説明

置換インデノフルオレン誘導体を構造単位として含むポリマー、その調製方法およびその使用

本発明は、置換インデノフルオレン誘導体を構成単位として含むポリマー、置換インデノフルオレン誘導体、本発明によるポリマーの調製方法、本発明によるポリマーを含む混合物および溶液、本発明によるポリマーの有機電子素子、特に、有機エレクトロルミネッセンス素子いわゆるOLED(OLED=有機発光ダイオード)における使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換インデノフルオレン誘導体を構成単位として含むポリマー、置換インデノフルオレン誘導体、本発明によるポリマーの調製方法、本発明によるポリマーを含む混合物(ブレンドとしても知られる。)および本発明によるポリマーを含む溶液、および本発明によるポリマーの有機電子素子、特に、有機エレクトロルミネッセンス素子いわゆるOLED(OLED=有機発光ダイオード)における使用に関する。
【0002】
過去においては、主として低分子が、有用な成分として、たとえば、燐光エミッターとして、有機エレクトロルミネッセンス素子に使用されてきた。有機エレクトロルミネッセンス素子における低分子の使用(SMOLED)は、良好な色効率と長期の寿命と要請される低駆動電圧を可能にしている。しかしながら、このようなシステムの不都合は複雑な製造工程である。このように、たとえば、低分子の層の堆積は、たとえば、熱被覆プロセスのような複雑なプロセスを必要とし、素子の最大サイズの限界の原因となっている。
【0003】
以前から、対応する特性を有する共役ポリマーは、回転被覆または印刷被覆により層として容易に安価に適用することができることから、光電子用途のために使用されてきた。さらに、この型のシステムは通常長期の寿命を有する。共役ポリマーは、OLEDにおける大いに期待される材料として、この間、すでに集中的に研究されてきた。有機材料としてポリマーを含むOLEDは、PLED(PLED=ポリマー発光ダイオード)としても、多く知られている。それらの単純な製造方法から、対応するエレクトロルミネッセンス素子の製造が、より高価でないことが期待されている。
【0004】
PLEDは、OLEDがそれ自身の全ての機能(電荷注入、電荷輸送、再結合)を兼ね備えることができる一つの層のみから構成されるか、個別にまたは部分的に結合されたそれぞれの機能を含む複数の層から構成される。対応する特性を有するポリマーの調製のために、重合は、対応する機能を担う相異なるモノマーを使用して実行される。
【0005】
したがって、全ての三つの発光色の生成のためには、ある種のモノマーを対応するポリマーに共重合化することが一般的に必要である。光の混合によって白色光を生成するためには、赤色、緑色および青色の三色の光が必要とされる。高い光効率を保証するために、三重項(燐光)エミッターが、より弱い光の一重項エミッター(蛍光)より好ましい。共役ポリマーは、共役ポリマーの低い三重項エネルギーが相対的に高いエネルギー(相対的に短波長)を有する任意のエミッターからの発光を消光することから、相対的に高いエネルギーを有する三重項エミッター(青色または緑色発光する三重項エミッター)のためのホスト材料ではなく、赤色または黄色発光する三重項エミッターのためのホスト材料としてだけに適切である。
【0006】
前記消光問題を回避するために、非共役ポリマーまたは部分共役ポリマーを使用することができる。しかしながら、これらは、これらシステムの寿命が満足できるものではないという不都合を示す。このように、たとえば、ポリ-N-ビニルカルバゾールは緑色領域での三重項エミッターのための知られたシステムである。しかしながら、それから製造される光電子素子は、極度に短い寿命を有する。
【0007】
したがって、深赤色領域で発光する三重項エミッターポリマーを例外として、長い寿命と高い発光効率を有するポリマーは、これまで提供されてこなかった。
【0008】
この問題を解決するために、WO 02/04543は、その共役がジフェニルフルオレンのポリマー骨組への組み込みにより中断されるポリマーを、既に提案していた。WO 05/061181、EP 1589595、WO 97/31408およびWO 97/20877は、同様に、ポリマー骨組中の共役中断単位としてスピロビフルオレンを提案している。しかしながら、これら単位を含むポリマーは、有機溶媒での低い溶解度を有する。したがって、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造のために、回転被覆または印刷被覆のような容易な製造プロセスを使用することは実質的に不可能である。
【0009】
したがって、本発明の目的は、長い寿命を有する(特に、緑色および青色スペクトル領域で)光効率のよい有機エレクトロルミネッセンス素子の簡単で安価な製造を可能とするポリマーと化合物を提供することであった。
【0010】
この目的は、少なくとも一つの式(I)の構造単位を含むポリマーの提供により達成される。
【化1】

【0011】
式中:使用される記号と添え字は以下の意味を有する:
破線は、互いに独立して、さらなるポリマーの構造単位への結合を表し、
およびLは、互いに独立して、単共有結合またはC-10アルキレン基、C-10アルケニレン基、C-10アルキニレン基およびSi1-10シリレン基から成る基より選択される基であって、1以上のCH単位は、NR、OまたはSにより置き代えられてよく、1以上のSiH単位は、Oにより置き代えられてよい。
【0012】
Wは、C、Si、Ge並びに以下の式(II)および(III)の構造要素から成る群より選択される四価の単位を表し;
【化2】

