説明

給湯器用スケール成分除去装置

【課題】メンテナンスが不要であり、コンパクトで利便性の高い給湯器用スケール成分除去装置を提供することを目的とする。
【解決手段】熱交換器を備える給湯器において、熱交換器に水を供給する水路に給湯器用スケール成分除去装置が配される。本装置には、熱交換器に供給される水を電解処理することによりスケール成分の除去を行う電解装置が備えられるとともに、この電解装置を迂回するバイパス経路、および、電解装置に洗浄水を流す洗浄経路が備えられている。加えて、本装置には、電解槽に備えられる一対の電極の極性を所定時間毎に反転する極性切り替え装置が備えられ、かつ、極性切り替え装置による反転操作に伴って、水が電解装置に供される電解経路を閉とするとともにバイパス経路と洗浄経路とを開とし、所定時間経過後に電解経路を開とするとともにバイパス経路と洗浄経路とを閉とする経路制御装置が備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯器用スケール成分除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒートポンプ式給湯器、瞬間ガス湯沸かし器等の給湯器は、熱交換器により水を加熱して利用者に供給するものである。ここで、これらの給湯器への水の供給源となる水道水は、一般に、カルシウムやマグネシウム等の硬度成分を含んでいる、このため、給湯器の配管内壁に難溶解性のカルシウム塩(スケール)が付着し、配管の詰まりや熱交換効率の低下が生じることがある。このような問題を解決するため、電気分解によって水中のスケール成分を除去する装置が考案されている。
【0003】
ところで、このような電解装置では、水中から除去されたスケール成分が電極に付着することとなるため、付着したスケール成分を電極から剥がし取り、経路内から除去する操作を定期的に行う必要がある。このため、定期的に電極の極性を反転させて電極に付着したスケールを剥がし取り、フィルタで捕集する方法(特許文献1参照)、同じく定期的に電極の極性を反転させて電極からスケールを剥がし取り、スケール捕集器で捕集して定期的に排出する方法(特許文献2参照)等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−170747号公報
【特許文献2】特開昭61−181591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のような方法では、フィルタやスケール捕集器にスケールが溜まったことを定期的に確認し、交換や内容物の排出等のメンテナンスを行わなければならないため、面倒であった。また、フィルタや捕集器の存在のため、装置が大型化しがちであった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、メンテナンスが不要であり、コンパクトで利便性の高い給湯器用スケール成分除去装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の給湯器用スケール成分除去装置は、熱交換器を備える給湯器において前記熱交換器に水を供給する水路に配されるものであって、前記水を貯留可能な電解槽と、前記電解槽内に設置された少なくとも一対の電極と、前記一対の電極間に電圧を印加する電圧源とを備え、前記一対の電極間に電圧を印加することにより前記電解槽内に貯留された前記水の電解処理を行う電解装置と、前記電圧源に接続されて一定時間毎に前記一対の電極の極性を反転させる極性切り替え装置と、前記電解槽に前記水を供給する入水路と前記電解槽から出水した水を前記熱交換器に送る出水路とで構成される電解経路と、前記電解槽と並列的に設けられるバイパス経路と、前記電解槽に洗浄水を供給可能な洗浄水供給路と前記電解槽から洗浄水を排水可能な排水路とで構成される洗浄経路と、前記電解経路と前記バイパス経路との間で経路を切り替え可能な第1経路切り替え機構と、前記洗浄経路と前記電解経路との間で経路を切り替え可能な第2経路切り替え機構と、前記極性切り替え装置により前記一対の電極の極性が反転される反転操作に伴って、前記第1経路切り替え機構および前記第2経路切り替え機構を操作して前記電解経路を閉とするとともに前記バイパス経路と前記洗浄経路とを開とし、所定時間経過後に前記第1経路切り替え機構および前記第2経路切り替え機構を操作して前記電解経路を開とするとともに前記バイパス経路と前記洗浄経路とを閉とする経路制御装置と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、熱交換器を備える給湯器において、熱交換器に水を供給する水路に給湯器用スケール成分除去装置が配される。本装置には、熱交換器に供給される水を電解処理することによりスケール成分の除去を行う電解装置が備えられるとともに、この電解装置に処理すべき水を供給する電解経路、電解装置を迂回するバイパス経路、および、電解装置に洗浄水を流す洗浄経路が備えられている。加えて、本装置には、電解槽に備えられる一対の電極の極性を所定時間毎に反転する極性切り替え装置が備えられ、かつ、極性切り替え装置による反転操作時に、電解経路を閉とするとともにバイパス経路と洗浄経路とを開とし、所定時間経過後に電解経路を開とするとともにバイパス経路と洗浄経路とを閉とする経路制御装置が備えられている。
【0008】
