説明

繊維状化粧料、シート状化粧料、化粧料組成物、及び、化粧方法

【課題】 新規の意匠性を有し、かつ、軽量であるため持ち運び、保管等が容易である繊維状化粧料を提供する。
【解決手段】 繊維状に成形された糖類、並びに、無機塩、洗浄成分、水溶性高分子、及び、油性保湿剤からなる群より選択される少なくとも一種を含み、
使用時に水又は液体状化粧料と併用する繊維状化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維状化粧料、シート状化粧料、化粧料、及び、化粧方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、化粧料は、効果の面以外にも外観、香り、感触等の付加価値を求められるものであり、特に外観の意匠性が要求される。化粧料に求められる性能としては、洗面所やお風呂場等の狭い場所での使用性、更に、使用者が化粧料を旅行に携帯する場合には、持ち運びやすさ、保管性等が挙げられる。このような要求を満たすものとして、例えば、特許文献1に開示されている綿菓子等の形状が挙げられるが、化粧料としての使用は検討されていなかった。
【0003】
【特許文献1】特開2003−339321号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記現状に鑑み、新規の意匠性を有し、かつ、軽量であるため持ち運び、保管等が容易である繊維状化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、繊維状に成形された糖類、並びに、無機塩、洗浄成分、水溶性高分子、及び、油性保湿剤からなる群より選択される少なくとも一種を含み、使用時に水又は液体状化粧料と併用することを特徴とする繊維状化粧料である。
上記繊維状化粧料は、更に、色素、油性保湿剤以外の保湿剤、シリコーン及び流動化剤からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。
本発明は、上述の繊維状化粧料を圧縮したものであることを特徴とするシート状化粧料でもある。
【0006】
本発明は、少なくとも一種の固形状化粧料と上述の繊維状化粧料とを同封したものであることを特徴とする化粧料組成物でもある。
本発明は、少なくとも一種の固形状化粧料と上述のシート状化粧料とを同封したものであることを特徴とする化粧料組成物でもある。
上述の化粧料は、入浴剤、頭髪用化粧料、洗浄剤、又は、パックであることが好ましい。
【0007】
本発明は、少なくとも一種の液体状、又は、固形状化粧料と上述の繊維状化粧料とを同時に使用することを特徴とする化粧方法でもある。
本発明は、少なくとも一種の液体状、又は、固形状化粧料と上述のシート状化粧料とを同時に使用することを特徴とする化粧方法でもある。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
本発明の繊維状化粧料は、糖類を溶融紡糸して得られる糸状の繊維を集めたものであって、綿菓子状の剤型を有するものである。綿菓子状であるため、外観の意匠性とふわふわとした良好な感触を有するものである。更に、上記繊維状化粧料は、使用時に水又は液体状化粧料と併用することを特徴としたものである。ここで、水又は液体状化粧料と併用するとは、上記繊維状化粧料を水又は液体状化粧料に溶解する、少量の水又は液体状化粧料を添加する、水又は液体状化粧料により濡れた皮膚、髪等に塗布する等、水又は液体状化粧料の量を問わず、上記繊維状化粧料と水又は液体状化粧料とが接触する状態で使用することを意味する。ここで、上記液体状化粧料は、上記繊維状化粧料のなじみの点から、水系、O/W系エマルジョン等外相が水である化粧料が好ましい。
【0009】
上記繊維状化粧料は、使用時の意匠性にも優れたものである。例えば、上記繊維状化粧料を入浴剤として使用した場合、従来の顆粒状、粉末状の入浴剤が均一に湯に溶解していく状態とは異なり、綿菓子が徐々にほぐれていくような目新しい現象を呈するものである。
【0010】
本発明の繊維状化粧料は、水への高い溶解性を有するため、使用時に水又は液体状化粧料と併用することにより、通常の化粧料と同様に使用することができるものである。すなわち、調製時には水を添加する必要がないため、軽量化が可能となる。軽量化による持ち運び、保管等の簡便化も本発明の利点の一つである。
【0011】
本発明において、上記糖類としては特に限定されず、例えば、単糖類としては、ブドウ糖、果糖、ガラクトース、二糖類としては、ショ糖、麦芽糖、乳糖、セルビオース、多糖類として、アミロース、セルロースなどやトレハロース、水あめ、三温糖、黒砂糖、糖アルコールとして、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、還元水飴、オリゴ糖としては、キシロオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、大豆オリゴ糖等パラチノースを挙げることができる。
【0012】
上記繊維状化粧料において、上記糖類の含有量は、繊維状化粧料の固形分100質量%に対して60%以上であることが好ましい。上記含有量が60質量%未満であると、繊維状となることが困難となったり、液化をおこしたりする場合がある。上記含有量は、60〜99質量%であることが好ましく、70〜95質量%がより好ましく、80〜90質量%が最も好ましい。
【0013】
