給水ポンプのモータ制御装置
【課題】 給水タンク内の水が無くなったとき、給水ポンプのモータを停止するようにした給水ポンプのモータ制御装置を得る。
【解決手段】 モータの回転数が所定の停止回転数を超えたことを検知してモータを停止する制御回路を備える。
【解決手段】 モータの回転数が所定の停止回転数を超えたことを検知してモータを停止する制御回路を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、冷蔵庫などの自動製氷機に使用される給水ポンプのモータ駆動制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図24は、冷蔵庫などの自動製氷機の給水ポンプに使用する一般的な直流ブラシレスモータ(以下DC−BLMという)の制御・駆動回路の構成を表したブロック図である。図中、1はDC−BLM、2はDC−BLM1を駆動するための駆動回路、11はDC−BLM1のSTART、STOPなどの制御を行うための制御回路、4はDC−BLM1の回転位置を検出するための位置検出装置で、ホール素子や磁気抵抗(MR)素子、コイルなどが使用され、その位置信号は駆動回路2に入力される。
【0003】
図25は、冷蔵庫などで使用している自動製氷機の給水タンク部の一例を示す縦断面図である。5は回転可能に取り付けられたマグネットロータで、水などを給水するための羽根車が取り付けられている。6はステータコイルで、磁界を発生することによりロータ5を回転させる。7はステータコイル6や位置検出回路4、駆動回路2などを取り付けるための回路基板、8は給水タンク、9は給水タンク8に入れられている水、10は水9を製氷皿(図示せず)に給水するための給水ポンプで、中にロータ5が内蔵されている。ロータ5を含む給水ポンプ10は、給水タンク8内にステータコイル6と分離可能な状態で設置されている。給水タンク8の水9が無くなった時に給水タンク8に水9を入れるために、給水タンク8は取り外すことが出来るような構造になっている。
【0004】
次に動作について説明する。位置検出回路4によりDC−BLM1のロータ5の回転位置に対応した信号が出力される。一般にホール素子などが使われ、磁界の大きさに対応した電圧が出力される。駆動回路2は、入力された位置信号を元にステータコイル6に駆動電圧を印加する。印加された駆動電圧によりステータコイル6に磁界が発生し、この磁界により、ロータ5に回転トルクが発生し回転する。これにより、給水ポンプ10が駆動される。
【0005】
図26は製氷皿に一定の水9を給水するための簡単な動作シーケンスの一例を示すフローチャートである。給水開始信号が出ると(ステップS1)、制御回路11は、駆動回路2にモータSTART信号を送りDC−BLM1を回転させる(ステップS2)。DC−BLM1のロータ5が回転することによりロータ5に取り付けられた羽根車により水9は、給水ポンプ10の出口から送出され製氷皿に給水される。給水時間を判定し所定の給水量に相当する給水時間だけDC−BLM1を回転させると(ステップS3)、制御回路11から駆動回路2にモータSTOP信号を送りDC−BLB1を停止させる(ステップS4)。このシーケンスにより、製氷皿に水を一定量送ることが出来る。このときの駆動電圧と回転数との関係を図27に示す。給水量は、DC−BLM1の駆動時間にほぼ比例するため、駆動時間を変更することにより給水量を変える事が出来る。
【特許文献1】特開平6−346860号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の給水ポンプモータの制御は以上のように構成されているので、給水タンク8内の水9の有無に関係無くあらかじめ設定されている給水時間だけDC−BLM1を駆動させているため給水タンク8内の水が無くなってもDC−BLM1は駆動し続けるという問題点があった。
【0007】
また、あらかじめ設定した駆動電圧でDC−BLM1を駆動させるため給水開始時に製氷皿が水をはじいてしまい製氷皿周辺に水が飛び散ってしまうという問題点があった。
【0008】
また、製氷皿で受けた水を凍らせている間給水ポンプは停止しているため、給水タンク内の水が劣化しやすくなるという問題点があった。
【0009】
また、給水タンク8内の水の量に関係無くあらかじめ設定されている給水時間だけDC−BLM1を駆動させるため給水タンク8内の水量によって給水される水の量が変わってしまうという問題点があった。
【0010】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、モータの回転数、電流などを検出することにより、モータの運転、停止制御を行うものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係る給水ポンプのモータ制御装置は、モータ起動時の水の送出量を所定の送出量より少なくし、その後、徐々に所定の送出量になるようにモータ回転数を制御するようにしたものである。
【0012】
また、モータの回転数を任意の低回転数で起動し、所定の時間経過後に設定回転数で回転するようにしたものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下のような効果がある。
【0014】
ロータの回転数が所定の停止回転数を超えたことを検知してモータを停止させているので、給水タンク内の水が無くなってもモータを動かし続けることがなく、省エネ効果がある。
【0015】
モータの駆動電流を利用して検知しているので、回路構成が非常に安価にできる。
【0016】
モータの回転数やトルクを制御するための制御指令値信号を利用して検知しているので、回路構成が非常に安価にできる。
【0017】
起動直後の一定期間は水の有無検出を行わず、モータ停止信号を無視するので、起動時の誤作動を抑えることができる。
【0018】
モータの回転数を徐々に上げるためのシーケンスを追加しているので、制御回路が安価にできる。また、給水される製氷皿周辺への飛び散りが減少するため清掃性が向上し衛生的になる。
【0019】
モータ起動時の水の送出量を最小に設定したので、給水される製氷皿周辺への飛び散りが減少するため清掃性が向上し衛生的になる。
【0020】
モータの回転数を任意の低回転数で起動し、所定の時間回転後所定の回転数に上げているので、給水される製氷皿周辺への飛び散りが減少するため清掃性が向上し衛生的になる。
【0021】
給水しない時は給水しない回転数でモータを動かすことができるので、給水タンク内の水を巡回でき、給水タンク内壁にぬめりがつきにくくなり給水タンク内の水の劣化を抑えることができる。
【0022】
給水タンクの水の水量からモータの回転数や給水時間を設定するため、給水タンクの水の水量に拘らず一定の量の水を製氷皿に給水することができる。
【0023】
給水タンクの水の水量をモータの回転数から推定するため、制御回路が安価にできる。
【0024】
給水タンクの水の水量をモータの電流から推定するため、制御回路が安価にできる。
【0025】
給水タンクの水の水量をモータの制御指令値から推定するため、制御回路が安価にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について説明する。図1は、冷蔵庫などの自動製氷機の給水ポンプに使用する、この発明のポンプモータの制御・駆動回路の構成を表したブロック図である。図1において、1はDC−BLM、2はDC−BLM1を駆動するための駆動回路、3はDC−BLM1のSTART,STOPなどの制御やDC−BLM1のロータの回転数や駆動回路2がDC−BLM1に印加する電流などを検出するための制御回路、4は磁界の大きさなどによりDC−BLM1の回転位置を検出するための位置検出回路で、ホール素子、磁気抵抗(MR)素子やコイルなどが使用され、その位置信号は駆動回路2と制御回路3に入力される。
【0027】
次に動作について説明する。一般に位置検出装置付DC−BLM1の駆動回路の場合、位置検出回路4から出力されたDC−BLM1の回転位置信号は、駆動回路2に入力される。一般に位置検出回路4としてはホール素子などが使われ、磁界の大きさに対応した電圧が出力される。入力された位置信号を元にDC−BLM1のステータコイル6に駆動電圧を印加する。これによりロータ5に回転トルクが発生しロータ5が回転する。ロータ5の回転により位置検出信号の電圧が変化する。その位置信号の変化に対応したロータ5の位置にあったステータコイル6に電圧が印加されることによりロータ5が回転し続けることになる。また、制御回路3では、位置検出回路4からの位置検出信号により回転数を、駆動回路2のDC−BLM1への電流、電圧などからDC−BLM1のトルクを検出することができ、それを元に回転数やトルクなどを制御することもできる。
【0028】
ロータ5の回転は、ロータ5にかかる負荷により回転数が変化する。負荷が軽い場合は回転が高く、負荷が重い場合は回転が低くなる。給水タンクに水が無くなった場合は、ロータの負荷が軽くなるため、図2に示すように回転数が上昇する。あらかじめ、停止回転数を設定しておき停止回転数を超えた場合は、給水タンク8に水が無くなったと判断しDC−BLM1の駆動を停止する。また、負荷が重く回転数が低くなり給水可能回転数を下回った場合は、給水ができなくなるため同様にDC−BLM1の駆動を停止する。
【0029】
