説明

置換テトラリンおよびインダン

本発明は、テトラリンおよびインダン化合物、それらを含有させた組成物、そしてそれらをPPARアルファモジュレーターとして用いて例えば異常脂質血症などを治療するか或はそれの進行を抑制する方法を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願との相互参照)
本出願は、2002年10月21日付けで出願した米国仮特許出願番号60/419,935および2003年8月15日付けで出願した表題が「SUBSTITUTED TETRALINS AND INDANES」の米国仮特許出願番号60/495,270の仮ではない特許出願である。
【0002】
本発明は置換テトラリンおよびインダン誘導体、これらを含有させた組成物およびこれらの使用方法を特徴とする。
【背景技術】
【0003】
核内受容体ファミリー、即ちリガンドが活性化する転写因子の群の一員であるペルオキシソーム増殖因子活性化受容体アルファ(peroxisome proliferator−activated receptor alpha)(PPARアルファ)は、脂肪酸の代謝およびインスリンの作用に関係した遺伝子を調節する必要な転写因子である。
【0004】
PPARアルファ受容体は主に肝臓に存在する。PPARアルファが調節する遺伝子には、脂肪酸のベータ酸化に関与する酵素、肝臓の脂肪酸輸送蛋白質、および高密度リポタンパク(HDL)の重要な成分であるapo A1が含まれる。選択的高親和性PPARアルファ作動薬は肝臓の脂肪酸酸化を増加させ、それによって今度は循環するトリグリセリドおよび遊離脂肪酸を減少させる。インスリン抵抗性もしくは糖尿病の動物をPPARアルファ作動薬で処置するとインスリン抵抗性の低下、即ち改善が観察されるが、それには循環するトリグリセリドの減少が介在している可能性がある。動物肥満モデルにおけるそのような治療は体重の低下に関係している。高脂質血症の治療薬として知られるフィブレート(fibrates)は弱いPPARアルファ作動薬である。
【0005】
高脂質血症、糖尿病またはアテローム性動脈硬化症で用いるに有用ないろいろな公知のPPARアルファ作動薬の例には、フィブレート、例えばフェノフィブレート(fenofibrate)(Fournier)、ゲムフィブロジル(Parke−Davis/Pfizer、Mylan、Watson)、クロフィブレート(Wyeth−Ayerst、Novopharm)、ベザフィブレートおよびシプロフィブレートなど、およびウレイドフィブレート、例えばGW7647、GW 9578およびGW 9820(GlaxoSmithKline)などが含まれる。
【発明の開示】
【0006】
(要約)
本発明は下記の式(I):
【0007】
【化1】

【0008】
[式中、
およびRは、各々独立して、H、C1−6アルキル、(CHNR、(
CHOR、(CHNH(CO)Rまたは(CHCO(ここで、R、RおよびRは、各々独立して、HまたはC1−6アルキルである)であるか、或はRとRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−7シクロアルキルであり、
mは、1から6であり、
nは、1または2であり、
Xは、OまたはSであり、ここで、nが1の時にはXは5位もしくは6位に位置しそしてnが2の時にはXは6位もしくは7位に位置し、
は、H、フェニル、C1−3アルコキシ、C1−3アルキルチオ、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、ニトロ、NR10、NHCOR10、CONHR10またはCOOR10であり、そしてRはXに対してオルソまたはメタに位置し、
は、Hまたは−(C1−5アルキレン)R15(ここで、R15は、H、C1−7アルキル、[ジ(C1−2アルキル)アミノ](C1−6アルキレン)、(C1−3アルコキシアシル)(C1−6アルキレン)、C1−6アルコキシ、C3−7アルケニルまたはC3−8アルキニルであり、ここで、Rが有する炭素原子の数は9以下である)であるか、また、Rは、−(C1−5アルキレン)R15(ここで、R15は、C3−6シクロアルキル、フェニル、フェニル−O−、フェニル−S−、またはN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルである)であってもよく、
Yは、NH、NH−CHまたはOであり、
およびRは、各々独立して、H、C1−6アルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、COR11、COOR11、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、ヒドロキシ、フェニル、NR1112、およびN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルから選択され、
は、C1−6アルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、COR13、COOR13、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、ヒドロキシ、フェニル、NR1314、およびN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルから選択されるか、
加うるに、RとRまたはRとRのいずれかが一緒になって−(CH−、−(CH−および(CH1−2N(CH1−2)qから選択される二価の飽和もしくは不飽和部分であってもよく、
pは0−2でありそしてqは1−3であり、ここで、(p+q)の合計は少なくとも2であり、
およびR10は、各々独立して、C1−6アルキルであり、
11、R12、R13およびR14は、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、
ここで、前記ヒドロカルビルおよびヘテロカルビル部分は、各々、F、Cl、Br、I、アミノ、メチル、エチル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノおよびメトキシから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物またはこれの薬学的に受け入れられる塩、C1−6エステルまたはC1−6アミドを特徴とする。
【0009】
本発明は、また、式(I)で表される1種以上の化合物と薬学的担体または賦形剤を含有させた組成物も特徴とする。
【0010】
本組成物および以下に示す方法に、更に、薬学的に活性のある追加的薬剤、例えば脂質低下薬または血圧低下薬または両方を含めることも可能である。
【0011】
本発明の別の面は、この開示した化合物もしくは組成物をPPARアルファが介在する疾患を予防、治療または進行を抑制するいろいろな方法で用いる方法を包含する。PPAR−アルファ介在疾患の例には異常脂質血症およびアテローム性動脈硬化症が含まれる。異常脂質血症にはトリグリセリド過剰血、高コレステロール血症、混合型高脂血症および低HDLコレステロール血症が含まれる。異常脂質血症は、例えば下記の中の1つ以上で
あり得る:低HDL(<35または40mg/dl)、高トリグリセリド(>200mg/dl)および高LDL(>150mg/dl)。
【0012】
以下の詳細な考察、実施例および請求の範囲から本発明の追加的特徴および利点が明らかになるであろう。
(詳細な説明)
A. 用語
下記の用語を以下に定義しそして本開示の全体に渡って用いる。
【0013】
「アルキル」には、基が生じるように水素が少なくとも1個取り除かれている場合により置換されていてもよい直鎖および分枝炭化水素が含まれる。アルキル基にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、1−メチルプロピル、ペンチル、イソペンチル、s−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどが含まれる。アルキルにはシクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルなども含まれる。
【0014】
「アルケニル」には、炭素−炭素二重結合(sp)を少なくとも1つ有するこの上に示した如き場合により置換されていてもよい直鎖および分枝炭化水素基が含まれる。アルケニルにはエテニル(またはビニル)、プロペ−1−エニル、プロペ−2−エニル(またはアリル)、イソプロペニル(または1−メチルビニル)、ブテ−1−エニル、ブテ−2−エニル、ブタジエニル、ペンテニル、ヘキサ−2,4−ジエニルなどが含まれる。二重結合と三重結合を混ぜて有する炭化水素基、例えば2−ペンテニ−4−イニルなどを本明細書ではアルキニルとして分類する。アルケニルにはシクロアルケニルも含まれる。シスおよびトランスまたは(E)および(Z)形態も本発明の範囲内に含まれる。
【0015】
「アルキニル」には、炭素−炭素三重結合(sp)を少なくとも1つ有するこの上に示した如き場合により置換されていてもよい直鎖および分枝炭化水素基が含まれる。アルキニルにはエチニル、プロピニル、ブチニルおよびペンチニルが含まれる。二重結合と三重結合を混ぜて有する炭化水素基、例えば2−ペンテニ−4−イニルなどを本明細書ではアルキニルとして分類する。アルキニルはシクロアルキニルを包含しない。
【0016】
「アルコキシ」には、アルキル基を分子の残りにつなげている末端酸素を有する場合により置換されていてもよい直鎖または分枝アルキル基が含まれる。アルコキシにはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ、ペントキシなどが含まれる。「アミノアルキル」、「チオアルキル」および「スルホニルアルキル」はアルコキシに類似しているが、アルコキシの末端酸素原子がそれぞれNH(またはNR)、SおよびSOに置き換わっている。ヘテロアルキルにはアルコキシ、アミノアルキル、チオアルキルなどが含まれる。
【0017】
「アリール」にはフェニル、ナフチル、ビフェニリル、テトラヒドロナフチル、インデニルなどが含まれ、これらはいずれも場合により置換されていてもよい。アリールにはまたアリールアルキル基、例えばベンジル、フェネチルおよびフェニルプロピルなども含まれる。アリールには、場合により置換されていてもよい6員の芳香炭素環状環を含有する二環状、橋渡しおよび/または縮合系であってもよい環系も含まれる。そのような系には芳香または部分もしくは完全飽和環が含まれ得る。そのような環系の例にはインデニル、ペンタレニル、1−4−ジヒドロナフチル、インダニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチオフェニル、インドリル、ベンゾフラニル、イソキノリニルなどが含まれる。
【0018】
「ヘテロシクリル」には、炭素原子を有しかつヘテロ原子(O、S、N)またはヘテロ原子部分(SO、CO、CONH、COO)を環中に少なくとも1つ有する場合により置換されていてもよい芳香および非芳香族環が含まれる。特に明記しない限り、複素環式基が有する1原子価は、炭素原子を通してそれを分子の残りにつなげている原子価である(例えば3−フリルまたは2−イミダゾリルの如く)か、或はヘテロ原子を通してそれを分子の残りにつなげている原子価であり得る(例えばN−ピペリジルまたは1−ピラゾリルの如く)。一環状ヘテロシクリルの環原子数は好適には5から7の範囲であるか或は環原子数は5から6の範囲であり、この環の中に存在するヘテロ原子またはヘテロ原子部分の数は1から5の範囲、好適には1から3の範囲、または1から2の範囲であり得る。ヘ
テロシクリルは飽和、不飽和、芳香(例えばヘテロアリール)、非芳香、または縮合であり得る。
【0019】
ヘテロシクリルにはまた縮合環、例えば二環状環、例えば場合により置換されていてもよい5員または6員の芳香炭素環もしくは複素環式環と一緒に場合により縮合していてもよい環なども含まれる。例えば、「ヘテロアリール」には、場合により置換されていてもよい5員または6員の芳香炭素環もしくは複素環式環と一緒に縮合していて窒素原子を1、2または3個含有する場合により置換されていてもよい6員の複素芳香環が含まれる。前記5員または6員の芳香環と一緒に縮合している前記5員または6員の複素環式芳香環が6員環の場合には窒素原子を1、2または3個含有し得るか、或はそれが5員環の場合には酸素、窒素および硫黄から選択されるヘテロ原子を1、2または3個含有し得る。
【0020】
ヘテロシクリルの例にはチアゾリル、フリル、チエニル、ピラニル、イソベンゾフラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、キノリル、フラザニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジル、ピペラジニル、インドリニルおよびモルホリニルが含まれる。好適なヘテロシクリルまたは複素環式基には、例えばモルホリニル、ピペラジニル、ピロリジニル、ピリジル、シクロヘキシルイミノ、チエニル、より好適にはピペリジルまたはモルホリニルが含まれる。
【0021】
ヘテロアリールの典型的な例はチエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリルである。
【0022】
「アシル」は、水素原子に結合しているカルボニル部分(即ちホルミル基)を指すか或は場合により置換されていてもよいアルキルもしくはアルケニル鎖またはヘテロシクリルに結合しているカルボニル部分を指す。
【0023】
「ハロ」または「ハロゲン」には、例えばトリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ジフルオロメトキシまたはフルオロメチルチオなどのようにハロ原子を1個以上有するアルキル基上の置換基として、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨード、好適にはフルオロまたはクロロが含まれる。
【0024】
「アルカンジイル」または「アルキレン」は、場合により置換されていてもよい二価の直鎖もしくは分枝鎖アルカン基、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレンまたはヘキシレンなどを表す。
【0025】
「アルケンジイル」は、この上に記述したのと同様に、場合により置換されていてもよい二価の直鎖もしくは分枝鎖アルケン基、例えばプロペニレン、ブテニレン、ペンテニレンまたはヘキセニレンなどを表す。このような基の場合、窒素に結合している炭素原子は好適には不飽和であるべきでない。
【0026】
「アロイル」は、場合により置換されていてもよいアリールもしくはヘテロアリール基に結合しているカルボニル部分を指し、ここで、アリールおよびヘテロアリールはこの上に示した定義を有する。特にベンゾイルはフェニルカルボニルである。
【0027】
本明細書で定義するように、2つの基がこれらに結合している原子1個または2個以上と一緒になって場合により置換されていてもよい4から7員、5から7員または5から6員環の炭素環もしくは複素環式環を形成していてもよく、この環は飽和、不飽和または芳香環であってもよい。前記環はこの上に本発明の要約章で定義した通りであり得る。そのような環の個々の例は次の章に示す如くである。
【0028】
「薬学的に受け入れられる塩、エステルおよびアミド」には、有益さ/危険の比率が妥当な範囲内であり、薬理学的に有効でありかつ患者の組織に過度の毒性も刺激もアレルギー反応ももたらすことなく接触させるに適するカルボン酸塩、アミノ酸付加塩、エステルおよびアミドが含まれる。そのような塩、エステルおよびアミドは、例えばC1−8アルキル、C3−8シクロアルキル、アリール、C2−10ヘテロアリールまたはC2−10非芳香複素環の塩、エステルおよびアミドであり得る。前記式(I)の左側に位置する末端のカルボキシレート/カルボン酸基に関しては塩、遊離酸およびエステルの方がアミド
より好適である。代表的な塩には臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、しゅう酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、燐酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、こはく酸塩、酒石酸塩、ナフチレート(naphthylate)、メシル酸塩、グルコヘプトネート(glucoheptonate)、ラクチオビオネート(lactiobionate)およびラウリルスルホン酸塩が含まれる。それらはアルカリ金属およびアルカリ土類カチオン、例えばナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムなどばかりでなく、無毒のアンモニウム、第四級アンモニウムおよびアミンカチオン、例えばテトラメチルアンモニウム、メチルアミン、トリメチルアミンおよびエチルアミンなどを含み得る。例えばS.M.Berge他「Pharmaceutical Salts」、J.Pharm.Sci.、1977、66:1−19(これは引用することによって本明細書に組み入れられる)参照。本発明の代表的な薬学的に受け入れられるアミドには、アンモニア、第一級C1−6アルキルアミンおよび第二級ジ(C1−6アルキル)アミンから生じるアミドが含まれる。第二級アミンには、窒素原子を少なくとも1個含有しかつ場合により追加的ヘテロ原子を1から2個の範囲で含有していてもよい5員もしくは6員の複素環もしくは複素芳香環部分も含まれる。好適なアミドはアンモニア、第一級C1−3アルキルアミンおよびジ(C1−2アルキル)アミンから生じるアミドである。本発明の代表的な薬学的に受け入れられるエステルにはC1−7アルキル、C5−7シクロアルキル、フェニルおよびフェニル(C1−6)アルキルエステルが含まれる。好適なエステルにはメチルおよびエチルエステルが含まれる。
【0029】
「患者」または「被験体」には、関係した疾患または状態に関連して観察、実験、治療または予防を受けさせる必要がある哺乳動物、例えば人および動物(犬、猫、馬、ラット、ウサギ、マウス、人以外の霊長類)が含まれる。この患者または被験体は好適には人である。
【0030】
「組成物」には、指定材料を指定量で含んで成る製品ばかりでなく指定材料を指定量で組み合わせる結果としてもたらされる如何なる生成物も含まれる。
【0031】
「治療有効量」または「有効量」は、活性化合物もしくは薬剤が研究者、獣医、医者または他の臨床医が探求する生物学的もしくは医学的反応(治療すべき状態または疾患の症状の軽減を包含)を組織系、動物または人に引き出す量を意味する。
【0032】
本開示および請求の範囲に示すいろいろな基に関して一般的所見を3つ述べる。1番目の所見は原子価に関する。あらゆる炭化水素基に関して、これらが飽和、不飽和または芳香であるかに拘らずかつこれらが環状、直鎖または分枝であるかに拘らず、各基には本請求の範囲の文脈で示す如き種類の置換されている基そして一価、二価および多価基が含まれ、これはまたあらゆる複素環式基に関しても同様である。この文脈は、当該置換基がアルキレン、即ち水素原子が少なくとも2個取り除かれた炭化水素基(二価)または水素原子がより多い数で取り除かれた炭化水素基(多価)であることを示そうとするものである。分子の2つの部分をつなげている二価基の例は式(I)中のYであり、これは、R、RおよびRで置換されているフェニルを分子の残りにつなげている。
【0033】
2番目は、本明細書に定義する如き基または構造部分は置換されている基または構造部分を包含すると理解する。ヒドロカルビルには炭素と水素を含有する一価基、例えばアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルおよびシクロアルケニル(芳香または不飽和であるかに拘らず)ばかりでなく相当する二価(または多価)基、例えばアルキレン、アルケニレン、フェニレンなども含まれる。ヘテロカルビルには炭素と場合により水素と少なくとも1個のヘテロ原子を含有する一価および二価(または多価)基が含まれる。一価ヘテロカルビルの例にはアシル、アシルオキシ、アルコキシアシル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アロイル、ベンゾイル、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルなどが含まれる。「アルキル」を例として用いると、「アルキル」は置換基を1個以上、例えば置換基を1から5、1から3、または2から4個有する置換アルキルを包含すると理解されるべきである。このような置換基は同じ(ジヒドロキシ、ジメチル)、類似(クロロフルオロ)または異なっていてもよい(クロロベンジル−もしくはアミノメチル置換)。
置換されているアルキルの例にはハロアルキル(例えばフルオロメチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、パークロロメチル、2−ブロモエチル、トリフルオロメチルおよび3−ヨードシクロペンチル)、ヒドロキシアルキル[例えばヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、アミノアルキル(例えばアミノメチル、2−アミノエチル、3−アミノプロピルおよび2−アミノプロピル)]、ニトロアルキル、アルキルアルキルなどが含まれる。ジ(C1−6アルキル)アミノ基には、例えばメチルプロピルアミノおよびイソプロピルメチルアミノを生じるように独立して選択されたアルキル基を含有するジアルキルアミノ基に加えて、同じアルキル基を2つ有するジアルキルアミノ基、例えばジメチルアミノまたはジエチルアミノなども含まれる。
【0034】
3番目は、安定な化合物のみを意図する。例えば、NR1112基が存在しそしてRがアルケニル基であり得る場合の二重結合は、エナミンが生じないように窒素から少なくとも炭素1個分離れて位置する。同様に、−(CH−N−(CH−が不飽和であることもあり得るが、その場合には、−(CH)−N=(CH)−(CH)−または−(CH)−NH−(CH)=(CH)−として示されるように、妥当な水素原子1個または2個以上を含めるか或は省く。
【0035】
本発明の化合物を更に次の章に記述する。
B. 化合物
本発明は、この上の要約章に記述した如き式(I)で表される化合物を含有させた組成物およびそれらの使用方法を特徴とする。その例には、(a)RおよびRの中の一方がメチルまたはエチルである;(b)RおよびRの各々がメチルである;(c)RとRが一緒になってシクロブチルまたはシクロペンチルである;(d)RがHである;(e)RがHまたはC2−7アルキルである;(e)RがHまたはC2−5アルキルである;(f)Rがエチルである;(g)RがHである;(h)nが1である;(i)nが2である;(j)YがNHCHである;(k)YがNHである;(l)XがSである;(m)XがOである;(n)RおよびRの中の少なくとも一方がHである;(o)RがC1−4アルキル、ハロメトキシまたはハロチオメトキシである;(p)Rがt−ブチル、イソプロピル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロチオメトキシ、ジフルオロメトキシまたはジメチルアミノである;(q)RがHであり、RがC2−7アルキルでありそしてYがNHである;(r)RがC2−5アルキルである;(s)Rがシクロプロピルメチル、イソプロピル、イソブチル、メチルエチルアミンまたはジエチルアミノである;(t)インダンまたはテトラリン上のC−2位の所の(S)鏡像異性体;(u)インダンまたはテトラリン上のC−2位の所の(R)鏡像異性体;(v)R15がC1−7アルキル、[ジ(C1−2アルキル)アミノ](C1−6アルキレン)、(C1−3アルコキシアシル)(C1−6アルキレン)、C1−6アルコキシ、C3−7アルケニルまたはC3−8アルキニルである;(w)Rがトリフルオロメチルチオまたはトリフルオロメトキシである;または(x)前記の組み合わせである化合物が含まれる。
【0036】
好適な追加的化合物には下記が含まれる:
【0037】
【化2】

