給水または給湯用配管の更新用管継手、この管継手を用いた配管の更新構造及び更新工法
【課題】室内壁や室内床を大きく壊すことがなく、施工性よく配管の更新を行うことができる給水または給湯用配管の更新用管継手、この管継手を用いた配管の更新構造及び更新工法を提供することを目的としている。
【解決手段】一旦、水栓金具1aを、既設配管P1とのねじ接続を解除して取り除いたのち、フランジ部72が室内壁W1にほぼ当接するとともに、継手本体4aのワンタッチ継手部6が新設配管P2の挿入方向を向くように、管継手3aのねじ部71を、貫通孔H1を介して既設配管P1のねじ筒部21にねじ込む。そして、水栓金具1aのねじ筒部11を継手本体4aのねじ筒部5aに螺合させて、管継手3aを介して水栓金具1aを室内壁W1に沿うように固定し、新設配管P2を室内側に引き込み、ワンタッチ継手部6にその管端部を接続するようにした。
【解決手段】一旦、水栓金具1aを、既設配管P1とのねじ接続を解除して取り除いたのち、フランジ部72が室内壁W1にほぼ当接するとともに、継手本体4aのワンタッチ継手部6が新設配管P2の挿入方向を向くように、管継手3aのねじ部71を、貫通孔H1を介して既設配管P1のねじ筒部21にねじ込む。そして、水栓金具1aのねじ筒部11を継手本体4aのねじ筒部5aに螺合させて、管継手3aを介して水栓金具1aを室内壁W1に沿うように固定し、新設配管P2を室内側に引き込み、ワンタッチ継手部6にその管端部を接続するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給水または給湯用配管の更新用管継手、この管継手を用いた配管の更新構造及び更新工法に関する。
【背景技術】
【0002】
図9または図10に示すように、室内壁W1と躯体壁W2との間や、室内床F1と、基礎床(床スラブの場合もある)F2との間、あるいは、躯体壁W2や基礎床F2に埋設状に給水あるいは給湯用の配管P1が設けられている。
そして、洗濯機設置室、浴室、洗面室などにおいては、室内壁W1あるいは室内床F1に、水栓金具1a(1b)が直接取り付けられる場合もある。
【0003】
なお、図9,10中、2は配管P1の端部に設けられたねじ継手11は水栓金具1a(1b)のねじ筒部、21はねじ継手2のねじ筒部、22はねじ継手2を支持する垂木、H1は室内壁W1に穿設された貫通孔、H2は室内床F1に設けられた貫通孔である。
また、水栓金具1a(1b)は、室内壁W1あるいは室内床F1の貫通孔H1内に入り込んだ配管P1の端部のねじ接続部であるねじ継手2のねじ筒部21に室内側から水栓金具1aのねじ筒部11をシールテープなどのシール材(図示せず)を介在させた状態でねじ込まれている。
【0004】
ところで、上記のような配管P1に経年劣化によって、詰りや漏水が生じた場合、躯体壁W2、室内壁W1や室内床F1、基礎床F2を構成する壁材や床材を壊すなどして一旦取り除き、配管P1の不具合部分を露出させ、配管P1を新たな配管(図示せず)に更新したのち、躯体壁W2、室内壁W1や室内床F1を修復する工法が採られることが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−89749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記一般的な配管の更新工法においては、一旦、躯体壁W2、室内壁W1や室内床F1を構成する壁材や床材を壊さなければならず、新たに復旧のための時間とコストが発生し住民等への負担が大きくなっている。
特に、集合住宅においては、他の住戸への騒音の問題もある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みて、室内壁や室内床を大きく壊すことがなく、施工性よく配管の更新を行うことができる給水または給湯用配管の更新用管継手、この管継手を用いた配管の更新構造及び更新工法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明にかかる給水または給湯用配管の更新用管継手(以下、「本発明の管継手」と記す)は、水栓金具と、この水栓金具に水または湯を供給する配管との間に介在し、一端に前記水栓金具にねじ接続可能なねじ筒部を有して他端に前記配管と接続可能な配管接続部を備える継手本体と、室内壁および/または室内床の裏側を通る給水または給湯用の既設配管を室内へ引き込むために壁または床に穿設された貫通孔を利用してこの継手本体を室内壁面または室内床面に沿って取り付け可能な取り付け部とを備えていることを特徴としている。
【0009】
本発明の管継手は、特に限定されないが、例えば、マンション、アパート、戸建て、ビル等の給水・給湯配管の更新に用いることができる。
【0010】
本発明にかかる給水または給湯用配管の更新構造は、上記本発明の管継手が、継手本体を室内側に配置した状態で、取り付け部を介して、室内壁および/または室内床の裏側を通る給水または給湯用の既設配管を室内へ引き込むために壁または床に穿設された貫通孔を塞ぐように取り付けられ、水栓金具が、前記管継手のねじ筒部に螺着され、新規に室内側に引き込まれた給水または給湯用の配管が、前記管継手の配管接続部に接続されていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明にかかる配管の更新方法は、室内壁および/または室内床の裏側を通る給水または給湯用の既設配管を室内へ引き込むために壁または床に穿設された貫通孔に臨む前記既設配管の端部ねじ接続部と、この端部ねじ接続部に連通状態でねじ接続された水栓金具とのねじ接続を解除し、水栓金具を取り外す工程と、本発明の管継手のねじ部を、前記貫通孔を介して室内側から前記端部ねじ接続部にねじ込んで、前記管継手を室内壁あるいは室内床に沿うように固定する工程と、室内側に露出するように新たに設けられた給水または給湯用の新設配管の一端を、前記継手本体の配管接続部に接続するとともに、新設の水栓金具または取り外した既設の水栓金具を前記継手本体のねじ筒部にねじ接続する工程とを備えることを特徴としている。なお、室内壁、室内床の裏側とは、それぞれに対して部屋内とは逆の側を指す。
