説明

統合された3GPP及び3GPP2ネットワークのためのシグナリングフリー・アイドルモード・モビリティの方法

本発明は、第1の無線アクセス技術に従って動作する第1のネットワーク、及び第2の無線アクセス技術に従って動作する第2のネットワークを含む無線通信システムにおいてページングコントローラを動作させるための方法を提供する。第1のネットワークは第1の制御プレーンエンティティを含み、第2のネットワークは第2の制御プレーンエンティティを含む。この方法は、第1のネットワークにおける少なくとも1つの第1の基地局に、移動体ユニットに関連付けられた第1のトラッキングエリアにページを送信する旨の要求を提供するステップを含む。第1のトラッキングエリアは第1のネットワークにおいて定義される。この方法は、第1の制御プレーンエンティティと第2の制御プレーンエンティティとの間のインターフェイスを介して、移動体ユニットに関連付けられた第2のトラッキングエリアにページを送信する旨の要求を提供するステップも含む。第2のトラッキングエリアは第2のネットワークにおいて定義される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概略として通信システムに関し、より詳細には無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムは一般に1つ以上の基地局又はアクセスポイントを含み、それらはモバイルネットワークの一部であり、各基地局又はアクセスポイントに関連付けられた地理的エリア(セルやセクタなど)における移動体ユニットとの無線接続を提供するためのものである。移動体ユニットと基地局との間の通信を開始するために、移動体ユニットと基地局とがセッションを確立する必要がある。このために、移動体ユニットはネットワークに接続し、それによってネットワークにおいて様々なセッションパラメータの値を示す情報を含む「UEコンテキスト」を作成する。UEコンテキスト情報は、移動体ユニットがセル間を移動するとき、例えばハンドオーバーアルゴリズムの一部として、ある基地局(又は他のネットワークノード)から別の基地局に転送され得る。移動体ユニットと基地局との間にいったんUEコンテキストが確立されると、移動体ユニット及び基地局は、セッションパラメータに基づいて、変調無線周波数信号を送信するために使用され得る無線通信リンク又はエアインターフェイスを形成することができる。エアインターフェイスは、基地局から移動体ユニットに情報を送信するためのダウンリンク(又は順方向リンク)チャネル、及び移動体ユニットから基地局に情報を送信するためのアップリンク(又は逆方向リンク)チャネルを含む。アップリンクチャネル及びダウンリンクチャネルは、一般に、データチャネル、ランダムアクセスチャネル、ブロードキャストチャネル、ページングチャネル、制御チャネルなどに分割される。
【0003】
通信セッション及び/又は無線通信リンクの確立は無線通信標準及び/又はプロトコルに従って行われる。例えば、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP、3GPP2)のメンバーが、次いでサービスプロバイダによって無線通信システムを実施するために採用され得る標準及び/又はプロトコルを確立し、それに合意する。合意した標準及び/又はプロトコルを採用することによって、サービスプロバイダは無線通信サービスを加入者に提供する際に協力することができる。現在及び従来の無線通信システムの例には、第2及び/又は第3世代(2G及び3G)の3GPP標準及び/又はプロトコルに従って動作する汎用パケット無線ソース(GPRS)システムなどがある。3Gシステムはユニバーサル移動体通信システム(UMTS)とも呼ばれる。Long Term Evolution/System Architecture Evolution(LTE/SAE)標準及び/又はプロトコルなど、新しい標準及び/又はプロトコルは、現在、3GPPによって論議中である。3GPP2標準化団体によって提案された標準の例には、CDMA1x及びCDMA EvDOなどがある。
【0004】
移動体ユニットは1つ以上の基地局とのアクティブ又はアイドルの無線通信リンクを有し得る。アクティブな通信リンクは、移動体ユニットが基地局との間で情報をアクティブに送信し、及び/又は受信しているときに使用される。アクティブな移動体ユニットは、移動すると、ソース基地局からターゲット基地局にハンドオフされ得る。アクティブな移動体ユニットは、ソース及び/又はターゲット基地局の環境条件及び/又は送信パラメータの変化により、ソース基地局への無線通信リンクの品質がターゲット基地局の無線通信リンクの品質を下回るときにも、ソース基地局からターゲット基地局にハンドオフされ得る。アイドルモードでは、移動体ユニットは定期的に好ましい基地局を再選択し、対応するブロードキャストページング間隔と同期することができる。しかし、アイドルモードユニットは、新しい基地局に、それが好ましい基地局として選択されたことを通知する必要はない。従って、移動体ユニットに関連付けられた状態は、順方向リンク及び/又は逆方向リンクのトラフィックが再開するとき、移動体ユニットがアイドルモードを終了するまで移動できない。
【0005】
アイドルの移動体ユニットにとって情報が使用可能になると、無線通信システムは、情報が使用可能であることを示し、その移動体ユニットが情報を受信するためにアクティブモードになることを要求するページングメッセージを送信する。しかし、上述したように、アイドルの移動体ユニットは、基地局に、それらが好ましい基地局として選択されたことを通知する必要はない。その結果、無線通信システムは、アイドルの移動体ユニットの正確な位置を知らない場合があり、従って、多数のセル又はセクタにページングメッセージを提供することが必要である場合がある。従来の無線通信システムは、位置更新メッセージの送信に関連付けられたオーバーヘッドを低減したいという願望と、複数の基地局によってサービスを受ける複数のセル又はセクタを含むトラッキングエリア(又はルーティングエリア)を定義することによって、ページングメッセージの送信に関連付けられたオーバーヘッドを低減したいという願望との競合の間でバランスを取ろうと試行する。その場合、アイドルの移動体ユニットは、2つのトラッキングエリア間の境界を横切るとき、位置更新メッセージを送信することが必要である場合がある。従って、無線通信システムは、アイドルの移動体ユニットが最新の位置更新メッセージで示されたトラッキングエリア内にある確率が最も高いことを知っており、そのため、トラッキングエリア内の基地局を介してページングメッセージを提供することによって処理されるページングを開始することができる。
