説明

組成物

【課題】化粧料などに好適な、下記成分を含有する組成物を提供する。
【解決手段】1)下記一般式(1)に表される化合物と、2)下記一般式(2)に表される化合物を含有することを特徴とする組成物。


(1)[Aは、無置換又は置換基を有する、アリ−ル基及び複素芳香族環より選ばれるジ又はトリ芳香族メチル基を表し、Bは、Aとの結合部位が複素原子である、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子で置換されていてもよい環状又は非環状の脂肪族又は芳香族炭化水素基を表す。]


(2)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色素沈着の予防又は改善用に好適な組成物に関し、詳しくは、下記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)下記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩とを含有することを特徴とする、皮膚外用剤に関する。
【0002】
【化1】

(1)
[式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基及び/又は無置換又は置換基を有する複素芳香族環よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリ芳香族メチル基を表し、Bは、Aとの結合部位が複素原子である、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい環状又は非環状の脂肪族又は芳香族炭化水素基を表す。]
【化2】

(2)
[式中、R1は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R2は、水素原子、無置換又は置換基を有する芳香族基、無置換又は置換基を有する芳香族基により置換されていてもよい炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、R3は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、nは、1又は2の整数、mは、0〜3の整数を表す。]
【背景技術】
【0003】
シワ、しみ、たるみ等の皮膚症状は、温度変化、紫外線及び化学物質暴露などの物理的刺激の蓄積に加え、遺伝的要因により加齢と共に顕在化する。この様な皮膚症状は、他人が抱く見た目の印象に大きく影響を与えるため、人々にとって肌の美観を美しく保つことは重要な関心事である。これらの皮膚症状の内、しみ、くすみ、そばかす、日焼け後の色素沈着などの皮膚症状は、皮膚に存在する色素細胞(メラノサイト)の活性化によりメラニン産生が著しく亢進することにより生じることが明らかにされている。また、メラノサイトにおけるメラニン産生亢進が慢性化することにより、ケラチノサイトへのメラニンの過剰輸送、蓄積及び排出遅延などの現象が起こり、通常のしみ、くすみなどに比較し治り難いしみ、くすみの形成、重層剥離等の肌症状を伴う色素沈着などの肌症状の悪化を伴う色素沈着異常などの皮膚症状が生じる。この様なメラニン産生が関与する色素沈着異常の予防又は改善を目的とし、様々な美白成分の研究開発がなされている。かかる美白成分としては、例えば、アスコルビン酸、過酸化水素、コロイド硫黄、グルタチオン、ハイドロキノン、カテコ−ル類などが知られ、これらを有効成分として配合した皮膚外用剤も広く使用されている(例えば、非特許文献1及び非特許文献2を参照)。また、これらの美白成分が有する作用機序は多岐に渡り、メラニン産生抑制剤(例えば、特許文献1を参照)、チロシナ−ゼ酵素阻害剤(例えば、特許文献2を参照)、チロシナ−ゼ酵素遺伝子発現抑制剤、α−MSH阻害剤(例えば、特許文献3を参照)、抗酸化剤等が報告されている。しかしながら、従来の美白剤には、安全性又は安定性に課題を有するものも存する。また、前記の美白成分は、通常の日焼けなどの色素沈着に対する予防又は改善に付いては、望ましい効果が得られているが、前述したケラチノサイトへのメラニンの過剰輸送、蓄積及び排出遅延等により生じる肌症状の悪化を伴う色素沈着異常、治り難いしみ、くすみなどに対しては、従来の美白剤の効果は十分であるとは言い難いために、新たな美白剤の登場が切望されている。
【0004】
立体的に嵩高い芳香族基又は複素芳香族基、取り分け、ジフェニルメチル基またはトリフェニルメチル基は、有機低分子化合物、ペプチド及び核酸合成における水酸基またはアミノ基の有効な保護基として広く知られている(例えば、非特許文献3及び非特許文献4を参照)。これらの保護基を利用した反応及び中間化合物(例えば、非特許文献5及び非特許文献6を参照)は、実験室から工業生産までの幅広いスケ−ルにおける有機合成に応用されている。また、その化学構造中に前記の立体的に嵩高い置換基を有する化合物に付いては、抗腫瘍活性(例えば、非特許文献5を参照)、抗真菌作用(例えば、特許文献4を参照)、抗ヒスタミン作用(例えば、非特許文献6を参照)、ドパミン取り込み阻害作用(例えば、非特許文献7を参照)、カルシウム拮抗作用(例えば、非特許文献8を参照)等の生物活性を示すことが報告されている。しかしながら、前記一般式(1)に表される化合物が、メラニン産生抑制作用、美白作用を有すること、さらには、前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に組成物中に含有させることにより色素沈着に対する予防又は改善作用が増強されることは全く知られていなかった。
【0005】
一方、生体を構成する必須アミノ酸を含む側鎖の異なる20種類のα−アミノ酸には、様々な生物活性が知られている。特に、前記のα−アミノ酸の内、メチオニン、システイン、更には、それらの誘導体に付いては、その化学構造中に硫黄原子が存するために、他のα−アミノ酸とは異なる特徴的な生物活性が期待され、注目を浴びている。実際、メチオニンのアシル化誘導体には、抗酸化作用(例えば、特許文献5を参照)、メチオニンを含むジペプチドには、美白作用(例えば、特許文献6を参照)等が知られている。また、システインの硫黄原子が酸化されたシステイン酸、その誘導体であるホモシステイン酸に付いては、生体内における代謝物として注目され、システイン酸及びホモシステイン酸には、毛髪のはり、こし改善作用(例えば、特許文献7を参照)等が存することが知られている。さらに、システイン酸及びホモシステイン酸誘導体に付いては、窒素原子上に水素原子、直鎖又は分岐のアルキル又はアルケニル基を有する誘導体に、皮膚剥離若しくは表皮更新作用(例えば、特許文献8を参照)等が存することが報告されている。しかしながら、システイン酸及びホモシステイン酸の窒素原子が芳香族基を有する脂肪族炭化水素基により置換された化合物に関しては、化合物自身が新規化合物であるため、その生物活性及び構造活性相関は全く知られていない。加えて、前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、美白作用を有すること、さらには、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に組成物中に含有させることにより、色素沈着に対する予防又は改善作用が増強されることは全く知られていなかった。前記一般式(2)に表される化合物は、皮膚外用剤等の組成物に配合した場合にも分解等による異臭がなく、製剤化に用いる媒体、取り分け、水溶性媒体への溶解性が極めてよく、化合物及び製剤形態においても非常に安定であるため、化粧料等への汎用性に優れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−208073号公報
【特許文献2】特開2009−196895号公報
【特許文献3】特開2001−220347号公報
【特許文献4】特開平09−255634号公報
【特許文献5】特開2006−052152号公報
【特許文献6】特開1993−032533号公報
【特許文献7】特開2006−143649号公報
【特許文献8】特開平09−110627号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】武田克之ら監修、「化粧品の有用性、評価技術と将来展望」、薬事日報社刊(2001年)
【非特許文献2】大森敬之、FRAGRANCE JOURNAL 臨時増刊、No.14、1995、 118−126
【非特許文献3】Theodora W. Green、Protective Groups in Organic Synthesis、A Wiley-Interscience Publication.: 1981、 P173−176 and P273−274
【非特許文献4】泉屋信夫、加藤哲夫、青柳東彦、脇道典、ペプチド合成の基礎と実験: 丸善株式会社、 昭和60年、 P38
【非特許文献5】Naohisa Ogo et. Al.、Bioorganic & Medicinal Chemistry、17(4)、3921−3924(2007)
【非特許文献6】Sasse A., et. al.、Bioorganic & Medicinal Chemistry、8(5)、1139−1149(2000)
【非特許文献7】Dutta AK. et. al.、Bioorganic & Medicinal Chemistry、11(17)、2337−2340(2001)
【非特許文献8】Shanklin JR Jr., et al.、 J. Med. Chem.、34(10)、3011−3022(1991)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、この様な状況下に為されたものであり、紫外線暴露等による色素沈着の予防又は改善用、取り分け、ケラチノサイトにおけるメラニンの過剰輸送、蓄積及び排出遅延等により生じる治り難いしみ、くすみ、並びに、肌荒れ症状を伴う色素沈着に対する予防は改善用に好適な皮膚外用剤などの組成物を提供することを課題とする。
【0009】
この様な状況に鑑みて、本発明者等は、紫外線暴露による色素沈着異常の予防又は改善用、取り分け、ケラチノサイトにおけるメラニンの過剰輸送、蓄積及び排出遅延等により生じる治り難いしみ、くすみ、肌荒れ症状を伴う色素沈着に対する予防は改善用に好適な皮膚外用剤などの組成物を求め鋭意努力を重ねた結果、1)前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩とを含有する組成物に、その様な特性が備わっていることを見出し、本発明を完成させるに至った。また、前記のしみ、くすみ、肌荒れ症状を伴う色素沈着を呈する人は、角層細胞を採取した場合にメラニン存在量が多く人であるといえ、この様な人を対象とするのに好適な組成物であるともいえる。即ち、本発明は、以下に示す通りである。
<1> 1)下記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)下記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩とを含有することを特徴とする、組成物。
【0010】
【化1】

(1)
[式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基及び/又は無置換又は置換基を有する複素芳香族環よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリ芳香族メチル基を表し、Bは、Aとの結合部位が複素原子である、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい環状又は非環状の脂肪族又は芳香族炭化水素基を表す。]
【0011】
【化2】

(2)
[式中、R1は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R2は、水素原子、無置換又は置換基を有する芳香族基、無置換又は置換基を有する芳香族基により置換されていてもよい炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、R3は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、nは、1又は2の整数、mは、0〜3の整数を表す。]
<2> 前記一般式(1)に表される化合物が、下記一般式(3)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>に記載の組成物。
【0012】
【化3】

(3)
[式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、Bは、Aとの結合部位が複素原子である、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい環状又は非環状の脂肪族又は芳香族炭化水素基を表す。]
【0013】
<3> 前記一般式(2)に表される化合物が、下記一般式(3)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>又は<2>に記載の組成物。
【0014】
【化4】

(4)
[式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、Xは、窒素原子を表し、R4は、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子で置換されていてもよい炭素数3〜8の環状脂肪族炭化水素基を表し、前記環状脂肪族炭化水素基の環は、R4のもう一方の末端がXに再び結合して形成された環も包含する]
【0015】
<4> 前記一般式(2)に表される化合物が、下記一般式(5)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>又は<2>に記載の組成物。
【0016】
【化5】

(5)
[式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、Xは、酸素原子、R5は、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子に置換されていてもよい炭素数1〜8の脂肪族炭化水素を表す]
【0017】
<5> 前記一般式(2)に表される化合物が、下記一般式(6)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>又は<2>に記載の組成物。
【0018】
【化6】

(6)
[式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、Xは、窒素原子を表し、R6及びR7は、それぞれ独立に、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子に置換されていてもよい炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基を表す。]
【0019】
<6> 前記一般式(2)に表される化合物が、下記一般式(7)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>又は<2>に記載の組成物。
【0020】
【化7】

(7)
[式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群よりそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、Xは窒素原子、R8は、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子で置換されていてもよい炭素数3〜8の芳香族炭化水素基を表し、前記芳香族炭化水素基は、Xが環内に存在する基も包含する。]
【0021】
<7> 前記一般式(1)に表される化合物が、1−(ジフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物1)、1−(トリフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物2)、2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物3)、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物4)、2−[(ジフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物5)、2−[(トリフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物6)、2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物7)、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物8)、1−(ジフェニルメチル)ピロリジン(化合物9)、1−(トリフェニルメチル)ピロリジン(化合物10)、1−(ジフェニルメチル)ピペリジン(化合物11)、1−(トリフェニルメチル)ピペリジン(化合物12)及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする、<1>〜<6>の何れか一項に記載の組成物。
【0022】
【化8】

1−(ジフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物1)
【0023】
【化9】

1−(トリフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物2)、
【0024】
【化10】

2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物3)
【0025】
【化11】

2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物4)
【0026】
【化12】

2−[(ジフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物5)
【0027】
【化13】

2−[(トリフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物6)
【0028】
【化14】

2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物7)
【0029】
【化15】

2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物8)
【0030】
【化16】

1−(ジフェニルメチル)ピロリジン(化合物9)
【0031】
【化17】

1−(トリフェニルメチル)ピロリジン(化合物10)
【0032】
【化18】

1−(ジフェニルメチル)ピペリジン(化合物11)
【0033】
【化19】

1−(トリフェニルメチル)ピペリジン(化合物12)
【0034】
<8> 前記一般式(2)に表される化合物が、下記一般式(8)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>〜<7>の何れか一項に記載の組成物。
【0035】
【化20】

(8)
[式中、R9は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R10は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、nは、1又は2の整数、mは、0〜3の整数を表す。]
【0036】
<9> 前記一般式(8)に表される化合物が、下記一般式(9)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>〜<8>の何れか一項に記載の組成物。
【0037】
【化21】

(9)
[式中、R11は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R12は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、nは、1又は2の整数を表す。]
【0038】
<10> 前記一般式(9)に表される化合物が、下記一般式(10)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>〜<9>の何れか一項に記載の組成物。
【0039】
【化22】

(10)
[式中、R13は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R14は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表す。]
【0040】
<11> 前記一般式(2)、(8)〜(10)に表される化合物が、N−(o−トルイル)システイン酸(化合物13)、N−(m−トルイル)システイン酸(化合物14)、N−(p−トルイル)システイン酸(化合物15)、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物16)、(N−ビフェニルカルボニル)システイン酸(化合物17)、N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物18)、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>〜<10>の何れか一項に記載の組成物。
【0041】
【化23】