【0013】
式中:Dは、出現毎に同一であるか異なり、CR、O、SおよびNRから成る基より選択される単位であり、
EおよびJは、夫々、互いに独立して、CRおよびNから成る基より選択される単位であり、
nは、1、2または3であり、および
mは、0、1または2であり、ここで、
Rは、H、FおよびC1−6アルキルから成る基より選択される基であり、
但し、E、DおよびJからの唯一の代表はCRまたはCRではなく、
ここで、四価の単位Wが、式(II)または(III)の単位である場合には、CおよびCは、単位Wの異なる原子と結合し、
U、VおよびV‘は、互いに独立して、単共有結合またはCR、C=O、NR、O、SiR、P=O、SおよびGeRから成る基より選択される二価単位であり、
ここで、RおよびRは、互いに独立して、H、F、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基、随意に置換されたC6−40アリール基および随意に置換された5〜25員環ヘテロアリール基から成る基より選択され、
〜Cは、夫々、C原子を表し、
ArおよびArは、夫々、互いに独立して、5〜25員環の随意に置換された芳香族もしくは複素環式芳香族環構造を表し、
Ar、ArおよびArは、互いに独立して、随意に置換されたC6−40アリール基または随意に置換された5〜25員環ヘテロアリール基を表し、ここで、C原子CおよびCは、Arの一部であり、C原子C〜Cは、Arの一部であり、C原子CおよびCはArの一部である。
【0014】
少なくとも一つの式(I)の構造単位を含むポリマーは、青色、緑色および赤色(橙色)発光三重項エミッターのためのホスト材料として機能することができ、そこからの発光は、消光せず、その結果、三重項エミッターの高い発光効率が保持をもたらすことが見出された。さらに、得られたポリマーの溶解度は、特に、式(I)のU、VおよびV‘単位により、適切に、調整することができ、その結果、有機エレクトロルミネッセンス素子のためのポリマーの層の適用は、簡単で安価なプロセスで達成することができる。
【0015】
本発明の目的のために、C1−6-アルキル基、C1−10-アルキル基およびC1−40-アルキル基は、1〜6、1〜10および1〜40個のC原子をそれぞれ有する直鎖、分岐鎖または環状アルキル基を意味するものと解される。三つの場合すべてで、好ましいのは、1〜6個のC原子を、特に、1〜3個のC原子を有するアルキル基である。これらのアルキル基上の一以上の水素原子は、好ましくは、フッ素原子で置き代えられていてもよい。さらに、これら単位中の一以上のCH基は、NR、OもしくはSで置き代えられていてもよい(Rは、ここで、HおよびC〜C-アルキルより成る基から選択される基である。)。一以上のCH基がNR、OもしくはSで置き代えられているならば、これら基の唯一つが置き代えられたものが、特に、好ましく、特に好ましいものは、Oである。これらの化合物の例は、以下を含む:メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、2-メチルブチル、n-ペンチル、s-ペンチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、シクロヘキシル、n-ヘプチル、シクロヘプチル、n-オクチル、シクロオクチル、2-エチルヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルおよび2,2,2-トリフルオロエチル。
【0016】
2−10-アルケニル基またはC2−40-アルケニル基は、2〜10または2〜40個のC原子をそれぞれ有する直鎖、分岐鎖または環状アルケニル基を意味するものと解される。一以上の水素原子は、フッ素原子で置き代えられていてもよい。さらに、これら単位中の一以上のCH基は、NR、OもしくはSで置き代えられていてもよい(Rは、ここで、HおよびC〜C-アルキルより成る基から選択される基である。)。一以上のCH基がNR、OもしくはSで置き代えられているならば、これら基の唯一つが置き代えられたものが、特に、好ましい。言及されてよいこれらの例は、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニルおよびシクロオクテニルである。
【0017】
2−10-アルキニル基またはC2−40-アルキニル基は、2〜10または2〜40個のC原子をそれぞれ有する直鎖または分岐鎖アルキニル基を意味するものと解される。一以上の水素原子は、好ましくは、フッ素原子で置き代えられていてもよい。さらに、これら単位中の一以上のCH基は、NR、OもしくはSで置き代えられていてもよい(Rは、ここで、HおよびC〜C-アルキルより成る基から選択される基である。)。一以上のCH基がNR、OもしくはSで置き代えられているならば、これら基の唯一つが置き代えられたものが、特に、好ましい。言及されてよいこれらの例は、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、およびオクチニルである。
【0018】
本発明の目的のために、「5〜25員環の随意に置換された芳香族もしくは複素環式芳香族環構造」は、必ずしも芳香族もしくは複素環式芳香族基のみを含む構造ではなく、その代わりに、加えて、複数の芳香族もしくは複素環式芳香族基は、たとえば、C(sp混成)、N、O、Si、P、S、Ge原子(たとえば、CR、C=O、NR、O、SiR、P=O、SおよびGeRであって、ここで、Rは、H、C1−40-アルキル基、C2−40-アルケニル基、C2−40-アルキニル基、随意に置換されたC6−40アリール基および随意に置換された5〜25員環ヘテロアリール基から成る基より選択される。)のような短い非芳香族単位(H以外の原子は、10%より少なく、好ましくは、H以外の原子は、5%より少ない)により中断されていてもよい構造を意味するものと解される。したがって、たとえば、9,9’-スピロビフルオレン、9,9-ジアリールフルオレンおよびトリアリールアミンのような構造も、芳香族環構造を意味するものと解されることを意図されてもいる。
【0019】
芳香族もしくは複素環式芳香族環構造は、単環状もしくは多環状であってよく、換言すれば、1個の環(たとえば、フェニル)でも、もしくは縮合してもよい(たとえば、ナフチル)あるいは共有結合してもよい(たとえば、ビフェニル)2個以上の環を有してもよく、または縮合環と連結環との組み合わせを含んでもよい。好ましいものは、完全に共役した環構造である。
【0020】
本発明にしたがう好ましい芳香族環構造は、たとえば、フェニル、ビフェニル、トリフェニル、[1,1’:3’,1”]-ターフェニル-2’-イル、ナフチル、アントラセン、ビナフチル、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン、ピレン、ジヒドロピレン、クリセン、ペリレン、テトラセン、ペンタセン、ベンゾ[a]ピレン、フルオレン、インデン、インデノフルオレンおよびスピロビフルオレンである。
【0021】
本発明にしたがう好ましい複素環式芳香族環構造は、たとえば、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、テトラゾール、フラン、チオフェン、セレノフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、1,2-チアゾール、1,3-チアゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,3-チアジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,2,5-チアジアゾール、1,3,4-チアジアゾールのような5員環、または、たとえば、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,3,5-トリアジン、1,2,4-トリアジン、1,2,3-トリアジン、1,2,4,5-テトラジン、1,2,3,4-テトラジン、1,2,3,5-テトラジンのような6員環、または、たとえば、インドール、イソインドール、インドリジン、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、プリン、ナフトイミダゾール、フェナントリイミダゾール、ピリジンイミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロオキサゾール、フェナントロオキサゾール、イソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、キノリン、イソキノリン、プテリジン、ベンゾ-5,6-キノリン、ベンゾ-6,7-キノリン、ベンゾ-7,8-キノリン、ベンゾイソキノリン、アクリジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンゾピリダジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、フェナジン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントリジン、フェナントロリン、チエノ[2,3b]チオフェン、チエノ[3,2b]チオフェン、ジチエノチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ベンゾチアジアゾチオフェンのような縮合環またはこれら基の組み合わせである。
【0022】
「C6−40-アリール基」は、6〜40個の芳香族炭素原子を有する芳香族化合物を意味するものと解される。これらの芳香族化合物は、単環状もしくは多環状であってよく、換言すれば、1個の環(たとえば、フェニル)でも、2個以上の環を有してもよい。上記芳香族環構造とは対照的に、アリール基は、縮合芳香族環構造だけを含み、換言すれば、芳香族環が互いに共有結合している(たとえば、ビフェニル)、または更なる原子を介して互いに結合する(たとえば、スピロビフルオレン)化合物が、ここで包含されることが意図されている。好ましいアリール基は、たとえば、フェニル、ナフチル、アントラセン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレン、テトラセン、ペンタセン、およびベンゾ[a]ピレンである。
【0023】
本発明の目的のために、用語「5〜25員環ヘテロアリール基」は、5〜25個の原子を有する芳香族環構造であって、これら原子の1以上がヘテロ原子であるものを意味するものと解される。ヘテロアリール基は、単環状もしくは多環状であってよく、すなわち、一個の環または二個以上の環を有してよい。上記複素環式芳香族環構造とは対照的に、ヘテロアリール基は、縮合芳香族環構造だけを含み、換言すれば、芳香族環構造が互いに共有結合しているか、さらなる原子を介して互いに結合している化合物はここで除外されることが意図されている。
【0024】
好ましいヘテロアリール基は、たとえば、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、テトラゾール、フラン、チオフェン、セレノフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、1,2-チアゾール、1,3-チアゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,3-チアジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,2,5-チアジアゾール、1,3,4-チアジアゾールのような5員環、または、たとえば、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,3,5-トリアジン、1,2,4-トリアジン、1,2,3-トリアジン、1,2,4,5-テトラジン、1,2,3,4-テトラジン、1,2,3,5-テトラジンのような6員環、または、たとえば、インドール、イソインドール、インドリジン、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、プリン、ナフトイミダゾール、フェナントリイミダゾール、ピリジンイミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロオキサゾール、フェナントロオキサゾール、イソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、キノリン、イソキノリン、プテリジン、ベンゾ-5,6-キノリン、ベンゾ-6,7-キノリン、ベンゾ-7,8-キノリン、ベンゾイソキノリン、アクリジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンゾピリダジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、フェナジン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントリジン、フェナントロリン、チエノ[2,3b]チオフェン、チエノ[3,2b]チオフェン、ジチエノチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ベンゾチアジアゾチオフェンのような縮合環またはこれら基の組み合わせである。
【0025】
上記したとおり、芳香族および複素環式芳香族環構造ならびにアリールおよびヘテロアリール基は、随意に、一以上の置換基を有してよい。これらは、好ましくは、シリル、スルホ、スルホニル、ホルミル、アミン、イミン、ニトリル、メルカプト、ニトロ、ハロゲン、C1−12アルキル、C1−12アルコキシ、ヒドロキシまたはこれら基の組み合わせより成る基から選択される。
【0026】
好ましい置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、たとえば、トリル、シリル基もしくはシリルオキシ基、フッ素化あるいは部分フッ素化アルキル基のような溶解促進基、フッ素、ニトロまたはニトリルのような電子吸引基またはポリマー中でガラス転移温度(Tg)を増加するための置換基、特に、たとえば、t-ブチルのような嵩高い基である。
【0027】
本発明の更なる具体例においては、LおよびLは、単共有結合を表すものが好ましい。
【0028】
本発明のなお更なる具体例においては、Wは、C、SiGeより成る基から選ばれることが好ましい。Wは、特に、好ましくは、炭素原子である。
【0029】
本発明のなお更なる具体例においては、UとVからの代表が、単共有結合を表し、他方の代表が、上記記載されたとおりの、CR単位を表す。
【0030】
本発明のなお更なる具体例においては、ArおよびArは、6〜14員環の随意に置換された芳香族環構造が好ましい。本発明にしたがうと、「6〜14員環の随意に置換された芳香族環構造」は、「5〜25員環の随意に置換された芳香族環構造」のとおりに定義される用語のサブセットの原子数に入るすべての化合物を包含することが意図されている。これらの環構造は、好ましくは、フェニル、ナフチル、アントラシルおよびフェナントリルであり、特に、好ましくは、フェニルおよびナフチルであり、特に、好ましくは、フェニルである。
【0031】
本発明のなお更なる具体例においては、Ar、ArおよびArは、互いに独立して、随意に置換されたC6−14アリール基である。本発明にしたがうと、「C6−14アリール基」は、「C6−40アリール基」のとおりに定義される用語のサブセットの原子数に入るすべての化合物を包含することが意図されている。これらの環構造は、好ましくは、フェニル、ナフチル、アントラシルおよびフェナントリルであり、特に、好ましくは、フェニルおよびナフチルであり、特に、好ましくは、フェニルである。
【0032】
上記具体例のあらゆる好ましくない、および好ましい構成成分は、本発明に従って、所望のとおりに互いに組み合わせることができる。これらの組み合わせも、同様に、本発明の一部である。
【0033】
更に好ましい本発明の具体例は、以下の式(IVa)、(IVb)および/または(IVc)の少なくとも一つの構造単位を含むポリマーである。
【化3】

【0034】
ここで、破線、UおよびVは、上記具体例と好ましい具体例において定義されるのと同じ意味を有する。破線により示される結合は、対応するフェニル環上のオルト-、メタ-またはパラ-位を表す。メタ-およびパラ-位が好ましい。UとVからの一つの代表が、単共有結合を表し、その他の代表がCR単位であることも好ましい。
【0035】
更に特に好ましい本発明の具体例は、以下の式(Va)および/または(Vb)の少なくとも一つの構造単位を含むポリマーである。
【化4】