【0006】
実世界において、移動体ユニットとの無線接続は複数の無線通信システムを使用して提供され、無線通信システムの一部は最新の標準及び/又はプロトコルに従って動作する可能性があり、また無線通信システムのうちの一部は1つ以上の従来の標準及び/又はプロトコルに従って動作する可能性がある。例えば、新しいLTE/SAE無線通信システムは、最初は、システムに既存の従来の2G/3G/UMTS無線通信システムを重ねることによって配置することができる。新しい無線通信システム及び従来の無線通信システムは、異なる標準及び/又はプロトコルに従って動作する異なる無線アクセス技術(RAT)を使用する。従来の2G/3G/UMTS無線通信システムは、少なくとも最初は、新しいLTE/SAE無線通信システムより成熟していると期待され、従って、従来の無線通信システムは、少なくとも最初は、より良い、より信頼できるカバレージを提供すると期待される。その結果、移動体ユニットは、新しい無線通信システムからのカバレージが失われた、又は使用できなくなったとき、従来の無線通信を使用する可能性が高い。
【0007】
新しい無線通信システムと従来の無線通信システムとの間の移行は、少なくとも一部、新しい無線通信システム及び従来の無線通信システムの両方がトラッキングエリアの重なる組を定義し得るため、比較的大量のシグナリングトラフィックを生成し得る。その結果、移動体ユニットは、新しい及び/又は従来の無線通信システムに関連付けられたトラッキングエリアの間の境界を横切るたびに、2つの位置更新メッセージを提供する必要があり得る。例えば、移動体ユニットは、新しい無線通信システムに関連付けられたトラッキングエリアから従来の無線通信システムに関連付けられたトラッキングエリアに移行すると、新しい無線通信システム及び従来の無線通信システムの両方に位置更新メッセージを提供することができる。移行は、例えば、動き回っている移動体ユニットが新しい無線通信システム及び従来の無線通信システムのカバレージエリア間の境界を横切るときなど、移動体ユニットの移動の結果、又は、例えば新しい及び/又は従来の無線通信システムによって提供されたチャネル品質システムが変化し、新しい無線通信システムと従来の無線通信システムとの間の移行をトリガするときなど、システム条件又は環境条件の変化の結果とすることができる。
【0008】
位置更新メッセージによって生成されたシグナリングトラフィックの量は、最初に新しい無線通信システムが配置されたときにも特に多くなることがある。というのは、新しい無線通信システムによって提供されるカバレージがまだら状になり、その結果、新しい無線通信システムと従来の無線通信システムとの間で比較的多数の移行をもたらすからである。新しい及び/又は従来の無線通信システムによってドロップされた呼の数は、シグナリングトラフィックが増えると、増える可能性がある。従って、最初に新しい無線通信システムが配置されると、呼のドロップ数は不本意に増える可能性がある。さらに、異なる無線通信システムによって維持されるトラッキングエリア間の移行によって送信される位置更新メッセージによってトラッキングエリア更新がトリガされることによって、ソース無線通信システムは移動体ユニットに関連付けられた情報(コンテキストとしても知られる)を解放する。このコンテキスト情報は、移動体ユニットが元の無線通信システムに移行し直すと、再度作成されなければならず、これは、移動体ユニットが異なる無線通信システム間で頻繁にフリップフラップする場合、過度のリソース消費をもたらす可能性がある。
【0009】
3GPP標準によって定義される新しい(例えばLTE)無線アクセス技術と従来の(例えばHSDPA、UMTS、EDGE、及びGPRS)無線アクセス技術との間の境界を横切る移動体ユニットによって生成されたネットワークシグナリングを最低限に抑えるために、移動体ユニットを、両方の無線アクセス技術に関連付けられたトラッキングエリア及び/又はルーティングエリアに割り当てることができる。新しい無線アクセス技術及び従来の無線アクセス技術の両方のページング及び位置更新機能は、モビリティ管理エンティティ(MME)など、単一のネットワーク制御プレーンエンティティにおいて維持され得る。その結果、移動体ユニットは、同等のトラッキングエリア又はルーディングエリアの識別のうちのブロードキャストされたものをセル中で動かしている限り、位置更新メッセージを送信する必要はない。移動体ユニットのために新しいトラフィックが到着すると、移動体ユニットは、これらの技術を使用してページングされ得る。しかし、3GPP無線アクセス技術のページング及び位置更新機能の他の無線アクセス技術(例えば、3GPP2及びIEEE無線アクセス技術)との密な調整は、非3GPP無線アクセス技術が無線ネットワークコントローラなどの異なる制御プレーンエンティティを実施するので、不可能である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記の問題のうちの1つ以上の影響に対処することを対象とする。以下で、本発明のいくつかの態様を基本的に理解できるようにするために、本発明の簡単な概要を説明する。この概要は、本発明の包括的な概説ではない。本発明の鍵となる、又は重要な要素を特定するためのもの、又は本発明の範囲を画定するためのものではない。その唯一の目的は、後述される、より詳細な説明の序文として、簡略な形で多少の概念を提示することである。
【0011】
本発明の一実施形態において、第1の無線アクセス技術に従って動作する第1のネットワーク、及び第2の無線アクセス技術に従って動作する第2のネットワークを含む無線通信システムにおいてページングコントローラを動作させるための方法が提供される。第1のネットワークは第1の制御プレーンエンティティを含み、第2のネットワークは第2の制御プレーンエンティティを含む。この方法は、第1のネットワークにおける少なくとも1つの第1の基地局に、移動体ユニットに関連付けられた第1のトラッキングエリアにページを送信する旨の要求を提供するステップを含む。第1のトラッキングエリアは第1のネットワークにおいて定義される。この方法は、第1の制御プレーンエンティティと第2の制御プレーンエンティティとの間のインターフェイスを介して、移動体ユニットに関連付けられた第2のトラッキングエリアにページを送信する旨の要求を提供するステップも含む。第2のトラッキングエリアは第2のネットワークにおいて定義される。
【0012】
