説明

縦型製袋包装機

【課題】物品を直筒内周面に接することなく移送することができる縦型製袋包装機を提供することである。
【解決手段】本発明に係る縦型製袋包装機100は、物品Cを供給するアイリスシャッタ212の上流の上流チューブ211および下流の下流チューブ213が直筒状に形成されている。また、アイリスシャッタ212の上流側の上流チューブ211の直径φ211は、アイリスシャッタ212の下流チューブ213の直径φ213よりも小さく設けられ、かつ上流チューブ211とアイリスシャッタ212との間に間隙K1が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動組合せ計量装置および商品包装装置を備えた縦型製袋包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、商品の包装を行う包装装置については、日々研究および開発が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、筒状壁体とその外周に対向して設けたガイド部材との間に形成される間隙を介して漸次円筒状なして繰出される包装帯体上にて熱シール部材により熱シールさせて筒状袋体を形成せしめるようにした筒状製袋装置において、上記筒状壁体に縦方向に複数の凹凸条を設けてなる筒状壁体構造について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案昭54−14815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のように、特許文献1記載の筒状壁体構造においては、断面波型の凹凸条を縦方向に設けて、放熱面積を増大し、熱のこもりが減少するとともに、包袋帯体との接触抵抗を減少することができるという効果を奏する。したがって、熱伝導が遅いので、内面に粉体等の充填物がその内面に附着することなく、円滑に流れやすくすると記載されている。
【0006】
しかしながら、近年の技術においては、高速処理化および商品への信頼性の要望が高まり、熱または熱伝導の影響ではなく、物品自体を筒内の内周面に接触させることが問題となっている。すなわち、高速処理化のためには、製袋すべき一つの袋に短時間で内容物である物品を収容させる必要がある。具体的には、一つの袋に収容すべき物品を一塊状の物品群として落下させる必要があり、物品が筒内の内周面に接触した場合、落下時における一塊状の物品群の長さが長くなり、高速処理化に応えることが困難となる。
【0007】
本発明の目的は、物品を直筒内周面に接することなく移送することができる縦型製袋包装機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)
一の局面に従う縦型製袋包装機は、物品を供給する開閉機構の上流および下流が直筒状に形成された縦型製袋包装機であって、開閉機構の上流側の直筒内径は、開閉機構の下流側の直筒内径よりも小さく設けられ、かつ開閉機構の上流側の直筒下端部と開閉機構との間に間隙を設けたものである。
【0009】
縦型製袋包装機は、物品を供給する開閉機構の上流および下流が直筒状に形成されている。また、開閉機構の上流側の直筒内径は、開閉機構の下流側の直筒内径よりも小さく設けられ、かつ開閉機構の上流側の直筒下端部と開閉機構との間に間隙が設けられている。
【0010】
この場合、開閉機構の上流側の直筒内径は、開閉機構の下流側の直筒内径よりも小さく設けられているので、物品が開閉機構を通過した場合に下流側の直筒内周面に接することなく移送される。なお、上流側の直筒内径は、下流側の直筒内径よりも0.5mm程度から5mm程度小さいことが好ましい。また、1mm程度から2mm程度小さいことがより好ましい。
【0011】
また、開閉機構の上流側の直筒下端部と開閉機構との間に間隙が設けられているので、開閉機構が閉塞されている状態で、物品が移送された場合でも、当該間隙から空気を逃がすことができるので、物品に係る空気抵抗を最小にすることができる。
【0012】
(2)
開閉機構は、アイリス絞り機構からなることが好ましい。
【0013】
この場合、開閉機構がアイリス絞り機構からなるので、複数の物品を一群の塊状に集められた物品群として移送することができる。その結果、空気抵抗を少なくして早く下流筒の下方へ移送することができ、他の物品群と混在する可能性を低減することができる。
【0014】
(3)
下流側の直筒は、複数の孔部を有してもよい。