なお、本発明において、「反転操作時に伴って」とは、電解経路を閉とする操作、およびバイパス経路を開とする操作、および洗浄経路を開とする操作がすべて反転操作に対して同時に行われる場合のみを意味するものではなく、これらの操作のうち1つまたはそれ以上が反転操作に対して若干前後して行われる場合を含む。
【0009】
このような構成によれば、極性切り替え装置による極性反転操作の際に、一定時間電解経路が閉となり、洗浄経路およびバイパス経路が開となる。これにより、陰極から陽極に切り替えられた電極の表面から剥がれ落ちたスケールが洗浄水により洗い流され、経路外へ自動的に排出される。このように電解装置の洗浄が自動的に行われ、かつ剥がれ落ちたスケールが経路外へ自動的に排出されるから、面倒なメンテナンスが不要となる。また、スケール捕集のための特別な部品や機構等が必要ないため、装置をコンパクト化できる。さらに、洗浄を行っている間、バイパス経路を介して給湯のために必要な水を熱交換器に供給できるから、給湯器の運転が妨げられることがなく、便利である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態1において、給湯器用スケール成分除去装置をヒートポンプ式の給湯器における配管に接続した様子を示す概略構成図
【図2】実施形態1の給湯器用スケール成分除去装置の構成図
【図3】電解槽の概略断面図
【図4】実施形態1における運転のタイムチャート
【図5】変形例1の給湯器用スケール成分除去装置をヒートポンプ式の給湯器における配管に接続した様子を示す概略構成図
【図6】変形例2の給湯器用スケール成分除去装置の構成図
【図7】変形例3において、給湯器用スケール成分除去装置をガス給湯器における配管に接続した様子を示す概略構成図
【図8】変形例4の給湯器用スケール成分除去装置における電解装置および各経路の構成図
【図9】変形例4における運転のタイムチャート
【図10】変形例5の給湯器用スケール成分除去装置における電解装置および各経路の構成図
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1〜図4によって説明する。本実施形態では、本発明の給湯器用スケール成分除去装置をヒートポンプ式の給湯器における配管に接続して用いる場合を例にとり説明する。
【0012】
本実施形態のヒートポンプ式給湯器10は、給湯水を貯留する貯湯タンク11、この貯湯タンク11に接続されて貯湯タンク内の給湯水が循環する給湯水循環経路12、および給湯水循環経路12内を流れる給湯水を加熱する熱交換器19を備えたヒートポンプサイクル18により構成されている(図1参照)。
【0013】
給湯水循環経路12は、貯湯タンク11から引き出されて熱交換器19に至る往水管13、および熱交換器19から引き出されて貯湯タンクに戻る復水管14により接続されて、全体としてループ状の閉回路として構成されたものである。往水管13側の配管には循環ポンプ15が装備されて、貯湯タンク11内の給湯水を給湯水循環経路12内に循環させることができるようになっている。また、貯湯タンク11の上部には、貯留されている給湯水を蛇口へ出湯する出湯口16が設けられており、貯湯タンク11の下部には、上水道からの給水配管に接続されて、出湯により消費された分の給湯水を貯湯タンク11内に補給するための給水口17が設けられている。
【0014】
ヒートポンプサイクル18は、上記の熱交換器19を圧縮機20等と冷媒用配管21により接続した閉回路にて構成される一般的な構成のものであって、内部には冷媒として二酸化炭素が封入されている。
【0015】
給湯水循環経路12における往水管13は、貯湯タンク11から引き出された第1往水管13Aと、熱交換器19に至る第2往水管13Bとに分割され、両者の間には給湯水を電解処理するためのスケール成分除去装置30が配されている。このスケール成分除去装置30は、電解装置31および気水分離装置37を備えている(図2参照)。
【0016】
電解装置31は、内部に給湯水を貯留可能な電解槽32を備えている(図3を併せて参照)。電解槽32は密閉構造をなす略直方体状の中空容器であって、その内部には、5枚の電極33が収容されている。各電極33は導電性材料により矩形薄板状に形成されており、電解槽32の内部に平行に、かつ等間隔で配置されている。5枚の電極33のうち両端に配された2枚の電極33Aがそれぞれ直流電源34の一対の端子35A、35Bのうち一方の端子35Aに、真ん中に配された1枚の電極33Bが他方の端子35Bに接続されている。そして、電極33のうち、真ん中の1枚と両端の各1枚との間にそれぞれ挟まれた2枚の電極33Cは、直流電源34の一対の端子35A、35Bのいずれにも接続されないフリー電極とされている。このフリー電極33Cの表裏面は、それぞれ対向する電極33A、33Bの極性とは逆の極性をもつようになる。これにより、隣り合うプラスマイナス一対の電極からなる単セルの4つを並列に接続した電解セル構造が構成される。
【0017】
電解槽32の出口側には、連結配管36を介して気水分離装置37が接続されている。気水分離装置37は、給湯水を貯留可能な気水分離槽38を備えており、この気水分離槽38の内部には高周波発生器(図示せず)に接続された超音波発振子39が設けられている。また、気水分離槽38の天井部には、内部に溜まった気体を外部に排出するためのボールタップ弁40が設けられている。このボールタップ弁40は、ボールタップ本体41と、このボールタップ本体41に対して搖動可能に取り付けられたアーム42と、このアーム42の先端に取り付けられたフロート43とを備える一般的な構成のものである。
【0018】