図3は製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスの一例を示すフローチャートである。給水開始信号が出ると(ステップS11)、制御回路3は、駆動回路2にモータSTART信号を送りDC−BLM1を回転させる(ステップS12)。DC−BLM1のロータ5が回転することによりロータ5に取り付けられた羽根車により水9は、給水ポンプ10の出口から送出され製氷皿に給水される。制御回路3は位置検出回路4からの位置検出信号からロータ5の回転数を検出し、図2の停止回転数以下か否かを判定する(ステップS13)。停止回転数以下であれば回転を続け、停止回転数を超えればDC−BLM1を停止させる(ステップS14)。また、給水可能な回転数に達したか否かを判定し(ステップS15)、何らかの原因でロータ5の負荷が非常に大きく回転数が給水可能な回転数に達しないときは、給水ポンプ10から水が給水できないためDC−BLM1を停止させる(ステップS14)。
【0030】
続いて、給水時間を判定し、給水時間があらかじめ設定した給水時間に達したときは(ステップS16)、制御回路3から駆動回路2にモータSTOP信号を送りDC−BLM1を停止させる(ステップS14)。給水時間に達していなければ、回転を続け、回転数の検出ルーチンへ戻る。
【0031】
このシーケンスにより、給水タンク8内に十分な水9がある場合は、製氷皿に水を一定量送ることが出来る。給水タンク8内に十分な水9が無い場合には、DC−BLM1が停止するため無駄な電力を消費することが無い。また、水9が無いことも検出できるためユーザに知らせることも可能である。また、給水量は、DC−BLM1の駆動時間にほぼ比例するため、駆動時間を変更することにより給水量を変えることが出来る。
【0032】
なお、この実施の形態では、回転数を判定してから給水時間を判定しているが、給水時間を判定してから回転数を判定しても同様の効果を奏する。
【0033】
なお、この実施の形態では、使用している給水ポンプモータをDC−BLMとして説明したが、DC−BLM以外のモータを使用しても同様の効果を奏する。
【0034】
ハードの変更をせずソフトの変更だけで実現できるため、リサイクルのために行ったハード面の対策に影響を及ぼすことはない。
【0035】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、DC−BLM1の回転数を検出してDC−BLM1の駆動を停止するポンプモータ制御について説明したが、DC−BLM1の駆動電流を検出してDC−BLM1の駆動を停止しても同様の効果を奏する。
【0036】
図4は、この発明の実施の形態2を示すポンプモータ制御を説明するための特性図である。DC−BLM1を使って給水ポンプ10から水を給水しているときは、図4に示す運転可能範囲内の駆動電流が流れている。駆動電流は、ロータ5にかかる負荷によって変化し、負荷が小さいときには電流が少なく、負荷が大きいときには電流が多く流れる。給水タンク8内に水9が無くなるとロータ5の負荷が小さくなるためDC−BLM1の電流は非常に小さくなる。また、何らかの原因で負荷が大きくなった場合は、図5に示すようにDC−BLM1の電流は大きくなり、回転数が低下するために給水ができなくなる。そこで、DC−BLM1の駆動電流が、運転可能範囲を外れたときには水9が無いか、給水不可能と判断してDC−BLM1を停止する。
【0037】
図6は製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスの一例を示すフローチャートである。給水開始信号が出ると(ステップS21)、制御回路3は、駆動回路2にモータSTARTの信号送りDC−BLM1を回転させる(ステップS22)。DC−BLM1のロータ5が回転することによりロータ5に取り付けられた羽根車により水9は、給水ポンプ10の出口から送出され製氷皿に給水される。制御回路3は駆動回路2からステータコイル6に印加している駆動電流を検出し図4、図5の運転可能範囲内であるか否かを判定し(ステップS23)、運転可能範囲内であれば回転を続け、範囲外であればDC−BLM1を停止させる(ステップS24)。
【0038】
続いて、給水時間を判定し、給水時間があらかじめ設定した給水時間に達したときは(ステップS25)、制御回路3から駆動回路2にモータSTOP信号を送りDC−BLM1を停止させる(ステップS24)。給水時間に達していなければ、回転を続け、回転数の検出ルーチンへ戻る。
【0039】
このシーケンスにより、給水タンク8内に十分な水9がある場合は、製氷皿に水を一定量送ることが出来る。給水タンク8内に十分な水9が無い場合には、DC−BLM1が停止するため無駄な電力を消費することが無い。また、水9が無いことも検出できるためユーザに知らせることも可能である。また、給水量は、DC−BLM1の駆動時間にほぼ比例するため、駆動時間を変更することにより給水量を変えることが出来る。
【0040】
なお、この実施の形態2では、電流を判定してから給水時間を判定しているが、給水時間を判定してから電流を判定しても同様の効果を奏する。
【0041】
なお、この実施の形態2では、使用しているモータをDC−BLMとして説明したが、DC−BLM以外のモータを使用しても同様の効果を奏する。
【0042】
実施の形態3.
上記実施の形態1、2では、DC−BLM1の回転数、駆動電流を検出してDC−BLM1の駆動を停止するポンプモータ制御について説明したが、DC−BLM1の回転数、トルク等の制御を行う制御回路の制御指令値を検出してDC−BLM1の駆動を停止しても同様の効果を奏する。
【0043】
図7は、この発明の実施の形態3を示すポンプモータ制御を説明するための特性図である。位置検出回路4からの位置検出信号や駆動回路2からの駆動電流からロータ5の回転数やトルクを検出し、回転数やトルクなどを一定になるように制御している場合は、ロータ5にかかる負荷により制御指令値も変化する。例えば、ロータ5の回転数を制御している場合、ロータ5にかかる負荷が小さくなると回転数が高くなるため制御指令値は回転数を所定の値に下げるために変化する。図7の場合は、制御指令値が小さくなるような制御を例にしている。また、ロータ5にかかる負荷が大きくなると回転数が小さくなるため制御指令値は大きくなるように制御する。給水タンク8内に水9が無くなるとロータ5の負荷が小さくなるため制御指令値は非常に小さくなる。また、何らかの原因で負荷が大きくなった場合は、制御指令値は大きくなり、ある程度大きくなると制御範囲を越えてしまい回転数が低下するために給水ができなくなる。そこで、制御指令値が、所定の範囲すなわち、停止指令値1と停止指令値2との間を外れたときには水9が無いか、給水不可能と判断してDC−BLM1を停止する。
【0044】
図8は製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスの一例を示すフローチャートである。給水開始信号が出ると(ステップS31)、制御回路3は、駆動回路2にモータSTART信号を送りモータを回転させる(ステップS32)。ロータ5が回転することによりロータ5に取り付けられた羽根車により水9は、給水ポンプ10の出口から送出され製氷皿に給水される。制御回路3は、位置検出回路4からロータ5の回転数を、駆動回路2からステータコイル6に印加している駆動電流をそれぞれ検出し、これにより制御指令値が図7の停止指令値1乃至2の範囲内であるか否かを判定し(ステップS33)、所定の範囲内であれば回転を続け、範囲外であればDC−BLM1を停止させる(ステップS34)。
【0045】
続いて、給水時間を判定し、給水時間があらかじめ設定した給水時間に達したときは(ステップS35)、制御回路3から駆動回路2にモータSTOP信号を送りDC−BLM1を停止させる。給水時間に達していなければ、回転を続け、回転数の検出ルーチンへ戻る。
【0046】
このシーケンスにより、給水タンク8内に十分な水9がある場合は、製氷皿に水を一定量送ることが出来る。給水タンク8内に十分な水9が無い場合には、DC−BLM1を停止するため無駄な電力を消費することが無い。また、水9が無いことも検出できるためユーザに知らせることも可能である。また、給水量は、モータの駆動時間にほぼ比例するため、駆動時間を変更することにより給水量を変えることが出来る。
【0047】
なお、この実施の形態3では、制御指令値を判定してから給水時間を判定しているが、給水時間を判定してから制御指令値を判定しても同様の効果を奏する。
【0048】
なお、この実施の形態3では、使用しているモータをDC−BLMとして説明したが、DC−BLM以外のモータを使用しても同様の効果を奏する。
【0049】
実施の形態4.
上記実施の形態1〜3では、給水タンク8内の水9の有無や何らかの原因でロータ5の回転数が上がらないときにDC−BLM1を停止するようにしていた。
【0050】
DC−BLM1の起動は、ロータ5が停止状態から徐々に回転数が上がり所定の回転数に達する。その時の駆動電流は、ロータ5の停止時は最大電流が流れ、回転数が上がるにつれて徐々に小さくなりやがて定常電流に達する。回転数やトルクを制御している場合は、ロータ5が停止している状態で制御指令値は最大となり、所定の回転数に近づくにつれ所定の制御指令値となる。
【0051】
上記実施の形態1〜3の場合、起動時に回転数、電流や制御指令値が所定の範囲から外れてしまいモータ停止の制御がかかってしまう恐れがある。そこで、実施の形態4では、正常起動状態において、DC−BLM1が所定の回転数になるまでの時間は、回転数、電流や制御指令値が所定の範囲外であってもモータ停止の制御を行わないようにする。その後、上記実施の形態1〜3のルーチンに入るようにする。これにより、起動時の誤制御をなくすことができる。
【0052】
実施の形態5.
