説明

組織治療のための移植片

軟骨欠陥を治療するためのデバイスであって、可撓性材料と、可撓性材料に実質的に垂直に取り付けられた複数の細長い要素とを備え、細長い要素が圧縮抵抗を提供するデバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、欠陥のある生体組織部分の修復又は取替え、特に、関節間軟骨及び関節の軟骨などの損傷された負荷を支える軟骨性組織の修復又は取替えのための移植片に関する。
【背景技術】
【0002】
関節の軟骨欠陥の治療のための現在人気のある処置は、高い脛骨切骨術(主に欧州で行われる)、並びに関節生体力学及び負荷を変更するための筋肉の解放、軟骨の骨増殖及び線維性れん縮を起こす領域を除去するための洗浄及び創面切除、並びに出血及び凝血形成を引き起こす軟骨下の骨の穿孔及び貫通を含む。しかしながら、これら技術のいずれも、関節の軟骨の構造、組成、機械特性、又は耐久性を複製する組織の成功する再生を導かないことが立証された。
【0003】
一般的な技術は、フィブリン凝血及び繊維質の組織の形成を結果として生じる軟骨下のドリル穿孔の技術である。患者の約75%が、結果に満足するが、手術の2年後に、患者の12%だけが症状が無いままである。このアプローチの制限は、臨床結果の品質及び持続期間を予測することの困難性であり、長期間にわたり、この処置は、しばしば患者をより悪い状態のままにする。他方、軟骨下のドリル穿孔及び創面切除は、一般に症状の軽減、及び1年〜3年の間にひざ全体を取り替える必要性を延期することに成功した。
【0004】
予測可能な痛みを軽減し、機能を復元し、良好な固定を達成でき、且つ少なくとも10年〜15年に継続することを可能にする持続期間を有する軟骨修復処置は、ほとんどの外科医による重要な目的と考えられる。
【0005】
多孔性の三次元骨格上に成長した軟骨細胞が、生体外で軟骨状の組織を形成できることが長年知られている。原理的に、この「新軟骨」は、そうでなければ治療できない全厚みの関節の軟骨欠陥の治療を促進するために、移植として外科的に移植され得る。関節を治療するためのこのアプローチは、組織工学として知られている。組織工学の骨格は、(i)多孔性(移植作成の間に細胞及び栄養素の侵入を可能にするために)、(ii)機械的頑強性(外科処理を可能にし、且つ移植が装填されるときの移植片と周囲の組織との間の係数不一致から生じるせん断を最小化する)、及び(iii)合致可能で(デバイスが、関節表面の輪郭に従うことを可能にする)なければならない。骨格は、また、生体適合性、好ましくは生体グレード可能でなければならない。当技術で知られている骨格の実施例は、特許文献1に記載される、織られていないポリグリコレートフェルトを含む。
【0006】
組織工学軟骨移植片を欠陥サイトに取り付けるために、移植片は、(i)軟骨外傷の全厚みに圧力ばめされる(欠陥サイトから残る軟骨を外科創面削除し、且つ下にある骨を晒すことによって作られる)、(ii)上記のように準備された全厚みの軟骨外傷内に接着され、又は(iii)残留する軟骨、軟骨下の骨プレート、及び下にあるトラベキュラ骨をドリル穿孔することによって形成された、深い円筒状「ポケット」内に配置されるかのいずれかであり得る。
【0007】
残念なことに、移植固定に対するこれらアプローチのいずれも、完全に満足できる結果を生じない。移植片が、通常の移行の間に装填されると、移植は、順次、(i)2つの関節表面が対向すると圧縮され、(ii)関節表面が互いを横切って転がるとせん断に晒され、且つ次に(iii)2つの関節表面が分離し、且つ関節空間内に部分真空を生成するとき、欠陥サイトから「吸い出される」(Triffit ICRS 2002)。これら力の組み合わされた結果は、欠陥サイト内の移植片の小さな繰り返される変位(移植片の周囲の軟骨又は下にある骨との一体化を妨げる)を作り出すか、又は完全に欠陥サイトから移植片を分離するか(それを関節空間内の自由体にして)のいずれかである。したがって、移植固定の問題を解消することは、関節治療を促進する組織工学軟骨を使用する全体の目標に向かう重要なステップである。
【0008】
(i)細胞接種、成長、及び基質堆積を可能にする必要な生体特性、及び(ii)取り付け、合致性、及び機械強度のための必要な物理特性を有する、組織工学軟骨骨格を作り出す様々な試みが行われた。これら早期のアプローチのいずれも、完全に成功はしなかった。
【0009】
組織工学軟骨デバイスの骨格構成要素は、移植形成に必要な生体プロセスを容易にしなければならない(例えば、均一な細胞接種、細胞成長及び基質堆積の間の栄養素及び酸素の十分な利用可能性、老廃物の排出)。移植固定の問題を検討することなくこれら生物学的問題を対処しようとする、骨格設計における多くの変更が提案された(例えば、メッシュ、フォーム、穿孔された材料)。骨格設計に対するこれらアプローチに基づく方法は、新軟骨を生成することに成功したが、結果としての移植片は、生体内試験の間にホスト組織との一体化に失敗した。
【0010】
最も簡単な骨格設計(例えば、特許文献1)は、軟骨欠陥、又は骨軟骨欠陥のいずれかに配置される、織られていない骨格を想定する。残念なことに、圧力ばめされた軟骨移植片は、すぐに分離し、したがって不適切である。
【0011】
深い骨軟骨ポケットにはめ込まれる移植片(例えば、特許文献2)は、より良好な移植固定を提供するが、軟骨下の骨プレート及び移植片下のトラベキュラ骨を破壊し、関節の機械的完全性を妨げる。組織工学軟骨移植片を取り付けるために必要な直径及び深さの円筒状の骨軟骨ポケットは、移植片直下の過剰な骨吸収、移植片下の骨嚢胞形成、及び関節周囲での骨への硬化変化に関連する。これらの退行性変化は、移植片を蝕む傾向があり、移植片を関節表面との位置合わせから沈下させ、それによって移植片を機能的に使用できなくする。過剰な骨吸収は、移植片の不適切な合致性及び/又は移植片の圧縮に起因する可能性がある。
【0012】
機械的取り付けを改善する試みにおいて、精巧なカッターが、移植片を受けるためのアンダーカットされた骨軟骨の「ポケット」を生成するように設計された(特許文献3)。これらのカッターは、円筒状のドリルによって生成されるものより良好な移植片への機械固定を与える「ポケット」を生成することができるが、そのようなカッターは、まだ、軟骨下の骨プレート及び移植片下の下にあるトラベキュラ骨を破壊し、したがって、骨嚢胞形成、関節周囲での骨への硬化変化、及び移植片直下の過剰な骨吸収を生じることによって故障を引き起こすことがある。
【0013】
組織工学軟骨移植は、それを所定の場所に縫合することによって、又は移植片及び欠陥サイトを覆って縫合された膜によりそれを所定の場所に保持することによって、軟骨欠陥の全厚みに保持され得ることが示唆された。しかしながら、軟骨内に縫合することは非常に困難であり且つ時間がかかり、結果としての結合は非常に弱い。さらに、周囲のホスト軟骨に形成された針穴は、治らず、したがって関節構造におけるさらなる欠陥を構成する。その結果、外科医は、軟骨に縫合しようとしない。それにも関わらず、軟骨移植片を固着し且つ操作するための縫合に基づくデバイスが、提案された(特許文献4〜6)。
【0014】
軟骨組織工学移植片の欠陥サイトへの取り付けを促進するために、接着剤、ゲル、酵素、又は活性外因要因を使用する様々な試みが行われた。実施例は、フィブリン接着剤(特許文献7)、トランスグルタミナーゼ(特許文献8)、生体ゲル(特許文献9)、アンギオテンシン(特許文献10)、生体内硬化可能なゲル(特許文献11)、プロテオグリカナーゼ(特許文献12)を含む。フィブリン接着剤は、単なる圧力ばめだけ(表1)で見られる取り付けより、軟骨欠陥への移植片の取り付けを改善するが、改善はわずかである結果であり、手動の検査は、結合強度は弱いことを示した。したがって、接着剤に基づくアプローチは、改善された骨格設計及び移植サイト準備技術とともに使用されたときだけ価値がある可能性がある。
【0015】
代わりに、再び、新軟骨移植片は、移植を通して下にある骨に貫通する固定具又はピンによって所定の場所に保持される。実施例は、特許文献13を含む。固定具の使用は、いくつかの望ましくない結果を有することが予想される。例えば、新軟骨移植に穴を作ること、固定具の周りで移植を裂く可能性、及び関節空間内に突出し且つ関節の対向する表面上の軟骨に刻み目を作る固定具のヘッドの危険性である。
【0016】
わずかな数のグループが、軟骨下の骨への損傷を最小化しながら、移植固定を改善する必要性を特に対処する軟骨組織工学のために骨格を生成しようとした。これらのデバイスは、「画鋲」(別名、ドローイングピン)に類似し、それらデバイスは、取り付けを提供するために軟骨下の骨に貫通する中央軸を、関節の軟骨で前に満たされていた空間を占める平坦な構造に結合する。実施例は、特許文献14〜16を含む。画鋲に基づくアプローチは、いくつかの共通の欠点を共有する。第1に、「画鋲」の全体形状を有する任意のデバイスは、「頂部」が、せん断力、及び関節内に生じる周期的な軸を外れた圧縮/引張負荷に晒されたときに、「軸」と「頂部」との間の接合部でたわむ傾向がある。軸と頂部との間の接合部の周期的なたわみは、疲労破壊、及びデバイスの結果としての故障につながる可能性がある。軸と頂部との間の接合部での応力集中は、またピーク負荷下(例えば、走りながらの跳躍又はねじり)の破滅的な故障につながる可能性もある。結果として、画鋲状デバイスの中心軸は、より太い必要があり(2.5mm超の直径、本質的に中実)、したがって、本デバイスで想定される薄く且つ多孔性の周辺の外皮壁(0.5mm圧み、90%超の多孔性)より、骨質内に伸びること及び骨治療に対するより大きなバリアを作る。
