説明

組換え高効率複合インターフェロンの使用方法

本発明は、変化した空間配置を有し、有効性が高く、副作用の低い組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−cos)とその等価物の様々な使用方法を提供する。これにより、大用量のrSIFN−coを用いることができる。rSIFN−coの一つの特性は、薬理学的研究のインビトロ法で、HBVのDNA複製とHBs抗体とHBe抗体の分泌を抑制する能力を有することである。rSIFN−coの細胞障害性の効果は、現在臨床的に利用可能であるインターフェロンの1/8倍のみであるが、抗ウイルス効果は約5−20倍と高い。また、rSIFN−coを生体内で用いた場合、rSIFN−coは臨床に広範囲に応用でき、生体フィードバック応答が長くなる。本発明は、さらに、高効率複合インターフェロンまたはその等価物、該rSIFN−coとその等価物をコードするコドン選択を含む人工遺伝子の合成、該遺伝子と該rSIFN−coを発現させる適切な発現系を備えるベクターを提供する。最後に、本発明は高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)とその等価物、その生成過程及びその使用方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体工学分野に関連する。特に本発明は、変化した空間配置を有し、有効性が高く、副作用の少ない組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN‐co)またはその等価物に関連する。従って、rSIFN‐coを大量に投与できる。また本発明は前記高効率複合インターフェロン(rSIFN‐co)、または前記高効率複合インターフェロン(rSIFN‐co)もしくはその等価物を含む医薬組成物を生産する過程にも関連しており、前記インターフェロンまたは組成物の抗ウイルスや抗腫瘍療法への利用方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
IFN−conは遺伝子工学の方法を用い、天然ヒトIFN-αサブタイプ中で発見された最も一般的な保存アミノ酸で構築された新しいインターフェロン分子である。それについては米国特許第4,695,623号と第4,897,471号に記載されている。IFN−conは広域スペクトラムIFN活性、ウイルス抑制、腫瘍抑制、そしてナチュラルキラー細胞活性を持つとことが証明されている。Amgen社の米国特許第5,372,808号はInfergen(登録商標)(インターフェロンアルファコン‐1)を用いた治療を検討している。Amgen社の中国特許第97193506.8はInfergen(登録商標)を用いたC型肝炎の再治療を検討している。Shenzhen Jiusheng Bioengineering社の中国特許第98114663.5は組換えコンセンサスヒトインターフェロンαでのB型肝炎及びC型肝炎の治療を検討している。
【0003】
米国食品医薬品局(FDA)は1997年末に、C型肝炎の臨床治療用にInfergen(登録商標)(インターフェロンアルファコン‐1)を大腸菌を用いて生産することをAmgen社に許可した。
【0004】
HBs抗原とHBe抗原が検出されると、B型肝炎患者であると特定できる。IFN−αは一般に診療所でB型肝炎の治療に使われる。IFN‐αは表面細胞膜受容体と結合する。このようにしてDNAとRNA(リボ核酸)の複製を抑制し、酵素を誘発して肝炎に感染した細胞内のウイルスの複製を防止する。IFNsは全てウイルスのDNA複製を抑制することが可能であるが、e抗原やs抗原の発現を抑制することはできない。
【0005】
本出願は2005年3月9日提出の、米国特許出願番号第60/659,925の一部継続出願であり、その内容はそれらの全体を参照することにより本出願に含むこととする。
【0006】
本出願中では、様々な出版物が文献として引用されている。本発明の関係する最新技術をさらに詳細に記述するため、これらの出版物の全体の公開は文献を参照することにより本出願に含むこととする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
重症急性呼吸器症候群(SARS)と呼ばれ中国広東省で最初に確認された新型肺炎の発生は、様々な国へ広がった。2003年の2月と3月から香港、ベトナム、カナダの患者から同様の症例が検出された。世界保健機構(WHO)はその疾病に対し世界的規模の警告を出した。2003年3月中旬には、SARSは極東の重症呼吸器症候群患者のケアにあたった医療従事者や家族中に確認された。複数連鎖の感染によって、これらの症例のほとんどが、広東省出身のある医療従事者にたどりついた。彼は香港を訪問し、そこで肺炎のため入院し死亡した。2003年4月下旬、世界25カ国以上の国から何千ものSARSの症例と何百ものSARSに関連した死がWHOに報告された。これらの症例のほとんどが家庭や医療環境でのSARS患者への暴露を通じて起こった。本発明はSARSの予防及び/または治療方法を提供するものである。
【0008】
本開示は、組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN‐co)、その生産方法及びその利用方法について述べている。特に、ここに開示されている高効率複合インターフェロンは、肝炎ウイルス、SARSウイルス、又はウイルス誘発性呼吸器疾患、鳥インフルエンザウイルスなどのインフルエンザウイルス、そしてエボラウイルスを抑制、予防及び/又は治療することが可能である。
【0009】
さらに、他の入手可能なインターフェロンと比較して副作用が少ないrSIFN‐coは、ウイルス性疾患や腫瘍の予防及び/又は治療に効果的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、変化した空間配置を有し、有効性が高く副作用の少ない組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN‐co)とその等価物を提供する。そのため、rSIFN‐coを大量に投与することができる。
【0011】
本発明は高効率複合インターフェロン又はその等価物をコードする遺伝子からなるベクターを含む発現系を提供する。本発明はまた組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN‐co)又はその等価物をコードする遺伝子からなるベクターを含む宿主細胞も提供する。前記宿主細胞は、真核生物又は大腸菌等の原核生物である。
【0012】
本発明はウイルス性疾患の抑制、予防もしくは治療方法、または患者の腫瘍の抑制もしくは治療方法を提供する。前記治療方法は、有効量の高効率複合インターフェロンまたはその等価物を投与することを含む。
【0013】
本発明は、高効率複合インターフェロンが、静脈注射、筋肉注射、腹腔注射、皮下注射、鼻腔もしくは粘膜への投与、または呼吸機によって経口投与される上記記載の方法を備える。
【0014】
本発明はウイルス性疾患であるA型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、他の型の肝炎、エプスタイン・バーウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、エボラウイルス、重症急性呼吸気性症候群ウイルス(SARS)、インフルエンザウイルス、サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルスまたはその他のヘルペスウイルス、パポバウイルス、ポックスウイルス、ピコルナウイルス、アデノウイルス、ライノウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルスI、ヒトT細胞白血病ウイルスIIまたはヒトT細胞白血病ウイルスIIIによるウイルス感染を予防または治療する方法を提供する。
【0015】
本発明はウイルス性疾患であるヒト免疫不全ウイルス(HIV)やエボラウイルスを予防または治療する方法を提供する。