図9は、この発明の実施の形態5によるポンプモータ制御を示す特性図である。図9において、横軸は時間、縦軸は給水ポンプ10からの水9の送出量を表している。給水開始時の送出量を所定の送出量より少なくし、徐々に送出量を増加し所定の送出量になるようにする。給水開始時に所定の送出量で送出すると、製氷皿に勢いよく水9が入り、製氷皿の周辺に水9が飛び散ってしまう恐れがある。しかし、給水開始時の送出量を減らすことにより、製氷皿周辺への飛び散りを減らすことができる。その後、所定の給水量に徐々に近づけることにより製氷皿周辺への飛び散りを減らすことができる。
【0053】
図10は製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスの一例を示すフローチャートである。給水開始信号が出ると(ステップS41)、制御回路3は、駆動回路2にモータSTART信号を送りモータを回転させる(ステップS42)。ロータ5が回転することによりロータ5に取り付けられた羽根車により水9は、給水ポンプ10の出口から送出された製氷皿に給水される。このとき給水開始時のロータ5の回転数は予め所定の回転数よりも低い値に設定されている。制御回路3は位置検出回路4からロータ5の回転数を検出し(ステップS43)、所定の回転数に達していなければ到達するまでロータ5の回転数を上げる(ステップS44)。所定の回転数に達したらそのままの回転数で回転を続ける。
【0054】
続いて、給水時間を判定し(ステップS45)、給水時間があらかじめ設定した給水時間に達したときは制御回路3から駆動回路2にモータSTOP信号を送りDC−BLM1を停止させる(ステップS46)。給水時間に達していなければ、回転を続け、回転数の検出ルーチンへ戻る。
【0055】
このシーケンスにより、給水開始時の送出量を減らすことにより製氷皿周辺への水9の飛び散りを抑えることができる。また、給水量は、モータの駆動時間にほぼ比例するため、駆動時間を変更することにより給水量を変えることが出来る。
【0056】
なお、給水開始時の送出量を所定の送出量より少なくしてるが、送出可能な最低量に予め設定してから給水を開始しても良い。
【0057】
なお、この実施の形態5では、回転数の判定と回転数の増加を行った後、給水時間の判定を行っているが、逆に給水時間を判定してから回転数の判定と回転数の増加を行っても同様の効果を奏する。
【0058】
なお、この実施の形態5では、使用しているモータをDC−BLMとして説明したが、DC−BLM以外のモータを使用しても同様の効果を奏する。
【0059】
実施の形態6.
上記実施の形態5では、給水開始から徐々に回転数を増加して所定の回転数にまで上昇させているが、給水開始から所定の時間送出量を維持した回転数をあげ所定の送出量にしても同様の効果を奏する。
【0060】
図11は、この発明の実施の形態6によるポンプモータ制御を示す特性図である。図11において、横軸は時間、縦軸はポンプ10からの水9の送出量を表している。給水開始時は送出量を所定の送出量より少なく、または、送出可能な最低量にし、所定時間t1の間その送出量を維持する。その後、徐々に送出量を増加し所定の送出量になるようにする。給水開始時に所定の送出量で送出すると、製氷皿に勢いよく水9が入り、製氷皿の周辺に水9が飛び散ってしまう。しかし、給水開始時の送出量を減らすことにより製氷皿周辺への飛び散りを減らすことができる。また、給水開始時の少ない送出量で所定時間t1維持し製氷皿へある程度の水9が溜まってから所定の送出量に増加させることによりさらに製氷皿周辺への飛び散りを軽減することができる。
【0061】
図12は製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスの一例を示すフローチャートである。給水開始信号が出ると(ステップS51)、制御回路3は、駆動回路2にモータSTART信号を送りモータを回転させる(ステップS22)。ロータ5が回転することによりロータ5に取り付けられた羽根車により水9は、給水ポンプ10の出口から送出され製氷皿に給水される。このときのロータ5の回転数は所定の回転数より低い値、または、送出可能な最低回転数に設定されている(ステップS53)。モータSTARTから所定時間t1経過したかを判定し(ステップS54)、t1経過すれば制御回路3は位置検出回路4からロータ5の回転数を検出する(ステップS55)。所定の回転数に達していなければ到達するまでロータ5の回転数を上げる(ステップS56)。所定の回転数に達したらそのままの回転数で回転を続ける。
【0062】
続いて、給水時間を判定し(ステップS57)、給水時間があらかじめ設定した給水時間に達したときは制御回路3から駆動回路2にモータ停止信号を送りDC−BLM1を停止させる(ステップS58)。給水時間に達していなければ、回転を続け、回転数の検出ルーチンへ戻る。
【0063】
このシーケンスにより、給水開始時の送出量を減らすことにより製氷皿周辺への水9の飛び散りを抑えることができる。また、給水量は、モータの駆動時間にほぼ比例するため、駆動時間を変更することにより給水量を変えることが出来る。
【0064】
なお、この実施の形態6では、所定時間t1後に徐々に送出量を増加させていたが、所定時間t1の値によっては、所定時間t1後に直ちに所定の送出量にしても同様の効果を奏する。
【0065】
なお、この実施の形態6では、回転数の判定と回転数の増加を行った後、給水時間の判定を行っているが、逆に給水時間を判定してから回転数の判定と回転数の増加を行っても同様の効果を奏する。
【0066】
なお、この実施の形態6では、使用しているモータをDC−BLMとして説明したが、DC−BLM以外のモータを使用しても同様の効果を奏する。
【0067】
実施の形態7.
図13は、この発明の実施の形態7によるポンプモータ制御を示す特性図である。横軸に時間、縦軸に回転数とDC−BLM1に印加する駆動電圧を表わしている。
【0068】
図14は、冷蔵庫などで使用している自動製氷機の給水タンク部の一例を示す縦断面図である。5は回転可能に取り付けられたマグネットロータで、水などを給水するための羽根車が取り付けられている。6はステータコイルで、磁界を発生することによりロータ5を回転させる。7はステータコイル6や位置検出回路4、駆動回路2などを取り付けるための回路基板、8は給水タンク、9は給水タンク8に入れられている水、10は水9を製氷皿に給水するための給水ポンプで、中にロータ5が内蔵されている。給水ポンプ10は、給水タンク8内にステータコイル6と分離可能な状態で設置されている。給水ポンプ10上部の給水境界位置を越えると水9が製氷皿などに給水される。給水タンク8の水9が無くなった時に給水タンク8に水9を入れるために、給水タンク8は取り外すことが出来るような構造になっている。
【0069】
次に動作について説明する。製氷皿などに水9を給水する時は、DC−BLM1に駆動電圧を印加する。このときの駆動電圧は、図14の給水境界位置を越える揚程となる回転数となる電圧に設定する。これにより製氷皿に水9が給水されることになる。製氷皿に所定の水量が給水されると給水を止めるためにDC−BLM1に印加している駆動電圧を下げる。このときの駆動電圧は、図14の給水境界位置以下の揚程となる電圧に設定することにより製氷皿に給水されることはない。
【0070】
通常、給水しないときにはロータ5の回転を止めるために、駆動電圧は印加しない。このとき、給水タンク8内の水9はそのままの状態を保つことになる。このため、給水タンク8内の壁面にぬめりが発生し水9を劣化させることになる。そこで、給水しないときには、図13のように水9が給水境界位置に達しない程度でロータ5を回転させる。ロータの回転により給水タンク8内の水9は巡回させられることになる。これにより、給水タンク8の壁面に発生するぬめりを抑えることができ、水9の劣化を抑えることが可能となる。
【0071】
上記実施の形態7の場合、給水しない時に常にロータ5を回転させているが、断続運転や任意の時間だけ運転をしても同様な効果を奏する。
【0072】
なお、実施の形態7では、使用しているモータをDC−BLMとして説明したが、DC−BLM以外のモータを使用しても同様の効果を奏する。
【0073】
実施の形態8.