【0017】
第2に、欠陥サイトからの移植片の分離の1つの原因は、(i)移植片の中心での圧縮及びせん断と、(ii)移植片の後縁での「吸引力」(2つの対向する関節表面が、移行の間に分離する)との組合せであることが今や理解される(Triffit 2002)。この「吸引力」は、移植片の後縁を欠陥サイトから外に持ち上げ、全てのバリアを側方変位へ取り除き且つ移植片の分離を可能にする。デバイスの周囲での「吸引力」は、特許文献14〜16などに記載される、「画鋲状」デバイスの中心取り付けによって耐えられないが、本提案に記載される骨格の周囲取り付けによって耐えられる。さらに、移植片サイトから移植を分離するために必要な力が、移植と周囲の組織との間の接触表面の面積に比例するので(摩擦が、2つの表面間の接触面積に比例するので)、以降に記載されるように、同等にサイズ決定された「画鋲」形状デバイスより、本発明のデバイスを引き出すために2.4倍より大きな力を必要とすることが、示され得る。
【0018】
第3に、より早期の特許で想定された骨格設計に対する「画鋲」アプローチは、欠陥サイトを横切るモザイクを形成するために、複数の本質的に頑強な移植片の使用を想定する。これは、デバイスの頂部が、頑強であり且つ中心軸へ垂直であるなら、特に正しい。それらが、健康な関節に軟骨の三次元湾曲された輪郭を再生成するように、そのような複数の移植片を配置し且つ位置合わせすることは、外科的に困難であることが知られている。
【0019】
いくつかの知られている骨格設計は、密に詰められ且つ/又は側方で結合された細胞の特徴付けられたハニカムを有する。これらの設計の問題は、それらが、個別の患者の関節欠陥の輪郭に容易に合致することができない頑強な平坦構造であることにある。したがって、これらのデバイスは、個別の患者のためのただ1人だけに基づいて生成されなければならない。これは、それらの臨床及び市販の許容可能性に関する非常に悪い結果を有する。深い骨軟骨ポケットタイプの移植片を有すると、これら密に詰められた頑強な構造は、軟骨下の骨プレート及び移植片下のトラベキュラ骨の破壊を生じる問題も被り、関節の機械的完全性を壊す。さらに、それらが、湾曲した合致で製造されるなら、それらは、細胞を均一に接種し、且つ移植前の培養で維持することが困難であり得る。
【特許文献1】米国特許第5041138号明細書
【特許文献2】米国特許第5875452号明細書
【特許文献3】米国特許第5817095号明細書
【特許文献4】米国特許第4741330号明細書
【特許文献5】米国特許第5713374号明細書
【特許文献6】米国特許第5842477号明細書
【特許文献7】米国特許第6569172号明細書
【特許文献8】米国特許第6190896号明細書
【特許文献9】米国特許第6183737号明細書
【特許文献10】米国特許第6258778号明細書
【特許文献11】米国特許第5795353号明細書
【特許文献12】米国特許第5916557号明細書
【特許文献13】米国特許第5662683号明細書
【特許文献14】米国特許第6468314号明細書
【特許文献15】米国特許第6371958号明細書
【特許文献16】米国特許第5769899号明細書
【非特許文献1】A.G.A.Coombes及びM.C.Meikle、「Resorbable Synthetic Polymers as Replacements for Bone Graft」、Clinical Materials 17、(1994年)、35〜67頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の主要な目的は、前述の問題を対処する、細胞組織、特に軟骨組織の成長及び固着を受け且つ支持するように構成された、組織治療のための移植片を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の第1の態様によれば、軟骨欠陥を治療するためのデバイスが提示され、デバイスは、可撓性材料と、可撓性材料に実質的に垂直に取り付けられた複数の細長い要素とを備え、細長い要素は、圧縮抵抗を提供する。
【0022】
可撓性材料は、均一又は平坦ではないことができるので、細長い要素は、可撓性材料に厳密に垂直ではないことができ、実際に垂直である必要はない。
【0023】
好ましくは、可撓性材料及び細長い要素は、生体適合性であり且つ人体内への移植に適切である。適切な軟骨欠陥は、組織の部分的な取替え、組織の全体的な取替え、又は組織の強化を含む。
【0024】
湾曲表面、例えば関節軟骨へ現場で移植されるとき、可撓性材料は、細長い要素が、それらの長手方向に強度を与えながら、湾曲表面の形状に合致する関節を形成する。
【0025】
本発明は、細長い要素を囲む外皮壁を有することができる。本発明の他の実施形態は、この外皮壁を有さないことができる。
【0026】
好ましくは、本発明のデバイスは、これが、組織内へのデバイスの改善された固定を提供するとき、外皮壁を有する。この外皮壁は、連続的であることを必ずしも必要としない。それは、例えば少なくとも1つのスロット、スリット、又は開口を備える。本発明の特定の実施形態における外皮壁は、組織、例えば軟骨下の骨プレート及び下にあるトラベキュラ骨に対する最小の破壊で、欠陥サイトにデバイスを固着するように作用することが想定される。典型的に、細長い要素は、外皮壁より短い。
【0027】
設計は、すぐに外れる圧力ばめされた全厚み又は部分厚みの軟骨移植片より良好な取り付けを提供する。外科的に困難でありはめ込みが複雑であり、且つまた外れる、縫合され又はフィブリン接着され圧力ばめされた全厚み又は部分厚みの軟骨移植片より良好な取り付けを提供する。採取するために外傷的であり、外科的に困難であり、はめ込むのに時間がかかり、且つしばしば早く外れる、骨膜弁より良好な取り付けを提供する。それは、骨軟骨移植片より良好であり、骨軟骨移植片は、所定の場所で留まるが、外科医が、下にある軟骨下の骨プレートを破り且つその下のトラベキュラ骨を取り除くことを必要とし、それによって、それを退行性にする欠陥を囲む軟骨上、及び関節/移植片を故障させる欠陥から離れて硬化し移植片下で過剰に吸収させる骨上に異常な負荷を与える。
【0028】
さらに、外皮壁は、以前の「画鋲」設計より理論的な機械的予想からの固定に対する良好なアプローチであり、なぜなら(a)それは、単一の点に(すなわち、「軸」と「頂部」との間の接合部)応力を集中しないからであり、且つ(b)等しい質量の中央スパイクに比べて、移植片と薄い周囲壁によって提供されるホスト組織との間のより大きな接触面積は、より大きな摩擦、したがって2.4倍〜9.7倍より大きい「引き出し力」を生じるからである。
【0029】
外皮壁及び可撓性材料は、強化され織られていない織物の単一のディスクから生成されることができ、それによって、デバイスの頂部が下にある支持体をせん断する可能性を最小化する。
【0030】
内側の細長い要素は、圧縮に耐える。デバイスが移植されたとき、可撓性材料によって形成される「アーキトレーブ」表面下の円筒として構成されるとき、細長い要素は、高い程度の圧縮抵抗(ほぼ、通常の軟骨の圧縮抵抗の0.1倍〜0.8倍)を提供し、一方、組織工学移植形成の生体外段階の間に、細胞接種及び栄養素アクセスを容易にするために非常に高いパーセンテージの空隙空間を残す。圧縮係数は、典型的に0.1MPa〜2MPaの間であり、好ましくはほぼ1MPaである。細長い要素は、開放端部の円筒であり、又は好ましくは反転されたカップ、すなわち一端部で閉鎖された円筒であり得る。一端部で閉鎖された円筒を使用する利点は、(a)それらが、より強く、且つ(b)それらが、強化された織物のディスクから組み立てられることができ、次に所望の曲率半径を与えるために必要な間隔で、可撓性材料の下側に接着されることである。
【0031】
細長い要素が均一な直径又は間隔を有する必要はない。これらの変数は、デバイスがその表面にわたって異なる特性を有するように、修正され得る。
【0032】
デバイスは、複数の細長い要素を有する。これは、少なくとも2つの細長い要素として規定されるが、実際の数は、治療されるべき欠陥のサイズと、細長い要素自体の寸法とに応じて変わる。細長い要素は、典型的に1mm〜5mmの間の長さ、好ましくはほぼ2mmの長さである。さらにそれらは、典型的に0.1mm〜1mmの間の厚み、好ましくはほぼ0.5mmの厚みである。
【0033】
細長い要素間の間隔は、デバイスが、欠陥サイトの輪郭に以降の移植で合致しないが、生体外で平坦な構造として処理されることを可能にする。骨格の以前の設計(例えば、密に詰められた側方で結合される細胞又は「スポーク付きホイール」骨格を有するハニカム)は、高い強度及び高い多孔性を有するデバイスを生じるが、それらは、外科移植の間に個別の患者の関節表面の特定の輪郭に合致することができない剛直な平坦構造である。合致可能なこれら構造を作るただ1つの方法は、それらが変形できるようにそれらをより弱く作ることであるが、これは、それが圧縮抵抗を低減するので、輪郭を生じる。代わりに、これらのデバイスは、個別の患者に関して1人ずつに基づいて作られることができるが、これは、高価で不都合に、正確な寸法及び欠陥サイトの曲率に対する非常に正確なデータを必要とし、欠陥サイトの非常に正確な準備を必要とする。
【0034】
反対に、細長い要素間の間隔は、デバイスの可撓性材料をたわませることを可能に、それによって、それが関節表面の曲率に従うことを可能にする。このたわみ性は、細長い要素自体を弱めることを全く必要とせず、実際に、それは、軟骨下の骨プレートに垂直にそれらを維持し、それらの強度を最適化する。