【0016】
本発明は抗肝炎活性の方法を提供する。これは、HBV‐DNAの複製とHBs抗原とHBe抗原の生産を抑制することができる。
【0017】
本発明は、上部呼吸器感染疾患を予防または治療する方法を提供する。
【0018】
本発明は、皮膚癌、基底細胞癌、悪性黒色腫、腎細胞癌、肝癌、甲状腺癌、上咽頭癌、固形癌、前立腺癌、胃/腹腔内の癌、食道癌、直腸癌、脾臓癌、乳癌、卵巣癌と表在性膀胱癌、血管腫、類表皮癌、子宮頸癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、神経膠腫、白血病、急性白血病と慢性白血病、慢性骨髄性白血病、有毛細胞白血病、リンパ節腫、多発性骨髄腫、真性赤血球増加症、もしくはカポジ肉腫である腫瘍もしくは癌の予防または治療方法を提供する。
【0019】
本発明は、有効量の組換え高効率複合インターフェロンまたはその機能的等価物をウイルス誘発性疾患の患者に投与して、予防または治療する方法を提供する。
【0020】
高効率複合インターフェロン(rSIFN‐co)は静脈注射、筋肉注射、腹腔注射、皮下注射、鼻腔もしくは粘膜への投与、または呼吸機によって経口投与される。
【0021】
本発明は、ウイルス誘発性疾患の病原因子の抑制方法を提供する。前記方法は、病原因子が高効率複合インターフェロンまたはその等価物と接触することを含む。
【0022】
本発明はまた、ウイルス誘発性疾患の抑制方法も提供する。前記方法は有効量の高効率複合インターフェロンが前記ウイルスまたは細胞と接触することを含む。この接触は直接的であってもよく、または間接的であってもよい。
【0023】
本発明は、ウイルス誘発性疾患を抑制、予防または治療可能な有効量の高効率複合インターフェロンと、適切な担体からなる組成物を提供する。
【0024】
本発明は、患者のウイルス誘発性疾患を抑制、予防、または治療する有効量の組換え高効率複合インターフェロンからなる医薬組成物と薬学的に許容可能な担体を提供する。
【0025】
本発明は、患者に有効量の組換え高効率複合インターフェロンまたは機能的等価物を投与することを含む患者の腫瘍の予防または治療方法を提供する。
【0026】
本発明は、病原因子を有効量の高効率複合インターフェロンまたはその等価物に接触させることを含む腫瘍の抑制方法を提供する。
【0027】
本発明は、有効量の高効率複合インターフェロンを前記ウイルスまたは細胞と接触させることを含む腫瘍を抑制する方法を提供する。
【0028】
本発明は、腫瘍を抑制、予防、または治療可能な有効量の高効率複合インターフェロンと適切な担体を含む組成物を提供する。
【0029】
本発明は患者の腫瘍を抑制、予防或いは治療可能な有効量の組換え高効率複合インターフェロンと薬学的に許容される担体からなる医薬組成物を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
<組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN‐co)>
本発明は、変化した空間配置を有する組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN‐co)またはその等価物を提供する。本発明は、同じ一次配列を持つタンパク質が異なる生物学的活性を有する可能性を明らかにする。本出願で説明するように、同一のアミノ酸配列を持つタンパク質は異なった活性を有する。これらのタンパク質の有効性は時に高まることもあり、そして、変化した空間配置を有するタンパク質の新しい機能が明らかになることもある。Wei(2005年;公開番号WO2005/02177 A2; 国際出願番号 PCT/US2004/028068)は、タンパク質の空間配置を調整する一連の方法を提供している。
【0031】
ここに定義するように、等価物とは、複合インターフェロンと機能的に類似する分子である。等価物は元の配列の欠失、置換、または代替変異体でありうる。また、組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN‐co)の模倣体を包含することも本発明の目的である。模倣体は、ペプチド、ポリペプチド、または小化合物でありうる。
【0032】
ここに記述された組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN‐co)は、インターフェロンα、β、νまたはωを含むが、それに限定されるものではない。一実施形態では、rSIFN‐coは、IFN−1α、IFN−2βまたは他の変異体である。
【0033】
他の実施形態では、開示されている組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN‐co)は、インターフェロンα、β、ν、ωまたはそれらの組み合わせよりも有効性が高く、また米国特許第4,695,623号と第4,897,471号に開示されているインターフェロンと比較すると有効性が高い。この組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN‐co)は、特有の二次構造または三次構造を有すると考えられており、三次元変化はその生産過程における変化によるものである。Wei(2004年;US2004/0202641 A1; 米国識別番号第10/650,365号)はまた、この組換え高効率複合について述べている。
【0034】
ここで述べる組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN‐co)は、生産過程の変化の結果生じる空間構造変化を有する。
【0035】
(低副作用)
前記組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN‐co)は、他のインターフェロンと比べて副作用が少ない。そのためインターフェロン治療が必要な患者に、より大量に投与できる。またこれらの副作用が少ないrSIFN‐coを他の病気の予防及び/または治療に用いることもできる。故に、本発明は患者に投与する時に、より副作用が少ない前記組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN‐co)を提供する。
【0036】
本発明は、現在入手可能な全てのインターフェロンと比較して副作用が少ない組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN‐co)を提供する。
【0037】
本発明は、さらに患者のウイルス性疾患や腫瘍の治療や予防の方法を提供する。前記発明は、現在利用可能な全てのインターフェロンと比較して副作用の少ない有効量のrSIFN‐coを患者に投与することを備える。従って、rSIFN‐coを大量に投与することができる。一実施形態では、有効量の組換え高効率複合インターフェロンはナノグラム量である。
【0038】
<rSIFN‐coの生産過程>
(人工遺伝子)
本発明はまた、高効率複合インターフェロンまたはその等価物をコードする人工遺伝子を提供する。人工遺伝子を設計することは、通常の技術の範囲内である。ヌクレオチド配列を生成する様々な方法や他の分子生物学技術は、従来、述べられている。以下の例、Joseph Sambrook and David W. Russell, 分子クローニング:研究室マニュアル、2000年12月、Cold Spring Harbor Laboratory Press出版を参照。
【0039】
組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN‐co)はまた、その遺伝子により、大腸菌のコドン選択に準じた野生型によって配列が調整された人工合成cDNAとして生産される。前記コドン使用頻度(選択)の広範囲にわたる議論は、米国特許第4,695,623中でなされている。例:6欄41行目から7欄35行目を参照。
【0040】
(ベクター)