N−(o−トルイル)システイン酸(化合物13)
【0042】
【化24】

N−(m−トルイル)システイン酸(化合物14)
【0043】
【化25】

N−(p−トルイル)システイン酸(化合物15)
【0044】
【化26】

N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物16)
【0045】
【化27】

(N−ビフェニルカルボニル)システイン酸(化合物17)
【0046】
【化28】

N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物18)
【0047】
<12> 前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、組成物全量に対し、0.001質量%〜10質量%含有することを特徴とする、<1>〜<11>の何れか一項に記載の組成物。
<13> 前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、組成物全量に対し、0.0001質量%〜20質量%含有することを特徴とする、<1>〜<12>の何れか一項に記載の組成物。
<14> 化粧料(但し、医薬部外品を含む)であることを特徴とする、<1>〜<13>の何れか一項に記載の組成物。
<15> 美白用であることを特徴とする、<1>〜<14>の何れか一項に記載の組成物。
<16> 紫外線暴露による色素沈着の予防又は改善用であることを特徴とする、<1>〜<15>の何れか一項に記載の組成物。
<17> メラニン過剰産生により生じる角化細胞の細胞不活性化が関与する色素沈着予防又は改善用であることを特徴とする、<1>〜<16>の何れか一項に記載の組成物。
<18> 皮膚外用剤であることを特徴とする、<1>〜<17>の何れか一項に記載の組成物。
<19> 1)前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩とを含有することを特徴とする、<18>に記載の皮膚外用剤。
<20> 前記一般式(1)に表される化合物が、前記化合物1〜12に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<18>又は<19>に記載の皮膚外用剤。
<21> 前記一般式(2)に表される化合物が、前記化合物13〜18に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<18>〜<20>に記載の皮膚外用剤。
<22> 前記一般式(1)に表される化合物が、1−(トリフェニルメチル)ピペリジン(化合物12)及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であること、前記一般式(2)に表される化合物が、N−(p−トルイル)システイン酸(化合物15)、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<18>〜<21>に記載の皮膚外用剤。
<23> さらに、皮膚外用剤の製剤成分として好ましい成分を含有することを特徴とする、<18>〜<22>の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
【発明を実施するための形態】
【0048】
<本発明の前記一般式(1)に表される化合物>
本発明の組成物は、1)前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩とを含有することを特徴とする。前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に組成物に含有させることにより、優れた美白作用、より好ましくは、紫外線暴露による色素沈着の予防又は改善作用、さらに好ましくは、メラニン産生亢進により生じる角化細胞(ケラチノサイト)の細胞不活性化が関与する色素沈着に対する予防又は改善作用を発揮する。本発明の前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、前記の美白作用を有する成分であれば特段の限定なく適応することが出来る。色素細胞(メラノサイト)においては、紫外線暴露等の物理的刺激により、メラニン産生が亢進され、色素沈着による日焼け、しみ、くすみなどが形成される。さらに、紫外線暴露などの刺激が過剰又は慢性的である場合には、メラノサイトにおけるメラニン産生亢進、さらには、ケラチノサイトへのメラニンの過剰輸送、蓄積及び排出遅延などの現象が生じ、その結果、ケラチノサイトの細胞機能不活性化、タ−ンオ−バ−の遅延等のダメ−ジが与えられ、治り難いしみ、くすみ、又は、重層剥離などの肌荒れ症状を伴う色素沈着異常が発生する。この様な、紫外線暴露などの刺激が過剰又は慢性化することにより生じる色素沈着異常が生じている人においては、角層標本を作製した場合には、有核細胞の出現率が平均に比べ高く、皮膚の重層剥離等の皮膚症状が観察される。このため、本発明の組成物は、前記の皮膚症状を呈する人を対象に使用することが特に好ましく、角層標本の作製による有核細胞の出現率、皮膚の重層剥離等の皮膚症状の観察による症状を指標とし、投与する対象を設定することが好ましい。
【0049】
ここで前記一般式(1)に表される化合物に付いて述べれば、式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基及び/又は無置換又は置換基を有する複素芳香族環よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリ芳香族メチル基を表し、Bは、Aとの結合部位が複素原子である、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい環状又は非環状の脂肪族又は芳香族炭化水素基を表す。前記Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基及び/又は無置換又は置換基を有する複素芳香族環よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリ芳香族メチル基を表し、前記Aの無置換又は置換基を有するアリ−ル基及び/又は無置換又は置換基を有する複素芳香族環におけるアリ−ル基又は複素芳香族環に関し具体例を挙げれば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ピリジル基、フリル基、チエニル基、チアゾリル基、イミダゾ−ル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルアミノフェニル基、N−エチルアミノフェニル基、N−プロピルアミノフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、N,N−ジプロピルアミノフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、メチルピリジル基、エチルピリジル基、プロピルピリジル基、メトキシピリジル基、エトキシピリジル基、プロピルオキシピリジル基、ヒドロキシピリジル基、アミノピリジル基、N−メチルアミノピリジル基、N−エチルアミノピリジル基、N−プロピルアミノピリジル基、N,N−ジメチルアミノピリジル基、N,N−ジエチルアミノピリジル基、N,N−ジプロピルアミノピリジル基、フルオロピリジル基、ジフルオロピリジル基、トリフルオロメチルピリジル基、クロロピリジル基、ブロモピリジル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、プロピルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基、プロピルオキシナフチル基、ヒドロキシナフチル基、アミノナフチル基、N−メチルアミノナフチル基、N−エチルアミノナフチル基、N−プロピルアミノナフチル基、N,N−ジメチルアミノナフチル基、N,N−ジエチルアミノナフチル基、N,N−ジプロピルアミノナフチル基、フルオロナフチル基、ジフルオロナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基、イミダゾ−ル基、メチルイミダゾ−ル基、エチルイミダゾ−ル基、プロピルイミダゾ−ル基、メトキシイミダゾ−ル基、エトキシイミダゾ−ル基、プロピルオキシイミダゾ−ル基、ヒドロキシイミダゾ−ル基、アミノイミダゾ−ル基、N−メチルアミノイミダゾ−ル基、N−エチルアミノイミダゾ−ル基、N−プロピルアミノイミダゾ−ル基、N,N−ジメチルアミノイミダゾ−ル基、N,N−ジエチルアミノイミダゾ−ル基、N,N−ジプロピルアミノイミダゾ−ル基、フルオロイミダゾ−ル基、ジフルオロイミダゾ−ル基、トリフルオロメチルイミダゾ−ル基、クロロイミダゾ−ル基、ブロモイミダゾ−ル基等が好適に例示出来、より好ましくは、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が好適に例示出来る。
前記Bは、Aとの結合部位が複素原子である、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい環状又は非環状の脂肪族又は芳香族炭化水素基を表し、具体例を挙げれば、水酸基、アミノ基、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数3〜8の環状脂肪族炭化水素基を有するモノ又はジ置換アミノ基、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数3〜8の環状脂肪族炭化水素基を有するアルキルオキシ基、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数1〜8、より好ましくは、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を有するモノ又はジアルキル置換アミノ基、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数1〜8、より好ましくは、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を有するアルキルオキシ基、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数3〜8の芳香族炭化水素基を有するモノ又はジ置換アミノ基、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数3〜8の芳香族炭化水素基を有するアルキルオキシ基を表す。尚、前記Bが、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数3〜8の環状脂肪族炭化水素基を有するジ置換アミノ基、又は、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数3〜8の芳香族炭化水素基を有するジ置換アミノ基を表す場合には、環状脂肪族炭化水素基又は芳香族基の環に、AとBとの接合部位の複素原子が含まれた構造も包含する。
前記一般式(1)に表される化合物の内、より好ましいものとしては、前記一般式(3)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましいものとしては、前記一般式(4)〜(7)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。前記一般式(1)に表される化合物の内、前記一般式(3)〜(7)に表される化合物に含まれない化合物を具体的に例示すれば、1−[フェニル(ピリジル)メチル]イミダゾ−ル、1−(ジピリジルメチル)イミダゾ−ル、1−[ジフェニル(ピリジル)メチル]イミダゾ−ル、1−[(ジピリジル)フェニルメチル]イミダゾ−ル、1−(トリピリジルメチル)イミダゾ−ル、2−{[フェニル(ピリジル)メチル]オキシ}エタノ−ル、2−[(ジピリジルメチル)オキシ]エタノ−ル、2−{[ジフェニル(ピリジル)メチル]オキシ}エタノ−ル、2−{[ジピリジル(フェニル)メチル]オキシ}エタノ−ル、2−[(トリピリジルメチル)オキシ]エタノ−ル、2−{[フェニル(ピリジル)メチル]アミノ}エタノ−ル、2−[(ジピリジルメチル)アミノ]エタノ−ル、2−{[ジフェニル(ピリジル)メチル]アミノ}エタノ−ル、2−{[ジピリジル(フェニル)メチル]アミノ}エタノ−ル、2−[(トリピリジルメチル)アミノ]エタノ−ル、2−{[フェニル(ピリジル)メチル]オキシ}エチルアミン、2−[(ジピリジルメチル)オキシ]エチルアミン、2−{[ジフェニル(ピリジル)メチル]オキシ}エチルアミン、2−{[ジピリジル(フェニル)メチル]オキシ}エチルアミン、2−[(トリピリジルメチル)オキシ]エチルアミン、1−[フェニル(ピリジル)メチル]ピロリジン、1−(ジピリジルメチル)ピロリジン、1−[ジフェニル(ピリジル)メチル]ピロリジン、1−[(ジピリジル)フェニルメチル]ピロリジン、1−(トリピリジルメチル)ピロリジン、1−[フェニル(ピリジル)メチル]ピペリジン、1−(ジピリジルメチル)ピペリジン、1−[ジフェニル(ピリジル)メチル]ピペリジン、1−[(ジピリジル)フェニルメチル]ピペリジン、1−(トリピリジルメチル)ピペリジン及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩等が好適に例示出来る。また、前記一般式(1)に表される化合物の内、好ましいものを具体的に例示すれば、1−(ジフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物1)、1−(トリフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物2)、2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物3)、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物4)、2−[(ジフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物5)、2−[(トリフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物6)、2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物7)、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物8)、1−(ジフェニルメチル)ピロリジン(化合物9)、1−(トリフェニルメチル)ピロリジン(化合物10)、1−(ジフェニルメチル)ピペリジン(化合物11)、1−(トリフェニルメチル)ピペリジン(化合物12)及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。かかる化合物は、後述する前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に組成物中に含有させることにより、優れた美白作用を発揮する。また、かかる化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、優れた安全性、安定性を有し、組成物に安定、且つ、安全に含有させることが出来る。
【0050】
ここで前記一般式(3)に表される化合物に付いて述べれば、式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、Bは、Aとの結合部位が複素原子である、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子で置換されていてもよい環状又は非環状の脂肪族又は芳香族炭化水素基を表す。前記のAにおける無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基のアリ−ル基に関し、好ましいものを具体例に挙げれば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルアミノフェニル基、N−エチルアミノフェニル基、N−プロピルアミノフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、N,N−ジプロピルアミノフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、プロピルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基、プロピルオキシナフチル基、ヒドロキシナフチル基、アミノナフチル基、N−メチルアミノナフチル基、N−エチルアミノナフチル基、N−プロピルアミノナフチル基、N,N−ジメチルアミノナフチル基、N,N−ジエチルアミノナフチル基、N,N−ジプロピルアミノナフチル基、フルオロナフチル基、ジフルオロナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ナフチル基が好適に例示出来る。前記Bは、Aとの結合部位が複素原子である、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい環状又は非環状の脂肪族又は芳香族炭化水素基を表し、具体例を挙げれば、水酸基、アミノ基、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数3〜8の環状脂肪族炭化水素基を有するモノ又はジ置換アミノ基、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数3〜8の環状脂肪族炭化水素基を有するアルキルオキシ基、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数1〜8、より好ましくは、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を有するモノ又はジアルキル置換アミノ基、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数1〜8、より好ましくは、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を有するアルキルオキシ基、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数3〜8の芳香族炭化水素基を有するモノ又はジ置換アミノ基、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数3〜8の芳香族炭化水素基を有するアルキルオキシ基を表す。尚、前記Bが、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数3〜8の環状脂肪族炭化水素基を有するジ置換アミノ基、又は、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数3〜8の芳香族炭化水素基を有するジ置換アミノ基を表す場合には、環状脂肪族炭化水素基又は芳香族基の環に、AとBとの接合部位の複素原子が含まれた構造も包含する。
前記一般式(3)に表される化合物の内、より好ましいものとしては、前記一般式(4)〜(7)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましい化合物を具体的に例示すれば、1−(ジフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物1)、1−(トリフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物2)、2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物3)、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物4)、2−[(ジフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物5)、2−[(トリフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物6)、2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物7)、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物8)、1−(ジフェニルメチル)ピロリジン(化合物9)、1−(トリフェニルメチル)ピロリジン(化合物10)、1−(ジフェニルメチル)ピペリジン(化合物11)、1−(トリフェニルメチル)ピペリジン(化合物12)及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。かかる化合物は、後述する前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に組成物中に含有させることにより、優れた美白作用を発揮する。また、かかる化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、優れた安全性、安定性を有し、組成物に安定、且つ、安全に含有させることが出来る。
【0051】
ここで前記一般式(4)に表される化合物に付いて述べれば、式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、Xは、窒素原子を表し、R4は、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子で置換されていてもよい炭素数3〜8の環状脂肪族炭化水素基を表し、前記環状脂肪族炭化水素基の環は、R4のもう一方の末端がXに再び結合して形成された環も包含する。
前記Aにおける無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリ芳香族メチル基のアリ−ル基に関し、好ましいものを具体的に例示すれば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルアミノフェニル基、N−エチルアミノフェニル基、N−プロピルアミノフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、N,N−ジプロピルアミノフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、プロピルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基、プロピルオキシナフチル基、ヒドロキシナフチル基、アミノナフチル基、N−メチルアミノナフチル基、N−エチルアミノナフチル基、N−プロピルアミノナフチル基、N,N−ジメチルアミノナフチル基、N,N−ジエチルアミノナフチル基、N,N−ジプロピルアミノナフチル基、フルオロナフチル基、ジフルオロナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ナフチル基等が好適に例示出来る。前記Xは、窒素原子を表す。
前記R4は、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子で置換されていてもよい炭素数3〜8の環状脂肪族炭化水素基を表し、前記環状脂肪族炭化水素基の環は、R1のもう一方の末端がXに再び結合して形成された環も包含する。前記R4に関し、好ましいものを具体的に例示すれば、N−シクロプロピル基、N−シクロブチル基、N−シクロペンチル基、N−シクロヘキシル基、N−シクロヘプチル基、N−シクロオクチル基、スクシンイミド基等が好適に例示出来る。また、環状脂肪族炭化水素基の環が、R4のもう一方の末端がXに再び結合し形成された環構造を有する置換基(前記X部分を含む)としては、ピロリジノ基、メチルピロリジノ基、エチルピロリジノ基、プロピルピロリジノ基、メトキシピロリジノ基、エトキシピロリジノ基、プロピルオキシピロリジノ基、ヒドロキシピロリジノ基、アミノピロリジノ基、N−メチルピロリジノ基、N−エチルピロリジノ基、N−プロピルピロリジノ基、N,N−ジメチルピロリジノ基、N,N−ジエチルピロリジノ基、N,N−ジプロピルピロリジノ基、フルオロピロリジノ基、ジフルオロピロリジノ基、トリフルオロメチルピロリジノ基、クロロピロリジノ基、ピペリジル基、メチルピペリジル基、エチルピペリジル基、プロピルピペリジル基、メトキシピペリジル基、エトキシピペリジル基、プロピルオキシピペリジル基、ヒドロキシピペリジル基、アミノピペリジル基、N−メチルピペリジル基、N−エチルピペリジル基、N−プロピルピペリジル基、N,N−ジメチルピペリジル基、N,N−ジエチルピペリジル基、N,N−ジプロピルピペリジル基、フルオロピペリジル基、ジフルオロピペリジル基、トリフルオロメチルピペリジル基、クロロピペリジル基、ピペラジル基、メチルピペラジル基、エチルピペラジル基、プロピルピペラジル基、メトキシピペラジル基、エトキシピペラジル基、プロピルオキシピペラジル基、ヒドロキシピペラジル基、アミノピペラジル基、N−メチルピペラジル基、N−エチルピペラジル基、N−プロピルピペラジル基、N,N−ジメチルピペラジル基、N,N−ジエチルピペラジル基、N,N−ジプロピルピペラジル基、フルオロピペラジル基、ジフルオロピペラジル基、トリフルオロメチルピペラジル基、クロロピペラジル基、モルホリノ基、メチルモルホリノ基、エチルモルホリノ基、プロピルモルホリノ基、メトキシモルホリノ基、エトキシモルホリノ基、プロピルオキシモルホリノ基、ヒドロキシモルホリノ基、アミノモルホリノ基、N−メチルモルホリノ基、N−エチルモルホリノ基、N−プロピルモルホリノ基、N,N−ジメチルモルホリノ基、N,N−ジエチルモルホリノ基、N,N−ジプロピルモルホリノ基、フルオロモルホリノ基、ジフルオロモルホリノ基、トリフルオロメチルモルホリノ基、クロロモルホリノ基等が好適に例示出来、より好ましくは、ピロリジル基、ピペリジル基、ピペラジル基、モルホリノ基等が好適に例示出来、より好ましくは、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基が好適に例示出来る。
