説明

缶蓋列用移動装置

【課題】所定数量に仕切られた缶蓋列を、高速で、かつ、正確に、インフィード手段からディスチャージ手段に移動させることができ、また、エアシリンダなどによる異常停止を効果的に防止したり、あるいは、定期メンテナンスの際、効率よくエアシリンダなどを交換することができる、生産性及び経済性などに優れた缶蓋列用移動装置、及び、缶蓋製造装置の提供を目的とする。
【解決手段】缶蓋列用移動装置1は、インフィード手段2、ピックアップ手段3、ディスチャージ手段4、及び制御手段5を備え、ピックアップ手段3が、インフィード手段2から所定数量に仕切られた缶蓋列11を摘み上げ、ディスチャージ手段4に移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、缶蓋列用移動装置に関する。特に、所定数量の列状に重ねられた缶蓋(以下、缶蓋列という。)を、高速で、かつ、正確に、インフィード手段からディスチャージ手段に移動させることができ、また、エアシリンダなどによる異常停止を効果的に防止したり、あるいは、定期メンテナンスの際、効率よくエアシリンダなどを交換することができる、生産性及び経済性などに優れた缶蓋列用移動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の缶蓋製造工程は、図9に示すように金属板を円盤状に切り抜き、絞り成形して蓋形状に成形するシェル成形装置71、成形されたシェルの二重巻締部の内面にコンパウンドをライニングするコンパウンドライニング装置72、タブ取り付け装置とスコア加工装置とからなるタブ・スコア加工装置73、及び、袋詰め装置74などを備えている。
【0003】
上記のシェル成形工程では、広幅の塗装金属板から多丁取りのシェル成形装置71(シェルプレスなどを有している。)でシェル成形をするため、たとえば、毎分5000枚以上の速度で製造することが可能である。しかしながら、このような高速度で製造されるシェルに対し、ライニング工程では、缶蓋を1枚ずつライニングするためライニング装置1台では対応できず、数台のコンパウンドライニング装置72を使用してライニングしている。
すなわち、シェル成形装置71から重なって列をなして連続的に出てくるシェルを、複数のコンパウンドライニング装置72に供給するための缶蓋列用移動装置が必要となる。
【0004】
なお、上記の各工程の生産速度を完全に同期させることは、現実的ではなく、また、各装置のチョコ停(短時間の停止)などに対応する必要がある。このために、缶蓋製造工程は、通常、シェル成形装置71とコンパウンドライニング装置72との間、コンパウンドライニング装置72とタブ・スコア加工装置73との間、及び、タブ・スコア加工装置73と袋詰め装置74との間に、それぞれ缶蓋列用移動装置1a、1´が設置されている。これらの缶蓋列用移動装置1a、1´は、通常、余剰の缶蓋を生産ラインから取り出し、一時的に保管するためのトレイなどを備えている。
【0005】
すなわち、上記の缶蓋列用移動装置1´、1aは、各装置間において、缶蓋を移動させるとともに、缶蓋製造工程の稼動率が低下することを防止するといった重要な機能を有している。このため、イン側の蓋レーンからアウト側の蓋レーンに、缶蓋列を分離移動させる場合、イン側の蓋レーンから、該イン側の蓋レーンの下方あるいは斜め下方に配置されたアウト側の蓋レーンへ、缶蓋列を振り分ける缶蓋列用移動装置などが提案されている。
【0006】
たとえば、特許文献1には、所定数の缶蓋群が単列で一連にストックされるストッカー(イン側の蓋レーン)と、缶蓋群が複数列に振り分けられて移送される搬送コンベア(アウト側の蓋レーン)と、ストッカーと搬送コンベアとの間に配設され、仕切板で仕切られた缶蓋群収容のためのポケットを有するスライド可能な振分け装置とを具備した缶蓋列用移動装置の技術が開示されている。
この缶蓋列用移動装置は、ストッカーからの缶蓋群をポケットに受入れ収容し、かつ、ポケットから缶蓋群を搬送コンベアに供給する。
【0007】
また、缶蓋列用移動装置は、通常、多数のエアシリンダによって駆動されている。
一般的に、エアシリンダ及び電磁弁は、往複動作を繰り返し行うため、消耗して動きが悪くなり、動作不良となる。このため、通常、エアシリンダにおいては、所定時間(インターロック設定時間)が経過しても動作が完了しない場合、監視センサなどを設けて、製造ラインをストップさせる機構が採用されている。
次に、従来の缶蓋列用移動装置などに用いられる、インターロック機能を有するエアシリンダ駆動装置について、図面を参照して説明する。
【0008】
(従来のエアシリンダ駆動装置)
図10は、従来のエアシリンダ駆動装置を説明するための概略図を示している。
また、図11は、従来のエアシリンダ駆動装置のエアシリンダ駆動用制御部のタイミングチャート図を示している。
図10において、従来のエアシリンダ駆動装置100は、エアシリンダ101、このエアシリンダ101のロッド位置を検出するセンサスイッチ105、エアシリンダ101と接続された電磁弁103、この電磁弁103を制御するエアシリンダ駆動用制御部(電磁弁制御信号発生部511、インターロック信号発生部512、及び、インターロック処理部513)、並びに、電磁弁103と接続された流量制御弁としてのスピードコントローラ104及び圧力制御弁としてのフィルタ・レギュレータ102を有している。
【0009】
このエアシリンダ駆動装置100は、従来の振分け装置(図示せず)の各部を駆動させる。したがって、振分け装置には、多数のエアシリンダ駆動装置100が設けられている。
また、エアシリンダ駆動用制御部は、従来の缶蓋列用移動装置の制御手段150の制御部151に、各エアシリンダ101に対応して多数設けられている。このエアシリンダ駆動用制御部は、電磁弁制御信号発生部511、インターロック信号発生部512、及び、インターロック処理部513などからなっている。
なお、制御部151は、通常、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)であり、上記エアシリンダ駆動用制御部は、あらかじめプログラムとして制御部151に入力されている。
【0010】
電磁弁制御信号発生部511は、電磁弁103及びインターロック信号発生部512などと接続されており、信号を入力すると、図11(a)に示すように、Time(時刻)T1に電磁弁制御信号を出力する。
そして、電磁弁103が作動し、エアシリンダ101のロッドが移動する。これらの動作が正常であるとき、センサスイッチ105は、図11(b)に示すように、Time(時刻)T2にセンサスイッチ信号を出力する。また、上記動作が異常であるとき、たとえば、Time(時刻)T3´にセンサスイッチ信号を出力する。
【0011】
インターロック信号発生部512は、電磁弁制御信号発生部511、インターロック処理部513、及び、エアシリンダ101のロッド位置(OFF位置やON位置)を検出する一対のセンサスイッチ105などと接続されている。このインターロック信号発生部512は、上記の電磁弁制御信号やセンサスイッチ105からのセンサスイッチ信号を入力し、インターロックとして異常停止するか否かを判定する。なお、インターロック信号発生部512は、あらかじめインターロック設定時間(=T3−T1)が設定されている。
すなわち、インターロック信号発生部512は、作動時間(T1からセンサスイッチ信号を入力するまでの時間)を計測しており、動作が遅くなり作動時間がインターロック設定時間となると、Time(時刻)T3にインターロック信号(異常停止信号)を出力する。
【0012】
また、インターロック処理部513は、インターロック信号発生部512及び対応する警報ランプ524などと接続されており、インターロック信号発生部512からインターロック信号を入力すると、対応する警報ランプ524を点灯させるとともに、異常停止信号を出力する。この異常停止信号によって、制御手段150は、缶蓋列用移動装置を異常停止させる。