【0038】
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−1,4−ジフルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
【0039】
【化3】

【0040】
2−{4−クロロ−6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−1−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
【0041】
【化4】

【0042】
2−{3−エチル−6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
【0043】
【化5】

【0044】
3−(1−カルボキシ−1−メチル−エチルスルファニル)−7−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−カルボン酸エチルエステル、
【0045】
【化6】

【0046】
2−{6−[エチル−(4−トリフルオロメトキシフェノキシカルボニル)−アミノ]−3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−ブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチ
ルプロピオン酸、
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−トリフルオロメトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−{6−[1−エチル−3−(4−ヒドロキシフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−{6−[4−アミノフェニル)−1−エチル−ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸。
【0047】
最も好適な化合物を下記から選択する:
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−{6−[3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−{2−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−{2−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメチルスルファニルフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、および
2−メチル−2−{2−[1−プロピル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸。
関連化合物
本発明は、開示する化合物およびこの開示する化合物に密に関係した薬学的に受け入れられる形態、例えばそれの塩、エステル、アミド、酸、水化物または溶媒和形態、マスクまたは保護された形態、そしてラセミ混合物、またはエナンチオマー的または光学的に高純度の形態を提供する。関連化合物には、また、検出可能なように修飾を受けさせた本発明の化合物、例えば陽電子放出断層撮影(PET)または単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)でプローブとして用いるに適するように18Fの同位体標識を付けておいた化合物なども含まれる。
【0048】
本発明は、また、保護基でマスクされている(masked)官能基(例えばヒドロキシル、アミノまたはカルボキシル)を1つ以上有する開示した化合物も包含する。例えばGreeneおよびWuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版、(1999)John Wiley & Sons、NYを参照のこと。このようなマスクまたは保護されている化合物のいくつかは薬学的に受け入れられ、他の化合物は中間体として用いるに有用であろう。本明細書に開示する合成中間体および方法そしてこれらに若干の修飾を受けさせた中間体および方法もまた本発明の範囲内である。
ヒドロキシル保護基
ヒドロキシル基の保護にはメチルエーテル、置換メチルエーテル、置換エチルエーテル、置換ベンジルエーテルおよびシリルエーテルが含まれる。
置換メチルエーテル
置換メチルエーテルの例にはメトキシメチル、メチルチオメチル、t−ブチルチオメチル、ベンジルオキシメチル、p−メトキシベンジルオキシメチル、(4−メトキシフェノキシ)メチル、t−ブトキシメチルが含まれる。
置換エチルエーテル
置換エチルエーテルの例には1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、2,2,2−トリクロロエチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニルおよびベンジルが含まれる。
置換ベンジルエーテル
置換ベンジルエーテルの例にはp−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、ジフェニルメチルが含まれる。
エステル
エーテルに加えて、ヒドロキシル基をエステルとして保護することも可能である。エステルの例には蟻酸エステル、ベンゾイル蟻酸エステル、酢酸エステル、トリクロロ酢酸エステル、トリフルオロ酢酸エステル、メトキシ酢酸エステル、フェノキシ酢酸エステル、p−クロロフェノキシ酢酸エステル、安息香酸エステルが含まれる。
スルホネート
スルホネートの例にはスルフェート、メタンスルホネート(メシレート)、ベンジルスルホネートおよびトシレートが含まれる。
アミノ保護基
アミノ基の保護にはカルバメート、アミドおよび特殊な−NH保護基が含まれる。
【0049】
カルバメートの例にはメチルおよびエチルカルバメート、置換エチルカルバメート、補助開裂カルバメート、光分解開裂カルバメート、尿素型誘導体および雑多なカルバメートが含まれる。
カルバメート
メチルおよびエチルカルバメートの例にはメチルおよびエチル、9−フルオレニルメチルおよび4−メトキシフェナシルが含まれる。
置換エチル
置換エチルカルバメートの例には2,2,2−トリクロロエチル、2−フェニルエチル、t−ブチル、ビニル、アリル、1−イソプロピルアリル、ベンジル、p−メトキシベンジル、p−ニトロベンジル、p−ブロモベンジル、p−クロロベンジル、2,4−ジクロロベンジルおよびジフェニルメチルが含まれる。
光分解開裂
光分解開裂の例にはm−ニトロフェニル、3,5−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルおよびフェニル(o−ニトロフェニル)メチルが含まれる。
アミド
アミドの例にはN−ホルミル、N−アセチル、N−トリクロロアセチル、N−トリフルオロアセチル、N−フェニルアセチル、N−3−フェニルプロピオニル、N−ピコリノイル、N−3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイル、N−p−フェニルベンゾイルおよびフタロイルが含まれる。
カルボニル基の保護
環状アセタールおよびケタール
環状アセタールおよびケタールの例には1,3−ジオキサンおよび5−メチレン−1,3−ジオキサンが含まれる。
カルボキシル基の保護
エステル
置換メチルエステル
置換メチルエステルの例には9−フルオレニルメチル、メトキシメチル、メチルチオメチル、メトキシエトキシメチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、ベンジルオキシメチル、フェナシル、p−ブロモフェナシル、α−メチルフェナシルおよびp−メトキシフェナシルが含まれる。エステルの例にはまた直鎖もしくは分枝アルキルエステル、例えばt−ブチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよびブチルエステルなども含まれる。
置換ベンジルエステル
置換ベンジルエステルの例にはトリフェニルメチル、ジフェニルメチル、9−アントリルメチル、2,4,6−トリメチルベンジル、p−ブロモベンジル、o−ニトロベンジル
、p−ニトロベンジル、p−メトキシベンジル、2,6−ジメトキシベンジル、ピペロニル、4−ピコリルおよびp−P−ベンジルが含まれる。
シリルエステル
シリルエステルの例にはトリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、i−プロピルジメチルシリル、フェニルジメチルシリルおよびジ−t−ブチルメチルシリルが含まれる。
C. 合成方法
本発明は、開示した化合物を伝統的な有機合成方法ばかりでなくマトリックスもしくは組み合わせ合成方法に従って製造する方法を提供する。スキーム1から10に提案する合成ルートを記述する。本分野の技術者は、これらのスキーム、以下に示す指針および実施例を用いて本発明の範囲内の所定化合物に適した類似もしくは同様な方法を開発することができるであろう。
【0050】
本分野の技術者は、本明細書に開示するスキームのいずれかに記述する中間体または保護しておいた中間体化合物を購入することで本発明の化合物の合成を実施することができることを認識するであろう。本分野の技術者は、更に、本発明の化合物を製造する過程のいずれかを実施している時に関係する分子のいずれかが有する敏感もしくは反応性基を保護する必要がありそして/またはその方が望ましい可能性があることも認識するであろう。これは通常の保護基、例えば「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons、1991に記述されている保護基などを用いて達成可能である。そのような保護基は本技術分野で公知の方法を用いて便利な段階で除去可能である。
【0051】
記述する合成ルートの例には合成実施例1から57が含まれる。本実施例の目標化合物に類似した化合物も同様なルートに従って製造可能であり、多くの場合、同様なルートに従って製造した。この開示する化合物は、次の章に記述するように、基本的研究で用いるに有用でありかつ薬剤として用いるにも有用である。
一般的指針
XがSであり(そしてRがHである)式14の好適な合成をスキーム1−5に示す。
【0052】
本明細書で用いる省略形または頭文字には下記が含まれる:
AcOH(氷酢酸);DCC(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド);DCE(1,2−ジクロロエタン);DIC(塩酸2−ジメチルアミノイソプロピルクロライド);DIEA(ジイソプロピルエチルアミン);DMF(ジメチルホルムアミド);EDC(1−(3−ジメチルアミンプロピル)−3−エチルカルボジイミド);EtOAc(酢酸エチル);mCPBA(3−クロロペルオキシ安息香酸);NMI(1−メチルイミダゾール);TEA(トリエチルアミン);TFA(トリフルオロ酢酸);THF(テトラヒドロフラン);TMEDA(N,N,N’,N’−テトラメチル−エチレンジアミン)。
【0053】
【化7】