【0036】
ここで、破線は、上記具体例において定義されるのと同じ意味を有し、XとYは、RおよびRと同じ意味を有する。
【0037】
本発明において、用語「ポリマー」は、ポリマー化合物、オリゴマー化合物およびデンドリマーの何れをも意味するものと解される。本発明によるポリマー化合物は、好ましくは、10〜10,000、特に、好ましくは、20〜5,000、特に、50〜2,000の構造単位を有する。本発明によるオリゴマー化合物は、好ましくは、2〜9の構造単位を有する。ここで、ポリマーの分岐因子は0(直鎖、分岐なし)と1(完全に分岐したデンドリマー)との間である。
【0038】
本発明の更なる具体例においては、破線は、互いに独立して、ポリマー中のさらなる構造単位への結合を表すのが好ましい。この場合、本発明による構造単位は、ポリマー中で共役単位を中断する役目を果たす。したがって、本発明のポリマーは、好ましくは、部分共役または非共約ポリマーの何れかである。非共役ポリマーが、特に、好ましい。
【0039】
本発明の更なる具体例においては、ポリマー中の式(I)の構造単位の割合は、100モル%まで、好ましくは、95モル%まで、特に、好ましくは、80モル%まで、特に、60モル%までである。同様に、好ましい具体例においては、ポリマー中の式(I)の単位の割合は、少なくとも0.01モル%、好ましくは、少なくとも1モル%、特に、好ましくは、少なくとも10モル%、特に、少なくとも30モル%である。
【0040】
部分共役ポリマーは、本発明の構造単位と少なくとも一つのさらなる構造単位とを含むランダムコポリマーまたはブロックコポリマーであり得る。さらなる構造単位として使用することのできる群は以下に記載される。部分共役ポリマーの場合には、本発明の構造単位とは異なる少なくとも一つのさらなる構造単位(モノマー単位)は、部分的に共役構造を形成するポリマーをもたらす。ポリマー中でこの型の構造単位を生じるモノマーに言及されてもよい例は、-(Ph)-と-(p-Ph)-(p-Ph)-(Ph=フェニル)である。このように、部分共役ポリマーは、本発明の式(I)の構造単位の組み込みにより中断される部分セクションの共役を基礎としている。
【0041】
しかしながら、三重項エミッターの発光効率に関して特に好ましいものは、非共役ポリマーである。非共役ポリマーの場合には、ポリマーは式(I)の構造単位を含むホモポリマーであり得る。しかしながら、非共役ポリマーは、式(I)の構造単位と、本発明の構造単位とは異なる少なくとも一つのさらなる構造単位とを含むランダムコポリマーまたは交互コポリマーまたはブロックコポリマーであってもよい。ランダムコポリマーおよびブロックコポリマーの場合には、更なる構造単位は、好ましくは、それ自身非共役であるか、またはその共役が、たとえば、C(sp混成)、N、O、Si、P、S、Ge(たとえば、CR、C=O、NR、O、SiR、P=O、SおよびGeRであって、ここで、Rは、H、C〜C40-アルキル基、C〜C40-アルケニル基、C〜C40-アルキニル基、随意に置換されたC-C40アリール基および随意に置換された5〜25員環ヘテロアリール基から成る基より選択される。)のような短い非芳香族単位(H以外の原子は、10%より少なく、好ましくは、H以外の原子は、5%より少ない)により中断されていてもよい単位である。交互コポリマーの場合には、更なる構造単位は、それ自身共役である単位であってもよい。
【0042】
本発明の更なる具体例においては、本発明によるポリマーは、式(I)の一以上の構造単位に加えて、式(I)の構造単位とは異なる更なる構成単位を含む。これらは、特に、たとえば、WO 02/077060 A1およびWO 2005/014689 A2に広範に開示され、挙げられるものである。これらは、参照として、本願に組み込まれる。更なる構造単位は、たとえば以下に記載されるクラスから生じることができる:
群1:ポリマーの正孔注入および/または正孔輸送特性を向上する単位。
【0043】
群2:ポリマーの電子注入および/または電子輸送特性を向上する単位。
【0044】
群3:群1および群2からの個々の単位の組み合わせを有する単位。
【0045】
群4:電子燐光発光が電子蛍光発光の代わりに得られる程度に、発光特性を変更する単位。
【0046】
群5:一重項状態から三重項状態への遷移を改善する単位。
【0047】
群6:得られるポリマーの発光色に作用する単位。
【0048】
群7:典型的には骨組として使用される単位。
【0049】
群8:得られるポリマーの膜形態学特性および/またはレオロジー特性に作用する単位。
【0050】
本発明の好ましいポリマーは、少なくとも1つの構造単位が電荷輸送特性を有するもの、即ち群1および/または2からの単位を含むものである。
【0051】
正孔注入および/または正孔輸送特性を有する群1からの構造単位は、たとえば、トリアリールアミン、ベンジジン、テトラアリール-パラ-フェニレンジアミン、トリアリールホスフィン、フェノチアジン、フェノキサジン、ジヒドロフェナジン、チアントレン、ジベンゾ-パラ-ジオキシン、フェノキサチン、カルバゾール、アズレン、チオフェン、ピロールおよびフラン誘導体と、更には、高HOMO(HOMO=最高占有分子軌道)を有するO-、S-もしくはN-含有へテロ環である。これらのアリールアミンおよびヘテロ環は、ポリマー中で、好ましくは−5.8eV(真空レベルに対して)より大な、特に好ましくは−5.5eVより大なHOMOを生じる。
【0052】
電子注入および/または電子輸送特性を有する群2からの構造単位は、たとえば、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、オキサジアゾール、キノリン、キノキサリン、アントラセン、ベンズアントラセン、ピレン、ペリレン、ベンズイミダゾール、トリアジン、ケトン、ホスフインオキシドおよびフェナジン誘導体のみならずトリアリールボランならびに低LUMO(LUMO=最低空分子軌道)を有するO-、S-もしくはN-含有へテロ環である。これらの単位は、ポリマー中で、好ましくは−1.9eV(真空レベルに対して)未満の、特に、好ましくは−2.5eV未満のLUMOを生じる。
【0053】
本発明のポリマーは、正孔移動性を増加する構造と、電子移動性を増加する構造(即ち、群1および2からの単位)が互いに直接結合している構造または正孔移動性と電子移動性の双方を増加する構造を含む群3からの単位を含むことが好ましいかもしれない。これら単位の幾つかは、エミッターとして役立ち、発光色を緑色、黄色あるいは赤色にシフトすることができる。それゆえ、それらの使用は、たとえば、元来が青色発光のポリマーから他の発光色の生成のために適している。
【0054】
群4からの構造単位は、いわゆる、三重項エミッター単位であり、室温ですらも、高効率で三重項状態から発光することができる、即ち、電子蛍光発光の代わりに電子燐光発光を呈し、エネルギー効率の増加を引き起こすことができることが多い。本発明の目的のために、三重項エミッター単位は、三重項エミッターを含む化合物を意味するものと解される。本発明の目的のために、三重項エミッターは、三重項状態からエネルギー的により低い状態への遷移により、可視領域またはNIR領域で発光することができるすべての化合物を意味するものと解される。これは、燐光発光ともよばれる。この目的に適するのは、まず、36より大な原子番号を有する重い原子を含む化合物である。好ましい化合物は、上記条件を満足するdあるいはf遷移金属を含むものである。特に好ましいものは、8乃至10属(Ru、Os、Rh、Ir、Pd、Pt)からの元素を含む対応する構造単位である。本発明のポリマーのために適する構造単位は、ここで、たとえば、種々の錯体であり、たとえば、WO 02/068435 A1、WO 02/081488 A1およびEP 1239526 A2に記載されている。対応するモノマーは、WO 02/068435 A1およびWO 2005/042548 A1に記載されている。
【0055】
可視スペクトル領域(赤色、緑色または青色)で発光する三重項エミッターを使用することが本発明では好ましい。
【0056】
三重項エミッターは、ポリマーの骨組(すなわち、ポリマーの主鎖)の部分であってよいか、または、ポリマーの側鎖に位置してもよい。
【0057】
群5からの構造単位は、一重項状態から三重項状態への遷移を改善するものであり、前記三重項エミッター単位のサポートに使用され、これら構造要素の燐光特性を改善する。この目的のために適するものは、特に、カルバゾールおよび架橋カルバゾール2量体単位であり、WO 2004/070772 A2およびWO 2004/113468 A1に記載されている。また、この目的のために適するものは、ケトン、ホスフィンオキシド、スルホキシド、スルホン、シラン誘導体および類似化合物であり、たとえば、WO 2005/040302 A1に記載されている。
【0058】
上記言及されたものに加えて、群6からの構造単位は、上記群の範囲に入らない少なくとも1つの更なる芳香族もしくは別の共役構造を有するものであり、即ち、電荷担持移動性に関する作用が少ししかなく、有機金属錯体でなく、一重項-三重項遷移に作用しないものである。この型の構造要素は、得られるポリマーの発光色にも作用することができる。それゆえ、単位に応じて、それらはエミッターとしても使用されることもできる。ここで好ましいのは、6〜40個のC原子を有する芳香族構造およびまたトラン、スチルベンあるいはビスチリルアリーレン誘導体であり、夫々は1以上の基Rにより置換されていてもよい。ここで特に好ましいものは、1,4-フェニレン、1,4-ナフチレン、1,4-あるいは9,10-アントリレン、1,6-、2,7-あるいは4,9-ピレニレン、3,9-あるいは3,10-ペリレニレン、4,4’-ビフェニリレン、4,4”-ターフェニリレン、4,4’-ビ-1,1’-ナフチリレン、4,4’-トラニレン、4,4’-スチルベニレン、4,4”-ビススチリルアリーレン、ベンゾチアジアゾールおよび対応する酸素誘導体、キノキサリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ジヒドロフェナジン、ビス(チオフェニル)アリーレン、オリゴ(チオフェニレン)、フェナジン、ルブレン、ペンタセンまたはペリレン誘導体の組み込みであり、好ましくは、置換され、または、好ましくは、共役プッシュ-プル系(ドナーおよびアクセプター置換基により置換された系)、または、好ましくは、置換されたスクアリンもしくはキナクリドンのような系である。
【0059】
群7からの構造単位は、ポリマー骨組として典型的に使用される6〜40個のC原子を有する芳香族構造を含む単位である。これらは、たとえば、4,5-ジヒドロピレン誘導体、4,5,9,10-テトラヒドロピレン誘導体、フルオレン誘導体、9,9’-スピロビフルオレン誘導体、フェナントレン誘導体、9,10-ジヒドロフェナントレン誘導体、5,7-ジヒドロジベンゾオキセピン誘導体ならびにシス-およびトランス-インデノフルオレン誘導体であるが、主として、重合後に、共役、架橋または非架橋ポリフェニレンもしくはポリフェニレン-ビニレンホモポリマーを生じる全ての類似構造である。ここで、また、前記芳香族構造は、O、SまたはNのようなヘテロ原子を、骨組または側鎖に含んでもよい。
【0060】
群8からの構造単位は、得られるポリマーの膜形態学特性および/またはレオロジー特性に作用する単位であり、たとえば、シロキサン、長鎖アルキルまたはフッ化物基のみならず、特に、たとえば、液晶生成単位もしくは架橋可能基のような剛直あるいは柔軟な単位である。
【0061】
群1乃至8から選ばれる上記単位とさらなる発光単位の合成は、当業者には知られており、文献、たとえば、WO 2005/014688 A2、WO 2005/030827 A1およびWO 2005/030828 A1に記載されている。これら文書とそこに引用された文献は、参照として本願に組み込まれる。
【0062】
本発明の好ましいポリマーは、式(I)の構造単位に加えて、群1乃至8から選ばれる1以上の単位を同時に追加的に含んでもよい。1つの群からの1以上の構造単位が同時に存在することが同様に好ましい。
【0063】
しかしながら、より少ない割合の発光単位、特に、緑色および赤色発光単位も、たとえば、白色発光コポリマーの合成のための例に選好されてもよい。白色発光コポリマーを合成できる方法は、たとえば、WO 2005/030827 A1およびWO 2005/030828 A2に詳細に記載されている。
【0064】
ここで、本発明の好ましいポリマーは、少なくとも一つの式(I)の構造単位に加えて、群7からの単位を含んでもよい。ポリマー中の式(I)の構造単位と群7からの単位の合計は、特に、好ましくは、ポリマー中の全単位を基礎として少なくとも50モル%である。
【0065】
同様に、本発明の好ましいポリマーは、電荷輸送および/または電荷注入を改善する単位、すなわち、群1および/または2からの単位を、特に、好ましくは、これら単位を0.5〜30モル%の割合で含み、非常に、特に、好ましくは、これら単位を1〜10モル%の割合で含んでもよい。
【0066】
さらに、本発明の特に好ましいポリマーは、群7からの構造単位と群1および/または2からの単位を含んでもよい。ポリマー中の式(I)の構造単位と群7からの単位と群1および/または2からの単位の合計は、ポリマー中の全単位を基礎として、特に、好ましくは、少なくとも50モル%であり、0.5〜30モル%の単位は、好ましくは、群1および/または2からの単位からである。
【0067】
ブロック様構造を有する上記コポリマーを得ることができる方法とこの目的のために特に好ましい構造要素は、たとえば、WO 2005/014688 A2に詳細に記載されている。後者は、参照として本願に組み込まれる。ポリマーは、樹状構造であってもよいことが、同様に再度この時点で強調されねばならない。
【0068】
式(I)の構造単位を含む本発明によるポリマーは、高い収率で、容易に入手可能である。
【0069】
三重項エミッター単位が本発明のポリマー中で使用されるならば、それらは、有利な特性、特に、長い寿命、高い効率および良好な色座標を有する。
【0070】
本発明のポリマーは、一般的には、1以上のこの型のモノマーの重合により調製され、少なくとも一つのモノマーは、ポリマー中に式(I)の構造単位を生じる。適切な重合反応は、当業者に知られ、文献に記載されている。C-CもしくはC-N連結を生じる、特に、適切で、好ましい重合反応は、以下のものである。
【0071】
(A)スズキ重合;
(B)ヤマモト重合;
(C)スチル(STILLE)重合;
(D)ヘック(HECK)重合;
(E)ネギシ(NEGISHI)重合;
(F)ソノガシラ(SONOGASHIRA)重合;
(G)ヒヤマ(HIYAMA)重合;および
(H)ハートウイッグ-ブーフバルト(HARTWIG-BUCHWALD)重合;
これらの方法により重合を行うことができる方法およびポリマーを反応媒体から分離し、純化することのできる方法は、当業者に知られ、文献、たとえば、WO 03/048225 A2、WO 2004/037887 A2およびWO 2004/037887 A2に記載されている。
【0072】
C-C連結反応は、好ましくは、スズキカップリング、ヤマモトカップリングおよびスチルカップリングより成る群から選ばれ、C-N連結反応は、好ましくは、ハートウイッグ-ブーフバルトカップリングから選ばれる。
【0073】
したがって、本発明は、また、スズキ重合、ヤマモト重合、スチル重合またはハートウイッグ-ブーフバルト重合によって調製されることを特徴とする、本発明によるポリマーの調製方法にも関する。
【0074】
本発明によるデンドリマーは、当業者に知られる方法またはそれと同様にして調製することができる。適切なプロセスは、文献、たとえば、Frechet,Jean M J;Hawker,Craig J”Hyperbranched polyphenylene and hyperbranched polyesters:new soluble,three-dimensional,reactive polymers”Reactive & Functional Polymers(1995),26(1-3),127-36;Janssen,H.m;Meijer,E,W,”The synthesis and characterization of dendric molecule”,Materials Science and Tecnology(1999),20(Synthesis of Polymers),403-458,Tomalia,Donalda,”Dendrimer molecules”,Scientific American(1995),272(5),62-6、WO 02/067343 A1およびWO 2005/026144 A1に記載されている。
【0075】
本発明によるポリマーの合成のために、対応するモノマーが必要とされる。本発明によるポリマー中で式(I)の構造単位を生じるモノマーは、対応して置換され、2位でモノマーがポリマー中に組み込まれることを可能とする適切な置換基を有する。これらモノマーは新規であり、それゆえ同様に本発明の主題である。
【0076】
したがって、本発明は、以下の式(IV)の化合物にも関する。
【化5】