【0012】
本発明において、上記管継手の取り付け部は、上記貫通孔を利用して取り付けることができれば、特に限定されず、上記貫通孔にパッキンやコーキング材を介して圧入する構造でも構わないが、継手本体のねじ筒部に螺合可能なねじ部を備え、このねじ部が、既設の水栓金具を取り除くことによって上記貫通孔に臨むように残った既設配管の水栓金具取り付けねじ筒部に螺合するようにすることが好ましい。
【0013】
また、取り付け部は、上記ねじ部と、このねじ部より継手本体部側に設けられたフランジ部とを有し、室内側から室内壁または室内床にねじ込まれ、継手本体のねじ部本体の中心軸周りの回転を抑止する固定ねじが挿通されるねじ挿通孔を、前記フランジ部に備えていることが好ましい。
すなわち、上記固定ねじを、フランジ部のねじ挿通孔を介して室内壁または室内床にねじ込むことによって、水栓金具を継手本体のねじ筒部にねじ込んでいく際に、継手本体が共回りすることを抑えることができる。
【0014】
また、上記管継手は、特に限定されないが、管継手の継手本体がエルボ形状をしていて、継手本体のねじ筒部の中心軸と、管継手のねじ部のねじ込み回転軸が一致していることが好ましい。
【0015】
また、管継手の配管接続部の接続構造は、特に限定されず、例えば、接着、融着、ねじ、圧縮、溶接、ゴム止水等及びその組み合わせなど、新設配管の材質によって自由に選択できるが、ワンタッチ接続可能に形成されていることが好ましい。
ワンタッチ接続とは、新設配管の端部を配管接続部に嵌合させることによって、接続部の止水及び新設配管の抜け止めがなされるもので、例えば、積水化学工業株式会社の商品名エスロメタッチや、積水化学工業株式会社の商品名エスロカチットのようなワンタッチ接続構造が挙げられる。
【0016】
新設配管として用いられる配管材としては、特に限定されないが、例えば、水道用硬質ポリ塩化ビニル管(VP、HIVP)、耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管(HT)、水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管、水道用耐熱性塩化ビニルライニング鋼管、一般配管用ステンレス鋼管などステンレス鋼管、架橋ポリエチレン管、ポリブテン管、及び、アルミニウム層を中間層にしてない外層が熱可塑性樹脂で形成された三層管等が挙げられる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の管継手は、以上のように、水栓金具と、この水栓金具に水または湯を供給する配管との間に介在し、一端に前記水栓金具にねじ接続可能なねじ筒部を有して他端に前記配管と接続可能な配管接続部を備える継手本体と、室内壁および/または室内床の裏側を通る給水または給湯用の既設配管を室内へ引き込むために壁または床に穿設された貫通孔を利用してこの継手本体を室内壁面または室内床面に沿って取り付け可能な取り付け部とを備えているので、本発明の配管の更新構造及び更新工法に好適である。
【0018】
そして、本発明の配管の更新構造は、上記本発明の管継手が、継手本体を室内側に配置した状態で、取り付け部を介して、室内壁および/または室内床の裏側を通る給水または給湯用の既設配管を室内へ引き込むために壁または床に穿設された貫通孔を塞ぐように取り付けられ、水栓金具が、前記管継手のねじ筒部に螺着され、新規に室内側に引き込まれた給水または給湯用の配管が、前記管継手の配管接続部に接続されている。また、本発明の更新工法は、室内壁および/または室内床の裏側を通る給水または給湯用の既設配管を室内へ引き込むために壁または床に穿設された貫通孔に臨む前記既設配管の端部ねじ接続部と、この端部ねじ接続部に連通状態でねじ接続された水栓金具とのねじ接続を解除し、水栓金具を取り外す工程と、本発明の管継手のねじ部を、前記貫通孔を介して室内側から前記端部ねじ接続部にねじ込んで、前記管継手を室内壁あるいは室内床に沿うように固定する工程と、室内側に露出するように新たに設けられた給水または給湯用の新設配管の一端を、前記継手本体の配管接続部に接続するとともに、新設の水栓金具または取り外した既設の水栓金具を前記継手本体のねじ筒部にねじ接続する工程とを備える。
したがって、本発明の配管の更新構造及び更新工法によれば、壁や床を壊して既設配管を取り除く必要がなくなる。すなわち、結果として壁や床の除去(壊し)が無くなるため、壁や床の復旧に掛かる時間等が削減できる。また、集合住宅等においては、他の住戸への施工時に騒音を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の管継手の第1の実施の形態をあらわし、同図(a)はその正面図、同図(b)はその左側面図、同図(c)はその底面図である。
【図2】図1のワンタッチ継手部の断面図である。
【図3】図2のワンタッチ継手部に新設配管を接続した状態の断面図である。