上記繊維状化粧料は、更に、無機塩、洗浄成分、水溶性高分子、及び、油性保湿剤からなる群より選択される少なくとも一種を含むものである。これらは、上記繊維状化粧料の用途に応じて、適宜選択することができる。
【0014】
上記無機塩としては特に限定されず、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、ホウ砂、硫酸ナトリウム、硫化ナトリウム、硝酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酸化マグネシウム、メタケイ酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ砂、硫酸アルミニウム、ミョウバン等を挙げることができる。上記無機塩の含有量としては特に限定されず、繊維状化粧料の固形分100質量%に対して0.5〜30%の範囲内であることが好ましい。
【0015】
上記洗浄成分としては特に限定されず、ベタイン型、スルホベタイン型、スルホアミノ酸型等の両イオン性界面活性剤、脂肪酸セッケン、α−アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、セチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアミドエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム等のN−アシルアミノ酸塩、スルホコハク酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等の陰イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤、テトラアルキルアンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤、レシチン、リゾフォスファチジルコリン等の天然系界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等のシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、又は、2種以上を併用してもよい。これらの界面活性剤は、油性成分の乳化、起泡、均一分散、粘着防止等を好適に行うための乳化剤として作用させることもできる。
【0016】
上記洗浄成分の配合量は、繊維状化粧料100質量%中、0.1〜70質量%であることが好ましい。0.1質量%未満であると、洗浄効果や泡立ちが不充分であるおそれがある。70質量%を超えると、成型性が悪くなるおそれがある。上記配合量は、0.05〜20質量%であることがより好ましい。
【0017】
上記水溶性高分子としては特に限定されず、天然の水溶性高分子、半合成の水溶性高分子、合成の水溶性高分子を挙げることができる。
上記天然の水溶性高分子としては特に限定されず、例えば、植物系高分子(例えば、寒天、ローカストビーンガム、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等);動物系高分子(例えば、コラーゲン、ゼラチン等)等を挙げることができる。
【0018】
半合成の水溶性高分子としては特に限定されず、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等を挙げることができる。
【0019】
合成の水溶性高分子としては特に限定されず、例えば、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール6000、20000、40000、60000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等);ポリエチレンイミン;カチオンポリマー等を挙げることができる。
上記水溶性高分子としては、なかでも、ヒアルロン酸塩、アルギン酸ナトリウムが好ましい。上記水溶性高分子は、好ましくは繊維状化粧料の固形分100質量%に対して0.1〜40質量%、より好ましくは0.5〜20質量%使用され得る。
【0020】
上記油性保湿剤としては特に限定されず、例えば、甘草エキス、ヒマシ油、オリーブ油、グレープシード油、カカオ脂、椿油、アーモンド油、月見草油、米ぬか油、米胚芽油、ヤシ油、木ロウ、ごま油、ホホバ油、アボガド油等の植物油脂類;ミンク油、卵黄油等の動物油脂類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類;スクワラン、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化水素類;ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸等の天然又は合成脂肪酸類;セタノール、ステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、ベンジルアルコール、オクチルドデカノール、ラウリルアルコール等の天然又は合成高級アルコール;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸コレステリル等のエステル類等が挙げられる。上記油性保湿剤は、好ましくは45℃以下で、より好ましくは33℃以下で溶解する成分であることが好ましい。上記油性保湿剤は、好ましくは繊維状化粧料の固形分100質量%に対して0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜3質量%使用され得る。
