説明

細胞異常性を表示するためのシステムおよび方法

本発明の原理に従って、細胞分析結果のデータを表す画像データの処理のための方法、システム、およびコンピュータ可読媒体が提供され、該処理は、画像データにアクセスするステップと、画像データに基づいて濃度ヒストグラムを生成するステップと、濃度ヒストグラムを段階的画像に変換するステップと、類似性を測定するために、段階的画像と基準画像との間の正規化相互相関を実行するステップと、測定された類似性に基づいて異常性を判断するステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、データを処理および表示するシステムおよび方法に関し、より具体的には、細胞分析結果のデータおよびテンプレートデータを処理して1つの画像に表示するための、システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
標的試料の細胞分析器の結果を解析する際には、医師は、標的試料の結果とテンプレートの結果とを比較する必要があり、さらに、標的試料内の任意の異常性を解析できる必要がある。従来の細胞分析器は、一次元、二次元、および三次元表示の非処理のグラフィックな結果の表示を提供し、それは、未処理の細胞分析結果のデータを使用して、標的試料のみを表示する。細胞分析結果を解析する医師は、グラフィックな結果を確認しながら、標的試料の結果の画像と、テンプレートの画像とを物理的に比較しなければならない。これらのテンプレート画像は、教科書の中に、または別個の画像の中に見られ得る。あるいは、医師は、テンプレート画像の写真を自分の記憶に留め得る。いずれにしても、医師は、これらの2つの別個の画像を入手し、比較しなければならない。これは、画像が、同一縮尺、同一表示形式、などでない場合があるために、困難であり得る。これは、標的試料データを解析するプロセスを不便な、不正確な、時間を費やす、かつ集中力を要するものとする。さらに、細胞分析器からの結果のデータは未処理であって、ノイズの多い、非平滑なデータを含む。
【0003】
したがって、医師またはユーザが、異常性を識別するために標的試料データを正確かつ効率的に解析することができるような方法で、標的試料の細胞分析結果のデータとテンプレートデータとを1つの画像に表示するために提供される、システムおよび方法の必要性が存在する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の原理に従って、本明細書において具現化され、かつ広範に記載されるように、本発明の原理と一致する方法およびシステムは、細胞分析結果のデータを表す画像データの処理を提供し、それは、画像データにアクセスするステップと、画像データに基づいて濃度ヒストグラムを生成するステップと、濃度ヒストグラムを段階的画像に変換するステップと、類似性を測定するために段階的画像と基準画像との間の正規化相互相関を実行するステップと、測定された類似性に基づいて異常性を判断するステップと、を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本特許または特許出願のファイルは、少なくとも1つのカラー図面を含む。カラー図面を有する本特許または特許出願公報の複製は、要請および必要料金の支払いに応じて、当該機関によって提供される。
【0006】
本明細書に組み込まれ、その一部を成す添付の図面は、本発明のいくつかの実施形態を示し、記述とともに本発明の原理を説明する役割を果たし、記述とともに本発明の特徴および局面を説明する。
【0007】
次に、本発明が詳細に参照され、その実施例が添付の図面に示される。可能な場合には、図面全体を通して同一参照番号が、同一または類似部品を参照するために使用される。
【0008】
(概要)
本発明の一部の実施形態の原理と一致する方法およびシステムは、細胞分析結果のデータを表す標的試料データにアクセスするシステムを提供する。データがアクセスされると、システムは、データを処理し、処理された標的試料データとテンプレートデータとを比較する。さらに、システムは、処理された標的試料データとテンプレートデータとの間の類似性を測定し得る。測定された類似性は、標的試料が正常であるか、または異常であるかを識別するスコア形式であり得る。さらに、スコアに基づいて、異常パターンはフラグ付与され得る。
【0009】
(細胞分析)
本発明は、種々の種類の細胞、細胞成分、体液および/または体液成分を分析するために使用され得る。本発明は、流体成分(血清)および固体成分(種々の種類の細胞)の両方を含む、血液試料を分析する際に特に有用である。特に、本発明は、全血(種々の種類の血液細胞を含有する)または細胞成分の分画のいずれかである血液試料内の、細胞成分を分析することを目的とする。また、本発明は、結合組織から分離された組織試料から得られ、細胞を破壊しない生体適合性液体媒体に懸濁する細胞を、分析するために使用され得る。さらに、本発明はまた、従来の血液測定器またはフローサイトメトリ測定器を使用して得られる多次元の細胞または粒子散布図を解析するためにも適用され得る。用語「細胞分析器」および「細胞分析」は、少なくとも本明細書に記載される全ての成分を網羅することを意図する。さらに、標的試料のデータについて記述される場合には、本用語は、標的試料の細胞分析結果のデータを含むことを意図する。