【図4】図1の管継手を用いた本発明の配管の更新工法の第1の実施の形態を説明する図であって、その施工手順を説明する図である。
【図5】図4の施工完了状態である本発明の更新構造を説明する図である。
【図6】図1の管継手を用いた本発明の配管の更新工法の第2の実施の形態であって、その施工完了状態を説明する図である。
【図7】本発明の管継手の第2の実施の形態をあらわし、同図(a)はその正面図、同図(b)はその左側面図、同図(c)はその底面図である。
【図8】本発明の継手の第3の実施の形態をあらわし、同図(a)はその正面図、同図(b)はその左側面図、同図(c)はその底面図である。
【図9】既設配管の配管施工構造の1例を説明する図である。
【図10】既設配管の配管施工構造の他例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1は、本発明の管継手の第1の実施の形態をあらわしている。
【0021】
図1に示すように、この管継手3aは、継手本体4aと、取り付け部7aとを備えている。
継手本体4aは、エルボ形状をしていて、一端にねじ筒部5aを有し、他端に配管接続部としてのワンタッチ継手部6を備えている。
【0022】
ねじ筒部5aは、内径が後述する水栓金具1aのねじ筒部11が螺合する雌ねじ筒になっているとともに開口端部に外側に張り出すフランジ部51を備えている。
ワンタッチ継手部6は、図2に示すように、接続される新設配管P2の内径ほぼ同じ外径をしたノズル部61と、このノズル部61との間に新設配管P2の挿入空間Sを形成する外筒部62とを備えている。
【0023】
ノズル部61には、Oリング61aがシール材として外嵌されている。
外筒部62には、抜け止めリング63と、締め付けリング64と、締め付けリング64を拡径状態に保持する拡径片65とが内装されている。
【0024】
そして、ワンタッチ継手部6は、新設配管P2の端部を挿入空間S内の所定位置まで挿入すると、図3に示すように、拡径片65が新設配管P2の先端で挿入空間Sの奥側に押し込まれて、締め付けリング64の間から離脱して締め付けリング64がその弾性力によって縮径して新設配管P2を締め付けて抜け止めが図られるとともに、シール材による確実な止水を確保する。また、新設配管P2に抜け方向の力が加わると、抜け止めリング63の爪部63aが新設配管P2の外周面に食い込むように作用してさらに確実な抜け止めが図られる。
【0025】
取り付け部7aは、ねじ部71と、フランジ部72とを備え、継手本体4aの外壁面から突出し、継手本体4a内と非連通状態になっている。
ねじ部71は、上記ねじ筒部5a内に入り込んで螺合可能な雄ねじ筒形状をしている。
【0026】
フランジ部72は、図1(b)に示すように、側面視長方形をしていて、図1(b)及び図1(c)に示すように、4つのねじ挿通孔72aが穿設されている。
【0027】
つぎに、図4、図5、図9を用いて、この管継手3aを用いた本発明の配管の更新構造及び更新工法の第1の実施の形態を説明する。
(1)図9に示すように更新しようとする既設の配管P1のねじ継手2とねじ接続された水栓金具1aを、ねじ接続を解除して、図4に示すように、一旦取り除く。
(2)図5に示すように、フランジ部72が室内壁W1にほぼ当接するとともに、継手本体4aのワンタッチ継手部6が後述する新設配管P2の挿入方向を向くように、管継手3aの取り付け部7aを、水栓金具6の取り除きによって、室内壁W1に露出した既設配管P1の引き込み用貫通孔H1を介してねじ継手2にねじ込む。
(3)4本(図4では2本しかあらわれていない)の固定ねじ73を、それぞれねじ挿通孔72aを介して室内壁W1にねじ込み、ワンタッチ継手部6の位置がずれ動かないようにする。
(4)水栓金具1aのねじ筒部11を継手本体4aのねじ筒部5aに螺合させて、管継手3aを介して水栓金具1aを室内壁W1に沿うように固定する。なお、水栓金具1aは、取り外したものを再び用いても構わないし、新しいものを用いるようにしても構わない。
(5)図示していないが、少なくとも室内壁W1に新設配管(例えば、架橋ポリエチレン管)P2を挿通可能な最小限の孔を穿設し、新設配管P2を室内側に引き込み、ワンタッチ継手部6にその管端部を接続する。
なお、上記(4)、(5)の工程は、順序が逆であっても構わない。また、新設配管P2は、ワンタッチ継手部6との接続部以外の部分については、保温材等が管の周囲を囲むように設けられていても構わない。
【0028】
この更新構造及び更新工法は、上記のようになっているので、既設の配管P1を撤去することがなく、室内壁W1や躯体壁W2を除去する必要が無く、新たな新設配管P2用の小さな孔を壁、天井あるいは床に設けるだけでよいので、室内壁W1や躯体壁W2の復旧にかかる時間を削減できるとともに、コストダウンを図ることができる。
また、既設配管P1に管継手3aが支持されるので、水栓金具1aも既設配管P1に支持されることになり、水栓金具1aを介して室内壁にかかる荷重が少なく、壁材が、石膏ボードやユニットバスのカラー鋼板等の強度的に弱い材質の室内壁でもこの工法が採用できる。
【0029】
管継手3aのねじ筒部5aの中心軸が、取り付け部7aの中心軸と一致しているので、水栓金具1aは、管継手3aの室内壁F1からの突出厚み(ほぼ継手本体4a)分だけ室内側に配置されるが、室内壁W1の水平方向及び高さ方向の位置は、変更されない。
さらに、水栓金具1aのねじ筒部11をねじ筒部5aにねじ込む前に、固定ねじ73をねじ挿通孔72aを介して室内壁W1にねじ込み、ワンタッチ継手部6の位置がずれ動かないようにしているので、ねじ筒部11をねじ筒部5aにねじ込む際に管継手3aが共回りしてワンタッチ継手部6の方向が変わるということがない。