【0054】
スキーム1に従い、化合物1を化合物2に変化させることでテトラリンを製造することができる。例えばメトキシ−2−テトラロン、例えば6−メトキシ−2−テトラロンなどに酢酸アンモニウムもしくはアンモニアまたはヒドロキシルアミンなどの如き反応体を用いた処理を受けさせてもよい。相当するイミンに適切な還元剤、例えばホウ水素化ナトリウム、シアノホウ水素化ナトリウムまたはトリアセトキシホウ水素化ナトリウムなどを用
いた還元を受けさせた後、その結果として得たオキシムにパラジウムもしくは白金を用いた接触還元を極性プロトン溶媒、例えばメタノール、エタノールまたは酢酸エチルなど中で受けさせることでラセミ化合物2を得ることができる。本分野の技術者は塩酸塩の調製を容易に達成することができるであろう。
【0055】
【化8】

【0056】
スキーム2に従い、化合物3を化合物5に変化させることでインダンを製造することができる。例えばメトキシインダノン、例えば5−メトキシ−1−インダノンなどにアシル化剤、例えばブチルニトリルまたはイソアミルニトリルなどによる処理を触媒量の酸、例えば塩酸または臭化水素酸などの存在下で極性溶媒、例えばメタノールまたはエーテルなど中で受けさせることでケト−オキシム4を得る。化合物4の還元は適切な還元剤1種または2種以上、例えば水素化リチウムアルミニウム、または水素と触媒、例えばパラジウムまたは白金などを用いて適切な温度の適切な溶媒、例えば酢酸−硫酸、THFまたはメタノールなど中で達成することができる。本分野の技術者は塩を生じさせる方法の選択を容易に決定することができるであろう。
【0057】
【化9】

【0058】
スキーム3に従い、化合物2または5を化合物12に変化させることができる。例えばラセミ型塩酸アミンに塩基、例えば水素化ナトリウムまたは水素化リチウムなどによる処
理を極性非プロトン溶媒、例えばDMFまたはTHFなど中で受けさせた後、それを無水物、例えば無水フタル酸などと高温で反応させることで環状イミド6を得ることができる。式6で表されるメチルアリールエーテルから式7で表される化合物を生じさせる開裂は、ルイス酸、例えば三臭化ホウ素、三塩化ホウ素、塩化アルミニウムまたはトリメチルシリルヨージドなどを非極性非プロトン溶媒、例えばトルエン、ジクロロメタンまたはジクロロエタンなど中で用いて冷却の有り無しで達成可能である。式7で表されるフェノールから式8で表される化合物を生じさせるアシル化は、チオカルバモイルクロライド、例えばジメチルアミノチオカルバモイルクロライドまたはジエチルチオカルバモイルクロライドなどおよび非反応性第三級アミン、例えばトリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エンまたは1,4−ジアザビシクロ[2.2.2.]オクタンなどを非プロトン溶媒、例えばジクロロメタン、DMFまたはTHFなど中で用いて冷却の有り無しで達成可能である。式8で表される化合物に熱による転位を180℃から350℃の温度で溶融物として混ぜ物無しにか或は高沸点溶媒、例えばDOWTHERM(商標)A[例えばFluka Chemical Corp.(ミルウォーキー、WI、米国)などが販売しているビフェニルとビフェニルエーテルの混合物]、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルエーテルまたはデカリンなどを用いて受けさせることで式9で表される化合物を生じさせることができる。式10で表される化合物の調製は、式9で表される化合物に適切な求核剤、例えばヒドラジン、硫化二ナトリウムまたはメチルアミンなどによる処理を高温の適切な極性溶媒、例えばエタノールまたはTHFなど中で受けさせることで実施可能である。式10で表される化合物から式11で表される化合物を生じさせる変換は、適切な反応体、例えば水酸化カリウムなどをアルコール系溶媒、例えばエタノールまたはメタノールなど中で用いるか或は水素化リチウムアルミニウムをTHFまたはエーテルなど中で用いた後に適切に置換されているアルキルハライド、例えば2−ブロモイソ酪酸t−ブチル、ブロモ酢酸エチルまたは2−ブロモ酪酸エチルなどおよび還元剤、例えばホウ水素化リチウムまたはホウ水素化ナトリウムなどを用いたアルキル置換を行うことで達成可能である。式11で表される化合物にカルボン酸または酸クロライドおよび適切な還元剤、例えばボラン−THFまたはボラン−ジメチルスルフィドなどを用いた置換を非プロトン溶媒、例えばTHF、ジクロロメタンまたはヘキサンなどを用いて受けさせることで式12で表される化合物を生じさせることができる。別法として、アルデヒドおよび還元剤、例えばシアノホウ水素化ナトリウムまたはトリアセトキシホウ水素化ナトリウムなどを適切な非プロトン溶媒、例えばTHF、ジクロロメタンまたはジクロロエタンなど中で用いて置換を達成することも可能である。
【0059】
【化10】

【0060】
スキーム4に従い、式13で表される化合物の調製は、式12で表される化合物の第二
級アミンにアリール酢酸によるアシル化を塩化チオニルまたは塩化オクザリルを用いて混ぜ物無しでか或はトルエンまたはジクロロメタン中で触媒量のDMFの有り無しで受けさせることで実施可能である。別法として、標準的なペプチド条件、例えばEDC、DCCまたはDICをジクロロメタン中で用いることなどで連成を達成することも可能である。Y=NHまたはOの時には、それぞれ、アリールイソシアネートまたはクロロ蟻酸アリールを非極性非プロトン溶媒、例えばTHF、ジクロロメタンまたはヘキサンなど中で用いることで式13で表される化合物を生じさせることができる。本分野の技術者は式14で表される化合物が得られるように脱保護方法の選択を容易に決定することができるであろう。
【0061】
【化11】

【0062】
式15で表される化合物を生じさせる目的でスキーム5に描写したようにして、式11で表される化合物の第一級アミンにアシル化を受けさせることで式16で表される化合物を同様に調製することができる。本分野の技術者は式16で表される化合物が得られるように脱保護方法の選択を容易に決定することができるであろう。
【0063】
【化12】

【0064】
式18で表される化合物の調製は、スキーム6に示すように、式10で表される化合物を用いて実施可能である。例えば、式10で表される化合物に蟻酸エチルまたは蟻酸アンモニウムを用いた処理を混ぜ物無しにか或は適切な溶媒、例えばジクロロメタンまたはジクロロエタンなどの存在下で加熱の有り無しで受けさせることで式17で表される化合物を生じさせることができる。適切な反応体、例えば水素化リチウムアルミニウムなどを適切な溶媒、例えばTHFまたはエーテルなど中で用いた後に適切に置換されているアルキルハライド、例えば2−ブロモイソ酪酸t−ブチル、ブロモ酢酸エチルまたは2−ブロモ酪酸エチルなどおよび還元剤、例えばホウ水素化リチウムまたはホウ水素化ナトリウムな
どを用いたアルキル置換を行うことで、式17で表される化合物を式18で表される化合物に変化させることができる。
【0065】
【化13】

【0066】
XがOであり(そしてRがHである)式21の好適な合成をスキーム7に示す。例えば、この上に記述したようにして、式2または5で表される化合物にカルボン酸または酸クロライドによるアシル化を受けさせることで式19で表される化合物を生じさせる。式19で表されるメチルアリルエーテルから式20で表される化合物を生じさせる開裂は、ルイス酸、例えば三臭化ホウ素、三塩化ホウ素、塩化アルミニウムまたはトリメチルシリルヨージドなどを非極性非プロトン溶媒、例えばトルエン、ジクロロメタンまたはジクロロエタンなど中で用いて冷却の有り無しで達成可能である。式20で表される化合物に適切な塩基、例えば炭酸カリウム、炭酸セシウムまたは水酸化カリウムなどおよび適切に置換されているアルキルハライド、例えば2−ブロモイソ酪酸t−ブチル、ブロモ酢酸エチルまたは2−ブロモ酪酸エチルなどを用いた処理を適切な溶媒、例えばDMFまたはメタノールなど中で受けさせることで、それを式21で表される化合物に変化させることができる。
【0067】
【化14】

【0068】
式24で表される化合物の調製は、スキーム8に示すように、式22で表される化合物を用いて実施可能である。例えば、式22で表される化合物に適切な塩基、例えばブチルリチウムまたはs−ブチルリチウムなどによる処理を適切な溶媒、例えばエーテルまたはTHFなど中でTMEDAの有り無しおよび冷却の有り無しで適切な親電子剤、例えばアルキルハライド、アルデヒドまたはジスルフィドなどを用いて受けさせることで式23で表される化合物を生じさせることができる。化合物8を化合物9に変化させる目的でスキーム3に記述した様式と類似した様式で式23で表される化合物を式24で表される化合物に変化させることができる。
【0069】
【化15】

【0070】
式32で表される化合物を生じさせる別の合成の概略をスキーム9に示す。例えば、式26で表される4−メチルチオフェニル酢酸に塩化オクザリルまたは塩化チオニルによる処理をメタノールの存在下で受けさせることなどで式27で表される化合物を得る。式27で表される化合物にルイス酸、例えば塩化アルミニウムなどによる処理を塩素置換溶媒、例えばクロロホルムまたはジクロロエタンなど中でアルケン、例えばエチレンなどの存在下で受けさせることで式28で表されるテトラロンを生じさせる。スキーム1に概略を示した手順を用いて、式29で表されるテトラリンを生じさせることができる。式29で表される化合物にカルボン酸を用いた置換をこの上に概略を示した連成条件下でか或は酸クロライドを第三級アミン、例えばジイソプロピルエチルアミンまたはトリエチルアミンなどと一緒に用いた置換を適切な溶媒、例えばジクロロメタンまたはジクロロエタン中で受けさせることで、式30で表される化合物を生じさせることができる。式30で表される化合物を式31で表される化合物に変化させる時、それに酸化剤、例えばmCPBAまたは過酸化水素などを用いた変換を適切な溶媒、例えば塩化メチレンなど中で受けさせた後に式30で表される化合物に無水トリフルオロ酢酸を用いた処理を溶媒、例えばクロロホルムなどの有り無しで受けさせそして次に第三級アミン、例えばトリエチルアミンまたはトリイソプロピルエチルアミンなどによる処理を適切な溶媒、例えばメタノールなど中で受けさせることで、式31で表される化合物を生じさせることができる。別法として、式30で表される化合物が有するチオエーテルの脱保護を塩基、例えばt−ブチルナトリウムスルフィド、ナトリウム、ナトリウムメチルチオールなどを適切な溶媒、例えばDMF、N−メチル−2−ピロリドンまたはアンモニアなど中で用いて達成して式31で表される化合物を生じさせることも可能である。化合物10を化合物11に変化させる目的でスキーム3に記述した化学と類似した化学を用いて、式31で表される化合物を式32で表される化合物に容易に変化させることができる。
【0071】
【化16】