電解槽32の入口側には給湯水を内部に導入可能な導入配管44が、また気水分離槽38の出口側には、気水分離処理された給湯水が出水される出水配管45が接続されている。導入配管44から電解槽32、連結配管36を通過して気水分離装置37に至る経路が電解経路R2を構成する。
【0019】
上記のように構成されたスケール成分除去装置30は、貯湯タンク11から引き出された第1往水管13Aに導入配管44が、熱交換器19に至る第2往水管13Bに出水配管45がそれぞれ接続されることにより、循環経路12内において熱交換器19の上段に配されるようになっている。
【0020】
さらに、このスケール成分除去装置30には、電解装置31と並列的にバイパス配管46が設けられている。バイパス配管46の一端部は電解槽32の入口に連なる導入配管44から分岐しており、その分岐点には第1の三方弁47が設けられている。この第1三方弁は、1つの入口47Aと2つの出口47B、47Cとを備えるものであり、入口47Aが導入配管44を構成する配管のうち第1往水管13A側に連なる配管に、2つの出口47B、47Cのうち一方の出口47Cが導入配管44を構成する配管のうち電解槽32の入口に連なる配管に、他方の出口47Bがバイパス配管46の一端部にそれぞれ接続されている。また、バイパス配管46の他端部は連結配管36に合流しており、その合流点には、第2三方弁48が設けられている。この第2三方弁は、2つの入口48A、48Bと1つの出口48Cとを備えるものであり、2つの入口48A、48Bのうち一方の入口48Aが連結配管36を構成する配管のうち電解槽32の出口に連なる配管に、他方の入口48Bがバイパス配管46の他端部に、また出口48Cが連結配管36を構成する配管のうち気水分離槽38の入口に連なる配管に、それぞれ接続されている。導入配管44から分岐してバイパス配管46を通り、連結配管36に合流して気水分離装置37に至る経路がバイパス経路R1を構成する。そして、これら2つの三方弁47、48を操作することでバイパス経路R1と電解経路R2との間で給湯水の流路を切り替え可能となっている。第1三方弁47および第2三方弁48が本発明の第1経路切り替え機構に該当する。
【0021】
また、導入配管44において、第1三方弁47より下流側であって電解槽32の入口よりも上流側の位置には、洗浄配管50が分岐している。導入配管44と洗浄配管50との分岐点には第3三方弁49が設けられている。この第3三方弁は2つの入口49A、49Bと1つの出口49Cとを備えるものであり、2つの入口49A、49Bのうち一方の入口49Aが導入配管44を構成する配管のうち第1往水管13Aに連なる配管に、他方の入口49Bが洗浄配管50に、また出口49Cが導入配管44を構成する配管のうち電解槽32の入口に連なる配管に接続されている。洗浄配管50は、上水道からの給水配管に接続されており、電解槽32の内部に水道水を給水可能とされている。
【0022】
加えて、連結配管36において、電解槽32の出口よりも下流側であって第2三方弁48よりも上流側には、電解槽32から流出した水を外部に排水可能な排水配管52が分岐している。連結配管36と洗浄配管50との分岐点には第4三方弁51が設けられている。この第4三方弁は1つの入口51Aと2つの出口51B、51Cとを備えるものであり、入口51Aが連結配管36を構成する配管のうち電解槽32の出口に連なる配管に、また2つの出口51B、51Cのうち一方の出口51Bが排水配管52に、他方の出口51Cが連結配管を構成する配管36のうち気水分離槽38の入口に連なる配管に接続されている。洗浄配管50から導入配管44に合流して電解槽32を通過し、連結配管36から分岐して排水配管52に至る経路が洗浄経路R3を構成し、第3三方弁および第4三方弁が本発明の第2経路切り替え機構に該当する。
【0023】
直流電源34、三方弁47、48、49、51、および高周波発生器にはコントローラCが接続されて、電極33A、33Bへ印加する電圧の反転制御、弁の開閉の制御および超音波発振の制御を行うことができるようになっている。コントローラCは、CPU、メモリ等を備えたコンピュータであり、メモリに格納された制御プログラムによって電圧の反転制御、弁の開閉制御等が行われる。このコントローラCが本発明の極性切り替え装置および経路制御装置に該当する。
【0024】
次に、上記のように構成されたスケール成分除去装置30によって、ヒートポンプ式給湯器10の内部を循環する給湯水からスケール成分を除去する工程について説明する。
【0025】
ヒートポンプ式給湯器10の運転中は、循環ポンプ15の作動により貯湯タンク11内に貯留された給湯水が往水管13を経由して熱交換器19に供給され、温められる。温められた給湯水は、復水管14に戻り、貯留される。このように、貯湯タンク11に貯留された給湯水が循環経路12を循環する間に熱交換器19によって温められることによって、貯湯タンク11内には常に温かい給湯水が貯留され、いつでも湯を使用できる状態となっている。なお、給湯水が蛇口へ出湯され、貯湯タンク11内の水量が減少した場合には、水道水が給水口17から補給される。
【0026】
さて、給湯水のスケール成分除去処理を行う場合には、まず、コントローラCからの制御信号により、第1三方弁47において往水管13側の入口47Aおよび電解槽32側の出口47Cを開に、バイパス配管46側の出口47Bを閉にする。また第2三方弁48において電解槽32側の入口48Aおよび気水分離槽38側の出口48Cを開に、バイパス配管46側の入口48Bを閉にする。これにより、バイパス経路R1が閉鎖され、給湯水の流路が電解経路R2側に設定される。同時に、第3三方弁49において往水管13側の入口49Aと電解槽32側の出口49Cを開に、洗浄配管50側の入口49Bを閉にする。また、第4三方弁51において電解槽32側の入口51Aと、気水分離槽38側の出口51Cを開に、排水配管52側の出口51Bを閉にする。これにより、洗浄経路R3が閉鎖される。