このようにして、エアシリンダ駆動装置100は、缶蓋列用移動装置の各部を駆動させるとともに、エアシリンダ101などに異常が発生すると、対応する警報ランプ524を点灯させ、缶蓋列用移動装置を異常停止させることができる。
【0013】
ところで、缶蓋製造工程は、上述したように、大掛りな自動装置から成り、かつ、生産速度が高速であることから、定期メンテナンス(たとえば、週毎点検、月毎点検など)が行われている。
なお、缶蓋製造工程において、生産性や経済性などを向上させるには、革新的な機構(たとえば、高速化可能な構成)を採用したり、あるいは、稼動率を高めることなどが重要である。したがって、上記の定期メンテナンスなどは、確実に、かつ、慎重に行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開昭57−42410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、上記特許文献1の缶蓋列用移動装置は、高速での製缶蓋に対応することは難しく、高速で、かつ、正確に、イン側の蓋レーン(インフィード手段)からアウト側の蓋レーン(ディスチャージ手段)に、缶蓋列をレーン移動することは困難であった。
また、缶蓋列用移動装置がトレイなどを備えている場合、イン側の蓋レーンからトレイなどに缶蓋列を移動させ、また、トレイなどからアウト側の蓋レーンに缶蓋列を移動させる必要がある。かかる場合においては、上記特許文献1の缶蓋列用移動装置は、高速での製缶蓋に対応することがさらに困難であった。
すなわち、高速での製缶蓋に対応することの可能な缶蓋列用移動装置の技術の確立が要望されていた。
【0016】
また、従来のエアシリンダ駆動装置は、上述したように図10に示すようなエアシリンダ駆動装置10が採用されているが、異常停止のたびに、製造ラインをストップさせ、エアシリンダや電磁弁の交換を行うと、時間がかかり、製造ライン全体の生産性が大幅に低下する。また、交換に要する人員(作業者)を配備しておかねばならず、再稼動時の安定稼動までに、所定の検査を行う必要もあり、さらに、初期アウトなどの発生によって、総合的なコストアップ要因となっていた。
すなわち、従来の缶蓋の振分け装置は、多数のエアシリンダなどを使用していることから、エアシリンダなどによる異常停止を効果的に防止したり、あるいは、定期メンテナンスの際、効率よくエアシリンダなどを交換することのできる技術の確立が要望されていた。
【0017】
さらに、異常停止が発生すると、良品とならない缶蓋が発生することなどから、異常停止を回避するために、定期メンテナンスにおいて、正常に作動しているエアシリンダなども交換する場合があった。
すなわち、まだ使用できるエアシリンダなどを交換してしまうことは、製造原価のコストダウンを図る観点や省資源化の観点から、早急に改善する必要があった。
【0018】
本発明は、以上のような要望などに応えるために提案されたものであり、缶蓋列を、高速で、かつ、正確に、インフィード手段からディスチャージ手段に移動させることができ、また、エアシリンダなどによる異常停止を効果的に防止したり、あるいは、定期メンテナンスの際、効率よくエアシリンダなどを交換することができる、生産性及び経済性などに優れた缶蓋列用移動装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するため、本発明の缶蓋列用移動装置は、缶蓋列を供給するインフィード手段と、缶蓋列を排出するディスチャージ手段と、インフィード手段から缶蓋列を摘み上げ、ディスチャージ手段に移動させるピックアップ手段と、インフィード手段、ディスチャージ手段及びピックアップ手段を制御する制御手段とを備え、ピックアップ手段が、インフィード手段とディスチャージ手段との間を移動する移動用部材と、移動用部材に対して昇降する昇降用部材と、昇降用部材に設けられ、缶蓋列に対して、一方の端部の缶蓋表面と他方の端部の缶蓋裏面を挟持する一対のセンタリングガイドと、昇降用部材に設けられ、缶蓋列に対して、該缶蓋の対向する周縁部を挟持する一対のピックアップブレードとを有する構成としてある。
【発明の効果】
【0020】
本発明の缶蓋列用移動装置によれば、缶蓋列を、高速で、かつ、正確に、インフィード手段からディスチャージ手段に移動させることができる。また、エアシリンダなどによる異常停止を効果的に防止したり、あるいは、定期メンテナンスの際、効率よくエアシリンダなどを交換することができる。したがって、生産性及び経済性などを大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の缶蓋列用移動装置の要部の概略図であり、(a)は平面図を示しており、(b)は正面図を示している。
【図2】図2は、本発明の缶蓋列用移動装置におけるインフィード手段の要部の概略側面図を示している。
【図3】図3は、本発明の缶蓋列用移動装置におけるピックアップ手段の要部の概略であり、(a)は側面図を示しており、(b)は正面図を示している。
【図4】図4は、本発明の缶蓋列用移動装置におけるディスチャージ手段の要部の概略図であり、(a)は平面図を示しており、(b)はA−A矢視図を示しており、(c)はB−B断面図を示している。
【図5】図5は、本発明の缶蓋列用移動装置に適用される制御手段を説明するための概略図を示している。
【図6】図6は、本発明の缶蓋列用移動装置に適用されるエアシリンダ駆動装置のエアシリンダ駆動用制御部のタイミングチャート図を示している。
【図7】図7は、本発明の缶蓋列用移動装置に適用されるエアシリンダ駆動装置によるアラーム内容の記録を説明するための概略図を示している。
【図8】図8は、本発明の缶蓋列用移動装置に適用されるエアシリンダ駆動装置による所定の情報処理(計測データのグラフ化)を説明するための概略図を示している。
【図9】図9は、従来の缶蓋製造工程を説明するための概略図を示している。
【図10】図10は、従来のエアシリンダ駆動装置を説明するための概略図を示している。
【図11】図11は、従来のエアシリンダ駆動装置のエアシリンダ駆動用制御部のタイミングチャート図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[缶蓋列用移動装置の実施形態]
図1は、本発明の缶蓋列用移動装置の要部の概略図であり、(a)は平面図を示しており、(b)は正面図を示している。
図1において、缶蓋列用移動装置1は、缶蓋列11を供給するインフィード手段2、このインフィード手段2から缶蓋列11を摘み上げ、ディスチャージ手段4に移動させるピックアップ手段3、移動された缶蓋列11を排出するディスチャージ手段4、並びに、上記のインフィード手段2、ピックアップ手段3及びディスチャージ手段4を制御する制御手段5などを備えた構成としてある。
【0023】
また、缶蓋列用移動装置1は、余剰の缶蓋列11を通常の生産ライン(インフィード手段2→ピックアップ手段3→ディスチャージ手段4のライン)から取り出し、一時的に保管するためのトレイ6を供給するトレイ供給手段61を備え、インフィード手段2から缶蓋列11をピックアップ手段3によって摘み上げ、トレイ6に移動させる。
さらに、上記インフィード手段2とトレイ供給手段61との間にはバッファ手段62が設けられ、インフィード手段2から缶蓋列11を、ピックアップ手段3により一時的に上記バッファ手段62に仮置きして、ディスチャージ手段4への供給、或いはトレイ6の段数を切り替える際の仮置きを行うことにより、効率良く缶蓋列11を上記ディスチャージ手段4へ供給することが可能となる。
【0024】
なお、本実施形態では、三つのインフィード手段2、及び、三つのディスチャージ手段4を備えているが、これらの数量は、特に限定されるものではない。
