説明

繊維機械

【課題】糸処理ユニットの運転状態を容易に把握することができる繊維機械を提供する。
【解決手段】精紡機が備える複数の紡績ユニットのそれぞれは、当該紡績ユニットの運転状態が、複数の運転レベルの中でどの運転レベルに対応するかを表示するレベル表示部86を備えている。また、前記運転レベルは、基準となる基準運転状態が中央となるように区分されている。前記基準運転状態は、精紡機が複数備えた紡績ユニットの運転状態の平均値か、或いは所定の設定値とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の糸処理ユニットを備えた繊維機械に関する。詳細には、前記糸処理ユニットの運転状態を表示するための構成に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の紡績ユニットを備えた精紡機や、複数のワインダユニットを備えた自動ワインダなど、一般的な繊維機械は複数の糸処理ユニットを備えている。この種の繊維機械は、各糸処理ユニットに関する情報を一括して管理する集中管理装置(機台制御装置)を備えていることが一般的である。以下の特許文献1から3は、複数の糸処理ユニットを集中管理する集中管理装置を備えた繊維機械を開示する。このような集中管理装置においては、各糸処理ユニットの運転効率や、異常(エラー)の発生状態など、各種の情報をモニタに表示することができる。
【特許文献1】特開平5−70040号公報
【特許文献2】特開平6−128823号公報
【特許文献3】特開平7−90733号公報
【0003】
一方、特許文献4は、パネルを各ユニットの前面に設け、当該各パネルには、異常の発生要因を模式的に描いた単独画像が複数表示されているワインダユニットを開示する。この特許文献3のワインダユニットは、異常の発生時には、当該異常に対応する単独画像を発光させることで異常発生箇所を通知する構成になっている。
【特許文献4】独国特許出願公開第102006045237号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1から3のように集中管理装置を備えた構成の繊維機械においては、当該集中管理装置において所定の操作を行うことにより、所望の条件に合致する糸処理ユニットを抽出することができるように構成することも考えられる。この場合、オペレータは適宜の操作を行うことにより、例えば機台全体の平均に比べて運転効率の低いユニットを抽出(リストアップ)してモニタに表示し、この表示に基づいて、保守作業が必要な糸処理ユニットの設置箇所まで移動して作業を行うことができる。
【0005】
しかし、このような構成では、オペレータは、モニタの表示を確認するために集中管理装置と糸処理ユニットとの間を頻繁に往復しなければならない。このため、作業時の効率が悪く、オペレータにとっても負担であった。
【0006】
また、上記の構成では、集中管理装置においてオペレータが適宜の操作をすることにより、効率の悪いユニット等をモニタに表示させる構成である。このため、装置の運転中に或る糸処理ユニットの効率が低下したとしても、オペレータが機台制御装置で所定の操作をしてモニタを確認するまでは当該糸処理ユニットの運転効率の低下を把握することができない。従って、効率が低下した糸処理ユニットを早期に把握して適切な処置を施すことができなかった。
【0007】
一方、特許文献4は、正面パネルで異常の要因などを表示する構成であるため、異常発生時に当該異常の情報を得るために集中管理装置のモニタをわざわざ確認しなくても、その場で当該糸処理ユニットに発生している異常を把握することができる。しかし、特許文献4の構成は異常発生時以外は糸処理ユニットに関する情報を表示しないため、運転中の糸処理ユニットがどのような状態にあるのかを把握することができなかった。
【0008】
本願発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、糸処理ユニットの運転状態を容易に把握することができる繊維機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0010】
本発明の観点によれば、以下の構成の繊維機械が提供される。即ち、この繊維機械は、複数の糸処理ユニットを備える。前記各糸処理ユニットは、当該糸処理ユニットの運転状態が、複数の運転レベルの中でどの運転レベルに対応するかを表示するレベル表示部を備えている。
【0011】
これにより、オペレータが糸処理ユニットの運転レベルを確認することで、当該糸処理ユニットの状態を容易に把握することができる。また、各糸処理ユニットがレベル表示部を備えているので、オペレータはその場で運転レベルを確認することができる。従って、オペレータは、処置が必要な糸処理ユニットを容易に把握することができるとともに、当該糸処理ユニットに対してその場で直ちに処置を施すことができる。
【0012】
前記の繊維機械においては、前記運転レベルは、基準となる基準運転状態が中央となるように区分されていることが好ましい。
【0013】
これにより、当該糸処理ユニットの運転状態が、基準運転状態に比べて高い運転レベルにあるのか低い運転レベルにあるのか、を容易に把握することができる。
【0014】