【0035】
本発明の細長い要素は、軟骨などの接続性組織に見出されるコラーゲン束の全体の向きを模擬することができる。この特性は、デバイスが、障害の低減された発生率を結果として生じる天然の組織に類似する方法で、引張、圧縮、及びねじれに応答することを可能にする。本発明のデバイスの下の軟骨及び骨組織が、以前の移植より天然材料組織に類似する方法で引張、圧縮、及びねじれを受けるので、本発明のデバイス下の組織の腐食し又は自然に吸収する可能性が低減する。
【0036】
「生体適合性」である任意の材料への本明細書の参照は、患者に移植されたとき、材料が、本質的に急性の反応を生じないことを意味する。
【0037】
「支持構造」への以下の参照は、デバイスが移植され得る、損傷され又は健康な接続性組織を意味する。
【0038】
本発明によるデバイスに用いられる可撓性材料は、織られた、織られていない(繊維状材料)、編まれた、組まれた又はクローシュ編みされた材料、フォーム、スポンジ、木樹状材料、ポリマーフィルム又は膜、あるいはこれら材料の2つ以上の組合せを含むことができる。本発明によるデバイスに用いられる可撓性材料は、多孔性又は非多孔性構造を含むことができる。好ましくは、それは、少なくとも部分的な多孔性構造を含むことができる。これは、構造を強化し且つ機械的故障を避けることを助長する組織が内に伸びることを可能にする利点を有する。可撓性材料が多孔性構造を含む場合には、テープの開放容積のパーセンテージは、30%〜99%の範囲であり得る。最適値は、適用に応じ、組織の迅速で効果的な貫通のための高い開放容積を達成することと、引張又は圧縮係数などの良好な初期機械特性との間の妥協であり得る。典型的に、開放容積のパーセンテージは、65%〜90%の範囲である。好ましい実施形態において、開放容積は70%である。
【0039】
本発明による細長い要素は、可撓性材料と一体に形成されることができ、又は可撓性材料の表面にある方法で取り付けられることができ、例えば、それらは接着され得る。
【0040】
有利には、各細長い要素は、デバイスの全体の可撓性を助長するために、他の細長い1つ又は複数の要素からの離間を維持される。しかしながら、デバイスの十分な可撓性が維持されるなら、いくつかの細長い要素が、離間されないことができる。
【0041】
細長い要素は、全体的に円筒状であり得るが、必ずしも円形断面である必要はないが、断面は、本質的に円形であることができるが、矩形、三角形、六角形、八角形であることもでき、又は不規則な形状を有することもでき、又は細長い要素の長さに沿って変わることができる。細長い要素は、形状において均一である必要はなく、したがって、細長い要素の1つ以上の形状が、1つの移植片で使用され得る。実際に、細長い要素の断面は、円形又は正方形などの閉じた形状である必要はないが、その形状が、折り畳み又はしわなどの閉じられた形状ではなくても、任意の形状であり得る。好ましくは、細長い要素の断面形状は、それらの長手方向表面上での細胞成長を容易にするだけでなく、波形形状材料など、例えば交互の隆起及び溝を有して長手方向頑強性を与える形状である。細長い要素又は同様に実際に可撓性材料は、織られた、織られていない(繊維材料)、編まれた、組まれた又はクローシュ編みされた材料、フォーム、スポンジ、木樹状材料、ポリマーフィルム又は膜、あるいはこれら材料の2つ以上の組合せを含むことができる。デバイスの一部又は全ては、多孔性又は非多孔性構造を含むことができる。好ましくは、これは、構造を強化し且つ機械的故障を避けることを助長する構造内へ組織が成長することを許容するので、少なくとも部分的な多孔性構造を含む。細長い要素が円筒状であるとき、それらは、典型的に、2mm〜5mmの間の直径を有するが、好ましくは、直径は、ほぼ3mmである。細長い要素が中空であるとき、それらは、典型的に、0.25mm〜1mmの間の壁厚みを有するが、好ましくは、ほぼ0.5mmの壁厚みを有する。
【0042】
関節の機械的環境に合う機械的に頑強なデバイスを形成するために、結合され織られていない織物を使用する。結合され織られていない織物の使用(例えば、PCI再強化されたPET又は5050DLA再強化されたPGA)は、1MPaまでの圧縮係数を有する強いが高い多孔性材料(80%超)を与える。周囲の軟骨よりわずかに低いだけの頑強性を有するデバイスを生成する目的は、2つの隣接する異なる頑強性の材料が、治療組織を「応力遮蔽」することなく圧縮されるとき、それが、界面で生じるせん断を最小化することである。治療組織と欠陥の縁部での軟骨との間の接合部でのより少ないせん断は、デバイスと周囲のホスト組織との間の側方の一体化の機会を最大にすべきである。(これは、小さな固有の強度を有する従来の強化されておらず、織られていない骨格に対する改善である。)
【0043】
本発明によるデバイスは、生体吸収性又は非生体吸収性材料、あるいはこれら2つの混合物を含むことができる。
【0044】
本明細書における生体吸収性の材料への参照は、それが、人体の化学的/生体的作用によって時間の経過とともに分解することを意味し、用語「吸収」及び「吸収する」は、応じて解釈されるべきである。好ましくは、完全な吸収は、移植の約5年以内に生じ、より好ましくは約3年以内である。生体吸収性材料を使用する利点は、さらにある。生体吸収性材料は、吸収されて人体に戻るので、それらを取り除く手術が不要である。
【0045】
異なる生体内吸収時間を有する広範な生体吸収性材料が、知られている。吸収時間が、材料に従って変化するだけでなく、単一の材料の吸収時間自体が、分子量とともに著しく変化することもできる。最終的に、異なる生体吸収性材料を混合し且つ/又は共重合することによって、及び/又は組成の分子量を修正することによって、差し迫った要件に生体吸収性材料の吸収時間を正確に合わせることが可能であることは、容易に理解され得る。
【0046】
上記を考えに入れて、デバイスは、以下のモノマー、すなわち、ヒドロキシ酸、特に乳酸、グリコール酸、カプロラクトン、ハイドロキシブチレート、ジオキサノン、オルソエステル、オルソカーボネート、アミノカーボネートを含む生体吸収性ポリマー又はコポリマー、あるいはそれによって形成されるポリマー及び/又はコポリマーの混合物を含むことができる。
【0047】
デバイスは、コラーゲン、セルロース、フィブリン、ヒアルロン酸、フィブロネクチン、チトサン、又はこれら材料の2つ以上の混合物などの天然材料も含むことができる。生体吸収性材料は、失活された異種移植片及び/又は失活された同種移植片も含むことができる。
【0048】
好ましい生体吸収性材料は、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリジオキサノン、ポリカプロラクトン、ポリハイドロキシブチレート、及びポリ(トリメチレンカーボネート)、又はその混合物を含む。
【0049】
デバイスが、ポリ(乳酸)を含むことが特に好ましい。この材料は、それが、良好な機械強度を有するが、あまり早くは吸収せず、したがってその機械特性が、治療組織が負荷支持機能を引き継ぐことができる点で生じる、組織治療のための十分な時間にわたって保持されることを可能にする利点を有する。非特許文献1を参照されたい。
【0050】
適切な非生体吸収性材料は、ポリエステル、特に、ポリアルキレンテレフタレート、同様にポリエチレンテレフタレート、及びポリブチレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン及びポリプロピレンなどのポリアルカン、ポリ(フッ化ビニル)、ポリテトラフルオロエチレン、カーボン繊維、シルク(天然又は合成)、カーボン繊維、ガラス、及びこれら材料の混合物を含む。非生体吸収性材料の利点は、それらが、本質的にそれらの初期機械特性、すなわち、強度が時間経過で低減しないなどの特性を保持することである。
【0051】
本発明によるデバイスの全ての構成要素は、同一の材料を含むことができる。代わりに、いくつかの構成要素は、異なる材料を含むことができ、又はデバイスの各構成要素は、他の構成要素とは異なる材料を含むことができる。デバイスが、経糸、緯糸、及び細長い要素を含む場合は、これら3つの各構成要素は、異なる材料を含むことができる。代わりに、それぞれは、同一の材料、例えばポリ(乳酸)を含むことができる。
【0052】
デバイスは、生体適合性繊維とは異なる材料である結合剤で架橋された生体適合性繊維を含むことができる。適切な生体適合性繊維は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリハイドロキシブチレート(PHB)、ポリ(乳酸グリコール)酸(PLGA)、ポリエステル、及びポリアミドを含む。適切な結合剤は、ポリカプロラクトン(PCL)、PLA、PLGA、ポリエステル、及びポリアミドを含む。
【0053】
本発明のさらなる形態において、デバイスは、細胞で充填され得る。細胞の組み込みは、移植の前又は移植の後のいずれかで実行され得るが、好ましくは、移植の前に実行される。細胞は、可撓性材料内、外皮壁内、細長い要素内、空隙空間内、又は上記1つ以上の組合せ内に組み込まれることができる。
【0054】
細胞は、一般に搬送媒体によって組み込まれる。搬送媒体は、デバイスによって保持される媒体であることができ、例えば、ハイドロゲルなどのゲル、又は接種の後でそれが実質的にもはやその内に存在しないように、デバイスを実質的に通過するもの、デバイス内の残る細胞であることができる。このタイプの搬送媒体の実施例は、DMEM(Dulbeco’s Modified Eagle’s Medium)などの細胞培養媒体である。