また、インフィード手段2の供給方向とディスチャージ手段4の排出方向とを、同じ方向としてあるが、これに限定されるものではなく、たとえば、インフィード手段2の供給方向と逆方向に、ディスチャージ手段4の排出方向を設定してもよい。
さらに、ピックアップ手段3の走行方向は、インフィード手段2の供給方向と直交する方向としてあるが、これに限定されるものではない。
【0025】
(トレイ)
トレイ6は、樹脂製のほぼ矩形板状であり、上面に、載置部材21のような円弧状の湾曲面を有する複数の溝が形成されている。この溝には、ピックアップ手段3によって、缶蓋列11が載置される。このトレイ6は、図1に示すように、トレイ供給手段61のクランプ611によって保持され、昇降手段(図示せず)によって昇降し、ほぼインフィード手段2と対応する高さに位置する状態で、缶蓋列11が載置される。すなわち、クランプ612によって保持された空のトレイ6は、トレイ供給手段61のクランプ611によって保持され、上記高さ位置において、缶蓋列11が載置され、その後、降下し積み上げられる。
【0026】
(インフィード手段)
図2は、本発明の缶蓋列用移動装置におけるインフィード手段の要部の概略側面図を示している。
図2において、インフィード手段2は、載置部材21、プレセパレータ28、整列検出センサ22、セパレータナイフ23、所定数量検出センサ29、エンドブレーキパッド24、キャリッジフィンガ25、エンドストッパ26、及び、キャリッジ27などを有している。このインフィード手段2は、シェル成形装置71(図9参照)など(上流側の装置)から供給された缶蓋列11(列状に重ねられた複数の缶蓋10a)を、缶蓋列用移動装置1のほぼ中央部に移動させる。
なお、缶蓋列11は、通常、立位状態で、ほぼ水平方向に重ねられるが、これに限定されるものではなく、たとえば、倒れないように、上方に僅かに傾斜する方向に重ねられてもよい。
【0027】
載置部材21は、通常、円筒を軸方向に沿って切断した形状としてあり、缶蓋列11が載置される。この載置部材21は、図1に示すように、フレーム12に固定されている。また、缶蓋11aは、上流側の装置などに設けられた移送手段(図示せず)によって、自動的に載置部材21上を供給方向に移動する。
なお、図示してないが、載置部材21は、円弧状の湾曲面を有しており、この円弧の角度は、180°未満(たとえば、140°)としてある。これにより、後述するエンドブレーキパッド24やピックアップブレード35は、缶蓋列11の中心を通る方向(通常、水平方向)に沿って該缶蓋列11の対向する周縁部を挟持することができ、缶蓋列11を確実に挟持することができる。
【0028】
整列検出センサ22は、光ファイバから成るセンサであり、発光部と受光部を有し、載置部材21の上流側の側方に設けられている。この整列検出センサ22は、インフィード手段2における缶蓋列11のセパレータナイフ23による所定数量の仕切りに先だって、セパレータナイフ23の缶蓋列11への下降がスムースに行われように、プレセパレータ28による間隙の形成が行われ、この間隙の形成の際の缶蓋列11の仕切り部位における缶蓋11aの傾き、整列状態の乱れを検出するものである。
そして、受光部が発光を感知した場合は、前記間隙が正常に形成されており、セパレータナイフ23の前記間隙へのスムースな下降が可能であり、一方、受光部が発光を感知しない場合は、前記間隙に傾いた缶蓋11aが存在しており、セパレータナイフ23の前記間隙への下降がスムース行われず、缶蓋11aやセパレータナイフ23が損傷するおそれがある。
また、この整列検出センサ22は制御手段5と接続されており、発光部からの発光の受光部における感知の有無の検出信号を制御手段5に出力し、その検出信号に基づいてプレセパレータ28やセパレータナイフ23などを作動するエアシリンダの駆動を制御する。
【0029】
所定数量検出センサ29は、近接センサであり、エンドストッパ26の上流側の載置部材21に取り付けられている。この所定数量検出センサ29は、制御手段5と接続されており、缶蓋列11を検出すると、検出信号を制御手段5に出力する。すなわち、所定数量検出センサ29に到達した載置部材21上の下流側の缶蓋列11を検出し、その検出信号に基づいて、制御手段5は、インフィード手段2を制御する。これにより、インフィード手段2は、缶蓋列11を所定数量で仕切る。
【0030】
インフィード手段2における列状に重ねられた缶蓋列11の所定数量の仕切りは、前述した所定数量検出センサ29が下流側の缶蓋11aを検出すると、プレセパレータ28が水平移動用エアシリンダ281により下流側へ移動し、缶蓋列11の間に間隙を形成した後、セパレータナイフ23が下降して行われる。これにより、セパレータナイフ23が前記缶蓋列11の間にスムースに挿入され、所定数量の仕切りが行われる。
前記缶蓋列11に間隙を形成するプレセパレータ28は、ほぼラチェット機構のつめのように動作する仕切り板を有しており、この仕切り板は、水平移動用エアシリンダ281のロッドにスプリング(図示せず)を介して回動自在に支持されている。
【0031】
また、セパレータナイフ23はほぼ矩形板状で、缶蓋列11と当接する端部にガイド面(斜面)が形成されている。このセパレータナイフ23は、昇降用エアシリンダ232のロッドに取り付けられており、また、昇降用エアシリンダ232は、水平移動用エアシリンダ231のロッドに取り付けられている。これにより、セパレータナイフ23は、降下→下流側への移動→上昇→上流側への移動のサイクルを繰り返すことができる。すなわち、セパレータナイフ23は、降下することにより、缶蓋列11における、上流側端部の缶蓋11aの上流側に挿入される。また、水平移動用エアシリンダ231により、所定の微小距離Δ(適宜、微小距離Δと呼称する。)だけ、缶蓋列11を下流側に移動させる。この移動により、後述するエンドストッパ26との挟持によって、所定数量の缶蓋11aからなる缶蓋列11は、上流側の缶蓋列11から分離される。
なお、上記の所定数量とは、通常、数百であり、たとえば、400〜500枚である。また、上記の微小距離Δとは、セパレータナイフ23及びエンドストッパ26による微小移動距離であり、通常、数cmである。さらに、水平移動用エアシリンダ231は、フレーム12に固定されている。
【0032】
エンドブレーキパッド24は、開閉自在に缶蓋列11に対して直交するようにプレセパレータ28やセパレータナイフ23の上流側近傍に配設されている。また、このエンドブレーキパッド24の動作と同時にプレセパレータ28が下流側へ移動動作し、缶蓋列11の間に間隙を形成した後、セパレータナイフ23が下降して缶蓋列11の所定数量の仕切りが行われる。この際、エンドブレーキパッド24は、セパレータナイフ23による仕切り時の上流側の缶蓋列11を支持する。
そして、プレセパレータ28による間隙の形成時、或いはセパレータナイフ23による微小距離Δの移動時に、セパレータナイフ23の上流側の缶蓋列11の缶蓋11aが倒れるといった不具合を確実に回避することができる。
尚、倒れ防止のために、たとえば、缶蓋列11にエアを吹き付けてもよい。
【0033】
キャリッジフィンガ25は、前述したセパレータナイフ23とエンドストッパ26による缶蓋列11の下流側への移動の完了時に、前記セパレータナイフ23が上昇→上流側へ移動して次の缶蓋11の所定数量の仕切る際の待機状態となるため、前記セパレータナイフ23に代わって、前記缶蓋列11をエンドストッパ26と挟持する。
このキャリッジフィンガ25は、水平移動用エアシリンダ251のロッドに取り付けられている。また、キャリッジフィンガ25は、微小距離Δだけ下流側に移動したセパレータナイフ23の上流側近傍に設けられキャリッジ27に取り付けられている。
【0034】
エンドストッパ26は、水平移動用エアシリンダ261のロッドに取り付けられ、セパレータナイフ23との挟持によって缶蓋列11を上流側の缶蓋列11から分離し、次いで、前述したように、キャリッジフィンガ25と共に缶蓋列11を挟持する。
