説明

組立用階段

【課題】 組立作業を容易迅速に行える組立用階段を提供することを課題とする。
【解決手段】 組立用階段は、複数の支柱4を前後方向に沿って列状に配置して構成された支柱群と、積み重ねることができる複数の収納体2とを備え、収納体2は、所定の支柱を貫通可能な貫通孔を外周縁の特定箇所に備え、複数の収納体2を支柱4に貫通させて上下に積み重ねることによって、後方側ほど高くなるように高さが異なる複数のブロック体を構成し、列状に配置されたブロック体群のうちの複数のブロック体の最上部に位置する収納体2の左右幅方向両側の少なくとも一側に位置する支柱4を収納体2から上方に突出させ、突出させた支柱により手すり6を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばロフトなどへ上がるために設けられる組立用階段に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、組立用階段としては、例えば高さと幅の異なる複数の家具、具体的には複数の抽斗型の小幅家具、小幅家具よりも高くて幅の広い抽斗型の中幅家具の他、中幅家具よりも高くて幅の広い開き戸型の第1広幅家具及び第2広幅家具を用意し、これらの家具を用いて組み立てたものが既に提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
前記複数の家具は、各家具の抽斗や開き戸が左右方向の同一方向から引き出せるあるいは開閉できるように、背の低い家具から順番に前後方向に沿って列状に配置され、それら家具のうちの前後方向において幅の広い中幅家具や広幅家具の後側上面に、単数又は複数の小幅家具を載置することで、階段状に構成できるようにしている。
【0004】
また、前記のように組み立てられた階段を構成するすべての家具が一体化するように、前後方向で隣り合う家具の側板同士を連結金具により連結することが行われている。そして、その連結が容易に行なえるように、各家具を容易に移動させるためのブレーキ付キャスタを各家具の下面に備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−289964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の構成によれば、小幅家具、中幅家具、広幅家具の各家具を左右方向及び前後方向において位置合わせしながら配置しなければならないだけでなく、広幅家具の後側上面に小幅家具を積み重ねるときに、下側の広幅家具に対して上側の小幅家具の前後方向及び左右方向における位置合わせをも行わなければならないため、積み重ね作業を迅速に行うことができない。
また、前記のように前後方向で隣り合う家具の側板同士を連結金具により連結する作業が煩わしい作業になるだけでなく、連結金具により連結する前に、邪魔になる抽斗を抜いておく作業や開き戸を開放にしておく作業が同時に必要になる。さらに、連結後において抜いた抽斗を入れ直す作業や開放した開き戸を閉じる作業も必要になることから、組立作業が非常に煩わしい作業になっていた。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、組立作業を容易迅速に行える組立用階段を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の組立用階段は、上記課題を解決すべく構成され、複数の支柱を少なくとも前後方向に沿って列状に配置して構成された支柱群と、積み重ねることができ、かつ、収容物を挿入可能な開口部を有する複数の収納体とを備え、前記収納体は、所定の支柱を貫通可能な貫通孔を外周縁の特定箇所に備え、複数の収納体を前記支柱に貫通させて上下に積み重ねることによって、後方側ほど高くなるように高さが異なる複数のブロック体を構成し、列状に配置されたブロック体群のうちの複数のブロック体の最上部に位置する収納体の左右幅方向両側の少なくとも一側に位置する支柱を該収納体から上方に突出させ、該突出させた支柱により手すりを構成したことを特徴としている。
【0009】
上記構成によれば、複数の支柱を前後方向に沿って列状に配置し、それら配置した支柱のうちの所定の複数の支柱に、必要個数の収納体を順次貫通させるだけで、前後方向に位置決めした状態で上下方向に収納体を積み重ねることができる。このように前後方向に順次収納体を積み重ねて、高さの異なるブロック体を構成することによって、階段を構成することができる。そして、収納体から上方に支柱を突出させ、その突出させた支柱を利用して最上部に位置する収納体の左右幅方向両側の少なくとも一側に手すりを構成することができる。