本発明は高効率複合インターフェロンまたはその等価物をコードする遺伝子からなるベクターを提供する。本発明は高効率複合インターフェロンまたはその等価物をコードする遺伝子からなるベクターを含む発現系を提供する。細胞は原核細胞や真核細胞を含むが、それに限定されるものではない。本発明は、また組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN‐co)またはその等価物をコードする遺伝子からなるベクターを含む宿主細胞を提供する。
【0041】
本発明は変化した空間配置と強化された抗ウイルス活性を持つ組換え高効率複合インターフェロンを生産する方法を提供し、その方法は以下の段階を備える。
(a)前記インターフェロンをコードする核酸分子を、発現用の優先コドンにより適切な宿主に導入する。
(b)導入宿主を前記インターフェロンの発現が可能な状態にする。
本発明は、組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN‐co)を生産する方法を提供し、さらに発現したインターフェロンの再生を含む。
【0042】
(発現系)
上記に述べた組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN‐co)は、特別なプロモーター、エンハンサー、または他の調節要素を用いる高効率の発現系により生産されてもよい。一実施形態では前記プロモーターは誘導性である。前記誘導プロモーターはPBAD、熱ショックプロモーターまたは重金属誘導性プロモーターを含むが、それに限定されるものではない。熱ショックプロモーターは物理的手段により活性化され、一方で他のプロモーターは、例えばIPTGやテトラサイクリンといった化学的手段により活性化される。IPTGは下流の遺伝子を活性させるため細胞に加えられるか、遺伝子を不活性化させるため除去される。テトラサイクリンはプロモーターを誘発するため、またはプロモーターの強度を制御するために利用される。
http://bio.Davidson.edu/courses/genomics/method/plasmid_inducible.html.を参照。
【0043】
一実施形態では、前記プロモーターはPBADである。19世紀初期より、AraCによるPBADの発現メカニズムと抑制メカニズムは広く研究されており、その相互作用は分子レベルで分析されてきた。Schleif,R.S.1992 DNA looping. Annu. Rev. Biochem. 61:199-223.を参照。AraCタンパク質は正の調節因子であり負の調節因子である。AraCタンパク質存在下では、PBADプロモーターからの転写が起こり、AraCタンパク質非存在下では、非常に低い率で転写がおこる。Guzman,L.M.et al(1995)J. Bact.177:4121−4130.を参照。PBADプロモーターの効率やメカニズムは、他の当業者に広く知られており、市販されている。http://www.invitrogen.com/content/sfs/Brochures・710 01619 pBAD bro.pdfを参照。
【0044】
市販されているインビトロジェン社の発現キットは、正確な発現量の調整を提供するためのpBADのベクターを含む。araBADプロモーターは、遺伝子発現を開始する。これは、araC遺伝子の生成によって、正にも負にも制御される。前記araC遺伝子は、L‐アラビノースとの複合体を形成する転写制御因子である。アラビノースの非存在下で、AraC二量体はaraBADオペロンのO2とI1のハーフサイトに接触し、210bpのDNAループを形成する。転写活性化を最大限にするためには、2つの事象が必要である。まず、アラビノースがAraCへ結合する。タンパク質はO2サイトを離れ、I1サイトに隣接するI2サイトに結合する。これによりDNAループが解放され転写を開始することができる。次に、cAMP活性化タンパク質(CAP)−cAMP複合体はDNAに結合し、AraCのI1及びI2への結合を刺激する。グルコースを成長培地へ導入することにより、基本的発現量を抑制することができる。グルコースは、cAMPを低下させることにより、次々にCAPの結合を減少させる働きをする。cAMP量が低下すると、転写活性化は減少する。インビトロジェン社のpBADベクターは、発現を最大限に、そして容易に使用できるよう特に設計されている。
【0045】
現在利用可能な9つのpBADベクターは、pBAD102/D‐TOPO(登録商標)、pBAD202/D‐TOPO(登録商標)、pBAD‐TOPO(登録商標)、pBAD/Thio‐TOPO(登録商標)、pBAD/His,pBAD/Myc‐His、pBAD‐DEST49、pBAD/gIIIとpBAD/Thio‐Eである。全てのpBADベクターは次に続く特徴を持つ。
容量依存的な制御因子であるaraBADプロモーター
araBADプロモーターを厳格に管理するaraC遺伝子
翻訳効率を増加させる最適化リボソームの結合部位
効率的な転写をするためのrrnB転写終端領域
【0046】
誘導プロモーターは、熱ショックプロモーターまたは重金属誘導プロモーターを含むが、それらに限定されるものではない。
【0047】
本発明は組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)の生産過程を提供する。前記生産過程は、特定コドン選択を用いて人工遺伝子を適切な宿主に導入する段階と、適切な条件で前記導入宿主を培養する段階と、複合インターフェロンを発現させ、発現した複合インターフェロンを採取する段階を備える。
【0048】
前記過程は、組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)を培養基の抽出、封入体の収集、採取したタンパク質の変性と再生を含む。
【0049】
前記過程は、例え組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)が薬剤と共に使用されたり、特定の濃度で使用されても、高い有効性を維持することができる。またその過程は組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)の分離と精製も含む。さらにその過程は、精製された組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)の凍結乾燥を含む。前記過程は、組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)の液体注入剤の生産を含む。
【0050】
一実施形態において、組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)は、組換え技術を用いて生産された。一定のアミノ酸配列の条件下で、大腸菌のコドン使用頻度によりIFN DNAは再設計され、そしてrSIFN−co遺伝子は人工的に合成した。rSIFN−co cDNAは、DNA組換え技術により、大腸菌の高度発現ベクターにクローニングした。Lアラビノースの誘発/活性メカニズムを用いてPBADプロモーターの転写を活性化することによって、rSIFN−coが高度発現した。
【0051】
通常の熱誘導と比較して、遺伝子工学のpH誘導及びIPTG誘導システム、アラビノース誘導/活性システムには次の利点がある。(1)共通のシステムが「抑圧解除」パターンを作ることにより、プロモーター機能を緩和する。するとプロモーターは下流遺伝子発現を誘発する。天候の変化及びpHの変化やIPTGの追加によって直接プロモーターを活性化できない。ここに開示されたシステムでは、L‐アラビノースは、非活性化及び抑制するだけでなく、rSIFN−coの高度発現を誘発するPBADプロモーターの転写も活性化させる。すなわち、アラビノース誘発/活性システムは、より効果的な発現系である。(2)外因投与量とL‐アラビノース投与量の関係は直線状にある。これは外来遺伝子の発現量を調整するためには、アラビノース濃度が変化する可能性があることを意味する。すなわち、大腸菌内の外来遺伝子発現量をアラビノースで調整することは、温度やpH値を変化させることより容易である。この特性は封入体の形成に重要である。(3)L‐アラビノースは豊富であり、安価で安全である。しかし反対に、この点はIPTGのような他の誘発物には不利である。