【0072】
スキーム10に従い、式22で表される化合物をR=OCHである式32aで表される化合物に容易に変化させることができる。例えば、式22で表される化合物に適切な塩基、例えばブチルリチウムまたはs−ブチルリチウムなどによる処理を適切な溶媒、例えばエーテルまたはTHFなど中でTMEDAの有り無しおよび冷却の有り無しで適切な二硫化物、例えば二硫化ジメチルまたは二硫化ジベンジルなどを用いて受けさせることで式33で表される化合物を生じさせることができる。式33で化合物からジメチルアミノチオカルバメートを除去する時、水酸化カリウムもしくはナトリウムを適切な溶媒、例えば水、メタノールまたはエタノールなど中で用いて加熱の有り無しで除去を達成して式34で表される化合物を生じさせる。式34で表される化合物にヨウ化メチル、ジメチルスルフェートまたはジアゾメタンを用いたメチル置換を適切な溶媒、例えばDMF、メタノールまたはジクロロメタンなど中で塩基、例えば炭酸セシウムまたは炭酸カリウムなどの有り無しで受けさせることで式19aで表される化合物を生じさせることができる。式30で表される化合物を式32で表される化合物に変化させる目的でスキーム9に記述した化学と類似した化学を用いて、式32aで表される化合物を式19aで表される化合物から容易に合成することができる。
ルート1
【0073】
【化17】

【0074】
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタリ−2−イルスルファニル}−2−メチル−プロピオン酸
化合物1.0(実施例1)
A. 塩酸6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イルアミン
スキーム1. 6−メトキシ−2−テトラロン(10.0g;56.7ミリモル)をMeOH(400mL)に溶解させることで生じさせた溶液に酢酸アンモニウム(65g;0.84モル)を加えた後、この反応物を室温で30分間撹拌した。次に、この反応物にシアノホウ水素化ナトリウム(17.8g;0.28モル)を加えた後、この反応物を1−2時間還流させた。この反応物を冷却し、溶媒を減圧下で除去し、その残留物をEtOAcで希釈した後、1NのHaOHを加えることで反応を消滅させた。その水相を分離した後、有機相をHOそして食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した後、溶媒を減圧下で除去することで粗残留物を得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(SiO)にかけてCHCl/MeOH:NHOH(10%)で溶離させて精製する
ことで、6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イルアミンを暗色の油として5.0g(50%)得た。表題の化合物をエーテル(100mL)に入れて0℃に冷却した溶液にHCl(気体)を溶液が飽和状態になるまで吹き込む。この懸濁液を室温で更に30分間撹拌した後、溶媒を減圧下で蒸発させる。残存する固体をエーテルと一緒にして磨り潰し、濾過し、エーテルで洗浄した後、減圧下で乾燥させることで、塩酸6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イルアミンを白色固体として4.9g得た。
LC/MS:C1115NO:m/z 178(M+1)
B. 2−(6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)イソインドール−1,3−ジオン
スキーム3. DMF(400mL)にNaHを60%(6g;0.182ミリモル)入れることで生じさせた懸濁液を0℃で撹拌しながらこれに6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イルアミン(30g;0.140モル)を分割して加える。この反応混合物を室温に温めて更に1時間撹拌する。無水フタル酸(20.7g;0.139モル)を室温で一度に加えた後の反応混合物を更に1時間に続いて120℃で18時間撹拌する。この反応物を室温に冷却し、HOで希釈した後、EtOAcで数回抽出した。その有機抽出液を一緒にして水そして食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させた後、溶媒を減圧下で除去した。その粗固体をMeOHと一緒にして磨り潰し、濾過した後、真空下で乾燥させることで、2−(6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)イソインドール−1,3−ジオンをオフホワイト(off−white)の固体として29.1g(67%)得た。
【0075】
H NMR(300MHz,CDCl):δ7.83−7.86(m,2H),7.70−7.73(m,2H),6.96−6.99(d,1H),6.67−6.72(m,2H),4.50−4.59(m,1H),3.78(s,3H),3.52−3.61(m,1H),2.95−2.98(m,2H),2.81−2.88(m,1H),2.65−2.76(m,1H),1.97−2.01(m,1H)
LC/MS:C1917NO:m/z308(M+1)
C. 2−(6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)イソインドール−1,3−ジオン
スキーム3. 2−(6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)イソインドール−1,3−ジオン(29g;94.3ミリモル)を無水CHCl(500mL)に溶解させて−60℃に冷却し、これに1.0Mの三臭化ホウ素−CHCl溶液(471mL)を反応温度が−50から−60℃の範囲に維持されるように滴下する。この滴下が終了した後の反応混合物を室温に温めて更に4時間撹拌する。この反応物を0℃に冷却し、飽和NaHCO(400mL)で反応を消滅させた後、室温で更に0.5時間撹拌する。沈澱物を濾過し、HOで徹底的に洗浄し、エーテルに入れて懸濁させ、濾過した後、真空下で乾燥させることで、2−(6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)イソインドール−1,3−ジオンをオフホワイトの固体として25.4g(92%)得た。
【0076】
H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.11(bs,1H),7.82−7.89(m,4H),6.84−6.87(d,1H),6.52−6.56(m,2H),4.29−4.37(m,1H),3.45(bs,1H),3.25−3.34(m,1H),2.73−2.84(m,3H),2.37−2.47(m,1H),1.94−1.98(m,1H)
LC/MS:C1815NO:m/z294(M+1)
D. ジメチル−チオカルバミン酸−O−[6−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]エステル
スキーム3. 2−(6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)イソインドール−1,3−ジオン(25.4g;86.5ミリモル)を無水DM
F(200mL)に溶解させて、これに1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(48.5g;4.32モル)に続いてジメチルアミノチオカルバモイルクロライド(53.4g;4.32モル)を加えた後、この溶液を室温で4時間撹拌した。この反応物を氷水(1L)の上に注いだ後、18時間撹拌する。沈澱物を濾過し、HOで洗浄した後、真空下で乾燥させた。その粗固体をフラッシュクロマトグラフィー(SiO)にかけてヘキサン−EtOAc勾配で溶離させて精製することで、ジメチル−チオカルバミン酸−O−[6−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]エステルを白色固体として30g(91%)得た。
【0077】
H NMR(300MHz,CDCl):δ7.83−7.86(m,2H),7.70−7.73(m,2H),7.07−7.10(d,1H),6.83−6.86(m,2H),4.54−4.65(m,1H),3.60−3.69(m,1H),3.46(s,3H),3.34(s,3H),2.88−3.09(m,3H),2.64−2.78(m,1H),1.97−2.01(m,1H)
LC/MS:C2120S:m/z381(M+1)
E. ジメチルチオカルバミン酸S−[6−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル]エステル
スキーム3. 50mLの丸底フラスコに還流冷却器と撹拌子を装備して前以て砂浴で330℃に加熱しておいて、これにジメチル−チオカルバミン酸−O−[6−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]エステル(5.32g;13.9ミリモル)を一度に加える。この溶融物を330℃で7−8分間撹拌した後、N流れを用いて室温に急冷する。その粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO)にかけてヘキサン−EtOAc勾配で溶離させて精製することで、ジメチルチオカルバミン酸S−[6−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル]エステルを白色固体として3.1g(58%)得る。
【0078】
H NMR(300MHz,CDCl):δ7.82−7.86(m,2H),7.72−7.75(m,2H),7.23−7.26(m,2H),7.07−7.10(d,1H),4.52−4.63(m,1H),3.61−3.70(m,1H),2.89−3.09(m,9H),2.61−2.75(m,1H),1.97−2.04(m,1H)
LC/MS:C2120S:m/z381(M+1)
F. ジメチルチオカルバミン酸S−[6−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)エステル
スキーム3. 3つ口フラスコに還流冷却器と機械的撹拌機を装備して、これにEtOH(115mL)およびジメチルチオカルバミン酸S−[6−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル]エステル(8.7g;23.5ミリモル)を仕込む。ヒドラジン(6.6mL;2.11モル)を室温で一度に加えた後、この反応物を機械的に撹拌しながら40分間還流させた。この反応物を室温に冷却し、ゼラチン状の白色固体を濾過した後、エーテルで徹底的に洗浄した。そのエーテル洗浄液を一緒にし、減圧下で蒸発させ、その粗残留物を更にエーテルと一緒にして磨り潰し、濾過した後、エーテルを減圧下で蒸発させることで、ジメチルチオカルバミン酸S−[6−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル]エステルを黄色油として6.1g(100%)得た。
【0079】
LC/MS:C1318OS:m/z 251(M+1)
G. 2−(6−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステル
スキーム3. ジメチルチオカルバミン酸S−[6−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)エステル(6.1g;24.4ミリモル)をMeOH(25mL)に溶解させて、これに室温でKOH(4.1g;73.2ミリモル)をMeOH
(25mL)に入れることで生じさせた溶液を加える。この溶液を還流下で5時間撹拌した後、室温に冷却する。この溶液に2−ブロモイソ酪酸t−ブチル(16.3g;73.2ミリモル)を加えた後、室温で16時間撹拌する。NaBH(9.2g;2.44モル)を加えた後の反応物を室温で更に48時間撹拌する。この反応をHOで消滅させ、溶媒を減圧下で蒸発させた後、その粗残留物をHOとCHClの間で分離させた。その水相をCHClで抽出し、その有機抽出液をNaSOで乾燥させ、濾過した後、減圧下で蒸発させることで、2−(6−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステルを褐色の油として4.7g(60%)得る。LC/MS:C1827NOS:m/z 266(M+1)
H. 2−(6−アセチルアミノ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステル
スキーム3. 2−(6−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステル(4.7g;14.6ミリモル)をCHCl(25mL)に溶解させて、これにDIEA(3.3mL;18.9ミリモル)を加えた後、この反応混合物を0℃に冷却する。塩化アセチル(1.25mL;17.5ミリモル)を温度が0−5℃の範囲に維持される滴下速度で滴下する。この反応物を室温に温めて16時間撹拌した。この反応物をCHClで希釈し、HOで洗浄し、NaSOで乾燥させた後、減圧下で蒸発させた。その粗油をフラッシュクロマトグラフィー(SiO)にかけてヘキサン−EtOAc勾配で溶離させて精製することで、2−(6−アセチルアミノ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステルを黄褐色の固体として1.7g(32%)得た。
【0080】
H NMR(300MHz,CDCl):δ7.23−7.26(m,2H),6.99−7.01(d,1H),5.46−5.48(m,1H),4.25−4.29(m,1H),3.08−3.15(dd,1H),2.82−2.88(m,2H),2.58−2.66(m,1H),2.01−2.04(m,1H),1.98(s,3H),1.70−1.82(m,1H),1.43(s,15H)
LC/MS:C2029NOS:m/z308(M+1)
I. 2−(6−エチルアミノ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステル
スキーム3. 2−(6−アセチルアミノ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステル(1.7g;4.64ミリモル)をTHF(42mL)に入れることで生じさせた溶液に室温で1.0Mのボラン−THF溶液(42mL)を滴下する。この反応物を室温で18時間撹拌し、MeOHを用いて注意深く反応を消滅させた後、溶媒を減圧下で蒸発させた。その残留する油を更にMeOH(3x)と一緒に共沸させることで、2−(6−エチルアミノ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステルとこれのボラン錯体の混合物を油として1.9g(100%)得た。
【0081】
LC/MS:C2031NOS・BH:m/z308((M+BH)+1)
J. 2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステル
スキーム4. 2−(6−エチルアミノ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステルとボラン錯体の混合物(1.9g;5.2ミリモル)をCHCl(15mL)に溶解させて、これに4−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネート(1.6g;7.8ミリモル)を加えた後、この反応物を室温で18時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した後、その粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO)にかけてヘキサン−EtOAc勾配で溶離させて精製することで、2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニ
ル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステルを白色の発泡体として1.66g(58%)得た。
【0082】
LC/MS:C2835S:m/z497((M−C)+1)
K. 2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
スキーム4. 2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステル(1.66g;3.0ミリモル)をCHCl(15mL)に溶解させて、これにTFA(15mL)を加えた後、この反応物を室温で1.5時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO)にかけてヘキサン−EtOAc勾配で溶離させて精製することで、2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸を白色の固体として0.643g(43%)得た。
【0083】
H NMR(300MHz,CDOD):δ7.45−7.48(m,2H),7.06−7.24(m,5H),4.44(m,1H),3.43−3.45(m,2H),2.96−3.02(m,4H),2.00−2.05(m,2H),1.41−1.46(s,6H),1.21−1.29(m,3H)
LC/MS:C2427S:m/z497(M+1)
ルート2
【0084】
【化18】