また、エンドストッパ26は、セパレータナイフ23が上述したように微小距離Δだけ缶蓋11を下流側に移動させるとき、キャリッジ27に取り付けられた水平移動用エアシリンダ261によって、同様に微小距離Δだけ下流側に移動する。
【0035】
キャリッジ27は、供給方向に細長いほぼ矩形板状としてあり、リニアベアリングに取り付けられており、水平移動用エアシリンダ(図示せず)によって往復移動する。
また、リニアベアリングや水平移動用エアシリンダは、フレーム12に固定されている。
【0036】
このように、本発明の缶蓋列用移動装置1におけるインフィード手段2は、確実に、かつ、ダメージを与えることなく、缶蓋列11を、上流側からほぼ連続的に供給される缶蓋列11から分離し、ピックアップ手段3が缶蓋11を摘み上げる位置まで移動させることができる。
【0037】
次いで、再度、上流側から缶蓋列11がインフィード手段2に供給されるが、この際、前述したエンドブレーキパッド24が解放され、下流側に移動する缶蓋11aの先頭表面に対してエアを衝突させて前記缶蓋11aが倒れないようにエンドストッパ26まで列状に供給される。続いて、所定数量検出センサ29が再度下流側の缶蓋11aを検出した際に、前述したプレセパレータ28、セパレータナイフ23、キャリッジフィンガ25により、缶蓋列11の仕切り、挟持が繰り返される。
【0038】
(ピックアップ手段)
図3は、本発明の缶蓋列用移動装置におけるピックアップ手段の要部の概略であり、(a)は側面図を示しており、(b)は正面図を示している。
図3において、ピックアップ手段3は、移動用部材としての走行用ベース31、昇降用部材としての昇降用ベース33、一対のセンタリングガイド34、及び、一対のピックアップブレード35などを有している。このピックアップ手段3は、インフィード手段2から缶蓋列11を摘み上げ、ディスチャージ手段4に移動させる。
【0039】
走行用ベース31は、走行方向と直交する方向(インフィード手段2の供給方向)に細長い、ほぼ矩形板状としてあり、インフィード手段2とディスチャージ手段4との間、インフィード手段2とバッファ手段62との間、インフィード手段2とトレイ6との間、バッファ手段62とディスチャージ手段4との間、バッファ手段62とトレイ6との間、及び、トレイ6とディスチャージ手段4との間を移動する。
この走行用ベース31は、長手方向の両端部に、取付部材320を介して、走行用ローラ32及びタイミングベルト322が設けられている。走行用ローラ32は、各取付部材320に4つ設けられており、2つの走行用ローラ32は、走行用レール321の上面を走行し、2つの走行用ローラ32は、走行用レール321の側面を走行する。なお、一対の走行用レール321は、対向してフレーム12に設けられている。また、タイミングベルト322は、取付部材320の上部に取り付けられており、図示してないが、プーリなどを介して、モータによって移動する。すなわち、走行用ローラ32、取付部材320、走行用レール321及びタイミングベルト322などは、走行用ベース31を移動させる移動手段として機能する。
なお、上記移動手段は、走行用ローラ32などを有する構成に限定されるものではなく、たとえば、図示してないが、リニアベアリングやボールねじを有する構成としてもよい。
【0040】
昇降用ベース33は、走行方向と直交する方向(インフィード手段2の供給方向)に細長い、ほぼ矩形板状としてある。この昇降用ベース33は、走行用ベース31に取り付けられた一対の昇降用エアシリンダ331のロッドと連結されており、走行用ベース31に対して昇降する。
なお、本実施形態では、昇降用エアシリンダ331を用いる構成としてあるが、これに限定されるものではなく、たとえば、図示してないが、水平方向に設置されたエアシリンダやカムなどを用いて、昇降させる構成としてもよい。
【0041】
一対のセンタリングガイド34は、矩形棒状部材342と円板状部材343とからなり、矩形棒状部材342の上方の端部が、それぞれ水平移動用エアシリンダ341のロッドと連結されている。上記の円板状部材343は、缶蓋11にダメージを与えないように、通常、樹脂製である。また、一対の水平移動用エアシリンダ341は、昇降用ベース33の両端部に設けられている。これら一対のセンタリングガイド34は、缶蓋列11に対して、一方の端部の(通常、下流側端部の)缶蓋11aの表面と他方の端部の(通常、上流側端部の)缶蓋11aの裏面を挟持する。
【0042】
一対のピックアップブレード35は、下方の端部に矩形棒状部材352を有する金属製(例えばステンレス製)の矩形板状部材としてあり、上方の端部が、細長い連結部材を介して、それぞれ水平移動用エアシリンダ351のロッドと連結されている。上記の矩形棒状部材352は、缶蓋列11との当接面が、缶蓋列11の周縁部と対応する湾曲面である。
また、4つの水平移動用エアシリンダ351は、走行方向の一方の端部に2つの水平移動用エアシリンダ351が設けられており、走行方向の他方の端部に2つの水平移動用エアシリンダ351が設けられている。一対のピックアップブレード35は、缶蓋列11に対して、該缶蓋11aの対向する周縁部を挟持する。すなわち、一対のピックアップブレード35は、缶蓋11aの中心(通常、水平方向)を通る方向に沿って該缶蓋11aの対向する周縁部を挟持する。この際、上記の矩形棒状部材352は、下方端部が缶蓋11aを係止するので、缶蓋11aが落下するといった不具合を効果的に防止することができる。
【0043】
このように、本発明の缶蓋列用移動装置1におけるピックアップ手段3は、缶蓋列11を、高速で、かつ、正確に、インフィード手段2からディスチャージ手段4などに移動させることができる。また、ピックアップ手段3は、従来にない新規な機構により、効率よく、かつ、ダメージを与えることなく、缶蓋列11を移動させることができる。
なお、矩形棒状部材352の下方端部が缶蓋11を係止することによって、一対のセンタリングガイド34や一対のピックアップブレード35は、缶蓋列11をきつく挟む必要がなくなり、缶蓋列11へダメージを与えるといった不具合を効果的に防止することができる。
また、センタリングガイド34やピックアップブレード35の形状は、上記に限定されるものではなく、たとえば、センタリングガイド34は、缶蓋列11が倒れないように支持し、ピックアップブレード35は、缶蓋11を落下させないように係止する形状であってもよい。
【0044】
(ディスチャージ手段)
図4は、本発明の缶蓋列用移動装置におけるディスチャージ手段の要部の概略図であり、(a)は平面図を示しており、(b)はA−A矢視図を示しており、(c)はB−B断面図を示している。
図4において、ディスチャージ手段4は、載置部材41、タイミングベルト42、ベルトガイド43、及び、ポケット手段44などを有している。このディスチャージ手段4は、ピックアップ手段3によって移動された缶蓋列11を、缶蓋列用移動装置1からコンパウンドライニング装置72(図9参照)などの下流側の装置に排出する。
【0045】
ピックアップ手段3によって、缶蓋列11は、開閉自在な一対のシャッタバー441を有するポケット手段44に供給される。図4(b)、4(c)に示すように、このポケット手段44は、シャッタバー441がカム機構を介してエアシリンダ442によって開閉される。エアシリンダ442のロッドが上方にあるとき、シャッタバー441は閉じた状態であり、缶蓋列11がシャッタバー441に載置される。続いて、エアシリンダ442のロッドが下方に移動し、シャッタバー441は開いた状態となり、缶蓋列11は、シャッタバー441にガイドされながら降下し、スムースに載置部材41に載置される。この載置部材41などは、図1に示すように、フレーム12に固定されている。
また、図4(c)に示すように、載置部材41は、円弧状の湾曲面を有しており、この円弧の角度は、180°未満(たとえば、140°)としてある。
【0046】