【0010】
(生データの生成)
体液および/または体液の細胞成分および/または全血は、本発明による解析および表示のためのデータを生成するために、種々の種類の分析技術に供され得る。最も一般的な技術は、細胞サイズの体積を測定する直流(Direct Current)法、細胞の不透明度を測定する高周波(Radio Frequency)法、蛍光法、および細胞の粒度を測定する光散乱法である。
【0011】
(標的試料データおよびテンプレートデータ)
標的試料データおよび/またはテンプレートデータは、白血球(WBC)、赤血球(RBC)、血小板、完全血球算定(CBC)による一次元ヒストグラム、二次元および/または三次元のWBC差分散布図、二次元および/または三次元の網状赤血球差分散布図、二次元または三次元の有核赤血球(NRBC)差分散布図、曲面表示画像のWBC差分ヒストグラム、曲面表示画像の網状赤血球差分ヒストグラム、曲面表示画像のNRBC差分ヒストグラム、などを含む、画像データの形式で示され得る。代替案として、生データが画像平滑化および段階的画像変換に適用された後に、格納テンプレートデータが格納され得る。
【0012】
(システムアーキテクチャ)
図1は、本発明の原理を実装するためのシステム環境100の例示的な概略図である。システム100の構成要素は、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの任意の好適な組み合わせによって実装され得る。図1に示されるように、システム100は、ユーザコンピュータ102を含む。ユーザコンピュータ102は、データベース104に通信可能に連結され得る。代替案として、データベース104は、ネットワーク106上に直接存在し得、またはデータベース104のコンテンツが、コンピュータ102またはサーバ108上に直接存在し得る。
【0013】
システム100は、インターネット、あるいは公共または専用の任意のローカルまたは広域ネットワークとして実装され得るネットワーク106を、さらに含み得る。システム100は、サーバ108をさらに含み得、サーバ108は、分析器110に通信可能に連結され得る。分析器110は、LH750(登録商標)およびLH500(登録商標)のような、Beckman Coulter血液測定器、などとして実装され得、試験結果のデータを生成する。
【0014】
コンピュータ102、データベース104、ネットワーク106、サーバ108、および分析器110は1つのみが描かれているが、これらの種類の装置のうちの2つ以上が、本発明の一部の実施形態の原理と一致するシステムにおいて実装され得ることが、当業者によって理解され得る。これらの装置はそれぞれ、システム内の異なる位置に存在し得ることが、さらに理解され得る。例えば、分析器110は、コンピュータ102に直接通信可能に連結され得、コンピュータ102は、ネットワーク上で操作することなく、直接分析器110からデータを受信し得る。本発明の原理に一致する特徴は、独立型ユニットとしてコンピュータ102内に単独で実装され得、本発明を実行するために必要とされる全てのデータはコンピュータ102上に直接存在し得、分析器110からの標的試料データはコンピュータ102の外部装置を通してユーザによって入力され得ることが、さらに理解され得る。
【0015】
図2は、コンピュータ102内に含まれる構成要素の例示的なブロック図を示す。コンピュータ102は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、またはパーソナル計算装置のような任意の種類の計算装置であり得、例えば、メモリ202、ネットワークインターフェースアプリケーション204、入力/出力装置206、中央処理装置208、アプリケーションソフトウェア210、および二次記憶装置212を含み得る。コンピュータ102は、データベース104、サーバコンピュータ108および/または分析器110に通信可能に連結され得る。
【0016】
ユーザは、ネットワークインターフェースアプリケーション204、および/またはアプリケーションソフトウェア210を使用して、ネットワーク106にアクセスし得る。ネットワーク106がインターネットとして実装され得る場合には、ネットワークインターフェースアプリケーション204は、MicrosoftまたはNetscapeから入手可能な従来型ブラウザアプリケーションを含む、従来型のブラウザを含み得る。アプリケーションソフトウェア210は、本明細書において記載される本発明の特徴を実装するための、プログラミング命令を含み得る。アプリケーションソフトウェア210は、標的試料データがテンプレートデータとともに表示されて、ユーザが試験結果データを確認および/または解析できるようにするための、プログラミング命令を含み得る。入力/出力装置206は、例えば、キーボード、マウス、ビデオカム、ディスプレイ、記憶装置、プリンタ、などを含み得る。