図15は、この発明の実施の形態8によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。横軸に給水タンク8内の水量、縦軸に回転数を表している。給水タンク8、給水ポンプ10の形状、DC−BLM1の特性によりグラフの形は変わるが、この実施の形態8では、図15に示す特性について説明する。図15において、水量が多くなると回転数が下がり、水量が少なくなると回転数が上がる。
【0074】
図16は、横軸に給水タンク8内の水量、縦軸に給水ポンプ10から流出される流量を表している。給水タンク8内の水9の水量が多くなると水9の上面から給水境界位置までの長さが短くなるため、流量が多くなる。このため、DC−BLM1の負荷としては大きくなり、回転数は低くなる。給水タンク8内の水9の水量が少なくなるにつれ図16に示すように流量も少なくなるため、図15に示すように回転数が高くなる。上記のことより、DC−BLM1の回転数を計測すれば、給水タンク8内の水9の水量を推定することができる。
【0075】
図17は製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスの一例を示すフローチャートである。給水開始信号が出ると(ステップS61)、制御回路3は、駆動回路2にモータSTART信号を送りDC−BLM1を回転させる(ステップS62)。ロータ5が回転することによりロータ5に取り付けられた羽根車により水9は、給水ポンプ10の出口から送出され製氷皿に給水される。制御回路3は、位置検出回路4からの位置検出信号でロータ5の回転数を検出し、図15から給水タンク8内の水9の水量を推定する(ステップS63)。この水量から、製氷皿に給水する水9が所定の量になるためのDC−BLM1の回転数、または給水時間を設定する(ステップS64)。そして、設定した回転数で回転を続け給水する。
【0076】
続いて、設定した給水時間に達したか否かを判定し(ステップS65)、給水時間が設定した給水時間に達したときは制御回路3から駆動回路2にモータSTOP信号を送りDC−BLM1を停止させる(ステップS66)。給水時間に達していなければ回転を続ける。
【0077】
このシーケンスにより、給水タンク8内に水9の水量に拘らず、製氷皿に一定量の水を送ることが出来る。また、給水量は、モータの回転数、給水時間により自由に変えることができる。
【0078】
また、DC−BLM1の回転数から給水タンク8内の水9の水量が推定できるため、給水タンク8内の水9では製氷皿に所定の量を給水できない場合は、給水を停止し、または、使用者に知らせることもできる。
【0079】
なお、この実施の形態では、使用しているモータをDC−BLMとして説明したが、DC−BLM以外のモータを使用しても同様の効果を奏する。
【0080】
実施の形態9.
図18は、この発明の実施の形態9によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。横軸に給水タンク8内の水量、縦軸にDC−BLM1の駆動電流を表している。給水タンク8、給水ポンプ10の形状、DC−BLM1の特性によりグラフの形は変わるが、この実施の形態9では、図18に示す特性について説明する。図18において、水量が多くなると駆動電流が上り、水量が少なくなると駆動電流が下がる。
【0081】
図19は、横軸に給水タンク8内の水量、縦軸にポンプ10から送出される流量を表している。給水タンク8内の水9の水量が多くなると水9の上面から給水境界位置までの長さが短くなるため、流量が多くなる。このため、DC−BLM1の負荷としては大きくなり、駆動電流が多く流れる。給水タンク8内の水9の水量が少なくなるにつれ図19に示すように流量も少なくなるため、図18に示すように駆動電流が少なくなる。これより、DC−BLM1の駆動電流を計測すれば、給水タンク8内の水9の水量を推定する事ができる。
【0082】
図20は製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスの一例を示すフローチャートである。給水開始信号が出ると(ステップS71)、制御回路3は、駆動回路2にモータSTART信号を送りモータを回転させる(ステップS72)。ロータ5が回転することによりロータ5に取り付けられた羽根車により水9は、給水ポンプ10の出口から送出され製氷皿に給水される。制御回路3は駆動回路2からDC−BLM1に印加される駆動電流を検出し(ステップS73)、図18より給水タンク8内の水9の水量を推定する。この水量から、製氷皿に給水する水9が所定の量になるためのDC−BLM1の回転数、または給水時間を設定する(ステップS74)。そして、設定した回転数で回転を続け給水する。
【0083】
続いて、設定した給水時間に達したか否かを判定し(ステップS75)、給水時間が設定した給水時間に達したときは制御回路3から駆動回路2にモータSTOP信号を送りDC−BLM1を停止させる(ステップS76)。給水時間に達していなければ回転を続ける。
【0084】
このシーケンスにより、給水タンク8内に水9の水量に拘らず、製氷皿に一定量の水を送ることが出来る。また、給水量は、モータの回転数、給水時間により自由に変えることができる。
【0085】
また、DC−BLM1の電流から給水タンク8内の水9の水量が推定できるため、所定の水9を給水できない場合は、給水を停止し、または、使用者に知らせることもできる。
【0086】
なお、この実施の形態では、使用しているモータをDC−BLMとして説明したが、DC−BLM以外のモータを使用しても同様の効果を奏する。
【0087】
実施の形態10.
図21は、この発明の実施の形態10によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。横軸に給水タンク8内の水量、縦軸にDC−BLM1の回転数、またはトルクを制御するための制御指令値を表している。給水タンク8、給水ポンプ10の形状、DC−BLM1の特性によりグラフの形は変わるが、この実施の形態10では、図21に示す特性について説明する。図21において、水量が多くなると制御指令値が上り、水量が少なくなると制御指令値が下がる。
【0088】
図22は、横軸に給水タンク8内の水量、縦軸に給水ポンプ10から流出される流量を表している。給水タンク8内の水9の水量が多くなると水9の上面から給水境界位置までの長さが短くなるため、流量が多くなる。このため、DC−BLM1の負荷としては大きくなり、回転数、またはトルクをあげる為に制御指令値を上げる。給水タンク8内の水9の水量が少なくなるにつれ図22に示すように流量も少なくなるため、図21に示すように制御指令値が小さくなる。これより、制御指令値を計測すれば、給水タンク8内の水9の量を推定することができる。
【0089】
図23は製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスの一例を示すフローチャートである。給水開始信号が出ると(ステップS81)、制御回路3は、駆動回路2にモータSTART信号を送りモータを回転させる(ステップS82)。ロータ5が回転することによりロータ5に取り付けられた羽根車により水9は、給水ポンプ10の出口から送出され製氷皿に給水される。次に、DC−BLM1の回転数、またはトルクを制御するための制御指令値を検出し(ステップS83)、図21より給水タンク8内の水9の水量を推定する。この水量から、製氷皿に給水する水9が所定の量になるためのDC−BLM1の回転数、または給水時間を設定する(ステップS84)。そして、設定した回転数で回転を続け給水する。
【0090】
続いて、設定した給水時間に達したか否かを判定し(ステップS85)、給水時間が設定した給水時間に達したときは制御回路3から駆動回路2にモータSTOP信号を送りモータを停止させる(ステップS86)。そして、給水時間に達していなければ、回転を続ける。
【0091】
このシーケンスにより、給水タンク8内に水9の水量に拘らず、製氷皿に一定量の水を送ることが出来る。また、給水量は、モータの回転数、給水時間により自由に変えることができる。
【0092】
また、制御指令値から給水タンク8内の水9の水量が推定できるため、所定の水9を給水できない場合は、給水を停止し、または、使用者に知らせることもできる。
【0093】
なお、この実施の形態では、使用しているモータをDC−BLMとして説明したが、DC−BLM以外のモータを使用しても同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】この発明の実施の形態1による給水ポンプのモータ制御装置を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1によるモータの回転数と駆動電圧の関係を示す特性図である。
【図3】この発明の実施の形態1による製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスを示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態2によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。
【図5】この発明の実施の形態2によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。
【図6】この発明の実施の形態2による製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスを示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態3によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。
【図8】この発明の実施の形態3による製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスを示すフローチャートである。
【図9】この発明の実施の形態5によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。
【図10】この発明の実施の形態5による製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスを示すフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態6によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。