本発明の別の実施形態において、第1の無線アクセス技術に従って動作する第1のネットワーク、及び第2の無線アクセス技術に従って動作する第2のネットワークを含む無線通信システムにおいて移動体ユニットを動作させるための方法が提供される。第1のネットワークは第1の制御プレーンエンティティを含み、第2のネットワークは第2の制御プレーンエンティティを含む。この方法は、第1のネットワークにおける第1のトラッキングエリアに入ることに応答して、移動体ユニットの識別を示す位置更新メッセージを提供するステップを含む。第1及び第2のネットワークは位置更新メッセージを使用して、第1の制御プレーンエンティティと第2の制御プレーンエンティティとの間のインターフェイスを介して通信される情報を使用して、移動体ユニットを第1のトラッキングエリア、及び第2のネットワークにおける少なくとも1つの第2のトラッキングエリアに関連付けることができる。
【0013】
本発明は以下の説明を添付の図面と併せ読めば理解できよう。図中、類似の参照番号は、類似の要素を識別する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による無線通信システムの一実施形態例を概念的に示す図である。
【図2】本発明によるオーバーレイ/アンダーレイカバレージエリアの一実施形態例を概念的に示す図である。
【図3】本発明による無線通信システムにおいて位置更新メッセージを提供する方法の一実施形態例を概念的に示す図である。
【図4】本発明による無線通信システムにおいてページを提供する方法の一実施形態例を概念的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、様々な修正及び代替形態の余地はあるが、本発明の具体的な実施形態を図面に例示の目的で示し、本明細書において詳細に説明する。しかし、本明細書における特定の実施形態の説明は、本発明を開示された特定の形に限定するものではなく、逆に、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれる全ての修正、均等物、及び代替形態を包含するものであることに留意されたい。
【0016】
本発明の実施形態例について、以下で説明する。明瞭にするために、本明細書には実際の実装形態の全ての特徴が記載されているわけではない。当然、こうした任意の実際の実施形態の開発において、実装ごとに異なるシステム関連及び業務関連の制約を順守するなど、開発者の特定の目標を達成するために多くの実装固有の決定を行うべきであることを理解されよう。さらに、こうした開発努力は複雑で時間を消費する可能性があるが、それにもかかわらず、本開示の利益を得る当業者にはルーチン作業であることを理解されたい。
【0017】
次に、本発明について、添付の図面を参照して説明する。様々な構造、システム、及び装置は、単に説明の目的で、また当業者によく知られている詳細で本発明を不明瞭にしないように、図面に概略的に示されている。それにも関わらず、添付の図面は、本発明の例を表し、説明するために含まれる。本明細書で使用されている単語及び句は、当業者による単語及び句の理解と一致した意味を有するものと理解され、解釈されるものとする。本明細書の用語又は句の一貫した用法によって、その用語又は句の特別な定義、即ち、当業者によって理解される通常の、習慣的な意味と異なる定義を意味することは意図されていない。用語又は句が特別な意味、即ち、当業者によって理解されるもの以外の意味を有することが意図されている限り、こうした特別な定義が、明細書中で、その用語又は句の特別な定義を直接的に、明確に提供する定義的な方法で明示的に記載される。
【0018】
図1は無線通信システム100の一実施形態例を概念的に示す。図示した実施形態において、無線通信システム100は、異なる無線アクセス技術又はワイヤレスアクセス技術に従って動作する複数のネットワークを含む。図1に示される2つの無線アクセス技術は異なる標準及び/又はプロトコルに従って動作する。例えば、図1に示される2つの無線アクセス技術は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって定義されたLong Term Evolution(LTE)標準、及び3GPP2によって定義されたEvolved,Data Optimized(EvDO)標準に従って動作する。しかし、本開示の利益を得る当業者は、本発明は無線アクセス技術のこの特定の組み合わせに限定されないことを理解されたい。例えば、ネットワークのうちの1つ以上は、IEEE標準及び/又はプロトコルに従って動作し得る。さらに、本発明は、異なる無線アクセス技術に従って動作する2つのネットワークを含む無線通信システム100に限定されない。代替実施形態において、無線通信システム100は任意の数のネットワークを含み得る。
【0019】
LTEネットワークは、サービングゲートウェイ(SGW)110に通信可能に接続されているモビリティ管理エンティティ(MME)105を含む。サービングゲートウェイ110はユーザデータパケットを経路指定し、転送すると共に、ハンドオーバー中のユーザプレーンのモビリティアンカーとして働く。サービングゲートウェイ110は、例えば、IMS(VoIP)、MMSなど、オペレータがそれ自体のサービスを提供するインターネットやイントラネットなど、ターゲットパケットデータネットワーク(PDN)120と通信するパケットデータネットワークゲートウェイ(PDN−GW)115から、アイドルユーザのためにダウンリンクデータが到着すると、アイドルユーザのためのダウンリンクデータパスを終了し、ページングをトリガすることもできる。パケットデータネットワークゲートウェイ115は、LTEネットワーク及びEvDOネットワークを含む様々なネットワーク間のモビリティのためのアンカーとして働き得る。モビリティ管理エンティティ105は、ホームロケーションレジスタ、セキュリティ及びネットワークアクセスデータベースなどのデータベース機能を実装し得るホームサブスクライバサーバ(HSS)125にも接続される。サービングGPRSサポートノード(SGSN)130は、モビリティ管理エンティティ105と、ユニバーサル地上波無線アクセスネットワーク(UTRAN)135など従来の3GPP無線アクセスとの間の接続を提供する。当分野では、LTEネットワークにおける機能エンティティを実施し、及び/又は動作させるための技術は知られており、明瞭にするために、本明細書では、本発明に関係するこれらのエンティティを実施し、及び/又は動作させる態様のみを説明する。
【0020】