前記の繊維機械においては、前記基準運転状態は、前記繊維機械が複数備えた糸処理ユニットの運転状態の平均値であることが好ましい。
【0015】
これにより、当該糸処理ユニットが、平均値からどちらにズレた状態で運転しているのかを容易に把握することができる。また、レベル表示の中央レベルに平均値を用いているので、他の糸処理ユニットの運転状態と簡単に比較することができる。
【0016】
前記の繊維機械においては、前記基準運転状態は、所定の設定値であっても良い。
【0017】
これにより、当該糸処理ユニットが、設定値からどちらにズレた状態で運転しているのかを容易に把握することができる。
【0018】
前記の繊維機械においては、以下のように構成されることが好ましい。即ち、前記糸処理ユニットの運転レベルは、当該糸処理ユニットの運転状態を検出した運転データに基づいて求められるとともに、当該糸処理ユニットは、複数の種類の前記運転データを検出可能である。そして、前記繊維機械は、前記複数の種類の運転データのうち何れに基づいて運転レベルを求めるか、を切り替えることが可能である。
【0019】
即ち、レベル表示部に表示する内容を切替可能とすることで、1つのレベル表示部によって当該糸処理ユニットに関する異なる種類の情報を表示することができる。
【0020】
前記の繊維機械においては、前記運転レベルは、当該糸処理ユニットの運転効率と、当該糸処理ユニットの糸の太さと、当該糸処理ユニットの糸継ぎミス率と、のうち少なくとも何れか1つに関するものであることが好ましい。
【0021】
即ち、上記の運転状態に関する運転データはオペレータによって頻繁に参照されるので、本発明のレベル表示部で表示可能とすることが特に好適である。
【0022】
前記の繊維機械においては、前記各糸処理ユニットは、当該糸処理ユニットの運転状態が上昇傾向にあるか下降傾向にあるか、を表示する傾向表示部を備えていることが好ましい。
【0023】
これにより、当該糸処理ユニットの運転状態の最近の傾向を容易に把握することができるので、オペレータは各糸処理ユニットに適切な処置を施すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に、本発明の一実施形態に係る繊維機械としての精紡機(紡績機)について、図面を参照して説明する。なお、本明細書において「上流」及び「下流」とは、紡績時での糸の走行方向における上流及び下流を意味するものとする。図1は本発明の一実施形態に係る精紡機の全体的な構成を示した正面図である。また、図2は、紡績機における制御信号等の流れを示すブロック図である。
【0025】
図1に示す繊維機械としての精紡機1は、並設された多数の紡績ユニット(糸処理ユニット)2と、機台制御装置60と、糸継台車3と、ブロアボックス4と、原動機ボックス5と、を備えている。また、精紡機1は図略の自動玉揚装置を備えている。
【0026】
機台制御装置60は、精紡機1が備える各構成を集中的に管理するためのものであって、モニタ61と入力キー62とを備える。図2に示すように、機台制御装置60は、精紡機1が備える各構成との間で情報の送受信を行うことができるように構成されている。
【0027】
モニタ61には、例えば、各紡績ユニット2の生産効率をグラフで表示したり、問題の発生した紡績ユニット2を表示したりすることができるほか、精紡機1全体の統計的な情報を表示することもできる。また、オペレータが入力キー62を用いて適宜の操作を行うことにより、特定の紡績ユニット2に対して設定の変更を行ったり、或いは全ての紡績ユニット2の設定を一括して変更したりすることができる(なお、この設定変更は、機台制御装置60から後述のユニット制御部73に対して設定データを送信することで行う)。また、機台制御装置60は、紡績ユニット2以外にも、例えば糸継台車3や図略の自動玉揚装置などの制御及び管理を行うことができるように構成されている。
【0028】
図2に示すように、精紡機1は、各紡績ユニット2を制御するための複数のユニット制御部73を備えている。本実施形態においてユニット制御部73は、4台の紡績ユニット2を制御及び管理するように構成されており、機台制御装置60からの制御信号、及び各紡績ユニット2が備える各種センサなどが検知した信号等に基づいて、それぞれの紡績ユニット2を制御する。また、ユニット制御部73は、各紡績ユニット2に関する情報を機台制御装置60に対して送信することができるように構成されている。
【0029】
各紡績ユニット2は、図1に示すようにスライバ15からパッケージ45を形成するためのものであって、上流から下流へ向かって順に、ドラフト装置7と、紡績装置9と、糸送り装置11と、糸弛み取り装置12と、巻取装置13と、を主要な構成として備えている。ドラフト装置7は精紡機1の筐体6の上端近傍に設けられており、このドラフト装置7から送られてくる繊維束8を紡績装置9で紡績するように構成している。紡績装置9から排出された紡績糸10は糸送り装置11で送られ、後述のヤーンクリアラ52を通過した後、巻取装置13によって巻き取られてパッケージ45が形成される。また、各紡績ユニット2は、装置正面側の適宜の位置にオペレーションパネル80を備えている。
【0030】