【図12】この発明の実施の形態6による製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスを示すフローチャートである。
【図13】この発明の実施の形態7によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。
【図14】この発明の実施の形態7による自動製氷機の給水タンク部の一例を示す縦断面図である。
【図15】この発明の実施の形態8によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。
【図16】この発明の実施の形態8によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。
【図17】この発明の実施の形態8による製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスを示すフローチャートである。
【図18】この発明の実施の形態9によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。
【図19】この発明の実施の形態9によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。
【図20】この発明の実施の形態9による製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスを示すフローチャートである。
【図21】この発明の実施の形態10によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。
【図22】この発明の実施の形態10によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。
【図23】この発明の実施の形態10による製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスを示すフローチャートである。
【図24】従来の給水ポンプのモータ制御装置を示すブロック図である。
【図25】従来の冷蔵庫などで使用している自動製氷機の給水タンク部の一例を示す縦断面図である。
【図26】従来の製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスを示すフローチャートである。
【図27】従来の駆動電圧と回転数の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
【0095】
1 DC−BLM(直流ブラシレスモータ)、2 駆動回路、3、11 制御回路、4 位置検出回路(ホール素子)、5 マグネットロータ、6 ステータコイル、7 基板、8 給水タンク、9 水、10 ポンプ。
【技術分野】
【0001】
この発明は、冷蔵庫などの自動製氷機に使用される給水ポンプのモータ駆動制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図24は、冷蔵庫などの自動製氷機の給水ポンプに使用する一般的な直流ブラシレスモータ(以下DC−BLMという)の制御・駆動回路の構成を表したブロック図である。図中、1はDC−BLM、2はDC−BLM1を駆動するための駆動回路、11はDC−BLM1のSTART、STOPなどの制御を行うための制御回路、4はDC−BLM1の回転位置を検出するための位置検出装置で、ホール素子や磁気抵抗(MR)素子、コイルなどが使用され、その位置信号は駆動回路2に入力される。
【0003】
図25は、冷蔵庫などで使用している自動製氷機の給水タンク部の一例を示す縦断面図である。5は回転可能に取り付けられたマグネットロータで、水などを給水するための羽根車が取り付けられている。6はステータコイルで、磁界を発生することによりロータ5を回転させる。7はステータコイル6や位置検出回路4、駆動回路2などを取り付けるための回路基板、8は給水タンク、9は給水タンク8に入れられている水、10は水9を製氷皿(図示せず)に給水するための給水ポンプで、中にロータ5が内蔵されている。ロータ5を含む給水ポンプ10は、給水タンク8内にステータコイル6と分離可能な状態で設置されている。給水タンク8の水9が無くなった時に給水タンク8に水9を入れるために、給水タンク8は取り外すことが出来るような構造になっている。
【0004】
次に動作について説明する。位置検出回路4によりDC−BLM1のロータ5の回転位置に対応した信号が出力される。一般にホール素子などが使われ、磁界の大きさに対応した電圧が出力される。駆動回路2は、入力された位置信号を元にステータコイル6に駆動電圧を印加する。印加された駆動電圧によりステータコイル6に磁界が発生し、この磁界により、ロータ5に回転トルクが発生し回転する。これにより、給水ポンプ10が駆動される。
【0005】
図26は製氷皿に一定の水9を給水するための簡単な動作シーケンスの一例を示すフローチャートである。給水開始信号が出ると(ステップS1)、制御回路11は、駆動回路2にモータSTART信号を送りDC−BLM1を回転させる(ステップS2)。DC−BLM1のロータ5が回転することによりロータ5に取り付けられた羽根車により水9は、給水ポンプ10の出口から送出され製氷皿に給水される。給水時間を判定し所定の給水量に相当する給水時間だけDC−BLM1を回転させると(ステップS3)、制御回路11から駆動回路2にモータSTOP信号を送りDC−BLB1を停止させる(ステップS4)。このシーケンスにより、製氷皿に水を一定量送ることが出来る。このときの駆動電圧と回転数との関係を図27に示す。給水量は、DC−BLM1の駆動時間にほぼ比例するため、駆動時間を変更することにより給水量を変える事が出来る。
【特許文献1】特開平6−346860号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の給水ポンプモータの制御は以上のように構成されているので、給水タンク8内の水9の有無に関係無くあらかじめ設定されている給水時間だけDC−BLM1を駆動させているため給水タンク8内の水が無くなってもDC−BLM1は駆動し続けるという問題点があった。
【0007】
また、あらかじめ設定した駆動電圧でDC−BLM1を駆動させるため給水開始時に製氷皿が水をはじいてしまい製氷皿周辺に水が飛び散ってしまうという問題点があった。
【0008】
また、製氷皿で受けた水を凍らせている間給水ポンプは停止しているため、給水タンク内の水が劣化しやすくなるという問題点があった。
【0009】
また、給水タンク8内の水の量に関係無くあらかじめ設定されている給水時間だけDC−BLM1を駆動させるため給水タンク8内の水量によって給水される水の量が変わってしまうという問題点があった。
【0010】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、モータの回転数、電流などを検出することにより、モータの運転、停止制御を行うものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係る給水ポンプのモータ制御装置は、モータ起動時の水の送出量を所定の送出量より少なくし、その後、徐々に所定の送出量になるようにモータ回転数を制御するようにしたものである。
【0012】
また、モータの回転数を任意の低回転数で起動し、所定の時間経過後に設定回転数で回転するようにしたものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下のような効果がある。
【0014】
ロータの回転数が所定の停止回転数を超えたことを検知してモータを停止させているので、給水タンク内の水が無くなってもモータを動かし続けることがなく、省エネ効果がある。
【0015】
モータの駆動電流を利用して検知しているので、回路構成が非常に安価にできる。
【0016】
モータの回転数やトルクを制御するための制御指令値信号を利用して検知しているので、回路構成が非常に安価にできる。
【0017】
起動直後の一定期間は水の有無検出を行わず、モータ停止信号を無視するので、起動時の誤作動を抑えることができる。
【0018】
モータの回転数を徐々に上げるためのシーケンスを追加しているので、制御回路が安価にできる。また、給水される製氷皿周辺への飛び散りが減少するため清掃性が向上し衛生的になる。
【0019】
モータ起動時の水の送出量を最小に設定したので、給水される製氷皿周辺への飛び散りが減少するため清掃性が向上し衛生的になる。
【0020】
モータの回転数を任意の低回転数で起動し、所定の時間回転後所定の回転数に上げているので、給水される製氷皿周辺への飛び散りが減少するため清掃性が向上し衛生的になる。
【0021】
給水しない時は給水しない回転数でモータを動かすことができるので、給水タンク内の水を巡回でき、給水タンク内壁にぬめりがつきにくくなり給水タンク内の水の劣化を抑えることができる。
【0022】
給水タンクの水の水量からモータの回転数や給水時間を設定するため、給水タンクの水の水量に拘らず一定の量の水を製氷皿に給水することができる。
【0023】
給水タンクの水の水量をモータの回転数から推定するため、制御回路が安価にできる。
【0024】
給水タンクの水の水量をモータの電流から推定するため、制御回路が安価にできる。
【0025】
給水タンクの水の水量をモータの制御指令値から推定するため、制御回路が安価にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について説明する。図1は、冷蔵庫などの自動製氷機の給水ポンプに使用する、この発明のポンプモータの制御・駆動回路の構成を表したブロック図である。図1において、1はDC−BLM、2はDC−BLM1を駆動するための駆動回路、3はDC−BLM1のSTART,STOPなどの制御やDC−BLM1のロータの回転数や駆動回路2がDC−BLM1に印加する電流などを検出するための制御回路、4は磁界の大きさなどによりDC−BLM1の回転位置を検出するための位置検出回路で、ホール素子、磁気抵抗(MR)素子やコイルなどが使用され、その位置信号は駆動回路2と制御回路3に入力される。
【0027】
次に動作について説明する。一般に位置検出装置付DC−BLM1の駆動回路の場合、位置検出回路4から出力されたDC−BLM1の回転位置信号は、駆動回路2に入力される。一般に位置検出回路4としてはホール素子などが使われ、磁界の大きさに対応した電圧が出力される。入力された位置信号を元にDC−BLM1のステータコイル6に駆動電圧を印加する。これによりロータ5に回転トルクが発生しロータ5が回転する。ロータ5の回転により位置検出信号の電圧が変化する。その位置信号の変化に対応したロータ5の位置にあったステータコイル6に電圧が印加されることによりロータ5が回転し続けることになる。また、制御回路3では、位置検出回路4からの位置検出信号により回転数を、駆動回路2のDC−BLM1への電流、電圧などからDC−BLM1のトルクを検出することができ、それを元に回転数やトルクなどを制御することもできる。