【0055】
搬送媒体が、ハイドロゲルなどのゲルなら、それは、デバイス内及び/又はデバイス上及び/又はデバイスの周囲に組み込まれることができる。1つの好ましい形態において、搬送媒体は、移植可能な材料内に組み込まれる。なぜなら、これは、細胞の成長のための利用可能な開放容積を効率的に利用するからである。より好ましくは、搬送媒体は、デバイスの開放容積全体を占める。代わりに、搬送ゲルが、デバイス上に融合性/副融合性の細胞層を重ねることによって組み込まれることができる。
【0056】
本発明により搬送媒体として使用され得るハイドロゲルは、飽和した又は不飽和であり得る、正に帯電した、負に帯電した、又は中性のハイドロゲルを含む。本発明により使用され得るハイドロゲルの実施例は、コラーゲン(特に、タイプI)、フィブリン、TETRONICS(商標)、及びPOLOXAMINES(商標)であり、それらは、エチレンジアミン、ポリサッカライド、チトサン、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(ビニルピリジン)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリエチレンイミン、ポリ−L−リシン、生長因子結合又は細胞付着分子結合誘導体、上述の誘導されたバーション、例えば、ポリアニオン、ポリカチオン、ペプチド、ポリサッカライド、脂質、核酸又は混合物、ブロックコポリマー、又は上記又は対応するモノマーのコポリマーの組合せ、アガロース、メチルセルロース、ハイドロキシプロイルメチルセルロース、キシログルカン、アセタン、カラジーナン、キサンガム/ローカストビーンガム、ゼラチン、コラーゲン(特に、タイプI)、PLURONICS(商標)、及びPOLOXAMINES(商標)、POLY(N−イソプロピルアクリルミド)、及びN−イソプロピルアクリルミドコポリマーのポリ(オキシエチレン)ポリ(オキシプロピレン)ブロックコポリマーである。
【0057】
デバイスは、末端で区別され、又は表現型変化を受けることができる、例えば、幹細胞、分化可能な細胞、及び他の前駆体細胞などである細胞で接種され得る。適切な細胞は、幹細胞、軟骨前駆体細胞、軟骨形成細胞、軟骨細胞、軟骨形成細胞と区別することができる細胞、又は軟骨形成細胞又はその混合物と区別するために他の細胞を生じることができる細胞を含む。好ましくは、本発明により使用される細胞は、異種個体細胞が、使用されることもできるが、自家移植又は同種である。細胞は、有利には、幹細胞、軟骨前駆体細胞、軟骨形成細胞、軟骨細胞、軟骨形成細胞と区別することができる細胞、又は軟骨形成細胞又はその混合物と区別するために他の細胞を生じることができる細胞からなる列挙から選択される。
【0058】
細胞装填されたデバイスは、当業者に知られている標準の細胞培養技術の下でインキュベートされ得る。さらに、デバイスは、その全内容が、参照によって本明細書に組み込まれるものとする国際特許出願第PCT/GB94/01455明細書に開示されるように、機械的緊張下でインキュベートされ得る。
【0059】
通常、より早期の組織工学骨格で生じる均一な塊としてよりむしろ、生来成長した軟骨で生じるように、細胞及び/又は活性が、層状構造を形成するためにデバイスに接種される。以前の組織工学軟骨デバイスは、軟骨組織の均一な片の製造の目的で、混合された軟骨組織の均一な分布で接種される傾向を有する。しかしながら、軟骨は、軟骨原種細胞の個別の表面ゾーン、軟骨細胞の中間ゾーン、及び下にある無機物化された軟骨、軟骨下の骨プレート、及びトラベキュラ骨を有する層状構造である。本発明のデバイスの設計は、この層状構造を再生成する移植片の製造を容易にする。可撓性材料、外皮壁、及び細長い要素は、1つのタイプの細胞、例えば軟骨原種細胞で接種され得るが、一方、可撓性材料、外皮壁、及び細長い要素間の空隙空間は、第2のタイプの細胞、例えば成熟軟骨細胞で接種され得る。アセンブリ全体は、骨を含む一体化を促進する活性剤(例えば、BMP及びビスフォスフォネート)を含む、「グラウト」で軟骨下の骨プレート上に埋め込まれることができる。
【0060】
デバイスは、既に事前装填された細胞とともに販売されることができ、又は部品のキットとして販売され得る。
【0061】
従来技術とは対照的に、本発明のデバイスは、欠陥の輪郭に合致する。式Gap=((2πrφ/360)−(2π(r−H)φ/360)−Dは、特定の曲率半径を有する表面に合致するデバイスを形成するために必要な細長い要素間の理論距離を予測する(図5及び図6を参照)。したがって、デバイスは、それが、「平均」欠陥(例えば、中間大腿部顆上)に合致するが、個別の患者の関節欠陥の特定の曲率に合致するために可撓性を維持するように、分散された細長い要素で大量生産され得る。好ましい実施形態において、細長い要素間の間隔は、0.5mm〜6mmの間である。他の実施形態において、細長い要素間の間隔は、ほぼ2.5mmである。
【0062】
式Gap=((2πrφ/360)−(2π(r−H)φ/360)−Dは、理論間隔を予測するが、現実には、実際に必要な間隔が理論数値の70%〜90%であるように、細長い要素は、わずかにたわむ。正確な数は、骨格を形成するために使用される材料に応じ、実験的に決定され得る。
【0063】
それは、(i)より早期の軟骨移植片と比較して改善された固定(表1参照)、(ii)より早期の骨軟骨欠陥と比較して軟骨下の骨プレート及び下にある骨に対する最小の損傷(表1参照)、(iii)より早期の織られていない骨格に対する改善された機械特性(一方、骨格構造における90%超の多孔性を保持する)、及び(iv)この設計を、より早期の組織工学軟骨骨格設計に対する改善として示す個別の関節欠陥の輪郭への平坦な合致から変化する能力のこの組合せである。
【0064】
本発明のデバイスは、軟骨及び/又は哺乳類の器官における骨などの接続性組織の部分的又は全体的な取替えに使用され得る。
【0065】
本発明の第2の態様によれば、前述されたようなデバイスを移植するステップを含む、哺乳類患者における接続性組織の部分的又は全体的な取替え方法が提供される。
【0066】
本発明の態様によれば、(i)軟骨下の骨まで損傷された関節表面を創面切除し、(ii)軟骨下の骨内に欠陥の周囲の周りにほぼ1mm幅で5mmの深さの周囲溝を切り込み、(iii)外皮壁が前記周囲溝に入り、且つ可撓性材料が湾曲した関節表面に合致するように、本発明によるデバイスを移植することによる軟骨病変を治療する方法が提供される。
【0067】
本発明の態様によれば、軟骨欠陥を治療する方法が提供され、方法は、損傷された軟骨を、軟骨下の骨内ではなく背後に創面切除するステップと、軟骨下の骨内に周囲溝を切り込むステップと、外皮壁が周囲溝に入るように、且つ細長い要素が、軟骨下の骨上に当接し、可撓性材料が軟骨表面と実質的に同一面に配置されるように、デバイスを挿入するステップとを含む。
【0068】
以下の図面及び実施例を例示として参照する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0069】
図1において、可撓性材料100は、円形構成にある。外皮壁120は、可撓性材料100と一体に形成され、且つ可撓性材料100の周囲の周りに、且つ可撓性材料100から長手方向に離れて連続して延在する。複数の細長い要素110は、可撓性材料100に結合される。細長い要素は、一方端部で開放される中空の円形円筒である。
【0070】
図2は、図1の横断面である。外皮壁220及び細長い要素210は、可撓性材料200に対して実質的に垂直に取り付けられる。外皮壁220は、細長い要素210より長い。中空の細長い要素内の空隙空間230、及び細長い要素間並びに外皮壁内に空隙空間240が存在する。
【0071】
図3は、従来のデバイスと本発明によるデバイスとの比較を示す。この概略図において、軟骨層300及び骨層310が存在する。
【0072】
従来技術のデバイス320は、骨軟骨界面上に位置する。従来技術のデバイス330は、接着剤によって骨軟骨界面に留められる。従来技術のデバイス340は、軟骨下の骨内に切り込まれた深いソケット内に挿入される骨軟骨デバイスの実施例である。対照的に、デバイス350において、細長い要素は、骨軟骨界面上に載る。外皮壁は、骨310内を貫通し、欠陥サイト内へ移植片を固着する。
【0073】
図4は、軟骨欠陥への移植後のデバイスの概略図である。デバイスは、実質的に軟骨表面と同一面である可撓性材料430を用いて軟骨400内に固着される。細長い要素440は、骨軟骨界面領域410上に載る。外皮壁450は、所定の場所にデバイスを固着するために骨420内を貫通する。
【0074】
図5は、どのように、デバイスが、湾曲した関節表面に整列するために湾曲するかの概略図である。骨軟骨界面領域530は、湾曲した表面を有する。細長い要素510は、この領域に実質的に垂直に当接し、且つ可撓性材料500に実質的に垂直に取り付けられる。この幾何形状は、可撓性材料を関節の輪郭に従って湾曲する結果を生じ、細長い要素は、互いに対して角度550で角度付けられる。可撓性材料が湾曲するので、細長い要素540間の間隔は、可撓性材料から遠位の点で狭くなる。可撓性材料に近位の間隔は、一定のままである。外皮壁520は、移植片を軟骨下の骨に固着する。
【0075】