【0015】
この場合、下流側の直筒は、複数の孔部を有するので、下流側の直筒内に物品が移送された場合に、当該物品の自然落下の際に生じる空気抵抗を自然に減らすことができる。
【0016】
(4)
開閉機構は、下流に延在する整流羽根を有し、整流羽根は、開閉機構の閉状態から開動作時に直筒中央側から外側に向けて移動し、開閉機構の開状態から閉動作時に外側から直筒中央側に向けて移動することが好ましい。
【0017】
この場合、開閉機構と下流側の直筒との間に整流羽根が設けられる。その結果、開閉機構の開動作に伴う整流羽根の動作により、下流側の直筒内の空気を複数の孔部から外へ吐出させることができ、その結果、下流側の直筒内の空気抵抗を減少させることができる。また、開閉機構の閉動作に伴う整流羽根の動作により、下流側の直筒内を移送する物品を下方へ押すことができる。
【0018】
したがって、一群の塊状に集められた物品群を早く下流側の直筒下方に移送することができる。また、整流羽根は、開閉機構と同じ駆動源で動作するので、コスト上昇を防止することができる。
【0019】
(5)
開閉機構は、上下に所定の間隔で設けられた複数の開閉機構からなり、複数の開閉機構は、開動作および閉動作を同時に行うことが好ましい。
【0020】
この場合、開閉機構は、上下に所定の間隔で設けられた複数の開閉機構からなり、当該上流側の開閉機構および下流側の開閉機構の開動作および閉動作が同時に行われるので、一群の塊状に集められた物品群の空気抵抗を少なくし、移送することができる。すなわち、一方の開閉機構が開動作をした際に、他の開閉機構が閉動作を行うと、当該空間に空気が蓄積され、空気抵抗が生じる。したがって、上流側の開閉機構および下流側の開閉機構の開動作および閉動作を同時に行うことにより当該空気抵抗を少なくすることができる。
【0021】
(6)
開閉機構の上流側の直筒は、内径の大きさを変化する可変筒からなることが好ましい。
【0022】
この場合、開閉機構の上流側の直筒は、内径の大きさを変化する可変筒からなるので、複数の物品を一群の塊状に集めるために、可変筒の内径を小さくすることができる。その結果、物品を一群の塊状に集めた状態で下流側へ移送することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る縦型製袋包装機は、物品を直筒内周面に接することなく移送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る縦型製袋包装機の一例を示す模式的外観図
【図2】縦型製袋包装機の一部の内部構造を示す模式図
【図3】上流チューブ、アイリスシャッタ、下流チューブの構造の一例を示す模式図
【図4】図3の関係を説明する模式的拡大図
【図5】袋叩き装置の詳細および動作を説明するための模式図
【図6】袋叩き装置の詳細および動作を説明するための模式図
【図7】袋叩き装置の詳細および動作を説明するための模式図
【図8】袋叩き装置の詳細および動作を説明するための模式図
【図9】上流チューブ、アイリスシャッタ、下流チューブの他の構造を示す模式図
【図10】上流チューブ、アイリスシャッタ、下流チューブの他の構造を示す模式図
【図11】構造の効果を説明するための模式的拡大図
【図12】構造の効果を説明するための模式的拡大図
【図13】さらに他の上流チューブ、アイリスシャッタ、下流チューブの構造の他の例を示す模式的説明図
【図14】図13の動作説明を行う説明図
【図15】図13の構造の他の例を示す模式的説明図
【図16】図15の絞りチューブの動作説明を行う説明図
【図17】図15の絞りチューブの動作説明を行う説明図
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態に係る縦型製袋包装機100について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る縦型製袋包装機100の一例を示す模式的外観図である。
【0026】
図1に示すように、縦型製袋包装機100は、組合せ計量装置120、フォーマ222、プルダウンベルト223、縦シール装置224、横シール装置225、製袋包装ユニット106、フィルム供給ユニット107および操作スイッチ類108を主として備える。
【0027】
組合せ計量装置120は商品について計量ホッパにおいて所定重量ずつ計量した後、これらの計量値を所定の合計重量になるように組み合わせて順次排出して、所定の合計重量の商品について長尺フィルムFにより袋詰めする。