【0085】
2−{2−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物2.0(実施例2)
A. 5−メトキシインダン−1,2−ジオン−2−オキシム
スキーム2. 5−メトキシインダン−1−オン(75.8g;0.467モル)をMeOH(1.4L)に入れることで生じさせた45℃の溶液にブチルニトリル(81mL;0.693モル)を45分かけて滴下する。次に、この熱溶液に濃HCl(45mL)を20分かけて加えた後、この反応物を45℃で更に1.5−2時間撹拌した。この反応懸濁液を冷却し、沈澱物を濾過し、冷MeOHで数回洗浄した後、真空下で乾燥させることで、5−メトキシインダン−1,2−ジオン−2−オキシムをベージュ色の固体として55.8g(62%)得る。
【0086】
H NMR(300MHz,CDOD):δ7.80−7.83(m,1H),6.95(bs,2H),3.92(s,3H),3.78(s,2H),3.47(bs,1H)
LC/MS:C10NO:m/z192(M+1)
B. 塩酸5−メトキシインダン−2−イルアミン
スキーム2. 5−メトキシインダン−1,2−ジオン−2−オキシム(55.7g;0.291モル)を氷酢酸(0.99L)に入れて懸濁させて、これに濃HSO(67mL)に続いて10%Pd−C(27g)を加えた後、この反応物をParr装置に入
れて60psiのH下で18時間混合する。この反応物をNでパージ洗浄し、セライトの詰め物に通して濾過した後、AcOHで洗浄する。溶媒を減圧下で除去して体積を1/5にした後、残存する溶媒をHO(500mL)で希釈し、0℃に冷却した後、50%のNaOH水溶液で中和してpHを10にする。その水相にCHClを用いた抽出を数回の頻度で受けさせ、その抽出液を一緒にしてHOそして食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した後、減圧下で蒸発させることで粗油を77.3g(66%)得た。その油をフラッシュクロマトグラフィー(SiO)にかけて40:2.2:0.2のCHCl:MeOH:NHOHで溶離させることで暗色の油を43.8g(37%)得た。この油をエーテル(1L)に溶解させ、0℃に冷却した後、その溶液をHCl(気体)で飽和状態にする。溶媒を減圧下で除去した後、その固体をエーテルと一緒にして磨り潰し、濾過した後、エーテルで洗浄することで、塩酸5−メトキシインダン−2−イルアミンを白色の固体として43.8g(30%)得た。
【0087】
H NMR(300MHz,CDOD):δ7.08−7.11(d,1H),6.77(s,1H),6.69−6.72(d,1H),3.78−3.85(m,1H),3.77(s,3H),3.08−3.19(m,2H),2.57−2.68(m,2H),1.51(s,2H)
LC/MS:C10NO:m/z192(M+1)
融点=240−241℃
C. 2−(5−メトキシインダン−2−イル)イソインドール−1,3−ジオン
スキーム3. DMF(250mL)にNaHを60%(8g;0.240モル)入れることで生じさせた懸濁液を0℃に冷却して、これに塩酸5−メトキシインダン−2−イルアミン(40.0g;0.2モル)を加えた後、この懸濁液を室温で1時間撹拌する。無水フタル酸(30g;0.2モル)を一度に加えた後の懸濁液を室温で更に1−1.5時間撹拌した後、120℃で96時間撹拌する。この反応物を冷却した後、EtOAcで希釈する。その有機相をHOで洗浄し、結果として生じた沈澱物を濾過し、EtOAcそしてMeOHで洗浄した後、真空下で乾燥させることで、2−(5−メトキシインダン−2−イル)イソインドール−1,3−ジオンを白色の固体として25.2g(43%)得る。その有機相をHOで洗浄し、減圧下で蒸発させた後、その固体をMeOHと一緒にして磨り潰し、濾過した後、乾燥させることで、追加的に2−(5−メトキシインダン−2−イル)イソインドール−1,3−ジオンを白色の固体として19.7g(33%)得る。
【0088】
H NMR(300MHz,CDOD):δ7.83−7.87(m,2H),7.68−7.74(m,2H),7.10−7.13(d,1H),6.73−6.78(m,2H),5.08−5.21(m,1H),3.79(s,3H),3.48−3.65(m,2H),3.07−3.18(m,2H)
LC/MS:C1815NO:m/z294(M+1)
D. 2−(5−ヒドロキシインダン−2−イル)イソインドール−1,3−ジオン
スキーム3. 2−(5−メトキシインダン−2−イル)イソインドール−1,3−ジオン(19.7g;67ミリモル)を無水CHCl(350mL)に溶解させて−60℃に冷却し、これに1.0Mの三臭化ホウ素−CHCl溶液(340mL)を内部温度が−50から−60℃の範囲に維持されるような滴下速度で滴下する。この反応混合物を室温に温めて更に5時間撹拌する。この反応物を0℃に冷却し、飽和NaHCO(500mL)で反応を消滅させた後、室温で更に0.5時間撹拌する。沈澱物を濾過し、HOで洗浄し、エーテルに入れて懸濁させ、濾過した後、真空下で乾燥させることで、2−(5−ヒドロキシインダン−2−イル)イソインドール−1,3−ジオンをベージュ色の固体として14.8g(79%)得る。
【0089】
H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.16(s,1H),7.82−7.91(m,4H),6.98−7.01(d,1H),6.56−6.62(m,2H),4.91−5.03(m,1H),3.27−3.43(m,3H),2.99−3.10(m,2H)
LC/MS:C1713NO:m/z280(M+1)
F. ジメチルチオカルバミン酸O−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)インダン−5−イル]エステル
スキーム3. 2−(5−ヒドロキシインダン−2−イル)イソインドール−1,3−ジオン(31g;0.11モル)を無水DMF(400mL)に溶解させて、これに1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]−オクタン(62g;0.55モル)に続いてジメチルアミノチオカルバモイルクロライド(68g;0.55モル)を加えた後、この溶液を室温で16時間撹拌した。この反応物を氷水(1L)の上に注いだ後、18時間撹拌する。沈澱物を濾過し、HOで洗浄した後、真空下で乾燥させることでジメチルチオカルバミン酸O−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)インダン−5−イル]エステルをベージュ色の固体として41.6g(100%)得た。
【0090】
H NMR(300MHz,CDCl):δ7.82−7.87(m,2H),7.69−7.75(m,2H),7.17−7.24(d,1H),6.87−6.93(m,2H),5.13−5.25(m,1H),3.53−3.68(m,2H),3.46(s,3H),3.34(s,3H),3.09−3.23(m,2H)
G. ジメチルチオカルバミン酸S−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)インダン−5−イル]エステル
スキーム3. 50mLの丸底フラスコに還流冷却器と撹拌子を装備して前以て砂浴で330℃に加熱しておいて、これにジメチルチオカルバミン酸O−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)インダン−5−イル]エステル(6.30g;18.7ミリモル)を一度に加える。この溶融物を338℃で12分間撹拌した後、N流れを用いて室温に急冷し、その粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO)にかけてヘキサン−EtOAc勾配で溶離させて精製することで、ジメチルチオカルバミン酸S−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)インダン−5−イル]エステルをオフホワイトの固体として3.88g(61%)得る。
【0091】
H NMR(300MHz,CDCl):δ7.81−7.87(m,2H),7.69−7.74(m,2H),7.22−7.36(m,3H),5.10−5.22(m,1H),3.59−3.67(m,2H),3.06−3.23(m,9H)
LC/MS:C2018S:m/z367(M+1)
H. ジメチルチオカルバミン酸S−(2−アミノインダン−5−イル)エステル
スキーム3. 3つ口フラスコに還流冷却器と機械的撹拌機を装備して、これにEtOH(98mL)およびジメチルチオカルバミン酸S−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)インダン−5−イル]エステル(6.9g;20.6ミリモル)を仕込む。ヒドラジン(5.8mL;186ミリモル)を室温で一度に加えた後、この反応物を機械的に撹拌しながら30分間還流させた。この反応物を室温に冷却し、ゼラチン状の白色固体を濾過した後、エーテルで数回洗浄した。そのエーテル洗浄液を一緒にし、減圧下で蒸発させ、その粗残留物を更にエーテルと一緒にして磨り潰し、濾過した後、エーテルを減圧下で蒸発させることで、ジメチルチオカルバミン酸S−[2−アミノインダン−5−イル]エステルを褐色油として4.6g(95%)得た。
【0092】
H NMR(300MHz,CDCl):δ7.15−7.33(m,3H),3.80−3.88(m,1H),3.05−3.22(m,8H),2.64−2.72(m,1H),2.17(bs,2H)
LC/MS:C1216OS:m/z237(M+1)
I. 2−(2−アミノインダン−5−イルスルファニル)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステル
スキーム3. ジメチルチオカルバミン酸S−(2−アミノインダン−5−イル)エステル(4.9g;20.9ミリモル)をMeOH(60mL)に溶解させて、これに室温でKOH(11.8g;0.210モル)をMeOH(110mL)に入れることで生じさせた溶液を加える。この溶液を還流に5時間撹拌した後、室温に冷却する。この溶液に
2−ブロモイソ酪酸t−ブチル(7.0g;31.3ミリモル)を加えた後、室温で18時間撹拌する。溶媒を減圧下で蒸発させた後、その粗残留物をHOとEtOAcの間で分離させた。その水相をEtOAcで抽出し、その有機抽出液をHOそして食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した後、減圧下で蒸発させることで、2−(2−アミノインダン−5−イルスルファニル)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステルを褐色の油として4.9g(76%)得る。
【0093】
LC/MS:C1725NOS:m/z 308(M+1)
J. 2−(2−アセチルアミノインダン−5−イルスルファニル)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステル
スキーム3. 2−(2−アミノインダン−5−イルスルファニル)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステル(14.6g;47.4ミリモル)をCHCl(100mL)に溶解させて、これにTEA(8.6mL;61.7ミリモル)を加えた後、この反応混合物を0℃に冷却する。塩化アセチル(4.1mL;57.6ミリモル)を温度が0−5℃の範囲に維持される滴下速度で滴下する。この反応物を室温に温めて16時間撹拌し、CHClで希釈し、HOで洗浄し、NaSOで乾燥させた後、減圧下で蒸発させた。その粗油をフラッシュクロマトグラフィー(SiO)にかけてヘキサン−EtOAc勾配で溶離させて精製することで、2−(2−アセチルアミノインダン−5−イルスルファニル)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステルをベージュ色の固体として11.7g(71%)得た。
【0094】
H NMR(300MHz,CDCl):δ7.31−7.35(m,2H),7.15−7.18(d,1H),5.73(m,1H),4.68−4.78(m,1H),3.25−3.39(dd,2H),2.74−2.80(d,2H),1.94(s,3H),1.43(s,15H)
LC/MS:C1927NOS:m/z294(M+1)
K. 2−(2−エチルアミノインダン−5−イルスルファニル)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステル
スキーム3. 2−(2−アセチルアミノインダン−5−イルスルファニル)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステル(11.7g;33.5ミリモル)をTHF(280mL)に入れることで生じさせた溶液に、室温で、1.0Mのボラン−THF溶液(226mL)を滴下する。この反応物を室温で5時間撹拌し、0℃に冷却し、MeOH(100mL)を用いて反応を消滅させた後、減圧下で蒸発させた。その残留する油を更にMeOH(3x)と一緒に共沸させることで、2−(2−エチルアミノインダン−5−イルスルファニル)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステルとこれのボラン錯体の混合物を油として11g(100%)得た。
【0095】
LC/MS:C1929NOS・BH:m/z336((M+BH)+1)
L. 2−{2−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステル
スキーム4. 2−(2−エチルアミノインダン−5−イルスルファニル)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステルとボラン錯体の混合物(11.0g;33ミリモル)をCHCl(100mL)に溶解させて、これに4−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネート(10.2g;50.2ミリモル)を加えた後、この反応物を室温で18時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した後、その粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO)にかけてヘキサン−EtOAc勾配で溶離させて精製することで、2−{2−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステルを白色の発泡体として11.2g(62%)得た。
【0096】
H NMR(300MHz,CDCl):δ7.30−7.36(m,4H),7.10−7.19(m,3H),6.31(s,1H),4.97−5.08(m,1H),3.22−3.39(m,4H),3.01−3.09(dd,2H),1.42−1.44(m,15H),1.23−1.28(t,3H)
LC/MS:C2733S:m/z483((M−C)+1)
M. 2−{2−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
スキーム4. 2−{2−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステル(4.8g;8.91ミリモル)をCHCl(15mL)に溶解させて、これにTFA(15mL)を加えた後、この反応物を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO)にかけてヘキサン−EtOAc勾配で溶離させて精製することで、2−{2−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸を白色の固体として3.13g(73%)得た。
【0097】
H NMR(300MHz,CDCl):δ7.29−7.35(m,4H),7.15−7.17(d,1H),7.08−7.11(d,2H),6.45(s,1H),4.94−5.04(m,1H),3.18−3.36(m,4H),2.98−3.07(m,2H),1.48(s,6H),1.19−1.28(t,3H)
LC/MS:C2325S:m/z483(M+1)
融点=73−77℃
スキーム3および4そしてルート2の段階J、K、LおよびMに従い、必要に応じて反応体を置き換えかつ反応条件を調整することで、下記の14種類の化合物を調製した:
(S)−2−{2−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物2.1(実施例3)
【0098】
【化19】

【0099】
ルート2の中間体L(11g)にキラルクロマトグラフィー(Chiralpak ADカラム;ヘキサン/メタノール/エタノール:92/4/4の定組成勾配)を用いた分割を受けさせることで(S)中間体L(4.8g)を得た。ルート2の段階Mを用いて化合物2.1(3.1g)を調製した。
【0100】
LC/MS:C2325S:m/z483(M+1)
2−{2−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメチルスルファニルフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物2.2(実施例4)
【0101】
【化20】

【0102】
ルート2に従い、4−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネートの代わりに4−トリフルオロチオメトキシイソシアネートを用いて、化合物2.2(0.33g;2段階で57%;白色固体)を調製した。
【0103】
H NMR(CDOD):δ1.16−1.20(t,3H),1.38(s,6H),3.09−3.23(m,4H),3.37−3.44(q,2H),4.95−5.06(m,1H),7.14−7.17(m,1H),7.32−7.35(m,1H),7.40
(s,1H),7.55(s,4H)
LC/MS:C2325:m/z499(M+1)
2−メチル−2−{2−[1−ペンチル−3−(4−トリフルオロメチルスルファニルフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸
化合物2.3(実施例5)
【0104】
【化21】