LTEネットワークにおける制御プレーン機能はモビリティ管理エンティティ105に実装される。モビリティ管理エンティティ105は、移動体ユニットのアイドルモードの追跡、及び再送を含むページング手順の責任を負い得る。モビリティ管理エンティティ105は、アクティブ化/非アクティブ化プロセスにも関与し、ユーザが最初にLTEネットワークに接続したとき、及び/又はハンドオーバー中、適切なサービングゲートウェイ110を選択することができる。ユーザ認証は、モビリティ管理エンティティ105によって、例えば、ホームサブスクライバサーバ125と対話することによって実行することもできる。モビリティ管理エンティティ105によって仮のユーザ識別を割り当てることができ、モビリティ管理エンティティ135は、例えば2G/3Gアクセスネットワーク及びEvDOネットワークなど、LTEネットワークと他のネットワークとの間のモビリティのための制御プレーン機能を提供し得る。モビリティ管理エンティティ105は、無線通信システム100における移動体ユニット150への無線接続を提供する1つ以上の拡張node−B(e−NB又は基地局とも呼ばれ得る)145にも接続される。移動体ユニット150は、LTEネットワーク及び/又はEvDOネットワークと通信することができると共に、場合によっては他のタイプのネットワークと通信することができるマルチモードエンティティである。
【0021】
図示した実施形態において、モビリティ管理エンティティ105は、本明細書に記載されたページング及び位置更新プロセスを調整する責任を負うページングコントローラ(PC)140も実装する。例えば、ページングコントローラ140は、1人以上のアイドルユーザにとって入ってくるデータが使用可能であることの指示を受信することに応答して、ページングメッセージを送信する旨の要求を提供する責任を負い得る。ページングコントローラ140はアイドルユーザから位置更新メッセージを受信し、これらを使用して、登録された各アイドルユーザに関連付けられた位置(例えば、トラッキングエリア又はルーティンエリア)を示すデータベースを維持し、及び/又は更新することもできる。しかし、本開示の利益を得る当業者は、ページングコントローラ140をモビリティ管理エンティティ105に実装する必要がないこと、及び代替実施形態において、他のエンティティに実装することができる、又はスタンドアロンエンティティとすることができることを理解されたい。
【0022】
EvDOネットワークは、パケットデータネットワークゲートウェイ115に結合されているパケットデータサービングノード(PDSN)155を含む。パケットデータサービングノード155は、移動体ユニット150に対して、ポイントツーポイントプロトコル(PPP)セッションなどのユーザセッションを確立し、維持し、及び/又は終了する責任を負い得る。パケットデータサービングノード155は、動的なIPアドレスを割り当て、及び/又はモバイルIP機能をサポートすることもできる。あるいは、EvDOネットワークは、パケットデータネットワークゲートウェイ115に結合され得るHRPDサービングゲートウェイ(HSGW)を含むことができる。いくつかの実施形態において、HGSWをLTE SGW110と結合することもできる。EvDOネットワークにおける制御プレーン機能は無線ネットワークコントローラ(RNC)160によってサポートされ、これは一般に、基地局165によって使用されるリソースなど無線リソースの使用及び信頼性を制御して、移動体ユニット150に無線接続を提供する責任を負う。無線ネットワークコントローラ160はページング要求を提供し、位置更新メッセージを受信する責任も負う。例えば、無線ネットワークコントローラ160は基地局165に信号を送って、移動体ユニット150がアイドルモードであるとき、移動体ユニット150の位置を特定するよう試みるページング要求を提供することができる。無線ネットワークコントローラ160はアイドルの移動体ユニット150から位置更新メッセージを受信し、これらを使用して、登録された各アイドルユーザに関連付けられた位置(例えば、トラッキングエリア又はルーティンエリア)を示すデータベースを維持し、及び/又は更新することもできる。
【0023】
図1のLTEネットワーク及びEvDOネットワークは重なるカバレージエリアへの無線接続を提供することができる。例えば、基地局145のカバレージエリアは基地局165のカバレージエリアと少なくとも部分的に重なり得る。一実施形態において、EvDOネットワークは、特定の地理的エリア内の実質的にいたるところにあるカバレージを提供する従来のアンダーレイネットワークである。本開示の利益を得る当業者は、「実質的にいたるところにあるカバレージ」という用語は、理想的な条件下で、EvDOネットワークが対象の地理的エリア全体にわたって無線接続を提供できるべきであることを意味するものとすることを理解されたい。しかし、人工の障害物、地理的特徴、及び/又は環境的な条件など、様々な要因によって、地理的エリア内のいくつかの場所において、カバレージが低品質になる、又はカバレージが存在しない場合がある。これらのカバレージホールの位置は時間で変わる可能性があり、基地局165及び/又は移動体ユニット150の動作の特徴に応じて決まり得る。LTEネットワークは、EvDOネットワークから実質的にいたるところにあるカバレージを受信する地理的エリア内の特定の領域にカバレージを提供するオーバーレイネットワークとすることができる。例えば、LTEネットワークは、配置の過程にあり、従って、限定されたエリアにカバレージを提供する、又は、EvDOサービスが到達し得ないエリアにおいて(例えば、室内の奥深くや地下)カバレージを提供し得る。
【0024】
図2に、オーバーレイ/アンダーレイカバレージシナリオ200の一実施形態例を概念的に示す。図示した実施形態において、実質的にいたるところにあるカバレージは、EvDOネットワークなど、アンダーレイネットワークによってルーティングエリア205に含まれる地理的エリア又はセルに提供される。各ルーティングエリア205は1つ以上の基地局に関連付けられた1つ以上のセル又はセクタを含み得る。追加の重なるカバレージも、LTEネットワークなど、オーバーレイネットワークによってトラッキングエリア210に含まれるセルに提供される。各トラッキングエリア210は1つ以上の基地局に関連付けられた1つ以上のセル又はセクタを含み得る。エリア205、210は図2に円として描かれているが、本開示の利益を得る当業者は、これは理想化されたものであることを理解されたい。実際には、エリア205、210の境界は不規則で、及び/又は時間によって変わり得る。
【0025】