【0021】
本発明の繊維状化粧料は、更に、色素、保湿剤、シリコーン及び流動化剤からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。
【0022】
上記色素としては、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色106号、赤色227号、赤色504号、青色1号、青色2号、青色202号、黄色4号、黄色5号、黄色202号の(1)、緑色3号、緑色201号、緑色204号、橙色205号等の厚生省令タール色素別表IおよびIIの色素;又は、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシンやクロロフィル、リボフラビン、アンナット、アントシアニン、リコピン、カロチン、ベンガラ赤、ベンガラ黄等の食品添加物として認められている天然色素等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、又は、2種以上を併用してもよい。上記色素は、好ましくは繊維状化粧料の固形分100質量%に対して0.01〜0.5質量%、より好ましくは0.01〜0.2質量%使用され得る。
【0023】
上記保湿剤としては化粧料の保湿剤として使用されるものであれば特に限定されないが、例えば、水溶性保湿剤、その他の保湿剤が挙げられる。上記水溶性保湿剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール類;ケラチン、アミノ酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、又はこれらの混合物等が挙げられる。上記その他の保湿剤としては、ニンジン末、加水分解ケラチン、セラミド、大豆リン脂質等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、又は、2種以上を併用してもよい。これら保湿剤の配合割合は、その目的が達成されるようにその種類に応じて適宜選択することができる。保湿剤を添加することによって、皮膚への保湿効果を得ることができる点で、好ましい。
【0024】
上記保湿剤の配合量は、繊維状化粧料100質量%中、0.01〜30質量%であることが好ましい。0.05質量%未満であると、保湿効果が得られないおそれがある。30質量%を超えて配合しても、効果が向上せず不経済である。上記配合量は、0.05〜10質量%であることがより好ましい。
【0025】
上記シリコーンとしては特に限定されず、通常化粧料原料として使用されているものであれば特に制限されず、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン等の鎖状又は環状のシリコーンオイル、これらの変性シリコーン等を挙げることができる。なかでも、例えば、頭髪用化粧料として使用した場合、25℃において10mm/s以上の粘度を有するものが、感触面、ツヤの面で良好な結果が得られるため好ましい。
【0026】
上記流動化剤としては、例えば、合成ケイ酸アルミニウム、無水ケイ酸、ゼオライト、アパタイト、デキストリン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、又は、2種以上を併用してもよい。
【0027】
糖類以外の成分の配合方法としては特に限定されないが、例えば、上記繊維状化粧料の調製において、上記糖類と糖類以外の成分とを混合溶融して紡糸することにより配合する方法であっても、糖類以外の成分のみを繊維化して混合する方法であっても、上記繊維状化粧料に上記糖類以外の成分を混合して配合する方法であってもよい。例えば、配合する任意の成分が糖類の溶融温度において安定状態にない成分であれば、後者の方法により配合することが好ましい。
【0028】
上記繊維状化粧料は、更に、香料を含有するものであってもよい。上記香料としては特に限定されず、例えば、ラベンダー油、ジャスミン油、ローズ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、タイム油、ショウブ油、ヒバ油、ヒノキ油、バラ油、ユーカリ油、カンファー、ペパーミント油、スペアミント油、ゲラニオール油、シトロネロール等の天然香料、又は、2−ヒドロキシ−5−メチルヘキサン−3−オン、3−ヒドロキシ−5−メチルヘキサン−2−オン;1−(2−t−ブチルシクロヘキシルオキシ)−2−ブタノール(アンバーコア)等のウッディアンバー;サンダルウッドオイルのサンダルノート;3−メチルシクロペンタデカノン(ムスコン)等のムスクノート;ローズオイル等のフローラルノート;ラズベリーケトン等の合成香料を挙げることができる。
これらは単独で用いてもよく、又は、2種以上を併用してもよい。
【0029】
上記香料は、繊維状化粧料の固形分100質量%に対して1〜12質量%、好ましくは0.2〜5質量%使用され得る。なお、天然精油は、主に香料に含まれており、他の添加物にも含まれ得る。
【0030】
また、本発明の繊維状化粧料には、上述した成分の他にも、例えば、一般に化粧品や入浴剤に使用される、顔料、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤、メタケイ酸、ホウ酸等の無機酸、並びに、美容、美顔及び皮膚の治療等を目的とする薬効成分等の各種化粧料成分を適宜配合することができる。
【0031】