さらに、前記載置部材41の両側には、係止爪421を有する一対のタイミングベルト42が配置されており、これらの一対のタイミングベルト42はそれぞれベルトガイド43によって保持され、プーリなどを介してモータによって同時に同速度で回動する。そして、タイミングベルト42の係止爪421が列状に重ねられた所定数量の缶蓋列11の最後端部に係止し、前記タイミングベルト42の回動によって、前記缶蓋列11を確実にディスチャージ手段4から排出する。
【0047】
このように、本発明の缶蓋列用移動装置1におけるディスチャージ手段4は、缶蓋列11を、ピックアップ手段3からスムースに受け取り、下流側に確実に排出することができる。
なお、缶蓋列11がディスチャージ手段4から排出され、次の缶蓋列11を受け取ることができるか否かを検出するために、通常、載置部材41の下流側には、缶蓋11を検出するセンサ(図示せず)が取り付けられている。
【0048】
(制御手段)
図5は、本発明の缶蓋列用移動装置に適用される制御手段を説明するための概略図を示している。
図5において、制御手段5は、制御部51、操作パネル部152、外部接続端子153、及び、記憶部56などを有している。
制御部51は、通常、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)であり、缶蓋列用移動装置1を駆動するためのプログラムが、外部接続端子153を介してあらかじめ入力されている。
また、操作パネル部152は、スタートスイッチ521、停止スイッチ522、非常停止ボタン523、及び、上述した各エアシリンダに対応する警報ランプ524などを有している。
【0049】
ここで、缶蓋列用移動装置1は、インフィード手段2及びピックアップ手段3の各部を作動させるための複数のエアシリンダ駆動装置10を有している。これらのエアシリンダ駆動装置10は、上述したインフィード手段2及びピックアップ手段3における複数のエアシリンダに対応して、設けられているが、理解しやすいように、一つの場合について説明する。
このエアシリンダ駆動装置10は、エアシリンダ101、エアシリンダ101のロッド位置(可動部位置を含む。)を検出するセンサスイッチ105、エアシリンダ101と接続された電磁弁103、電磁弁103を制御するエアシリンダ駆動用制御部、並びに、電磁弁103と接続された流量制御弁としてのスピードコントローラ104及び圧力制御弁としてのフィルタ・レギュレータ102などを有している。
【0050】
次に、本実施形態のエアシリンダ駆動用制御部について、図面を参照して説明する。
図6は、本発明の缶蓋列用移動装置に適用されるエアシリンダ駆動装置のエアシリンダ駆動用制御部のタイミングチャート図を示している。
図5及び図6において、エアシリンダ駆動用制御部は、電磁弁制御信号発生部511、早すぎ時信号発生部530、早すぎ時アラーム処理部531、遅延時信号発生部540、遅延時アラーム処理部541、インターロック信号発生部512、インターロック処理部513、及び、計測データ処理部55などからなっている。
なお、制御部51は、上述したように、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)であり、上記エアシリンダ駆動用制御部は、あらかじめプログラムとして制御部51に入力されている。
【0051】
電磁弁制御信号発生部511は、電磁弁103、並びに、早すぎ時信号発生部530、遅延時信号発生部540、インターロック信号発生部512、及び、計測データ処理部55などと接続されており、信号を入力すると、図6(a)に示すように、Time(時刻)T1に電磁弁制御信号を出力する。
そして、電磁弁103が作動し、エアシリンダ101のロッドが移動する。これらの動作が正常であるとき、センサスイッチ105は、図6(b)に示すように、Time(時刻)T2にセンサスイッチ信号を出力する。
なお、上記動作が速すぎ(作動時間が早すぎ)であるとき、センサスイッチ105は、たとえば、Time(時刻)T4´にセンサスイッチ信号を出力する。
さらに、上記動作が遅延であるとき、センサスイッチ105は、たとえば、Time(時刻)T5´にセンサスイッチ信号を出力する。
また、上記動作が異常(遅延による異常)であるとき、センサスイッチ105は、たとえば、Time(時刻)T3´にセンサスイッチ信号を出力する。
【0052】
早すぎ時信号発生部530は、電磁弁制御信号発生部511、早すぎ時アラーム処理部531、及び、エアシリンダ101のロッド位置(OFF位置やON位置)を検出する一対のセンサスイッチ105などと接続されており、上記の電磁弁制御信号やセンサスイッチ105からのセンサスイッチ信号を入力し、ロッドの動作が速すぎであるか否かを判定する。なお、早すぎ時信号発生部530は、あらかじめ早すぎ時アラーム設定時間(=T4−T1)が設定されている。すなわち、早すぎ時信号発生部530は、作動時間(T1からセンサスイッチ信号を入力するまでの時間)を計測しており、動作が速くなり作動時間が早すぎ時アラーム設定時間より早いと、Time(時刻)T4´に早すぎ時信号を出力する。
【0053】
また、早すぎ時アラーム処理部531は、早すぎ対策処理部であり、早すぎ時信号発生部530及び対応する警報ランプ524などと接続されている。この早すぎ時アラーム処理部531は、早すぎ時信号発生部530から早すぎ時信号を入力すると、早すぎ対策処理として、対応する警報ランプ524を点滅(たとえば、0.4秒間隔での点滅)させる。この点滅によって、作業者は、エアシリンダ101が速すぎる状態で動作していることを認識することができる。
なお、エアシリンダ101が速すぎる状態で動作する原因としては、たとえば、スピードコントローラ104の故障などが挙げられ、缶蓋11などにダメージを与える場合もあるので、早急に対処する必要がある。
【0054】
遅延時信号発生部540は、電磁弁制御信号発生部511、遅延時アラーム処理部541、及び、エアシリンダ101のロッド位置(OFF位置やON位置)を検出する一対のセンサスイッチ105などと接続されており、上記の電磁弁制御信号やセンサスイッチ105からのセンサスイッチ信号を入力し、ロッドの動作が遅延しているか否かを判定する。なお、遅延時信号発生部540は、あらかじめ遅延時アラーム設定時間(=T5−T1)が設定されている。すなわち、遅延時信号発生部540は、作動時間(T1からセンサスイッチ信号を入力するまでの時間)を計測しており、動作が遅くなり作動時間が遅延時アラーム設定時間となると、Time(時刻)T5に遅延時信号を出力する。
【0055】
また、遅延時アラーム処理部541は、遅延対策処理部であり、遅延時信号発生部540、インターロック信号発生部512及び対応する警報ランプ524などと接続されている。この遅延時アラーム処理部541は、遅延時信号発生部540から遅延時信号を入力すると、遅延対策処理として、対応する警報ランプ524を点滅(たとえば、1.2秒間隔での点滅)させる。これにより、作業者は、缶蓋列用移動装置がインターロックにより異常停止する前に、エアシリンダ101が遅延した状態で動作していることを認識し、対処することができる。すなわち、作業者は、たとえば、スピードコントローラ104などを調整することにより、次回の定期メンテナンスまで、異常停止させずに稼動させたり、あるいは、次回の定期メンテナンスにおいて、優先的に上記エアシリンダ101などを交換することができる。
【0056】
また、遅延時アラーム処理部541は、後述するように、インターロック信号発生部512がインターロック信号(異常停止信号)を出力すると、上記の遅延対策処理を停止する。
なお、エアシリンダ101が遅延した状態で動作する原因としては、たとえば、スピードコントローラ104の故障やエアシリンダ101のパッキンなどの損傷などが挙げられ、放置しておくと、さらに遅延する場合もあるので、定期メンテナンスにおいて、状況に応じて対処する必要がある。
【0057】