【0028】
ロータ5の回転は、ロータ5にかかる負荷により回転数が変化する。負荷が軽い場合は回転が高く、負荷が重い場合は回転が低くなる。給水タンクに水が無くなった場合は、ロータの負荷が軽くなるため、図2に示すように回転数が上昇する。あらかじめ、停止回転数を設定しておき停止回転数を超えた場合は、給水タンク8に水が無くなったと判断しDC−BLM1の駆動を停止する。また、負荷が重く回転数が低くなり給水可能回転数を下回った場合は、給水ができなくなるため同様にDC−BLM1の駆動を停止する。
【0029】
図3は製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスの一例を示すフローチャートである。給水開始信号が出ると(ステップS11)、制御回路3は、駆動回路2にモータSTART信号を送りDC−BLM1を回転させる(ステップS12)。DC−BLM1のロータ5が回転することによりロータ5に取り付けられた羽根車により水9は、給水ポンプ10の出口から送出され製氷皿に給水される。制御回路3は位置検出回路4からの位置検出信号からロータ5の回転数を検出し、図2の停止回転数以下か否かを判定する(ステップS13)。停止回転数以下であれば回転を続け、停止回転数を超えればDC−BLM1を停止させる(ステップS14)。また、給水可能な回転数に達したか否かを判定し(ステップS15)、何らかの原因でロータ5の負荷が非常に大きく回転数が給水可能な回転数に達しないときは、給水ポンプ10から水が給水できないためDC−BLM1を停止させる(ステップS14)。
【0030】
続いて、給水時間を判定し、給水時間があらかじめ設定した給水時間に達したときは(ステップS16)、制御回路3から駆動回路2にモータSTOP信号を送りDC−BLM1を停止させる(ステップS14)。給水時間に達していなければ、回転を続け、回転数の検出ルーチンへ戻る。
【0031】
このシーケンスにより、給水タンク8内に十分な水9がある場合は、製氷皿に水を一定量送ることが出来る。給水タンク8内に十分な水9が無い場合には、DC−BLM1が停止するため無駄な電力を消費することが無い。また、水9が無いことも検出できるためユーザに知らせることも可能である。また、給水量は、DC−BLM1の駆動時間にほぼ比例するため、駆動時間を変更することにより給水量を変えることが出来る。
【0032】
なお、この実施の形態では、回転数を判定してから給水時間を判定しているが、給水時間を判定してから回転数を判定しても同様の効果を奏する。
【0033】
なお、この実施の形態では、使用している給水ポンプモータをDC−BLMとして説明したが、DC−BLM以外のモータを使用しても同様の効果を奏する。
【0034】
ハードの変更をせずソフトの変更だけで実現できるため、リサイクルのために行ったハード面の対策に影響を及ぼすことはない。
【0035】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、DC−BLM1の回転数を検出してDC−BLM1の駆動を停止するポンプモータ制御について説明したが、DC−BLM1の駆動電流を検出してDC−BLM1の駆動を停止しても同様の効果を奏する。
【0036】
図4は、この発明の実施の形態2を示すポンプモータ制御を説明するための特性図である。DC−BLM1を使って給水ポンプ10から水を給水しているときは、図4に示す運転可能範囲内の駆動電流が流れている。駆動電流は、ロータ5にかかる負荷によって変化し、負荷が小さいときには電流が少なく、負荷が大きいときには電流が多く流れる。給水タンク8内に水9が無くなるとロータ5の負荷が小さくなるためDC−BLM1の電流は非常に小さくなる。また、何らかの原因で負荷が大きくなった場合は、図5に示すようにDC−BLM1の電流は大きくなり、回転数が低下するために給水ができなくなる。そこで、DC−BLM1の駆動電流が、運転可能範囲を外れたときには水9が無いか、給水不可能と判断してDC−BLM1を停止する。
【0037】
図6は製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスの一例を示すフローチャートである。給水開始信号が出ると(ステップS21)、制御回路3は、駆動回路2にモータSTARTの信号送りDC−BLM1を回転させる(ステップS22)。DC−BLM1のロータ5が回転することによりロータ5に取り付けられた羽根車により水9は、給水ポンプ10の出口から送出され製氷皿に給水される。制御回路3は駆動回路2からステータコイル6に印加している駆動電流を検出し図4、図5の運転可能範囲内であるか否かを判定し(ステップS23)、運転可能範囲内であれば回転を続け、範囲外であればDC−BLM1を停止させる(ステップS24)。
【0038】
続いて、給水時間を判定し、給水時間があらかじめ設定した給水時間に達したときは(ステップS25)、制御回路3から駆動回路2にモータSTOP信号を送りDC−BLM1を停止させる(ステップS24)。給水時間に達していなければ、回転を続け、回転数の検出ルーチンへ戻る。
【0039】
このシーケンスにより、給水タンク8内に十分な水9がある場合は、製氷皿に水を一定量送ることが出来る。給水タンク8内に十分な水9が無い場合には、DC−BLM1が停止するため無駄な電力を消費することが無い。また、水9が無いことも検出できるためユーザに知らせることも可能である。また、給水量は、DC−BLM1の駆動時間にほぼ比例するため、駆動時間を変更することにより給水量を変えることが出来る。
【0040】
なお、この実施の形態2では、電流を判定してから給水時間を判定しているが、給水時間を判定してから電流を判定しても同様の効果を奏する。
【0041】
なお、この実施の形態2では、使用しているモータをDC−BLMとして説明したが、DC−BLM以外のモータを使用しても同様の効果を奏する。
【0042】
実施の形態3.
上記実施の形態1、2では、DC−BLM1の回転数、駆動電流を検出してDC−BLM1の駆動を停止するポンプモータ制御について説明したが、DC−BLM1の回転数、トルク等の制御を行う制御回路の制御指令値を検出してDC−BLM1の駆動を停止しても同様の効果を奏する。
【0043】
図7は、この発明の実施の形態3を示すポンプモータ制御を説明するための特性図である。位置検出回路4からの位置検出信号や駆動回路2からの駆動電流からロータ5の回転数やトルクを検出し、回転数やトルクなどを一定になるように制御している場合は、ロータ5にかかる負荷により制御指令値も変化する。例えば、ロータ5の回転数を制御している場合、ロータ5にかかる負荷が小さくなると回転数が高くなるため制御指令値は回転数を所定の値に下げるために変化する。図7の場合は、制御指令値が小さくなるような制御を例にしている。また、ロータ5にかかる負荷が大きくなると回転数が小さくなるため制御指令値は大きくなるように制御する。給水タンク8内に水9が無くなるとロータ5の負荷が小さくなるため制御指令値は非常に小さくなる。また、何らかの原因で負荷が大きくなった場合は、制御指令値は大きくなり、ある程度大きくなると制御範囲を越えてしまい回転数が低下するために給水ができなくなる。そこで、制御指令値が、所定の範囲すなわち、停止指令値1と停止指令値2との間を外れたときには水9が無いか、給水不可能と判断してDC−BLM1を停止する。
【0044】
図8は製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスの一例を示すフローチャートである。給水開始信号が出ると(ステップS31)、制御回路3は、駆動回路2にモータSTART信号を送りモータを回転させる(ステップS32)。ロータ5が回転することによりロータ5に取り付けられた羽根車により水9は、給水ポンプ10の出口から送出され製氷皿に給水される。制御回路3は、位置検出回路4からロータ5の回転数を、駆動回路2からステータコイル6に印加している駆動電流をそれぞれ検出し、これにより制御指令値が図7の停止指令値1乃至2の範囲内であるか否かを判定し(ステップS33)、所定の範囲内であれば回転を続け、範囲外であればDC−BLM1を停止させる(ステップS34)。
【0045】
続いて、給水時間を判定し、給水時間があらかじめ設定した給水時間に達したときは(ステップS35)、制御回路3から駆動回路2にモータSTOP信号を送りDC−BLM1を停止させる。給水時間に達していなければ、回転を続け、回転数の検出ルーチンへ戻る。
【0046】
このシーケンスにより、給水タンク8内に十分な水9がある場合は、製氷皿に水を一定量送ることが出来る。給水タンク8内に十分な水9が無い場合には、DC−BLM1を停止するため無駄な電力を消費することが無い。また、水9が無いことも検出できるためユーザに知らせることも可能である。また、給水量は、モータの駆動時間にほぼ比例するため、駆動時間を変更することにより給水量を変えることが出来る。
【0047】
なお、この実施の形態3では、制御指令値を判定してから給水時間を判定しているが、給水時間を判定してから制御指令値を判定しても同様の効果を奏する。
【0048】
なお、この実施の形態3では、使用しているモータをDC−BLMとして説明したが、DC−BLM以外のモータを使用しても同様の効果を奏する。
【0049】
実施の形態4.
上記実施の形態1〜3では、給水タンク8内の水9の有無や何らかの原因でロータ5の回転数が上がらないときにDC−BLM1を停止するようにしていた。
【0050】
DC−BLM1の起動は、ロータ5が停止状態から徐々に回転数が上がり所定の回転数に達する。その時の駆動電流は、ロータ5の停止時は最大電流が流れ、回転数が上がるにつれて徐々に小さくなりやがて定常電流に達する。回転数やトルクを制御している場合は、ロータ5が停止している状態で制御指令値は最大となり、所定の回転数に近づくにつれ所定の制御指令値となる。
【0051】
上記実施の形態1〜3の場合、起動時に回転数、電流や制御指令値が所定の範囲から外れてしまいモータ停止の制御がかかってしまう恐れがある。そこで、実施の形態4では、正常起動状態において、DC−BLM1が所定の回転数になるまでの時間は、回転数、電流や制御指令値が所定の範囲外であってもモータ停止の制御を行わないようにする。その後、上記実施の形態1〜3のルーチンに入るようにする。これにより、起動時の誤制御をなくすことができる。
【0052】
実施の形態5.