移動体ユニット215はカバレージエリア200を進むことができ、従って、トラッキングエリア210及び/又はルーティングエリア205内の基地局からカバレージを受信することができる。移動体ユニット215は、アイドルモードである場合、トラッキング及び/又はルーティングエリア205、210における基地局を介して位置更新メッセージを提供することができる。少なくとも一部、オーバーヘッド及び/又はバッテリ消費を低減するために、移動体ユニット215は、新しいトラッキングエリア又はルーティングエリア205、210に入るたびに位置更新メッセージを提供しなくてもよい。図示した実施形態において、移動体ユニット215は、矢印220によって示されるように、アンダーレイネットワークの新しいトラッキングエリア205に入ると、位置更新メッセージを送信するだけでよい。移動体ユニット215は矢印225によって示されるように、トラッキングエリア205内のルーティングエリア210間を移動すると、位置更新メッセージの送信を回避することができる。複数のトラッキングエリア205と重なるルーティングエリア210、例えば、ルーティングエリア210(7)は、それらが重なる全てのトラッキングエリア205の一部と考えることができる。一実施形態において、無線通信システムは(例えば、定期的に送信されたブロードキャスト及び/又はユニキャストメッセージを使用して、又は端末登録の後)トラッキングエリアとルーティングエリア205、210との間の関係を移動体ユニット215に知らせる。次いで移動体ユニット215はこの情報を使用して位置更新メッセージをいつ提供するかを決定することができる。
【0026】
移動体ユニット215のためのページングメッセージは、移動体ユニット215によって提供された位置更新情報を使用して、オーバーレイ及びアンダーレイネットワークを介して送信することができる。例えば、最新の位置更新メッセージが移動体ユニット215はトラッキングエリア205(1)にあることを示す場合、ページングメッセージを、アンダーレイネットワークにおける基地局を使用して、トラッキングエリア205(1)に提供することができる。また、無線通信システムはマッピング情報及び/又はデータベース情報を使用して、ルーティングエリア210(1−3)がトラッキングエリア215(1)にあることを決定することもできる。オーバーレイネットワークにおける基地局を使用して、追加のページングメッセージをルーティングエリア210(1−3)に提供することもできる。アンダーレイ及びオーバーレイネットワークにおける制御プレーンエンティティの調整は、これらのエンティティの間のインターフェイスを介して実行することができる。例えば、アンダーレイネットワークは、位置更新メッセージを受信すると、それ自体の位置データベースを更新すると共に、オーバーレイネットワークがそのデータベースの位置を更新することができるように、オーバーレイネットワークに通知しなければならない。位置更新情報は、制御プレーンエンティティと対応する基地局無線との間のインターフェイスを介して移動体ユニットに透過的に渡すこともできる。
【0027】
再度図1に戻ると、無線通信システム100に含まれる様々なネットワークにおける制御プレーンエンティティ、例えば、LTEネットワークにおけるモビリティ管理エンティティ105、及びEvDOネットワークにおける無線ネットワークコントローラ160はインターフェイス170を介して通信することができる。インターフェイス170は、移動体ユニット150にシグナリングフリーアイドルモードモビリティを提供するために、ページング及び位置更新手順を調整するために使用される。一実施形態において、制御プレーンエンティティ105、160はインターフェイス170を使用してLTEネットワーク及びEvDOネットワークを介して単一のページングメッセージをブロードキャストすることができる。例えば、ページングコントローラ140は、移動体ユニット150のために情報がパケットデータネットワーク120から到達したことを知っているとき、基地局145に、前の位置更新メッセージにおける移動体ユニット150によって示されたトラッキングエリアにページングメッセージを提供するよう指示することができる。ページングメッセージは、TMSI、U−RNTI、UATIなど、LTEネットワークによって生成されたアドレス指定スキーム又は識別子を使用して、移動体ユニット150にアドレス指定することができる。
【0028】
ページングコントローラ140は、インターフェイス170を使用して、無線ネットワークコントローラ160に、移動体ユニット150と関連付けられたトラッキングエリアに重なるEvDOネットワークのルーティングエリアへのページングプロセスを開始するように指示することもできる。例えば、ページングコントローラ140は、局所的に維持された位置データベースを使用して、移動体ユニット150に関連付けられたトラッキングエリアに重なるEvDOネットワークにおけるルーティングエリアを決定することができる。次いでページングコントローラ140は、決定されたルーティングエリアにおいて移動体ユニット150をページングするように、無線ネットワークコントローラ160に要求を送信することができる。あるいは、ページングコントローラ140は、移動体ユニット150と関連付けられたトラッキングエリアを示す情報を送信することができ、無線ネットワークコントローラ160は、例えば、局所的に維持された位置データベースに基づいて、ページングすべきルーティングエリアを決定することができる。いくつかの場合、EvDOネットワークは、LTEネットワークで使用される異なるアドレス指定スキーム又は移動体ユニット識別子を使用することができる。従って、ページングコントローラ140及び/又は無線ネットワークコントローラ160は、2つのネットワーク間の移動体ユニット識別をマッピングするためのマッピング機能を実装することができる。
【0029】
位置更新メッセージが移動体ユニット150から受信されると、インターフェイス170は、移動体ユニット150を関連のトラッキングエリア及び/又はルーティングエリアに登録するために使用され得る。一実施形態において、ネットワークのうちの1つで受信される位置更新メッセージは、他のネットワークにおける移動体ユニット150の自動の位置更新をもたらす。例えば、移動体ユニット150がLTEネットワークの新しいトラッキングエリアに移動したことを示す位置更新メッセージを、モビリティ管理エンティティ105が移動体ユニット150から受信すると、ページングコントローラ140は、その位置データベースを更新することができる。また、モビリティ管理エンティティ105は、無線ネットワークコントローラ160がその位置データベースにおける対応するエントリを更新することができるように、インターフェイス170を介して位置更新情報を送信することもできる。位置データベースにおけるエントリは、LTEネットワークにおける現在のトラッキングエリア、EvDOネットワークにおける関連のルーティングエリア、2つのネットワークの移動体ユニット識別子、及び任意の他の情報を含み得る。従って、インターフェイス170を使用して位置更新情報を調整することは、無線通信システム100における複数のネットワークに潜在的に冗長な位置更新メッセージを提供する必要を低減する、又は無くすことができる。