【0030】
図6は、上記管継手3aを用いた本発明の配管の更新構造及び更新方法の第2の実施の形態をあらわしている。
以下に、この更新構造及び更新工法を、図6及び図10を用いて説明する。
【0031】
(1)図10に示すように更新しようとする既設配管P1のねじ継手2とねじ接続された水栓金具1bを、ねじ接続を解除して取り外す。
(2)図6に示すように、フランジ部72が室内床F1にほぼ当接するとともに、継手本体4aのワンタッチ継手部6が後述する新設配管P2の挿入方向を向くように、管継手3aの取り付け部7aを、貫通孔H2を介してねじ継手2のねじ筒部21にねじ込む。
(3)固定ねじ73を、ねじ挿通孔72aを介して室内床F1にねじ込み、ワンタッチ継手部6の位置がずれ動かないようにする。
(4)水栓金具1aのねじ筒部11を継手本体4aのねじ筒部5aに螺合させて、管継手3aを介して水栓金具1aを室内床F1から立ち上がるように固定する。なお、水栓金具1aは、取り外したものを再び用いても構わないし、新しいものを用いるようにしても構わない。
(5)図示していないが、少なくとも室内壁W1に新設配管P3を挿通可能な最小限の孔を穿設し、新設配管P3を室内側に引き込み、ワンタッチ継手部6にその管端部を接続する。
【0032】
図7は、本発明の管継手の第2の実施の形態をあらわしている。
図7に示すように、この管継手3bは、継手本体4bのねじ筒部5bが、ワンタッチ継手部6と一直線上に並ぶようになっている以外は、上記管継手3aと同様になっている。図7において、管継手3aと同様に構成部分は、管継手3aと同じ符号を付している。
【0033】
図8は、本発明の管継手の第3の実施の形態をあらわしている。
図8に示すように、この管継手3cは、継手本体4cのねじ筒部5cが雄ねじ筒形状となっていて、一側にねじ部71が設けられた筒状をした取り付け部7bを備え、フランジ部72が設けられていない以外は、上記管継手3aと同様になっている。図8において、管継手3aと同様に構成部分は、管継手3aと同じ符号を付している。
【0034】
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。例えば、上記の実施の形態では、管継手がフランジ部に4つのねじ挿通孔を備えていたが、共回りを押えることができれば、無くても構わないし、その数は特に限定されない。
また、上記の実施の形態では、ねじ挿通孔を介して固定ねじを室内壁あるいは室内床にねじ込むようにしていたが、壁材の種類によっては釘を打ち込むようにしても構わない。
上記の実施の形態では、ワンタッチ継手部のノズル部にOリングがシール材として外嵌されていたが、断面略カマボコ形をしたリング状のシール材を用いるようにしても構わない。
【符号の説明】
【0035】
1a,1b 水栓金具
11 ねじ筒部(水栓金具)
2 ねじ継手
21 ねじ筒部(既設配管P1のねじ接続部)
3a,3b,3c 管継手
4a,4b,4c 継手本体
5a,5b,5c ねじ筒部
6 ワンタッチ継手部
7a,7b 取り付け部
71 ねじ部
72 フランジ部
72a ねじ挿通孔
73 固定ねじ
F1 室内床
F2 基礎床
H1,H2 貫通孔(室内引き込み用貫通孔)
P1 既設配管
P2,P3 新設配管
W1 室内壁
W2 躯体壁
【技術分野】
【0001】
本発明は、給水または給湯用配管の更新用管継手、この管継手を用いた配管の更新構造及び更新工法に関する。
【背景技術】
【0002】
図9または図10に示すように、室内壁W1と躯体壁W2との間や、室内床F1と、基礎床(床スラブの場合もある)F2との間、あるいは、躯体壁W2や基礎床F2に埋設状に給水あるいは給湯用の配管P1が設けられている。
そして、洗濯機設置室、浴室、洗面室などにおいては、室内壁W1あるいは室内床F1に、水栓金具1a(1b)が直接取り付けられる場合もある。
【0003】
なお、図9,10中、2は配管P1の端部に設けられたねじ継手11は水栓金具1a(1b)のねじ筒部、21はねじ継手2のねじ筒部、22はねじ継手2を支持する垂木、H1は室内壁W1に穿設された貫通孔、H2は室内床F1に設けられた貫通孔である。
また、水栓金具1a(1b)は、室内壁W1あるいは室内床F1の貫通孔H1内に入り込んだ配管P1の端部のねじ接続部であるねじ継手2のねじ筒部21に室内側から水栓金具1aのねじ筒部11をシールテープなどのシール材(図示せず)を介在させた状態でねじ込まれている。
【0004】
ところで、上記のような配管P1に経年劣化によって、詰りや漏水が生じた場合、躯体壁W2、室内壁W1や室内床F1、基礎床F2を構成する壁材や床材を壊すなどして一旦取り除き、配管P1の不具合部分を露出させ、配管P1を新たな配管(図示せず)に更新したのち、躯体壁W2、室内壁W1や室内床F1を修復する工法が採られることが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−89749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記一般的な配管の更新工法においては、一旦、躯体壁W2、室内壁W1や室内床F1を構成する壁材や床材を壊さなければならず、新たに復旧のための時間とコストが発生し住民等への負担が大きくなっている。