【0027】
このとき、給湯水の流れは、貯湯タンク11から電解槽32、気水分離槽38および熱交換器19を通過して再び貯湯タンク11に戻る流れとなり、電解槽32および気水分離槽38の内部に給湯水が供給される。
【0028】
この状態で、コントローラCからの制御信号により、電解装置31において、直流電源34の一方の端子35Aをプラス側、他方の端子35Bをマイナス側として電極33に直流電圧を印加する(第1の電解工程)。このとき、電極33Aが陽極、電極33Bが陰極となる。そして、2枚のフリー電極33Cの表裏面のうち陽極側の電極33Aと対向する側の面は陰極として、また陰極側の電極33Bと対向する側の面は陽極として働く。
【0029】
すると、給湯水が電極33間を通過する間に、給湯水に含まれているカルシウムイオン、マグネシウムイオン等のミネラル分のイオンがスケールとなって、陰極である電極33B、およびフリー電極33Cの陰極側の面上に析出する。これにより、スケール成分が給湯水から除去される。
【0030】
このとき、電解処理に伴って、陰極側から水素が、陽極側から酸素が発生する。発生した水素および酸素は、細かい気泡となって給湯水とともに気水分離槽38内へ流れていく。気水分離槽38では、内部に設置された超音波発振子39から超音波が発振される。この超音波により、給湯水に含まれる細かい気泡が給湯水から分離して浮上し、気水分離槽38の上部に溜められる。
【0031】
なお、分離された水素及び酸素が気水分離槽38にある程度溜まると、気水分離槽38の天井部に設けられたボールタップ弁40が自動的に開状態となり、水素及び酸素が外部に逃がされる。すなわち、水素及び酸素の貯留量がある程度大きくなると、相対的に気水分離槽38内に貯留できる給湯水の量が少なくなり、水位が低下する。これに伴って、ボールタップ弁40に備えられるフロート43の位置が低下すると、アーム42の搖動によりボールタップ本体41内の弁が開となる。これにより、気水分離槽38の内部に流入する給湯水に押し出されるようにして、水素および酸素が気水分離槽38の外部に逃がされる。気水分離槽38内の給湯水の水位がある程度上昇すると、フロート43の位置が上昇してボールタップ本体41内の弁が再び閉となる。
【0032】
気水分離槽38の出口から排出された給湯水は、熱交換器19を経て再び貯湯タンク11に戻される。
【0033】
運転を継続していくと、陰極である電極33B、およびフリー電極33Cの陰極側の面上には、析出したスケールが徐々に堆積していく。そこで、所定時間経過後に、陽極−陰極を反転させて運転を行う。
【0034】
まず、コントローラCからの制御信号により、第3三方弁49において洗浄配管50側の入口49Bを開に、往水管13側の入口49Aを閉に切り替える。また、第4三方弁51において排水配管52側の出口51Bを開に、気水分離槽38側の出口51Cを閉に切り替える。同時に、第1三方弁47においてバイパス配管46側の出口47Bを開に、電解槽32側の出口47Cを閉に切り替える。また第2三方弁48においてバイパス配管46側の入口48Bを開に、電解槽側の入口48Aを閉にする。これにより、電解経路R2が閉鎖され、給湯水の流路がバイパス経路R1側に設定されるとともに、洗浄経路R3が開となり、洗浄配管50から給水された水道水(洗浄水)が電解槽32の内部を通って排水配管52へ排出されるようになる。
【0035】
この状態で、コントローラCからの制御信号により、上記した第1の電解工程とは逆に、直流電源34の一方の端子35Aをマイナス側、他方の端子35Bをプラス側として電極33に直流電圧を印加する(第1の洗浄工程)。このとき、電極33Aが陰極、電極33Bが陽極となる。そして、2枚のフリー電極33Cの表裏面のうち陰極側の電極33Aと対向する側の面は陽極として、また陽極側の電極33Bと対向する側の面は陰極として働く。これにより、電極33B、33Cの表面に堆積していたスケールが剥がれ落ちる。剥がれ落ちたスケールは洗浄水とともに排水配管52から排出される。
【0036】
このとき、給湯水はバイパス配管46を経ることによって電解槽32を迂回しつつ循環経路12を循環し続ける。したがって、洗浄処理を行っている間にも給湯器10の運転が妨げられることはない。
【0037】
所定時間洗浄工程を行った後、第1の電解工程とは陽極と陰極とを反転させたままの状態で、電解処理を再開する(第2の電解工程)。すなわち、コントローラCからの制御信号により、第3三方弁49において往水管13側の入口49Aを開に、洗浄配管50側の入口49Bを閉に切り替える。また、第4三方弁51において気水分離槽38側の出口51Cを開に、排水配管52側の出口51Bを閉に切り替える。そして、第1三方弁47において電解槽32側の出口47Cを開に、バイパス配管46側の出口47Bを閉に切り替える。また第2三方弁48において電解槽側の入口48Aを開に、バイパス配管46側の入口48Bを閉にする。これにより、バイパス経路R1および洗浄経路R3が閉鎖され、給湯水の流路が電解経路R2側に設定される。すると、再び電解槽32内で給湯水が電解処理を受け、スケール成分が給湯水から除去される。電解処理を受けてスケール成分が減少した給湯水は、上記の第1の電解工程と同様に気水分離装置37による気水分離処理を受けた後、熱交換器19を経て再び貯湯タンク11に戻される。