【0010】
また、本発明の組立用階段を構成する支柱群は、支柱が左右方向に間隔を置いて位置していてもよい。
【0011】
また、本発明の組立用階段は、前記手すりが、前記ブロック体の左右幅方向両側に設けられていてもよい。
【0012】
また、本発明の組立用階段は、前記収納体が、平面視において矩形状であり、該矩形状の収納体の四隅に前記4本の支柱を上下方向から貫通可能な貫通孔を形成してもよい。
【0013】
また、本発明の組立用階段は、前記貫通孔が、左右方向に長い前後一対の長孔であってもよい。
【0014】
上記構成にすれば、支柱の位置が左右方向で多少ずれていても長孔により吸収して収納体を支柱に貫通させることができる。
【0015】
また、本発明の組立用階段は、突出させた前記複数の支柱の一部又は全部を、その上端が天井面に接当して突っ張り棒として機能するように該支柱を延出する、又は別体構成された棒を連結していてもよい。
【0016】
上記構成にすれば、突出させた支柱の上端が天井面に接当することから、支柱の下端を床面などに架台コンクリート等簡単に分解できない固定方法で固定しなくても、天井と床面などとの間に支柱をドライバー等、簡易な工具で固定することができる。
【0017】
また、本発明の組立用階段は、前後方向で隣り合う前記収納体のうちの前側の収納体の後端と後側の収納体の前端とを、共通の左右の支柱に貫通させてブロック体を構成してもよい。
【0018】
上記構成にすれば、前側の収納体の後端と後側の収納体の前端とを、共通の左右の支柱に貫通させてブロック体を構成することができるから、特別な連結部材を用いることなく、前側の収納体と後側の収納体とを共通の左右の支柱により前後方向で連結することができる。
【0019】
また、本発明の組立用階段は、前記収納体が、水平方向一側に前記開口部を備えた強度的に優れる箱型に構成されていてもよい。
【0020】
また、本発明の組立用階段は、前記手すりが、突出させた前記複数の支柱同士を連結部材により連結して構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0021】
以上の如く、本発明は、支柱に必要個数の収納体を順次貫通させるだけで、前後方向に位置決めした状態で上下方向に収納体を積み重ねることができるから、収納体に対する水平方向の位置決めが不要になるだけでなく、連結金具による連結も不要にすることができる。従って、組立作業を容易迅速に行える組立用階段を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】組み立てられた組立用階段の一形態の全体側面図を示す。
【図2】図1の組立用階段の正面図を示す。
【図3】図1の組立用階段を構成する収納体を示し、(a)はそれの斜視図を示し、(b)はそれの横断平面図を示す。
【図4】突っ張り棒を設けた第2の形態の組立用階段の全体側面図を示す。
【図5】エアコンの室内機のスペースを確保できるように構成した第3の形態の組立用階段の全体側面図を示す。
【図6】前後の収納体を共通の支柱に貫通させた第4の形態の組立用階段の全体側面図を示す。
【図7】収納体の第2の形態の分解斜視図を示す。
【図8】収納体の第3の形態の分解斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る組立用階段について、図面を参酌しつつ説明する。
【0024】
図1は、ロフト1へ上がれるために組み立てられた組立用階段の全体側面図を示し、図2は、図1の組立用階段の正面図を示し、図3(a)に、組立用階段を構成する収納体2を示す斜視図を示し、同図(b)が収納体2の横断平面図を示している。尚、ロフトとは、建物の最上階又は屋根裏にある部屋を言い、図1において天井面Tとの間に形成される空間である。
【0025】
図3(a),(b)に示すように、収納体2は、前方に収容物を挿入可能な開口部2Kが形成され、開口部2Kを通して挿入された収容物を収容可能となる収容空間を形成するべく箱型形状に構成されている。つまり、フラットな上面を有する長方形の上側壁2Aと、フラットな下面を有する長方形の下側壁2Bと、上側壁2Aと下側壁2Bとを連結する左右一対の長方形の横側壁2C,2Dと、後方開口部を閉じる長方形の後側壁2Eとからなり、前面開放型の箱型形状に構成している。このように収納体2が上下にフラット面を備えていることから、収納体2を上下方向に安定よく積み重ねることができる。