【0017】
図3は、サーバコンピュータ108内に含まれる構成要素の例示的なブロック図を示す。サーバコンピュータ108は、本発明の一部の実施形態の原理と一致する、メモリ302、ネットワークインターフェースアプリケーション304、入力/出力装置306、中央処理装置308、アプリケーションソフトウェア310、および二次記憶装置312を含み得る。サーバコンピュータ108の構成要素は、コンピュータ102の構成要素と同様に実装され得る。
【0018】
(機能性)
図4は、本発明の一部の実施形態と一致する、コンピュータ102によって実行されるステップの例示的な流れ図を示す。図4に示されるように、解析のために標的試料データがユーザによって識別されると、コンピュータ102は、アプリケーションソフトウェア310を介して標的試料データにアクセスする(ステップ402)。標的試料データは、分析器110によって実行された細胞の分析結果を表すデータであり得る。このデータは、コンピュータ102、データベース102、またはサーバ108に格納され得る。次いで、システムは、アクセスされた標的試料データに基づいて、濃度ヒストグラムを生成する(ステップ404)。濃度ヒストグラムは、ノイズを除去し画像を平滑化するために、フィルタ、例えば、低域通過フィルタを使用して、細胞分析器からの生の画像データを処理することによって生成され得る。次いで、濃度補償関数が取得され得、外観を向上させるためにピクセル値が均一化される。
【0019】
濃度ヒストグラムは、次いで、システムによって段階的画像に変換される(ステップ406)。段階的画像を生成するために、複数レベルの、例えば4レベルの閾値が実行され、段階的画像を取得する。段階的画像を使用して、システムは、段階的画像と基準画像、またはテンプレートデータとの間の正規化相互相関を実行し、類似性を測定する(ステップ408)。これは、高速フーリエ変換(FFT)に基づく技術を使用して実行され得る。従来の相互相関アルゴリズムと比較して、FFTに基づく方法は、特にデータサイズが大きい場合には、より計算効率が高い。テンプレートデータは、標的試料が比較される標準データを表す。テンプレートデータは、例えば、多くの試料の平均、異質のデータが削除された多くの試料の平均、などを表し得る。テンプレートデータは、コンピュータ102、データベース102、またはサーバ108に格納され得る。測定された類似性はスコアの形式で示され得、スコアが高い場合には、標的試料は正常である。スコアが低いか、または所定の閾値を下回る場合には、標的試料は異常である(ステップ410)。
【0020】
図7は、相関性を判断する際に、クライアントコンピュータ104によって実行されるステップの例示的な流れ図を示す。クライアントコンピュータ104は、試料にアクセスする(ステップ702)。標的試料がアクセスされた後に、クライアントコンピュータ104は、正常テンプレート照合を実行し、標的試料が正常であるかどうか判断する(ステップ704)。正常テンプレートと標的試料との間の照合スコアが特定の閾値を上回る場合(ステップ706、「はい」)には、コンピュータ104は、標的試料が正常であると判断する(ステップ708)。
【0021】
標的試料と正常テンプレートとの間の照合スコアが所定の閾値を下回る場合には、異常テンプレート照合が実行される(709)。異常テンプレート照合の間、標的試料は、異常性を識別するために少なくとも1つの異常テンプレートと相関される。例えば、標的試料は異常テンプレート1と照合される(ステップ710)。照合スコアが所定の閾値を上回る場合(ステップ712、「はい」)には、標的試料はタイプ1の異常性を有すると判断される(ステップ714)。このプロセスは、複数の異常テンプレートに対し繰り返され得る。照合される異常テンプレートのいずれに対しても、照合スコアが所定の閾値を上回らない場合には、標的試料は不明な異常性を有すると判断される(ステップ716)。
【0022】
図5(a)〜図5(b)は、細胞分析結果のデータからのオリジナルヒストグラムデータと、本発明の一部の実施形態の原理に一致する処理された細胞分析結果のデータとの間の、差異の例を示す。図5(a)〜図5(b)に示されるように、オリジナルヒストグラム画像は図5(a)に示され、変換された段階的画像は図5(b)に示される。図5(a)の画像IおよびIIは、両方とも正常パターンを表す。しかしながら、各母集団の濃度は異なる。図5(a)の画像IIIは、異常パターンを有する試料である。2つの画像間の類似性を測定するために使用される相互相関係数が、矢印の隣に示されている。図5(b)は、本発明の一部の実施形態の原理と一致する、変換された段階的画像に基づく結果を示す。図から分かるように、2つの正常試料(画像IおよびII)の間の類似性測定値は増加している。対照的に、正常試料と異常試料(画像III)との間の類似性測定値は、有意に減少している。