【0077】
式中使用される記号は以下の意味を有する:
ZおよびZ‘は、互いに独立して、ハロゲン、O-トシレート、O-トリフレート、O-SO、B(ORおよびSn(Rから成る基より選択され、ここで、Rは、互いに独立して、出現毎に、H、1〜20個のC原子を有する脂肪族炭化水素基もしくは5〜20個の環原子を有する芳香族炭化水素基であり、二個以上の基Rは、互いに脂肪族環構造を形成してもよく、ここで、他の記号は、上記具体例と同じ意味を有する。式(I)の構造単位の好ましい具体例が、ここで、再度、好ましい具体例である。
【0078】
本発明において、ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素および沃素を意味するものと解され、塩素、臭素および沃素が好ましく、臭素および沃素が、特に、好ましい。
【0079】
本発明の更なる具体例において、式(IV)の化合物におけるZおよびZ‘は、互いに独立して、Br、IおよびB(ORから選択される。
【0080】
本発明においての用語「1〜20個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基」は、飽和または不飽和、非芳香族炭化水素基を意味するものと解され、直鎖、分岐鎖または環状であってよい。一以上の炭素原子は、O、NもしくはSで置き代えられていてもよい。さらに、一以上の水素原子は、フッ素で置き代えられていてもよい。これらの化合物に例は、以下を含む:メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、2-メチルブチル、n-ペンチル、s-ペンチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、シクロヘキシル、n-ヘプチル、シクロヘプチル、n-オクチル、シクロオクチル、2-エチルヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたは2,2,2-トリフルオロエチル、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル、シクロオクテニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、およびオクチニルであり、ここで、メチル、エチル、i-プロピル、n-ブチルが、特に、好ましい。
【0081】
本発明において、用語「5〜20個の環原子を有する芳香炭化水素基」は、6〜20個の炭素原子を有する芳香族環構造または5〜20個の環原子を有する複素環式芳香族環構造を意味するものと解され、ここで、一以上の環原子は、N、OおよびSで、他は炭素原子であることが意図されている。本発明の目的のために、これらの定義は、必ずしも芳香族もしくは複素環式芳香族基のみを含む構造ではなく、その代わりに、加えて、複数の芳香族もしくは複素環式芳香族基は、たとえば、C(sp混成)、N、O、Si、P、S、Ge(たとえば、CR、C=O、NR、O、SiR、P=O、SおよびGeRであって、ここで、Rは、H、C1−40-アルキル基、C2−40-アルケニル基、C2−40-アルキニル基、随意に置換されたC6−40アリール基および随意に置換された5〜25員環ヘテロアリール基から成る群より選択される。)原子のような短い非芳香族単位(H以外の原子は、10%より少なく、好ましくは、H以外の原子は、5%より少ない)により中断されていてもよい構造を意味するものと解されることも意図している。さらに、それらは、単環状もしくは多環状であってもよく、それらは、一個の環(たとえば、フェニル)または二個以上の環を含んでもよく、縮合(たとえば、ナフチル)、共有結合(ビフェニル)であってもよく、縮合と共有結合の組み合わせを含んでもよい。完全に共約したアリール基が好ましい。
【0082】
本発明によるポリマーを純粋物としてだけではなく、その代わりに任意の所望の型の更なるポリマー状、オリゴマー状、樹状もしくは低分子量物質と一緒に、混合物として使用することが追加的に選好されてもよい。これらは、たとえば、電子特性を改善するか、それ自体、発光し得る。前記のとおり、混合物は少なくとも一つのポリマー成分を含む組成物を意味するものと解される。
【0083】
したがって、本発明は、さらに、本発明による1以上のポリマーと、1以上の更なるポリマー状、オリゴマー状、樹状または低分子量物質を含むポリマー混合物に関する。
【0084】
本発明の更なる具体例においては、本発明は、さらに、本発明によるポリマーと、低分子量物質を含む混合物が好ましい。低分子量物質は、好ましくは、三重項エミッターである。
【0085】
本発明の更なる具体例においては、発光層中で、発光化合物と一緒に使用される式(I)の構造単位を含むポリマーが好ましい。この場合、ポリマーは、一以上の燐光発光材料(三重項エミッター)と組み合わせて使用することが好ましい。本発明の目的のために、燐光発光は、比較的高いスピン多重度、すなわち>1のスピン多重度を有する励起状態から、特に、励起三重項状態から、または、MLCT混合状態からのルミネッセンスを意味するものと解される。本発明のポリマーまたは上記好ましい具体例および発光化合物を含む混合物は、本発明のポリマーもしくは上記好ましい具体例を、エミッターとマトリックス材料を含む全混合物を基礎として、99〜1重量%、好ましくは、98〜60重量%、特に、好ましくは、97〜70重量%、特に、95〜75重量%含む。対応して、混合物は、エミッターを、エミッターとマトリックス材料を含む全混合物を基礎として、99重量%まで、好ましくは、40重量%まで、特に、好ましくは、30重量%まで、特に、25重量%まで含む。さらに、混合物は、エミッターを、エミッターとマトリックス材料を含む全混合物を基礎として、少なくとも1重量%、好ましくは、少なくとも2重量%、特に、好ましくは、3少重量%、特に、少なくとも5重量%含む。
【0086】
本発明の上記具体例においては、式(I)の構造単位を含むポリマーは、発光層中で、発光化合物と一緒に使用されるが、発光化合物の割合は顕著により低い。この場合、混合物は、エミッターを、全混合物を基礎として、少なくとも0.01重量%含むが、好ましくは、5重量%未満、特に、好ましくは、3重量%未満、特に、1.5重量%未満含む。
【0087】
適切な燐光化合物は、特に、適切な励起により、好ましくは、可視域で発光する化合物であり、加えて、36より大で、好ましくは、38より大で、84より小な、特に好ましくは、56より大で、80より小な原子番号を有する少なくとも一つの原子を含む。
【0088】
上記エミッターの例は、出願WO 00/70655、WO 01/41512、 WO 02/02714、WO 02/15645、 EP1191613、EP1191612、EP1191614、WO 05/033244およびDE102008015526により明らかにされる。一般的に、燐光OLEDのために先行技術で使用され、有機エレクトロルミネッセンス分野で当業者により知られるあらゆる燐光化合物が適切であり、当業者は進歩性を必要とすることなく、さらなる燐光化合物を使用することができる。
【0089】
本発明の目的のために、本発明の組成物中のエミッター化合物は、好ましくは、緑色発光三重項エミッターである。三重項エミッターは、同様に青色もしくは赤色発光エミッターであってもよい。
【0090】
本発明のさらなる具体例においては、三重項エミッターは、好ましくは、有機金属連結単位を含む。有機金属連結単位は、好ましくは、有機金属配位化合物である。本発明において、有機金属配位化合物は、リガンドとして有機化合物により囲まれた化合物の中心の金属原子もしくはイオンを有する化合物を意味するものと解される。さらに、有機金属配位化合物は、リガンドの少なくとも一つの炭素原子が、配位結合を介して中心金属と結合することを特徴とする。電気的に中性の三重項エミッターが、さらに、好ましい。
【0091】
三重項エミッターは、好ましくは、キレートリガンド、すなわち、少なくとも二つの結合場所を介して金属に配位するリガンドを含む。同一であるか異なってもよい、二個または三個の二座リガンドが、特に、好ましい。キレートリガンドに対する選好は、キレート錯体のより高い安定性に基づく。
【0092】
三重項エミッターは、好ましくは、式(VII)の構造を有する:
【化6】