上記顔料としては、例えば、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、ナイロンパウダー、酸化亜鉛、セリサイト、マイカ、タルク等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、又は、2種以上を併用してもよい。また、水中への分散性を向上させるため、表面処理したものであってもよい。
【0032】
上記pH調整剤としては、例えばクエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、乳酸、酒石酸、リンゴ酸等の有機酸、無機酸及びその塩類等が挙げられる。
【0033】
上記防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のパラオキシ安息香酸アルキルエステル、フェノキシエタノール、エタノール、デヒドロ酢酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、トリクロサン、感光素等が挙げられる。
上記酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)等が挙げられる。
【0034】
上記薬効成分としては、アシタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ショウキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オオムギエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海藻エキス、海水乾燥物、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クマザサエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コンフリーエキス、コケモモエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、スイカズラエキス、セイヨウキズナエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、ゼニアオイエキス、センブリエキス、タイソウエキス、タイムエキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、モモ葉エキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユズエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス、センキュウエキス、トウキエキス、月桃エキス、藤三七人参エキス、スターフルーツエキス、接骨草等が挙げられる。
【0035】
また、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸二カリウム、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタミンA、B2、B6、B12、C、D、E、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、葉酸等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、γ−オリザノール、ビタミンE誘導体等の血行促進剤、β−カロチン、タンパク質分解酵素等の創傷治癒剤、セファランチン、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、DL−α−トコフェロール、酢酸DL−α−トコフェロール、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエステラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、l−メントール、メントールのピロリドンカルボン酸塩、モノニトログアヤコール、尿素、レゾルシン、γ−アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、COQ10、COQ、COQ、α−リポ酸、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ヒドロコルチゾン、鎮痛剤、精神安定剤、抗高血圧剤、抗生物質、抗ヒスタミン剤、抗菌性物質等も任意に配合することができる。
【0036】
更に、本発明は、上記繊維状化粧料を圧縮したものであることを特徴とするシート状化粧料でもある。圧縮して容積が減少することによって、より持ち運び、保管等が容易になる。圧縮の程度としては特に限定されないが、容積が1/2〜1/5程度になるように圧縮されることが好ましい。
【0037】
更に、本発明は、上記繊維状化粧料又は上記シート状化粧料と、少なくとも一種の固形状化粧料とを同封した化粧料組成物でもある。上記固形状化粧料としては特に限定されず、例えば、美白剤、抗シワ剤、酵素等の有効成分を含有した、一般的に化粧料として使用される成分からなるものを挙げることができる。上記固形状化粧料の形態としては、粉末、顆粒又は錠剤等が挙げられる。上記固形状化粧料としては、例えば、フィルム状化粧料を使用することもできる。上記繊維状化粧料又は上記シート状化粧料と同封する方法としては特に限定されないが、例えば、繊維状化粧料又はシート状化粧料にフィルム状化粧料をのせた状態、フィルム状化粧料をくるんだ状態等で同封する方法を挙げることができる。ここで、上記フィルム状化粧料と、繊維状化粧料又はシート状化粧料とは加熱により融着した状態であってもよい。