【0030】
一実施形態において、無線ネットワークコントローラ160が位置更新を、移動体ユニット150の代わりにモビリティ管理エンティティ105に送信すると、LTEモビリティ管理情報などの情報がモビリティ管理エンティティ105から移動体ユニット150に渡され得る。LTEモビリティ管理情報は、NITZ情報(タイムゾーン)、地域の緊急電話番号のリストなどを含み得る。こうした情報はインターフェイス170を介して移動体ユニット150に返信されるメッセージに透過的に中継される。モビリティ管理情報は、移動体ユニット150によって使用される定期的な更新タイマを最低限に抑えるために使用することができる定期的な位置更新タイマ情報も含み得る。例えば、移動体ユニット150は、インターフェイス170がネットワーク間の通信に使用可能であるという認識に基づいて、また第1のネットワークの制御プレーンエンティティ、及び第2のネットワークの制御プレーンエンティティによって提供される定期的な位置更新タイマ情報の値の最小値を考慮に入れることによって、定期的な位置更新タイマを設定することができる。
【0031】
図3に、無線通信システムにおいて位置更新メッセージを提供する方法300の一実施形態例を概念的に示す。実施形態例において、無線通信システムは、CDMA2000 EvDOネットワーク及び3GPP SAE LTEネットワークの両方を含む。EvDOネットワーク及びLTEネットワークの両方は、PDNゲートウェイ下に固定され、これは、モバイルIPインターフェイスを介して3GPP2 PDSN(又はHSGW)に接続する。次いでPDSNは、無線ネットワークコントローラ及び基地送受信局に接続する。3GPP LTEネットワーク側で、PDNは、モバイルIPインターフェイス又はGTPインターフェイスを介してサービングゲートウェイに接続する。次いでサービングゲートウェイは、モビリティ管理エンティティ及び3GPP e−NBに接続する。モビリティ管理エンティティ及び無線ネットワークコントローラはオープンインターフェイスを維持する。図示した実施形態において、移動体ユニットは、ユーザ機器に接続され、オーバーレイLTEネットワーク及びアンダーレイEvDOネットワークと通信することができるデュアルモードEvDO/LTEハンドセットである。
【0032】
移動体ユニットは、使用可能なEvDOネットワークカバレージエリアにおいて位置更新手順を実行することができ(305)、対応するトラッキングエリアに割り当てる(又は関連付ける)ことができる。登録手順の一部として、移動体ユニットはUATIなど仮の識別を受信することができる。次いで移動体ユニットはその現在のトラッキングエリアを示す情報を受信することができる(310)。例えば、EvDOネットワークは移動体ユニットにトラッキングエリア情報をブロードキャスト又はユニキャストすることができる。一実施形態において、移動体ユニットがLTEを介してすでに登録されていることをEvDOネットワークが知ると、EvDOネットワークは、トラッキングエリア更新手順を実行し、制御プレーンインターフェイスを使用して、LTEネットワークに、移動体ユニットが位置を変更し(305)、EvDOネットワークによってLTEトラッキングエリアが割り当てられていることを通知することもできる。例えば、トラッキングエリア登録メッセージは制御プレーンインターフェイスを介して送信することができる。あるいは、移動体ユニットは、EvDOオーバーヘッドチャネル上でブロードキャストされ得るLTEルーティングエリア情報に基づいて、それ自体をLTEネットワークに登録することができる。この場合、移動体ユニットは、EvDO無線ネットワークを介して交換され、制御インターフェイス170を介してページングコントローラ(140)までトンネル通信され得るLTEシグナリングメッセージを使用することができる。このシグナリング交換中、制御プレーンインターフェイスは、LTEネットワークには移動体ユニットのEvDO識別がわかり、EvDOネットワークには移動体ユニットのLTE識別がわかるように、それぞれの技術の識別を有していてもよい。
【0033】
次いでアイドルの移動体ユニットは、それがキャンプする無線ネットワーク(例えばEvDOやLTE)によってブロードキャストされるトラッキングエリア情報を監視する(315)ことができ、移動体ユニットがキャンプする技術は、ブロードキャストされたネットワークキャンピングポリシー情報に従って決定することができる。移動体ユニットは登録されているトラッキングエリアを出ない限り、トラッキングエリア情報を受信(310)し、監視(315)し続けている間、アイドル又は休止のままとすることができる。移動体ユニットは(例えばEvDOにおいて)登録されていないトラッキングエリアに入っていることを決定した場合(315)、位置更新メッセージをそのトラッキングエリアに対応するネットワーク(例えばEvDO)に送信することができる(320)。次いで(例えばEvDOネットワークにおける)制御プレーンエンティティは、制御プレーンインターフェイスを使用して、他方の(例えばLTE)ネットワークにおける対応する制御プレーンエンティティに、移動体ユニットが新しいトラッキングエリアに移動したことを知らせることができる(325)。
【0034】
無線通信システムは、移動体ユニットを自動的に登録解除する(例えば、再登録更新タイマの満了時に)ことができ、次いで(例えば、EvDOネットワークにおける)制御プレーンエンティティは、制御プレーンインターフェイスを使用して、他方の(例えばLTE)ネットワークにおける対応する制御プレーンエンティティに、移動体ユニットが登録解除されたことを通知することができる(325)。
【0035】