【0026】
また、収納体2の前後方向両端部に、左右方向に長く上下方向に貫通する貫通孔2a,2bが形成されており、これら貫通孔2a,2bに、左右2本の支柱4,5をそれぞれ貫通させることができるように構成されている。そして、これら貫通孔2a,2bが、左右方向に長い長孔に構成されていることから、左右の支柱4,5の位置が左右方向で多少ずれていても、長孔2a,2bにより吸収して収納体2を支柱4,5に確実に貫通させることができる。尚、支柱4,5及び収納体2は、保形性を有するものであれば、どのような材料のものであってもよく、例えば、合成樹脂、金属、木、コンクリートなどから構成することができる。また、長孔2a,2bを形成した場合、支柱4,5間を適度な間隔で横パイプP(図2、図3(b)参照)でつなぐことにより,安定性が増すことができる。支柱4,5に横パイプPを固定する手段としては、ネジを用いたねじ式、支柱4,5に両端を挿入して固定するスリーブ式などである。また、横パイプPは、長孔2a,2b内に入り込む構成の他、収納体2の下側に露出する構成であってもよい。
【0027】
また、収納体2の前端面の上下2箇所のそれぞれに、棒状(釣り針状でもよい)のハンガーフック6をねじ込んで取り付けることができる複数のネジ孔2Nが形成されている。図3(a),(b)では、左右方向に所定間隔を置いて3つのネジ孔2Nが形成されているが、ネジ孔2Nの個数及び形成位置は自由に変更可能である。例えば、収納体2の後端面にも、ハンガーフック6をねじ込んで取り付けることができる単数又は複数のネジ孔2Nを形成して実施することもできる。
【0028】
図1及び図2に示すように、組立用階段は、床面3上に多数の収納体2を積み重ねることによって、ロフト1の下側を構成する縁部1Aまで上って行くための階段として構成されている。そして、図1において各収納体2の開口2Kを通して内部に収容物を収容することができる。
【0029】
具体的には、左右一対の円形の支柱4,5を前後方向に沿って二列状に配置して支柱群を構成し、これら配置した支柱4,5のうちの前後4本の支柱4,5、4,5に収納体2に備えた前記貫通孔2a,2b(図3(a),(b)参照)を貫通させることによって、前後方向及び左右方向に位置決めした状態で上下方向に収納体2を積み重ねることができる。前記のように、収納体2の四隅に4本の支柱4,5、4,5がそれぞれ貫通する構成にすることによって、収納体2の収納空間を有効に形成することができるが、収納体2の四隅に4本の支柱4,5、4,5がそれぞれ貫通する構成でなくてもよい。また、ここでは、2つの貫通孔2a,2bを形成しているが、貫通させる支柱4,5、4,5と同一の4個の貫通孔を形成してもよい。
【0030】
また、前記支柱4,5のうちの前後方向3番目、7番目、11番目、13番目、16番目の左右の支柱4,5を、それらに貫通して積み重ねられる収納体2のうちの最上部に位置する収納体2から上方に所定長さだけ突出するように延出させ、その延出部4A,5Aを利用して手すり6を構成している。ここでは、組立用階段の左右両側に手すりを備えている。これら手すりは、階段を昇降しているときに側方からの落下を防ぐ目的もあるため、形状や部品点数などの具体的構成は自由に変更することができる。
【0031】
前記手すり6は、3番目、7番目、11番目の左右の支柱4,5を利用して構成された前側手すり7と、13番目、16番目の支柱4,5を利用して構成された後側手すり8とからなっている。
【0032】
前側手すり7は、3番目、7番目、11番目の左右の支柱4,5の延出部4A,5Aの上端同士を棒状の連結部材9により連結することにより階段とほぼ平行となるように構成されている。具体的には、3箇所の延出部4A,5Aの上端のそれぞれに、円筒状の継手10の下端に備えさせた円筒状の連結部10Aを差し込んで該継手10を備えさせ、これら3つの継手10に渡って貫通する長さに構成された連結部材9を挿入し、ビスにより連結部材9を継手10に固定することにより、前側手すり7を完成することができる。
【0033】
また、後側手すり8は、13番目、16番目の左右の支柱4,5の延出部4A,5Aの上端同士を棒状の連結部材11により連結することにより水平方向に沿って延びるように構成されている。具体的には、2箇所の延出部4A,5Aの上端のそれぞれに、円筒状の継手12の下端に備えさせた円筒状の連結部12Aを差し込んで該継手12を備えさせ、これら2つの継手12に渡って貫通する長さに構成された連結部材11を挿入し、ビスにより連結部材11を継手12に固定することにより、後側手すり8を完成することができる。