【0038】
上記シート状化粧料とフィルム状化粧料とを融着した状態を図1及び2により示す。図1は、シート状化粧料2上にフィルム状化粧料1をのせた状態を横からみた図であり、図2は、シート状化粧料2上にフィルム状化粧料1をのせた状態を真上からみた図である。上記シート状化粧料とハート形や星形等の任意の形状を有するフィルム状化粧料を同封することにより、視覚による楽しみを付与することができる。
【0039】
上記フィルム状化粧料としては特に限定されないが、例えば、水溶性高分子からなり、厚みが200μm以下であるものが好ましい。このようなフィルム状化粧料は、花や葉等の任意の形状とすることができ、薄片状の外観を有するものである。このようなフィルム状化粧料は、水溶性高分子によって形成されたものであることから、水中で徐々に溶解するものであり、適用後、一定時間は形状を維持した後、徐々に溶解することから、遊戯性や視覚性においても優れている。このようなフィルム状化粧料を同封することにより、上記繊維状化粧料又はシート状化粧料が水又は液体状化粧料に素早く溶解したあとも、フィルム状化粧料が徐々に溶解していくという新しい状態を呈することができる。
【0040】
上記水溶性高分子は、加工デンプンであることが好ましい。上記加工デンプンは、水溶性を付与するための加工を行ったデンプンであり、α化デンプン、カルキシメチルデンプン、メチルデンプン等を挙げることができる。
上記加工デンプンとしては、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、甘薯澱粉、米澱粉又はタピオカ澱粉等を加工したものであってもよい。なかでも、作業性やシート成型性の点から、コーンスターチを加工したものであることが好ましい。
上記ゼラチンとしては、特に限定されず、例えば、フィッシュゼラチン(グローダ製)等の市販されているものを使用することができる。上記水溶性高分子としては、これらの2種以上を併用してもよい。更に、上記フィルム状化粧料に対しても、上述した各種成分を併用してもよい。
【0041】
上記水溶性高分子としては、特に限定されず、上述の水溶性高分子を挙げることができるが、特に、造膜性、溶解性の観点から、デンプン及び/又はゼラチン等を使用することが好ましい。
【0042】
本発明におけるこれらの化粧料は、糖類に由来する保湿性付与、皮フのすべり感向上等の作用を有するものであるため、化粧水、パック等の基礎化粧料、洗顔料等の洗浄剤、ヘアーパック等の頭髪用化粧料、入浴剤等、種々の化粧料に適用することができるものである。なかでも、手軽に持ち運びができるため、洗顔料、又は、パックとしての使用が好ましい。
【0043】
本発明の化粧料は、保形性かつ密封性の容器(例えば、袋、カップ、缶など)に封入して保管又は持ち運びされることが好ましい。このような容器としては特に限定されないが、例えば、アルミ蒸着フィルム等を熱融着させて袋状としたもの等を挙げることができる。このような容器は、個包装が可能であり軽量であるため、持ち運び、保管等が容易である。
【0044】
本発明は、上記繊維状化粧料又は上記シート状化粧料と、少なくとも一種の液体状、又は、固形状化粧料とを同時に使用することを特徴とする化粧方法でもある。上記液体状化粧料としては一般的に化粧料として使用される成分からなるものであれば特に限定されない。上記固形状化粧料としては特に限定されず、上述の固形状化粧料を挙げることができる。このような化粧方法によって、繊維状化粧料に配合できない成分をも同時に使用することにより、優れた美容効果を得ることができる。
【0045】
本発明の繊維状化粧料の製造方法としては特に限定されず、通常綿菓子の製造方法として用いられている方法を挙げることができる。上記製造方法としては、例えば、糖類を水に溶解する工程(工程1)、得られた水溶液を140〜185℃に加温して必要に応じて任意の成分を投入する工程(工程2)、得られた混合物を煮詰める工程(工程3)、自然冷却し、結晶物を得る工程(工程4)、結晶物を粉砕、選別する工程(工程5)、及び、綿菓子製造機にかける工程(工程6)からなる方法を挙げることができる。
【0046】
上記工程2において、加熱温度は140〜180℃が好ましく、140〜180℃がより好ましく、160〜180℃が最も好ましい。上記工程3において、混合物の含水率が約1.2〜4.0%程度になるまで煮詰めることが好ましい。また、香料等を配合する場合は、工程3の直後に添加することが好ましい。
【0047】
上記工程5において、結晶物の選別は、5〜10ミリメッシュの篩にかけることにより行うことが好ましい。上記篩にかけることにより、2〜5ミリの粒状、質量0.01〜0.02gのものを選別することが好ましい。上記綿菓子製造機の受け皿(たらい)の表面は、テフロン(登録商標)等でコーティングされているものが好ましい。
【0048】
上記シート状化粧料の製造方法としては特に限定されず、上記繊維状化粧料をプレスローラー、コンベヤベルト、プレス機等の圧縮機により、1〜50kg程度の条件で圧縮する方法等を挙げることができる。
【発明の効果】
【0049】
本発明により、新規の意匠性を有する繊維状化粧料を得ることができる。上記繊維状化粧料は軽量であるため、持ち運び、保管等が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下に本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0051】