【0105】
ルート2に従い、化合物2.2を用い、塩化アセチルの代わりに塩化バレリルを用いることで、化合物2.3(0.22g;2段階で32%;白色固体)を調製した。
【0106】
H NMR(CDOD):δ0.844−0.890(t,3H),1.20−1.31(m,4H),1.39(s,6H),1.45−1.58(m,2H),3.07−3.22(m,6H),4.89−4.99(m,1H),7.15−7.18(m,1H),7.33−7.35(m,2H),7.33−7.35(m,1H),7.40(s,1H),7.50−7.57(m,4H)
LC/MS:C2631:m/z541(M+1)
2−{2−[1−エチル−3−(4−イソプロピルフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物2.4(実施例6)
【0107】
【化22】

【0108】
ルート2に従い、4−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネートの代わりに4−イソプロピルフェニルイソシアネートを用いて、化合物2.4(0.18g;2段階で34%;白色固体)を調製した。
【0109】
H NMR(CDOD):δ1.16−1.23(m,9H),1.38(a,6H),2.82−2.87(m,1H),3.10−3.21(m,4H),3.37−3.39(m,2H),4.99−5.04(m,1H),7.14−7.17(m,3H),7.23−7.26(m,2H),7.32−7.50(m,2H),7.40(s,1H)
LC/MS:C2532S:m/z441(M+1)
2−{2−[3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−エチルウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物2.5(実施例7)
【0110】
【化23】

【0111】
ルート2に従い、4−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネートの代わりに4−ジメチルアミノフェニルイソシアネートを用いて、化合物2.5(0.34g;2段階で66%;白色固体)を調製した。
【0112】
H NMR(CDOD):δ1.15−1.20(t,3H),1.42(s,6H),2.88(s,1H),3.05−3.69(m,4H),3.31−3.69(m,2H),4.94−5.06(m,1H),6.78−6.81(m,2H),7.16−7.21(m,3H),7.29−7.41(m,2H)
LC/MS:C2431S:m/z442(M+1)
2−メチル−2−{2−[1−ペンチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物2.6(実施例8)
【0113】
【化24】

【0114】
ルート2に従い、塩化アセチルの代わりに塩化バレリルを用いることで、化合物2.6(0.29g;2段階で77%;白色固体)を調製した。
【0115】
H NMR(CDOD):δ0.847−0.893(t,3H),1.20−1.29(m,4H),1.39(s,6H),1.58−1.60(m,2H),3.04−3.29(m,6H),4.89−4.99(m,1H),7.14−7.17(m,3H),7.32−7.34(m,1H),7.40−7.45(m,3H)
LC/MS:C2631S:m/z525(M+1)
2−{2−[3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−ペンチルウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物2.7(実施例9)
【0116】
【化25】

【0117】
ルート2に従い、化合物2.5を用い、塩化アセチルの代わりに塩化バレリルを用いることで、化合物2.7(0.25g;2段階で36%;白色固体)を調製した。
【0118】
H NMR(CDOD):δ0.869−0.915(t,3H),1.17−1.31(m,4H),1.44(s,6H),1.57−1.65(m,2H),2.91(s,6H),3.12−3.29(m,6H),4.94−5.02(m,1H),6.80−6.83(d,2H),7.17−7.23(m,3H),7.32−7.38(m,2H)
LC/MS:C2737S:m/z484(M+1)
2−{2−[3−(4−イソプロピルフェニル)−1−(3−ペンチル)ウレイド]イン
ダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物2.8(実施例10)
【0119】
【化26】

【0120】
ルート2に従い、化合物2.4を用い、塩化アセチルの代わりに塩化バレリルを用いることで、化合物2.8(5mg;2段階で14%;白色固体)を調製した。
【0121】
LC/MS:C2838S:m/z483(M+1)
2−{2−[3−(4−t−ブチルフェニル)−1−(3−ペンチル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物2.9(実施例11)
【0122】
【化27】

【0123】
ルート2に従い、化合物2.3を用い、4−トリフルオロチオフェニルイソシアネートの代わりに4−t−ブチルフェニルイソシアネートを用いることで、化合物2.9(4mg;2段階で9%;白色固体)を調製した。
【0124】
LC/MS:C2940S:m/z497(M+1)
2−[2−(3−(ビフェニル−4−イル−1−ペンチルウレイド)インダン−5−イルスルファニル]−2−メチルプロピオン酸
化合物2.10(実施例12)
【0125】
【化28】

【0126】
ルート2に従い、化合物2.3を用い、4−トリフルオロチオフェニルイソシアネートの代わりに4−ビフェニリルイソシアネートを用いることで、化合物2.10(3mg;2段階で7%;白色固体)を調製した。
【0127】
LC/MS:C3136S:m/z517(M+1)
2−{2−[3−(4−イソプロピルフェニル)−1−(3−ヘキシル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物2.11(実施例13)
【0128】
【化29】

【0129】
ルート2に従い、化合物2.4を用い、塩化バレリルの代わりに塩化カプロイルを用いることで、化合物2.11(13mg;2段階で44%;油)を調製した。
【0130】
LC/MS:C2940S:m/z497(M+1)
2−メチル−2−{2−[1−ヘキシル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸
化合物2.12(実施例14)
【0131】
【化30】

【0132】
ルート2に従い、塩化バレリルの代わりに塩化カプロイルを用いることで、化合物2.12(18mg;2段階で54%;白色固体)を調製した。
【0133】
LC/MS:C2733S:m/z539(M+1)
2−メチル−2−{2−[1−ヘキシル−3−(4−トリフルオロメチルスルファニルフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸
化合物2.13(実施例15)
【0134】
【化31】

【0135】
ルート2に従い、化合物2.2を用い、塩化バレリルの代わりに塩化カプロイルを用いることで、化合物2.13(14mg;2段階で36%;白色固体)を調製した。
【0136】
LC/MS:C2733:m/z555(M+1)
2−メチル−2−{2−[1−プロピル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸
化合物2.14(実施例16)
【0137】
【化32】

【0138】
ルート2に従い、塩化アセチルの代わりに塩化プロピオニルを用いることで、化合物2.14(1.2mg;2段階で3%;油)を調製した。
【0139】
LC/MS:C2427S:m/z497(M+1)
2−メチル−2−{2−[1−ブチル−3−(4−トリフルオロメチルスルファニルフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸
化合物2.15(実施例17)
【0140】
【化33】

【0141】
ルート2に従い、化合物2.2を用い、塩化アセチルの代わりに塩化ブチリルを用いる
ことで、化合物2.15(11mg;2段階で32%;油)を調製した。
【0142】
LC/MS:C2529:m/z527(M+1)
2−メチル−2−{2−[3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸
化合物2.16(実施例18)
【0143】
【化34】

【0144】
ルート2に従い、4−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネートによるアシル化を行うことで、化合物2.16(11mg;2段階で49%;油)を調製した。
【0145】
LC/MS:C2121S:m/z455(M+1)
ルート3
2−メチル−2−{2−[1−ペンテ−4−エニル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸
化合物3.0(実施例19)
【0146】
【化35】

【0147】
2−(2−アミノインダン−5−イルスルファニル)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステル(0.220g;0.72ミリモル)をDCE(4mL)に溶解させて、これにペンテ−4−エナール(0.060mg;0.72ミリモル)に続いてトリアセトキシホウ水素化ナトリウム(0.21g;1.0ミリモル)を加えた後、この反応混合物を室温で18時間撹拌する。この反応混合物をCHClで希釈し、HOそして食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した後、溶媒を減圧下で蒸発させることで、2−メチル−2−(2−ペンテ−4−エニルアミノインダン−5−イルスルファニル)プロピオン酸t−ブチルエステルを粗油として得た。
【0148】
ルート2そして段階LおよびMに従い、4−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネートを用いたアシル化を行うことで、化合物3.0(0.149mg;3段階で40%;白色固体)を調製した。
【0149】
LC/MS:C2629S:m/z522(M+1)
スキーム3および4、ルート3、ルート2の段階LおよびMに従い、必要に応じて反応体を置き換えかつ反応条件を調整することで、下記の2種類の化合物を調製した:
2−メチル−2−{2−[1−(3−メチルブチル)−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物3.1(実施例20)
【0150】
【化36】

【0151】
ルート3に従い、ペンテ−4−エナールの代わりにイソブチルアルデヒドを用いそして4−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネートを用いたアシル化を行うことで、化合物3.1(13mg;3段階で29%;白色固体)を調製した。
【0152】
LC/MS:C2631S:m/z525(M+1)
2−{2−[3−(4−イソプロピルフェニル)−1−(3−メチルブチル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物3.2(実施例21)
【0153】
【化37】

【0154】
ルート3に従い、化合物3.1を用い、4−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネートの代わりに4−イソプロピルフェニルイソシアネートを用いることで、化合物3.2(11mg;3段階で27%;白色固体)を調製した。
【0155】
H NMR(CDOD):δ0.877−0.895(dd,6H),1.19−1.22(dd,6H),1.42−1.53(m,9H),2.80−2.89(m,1H),2.99−3.08(m,2H),3.17−3.48(m,4H),4.98−5.03(m,1H),6.26(s,1H),7.10−7.22(m,5H),7.32−7.35(m,2H)
LC/MS:C2838S:m/z483(M+1)
スキーム1および3そしてルート1の段階JおよびKに従い、必要に応じて反応体を置き換えかつ反応条件を調整することで、下記の3種類の化合物を調製した:
2−{6−[1−ブチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物1.1(実施例22)
【0156】
【化38】

【0157】
ルート1に従い、塩化アセチルの代わりに塩化ブチリルを用いることで、化合物1.1(41mg;2段階で68%;白色固体)を調製した。
【0158】
LC/MS:C2631S:m/z525(M+1)
2−{6−[1−ブチル−3−(4−トリフルオロメチルスルファニルフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物1.2(実施例23)
【0159】
【化39】

【0160】
ルート1に従い、化合物1.1を用い、塩化アセチルの代わりに塩化ブチリルを用いかつ4−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネートの代わりに4−トリフルオロチオフェニルイソシアネートを用いることで、化合物1.2(23mg;2段階で34%;白色固体)を調製した。
【0161】
LC/MS:C2631:m/z541(M+1)
2−{6−[1−ヘキシル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物1.3(実施例24)
【0162】
【化40】

【0163】
ルート1に従い、塩化アセチルの代わりに塩化カプロイルを用いることで、化合物1.3(36mg;2段階で57%;白色固体)を調製した。
【0164】
LC/MS:C2835S:m/z553(M+1)
スキーム3および4そしてルート2の段階LおよびMに従い、必要に応じて反応体を置き換えかつ反応条件を調整することで、下記の2種類の化合物を調製した:
2−{2−[3−(3−ブロモ−4−トリフルオロメトキシフェニル)−1−エチルウレ
イド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物2.17(実施例25)
【0165】
【化41】

【0166】
ルート2に従い、4−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネートの代わりに3−ブロモ−4−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネートを用いることで、化合物2.17(0.018g;3段階で19%;白色固体)を調製した。3−ブロモ−4−トリフルオロメトキシアニリン(0.214g;0.836ミリモル)をTHF(1mL)に入れて、これにジ−t−ブチルジカーボネート(0.255g;1.17ミリモル)に続いて4−ジメチルアミノピリジン(0.102g;0.835ミリモル)を加える。泡立ちが静まった後(30分)、2−(2−エチルアミノインダン−5−イルスルファニル)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステル(0.058g;0.167ミリモル)をTHF(1mL)に入れることで生じさせた溶液を加えた後、この反応混合物を室温で18時間撹拌する。
【0167】
ルート2の段階KおよびLを用いて表題の化合物を調製した。
【0168】
LC/MS:C2324BrFS:m/z563(M+1)
2−{2−[1−エチル−3−(3−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物2.18(実施例26)
【0169】
【化42】

【0170】
実施例2.0に従い、4−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネートの代わりに3−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネートを用いることで、化合物2.18(13mg;3段階で12%;白色固体)を調製した。カルボニルジイミダゾール(0.454g;2.8ミリモル)をTHF(2mL)に入れることで生じさせた溶液を50℃に加熱して、これに3−トリフルオロメトキシアニリン(0.522g;2.94ミリモル)を滴下する。15分後の反応物を冷却した後、2−(2−エチルアミノインダン−5−イルスルファニル)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステル(0.077g;0.22ミリモル)をTHF(1mL)に入れることで生じさせた溶液に加える。
【0171】
LC/MS:C2325S:m/z483(M+1)
2−{2−[3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−メチルウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物2.19(実施例27)
【0172】
【化43】