【0028】
製袋包装ユニット106は、商品の袋詰めを行う本体部分である。また、フィルム供給ユニット107は、製袋包装ユニット106に袋となる長尺フィルムFを供給する。製袋包装ユニット106の前面には操作スイッチ類108が配設されている。
【0029】
フィルム供給ユニット107は、製袋包装ユニット106のフォーマ222にシート状の長尺フィルムFを供給するユニットであって、製袋包装ユニット106に隣接して設けられている。フィルム供給ユニット107には長尺フィルムFが巻回されたフィルムロールがセットされ、当該フィルムロールから長尺フィルムFが繰出される。
【0030】
次に、図2は、縦型製袋包装機100の一部の内部構造を示す模式図である。
【0031】
図2の縦型製袋包装機100の一部の内部構造は、主に上下開口の筒状からなる上流チューブ211、アイリスシャッタ212、上下開口の筒状からなる下流チューブ213、フォーマ222、プルダウンベルト223、縦シール装置224、横シール装置225および袋叩き装置500を備える。
【0032】
図2に示すように、アイリスシャッタ212の上側に所定の間隙を開けて上流チューブ211が配され、アイリスシャッタ212の下側に下流チューブ213が配される。また、アイリスシャッタ212は、絞り開閉機構であり、短時間で開閉が可能であり、平面における開閉が直線的ではなく、放射状に実施できる構造を有する。それにより、アイリスシャッタ212から一塊の物品を短時間で、まとめて落下させることができる。
【0033】
さらに、下流チューブ213の下方にフォーマ222が設けられ、フォーマ222は、下流チューブ213の下端部近傍を取り囲むように形成されている。プルダウンベルト223は下流チューブ213を両側から挟むように設けられている。当該プルダウンベルト223は、バキュームポンプによるエアを利用した吸着機能を有するベルトおよびローラ223a,223bからなる。縦シール装置224は、製袋されるフィルムFの縦方向の重なり部分を内蔵されたヒータにより加熱および加圧しつつ、シールできる位置に設けられる。
【0034】
縦シール装置224の下方には、横シール装置225が設けられる。横シール装置225には、ヒータを内蔵する一対のシールジョ225a,225bからなり、製袋されるフィルムFの横方向をシールすることができる。さらに、横シール装置225の下方には、袋叩き装置500が設けられている。当該袋叩き装置500の構造および動作の詳細については、後述する。
【0035】
続いて、図2を用いて縦型製袋包装機100における動作について説明を行う。図2に示すように、縦型製袋包装機100においては、巻回された包装部材が交換可能に配設され、当該包装部材が内蔵されたフィルム供給ユニット107(図1参照)によりフィルムFとして供給される。
【0036】
次に、搬送装置によりフィルムFが搬送され、フォーマ222により筒状フィルムFに成形される。そして、筒状フィルムFは、下流チューブ213の周囲で垂下し、プルダウンベルト223でさらに下方に搬送されながら、重なり合った縁部が縦シール装置224で加熱溶着されて縦にシールされる。その後、筒状フィルムFは、一対のシールジョ225a,225bからなる横シール装置225により加熱溶着されて横にシールされることによって袋Bが製造される。また、組合せ計量装置120により計量された物品が上流チューブ211およびアイリスシャッタ212により保持され、袋Bの下端部を横シールした後に、アイリスシャッタ212が開放され、下流チューブ213を通過した物品Cが袋Bに投入され充填される。
【0037】
次に、図3は、上流チューブ211、アイリスシャッタ212、下流チューブ213の構造220の一例を示す模式的説明図であり、図4は、図3の関係を説明する模式的拡大図である。
【0038】
図3に示すように、上流チューブ211および下流チューブ213は、鉛直方向に断面が一定である円筒からなる。上流チューブ211および下流チューブ213の間にアイリスシャッタ212が設けられる。
【0039】
図4に示すように、上流チューブ211の直径は、φ211からなり、下流チューブ213の直径は、φ213からなる。直径φ211は、直径φ213より0.5mm程度から5mm程度小さいことが好ましい。また、直径φ211は、直径φ213より1mm程度から2mm程度小さいことがより好ましい。
その結果、下流チューブ213の内周面に物品Cが接触しにくくなる。