実施例1 入浴剤の調製
表1に示したショ糖(商品名、高級白ざら糖;新三井製糖株式会社製)、塩化ナトリウム(結晶)、無水ケイ酸をL字型混合機で混合し、その後、強火でゆっくりと攪拌しながら溶解する。溶解した時点で攪拌を停止した。配合量は、すべて質量%である。
上記溶解物を、常圧、強火で達温180℃まで煮詰め(含水率約1.2%)、加熱を停止した。
【0052】
加熱停止後(原料温度約180℃)、表1に記載の香料(ローズ系香料)、色素(赤色227号)を加え、できるだけ空気を送り込むように手早く攪拌して、一気に微細結晶を析出させた。次に、上記混合物をできるだけ穏やかに冷却した。
【0053】
得られた混合物を粉砕し、8ミリメッシュの篩にかけ、2〜5ミリの粒状、質量0.01〜0.02のものを使用した。これを約200℃に加熱し、そして約3000rpmに回転させた綿菓子製造機の円盤状の釜へ投入し、溶融した混合物を網メッシュに通して分散させ冷却して糸を形成し、この糸を集めることによって繊維状化粧料を製造した。得られた繊維状化粧料を、容積が1/2程度になるまで圧縮し、シート状化粧料とした。
【0054】
実施例2 洗浄剤の調製
塩化ナトリウムに代えて、石けん素地を添加したこと以外は実施例1と同様にして繊維状化粧料を調製した。
【0055】
実施例3 パックの調製
ヒアルロン酸ナトリウムをショ糖の溶解時に配合したこと以外は実施例1と同様にして繊維状化粧料を調製した。
【0056】
実施例4 入浴剤の調製
米ぬか油、炭酸ナトリウム、合成ケイ酸アルミニウムをショ糖の溶解時に配合したこと以外は実施例1と同様にして繊維状化粧料を調製し、更にシート状化粧料とした。
【0057】
実施例5 頭髪用化粧料の調製
メチコーン、D−パンテノール、カーボポール941(G.F.Goodrich製)、PEG6000をショ糖の溶解時に配合したこと以外は実施例1と同様にして繊維状化粧料を調製した。
【0058】
実施例6 入浴剤の調製
ショ糖の代わりにトレハロース(株式会社林原商事「トレハロース」)を使用したこと以外は実施例1と同様にして繊維状化粧料を調製し、更にシート状化粧料とした。
【0059】
実施例7 入浴剤の調製
表2に示した各配合成分を加熱溶解して均一に混合し、表面をエンボス加工しフィルム状にした後、図1に示したようなハート型の形状に打ち抜いて、その後、厚み70μmのフィルム状化粧料を得た。配合量は、すべて質量%である。更に、上記フィルム状化粧料を実施例1で得られた繊維状化粧料(50×80mm)上にのせ、約800kgの圧力をかけて型打ちし、図1及び2に示したような入浴剤を調製した。なお、使用した成分は、フィッシュゼラチン(グローダ製)、加工デンプン(松谷化学工業株式会社製)である。
【0060】
【表1】

【0061】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明により、化粧料の軽量化が可能となり、持ち運び、保管等が容易となる。更に、本発明の繊維状化粧料は、新規の意匠性を有するものであるため、消費者の好奇心を満足させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の化粧料の一例を横からみた概略図である。
【図2】本発明の化粧料の一例を真上からみた概略図である。
【符号の説明】
【0064】
1 フィルム状化粧料
2 シート状化粧料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維状に成形された糖類、並びに、無機塩、洗浄成分、水溶性高分子、及び、油性保湿剤からなる群より選択される少なくとも一種を含み、
使用時に水又は液体状化粧料と併用することを特徴とする繊維状化粧料。
【請求項2】
更に、色素、油性保湿剤以外の保湿剤、シリコーン及び流動化剤からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有する請求項1記載の繊維状化粧料。
【請求項3】
請求項1又は2記載の繊維状化粧料を圧縮したものであることを特徴とするシート状化粧料。
【請求項4】
少なくとも一種の固形状化粧料と請求項1又は2記載の繊維状化粧料とを同封したものであることを特徴とする化粧料組成物。
【請求項5】
少なくとも一種の固形状化粧料と請求項3記載のシート状化粧料とを同封したものであることを特徴とする化粧料組成物。
【請求項6】
入浴剤、頭髪用化粧料、洗浄剤、又は、パックである請求項1、2、3、4又は5記載の化粧料。
【請求項7】
少なくとも一種の液体状、又は、固形状化粧料と請求項1又は2記載の繊維状化粧料とを同時に使用することを特徴とする化粧方法。
【請求項8】
少なくとも一種の液体状、又は、固形状化粧料と請求項3記載のシート状化粧料とを同時に使用することを特徴とする化粧方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−249029(P2006−249029A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−70144(P2005−70144)
【出願日】平成17年3月11日(2005.3.11)
【出願人】(000000952)カネボウ株式会社 (120)
【出願人】(501280253)株式会社エヌアイコーポレーション (4)
【Fターム(参考)】