説明

組織内の電気的活動を検知する装置及び方法

【課題】実質的に周囲環境からの雑音からの影響を制限又は除去するよう個人の組織内の電気的活動を検知する装置及び方法を提供する
【解決手段】組織内の電気的活動は、ユーザーの皮膚の上の第1の点及び第2の点の間の組織から検出される。そして当該検出に応じ、関心のある信号及び不要な信号を含む電圧信号が生成される。電圧信号は、関心のある信号及び不要な信号を増幅するために、実質的に雑音を増幅することなく増幅される。増幅の結果、出力信号が生じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は組織内の電気的活動を検知する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
組織内の電気的活動を検知するために用いられる装置は、現代社会において多くの用途がある。特に、現代の脳波図(EEG)は、特に知覚麻痺の監視、注意不足障害の治療、癲癇の予測、及び睡眠の監視のために人の脳内の電気的活動を測定するために用いられる。残念ながら、従来の現代EEGの複雑性及び価格は、標準的にそれらの使用を、病院又は装置が熟練した医療専門家の熟練した注意の下で大勢の人々に用いられ得る他の施設に制限してしまう。EEGを医療環境で大勢の人々に用いることは、装置を用いる人々に当該装置の価格を分配することを助ける。EEGは数千ドルもかかる。
【0003】
熟練した人材は、EEGの複雑性のためにEEGを設定及び動作するために使われる。従来のEEGの設定は、人の皮膚を電極と接続するよう準備することを含む。皮膚は、標準的に、電極を皮膚に取り付ける前に、領域から毛髪を剃り、皮膚を磨いて外皮を除去し、そして導電性ジェル又は液体を皮膚に塗布することにより準備される。このような広範囲に及ぶ皮膚の準備は、従来のEEGが正しく動作する程度に電極と皮膚との間の接触抵抗が低減されなければならないので必要である。これらの従来のEEGの接触抵抗は、標準的に20kΩ以下である必要がある。
【0004】
標準的な従来のEEGは、人の周囲環境からの電気及び磁気雑音により生じるエラーに陥りやすい。エラーはまた、EEGの内部構成要素、及びEEGの動作中の人の移動のような他の情報源の僅かな変動によっても生じる。環境雑音はEEGが用いられる領域内の電気配線及び照明、及び他の情報源の60Hz電力により引き起こされ得る。空中を移動する如何なる物体の摩擦さえも、静電気による雑音を生じ得る。ほとんどの又は全ての従来のEEGは、人の頭部に接続される2つの電極、及び各電極からEEG装置への線を有する。環境内の線及び雑音を生じる要素の位置は、EEGにより行われる測定に重大なエラーを生じ得る。
【0005】
脳内の電気的活動の測定は、測定される電気信号がシステム内の雑音より何倍も小さくなるので困難である。多くの場合、雑音は数ボルト又は数十ボルト程度だが、測定される電気信号は僅かマイクロボルトの領域である。これは10−6の信号対雑音比を与える。
【0006】
従来のEEGは、器具類の増幅器として電気信号を測定するために非常に正確な差動増幅器を用いている。増幅器はユーザーの足のような共通基準として参照される。人の頭部にある2つの電極からの2本の線のそれぞれは、差動増幅器の入力と接続される。差動増幅器の出力は基準に対する電圧である。当該基準は2つの電極間の電位差の定数倍に比例する。この場合の測定結果は非常に感度が良い。何故なら差動増幅器は、10倍も大きい2つの信号間の小さい差、つまり脳信号を見付けるからである。このため、構成要素の小さい変化、配線及び他の要因が測定中の重大なエラーを生じてしまう。従って従来のEEGは高価であり使い難い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のEEGに伴う別の問題は、第1の段で60Hzの雑音が増幅され、信号が引き算される前に信号を飽和させてしまうことである。従来のEEGでは、設計者等は飽和を回避するために雑音を平衡させるか又は遮断するシステムを設計するために多大な労力を費やした。小さい数を測定する際に2つの大きい数を引き算する原理を用いるシステムは、この種の問題に陥り易い。
【0008】
背景技術の前述の例及びそれらに関連する制限は、説明のためであり排他的ではない。背景技術の他の制限は、明細書及び図面の説明を読むことにより当業者に明らかである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下の実施例及び当該実施例の特長は、システム、ツール、及び方法と関連して記載され説明される。これらは例示及び説明であり範囲を制限するものではない。種々の実施例で1又は複数の上述の問題は低減又は除去される。また他の実施例は他の改善を目的とする。
【0010】
方法であって、ユーザーの組織内の電気的活動を検知する方法が記載される。電気的活動は、ユーザーの皮膚の上の第1の点及び第2の点の間の組織から検出される。そして当該検出に応じ、関心のある信号及び不要な信号を含む電圧信号が生成される。電圧信号は、関心のある信号及び不要な信号を増幅するために、実質的に雑音を増幅することなく増幅される。増幅の結果、出力信号が生じる。
【0011】
別の方法であって、電気的雑音に晒された雑音環境でユーザーの組織内の電気的活動を検知する方法が開示される。センサー電極は第1の点でユーザーの皮膚に接続される。基準電極は第2の点でユーザーの皮膚と接続される。当該第2の点は第1の点と間隔を空けられた関係にあり、センサー電極に、第2の点に対する第1の点の組織内の電気的活動を検知させる。増幅器が設けられる。当該増幅器は、雑音環境からの影響を実質的に低減しながら電気的活動を増幅する。
【0012】
センサー回路が記載される。当該センサー回路は、ユーザーの組織内の電気的活動を検知し、及び関心のある信号を検知された電気的活動から分離し及び増幅する。センサー回路は第1の点でユーザーの皮膚に置かれるセンサー電極を有する。第1の点から離れた距離にある第2の点に置かれる基準電極は、センサー電極に電気的活動を検知させ、及び応答として第2の点に対する、関心のある信号を含む電圧信号を生成させる。センサー回路の電子モジュールは、正及び負の電源電圧を有する電源、及び基準電極と電気的に接続された基準電圧源を有する。増幅器は電源からの電力を受信するため、並びにセンサー電極及び電源の基準電圧からの電圧信号を受信するよう接続される。増幅器は、電源基準電圧に対する電圧信号と比例する出力信号を生成する。フィルター部は、増幅器からの出力信号を受信し、関心のある信号と無関係な電気的活動を減衰させ、同時に関心のある信号を通過させる。
【0013】
上述の例である態様及び実施例に加え、更なる態様及び実施例は図面を参照し及び以下の説明を読むことにより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】電気的活動を測定しユーザーの現時点の情動状態を決定するセンサー装置を用いるシステムを図示する。
【図2】ユーザーの現時点の情動状態のレベルの表示を含み、及びユーザーの現時点の情動状態に関連してユーザーを案内する際に用いられるメディア素材の制御を有するプログラムを図示する。
【図3】ユーザーの現時点の情動状態に基づきメディア素材がユーザーを案内するある例の図である。
【図4】ユーザーの現時点の情動状態に基づきメディア素材がユーザーを案内する別の例の図である。
【図5】ユーザーの現時点の情動状態に基づきメディア素材がユーザーを案内する更に別の例の図である。
【図6】図1に示されたセンサー装置の斜視図である。
【図7】図1に示されたセンサー装置及びコンピューターのブロック図である。
【図8】図7に示されたセンサー装置で用いられる増幅器の回路図である。
【図9】図7に示されたセンサー装置で用いられるフィルター段の回路図である。
【図10】図7に示されたセンサー装置で用いられる抵抗器−キャパシターRCフィルターの回路図である。
【図11】図8、9、及び10に示された増幅器、3つのフィルター段、及びRCフィルターの回路図である。