図4に、無線通信システムにおいてページを提供する方法400の一実施形態例を概念的に示す。図示した実施形態において、メッセージがパケットデータネットワークからLTE及びEvDOネットワークの両方に登録されている移動体ユニットの3GPP LTEサービングゲートウェイに到着すると、制御プレーンインターフェイスはEvDOネットワークにおいて移動体ユニットをページングするよう訓練される。パケットデータネットワークゲートウェイ115は移動体ユニットのための1つ以上のパケットを受信することができる(405)。移動体ユニットがLTEネットワークにバインドされた場合、パケットデータネットワークゲートウェイ115は、これらのパケットを、LTEネットワークにおけるサービングゲートウェイに転送し、モビリティ管理エンティティに入ってくるメッセージを通知することができる。次いでモビリティ管理エンティティは、(LTEを介して)移動体ユニットに関連付けられたトラッキングエリアを決定し(410)、決定されたトラッキングエリアにLTE基地局がページを送信する旨の要求を提供することができる(415)。モビリティ管理エンティティは、制御プレーンインターフェイスを使用して、EvDO基地局に、ページングメッセージを決定されたトラッキングエリアに関連付けられた1つ以上の(EvDO)ルーティングエリアに送信させる旨の要求を提供する(420)こともできる。LTEネットワークは、EvDOを介して正しい識別を備えるモバイルをページングするために、制御プレーンインターフェイスを介してUATIを示す情報を送信することができる。
【0036】
あるいは、移動体ユニットがEvDOネットワークにバインドされた場合、パケットデータネットワークゲートウェイ115は、これらのパケットを、EvDOネットワークにおけるPDSNに転送し、制御プレーンエンティティ(例えば、無線ネットワークコントローラ)に入ってくるメッセージを通知することができる。次いで無線ネットワークコントローラは、移動体ユニットに関連付けられたルーティングエリアを決定し(410)、決定されたルーティングエリアにEvDO基地局がページを送信する旨の要求を提供することができる(415)。無線ネットワークコントローラは、制御プレーンインターフェイスを使用して、モビリティ管理エンティティがLTE基地局に、ページングメッセージを決定されたルーティングエリアに関連付けられた1つ以上のトラッキングエリアに提供するよう指示する旨の要求を提供することもできる(420)。EvDOネットワークは、LTEを介して正しい識別を備えるモバイルをページングするために、制御プレーンインターフェイスを介して対応するLTE識別を送信することができる。代替のページング戦略を検討することもできる。
【0037】
本発明の部分及び対応する詳細な説明は、ソフトウェア、又はアルゴリズム及びコンピュータメモリ内のデータビットに対する動作の記号表現で表される。これらの説明及び表現は、当業者が別の当業者にその作業の本質を効果的に伝えるためのものである。アルゴリズムとは、その用語が本明細書で使用された場合、また一般に使用された場合、所望の結果に至る、自己矛盾のない一連のステップであると考えられる。ステップは、物理的な量の物理的な操作を必要とするものである。通常、必須ではないが、これらの量は、記憶、転送、組み合わせ、比較、及びそうでなければ操作が可能な光学的、電気的、又は磁気的信号の形をとる。主に一般的な使用のために、これらの信号をビット、値、要素、記号、文字、用語、数字などと呼ぶと時として便利であることがわかっている。
【0038】
しかし、これらの用語及び同様の用語は全て、適切な物理量に関連付けられており、これらの量に適用される便利なラベルにすぎないことに留意されたい。特に明記していない場合、又は説明から明らかなように、「処理」、「コンピューティング」、「計算」、「決定」、「表示」などの用語は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理的、電子的な量として表されるデータを操作し、コンピュータシステムのメモリ又はレジスタ、若しくはこうした他の情報記憶、送信、又は表示装置内で同様に物理量として表される他のデータに変換する、コンピュータシステム又は同様の電子コンピューティング装置のアクション及びプロセスを指す。
【0039】
また、ソフトウェアが実施する本発明の態様は、通常、何らかの形のプログラム記憶媒体上に符号化される、又は何らかのタイプの送信媒体を介して実施されることにも留意されたい。プログラム記憶媒体は磁気式(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク又はハードドライブ)又は光学式(例えば、コンパクトディスク読取専用メモリ、即ち「CD ROM」)でもよく、また読取専用又はランダムアクセスでもよい。同様に、送信媒体は、より対線、同軸ケーブル、光ファイバ、又は当業者に知られている他の適切な送信媒体でもよい。本発明は、所与の実装のこれらの態様によって限定されることはない。
【0040】
本発明は、本明細書の教示の利益を受ける当業者には明らかな、異なるが等価の方法で修正及び実施できるので、上記で開示された特定の実施形態は例示にすぎない。さらに、以下の特許請求の範囲に記載されたことを除いて、本明細書に示された構成又は設計の詳細に限定されないものとする。従って、上記で開示された特定の実施形態は変更又は修正することが可能であることは明らかであり、こうした変形は全て、本発明の範囲内であると考えられる。従って、本明細書で求められる保護は以下の特許請求の範囲に記載の通りである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の無線アクセス技術に従って動作する第1のネットワーク、及び第2の無線アクセス技術に従って動作する第2のネットワークを含む無線通信システムにおいてページングコントローラを動作させる方法であって、前記第1のネットワークが第1の制御プレーンエンティティを含み、前記第2のネットワークが第2の制御プレーンエンティティを含み、
前記第1のネットワークにおける少なくとも1つの第1の基地局に、移動体ユニットに関連付けられた第1のトラッキングエリアにページを送信する旨の要求を提供するステップであって、前記第1のトラッキングエリアが前記第1のネットワークにおいて定義される、ステップ、及び
前記第1の制御プレーンエンティティと前記第2の制御プレーンエンティティとの間のインターフェイスを介して、前記移動体ユニットに関連付けられた第2のトラッキングエリアに前記ページを送信する旨の要求を提供するステップであって、前記第2のトラッキングエリアが前記第2のネットワークにおいて定義される、ステップ