前記糸継台車3は、紡績ユニット2が並べられる方向に走行可能な構成となっている。そして、糸切断時(後述)には、糸継ぎが必要な紡績ユニット2の位置まで走行し、紡績装置9側の上糸と、巻取装置13側の下糸とを糸継ぎすることができるように構成されている。
【0031】
次に、図3を参照して各紡績ユニット2の詳細な構成について説明する。図3は精紡機1の縦断面図である。
【0032】
ドラフト装置7は、スライバ15を延伸して繊維束8にするためのものである。このドラフト装置7は図3に示すように、バックローラ16、サードローラ17、エプロンベルト18を装架したミドルローラ19、及びフロントローラ20の4つのローラを備えている。
【0033】
次に、紡績部の構成について説明する。紡績部は、紡績装置9と、糸送り装置11と、糸弛み取り装置12と、を主に備える。
【0034】
紡績装置9の詳細な構成は図示しないが、本実施形態では、旋回気流を利用して繊維束8に撚りを与え、紡績糸10を生成する空気式のものを採用している。
【0035】
糸送り装置11は、精紡機1の筐体6に支持されたデリベリローラ39と、デリベリローラ39に接触して設けられたニップローラ40と、を備える。この構成で、紡績装置9から排出された紡績糸10をデリベリローラ39とニップローラ40との間に挟んだ状態で、前記デリベリローラ39を図示しない電動モータで回転駆動することにより、紡績糸10を巻取装置13側へ送るようになっている。
【0036】
精紡機1の筐体6の前面側であって前記糸送り装置11よりも若干下流側の位置には、ヤーンクリアラ52が設けられている。そして、紡績装置9で紡出された紡績糸10は、巻取装置13で巻き取られる前に前記ヤーンクリアラ52を通過するように構成されている。ヤーンクリアラ52は走行する紡績糸10の太さ及び速度を監視し、紡績糸10の糸欠点を検出した場合に、糸欠点検出信号をユニット制御部73へ送信するように構成されている。また、ヤーンクリアラ52の近傍には、糸欠点検出時に紡績糸10を切断するためのカッタ57が設けられている。
【0037】
糸弛み取り装置12は、紡績装置9と巻取装置13との間(紡績装置9と後述のスプライサ43との間)の紡績糸10の弛みを除去し、適切な張力を付与できるように構成されている。前記糸弛み取り装置12は、弛み取りローラ21と、糸掛け部材22と、を主に備えている。糸弛み取り装置12の詳細な構成については説明を省略するが、前記弛み取りローラ21の外周に紡績糸10を巻き付けて貯留し、貯留した糸をバッファとして機能させることで、紡績糸10の張力の変動を吸収して糸の弛みを防止するものである。
【0038】
次に、巻取装置13について説明する。巻取装置13は、支軸70まわりに揺動可能に支持されたクレードルアーム71を備え、このクレードルアーム71は、紡績糸10を巻回するボビンを回転可能に支持できるようになっている。また巻取装置13は、巻取ドラム72と、トラバース装置75と、を備えている。
【0039】
前記巻取ドラム72は、前記ボビンやそれに紡績糸10を巻回して形成されるパッケージ45の外周面に接触して駆動できるように構成されている。トラバース装置75は、紡績糸10に係合可能なトラバースガイド76を備えている。このトラバースガイド76は、複数の紡績ユニット2に跨って水平に配置されるトラバースロッド77に固定されている。この構成で、トラバースロッド77を図略の駆動手段によって往復動させながら巻取ドラム72を図略の電動モータによって駆動することで、巻取ドラム72に接触するパッケージ45を回転させ、紡績糸10を綾振りしつつ巻き取ることができる。
【0040】
次に、糸継台車3について説明する。糸継台車3は、図1及び図3に示すように、スプライサ(糸継装置)43と、サクションパイプ44と、サクションマウス46と、下糸検出センサ58と、を備えている。糸継台車3は、精紡機1の筐体6に設けられたレール41上を走行するように設けられている。この構成で、ある紡績ユニット2で糸切れや糸切断が発生すると、糸継台車3は当該紡績ユニット2まで走行して停止し、糸継動作を行うように構成されている。
【0041】
以下、糸継台車3による糸継動作について具体的に説明する。前述のように、ヤーンクリアラ52が紡績糸10の糸欠点を検出すると、糸欠点検出信号がユニット制御部73へ送信される。前記ユニット制御部73は、上記糸欠点検出信号を受信すると、直ちにカッタ57で糸を切断し、更にドラフト装置7、紡績装置9、巻取装置13等を停止し、糸継台車3を当該紡績ユニット2の前まで走行させる。
【0042】
続いて、ユニット制御部73は、当該紡績ユニット2のドラフト装置7及び紡績装置9等を再び駆動させるとともに、糸継台車3が備えたサクションパイプ44及びサクションマウス46による糸端の捕捉を開始させる。サクションパイプ44は、軸を中心に上下方向に回動しながら、紡績装置9から排出される上糸の糸端を吸い込みつつ捕捉してスプライサ43へ案内する。これと前後して、サクションマウス46は、軸を中心に上下方向に回動しながら、前記巻取装置13に回転自在に支持されたパッケージ45からの下糸の糸端を吸引しつつ捕捉してスプライサ43へ案内する。
【0043】