【図12】図7に示されたセンサー装置のデジタル・プロセッサーのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1はこの議論を組み込んだシステム30を示す。例であるシステム30は、ユーザー34と接続されユーザーの前前頭葉の電気的活動から関心のある信号を検知し及び分離するセンサー装置32を有する。関心のある信号は、電気的活動の測定可能な特性、又はユーザー34の現時点の情動状態(PTES)に関連する関心のある信号を有する。PTESは所与の時点のユーザーの情動状態に関連する。例えば、ユーザーがユーザーの精神的苦痛を生じる物事について考えている場合、PTESは、ユーザーがユーザーの情動を落ち着かせる物事を考えている場合と異なる。別の例では、ユーザーが思考に関し限界情動を感じる場合、PTESは、ユーザーが当該思考に関し解放状態を感じる場合と異なる。関心のある信号とPTESとの間の関係のため、システム30はユーザー34により経験されたPTESレベルを、電気的活動を測定し及びユーザーの脳内の他の電気的活動から関心のある信号を分離することにより、決定できる。
【0016】
この例では、センサー装置32は、第1の点に置かれたセンサー電極36、及び第2の点に置かれた基準電極38を有する。第1及び第2の点は、間隔を空けられた関係に置かれるが、互いに近接近に維持される。当該点は望ましくは互いに約8インチ以内にある。ある例では、当該点は約4インチ離れている。この例では、センサー電極36はユーザーの前額部の皮膚に置かれ、基準電極38はユーザーの耳と接続される。基準電極はまたユーザーの前額部に取り付けられ、基準電極をユーザーの耳に渡り位置付ける段階を有して良い。
【0017】
センサー電極36及び基準電極38は、センサー装置32の、基準電極38の近くに位置付けられた電子モジュール40と接続される。センサー電極36、基準電極38、及び電子モジュール40は実質的に同一の雑音環境内に置かれる。電子モジュール40はユーザーのこめかみに又はこめかみの上方に、又は電子モジュール40が基準電極38の近接近にある他の位置に置かれて良い。この例では、頭部帯42又は他の取り付け装置は、センサー電極36及び電子モジュール40をこめかみの近くの位置に保持し、同時にクリップ44は基準電極38をユーザーの耳に保持する。ある例では、電子モジュール及び基準電極は互いに対し容量性結合されるように位置付けられる。
【0018】
センサー電極36はユーザーの前前頭葉の電気的活動を検知する。また電子モジュール40は現在の及びセンサー電極により検出された他の電気的活動から関心のある信号を分離する。電子モジュール40は、関心のある信号を無線受信機48へ無線接続50を介して送信する無線送信機46(図6)を有する。図1の無線受信機48は、関心のある信号を電子モジュール40から受信し、そしてコンピューター54のポート52又はプロセッサーを有する他の装置とポート・コネクタ53で接続し、関心のある信号を無線受信機48からコンピューター54へ転送する。電子モジュール40はLED55(図6)を有する。また無線受信機48はLED57を有する。LED55及び57の両方は、無線送信機及び無線受信機が電源を入れられると照射する。
【0019】
この例では、関心のある信号から導出されたPTESレベルは、コンピューター54のコンピューター画面58のメーター56(図1及び2)に表示される。この場合、コンピューター54及びメーター56を表示する画面58は表示器として機能する。メーター56の詳細のレベルはユーザーに合うよう調整され得る。メーター56を見て、ユーザー34に彼らのPTESレベルを如何なる特定の時点でも客観的方法で決定させられる。メーター56から得られる客観的フィードバックは、ユーザーを案内し、ユーザーのPTESを改善するため、及びユーザー34が特定の刺激に晒された場合にユーザーの心情が到達し得る特定の記憶又は思考に関連するPTESレベルを決定するために用いられる。メーター56は、数字を振られたバー62を垂直に上及び下へ移動しユーザーのPTESレベルを表示する表示器60を有する。メーター56はまた、特定の時間期間に渡り、又はユーザー34がメディア素材66からの刺激に晒されるセッション中に達成された最小PTESレベルを表示する最小レベル表示器64を有する。メーター56はまた、セッション中のユーザーの解放の最大、最小、及び平均レベルを有し得る。PTESレベルはまた、聴覚的にユーザーへ伝達されて良い。この場合、コンピューター及びスピーカーが表示器として機能する。レベルはまた、当該レベルを紙に印刷することによりユーザーに表示され得る。
【0020】
別の例では、同一のメディア素材への反応に関連する異なる解放レベルは、時間に亘りメモリー装置に格納され得る。これらの異なる解放レベルは、次々に表示され、メディア素材と関連する負の情動を解放する際にユーザーに彼又は彼女の進捗を知らせ得る。
【0021】
システム30では、メディア素材66は、ユーザー34にユーザーの高いPTESレベルに関連する特定の思考又は情動に到達するよう設計された刺激にユーザー34を晒すために用いられる。この例では、メディア素材66はコンピューター54を通じスピーカー68を介し再生される音声素材を有する。メディア素材66及びメーター56は、コンピューター54で実行され及びコンピューター画面58に表示されるコンピューター・プログラム70に統合される。メディア素材66は、この場合、画面上ボタン72を用い制御される。コンピューター・プログラム70はまた、プログラム機能を操作するための他のメニュー・ボタン74、及び無線接続50の接続強度を表示する表示器76を有する。プログラム70は標準的にコンピューター54のメモリーに格納される。この又は他のメモリー装置はまた、自己報告日誌及び自己観察進捗を格納するデータベースを有し得る。
【0022】
いくつかの例では、プログラム70はユーザー34からの応答又は他の入力を要求して良い。これら及び他の環境では、ユーザー34は、キーボード78、マウス80及び/又はマイクロホン82のような如何なる1又は複数の適切な周辺機器又は入力装置を用い、プログラム70と相互作用して良い。例えば、マウス80はメディア素材66を制御するボタン72の1つを選択するために用いられて良い。
【0023】
メディア素材66は、自己又は補助問診のためにユーザー34にコンピューター54と相互作用させる。メディア素材66は聴覚的、視覚的、聴覚及び視覚的であって良く、及び/又は文書素材ファイル又はコンピューター54により再生又は提示される他の種類のファイルであって良い。メディア素材66は、「解放技術(Release Technique)」等のような1又は複数の処理に基づき得る。いくつかの例では、一般的話題が事前に記述された訓練の形式で提示される音声−ビデオファイルの形式で提供され得る。これらの訓練は、金銭、勝利、関係、及びユーザーに当該話題に関し自由状態を達成させる多くの他の一般的話題のような標準的な重要な生涯の課題又は最も個人的な目標を有し得る。目標に関する自由状態は、(特定の予め設定された閾より下の)非常に低いPTESレベルがユーザーにより当該目標に関して達成された場合に表示され得る。解放技術はいくつかの例で例として用いられた。他の処理も本願明細書に記載された技術的手法と共に用いられて良い。
【0024】
ある例では、「解放技術」を有するメディア素材66は、ユーザー34に限界情動又は情動的に悩んだ経験の種類のPTESに到達させ、結果としてユーザーの神経系に混乱を生じる。処理は次に神経系を正常化するようユーザー34を案内するか、又は情動を解放する。同時にユーザーは混乱の知覚された原因に集中させられる。PTESレベル又は解放レベルが、この例では、予め設定された閾より低いと決定された場合、処理は完了する。
【0025】
解放レベルのPTESに関連する関心のある信号は、4−12Hzの範囲のユーザーの脳の前前頭葉の脳波又は電気的活動である。電気的活動のこれらの特徴的な周波数は、α及びθ帯である。α帯の活動は8乃至12Hzの範囲であり、θ帯の活動は4乃至7Hzの範囲である。α及びθ帯の振幅の間の線形関係は、解放レベルの表示である。ユーザー34が非解放状態である場合、活動は主にθ帯でありα帯は減退する。ユーザー34が解放状態である場合、活動は主にα帯でありθ帯のエネルギーは減退する。
【0026】
ユーザー34が情動を解放した場合、潜在意識内に残っている思考の全体は、混乱が頭から解放されると徐々に低下する。潜在意識内の多数の思考は、神経系を混乱させる不幸な又は憂鬱な思考として知られている。潜在意識内の少数の思考は、神経系を正常化する又は混乱のない幸福な又は楽しい思考として知られている。
【0027】