【0052】
この実施形態は、L‐アラビノース誘発/活性システムの菌株を操作し、効果的で耐久性のあるrSIFN−coを発現する大腸菌を作り出す。その菌株を好適な条件の下、培養、発酵し、細菌体を採取する。そしてバクテリアを破壊し、繰り返し洗浄して、封入体は精製される。
結果的に、本発明及び医学的治療のための、多量の高精製であるとともに空間配置が変化したrSIFN‐coタンパク質は、封入体の変性と再生、そして一連の精製工程から得られた。前記精製は精製タンパク質の生物活性に影響は及ぼさない。
【0053】
上記に述べられた組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)は、抗ウイルスまたは抗腫瘍活性を保持し、それ故、ウイルス疾患の抑制、予防または治療に、また腫瘍や癌の抑制または治療に有効である。
【0054】
(ウイルス性疾患)
本発明は、患者のウイルス性疾患あるいは腫瘍を、治療もしくは予防する方法を提供する。前記方法は、患者に対し、組換え高効率複合インターフェロン(r-SIFN-co)またはその等価物を有効量投与する段階からなる。Wei (2005; 国際公報番号 WO 2005/034853A2号)は、患者の重症急性呼吸器症候群を、予防もしくは治療する方法を提供する。
【0055】
本明細書において、ウイルス性疾患には、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、その他の型の肝炎、エプスタイン・バーウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、エボラウイルス、重症急性呼吸器症候群ウイルス(SARS)、インフルエンザウイルス、サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルス、その他のヘルペスウイルス、パポバウイルス、ポックスウイルス、ピコルナウイルス、アデノウイルス、ライノウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルスI、ヒトT細胞白血病ウイルスII、またはヒトT細胞白血病ウイルスIIIが引き起こす感染症が含まれるが、これらに限定されない。
【0056】
一実施形態として、組換え高効率複合インターフェロンの有効量はナノグラム量である。他の実施形態として、ウイルスはヒト免疫不全ウイルスであり、組換え高効率複合インターフェロンの有効量は1ミリリットルあたり4ナノグラムまで低量である。また、他の実施形態として、ウイルスはインフルエンザウイルスであり、組換え高効率複合インターフェロンの有効量は1ミリリットルあたり10ナノグラムまで低量である。
【0057】
(B型肝炎ウイルスのDNA複製の抑制とB型肝炎ウイルスのHBs抗原とHBe抗原の分泌の抑制)
組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)はDNA複製とB型肝炎のB型肝炎表面抗原及びB型肝炎e抗原の分泌を抑制する。
【0058】
(重症急性呼吸器症候群ウイルス(SARS))
本発明は、患者の重症急性呼吸器症候群または、ウイルス誘起の上部呼吸器感染疾患を予防もしくは治療する方法を提供する。前記方法は、患者に対し、組換え高効率複合インターフェロンの有効量または組換え高効率複合インターフェロンの機能的等価物の有効量を患者に投与する段階を備える。上記方法の一実施形態として、インターフェロンは、α、β、γ、εまたは、これらの組み合わせである。
【0059】
組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)は、経口投与、静脈注射、筋肉注射、腹腔注射、皮下注射、鼻腔もしくは粘膜への投与、またはスプレーもしくは呼吸機により吸引することで投与される。一実施形態として、rSIFN−coは皮下または筋肉内に、表面1平方メートルにつき1000万国際単位(10 Million International Unit)と同等またはそれ以上の量が投与される。他の実施形態として、rSIFN−coは皮下または筋肉内に、表面1平方メートルにつき2000万国際単位(20 Million International Unit)と同等またはそれ以上の量が投与される。ある実施形態として、インターフェロンはスプレー装置によって送達される。ある特定の実施形態として、前記装置は図11に記載されている。実施形態の中の一つとして、インターフェロンは凍結乾燥されている。
【0060】
本発明は重症急性呼吸器症候群の病原因子またはウイルス誘起の上部呼吸器感染疾患を抑制する方法を提供する。この方法は、組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)またはその等価物の有効量を薬剤と接触させる段階を備える。
【0061】
SARSの病原因子はウイルスであることが見出されている。Rota et al (2003), Characterization of a novel Coronavirus Associated with Severe Acute Respiratory Syndrome. Science 1085952 www.sciencexpress.org及びMarra, et al. (2003), The Genome Sequence of the SARS-Associated Coronavirus. Science 1085853 www. sciencexpress.org.を参照。
【0062】
本発明は、また、重症急性呼吸器症候群ウイルス、重症急性呼吸器症候群ウイルスに感染した細胞、ウイルス誘起の上部呼吸器感染疾患または上部呼吸器感染疾患を誘起させることが可能なウイルスに感染した細胞を抑制する方法を提供する。この方法は、組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)の有効量を上記ウイルスまたは細胞に接触させる段階を備える。この接触は直接的であっても、間接的であってもよい。
【0063】
本発明は、組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)を有効量備えるとともに適切な担体を備える組成物を提供する。前記組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)は、重症急性呼吸器症候群ウイルス、重症急性呼吸器症候群ウイルスに感染した細胞、ウイルス誘起の上部呼吸器感染疾患、あるいは上部呼吸器感染疾患を誘起させることが可能なウイルスに感染した細胞を、抑制することが可能である。
【0064】
本発明は、組換え高効率複合インターフェロンを有効量備えるとともに適切な担体を備える組成物を提供し、前記組換え高効率複合インターフェロンは、患者の重症急性呼吸器症候群あるいは患者のウイルス誘起の上部呼吸器感染疾患を予防もしくは治療することが可能である。
【0065】
本発明は組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)を有効量備えるとともに薬学的に許容可能な担体を備える医薬組成物を提供し、前記組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)は、重症急性呼吸器症候群ウイルス、重症急性呼吸器症候群ウイルスに感染した細胞、ウイルス誘起の上部呼吸器感染疾患を抑制することが可能である。
【0066】
本発明は組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)を有効量備えるとともに薬学的に許容可能な担体を備える医薬組成物を提供し、前記組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)は、患者の重症急性呼吸器症候群、あるいは患者のウイルス誘起の上部呼吸器感染疾患を予防もしくは治療することが可能である。