【0173】
A. ジメチルチオカルバミン酸S−(2−ホルミルアミノ−インダン−5−イル)エステル
スキーム6. ジメチルチオカルバミン酸−S−[2−アミノインダン−5−イル]エステル(2.0g;8.46ミリモル)をCHCl(10mL)に入れて、これに蟻酸エチル(50mL)を加えた後、この反応物を55℃に24時間加熱する。この反応物を冷却し、溶媒を減圧下で除去した後、その粗油をフラッシュクロマトグラフィー(SiO)にかけて酢酸エチル−メタノール勾配で溶離させて精製することで、ジメチルチオカルバミン酸S−(2−ホルミルアミノインダン−5−イル)エステルを白色固体として0.77g(35%)得る。
【0174】
LC/MS:C1316:m/z264(M+1)
B. 2−メチル−2−(2−メチルアミノインダン−5−イルスルファニル)−プロピオン酸t−ブチルエステル
スキーム6. ジメチルチオカルバミン酸S−(2−ホルミルアミノインダン−5−イル)エステル(0.772g;2.9ミリモル)をTHF(9mL)に入れて、これにN下で1.0Mの水素化リチウムアルミニウム溶液(9mL)を0℃で加える。この反応物を室温に温めた後、還流下で24時間撹拌する。この反応物を0℃に冷却し、HOで反応を消滅させた後、溶媒を減圧下で除去した。その残留物をMeOH(4mL)に溶解させて、これにCsCO(0.304g;0.93ミリモル)、2−ブロモイソ酪酸t−ブチル(0.311mL;1.39ミリモル)およびNaBH(2.0g;52.8ミリモル)を加える。この反応混合物を18時間撹拌し、溶媒を減圧下で除去した後、その残留物をEtOAcとHOの間で分離させた。層分離を起こさせ、その水相をEtOAcで抽出し、その有機抽出液を一緒にし、食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した後、減圧下で蒸発させた。その粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO)にかけてCHCl−MeOH勾配で溶離させて精製することで、2−メチル−2−(2−メチルアミノインダン−5−イルスルファニル)−プロピオン酸t−ブチルエステルを油として0.186g(20%)得た。
【0175】
LC/MS:C1827NOS:m/z321(M+1)
ルート2そして段階LおよびMに従い、4−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネートの代わりに4−ジメチルアミノフェニルイソシアネートを用いることで、化合物2.19(44mg;2段階で65%;白色固体)を調製した。
【0176】
LC/MS:C2329S:m/z428(M+1)
2−{2−[1−(3−シクロペンチルプロピル)−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物2.20(実施例28)
【0177】
【化44】

【0178】
ルート2に従い、塩化アセチルの代わりに塩化3−シクロペンチルプロピオニルを用いることで、化合物2.20(39mg;2段階で49%;白色固体)を調製した。
【0179】
LC/MS:C2935S:m/z565(M+1)
2−[2−(3−インダン−5−イル−1−ペンチルウレイド)インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物2.21(実施例29)
【0180】
【化45】

【0181】
ルート2に従い、化合物2.3を用い、塩化アセチルの代わりに塩化バレリルを用いかつ4−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネートの代わりにインダニルイソシアネートを用いることで、化合物2.21(9.3mg;2段階で24%;白色固体)を調製した。
【0182】
LC/MS:C2836S:m/z481(M+1)
2−メチル−2−{2−[3−(4−メチル−3−ニトロフェニル)−1−ペンチルウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸
化合物2.22(実施例30)
【0183】
【化46】

【0184】
ルート2に従い、化合物2.3を用い、4−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネートの代わりに4−メチル−3−ニトロフェニルイソシアネートを用いることで、化合物
2.22(5.0mg;2段階で12%;白色固体)を調製した。
【0185】
LC/MS:C2633S:m/z500(M+1)
2−メチル−2−{2−[1−ナフタレン−イルメチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−プロピオン酸
化合物3.4(実施例31)
【0186】
【化47】

【0187】
ルート3に従い、ペンテ−4−エナールの代わりに1−ナフタルデヒドを用いることで、化合物3.4(2.9mg;2段階で4%;白色固体)を調製した。
【0188】
LC/MS:C3229S:m/z595(M+1)
2−{2−[3−(4−メトキシフェニル)−1−プロピルウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物2.23(実施例32)
【0189】
【化48】

【0190】
ルート2に従い、化合物2.14を用い、4−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネートの代わりに4−メトキシフェニルイソシアネートを用いることで、化合物2.23(21mg;2段階で64%;白色固体)を調製した。
【0191】
LC/MS:C2427S:m/z443(M+1)
2−{2−[3−(3,5−ジメチルフェニル)−1−プロピルウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物2.24(実施例33)
【0192】
【化49】

【0193】
ルート2に従い、化合物2.14を用い、4−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネートの代わりに3,5−ジメチルフェニルイソシアネートを用いることで、化合物2.24(19mg;2段階で57%;白色固体)を調製した。
【0194】
LC/MS:C2532S:m/z441(M+1)
2−{2−[1−(2−メトキシエチル)−3−(4−トリフルオロメチルスルファニルフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物2.25(実施例34)
【0195】
【化50】

【0196】
ルート2に従い、化合物2.2を用い、塩化アセチルの代わりに塩化メトキシアセチルを用いて、化合物2.25(7.0mg;2段階で16%;油)を調製した。
【0197】
LC/MS:C2427:m/z529(M+1)
2−メチル−2−{2−[1−プロピル−3−(4−トリフルオロメチルフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸
化合物2.26(実施例35)
【0198】
【化51】

【0199】
ルート2に従い、化合物2.14を用い、4−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネートの代わりに4−トリフルオロメチルフェニルイソシアネートを用いることで、化合物2.26(20mg;2段階で56%;白色固体)を調製した。
【0200】
LC/MS:C2427:m/z481(M+1)
2−メチル−2−{2−[1−(4,4,4−トリフルオロブチル)−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸
化合物2.27(実施例36)
【0201】
【化52】

【0202】
ルート2に従い、化合物2.0を用い、塩化アセチルの代わりに塩化トリフルオロメチルブチリルを用いることで、化合物2.27(10mg;2段階で26%;油)を調製した。
【0203】
LC/MS:C2526S:m/z564(M+1)
2−{2−[1−(3−シクロペンチルプロピル)−3−フェニルウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物2.28(実施例37)
【0204】
【化53】

【0205】
ルート2に従い、化合物2.0を用い、塩化アセチルの代わりに塩化シクロペンチルプロピオニルを用いかつ4−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネートの代わりにフェニルイソシアネートを用いることで、化合物2.28(38mg;2段階で56%;油)を調製した。
【0206】
LC/MS:C2836S:m/z481(M+1)
6−[1−[5−(1−カルボキシ−1−メチルエチルスルファニル)インダン−2−イル]−3−(4−イソプロピルフェニル)−ウレイド]ヘキサン酸メチルエステル
化合物2.29(実施例38)
【0207】
【化54】

【0208】
ルート2に従い、化合物2.4を用い、塩化アセチルの代わりに5−クロロカルボニルペンタン酸メチルエステルを用いることで、化合物2.29(12mg;2段階で38%;白色固体)を調製した。
【0209】
LC/MS:C3040S:m/z541(M+1)
2−メチル−2−[2−(3−ナフタレン−2−イル−1−ペンチルウレイド)インダン−5−イルスルファニル]プロピオン酸
化合物2.30(実施例39)
【0210】
【化55】

【0211】
ルート2に従い、化合物2.3を用い、4−トリフルオロチオメトキシフェニルイソシアネートの代わりに2−ナフチルイソシアネートを用いることで、化合物2.30(15mg;2段階で39%;白色固体)を調製した。
【0212】
LC/MS:C2934S:m/z491(M+1)
2−{2−[1−シクロヘキシルメチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物2.31(実施例40)
【0213】
【化56】

【0214】
ルート2に従い、化合物2.0を用い、塩化アセチルの代わりに塩化シクロヘキシルアセチルを用いることで、化合物2.31(15mg;2段階で25%;白色固体)を調製した。
【0215】
LC/MS:C2833S:m/z551(M+1)
2−{2−[1−イソブチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物3.5(実施例41)
【0216】
【化57】

【0217】
ルート3に従い、化合物3.0を用い、ペンテ−5−エナールの代わりに2−メチルプロピオンアルデヒドを用いることで、化合物3.5(10mg;2段階で12%;油)を調製した。
【0218】
LC/MS:C2529S:m/z511(M+1)
2−{2−[3−(3,4−ジクロロフェニル)−1−ヘプチルウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物2.32(実施例42)
【0219】
【化58】

【0220】
ルート2に従い、化合物2.0を用い、塩化アセチルの代わりに塩化ヘプタノイルを用いかつ4−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネートの代わりに3,4−ジクロロフェニルイソシアネートを用いることで、化合物2.32(6.7mg;2段階で12%;油)を調製した。
【0221】
LC/MS:C2734ClS:m/z538(M+1)
2−{2−[1−(2−ジメチルアミノエチル)−3−(4−トリフルオロメチルスルファニルフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物2.33(実施例43)
【0222】
【化59】

【0223】
ルート2に従い、化合物2.2を用い、塩化アセチルの代わりに塩化ジメチルアミノアセチルを用いかつ4−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネートの代わりに4−トリフルオロメチルチオフェニルイソシアネートを用いることで、化合物2.33(1.9mg;2段階で4%;油)を調製した。
【0224】
LC/MS:C2530:m/z542(M+1)
2−{2−[3−(3−クロロフェニル)−1−ヘプチルウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物2.34(実施例44)
【0225】
【化60】

【0226】
ルート2に従い、化合物2.32を用い、4−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネートの代わりに3−クロロフェニルイソシアネートを用いることで、化合物2.34(7.4mg;2段階で14%;白色固体)を調製した。
【0227】
LC/MS:C2735ClNS:m/z542(M+1)
1−{2−[1−ヘプチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−シクロブタンカルボン酸
化合物2.35(実施例45)
【0228】
【化61】

【0229】
ルート2に従い、化合物2.32を用い、2−ブロモイソ酪酸t−ブチルの代わりに1−ブロモシクロブタンカルボン酸エチルを用いることで、化合物2.35(1.0mg;2段階で1.3%;白色固体)を調製した。
【0230】
LC/MS:C2935S:m/z565(M+1)
2−メチル−2−{7−[1−プロピル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}プロピオン酸
化合物1.4(実施例46)
【0231】
【化62】

【0232】
ルート1に従い、化合物1.0を用い、塩化アセチルの代わりに塩化プロピオニルを用いることで、化合物1.4(53mg;2段階で25%;油)を調製した。
【0233】
LC/MS:C2529S:m/z511(M+1)
スキーム10および4、ルート1の段階I、JおよびKに従い、必要に応じて反応体を置き換えかつ反応条件を調整することで、下記の2種類の化合物を調製することができる:
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物1.5(実施例47)
【0234】
【化63】

【0235】
ルート1、段階I、JおよびKそしてスキーム4および10に従って化合物1.5(9.8mg;油)を調製することができる。
【0236】
H NMR(300MHz,CDOD):δ7.45−7.48(d,2H),7.15−7.18(m,3H),6.71(s,1H),4.43−4.79(m,1H),3.75(s,3H),3.43−3.45(m,2H),2.88−3.08(m,4H),1.99−2.03(m,2H),1.38(s,6H),1.25−1.52(t,3H)
LC/MS:C2529S:m/z527(M+1)
ルート4
【0237】
【化64】

【0238】
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルオキシ}−2−メチルプロピオン酸
化合物4.0(実施例48)
A. N−(6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)アセトアミド
スキーム7. 6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イルアミン(2.54g;14.3ミリモル)をCHCl(20mL)に入れることで生じさせた懸濁液を撹拌しながらこれにDIEA(3.4mL)を加えた後、この反応混合物を0℃に冷却した。0℃で塩化アセチル(1.22mL;17.1ミリモル)を滴下した後の反応物を室温に温めて18時間撹拌する。この反応混合物をCHClで希釈し、HOで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した後、溶媒を減圧下で除去することで粗固体を得た。それをフラッシュクロマトグラフィー(SiO)にかけてヘキサン−EtOAcで溶離させて精製することでN−(6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)アセトアミドを白色固体として1.57g(50%)得る。
【0239】
LC/MS:C1317NO:m/z220(M+1)
B. N−(6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)アセトアミド
スキーム7. N−(6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)アセトアミド(1.57g;7.2ミリモル)をCHCl(70mL)に入れることで生じさせた懸濁液を−60℃に冷却して、これに三臭化ホウ素−CHCl
液(36mL)を反応温度が−50から−60℃の範囲に維持されるように滴下する。このゼラチン状懸濁液を室温に温めて30分間撹拌する。この反応物を0℃に冷却し、飽和NaHCOで反応を消滅させた後、室温で30分間撹拌する。この混合物をCHCl(2X)で抽出し、その抽出液を一緒にし、NaSOで乾燥させ、濾過した後、減圧下で蒸発させることで粗固体を得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(SiO)にかけてCHCl−MeOH勾配で溶離させて精製することでN−(6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)アセトアミドをベージュ色の固体として1.13g(76%)得た。
【0240】
LC/MS:C1215NO:m/z206(M+1)
C. 2−(6−アセチルアミノ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルオキシ)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステル
スキーム7. N−(6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)アセトアミド(0.439g;2.1ミリモル)をDMF(6mL)に入れることで生じさせた懸濁液にCsCO(1.7g;5.2ミリモル)および2−ブロモイソ酪酸t−ブチル(2.1mL;9.4ミリモル)を加えた後、この反応混合物を100℃で18時間撹拌した。この反応物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、HOそして食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した後、溶媒を減圧下で蒸発させることで粗油を得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(SiO)にかけてヘキサン−EtOAc勾配で溶離させて精製することで2−(6−アセチルアミノ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルオキシ)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステルを油として0.51g(69%)得る。
【0241】
H NMR(300MHz,CDCl):δ6.89−6.92(d,1H),6.58−6.65(m,2H),5.85−5.88(m,1H),4.24−4.30(m,1H),2.99−3.06(dd,1H),2.76−2.86(m,2H),2.51−2.59(dd,1H),2.04(s,2H),1.98−2.02(m,1H),1.74−1.79(m,1H),1.54(s,6H),1.46(s,9H)
LC/MS:C2029NO:m/z292(M+1)
スキーム3および4そしてルート1の段階I、JおよびKに従い、必要に応じて反応体を置き換えかつ反応条件を調整することで、下記の化合物を調製した:
ルート1に従い、化合物1.0を用いて、化合物4.0(0.0168g;2段階で23%;油)を調製した。
【0242】
LC/MS:C2427:m/z481(M+1)
2−{6−[3−(4−t−ブチルフェニル)1−エチルウレイド]−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物1.6(実施例49)
【0243】
【化65】