【0038】
運転を継続していくと、上記した第1の電解工程と同様に、陰極である電極33A、およびフリー電極33Cの陰極側の面上には、析出したスケールが徐々に堆積していく。そこで、所定時間運転経過後に、陽極−陰極を反転させて運転を行う。
【0039】
すなわち、第1の洗浄工程と同様に、コントローラCからの制御信号により、第3三方弁49において洗浄配管50側の入口49Bを開に、往水管13側の入口49Aを閉に切り替える。また、第4三方弁51において排水配管52側の出口51Bを開に、気水分離槽38側の出口51Cを閉に切り替える。同時に、第1三方弁47においてバイパス配管46側の出口47Bを開に、電解槽32側の出口47Cを閉に切り替える。また第2三方弁48においてバイパス配管46側の入口48Bを開に、電解槽側の入口48Aを閉にする。これにより、電解経路R2が閉鎖され、給湯水の流路がバイパス経路R1側に設定されるとともに、洗浄経路R3が開となり、洗浄配管50から給水された水道水(洗浄水)が電解槽32の内部を通って排水配管52へ排出されるようになる。
【0040】
この状態で、上記した第2の電解工程とは逆に、直流電源34の一方の端子35Aをプラス側、他方の端子35Bをマイナス側として直流電圧を印加する(第2の洗浄工程)。このとき、電極33Aが陽極、電極33Bが陰極となる。そして、2枚のフリー電極33Cの表裏面のうち陰極側の電極33Bと対向する側の面は陽極として、また陽極側の電極33Aと対向する側の面は陰極として働く。これにより、電極33A、33Cの表面に堆積していたスケールが剥がれ落ちる。剥がれ落ちたスケールは洗浄水とともに排水配管52から排出される。
【0041】
このとき、給湯水はバイパス経路R1を経ることによって電解槽32を迂回しつつ循環経路12を循環し続ける。したがって、洗浄処理を行っている間にも給湯器10の運転が妨げられることはない。
【0042】
所定時間洗浄工程を行った後、第2の電解工程とは陽極と陰極とを反転させたままの状態で(すなわち、再び第1の電解工程に戻って)電解処理を再開する。このように、第1の電解工程と第2の電解工程を、洗浄工程を間に挟みつつ繰り返していく。
【0043】
以上のように本実施形態によれば、所定時間ごとに電極33の極性を反転させ、陰極上に堆積したスケールを除去しつつ、電解を行う。これにより、給湯水からスケール成分を除去して循環経路12内でのスケールの付着を防止することができる。
【0044】
また、電極33の極性反転操作の際に、一定時間電解経路R2が閉となり、洗浄経路R3、バイパス経路R1が開となる。これにより、陰極から陽極に切り替えられた電極の表面から剥がれ落ちたスケールが洗浄水により洗い流され、経路外へ自動的に排出される。このように電解槽32の洗浄が自動的に行われ、かつ剥がれ落ちたスケールが経路外へ自動的に排出されるから、面倒なメンテナンスが不要となる。また、スケール捕集のための特別な部品や機構等が必要ないため、装置をコンパクト化できる。さらに、洗浄を行っている間、給湯のために必要な水をバイパス経路R1により熱交換器に供給できるから、給湯器10の運転が妨げられることがなく、洗浄中であっても利用者に給湯水を給湯できる。
【0045】
さらに、洗浄配管50は上水道からの給水配管に接続されており、電解槽32の内部に洗浄水として水道水を給水可能とされている。この水道水は水道圧によって電解槽3内に送られるから、洗浄水を電解槽3内に圧送するためのポンプ等を別途設ける必要がない。これにより、装置をコンパクト化できる。加えて、洗浄水として水道水を使用し、洗浄中は給湯水の電解槽32への供給を遮断することにより、スケールとともに排出される給湯水の量を最低限度に抑えることができ、給湯水の無駄がない。
【0046】
<変形例1>
図5に示すように、ヒートポンプ式給湯器60には、貯湯タンク61の天井部に空気抜き弁62を備え、経路内に溜まったガスをこの空気抜き弁62から逃がすことができるようになっているタイプのものがある。このようなヒートポンプ式給湯器60に本願発明を適用する場合には、図6に示すように、気水分離装置を備えないスケール成分除去装置63を用いることができる。本変形例のスケール成分除去装置63は、気水分離装置を備えず、第2三方弁48の出口48Cに接続された連結配管36が熱交換器19に至る第2往水管13Bに接続されている点を除いては実施形態1と同様である。なお、本変形例において実施形態1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略している。
本変形例によっても、実施形態と同様の作用効果が奏される。
【0047】
<変形例2>
実施形態1では、洗浄配管50が上水道からの給水配管に接続されており、電解装置31の内部に水道水を給水可能とされていたが、貯湯タンク11から洗浄水供給用の配管を別途導出して洗浄配管50に接続し、貯湯タンク11に貯留されている給湯水を洗浄水として供給しても構わない。ここで、貯湯タンク11の給水口17には上水道からの給水配管が接続されて、出湯により消費された分の給湯水を上水道から補給するようにされており、かつ、貯湯タンクに接続されている給湯水循環経路12は閉回路であるから、貯湯タンク11の内部に貯留される給湯水には常時水道圧が加わっている。したがって、貯湯タンク11から洗浄配管50に供給される給湯水にも水道圧が加わることとなり、この水道圧によって給湯水を電解槽32に圧送することが可能となる。このため、本変形例においても、給湯水を圧送するポンプ等が不要であり、装置のコンパクト化が図れる。
