説明

結晶性ナノLiFeMPO4の合成

本発明は、リチウム二次電池、特に、非水系の電気化学的電池においてLi+/Liに対して2.8V高い電位で運転される正極材料に関する。特に本発明は、粒度が小さくかつ粒度分布が狭い、結晶性のナノメートルオーダーのオリビン型LiFe1-xxPO4[式中、MはCo及び/又はMnであり、かつ0<x<1である]粉末に関する。以下の工程:−双極性非プロトン性添加剤、及び、前駆体成分としての、Li(I)、Fe(II)、P(v)、及び、Co(II)及びMn(II)のうちの一方又は双方を含有する、pH6〜10の水性混合物を製造する工程、−前記水性混合物を大気圧下での前記水性混合物の沸点以下の温度に加熱し、それによって結晶性のLiFe1-xxPO4粉末を沈殿させる工程を含む、直接沈殿法を開示する。Mnに関しては約80nm、Coに関しては275nmという極めて小さな粒度が、それぞれ狭い粒度分布で得られる。微細な粒度によって優れた高ドレイン特性がもたらされ、その一方で、導電性添加剤の必要量が最小化される。狭い分布によって、電極製造プロセスが容易になり、かつ電池内での均一な電流分布が保証される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Li電池において正極材料として使用するための、粒度が小さくかつ粒度分布が狭い、結晶性のナノLiFe1-xxPO4(LFMP)粉末に関する。結晶性のナノ粉末を低温で大気圧下に沈殿させることによる有利な製造法も記載する。
【0002】
Padhi et al. (JES, 144 (1997), 1188)の研究によって、ホスホ−オリビン型LiMPO4(M=Fe、Ni、Co、Mn...)が、Li電池のためのカソード材料として使用可能な潜在的な候補であることが示された。これら全ての同型構造の組成物のうち、LiFePO4について最も研究が進められ、かつ可逆性、速度特性及び寿命の点での極めて高い性能はその工業化に多大に寄与している(国際公開番号WO2004/001881 A2)。
【0003】
LiCoPO4(Amine et al., ESSL, 3, (2000), 178)及びLiMnPO4(Okada et al., J. Power Sources, 97-98 (2001) 430)は、その酸化還元電位値が比較的高い(Liに対してしばしば4.8V及び4.1V)ために特に重要であり、なぜならば、これらが提供するエネルギー密度がLiFePO4と比較して高いためである(Liに対して3.5V、Chen et al., JES, 149 (2002) Al184)。
【0004】
しかしながら、前記のホスホ−オリビン型材料の電子及びイオン伝導性が低いことは今や十分に公知であり(Delacourt et al., JES, 152 (2005) A913)、従って前記の化合物のミクロ構造の最適化が不可欠である。Striebel et al. (JES, 152, (2005), A664)は、たとえマトリックス電導性が導電性被覆により改善されたとしても、電池開発者は、50〜100nmの範囲の一次粒度を有する従来存在していなかった化合物を歓迎するであろうし、また包括的に、より良好な出力効率を得るために、粒度分布の最小化を目指すことが望ましいことを主張している。
【0005】
混合金属リン酸塩、例えばLiFe1-xxPO4材料に関する最も有望な結果が、C/LiFe0.4Mn0.6PO4(ここで、Cは焼結阻害剤として作用する)複合材において得られた。前記アプローチは、100〜200nmの範囲内の粒子での混合C/LiFeMnPO4複合材をもたらす(Mi et al., Mater. Sci. Eng., 129 (2006) 8)。Lloris et al. (ESSL, 5 (2002) A234)により、200〜300nmの範囲内の小粒子での純粋なLiCoPO4に関して類似の結果が得られた。目下、LiFe1-xCoxPO4材料に関するデータは公表されていない。
【0006】
電極において均一な電流分布を保証し、それによって、特に高い出力効率及び長い寿命という点でより良好な電池性能を達成するためには、粒度が小さいことに加え、粒度分布が狭いことに重点が置かれなければならない。従って本発明は、粒度が小さくかつ粒度分布が狭い結晶性のLFMP粉末を製造することを目的としている。
【0007】