【0023】
図5(a)および図5(b)から分かるように、段階的画像変換は、オリジナル画像の濃度の相違を補償し得る。テンプレート照合のために生のヒストグラム画像を使用する代わりに、本明細書に記載される方法で細胞分析結果のデータを処理することによって、正常パターンと異常パターンとの間で、より明確な情報が提供され得る。さらに、段階的画像の各レベルは二値画像である。したがって、ユーザは、多くの有用な画像情報を、例えば、二値画像の解析に基づいて所与のレベルの母集団の数を、容易に取得し得る。
【0024】
上述のように細胞分析結果のデータを処理した後に、システムは、データをユーザに表示し得る。例えば、システムは、変換された段階的画像をユーザに表示し得、その結果として、ユーザは、処理された細胞分析結果データをテンプレートデータとともに、同一画像内で見ることができる。これによって、ユーザは、処理された細胞分析結果のデータがどのようにテンプレートデータと比較されるかを視覚的に確認することが可能となる。このデータは、システムによって計算された測定された類似性を表すスコアに加えて提供される。さらに、システムは、処理された標的試料データとテンプレートデータとをユーザの確認用に表示し得る。処理された標的試料データは、テンプレートデータの表示属性と異なる表示属性を使用して表示され得る。例えば、処理された標的試料データは、例えば、1つの色、質感、明るさ、などで表示され得るが、一方でテンプレートデータは、例えば、異なる色、質感、明るさ、などで表示され、その結果として、ユーザは2つのデータセットをより容易に区別し得る。代替案として、ユーザは、テンプレートの表示をオンまたはオフになし得る。
【0025】
代替案として、表示は、細胞分析結果のデータのオリジナルヒストグラムデータを含んで、ユーザに提示され得る。
【0026】
(表示)
図6(a)および図6(b)は、図4に記載されたプロセスの完了時点で、ユーザに提供される例示的な表示を示す。図6(a)〜図6(b)は、処理された細胞分析結果のデータとテンプレートデータとの間のテンプレート照合を示す。桃色の影領域は、正常試料テンプレートの位置を示し、黒色の点は、処理された細胞分析結果のデータを表す。図6(a)は、正常試料であることを示す、高い照合スコアを有する試料を示す。図6(b)は、異常試料であることを示す、低い照合スコアを有する試料を示す。
【0027】
(テンプレートデータ)
システム100の中で使用されるテンプレートデータは、標準テンプレートデータであり得、または医師によってカスタマイズされ得る。テンプレートデータは、正常かつ健全な試料、または異常試料を表し得る。標準テンプレートデータは、数千もの試料を使用して、意図的に選択および処理され得るデータである。さらに、本テンプレートを使用することによって、ノイズおよびバイアスが除去され得、最終的に、任意のユーザによって集約されるものよりも一層客観的となる。さらに、1つの解析の中の各変数に対する異なるテンプレートデータが存在し得、多変量または多重パラメータ解析を提供する。加えて、標的試料データと比較するためのより多くのデータを提供するために、一次元、二次元、または三次元形式を表す、異なるテンプレートが存在し得る。本発明に従ったテンプレートデータを提供するために、現在の患者試料または標的試料から複数の特異的疾患テンプレートを取得することが可能である。
【0028】
本明細書で論じられたように、テンプレートデータを提供することによって、例えば、ディスプレイに表示され得る特別なグラフィックパターンに基づいて標的試料の異常性を識別するために、標的試料がテンプレートと比較され得る。これらの異常性は、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性リンパ球性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性骨髄性白血病(AML)、例えば、サラセミア(Thalassemia)などの、ヘモグロビン異常、鎌状赤血球発症、などを含み得る。
【0029】
(結論)
本明細書の検討および本明細書に開示された本発明の実践から、本発明の修正および適応が、当業者には明らかとなる。本発明の実装に関する上述の記述は、例示および説明を目的として提示されたものである。それは、包括的ではなく、また本発明を開示されたままの形式に限定するものではない。修正および変形例が、上述の教示に照らして可能であり、または本発明の実践から得られ得る。例えば、記載された実装はソフトウェアを含むが、しかし、本発明に一致するシステムおよび方法は、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせとして、またはハードウェア単独として実装され得る。