図3は例である方法84を示す。方法84は、1又は複数の自己又は補助問診処理を用いる。方法84は86から開始し、段階88へ進む。段階88で、プログラム70はメディア素材66内の刺激を用い、限界情動のようなPTESの情動の混乱を引き起こす思考又は話題に到達するようユーザー34を案内する。この例では、メディア素材66はスピーカー68を通じユーザー34に向けられる質問又は声明を有する。この場合及び他の場合に、コンピューターはユーザーによりメディア素材66に入力された目標又は課題に関する声明を挿入し得る。例えば、ユーザー34はキーボード78を用い目標声明を入力して良く、コンピューターはメディア素材に目標声明を挿入する音声を生成して良い。別の例では、ユーザーはマイクロホン82を用い目標声明を入力して良く、コンピューターはメディア素材に目標声明を挿入して良い。
【0028】
方法84は次に段階90へ進む。段階90で、プログラム70はメディア素材66を用い、限界情動を引き起こす思考又は話題に集中させたまま、限界情動を解放するようユーザー34を案内する。プログラムは段階90から段階92へ進む。段階92で、ユーザー34が限界情動を解放したか否かに関する決定が行われる。この決定はセンサー装置32からの関心のある信号を用い行われる。この場合、図2に示されるように、解放レベルはメーター56内のバー62の表示器60の位置により表示される。メーターは、ユーザー34が限界情動を適切な程度まで、例えば所定の閾より下まで解放していることを示す。従って92の決定は「はい」であり、方法84は段階94の終了へ進む。92で、ユーザー34は限界情動を適切な程度まで解放していないと決定された場合、92の決定は「いいえ」であり、方法84は段階88へ戻り再び限界情動を引き起こす思考又は話題に到達するようユーザーを案内する。方法84はユーザー34が限界情動を解放し自由状態に到達するために必要な限り続けられ得る。処理はまた、ユーザーが多くの標準的な限界情動を解放するようメディア素材により案内される除去セッションを有し、限界情動を解放する低い思考頻度に到達するためにユーザーを補助する。
【0029】
限界情動を解放するよう試みながらメーター56を観察することにより、ユーザー34は感情を限界情動の解放と相互に関連付けることができる。この処理の繰り返しは関連づけを強化する。従ってユーザーは解放したい感情が何かを学習し、そして向上された解放の技能を有することによりメーター56を有し又は有さずに効率的に解放できる。ループ機構は、ユーザーにボタンをクリックさせ、ループ・セッションに入らせる。ループ・セッションでは解放する経験部分が連続的に繰り返される。ユーザーのPTESレベルはユーザーに示され、これらのレベルは後に再検討するためにループ・セッション中に自動的に記録される。ループ・セッションは、特定の話題に関連した特定の思考を取り巻く限界情動を取り去るようユーザーを案内する早道を提供する。ループ・セッションは、ユーザーに低い思考活動の望ましい状態又は解放状態を維持させる反復の間にユーザーに何も行うことを要求しない。ループ・セッションはユーザーのPTESを改善するようユーザーを案内する如何なる処理にも含まれ得る。
【0030】
コンピューター54はまた、解放レベルを時間に亘りメモリー装置に記録し、ユーザー34に記録されたセッション中に達成された解放過程を再検討可能にする。他のセッションはより最近のセッションと一緒に再検討され、メモリー装置からセッションを再び呼び出すことによりユーザーの解放能力の進捗を説明し得る。システム30はまた、ユーザーのPTESに影響を与える特定の思考又は話題が何かを決定するようユーザー34を助けるために用いられる。図4はこの用途の例が示される。方法100は102で開始し、段階104へ進む。段階104で、ユーザー34は、時間に亘りユーザー34に提示される複数の刺激を有するメディア・コンテンツ42のセッションに晒される。方法100は段階106へ進む。段階106で、ユーザー34のPTESレベルはユーザーが複数の刺激に晒されるセッション中に決定される。段階106の後、方法は段階108へ進む。段階108で、刺激は、PTESに負の影響、例えば高い情動限界を生じたメディア・コンテンツ42から選択される。方法100は従ってユーザーに対しPTESに負の影響を生じる領域を識別する。方法100は次に段階110へ進む。段階110で、選択された刺激は処理に用いられ、ユーザーが負の情動を解放するのを助ける。方法100は段階112で終了する。
【0031】
ある例では、プログラム70は図5に示された方法120を用いる。方法120は「利益/不利益」と称される質問形態を有する。この方法では、メディア・ファイルはユーザー34に順々に「特定の話題」の「利益/不利益」に関連した質問を尋ね、ユーザーに負の情動を経験させる。「特定の話題」の単語又は句は、ユーザーにより入力装置の1つを用いコンピューターに入力され得る。入力装置は例えばキーボード78、マウス80、及び/又はマイクロホン82であり、コンピューターに単語又は句を質問に挿入させる。システム30はまた目標文書を有して良い。目標文書はユーザーの目標声明を有し、目標声明は目標に関する質問形態及び目標に関するユーザーの解放レベル・データと一緒に表示される。例として、ユーザーは制御に関連する課題、例えば航空便に遅れる心配を有して良い。この場合、ユーザーは「特定の話題」として「航空便に遅れる心配」のようなものを入力し得る。
【0032】
利益及び不利益に関連した一連の質問は、解放状態又は他のPTESが可能な限り低く安定するまで、つまり最大の解放を有するまで交互に行われ得る。図5に示された方法120は開始112で開始し、段階124へ進む。段階124で、プログラム70はユーザーに「何の利益/不利益が私に特定の話題により限界を感じさせますか」と尋ねる。プログラム70は次にユーザーからの入力装置の1つを通じたフィードバックを待つ。
【0033】
プログラムは次に段階126へ進む。段階126で、プログラム70はユーザーに「それは不足している承認、不足している制御、又は不足している安全であるという感情に到達しますか」と尋ねる。プログラム70はユーザー34からの入力装置からの応答を待ち、例えば「制御する感情」のようにどの感情にユーザーが応答するかを解読する。方法120は次に段階128へ進む。段階128で、プログラム70は、この例では「あなたはその不足している制御感情を継続させられますか」と尋ねることにより段階128に与えられた応答に基づきユーザーに質問する。この時、方法120は段階130へ進む。段階130で、センサー装置32は、ユーザー34の解放レベルを決定するために関心のある信号を決定する。解放レベルは監視され、メディア・ファイルは解放レベルが最低点で安定した場合に再生を停止する。この時、方法120は段階132へ進み、セッションは完了する。セッションが完了すると、ユーザー34は特定の話題に関する自由な感覚を感じるだろう。特定の不要な情動的残存物が残されている場合、この同一の処理は課題に関する完全な自由がユーザーにより実現されるまで繰り返され得る。
【0034】
上述の方法は「両極性解放(polarity releasing)」の例である。「両極性解放」では、個人は特定の話題又は特定の課題に関する積極性と消極性について、心情が思考により生成される負の情動を放棄するまで考えるよう案内される。「好き/嫌い」及び他の概念のような他の両極性解放方法、及び本願明細書に記載された目的のためにセンサー装置32のようなセンサー装置と一緒に用いられて良い、より低い思考頻度を達成するようユーザーを助ける方法もある。
【0035】
プログラム70はメディアへの応答履歴をメモリー装置に格納し、そしてユーザー34の改善のチャートを作成するために複数の同一メディアへの応答の反復を結合し得る。これらの応答を同一のチャートに種々の色及び次元効果を用い描画することは、ユーザー34に時間に亘る同一のメディア刺激への種々のPTES反応を説明し、改善を説明する。
【0036】
プログラム70はライブ・コンテンツへの反応も同様に格納し得る。ライブ・コンテンツは同一の物理的位置で個人の話を聴くこと若しくは音声を聴くこと、又は電話若しくはインターネット又はテキスト通信のような通信媒体を介し音声ストリーミングを聴くことを含み得る。プログラム70はPTESデータをポイント・ツー・ポイントでインターネットのような通信媒体を用い送信し得る。一方向に流れるライブ・コンテンツ、及び反対方向に流れるPTESデータを有するので、ライブ・コンテンツの分配者は、個々のPTESデータの反応に依存してコンテンツに直ちに反応し変更する強力な新しい能力を有する。この分配者は変化するPTESを理解し反応する能力を有する人又はウェブ・サーバー・アプリケーションであって良い。
【0037】