【0034】
次に、組立用階段の組立手順について説明する。
まず、左右一対の支柱4,5を、ロフト1の縁部1Aまで延びる縦壁13付近に最後尾の支柱4,5が位置するように前後方向に沿って間隔を置いて立設する。ここでいう立設とは、例えば既にメスねじが埋め込まれた床面に凹部がある防振マットをオスねじで固定し,防振マットの凹部に支柱6,7の下端を固定する他、床面3に支柱4,5の下端を固定するための各種の固定部材を取り付け、その取り付けた固定部材に支柱4,5の下端を固定する構成であってもよい。
【0035】
全部で32本の支柱4,5を立設すると、たとえば最前に位置する1番目と2番目に位置する4本の支柱4,5、4,5から15番目と最後尾の16番目に位置する4本の支柱4,5、4,5まで8個の収納体2を順次貫通させることによって、階段の最下段を構成する8個の収納体2を配置することができる。続いて、階段の二段目を構成するべく、3番目と4番目の4本の支柱4,5から最後尾の16番目に位置する4本の支柱4,5まで7個の収納体2を順次貫通させることによって、階段の二段目を構成する7個の収納体2を配置することができる。同じように、階段の三段目の6個の収納体2、四段目の5個の収納体2、五段目の4個の収納体2、六段目の3個の収納体2、七段目の2個の収納体2、最上階となる八段目の1個の収納体8を支柱4,5に順次貫通させて配置させて収納体2の配置作業を完了する。このように収納体2を支柱4,5に貫通させて積み重ねることによって、前後方向において後方側ほど一個分の収納体2だけ高くなるように高さが異なる複数(図1では8個)のブロック体を構成している。つまり、1段、2段、3段、4段、5段、6段、7段、8段のブロック体を前後方向に構成している。尚、階段の最下段を構成する8個の収納体2の下端の四隅には、キャスタ14が取り付けられているが、省略してもよい。尚、床面に防振マットを敷設しておいてもよい。
【0036】
収納体2の配置作業が完了した後は、前述したように、収納体2から延びる左右で合計10本の支柱4,5に、継手10,12を差し込んでから、連結部材9,11を継手10,12に挿入し、ビスにより連結部材9,11を継手10,12に固定して手すりを構成して、組立用階段の組立作業が完了する。
【0037】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0038】
例えば、上記実施形態では、手すり6を階段の左右幅方向両側に備えたが、例えば壁際に階段を設置する場合などは、壁側の手すりを省略して壁から離れる側のみに手すりを備えさせる構成であってもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、同一の大きさの収納体2を積み重ねた場合を示したが、一部のみ大きさの異なる収納体を積み重ねて実施してもよい。また、後方側ほどブロック体が一個分の収納体2だけ高くなるように構成したが、収納体2の上下方向の大きさ(高さ)によっては複数分の収納体だけ高くなるように構成してもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、支柱4,5の下端を床に固定することによって、支柱を立設できるようにしたが、例えば図4に示すように、一部の支柱4,5の上端が天井面Tに接当して突っ張り棒として機能するように、別の棒を支柱4,5の延出部4A,5A(図4では右側のみ図示している)に連結することによって、支柱4,5の下端を床に固定しなくても支柱4,5を立設することができ、床面3に孔を開ける、又は固定部材を取り付けることなどが一部削減できる。図4では、一部の支柱4,5のみについて行っているが、全ての支柱4,5について行うことによって、床面3に孔を開ける、又は固定部材を取り付けることなどが全く不要にできる。尚、天井面Tと床面3との間で突っ張り作用を機能させることによって、支柱4,5を立設させる他、最下段の収納体2に支柱4,5の下端を受け止める受止部を備えさせている場合には、天井面Tと最下段の収納体2の受止部との間で突っ張り作用を機能させて支柱4,5を立設させることができる。
【0041】