このとき、サクションパイプ44による上糸の案内動作が終了したにも拘わらずヤーンクリアラ52が糸を検出しない場合は、上糸の捕捉が失敗したと判断されて、上記の上糸捕捉動作を所定回数だけ再試行する。また、サクションマウス46による下糸の案内動作が終了したにも拘わらず下糸検出センサ58が糸を検出しない場合は、下糸の捕捉が失敗したと判断されて、上記の下糸捕捉動作を所定回数だけ再試行する。なお、上記所定回数の再試行を行っても糸端の捕捉に成功しない場合には、ユニット制御部73によって糸継ぎミスの発生と判断される。
【0044】
上糸と下糸がスプライサ43に案内されると、案内された糸端同士の糸継ぎがスプライサ43によって行われる。スプライサ43の詳しい構成については説明しないが、例えば圧縮空気流などの流体によって糸端同士を撚り合わせる方法により糸継ぎを行う構成とすることができる。糸継ぎが終了すると、巻取装置13による巻取りを再開させる。
【0045】
次に、オペレーションパネル80の構成について、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態に係る精紡機1が備える紡績ユニット2において、当該紡績ユニット2の前面に配置されているオペレーションパネル80の平面図である。図に示すように、オペレーションパネル80は、全体図81と、異常表示ランプ821,822,823と、7セグメントディスプレイ83と、保全コールランプ84と、操作スイッチ85と、レベル表示部86と、傾向表示部87と、を主に備えている。
【0046】
図4に示すように、オペレーションパネル80には、紡績ユニット2の側面の簡略的な全体図81が描かれている。なお、この全体図81は、図3の縦断面図に相当するものである。
【0047】
また、全体図81の側方近傍には、発光ダイオードよりなる3つの異常表示ランプ821,822,823が縦一列に並んで配置されている。前記異常表示ランプ821,822,823は、それぞれが前記全体図81の中の特定の領域に対応している。また、前記全体図81は、前記異常表示ランプ821〜823が当該全体図81の中のどこからどこまでの領域に対応しているかを明確にするため、縦方向に3つに分割して表示されている。即ち、全体図81の3つに分割された部分図が示す領域と、それぞれの部分図の横に配置されている異常表示ランプとが対応している。
【0048】
以上の構成で、紡績ユニット2において異常があると、前記異常表示ランプ821,822,823のうち、当該異常の発生箇所に対応する異常表示ランプを点灯させることにより、オペレータに当該異常の発生箇所を通知することができる。このように、全体図81のすぐ横に異常表示ランプ821〜823が配置され、異常発生箇所に対応する異常表示ランプを点灯させることで、全体図81のなかで異常発生箇所に対応する部分を特定して表示することができるように構成されている。これにより、紡績ユニット2のなかでどこに異常が発生しているかを直感的に把握することができるので、異常発生時にはオペレータが紡績ユニットの保全作業に直ちに取り掛かることができる。
【0049】
また、上記以外の箇所で異常が発生した場合や異常発生箇所を特定できない場合等に点灯するための、異常発生箇所特定不可ランプ824が備えられている。
【0050】
7セグメントディスプレイ83は、異常発生時のエラーコードなどを表示するためのものである。即ち、本実施形態の精紡機1では前記全体図81及び異常表示ランプ821〜823を用いた表示によって直感的に異常発生箇所を把握できるが、7セグメントディスプレイ83によるエラーコード表示を併用することで、紡績ユニット2で発生した異常の内容をより詳細にオペレータに通知できる。
【0051】
保全コールランプ84は、メンテナンスが必要な紡績ユニット2において点灯させるためのものであり、遠方のオペレータにも点灯状態が視認できるように、前記異常表示ランプ821〜823と比べて明るく目立つように構成されている。オペレータはこの保全コールランプ84の点灯を目視で確認することでメンテナンスの必要な紡績ユニット2の位置を把握し、メンテナンス作業を行うために当該点灯している保全コールランプ84を目指して紡績ユニット2まで移動する。
【0052】
また、オペレーションパネル80は複数の操作スイッチ85を備えている。オペレータはこの操作スイッチ85を適宜操作することで、紡績ユニット2の緊急停止などの操作を行うことができる。
【0053】
次に、レベル表示部86について説明する。本実施形態のレベル表示部86は、紡績ユニット2の運転状態を5段階の運転レベルで表示することができるように構成されている。なお、ここでいう「運転レベル」とは、各紡績ユニット2をその運転状態に応じて分類した区分を示すものである。そして、紡績ユニット2がどの運転レベルに分類されているかを見ることで、当該紡績ユニット2の大体の運転状態を把握できるようにしたものである。
【0054】
レベル表示部86は、その一部が透明又は半透明に構成され、裏側からの光を透過させることができるように構成されている。具体的には、第1レベル表示部861、第2レベル表示部862、第3レベル表示部863、第4レベル表示部864、第5レベル表示部865が、それぞれ矩形状の光透過部として構成されている。そして、前記第1〜第5レベル表示部の裏側には、図略の発光ダイオードがそれぞれ配置されている。以上の構成で、前記発光ダイオードの何れかを発光させることで、対応するレベル表示部861〜865の何れかを発光させることができる。