プログラム70は、送信されているデータ種類及びバイト数に基づき表面に出ない電子モジュール40のバージョンを検出し得る。この情報は、電子モジュール40での機能の利用可能性に依存して、プログラム70の種々の機能をオン及びオフに切り替えるために用いられる。
【0038】
特定の種類のコンピューターを有し、及び特定の種類の無線接続が用いられる場合、無線受信機48とコンピューター54との間の非互換性が生じ得る。コンピューター54のオープン・ホスト・コントローラー・インターフェース(OHCI)と無線受信機48のユニバーサル・ホスト・コントローラー・インターフェース(UHCI)チップとの間のこの非互換性は、通信障害を引き起こす。プログラム70はこの特定の非互換性の兆候を検出し、ユーザーに報告する。検出方式は、ping「P」への無線受信機48からの単一の応答を捜し、pingへの全ての将来の応答は無視される。プログラム70は次にモード警告をユーザーに表示し、非互換性に対する次善策を提案する。
【0039】
プログラム70は連続的に新たなデータの到来を検査することにより、無線接続50の切断を検出する。新たなデータの入来が停止した場合、無線接続障害が想定され、メディアの再生及びPTESデータの記録を自動的に停止する。新たなデータがコンピューター54に入来するのを検出すると、プログラム70はメディア及び記録を自動的に再開する。
【0040】
プログラム70は訓練を作成し特定のPTESレベルのために目標を設定し得る。例えば、プログラム70はユーザーに目標PTESレベルを設定するよう依頼し、ユーザーが当該目標に到達するまで無期限に継続する。プログラム70はまた多数の他の活動中の反応を格納し得る。これらの他の活動は、電話の会話、会議、家事、黙想、及び計画を含むがこれらに限定されない。更に、プログラム70は、音声、題名、及びセッションの長さを選択することによりユーザーに彼らのセッションをカスタマイズさせ得る。
【0041】
プロセッサーに基づくコンピューター装置(示されない)を有し得る他のコンピューター装置は、センサー装置32と共に用いられ、メディア素材66を再生し及びPTESを表示又は示し得る。これらの装置は、コンピューターのポートに差し込む別個の無線受信機48ではなく統合無線受信機を用いセンサー装置32と接続されて良い。これらの装置はコンピューター54より携帯可能であり、ユーザーに日中又は夜を通じてPTESレベルを監視させ、ユーザーに潜在意識を一層迅速に解放させる。これらのコンピューター装置は、データを格納し受信機にデータを送信する音声録音機を備えたカメラを有し、後で再検討するためにメモリー装置に反応の出来事を格納し得る。これらのコンピューター装置はまた、反応の出来事、当該出来事の強度、及び/又は当該出来事の音声−ビデオ記録をコンピューター54にアップロードし得る。コンピューター54では、愛情と嫌悪(Attachment and Aversions)処理又は他の処理が用いられ、当該出来事に関する反応を永久に低減又は除去し得る。
【0042】
センサー装置32の1つの例は図6及び7に示される。センサー装置32はセンサー電極36、基準電極38、及び電子モジュール40を有する。電子モジュール40は関心のある信号を1000乃至100000倍に増幅し、同時に60Hzの雑音が全然増幅されないことを保証する。電子モジュール40は関心のある信号を不要な電気的活動から分離する。
【0043】
この例のセンサー装置32はまた、関心のある信号を電子モジュールから無線接続50を介して受信する無線受信機48を有し、及び当該関心のある信号をコンピューター54へ伝達する。この例では、無線接続50は無線周波数エネルギーを用いる。しかしながら赤外線のような他の無線技術も用いられて良い。無線接続を用いることにより、センサー装置32とコンピューター54との間を接続するべき線の必要がなくなり、従ってセンサー装置32をコンピューター54から電気的に絶縁する。
【0044】
基準電極38はクリップ148と接続される。この例では、クリップ148は基準電極38をユーザー34の耳150に取り付けるために用いられる。センサー電極36は、留め金、又はセンサー電極36を頭部帯42に取り付ける他の弾性体を備えられた装置を有する。頭部帯42はまた、電子モジュール40をユーザーのこめかみの位置に収容するポケットを有する。ヘッドホン42は弾性体帯の一例であり、センサー電極及び/又は電子モジュール40を保持するために用いられる。弾性体帯に帽子の一部を形成させることを含め、同一の機能を提供する他の種類の弾性体帯も用いられ得る。
【0045】
弾性体帯に加え、他の種類の取り付け装置もセンサー電極をユーザーの皮膚に対し保持するために用いられ得る。センサー電極をユ―ザーの皮膚に対し保持する保持力は、1乃至4ozの範囲であり得る。保持力は例えば1.5ozであり得る。
【0046】
取り付け装置の別の例は、眼鏡フレームと似ているフレームを有し、センサー電極をユーザーの皮膚に対し保持する。フレームはまた電子モジュール40を支持するために用いられ得る。フレームはユーザー34により耳で支持される方法で装着されユーザーの鼻に架けられ、従ってセンサー電極36はユーザーの皮膚に接触する。
【0047】
センサー電極36及び基準電極38は、それぞれ、測定が行われるべき点でユーザーの皮膚と接触しておかれるために用いられる導電性表面152及び154を有する。この例では、導電性表面は非反応材料、例えば銅、金、導電性弾性体又は導電性プラスチックで構成される。センサー電極36の導電性表面152は約1/2平方インチの表面領域を有して良い。導電性表面152は、ユーザーの皮膚に直接接触するために用いられ、皮膚を特別に準備する必要がなく、及び皮膚と導電性表面との間にある接触抵抗を低減するための薬物を用いる必要がない。
【0048】
センサー装置32は500000Ωの高い接触抵抗を有し動作し、装置を特別に準備されていない皮膚と直接接触した導電性表面と一緒に動作させる。対照的に、特別な皮膚の準備及び導電性ジェル又は他の薬物は、従来のEEG電極と共に用いられ、接触抵抗を約20000Ω以下に低減する。より高い接触抵抗を扱う結果、雑音は測定結果に結合され得る。雑音は60Hz電力と接続された照明及び他の機器から、及び静電気を生成する空中を移動する如何なる物体の摩擦からも生じる。雑音の振幅は電子モジュール40と基準電極38との間の距離に比例する。この例では、電子モジュールをこめかみ領域、耳の直ぐ上に配置することにより、及び基準電極を耳に接続することにより、センサー装置32は雑音を拾わず、又は雑音により実質的に影響されない。電子モジュールを基準電極と同一の物理空間に位置付けることにより、及び電子モジュールを基準電極と容量性結合することにより、電子モジュール内の局所基準電位144及び耳は事実上同一の電位になることが保証される。基準電極38は、センサー装置32の電源158で用いられる局所基準電位144と電気的に接続される。
【0049】
電源158は電力146をモジュール内の電子構成要素へ電力導体を介し供給する。電源158はセンサー装置32に基準電位144を0ボルトで、並びに正及び負の電源電圧−VCC及び+VCCを供給する。電源158は、電源電圧を電子モジュールに適したレベルで生成するチャージ・ポンプを用いる。
【0050】
電源はスイッチ156を通じモジュール40内の他の部品と接続される。電源158は、電源が切られる前の特定時間の間、電子モジュール40へ電力を供給させるタイマー回路を有し得る。この特徴は例えば、ユーザー34が誤って電子モジュール40への電力をオンにしたままにする場合に電力を節約する。電力146は測定のために局所的に参照され、センサー回路32が無線接続50を用いるので外部の接地システムへの如何なる基準接続も有さない。
【0051】
センサー電極36は、脳内の電気的活動が検知される又は測定される点でユーザーの皮膚と接触して配置される。基準電極38は、センサー電極が配置される点から近距離だけ離れた点で皮膚と接触して配置される。この例では当該距離は4インチである。しかしながら当該距離は約8インチの大きさであって良い。雑音の振幅は電子モジュールと基準電極との間の距離に比例するので、長さが長いほどシステムには雑音が乗り得る。電子モジュール40は基準電極38に近接近して配置される。これは電子モジュール40を基準電極38と同一の電気及び磁気環境に存在させ、電子モジュール40は容量的に及び相互インダクタンスを通じ基準電極38と接続される。基準電極38及び増幅器168は雑音環境に一緒に結合され、センサー電極36は関心のある信号を基準電極から短距離だけ離れて測定し、センサー装置32への雑音の影響を低減又は除去する。基準電極38は電源158内の0Vと導体166で接続される。
