された最終的な製剤は、広範なプレゼンテーション形態、例えば:
−W/O、O/W、O/W/O、W/O/W又はPITエマルジョン及び全ての種類のミクロエマルジョンとして液体製剤の形態で、
−ゲルの形態で、
−オイル、クリーム、ミルク又はローションの形態で、
−パウダー、ラッカー、タブレット又はメイキャップの形態で、
−スティックの形態で、
−スプレー(加圧ガスを伴うスプレー又はポンプ作用スプレー)又はエアゾールの形態で、
−フォームの形態で、或いは
−ペーストの形態で、
存在し得る。
【0124】
皮膚のための化粧品製剤として特に重要なものは、光保護製剤、例えば、サンミルク、ローション、クリーム、オイル、サンブロック又はトロピカル、プレタニング製剤又はアフターサン製剤、更に、スキンタニング製剤、例えば、セルフタニングクリームである。特に興味のあるものは、日焼け防止クリーム、日焼け防止ローション、日焼け防止ミルク、及び、スプレーの形態の日焼け防止製剤である。
【0125】
髪のための化粧品製剤として特に重要なものは、ヘアトリートメントのための上述の製剤、特に、シャンプー、ヘアコンディショナーの形態の染髪製剤、ヘア−ケア製剤、例えば、プレトリートメント製剤、ヘアトニック、スタイリングクリーム、スタイリングゲル、ポマード、ヘアリンス、トリートメントパック、インテンシブヘアトリートメント、ヘアストレートニング製剤、液体ヘアセッティング製剤、ヘアフォーム及びヘアスプレーである。特に興味のあるものは、シャンプーの形態の染髪製剤である。
【0126】
シャンプーは、例えば、下記の組成を有する:本発明の紫外線吸収剤0.01乃至5質量%、ナトリウムラウレス−2−スルフェート12.0質量%、コカミドプロピルベタイン4.0質量%、塩化ナトリウム3.0質量%、及び総量が100%になるまでの水。
【0127】
例えば、特に、下記のヘア−化粧品製剤が使用され得る:
)本発明の紫外線吸収剤、PEG−6−炭素原子数10のオキソアルコール及びソルビタンセスキオレアートを含み、これに、水及び何らかの望ましい第四級アンモニウム化合物、例えば、ミンクアミドプロピルジメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムクロリド又はクォーターニウム(Quaternium)80、4%が添加されている、自発的に乳化するストック製剤;
)本発明の紫外線吸収剤、トリブチルシトレート及びPEG−20−ソルビタンモノオレアートを含み、これに、水及び何らかの望ましい第四級アンモニウム化、例えば、ミンクアミドプロピルジメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムクロリド又はクォーターニウム(Quaternium)80、4%が添加されている、自発的に乳化するストック製剤;
b)ブチルトリグリコール及びトリブチルシトレート中の、本発明の紫外線吸収剤のクワットドープされた(quat−doped)溶液;
c)本発明の紫外線吸収剤と、n−アルキルピロリドンとの混合物又は溶液。
【0128】
この様な製剤中の他の典型的な成分は、防腐剤、殺菌剤及び静菌剤、香料、染料、顔料、増粘剤、モイスチャライジング剤、湿潤剤、脂肪、オイル、ワックス或いは、化粧品及びパーソナルケア製剤の他の典型的な成分、例えば、アルコール、多価アルコール、ポリマー、電解質、有機溶剤、シリコン誘導体、皮膚軟化剤、乳化剤又は乳化界面活性剤、界面活性剤、分散剤、酸化防止剤、抗刺激剤及び抗炎症剤等である。
【0129】
下記実施例が本発明を例証する。
【実施例】
【0130】
適用例
実施例1.日焼け止め製剤
製剤は2%のブチルメトキシジベンゾイルメタン(BMDBM)と、2%のメロシアニンMC08、MC09又はMC10の1つとを含んでいる、下記の表に従って製造された。5番目の製剤は、メロシアニンを含まず2%のBMDBMのみを含む対照としての役目をする。
【表64】

)メロシアニンが使用されない場合、炭素原子数12乃至15のアルキルベンゾエートの濃度を10%に設定した(2%のメロシアニン存在下で8%の代わりに)。
【0131】
実施例2:光安定性実験
光安定性評価のために、実施例1に記載の各製剤の2mg/cmを粗面化した水晶板上に塗布した。試料にアトラスCPS+太陽シミュレーターを使用して照射した。試料の温度は試料支持材の冷却よって35乃至40℃に保った。CPS+装置は5MED(MEDは最小紅斑量)/hに相等する760W/cmで操作した。照射後、試料はHPLC手法によって元物質に対して定量的に分析した。各製剤に対して、各紫外線量に7枚の板が試験され、そしてこれら7枚の板の結果を平均した。