【0055】
また、前記各レベル表示部861〜865は、運転レベルの上下関係が図形的かつ直感的に判るように、例えば図4に示すように階段状に配置されている。具体的には、第1レベル表示部861が一番低い位置に配置され、第5レベル表示部865が一番高い位置に配置されている。即ち、第1レベル表示部861が一番低い運転レベルを表し、第2レベル表示部862、第3レベル表示部863、第4レベル表示部864と、表す運転レベルが順に高くなり、第5レベル表示部865が一番高い運転レベルを表すことが直感的に把握できるように構成されている。
【0056】
以上の構成で、紡績ユニット2の運転レベルと対応するレベル表示部86を発光させることで、当該紡績ユニット2の運転レベルを表示することができる。これにより、当該紡績ユニット2が5つの運転レベルの中でどの運転レベルにあるかを直感的に把握することができる。
【0057】
また、本実施形態では、レベル表示部86に当該紡績ユニット2の運転レベルを常時表示する構成としている。これにより、特別な操作を施す必要無く、その場で紡績ユニット2の運転レベルを知ることができる。また、従来の構成のように紡績ユニット2の運転状態を確認するために機台制御装置60までその都度移動する必要がないため、作業を効率的に行うことができる。
【0058】
次に、傾向表示部87について説明する。この傾向表示部87も、レベル表示部86と同様に、その一部が透明又は半透明に構成され、裏側からの光を透過させることができるように構成されている。具体的には、上向き矢印871と下向き矢印872はそれぞれ矢印形の光透過部として構成されており、それぞれの裏側には、対応する図略の発光ダイオードが配置されている。以上の構成で、上向き矢印871と下向き矢印872を発光させることができる。
【0059】
そして、上向き矢印871は、紡績ユニット2の運転状態が上昇傾向(より高いレベルに近づく傾向)にある場合に発光するように構成されている。また、下向き矢印872は、紡績ユニット2の運転状態が下降傾向(より低いレベルに近づく傾向)にある場合に発光するように構成されている。なお、紡績ユニット2の運転状態が横ばい状態(上昇傾向も下降傾向もない場合)のときは、上向き矢印871と下向き矢印872の何れも発光させない。
【0060】
以上の構成で、オペレータは傾向表示部87の表示を確認することで、紡績ユニット2の運転状態が上昇傾向にあるのか、下降傾向にあるのか、或いは横ばい状態にあるのか、を直感的に把握して適切な処置を施すことができる。
【0061】
次に、各紡績ユニット2の運転レベルを求めてレベル表示部86に運転レベルを表示させるまでの流れについて説明する。
【0062】
まず、オペレータは、機台制御装置60において、各紡績ユニット2のどの運転データに基づいて運転レベルを求めるかを指定する。即ち、紡績ユニット2の運転状態は、例えば、当該紡績ユニット2の運転効率、当該紡績ユニット2のヤーンクリアラ52が検出している糸の太さ、当該紡績ユニット2における糸継ぎミス発生率(糸継ぎミス率)など、様々な観点から表現することができる。また、機台制御装置60は、紡績ユニット2が備えた各種のセンサ等からの運転データを受信しており、当該運転データに基づいて、前記運転効率、前記糸の太さ、前記糸継ぎミス発生率など各種の運転データを求めることができるように構成されている。
【0063】
オペレータは機台制御装置60の入力キー62を適宜操作して所望の条件を指定することにより、どの運転データに基づいて紡績ユニット2の運転レベルを求めるかを指定することができる。以下、紡績ユニット2の運転効率に基づいて運転レベルを求めると指定した場合について説明する。
【0064】
オペレータによって上記の指定が行われると、機台制御装置60は、各ユニット制御部73を介して各紡績ユニット2の最新の運転データを通信により取得する。これとともに、機台制御装置60が記憶している過去の一定期間の運転データを適宜参照して、各紡績ユニット2の運転効率を算出する。運転効率は、例えば、当該紡績ユニット2が一定期間に実際に稼動した時間を、紡績ユニット2が前記一定期間で稼動可能な時間で除した値として計算することができる。
【0065】
全ての紡績ユニット2に関して運転効率の算出が終了すると、次に機台制御装置60は、全ての紡績ユニット2の運転効率の平均値を算出する。また、これと併せて、機台制御装置60は、全ての紡績ユニット2の中で最も運転効率の高い紡績ユニット2と、最も運転効率の低い紡績ユニット2とを求める。
【0066】
続いて、機台制御装置60は、前記運転効率に基づいてそれぞれの紡績ユニット2の運転レベルを求める。本実施形態の精紡機1においては、レベル表示部86は5段階でレベル表示を行うように構成されているので、機台制御装置60においても、各紡績ユニット2を5段階の運転レベルの何かに分類する。どの紡績ユニット2をどの運転レベルに分類するかは任意であるが、本実施形態では以下のように各紡績ユニット2を5段階の運転レベルの何れかに分類している。
【0067】