インターロック信号発生部512は、電磁弁制御信号発生部511、インターロック処理部513、遅延時アラーム処理部541、及び、エアシリンダ101のロッド位置(OFF位置やON位置)を検出する一対のセンサスイッチ105などと接続されている。このインターロック信号発生部512は、上記の電磁弁制御信号やセンサスイッチ105からのセンサスイッチ信号を入力し、インターロックとして異常停止するか否かを判定する。なお、インターロック信号発生部512は、あらかじめインターロック設定時間(=T3−T1)が設定されている。すなわち、インターロック信号発生部512は、作動時間(T1からセンサスイッチ信号を入力するまでの時間)を計測しており、動作が遅くなり作動時間がインターロック設定時間となると、Time(時刻)T3にインターロック信号(異常停止信号)を出力する。
【0058】
なお、本実施形態では、動作が遅くなりすぎた場合に、インターロック信号(異常停止信号)を出力する構成としてあるが、これに限定されるものではない。すなわち、動作が遅くなりすぎた場合、及び/又は、動作がさらに速くなった場合(早すぎ時アラーム設定時間(=T4−T5)のたとえば50%より早い場合)に、インターロック信号(異常停止信号)を出力する構成としてもよい。
【0059】
また、インターロック処理部513は、インターロック信号発生部512及び対応する警報ランプ524などと接続されており、インターロック信号発生部512からインターロック信号を入力すると、対応する警報ランプ524を点灯させるとともに、異常停止信号を出力する。この異常停止信号によって、制御手段5は、缶蓋列用移動装置1を異常停止させる。
このようにして、エアシリンダ駆動装置10は、缶蓋列用移動装置1の各部を駆動させるとともに、エアシリンダ101などに異常が発生すると、対応する警報ランプ524を点灯させ、缶蓋列用移動装置1を異常停止させることができる。
【0060】
ここで、上述した遅延対策処理及び早すぎ対策処理は、対応する警報ランプ524を点滅させること(アラームの発生)としてあるが、これに限定されるものではない。
たとえば、本実施形態では、アラームの発生に加え、遅延対策処理及び早すぎ対策処理として、アラーム内容の記録を行ってもよい。すなわち、エアシリンダ駆動用制御部は、記憶部56にアラーム内容(通常、異常停止の内容も含まれる。)を記録し、アラーム内容を日報などとして出力する。
上記のアラーム内容は、たとえば、図7に示すように、アラーム発生の時刻、エアシリンダのNo、ON/OFF(ON動作又はOFF動作のいずれにおける異常か。)、内容(遅延又は早すぎによるものか。さらに、図示してないが、その作動時間などを記載してもよい。)などである。
このようにすると、アラームの発生した時刻やエアシリンダのNoなどを自動的に記録することができるので、該当するエアシリンダに対して、確実に応急処置を行ったり、定期メンテナンスなどのときに、まとめてエアシリンダを交換することができる。
【0061】
なお、上述した処理に加え、遅延対策処理及び早すぎ対策処理として、さらに、閾値(遅延時アラーム設定時間や早すぎ時アラーム設定時間)の自動変更や、前記閾値の自動変更の記録などを行ってもよい。すなわち、エアシリンダ駆動用制御部は、遅延時信号や早すぎ時信号にもとづいて、遅延時アラーム設定時間や早すぎ時アラーム設定時間を自動的に変更(たとえば、閾値を5%拡大する変更を行い、この閾値の自動変更の記録(たとえば、新たに設定した閾値などの記録)を行ってもよい。このようにすると、応急処置を自動的に行うことができるので、夜勤などにおいて、さらなる省人化を図ることができる。
【0062】
またさらに、上述した処理に加え、遅延対策処理及び早すぎ対策処理として、スピードコントローラ104やフィルタ・レギュレータ102の自動調整や、前記自動調整の記録などを行ってもよい。すなわち、上記のスピードコントローラ104やフィルタ・レギュレータ102は、遠隔操作可能な構成としてあり、エアシリンダ駆動用制御部は、遅延時信号や早すぎ時信号にもとづいて、スピードコントローラ104やフィルタ・レギュレータ102の自動調整を行い、この自動調整の記録(たとえば、スピードコントローラ104などの調整量や調整後の作動時間などの記録)を行ってもよい。このようにすると、応急処置を自動的に行うことができるので、夜勤などにおいて、さらなる省人化を図ることができる。
【0063】
また、好ましくは、エアシリンダ駆動用制御部は、エアシリンダ101の作動時間を計測し、この計測データに対して所定の情報処理を行う計測データ処理部55を有するとよい。
この計測データ処理部55は、電磁弁制御信号発生部511、外部接続端子153、及び、エアシリンダ101のロッド位置(OFF位置やON位置)を検出する一対のセンサスイッチ105などと接続されており、上記の電磁弁制御信号やセンサスイッチ105からのセンサスイッチ信号を入力し、作動時間(T1からセンサスイッチ信号を入力するまでの時間)を計測する。そして、この計測データ(計測した作動時間)に対して所定の情報処理を行う構成としてある。所定の情報処理は、計測データの記録、グラフ化(図8参照)、平均値(たとえば、24時間の平均値)の算出、及び/又は、標準偏差(たとえば、24時間の標準偏差)の算出などである。また、上記所定の情報処理の結果は、通常、日報や週報などとして、あるいは、アラームが発生したときに、プリントアウトされる。
【0064】
このようにすると、たとえば、アラームが発生し、応急処置の施されたエアシリンダの状況を、容易に、かつ、確実に把握することができる。さらに、この情報処理の結果にもとづいて、たとえば、次回の定期メンテナンスまで、異常停止させずに作動させることができるのか、否かといった重要な判断を合理的に決定することができる。
また、情報処理結果にもとづいて、アラームを発する条件(アラーム発生時間)などを合理的に設定することができる。
【0065】
次に、上記構成の缶蓋列用移動装置1の動作などについて説明する。
まず、缶蓋列用移動装置1は、インフィード手段2の載置部材21に、缶蓋列11が、シェル成形装置71などの上流側の装置(図9参照)から供給される。
次に、図2に示すように、インフィード手段2は、所定数量検出センサ29が下流側の缶蓋11aを検出し、この信号を制御部51に出力する。制御部51は、プレセパレータ28を作動させる水平移動用エアシリンダ281に動作信号を出力して前記プレセパレータ28を作動させ、缶蓋列11間の間隙の形成を行う。
次いで、整列検出センサ22により、発光部からの発光を受光部で感知し、その検出信号を制御手段5に出力し、その検出信号に基づいて昇降用エアシリンダ232の電磁弁103に、ON動作させるための電磁弁制御信号を出力する。これにより、セパレータナイフ23が降下し、セパレータナイフ23とエンドストッパ26との間に、所定数量の缶蓋列11が収められる。
【0066】
また、この際、上述したように、昇降用エアシリンダ232(これは、多数設けられているエアシリンダ駆動装置10のエアシリンダ101の一つに対応している。)に対応するエアシリンダ駆動用制御部は、電磁弁制御信号発生部511、早すぎ時信号発生部530、早すぎ時アラーム処理部531、遅延時信号発生部540、遅延時アラーム処理部541、インターロック信号発生部512、インターロック処理部513、及び、計測データ処理部55などが、上述した動作を行っている。
なお、エアシリンダ駆動装置10の動作や効果などについては、まとめて後述する。
【0067】
一方、ほぼ同じタイミングで、エンドブレーキパッド24は、セパレータナイフ23による仕切り時の上流側の缶蓋列11を支持する。
これにより、セパレータナイフ23が缶蓋列11の間にスムースに挿入され、また、セパレータナイフ23が微小距離Δだけ移動しても、セパレータナイフ23の上流側の缶蓋列11が倒れるといった不具合を確実に回避することができる。
【0068】