【0132】
20MEDでBMDBMの回復が下記表に標準偏差(n=7)と共に示された。
【表65】

【0133】
図1に、何れの更なる紫外線吸収剤も存在せず、そして式(MC08)、式(MC09)及び式(MC10)で表される化合物の存在するブチルメトキシジベンゾイルメタンの回復に関して、結果を示した。
【0134】
メロシアニン化合物の存在化でブチルメトキシジベンゾイルメタンの著しい安定化がある。
【表66】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)
【化1】

(式中、
、L又はLは互いに独立して、水素原子、ヒドロキシ基、炭素原子数1乃至22のアルキル基、炭素原子数1乃至22のアルコキシ基、炭素原子数2乃至22のアルケニル基、炭素原子数2乃至22のアルキニル基、炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基、炭素原子数3乃至12のシクロアルケニル基、炭素原子数7乃至20のアラルキル基、炭素原子数1乃至20のヘテロアルキル基、炭素原子数3乃至12のシクロヘテロアルキル基、炭素原子数4乃至20のヘテロアラルキル基、炭素原子数6乃至18のアリール基を表し、
はCN、−COR、−COOR、−CONR、炭素原子数2乃至22のアルケニル基、炭素原子数2乃至22のアルキニル基、炭素原子数3乃至12のシクロアルケニル基、炭素原子数6乃至18のアリール基、炭素原子数3乃至12のヘテロアリール基、炭素原子数2乃至12のヘテロアルキル基、又は炭素原子数3乃至5のヘテロシクロアルキル基を表し、
、R、R及びRは互いに独立して、水素原子、炭素原子数1乃至22のアルキル基、炭素原子数2乃至22のアルケニル基、炭素原子数2乃至22のアルキニル基、炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基、炭素原子数3乃至12のシクロアルケニル基、炭素原子数7乃至20のアラルキル基、炭素原子数1乃至20のヘテロアルキル基、炭素原子数3乃至12のシクロヘテロアルキル基、炭素原子数5乃至20のヘテロアラルキル基、炭素原子数6乃至18のアリール基、炭素原子数3乃至12のヘテロアリール基、−(CH−SiR161718、又は基−X−Silを表し、又は、
とL、LとL、LとL、LとR、LとR、LとR、LとR、LとR、RとR、RとR、RとR、及びRとRは、互いに結合して、中断されていない又は1つ以上の−O−、−S−若しくはNR−によって中断され得、及び/又は更に他の芳香族環と結合し得、及び/又は1つ以上の炭素原子数1乃至6のアルキル基で置換され得る、1、2、3又は4個の炭素環又は複素環を形成し得、
及び各々のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基又はシクロアルキレン基は未置換であるか又は1つ以上のR10によって置換され得、
及び各々のアリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、又はアラルキレン基は未置換であるか又は1つ以上のR11によって置換され得、
はR12、COR12、COOR12、又はCONR1213を表し、
10はハロゲン原子、OH、NR1415、O−R14、S−R14、CO−R14、O−CO−R14、オキソ基、チオノ基、炭素原子数1乃至6のアルキリデン基、CN、COOR14、CONR1415、SONR1415、SO14、SO14、SiR161718、OSiR161718、POR1617、又は−X−Sil基を表し、
11は、炭素原子数1乃至12のアルキルチオ基、炭素原子数3乃至12のシクロアルキルチオ基、炭素原子数1乃至12のアルケニルチオ基、炭素原子数3乃至12のシク
ロアルケニルチオ基、炭素原子数1乃至22のアルコキシ基、炭素原子数3乃至12のシクロアルコキシ基、炭素原子数1乃至12のアルケニルオキシ基、又は未置換であるか又は1つ以上のRにより置換され得る炭素原子数3乃至12のシクロアルケニルオキシ基、ハロゲン原子、CN、SH、OH、CHO、R19、OR19、SR19、C(R19)=CR1920、O−CO−R19、NR1920、CONR1920、SONR1920、SO19、COOR19、OCOOR19、NR19COR20、NR19COOR20、SiR161718、OSiR161718、P(=O)R1617、又は基−X−Sil、を表し、
16、R17及びR18は互いに独立して、炭素原子数1乃至22のアルキル基、炭素原子数6乃至18のアリール基、又は炭素原子数1乃至22のアルコキシ基を表し、