図4を詳細に説明すれば、図1で示した継手10,12により3つの部材を連結できるように、継手10の上端に上方に開口する円筒状の連結部10B,12Bを備えさせ、これら連結部10B,12Bの一方10Bに長さ調節可能な別の棒としての内外二重パイプ16の下端を差し込み、他方12Bに所定長さに構成された別の棒としての1本のパイプ17の下端を差し込んでいる。前記内外二重パイプ16は、天井面Tにパイプ径よりも大きな径で接当する脚部16aを備えた上側パイプ部16Aと、このパイプ部16Aの下端に上端が内挿され、かつ、下端が連結部10Bに内挿される下側パイプ部16Bと、上側パイプ部16Aに対する下側パイプ部16Bの移動を阻止する固定手段としての固定ネジ18とを備えている。また、パイプ17の上端にも、前記内外二重パイプ16と同様に天井面Tにパイプ径よりも大きな径で接当する脚部17aを備えている。そして、パイプ17の下端が挿入される連結部12Bに、パイプ17を連結部12Bに固定するための固定手段としての固定ネジ19を備えている。図4では、別の棒を支柱4,5の延出部4A,5Aに連結した場合を示したが、延出部4A,5Aを天井面Tまで延ばして実施することもできる。
【0042】
また、図5に示すように、階段の下から七段目(上から二段目)に前記収納体2の大きさの2倍の前後寸法を有する大型の収納体2Xを備えさせてもよい。この収納体2Xは、左右方向に貫通する貫通孔2Sを備えさせることによって、例えば壁際に組立用階段を設置する場合に、例えば壁面に設置されるエアコンの室内機(図示せず)を前記貫通孔2S内に位置させることができ、エアコンの室内機によって、壁際に組立用階段を設置できないといったことを解消することができる。この場合の大型の収納体2Xへの支柱4,5の貫通は四隅のみとし、大型の収納体2Xの前後方向中央の直下方からの4本の支柱4,5の上端は、大型の収納体2Xの内部空間を貫通しないように図示の破線のように大型の収納体2Xの下端までの位置となっている。
【0043】
また、図6に示す組立用階段であってもよい。つまり、前後方向で隣り合う収納体2のうちの前側の収納体2の後端と後側の収納体2の前端とを、共通の左右の支柱4,5に貫通させてブロック体を構成してもよい。このように構成することによって、特別な連結部材を用いることなく、前側の収納体2とこれの上側に位置する後側の収納体2とを共通の左右の支柱4,5により前後方向で連結することができるだけでなく、図6の側面視において収納体2を千鳥状に配置することができるから、図1の構成に比べて、収納体2の個数を少なくしながらも、同一高さの組立用階段を構成することができ、材料面及び組立作業面のいずれにおいても有利になる。尚、図6の構成では、最後尾に位置する収納体2の上下の間において、下から二段目、四段目、六段目に収納体2を配置しないで、スペーサ20を配置することによって、組立用階段の最後尾の背面の一部が後側に突出することがなく、組立用階段の最後尾の背面をほぼ垂直面に形成することができる。従って、組立用階段を縦壁13の壁面にできるだけ近付けて配設することができる。
【0044】
また、上記実施形態では、一体形成された収納体2を示したが、図7に示すように、前方と上方が開放された収納本体部21と、この収納本体部21の上端開口21Aを閉じる蓋部22とから構成してもよい。この場合、蓋部22にも収納本体部21と同様に支柱4,5に貫通する貫通孔22Aを四隅に備えさせているから、支柱4,5に収納本体部21の4つの貫通孔21aと蓋部22の4つの貫通孔22Aとをそれぞれ貫通させることができる。これによって、組立時に支柱4,5に収納本体部21の4つの貫通孔21aと蓋部の4つの貫通孔22Aとをそれぞれ貫通させることで、収納体2を構成することができる。従って、例えば収納体2の蓋部22のみ又は収納本体部21のみが破損した場合には、蓋部22のみ又は収納本体部21のみを交換するだけで済むという利点がある。
【0045】
また、図8では、図7で示した蓋部22に貫通孔を形成しないで、4本の支柱4,5の移動を許容できるように切り欠いた切欠部22Bを蓋部22の四隅に備えさせるとともに、収納本体部21に備えさせた被係止部としての溝21Mに入り込んで係止する係止部としての突部22Tを蓋部22に備えさせて実施することもできる。この場合は、収納本体部21に蓋部22を係止固定して収納体2を構成し、構成された収納体2を支柱4,5に貫通させるようにしてもよいし、収納本体部21を支柱4,5に貫通させた後、蓋部22を収納本体部21に係止固定して収納体2を構成するようにしてもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、収納体2が一方にのみ開口部2Kを備えた強度面において優れる箱型のものから構成したが、積み重ねることができる構成であれば、どのような構成であってもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、手すり6を、上方に突出した支柱4,5の延出部4A,5Aに連結部材9,11を連結して構成したが、突出した支柱4,5の延出部4A,5Aを折り曲げて手すりを構成してもよい。また、左右一対の支柱4,5を前後方向に沿って二列に配置する他、一列又は三列以上であってもよい。