【0067】
本発明は装置を提供し、前記装置は上記医薬組成物を送達する。
【0068】
好ましい実施形態としては、患者は人間である。容易に認められることだが、組換え高効率複合インターフェロンは他の動物もしくは哺乳類においても用いることが可能である。
【0069】
本発明は人間の重症急性呼吸器症候群、ウイルス誘起の上部呼吸器感染疾患を予防する方法を提供し、前記方法は、スプレーで1日3回、組換え高効率複合インターフェロンを使用する段階を備える。前記スプレーは、20マイクログラムのインターフェロンを含み、該インターフェロンは3ミリメートルあたり1000万活性単位と同等である。
【0070】
(ウイルス性上部呼吸器感染疾患(VURI))
ウイルス性上部呼吸器感染疾患は、別の病名として、感冒、風邪と呼ばれる。これは上気道の伝染性のウイルス感染症であり、この伝染性の感染症は粘膜の炎症、くしゃみ、そして咽頭炎をもたらすといった特徴を有している。通常、この感染症は、200以上の異なるウイルスによって引き起こされる。これらの200以上の異なるウイルスは、ライノウイルスであることが知られている。風邪は、インフルエンザを引き起こすウイルスと同一のウイルスによって、引き起こされるのではない。風邪を患う人の咳の飛沫あるいはくしゃみの飛沫、もしくは風邪を患う人によって汚染された物に接触することで、風邪は広まる。風邪をひくのは、子供が最も多く、年齢を経るに従って、減少する。これは、風邪を引き起こすウイルスに対する免疫が、病気になった後、獲得されるからである。成人になると、次第に、風邪を引き起こす幅広いウイルスに対する免疫が発達していく。子供は1年に10回風邪をひくが、大人は1年に3回風邪をひく。
【0071】
もし、患者がウイルス性上気道感染(URI)を患っている場合、治療範囲は幅広く存在する。これらの感染の多くは自然寛解するので、臨床医は休養と水分補給を勧めることが一般的である。一方、他の治療法としては、環境治療(environmental therapy)、栄養治療、鬱血除去薬や抗ヒスタミン剤の一般用もしくは処方医薬品、抗ヒスタミンや抗コリンの新しい経鼻製剤、抗生剤を含む。
http://www.physsportsmed.com/issues/1998/02feb/swain.htm (2005)を参照。
【0072】
(上部呼吸器感染疾患(URI)の予防及び治療)
約70〜80%のURIはRSウイルス(respiratory Syncytial virus)、アデノウイルス、ライノウイルス、コクサッキーウイルス(cox-sackie virus)、コロナウイルスやその変異体、A型インフルエンザウイルスやその変異体、B型インフルエンザウイルスやその変異体、パラインフルエンザウイルスやその変異体、あるいはエンテロウイルスやその変異体などのウイルスによって引き起こされる。大人の発症するURIの主なる原因は、ライノウイルスによるものである。子供の発症するURIの主要な2つの原因は、RSウイルスとパラインフルエンザウイルスによるものである。
【0073】
組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)は、URIを引き起こすウイルスと戦う際に重要な役割を果たしている。高効率複合インターフェロンは、主に2つのメカニズムで抗ウイルス作用を得る。:
感受性細胞表面に付着させ、抗ウイルスタンパクの産出を誘導し、細胞内でウイルスの複製及び増殖を遮断する。
組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)は免疫応答を調整する。この応答には、T細胞の免疫応答、NK細胞の活性、モノカリオンの食作用、さらに生体内での抗体産出が含まれる。
【0074】
URIの治療として、組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)は、スプレーまたは呼吸機を通して直接的に患部に使用される。この治療方法を用いることで、インターフェロンを標的細胞に直接到達させることができる。結果、経口あるいは注射よりも、スプレーとして供給品を市販する方が、インターフェロン投与には安全であり、効果的である。
【0075】
(SARSの予防及び治療)
四川省(中華人民共和国における省)におけるSARSの予防及び制御に取り組む作業グループの同意を得て、組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)の配付が2003年5月に始まった。組換え高効率複合インターフェロンのスプレーは、SARSに感染する危険性が高い人口集中地域における病院の医者や看護士に割り当てられた。また、前記スプレーは、SARSの予防及び制御に取り組む国立研究グループに割り当てられた。2003年12月19日現在、3000人のスプレー使用者の中で、スプレー使用に関連した副作用の報告はなかった。さらに、この組換え高効率複合インターフェロンのスプレーを使用した医者や看護士、四川省の人、あるいは他の組織の人は、誰もSARSには感染しなかった。
【0076】
従って、本発明は、ウイルス複製あるいはウイルスに感染した細胞を抑制、予防または治療する方法を提供し、該方法は、前記ウイルスもしくはウイルスに感染した細胞に対し、組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)またはその等価物を有効量接触させる方法である。
【0077】
<腫瘍の予防及び治療>
この組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)は次に示す癌もしくは腫瘍の抑制、予防、または治療に対し有用である。

【0078】
従って、本発明は、腫瘍あるいは癌細胞の成長を抑制する方法を提供する。該方法は、組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)あるいはその等価物を前記腫瘍もしくは癌細胞に接触させる方法である。
【0079】
<処方及び投与ルート>
本発明はまた、上記過程を用いることで、組換え高効率複合インターフェロンの生成を提供する。
【0080】
本発明は、組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)またはその等価物、及び適切な担体からなる組成物を提供する。
【0081】
本発明は組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)またはその等価物、及び薬学的に許容可能な担体からなる医薬組成物を提供する。
【0082】
本発明は上記方法を提供し、組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)は経口、静脈注射、筋肉注射、腹腔注射、皮下注射、鼻腔もしくは粘膜への投与、またはスプレーもしくは呼吸機で吸引することにより投与されることを特徴とする。
【0083】
本発明は上記方法を提供し、組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)は、以下の注射の手順によって投与されることを特徴とする。この手順とは、9μg、15μg、または24μgを二日おきに、1週間で3回、24週間注射を行なう手順である。
【0084】
組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)の空間配置は変化するが、組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)は、B型肝炎のDNA複製を抑制する製剤であるだけでなく、2.2.15細胞におけるHBs抗原やHBe抗原の分泌を抑制する製剤である。このことは驚くべき発見である。
【0085】
本発明の目的は、組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)の製剤の提供により、直接的にB型肝炎ウイルスのDNA複製及び、B型肝炎におけるHBe抗原やHBs抗原の分泌を抑制することである。そして本発明の目的は、該製剤の提供により、これらを正常な量にまで減少させることである。