12、R13、R14、R15、R19及びR20は互いに独立して、水素原子、炭素原子数1乃至22のアルキル基、炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基、炭素原子数2乃至12のアルケニル基、炭素原子数3乃至12のシクロアルケニル基、炭素原子数6乃至18のアリール基、炭素原子数3乃至12のヘテロアリール基、炭素原子数7乃至20のアラルキル基、又は炭素原子数4乃至20のヘテロアラルキル基を表し、又は
12とR13、R14とR15、及び/又はR19とR20は互いに結合して、未置換の又は炭素原子数1乃至4のアルキル基で置換されたピロリジン基、ピペリジン基、ピペラジン基、又はモルホリン基を形成し得、
Xはリンカーであり、及び
Silはシラン部分、オリゴシロキサン部分又はポリシロキサン部分を表し、
nが1の場合、
及びRは互いに独立して、水素原子、炭素原子数1乃至22のアルキル基、炭素原子数2乃至22のアルケニル基、炭素原子数2乃至22のアルキニル基、炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基、炭素原子数3乃至12のシクロアルケニル基、炭素原子数7乃至20のアラルキル基、炭素原子数2乃至20のヘテロアルキル基、炭素原子数3乃至12のシクロヘテロアルキル基、炭素原子数6乃至18のアリール基、炭素原子数4乃至20のヘテロアラルキル基、炭素原子数3乃至12のヘテロアリール基、−(CH−SiR161718、又は−X−Silを表し、
uは1乃至12の数であり、
は、CN、−COR、−COOR、又は−CONRを表し、
nが2の場合、
、R及びRのうち1つは2価の基であり、並びにR、R、及びRのうち2つはnが1の場合の通りに定義されるか、又は
窒素原子と共にR及びRは6員複素環を形成し、及び同時にRはnが1の場合の通りに定義され、
nが3の場合、
、R及びRのうち1つは3価の基を表し、並びにR、R及びRのうち2つはnが1の場合の通りに定義され、
nが4の場合、
、R及びRのうち1つは4価の基を表し、並びにR、R及びRのうち2つはnが1の場合の通りに定義される。)で表されるメロシアニン誘導体の、有機紫外線感受性有効成分の安定化のための使用。
【請求項2】
前記式(1)で表される化合物がそれらのE,E−、E,Z−又はZ,Z−異性体である、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記式(1)中、
は水素原子、又はOHを表し、
は−COOR、COR、−CONR、又は−CNを表し、
及びLは独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至22のアルキル基を表し、
はシアノ基、COR、COOR、CONR、炭素原子数2乃至12のヘテロアルキル基、炭素原子数3乃至5のヘテロシクロアルキル基、炭素原子数6乃至18のアリール基、又は炭素原子数3乃至12のヘテロアリール基を表し、
及びRは互いに独立して水素原子、炭素原子数1乃至22のアルキル基、炭素原子数乃至2乃至12のアルケニル基、炭素原子数2乃至12のアルキニル基、炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基、炭素原子数3乃至12のシクロアルケニル基、炭素原子数7乃至12のアラルキル基、炭素原子数1乃至12のヘテロアルキル基、炭素原子数4乃至20のヘテロアラルキル基、炭素原子数6乃至18のアリール基、又は炭素原子数3乃至12のヘテロアリール基、又は−X−Silを表し、又は
とL、LとL、LとL、LとR、LとR、LとR、LとR、LとR、RとR、RとR、RとR、及びRとRは互いに結合して、中断されていないか又は1つ以上の−O−、−S−若しくは−NR−で中断され得、及び/又はさらに他の芳香族環と結合し得、及び/又は1つ以上の炭素原子数1乃至6のアルキル基で置換され得る、1、2、3、又は4個の炭素環又はヘテロ環を形成し得、
nは1であり、及び
、R、R及びRは請求項1における通りに定義される、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
前記式中、
は水素原子、又はOHを表し、
は−COOR、−COR、−CONR、又は−CNを表し、
及びLは独立して水素原子を表し、
はシアノ基、COR、COOR、CONRを表し、