【0040】
また、上流チューブ211とアイリスシャッタ212との間には、間隙K1が設けられる。この間隙K1は、物品Cがこぼれない程度、例えば1mm〜2mm程度で設けられる。なお、間隙K1は、2mm以上100mm以下の大きさで設けることが好ましい。また、本実施の形態においては、上流チューブ211の全周にわたって間隙K1を形成しているが、一部に間隙を設けることとしてもよい。
【0041】
次に、図3に示した物品Cの動きについて説明を行う。組合せ計量装置120により所定の重量の物品Cが上流チューブ211に落下される。この場合、アイリスシャッタ212が閉塞されているので、物品Cの落下による空気の流れが、間隙K1から外部に排出されるので、物品Cの落下を早めることができる。
【0042】
一方、フィルムFにより形成された袋Bの下端部が一対のシールジョ225a,225bによりシールされ、上端部が開放されている場合、アイリスシャッタ212が開動作され、物品Cが一塊の物品群として落下される。この場合、下流チューブの円筒径は、上流チューブ211の直径よりも大きく形成されているので、落下される物品Cが、下流チューブ213の内周面に接触しない。
また、袋叩き装置500は、袋Bの底面をもちあげるように、動作する。
【0043】
最後に、袋Bの下端部が一対のシールジョ225a,225bによりシールされ、袋Bの上端部が封止される。
【0044】
次に、図5から図8は、袋叩き装置500の詳細および動作を説明するための模式図である。
【0045】
図5に示すように、袋叩き装置500は、叩き板510、シリンダ棒520、シリンダ530、回動装置540および叩き駆動器550を備える。
【0046】
まず、図5に示すように、袋Bが形成される前において、叩き板510が鉛直方向に位置するように配置される。
【0047】
袋Bが形成された場合、図6に示すように、回動装置540によりシリンダ530が移動され、同時にシリンダ棒520が伸動作され、叩き板510が矢印R510の方向に回動される。
【0048】
続いて、図7に示すように、叩き板510が形成された袋Bの底に移動し、袋B内に物品Cが投入された後、叩き駆動器550が矢印UD5の方向に移動する。その結果、叩き板510が矢印UD5の方向に振動し、袋B内の物品Cに振動を与える。すなわち、この叩き動作により、袋B内の物品Cのかさ高さを低くすることができる。
【0049】
そして、叩き動作を終了した袋叩き装置500は、物品Cが収容された袋Bが下方に落下されるのを阻害しないように、図8に示すように、回動装置540によりシリンダ530が移動され、同時にシリンダ棒520が伸動作され、叩き板510が矢印−R510の方向に回動され、図5の状態に戻る。
【0050】
<他の例>
図9は、図3に示した上流チューブ211、アイリスシャッタ212、下流チューブ213の構造220の他の例を示す模式的説明図である。図9に示す構造220aは、図3の構造220の下流チューブ213の代わりに、下流チューブ213aを設けたものである。以下、本構造220aが構造220と主に異なる点について説明を行う。
【0051】
図9に示すように、下流チューブ213aは、下流チューブ213に複数の孔H1を形成したものである。この複数の孔H1を設けた下流チューブ213aを使用することにより、物品Cが落下され、当該物品Cが下流チューブ213a内を移動する場合、物品Cに加わる空気の抵抗を複数の孔H1から空気を排出して低減することができる。
【0052】
<他の例>
図10は、図3および図9に示した上流チューブ211、アイリスシャッタ212、下流チューブ213の構造220の他の例を示す模式的説明図であり、図11および図12は、構造220の効果を説明するための模式的拡大図である。
【0053】
図10に示す構造220bは、図3の構造220の下流チューブ213の代わりに、二重筒からなる下流チューブ213bを設け、アイリスシャッタ212の代わりにアイリスシャッタ212bを設けたものである。以下、本構造220bが構造220,220aと主に異なる点について説明を行う。
【0054】
図10に示すように、二重筒からなる下流チューブ213bは、内筒213b1および外筒213b2を備える。内筒213b1には、複数の孔H1が設けられる。
【0055】
また、図10に示すように、アイリスシャッタ212bは、斜め下方に設けられた複数の羽根212wを有する。羽根212wは、アイリスシャッタ212bのシャッタに固定されて設けられており、シャッタの開閉動作とともに水平方向に移動する。したがって、羽根212w用の駆動源を必要とせず、コスト上昇を防止できる。