次に、セパレータナイフ23及びエンドストッパ26は、微小距離Δだけ下流側に移動する。これにより、缶蓋列11は、セパレータナイフ23及びエンドストッパ26に支持された状態で、微小距離Δだけ下流側に移動する。この移動により、缶蓋列11は、上流側の缶蓋列11から分離される。
【0069】
次に、キャリッジフィンガ25は、支持部が載置部材21の外側から内側に移動し、続いて、セパレータナイフ23が上昇する。これにより、キャリッジフィンガ25は、微小距離Δだけ下流側に移動させ、缶蓋列11の上流側端部の缶蓋11aを、セパレータナイフ23の代わりに支持する。
なお、上昇したセパレータナイフ23は、次の動作のスタート位置に戻る。
【0070】
次に、キャリッジ27は、所定の微小距離Δだけ下流側に移動させた缶蓋列11(缶蓋列11は、キャリッジフィンガ25及びエンドストッパ26によって、倒れないように支持されている。)を、所定距離Lだけ下流側に(ピックアップ手段3が缶蓋11を摘み上げる位置に)移動させる。この移動により、所定数量に仕切られた缶蓋列11は、ピックアップ手段3によって摘み上げられる位置にある。
一方、ほぼこのタイミングで、エンドブレーキパッド24が解放され、缶蓋列11を所定数量に仕切るために下流側に移動する。
尚、この時、エンドブレーキパッド24の解放後は、下流側に移動する缶蓋列11の先頭表面に対してエアを衝突させ、前記缶蓋列11の缶蓋が倒れないようにエンドストッパ26まで列状に供給する。
【0071】
次に、図3に示すように、ピックアップ手段3は、走行用ローラ32が回転して走行(移動)し、インフィード手段2の上方で停止する。続いて、昇降用ベース33が降下し、センタリングガイド34及びピックアップブレード35が、所定数量の列状に重ねられた缶蓋11を挟持し、昇降用ベース33が上昇する。これにより、インフィード手段2から缶蓋列11を摘み上げる。
また、昇降用ベース33が上昇すると、キャリッジフィンガ25及びエンドストッパ26がスタート位置に戻り、続いて、キャリッジ27がスタート位置に戻る。
【0072】
次に、ピックアップ手段3は、走行用ローラ32が回転して走行し、ディスチャージ手段4の上方で停止する。続いて、昇降用ベース33が降下し、センタリングガイド34及びピックアップブレード35が缶蓋列11を放出し、昇降用ベース33が上昇する。これにより、ピックアップ手段3から缶蓋列11は、ディスチャージ手段4の載置部材41上に載置される。
なお、ピックアップ手段3は、余剰の缶蓋列11を通常の生産ライン(インフィード手段2→ピックアップ手段3→ディスチャージ手段4のライン)から取り出し、一時的に保管する場合、インフィード手段2からトレイ6へ缶蓋列11を移動させ、また、トレイ6からディスチャージ手段4へ缶蓋列11を移動させる。
【0073】
次に、図4に示すように、ディスチャージ手段4は、前述したピックアップ手段3によって、缶蓋列11が開閉自在な一対のシャッタバー441を有するポケット手段44に供給され、シャッタバー441を開いて前記缶蓋列11を載置部材41に載置する。次いで、係止爪421を有する一対のタイミングベルト42が移動することによって、前記缶蓋列11を、缶蓋列用移動装置1からライニング装置72などの下流側の装置(図9参照)にスムースに排出する。
【0074】
上述したように、缶蓋列用移動装置1では、多数のエアシリンダ231、232、…が使用されている。
次に、多数のエアシリンダ231、232、…(すなわち、多数のエアシリンダ駆動装置10)の遅延対策処理、早すぎ対策処理、及び、所定の情報処理などについて説明する。
【0075】
早すぎ時信号発生部530は、上述したように、作動時間(T1からセンサスイッチ信号を入力するまでの時間)を計測しており、動作が速くなり作動時間が早すぎ時アラーム設定時間より早いと、Time(時刻)T4´に早すぎ時信号を出力する。
そして、この早すぎ時アラーム処理部531は、早すぎ時信号発生部530から早すぎ時信号を入力すると、早すぎ対策処理として、対応する警報ランプ524を点滅(たとえば、0.4秒間隔での点滅)させる。この点滅によって、作業者は、エアシリンダ101が速すぎる状態で動作していることを認識することができ、早急に対処することができる。
【0076】
また、遅延時信号発生部540は、作動時間(T1からセンサスイッチ信号を入力するまでの時間)を計測しており、動作が遅くなり作動時間が遅延時アラーム設定時間となると、Time(時刻)T5に遅延時信号を出力する。
そして、この遅延時アラーム処理部541は、遅延時信号発生部540から遅延時信号を入力すると、遅延対策処理として、対応する警報ランプ524を点滅(たとえば、1.2秒間隔での点滅)させる。これにより、作業者は、缶蓋列用移動装置がインターロックにより異常停止する前に、エアシリンダ101が遅延した状態で動作していることを認識し、対処することができる。
【0077】
ここで、エアシリンダ駆動装置10は、たとえば、アラームの発生に加え、遅延対策処理及び早すぎ対策処理として、アラーム内容の記録を行ってもよい。すなわち、エアシリンダ駆動用制御部は、記憶部56にアラーム内容(通常、異常停止の内容も含まれる。)を記録し、アラーム内容を日報などとして出力する(図7参照)。
このようにすると、アラームの発生した時刻やエアシリンダのNoなどを自動的に記録することができるので、該当するエアシリンダに対して、確実に応急処置を行ったり、定期メンテナンスなどのときに、まとめてエアシリンダを交換することができる。
【0078】
また、計測データ処理部55は、エアシリンダ101の作動時間を計測し、この計測データに対して所定の情報処理(計測データの記録やグラフ化(図8参照))を行っている。
したがって、作業者は、アラームの発生を認識し、対処する際、あるいは、対処した直後に、上記計測データのグラフをプリントアウトし、アラームの発生したエアシリンダ101などの状況を、容易に、かつ、確実に把握することができる。さらに、この情報処理の結果にもとづいて、たとえば、次回の定期メンテナンスまで、異常停止させずに作動させることができるのか、否かといった重要な判断を合理的に決定することができる。
また、情報処理結果にもとづいて、アラームを発する条件(アラーム発生時間)などを合理的に設定することができる。
【0079】
すなわち、図7及び図8に示す状況においては、たとえば、図7に示すエアシリンダ351−1は、図8のパターン(ハ)の状態(1日に2度の遅延アラーム発生があり、スピードコントローラ104の調整も限界である状態)であり、早急にエアシリンダ101を交換する必要がある。したがって、異常停止する前に、週毎メンテナンスを開始し、エアシリンダ101を交換する、といった判断を合理的に行うことができる。
【0080】
また、図7に示すエアシリンダ(No351−2)は、図8のパターン(ニ)の状態(5日目までに1度の早すぎアラーム発生があったものの、スピードコントローラ104の調整後は、安定している状態)であり、特に、問題はないが、週毎メンテナンスにおいて、スピードコントローラ104を調整し、たとえば、パターン(イ)程度の作動時間に調整する、といった判断を合理的に行うことができる。
【0081】
さらに、図7に示すエアシリンダ(No351−3)は、図8のパターン(ロ)の状態(緩やかに遅延している状態)であり、遅延時アラーム設定時間を変更することにより、週毎メンテナンスまで運転する。また、週毎メンテナンスで、スピードコントローラ104を調整し、たとえば、パターン(イ)程度の作動時間に調整する、といった判断を合理的に行うことができる。
【0082】
さらに、図8のパターン(イ)の状態(4日目まで、非常に安定していたが、5日目に入り、緩やかに遅延している状態)であり、週毎メンテナンスにおいて、スピードコントローラ104を調整する、といった判断を合理的に行うことができる。
【0083】