この目的のために、上記の材料に関して本質的な改善を提供する金属リン酸塩粉末を得る方法を開示する。
【0008】
結晶性のLiFe1-xxPO4[式中、MはCo及びMnのうちの一方又は双方であり、かつ0<x<1、有利に0.4<x<0.95である]粉末を合成するための本発明による方法は、以下の工程:
− 双極性非プロトン性添加剤、及び、前駆体成分としての、Li(I)、Fe(II)、P(v)、及び、Co(II)及びMn(II)のうちの一方又は双方を含有する、pH6〜10の水性混合物を製造する工程、
− 前記水性混合物を大気圧下での前記水性混合物の沸点以下の温度に加熱し、それによって結晶性のLiFe1-xxPO4粉末を沈殿させる工程
を含む。得られた粉末を非酸化性条件で加熱することによる後処理に供することもできる。
【0009】
6〜8のpHは、Li3PO4の沈殿を回避するのに有利である。添加剤は有利に、キレート化又は錯化特性を有しない双極性非プロトン性化合物である。水性混合物の加熱温度は、有利に少なくとも60℃である。
【0010】
結晶性のLiFe1-xxPO4粉末の製造又は加熱後処理は、有利に少なくとも1の他の成分、特に炭素含有又は電子伝導物質又は電子伝導物質の前駆体の存在で行うことができる。
【0011】
Li(I)の少なくとも一部をLiOHとして導入することが有利である。同様に、P(v)の少なくとも一部をH3PO4として導入することができる。水性混合物のpHは、H3PO4に対するLiOHの比を調節することによって達成することができる。
【0012】
大気圧下での沸点が、100〜150℃、有利に100〜120℃である水性混合物を使用することが有利である。ジメチルスルホキシド(DMSO)は双極性非プロトン性添加剤として有利に使用される。水性混合物は有利にDMSO5〜50モル%、有利に10〜30モル%を含有する。DMSOの濃度が低い場合には粒度分布が粗くなり、該濃度が高い場合には水の可用性が制限され、その結果装置体積が増加する。
【0013】
LiFe1-xxPO4の後処理工程は有利に675℃以下、有利に少なくとも300℃の温度で行われる。下限は沈殿LiFe1-xxPO4の結晶度を高めるために選択され、上限はLiFe1-xxPO4からリン化マンガンへの分解が回避されるように選択される。
【0014】
電子伝導物質は、炭素、特に導電性炭素又は炭素繊維であってよい。それとは別に、電子伝導物質の前駆体、特にポリマー又は糖型高分子を使用することができる。
【0015】
本発明は、電池における電極材料として使用するための、100nm未満、有利に30nm超の平均粒度d50を有する粒度分布を有する結晶性のLiFe1-xMnxPO4[式中、0<x<1、有利に0.4<x<0.95である]粉末にも関する。最大粒度は有利に500nm以下である。粒度分布は有利に単峰性であり、かつ比(d90−d10)/d50は有利に1.5未満、有利に1.3未満である。
【0016】
本発明の他の実施態様は、上に定義された結晶性のLiMnPO4粉末と、導電性添加剤10質量%以下とを含有する、複合粉末に関する。他の実施態様は、前記複合粉末を用いて製造することができる電極混合物に関する。有機炭素含有物質、電子伝導性ポリマー、金属粉末及び金属繊維の分解から生じる導電性炭素、炭素繊維、アモルファス炭素が導電性添加剤として特に好適である。
【0017】
本発明の他の実施態様は、前記複合粉末を導電性炭素含有添加剤と混合することによってリチウム挿入型電極を製造するための、前記複合粉末の使用に関する。
【0018】
本発明は更に、電池における電極材料として使用するための、300nm未満、有利に30nm超の平均粒度d50を有する粒度分布を有する結晶性のLiFe1-xCoxPO4[式中、0<x<1、有利に0.4<x<0.95である]粉末に関する。最大粒度は有利に900nm以下である。粒度分布は有利に単峰性であり、かつ比(d90−d10)/d50は有利に1.5未満、有利に1.1未満である
本発明の他の実施態様は、上に定義された結晶性のLiFe1-xCoxPO4粉末と、導電性添加剤10質量%以下とを含有する、複合粉末に関する。他の実施態様は、前記複合粉末を用いて製造することができる電極混合物に関する。有機炭素含有物質、電子伝導性ポリマー、金属粉末及び金属繊維の分解から生じる導電性炭素、炭素繊維、アモルファス炭素が導電性添加剤として特に好適である。
【0019】