図6は、隣接する細長い要素間の最適距離Sを計算するための間隔式で使用されるパラメータの定義を示す。Dは、円筒状の細長い要素の直径であり、Hは、円筒状の細長い要素の長さであり、φは、骨軟骨界面上に載るとき2つの細長い要素間の角度であり、rは、欠陥サイトでの関節表面の曲率半径である。
【0076】
図7は、準備された軟骨欠陥サイト及び部分的な所定の場所のデバイスの実施例を示す。パネルAは、デバイス移植のために準備された軟骨欠陥サイトを示す。軟骨700は、軟骨下の骨720まで創面切除された。周囲溝710は、軟骨下の骨内に切り込まれた。パネルBは、準備された欠陥サイト内に部分的に挿入されたデバイス750を示す。完全に挿入されると、デバイスは、軟骨表面740と実質的に同一面である。
【0077】
図8は、生体内デバイス内に形成された軟骨組織の実施例を示す。移植前に、軟骨原種細胞は、可撓性材料810内に接種され、成熟軟骨細胞集合体は、デバイスの空隙空間内に接種された。生体内移植に続いて、軟骨原種細胞は、可撓性材料の表面上の層800を形成し、通常に成長する軟骨に見られる原種細胞の表面層を再生成する。成熟軟骨細胞は、細胞外基質を分泌し、集合体を連続軟骨組織820内に溶着する。
【0078】
(実施例)
(実施例1)
軟骨治療骨格の製造
軟骨治療骨格は、PCL再強化されたPET織物から準備される。粉末状のPCL(CAPA686、Solway)が、6%w/v溶液を形成するためにクロロホルム(GPCグレード)に溶解される。PETフェルトのストリップ(0.5mm厚み、100mg/cc、2.5dTexフィラメント)が、PCL溶液内にそれらを浸漬し、且つリリースペーパ上でそれらを平らに乾燥することによって結合された。被覆重量は、0.88gPCL/gPET〜0.93gPCL/gPETの範囲であった。再強化されたPETフェルトは、次にダイカッターを有するダイスに切断された。骨格を形成するために、PCL再強化されたPETフェルトダイスは、リリースペーパ被覆されたホットプレート(〜110℃)で加熱され、金属フォーマ上で形状にプレスされた。サンプルは、正しい形状及び見える欠陥の存在しないことを検査された。不正確な形状付けられたサンプルは、再加工(最大2回)されるか又は廃棄された。最終検査で、バッチにおける全ての骨格は、正しく形成され且つ見える欠陥が無いことが評価された。
【0079】
(実施例2)
骨格固定の機械試験
羊の後ひざ関節の中間及び側方大腿部顆が、(a)8mmの全厚みの軟骨欠陥内に圧力ばめされた0.5mm×8mm直径のPETの織られていないディスク、「移植片A」、(b)フィブリン接着剤で8mmの全厚みの軟骨欠陥内に接着された0.5mm×8mm直径のPETの織られていないディスク、「移植片B」、(c)ガイドワイヤ及び平坦な底部のドリルで作られた8mm直径×5mm深さの骨軟骨欠陥内に圧力ばめされ、織られていないPET織物(5mm×8mm直径)に結合された、PET三次元の編まれた織物からなる円筒状骨軟骨移植片、「移植片C」、又は(d)Acufexパワードトレフィンを使用する下の骨に切り込まれた5mm深さ×0.5mm幅の周辺溝で、8mmの全厚みの軟骨欠陥内に圧力ばめされたPCL再強化されたPET(5mm深さの外皮壁×8mm直径)から形成された本開示に記載されたタイプの移植片、「移植片D」のいずれかで移植された。
【0080】
移植片を有する羊の後ひざ関節は、試験リグに取り付けられ、全部で84000サイクルに関して0.5Hzでシミュレートされた歩行動作で周期的に負荷が加えられた(46.7時間)。試験片は、5時間(9000サイクル)、16時間(30000サイクル)、24時間(45000サイクル)、及び実験の完了の順次負荷期間の後で検査された。移植片は、(1)所定の場所で無傷に、(2)所定の場所であるが損傷され、又は(3)分離されるのいずれかで記録された。
【0081】
結果は、表1に記録された。軟骨欠陥に圧力ばめされた生体材料ディスク(移植片A)が、欠陥サイトに不十分に固定されたことを結果が示した。全ての移植片は、5時間以内に分離された。この結論は、本明細書で試験されたサンプルに類似する寸法を有し、且つ移植後に短時間で分離する強い傾向も示す、早期の細胞接種された組織工学軟骨デバイスでの以前の経験による。グループBからの移植片(フィブリン接着剤で所定の場所に接着された生体材料ディスク)は、同様に欠陥サイトに不十分に固定されることが示された。全ての移植片は、周期的な負荷の第1の24時間の間に分離された。再びこの結果は、フィブリン接着剤は、負荷が加えられていない軟骨欠陥サイト内の所定の位置に移植片を保持するために使用され得るが、移行の間に関節に印加される力に耐えるには十分に強くないことが示唆される以前の結論によるものであった。この結論は、機械的な固定方法が、欠陥サイトに移植片を確保するための必要であることを示唆する。移植片グループCからの結果(軟骨下の骨に切り込まれた深いソケットに圧力ばめされた円筒状デバイス)は、このタイプの移植片が、欠陥サイトに十分に固定されることを示した。全てのサンプルが、実験の期間の間に所定の場所に留まった。このタイプの生体移植片が、深い骨軟骨ソケット内にそれらを配置することによって、所定の場所に確実に固定され得ることが示される、以前の生体内結果によるものである。残念ながら、以前の結果は、固定のこの方法は、生理学的に関節の厳しい破壊を導き、それは、骨嚢胞形成、関節内の広がった骨硬化変化、及び移植片の以降の崩壊に関連することも示した。これら結果全体は、固定方法が、下にある骨に対する不必要な損傷を生じることなく、グループCに関連する機械的抵抗を与えることを必要とすることを示唆する。グループDからの結果(本特許で開示されるタイプの移植片)は、無傷のままであり、且つ実験の期間の間所定の場所のままであり、それらが移植片サイトに十分に取り付けられたことを示唆する。さらに、移植片固定方法は、移植片下の軟骨下の骨に主な損傷を必要とせず、このタイプのデバイスは、骨嚢胞形成又は関節内の硬化変化を開始してはならない。したがって、それは、改善された骨格設計を構成する。
【0082】
【表1】

【0083】
(実施例3)
細胞接種されたPET/PCL骨格内の軟骨組織形成
軟骨原種細胞(表面領域軟骨原種細胞、又は骨髄誘導間充織幹細胞)及び/又は成熟軟骨細胞の組合せは、PET/PCL骨格内に接種され、このタイプの骨格内の連続する軟骨の顕微鏡片を形成する細胞の能力を研究するために、ヌードマウス内に皮下移植された。
【0084】
(i)表面領域軟骨原種細胞の分離
24個のウエルプレートのウエルは、牛原形質フィブロネクチン(pFN、1mMのMgCl及び1mMのCaClを有するDulbeccoのPBS内に10μgml−1、Sigma、16時間で4℃)で被覆され、上澄みは廃棄され、プレートは、1%のBSAでブロックされた。
【0085】
表面領域軟骨は、精密な切開によって2〜3週間古い牛の中足指骨関節から分離された。軟骨は、0.1%のプロナーゼで消化された(Merck、DMEM/5%FCS内で4×10単位/g、3時間の間37℃)、PBSでリンスされ、細胞が、0.04%のコラゲナーゼ内でのインキュベーションによって放出された(Worthington、237U/mg、DMEM/5%FCS内、穏やかな振動とともに37℃で16時間)。組織消化が、フィルタリングされ(70μm、Falcon)、遠心分離され(1000rpm、5分間)、漿液の無いDMEM(10ml)で洗浄され、再遠心分離され、且つ漿液の無いDMEM(10ml)で再懸濁された。次に、細胞数は、血液計を使用して計数され、容積は、700細胞ml−1の最終濃度に調整された。
【0086】
分離の後で、漿液の無いDMEMで700個の表面領域軟骨細胞は、被覆された24個のウエルプレート内で接種され、20分間37℃でインキュベートされた。媒体は、穏やかに渦形成され、取り出され、且つ5%のFCSを含む新たなDMEMで取り替えられた。プレートは、5%COの加湿された雰囲気において37℃でインキュベートされた。
【0087】
(ii)骨髄基質細胞の分離
軟骨下トラベキュラ骨(〜1cm)は、3,5mmのAcufexモザイク形成外科パンチを使用して、2〜3週間古い牛の中足指骨関節から取り入れられる。骨は、0.1%のコルゲナーゼ(DMEM/5%FCS内のWorthingtonタイプ2、20ml)内に分解され、90分間の間37℃でインキュベートされた。骨断片は、DMEM/10%FCS(20ml)を用いて2回洗浄され、さらに2回渦形成され、残る骨断片が廃棄された。消化と洗浄が組み合わされ、遠心分離され(1000rpm、5分間)、細胞ペレットは、DMEM/FSC内に再懸濁され、再遠心分離され、DMEM/FSC(30ml)内に再懸濁され、且つ2×T175フラスコ内で培養された。5〜7日後、培養物は、非付着細胞を取り除くためにPBSでリンスされ、トリプシン添加され、放出された細胞が遠心分離され(1000rpm、5分間)、細胞ペレットは、DMEM/FSC(35ml)内に再懸濁され、且つ2×新たなT175フラスコ内へ移された。培養は、5%COの加湿された雰囲気において37℃でインキュベートされた。
【0088】
(iii)牛の軟骨細胞の分離
完全な厚みの軟骨ストリップ(〜5×35mm)の対が、2〜3週間古い牛の中足指骨関節から得られ、細かくスライスされ、且つコルゲナーゼ内で消化された(Worthingtonタイプ2、DMEM/5%FCS内0.1%、16時間、37℃)。組織消化物は、フィルタリングされ(70μm、Falcon)、遠心分離され(1000rpm、10分間、Megafuge)、上澄みは廃棄され、且つ細胞ペレットは、DMEM/FSCで2回洗浄された。
【0089】
(iv)滅菌及びPET/PCT骨格のFCS事前処理