なお、本変形例において実施形態1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略している。
本変形例によっても、実施形態と同様の作用効果が奏される。
【0048】
<変形例3>
本発明の給湯器用スケール成分除去装置は、ガス燃焼部を燃焼させて熱交換器を加熱し、熱交換器を通過する水を加熱するタイプのガス給湯器(いわゆる瞬間ガス湯沸かし器)に適用することもできる。この場合、図7に示すように、ガス給湯器70において、熱交換器71に水を供給する配管72にスケール成分除去装置30を配設すればよい。本変形例によっても、実施形態と同様の作用効果が奏される。
【0049】
<変形例4>
上記実施形態では、洗浄工程において、電極33の極性の反転操作と同時に三方弁47、48、49、51の操作が行われ、電解経路R2が閉とされるとともにバイパス経路R1と洗浄経路R3とが開とされたが、本変形例は、バイパス経路R1を開状態とする操作が、電極33の極性反転操作、および電解経路R2を閉とし洗浄経路R3を開とするよりも前に行われる。
【0050】
本変形例のスケール成分除去装置80では、実施形態の第1三方弁47、第2三方弁48、第3三方弁49に代えて、第5二方弁81、第6二方弁82、および第7二方弁83が用いられる(図8参照)。第5二方弁81は導入配管44においてバイパス配管46との分岐点よりも電解槽32側に、第6二方弁82はバイパス配管46に、第7二方弁83は洗浄配管50に、それぞれ設けられている。その他の構成は実施形態と同様であるので同一の符号を付して説明を省略する。
【0051】
スケール成分除去装置80の始動後、第1の電解工程時においては、コントローラCからの制御信号により、第5二方弁81を開、第6二方弁82を閉とすることで、バイパス経路R1を閉鎖し、給湯水の流路を電解経路R2側に設定する。また第7二方弁83を閉とし、第4三方弁51において電解槽32側の入口51Aと気水分離槽38側の出口51Cを開、排水配管52側の出口51Bを閉とし、洗浄経路R3を閉鎖する。このとき、給湯水の流れは、貯湯タンク11から電解槽32、気水分離槽38および熱交換器19を通過して再び貯湯タンク11に戻る流れとなり、電解槽32および気水分離槽38の内部に給湯水が供給される。この状態で、実施形態と同様に給湯水の電解処理を行う。
【0052】
所定時間経過後に、第1の洗浄工程を行う(図9参照)。第1の洗浄工程では、コントローラCからの制御信号により、まず、第6二方弁82を開とする。このとき、第5二方弁81は開状態のままであり、給湯水が電解経路R2とバイパス経路R1との双方を経由して流れる状態となる。
【0053】
次いで、数十秒遅れて、コントローラCからの制御信号により、第5二方弁81を閉に、第7二方弁83を開に、また第4三方弁51において排水配管52側の出口51Bを開に、気水分離槽38側の出口51Cを閉に切り替える。これにより、電解経路R2が閉鎖され、給湯水の流路がバイパス経路R1側に設定されるとともに、洗浄経路R3が開となり、洗浄配管50から給水された水道水(洗浄水)が電解槽32の内部を通って排水配管52へ排出されるようになる。これと同時に、コントローラCからの制御信号により、電極33の極性反転操作を行う。これにより、電極33の表面からスケールが剥がれ落ち、洗浄水とともに排水配管52から排出される。
【0054】
所定時間洗浄工程を行った後、第1の電解工程とは陽極と陰極とを反転させたままの状態で、電解処理を再開する(第2の電解工程)。すなわち、コントローラCからの制御信号により、第5二方弁81を開、第6二方弁82を閉、第7二方弁を閉に、また第4三方弁51において電解槽32側の入口51Aと気水分離槽38側の出口51Cを開に、排水配管52側の出口51Bを閉に切り替える。これにより、洗浄経路R3およびバイパス経路R1が閉鎖され、給湯水の流路が電解経路R2側に設定される。すると、再び電解槽32内で給湯水が電解処理を受け、スケール成分が給湯水から除去される。
【0055】
所定時間運転経過後に、再び陽極−陰極を反転させて第2の洗浄工程を行う。すなわち、第1の洗浄工程と同様に、コントローラCからの制御信号により、まず、第6二方弁82を開とする。このとき、第5二方弁81は開状態のままであり、給湯水が電解経路R2とバイパス経路R1との双方を経由して流れる状態となる。次いで、数十秒遅れて、コントローラCからの制御信号により、第5二方弁81を閉に、第7二方弁を開に、また第4三方弁51において排水配管52側の出口51Bを開に、気水分離槽38側の出口51Cを閉に切り替える。これにより、電解経路R2が閉鎖され、給湯水の流路がバイパス経路R1側に設定されるとともに、洗浄経路R3が開となり、洗浄配管50から給水された水道水(洗浄水)が電解槽32の内部を通って排水配管52へ排出されるようになる。これと同時に、コントローラCからの制御信号により、電極33の極性反転操作を行う。これにより、電極33の表面からスケールが剥がれ落ち、洗浄水とともに排水配管52から排出される。
【0056】
所定時間洗浄工程を行った後、第2の電解工程とは陽極と陰極とを反転させたままの状態で(すなわち、再び第1の電解工程に戻って)電解処理を再開する。このように、第1の電解工程と第2の電解工程を、洗浄工程を間に挟みつつ繰り返していく。
【0057】