、R、R及びRはお互いに独立して、水素原子、炭素原子数1乃至22のアルキル基、炭素原子数2乃至22のアルケニル基、炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基、炭素原子数1乃至20のヘテロアルキル基、炭素原子数6乃至18のアリール基、−(CH−SiR161718、又は基−X−Silを表し、及び
及びRは互いに独立して水素原子、炭素原子数1乃至22のアルキル基、又は−X−Silを表し、又は
とL、LとR、LとR、RとR、及びRとRは、互いに結合して、中断されていないか又は1つ以上の−O−、−S−、若しくはNR−によって中断され得、及び/又はさらに他の芳香族環と結合し得、及び/又は1つ以上の炭素原子数1乃至6のアルキル基で置換され得る、1、2、3、又は4個の炭素環又はヘテロ環を形成し得、
nは1であり、及び
16、R17、R18、X、Sil及びuは請求項1における通りに定義される、請求項1乃至3の何れかに記載の使用。
【請求項5】
前記式中、
、L及びLは水素原子を表すか、又は
とLが、互いに結合して、1つ又は2つのメチル基で置換され得るシクロヘキセン環を形成する、請求項1乃至4の何れかに記載の使用。
【請求項6】
前記式中、
とRは一緒になってピペリジン環を形成し、
nは2であり、及び
、L、L、R及びRは請求項1における通りに定義される、請求項1乃至5の何れかに記載の使用。
【請求項7】
前記メロシアニン誘導体が、式
【化2】

で表される化合物から選択される、請求項1乃至6の何れかに記載の使用。
【請求項8】
前記有機紫外線感受性有効成分が、p−アミノ安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、ジフェニルアクリレート、ベンゾフラン誘導体、ポリマー状有機紫外線吸収剤、桂皮酸誘導体、カンファー誘導体、ヒドロキシフェニルトリアジン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、及びo−アミノ安息香酸メチルから選択された紫外線吸収剤である、請求項1乃至7の何れかに記載の使用。
【請求項9】
前記有機紫外線吸収剤がジベンゾイルメタン誘導体から選択される、請求項1乃至8の何れかに記載の使用。
【請求項10】
前記有機紫外線吸収剤が4−(第三−ブチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタンである請求項9に記載の使用。
【請求項11】
式(MC11)
【化3】

で表される化合物が4−(第三−ブチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタンの安定化のために使用される、請求項1乃至10の何れか1項に記載の使用。
【請求項12】
(a)少なくとも1つの紫外線感受性成分、と
(b)少なくとも1つの、前記請求項のいずれか1項に定義されたメロシアニン誘導体、
とを含むことを特徴とする、生理的に許容可能な基剤中に少なくとも1種の遮蔽システムを含む組成物。
【請求項13】
前記紫外線感受性の誘導体又は誘導体らが、全組成物質量に対して0.01質量%乃至20質量%の量で存在する、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記メロシアニン誘導体(誘導体ら)が全組成物質量に対して0.01質量%乃至20質量%の量で存在する、請求項12及び13に記載の組成物。
【請求項15】
スキンケア製品、皮膚用のメイキャップ製品、日焼け防止製品又は皮膚洗浄製品の構成要素となることを特徴とする、請求項12乃至請求項14の何れか1項に記載の組成物。
【請求項16】
日焼け防止製品の構成要素となることを特徴とする、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記請求項の何れか1項で定義された少なくとも1つの紫外線感受性成分を生理的に許容な基剤中に含む組成物における、該紫外線感受性成分の紫外線に対する安定性を向上するための、前記請求項で定義された少なくとも1つのメロシアニン誘導体の使用。

【公表番号】特表2010−516725(P2010−516725A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−546715(P2009−546715)
【出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【国際出願番号】PCT/EP2008/050440
【国際公開番号】WO2008/090066
【国際公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】