前記一般式(4)に表される化合物の内、好ましいものを具体的に例示すれば、N−(ジフェニルメチル)スクシンイミド、N−[(メチルフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[ビス(メチルフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[(エチルフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[ビス(エチルフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[(メトキシフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[ビス(メトキシフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[(エトキシフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[ビス(エトキシフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[(フルオロフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[ビス(フルオロフェニル)メチル]スクシンイミド、N−(トリフェニルメチル)スクシンイミド、N−[ジフェニル(メチルフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[ビス(メチルフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[トリス(メチルフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[ジフェニル(エチルフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[ビス(エチルフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[トリス(エチルフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[ジフェニル(メトキシフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[ビス(メトキシフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[トリス(メトキシフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[ジフェニル(エトキシフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[ビス(エトキシフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[トリス(エトキシフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[ジフェニル(フルオロフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[ビス(フルオロフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[トリス(フルオロフェニル)メチル]スクシンイミド、1−(ジフェニルメチル)ピロリジン(化合物9)、1−[(メチルフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[ビス(メチルフェニル)メチル]ピロリジン、1−[(エチルフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[ビス(エチルフェニル)メチル]ピロリジン、1−[(メトキシフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[ビス(メトキシフェニル)メチル]ピロリジン、1−[(エチルフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[ビス(エチルフェニル)メチル]ピロリジン、1−[(ヒドロキシフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[ビス(ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン、1−[(アミノフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[ビス(アミノフェニル)メチル]ピロリジン、1−[(フルオロフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[ビス(フルオロフェニル)メチル]ピロリジン、1−[(クロロフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[ビス(クロロフェニル)メチル]ピロリジン、1−(トリフェニルメチル)ピロリジン(化合物10)、1−[ジフェニル(メチルフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ビス(メチルフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[トリス(メチルフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ジフェニル(エチルフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ビス(エチルフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[トリス(エチルフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ジフェニル(メトキシフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ビス(メトキシフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[トリス(メトキシフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ジフェニル(エトキシフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ビス(エトキシフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[トリス(エトキシフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ジフェニル(ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ビス(ヒドロキシフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[トリス(ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン、1−[(アミノフェニル)ジフェニルメチル]ピロリジン、1−[ビス(アミノフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[トリス(アミノフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ジフェニル(フルオロフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ビス(フルオロフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[トリス(フルオロフェニル)メチル]ピロリジン、1−(ジフェニルメチル)ピペリジン(化合物11)、1−[(メチルフェニル)フェニルメチル]ピぺリジン、1−[ビス(メチルフェニル)メチル]ピぺリジン、1−[(エチルフェニル)フェニルメチル]ピぺリジン、1−[ビス(エチルフェニル)メチル]ピぺリジン、1−[(メトキシフェニル)フェニルメチル]ピぺリジン、1−[ビス(メトキシフェニル)メチル]ピぺリジン、1−[(エチルフェニル)フェニルメチル]ピぺリジン、1−[ビス(エチルフェニル)メチル]ピぺリジン、1−[(ヒドロキシフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[ビス(ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン、1−[(アミノフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[ビス(アミノフェニル)メチル]ピペリジン、1−[(フルオロフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[ビス(フルオロフェニル)メチル]ピペリジン、1−[(クロロフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[ビス(クロロフェニル)メチル]ピペリジン、1−(トリフェニルメチル)ピペリジン(化合物12)、1−[ジフェニル(メチルフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ビス(メチルフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[トリス(メチルフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ジフェニル(エチルフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ビス(エチルフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[トリス(エチルフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ジフェニル(メトキシフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ビス(メトキシフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[トリス(メトキシフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ジフェニル(エトキシフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ビス(エトキシフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[トリス(エトキシフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ジフェニル(ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ビス(ヒドロキシフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[トリス(ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン、1−[(アミノフェニル)ジフェニルメチル]ピペリジン、1−[ビス(アミノフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[トリス(アミノフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ジフェニル(フルオロフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ビス(フルオロフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[トリス(フルオロフェニル)メチル]ピペリジン、1−(ジフェニルメチル)モルホリン、1−[(メチルフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[ビス(メチルフェニル)メチル]モルホリン、1−[(エチルフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[ビス(エチルフェニル)メチル]モルホリン、1−[(メトキシフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[ビス(メトキシフェニル)メチル]モルホリン、1−[(エチルフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[ビス(エチルフェニル)メチル]モルホリン、1−[(ヒドロキシフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[ビス(ヒドロキシフェニル)メチル]モルホリン、1−[(アミノフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[ビス(アミノフェニル)メチル]モルホリン、1−[(フルオロフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[ビス(フルオロフェニル)メチル]モルホリン、1−[(クロロフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[ビス(クロロフェニル)メチル]モルホリン、1−(トリフェニルメチル)モルホリン、1−[ジフェニル(メチルフェニル)メチル]モルホリン、1−[ビス(メチルフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[トリス(メチルフェニル)メチル]モルホリン、1−[ジフェニル(エチルフェニル)メチル]モルホリン、1−[ビス(エチルフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[トリス(エチルフェニル)メチル]モルホリン、1−[ジフェニル(メトキシフェニル)メチル]モルホリン、1−[ビス(メトキシフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[トリス(メトキシフェニル)メチル]モルホリン、1−[ジフェニル(エトキシフェニル)メチル]モルホリン、1−[ビス(エトキシフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[トリス(エトキシフェニル)メチル]モルホリン、1−[ジフェニル(ヒドロキシフェニル)メチル]モルホリン、1−[ビス(ヒドロキシフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[トリス(ヒドロキシフェニル)メチル]モルホリン、1−[(アミノフェニル)ジフェニルメチル]モルホリン、1−[ビス(アミノフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[トリス(アミノフェニル)メチル]モルホリン、1−[ジフェニル(フルオロフェニル)メチル]モルホリン、1−[ビス(フルオロフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[トリス(フルオロフェニル)メチル]モルホリン及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、より好ましいものとしては、1−(ジフェニルメチル)ピロリジン(化合物9)、1−(トリフェニルメチル)ピロリジン(化合物10)、1−(ジフェニルメチル)ピペリジン(化合物11)、1−(トリフェニルメチル)ピペリジン(化合物12)及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。かかる化合物は、後述する前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に組成物中に含有させることにより、優れた美白作用を発揮する。また、かかる化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、優れた安全性、安定性を有し、組成物に安定、且つ、安全に含有させることが出来る。
【0052】
ここで前記一般式(5)に表される化合物に付いて述べれば、式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群よりそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ル基を表し、Xは、酸素原子を表し、R5は、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数1〜8の脂肪族炭化水素を表す。前記Aの無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ル基におけるアリ−ル基に関し、好ましいものを具体的に例示すれば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルアミノフェニル基、N−エチルアミノフェニル基、N−プロピルアミノフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、N,N−ジプロピルアミノフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、プロピルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基、プロピルオキシナフチル基、ヒドロキシナフチル基、アミノナフチル基、N−メチルアミノナフチル基、N−エチルアミノナフチル基、N−プロピルアミノナフチル基、N,N−ジメチルアミノナフチル基、N,N−ジエチルアミノナフチル基、N,N−ジプロピルアミノナフチル基、フルオロナフチル基、ジフルオロナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基等が好適に例示出来る。
前記Xは、酸素原子を表す。前記R5は、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数1〜8、より好ましくは、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素を表し、具体例を挙げれば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシヘプチル基、ヒドロキシオクチル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、メトキシペンチル基、メトキシヘキシル基、メトキシヘプチル基、メトキシオクチル基、ジヒドロキシメチル基、ジヒドロキシエチル基、ジヒドロキシプロピル基、ジヒドロキシブチル基、ジヒドロキシペンチル基、ジヒドロキシヘキシル基、ジヒドロキシへプチル基、ジヒドロキシオクチル基、アミノメチル基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アミノブチル基、アミノペンチル基、アミノヘキシル基、アミノヘプチル基、アミノオクチル基等が好適に例示出来、よりこ好ましくは、ヒドロキシエチル基、アミノエチル基、メトキシエチル基が好適に例示出来る。
前記一般式(5)に表される化合物の内、好ましい化合物を具体的に例示すれば、1−(ジフェニルメチルオキシ)メタノ−ル、3−(ジフェニルメチルオキシ)プロパノ−ル、4−(ジフェニルメチルオキシ)ブタノ−ル、5−(ジフェニルメチルオキシ)ペンタノ−ル、6−(ジフェニルメチルオキシ)ヘキサノ−ル、7−(ジフェニルメチルオキシ)ヘプタノ−ル、8−(ジフェニルメチルオキシ)オクタノ−ル、1−(トリフェニルメチルオキシ)メタノ−ル、3−(トリフェニルメチルオキシ)プロパノ−ル、4−(トリフェニルメチルオキシ)ブタノ−ル、5−(トリフェニルメチルオキシ)ペンタノ−ル、6−(トリフェニルメチルオキシ)ヘキサノ−ル、7−(トリフェニルメチルオキシ)ヘプタノ−ル、8−(トリフェニルメチルオキシ)オクタノ−ル、1−(ジフェニルメチルオキシ)メチルアミン、3−(ジフェニルメチルオキシ)プロピルアミンアミン、4−(ジフェニルメチルオキシ)ブチルアミン、5−(ジフェニルメチルオキシ)ペンチルアミン、6−(ジフェニルメチルオキシ)ヘキシルアミン、7−(ジフェニルメチルオキシ)ヘプチルアミン、8−(ジフェニルメチルオキシ)オクチルアミン、1−(トリフェニルメチルオキシ)メチルアミン、3−(トリフェニルメチルオキシ)プロピルアミン、4−(トリフェニルメチルオキシ)ブチルアミン、5−(トリフェニルメチルオキシ)ペンチルアミン、6−(トリフェニルメチルオキシ)ヘキシルアミン、7−(トリフェニルメチルオキシ)ヘプチルアミン、8−(トリフェニルメチルオキシ)オクチルアミン、1−(ジフェニルメチルアミノ)メタノ−ル、3−(ジフェニルメチルアミノ)プロパノ−ル、4−(ジフェニルメチルアミノ)ブタノ−ル、5−(ジフェニルメチルアミノ)ペンタノ−ル、6−(ジフェニルメチルアミノ)ヘキサノ−ル、7−(ジフェニルメチルアミノ)ヘプタノ−ル、8−(ジフェニルメチルアミノ)オクタノ−ル、1−(トリフェニルメチルアミノ)メタノ−ル、3−(トリフェニルメチルアミノ)プロパノ−ル、4−(トリフェニルメチルアミノ)ブタノ−ル、5−(トリフェニルメチルアミノ)ペンタノ−ル、6−(トリフェニルメチルアミノ)ヘキサノ−ル、7−(トリフェニルメチルアミノ)ヘプタノ−ル、8−(トリフェニルメチルアミノ)オクタノ−ル、2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物3)、2−[(メチルフェニル)フェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[ビス(メチルフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[(エチルフェニル)フェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[(ビス(エチルフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[(メトキシフェニル)フェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[(ビス(メトキシフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[(エトキシフェニル)フェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[(ビス(エトキシフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[(ヒドロキシフェニル)フェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[(ビス(ヒドロキシフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[(アミノフェニル)フェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[(ビス(アミノフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[(フルオロフェニル)フェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[(ビス(フルオロフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物4)、2−[ジフェニル(メチルフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[ビス(メチルフェニル)フェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[トリス(メチルフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[ジフェニル(エチルフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[ビス(エチルフェニル)フェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[トリス(エチルフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[ジフェニル(メトキシフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[ビス(メトキシフェニル)フェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[トリス(メトキシフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[ジフェニル(エトキシフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[ビス(エトキシフェニル)フェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[トリス(エトキシフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[ジフェニル(ヒドロキシフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[ビス(ヒドロキシフェニル)フェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[トリス(ヒドロキシフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[(アミノフェニル)ジフェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[ビス(アミノフェニル)フェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[トリス(アミノフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[ジフェニル(フルオロフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[ビス(フルオロフェニル)フェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[トリス(フルオロフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物7)、2−[(メチルフェニル)フェニルメチルオキシ]エチルアミン、2−[ビス(メチルフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[(エチルフェニル)フェニルメチルオキシ]エチルアミン、2−[(ビス(エチルフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[(メトキシフェニル)フェニルメチルオキシ]エチルアミン、2−[(ビス(メトキシフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[(エトキシフェニル)フェニルメチルオキシ]エチルアミン、2−[(ビス(エトキシフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[(ヒドロキシフェニル)フェニルメチルオキシ]エチルアミン、2−[(ビス(ヒドロキシフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[(アミノフェニル)フェニルメチルオキシ]エチルアミン、2−[(ビス(アミノフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[(フルオロフェニル)フェニルメチルオキシエチルアミン、2−[(ビス(フルオロフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物8)、2−[ジフェニル(メチルフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[ビス(メチルフェニル)フェニルメチルオキシ]エチルアミン、2−[トリス(メチルフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[ジフェニル(エチルフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[ビス(エチルフェニル)フェニルメチルオキシ]エチルアミン、2−[トリス(エチルフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[ジフェニル(メトキシフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[ビス(メトキシフェニル)フェニルメチルオキシ]エチルアミン、2−[トリス(メトキシフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[ジフェニル(エトキシフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[ビス(エトキシフェニル)フェニルメチルオキシ]エチルアミン、2−[トリス(エトキシフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[ジフェニル(ヒドロキシフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[ビス(ヒドロキシフェニル)フェニルメチルオキシ]エチルアミン、2−[トリス(ヒドロキシフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[(アミノフェニル)ジフェニルメチルオキシ]エチルアミン、2−[ビス(アミノフェニル)フェニルメチルオキシ]エチルアミン、2−[トリス(アミノフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[ジフェニル(フルオロフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[ビス(フルオロフェニル)フェニルメチルオキシ]エチルアミン、2−[トリス(フルオロフェニル)メチルオキシ]エチルアミン及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、より好ましくは、2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物3)、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物4)、2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物7)、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物8)及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。かかる化合物は、後述する前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に組成物中に含有させることにより、優れた美白作用を発揮する。また、かかる化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、優れた安全性、安定性を有し、組成物に安定、且つ、安全に含有させることが出来る。
【0053】
ここで前記一般式(6)に表される化合物に付いて述べれば、式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、Xは、窒素原子を表し、R6及びR7は、それぞれ独立に、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子に置換されていてもよい炭素数1〜8の脂肪族炭化水素を表す。前記Aにおける無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基におけるアリ−ル基に関し、好ましいものを具体的に例示すれば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルアミノフェニル基、N−エチルアミノフェニル基、N−プロピルアミノフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、N,N−ジプロピルアミノフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、プロピルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基、プロピルオキシナフチル基、ヒドロキシナフチル基、アミノナフチル基、N−メチルアミノナフチル基、N−エチルアミノナフチル基、N−プロピルアミノナフチル基、N,N−ジメチルアミノナフチル基、N,N−ジエチルアミノナフチル基、N,N−ジプロピルアミノナフチル基、フルオロナフチル基、ジフルオロナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基等が好適に例示出来る。前記Xは、窒素原子を表す。前記R6及びR7は、それぞれ独立に水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子に置換されてもよい炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基を表し、R6及びR7に関し、好ましいものを具体的に例示すれば、水素原子、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシヘプチル基、ヒドロキシオクチル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、メトキシペンチル基、メトキシヘキシル基、メトキシヘプチル基、メトキシオクチル基、ジヒドロキシメチル基、ジヒドロキシエチル基、ジヒドロキシプロピル基、ジヒドロキシブチル基、ジヒドロキシペンチル基、ジヒドロキシヘキシル基、ジヒドロキシへプチル基、ジヒドロキシオクチル基、アミノメチル基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アミノブチル基、アミノペンチル基、アミノヘキシル基、アミノヘプチル基、アミノオクチル基等が好適に例示出来、よりこ好ましくは、ヒドロキシエチル基、アミノエチル基、メトキシエチル基が好適に例示出来る。
前記一般式(6)に表される化合物の内、好ましい化合物を具体的に例示すれば、2−[(ジフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物5)、2−[(メチルフェニル)フェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[ビス(メチルフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[(エチルフェニル)フェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[(ビス(エチルフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[(メトキシフェニル)フェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[(ビス(メトキシフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[(エトキシフェニル)フェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[(ビス(エトキシフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[(ヒドロキシフェニル)フェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[(ビス(ヒドロキシフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[(アミノフェニル)フェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[(ビス(アミノフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[(フルオロフェニル)フェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[(ビス(フルオロフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[(トリフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物6)、2−[ジフェニル(メチルフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[ビス(メチルフェニル)フェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[トリス(メチルフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[ジフェニル(エチルフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[ビス(エチルフェニル)フェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[トリス(エチルフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[ジフェニル(メトキシフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[ビス(メトキシフェニル)フェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[トリス(メトキシフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[ジフェニル(エトキシフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[ビス(エトキシフェニル)フェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[トリス(エトキシフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[ジフェニル(ヒドロキシフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[ビス(ヒドロキシフェニル)フェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[トリス(ヒドロキシフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[(アミノフェニル)ジフェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[ビス(アミノフェニル)フェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[トリス(アミノフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[ジフェニル(フルオロフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[ビス(フルオロフェニル)フェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[トリス(フルオロフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、より好ましくは、2−[(ジフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物5)、2−[(トリフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物6)及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。かかる化合物は、後述する前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に組成物中に含有させることにより、優れた美白作用を発揮する。また、かかる化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、優れた安全性、安定性を有し、組成物に安定、且つ、安全に含有させることが出来る。
【0054】
ここで前記一般式(7)に表される化合物に付いて述べれば、式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、Xは窒素原子を表し、R8は、水素原子又は炭素原子が複素原子で置換されていてもよい炭素数3〜8の芳香族炭化水素基を表し、前記芳香族炭化水素基は、Xが環内に存在する基も包含する。前記Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、前記のジ又はトリアリ−ルメチル基におけるアリ−ル基に関し具体例を挙げれば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルアミノフェニル基、N−エチルアミノフェニル基、N−プロピルアミノフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、N,N−ジプロピルアミノフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、プロピルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基、プロピルオキシナフチル基、ヒドロキシナフチル基、アミノナフチル基、N−メチルアミノナフチル基、N−エチルアミノナフチル基、N−プロピルアミノナフチル基、N,N−ジメチルアミノナフチル基、N,N−ジエチルアミノナフチル基、N,N−ジプロピルアミノナフチル基、フルオロナフチル基、ジフルオロナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基等が好適に例示出来る。
Xは、窒素原子を表す。前記R8は、水素原子又は炭素原子が複素原子で置換されていてもよい炭素数3〜8の芳香族炭化水素基を表し、前記芳香族炭化水素基は、Xが環内に存在する基も包含する基を表す。かかる芳香族炭化水素基に関し具体例を挙げれば、フェニル基、ピリジル基、イミダゾ−ル基、フリル基、チエニル基等が好適に例示出来、より好ましくは、イミダゾ−ル基が好適に例示出来る。前記一般式(7)に表される化合物に関し具体例を挙げれば、1−(ジフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物1)、1−[(メチルフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ビス(メチルフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[(エチルフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ビス(エチルフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[(メトキシフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ビス(メトキシフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[(エトキシフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ビス(エトキシフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[(ヒドロキシフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ビス(ヒドロキシフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[(アミノフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ビス(アミノフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[(フルオロフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ビス(フルオロフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−(トリフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物2)、1−[ジフェニル(メチルフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ビス(メチルフェニル)フェニルメチル]イミダゾ−ル、1−[トリス(メチルフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ジフェニル(エチルフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ビス(エチルフェニル)フェニルメチル]イミダゾ−ル、1−[トリス(エチルフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ジフェニル(メトキシフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ビス(メトキシフェニル)フェニルメチル]イミダゾ−ル、1−[トリス(メトキシフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ジフェニル(エトキシフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ビス(メトキシフェニル)フェニルメチル]イミダゾ−ル、1−[トリス(エトキシフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ジフェニル(ヒドロキシフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ビス(ヒドロキシフェニル)フェニルメチル]イミダゾ−ル、1−[トリス(ヒドロキシフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[(アミノフェニル)ジフェニルメチル]イミダゾ−ル、1−[ビス(アミノフェニル)フェニルメチル]イミダゾ−ル、1−[トリス(アミノフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ジフェニル(フルオロフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ビス(フルオロフェニル)フェニルメチル]イミダゾ−ル、1−[トリス(フルオロフェニル)メチル]イミダゾ−ル及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、より好ましくは、1−(ジフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物1)、1−(トリフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物2)及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。かかる化合物は、後述する前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に組成物中に含有させることにより、優れた美白作用を発揮する。また、かかる化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、優れた安全性、安定性を有し、組成物に安定、且つ、安全に含有させることが出来る。
【0055】
また、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、後述する前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に組成物に含有させることにより、優れた美白作用、取り分け、紫外線暴露による色素沈着異常に対する予防又は改善作用、さらには、メラニン過剰産生により生じるケラチノサイトの細胞機能不活性化が関与する色素沈着に対する予防又は改善に有効である。この様な色素沈着の予防又は改善作用は、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が有するメラニン産生抑制作用による色素沈着に対する予防又は改善作用、後述する前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩との色素沈着に対する予防又は改善作用における相加又は相乗効果、標的部位への送達効率向上等の薬物動態、製剤的な相加又は相乗作用により美白作用、色素沈着の予防又は改善作用が増強されると考えられる。
【0056】
前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、市販の相当する試薬を出発原料とし、下記に示す方法に従い又は参考に合成することが出来る。前記一般式(1)に表される化合物の合成方法に関しては、本出願人により出願されたPCT/JP2009/071279号公報に記載の合成方法に従い製造することが出来る。かかる化合物は、そのまま後述する前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に組成物中に含有させることにより、美白作用、紫外線暴露による色素沈着の予防又は改善作用の効果増強のために使用することも出来るが、薬理学的に許容される酸又は塩基と共に処理し塩の形に変換し、塩として使用することも可能である。例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩などの鉱酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩などの有機酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属、トリエチルアミン塩、トリエタノ−ルアミン塩、アンモニウム塩、モノエタノ−ルアミン塩、ピペリジン塩等の有機アミン塩、リジン塩、アルギン酸塩等の塩基性アミノ酸塩などが好適に例示出来る。
【0057】
本発明の前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、後述する前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に働き、紫外線暴露等による色素沈着に対する予防又は改善作用、取り分け、メラニン産生亢進によるケラチノサイトの細胞機能低下が関与する治り難いしみ、くすみ、肌荒れ症状を伴う色素沈着異常に対する予防又は改善作用における増強効果を奏するためには、組成物全量に対し、総量で0.001質量%〜10質量%、より好ましくは、0.01質量%〜5質量%、さらに好ましくは、0.1質量%〜3質量%含有することが好ましい。これは、少なすぎると前記効果を奏さない場合が存し、多すぎても、効果が頭打ちになり、徒に系の自由度を損なう場合が存するためである。
【0058】
<製造例1: 化合物1及び化合物2の製造方法>
化合物1及び化合物2は、特開昭53−16879号公報に記載された方法に従い合成した。尚、化合物2は、和光純薬工業株式会社より試薬として購入することもできる。
【0059】
【化29】