図9は、この発明の実施の形態5によるポンプモータ制御を示す特性図である。図9において、横軸は時間、縦軸は給水ポンプ10からの水9の送出量を表している。給水開始時の送出量を所定の送出量より少なくし、徐々に送出量を増加し所定の送出量になるようにする。給水開始時に所定の送出量で送出すると、製氷皿に勢いよく水9が入り、製氷皿の周辺に水9が飛び散ってしまう恐れがある。しかし、給水開始時の送出量を減らすことにより、製氷皿周辺への飛び散りを減らすことができる。その後、所定の給水量に徐々に近づけることにより製氷皿周辺への飛び散りを減らすことができる。
【0053】
図10は製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスの一例を示すフローチャートである。給水開始信号が出ると(ステップS41)、制御回路3は、駆動回路2にモータSTART信号を送りモータを回転させる(ステップS42)。ロータ5が回転することによりロータ5に取り付けられた羽根車により水9は、給水ポンプ10の出口から送出された製氷皿に給水される。このとき給水開始時のロータ5の回転数は予め所定の回転数よりも低い値に設定されている。制御回路3は位置検出回路4からロータ5の回転数を検出し(ステップS43)、所定の回転数に達していなければ到達するまでロータ5の回転数を上げる(ステップS44)。所定の回転数に達したらそのままの回転数で回転を続ける。
【0054】
続いて、給水時間を判定し(ステップS45)、給水時間があらかじめ設定した給水時間に達したときは制御回路3から駆動回路2にモータSTOP信号を送りDC−BLM1を停止させる(ステップS46)。給水時間に達していなければ、回転を続け、回転数の検出ルーチンへ戻る。
【0055】
このシーケンスにより、給水開始時の送出量を減らすことにより製氷皿周辺への水9の飛び散りを抑えることができる。また、給水量は、モータの駆動時間にほぼ比例するため、駆動時間を変更することにより給水量を変えることが出来る。
【0056】
なお、給水開始時の送出量を所定の送出量より少なくしてるが、送出可能な最低量に予め設定してから給水を開始しても良い。
【0057】
なお、この実施の形態5では、回転数の判定と回転数の増加を行った後、給水時間の判定を行っているが、逆に給水時間を判定してから回転数の判定と回転数の増加を行っても同様の効果を奏する。
【0058】
なお、この実施の形態5では、使用しているモータをDC−BLMとして説明したが、DC−BLM以外のモータを使用しても同様の効果を奏する。
【0059】
実施の形態6.
上記実施の形態5では、給水開始から徐々に回転数を増加して所定の回転数にまで上昇させているが、給水開始から所定の時間送出量を維持した回転数をあげ所定の送出量にしても同様の効果を奏する。
【0060】
図11は、この発明の実施の形態6によるポンプモータ制御を示す特性図である。図11において、横軸は時間、縦軸はポンプ10からの水9の送出量を表している。給水開始時は送出量を所定の送出量より少なく、または、送出可能な最低量にし、所定時間t1の間その送出量を維持する。その後、徐々に送出量を増加し所定の送出量になるようにする。給水開始時に所定の送出量で送出すると、製氷皿に勢いよく水9が入り、製氷皿の周辺に水9が飛び散ってしまう。しかし、給水開始時の送出量を減らすことにより製氷皿周辺への飛び散りを減らすことができる。また、給水開始時の少ない送出量で所定時間t1維持し製氷皿へある程度の水9が溜まってから所定の送出量に増加させることによりさらに製氷皿周辺への飛び散りを軽減することができる。
【0061】
図12は製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスの一例を示すフローチャートである。給水開始信号が出ると(ステップS51)、制御回路3は、駆動回路2にモータSTART信号を送りモータを回転させる(ステップS22)。ロータ5が回転することによりロータ5に取り付けられた羽根車により水9は、給水ポンプ10の出口から送出され製氷皿に給水される。このときのロータ5の回転数は所定の回転数より低い値、または、送出可能な最低回転数に設定されている(ステップS53)。モータSTARTから所定時間t1経過したかを判定し(ステップS54)、t1経過すれば制御回路3は位置検出回路4からロータ5の回転数を検出する(ステップS55)。所定の回転数に達していなければ到達するまでロータ5の回転数を上げる(ステップS56)。所定の回転数に達したらそのままの回転数で回転を続ける。
【0062】
続いて、給水時間を判定し(ステップS57)、給水時間があらかじめ設定した給水時間に達したときは制御回路3から駆動回路2にモータ停止信号を送りDC−BLM1を停止させる(ステップS58)。給水時間に達していなければ、回転を続け、回転数の検出ルーチンへ戻る。
【0063】
このシーケンスにより、給水開始時の送出量を減らすことにより製氷皿周辺への水9の飛び散りを抑えることができる。また、給水量は、モータの駆動時間にほぼ比例するため、駆動時間を変更することにより給水量を変えることが出来る。
【0064】
なお、この実施の形態6では、所定時間t1後に徐々に送出量を増加させていたが、所定時間t1の値によっては、所定時間t1後に直ちに所定の送出量にしても同様の効果を奏する。
【0065】
なお、この実施の形態6では、回転数の判定と回転数の増加を行った後、給水時間の判定を行っているが、逆に給水時間を判定してから回転数の判定と回転数の増加を行っても同様の効果を奏する。
【0066】
なお、この実施の形態6では、使用しているモータをDC−BLMとして説明したが、DC−BLM以外のモータを使用しても同様の効果を奏する。
【0067】
実施の形態7.
図13は、この発明の実施の形態7によるポンプモータ制御を示す特性図である。横軸に時間、縦軸に回転数とDC−BLM1に印加する駆動電圧を表わしている。
【0068】
図14は、冷蔵庫などで使用している自動製氷機の給水タンク部の一例を示す縦断面図である。5は回転可能に取り付けられたマグネットロータで、水などを給水するための羽根車が取り付けられている。6はステータコイルで、磁界を発生することによりロータ5を回転させる。7はステータコイル6や位置検出回路4、駆動回路2などを取り付けるための回路基板、8は給水タンク、9は給水タンク8に入れられている水、10は水9を製氷皿に給水するための給水ポンプで、中にロータ5が内蔵されている。給水ポンプ10は、給水タンク8内にステータコイル6と分離可能な状態で設置されている。給水ポンプ10上部の給水境界位置を越えると水9が製氷皿などに給水される。給水タンク8の水9が無くなった時に給水タンク8に水9を入れるために、給水タンク8は取り外すことが出来るような構造になっている。
【0069】
次に動作について説明する。製氷皿などに水9を給水する時は、DC−BLM1に駆動電圧を印加する。このときの駆動電圧は、図14の給水境界位置を越える揚程となる回転数となる電圧に設定する。これにより製氷皿に水9が給水されることになる。製氷皿に所定の水量が給水されると給水を止めるためにDC−BLM1に印加している駆動電圧を下げる。このときの駆動電圧は、図14の給水境界位置以下の揚程となる電圧に設定することにより製氷皿に給水されることはない。
【0070】
通常、給水しないときにはロータ5の回転を止めるために、駆動電圧は印加しない。このとき、給水タンク8内の水9はそのままの状態を保つことになる。このため、給水タンク8内の壁面にぬめりが発生し水9を劣化させることになる。そこで、給水しないときには、図13のように水9が給水境界位置に達しない程度でロータ5を回転させる。ロータの回転により給水タンク8内の水9は巡回させられることになる。これにより、給水タンク8の壁面に発生するぬめりを抑えることができ、水9の劣化を抑えることが可能となる。
【0071】
上記実施の形態7の場合、給水しない時に常にロータ5を回転させているが、断続運転や任意の時間だけ運転をしても同様な効果を奏する。
【0072】
なお、実施の形態7では、使用しているモータをDC−BLMとして説明したが、DC−BLM以外のモータを使用しても同様の効果を奏する。
【0073】
実施の形態8.
図15は、この発明の実施の形態8によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。横軸に給水タンク8内の水量、縦軸に回転数を表している。給水タンク8、給水ポンプ10の形状、DC−BLM1の特性によりグラフの形は変わるが、この実施の形態8では、図15に示す特性について説明する。図15において、水量が多くなると回転数が下がり、水量が少なくなると回転数が上がる。
【0074】
図16は、横軸に給水タンク8内の水量、縦軸に給水ポンプ10から流出される流量を表している。給水タンク8内の水9の水量が多くなると水9の上面から給水境界位置までの長さが短くなるため、流量が多くなる。このため、DC−BLM1の負荷としては大きくなり、回転数は低くなる。給水タンク8内の水9の水量が少なくなるにつれ図16に示すように流量も少なくなるため、図15に示すように回転数が高くなる。上記のことより、DC−BLM1の回転数を計測すれば、給水タンク8内の水9の水量を推定することができる。
【0075】
図17は製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスの一例を示すフローチャートである。給水開始信号が出ると(ステップS61)、制御回路3は、駆動回路2にモータSTART信号を送りDC−BLM1を回転させる(ステップS62)。ロータ5が回転することによりロータ5に取り付けられた羽根車により水9は、給水ポンプ10の出口から送出され製氷皿に給水される。制御回路3は、位置検出回路4からの位置検出信号でロータ5の回転数を検出し、図15から給水タンク8内の水9の水量を推定する(ステップS63)。この水量から、製氷皿に給水する水9が所定の量になるためのDC−BLM1の回転数、または給水時間を設定する(ステップS64)。そして、設定した回転数で回転を続け給水する。
【0076】
続いて、設定した給水時間に達したか否かを判定し(ステップS65)、給水時間が設定した給水時間に達したときは制御回路3から駆動回路2にモータSTOP信号を送りDC−BLM1を停止させる(ステップS66)。給水時間に達していなければ回転を続ける。
【0077】
このシーケンスにより、給水タンク8内に水9の水量に拘らず、製氷皿に一定量の水を送ることが出来る。また、給水量は、モータの回転数、給水時間により自由に変えることができる。
【0078】
また、DC−BLM1の回転数から給水タンク8内の水9の水量が推定できるため、給水タンク8内の水9では製氷皿に所定の量を給水できない場合は、給水を停止し、または、使用者に知らせることもできる。
【0079】
なお、この実施の形態では、使用しているモータをDC−BLMとして説明したが、DC−BLM以外のモータを使用しても同様の効果を奏する。
【0080】
実施の形態9.