【0086】
<処方>
以下に示すのは、いくつかのrSIFN−coの製剤である。錠剤、カプセル、経口摂取用の液体、ペースト剤、注射、スプレー、座薬、そして液剤があげられる。薬を皮下注射、あるいは静脈注射することが一般的である。この薬担体は、いかなる許容可能な薬担体であってもよい。例えば、炭水化物、セルロース、接着剤、崩壊剤、皮膚軟化剤、充填剤、付加溶解剤保存料、増粘剤、整合剤などがあげられる。
【0087】
本発明はまた上記組成物と薬学的に許容可能な担体からなる医薬組成物を提供する。
【0088】
本発明の趣旨として、「薬学的に許容可能な担体」とは、あらゆる一般的な医薬担体を意味する。例として示す適切な担体は、従来技術においてよく知られているが、あらゆる一般的な医薬担体が含まれる。例えば、一般的な医薬担体として、リン酸緩衝食塩水溶液やさまざまな湿潤剤などがあげられるが、これらに限定されるものではない。他の担体としては、錠剤、顆粒、カプセルなどで用いられる添加剤を含む。一般的に、これら担体は、賦形剤を含む。賦形剤としては、澱粉、牛乳、砂糖、特定の種類のクレー、ゼラチン、ステアリン酸、あるいはこれらの塩、マグネシウム、ステアリン酸、タルク、植物性脂肪あるいは植物油、樹脂、グリコール、他の既知の賦形剤が含まれる。これら担体はまた、香料、着色料あるいは他の成分が含まれる。これら担体からなる組成物は既知の従来の方法で処方される。
【0089】
<rSIFN−coの半減期の増加>
(ペグ化)
ペグ化は、ポリエチレングリコールの分子鎖が、タンパク薬物とペプチド薬に結合することにより薬物動態を向上させる過程である。この向上は、前記タンパク薬物やペプチド薬をタンパク分解酵素から遮断することにより達成される。Harris and Chess, Effect of pegylation on pharmaceuticals. Nat Rev Drug Discov. 2003 Mar; 2 (3):214-21を参照のこと。
【0090】
ペグ化は、タンパク製剤とリポソーム製剤の循環半減期(circulating half-life)を、ポリエチレングリコールの大量の流体力学的容積を基に、増大させる安定した方法である。このポリエチレングリコールは、タンパク薬物とペプチド薬の腎クリアランス、酵素分解、及び免疫システムの認知を遮断する。従って、半減期は増大し、これら半減期は患者にとって、好ましいものとなる。Molineux, Pegylation: engineering improved pharmaceuticals for enhanced therapy. Cancer Treat Rev. 2002 Apr; 28 Suppl A: 13-6.を参照。著者は、ペグ化により癌患者はクオリティ・オブ・ライフ(Quolity of life)に有益な効果をもたらすと結論付けている。
【0091】
インターフェロンのペグ化は、インターフェロンが体内に残留する時間を増大させる。この増大は、インターフェロン分子のサイズを大きくすることで達成され、分子サイズの増大は、インターフェロンの吸収率、半減期を長くし、インターフェロンのクリアランス率を長くすることで達成される。この結果、ペグ化インターフェロンを用いると、生物活性の存続期間は増加し、この存続期間は、非ペグ化インターフェロンを用いた生物活性の存続期間よりも増加する。よって、ペグ化インターフェロンは、より少ない頻度で投与されているにもかかわらず、非ペグ化インターフェロン以上の効果を提供し、非ペグ化インターフェロンと同程度の耐性をもたらす。著者は、ペグ化インターフェロンによる単剤治療を行なうと、いくらかの患者に対しては、良好な反応をもたらし、そしてその反応は、非ペグ化インターフェロンを処方する時の反応よりも良好であると述べている。Baker, Pegylated Interferons. Rev Gastroenterol Disord. 2001; 1 (2): 87-99を参照。
【0092】
(持続放出または制御放出)
持続放出の送達マトリクス及び持続放出の送達リポソームは、rSIFN−coとともに用いられ、持続放出製剤及び制御放出製剤を生成する。Robinson and Talmadge, Sustained Release of Growth Factors. In Vivo 2002 Nov-Dec; 16(6):535-40を参照。著者らは、ペグ化と持続放出の送達マトリクス及び持続放出の送達リポソームの両方が、組み換え分子の薬物速度論的特性と薬理学的特性を改善すると述べている。このようにしてこれらの臨床上の有用性を向上させることで、上記研究が患者の薬剤服用順守を増大させると述べている。
【0093】
本発明は、組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)を提供する。該組換え高効率複合インターフェロンは、薬剤を含有するまたは薬剤によりカプセル化されており、該インターフェロンの半減期または送達に影響を及ぼす能力をもつ。一実施形態では、この薬剤はポリエチレングリコール(PEG)である。
【0094】
本発明は、さらに、患者に対するウイルス性疾患または腫瘍を予防または治療する方法を提供する。前記方法は、該患者に組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)またはその等価物の有効量を投与する段階を備える。前記インターフェロンまたはその等価物は、薬剤を含有するまたは薬剤によりカプセル化されており、前記インターフェロンの半減期または送達に影響を及ぼす能力をもつ。一実施形態では、この薬剤はポリエチレングリコール(PEG)である。
【0095】
本発明は、下記に示す実施例によって、よりよく理解されることとなる。しかしながら、以下に論じるような特定の方法や結果は、この後続く請求の範囲において十分に記載されている本発明の単なる実例にすぎないということが、当業者にはすぐに理解できる。
【実施例】
【0096】
(実施例の詳細)
IFN−conは、新しいインターフェロン分子であって、遺伝子工学法を用いて、ヒトIFN−αのサブタイプの保存アミノ酸に準じて構築された。IFN−conは、広域スペクトラムIFN活性を持つとして立証されている。前記IFN活性とは、特にC型肝炎の治療に効果的である高い抗ウイルス性、腫瘍抑制活性などを示す。
【0097】
大腸菌のコドンは、rSIFN−coのcDNAの再設計に用いられた。そして、公表されているInfergen(登録商標)(インターフェロンアルファコンー1)のDNA配列と推定アミノ酸配列(図1)から、人工的にrSIFN−coのcDNAを合成した。
純粋なrSIFN−coのタンパク質を得るために、rSIFN−coのcDNAを、大腸菌の高発現ベクターにクローニングした。そして、ベクターの強力なPBADプロモーターを活性化できるL−アラビノースを用いて、rSIFN−co遺伝子の高発現を誘発した。
【0098】
[実施例1]
(エボラウイルスによる組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)の効果)
背景:エボラウイルスは、恐ろしい症状を引き起こす致死性のウイルスとして有名であり、最も顕著な症状は、高熱と大量の内出血である。エボラウイルスは、感染者の90%をも死に至らしめる。エボラウイルスは、出血(血液)熱を引き起こす能力を有するウイルスの一つである。この病気には具体的な治療法はない。現在、患者は支持療法を受けている。この療法は、患者の体液と電解質の平衡を保ち、酸素濃度と血圧を維持し、合併症を起こさないように治療する方法からなる。患者は症状の発現から10日以内に死に至る。
【0099】
材料
1.1 薬剤:四川バイオテクノロジーリサーチセンター(Sichuan Biotechnology Research Center)提供のrSIFN−co
1.2 ウイルス:軍事医学科学院微生物流行病研究所(Military Medical Science,Institute of Microbiology Epidemiology)提供のエボラウイルス