【0093】
式中:使用される記号と添え字は以下が適用される:
Mは、出現毎に同一であるか異なり、原子番号>36を有する主族金属、遷移金属またはランタノイド金属であり、
DCyは、出現毎に同一であるか異なり、それを介して環状基が金属に結合し、一以上の置換基Rを担持してもよい、少なくとも一つのドナー原子、すなわち、自由電子対を有する原子、好ましくは、窒素または燐を含む環状基であり、基DCyおよびCCyは互いに共有結合により連結し、基Rおよび/またはRを介して、互いに更なる連結を有してもよく、
CCyは、出現毎に同一であるか異なり、それを介して環状基が金属に結合し、一以上の置換基Rを担持してもよい、炭素原子を含む環状基であり、
Lは、出現毎に同一であるか異なり、二座キレートリガンド、好ましくは、モノアニオン性二座キレートリガンドであり、
は、出現毎に同一であるか異なり、H、F、Cl、Br、I、NO、CN、1〜40個のC原子を有する直鎖、分岐鎖または環状アルキルもしくはアルコキシ基(1以上の隣接しないCH単位は、C=O、C=S、C=Se、C=NR、RC=CR、-C≡C-、-O-、-S-、-NR、Si(R)またはCONRにより置き代えられてよく、ここで、一以上のH原子は、F、Cl、Br、I、CN、NOにより置き代えられてよい。)または一以上の非芳香族基Rにより置換されてよい5〜40個の芳香族環原子を有する芳香族もしくは複素環式芳香族環構造であって、ここで、複数の置換基Rは、同一の環上または二個の異なる環上で、一緒になって、順に、さらなるモノ、ポリ、脂肪族あるいは芳香族環構造を形成してよく、
は、出現毎に同一であるか異なり、H、1〜20個のC原子を有する脂肪族炭化水素基または6〜20個のC原子を有する芳香族炭化水素基であり、
mは、1、2または3であり、好ましくは、2または3であり、特に、好ましくは、3であり、
nは、0、1または2であり、好ましくは、0または1であり、特に、好ましくは、0である。
【0094】
好ましいのは、同様に、その共通する特徴が一以上の金属中心である多核三重項エミッターと金属クラスターである。
【0095】
式(VII)の単位は、対称または非対称な構造を有してよい。
【0096】
本発明の好ましい具体例においては、式(VII)の単位は、対称構造を有する。この選好は、化合物のより容易な合成可能性に基づく。したがって、式(VII)の単位は、好ましくは、ホモレプチック金属錯体、すなわち、唯一つの型のリガンドを有する金属錯体であってよい。
【0097】
本発明のさらに好ましい具体例においては、式(VII)の単位は、非対称構造を有する。発光がリガンドの一つから来るだけであるならば、これは、発光特性の場合に優位性を提供しうる。したがって、式(VII)の単位は、好ましくは、ヘテロレプチック金属錯体、すなわち、一以上の異なるリガンドを有する金属錯体であってよい。
【0098】
好ましい金属Mは、原子番号>36を有する遷移金属の群から選択され、特に、好ましい金属Mは、原子番号>50を有する遷移金属の群から選択される。エミッター化合物は、好ましくは、遷移金属、希土類、ランタノイドとアクチノイドより成る群から選択される金属を含む金属錯体であり、好ましくは、Ir、Ru、Os、Eu、Au、Pt、Cu、Zn、Mo、W、Rh、PdおよびAg、特に、好ましくは、Irである。
【0099】
更に好ましい有機リガンドは、キレートリガンドである。キレートリガンドは、二または多座リガンドを意味するものと解され、二個以上の原子を介して中心金属と対応して結合し得る。
【0100】
本発明のさらなら具体例においては、混合物は、本発明のポリマーと、何れかが本発明のポリマー中に存在するか、または、上記具体例のとおり、低分子量物質として前混合された三重項エミッターとさらなる低分子量物質を含むことが好ましい。これらの低分子量物質は、群1〜8の可能なモノマー単位のために言及されたのと同じ官能性を有してもよい。
【0101】
本発明は、さらに、本発明による一以上のポリマーまたは混合物を一以上の溶媒中に含む溶液および処方に関する。この型の溶液を調製することができる方法は、当業者により知られ、たとえば、WO 02/072714 A1、WO 03/019694 A2およびそこに引用された文献に記載されている。これらの溶液は、たとえば、表面被覆法(たとえば、スピンコーティング)あるいは印刷プロセス(たとえば、インクジェット印刷)により薄いポリマー層を製造するために使用することができる。
【0102】
一以上の重合可能でそれゆえに架橋可能な基を含む式(I)の構造単位を含むポリマーは、現場UV光重合もしくは光加工のような、熱もしくは光誘導現場重合および現場架橋によるフィルムまたは被覆の製造のために、特に、構造化された被覆の製造のために、特に、適切である。アクリレート、メタクリレート、ビニル、エポキシおよびオキセタンから好ましくは選ばれる一以上の架橋可能な基を含む本発明のポリマーが、この型の用途のために特に好ましい。ここで、対応するポリマーを純粋物として使用するだけでなく、上記のとおりのこれらのポリマーの処方もしくはブレンドを使用することも可能である。これらは、溶媒および/またはバインダーの添加を使用しないことが、または、使用することができる。上記の方法のための適切な材料、プロセスおよび装置は、たとえば、WO 2005/083812 A2に記載されている。可能なバインダーは、たとえば、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリビニルブチラールおよび同様に光電子的に中性のポリマーである。
【0103】
適切で好ましい溶媒は、たとえば、トルエン、アニソール、キシレン、メチルベンゾエート、ジメチルアニソール、メシチレン、テトラリン、ベラトールおよびテトラヒドロフランまたはそれらの混合物である。
【0104】
本発明による、ポリマー、混合物および処方は、電子もしくは光電子素子またはその製造のために使用することができる。
【0105】
したがって、本発明は、さらに、本発明によるポリマー、混合物および処方の、電子もしくは光電子素子、好ましくは、有機あるいはポリマー有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED、PLED)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機集積回路(O-IC)、有機薄膜トランジスタ(O-TFT)、有機太陽電池(O-SC)、有機レーザーダイオード(O-laser)、有機光電池(OPV)素子もしくは有機光受容器(OPC)における、特に、好ましくは、有機あるいはポリマー有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED、PLED)、特に、ポリマー有機エレクトロルミネッセンス素子(PLED)における使用に関する。
【0106】
OLEDまたはPLEDを製造することができる方法は、当業者に知られており、たとえば、一般的プロセスとして、WO 2004/070772 A2に詳細に記載されており、個々の場合に対応して採用されるべきである。
【0107】
上記のとおり、本発明のポリマーは、PLEDまたはこうして製造される表示装置でのエレクトロルミネセンス材料として、非常に特に適切である。
【0108】
本発明の目的のために、エレクトロルミネセンス材料は、活性層として使用することのできる材料を意味するものと解される。活性層は、層が、電界の適用で発光することができるものであること(発光層)および/または、正および/または負電荷の注入および/または輸送を改善するものであること(電荷注入もしくは電荷輸送層)を意味する。
【0109】
それゆえ、本発明は、好ましくは、本発明のポリマーまたは混合物の、PLEDでの、特に、エレクトロルミネセンス材料としての使用にも関する。
【0110】
したがって、本発明は、さらに、一以上の活性層を含み、ここで、これら活性層の少なくとも一つは本発明による一以上のポリマーを含む、電子もしくは光電子素子、好ましくは、有機あるいはポリマーエレクトロルミネッセンス素子(OLED、PLED)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機集積回路(O-IC)、有機薄膜トランジスタ(O-TFT)、有機太陽電池(O-SC)、有機レーザーダイオード(O-laser)、有機光電池(OPV)素子もしくは有機光受容器(OPC)における、特に、好ましくは、有機あるいはポリマーエレクトロルミネッセンス素子、特に、ポリマー有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。活性層は、たとえば、発光層、電荷輸送層および/または電荷注入層であり得る。
【0111】
本出願のテキストおよび以下の例は、主として、PLEDと対応する表示装置に関する本発明のポリマーの使用に向けられている。説明の制限にもかかわらず、当業者には、更なる発明段階を要することなく、本発明のポリマーを他の電子素子中での上記される更なる使用のための半導体として使用することが可能である。
【0112】
以下の例は、本発明を説明する意図のものであるが、それにより限定するものではない。特に、関連する例に基いて定義された化合物のそこに記載された特徴、特性および優位性は、詳細には説明されていない他の化合物にも適用することができ、他に断らない限り、本発明の保護範囲内のものである。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】図1は緑色三重項エミッターのスペクトルを示す。
【図2】図2は典型的なPLDE素子の構造を示す。
【図3】図3はダイアグラムを示す。
【図4】図4は典型的な測定設備を示す。
【例】
【0114】
例1および2:モノマーの調製
例1
化合物4の調製
化合物4は、以下のとおり調製される。
【化7】