PET/PCT骨格は、70%エタノール/HO内に浸漬され、且つ全ての気泡が取り除かれるまで穏やかに撹拌された。骨格は、次に10分間の間70%エタノール/アセトンに移され、FCSに浸漬することによって(16時間、4℃)胎児の子牛漿液で事前処理された。
【0090】
(v)表面領域軟骨原種細胞による骨格の接種
FCS事前処理されたPET/PCT骨格は、DMEM/FSC/ASCP(30ml)内で(第3頁、セクションii参照)5×10個の表面領域軟骨原種細胞を含む50mlのFalconチューブ内に置かれ、チューブは、通気されたキャップ(Sartorius0.2μm)で封止された。培養物は、5日の間修正されたSpiramixer上でインキュベートされ、次に、5%COの加湿された雰囲気において37℃で2週間の期間の残りの間静的にインキュベートされた。
【0091】
(vi)骨髄基質細胞による骨格の接種
FCS事前処理されたPET/PCT骨格は、DMEM/FSC/ASCP(30ml)内で(第3頁、セクションii参照)5×10個の骨髄基質細胞を含む50mlのFalconチューブ内に置かれ、チューブは、通気されたキャップ(Sartorius0.2μm)で封止された。培養物は、修正されたSpiramixer上でインキュベートされ、次に、5%COの加湿された雰囲気において37℃で2週間の間静的にインキュベートされた。
【0092】
(vii)軟骨組織による骨格の接種
FCS事前処理されたPET/PCT骨格は、DMEM/FSC/ASCP(30ml)内で(セクションiii参照)5×10個の新たに分離された軟骨組織を含む50mlのFalconチューブ内に置かれ、チューブは、通気されたキャップ(Sartorius0.2μm)で封止された。培養物は、修正されたSpiramixer上でインキュベートされ、次に、5%COの加湿された雰囲気において37℃で2週間の間静的にインキュベートされた。
【0093】
(viii)SZC集合体を形成するためにポット内の表面領域軟骨原種細胞の接種
表面領域軟骨原種細胞(7×10個の細胞、第2頁セクションi参照)は、通気されたキャップ(0.2μm、Sartorius)が取り付けられた60mlのサンプルポット(Sterilin)に添加された。細胞は、16時間の間静定され且つ集められことが可能であり、次に細胞層を凝集塊に分解する試みにおいて穏やかに撹拌された。培養物は、次に5%COの加湿された雰囲気において37℃で2週間の間インキュベートされた。
【0094】
(ix)軟骨細胞集合体を形成するためにポット内への軟骨細胞の接種
新たに分離された軟骨細胞(7×10個の細胞、セクションiii参照)は、通気されたキャップ(0.2μm、Sartorius)が取り付けられた60mlのサンプルポット(Sterilin)に添加された。細胞が、16時間の間静定され且つ集められことが可能であり、次に細胞層を凝集塊に分解する試みにおいて穏やかに撹拌された。培養物は、次に5%COの加湿された雰囲気において37℃で2週間の間インキュベートされた。
【0095】
(x)アガロース下層を有する通気された60mlポットの準備
アガロース(2%、PromegaV3125、DMEM内1リットル、SigmaD6429)は、オートクレーブ(121℃、15分間)によって滅菌され、且つ沸騰に近い水浴内でのインキュベーションによって溶解された。溶融された滅菌アガロース(2%、5ml)が、60mlのサンプルポット(Sterilin)の基部に添加され、且つ培養下層は4℃で設定された。通気されたキャップは、1%Virkon、水、70%エタノール/H0、及び70%エタノール/アセトンに順次浸漬することによって滅菌され、空気乾燥を可能にされた。滅菌通気されたキャップが、アガロース下層で各60mlポットに取り付けられ、且つ0.2μmフィルタ(Sartorius)を用いて閉鎖された。
【0096】
(xi)アガロース下層を有する遠心分離チューブの準備
アガロース(4%、SigmaA−9045、DMEM内80ml、SigmaD6429)は、オートクレーブ(121℃、15分間)によって滅菌され、且つ沸騰に近い水浴内でのインキュベーションによって溶解された。溶融された滅菌アガロース(4%、0.4ml)が、遠心分離チューブ(Sterilin、144AS)の基部に添加され、且つ培養下層は4℃で設定された。
【0097】
(xii)細胞接種された骨格内への軟骨細胞凝集塊の添加
DMEM/FSC/ASCP(5ml)は、セクション(xi)で準備されたアガロース基部を有する遠心分離チューブに添加され、(a)表面領域軟骨原種が接種されたPET/PCL骨格(セクションv参照)、又は(b)骨髄基質細胞が接種されたPET/PCL骨格(セクションvi参照)、又は(c)軟骨組織が接種されたPET/PCL骨格(セクションvii参照)のいずれかが、各チューブ内に配置された。各細胞が接種されたPET/PCL骨格への軟骨細胞の「凝集塊」を100μl添加するために、軟骨細胞の凝集塊の60mlポットの内容物(セクションix)が、遠心分離され(2000rpm、10分間)、ペレットは、漿液の無いDMEMの単一の10mlのアリコートに組み合わせされ、再遠心分離され(1500rpm、5分間)、且つ上澄みは廃棄される。組み合わされた「凝集塊」ペレットの容積は、第2の遠心分離チューブに液体の知られている容積を添加することによって推定される。軟骨細胞の「凝集塊」ペレットは、次に、5mlの媒体内に100μlの軟骨細胞の「凝集塊」の最終濃度を与えるために、十分なDMEM/FSC/ASCPに再懸濁される。この軟骨細胞の「凝集塊」懸濁のアリコート(5ml)は、次に、PET/PCL骨格を含む各遠心分離チューブに添加され、チューブは、ラック内に垂直に配置され、48時間の間37℃でインキュベートされた。このインキュベーション期間の終了時に、細胞接種された骨格は、遠心分離チューブから回収され、30mlのDMEM/FSC/ASCPを含むアガロース下層を有する通気された60mlポット内に配置され(セクションx)、且つ5%COの加湿された雰囲気において37℃でインキュベートされた。
【0098】
(xiii)SZC接種された骨格内への表面領域軟骨細胞凝集塊の添加
100μlの軟骨細胞凝集塊を有するグループA、B、D及びEを接種するために、7×10個の軟骨細胞の生成物(セクションix参照)が、8.6mlに希釈され、その5mlの懸濁液が、各骨格に添加された。したがって各骨格は、0.58に等価の「ポット」、すなわち4×10個の細胞の生成物を受ける。
【0099】
したがって、SZC凝集塊を有するグループCから骨格を接種するために、SZC凝集塊は、順次の積極的なピペッティング及び凝集塊媒体の回収、PBS(10ml)での凝集塊表面の洗浄、及びトリプシン添加(5ml)によって、60mlポット(セクションviii参照)から回収された。これらの洗浄(SZC集合体を含む)は、ためられ、遠心分離され(2000rpm、10分間)、上澄みは廃棄され、各ポットからのSZC凝集塊は、8.6mlのDMEM/FSC/ASCP内に再懸濁された。5mlのこの懸濁液は、グループCからのSZC接種されたPET/PCL骨格を含む各遠心分離チューブに添加され、チューブは、ラック内に垂直に配置され、48時間の間37℃でインキュベートされた。このインキュベーション期間の終了時に、細胞接種された骨格は、遠心分離チューブから回収され、30mlのDMEM/FSC/ASCPを含むアガロース下層を有する通気された60mlポット内に配置され(セクションx参照)、且つ5%COの加湿された雰囲気において37℃でインキュベートされた。
【0100】
(xiv)細胞接種されたデバイスへのBMX層の添加
骨基質抽出/フィブリンペーストが、以下のように準備された。新生児の牛の指骨は、接着性柔軟組織及び骨膜が無いように切り裂かれ、ハクソーを用いてそれらの脊髄を横切って切断され、骨幹が長手方向に切断され、脊髄は、温水内で洗浄することによって取り除かれる。結果として清浄された皮質骨(59g)が、液体窒素で冷却されたミルで粉末にされ(3×2分間、10Hz、Spex Mill)、且つ70%エタノールで洗浄される(全容量150ml、全16時間にわたって4℃での2×100ml変化)。上澄み(100ml)が、取り除かれ、骨粉末は、70%エタノール/30%アセトン(1時間、室温)で脱脂される。上澄みは、完全に取り除かれ、骨は、室温の無菌状態で乾燥された。結果の骨断片は、ふるいにかけられ(710μm、Endecotts、8.3g廃棄される)、4℃で、全部で16時間にわたって70%エタノール/30%アセトン(200ml)で2回抽出された。脱脂された骨粉末は、PBS(150ml)でリンスされ、上澄みが廃棄され、HCl(0.6M、400ml、随時の混合で5時間)で脱塩された。材料は、遠心分離され(1000rpm、5分間、Megafuge1.0)、150mlPBSで再懸濁され、且つNaOH添加される(1N、20ml)。材料は、4℃で16時間の間に平衡にすることが可能にされ、その後、追加の10mlの1NのNaOHを用いて再中和された。脱塩された骨粉末は、次に遠心分離され(1000rpm、5分間、Megafuge)、PBS(200ml)で再懸濁され、4℃で貯蔵された。結果の材料は、BMX懸濁液として記載された。BMX懸濁液(10ml)が、遠心分離され(1000rpm、5分間、Megafuge)、上澄みが廃棄され、ペレットは、滅菌フィブリノーゲン溶液(1ml、PBS内5mg/ml、SigmaF8630)で再懸濁された。フィブリノーゲン/BMX混合物は、24個のウエルプレートのウエルにアリコートされ(150μl)、フィブリノーゲン(400μl、5mg/ml)及びトロンビン(60μl、1000U/ml、SigmaT4648)が、各ウエルに添加された。ウエルの内容物は、それらの内容物が、小さなスパチュラで穏やかに混合され且つ撹拌される前に、5分間超にわたって凝固することが許容された。ウエル内で不溶な材料は、フィブリン及びBMXの「プラグ」を形成するために液体から分離され、BMXは、残留液体を取り除くためにウエルから持ち上げられ且つ空のウエルの側方に押された。結果のBMX/フィブリンペーストは、2mlのシリンジのプランジャ及びスパチュラを用いて平坦な円筒内に圧縮され、実験グループA(SZC及び軟骨組織を用いて接種された)から接種されたPET/PCL骨格の下側に注意深く配置された。結果としての構造は、30mlのDMEM/10%FCS/燐酸アスコルビンを含む「アガロース下層」を有する通気された60mlポットへ移され、5%COの加湿された雰囲気において37℃でインキュベートされた。