特に、集合住宅においては、他の住戸への騒音の問題もある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みて、室内壁や室内床を大きく壊すことがなく、施工性よく配管の更新を行うことができる給水または給湯用配管の更新用管継手、この管継手を用いた配管の更新構造及び更新工法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明にかかる給水または給湯用配管の更新用管継手(以下、「本発明の管継手」と記す)は、水栓金具と、この水栓金具に水または湯を供給する配管との間に介在し、一端に前記水栓金具にねじ接続可能なねじ筒部を有して他端に前記配管と接続可能な配管接続部を備える継手本体と、室内壁および/または室内床の裏側を通る給水または給湯用の既設配管を室内へ引き込むために壁または床に穿設された貫通孔を利用してこの継手本体を室内壁面または室内床面に沿って取り付け可能な取り付け部とを備えていることを特徴としている。
【0009】
本発明の管継手は、特に限定されないが、例えば、マンション、アパート、戸建て、ビル等の給水・給湯配管の更新に用いることができる。
【0010】
本発明にかかる給水または給湯用配管の更新構造は、上記本発明の管継手が、継手本体を室内側に配置した状態で、取り付け部を介して、室内壁および/または室内床の裏側を通る給水または給湯用の既設配管を室内へ引き込むために壁または床に穿設された貫通孔を塞ぐように取り付けられ、水栓金具が、前記管継手のねじ筒部に螺着され、新規に室内側に引き込まれた給水または給湯用の配管が、前記管継手の配管接続部に接続されていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明にかかる配管の更新方法は、室内壁および/または室内床の裏側を通る給水または給湯用の既設配管を室内へ引き込むために壁または床に穿設された貫通孔に臨む前記既設配管の端部ねじ接続部と、この端部ねじ接続部に連通状態でねじ接続された水栓金具とのねじ接続を解除し、水栓金具を取り外す工程と、本発明の管継手のねじ部を、前記貫通孔を介して室内側から前記端部ねじ接続部にねじ込んで、前記管継手を室内壁あるいは室内床に沿うように固定する工程と、室内側に露出するように新たに設けられた給水または給湯用の新設配管の一端を、前記継手本体の配管接続部に接続するとともに、新設の水栓金具または取り外した既設の水栓金具を前記継手本体のねじ筒部にねじ接続する工程とを備えることを特徴としている。なお、室内壁、室内床の裏側とは、それぞれに対して部屋内とは逆の側を指す。
【0012】
本発明において、上記管継手の取り付け部は、上記貫通孔を利用して取り付けることができれば、特に限定されず、上記貫通孔にパッキンやコーキング材を介して圧入する構造でも構わないが、継手本体のねじ筒部に螺合可能なねじ部を備え、このねじ部が、既設の水栓金具を取り除くことによって上記貫通孔に臨むように残った既設配管の水栓金具取り付けねじ筒部に螺合するようにすることが好ましい。
【0013】
また、取り付け部は、上記ねじ部と、このねじ部より継手本体部側に設けられたフランジ部とを有し、室内側から室内壁または室内床にねじ込まれ、継手本体のねじ部本体の中心軸周りの回転を抑止する固定ねじが挿通されるねじ挿通孔を、前記フランジ部に備えていることが好ましい。
すなわち、上記固定ねじを、フランジ部のねじ挿通孔を介して室内壁または室内床にねじ込むことによって、水栓金具を継手本体のねじ筒部にねじ込んでいく際に、継手本体が共回りすることを抑えることができる。
【0014】
また、上記管継手は、特に限定されないが、管継手の継手本体がエルボ形状をしていて、継手本体のねじ筒部の中心軸と、管継手のねじ部のねじ込み回転軸が一致していることが好ましい。
【0015】
また、管継手の配管接続部の接続構造は、特に限定されず、例えば、接着、融着、ねじ、圧縮、溶接、ゴム止水等及びその組み合わせなど、新設配管の材質によって自由に選択できるが、ワンタッチ接続可能に形成されていることが好ましい。
ワンタッチ接続とは、新設配管の端部を配管接続部に嵌合させることによって、接続部の止水及び新設配管の抜け止めがなされるもので、例えば、積水化学工業株式会社の商品名エスロメタッチや、積水化学工業株式会社の商品名エスロカチットのようなワンタッチ接続構造が挙げられる。
【0016】
新設配管として用いられる配管材としては、特に限定されないが、例えば、水道用硬質ポリ塩化ビニル管(VP、HIVP)、耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管(HT)、水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管、水道用耐熱性塩化ビニルライニング鋼管、一般配管用ステンレス鋼管などステンレス鋼管、架橋ポリエチレン管、ポリブテン管、及び、アルミニウム層を中間層にしてない外層が熱可塑性樹脂で形成された三層管等が挙げられる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の管継手は、以上のように、水栓金具と、この水栓金具に水または湯を供給する配管との間に介在し、一端に前記水栓金具にねじ接続可能なねじ筒部を有して他端に前記配管と接続可能な配管接続部を備える継手本体と、室内壁および/または室内床の裏側を通る給水または給湯用の既設配管を室内へ引き込むために壁または床に穿設された貫通孔を利用してこの継手本体を室内壁面または室内床面に沿って取り付け可能な取り付け部とを備えているので、本発明の配管の更新構造及び更新工法に好適である。
【0018】