本変形例によっても、実施形態と同様の作用効果が奏される。加えて、本変形例では、洗浄工程において、まず、バイパス経路を開とし、給湯水が電解経路とバイパス経路の双方を通って供給されるようにし、その後に、電解経路を閉じ、洗浄経路を開き、電極の極性反転操作を行うようになっている。このようにすれば、洗浄工程の開始時において熱交換器への給湯が一瞬途絶えて空焚き状態となることを防止できる。
【0058】
<変形例5>
本変形例のスケール成分除去装置90は、実施形態1と比較して弁の構成及び洗浄配管と排水配管との取り付け位置が異なる。
【0059】
本変形例においては、実施形態1と同様に、電解装置31と並列的にバイパス配管46が設けられている(図10参照)。バイパス配管46の一端部は導入配管44から分岐しており、他端部は連結配管36に合流している。バイパス配管46と導入配管44との分岐点には弁体は設けられず、バイパス配管と46と連結配管36との合流点には、実施形態1と同様に第2三方弁48が設けられている。
【0060】
また、連結配管36において、電解槽32の出口よりも下流側であってバイパス配管46との合流点よりも上流側に洗浄配管92が分岐し、導入配管44において、バイパス配管46との分岐点よりも下流側であって電解槽32の入口よりも上流側の位置に排水配管93が分岐している。洗浄配管92には第8二方弁94が設けられている。また、導入配管44と排水配管93との分岐点には第9三方弁95が設けられている。この第9三方弁95は、入口95Aが導入配管44を構成する配管のうち第1往水管13Aに連なる配管に、出入口49Cが導入配管44を構成する配管のうち電解槽32の入口に連なる配管に、またもう一つの出口95Bが排水配管93に、接続されている。その他の構成は実施形態と同様であるので同一の符号を付して説明を省略する。
【0061】
スケール成分除去装置90の始動後、第1の電解工程時においては、コントローラCからの制御信号により、第2三方弁48において電解槽32側の入口48Aおよび気水分離槽38側の出口48Cを開に、バイパス配管46側の入口48Bを閉にする。また、第9三方弁95において往水管13側の入口95Aおよび電解槽32側の出入口95Cを開に、排水配管93側の出口95Bを閉にする。また洗浄配管92に設けられた第8二方弁94を閉にする。これにより、バイパス経路R1が閉鎖されて給湯水の流路が電解経路R2側に設定され、かつ洗浄経路R3が閉じられる。この状態で、実施形態と同様に給湯水の電解処理を行う。
【0062】
所定時間経過後に、第1の洗浄工程を行う。第1の洗浄工程では、コントローラCからの制御信号により、第2三方弁48においてバイパス配管46側の入口48Bを開に、電解槽側の入口48Aを閉に切り替える。また、第9三方弁95において往水管13側の入口95Aを閉に、電解槽32側の出入口95Cおよび排水配管93側の出口95Bを開に、洗浄配管92に設けられた第8二方弁94を開に切り替える。これにより、電解経路R2が閉鎖されて給湯水の流路がバイパス経路R1側に設定されるとともに、洗浄経路R3が開となり、洗浄配管50から給水された水道水(洗浄水)が電解槽32の内部を通って排水配管52へ排出されるようになる。この状態で、コントローラCからの制御信号により、電極33の極性反転操作を行う。これにより、電極33の表面からスケールが剥がれ落ち、洗浄水とともに排水配管93から排出される。
【0063】
所定時間洗浄工程を行った後、第1の電解工程とは陽極と陰極とを反転させたままの状態で、電解処理を再開する(第2の電解工程)。すなわち、コントローラCからの制御信号により、第2三方弁48において電解槽32側の入口48Aおよび気水分離槽38側の出口48Cを開に、バイパス配管46側の入口48Bを閉に切り替える。また、第9三方弁95において往水管13側の入口95Aおよび電解槽32側の出入口95Cを開に、排水配管93側の出口95Bを閉に切り替え、洗浄配管92に設けられた第8二方弁94を閉に切り替える。これにより、バイパス経路R1が閉鎖されて給湯水の流路が電解経路R2側に設定され、かつ洗浄経路R3が閉じられる。この状態で、実施形態と同様に給湯水の電解処理を行う。
【0064】
所定時間運転経過後に、再び陽極−陰極を反転させて第2の洗浄工程を行う。すなわち、第1の洗浄工程と同様に、コントローラCからの制御信号により、第2三方弁48においてバイパス配管46側の入口48Bを開に、電解槽側の入口48Aを閉に切り替える。また、第9三方弁95において往水管13側の入口95Aを閉に、電解槽32側の出入口95C、および排水配管93側の出口95Bを開に切り替え、洗浄配管92に設けられた第8二方弁94を開に切り替える。これにより、電解経路R1が閉鎖されて給湯水の流路がバイパス経路R1側に設定されるとともに、洗浄経路R3が開となり、洗浄配管50から給水された水道水(洗浄水)が電解槽32の内部を通って排水配管52へ排出されるようになる。この状態で、コントローラCからの制御信号により、電極33の極性反転操作を行う。これにより、電極33の表面からスケールが剥がれ落ち、洗浄水とともに排水配管93から排出される。
【0065】
所定時間洗浄工程を行った後、第2の電解工程とは陽極と陰極とを反転させたままの状態で(すなわち、再び第1の電解工程に戻って)電解処理を再開する。このように、第1の電解工程と第2の電解工程を、洗浄工程を間に挟みつつ繰り返していく。
本変形例によっても、実施形態と同様の作用効果が奏される。