【0101】
軟骨細胞が、PET/PCL骨格内に接種され、細胞接種されたデバイスが生体内で移植されたとき、次に、細胞が、骨格内の軟骨の連続片を形成することを結果が示した。軟骨原種細胞が、PET/PCL骨格の可撓性材料、外皮壁、及び細長い要素内に接種され、成熟軟骨細胞集合体が、骨格内に含まれる空隙空間内に接種され、且つ結果の構造が、生体内で移植されたとき、細胞は、2つの個別層を有する組織の連続片を形成し、繊維芽細胞形態を有する平坦な原種細胞の上層(図8、アイテム800を参照)、及び細胞が、成熟軟骨細胞形態を有する軟骨組織の連続片を構成する下層(図8、アイテム820を参照)を形成する。成熟軟骨細胞層(例えば、脱塩された骨粒子)への生体活性分子を添加することは、形成された組織の品質を改善し、本発明で記載された骨格は、治療を改善するために軟骨欠陥に細胞及び/又は生体分子の組合せを送出するために使用され得る。
【0102】
(実施例4)
完全な厚みの軟骨病変又は人体における早期の段階OAの治療
デバイスは、軟骨原種細胞の表面層、「成熟軟骨細胞凝集塊」の中間層(生体内で事前区別された軟骨原種細胞から得られた)、及び脱塩された骨基質/フィブリン/ビスフォスフォネートペーストからなる「グラウト」の骨に面する層で接種される。
【0103】
外科医は、患者の欠陥サイトを露出し(一般に、境界が描かれた関節軟骨病変)、且つ音響軟骨性縁を有する円形の完全な厚みの軟骨欠陥を形成するために、任意の残留する軟骨/繊維治療組織を創面切除する。この創面切除は、下にある軟骨下の骨プレートを露出するが、著しくは損傷しない。円形周囲溝(5mm深さ×0.5mm幅)が、次に、給電された歯付きトレフィンを使用して、軟骨下の骨プレートを通って創面切除された欠陥サイトの周囲の周りに、且つ下にあるトラベキュラ骨内に切り込まれる。
【0104】
細胞接種されたデバイスは、次に周囲の外皮壁の下側部分が、準備された欠陥サイトの周囲溝内に配置されるように、欠陥サイト内に挿入される。移植片の周囲上に押圧して、周囲の軟骨を有するデバイス縁に整列し、デバイスの可撓性材料をきつく引っ張り、軟骨下の骨上に細長い要素を配置し、したがって、デバイスの表面輪郭を関節軟骨の健康な輪郭に一致させる。
【0105】
患者の関節は、次に閉じられ、欠陥は治療を可能にされる。治療の間に、患者の骨は、デバイス外皮壁の0.5mm厚みの多孔性壁内に且つ多孔性壁を横切って迅速に成長し、デバイスを所定の場所に固着する。一方、移植された成熟軟骨組織増殖は、欠陥サイト内に連続する軟骨性の塊を形成するために、細胞外基質及び集合体を付着する。関節表面近くの軟骨原種細胞は、表面繊維層を形成し、移植片の長期間の生存能力に寄与することができる増殖軟骨形成細胞の予備として作用する可能性がある。BMX/フィブリンは、発育する移植片内に生長因子(例えば、TGEβ上科部材)を放出し、軟骨細胞区別を促進し、軟骨基質接骨を増大し、可能性がある骨の統合を促進する。囲むホスト組織に対するデバイスの周囲の制限された可動性、及びデバイスの周辺及び頂部での軟骨原種細胞の存在は、骨統合の機会を最大化する。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】可撓性表面、外皮壁、及び円筒状細長い要素を有するデバイスの実施例を示す図である。
【図2】図1に示されるデバイスの横断面を示す図である。
【図3】従来のデバイスと本発明によるデバイスとの比較を示す図である。
【図4】軟骨欠陥への移植後のデバイスの概略図である。
【図5】どのように、デバイスが、湾曲した関節表面に整列するために湾曲するかの概略図である。
【図6】間隔式で使用されるパラメータの定義を示す図である。
【図7】準備された軟骨欠陥サイト及び部分的な所定の場所のデバイスの実施例を示す図である。
【図8】生体内デバイス内に形成された軟骨組織の実施例を示す図である。
【符号の説明】
【0107】
100、200、430、500、810 可撓性材料
120、220、450、520 外皮壁
210、440、510、540 細長い要素
230、240 空隙空間
300 軟骨層
310 骨層
320、330、340 従来技術のデバイス
350、750 デバイス
400、700 軟骨
410、530 骨軟骨界面領域
420 骨
550 角度
710 周囲溝
720 軟骨下の骨
740 軟骨表面
800 層
820 軟骨組織

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟骨欠陥を治療するためのデバイスであって、可撓性材料と、前記可撓性材料にほぼ垂直に取り付けられた複数の細長い要素とを含んでなり、前記細長い要素が、圧縮抵抗を形成することを特徴とするデバイス。
【請求項2】
外皮壁をさらに含んでなることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記細長い要素が、前記外皮壁より短いことを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
生体吸収性材料を含むことを特徴とする請求項1〜3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記生体吸収性材料は、以下のモノマー、すなわち、乳酸、グリコール酸、カプロラクトン、ハイドロキシブチレート、ジオキサノン、オルソエステル、オルソカーボネート、アミノカーボネートを含むポリマー又はコポリマー、あるいはそれによって形成されるポリマー及び/又はコポリマーの混合物を含んでなることを特徴とする請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記生体吸収性材料は、コラーゲン、セルロース、フィブリン、ヒアルロン酸、フィブロネクチン、チトサン、又はこれら材料の2つ以上の混合物を含んでなることを特徴とする請求項4に記載のデバイス。
【請求項7】
多孔性材料を含んでなることを特徴とする請求項1〜6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記多孔性材料が、30%〜99%の多孔性であることを特徴とする請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記多孔性材料が、65%〜90%の多孔性であることを特徴とする請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記多孔性材料が、少なくとも70%の多孔性であることを特徴とする請求項8又は9に記載のデバイス。
【請求項11】
生体適合性繊維とは異なる材料である結合剤で架橋された生体適合性繊維を含んでなることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記生体適合性繊維は、PET、PGA、PLA、PHB、PLGA、ポリエステル、ポリアミドのグループから選択されることを特徴とする請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記結合剤は、PCL、PLA、PLGA、ポリエステル、ポリアミドのグループから選択されることを特徴とする請求項11に記載のデバイス。
【請求項14】
圧縮係数が、0.1MPa〜2MPaの間であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記圧縮係数が、ほぼ1MPaであることを特徴とする請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記細長い要素は、1mm〜5mmの間の長さであることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項17】
前記細長い要素は、ほぼ2mmの長さであることを特徴とする請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記細長い要素は、0.1mm〜1mmの間の厚みであることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項19】
前記細長い要素は、ほぼ0.5mmの厚みであることを特徴とする請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記細長い要素が、円筒状であることを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項21】