まず、5段階のレベルの中央レベルである第3レベルの範囲を決定する。第3レベルの範囲は、運転状態の基準となる基準運転状態が当該第3レベルに含まれるように設定される。即ち、基準運転状態と、基準運転状態に近い運転状態で運転している紡績ユニット2が第3レベルに分類されるように、当該第3レベルの範囲が設定される。本実施形態では、前記基準運転状態は全ての紡績ユニット2の運転状態の平均値としている。従って、全ての紡績ユニット2のなかで、平均の運転効率に近い運転効率で運転している紡績ユニット2が第3レベルに分類される。
【0068】
この第3レベルに分類されなかった紡績ユニット2は、第3レベルより一定の範囲で上下に2レベルに分類する。具体的に説明すると、最も運転効率の高い紡績ユニット2の運転効率(最高運転効率)から所定範囲内の運転効率の紡績ユニット2は、第5レベルに分類する。第5レベルと第3レベルとの間の運転効率の紡績ユニット2は、第4レベルに分類する。また、最も運転効率が低い紡績ユニット2の運転効率(最低運転効率)から所定範囲内の運転効率の紡績ユニット2は、第1レベルに分類する。そして第1レベルと第3レベルとの間の運転効率の紡績ユニット2は、第2レベルに分類する。
【0069】
次に、機台制御装置60は、各紡績ユニット2の過去の運転効率の履歴などから、それぞれの紡績ユニット2の運転効率が上昇傾向にあるか下降傾向にあるのか、或いは横ばい状態であるかを判断する。
【0070】
全ての紡績ユニット2に関して運転レベルの分類と傾向の判断が終了すると、機台制御装置60は、ユニット制御部73に対してレベル表示要求信号を送信する。レベル表示要求信号を受信した各ユニット制御部73は、各紡績ユニット2のレベル表示部861〜865の中で、当該紡績ユニット2が分類された運転レベルに対応するレベル表示部を発光させる。即ち、当該紡績ユニット2が第1レベルに分類されていれば第1レベル表示部861を、第2レベルに分類されていれば第2レベル表示部862を、・・・というようにレベル表示部861〜865の何れかを発光させて、当該紡績ユニット2の運転レベルを表示する。また、各ユニット制御部73は、各紡績ユニットの傾向表示部87に、当該紡績ユニットの運転効率が上昇傾向にあるか下降傾向にあるのか、或いは横ばい状態であるかを表示する。
【0071】
また、機台制御装置60は、一定周期ごとに各紡績ユニットから最新の運転データを取得し、前記最新の運転データに基づいて各紡績ユニット2の運転レベルを再計算するように構成されている。そして、機台制御装置60は、運転レベルが再計算されるたびに各ユニット制御部73に対してレベル表示要求を送信し、各紡績ユニット2のレベル表示部86及び傾向表示部87の表示を更新させる。これにより、常に最新の運転状態を表示することができる。
【0072】
以上の構成で、オペレータは、各紡績ユニット2のレベル表示部86に表示されている運転レベルを確認することで、当該紡績ユニット2の大体の運転効率を把握して適切な処置を施すことができる。例えば、上記のように運転効率に基づいて求めたレベルを表示した場合、運転レベルが高いということは運転効率が高いということを示している。従って、運転レベルが高く表示されている紡績ユニット2は特にメンテナンスの必要はないと判断できる一方、運転レベルが低く表示されている紡績ユニット2はメンテナンスが必要である(又はメンテナンスにより運転効率を向上させる余地が相対的に大きい)と簡単に判断することができる。
【0073】
なお、上記の説明では運転効率を例として説明したが、例えば糸太さに基づいて紡績ユニット2の運転レベルを求める場合、糸が細い紡績ユニット2は低い運転レベルに、糸が太い紡績ユニット2は高い運転レベルに、というように各紡績ユニット2を分類すれば良い。この場合、糸の太さは太過ぎても細過ぎても好ましくないので、紡績ユニット2は中央のレベル(第3レベル)で運転していることが好ましい。オペレータは、各紡績ユニット2のレベル表示部86を確認することで、例えば第1レベル(糸の太さが細過ぎる)や第5レベル(糸の太さが太過ぎる)の紡績ユニット2は、紡績装置9等の調節が必要であると簡単に判断することができる。
【0074】
また、例えば糸継ぎミス率に基づいて運転レベルを求める場合、糸継ぎミス率が低い紡績ユニット2は低い運転レベルに、糸継ぎミス率が高い紡績ユニット2は高い運転レベルに、というように各紡績ユニット2を分類すれば良い。この場合、糸継ぎミス率は低いほうが好ましいので、紡績ユニット2は低い運転レベルで運転していることが好ましい。オペレータは、各紡績ユニット2のレベル表示部86を確認することで、運転レベルが高い紡績ユニット2はメンテナンスが必要であると簡単に判断することができる。
【0075】
また、本実施形態では上記のように平均値を中央レベル(第3レベル)としているので、他のユニットの運転効率と当該紡績ユニット2の運転効率とを容易に比較することができる。即ち、その紡績ユニット2が全体の中でどの程度の運転効率で運転しているかを容易に判断することができる。
【0076】
もっとも、平均値に代えて、例えば所定の設定値を基準運転状態として中央レベル(第3レベル)の範囲を設定するようにしても良い。この変形例によれば、各紡績ユニット2の運転効率が、オペレータが設定した運転効率からどちらの方向にどの程度ズレた状態で運転しているか、を容易に把握することができる。あるいは、紡出されている紡績糸10の太さが所定の設定太さ(基準太さ)よりも太いか細いかを容易に把握することができる。