【0052】
センサー電極36はユーザーの脳内の電気的活動を検知し、当該電気的活動と関連する電圧信号160を生成する。電圧信号160は、センサー電極36がユーザーの皮膚と接触する点の局所基準電位144に対する電気的活動の電位である。電圧信号160は電極36から電子モジュール40へ導体162を介し伝達される。導体162及び166は、導電性表面152及び154に如何なるハンダも存在しないように電極36及び38と接続される。導体162は実用的な程度に短く、この例では約3インチの長さである。センサー装置32が用いられる場合、導体162はユ―ザー34から離れた距離に保持される。従って導体162はユーザーからの又はユーザーへの信号を結合しない。この例では、導体162はユーザー34から約1/2”の距離に保持される。モジュール40と電極36及び38との間に延在する導体162及び166を除き、如何なる他の線、光ファイバー又は他の種類の延長部も、電子モジュール40から延在しない。何故ならこれらの種類の構造は電子雑音を拾い易いからである。
【0053】
電子モジュール40は、関心のある信号を有する電気的活動及び関心のある信号と関係のない不要な他の電気的活動を測定又は決定する。電子モジュール40はシングルエンド増幅器168(図7及び8)を用いる。シングルエンド増幅器168は、基準電極38を用いた測定環境で雑音と密接に結合される。シングルエンド増幅器168は、α及びθ帯の電気的活動を含む最大12Hzの周波数に対し利得2を、及び60Hzの高調波を含む60Hz以上の周波数に対し1より小さい利得を提供する。
【0054】
図8及び11の増幅器168は、電圧信号160を電極36から、及び電力146を電力源158から受信する。シングルエンド増幅器168は、電圧信号160に比例する出力信号174を生成する。出力信号174は関心のある信号を有する。この例では、電圧信号160は導体162を介し抵抗器170へ供給される。抵抗器170は高インピーダンス、低電力の演算増幅器172の非反転入力と接続される。出力信号174は、並列に接続された抵抗器176及びキャパシター178を通じ演算増幅器172の反転入力への帰還として用いられる。演算増幅器172の反転入力はまた、抵抗器180を通じ基準電圧144と接続される。
【0055】
増幅器168は、出力信号174を伝達する出力導体184により3段センサー・フィルター182と接続される。電気的活動又は電圧信号160は、段168及び182のそれぞれにより増幅される。同時に不要な信号、例えば60Hz以上は当該段のそれぞれにより減衰される。3段センサー・フィルターは、3つの段206a、206b及び206cを有する。各段は同一の設計を有し、帯域通過フィルター機能を提供する。帯域通過フィルター機能は1.2乃至12Hzの信号を利得5で通過させ、同時にこれらの周波数より低い及び高い信号を減衰する。帯域通過フィルター機能はα及びθ帯の信号を通過させ、同時に60Hz及び60Hzの高調波のような雑音を減衰する。3段センサー・フィルター182は、部品のバイアス及びオフセットによる信号のオフセットを除去する。3つの段のそれぞれは、電源電圧146及び基準電圧144と接続される。3つの段のそれぞれは、それぞれ出力導体188a、188b、及び188cに出力信号186a、186b、及び186cを生成する。
【0056】
図9及び11の3段センサー・フィルター182の第1の段206aでは、出力信号174は第1の段の演算増幅器190aの非反転入力へ抵抗器192a及びキャパシター194aを通じ供給される。キャパシター196a及び他の抵抗器198aは、非反転入力と基準電圧144との間に接続される。第1の段からの出力信号186aの帰還は、並列に接続された抵抗器200a及びキャパシター202aを通じ演算増幅器190aの反転入力と接続される。演算増幅器190aの反転入力はまた、抵抗器204aを通じ基準電圧144と接続される。
【0057】
第2及び第3の段206b及び206cは、それぞれ第1の段と直列に配置される。第1の段の出力信号186aは、第2の段206bへ、抵抗器192b及びキャパシター194bを通じ演算増幅器190bの非反転入力へ供給される。第2の段の出力信号186bは第3の段206cへ、抵抗器192c及びキャパシター194cを通じて供給される。抵抗器198b及びキャパシター196bは、演算増幅器190bの非反転入力と基準電位144との間に接続される。また抵抗器198c及びキャパシター196cは、演算増幅器190cの非反転入力と基準電位144との間に接続される。出力導体188bから演算増幅器190bの反転入力への帰還は、抵抗器200b及びキャパシター202bを通る。また演算増幅器190bの反転入力は抵抗器204bで基準電位144と接続される。出力導体188cから演算増幅器190cの反転入力への帰還は、抵抗器200c及びキャパシター202cを通る。また演算増幅器190cの反転入力は抵抗器204cで基準電位144と接続される。
【0058】
3段センサー・フィルター182は、図10及び11のRCフィルター208と、出力導体188cで接続される。出力導体188cは、図7の3段センサー・フィルター182の第3の段206cからの出力信号186cを伝達する。RCフィルター208は、出力導体216と直列に接続された抵抗器210、基準電位144と出力導体216との間を接続するキャパシター212を有する。RCフィルターは低域通過フィルターとして機能し、12Hzより高い出力周波数を更にフィルターする。RCフィルター208はフィルター信号214を出力導体216に生成する。RCフィルター208は図7のアナログ−デジタル(A/D)変換器と接続される。
【0059】
A/D変換器218は、RCフィルターからのアナログ・フィルター信号214をデジタル信号220へ、アナログ・フィルター信号214を60Hzの倍数であるサンプル・レートでサンプリングすることにより変換する。この例では、サンプル・レートは9600サンプル毎秒である。デジタル信号220はデジタル・プロセッサー224へ、出力導体222を介し伝達される。
【0060】
図7のデジタル・プロセッサー224は追加利得、60Hzの雑音の除去、及び高周波数データの減衰を提供する。デジタル・プロセッサー224はコンピューター装置で動作するソフトウェアで実施されて良い。デジタル・プロセッサー224は図12のノッチ・フィルター230を有する。ノッチ・フィルター230は、デジタル信号のデータ点を一度に加算し160、60Hzで如何なる情報も有さない60Hzデータのストリームを生成する。ノッチ・フィルター230の後段にエラー・チェッカー232が続く。エラー・チェッカー232は範囲外のデータ点を60Hzのデータ・ストリームから除去する。これらの範囲外のデータ点は誤りのあるデータであるか、又はそれらは脳内活動以外の特定の外部情報源により引き起こされる。
【0061】
エラー・チェッカー232の後で、デジタル・プロセッサー224は離散フーリエ変換234を用いデータ・ストリームを変換する。従来のEEGシステムは帯域通過フィルターを用いα及びθ周波数を選択するが、特にこれらのフィルターは連続的な周期的機能を処理及び選択することに限定される。フーリエ変換を用いることにより、デジタル・プロセッサー224は無造作に間隔の空いた事象を識別できる。各事象は全ての周波数でエネルギーを有するが、事象が短いほど高周波数で大きいエネルギーを有し、また事象が長いほど低周波数で大きいエネルギーを有する。α及びθ周波数のエネルギーの相違から、システムはより長いまたはより短い事象の優勢を識別できる。当該相違は次に帯域の総エネルギーにより拡大される。これにより、出力はエネルギーの種類に基き、及びエネルギー量に関係する如何なるものも除去される。
【0062】
フーリエ変換234は、それぞれ異なる周波数幅を有するビン236a乃至236oにエネルギーを分割するスペクトル信号を生成する。ある例では、スペクトル信号は30個のサンプルを有し、エネルギー・スペクトルを2Hz幅のビンに分割する。別の例では、スペクトル信号は60個のサンプルを有し、ビンを1Hz幅のビンに分割する。ビン236は追加され特定の帯域のエネルギー信号を生成する。この例では、4乃至8Hzの間のビン236は、これらのビンを加算しθ帯のエネルギー信号240を生成する加算器238へ渡される。また8乃至12Hzの間のビンはこれらのビンを加算しα帯のエネルギー信号244を生成する加算器242へ渡される。この例では、α及びθ帯のエネルギー信号240及び244は計算機246へ渡される。計算機246は(θ−α)/(θ+α)を計算し結果として出力信号226を導体228に生成する。