【0066】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、自動気体放出弁としてボールタップ弁を使用したが、本発明によれば、ボールタップ弁に限らず気水分離槽の上部に溜められた気体を自動的に外部に逃がす機構を有する弁であればいかなるタイプの弁であっても使用することができる。
(2)上記実施形態では、気水分離装置37が電解装置30と熱交換器19との間に設置されたが、ヒートポンプ式給湯器の給湯水循環経路のように給湯水が循環する水路にスケール成分除去装置が設置される場合には、電解装置を通過して気泡を含む給湯水が循環経路を循環することとなるため、気水分離装置を循環経路中のどの位置に配しても、本発明の作用効果を奏することができ、例えば、熱交換器から貯湯タンクに至る復水管に気水分離装置が設置されていても構わない。
【符号の説明】
【0067】
10、60...ヒートポンプ式給湯器(給湯器)
12...給湯水循環経路(水路)
19、71...熱交換器
30、63、80、90...スケール成分除去装置
31...電解装置
32...電解槽
33...電極
34...直流電源(電圧源)
36...連結配管(出水路)
37...気水分離装置
38...分離槽
39...超音波発振子
40...ボールタップ弁(自動気体放出弁)
44...導入配管(入水路)
47...第1三方弁(第1経路切り替え機構)
48...第2三方弁(第1経路切り替え機構)
49...第3三方弁(第2経路切り替え機構)
50、92...洗浄配管(洗浄経路)
51...第4三方弁(第2経路切り替え機構)
52、93...排水配管(排水路)
72...配管(水路)
81...第5二方弁(第1経路切り替え機構)
82...第6二方弁(第1経路切り替え機構)
83...第7二方弁(第2経路切り替え機構)
94...第8二方弁(第2経路切り替え機構)
95...第9三方弁(第2経路切り替え機構)
R1...バイパス経路
R2...電解経路
R3...洗浄水供給路
C...コントローラ(極性切り替え装置、経路制御装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器を備える給湯器において前記熱交換器に水を供給する水路に配される給湯器用スケール成分除去装置であって、
前記水を貯留可能な電解槽と、前記電解槽内に設置された少なくとも一対の電極と、前記一対の電極間に電圧を印加する電圧源とを備え、前記一対の電極間に電圧を印加することにより前記電解槽内に貯留された前記水の電解処理を行う電解装置と、
前記電圧源に接続されて一定時間毎に前記一対の電極の極性を反転させる極性切り替え装置と、
前記電解槽に前記水を供給する入水路と前記電解槽から出水した水を前記熱交換器に送る出水路とで構成される電解経路と、
前記電解槽と並列的に設けられるバイパス経路と、
前記電解槽に洗浄水を供給可能な洗浄水供給路と前記電解槽から洗浄水を排水可能な排水路とで構成される洗浄経路と、
前記電解経路と前記バイパス経路との間で経路を切り替え可能な第1経路切り替え機構と、
前記洗浄経路と前記電解経路との間で経路を切り替え可能な第2経路切り替え機構と、
前記極性切り替え装置により前記一対の電極の極性が反転される反転操作に伴って、前記第1経路切り替え機構および前記第2経路切り替え機構を操作して前記電解経路を閉とするとともに前記バイパス経路と前記洗浄経路とを開とし、所定時間経過後に前記第1経路切り替え機構および前記第2経路切り替え機構を操作して前記電解経路を開とするとともに前記バイパス経路と前記洗浄経路とを閉とする経路制御装置と、
を備える、給湯器用スケール成分除去装置。
【請求項2】
前記第1経路切り替え機構が前記電解経路へ前記給湯水を供給する経路を開閉する第1開閉弁と、前記バイパス経路へ前記給湯水を供給する経路を開閉する第2開閉弁とからなり、
前記経路制御装置が、前記反転操作時において、まず前記第2開閉弁を開放して前記バイパス経路を開とし、次いで第1開閉弁を閉とするとともに前記第2経路切り替え機構を操作して前記電解経路を閉とするとともに前記バイパス経路と前記洗浄経路とを開とするものである、請求項1に記載の給湯器用スケール成分除去装置。
【請求項3】
前記洗浄水供給路が、水道圧を用いて前記電解槽に洗浄水を供給可能なものである、請求項1または請求項2に記載の給湯器用スケール成分除去装置。
【請求項4】
前記洗浄水供給路が上水道の給水配管に接続されている、請求項3に記載の給湯器用スケール成分除去装置。
【請求項5】
前記電解槽から出水した前記水が通過する水路には、前記電解槽から出水した前記水を貯留可能な気水分離槽と、前記気水分離槽の内部に設けられた超音波発振子と、前記気水分離槽の上部に取り付けられた自動気体放出弁とを備える気水分離装置が配される、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の給湯器用スケール成分除去装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−145244(P2012−145244A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2418(P2011−2418)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【特許番号】特許第4888869号(P4888869)
【特許公報発行日】平成24年2月29日(2012.2.29)
【出願人】(504084247)イノベーティブ・デザイン&テクノロジー株式会社 (2)
【Fターム(参考)】