【0030】
加えて、本発明の局面は、メモリ内に格納されるように記載されているが、当業者は、これらの局面はまた、例えばハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、またはCD−ROMの二次記憶装置、インターネットまたは他の伝搬媒体、あるいは他の形式のRAMまたはROMのような、他の種類のコンピュータ可読媒体にも格納され得ることを理解する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、本発明の一部の実施形態の原理と一致する、システムおよび方法が実装され得るシステム環境の例示的な概略図である。
【図2】図2は、本発明の一部の実施形態の原理と一致する、コンピュータの主要構成要素の例示的な概略図である。
【図3】図3は、本発明の一部の実施形態の原理と一致する、サーバの構成要素の例示的な概略図である。
【図4】図4は、本発明の一部の実施形態の原理と一致する、コンピュータによって実行されるステップの例示的な流れ図を示す。
【図5】図5(a)および図5(b)は、本発明の一部の実施形態の原理と一致する、オリジナルヒストグラム画像と変換された段階的画像との間の、類似性測定値を比較する例示的な表示を示す。
【図6】図6(a)および図6(b)は、本発明の一部の実施形態の原理と一致する、ユーザに提供される例示的な表示を示す。
【図7】図7は、本発明の一部の実施形態の原理と一致する、コンピュータによって実行されるステップを示す例示的な流れ図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞分析結果のデータを表す画像データを処理する方法であって、
画像データにアクセスするステップと、
該画像データに基づいて、濃度ヒストグラムを生成するステップと、
該濃度ヒストグラムを段階的画像に変換するステップと、
類似性を測定するために、該段階的画像と基準画像との間の正規化相互相関を実行するステップと、
該測定された類似性に基づいて、異常性を判断するステップと、
を包含する、方法。
【請求項2】
前記濃度ヒストグラムを生成するステップは、前記画像データを均一化するために、濃度補償関数を生成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記濃度ヒストグラムを変換するステップは、前記均一化された画像データを閾値化するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記濃度ヒストグラムを生成するステップは、前記アクセスされた画像データを低域通過フィルタリングするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記異常性は、所定の閾値を下回る前記測定された類似性に基づいて判断される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記基準画像は、複数の異常パターンを表す複数の基準画像を含むデータベースからアクセスされる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記段階的画像、パターン変化の予測、および前記測定された類似性に基づいて、該段階的画像のパターンを識別するためにフラグ付与プロセスが実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記段階的画像および前記基準画像は、1つのディスプレイ上に表示され、該段階的画像は第1の表示属性を使用して表示され、該基準画像は第2の表示属性を使用して表示される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
細胞分析結果のデータを表す画像データを処理するシステムであって、該システムは、
命令を格納するメモリと、
方法を実施するために、該命令を実行するプロセッサと、
を備え、該方法は、
画像データにアクセスするステップと、
該画像データに基づいて、濃度ヒストグラムを生成するステップと、
該濃度ヒストグラムを段階的画像に変換するステップと、
類似性を測定するために、該段階的画像と基準画像との間の正規化相互相関を実行するステップと、
該測定された類似性に基づいて、異常性を判断するステップと、
を備える、
システム。
【請求項10】