【0063】
図7の出力信号226は、出力信号226を無線受信機48へ無線接続50を介して送信する無線送信機46へ渡される。この例では、出力信号226は関心のある信号であり、コンピューター54へポート52を介し渡され、メーター56に表示するPTESを生成するためにコンピューターにより用いられる。
【0064】
コンピューター54はいくつかの例では出力信号226の追加処理を提供して良い。解放技術を用いた例では、コンピューター54は出力信号226を操作し、出力信号内のα及びθ帯の信号の相対量を決定し、ユーザー34により経験された解放レベルを決定する。
【0065】
上述の原理及び特徴を用いたセンサー装置は、上述の脳組織に加えユーザーの他の組織内の電気的活動、例えば筋肉及び心臓組織内の電気的活動を決定するために用いられ得る。これらの場合には、センサー電極は皮膚の上に電気的活動が測定されるべき点に位置付けられる。また基準電極及び電子モジュールはセンサー電極の近くの点に取り付けられた基準電極の近隣に位置付けられる。電子モジュールは、これらの場合には、増幅及びフィルタリングを有し、筋肉又は心臓の電気的活動の周波数を分離し、同時に他の周波数をフィルターして除去する。
【0066】
概して、本願明細書は、実質的に周囲環境からの雑音からの影響を制限又は除去しながら個人の組織内の電気的活動を検知する装置及び方法を開示した。
【0067】
多数の例である態様及び実施例が以上に議論されたが、当業者は特定の変更、置換、追加、及びそれらの組み合わせを認識するだろう。従って紹介された特許請求の範囲は、全ての当該変更、置換、追加、及び組み合わせを本発明の精神と範囲に包含されるとして解釈される。
【0068】
[添付A]
EEG又は脳波センサーは約50年より長く存在している。60年代及び70年代には、このデータを生体フィードバック・システムで用いることを試みる多くの研究が行われた。知覚麻痺監視、ADD治療、癲癇の予測、及び睡眠の監視を含むEEG測定のためのアプリケーションが発展してきた。利用可能なシステムが高価($1000乃至$10000)であり、扱い難く(設定に長時間を要する)、至る所に走る線を有し(これはユーザーにとって使い難い)、広範囲に及ぶ皮膚の準備を必要とし(これは領域から毛髪を剃ること、皮膚を磨いて外皮を除去すること、電極を有するメッシュ及び至る所に走る線を置くこと、及び導電性ジェル又は液体を適用することを含む)、及びそれらを使用する熟練した技師を必要とするので、技術の使用は限定されている。
【0069】
測定されている電気信号がマイクロボルトの振幅であり、ボルト又は数十ボルト程度の雑音を有する環境内にあるので、測定を行うのは困難である。これは10−6の信号対雑音比を与える。この測定に従来用いられる方法は、非常に正確な差動増幅器、例えば計装用増幅器を設計することである。増幅器はユーザーの足のような共通基準として参照される。電子機器は線により基準と接続される。2つの電極は頭部の2つの点に付けられ、線により電子機器と接続される。これら2つの電極の線は次に計装用増幅器の入力と接続される。計装用増幅器の出力は(基準に対する)電圧である。当該基準は2つの電極間の電位差の定数倍に比例する。これは非常に感度が良い測定である。何故ならそれらのシステムは、非常に大きい(10倍の)2つの信号間の小さい差を見付けるからである。構成要素、配線、雑音源(電気配線又は照明)の位置、又はユーザーの動きの非常に小さい変位は測定結果に重要なエラーを引き起こす。このためにEEGシステムは高価であり使い難い。
【0070】
従来技術の複雑性を軽減し、脳波若しくはEEGを測定する簡易で強靱な技術を可能にする代替の方法が開発されてきた。この同一の方法はまたEKGの測定及び他の生体測定を簡単にするためにも用いられ得る。
【0071】
従来のEEGでは、信号は標準的に計装用増幅器又は類似の差動増幅器設計を用い増幅される。計装用増幅器は各入力と基準電圧との間の電位差を増幅することにより動作する。2つの増幅された信号は次に減算され、そして2つの信号間の差を表す電圧が出力される。この出力電圧は基準電圧に対する電圧である。問題は、EEGでは60Hzの雑音が第1の段で増幅され、信号が減算される前に信号を飽和させてしまうことである。従来技術では、設計者等はこの問題を回避するために雑音を平衡させるか又は遮断するシステムを設計するために多大な労力を費やした。本発明は、2つの大きな数を減算し小さな数を得るという原理を、それらの数又は振幅の測定に用いない。
【0072】
本発明はEEG又は脳波データを測定する低価格な方法である。当該方法は、測定の雑音環境と密接に結合された単一のシングルエンド増幅器を用いる。本発明は基準電極と増幅器を単一の結合された雑音環境に結合し、当該基準に対し短距離離れたEEG信号を測定する。本発明は増幅器を更に開示する。当該増幅器は測定されている信号を1000乃至100000倍に増幅し、同時に60Hzの雑音が全然増幅されないことを保証する。
【0073】
単一の導電性表面は、信号が測定されるべき点に皮膚と接触して配置される。接触のために如何なる準備も必要ない。この導電性表面は銅又は金のような如何なる非反応材料で構成されても良い。第2の導電性表面は短距離(4インチ)だけ離れて皮膚と接触して配置される。電子モジュールは第2の導電性表面に近接近して配置される。電子モジュールは第2の導電性表面と同一の電気及び磁気環境にある。電子モジュールは容量的に及び相互インダクタンスを通じて第2の導電性表面と接続される。第1の導電性表面は高インピーダンス、低周波数のシングルエンド増幅器の入力と接続される。第2の導電性表面は、接地と電子モジュールの電力との平均である電圧と接続される。シングルエンド増幅器は第2の導電性表面に対する第1の導電性表面の電圧に比例する信号を出力する。増幅器は、高周波数(約12Hzの周波数)の利得を低減する低域通過フィルターを更に有する。システム全体は従って分離され、60Hzの雑音のような干渉信号を有する電圧移動させる。信号は高域を通過され、測定結果に内在するDCオフセットを除去する。信号は次に一連の増幅段を通じて増幅される。各段は、60Hzの利得が1より小さいように設計される。これは常に60Hz成分による飽和を生じずに、信号を増幅させる。信号は次にA/D変換器を用いデジタル化される。この信号は1/60秒の間で平均される。これは不要な雑音を低減する。
【0074】
信号は無線接続を用いディスプレイ及び処理システムへ送信される。これは分離を維持する。約1/2平方インチの表面との銅接点(E1)は、線(W1)と接続される。この接続は、如何なるハンダも銅接点側に存在しないよう達成される。W1はセンサー・フィルターの第1の段([図1])の入力と接続される。この線は可能な限り短い。好適な実施例ではW1は約3インチである。線は、体から有意な距離だけ離れて保持されるよう維持され、従って体からの又は体への信号を結合しない。好適な実施例ではこの距離は約1/2インチである。
【0075】
線は抵抗器(R25)を通じて高インピーダンス、低電力の演算増幅器の正入力と接続される。演算増幅器の出力の負端子からの帰還は、[図1]に示されるように並列に接続された抵抗器(R24)及びキャパシター(C15)を通じて提供される。演算増幅器の入力はまた、抵抗器(R23)を通じ基準電圧(0V)と接続される。この構成は最大12Hzの周波数に利得2を提供し、及び60Hz以上の周波数に1より小さい利得を提供する。本発明の基本的原理の1つは、信号の増幅を提供し、同時に設計の各点(増幅器の内部及び外部の両方)で60Hz以上に対し減衰(1より小さい利得)を提供することである。
【0076】
第1の段の出力は3つの同一のセンサー・フィルター段の最初の段と接続される。入力回路網は、[図2]に示されるように、入力と直列に接続された抵抗器(R21)及びキャパシター(C12)、及び入力(0V)と接続された抵抗器(R22)及びキャパシター(C13)で構成される。この回路網は帯域通過フィルター機能を提供し、1.2乃至12Hzの間の信号を利得1/2で通過させ、同時に低及び高周波数を減衰する。この回路網は、部品のバイアス及びオフセットによる信号のオフセットを除去する。演算増幅器の出力の負端子からの帰還は、[図2]に示されるように並列に接続された抵抗器(R20)及びキャパシター(C11)を通じて提供される。演算増幅器の入力はまた、抵抗器(R19)を通じ基準電圧(0V)と接続される。この構成は最大12Hzの周波数に利得5を提供し、及び60Hz以上の周波数に1より小さい利得を提供する。[図3]に示されるように、上述のセンサー・フィルターは2回より多く繰り返される。