そして、本発明の配管の更新構造は、上記本発明の管継手が、継手本体を室内側に配置した状態で、取り付け部を介して、室内壁および/または室内床の裏側を通る給水または給湯用の既設配管を室内へ引き込むために壁または床に穿設された貫通孔を塞ぐように取り付けられ、水栓金具が、前記管継手のねじ筒部に螺着され、新規に室内側に引き込まれた給水または給湯用の配管が、前記管継手の配管接続部に接続されている。また、本発明の更新工法は、室内壁および/または室内床の裏側を通る給水または給湯用の既設配管を室内へ引き込むために壁または床に穿設された貫通孔に臨む前記既設配管の端部ねじ接続部と、この端部ねじ接続部に連通状態でねじ接続された水栓金具とのねじ接続を解除し、水栓金具を取り外す工程と、本発明の管継手のねじ部を、前記貫通孔を介して室内側から前記端部ねじ接続部にねじ込んで、前記管継手を室内壁あるいは室内床に沿うように固定する工程と、室内側に露出するように新たに設けられた給水または給湯用の新設配管の一端を、前記継手本体の配管接続部に接続するとともに、新設の水栓金具または取り外した既設の水栓金具を前記継手本体のねじ筒部にねじ接続する工程とを備える。
したがって、本発明の配管の更新構造及び更新工法によれば、壁や床を壊して既設配管を取り除く必要がなくなる。すなわち、結果として壁や床の除去(壊し)が無くなるため、壁や床の復旧に掛かる時間等が削減できる。また、集合住宅等においては、他の住戸への施工時に騒音を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の管継手の第1の実施の形態をあらわし、同図(a)はその正面図、同図(b)はその左側面図、同図(c)はその底面図である。
【図2】図1のワンタッチ継手部の断面図である。
【図3】図2のワンタッチ継手部に新設配管を接続した状態の断面図である。
【図4】図1の管継手を用いた本発明の配管の更新工法の第1の実施の形態を説明する図であって、その施工手順を説明する図である。
【図5】図4の施工完了状態である本発明の更新構造を説明する図である。
【図6】図1の管継手を用いた本発明の配管の更新工法の第2の実施の形態であって、その施工完了状態を説明する図である。
【図7】本発明の管継手の第2の実施の形態をあらわし、同図(a)はその正面図、同図(b)はその左側面図、同図(c)はその底面図である。
【図8】本発明の継手の第3の実施の形態をあらわし、同図(a)はその正面図、同図(b)はその左側面図、同図(c)はその底面図である。
【図9】既設配管の配管施工構造の1例を説明する図である。
【図10】既設配管の配管施工構造の他例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1は、本発明の管継手の第1の実施の形態をあらわしている。
【0021】
図1に示すように、この管継手3aは、継手本体4aと、取り付け部7aとを備えている。
継手本体4aは、エルボ形状をしていて、一端にねじ筒部5aを有し、他端に配管接続部としてのワンタッチ継手部6を備えている。
【0022】
ねじ筒部5aは、内径が後述する水栓金具1aのねじ筒部11が螺合する雌ねじ筒になっているとともに開口端部に外側に張り出すフランジ部51を備えている。
ワンタッチ継手部6は、図2に示すように、接続される新設配管P2の内径ほぼ同じ外径をしたノズル部61と、このノズル部61との間に新設配管P2の挿入空間Sを形成する外筒部62とを備えている。
【0023】
ノズル部61には、Oリング61aがシール材として外嵌されている。
外筒部62には、抜け止めリング63と、締め付けリング64と、締め付けリング64を拡径状態に保持する拡径片65とが内装されている。
【0024】
そして、ワンタッチ継手部6は、新設配管P2の端部を挿入空間S内の所定位置まで挿入すると、図3に示すように、拡径片65が新設配管P2の先端で挿入空間Sの奥側に押し込まれて、締め付けリング64の間から離脱して締め付けリング64がその弾性力によって縮径して新設配管P2を締め付けて抜け止めが図られるとともに、シール材による確実な止水を確保する。また、新設配管P2に抜け方向の力が加わると、抜け止めリング63の爪部63aが新設配管P2の外周面に食い込むように作用してさらに確実な抜け止めが図られる。
【0025】
取り付け部7aは、ねじ部71と、フランジ部72とを備え、継手本体4aの外壁面から突出し、継手本体4a内と非連通状態になっている。
ねじ部71は、上記ねじ筒部5a内に入り込んで螺合可能な雄ねじ筒形状をしている。
【0026】
フランジ部72は、図1(b)に示すように、側面視長方形をしていて、図1(b)及び図1(c)に示すように、4つのねじ挿通孔72aが穿設されている。
【0027】
つぎに、図4、図5、図9を用いて、この管継手3aを用いた本発明の配管の更新構造及び更新工法の第1の実施の形態を説明する。
(1)図9に示すように更新しようとする既設の配管P1のねじ継手2とねじ接続された水栓金具1aを、ねじ接続を解除して、図4に示すように、一旦取り除く。
(2)図5に示すように、フランジ部72が室内壁W1にほぼ当接するとともに、継手本体4aのワンタッチ継手部6が後述する新設配管P2の挿入方向を向くように、管継手3aの取り付け部7aを、水栓金具6の取り除きによって、室内壁W1に露出した既設配管P1の引き込み用貫通孔H1を介してねじ継手2にねじ込む。
(3)4本(図4では2本しかあらわれていない)の固定ねじ73を、それぞれねじ挿通孔72aを介して室内壁W1にねじ込み、ワンタッチ継手部6の位置がずれ動かないようにする。