【0115】
1.1 化合物2
【化8】

【0116】
104.3g(2モル当量、0.442モル)の1-4-ジブロモベンゼンが、300mlのTHF中にまず導入され、アセトン/乾燥氷浴中で−75℃まで、冷却される。117ml(2モル当量、0.442モル)のn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M)が、内部温度が−69℃を超えないような速度で滴下され、混合物は実質的に−72℃でさらに1時間攪拌される。116g(1モル当量、0.221モル)の化合物1が、ついで、220mlのTHF中に溶解され、内部温度が−69℃を超えないような速度で、−72℃でゆっくりと滴下される。反応溶液は−70℃でさらに1時間そして室温で一晩攪拌される。120mlの50%酢酸がバッチに添加される。相が分離される。水性相がヘプタンで抽出される。結合した有機相がHOで抽出され、NaSOで乾燥され、ろ過され、減圧下蒸発される。
【0117】
H NMR (CDCl, δ (ppm), J (Hz)): 0.51 (s broad, 4H), 0.81 (t, 6H, J = 7.25), 0.94 - 1.25 (m, 20H), 1.55 - 1.85 (m, 4H), 6.73 (d, 1H, J = 8.0), 6.87 - 6.90 (m, 2H), 6.95 - 7.05 (m broad, 4H), 7.21 (d, 1H, J = 7.55), 7.24 (d, 1H, J = 7.75), 7.28 -7.36 (m, 4H), 7.42 (d, 4H, J = 8.6), 7.56 (d, 1H, 7.75), 7.66-7.68 (m, 1H)
1.2 化合物3
【化9】

【0118】
177.4g(1モル当量、0.22モル)の化合物2が、353.2ml(2.8モル当量、6.1モル)の酢酸中に溶解され、還流で暖められる。19.6ml(1.1モル当量、0.24モル)の濃塩酸が還流下添加され、混合物は還流下1.5時間加熱される。TLCチェック後(ヘプタン/酢酸エチル)、2×2mlの濃塩酸が、反応時間3時間で、計量しながら供給される。反応が終わると、25mlの水が注意深く添加される。さらなる50mlの水が引き続き相分離のために添加される。混合物はジクロロメタンで抽出され、結合した有機相がついで水とNaHCOで抽出され、硫酸ナトリウムで乾燥され、ろ過され、減圧下蒸発される。
【0119】
精製は再結晶化(アセトニトリル/トルエン)によりなされ、白色固体(99%)が得られる。
【0120】
H NMR (CDCl, δ (ppm), J (Hz)): 0.65 - 0.75 (m, 4H), 0.79 (t, 6H, J = 7.25), 0.99 - 1.25 (m, 20H), 1.98 - 2.01 (m, 4H), 7.10 (d, 4H, J = 8.75), 7.26 - 7.29 (m, 3H), 7.33 -7.41 (m, 7H), 7.57 (s, 1H), 7.60-7.62 (m, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.84 (d, 1H, 7.55)
1.3 化合物4
【化10】

【0121】
250mlのジオキサン、19.33g(2モル当量、0.076モル)のビス(ピナコラート)-ジボレートと10.83g(2.9モル当量、0.11モル)の酢酸カリウムが、30g(1モル当量、0.038モル)の化合物3に添加される。1.11g(1.4ミリモル)の1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロライド(ジクロロメタン(1:1)、Pd13%錯体)が引き続き添加される。バッチは、110℃まで加熱される。TLCチェック後、バッチは室温まで冷却され、200mlの水が添加される。さらなる50mlの水が、引き続き相分離のために添加される。混合物は、酢酸エチルで抽出され、結合した有機相はついで、硫酸ナトリウムで乾燥され、ろ過され、減圧下蒸発される。
【0122】
精製は、カラム(ヘプタン/酢酸エチル)および再結晶化(ヘプタン)によりなされ、白色固体(100%)が得られる。
【0123】
H NMR (CDCl, δ (ppm), J (Hz)): 0.65 - 0.75 (m, 4H), 0.80 (t, 6H, J = 7.25), 0.99 - 1.23 (m, 20H), 1.28 (s, 24H), 1.98 - 2.01 (m, 4H), 7.23 (d, 4H, J = 8.2), 7.26 - 7.28 (m, 3H), 7.32 -7.34 (m, 1H), 7.37 -7.40 (m, 2H), 7.57 -7.59 (m, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.68 (d, 4H, J = 8.25), 7.71 (s, 1H), 7.84 (d, 1H, 7.40)
例2
化合物9の調製
化合物9は、以下のとおり調製される。
【化11】

【0124】
2.1 化合物6
【化12】

【0125】
52.5g(1モル当量、0.111モル)のジトリルフルオレンボロン酸、46.2g(3モル当量、0.333モル)の炭酸カリウムと17.3ml(1.1モル当量、0.123モル)の2-ブロモメチルベンゾエートがまず導入され、130mlのトルエンと130mlのHOが添加される。142mgのPd(PPhが引き続いて添加される。混合物は、反応が終わるまで、還流下攪拌される。TLCチェック後、バッチは室温まで冷却され、200mlの水が添加される。有機相が分離され、トルエンで抽出され、結合した有機相は、硫酸ナトリウムで乾燥され、ろ過され、減圧下蒸発される。
【0126】
H NMR (CDCl, δ (ppm), J (Hz)): 2.29 (s, 6H), 3.34 (s, 3H), 7.03 (d, 4H, J = 8.25), 7.09 (d, 4H, J = 8.25), 7.27 -7.31 (m, 2H), 7.37 -7.42 (m, 4H), 7.44 (d, 1H, 7.70), 7.52 (t, 1H, 7.55), 7.75 (d, 1H, 7.75), 7.80 - 7.83 (m, 2H)
2.2 化合物7
【化13】