1.3 実験の安全性レベル:ウイルス実験は、生物安全レベル3実験室で実施された。
1.4 動物:60匹のBALB/Cマウス
【0100】
方法
2.1 60匹のマウスは、無作為に6群に分類され、各群は、10匹のマウスからなる。群1には、エボラウイルスの接種当日に、rSIFN−coを1μg与えた。群2には、エボラウイルスの接種から1日後に、rSIFN−coを1μg与えた。群に3は、エボラウイルスの接種から2日後に、rSIFN−coを1μg与えた。群に4は、エボラウイルスの接種から3日後に、rSIFN−coを1μg与えた。群5には、エボラウイルスの接種から4日後に、rSIFN−coを1μg与えた。群6には、rSIFN−coを与えず、これを対照群とした。
2.2 薬剤の投与:1μgのrSIFN−coを、6日間連続して、1日に1回投与した。
【0101】
結果
群6(対照群)の10匹のマウス全てが死亡した。群1、群2、群3の全てのマウスが、毒作用は観察されずに生存した。群4、群5においては、いくらかの毒作用が見られた。
結論
これらの結果から、エボラウイルスに対するrSIFN−coの有効性が明確に示された。
【0102】
[実施例2]
(組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)の抗HIV効果)
材料
1.1 野生型HIV
1.2 薬剤耐性HIV
1.3 293−CD4−CCR5細胞
1.4 DMEM培地 Gibco製
1.5 ウシ胎仔血清 Gibco製
1.6 四川バイオテクノロジーリサーチセンター(Sichuan Biotechnology Research Center)提供のrSIFN−co
1.7 96ウェルプレート、NUNC製
1.8 二酸化炭素インキュベーター
1.9 層流フード
1.10 蛍光光度計
1.11 UV吸光光度計
1.12 その他
【0103】
2.方法
2.1 指数増殖期(Log)の293−CD4−CCR5細胞を得て、0.25%のパンクレアチンで消化し、トリパンブルー染色液で染色することにより細胞数を決定し、DMEM培地で、1ミリリットル当たり2.0×10個の細胞濃度(cell/ml)まで希釈した。
2.2 96ウェルプレートのそれぞれのウェルに、100μl(マイクロリットル)の293−CD4−CCR5DMEM培地の懸濁液を注入した。該プレートを5%二酸化炭素インキュベーターで37℃下に放置した。次の日、ウェルの基底面積の70%が再生していることが観察された。
2.3 浮遊物を取り除いた後、様々な濃度のrSIFN−coを、100μl(マイクロリットル)ずつそれぞれのウェルに注いだ。リン酸緩衝生理食塩水(PBS)用と培養基用として、対照群を2群用いた。
2.4 前記プレートを二酸化炭素インキュベーターで37℃下に、約18〜20時間放置した。
2.5 試験ウェル:異なる濃度の野生型HIVと薬剤耐性HIVウイルスをそれぞれのウェルに100μl(マイクロリットル)ずつ注入した。
対照ウェル:ウイルスは添加せず、それぞれのウェルに100μl(マイクロリットル)ずつDMEM培地のみを注いだ。
2.6 前記プレートを二酸化炭素インキュベーターで37℃下に、約24時間放置した。
2.7 ルシフェラーゼルーチン分析が行われ、浮遊物のタンパク質濃度が測定された。ルシフェラーゼはRLU/mg単位により測定された。
【0104】
結果
rSIFN−coは、1ミリリットル当たり4ナノグラム(ng/ml)以上の量でHIVを抑制できる。表4と図14−15を参照。エクセル(Excel)を用いて、ルシフェラーゼをY軸、rSIFN−co濃度をX軸として用いた場合、1ミリリットル当たり4ナノグラム(ng/ml)以上の量である時、ルシフェラーゼ活性がPBSと培地の対照群よりも明らかに低いことが明確に示されている。明らかな用量依存性の逆応答が示されている。
[表4]

【0105】
4.結論:rSIFN−coは、野生型HIV、薬剤耐性HIVの両方に対して効果的である。
【0106】
[実施例3]
(組換え高効率複合インターフェロン(rSIFN−co)の抗インフルエンザ効果)
材料
1.1 10日齢のニワトリ胚膜細胞
1.2 四川バイオテクノロジーリサーチセンター(Sichuan Biotechnology Research Center)提供のSIFN−co
1.3 軍事医学科学院微生物流行病研究所 分子生物学部門(Molecular Biology Department of Institute of microbiology and epidemiology,Academy of Military Medical Science)提供のインフルエンザウイルス
1.4 DMEM培地 Gibco製
1.5 新生ウシ胎仔血清
1.6 96ウェルプレート、NUNC製
1.7 二酸化炭素インキュベーター
1.8 層流フード
1.9 倒立顕微鏡
1.10 その他
【0107】
2.方法
2.1 指数増殖期(Log)中の10日齢のニワトリ胚膜細胞を得て、0.25%のパンクレアチンで消化し、トリパンブルー染色液で染色することにより細胞数を決定し、DMEM培地で、1ミリリットル当たり2.0×10個の細胞濃度(cell/ml)まで希釈した。
2.2 96ウェルプレートのそれぞれのウェルに、100μl(マイクロリットル)の293−CD4−CCR5DMEM培地の懸濁液を注入した。該プレートを二酸化炭素インキュベーターで37℃下に放置した。次の日、細胞は単層細胞まで成長した。
2.3 浮遊物を取り除いた後、様々な濃度のrSIFN−coを100μl(マイクロリットル)ずつ、それぞれのウェルに注いだ。rSIFNを添加しない対照群を2群用いた。
2.4 前記プレートを二酸化炭素インキュベーターで37℃下に、約18〜20時間放置した。
2.5 試験ウェル:異なる濃度のインフルエンザウイルスをそれぞれのウェルに100μl(マイクロリットル)ずつ注入した。
対照ウェル:インフルエンザウイルスは添加せず、それぞれのウェルに100μl(マイクロリットル)ずつDMEM培地のみを注いだ。
2.6 前記プレートを二酸化炭素インキュベーターで37℃下に、約24時間放置した。
2.7 倒立顕微鏡により細胞を観察した。
【0108】
3.結果
3.1 倒立顕微鏡によると、インフルエンザウイルスを添加してインターフェロンを加えていない対照ウェルにおける細胞は、明らかな細胞変性効果(CPE)を有していた。前記CPEは、細胞の円形化、細胞壊死、反射光の減少及び細胞の剥離などを示す。
3.2 試験ウェルにおける細胞は、1ミリリットル当たり10ナノグラム以上の濃度であるrSIFN−coを含んでおり、CPEを有しておらず、正常細胞に匹敵する形態であった。図16を参照。
3.3 インフルエンザウイルスとインターフェロンが入っていない対照ウェルは、全くCPEを有していなかった。
【0109】
4.結論
rSIFN−coは、1ミリリットルあたり10ナノグラム(ng/ml)以上の濃度でインフルエンザウイルスに対して効果的である。
【0110】
[実施例4]
(肺癌患者の臨床的観察)
患者には、2005年10月7日に非小細胞肺癌が認められた。化学療法による治療を1ヶ月行ったが、2005年10月22日と2005年10月25日の造影検査では、改善は見られなかった。2006年1月4日の検査においても向上は見られなかった。患者は高効率複合インターフェロンにより1ヶ月治療した。投与計画は次のとおりである。患者は1日おきに注射を受けた。1回目は9マイクログラムの用量が与えられた。その後の注射の用量は全て2倍の18マイクログラムとした。2006年2月23日の検査では急速な改善が示された。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】大腸菌のコドン使用頻度と推定rSIFN−coアミノ酸配列により設計されたrSIFN‐co cDNAの配列。
【図2−A】他の高効率複合インターフェロンの配列。
【図2−B】他の高効率複合インターフェロンの配列。
【図3】rSIFN‐coによる野生型HIVの抑制のグラフで、エクセルを使用し、Y軸をルシフェラーゼ、X軸をrSIFN‐co濃度とする。明らかな容量依存性の逆応答を示している。