前記細長い要素は、直径が2mm〜5mmであることを特徴とする請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記細長い要素は、直径がほぼ3mmであることを特徴とする請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記細長い要素が、中空であることを特徴とする請求項1〜22のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項24】
前記細長い要素は、0.25mm〜1mmの間の壁厚みを有することを特徴とする請求項23に記載のデバイス。
【請求項25】
前記細長い要素は、ほぼ0.5mmの壁厚みを有することを特徴とする請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
前記細長い要素は、開放端部であることを特徴とする請求項23〜25のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項27】
前記細長い要素は、閉鎖端部であることを特徴とする請求項23〜25のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項28】
細長い要素間の間隔(Gap)の大きさが、式Gap=((2πrφ/360)−(2π(r−H)φ/360)−Dによって規定されるように、前記細長い要素が離間されていることを特徴とする請求項1〜27のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項29】
前記細長い要素間の間隔が、請求項28に記載の計算式によって計算される数値の70%〜80%であることを特徴とする請求項1〜28のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項30】
前記細長い要素間の間隔が、0.5mm〜6mmの間であることを特徴とする請求項1〜29のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項31】
前記細長い要素間の間隔が、ほぼ2.5mmであることを特徴とする請求項30に記載のデバイス。
【請求項32】
前記可撓性材料及び外皮壁が、一体的に形成されていることを特徴とする請求項2〜15のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項33】
前記可撓性材料及び外皮壁が、ともに接着されることを特徴とする請求項2〜15のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項34】
前記可撓性材料及び細長い要素が、一体的に形成されていることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項35】
前記可撓性材料及び細長い要素が、ともに接着されることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項36】
前記可撓性材料、細長い要素、及び外皮壁が、一体的に形成されていることを特徴とする請求項2〜15のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項37】
前記可撓性材料、細長い要素、及び外皮壁が、ともに接着されることを特徴とする請求項2〜15のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項38】
前記外皮壁が、0.25mm〜1mmの厚みであることを特徴とする請求項2又は3に記載のデバイス。
【請求項39】
前記外皮壁が、ほぼ0.5mmの厚みであることを特徴とする請求項38に記載のデバイス。
【請求項40】
前記外皮壁が、4mm〜20mmの間の長さであることを特徴とする請求項2又は3に記載のデバイス。
【請求項41】
前記外皮壁が、ほぼ8mmの間の長さであることを特徴とする請求項40に記載のデバイス。
【請求項42】
前記外皮壁が、連続する周囲境界を形成することを特徴とする請求項2又は3に記載のデバイス。
【請求項43】
前記外皮壁が、スリット又は開口を有することを特徴とする請求項2又は3に記載のデバイス。
【請求項44】
細胞をさらに含んでなることを特徴とする請求項1〜43のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項45】
前記細胞は、幹細胞、軟骨前駆体細胞、軟骨形成細胞、軟骨細胞、軟骨形成細胞とは区別できる細胞、又は軟骨形成細胞あるいはその混合物とは区別するように他の細胞を生じることができる細胞からなる列挙から選択されることを特徴とする請求項44に記載のデバイス。
【請求項46】
前記幹細胞、軟骨前駆体細胞、軟骨形成細胞とは区別できる細胞、又は軟骨形成細胞とは区別するように他の細胞を生じることができる細胞は、前記可撓性材料及び/又は細長い要素に集中されることを特徴とする請求項45に記載のデバイス。
【請求項47】
前記細胞は、前記可撓性材料及び細長い要素によって規定される間隙空間内に存在することを特徴とする請求項45に記載のデバイス。
【請求項48】
前記細胞は、集合体として存在することを特徴とする請求項47に記載のデバイス。
【請求項49】
前記幹細胞、軟骨前駆体細胞、軟骨形成細胞とは区別できる細胞、又は軟骨形成細胞とは区別するように他の細胞を生じることができる細胞は、前記可撓性材料及び細長い要素に集中され、生体細胞は、前記可撓性材料及び細長い要素によって規定される間隙空間内に存在することを特徴とする請求項45に記載のデバイス。
【請求項50】
前記デバイス内の細胞の軟骨遺伝子活性を促進する生体活性剤をさらに含んでなることを特徴とする請求項44〜49のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項51】
細胞をさらに含んでなることを特徴とする請求項2〜43のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項52】
前記生体細胞は、幹細胞、軟骨前駆体細胞、軟骨形成細胞、軟骨細胞、軟骨形成細胞とは区別できる細胞、又は軟骨形成細胞あるいはその混合物とは区別するように他の細胞を生じることができる細胞からなる列挙から選択される細胞であることを特徴とする請求項51に記載のデバイス。
【請求項53】
前記幹細胞、軟骨前駆体細胞、軟骨形成細胞とは区別できる細胞、又は軟骨形成細胞とは区別するように他の細胞を生じることができる細胞は、前記可撓性材料、細長い要素、及び外皮壁に集中されることを特徴とする請求項52に記載のデバイス。
【請求項54】
前記生体細胞は、前記可撓性材料及び外皮壁によって規定される間隙空間内に存在することを特徴とする請求項51に記載のデバイス。
【請求項55】
前記生体細胞は、集合体として存在することを特徴とする請求項54に記載のデバイス。
【請求項56】
前記幹細胞、軟骨前駆体細胞、軟骨形成細胞とは区別できる細胞、又は軟骨形成細胞とは区別するように他の細胞を生じることができる細胞は、前記可撓性材料、細長い要素、及び外皮壁に集中され、生体細胞は、前記可撓性材料及び外皮壁によって規定される間隙空間内に存在することを特徴とする請求項52に記載のデバイス。
【請求項57】
前記デバイス内の細胞の軟骨遺伝子活性を促進する生体活性剤をさらに含んでなることを特徴とする請求項51〜56のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項58】
前記デバイスの前記周囲の組織との一体化を促進する生体活性剤をさらに含んでなることを特徴とする請求項1〜57のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項59】
請求項1〜43のいずれか一項に記載のデバイスと、細胞源とを含んでなることを特徴とする部品のキット。
【請求項60】
前記細胞源は、集合された形態で供給されることを特徴とする請求項59に記載の部品のキット。
【請求項61】
軟骨欠陥を治療する方法であって、
a)損傷された軟骨を、軟骨下の骨内ではなく背後に創面切除するステップと、
b)前記軟骨下の骨内に周囲溝を切り込むステップと、
c)外皮壁が前記周囲溝に入るように、且つ細長い要素が前記軟骨下の骨上に当接し、可撓性材料が軟骨表面と実質的に同一面に配置されるように、請求項1〜60のいずれか一項に記載のデバイスを挿入するステップと、
を含んでなることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−508537(P2009−508537A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−520953(P2008−520953)
【出願日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際出願番号】PCT/GB2006/002594
【国際公開番号】WO2007/007106
【国際公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(391018787)スミス アンド ネフュー ピーエルシー (79)
【氏名又は名称原語表記】SMITH & NEPHEW PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】