【0077】
第2の銅接点(E2)はセンサー・フィルター([図3])の(0V)と接続される。第2の接点(E2)はセンサー・フィルター([図3])の(0V)と接続される。好適な実施例ではこれは約1/4インチより小さい。
【0078】
出力は、[図3]に示されるようにR12及びC7により構成されるRCフィルターを通過し、そして図のA/Dと接続される。
【0079】
アナログ・センサー信号は高速(20kHz)でサンプリングされ、1/60秒の間の信号を加算するデジタル・フィルターへ入力される。フィルターは追加利得、60Hzの雑音の除去、及び高周波数データの減衰を提供する。このフィルターの出力はRF接続を通じ受信局へ出力される。
(1)方法であって、EEG、EMG、ECG、又は他の生体信号を測定し、表面の準備をせずに測定を可能にする方法。
−装置がユーザーに取り付けられる場合、重力加重された又は弾性体を備えられた接点を設ける、(1)記載の方法。
−ユーザーの正常な動作中に装置がユーザーに対し動くのを防止する方法を提供する、(1)記載の方法。
(2)方法であって、EEG、EMG、ECG、又は他の生体信号を測定し、ユーザーと接続される線を有さずに測定を可能にする方法。
−無線送信機を用いデータをコンピューター又はディスプレイ装置へ送信し、測定の分離を提供する、(2)記載の方法。
−赤外線送信機を用いデータをコンピューター又はディスプレイ装置へ送信し、測定の分離を提供する、(2)記載の方法。
(3)方法であって、EEG、EMG、ECG、又は他の生体信号を測定し、低価格の標準的な電子構成要素で測定を可能にする方法。
−電子機器を近接近に配置することにより及び容量的に及び磁気的に共通の環境と結合することにより、電子機器の電圧を測定のために体の基準点に位置付ける、(3)記載の方法。
−1つの1.5ボルト・バッテリーを用い、及びチャージ・ポンプを用いより高い電圧を生成し電子機器を動作させる、(3)記載の方法。
(4)方法であって、EEG、EMG、ECG、又は他の生体信号を測定し、シングルエンド増幅器を用いる方法。
−60Hzの信号の利得を制限しフィルター/増幅器の内部の節点での飽和を回避するよう特別に設計されたフィルター/増幅器の直列接続を通じ信号を処理する、(4)記載の方法。
−非常に小さい電圧(+/−1.6ボルト)を用いるよう設計され、同時に飽和せずに信号の完全性を維持する、(4)記載の方法。
(5)方法であって、EEG、EMG、ECG、又は他の生体信号を測定し、局所的に測定のために参照される電力を用い、及び外部との如何なる接続又は参照も有さない、方法。
−無線送信機を用いデータをコンピューター又はディスプレイ装置へ送信し、測定の分離を提供する、(5)記載の方法。
−赤外線送信機を用いデータをコンピューター又はディスプレイ装置へ送信し、測定の分離を提供する、(5)記載の方法。
(6)方法であって、EEG、EMG、ECG、又は他の生体信号を測定し、眼鏡の設計に似た構造で装着される、方法。
−導電性接点をフレームの最上部に取り付け、前記導電性接点を前額部に接触させる、(6)記載の方法。
−導電性接点をフレームの腕部に取り付け、前記導電性接点を耳に接触させる、(6)記載の方法。
−電子機器を耳の接点の非常に近接近に取り付ける、(6)記載の方法。
(7)方法であって、EEG、EMG、ECG、又は他の生体信号を測定し、頭部帯に似た構造で装着される、方法。
−導電性接点を頭部帯の内側に取り付け、前記導電性接点を前額部に接触させる、(6)記載の方法。
−導電性接点を頭部帯に取り付け、前記導電性接点を耳に接触させる、(6)記載の方法。
−電子機器を耳の接点の非常に近接近に取り付ける、(6)記載の方法。
−導電性接点を帽子の頭部帯に取り付け、前記導電性接点を前額部に接触させる、(6)記載の方法。
−電子機器を頭部帯の縁に取り付ける、(6)記載の方法。
(8)方法であって、EEG、EMG、ECG信号を測定し、実質的に60Hzの雑音からの影響を回避する、方法。
−12Hzより高い信号をロールオフする、(8)記載の方法。
−1/60秒又は60Hzの雑音の1周期毎に全ての情報を平均し、従って実質的に60Hzの雑音を信号から除去する(8)記載の方法。
−全ての接点の利得を60Hz以上の周波数に対し1より小さく制限する小型モジュール内の信号をフィルター及び増幅する、(8)記載の方法。
−増幅器/フィルターを基準接点の近くに位置付け、従って増幅器の電圧は測定の基準点で体の電圧と同様に上昇及び下降する、(8)記載の方法。
−データを時間から周波数空間へ変換し、関心のある周波数を加算し、同時に雑音を無視する、(8)記載の方法。
[図1]

[図2]

[図3]

[関連する出願]
本出願は米国特許出願番号60/713899、2005年9月2日出願の優先権を請求する。当該米国特許出願は参照され及び添付Aとして添付されることにより本願明細書に全体が組み込まれる。更に、米国特許出願番号XX(代理人管理番号CAM−2)、名称「A Device and Method for Determining and Improving Present Time Emotional State of a Person」、発明者Ray Caamano他、本出願と同日に出願、は参照されることにより本願明細書に全体が組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの組織から、ユーザーの皮膚と第1の点で接続されたセンサー電極と前記ユーザーの皮膚と第2の点で接続された基準電極とを介して電気的活動を検出する段階であって、前記第2の点は、前記第1の点と間隔を空けられた関係にあり、前記センサー電極に前記第1の点における前記第2の点に対する前記組織内の電気的活動を検知できるようにする、段階、及び
不要な信号を減衰させ及び関心のある信号を前記不要な信号から分離するために出力信号をフィルタリングすることにより、前記電気的活動を増幅すると同時に雑音環境からの影響を実質的に低減するために前記電子モジュールを用いる段階であって、前記出力信号をフィルタリングすることは、約4Hzより低い不要な信号及び約12Hzより高い不要な信号を減衰する、段階、
を有する方法。
【請求項2】
前記基準電極を前記ユーザーの皮膚と接続する段階は、前記基準電極の表面と前記皮膚との間の接触抵抗を引き起こし、
ほぼ等しい前記電子モジュールの局所基準電位及び前記皮膚の前記第2の点の電位は、前記皮膚の準備又は前記接触抵抗を低減する薬物の使用を必要とせず、前記基準電極の表面を前記ユーザーの皮膚と前記第2の点で直接接触できるようにする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記センサー電極と前記基準電極との接触抵抗は、500000オームの高さになる、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記基準電極及び前記電子モジュールが実質的に同一の雑音環境に存在するように、前記電子モジュールを前記基準電極の近接近に位置付ける段階、を更に有する請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記基準電極及び前記電子モジュールが容量結合されるように、前記電子モジュールを前記基準電極の近接近に位置付ける段階、を更に有する請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記電子モジュールを前記ユーザーのこめかみに位置付ける段階、及び前記基準電極を前記ユーザーの耳に位置付ける段階、を更に有する請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記電子モジュール及び前記基準電極は前記ユーザーの右のこめかみ及び耳に位置付けられる、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記関心のある信号は前記ユーザーの脳組織内の電気的活動と関連する、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記関心のある信号は前記ユーザーの筋肉組織内の電気的活動と関連する、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記関心のある信号は前記ユーザーの心臓組織内の電気的活動と関連する、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記関心のある信号はα及びθ帯の脳波を有する、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記電気的活動は無線接続を介しディスプレイ装置へ伝達される、請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記電子モジュールは出力信号をアナログ形式で生成し、