(4)水栓金具1aのねじ筒部11を継手本体4aのねじ筒部5aに螺合させて、管継手3aを介して水栓金具1aを室内壁W1に沿うように固定する。なお、水栓金具1aは、取り外したものを再び用いても構わないし、新しいものを用いるようにしても構わない。
(5)図示していないが、少なくとも室内壁W1に新設配管(例えば、架橋ポリエチレン管)P2を挿通可能な最小限の孔を穿設し、新設配管P2を室内側に引き込み、ワンタッチ継手部6にその管端部を接続する。
なお、上記(4)、(5)の工程は、順序が逆であっても構わない。また、新設配管P2は、ワンタッチ継手部6との接続部以外の部分については、保温材等が管の周囲を囲むように設けられていても構わない。
【0028】
この更新構造及び更新工法は、上記のようになっているので、既設の配管P1を撤去することがなく、室内壁W1や躯体壁W2を除去する必要が無く、新たな新設配管P2用の小さな孔を壁、天井あるいは床に設けるだけでよいので、室内壁W1や躯体壁W2の復旧にかかる時間を削減できるとともに、コストダウンを図ることができる。
また、既設配管P1に管継手3aが支持されるので、水栓金具1aも既設配管P1に支持されることになり、水栓金具1aを介して室内壁にかかる荷重が少なく、壁材が、石膏ボードやユニットバスのカラー鋼板等の強度的に弱い材質の室内壁でもこの工法が採用できる。
【0029】
管継手3aのねじ筒部5aの中心軸が、取り付け部7aの中心軸と一致しているので、水栓金具1aは、管継手3aの室内壁F1からの突出厚み(ほぼ継手本体4a)分だけ室内側に配置されるが、室内壁W1の水平方向及び高さ方向の位置は、変更されない。
さらに、水栓金具1aのねじ筒部11をねじ筒部5aにねじ込む前に、固定ねじ73をねじ挿通孔72aを介して室内壁W1にねじ込み、ワンタッチ継手部6の位置がずれ動かないようにしているので、ねじ筒部11をねじ筒部5aにねじ込む際に管継手3aが共回りしてワンタッチ継手部6の方向が変わるということがない。
【0030】
図6は、上記管継手3aを用いた本発明の配管の更新構造及び更新方法の第2の実施の形態をあらわしている。
以下に、この更新構造及び更新工法を、図6及び図10を用いて説明する。
【0031】
(1)図10に示すように更新しようとする既設配管P1のねじ継手2とねじ接続された水栓金具1bを、ねじ接続を解除して取り外す。
(2)図6に示すように、フランジ部72が室内床F1にほぼ当接するとともに、継手本体4aのワンタッチ継手部6が後述する新設配管P2の挿入方向を向くように、管継手3aの取り付け部7aを、貫通孔H2を介してねじ継手2のねじ筒部21にねじ込む。
(3)固定ねじ73を、ねじ挿通孔72aを介して室内床F1にねじ込み、ワンタッチ継手部6の位置がずれ動かないようにする。
(4)水栓金具1aのねじ筒部11を継手本体4aのねじ筒部5aに螺合させて、管継手3aを介して水栓金具1aを室内床F1から立ち上がるように固定する。なお、水栓金具1aは、取り外したものを再び用いても構わないし、新しいものを用いるようにしても構わない。
(5)図示していないが、少なくとも室内壁W1に新設配管P3を挿通可能な最小限の孔を穿設し、新設配管P3を室内側に引き込み、ワンタッチ継手部6にその管端部を接続する。
【0032】
図7は、本発明の管継手の第2の実施の形態をあらわしている。
図7に示すように、この管継手3bは、継手本体4bのねじ筒部5bが、ワンタッチ継手部6と一直線上に並ぶようになっている以外は、上記管継手3aと同様になっている。図7において、管継手3aと同様に構成部分は、管継手3aと同じ符号を付している。
【0033】
図8は、本発明の管継手の第3の実施の形態をあらわしている。
図8に示すように、この管継手3cは、継手本体4cのねじ筒部5cが雄ねじ筒形状となっていて、一側にねじ部71が設けられた筒状をした取り付け部7bを備え、フランジ部72が設けられていない以外は、上記管継手3aと同様になっている。図8において、管継手3aと同様に構成部分は、管継手3aと同じ符号を付している。
【0034】
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。例えば、上記の実施の形態では、管継手がフランジ部に4つのねじ挿通孔を備えていたが、共回りを押えることができれば、無くても構わないし、その数は特に限定されない。
また、上記の実施の形態では、ねじ挿通孔を介して固定ねじを室内壁あるいは室内床にねじ込むようにしていたが、壁材の種類によっては釘を打ち込むようにしても構わない。
上記の実施の形態では、ワンタッチ継手部のノズル部にOリングがシール材として外嵌されていたが、断面略カマボコ形をしたリング状のシール材を用いるようにしても構わない。
【符号の説明】
【0035】
1a,1b 水栓金具
11 ねじ筒部(水栓金具)
2 ねじ継手
21 ねじ筒部(既設配管P1のねじ接続部)
3a,3b,3c 管継手
4a,4b,4c 継手本体
5a,5b,5c ねじ筒部
6 ワンタッチ継手部
7a,7b 取り付け部
71 ねじ部
72 フランジ部
72a ねじ挿通孔
73 固定ねじ
F1 室内床
F2 基礎床
H1,H2 貫通孔(室内引き込み用貫通孔)
P1 既設配管
P2,P3 新設配管
W1 室内壁
W2 躯体壁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水栓金具と、この水栓金具に水または湯を供給する配管との間に介在し、一端に前記水栓金具にねじ接続可能なねじ筒部を有して他端に前記配管と接続可能な配管接続部を備える継手本体と、