図18は、この発明の実施の形態9によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。横軸に給水タンク8内の水量、縦軸にDC−BLM1の駆動電流を表している。給水タンク8、給水ポンプ10の形状、DC−BLM1の特性によりグラフの形は変わるが、この実施の形態9では、図18に示す特性について説明する。図18において、水量が多くなると駆動電流が上り、水量が少なくなると駆動電流が下がる。
【0081】
図19は、横軸に給水タンク8内の水量、縦軸にポンプ10から送出される流量を表している。給水タンク8内の水9の水量が多くなると水9の上面から給水境界位置までの長さが短くなるため、流量が多くなる。このため、DC−BLM1の負荷としては大きくなり、駆動電流が多く流れる。給水タンク8内の水9の水量が少なくなるにつれ図19に示すように流量も少なくなるため、図18に示すように駆動電流が少なくなる。これより、DC−BLM1の駆動電流を計測すれば、給水タンク8内の水9の水量を推定する事ができる。
【0082】
図20は製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスの一例を示すフローチャートである。給水開始信号が出ると(ステップS71)、制御回路3は、駆動回路2にモータSTART信号を送りモータを回転させる(ステップS72)。ロータ5が回転することによりロータ5に取り付けられた羽根車により水9は、給水ポンプ10の出口から送出され製氷皿に給水される。制御回路3は駆動回路2からDC−BLM1に印加される駆動電流を検出し(ステップS73)、図18より給水タンク8内の水9の水量を推定する。この水量から、製氷皿に給水する水9が所定の量になるためのDC−BLM1の回転数、または給水時間を設定する(ステップS74)。そして、設定した回転数で回転を続け給水する。
【0083】
続いて、設定した給水時間に達したか否かを判定し(ステップS75)、給水時間が設定した給水時間に達したときは制御回路3から駆動回路2にモータSTOP信号を送りDC−BLM1を停止させる(ステップS76)。給水時間に達していなければ回転を続ける。
【0084】
このシーケンスにより、給水タンク8内に水9の水量に拘らず、製氷皿に一定量の水を送ることが出来る。また、給水量は、モータの回転数、給水時間により自由に変えることができる。
【0085】
また、DC−BLM1の電流から給水タンク8内の水9の水量が推定できるため、所定の水9を給水できない場合は、給水を停止し、または、使用者に知らせることもできる。
【0086】
なお、この実施の形態では、使用しているモータをDC−BLMとして説明したが、DC−BLM以外のモータを使用しても同様の効果を奏する。
【0087】
実施の形態10.
図21は、この発明の実施の形態10によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。横軸に給水タンク8内の水量、縦軸にDC−BLM1の回転数、またはトルクを制御するための制御指令値を表している。給水タンク8、給水ポンプ10の形状、DC−BLM1の特性によりグラフの形は変わるが、この実施の形態10では、図21に示す特性について説明する。図21において、水量が多くなると制御指令値が上り、水量が少なくなると制御指令値が下がる。
【0088】
図22は、横軸に給水タンク8内の水量、縦軸に給水ポンプ10から流出される流量を表している。給水タンク8内の水9の水量が多くなると水9の上面から給水境界位置までの長さが短くなるため、流量が多くなる。このため、DC−BLM1の負荷としては大きくなり、回転数、またはトルクをあげる為に制御指令値を上げる。給水タンク8内の水9の水量が少なくなるにつれ図22に示すように流量も少なくなるため、図21に示すように制御指令値が小さくなる。これより、制御指令値を計測すれば、給水タンク8内の水9の量を推定することができる。
【0089】
図23は製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスの一例を示すフローチャートである。給水開始信号が出ると(ステップS81)、制御回路3は、駆動回路2にモータSTART信号を送りモータを回転させる(ステップS82)。ロータ5が回転することによりロータ5に取り付けられた羽根車により水9は、給水ポンプ10の出口から送出され製氷皿に給水される。次に、DC−BLM1の回転数、またはトルクを制御するための制御指令値を検出し(ステップS83)、図21より給水タンク8内の水9の水量を推定する。この水量から、製氷皿に給水する水9が所定の量になるためのDC−BLM1の回転数、または給水時間を設定する(ステップS84)。そして、設定した回転数で回転を続け給水する。
【0090】
続いて、設定した給水時間に達したか否かを判定し(ステップS85)、給水時間が設定した給水時間に達したときは制御回路3から駆動回路2にモータSTOP信号を送りモータを停止させる(ステップS86)。そして、給水時間に達していなければ、回転を続ける。
【0091】
このシーケンスにより、給水タンク8内に水9の水量に拘らず、製氷皿に一定量の水を送ることが出来る。また、給水量は、モータの回転数、給水時間により自由に変えることができる。
【0092】
また、制御指令値から給水タンク8内の水9の水量が推定できるため、所定の水9を給水できない場合は、給水を停止し、または、使用者に知らせることもできる。
【0093】
なお、この実施の形態では、使用しているモータをDC−BLMとして説明したが、DC−BLM以外のモータを使用しても同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】この発明の実施の形態1による給水ポンプのモータ制御装置を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1によるモータの回転数と駆動電圧の関係を示す特性図である。
【図3】この発明の実施の形態1による製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスを示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態2によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。
【図5】この発明の実施の形態2によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。
【図6】この発明の実施の形態2による製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスを示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態3によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。
【図8】この発明の実施の形態3による製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスを示すフローチャートである。
【図9】この発明の実施の形態5によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。
【図10】この発明の実施の形態5による製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスを示すフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態6によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。
【図12】この発明の実施の形態6による製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスを示すフローチャートである。
【図13】この発明の実施の形態7によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。
【図14】この発明の実施の形態7による自動製氷機の給水タンク部の一例を示す縦断面図である。
【図15】この発明の実施の形態8によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。
【図16】この発明の実施の形態8によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。
【図17】この発明の実施の形態8による製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスを示すフローチャートである。
【図18】この発明の実施の形態9によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。
【図19】この発明の実施の形態9によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。
【図20】この発明の実施の形態9による製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスを示すフローチャートである。
【図21】この発明の実施の形態10によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。
【図22】この発明の実施の形態10によるポンプモータ制御を説明するための特性図である。
【図23】この発明の実施の形態10による製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスを示すフローチャートである。
【図24】従来の給水ポンプのモータ制御装置を示すブロック図である。
【図25】従来の冷蔵庫などで使用している自動製氷機の給水タンク部の一例を示す縦断面図である。
【図26】従来の製氷皿に給水するための簡単な動作シーケンスを示すフローチャートである。
【図27】従来の駆動電圧と回転数の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
【0095】
1 DC−BLM(直流ブラシレスモータ)、2 駆動回路、3、11 制御回路、4 位置検出回路(ホール素子)、5 マグネットロータ、6 ステータコイル、7 基板、8 給水タンク、9 水、10 ポンプ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータを用いた給水ポンプにおいて、前記モータ起動時の水の送出量を所定の送出量より少なくし、その後、徐々に所定の送出量になるようにモータ回転数を制御することを特徴とする給水ポンプのモータ制御装置。
【請求項2】
モータ起動時に水の送出量を最少に設定したことを特徴とする請求項1記載の給水ポンプのモータ制御装置。
【請求項3】
モータを用いた給水ポンプにおいて、前記モータの回転数を任意の低回転数で起動し、所定の時間経過後に設定回転数で回転するようにしたことを特徴とする給水ポンプのモータ制御装置。
【請求項1】
モータを用いた給水ポンプにおいて、前記モータ起動時の水の送出量を所定の送出量より少なくし、その後、徐々に所定の送出量になるようにモータ回転数を制御することを特徴とする給水ポンプのモータ制御装置。
【請求項2】
モータ起動時に水の送出量を最少に設定したことを特徴とする請求項1記載の給水ポンプのモータ制御装置。
【請求項3】
モータを用いた給水ポンプにおいて、前記モータの回転数を任意の低回転数で起動し、所定の時間経過後に設定回転数で回転するようにしたことを特徴とする給水ポンプのモータ制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2007−177795(P2007−177795A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−92433(P2007−92433)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【分割の表示】特願平11−315077の分割
【原出願日】平成11年11月5日(1999.11.5)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【分割の表示】特願平11−315077の分割
【原出願日】平成11年11月5日(1999.11.5)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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