【0056】
また、構造220,220aと異なり、構造220bにおいては、アイリスシャッタ212bと二重筒からなる下流チューブ213bとの間に羽根212wの大きさよりも大きな間隙K2が設けられる。
【0057】
まず、図11に示すように、アイリスシャッタ212bが開動作を行う場合、羽根212wが矢印W1、矢印W2の方向にそれぞれ移動する。なお、本実施の形態においては、図2に示したように、アイリスシャッタが3枚からなるので、矢印W1および矢印W2は、水平面において120度異なる方向となる。
【0058】
この場合、羽根212wにより矢印FL1の気流の流れが発生する。その結果、矢印FL1の気流の流れが、複数の孔H1から排出され、二重筒からなる下流チューブ213bの内筒213b1と外筒213b2との隙間から排出される。したがって、物品Cが落下する場合の空気の抵抗を減少させることができる。
【0059】
また、図12に示すように、アイリスシャッタ212bが閉動作を行う場合、羽根212wが矢印−W1、矢印−W2の方向にそれぞれ移動する。
【0060】
この場合、羽根212wにより矢印FL2の気流の流れが発生する。その結果、矢印FL2の気流の流れが、落下した物品Cを鉛直下方に押す力が加わり、物品Cが落下する場合の落下長さCLを短くすることができる。
【0061】
次いで、図13は、さらに他の上流チューブ211、アイリスシャッタ212、下流チューブ213の構造220の他の例を示す模式的説明図であり、図14は、図13の動作説明を行う説明図である。以下、本構造220cが構造220と主に異なる点について説明を行う。
【0062】
図13に示す構造220cは、アイリスシャッタ212の代わりに、アイリスシャッタ212c1,212c2を設け、上流チューブ211の代わりに、上流チューブ211c1と、アイリスシャッタ212c1および212c2の間に上流チューブ211c2を設けたものである。
【0063】
図13に示すように、上流チューブ211c1とアイリスシャッタ212c1との間には間隙K1が設けられ、上流チューブ211c2とアイリスシャッタ212c2との間には間隙K1が設けられる。
【0064】
次に、図14に示すように、構造220cにおいては、アイリスシャッタ212c1の開動作とアイリスシャッタ212c2の開動作とを同時に行い、アイリスシャッタ212c1の閉動作とアイリスシャッタ212c2の閉動作とを同時に行ってもよい。それにより、物品Cが落下される際に、空気の抵抗を少なくすることができる。
【0065】
最後に、図15は、図13の構造220cの他の例を示す模式的説明図であり、図16および図17は、図15の絞りチューブ211d2の動作説明を行う説明図である。以下、本構造220dが構造220cと主に異なる点について説明を行う。
【0066】
図15に示すように、構造220dにおいては、アイリスシャッタ212c1,212c2の代わりに、アイリスシャッタ212d1,212d2を設け、上流チューブ211の代わりに、上流チューブ211c1と、アイリスシャッタ212c1および212c2の間に絞りチューブ211d2を設けたものである。
【0067】
図16に示すように、絞りチューブ211d2は、複数枚、本実施の形態においては、3枚の湾曲板d21,d22,d23からなる。ここで、図15および図17に示すように、湾曲板d21が矢印211HS1の方向に移動し、湾曲板d22が矢印211HS2の方向に移動し、湾曲板d23が矢印211HS3の方向に移動する。
【0068】
その結果、図15に示すように、物品Cのかさ高さを調整することができる。したがって、アイリスシャッタ212d2から物品Cを落下するときに、確実に一塊の物品群として、落下長さも短くすることができる。
【0069】
以上のように、本実施の形態に係る縦型製袋包装機100においては、アイリスシャッタ212の上流チューブ211の直径φ211は、下流チューブ213の直筒φ213よりも小さく設けられているので、物品Cがアイリスシャッタ212を通過した場合に下流チューブ213の内周面に接することなく移送される。
【0070】
また、上流チューブ211とアイリスシャッタ212との間に間隙K1が設けられているので、アイリスシャッタ212が閉塞されている状態で、物品Cが移送された場合でも、当該間隙K1から空気を逃がすことができるので、物品Cに係る空気抵抗を最小にすることができる。その結果、空気抵抗を少なくして早く下流チューブ213の下方へ移送することができ、他の物品群と混在する可能性を低減することができる。