前記方法は、前記出力信号を前記アナログ形式からデジタル形式へ変換する段階を更に有する請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記出力信号は60Hzの倍数であるレートで変換される、請求項13記載の方法。
【請求項15】
EEGデータと不整合であるデータについて前記デジタル出力信号を検査する段階、
前記不整合であるデータを前記デジタル出力信号から除去する段階、
を更に有する請求項13記載の方法。
【請求項16】
前記出力信号のエネルギー・スペクトルに基づきエネルギー・スペクトル信号を決定するために、前記デジタル出力信号を離散フーリエ変換を用いて変換する段階、を更に有する請求項13記載の方法。
【請求項17】
前記エネルギー・スペクトル信号を60個のサンプルのグループに分割する段階、
前記エネルギー・スペクトルを1Hz幅のビンに分ける段階、
を更に有する請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記エネルギー・スペクトル信号を30個のサンプルのグループに分割する段階、
前記エネルギー・スペクトルを2Hz幅のビンに分ける段階、
を更に有する請求項16記載の方法。
【請求項19】
前記エネルギー・スペクトル信号をサンプルのグループに分割する段階、
前記エネルギー・スペクトルをビンに分ける段階であって、前記ビンのそれぞれは特定の周波数範囲のエネルギーを表す、段階、
θ帯のエネルギー信号を生成するために、約4−8Hzを有するビンのエネルギーを加算する段階、
を更に有する請求項16記載の方法。
【請求項20】
α帯のエネルギー信号を生成するために、約8−12Hzを有するビンのエネルギーを加算する段階、
を更に有する請求項19記載の方法。
【請求項21】
α及びθ帯のエネルギー信号の比を決定することにより関心のある信号を生成する段階、
を更に有する請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記比は(θ信号−α信号)/(θ信号+α信号)である、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記出力信号を1/60秒の特定数のサンプルに対しサンプリングする段階、及び
1/60秒毎の前記サンプルを加算し、如何なる60Hz干渉も有さない処理された信号を生成する段階、
を更に有する請求項1記載の方法。
【請求項24】
ユーザーの皮膚の第1の点に置くためのセンサー電極、
前記ユーザーの皮膚に第2に点に置くための基準電極であって、該第2の点は前記第1の点から離れた距離にあり、前記センサー電極は、前記ユーザーの組織内の電気的活動を検知し、関心のある信号を有する電圧信号を生成する、基準電極、及び
電子モジュール、
を有し、
前記電子モジュールは、
前記基準電極と電気的に接続された電源基準電圧を有する電源、
増幅器であって、前記センサー電極から前記電圧信号を受信するために前記センサー電極に接続された第1の入力を有し、前記電源基準電圧を受信するために前記基準電極に接続された第2の入力を有し、前記第1の入力及び前記第2の入力は互いに電気的に絶縁され、前記増幅器は前記電源基準電圧に対して前記電圧信号に比例する出力信号を生成する、増幅器、
前記増幅器の出力を前記基準電極及び前記基準電圧に結合するためのキャパシター、
及び
前記出力信号を前記増幅器から受信するフィルターであって、約4Hzより低い不要な信号及び約12Hzより高い不要な信号を減衰することにより、前記関心のある信号と関係のない電気的活動を減衰し、同時に前記関心のある信号を通過させる、フィルター、
を有する、
センサー。
【請求項25】
前記関心のある信号をコンピューター装置へ伝達する通信部、を更に有する請求項24記載のセンサー。
【請求項26】
前記コンピューター装置は前記関心のある信号に関する情報を表示する、請求項25記載のセンサー。
【請求項27】
前記通信部は、前記関心のある信号をコンピューター装置へ伝達するために用いられる無線送信機及び無線受信機を有する、請求項25記載のセンサー。
【請求項28】
前記無線送信機及び受信機は無線周波数波を用いる、請求項27記載のセンサー。
【請求項29】
前記無線送信機及び受信機は赤外光を用いる、請求項27記載のセンサー。
【請求項30】
前記センサー電極は非反応材料から作られた表面を有する、請求項24記載のセンサー。
【請求項31】
前記非反応材料は銅である、請求項30記載のセンサー。
【請求項32】
前記非反応材料は金である、請求項30記載のセンサー。
【請求項33】
前記非反応材料は導電性弾性体である、請求項30記載のセンサー。
【請求項34】
前記非反応材料は導電性プラスチックである、請求項30記載のセンサー。
【請求項35】
前記第1の点及び前記第2の点の間の距離は約4インチである、請求項24記載のセンサー。
【請求項36】
前記第1の点及び前記第2の点の間の距離は8インチより小さい、請求項24記載のセンサー。
【請求項37】
前記電気的活動は前記ユーザーの脳組織内に存在する、請求項24記載のセンサー。
【請求項38】
前記電気的活動は前記ユーザーの心臓組織内に存在する、請求項24記載のセンサー。
【請求項39】
前記電気的活動は前記ユーザーの筋肉組織内に存在する、請求項24記載のセンサー。
【請求項40】
前記電源はチャージ・ポンプである、請求項24記載のセンサー。
【請求項41】
前記関心のある信号は約4乃至約12Hzである、請求項24記載のセンサー。
【請求項42】
前記関心のある信号はα及びθ帯の脳波と関連付けられ、前記フィルターは60Hz及び60Hzの高調波信号を減衰する、請求項24記載のセンサー。
【請求項43】
前記第1の点は前記ユーザーの前額部にあり、及び前記第2の点は前記ユーザーの右耳にある、請求項24記載のセンサー。
【請求項44】
前記センサー電極は前記ユーザーの耳により支持され鼻に架けられるフレームに取り付けられる、請求項24記載のセンサー。
【請求項45】
前記電子モジュールは前記フレームによっても支持される、請求項44記載のセンサー。
【請求項46】
前記センサー電極は弾性体帯を用い前記第1の点で前記ユーザーの皮膚に対し保持される、請求項24記載のセンサー。
【請求項47】
前記電子モジュールは前記弾性体帯により支持される、請求項46記載のセンサー。
【請求項48】
前記第1の点は前記ユーザーの前額部に延在し、前記センサー電極を前記ユーザーの前額部の皮膚に対し前記第1の点に保持する、請求項46記載のセンサー。
【請求項49】
前記弾性体帯は帽子の一部を形成する、請求項46記載のセンサー。
【請求項50】
前記センサー電極は、前記電極を皮膚に対し押す約1.5ozの力を提供する取り付け装置で前記第1の点で前記ユーザーの皮膚に対し保持される、請求項24記載のセンサー。
【請求項51】
前記センサー電極は、前記電極を皮膚に対し押す約1乃至約4ozの力を提供する取り付け装置で前記第1の点で前記ユーザーの皮膚に対し保持される、請求項24記載のセンサー。
【請求項52】
前記電子モジュールは、60Hzの信号及び60Hzの高調波信号を前記関心のある信号から除去する平均化回路を更に有する、請求項24記載のセンサー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−210476(P2012−210476A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−152836(P2012−152836)
【出願日】平成24年7月6日(2012.7.6)
【分割の表示】特願2008−529085(P2008−529085)の分割
【原出願日】平成18年8月8日(2006.8.8)
【出願人】(508059085)エムセンス コーポレイション (10)
【Fターム(参考)】