【0077】
また、オペレータは、傾向表示部87の表示を確認することで、当該紡績ユニット2の運転効率がどのように推移しているかを直感的に把握することができる。従って、例えば、運転レベルが低くても上昇傾向にあればしばらく様子を見ることとし、運転レベルが高くても下降傾向にあれば注意を払っておいて、実際に運転レベルが下降したときに早期に保全作業や点検作業を行えるように準備しておく、といった柔軟な対応が可能になる。
【0078】
更に、本実施形態では、オペレータが機台制御装置60で適宜の操作を行うことで、紡績ユニット2のどの運転データに基づいて運転レベルを求めるか、を装置の運転中に切り替えてレベル表示部86に表示させることもできるように構成されている。例えば、本実施形態では、各紡績ユニット2のヤーンクリアラ52が検出している糸の太さに基づいて運転レベルを求めるように切り替えたり、各紡績ユニット2における糸継ぎミスの発生率(糸継ぎミス率)に基づいて運転レベルを求めるように切り替えることができるように構成されている。
【0079】
このように運転レベルを求めるための運転データを切替可能とすることで、様々な観点から紡績ユニットの運転状態を評価することが可能となり、結果として紡績ユニット2のメンテナンスをより効率的に行うことができる。
【0080】
以上で説明したように、本実施形態の精紡機1は、複数の紡績ユニット2を備えている。そして、各紡績ユニット2は、当該紡績ユニット2の運転状態が、複数の運転レベルの中でどの運転レベルに対応するかを表示するレベル表示部86を備えている。
【0081】
これにより、オペレータが紡績ユニット2の運転レベルを確認することで、当該紡績ユニット2の状態を容易に把握することができる。また、各紡績ユニット2がレベル表示部86を備えているので、オペレータはその場で運転レベルを確認することができる。従って、オペレータは、処置が必要な紡績ユニット2を容易に把握することができるとともに、直ちに当該紡績ユニット2に対して処置を施すことができる。
【0082】
また、本実施形態の精紡機1においては、前記運転レベルは、基準となる基準運転状態が中央となるように区分されている。
【0083】
これにより、当該紡績ユニット2が基準運転状態に比べて高い運転レベルなのか低い運転レベルなのか、を容易に把握することができる。
【0084】
また、本実施形態の精紡機1においては、前記基準運転状態は、精紡機1が複数備えた紡績ユニット2の運転状態の平均値である。
【0085】
これにより、当該紡績ユニット2が平均値からどちらにズレた状態で運転しているのかを容易に把握することができる。また、レベル表示の中央レベルに平均値を用いているので、他の紡績ユニット2の運転状態と簡単に比較することができる。
【0086】
また、本実施形態の精紡機1においては、前記基準運転状態は、所定の設定値とすることもできる。
【0087】
これにより、当該紡績ユニット2が設定値からどちらにズレた状態で運転しているのかを容易に把握することができる。
【0088】
また、本実施形態の精紡機1においては、以下のように構成されている。即ち、紡績ユニット2の運転レベルは、当該紡績ユニット2の運転状態を検出した運転データに基づいて求められるとともに、当該紡績ユニット2は、複数の種類の前記運転データを検出可能である。精紡機1は、前記複数の種類の運転データのうち何れに基づいて運転レベルを求めるか、を切り替えることが可能である。
【0089】
即ち、表示する内容を切替可能とすることで、1つのレベル表示部によって当該紡績ユニット2に関する異なる種類の情報を表示することができる。
【0090】
また、本実施形態の精紡機1においては、前記運転レベルは、当該紡績ユニット2の運転効率と、当該紡績ユニット2の糸の太さと、当該紡績ユニット2の糸継ぎミス率と、のうち少なくとも何れか1つから求めることができる。
【0091】
即ち、上記の運転状態に関する運転データはオペレータによって頻繁に参照されるので、本発明のレベル表示部86で表示可能とすることが特に好適である。
【0092】
また、本実施形態の精紡機1においては、各紡績ユニット2は、当該紡績ユニット2の運転状態が、上昇傾向にあるか下降傾向にあるかを表示する傾向表示部87を備えている。
【0093】
これにより、当該紡績ユニット2の運転状態の最近の傾向を容易に把握することができるので、オペレータは各紡績ユニット2に適切な処置を施すことができる。
【0094】
以上に本発明の好適な実施の形態及びその変形例を示したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0095】
上記の説明では運転データの種類を例示して説明したが、紡績ユニット2の運転状態(運転状況、生産物の品質等)を定量的に表す運転データであれば任意のものを採用することができる。例えば、糸速度や糸切れ発生回数などに基づいて運転レベルを求めても良い。
【0096】
運転レベルの区分手法としては、現在の紡績ユニット2の最高運転効率及び最低運転効率に基づいて区分することに限られない。例えば、紡績ユニット2の運転効率の平均値よりも5%〜15%高い場合は第4レベル、15%以上高い場合は第5レベルというように区分することもできる。
【0097】