【0127】
53.0g(2モル当量、0.224モル)の1-4-ジブロモベンゼンが、200mlのTHF中にまず導入され、アセトン/乾燥氷浴中で−75℃まで、冷却される。89.9ml(2モル当量、0.224モル)のn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M)が、内部温度が−69℃を超えないような速度で滴下され、混合物は実質的に−72℃でさらに1時間攪拌される。54g(1モル当量、0.112モル)の化合物6が、ついで、150mlのTHF中に溶解され、内部温度が−69℃を超えないような速度で、−72℃でゆっくりと滴下される。反応溶液は−70℃でさらに1時間と室温で一晩攪拌される。120mlの50%酢酸がバッチに添加される。相が分離される。水性相がヘプタンで抽出される。結合した有機相がHOで抽出され、NaSOで乾燥され、ろ過され、減圧下蒸発される。
【0128】
2.3 化合物8
【化14】

【0129】
80.0g(1モル当量、0.105モル)の化合物7が、168.5ml(2.8モル当量、2.9モル)の酢酸中に溶解され、還流で暖められる。9.4ml(1.1モル当量、0.115モル)の濃塩酸が還流下添加され、混合物は還流下1.5時間加熱される。TLCチェック後(ヘプタン/酢酸エチル)、2×2mlの濃塩酸が、反応時間3時間で、計量しながら供給される。反応が終わると、25mlの水が注意深く添加される。さらなる50mlの水が、引き続き相分離のために添加される。混合物はジクロロメタンで抽出され、結合した有機相が、ついで水とNaHCOで抽出され、硫酸ナトリウムで乾燥され、ろ過され、減圧下蒸発される。
【0130】
精製は再結晶化(ジオキサン/トルエン)によりなされ、白色固体(99%)が得られる。
【0131】
H NMR (CDCl, δ (ppm), J (Hz)): 2.23 (s, 6H), 6.98 (d, 4H, J = 8.05), 7.03 - 7.06 (m, 8H), 7.17 -7.21 (m, 2H), 7.24 -7.31 (m, 7H), 7.33 (d, 1H, 7.95), 7.58 (s, 1H), 7.61 (d, 2H, 7.55), 7.68 (s, 1H).
2.4 化合物9
【化15】

【0132】
250mlのジオキサン、13.65g(2モル当量、0.054モル)のビス(ピナコラート)-ジボレートと7.64g(2.9モル当量、0.078モル)の酢酸カリウムが、20.0g(1モル当量、0.027モル)の化合物8に添加される。0.79g(0.96モル)の1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロライド(ジクロロメタン(1:1)、Pd13%錯体)が引き続き添加される。バッチは、110℃まで加熱される。TLCチェック後、バッチは室温まで冷却され、200mlの水が添加される。さらなる50mlの水が、引き続き相分離のために添加される。混合物は酢酸エチルで抽出され、結合した有機相はついで、硫酸ナトリウムで乾燥され、ろ過され、減圧下蒸発される。
【0133】
精製はカラム(ヘプタン/ジクロロメタン)および酢酸エチルからの再結晶化によりなされ、白色固体(99.9%)が得られる。
【0134】
H NMR (CDClδ (ppm), J (Hz)): 1.30 (s, 24H), 2.31 (s, 6H), 7.05 (d, 4H, J = 8.25), 7.14 (d, 4H, J = 8.25), 7.22 -7.27 (m, 6H), 7.31 -7.35 (m, 2H), 7.37 (d, 1H, 7.75), 7.40 (d, 1H, 7.55), 7.66 - 7.70 (m, 6H), 7.72 (s, 1H), 7.75 (s, 1H).
例3〜10:ポリマーの調製
本発明によるポリマーP1およびP2と比較例のポリマーC1が、WO 03/048225 A2に従って、スズキカップリングにより、以下のモノマー(パーセンテージデータ=モル%)を使用して合成される。
【0135】
例3(ポリマーP1)
【化16】

【0136】
例4(ポリマーP2)
【化17】

【0137】
例5(比較例のポリマーC1)
【化18】

【0138】
ポリマーP1、P2およびC1中の可溶性の緑色三重項エミッターT1のフィルムが、スピンコーターにより製造される(素子の例も参照。)。
【化19】

【0139】
フィルムの厚さは80nm、エミッター濃度は20重量%である。これらのフィルムのPLスペクトルは、ヒタチPLスペクトロメーター(モデル F-4500)で励起波長345nmで測定される。全スペクトルは、同じ設定値(ギャップ幅5nm、前電圧700V、スキャン速度240nm/min)で測定される。スペクトルは、図1に示される。緑色三重項エミッターの高い量子効率が本発明のポリマー材料により達成されるが、一方、ポリマーからの青色発光が、比較例のポリマーにおいて支配的であり、三重項エミッターからの発光は実質的に検知できない。
【0140】
例6および7
ポリマーP1およびP2は、緑色三重項発光のためのマトリックにおける本発明の素子の基本的な適合性を示すために非常に高度に適切であるが、それらは、正孔もしくは電子輸送に貢献することができる更なる単位を全く含まない。したがって、三重項エミッターを既に含むさらなるポリマーが、この場合はコポリマーであるが、合成される。ポリマーP3は共役中断骨組を含み、比較例のポリマーC2は、共役骨組である。
【0141】
例6(ポリマーP3)
【化20】

【0142】
例7(比較例のポリマーC2)
【化21】

【0143】
例8〜10
本発明のポリマーP1およびP2の場合に既に説明したとおり、三重項素子は、三重項エミッターとマトリックスとの組み合わせにより製造することもできる。ポリマーP4〜P6は、追加的な機能単位(群1または2からの、詳細な説明参照。)を含むポリマーである。
【0144】
例8(ポリマーP4)
【化22】

【0145】
例9(ポリマーP5)
【化23】

【0146】
例10(ポリマーP6)
【化24】

【0147】
例11(ポリマーP7)
【化25】

【0148】
1.577g(2ミリモル)のモノマー10と0.977g(2ミリモル)のモノマー11と0.577g(6ミリモル)のソジウムtert-ブトキシドが、20mlのトルエン中に溶解される。得られた反応溶液は、アルゴン下注意深く脱気される。溶液は、保護ガス雰囲気下約80℃まで温められ、反応は、1mlのトルエン中に溶解された3.6mg(16マイクロモル)の酢酸パラジウムと69mg(96マイクロモル)トリ-tert-ブチルホスフィンの添加によって開始される。反応混合物は、溶液が粘性になるまで、沸点で約1時間加熱される。重合は、3mgのブロモビフェニルの添加により終了され、反応溶液は、末端基を閉じるために、更なる時間沸点で加熱される。溶液は65℃まで冷却され、80mlのトルエンで希釈され、80mlの10%チオカルバミド溶液が添加され、混合物は、65℃で3時間攪拌される。混合物は室温まで冷却され、50mlの水で3度抽出され、引き続いて2倍量のメタノールで沈殿される。精製のために、ポリマーは、トルエン中に溶解され、引き続いて2倍量のメタノールで沈殿される。この手順が、再度繰り返される。
【0149】
例12〜17:PLEDの製造
ポリマー有機発光ダイオード(PLED)は、文献(たとえば、WO 2004/037887 A2)に何度も既に記載されるとおりに、製造される。本発明を実例で説明するために、PLEDが、スピンコーティングにより、ポリマーP3〜P6と比較例のポリマーC2で製造される。典型的素子は、図2に示される構造を有する。
【0150】
このために、テクノプリント社からの特注基板が、この目的のために特別に設計されたレイアウト(図3、左側の図:ガラス支持板に適用されたITO構造、右側の図:ITO、気相堆積陰極および随意の導線の金属化を有する完全な電子的構造)で使用される。ITO構造(インジウム錫酸化物、透明導電性陽極)は、2×2mm大きさの4画素が製造工程の最後で陰極気相堆積により得られるようなパターンで、スパッタリングによりソーダライムガラスに適用される。
【0151】
基板は、クリーンルーム内で脱イオン水と洗剤(デコネックス15PF)で洗浄され、ついで、UV/オゾンプラズマ処理により活性化される。80nmのPEDOT(PEDOTは、ポリチオフェン誘導体(バイトロン PVAI4083sp)H.C.Stack,Goslar製、水性分散液として供される)が、その後同様に、クリーンルーム内で、スピンコーティングにより適用される。必要とされるスピン速度は、希釈度と特定のスピンコーターの形状(典型的には80nm:4500rpm)に依存する。層から残留水を除去するために、基板は、ホットプレート上で180℃10分間加熱により乾燥される。ついで、不活性ガス(窒素またはアルゴン)雰囲気下、まず、20nmの中間層(典型的には、正孔支配ポリマー、ここでは、メルク製HIL−012)と、ついで80nmのポリマー層がトルエン溶液(中間層の濃度は、5g/l、ポリマーP3〜P6とC2に対して8〜10g/l)から適用される。両層は180℃で少なくとも10分間の加熱により乾燥される。Ba/Al陰極が、ついで、気相堆積マスク(アルドリッチ製高純度金属、特に、99.99%バリウム(注文番号474711);レスカー社等製気相堆積ユニット、典型的真空レベルは5×10−6mbar)により指示されるパターンで気相堆積される。最後に、素子は、特に、空気と周囲湿度から陰極を保護するために密封され、その後、特性決定される。
【0152】
このために、素子は基板サイズに合わせて特別に製造されたホルダーに把持され、ばね接点で供される。アイレスポンスフィルターを有するフォトダイオードは、外部光からの影響を排除するために、測定ホルダー上に直接置くことができる。典型的な測定設備は、図4に示される。
【0153】
電圧は、0から最大20Vまで、0.2V刻みで増加され、再度減少される。各測定点で素子の電流と得られた光電流が、フォトダイオードにより測定される。こうして、試験素子のIULデータが得られる。重要なパラメータは、測定された最大効率(cd/Aでの“max.eff.”)と100cd/mに対して必要とされる電圧である。
【0154】
さらに、試験素子の色と正確なエレクトロルミネセンススペクトルを知るために、100cd/mに対して必要とされる電圧が、最初の測定後に再度適用され、光ダイオードがスペクトル測定ヘッドにより置き代えられる。これは、光学繊維により分光計(オセアン オプティック製)に結合している。色座標(CIE:国際照明委員会、1931年からの標準オブザーバー)は、測定スペクトルから導き出すことができる。
【0155】
PLED中のポリマーP3〜P6とC2の使用により得られた結果は、表1に要約される。P3とC2については、ポリマーだけがトルエン中に溶解され、本発明のその他のポリマーの場合には、可溶性の緑色三重項エミッターT1も20重量%濃度で溶解され、二成分を含むフィルムが製造される(たとえば、2.5g/lのT1、10g/lのポリマー。)。例17においては、二種のポリマーP4とP5は、等量部に秤分けられ、すなわち、濃度は、2.5g/lのT1、1.5g/lのP4、5g/lのP5である。
【0156】
表1
【表1】