1−(ジフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物1)
【0060】
【化30】

1−(トリフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物2)
【0061】
<製造例2: 化合物3及び化合物4の製造方法>
エチレングリコ−ル(3.10g、49.9mmol)(和光純薬)及びトリフェニルクロロメタン(1.39g、49.9mmol)(和光純薬)をピリジン(6mL)(和光純薬)に溶解し、45℃に加温し、2時間撹拌した。反応液に水(50mL)を注ぎ、トルエン(和光純薬)にて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリム(和光純薬)で乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(クロロホルム(和光純薬):メタノ−ル(和光純薬)=9:1)にて精製し、化合物4(収量0.37g、収率24%)を得た。また、トリフェニルクロロメタンの代わりにジフェニルクロロメタンを使用し同様の操作を行うことにより、化合物3を得ることが出来る。
【0062】
<化合物4の物理恒数>
mp.103−106℃
1H-HMR(CDCl3):δ3.26(t、J=4.5Hz、2H)、3.75(t、J=4.5Hz、2H)、7.23−7.54(m、15H).
IR(cm-1): 3337、1448、1093、1061.
【0063】
【化31】

2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物3)
【0064】
【化32】

2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物4)
【0065】
<製造例3: 化合物5及び化合物6の製造方法>
トリフェニルクロロメタン(1.00g、3.58mmol)(和光純薬)及びアミノエタノール(2.00g、32.7mmol)をアセトニトリル(5mL)に溶解し、室温にて一晩撹拌した。反応液に水(100mL)を注ぎ、析出物を吸引濾過後、乾燥した。固形物をエタノール(和光純薬)及び水混合溶媒系にて再結晶することにより化合物6(収量0.43g、収率39%)を得た。また、トリフェニルクロロメタンの代わりにジフェニルクロロメタンを使用し同様の操作を行うことにより、化合物5を得ることが出来る。
【0066】
<化合物6の物理恒数>
mp.94−97℃
1H-NMR(d−DMSO):δ2.07(t、J=6.0Hz、2H)、3.51(t、J=6.0Hz、2H)、7.15−7.42(m、15H).
IR(cm-1): 3244、1488、1442、1025.
【0067】
【化33】

2−[(ジフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物5)
【0068】
【化34】

2−[(トリフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物6)
【0069】
<製造例4: 化合物7及び化合物8の製造方法>
トリフェニルクロロメタン(1.00g、3.58mmol)(和光純薬)及び塩酸エタノ−ルアミン(1.00g、10.3mmol)(和光純薬)をピリジン(4mL)に溶解し、室温にて3日間撹拌した。反応液に水(200mL)を注ぎ、析出物を吸引濾過した。固形物をジエチルエ−テルに縣濁し、3(N)塩酸(和光純薬)を加え、室温にて15分間撹拌した後、不溶物を吸引濾過した。不溶物を酢酸エチル(和光純薬)及び飽和炭酸水素ナトリウム(和光純薬)水溶液の混合溶液に溶解し、振とう後、有機層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウム(和光純薬)にて乾燥した後、吸引濾過、減圧濃縮し、化合物8(収量0.31g、収率28%)を得た。また、トリフェニルクロロメタンの代わりにジフェニルクロロメタンを使用し同様の操作を行うことにより、化合物7を得ることが出来る。
【0070】
<化合物8の物理恒数>
mp.87−89℃.
1H−NMR(CDCl3):δ2.88(t、J=5.1Hz、2H)、3.14(t、J=5.1Hz、2H)、7.24−7.51(m、15H).
IR(cm-1): 3378、1594、1448、1054.
【0071】
【化35】

2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物7)
【0072】
【化36】

2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物8)
【0073】
<製造例5: 化合物9の製造方法>
クロロジフェニルメタン(0.50g、2.47mmol)(和光純薬)、ピロリジン(0.53g、7.45mmol)(東京化成)及びヨウ化カリウム(0.10g、0.60mmol)(和光純薬)をアセトニトリル(20mL)(和光純薬)に加え、2時間還流した。室温まで放却した後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム(和光純薬)水溶液を加え、酢酸エチル(和光純薬)にて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウム(和光純薬)にて乾燥し、減圧下溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(展開溶媒、クロロホルム(和光純薬):メタノール(和光純薬)=99:1)付し、化合物9(収量0.36g、収率61%)を得た。
【0074】
<化合物9の物理恒数>
mp. 69−72℃
1H−NMR(CDCl3):δ1.73−1.79(m、4H)、2.40−2.44(m、4H)、4.15(s、1H)、7.12−7.47(m、10H).
IR(cm-1):2793、1452、703.
【0075】
【化37】

1−(ジフェニルメチル)ピロリジン(化合物9)
【0076】
<製造例6: 化合物10の製造方法>
ピロリジン(0.26g、3.66mmol)(和光純薬)、トリフェニルクロロメタン(1.02g、3.66mmol)(和光純薬)及び炭酸カリウム(0.51g, 3.66mmol)(和光純薬)をアセトニトリル(30mL)(和光純薬)に加え、5時間還流した。反応液に、飽和炭酸水素ナトリウム(和光純薬)水溶液を加え、酢酸エチル(和光純薬)にて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウム(和光純薬)にて乾燥し、減圧下溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(展開溶媒n−ヘキサン(和光純薬):酢酸エチル(和光純薬)=9:1)に付し、化合物10(収量0.45g、収率80%)を得た。
【0077】
<化合物10の物理恒数>
mp.127−129℃
1H−NMR(CDCl3):δ1.53−1.65(m、4H)、2.00−2.30(m、4H)、7.11−7.28(m、5H)、7.48−7.52(m、10H).
IR(cm-1):2961、2819、1486、1448、711.
【0078】
【化38】

1−(トリフェニルメチル)ピロリジン(化合物10)
【0079】
<製造例7: 化合物11及び化合物12の製造方法>
ピペリジン(1.50g、17.6mmol)(和光純薬)、トリフェニルクロロメタン(5.40g、19.4mmol)(和光純薬)及び炭酸カリウム(2.68g、19.4mmol)(和光純薬)をアセトニトリル(30mL)(和光純薬)に加え、5時間還流した。反応液に、飽和炭酸水素ナトリウム(和光純薬)水溶液を加え、酢酸エチル(和光純薬)にて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウム(和光純薬)にて乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗精製物をクロロホルム(和光純薬)及びn−ヘキサン(和光純薬)の混合溶媒を用いて再結晶し、化合物12(収量1.80g、収率31%)を得た。また、トリフェニルクロロメタンの代わりにジフェニルクロロメタンを使用し同様の操作を行うことにより、化合物11を得ることが出来る。
【0080】
<化合物12の物理恒数>
mp.156−158℃
1H−NMR(CDCl3):δ0.70−3.50(m、10H)、7.14−7.80(m、15H).
IR(cm-1):2923、1485、1448、708.
【0081】
【化39】