レベル表示部86に表示するレベルは複数段階であれば良く、例えば2レベル表示でも良いし、6レベル以上で表示するように構成しても良い。なお、例えば6レベルの場合は、前記基準運転状態が第3レベルと第4レベルの境界に相当するように運転レベルを区分することもできる。
【0098】
発光ダイオードを点灯させることで対応するレベル表示部を表示する構成としたが、これに限らず、例えば発光ダイオードを点滅させる構成としても良い。また、裏側から光透過部を通して発光ダイオードを発光させる構成に代えて、発光ダイオードを表面に露出させた構成としても良い。
【0099】
レベル表示部86が傾向表示部を兼ねるように構成しても良い。例えば、運転レベルが現在第3レベルであって上昇傾向にあるときは、第3レベル表示部863を点灯させるとともに、第4レベル表示部864を点滅させる構成を採用することができる。この場合、傾向表示部87を省略することができる。
【0100】
レベル表示部86で現在表示されている運転レベルが何に関するものか(運転効率に関するものか、糸の太さに関するものか等)を表示する運転データ内容表示部をオペレーションパネル80に備えても良い。この構成は、レベル表示部86で表示する内容を切替可能とする場合に特に好ましい。
【0101】
レベル表示部86及び傾向表示部87は、オペレーションパネル80に限らず、それ以外の任意の部材に設けることができる。ただし、オペレータからの視認性を向上する観点からは、レベル表示部86等は各紡績ユニット2の正面に配置することが好ましい。
【0102】
上記の実施形態では機台制御装置60を原動機ボックス5とは独立した構成としたが、例えば、機台制御装置60と原動機ボックス5とを一体化した構成としても良い。
【0103】
ユニット制御部73は、上記のように4台の紡績ユニット2を制御する構成に代えて、例えば各紡績ユニット2につき1つずつユニット制御部を設けても良い。また、ユニット制御部73を省略し、機台制御装置60と各紡績ユニット2が直接通信を行う構成に変更することもできる。
【0104】
糸継台車3や自動玉揚装置は省略することができる。また、糸継台車3を省略した場合には、各紡績ユニット2が糸継装置を備える構成に変更しても良い。
【0105】
本発明の構成は精紡機に限らず、例えば複数のワインダユニットを備えた自動ワインダなど、複数の糸処理ユニットを備えた他の繊維機械に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の一実施形態に係る精紡機の全体的な構成を示した正面図。
【図2】紡績機における制御信号等の流れを示すブロック図。
【図3】精紡機の縦断面図。
【図4】オペレーションパネルの正面図。
【符号の説明】
【0107】
1 精紡機(繊維機械)
2 紡績ユニット(糸処理ユニット)
7 ドラフト装置
9 紡績装置
13 巻取装置
60 機台制御装置
73 ユニット制御部
80 オペレーションパネル
86 レベル表示部
87 傾向表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の糸処理ユニットを備えた繊維機械において、
前記各糸処理ユニットは、当該糸処理ユニットの運転状態が、複数の運転レベルの中でどの運転レベルに対応するかを表示するレベル表示部を備えていることを特徴とする繊維機械。
【請求項2】
請求項1に記載の繊維機械であって、
前記運転レベルは、基準となる基準運転状態が中央となるように区分されていることを特徴とする繊維機械。
【請求項3】
請求項2に記載の繊維機械であって、
前記基準運転状態は、前記繊維機械が複数備えた糸処理ユニットの運転状態の平均値であることを特徴とする繊維機械。
【請求項4】
請求項2に記載の繊維機械であって、
前記基準運転状態は、所定の設定値であることを特徴とする繊維機械。
【請求項5】
請求項1から4までの何れか一項に記載の繊維機械であって、
前記糸処理ユニットの運転レベルは、当該糸処理ユニットの運転状態を検出した運転データに基づいて求められるとともに、
当該糸処理ユニットは、複数の種類の前記運転データを検出可能であり、
前記複数の種類の運転データのうち何れに基づいて運転レベルを求めるか、を切り替えることが可能であることを特徴とする繊維機械。
【請求項6】
請求項1から5までの何れか一項に記載の繊維機械であって、
前記運転レベルは、当該糸処理ユニットの運転効率と、当該糸処理ユニットの糸の太さと、当該糸処理ユニットの糸継ぎミス率と、のうち少なくとも何れか1つに関するものであることを特徴とする繊維機械。
【請求項7】
請求項1から6までの何れか一項に記載の繊維機械であって、
前記各糸処理ユニットは、当該糸処理ユニットの運転状態が上昇傾向にあるか下降傾向にあるか、を表示する傾向表示部を備えていることを特徴とする繊維機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−70302(P2010−70302A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−238394(P2008−238394)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】