本発明の他の実施態様は、前記複合粉末を導電性炭素含有添加剤と混合することによってリチウム挿入型電極を製造するための、前記複合粉末の使用に関する。
【0020】
従来技術と比較して、上記生成物は、リチウム電池における潜在的なカソード材料として考慮した場合に必要とされる以下の全ての利点を有している:
− 低温での結晶性のLFMPの直接沈殿によって、焼結プロセスにつながるいかなる粒子の成長もが回避される。ナノメートルオーダーの粒度が得られる。これにより、粒子内のLiイオン輸送に基づく動力学制限が低減され、それによって電池の高速の充放電性が向上する。
【0021】
− 狭い粒度分布によって、電池内での均一な電流分布が保証される。これは特に、比較的微細な粒子が比較的粗い粒子よりも消耗され、場合による粒子の劣化及び使用における電池の容量の低下を招く現象が生じる高い充放電速度において重要である。更に、これにより電極の製造が容易となる。
【0022】
水性混合物の大気圧下での沸点は、望ましくは100〜150℃、有利に100〜120℃である。沈殿核形成キネティクスを高め、それによってLiMnPO4ナノ粒子のサイズを低下させる補助溶剤としての水混和性添加剤が使用される。水混和性に加えて、有用な補助溶剤は非プロトン性である、即ち水素イオンの放出に伴う解離を殆ど又は全く示さないことが望ましい。錯化又はキレート化特性を示す補助溶剤、例えばエチレングリコールは、LiMnPO4沈殿のキネティクスを低下させ、ひいては比較的大きな粒度を招くため、好適でないと考えられる。好適な双極性非プロトン性溶剤は、ジオキサン、テトラヒドロフラン、N−(C1−C18−アルキル)ピロリドン、エチレングリコールジメチルエーテル、脂肪族C1−C4−カルボン酸のC1−C4−アルキルエステル、C1−C6−ジアルキルエーテル、脂肪族C1−C4−カルボン酸のN,N−ジ−(C1−C4−アルキル)アミド、スルホラン、1,3−ジ−(C1−C8−アルキル)−2−イミダゾリジノン、N−(C1−C8−アルキル)カプロラクタム、N,N,N’,N’−テトラ−(C1−C8−アルキル)尿素、1,3−ジ−(C1−C8−アルキル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミドン、N,N,N’,N’−テトラ−(C1−C8−アルキル)スルファミド、4−ホルミルモルホリン、1−ホルミルピペリジン又は1−ホルミルピロリジン、N−(C1−C18−アルキル)ピロリドン、N−メチルピロリドン(NMP)、N−オクチルピロリドン、N−ドデシルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド又はヘキサメチルホスホラミドである。その他の代替物、例えばテトラアルキル尿素も可能である。上記の双極性非プロトン性溶剤の混合物を使用することもできる。有利な実施態様において、ジメチルスルホキシド(DMSO)が溶剤として使用される。
【0023】
本発明を説明する図の概要は以下の通りである:
図1:反応時間18h後のLiFe0.5Mn0.5PO4沈殿物のXRD
図2:LiFe0.5Mn0.5PO4のSEM画像
図3:LiFe0.5Mn0.5PO4の体積粒度分布及び累積分布(%対nm)
図4:反応時間18h後のLiFe0.5Co0.5PO4沈殿物のXRD
図5:LiFe0.5Co0.5PO4のSEM画像
図6:LiFe0.5Co0.5PO4の体積粒度分布及び累積分布(%対nm)
本発明を以下の実施例において詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】反応時間18h後のLiFe0.5Mn0.5PO4沈殿物のXRDを示す図。
【図2】LiFe0.5Mn0.5PO4のSEM画像示す図。
【図3】LiFe0.5Mn0.5PO4の体積粒度分布及び累積分布(%対nm)示す図。
【図4】反応時間18h後のLiFe0.5Co0.5PO4沈殿物のXRDを示す図。
【図5】LiFe0.5Co0.5PO4のSEM画像示す図。
【図6】LiFe0.5Co0.5PO4の体積粒度分布及び累積分布(%対nm)示す図。
【実施例】
【0025】
実施例1:LiFe0.5Mn0.5PO4の合成
第一の工程において、DMSOを、MnNO3・4H2O中の0.05M Mn(II)、FeSO4・7H2O中の0.05M Fe(II)、及びH3PO4中の0.1M P(v)の等モル溶液に添加し、撹拌下にH2O中に溶解させる。水50体積%及びDMSO50体積%(それぞれ約80モル%及び20モル%に相当する)の全組成に達するようにDMSOの量を調節する。