前記濃度ヒストグラムを生成するステップは、前記画像データを均一化するために、濃度補償関数を生成するステップを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記濃度ヒストグラムを変換するステップは、前記均一化された画像データを閾値化するステップを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記濃度ヒストグラムを生成するステップは、前記アクセスされた画像データを低域通過フィルタリングするステップを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記異常性は、所定の閾値を下回る前記測定された類似性に基づいて判断される、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記基準画像は、複数の異常パターンを表す複数の基準画像を含むデータベースからアクセスされる、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記段階的画像、パターン変化の予測、および前記測定された類似性に基づいて、該段階的画像のパターンを識別するためにフラグ付与プロセスが実行される、請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
前記段階的画像および前記基準画像は、1つのディスプレイ上に表示され、該段階的画像は第1の表示属性を使用して表示され、該基準画像は第2の表示属性を使用して表示される、請求項9に記載のシステム。
【請求項17】
細胞分析結果のデータを表す画像データを処理する方法を実施するための、プロセッサによって実行される命令を格納するためのコンピュータ可読媒体であって、該方法は、
画像データにアクセスするステップと、
該画像データに基づいて、濃度ヒストグラムを生成するステップと、
該濃度ヒストグラムを段階的画像に変換するステップと、
類似性を測定するために、該段階的画像と基準画像との間の正規化相互相関を実行するステップと、
該測定された類似性に基づいて、異常性を判断するステップと、
を包含する、
コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記濃度ヒストグラムを生成するステップは、前記画像データを均一化するために、濃度補償関数を生成するステップを含む、請求項17に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記濃度ヒストグラムを変換するステップは、前記均一化された画像データを閾値化するステップを含む、請求項18に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記濃度ヒストグラムを生成するステップは、前記アクセスされた画像データを低域通過フィルタリングするステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記異常性は、所定の閾値を下回る前記測定された類似性に基づいて判断される、請求項17に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項22】
前記基準画像は、複数の異常パターンを表す複数の基準画像を含むデータベースからアクセスされる、請求項17に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項23】
前記段階的画像、パターン変化の予測、および前記測定された類似性に基づいて、該段階的画像のパターンを識別するためにフラグ付与プロセスが実行される、請求項17に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項24】
前記段階的画像および前記基準画像は、1つのディスプレイ上に表示され、該段階的画像は第1の表示属性を使用して表示され、該基準画像は第2の表示属性を使用して表示される、請求項17に記載のコンピュータ可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6(A)】
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【図6(B)】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−534664(P2009−534664A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506668(P2009−506668)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際出願番号】PCT/US2007/065494
【国際公開番号】WO2007/124234
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(507316789)ベックマン コールター, インコーポレイテッド (34)
【Fターム(参考)】