室内壁および/または室内床の裏側を通る給水または給湯用の既設配管を室内へ引き込むために壁または床に穿設された貫通孔を利用してこの継手本体を室内壁面または室内床面に沿って取り付け可能な取り付け部とを備えていることを特徴とする給水または給湯用配管の更新用管継手。
【請求項2】
前記取り付け部がねじ筒部に螺合可能な形状のねじ部を備えている請求項1に記載の更新用管継手。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の管継手が、継手本体を室内側に配置した状態で、取り付け部を介して、室内壁および/または室内床の裏側を通る給水または給湯用の既設配管を室内へ引き込むために壁または床に穿設された貫通孔を塞ぐように取り付けられ、
水栓金具が、前記管継手のねじ筒部に螺着され、
新規に室内側に引き込まれた給水または給湯用の配管が、前記管継手の配管接続部に接続されていることを特徴とする給水または給湯用配管の更新構造。
【請求項4】
室内壁および/または室内床の裏側を通る給水または給湯用の既設配管を室内へ引き込むために壁または床に穿設された貫通孔に臨む前記既設配管の端部ねじ接続部と、
この端部ねじ接続部に連通状態でねじ接続された水栓金具とのねじ接続を解除し、水栓金具を取り外す工程と、
請求項2に記載の管継手のねじ部を、前記貫通孔を介して室内側から前記端部ねじ接続部にねじ込んで、前記管継手を室内壁あるいは室内床に沿うように固定する工程と、
室内側に露出するように新たに設けられた給水または給湯用の新設配管の一端を、前記継手本体の配管接続部に接続するとともに、新設の水栓金具または取り外した既設の水栓金具を前記継手本体のねじ筒部にねじ接続する工程とを備えることを特徴とする配管の更新工法。
【請求項5】
管継手の取り付け部が、ねじ筒部にねじ接続可能なねじ部と、このねじ部より継手本体部側に設けられたフランジ部とを有し、
室内側から室内壁または室内床にねじ込まれ、継手本体のねじ部本体の中心軸周りの回転を抑止する固定ねじが挿通されるねじ挿通孔を、前記フランジ部に備えている請求項4に記載の配管の更新工法。
【請求項6】
管継手の継手本体がエルボ形状をしていて、継手本体のねじ筒部の中心軸と、管継手のねじ部のねじ込み回転軸が一致している請求項4または請求項5に記載の配管の更新工法。
【請求項7】
配管接続部が、新設配管をワンタッチ接続可能に形成されている請求項4〜請求項6のいずれかに記載の配管の更新工法。
【請求項1】
水栓金具と、この水栓金具に水または湯を供給する配管との間に介在し、一端に前記水栓金具にねじ接続可能なねじ筒部を有して他端に前記配管と接続可能な配管接続部を備える継手本体と、
室内壁および/または室内床の裏側を通る給水または給湯用の既設配管を室内へ引き込むために壁または床に穿設された貫通孔を利用してこの継手本体を室内壁面または室内床面に沿って取り付け可能な取り付け部とを備えていることを特徴とする給水または給湯用配管の更新用管継手。
【請求項2】
前記取り付け部がねじ筒部に螺合可能な形状のねじ部を備えている請求項1に記載の更新用管継手。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の管継手が、継手本体を室内側に配置した状態で、取り付け部を介して、室内壁および/または室内床の裏側を通る給水または給湯用の既設配管を室内へ引き込むために壁または床に穿設された貫通孔を塞ぐように取り付けられ、
水栓金具が、前記管継手のねじ筒部に螺着され、
新規に室内側に引き込まれた給水または給湯用の配管が、前記管継手の配管接続部に接続されていることを特徴とする給水または給湯用配管の更新構造。
【請求項4】
室内壁および/または室内床の裏側を通る給水または給湯用の既設配管を室内へ引き込むために壁または床に穿設された貫通孔に臨む前記既設配管の端部ねじ接続部と、
この端部ねじ接続部に連通状態でねじ接続された水栓金具とのねじ接続を解除し、水栓金具を取り外す工程と、
請求項2に記載の管継手のねじ部を、前記貫通孔を介して室内側から前記端部ねじ接続部にねじ込んで、前記管継手を室内壁あるいは室内床に沿うように固定する工程と、
室内側に露出するように新たに設けられた給水または給湯用の新設配管の一端を、前記継手本体の配管接続部に接続するとともに、新設の水栓金具または取り外した既設の水栓金具を前記継手本体のねじ筒部にねじ接続する工程とを備えることを特徴とする配管の更新工法。
【請求項5】
管継手の取り付け部が、ねじ筒部にねじ接続可能なねじ部と、このねじ部より継手本体部側に設けられたフランジ部とを有し、
室内側から室内壁または室内床にねじ込まれ、継手本体のねじ部本体の中心軸周りの回転を抑止する固定ねじが挿通されるねじ挿通孔を、前記フランジ部に備えている請求項4に記載の配管の更新工法。
【請求項6】
管継手の継手本体がエルボ形状をしていて、継手本体のねじ筒部の中心軸と、管継手のねじ部のねじ込み回転軸が一致している請求項4または請求項5に記載の配管の更新工法。
【請求項7】
配管接続部が、新設配管をワンタッチ接続可能に形成されている請求項4〜請求項6のいずれかに記載の配管の更新工法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−202470(P2012−202470A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67102(P2011−67102)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】
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