【0026】
第二の工程において0.3M LiOH・H2Oの水溶液を25℃で前記溶液に添加し;これによりpH値が6.5〜7.5に増加する。最終的なLi:Fe:Mn:P比は近似的に3:0.5:0.5:1である。
【0027】
第三の工程において、溶液の温度を溶剤沸点(108〜110℃)まで上昇させる。18h後、得られた沈殿物を濾過し、水で十分に洗浄する。得られた純粋な結晶性のLiFe0.5Mn0.5PO4を図1に示す。
【0028】
正確な格子パラメータは、a=10.390Å、b=6.043Å;c=4.721Åであり、格子体積は296.4Å3である。これは、固溶体の場合、混合生成物の格子体積は、両端の生成物の格子体積(純粋なLiFePO4については291Å3、純粋なLiMnPO4については302Å3)の中間であることを規定したVegard則に十分に合致する。
【0029】
図2の画像は、50〜100nmの範囲内の単分散性の結晶小粒子を示す。生成物の体積粒度分布を画像分析を用いて測定した。図3に示されているように、d50値は約80nmであり、一方で、(d90−d10)/d50として定義される相対スパンは約1.2である(d10=45nm、d90=145nm)。
【0030】
実施例2:LiFe0.5Co0.5PO4の合成
第一の工程において、DMSOを、MnSO4・H2O中の0.05M Mn(II)、CoNO3・6H2O中の0.05M Co(II)、及びH3PO4中の0.1M P(v)の等モル溶液に添加し、撹拌下にH2O中に溶解させる。水50体積%及びDMSO50体積%(それぞれ約80モル%及び20モル%に相当する)の全組成に達するようにDMSOの量を調節する。
【0031】
第二の工程において0.3M LiOH・H2Oの水溶液を25℃で前記溶液に添加し;これによりpH値が6.5〜7.5に増加する。最終的なLi:Fe:Co:P比は近似的に3:0.5:0.5:1である。
【0032】
第三の工程において、溶液の温度を溶剤沸点(108〜110℃)まで上昇させる。18h後、得られた沈殿物を濾過し、水で十分に洗浄する。得られた純粋な結晶性のLiFe0.5Co0.5PO4を図4に示す。
【0033】
正確な格子パラメータは、a=10.292Å、b=5.947Å;c=4.712Åであり、格子体積は288.4Å3である。これはまたもや、固溶体の場合、混合生成物の格子体積は、両端の生成物の格子体積(純粋なLiFePO4については291Å3、純粋なLiCoPO4については284Å3)の中間であることを規定したVegard則に十分に合致する。
【0034】
図5の画像は、200〜300nmの範囲内の単分散性の結晶小粒子を示す。生成物の体積粒度分布を画像分析を用いて測定した。図6に示されているように、d50値は約275nmであり、一方で、(d90−d10)/d50として定義される相対スパンは約1.0である(d10=170nm、d90=450nm)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶性のLiFe1-xxPO4[式中、MはCo及びMnのうちの一方又は双方であり、かつ0<x<1である]粉末を製造するための方法において、以下の工程:
− 双極性非プロトン性添加剤、及び、前駆体成分としての、Li(I)、Fe(II)、P(v)、及び、Co(II)及びMn(II)のうちの一方又は双方を含有する、pH6〜10の水性混合物を製造する工程、
− 前記水性混合物を大気圧下での前記水性混合物の沸点以下の温度に加熱し、それによって結晶性のLiFe1-xxPO4粉末を沈殿させる工程
を含む方法。
【請求項2】
LiFe1-xxPO4粉末を非酸化性条件で加熱することによって前記粉末を後処理する工程が後に続く、請求項1記載の方法。
【請求項3】
結晶性のLiFe1-xxPO4粉末の製造、又は、非酸化性雰囲気中での加熱による後処理を、少なくとも1の他の成分、特に炭素含有又は電子伝導物質又は電子伝導物質の前駆体の存在で行う、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
Li(I)の少なくとも一部をLiOHとして導入する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