1−(ジフェニルメチル)ピペリジン(化合物11)
【0082】
【化40】

1−(トリフェニルメチル)ピペリジン(化合物12)
【0083】
<本発明の前記一般式(2)に表される化合物>
本発明の組成物は、1)前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩とを含有することを特徴とする。前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に組成物に含有させることにより、優れた紫外線暴露による色素沈着の予防又は改善作用、取り分け、メラニン産生亢進により生じるケラチノサイトの細胞機能不活性化が関与する色素沈着に対する予防又は改善作用を示す。本発明の前記一般式(2)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、前記の色素沈着に対する予防又は改善作用を発揮する成分であれば特段の限定なく適応することが出来る。紫外線暴露等の物理的刺激により、メラノサイトにおいては、メラニンの産生亢進が起こる。さらに、メラノサイトにおけるメラニン産生亢進が、過度又は慢性的な場合には、メラノサイトにおけるメラニン産生亢進、さらには、ケラチノサイトへのメラニンの過剰輸送、蓄積及び排出遅延などの現象が生じ、ケラチノサイトにおける細胞機能不活性化、タ−ンオ−バ−の遅延等のダメ−ジが与えられ、治り難いしみ、くすみ、肌荒れ症状を伴う色素沈着異常などの皮膚症状が発生する。この様な、ケラチノサイトにおける細胞機能低下が起因する色素沈着異常による皮膚症状を呈する人においては、角層標本を作製した場合には、有核細胞の出現率が平均に比べ高く、皮膚の重層剥離等の皮膚症状が観察される。本発明の組成物は、前記の皮膚症状を呈する人を対象に使用することが特に好ましいため、角層標本の作製による有核細胞の出現率、皮膚の重層剥離等の皮膚症状の観察による症状を指標とし、投与する対象を設定することが好ましい。
【0084】
ここで前記一般式(2)に表される化合物に付いて述べれば、式中、R1は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R2は、水素原子、無置換又は置換基を有する芳香族基、無置換又は置換基を有する芳香族基により置換されていてもよい炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、R3は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、nは、1又は2の整数、mは、0〜3の整数を表す。前記R1は、水素原子、炭素数1〜8、より好ましくは、炭素数1〜4、の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基が好適に例示出来る。前記R2は、水素原子、無置換又は置換基を有する芳香族基、無置換又は置換基を有する芳香族基により置換されていてもよい炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ブチルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルフェニル基、N−エチルフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ピリジル基、ナフチル基、ビフェニル基、ベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシベンジル基、エトキシベンジル基、ヒドロキシベンジル基、アミノベンジル基、N−メチルアミノベンジル基、N−エチルアミノベンジル基、クロロベンジル基、フルオロベンジル基、トリフルオロメチルベンジル基、ナフチルメチル基、ビフェニルメチル基、フェニルエチル基、ナフチルエチル基、ビフェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルプロピル基、ビフェニルプロピル基、フェニルブチル基、ナフチルブチル基、ビフェニルブチル基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、フェニル基、ベンジル基、メチル基、エチル基が好適に例示出来る。前記R3は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、具体例を挙げれば、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ブチルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルフェニル基、N−エチルフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ピリジル基、ナフチル基、ビフェニル基等が好適に例示出来、より好ましくは、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が好適に例示出来る。前記nは、1又は2の整数を表し、より好ましくは、n=1が好適に例示出来る。前記mは、0〜3の整数を表し、m=0の場合がより好ましい。前記一般式(2)に表される化合物の内、好ましいものとしては、前記一般式(8)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、より好ましくは、前記一般式(9)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましくは、前記一般式(10)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。また、前記一般式(2)に表される化合物の内、好ましい化合物を具体的に例示すれば、N−ベンゾイルシステイン酸、N−(o−トルイル)システイン酸(化合物1)、N−(m−トルイル)システイン酸(化合物2)、N−(p−トルイル)システイン酸(化合物3)、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)、(N−ビフェニルカルボニル)システイン酸(化合物5)、N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物6)、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。かかる化合物は、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に組成物中に含有させることにより、紫外線暴露による色素沈着異常に対する予防又は改善作用を増強する優れた効果を発揮する。また、かかる化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、優れた安全性、安定性を有し、組成物に安定、且つ、安全に含有させることが出来る。また、かかる化合物は、製剤化に用いる媒体、取り分け、極性媒体への溶解性に優れ、皮膚外用剤等への製剤化が容易であり、さらに、製剤中における安定性及び皮膚貯留性に優れ、色素沈着の予防又は改善に優れた効果を発揮する。
【0085】
ここで前記一般式(8)に表される化合物に付いて述べれば、式中、R9は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R10は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、nは、1又は2の整数、mは、0〜3の整数を表す。前記R9は、水素原子、炭素数1〜8、より好ましくは、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基が好適に例示出来る。R10は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、具体例を挙げれば、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ブチルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルフェニル基、N−エチルフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ピリジル基、ナフチル基、ビフェニル基等が好適に例示出来、より好ましくは、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が好適に例示出来る。前記nは、1又は2の整数を表し、より好ましくは、n=1が好適に例示出来る。前記mは、0〜3の整数を表し、m=0の場合がより好ましい。前記一般式(8)に表される化合物の内、前記一般式(9)及び(10)に表される化合物に含まれない化合物を具体的に例示すれば、N−(ベンジルカルボニル)システイン酸、N−(メチルベンジルカルボニル)システイン酸、N−(エチルベンジルカルボニル)システイン酸、N−(プロピルベンジルカルボニル)システイン酸、N−(ブチルベンジルカルボニル)システイン酸、N−(メトキシベンジルカルボニル)システイン酸、N−(エトキシベンジルカルボニル)システイン酸、N−(プロピルオキシベジルカルボニル)システイン酸、N−(ブチルオキシベンジルカルボニル)システイン酸、N−(ヒドロキシベンジルカルボニル)システイン酸、N−(アミノベンジルカルボニル)システイン酸、N−(N’−メチルアミノベンジルカルボニル)システイン酸、N−(N’−エチルアミノベンジルカルボニル)システイン酸、N−(N’,N’−ジメチルアミノベンジルカルボニル)システイン酸、N−(N’,N’−ジエチルアミノベンジルカルボニル)システイン酸、N−(クロロベンジルカルボニル)システイン酸、N−(フルオロベンジルカルボニル)システイン酸、N−(ジフルオロベンジルカルボニル)システイン酸、N−(トリフルオロメチルベンジルカルボニル)システイン酸、[N−(ベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(メチルベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(エチルベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(プロピルベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(ブチルベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(メトキシベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(エトキシベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(プロピルオキシベジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(ブチルオキシベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(ヒドロキシベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(アミノベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(N’−メチルアミノベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(N’−エチルアミノベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(N’,N’−ジメチルアミノベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエスエル、[N−(N’,N’−ジエチルアミノベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(クロロベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(フルオロベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(ジフルオロベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(トリフルオロメチルベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、N−(ベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(メチルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(エチルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(プロピルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(ブチルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(メトキシベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(エトキシベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(プロピルオキシベジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(ブチルオキシベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(ヒドロキシベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(アミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(N’−メチルアミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(N’−エチルアミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(N’,N’−ジメチルアミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(N’,N’−ジエチルアミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(クロロベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(フルオロベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(ジフルオロベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(トリフルオロメチルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、[N−(ベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(メチルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(エチルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(プロピルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(ブチルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(メトキシベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(エトキシベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(プロピルオキシベジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(ブチルオキシベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(ヒドロキシベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(アミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(N’−メチルアミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(N’−エチルアミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(N’,N’−ジメチルアミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(N’,N’−ジエチルアミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(クロロベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(フルオロベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(ジフルオロベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(トリフルオロメチルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。前記一般式(8)に表される化合物の内、好ましいものとしては、N−ベンゾイルシステイン酸、N−(o−トルイル)システイン酸(化合物1)、N−(m−トルイル)システイン酸(化合物2)、N−(p−トルイル)システイン酸(化合物3)、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)、(N−ビフェニルカルボニル)システイン酸(化合物5)、N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物6)、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。かかる化合物は、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に組成物中に含有させることにより、紫外線暴露による色素沈着異常に対する予防又は改善作用を増強する優れた効果を発揮する。かかる化合物は、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に組成物中に含有させることにより、優れた美白作用を発揮する。また、かかる化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、優れた安全性、安定性を有し、組成物に安定、且つ、安全に含有させることが出来る。また、かかる化合物は、製剤化に用いる媒体、取り分け、極性媒体への溶解性に優れ、皮膚外用剤等への製剤化が容易であり、さらに、製剤中における安定性及び皮膚貯留性に優れ、色素沈着の予防又は改善に優れた効果を発揮する。
【0086】
ここで前記一般式(9)に表される化合物に付いて述べれば、式中、R11は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R12は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、nは、1又は2の整数を表す。前記R11は、水素原子、炭素数1〜8、より好ましくは、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基が好適に例示出来る。前記R12は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、具体例を挙げれば、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ブチルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルフェニル基、N−エチルフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ピリジル基、ナフチル基、ビフェニル基等が好適に例示出来、より好ましくは、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が好適に例示出来る。前記nは、1又は2の整数を表し、より好ましくは、n=1が好適に例示出来る。前記一般式(9)に表される化合物の内、前記一般式(10)に表される化合物に含まれない化合物を具体例に挙げれば、N−(ベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(メチルベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(エチルベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(プロピルベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(ブチルベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(メトキシベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(エトキシベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(プロピルオキシベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(ブチルオキシベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(ヒドロキシベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(アミノベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(N’−メチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(N’−エチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(N’,N’−ジメチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(N’,N’−ジエチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(クロロベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(フルオロベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(ジフルオロベゾイル)ホモシステイン酸、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(ナフチルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(ビフェニルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(ベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(メチルベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(エチルベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(プロピルベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(ブチルベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(メトキシベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(エトキシベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(プロピルオキシベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(ブチルオキシベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(ヒドロキシベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(アミノベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(N’−メチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(N’−エチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(N’,N’−ジメチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(N’,N’−ジエチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(クロロベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(フルオロベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(ジフルオロベゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(ナフチルカルボニル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(ビフェニルカルボニル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(ベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(メチルベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(エチルベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(プロピルベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(ブチルベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(メトキシベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(エトキシベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(プロピルオキシベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(ブチルオキシベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(ヒドロキシベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(アミノベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(N’−メチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(N’−エチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(N’,N’−ジメチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(N’,N’−ジエチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(クロロベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(フルオロベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(ジフルオロベゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(ナフチルカルボニル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(ビフェニルカルボニル)ホモシステイン酸エチルエステル、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。前記一般式(9)に表される化合物の内、好ましいものとしては、N−ベンゾイルシステイン酸、N−(o−トルイル)システイン酸(化合物1)、N−(m−トルイル)システイン酸(化合物2)、N−(p−トルイル)システイン酸(化合物3)、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)、(N−ビフェニルカルボニル)システイン酸(化合物5)、N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物6)、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。かかる化合物は、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に組成物中に含有させることにより、紫外線暴露による色素沈着異常に対する予防又は改善作用を増強する優れた効果を発揮する。また、かかる化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、優れた安全性、安定性を有し、組成物に安定、且つ、安全に含有させることが出来る。また、かかる化合物は、製剤化に用いる媒体、取り分け、極性媒体への溶解性に優れ、皮膚外用剤等への製剤化が容易であり、さらに、製剤中における安定性及び皮膚貯留性に優れ、色素沈着の予防又は改善に優れた効果を発揮する。
【0087】
ここで前記一般式(10)に表される化合物に付いて述べれば、式中、R13は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R14は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表す。前記R13は、水素原子、炭素数1〜8、より好ましくは、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基が好適に例示出来る。前記R14は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、具体例を挙げれば、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ブチルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルフェニル基、N−エチルフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ピリジル基、ナフチル基、ビフェニル基等が好適に例示出来、より好ましくは、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が好適に例示出来る。前記一般式(10)に表される化合物の内、好ましいものを具体的に例示すれば、N−(ベンゾイル)システイン酸、N−(メチルベンゾイル)システイン酸、N−(エチルベンゾイル)システイン酸、N−(プロピルベンゾイル)システイン酸、N−(ブチルベンゾイル)システイン酸、N−(メトキシベンゾイル)システイン酸、N−(エトキシベンゾイル)システイン酸、N−(プロピルオキシベンゾイル)システイン酸、N−(ブチルオキシベンゾイル)システイン酸、N−(ヒドロキシベンゾイル)システイン酸、N−(アミノベンゾイル)システイン酸、N−(N’−メチルアミノベンゾイル)システイン酸、N−(N’−エチルアミノベンゾイル)システイン酸、N−(N’,N’−ジメチルアミノベンゾイル)システイン酸、N−(N’,N’−ジエチルアミノベンゾイル)システイン酸、N−(クロロベンゾイル)システイン酸、N−(フルオロベンゾイル)システイン酸、N−(ジフルオロベゾイル)システイン酸、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)システイン酸、N−(ナフチルカルボニル)システイン酸、N−(ビフェニルカルボニル)システイン酸、N−(ベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(メチルベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(エチルベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(プロピルベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(ブチルベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(メトキシベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(エトキシベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(プロピルオキシベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(ブチルオキシベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(ヒドロキシベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(アミノベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(N’−メチルアミノベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(N’−エチルアミノベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(N’,N’−ジメチルアミノベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(N’,N’−ジエチルアミノベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(クロロベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(フルオロベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(ジフルオロベゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(ナフチルカルボニル)システイン酸メチルエステル、N−(ビフェニルカルボニル)システイン酸メチルエステル、N−(ベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(メチルベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(エチルベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(プロピルベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(ブチルベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(メトキシベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(エトキシベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(プロピルオキシベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(ブチルオキシベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(ヒドロキシベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(アミノベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(N’−メチルアミノベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(N’−エチルアミノベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(N’,N’−ジメチルアミノベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(N’,N’−ジエチルアミノベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(クロロベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(フルオロベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(ジフルオロベゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(ナフチルカルボニル)システイン酸エチルエステル、N−(ビフェニルカルボニル)システイン酸エチルエステル、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。前記一般式(10)に表される化合物の内、好ましいものとしては、N−ベンゾイルシステイン酸、N−(o−トルイル)システイン酸(化合物1)、N−(m−トルイル)システイン酸(化合物2)、N−(p−トルイル)システイン酸(化合物3)、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)、(N−ビフェニルカルボニル)システイン酸(化合物5)、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。かかる化合物は、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に組成物中に含有させることにより、優れた色素沈着予防又は改善作用を増強する効果を有する。また、かかる化合物は、製剤化に用いる媒体、取り分け、極性媒体への溶解性に優れ、皮膚外用剤等への製剤化が容易であり、さらに、製剤中における安定性及び皮膚貯留性に優れ、色素沈着の予防又は改善に優れた効果を発揮する。
【0088】
また、前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に組成物に含有させることにより、優れた紫外線暴露による色素沈着異常に対する予防又は改善作用、取り分け、ケラチノサイトへのメラニンの過剰輸送、蓄積及び排出遅延などにより生じるケラチノサイトの細胞機能低下が関与する色素沈着異常に対する優れた効果を有する。この様な色素沈着の予防又は改善作用は、前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が有する前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩との色素沈着異常に対する予防又は改善作用における相加又は相乗効果、更には、前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が有する色素沈着に対する予防又は改善作用、更には、標的部位への送達効率向上等の薬物動態、製剤的な相加又は相乗作用により美白作用、色素沈着の予防又は改善作用が増強されると考えられる。また、前記一般式(2)、一般式(8)〜(10)に表される化合物には、ラセミ化合物(DL体)に加え、D体及びL体の異性体が存する。これらの異性体は、後述する美白成分と共に組成物に含有させることにより、いずれも色素沈着異常の予防又は改善作用に対し優れた増強作用を発揮するが、生体への安全性及び製剤中における安定性等によりL体が好適に例示出来る。
【0089】
前記一般式(2)、前記一般式(8)〜(10)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、市販されているシステイン酸、ホモシステイン酸、並びに、それらの誘導体を出発原料とし、例えば、「ペプチド合成の基礎と実験(丸善)」等に記載の方法に従い、脱保護、カップリング及び保護基の導入反応を行うことにより製造することも出来るし、下記の製造方法により製造することも出来る。かかる化合物は、そのまま前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に組成物中に含有させることにより、美白作用、紫外線暴露による色素沈着の予防又は改善作用の効果増強のために使用することも出来るが、薬理学的に許容される酸又は塩基と共に処理し塩の形に変換し、塩として使用することも可能である。例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩などの鉱酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩などの有機酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属、トリエチルアミン塩、トリエタノ−ルアミン塩、アンモニウム塩、モノエタノ−ルアミン塩、ピペリジン塩等の有機アミン塩、リジン塩、アルギン酸塩等の塩基性アミノ酸塩などが好適に例示出来る。
【0090】
本発明の前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、後述する美白成分と共に働き、紫外線暴露による色素沈着異常の予防又は改善作用に対する増強効果、取り分け、ケラチノサイトへのメラニンの過剰輸送、蓄積及び排出遅延などの現象により生じるケラチノサイトの細胞機能低下が関与する色素沈着異常に対する予防又は改善効果を奏するためには、組成物全量に対し、総量で0.0001質量%〜20質量%、より好ましくは、0.001質量%〜10質量%、さらに好ましくは、0.01質量%〜5質量%含有することが好ましい。これは、少なすぎると前記効果を奏さない場合が存し、多すぎても、効果が頭打ちになり、徒に系の自由度を損なう場合が存するためである。
【0091】
【化41】

<製造例8: 化合物13のL異性体の合成>
N−(o−トルイル)−L−システイン酸(化合物13のL異性体)
【0092】
L−システイン酸 3(g)(17.7mmol)(東京化成工業株式会社)、テトラヒドロフラン 18(mL)(和光純薬工業株式会社)、水 18(mL)を100(mL)ナス型フラスコに入れた後、氷浴にて冷却した。十分に冷却した後、炭酸カリウム 4.40(g)(31.6mmol)(和光純薬工業株式会社)を添加した。o−トルオイルクロリド 3.28(g)(東京化成工業株式会社)を液温が上昇しないように順次添加した。添加後、氷浴を外し室温にて攪拌した。薄層クロマトグラフィ−で反応の進行を確認した後、テトラヒドロフランを減圧留去した。得られた残渣を酢酸エチルにて洗浄した後、塩酸にてpHを2以下に調整した。濾液を濃縮し、水(20ml)を添加した。析出した結晶を濾取し、結晶をアセトンで懸洗した。濾取した結晶を60℃にて乾燥し、上記構造を有する化合物13のL異性体 0.78(g)(2,72 mmol)を得た。以下に、示性値を示す。
H−NMR(DO):δ 2.31(3H,s)、3.42(2H,m)、4.86(1H,m)、7.24(2H,m)、7.35(2H,m).
FAB−MS(negative ion mode):M/z=286([M−H]
【0093】
【化42】

<製造例9: 化合物14のL異性体の合成>
N−(m−トルイル)−L−システイン酸(化合物14のL異性体)
【0094】
L−システイン酸 3(g)(17.7mmol)(東京化成工業株式会社)、テトラヒドロフラン 18(mL)(和光純薬工業株式会社)、および、水 18(mL)を100(mL)ナス型フラスコに入れた後、氷浴にて冷却した。十分に冷却した後、炭酸カリウム 4.40(g)(31.6mmol)(和光純薬工業株式会社)、m−トルオイルクロリド 2.19(g)(東京化成工業株式会社)を液温が上昇しないように順次添加した。氷浴下1時間反応させた後、m−トルオイルクロリド 1.09(g)(東京化成工業株式会社)を再度添加した。添加後、氷浴を外し室温にて攪拌した。薄層クロマトグラフィ−で反応の進行を確認した後、テトラヒドロフランを減圧留去した。得られた残渣を酢酸エチルにて洗浄した後、塩酸にてpHを2以下に調整した。濾液を濃縮し、水(18mL)を添加した。4℃にて熟成した後、析出した結晶を濾別した。得られた結晶をアセトンで懸洗し、濾取した。濾取した結晶を60℃にて乾燥し、上記構造を有する化合物14のL異性体 1.65(g)(5.74mmol)を得た。以下に、示性値を示す。
H−NMR(DMSO−d):δ 2.36(3H,s)、2.94(2H,m)、4.41(1H,m)、7.36(2H、d)、7.58(2H,t)、8.84(1H,d)、12.5(1H,bs).
FAB−MS(negative ion mode):M/z=286([M−H]
【0095】
【化43】