このように、缶蓋列用移動装置1は、多数のエアシリンダ駆動装置10を使用することにより、エアシリンダ101などによる異常停止を効果的に防止したり、あるいは、定期メンテナンスの際、効率よくエアシリンダ101などを交換することができる。これにより、製造ラインをストップさせる回数を低減でき、また、再稼動時に、安定稼動までに行う所定の検査の労力を低減でき、さらに、初期アウト(不良蓋の発生)などの発生を抑制することができる。また、停止時間を短縮できるので、製造ライン全体の生産性を大幅に向上させることができる。
また、交換に要する人員(作業者)を有効に配備でき、さらに、定期メンテナンスにおいて、まだ正常に作動できるエアシリンダ101などをも交換するといった無駄を回避することができる。すなわち、製造原価のコストダウンを図ることができ、また、省資源化を図ることができる。
【0084】
以上説明したように、本発明の缶蓋列用移動装置1によれば、所定数量に仕切られた缶蓋列11を、高速で、かつ、正確に、インフィード手段2からディスチャージ手段4に移動させることができる。また、多数のエアシリンダ101などによる異常停止を効果的に防止したり、あるいは、定期メンテナンスの際、効率よくエアシリンダ101などを交換することができる。したがって、生産性及び経済性などを大幅に向上させることができる。
【0085】
以上、本発明の缶蓋列用移動装置について、好ましい実施形態などを示して説明したが、本発明に係る缶蓋列用移動装置は、上述した実施形態などにのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、缶蓋列用移動装置1は、多数のエアシリンダ駆動装置10を備える構成としてあるが、エアシリンダ駆動装置10が上記の効果を発揮できるのは、缶蓋列用移動装置1に設けられた場合に限定されるものではない。たとえば、缶蓋製造装置7の各装置が、エアシリンダ駆動装置10を備える構成としてもよい。
さらに、エアシリンダ駆動装置10は、エアシリンダを多数使用する装置(缶蓋列用移動装置1や缶蓋製造装置7以外の装置)に対しても、極めて有効であり、大幅な省資源化(限られた地球資源の有効活用)を図ることができる。
【符号の説明】
【0086】
1、1´、1a 缶蓋列用移動装置
2 インフィード手段
3 ピックアップ手段
4 ディスチャージ手段
5 制御手段
6 トレイ
10 エアシリンダ駆動装置
11 缶蓋列
11a 缶蓋
12 フレーム
21 載置部材
22 整列検出センサ
23 セパレータナイフ
24 エンドブレーキパッド
25 キャリッジフィンガ
26 エンドストッパ
27 キャリッジ
28 プレセパレータ
29 所定数量検出センサ
31 走行用ベース
32 走行用ローラ
33 昇降用ベース
34 センタリングガイド
35 ピックアップブレード
41 載置部材
42 タイミングベルト
43 ベルトガイド
44 ポケット手段
51 制御部
55 計測データ処理部
56 記憶部
61 トレイ供給手段
62 バッファ手段
71 シェル成形装置
72 コンパウンドライニング装置
73 タブ・スコア加工装置
74 袋詰め装置
100 エアシリンダ駆動装置
101 エアシリンダ
102 フィルタ・レギュレータ
103 電磁弁
104 スピードコントローラ
105 センサスイッチ
150 制御手段
151 制御部
152 操作パネル部
153 外部接続端子
231 水平移動用エアシリンダ
232 昇降用エアシリンダ
241 水平移動用エアシリンダ
251 水平移動用エアシリンダ
261 水平移動用エアシリンダ
281 水平移動用エアシリンダ
321 走行用レール
322 タイミングベルト
331 昇降用エアシリンダ
341 水平移動用エアシリンダ
342 矩形棒状部材
343 円板状部材
351 水平移動用エアシリンダ
352 矩形棒状部材
421 係止爪
441 シャッタバー
442 エアシリンダ
511 電磁弁制御信号発生部
512 インターロック信号発生部
513 インターロック処理部
521 スタートスイッチ
522 停止スイッチ
523 非常停止ボタン
524 警報ランプ
530 早すぎ時信号発生部
531 早すぎ時アラーム処理部
540 遅延時信号発生部
541 遅延時アラーム処理部
611、612 クランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
缶蓋列を供給するインフィード手段と、
前記缶蓋列を排出するディスチャージ手段と、
前記インフィード手段から所定数量に仕切られた缶蓋列を摘み上げ、前記ディスチャージ手段に移動させるピックアップ手段と、
前記インフィード手段、前記ディスチャージ手段及び前記ピックアップ手段を制御する制御手段と
を備え、
前記ピックアップ手段が、
前記インフィード手段と前記ディスチャージ手段との間を移動する移動用部材と、
前記移動用部材に対して昇降する昇降用部材と、
前記昇降用部材に設けられ、前記缶蓋列に対して、一方の端部の缶蓋表面と他方の端部の缶蓋裏面を挟持する一対のセンタリングガイドと、
前記昇降用部材に設けられ、前記缶蓋列に対して、該缶蓋の対向する周縁部を挟持する一対のピックアップブレードと
を有することを特徴とする缶蓋列用移動装置。
【請求項2】
前記インフィード手段が、
前記缶蓋列の間に間隙を形成するプレセパレータと、
前記缶蓋列を所定数量で仕切り、下流側に移動、挟持するセパレータナイフと、
前記セパレータナイフの上流側前記缶蓋列を支持するエンドブレーキパッドと、
前記缶蓋列における下流側端部の缶蓋を支持、挟持し、下流側に移動させるエンドストッパと、
前記所定数量に仕切られた缶蓋列の上流側端部を、前記セパレータナイフの代わりに挟持するキャリッジフィンガと、
前記エンドストッパ及び前記キャリッジフィンガで挟持した前記缶蓋列を、所定の距離だけ下流側に移動させるキャリッジと
を有することを特徴とする請求項1に記載の缶蓋列用移動装置。
【請求項3】
前記インフィード手段及び前記ピックアップ手段を作動させるためのエアシリンダ駆動装置を有し、
前記エアシリンダ駆動装置は、エアシリンダ、このエアシリンダのロッド位置を検出するセンサスイッチ、前記エアシリンダと接続された電磁弁、この電磁弁を制御するエアシリンダ駆動用制御部、並びに、前記電磁弁と接続された流量制御弁及び圧力制御弁の少なくとも一方を有し、
前記エアシリンダ駆動用制御部が、前記電磁弁への電磁弁制御信号及び前記センサスイッチからの信号にもとづいて、所定の作動時間より遅延すると所定の遅延対策処理を行う遅延対策処理部、及び/又は、前記所定の作動時間より早すぎると所定の早すぎ対策処理を行う早すぎ対策処理部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の缶蓋列用移動装置。
【請求項4】
前記遅延対策処理、及び/又は、前記早すぎ対策処理が、アラームの発生、アラーム内容の記録、閾値の自動変更、前記閾値の自動変更の記録、前記流量制御弁や前記圧力制御弁の自動調整、及び、前記自動調整の記録の少なくとも一つであることを特徴とする請求項3に記載の缶蓋列用移動装置。
【請求項5】
前記エアシリンダ駆動用制御部が、前記エアシリンダの作動時間を計測し、この計測データに対して所定の情報処理を行う計測データ処理部を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の缶蓋列用移動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−144036(P2011−144036A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−8282(P2010−8282)
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【出願人】(000003768)東洋製罐株式会社 (1,150)
【Fターム(参考)】