(v)の少なくとも一部をH3PO4として導入する、請求項1記載の方法。
【請求項6】
3PO4に対するLiOHの比を調節することによって、水性混合物のpHを達成する、請求項4又は5記載の方法。
【請求項7】
水性混合物の大気圧下での沸点が、100〜150℃、有利に100〜120℃である、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
水性混合物中に含有される双極性非プロトン性添加剤がジメチルスルホキシドである、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
LiFe1-xxPO4の後処理工程を、675℃以下、有利に少なくとも300℃の温度で行う、請求項2から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
電子伝導物質が、炭素、特に導電性炭素又は炭素繊維である、請求項3から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
電子伝導物質の前駆体が、炭素導電性物質、特にポリマー又は糖型高分子である、請求項3から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
電池における電極材料として使用するための、100nm未満、有利に30nm超の平均粒度d50を有する粒度分布を有する結晶性のLiFe1-xMnxPO4[式中、0<x<1である]粉末。
【請求項13】
最大粒度が500nm以下である、請求項12記載のLiFe1-xMnxPO4粉末。
【請求項14】
粒度分布が単峰性であり、かつ比(d90−d10)/d50が1.5未満、有利に1.3未満である、請求項12又は13記載のLiFe1-xMnxPO4粉末。
【請求項15】
請求項12から14までのいずれか1項記載のLiFe1-xMnxPO4粉末と、導電性添加剤10質量%以下とを含有する、複合粉末。
【請求項16】
請求項15記載の複合粉末を含有する電極混合物。
【請求項17】
請求項15記載の複合粉末を導電性炭素含有添加剤と混合することによってリチウム挿入型電極を製造するための、請求項15記載の複合粉末の使用。
【請求項18】
電池における電極材料として使用するための、300nm未満、有利に30nm超の平均粒度d50を有する粒度分布を有する結晶性のLiFe1-xCoxPO4[式中、0<x<1である]粉末。
【請求項19】
最大粒度が900nm以下である、請求項18記載のLiFe1-xCoxPO4粉末。
【請求項20】
粒度分布が単峰性であり、かつ比(d90−d10)/d50が1.5未満、有利に1.1未満である、請求項18又は19記載のLiFe1-xCoxPO4粉末。
【請求項21】
請求項18から20までのいずれか1項記載のLiFe1-xMnxPO4粉末と、導電性添加剤10質量%以下とを含有する、複合粉末。
【請求項22】
請求項21記載の複合粉末を含有する電極混合物。
【請求項23】
請求項21記載の複合粉末を導電性炭素含有添加剤と混合することによってリチウム挿入型電極を製造するための、請求項21記載の複合粉末の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−513193(P2010−513193A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541796(P2009−541796)
【出願日】平成19年11月19日(2007.11.19)
【国際出願番号】PCT/EP2007/009969
【国際公開番号】WO2008/077448
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(509126003)ユミコア ソシエテ アノニム (23)
【氏名又は名称原語表記】Umicore S.A.
【住所又は居所原語表記】Rue du Marais 31, B−1000 Brussels, Belgium
【出願人】(500379381)サントル ナショナル ドゥ ラ ルシャルシュ シアンティフィク (17)
【氏名又は名称原語表記】Centre National de la Recherche Scientifique
【住所又は居所原語表記】3 rue Michel Ange, FR−75016 Paris, France
【Fターム(参考)】