<製造例10: 化合物15のL異性体の合成>
N−(p−トルイル)−L−システイン酸(化合物15のL異性体)
【0096】
L−システイン酸1水和物 5(g)(26.7mmol)(シグマ アルドリッチ社)、1,4−ジオキサン 20(mL)(和光純薬工業株式会社)、および、水10(mL)を100(mL)ナス型フラスコに入れた後、氷浴にて冷却した。十分に冷却した後、8(N)水酸化ナトリウム水溶液 10.7(mL)、p−トルオイルクロリド3.36(mL)(シグマ アルドリッチ社)を液温が上昇しないように順次滴下した。滴下終了後、氷浴を外し室温にて攪拌した。薄層クロマトグラフィ−で反応の進行を確認した後、1,4−ジオキサンを減圧留去した。得られた残渣を酢酸エチルにて洗浄した後、塩酸にてpHを2以下に調整した。得られた水溶液を凍結乾燥し、メタノ−ルで目的物を抽出した。メタノ−ルを減圧留去した後、結晶化し、ろ過した。濾取した結晶を乾燥し、上記構造を有する化合物15のL異性体 5.79(g)(20.2 mmol)を得た。以下に示性値を示す。
H−NMR(DO):δ 2.32(3H,s)、3.46(2H,m)、4.87(1H,m)、7.25(2H,d)、7.64(2H,d).
FAB−MS(negative ion mode):M/z=286([M−H])、308([M+Na−H]
【0097】
【化44】

<製造例11: 化合物16のL異性体の合成>
N−(p−メトキシベンゾイル)−L−システイン酸(化合物16のL異性体)
【0098】
L−システイン酸 2(g)(11.8mmol)(東京化成工業株式会社)、テトラヒドロフラン 12(mL)(和光純薬工業株式会社)、および、水 12(mL)を100(mL)ナス型フラスコに入れた後、氷浴にて冷却した。十分に冷却した後、炭酸カリウム 2.94(g)(21.3mmol)(和光純薬工業株式会社)、4−メトキシベンゾイルクロリド 1.61(g)(東京化成工業株式会社)を液温が上昇しないように順次添加した。氷浴下1時間反応させた後、4−メトキシベンゾイルクロリド 0.81(g)(東京化成工業株式会社)を再度添加した。添加後、氷浴を外し室温にて攪拌した。薄層クロマトグラフィ−で反応の進行を確認した後、テトラヒドロフランを減圧留去した。得られた残渣を酢酸エチルにて洗浄した後、塩酸にてpHを2以下に調整した。析出した結晶をろ過し、水で洗浄した。濾液を濃縮し、再度析出した結晶をろ過した。得られた結晶をあわせた後、アセトンで懸洗した。結晶をろ過した後、濾取した結晶を60℃にて乾燥し、上記構造を有する化合物16のL異性体 2.47(g)(8.14mmol)を得た。以下に示性値を示す。
H−NMR(DO):δ 3.45(2H,m)、3.81(3H,s)、4.85(1H,m)、7.00(2H,d)、7.72(2H,d).
FAB−MS(negative ion mode):M/z=302([M−H]
【0099】
【化45】

<製造例12: 化合物17のL異性体の合成>
(N−ビフェニルカルボニル)−L−システイン酸(化合物17のL異性体)
【0100】
L−システイン酸 2(g)(11.8mmol)(東京化成工業株式会社)、テトラヒドロフラン 12(mL)(和光純薬工業株式会社)、および、水 12(mL)を100(mL)ナス型フラスコに入れた後、氷浴にて冷却した。十分に冷却した後、炭酸カリウム 2.94(g)(21.3mmol)(和光純薬工業株式会社)、4−フェニルベンゾイルクロリド 2.05(g)(東京化成工業株式会社)を液温が上昇しないように順次添加した。氷浴下1.5時間反応させた後、4−フェニルベンゾイルクロリド 1.02(g)(東京化成工業株式会社)を再度添加した。添加後、氷浴を外し室温にて攪拌した。薄層クロマトグラフィ−で反応の進行を確認した後、テトラヒドロフランを減圧留去した。得られた残渣を酢酸エチルにて洗浄した後、塩酸にてpHを2以下に調整した。析出した結晶をろ過し、水で洗浄した。得られた結晶をアセトンで懸洗した後、ろ過した。濾取した結晶を60℃にて乾燥し、上記構造を有する化合物17のL異性体 2.37(g)(6.78mmol)を得た。以下に示性値を示す。
H−NMR(DMSO−d):δ 2.96(2H,m)、4.54(1H,q)、7.42(1H,m)、7.51(2H,m)、7.74(2H,d)、7.80(2H,d)、7.90(2H,d)、8.94(1H,d).
FAB−MS(negative ion mode):M/z=348([M−H]
【0101】
【化46】

<製造例13: 化合物18の合成>
N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物18)
【0102】
DL−ホモシステイン酸 2(g)(10.9mmol)(シグマ アルドリッチ社)、テトラヒドロフラン 12(mL)(和光純薬工業株式会社)、および、水 12(mL)を100(mL)ナス型フラスコに入れた後、氷浴にて冷却した。十分に冷却した後、炭酸カリウム 2.71(g)(19.6mmol)(和光純薬工業株式会社)を添加した。p−トルオイルクロリド 1.49(g)(シグマ アルドリッチ社)を液温が上昇しないように順次添加した。氷浴下1時間反応させた後、p−トルオイルクロリド 0.76(g)(シグマ アルドリッチ社)を再度添加した。添加後、氷浴を外し室温にて攪拌した。薄層クロマトグラフィ−で反応の進行を確認した後、テトラヒドロフランを減圧留去した。得られた残渣を酢酸エチルにて洗浄した後、塩酸にてpHを2以下に調整した。溶液をろ過後、濾液を濃縮し、メタノールを添加した。析出した結晶を濾別後、水で懸洗した。結晶をろ過し、濾取した結晶を60℃にて乾燥し、上記構造を有する化合物18 1.95(g)(6.47mmol)を得た。以下に示性値を示す。
H−NMR(DMSO−d):δ 2.12(2H,m)、2.35(3H,s)、2.57(2H,t)、4.37(1H,m)
、7.26(2H,d)、7.79(2H,d)、9.02(1H,d).
FAB−MS(negative ion mode):M/z=300([M−H]
【0103】
<本発明の組成物>
本発明の組成物は、1)前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩とを含有することを特徴とする。かかる組成物は、優れた美白作用、より好ましくは、紫外線暴露による色素沈着の予防又は改善作用、取り分け、メラニン過剰産生により生じるケラチノサイトの細胞機能不活性化が関与する色素沈着に対する予防又は改善作用を示す。紫外線暴露等の物理的刺激により、メラノサイトにおいては、メラニンの産生亢進が起こる。さらに、メラノサイトにおけるメラニン産生亢進が、過度又は慢性的な場合には、メラノサイトにおけるメラニン産生亢進、さらには、ケラチノサイトへのメラニンの過剰輸送、蓄積及び排出遅延などの現象が生じ、ケラチノサイトにおける細胞機能不活性化、タ−ンオ−バ−の遅延等のダメ−ジが与えられ、治り難いしみ、くすみ、肌荒れ症状を伴う色素沈着異常などの皮膚症状が発生する。この様な、ケラチノサイトにおける細胞機能低下が起因する色素沈着異常による皮膚症状を呈する人においては、角層標本を作製した場合には、有核細胞の出現率が平均に比べ高く、皮膚の重層剥離等の皮膚症状が観察される。本発明の組成物は、前記の皮膚症状を呈する人を対象に使用することが特に好ましいため、角層標本の作製による有核細胞の出現率、皮膚の重層剥離等の皮膚症状の観察による症状を指標とし、投与する対象を設定することが好ましい。
【0104】
また、1)前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩とを含有する組成物の製剤化にあたっては、通常の食品、医薬品、化粧料などの製剤化で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、経口投与組成物であれば、例えば、乳糖や白糖などの賦形剤、デンプン、セルロ−ス、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルセルロ−スなどの結合剤、カルボキシメチルセルロ−スナトリウム、カルボキシメチルセルロ−スカルシウムなどの崩壊剤、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステルなどの界面活性剤、マルチト−ルやソルビト−ルなどの甘味剤、クエン酸などの酸味剤、リン酸塩などの緩衝剤、シェラックやツェインなどの皮膜形成剤、タルク、ロウ類などの滑沢剤、軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲルなどの流動促進剤、生理食塩水、ブドウ糖水溶液などの希釈剤、矯味矯臭剤、着色剤、殺菌剤、防腐剤、香料など好適に例示出来る。
【0105】
本発明の組成物としては、医薬品、化粧品、食品、飲料などが好適に例示出来、日常的に摂取出来ることから、食品、化粧品などに適応することが好ましい。その投与経路も、経口投与、経皮投与の何れもが可能であり、解毒(デトックス)の目的では、関連臓器への到達効率のよい経口投与を採用し、食品などの経口投与組成物の形態を採用することが好ましい。また、かかる成分が連続投与される場合、さらには安全性を考慮した場合、経皮的に投与されることが好ましい。皮膚に外用で適応されるものであれば特段の限定なく応用出来、例えば、医薬部外品を含む化粧料、皮膚外用医薬、皮膚外用雑貨等が好ましく例示できる。本発明の皮膚外用剤としては、皮膚に外用で適用されるものであれば、特段の限定無く使用することができ、例えば、化粧料、皮膚外用医薬、皮膚外用雑貨などが好適に例示でき、化粧料に適用することが特に好ましい。これは本発明の皮膚外用剤が、比類無き使用感の良さを有しているため、使用感が重要な化粧料に特に好適であるためである。化粧料としては、油中水乳化剤形を応用できるものであれば、特段の限定はなく、例えば、エッセンス、乳液、クリ−ム等の基礎化粧料、アンダ−メ−クアップ、ファンデ−ション、チ−クカラ−、マスカラ、アイライナ−などのメークアップ化粧料、ヘアクリ−ムなどの毛髪化粧料などが好適に例示できる。
【0106】
本発明の皮膚外用剤においては、かかる成分以外に、通常皮膚外用剤で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリ−ブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワ−油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パ−ム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコ−ル、ステアリルアルコ−ル、イソステアリルアルコ−ル、ベヘニルアルコ−ル、オクチルドデカノ−ル、ミリスチルアルコ−ル、セトステアリルアルコ−ル等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコ−ル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロ−ルプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロ−ルプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、ポリエ−テル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコ−ン油等の油剤類;脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノ−ルアミンエ−テル等のアニオン界面活性剤類;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレ−ト、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコ−ル等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエ−テル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエ−ト、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレ−ト等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレ−ト等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコ−ルモノオレ−ト、POEジステアレ−ト等)、POEアルキルエ−テル類(POE2−オクチルドデシルエ−テル等)、POEアルキルフェニルエ−テル類(POEノニルフェニルエ−テル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエ−テル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエ−テル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、;表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパ−ル剤類;レ−キ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマ−等の有機粉体類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤;桂皮酸系紫外線吸収剤、;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノ−ル、イソプロパノ−ル等の低級アルコール類;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテ−ト、ビタミンB6ジオクタノエ−ト、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類;α−トコフェロ−ル、β−トコフェロ−ル、γ−トコフェロ−ル、ビタミンEアセテ−ト等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;フェノキシエタノ−ル等の抗菌剤;ヘクトライト、ジメチルジステアリルアンモニウム変性ヘクトライトなどの有機変性粘土鉱物などが好ましく例示できる。
【0107】
本発明の皮膚外用剤は前記の必須成分を含有し、乳化剤形であることを特徴とする。乳化剤形の形態としては、油中水乳化剤形でも、水中油乳化剤形でも構わないが、水中油乳化剤形が特に好ましい。ここで、油中水乳化剤形とは外相に油相を有する乳化剤形を総合して称する言葉であり、内相に水相を含有していても良いし、水中油エマルションなどの乳化物を有していても良い。同様に水中油乳化剤形とは、外相に水相を有する乳化物の総称であり、内相に油相を有していても良いし、油中水エマルションなどの乳化物を有していても良い。
【0108】
本発明の皮膚外用剤においては、通常の化粧料などの皮膚外用剤で使用されている非界面活性剤を含有することが出来る。更に、乳化状態を安定に保つ意味でアルキル変性カルボキシビニルポリマ−及び/又はその塩を含有させることも好ましい。かかる成分の好ましい含有量は、皮膚外用剤全量に対して、0.01〜0.5質量%であり、より好ましくは0.05〜0.3質量%である。かかる成分は、皮膚に投与後前記必須成分であるアモジメチコンと複合膜を作り、アモジメチコンの効果を増強させるので、その意味でも含有することが好ましい。かかるアルキル変性カルボキシビニルポリマ−には市販品が存し、かかる市販品を購入して使用することが出来る。好ましい市販品としては、日本サ−ファクタント工業株式会社から市販され、炭素数10〜30のアルキル基でアルキル変性されている「ペムレン(PEMUREN;登録商標)TR−1」、「ペムレン(PEMUREN;登録商標)TR−2」、BFグッドリッチ社(米)から市販されている「カ−ボポ−ル(CARBOPOL;登録商標)1382」などがあり、アルキル変性されていないカルボキシビニルポリマ−としては、BFグッドリッチ社(米)から市販されている「カ−ボポ−ル(CARBOPOL;登録商標)Ultrez10」、「カーボポール(CARBOPOL;登録商標)940」などがある。このような親水性高分子は、唯一種を用いても、二種以上を組み合わせて用いても構わない。本発明の水中油型乳化組成物は、このような親水性高分子を、0.05〜1質量%含有することが好ましく、0.08〜0.5質量%含有することがより好ましい。これより少ないと乳化系が不安定化するし、これより多いと系の粘度が高くなりすぎて、塗布性が悪くなる。
【0109】
また、前記の任意成分の中で特に好ましいものとしては、非イオン界面活性剤であり、中でも、親油性の界面活性剤であって、乳化状態に於いて構造形成性に優れるもの好ましく、かかる非イオン界面活性剤としては、ソルビタンステアリン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステルなどが特に好適に例示できる。かかる成分の好ましい含有量は0.1〜5質量%であり、より好ましくは0.2〜3質量%である。かかる成分を加えることにより、皮膚との接着性に優れるようになる。
【0110】
本発明の皮膚外用剤は、1)前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩を含有することにより、「色素沈着改善用」、「美白用」、「シミ改善用」などの色素関連異常に関する予防又は改善用として効果を発揮する。また、1)前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩を含有する組成物には、紫外線暴露などによる色素沈着異常に対する予防又は改善作用以外の作用を奏するものも存在する。その様な作用の発現を目的とし、本発明の前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩を含有する組成物であっても、紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善効果が発揮されている場合には本発明の効果を利用するものであるので、本発明の技術的範囲に属する。紫外線暴露などによる色素沈着異常に対する予防又は改善以外の作用としては、保湿作用、シワ形成に対する予防又は改善作用、肌荒れ予防又は改善作用、抗老化改善作用などが挙げられる。
【0111】
本発明の皮膚外用剤は、前記の任意成分や必須成分を常法に従って処理することにより製造することが出来る。
【0112】
以下に、実施例を挙げて、更に詳細に本発明について説明を加える。
【実施例1】
【0113】
<製造例8: 本発明の組成物(皮膚外用剤)の製造1>
表1及び表2に示す処方に従って、本発明の組成物(皮膚外用剤)を作製した。即ち、イ、ロ及びハの成分を80℃に加熱し、ロにハを攪拌しながら徐々に加え中和した後、イを徐々に攪拌しながら加え、ホモミキサ−により乳化粒子を均一化し乳液(化粧料1〜4)を得た。同様の操作により、「本発明の前記一般式(1)に表される化合物」を「水」に置換した比較例1、「本発明の前記一般式(2)に表される化合物」を「水」に置換した比較例2、「本発明の前記一般式(1)に表される化合物」及び「本発明の前記一般式(2)に表される化合物」を共に「水」に置換した比較例3を製造した。
【0114】
【表1】