【0048】
本発明の組立用階段は、ロフトへ上がるために組み立てられる他、上り下りに必要な場所であれば、室内、室外を問わずどのような場所においても、組み立てて使用することができる。
【符号の説明】
【0049】
1…ロフト、1A…縁部、2…収納体、2A…上側壁、2B…下側壁、2C,2D…横側壁、2E…後側壁、2K…開口部、2N…ネジ孔、2S…貫通孔、2X…収納体、2a,2b…貫通孔、3…床面、4,5…支柱、4A,5A…延出部、6…手すり、7…前側手すり、8…後側手すり、9,11…連結部材、10,12…継手、10A,10B…連結部、12A,12B…連結部、13…縦壁、14…キャスタ、16…内外二重パイプ、16A…上側パイプ部、16B…下側パイプ部、16a…脚部、17…パイプ、17a…脚部、18,19…固定ネジ、20…スペーサ、21…収納部本体、22…蓋部、H…ハンガーフック、P…横パイプ、T…天井面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の支柱を少なくとも前後方向に沿って列状に配置して構成された支柱群と、積み重ねることができ、かつ、収容物を挿入可能な開口部を有する複数の収納体とを備え、前記収納体は、所定の支柱を貫通可能な貫通孔を外周縁の特定箇所に備え、複数の収納体を前記支柱に貫通させて上下に積み重ねることによって、後方側ほど高くなるように高さが異なる複数のブロック体を構成し、列状に配置されたブロック体群のうちの複数のブロック体の最上部に位置する収納体の左右幅方向両側の少なくとも一側に位置する支柱を該収納体から上方に突出させ、該突出させた支柱により手すりを構成したことを特徴とする組立用階段。
【請求項2】
前記支柱群は、支柱が左右方向に間隔を置いて位置していることを特徴とする請求項1に記載の組立用階段。
【請求項3】
前記手すりが、前記ブロック体の左右幅方向両側に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の組立用階段。
【請求項4】
前記収納体が、平面視において矩形状であり、該矩形状の収納体の四隅に前記4本の支柱を上下方向から貫通可能な貫通孔を形成したことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の組立用階段。
【請求項5】
前記貫通孔が、左右方向に長い前後一対の長孔である請求項4に記載の組立用階段。
【請求項6】
突出させた前記複数の支柱の一部又は全部を、その上端が天井面に接当して突っ張り棒として機能するように該支柱を延出する、又は別体構成された棒を連結したことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の組立用階段。
【請求項7】
前後方向で隣り合う前記収納体のうちの前側の収納体の後端と後側の収納体の前端とを、共通の左右の支柱に貫通させてブロック体を構成したことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の組立用階段。
【請求項8】
前記収納体が、水平方向一側に前記開口部を備えた箱型に構成されている請求項1〜7の何れか1項に記載の組立用階段。
【請求項9】
前記手すりが、突出させた前記複数の支柱同士を連結部材により連結して構成したことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の組立用階段。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−229653(P2010−229653A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−76229(P2009−76229)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(503180638)株式会社エネルギア不動産 (11)
【Fターム(参考)】