【0157】
結果から見て取ることができるように、ポリマーP3〜6は、1000cd/mまでの測定が可能ですらない比較例のポリマーを超える、顕著な改善を示す。
【0158】
P7は、HIL−012に代えて、中間層として使用される。結果(例18〜20)は表2に要約され、P4〜P6の組み合わせにおいて、少なくとも約20%より大きいパワー効率を示す。
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの式(I)の構造単位を含むポリマー。
【化1】

(式中:使用される記号と添え字は以下の意味を有する:
破線は、互いに独立して、さらなるポリマーの構造単位への結合を表し、
およびLは、互いに独立して、単共有結合またはC1−10アルキレン基、C2−10アルケニレン基、C2−10アルキニレン基およびSi1-10シリレン基から成る基より選択される単位であって、1以上のCH単位は、NR、OまたはSにより置き代えられてよく、1以上のSiH単位は、Oにより置き代えられてよく;
Wは、C、Si、Ge並びに以下の式(II)および(III)の構造要素から成る群より選択される四価の単位を表し;
【化2】

式中:
Dは、出現毎に同一であるか異なり、CR、O、SおよびNRから成る基より選択される単位であり、
EおよびJは、互いに独立して、CRおよびNから成る基より選択される単位であり、
nは、1、2または3であり、および
mは、0、1または2であり、ここで、
Rは、H、FおよびC1−6アルキルから成る基より選択される基であり、
但し、E、DおよびJからの唯一の代表はCRまたはCRとは異なり、
ここで、四価の単位Wが式(II)または(III)の単位である場合には、CおよびCは、単位Wの異なる原子と結合し、
U、VおよびV‘は、互いに独立して、単共有結合またはCR、C=O、NR、O、SiR、P=O、SおよびGeRから成る基より選択される二価単位であり、
ここで、
およびRは、互いに独立して、H、F、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基、随意に置換されたC6−40アリール基および随意に置換された5〜25員環ヘテロアリール基から成る基より選択され、
〜Cは、夫々、C原子を表し、
ArおよびArは、夫々、互いに独立して、5〜25員環の随意に置換された芳香族もしくは複素環式芳香族環構造をそれぞれ表し、
Ar、ArおよびArは、互いに独立して、随意に置換されたC6−40アリール基または随意に置換された5〜25員環ヘテロアリール基を表し、ここで、C原子CおよびCは、Arの一部であり、C原子C〜Cは、Arの一部であり、C原子CおよびCは、Arの一部である。)
【請求項2】
およびLは、単共有結合を表すことを特徴とする、請求項1記載のポリマー。
【請求項3】
Wは、C、SiまたはGeを表すことを特徴とする、請求項1または2記載のポリマー。
【請求項4】
UとVからの一つの代表が、単共有結合を表し、他方が、CR単位を表すことを特徴とする、請求項1〜3何れか1項記載のポリマー。
【請求項5】
式(I)の構造単位が、式(IVa)、(IVb)および/または(IVc)の構造単位であることを特徴とする、請求項1〜4何れか1項記載のポリマー。
【化3】

(式中:破線、UおよびVは、請求項1〜4何れか1項で定義されるのと同じ意味を有する。)
【請求項6】
構造単位が、式(Va)および/または(Vb)の構造単位であることを特徴とする、請求項1〜5何れか1項記載のポリマー。
【化4】

(式中:破線は、請求項1〜4何れか1項で定義されるのと同じ意味を有し、XとYは、RおよびRと同じ意味を有する。)
【請求項7】
ポリマーが部分共役ポリマーであり、共役は式(I)の構造単位により中断されることを特徴とする、請求項1〜6何れか1項記載のポリマー。
【請求項8】
式(I)の構造単位に加えて、少なくとも一つのさらなる構造単位を含むことを特徴とする、請求項1〜7何れか1項記載のポリマー。
【請求項9】
少なくとも一つのさらなる構造単位が三重項エミッター単位であることを特徴とする、請求項8記載のポリマー。
【請求項10】
トリアリールアミン、ベンジジン、テトラアリール-パラ-フェニレンジアミン、トリアリールホスフィン、フェノチアジン、フェノキサジン、ジヒドロフェナジン、チアントレン、ジベンゾ-パラ-ジオキシン、フェノキサチン、カルバゾール、アズレン、チオフェン、ピロールおよびフラン誘導体ならびにポリマー中で−5.8eVを超えるHOMOを有する更なるO-、S-もしくはN-含有ヘテロ環の基から選択される少なくとも一つのさらなる構造単位を含むことを特徴とする、請求項8または9記載のポリマー。
【請求項11】
ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、オキサジアゾール、キノリン、キノキサリン、アントラセン、ベンズアントラセン、ピレン、ペリレン、ベンズイミダゾール、トリアジン、ケトン、ホスフインオキシドおよびフェナジン誘導体のみならずトリアリールボランならびに−1.9eV未満のLUMOを有する更なるO-、S-もしくはN-含有ヘテロ環の基から選択される少なくとも一つのさらなる構造単位を含むことを特徴とする、請求項8〜10何れか1項記載のポリマー。
【請求項12】
4,5-ジヒドロピレン、4,5,9,10-テトラヒドロピレン、フルオレン、9,9’-スピロビフルオレン、フェナントレン、9,10-ジヒドロフェナントレン、5,7-ジヒドロジベンゾオキセピンならびにシス-およびトランス-インデノフルオレン誘導体から選択される少なくとも一つのさらなる構造単位を含むことを特徴とする、請求項8〜11何れか1項記載のポリマー。
【請求項13】
スズキ重合、ヤマモト重合、スチル重合またはハートウイッグ-ブーフバルト重合によって調製されることを特徴とする、請求項1〜12何れか1項記載のポリマーの調製方法。
【請求項14】
式(IV)の化合物。
【化5】

(式中使用される記号は以下の意味を有する:
ZおよびZ‘は、互いに独立して、ハロゲン、O-トシレート、O-トリフレート、O-SO、B(ORおよびSn(Rから成る基より選択され、ここで、Rは、互いに独立して、出現毎に、H、1〜20個のC原子を有する脂肪族炭化水素基および5〜20個のC原子を有する芳香族炭化水素基から成る基より選択され、ここで、二個以上の基Rは、互いに環構造を形成してもよく、ここで、使用される他の記号は、請求項1〜13何れか1項記載と同じ意味を有する。)
【請求項15】
ZおよびZ‘は、互いに独立して、Br、IおよびB(ORから選択されることを特徴とする、請求項14記載の化合物。
【請求項16】
請求項1〜12何れか1項記載のポリマーと、更なるポリマー状、オリゴマー状、樹状および/または低分子量物質を含む混合物。
【請求項17】
低分子量物質が三重項エミッターである、請求項16記載の混合物。
【請求項18】
1以上の溶媒中に、請求項1〜12何れか1項記載のポリマーを含む、または請求項16もしくは17記載の混合物を含む溶液。
【請求項19】
請求項1〜12何れか1項記載のポリマー、または請求項16または17記載の混合物または請求項18記載の溶液の、有機電子素子における使用。
【請求項20】
請求項1〜12何れか1項記載のポリマー、または請求項16または17記載の混合物または請求項18記載の溶液の、有機エレクトロルミネッセンス素子における使用。
【請求項21】
少なくとも一つの活性層が、請求項1〜12何れか1項記載のポリマーまたは請求項16または17記載の混合物を含むことを特徴とする、一以上の活性層を有する有機電子素子。
【請求項22】
有機もしくはポリマー有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED、PLED)、有機集積回路(O-IC)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機薄膜トランジスタ(O-TFT)、有機太陽電池(O-SC)、有機レーザーダイオード(O-laser)、有機光電池(OPV)要素あるいは素子もしくは有機光受容器(OPC)であることを特徴とする、請求項21記載の有機電子素子。
【請求項23】
ポリマー有機エレクトロルミネッセンス素子(PLED)であることを特徴とする、請求項22記載の有機電子素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−528208(P2012−528208A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512226(P2012−512226)
【出願日】平成22年5月3日(2010.5.3)
【国際出願番号】PCT/EP2010/002684
【国際公開番号】WO2010/136110
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(597035528)メルク パテント ゲーエムベーハー (209)
【Fターム(参考)】