を備える方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記第1のトラッキングエリアに前記ページを送信する旨の前記要求を提供するステップが、前記第1のネットワークにおいて定義された第1の移動体ユニット識別子を含む要求を提供するステップを備える方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記第1のトラッキングエリア及び前記第2のトラッキングエリアに前記ページを送信する旨の前記要求を提供するステップが、前記第1のトラッキングエリアが前記第2のトラッキングエリアに重なることを示す情報に基づいて前記ページを送信する旨の要求を提供するステップを備える方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記移動体ユニットに、前記第1及び前記第2のネットワークを介して前記トラッキングエリアとルーティングエリアとの間の関係を示す情報を提供するステップを備える方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、他方のネットワークの前記制御プレーンエンティティとの前記インターフェイスを介して、及びこの他方のネットワークの前記無線を介して、前記第1又は第2のネットワークの前記制御プレーンエンティティから前記移動体ユニットに位置更新ネットワーク情報を透過的に渡すステップを備え、前記位置更新ネットワーク情報を渡すステップが定期的な位置更新タイマ情報を渡すステップを備える、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、前記第1及び第2のネットワークの前記制御プレーンエンティティ間の前記インターフェイスの認識に基づいて、及び前記第1のネットワークの前記制御プレーンエンティティ、及び前記第2のネットワークの前記制御プレーンエンティティによって提供される前記定期的な位置更新タイマ情報の値の最小値を考慮に入れることによって、前記ネットワークに対して定期的な位置更新を発行するためのタイミングを決定するステップを備える方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記移動体ユニットと前記第1又は第2のネットワークの前記制御プレーンエンティティとの間で交換された位置更新メッセージを介して前記第1又は前記第2のネットワークの位置情報を更新するステップであって、前記位置更新メッセージが、前記無線及び他方のネットワークの前記制御エンティティを介して、及び前記1の制御プレーンエンティティと前記第2の制御プレーンエンティティとの間の前記インターフェイスを介して透過的に中継される、ステップを備える方法。
【請求項8】
請求項4に記載の方法であって、
前記移動体ユニットが前記第1又は第2のネットワークのうちの一方の少なくとも新しいトラッキングエリアに移動したことを示す位置更新メッセージを前記移動体ユニットから受信するステップ、
前記第1の制御プレーンエンティティと前記第2の制御プレーンエンティティとの間の前記インターフェイスを介して送信される情報を使用して、前記第1及び第2のネットワークで、前記移動体ユニットを前記新しい第1のトラッキングエリア又は前記新しい第2のトラッキングエリアに関連付け、前記第1のネットワークが、部分的なカバレージを提供するオーバーレイネットワークであり、前記第2のネットワークが、いたるところにあるカバレージを提供するアンダーレイネットワークであり、前記第2のネットワークで、前記移動体ユニットが新しい第2のトラッキングエリアに移動したことを示す位置更新メッセージを前記移動体ユニットから受信するステップを備えるステップ、
前記移動体ユニットを前記新しい第2のトラッキングエリア、及び前記新しい第2のトラッキングエリアの一部に重なる少なくとも1つの新しい第1のトラッキングエリアに関連付けるステップ、並びに
前記第1のネットワークに、前記第1の制御プレーンエンティティと前記第2の制御プレーンエンティティとの間の前記インターフェイスを介して前記新しい第2のトラッキングエリア及び前記少なくとも1つの新しい第1のトラッキングエリアを示す情報を提供するステップ
を備える方法。
【請求項9】
第1の無線アクセス技術に従って動作する第1のネットワーク、及び第2の無線アクセス技術に従って動作する第2のネットワークを含む無線通信システムにおいて移動体ユニットを動作させる方法であって、前記第1のネットワークが第1の制御プレーンエンティティを含み、前記第2のネットワークが第2の制御プレーンエンティティを含み、
前記第1のネットワークにおける第1のトラッキングエリアに入ることに応答して、前記第1及び第2のネットワークが、前記第1の制御プレーンエンティティと前記第2の制御プレーンエンティティとの間のインターフェイスを使用して、前記移動体ユニットを前記第1のネットワークにおける前記第1のトラッキングエリア、及び前記第2のネットワークにおける少なくとも1つの第2のトラッキングエリアに関連付けることができるように、前記移動体ユニットの識別を示す位置更新メッセージを提供するステップ
を備える方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記第1のネットワークにおける第1のトラッキングエリアを前記第2のネットワークにおける第2のトラッキングエリアにマッピングする情報を受信するステップを備え、前記第1のネットワークが、いたるところにあるカバレージを提供するアンダーレイネットワークであり、前記第2のネットワークが、部分的なカバレージを提供するオーバーレイネットワークであり、第1のトラッキングエリアを第2のトラッキングエリアにマッピングする前記情報を受信するステップが、前記第2のトラッキングエリアが前記第1のトラッキングエリア内に含まれることを示す情報を受信するステップを備える、方法。
【請求項11】
請求項9に記載の方法であって、前記第1のネットワークにおける第1の基地局、又は前記第2のネットワークにおける第2の基地局の少なくとも一方からページを受信するステップを備える方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−509057(P2011−509057A)
【公表日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−542264(P2010−542264)
【出願日】平成21年1月6日(2009.1.6)
【国際出願番号】PCT/US2009/000072
【国際公開番号】WO2009/089005
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(596092698)アルカテル−ルーセント ユーエスエー インコーポレーテッド (965)
【Fターム(参考)】