【0115】
【表2】

【実施例2】
【0116】
<試験例1: 本発明の組成物(皮膚外用剤)の色素沈着抑制作用評価1>
水中油乳化剤形の化粧料(化粧料1〜4)及び比較例1〜3の化粧料を用い、色素沈着抑制効果を調べた。自由意思で参加したパネラ−の上腕内側部に、試験初日(1日目)に1.5cm×1.5cmの試験部位を設け、試験部位の皮膚明度(L*値)を色彩色差計(CR-300、コニカミノルタ株式会社)にて測定した。試験初日に皮膚明度を測定した後、試験部位に最少紅斑量の2倍量(2MED)の紫外線を1回照射した。紫外線照射終了直後より1日3回、14日連続して、各試験部位に各検体(化粧料1〜4又は比較例1〜3の化粧料)を50μL塗布した。塗布終了24時間後(15日目)に色彩色差計(CR-300、コニカミノルタ株式会社)にて各試験部位の皮膚明度(L*値)を測定し、試験初日のL値に対するΔL*値を算出した。結果を表3に示す。ΔL*値は色素沈着の程度が強いほど低い値となるため、ΔL*値が大きい程、色素沈着が抑制されたと判断することができる。これにより、本発明の皮膚外用剤である化粧料1〜6は優れた色素沈着抑制効果を有することが分かる。また、比較例1及び比較例2も色素沈着抑制作用が認められたが、その効果は、化粧料1〜4に比較し弱かった。これにより、本発明の皮膚外用剤である化粧料1〜4は、優れた色素沈着抑制効果を示すことが分かる。
【0117】
【表3】

【実施例3】
【0118】
<製造例9: 本発明の組成物(皮膚外用剤)の製造2>
前記化粧料3に含有される「本発明の前記一般式(1)に表される化合物」(化合物12)及び「本発明の前記一般式(2)に表される化合物」(化合物15のL異性体)の含有量を変化させた化粧料(化粧料5〜9)を実施例1に記載の製造方法に従い作製し、紫外線暴露による色素沈着抑制作用を検討した。前記成分の含有量は、表4に示した通りである。また、前記成分の増減による質量%の変化は、水の質量%を増減させることにより調整した。
【0119】
【表4】

【実施例4】
【0120】
<試験例2: 本発明の組成物(皮膚外用剤)の色素沈着抑制作用評価2>
実施例3に記載の方法により製造した水中油乳化剤形の化粧料5〜9、及び、実施例1に記載の方法に従い製造した比較例3に関し、実施例2に記載の試験方法に従い、化粧料5〜9、比較例3の色素沈着抑制作用を評価した。結果を表5に示す。これにより、本発明の皮膚外用剤である化粧料5〜9は、優れた色素沈着抑制効果を示すことが分かる。
【0121】
【表5】

【実施例5】
【0122】
<製造例11: 本発明の組成物(皮膚外用剤)の色素沈着抑制作用評価3>
実施例1に記載の方法に従い製造した化粧料1〜4、比較例1〜3に付いて、以下の手順に従い色素沈着抑制作用評価を行った。メラニン量が平均より多いパネラ−の選択にあたっては、皮膚から粘着テ−プストリッピングにより採取した角層細胞の標本を、硝酸銀水溶液を用いたメラニン染色を行うことにより可視化し、これを顕微鏡下観察することにより判定した。また、判定にあたっては、平均的な存在状況を中心にスコア化して判別した。さらに、前記パネラ−の内、角層標本を用い有核細胞の出現率が平均よりも高い、乃至は、重層剥離の度合いが平均よりも多い人を観察により選択しパネラ−とした。前記の特性を有する自由意思で参加したパネラ−の両上腕内側部に1.5cm×1.5cmの部位を上下2段に分け測定部位を設け、最少紅斑量(1MED)の紫外線照射を1日1回、3日連続して3回照射した。照射終了後1日より、1日1回28日連続してサンプル50μLを塗布した。1部位は無処置部位とした。塗布終了24時間後に色彩色差計(CR-300、コニカミノルタ株式会社)にて各試験部位の皮膚明度(L*値)を測定し、無処置部位のL値に対するΔL*値を算出した。L*値は、色素沈着の程度が強いほど低い値となる。従って、ΔL*値が大きい程、色素沈着が抑制されたと判断することができる。結果を表6に示す。これにより、本発明の皮膚外用剤である化粧料1〜4は、優れた色素沈着抑制効果を示すことが分かる。
【0123】
【表6】

【実施例6】
【0124】
<製造例10: 本発明の組成物(皮膚外用剤)の製造3>
実施例1に記載の化粧料3の処方成分中、「ペムレンTR−2」をPOE(25)ステアリン酸に置換した化粧料10の作製を試みたところ、化粧料10は、製造直後に分離しており、乳化物が得られなかった。

【実施例7】
【0125】
<製造例12: 本発明の組成物(健康食品)の製造1>
表7及び表8に示す処方に従い、健康食品(健康食品1〜4)を作製した。即ち、処方成分を10重量部の水と共に転動相造粒(不二パウダル株式会社製「ニュ−マルメライザ−」)し、打錠して錠剤状の健康食品を得た。尚、表中の数値の単位は、重量部を表す。本健康食品は、優れた色素沈着予防又は改善効果を有することが分かった。
【0126】
【表7】

【0127】
【表8】



【産業上の利用可能性】
【0128】
本発明は、色素沈着の予防又は改善用の化粧料、食品等に応用出来る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)下記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)下記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩とを含有することを特徴とする、組成物。
【化1】

(1)
[式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基及び/又は無置換又は置換基を有する複素芳香族環よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリ芳香族メチル基を表し、Bは、Aとの結合部位が複素原子である、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい環状又は非環状の脂肪族又は芳香族炭化水素基を表す。]
【化2】

(2)
[式中、R1は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R2は、水素原子、無置換又は置換基を有する芳香族基、無置換又は置換基を有する芳香族基により置換されていてもよい炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、R3は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、nは、1又は2の整数、mは、0〜3の整数を表す。]
【請求項2】
前記一般式(1)に表される化合物が、下記一般式(3)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【化3】

(3)
[式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、Bは、Aとの結合部位が複素原子である、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい環状又は非環状の脂肪族又は芳香族炭化水素基を表す。]
【請求項3】
前記一般式(2)に表される化合物が、下記一般式(3)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【化4】

(4)
[式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、Xは、窒素原子を表し、R4は、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子で置換されていてもよい炭素数3〜8の環状脂肪族炭化水素基を表し、前記環状脂肪族炭化水素基の環は、R4のもう一方の末端がXに再び結合して形成された環も包含する]
【請求項4】
前記一般式(2)に表される化合物が、下記一般式(5)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【化5】

(5)
[式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、Xは、酸素原子、R5は、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子に置換されていてもよい炭素数1〜8の脂肪族炭化水素を表す]
【請求項5】
前記一般式(2)に表される化合物が、下記一般式(6)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【化6】

(6)
[式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、Xは、窒素原子を表し、R6及びR7は、それぞれ独立に、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子に置換されていてもよい炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基を表す。]
【請求項6】
前記一般式(2)に表される化合物が、下記一般式(7)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【化7】

(7)
[式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群よりそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、Xは窒素原子、R8は、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子で置換されていてもよい炭素数3〜8の芳香族炭化水素基を表し、前記芳香族炭化水素基は、Xが環内に存在する基も包含する。]
【請求項7】
前記一般式(1)に表される化合物が、1−(ジフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物1)、1−(トリフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物2)、2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物3)、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物4)、2−[(ジフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物5)、2−[(トリフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物6)、2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物7)、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物8)、1−(ジフェニルメチル)ピロリジン(化合物9)、1−(トリフェニルメチル)ピロリジン(化合物10)、1−(ジフェニルメチル)ピペリジン(化合物11)、1−(トリフェニルメチル)ピペリジン(化合物12)及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の組成物。
【化8】

1−(ジフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物1)
【化9】

1−(トリフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物2)、
【化10】

2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物3)
【化11】

2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物4)
【化12】

2−[(ジフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物5)
【化13】

2−[(トリフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物6)
【化14】

2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物7)
【化15】

2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物8)
【化16】

1−(ジフェニルメチル)ピロリジン(化合物9)
【化17】

1−(トリフェニルメチル)ピロリジン(化合物10)
【化18】

1−(ジフェニルメチル)ピペリジン(化合物11)
【化19】

1−(トリフェニルメチル)ピペリジン(化合物12)
【請求項8】
前記一般式(2)に表される化合物が、下記一般式(8)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載の組成物。
【化20】

(8)
[式中、R9は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R10は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、nは、1又は2の整数、mは、0〜3の整数を表す。]
【請求項9】
前記一般式(8)に表される化合物が、下記一般式(9)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1〜8の何れか一項に記載の組成物。
【化21】

(9)
[式中、R11は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R12は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、nは、1又は2の整数を表す。]
【請求項10】
前記一般式(9)に表される化合物が、下記一般式(10)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1〜9の何れか一項に記載の組成物。
【化22】

(10)
[式中、R13は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R14は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表す。]
【請求項11】
前記一般式(2)、(8)〜(10)に表される化合物が、N−(o−トルイル)システイン酸(化合物13)、N−(m−トルイル)システイン酸(化合物14)、N−(p−トルイル)システイン酸(化合物15)、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物16)、(N−ビフェニルカルボニル)システイン酸(化合物17)、N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物18)、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1〜10の何れか一項に記載の組成物。
【化23】

N−(o−トルイル)システイン酸(化合物13)
【化24】

N−(m−トルイル)システイン酸(化合物14)
【化25】

N−(p−トルイル)システイン酸(化合物15)
【化26】

N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物16)
【化27】

(N−ビフェニルカルボニル)システイン酸(化合物17)
【化28】

N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物18)
【請求項12】
前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、組成物全量に対し、0.001質量%〜10質量%含有することを特徴とする、請求項1〜11の何れか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、組成物全量に対し、0.0001質量%〜20質量%含有することを特徴とする、請求項1〜12の何れか一項に記載の組成物。
【請求項14】
化粧料(但し、医薬部外品を含む)であることを特徴とする、請求項1〜13の何れか一項に記載の組成物。
【請求項15】
美白用であることを特徴とする、請求項1〜14の何れか一項に記載の組成物。
【請求項16】
紫外線暴露による色素沈着の予防又は改善用であることを特徴とする、請求項1〜15の何れか一項に記載の組成物。
【請求項17】
メラニン過剰産生により生じる角化細胞の細胞不活性化が関与する色素沈着予防又は改善用であることを特徴とする、請求項1〜16の何れか一項に記載の組成物。
【請求項18】
皮膚外用剤であることを特徴とする、請求項1〜17の何れか一項に記載の組成物。
【請求項19】
1)前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩とを含有することを特徴とする、請求項18に記載の皮膚外用剤。
【請求項20】
前記一般式(1)に表される化合物が、前記化合物1〜12に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項18又は19に記載の皮膚外用剤。
【請求項21】
前記一般式(2)に表される化合物が、前記化合物13〜18に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項18〜20に記載の皮膚外用剤。
【請求項22】
前記一般式(1)に表される化合物が、1−(トリフェニルメチル)ピペリジン(化合物12)及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であること、前記一般式(2)に表される化合物が、N−(p−トルイル)システイン酸(化合物15)、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項18〜21に記載の皮膚外用剤。
【請求項23】
さらに、皮膚外用剤の製剤成分として好ましい成分を含有することを特徴とする、請求項18〜22の何れか一項に記載の皮膚外用剤。

【公開番号】特開2011−241165(P2011−241165A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113935(P2010−113935)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】