【図4】rSIFN‐coによる薬剤耐性HIVの抑制のグラフで、エクセルを使用し、Y軸をルシフェラーゼ、X軸をrSIFN‐co濃度とする。明らかな容量依存性の逆応答を示している。
【図5】rSIFN‐coのインフルエンザウイルス抑制。左は、インフルエンザウイルスがあり、インターフェロンが添加されていない対照ウェルである。細胞は、細胞円形化、細胞壊死、反射光の減少、細胞の剥離等の明らかな細胞変性作用を示す。右は、インフルエンザウイルスとrSIFN‐coを含む試験ウェルで、rSIFN‐co濃度が1ミリリットルあたり10ナノグラム(ng/ml)の濃度であり、正常細胞に匹敵する形態であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高効率複合インターフェロンの利用方法であって、
前記高効率複合インターフェロンが、抗ウイルス活性または抗腫瘍活性を持つことを特徴とする高効率複合インターフェロンの利用方法。
【請求項2】
請求項1記載の高効率複合インターフェロンであって、
前記ウイルス性疾患が、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、その他の型の肝炎、エプスタイン・バーウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、エボラウイルス、重症急性呼吸器症候群ウイルス(SARS)、インフルエンザウイルス、サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルス、その他のヘルペスウイルス、パポバウイルス、ポックスウイルス、ピコルナウイルス、アデノウイルス、ライノウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルスI、ヒトT細胞白血病ウイルスII、またはヒトT細胞白血病ウイルスIIIが引き起こす感染症であることを特徴とする高効率複合インターフェロン。
【請求項3】
請求項1記載の高効率複合インターフェロンであって、
前記高効率複合インターフェロンが、B型肝炎ウイルスのDNA複製とB型肝炎ウイルスのHBs抗原とHBe抗原の分泌を抑制することを特徴とする高効率複合インターフェロン。
【請求項4】
請求項3記載の高効率複合インターフェロンであって、
前記高効率複合インターフェロンが、生体外でB型肝炎ウイルスのDNA複製とB型肝炎ウイルスのHBs抗原とHBe抗原の分泌を抑制することを特徴とする高効率複合インターフェロン。
【請求項5】
請求項1乃至3いずれかに記載の高効率複合インターフェロンであって、
前記高効率複合インターフェロンが、さらに薬剤を含有するまたは薬剤によりカプセル化され、
前記インターフェロンの半減期または送達に影響を及ぼす能力をもつことを特徴とする高効率複合インターフェロン。
【請求項6】
請求項5記載の高効率複合インターフェロンであって、
前記薬剤が、ポリエチレングリコール(PEG)であることを特徴とする高効率複合インターフェロン。
【請求項7】
組換え高効率複合インターフェロンの有効量をナノグラム量からマイクログラム量含有することを特徴とする組成物。
【請求項8】
請求項7記載の組成物であって、
前記ウイルスが重症急性呼吸器症候群ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、エボラウイルス、またはインフルエンザウイルスであることを特徴とする組成物。
【請求項9】
請求項8記載の組成物であって、
前記ウイルスがヒト免疫不全ウイルスであって、
前記組成物の有効量が1ミリリットル当たり4ナノグラムまで低量であることを特徴とする組成物。
【請求項10】
請求項8記載の組成物であって、
前記ウイルスがインフルエンザウイルスであって、
前記組成物の有効量が1ミリリットル当たり10ナノグラムまで低量であることを特徴とする組成物。
【請求項11】
組換え高効率複合インターフェロンと薬学的に許容可能な担体とを含有する医薬組成物であって、
前記組換え高効率複合インターフェロンの有効量がナノグラム量であることを特徴とする医薬組成物。
【請求項12】
患者のウイルス性疾患または腫瘍を予防または治療する方法であって、
前記方法は、前記患者に請求項11記載の組換え高効率複合インターフェロンを有効量投与する段階を備えることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12記載の方法であって、
前記ウイルス性疾患が、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、その他の型の肝炎、エプスタイン・バーウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、エボラウイルス、重症急性呼吸器症候群ウイルス(SARS)、インフルエンザウイルス、サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルス、その他のヘルペスウイルス、パポバウイルス、ポックスウイルス、ピコルナウイルス、アデノウイルス、ライノウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルスI、ヒトT細胞白血病ウイルスII、またはヒトT細胞白血病ウイルスIIIが引き起こす感染症であることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項12記載の方法であって、
前記腫瘍が、基底細胞癌、悪性黒色腫、肝癌、腎細胞癌、肝癌、上咽頭癌、前立腺癌、胃/腹腔内の癌、食道癌、直腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌と表在性膀胱癌、血管腫、子宮頸癌、乳癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、神経膠腫、急性白血病、慢性白血病、慢性骨髄性白血病、有毛細胞白血病、リンパ節腫、多発性骨髄腫、真性赤血球増加症、カポジ肉腫であることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項12記載の方法であって、
前記高効率複合インターフェロンが、経口投与、静脈注射、筋肉注射、腹腔注射、皮下注射、鼻腔もしくは粘膜への投与、または呼吸機で吸入することにより投与されることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項12乃至15いずれかに記載の方法であって、
前記方法は、さらに薬剤を含有するまたは薬剤によりカプセル化される段階を備え、
前記インターフェロンの半減期または送達に影響を及ぼす能力をもつことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、
前記薬剤が、ポリエチレングリコール(PEG)であることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2−A】
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【図2−B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−532995(P2008−532995A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−500294(P2008−500294)
【出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際出願番号】PCT/IB2006/002340
【国際公開番号】WO2006/134497
【国際公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(507300995)
【住所又は居所原語表記】No.8,Yusa Road,Chengdu,Sichuan 610017,China
【Fターム(参考)】