【0071】
さらに、アイリスシャッタ212がアイリス絞り機構からなるので、複数の物品Cを一群の塊状に集められた物品群として移送することができる。
【0072】
また、複数の孔H1を設けることにより、下流チューブ213内に物品Cが移送された場合に、当該物品Cの自然落下の際に生じる空気抵抗を自然に減らすことができる。
【0073】
本実施の形態に係る縦型製袋包装機100においては、物品Cが物品に相当し、アイリスシャッタ212,212b,212c1,212c2,212d1,212d2が開閉機構およびアイリス絞り機構に相当し、上流チューブ211,211c1,211c2が上流の直筒に相当し、下流チューブ213,213a,213bが下流の直筒に相当し、縦型製袋包装機100が縦型製袋包装機に相当し、直径φ211が上流側の直筒内径に相当し、直径φ213が下流側の直筒内径に相当し、間隙K1が間隙に相当し、複数の孔H1が複数の孔部に相当し、羽根212wが整流羽根に相当し、アイリスシャッタ212c1,212c2,212d1,212d2が複数の開閉機構に相当し、絞りチューブ211d2が可変筒に相当する。
【0074】
なお、本実施の形態においては、羽根212wを傾斜して設けることとしているが、これに限定されず、鉛直下方に延在させるようにしてもよい。
また、叩き板510を有する袋叩き装置500を設けることとしたが、これに限定されず、叩き棒等を用いてもよい。
【0075】
さらに、本発明の好ましい実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の主旨と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0076】
100 縦型製袋包装機
106 製袋包装ユニット
107 フィルム供給ユニット
108 操作スイッチ類
210 自動計量器
211,211c1,211c2 上流チューブ
211d2 絞りチューブ
212,212b,212c1 アイリスシャッタ
212c2,212d1,212d2 アイリスシャッタ
212w 羽根
213,213a,213b 下流チューブ
213b1 内筒
213b2 外筒
222 フォーマ
500 袋叩き装置
510 叩き板


【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を供給する開閉機構の上流および下流が直筒状に形成された縦型製袋包装機であって、
前記開閉機構の上流側の直筒内径は、前記開閉機構の下流側の直筒内径よりも小さく設けられ、かつ前記開閉機構の上流側の直筒下端部と前記開閉機構との間に間隙を設けたことを特徴とする縦型製袋包装機。
【請求項2】
前記開閉機構は、アイリス絞り機構からなることを特徴とする請求項1記載の縦型製袋包装機。
【請求項3】
前記下流側の直筒は、複数の孔部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の縦型製袋包装機。
【請求項4】
前記開閉機構は、下流に延在する整流羽根を有し、
前記整流羽根は、前記開閉機構の閉状態から開動作時に直筒中央側から外側に向けて移動し、前記開閉機構の開状態から閉動作時に外側から直筒中央側に向けて移動することを特徴とする請求項3に記載の縦型製袋包装機。
【請求項5】
前記開閉機構は、上下に所定の間隔で設けられた複数の開閉機構からなり、
前記複数の開閉機構は、開動作および閉動作を同時に行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の縦型製袋包装機。
【請求項6】
前記開閉機構の上流側の直筒は、内径の大きさを変化する可変筒からなることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の縦型製袋包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−230810(P2011−230810A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−104359(P2010−104359)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】