【0244】
ルート1、段階I、JおよびKそしてスキーム4および10を用い、4−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネートの代わりに4−t−ブチルフェニルイソシアネートを用いることで、化合物1.6(10mg;油)を調製することができる。
【0245】
LC/MS:C2838S:m/z499(M+1)
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物1.7(実施例50)
【0246】
【化66】

【0247】
ルート1、段階I、JおよびKそしてスキーム4および10に従って、化合物1.7(16mg;2段階後に30%;白色固体)を調製することができる。
【0248】
H NMR(300MHz,CDCl):δ7.46−7.51(m,2H),7.25−7.28(d,1H),7.17−7.20(d,2H),6.92−6.95(d,1H),4.43(m,1H),3.42−3.49(m,2H),2.90−3.11(m,4H),2.02−2.07(m,2H),1.45(s,6H),1.25−1.31(t,3H)
LC/MS:C2529S:m/z515(M+1)
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物1.8(実施例51)
【0249】
【化67】

【0250】
ルート1、段階I、JおよびKそしてスキーム4および10に従って、化合物1.8(15mg;2段階後に22%;白色固体)を調製することができる。
【0251】
LC/MS:C2529S:m/z532(M+1)
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−ブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物1.9(実施例52)
【0252】
【化68】

【0253】
ルート1、段階I、JおよびKそしてスキーム4および10に従って、化合物1.9(55mg;2段階で43%;白色固体)を調製することができる。
【0254】
H NMR(300MHz,CDCl):δ7.45−7.48(m,3H),7.36(s,1H),7.15−7.18(d,2H),4.41−4.79(m,1H),3.40−3.47(m,2H),2.90−3.07(m,4H),2.01−2.03(m,2H),1.45(s,6H),1.24−1.29(t,3H)
LC/MS:C2529S:m/z576(M+1)
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチ
ルプロピオン酸
化合物1.10(実施例53)
【0255】
【化69】

【0256】
ルート1、段階I、JおよびKそしてスキーム4および10に従って、化合物1.10(73mg;2段階で26%;白色固体)を調製することができる。
【0257】
H NMR(300MHz,CDCl):δ7.45−7.48(m,2H),7.22(s,1H),7.15−7.18(d,2H),7.02(s,1H),4.41−4.79(m,1H),3.40−3.47(m,2H),2.85−3.03(m,4H),2.39(s,3H),2.01−2.03(m,2H),1.41(s,6H),1.24−1.29(t,3H)
LC/MS:C2529S:m/z511(M+1)
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−トリフルオロメトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物1.11(実施例54)
【0258】
【化70】

【0259】
ルート1、段階I、JおよびKそしてスキーム4および10に従って、化合物1.11(118mg;2段階で58%;白色固体)を調製することができる。
【0260】
H NMR(300MHz,CDCl):δ7.45−7.48(d,2H),7.37(s,1H),7.12−7.18(m,3H),4.44(m,1H),3.43−3.48(m,2H),2.97−3.21(m,4H),2.03−2.05(m,2H),1.42(s,6H),1.25−1.30(t,3H)
LC/MS:C2529S:m/z580(M+1)
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
化合物1.12(実施例55)
【0261】
【化71】

【0262】
ルート1、段階I、JおよびKそしてスキーム4および10に従って、化合物1.12(118mg;2段階で58%;白色固体)を調製することができる。
【0263】
H NMR(300MHz,CDCl):δ7.45−7.48(d,2H),7.29−7.38(m,6H),7.15−7.18(d,2H),7.10(s,1H),4.
46(m,1H),3.44−3.49(m,2H),2.98−3.06(m,4H),2.04−2.06(m,2H),1.26−1.30(t,3H),1.14(s,6H)
LC/MS:C2529S:m/z573(M+1)
2−{6−[1−エチル−3−(4−ヒドロキシフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸(実施例56)
【0264】
【化72】

【0265】
2−{6−[4−アミノフェニル)−1−エチルウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸(実施例57)
【0266】
【化73】

【0267】
ルート5
2−[3−クロロ−6−(エチル−p−トリルオキシカルボニル−アミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルスルファニル]−2−メチル−プロピオン酸t−ブチルエステル
化合物5.0(実施例58)
【0268】
【化74】

【0269】
2−(3−クロロ−6−エチルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルスルファニル)−2−メチル−プロピオン酸t−ブチルエステルとボラン錯体の混合物(80mg;201μモル)をCHCl(2mL)に溶解させて、これに0℃でクロロ蟻酸p−トリル(35μL;241μモル)を加える。この反応物を室温になるまでゆっくり温めて室温で6日間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した後、その粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO)にかけてヘキサン−EtOAc勾配で溶離させて精製することで2−[3−クロロ−6−(エチル−p−トリルオキシカルボニル−アミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルスルファニル]−2−メチル−プロピオン酸t−ブチルエステルを透明な油として30mg(29%)得た。
【0270】
H NMR(300MHz,CDCl):δ6.67−7.29(m,6H),4.28(m,1H),3.40(m,2H),2.87−2.97(m,4H),2.33(s,3H),1.89−2.06(m,2H),1.39−1.46(m,15H), 1.21−1.31(m,3H)
ルート2の段階Mに従って化合物5.0(23mg;59%)を調製した。
【0271】
H NMR(300MHz,CDOD):δ6.96−7.34(m,6H),4.27(m,1H),3.49(m,2H),2.91−3.14(m,4H),2.32(s,
3H),2.10(m,2H),1.45(m,6H),1.28(m,3H)
LC/MS:C2428ClNOS:m/z462(M+1)
2−{3−クロロ−6−[(4−クロロ−フェノキシカルボニル)−エチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチル−プロピオン酸 化合物5.1(実施例59)
【0272】
【化75】

【0273】
ルート5およびルート2の段階Mに従い、クロロ蟻酸p−トリルの代わりにクロロ蟻酸4−クロロフェニルを用いることで、化合物5.1(34mg;2段階で35%;白色固体)を調製した。
【0274】
H NMR(300MHz,CDOD):δ7.11−7.39(m,6H),4.30(m,1H),3.47(m,2H),2.91−3.15(m,4H),2.06(m,2H),1.45(m,6H),1.28(m,3H)
LC/MS:C2325ClNOS:m/z482(M+1)
2−{6−エチル−(4−トリフルオロメトキシ−フェノキシカルボニル)−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチル−プロピオン酸 化合物5.2(実施例60)
【0275】
【化76】

【0276】
ルート5およびルート2の段階Mに従い、クロロ蟻酸p−トリルの代わりに炭酸1−クロロ−エチルエステル4−トリフルオロメトキシフェニルエステルを用いることで、化合物5.2を調製することができる。
【0277】
別法として、下記の手順を用いて化合物5.2を調製することができる:
A. 炭酸1−クロロ−エチルエステル4−トリフルオロメトキシフェニルエステル
スキーム1. クロロ蟻酸1−クロロエチル(1.03g;7.20ミリモル)をCHCl(10mL)に入れることで生じさせた溶液を0℃に冷却し、トリフルオロメトキシフェノール(1.09g;6.0ミリモル)およびトリエチルアミンを加えた後、その結果として生じた溶液を室温になるまで温めた。この反応物を3時間撹拌した後、飽和NaHCOで反応を消滅させ、そしてEtOAcで抽出した(3回)。その有機抽出液を一緒にして水そして食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させた後、溶媒を減圧下で除去した。その粗残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけてヘキサン−EtOAc(10:1)で溶離させて精製することで炭酸1−クロロ−エチルエステル4−トリフルオロメトキシフェニルエステルを無色の油として1.54g(90%)得た。
【0278】
H NMR(400MHz,CDCl):δ7.26(m,4H),6.49(q,1H),1.91(d,3H)。
B. エチル−(6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−カルバミン酸4−トリフルオロメトキシ−フェニルエステル
スキーム1. 6−メトキシ−2−テトラロン(950mg;5.39ミリモル)とTHF中2Mのエチルアミン(5.4mL;10.78ミリモル)と酢酸(648mg;1
0.78ミリモル)をCHCl(5mL)に入れることで生じさせた混合物にトリアセトキシホウ水素化ナトリウム(2.29g;10.78ミリモル)を加えた。この反応混合物を室温で3時間撹拌した後、1NのNaOH溶液を加えて、エーテルで抽出した(3回)。その有機抽出液を一緒にしてNaSOで乾燥させた後、溶媒を減圧下で除去することで明黄色の油を得た。この油を炭酸1−クロロ−エチルエステル4−トリフルオロメトキシフェニルエステル(1.23g;4.31ミリモル)をトルエン(8mL)に入れることで生じさせた溶液に加えた後、この反応混合物を室温で1時間に続いて90℃で1時間撹拌した。この反応物を室温になるまで冷却し、EtOで希釈した後、1NのHCl水溶液そして飽和NaHCOで洗浄した。その有機抽出液をNaSOで乾燥させた後、溶媒を減圧下で除去した。その残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけてヘキサン−CHClの勾配を用いることで、エチル−(6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−カルバミン酸4−トリフルオロメトキシ−フェニルエステルを白色固体として1.05g(48%)得た。
【0279】
H NMR(400MHz,CDCl):δ7.10−7.30(m,4H),6.99(d,1H),6.71(d,1H),6.64(s,1H),4.33(m,1H),3.77(s,3H),3.41(m,2H),2.93(m,4H),2.04(m,2H),1.31(m,3H)
LC/MS:C2123NO:m/z410(M+1)
C. エチル−(6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−カルバミン酸4−トリフルオロメトキシ−フェニルエステル
スキーム1. エチル−(6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−カルバミン酸4−トリフルオロメトキシ−フェニルエステル(898.6mg;2.19ミリモル)を無水CHCl(8mL)に入れることで生じさせた溶液を−78℃に冷却して、これに1.0Mの三臭化ホウ素−CHCl溶液(6.57mL、6.57ミリモル)をゆっくり添加した。この添加が終了した後の反応混合物を室温になるまで温め、MeOH(10mL)で反応を消滅させて更に2時間撹拌した。溶媒を蒸発させた後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけてヘキサン−EtOAc(2.5:1)を用いて精製することで、エチル−(6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−カルバミン酸4−トリフルオロメトキシ−フェニルエステルを白色固体として649.4mg(75%)得た。
【0280】
H NMR(300MHz,CDCl):δ7.05−7.30(m,4H),6.90(m,1H),7.41−7.60(m,2H),5.05(s,1H),4.30(m,1H),3.41(m,2H),2.90(m,4H),1.99(m,2H),1.31(m,3H)
LC/MS:C2021NO:m/z396(M+1)
D. エチル−(6−トリイソプロピルシラニルスルファニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−カルバミン酸4−トリフルオロメトキシ−フェニルエステル
スキーム1. エチル−(6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−カルバミン酸4−トリフルオロメトキシ−フェニルエステル(245.1mg;0.62ミリモル)を無水CHCl(3mL)とTHF(3mL)に入れることで生じさせた溶液を−30℃に冷却して、これにトリエチルアミン(216uL、1.55ミリモル)そしてトリフリックアンヒドライド(triflic anhydride)(125uL、0.74ミリモル)を逐次的に加えた。その結果として得た混合物を室温で2時間撹拌した後、反応を水で消滅させてEtOで抽出した(3回)。その有機抽出液を一緒にして水そして食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させた後、溶媒を減圧下で除去した。その残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけてヘキサン−EtOAc(5:1)を用いることで、トリフレート(triflate)を301.6mg(92%)得た。このトリフレート(279.8mg;0.53ミリモル)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(61.2mg;0.053ミリモル)をトリイソプ
ロピルシランチオール(126uL、0.58ミリモル)とNaH(13.9mg;0.58ミリモル)から生じさせた室温のトルエン溶液に加えた。その結果として得た混合物を真空に2回かけ、4時間還流させた後、減圧下で濃縮した。その残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけてヘキサン−EtOAc(10:1)を用いることで、エチル−(6−トリイソプロピルシラニルスルファニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−カルバミン酸4−トリフルオロメトキシ−フェニルエステルを明るい色の油として261.8mg(87%)得た。
【0281】
H NMR(300MHz,CDCl):δ6.82−7.29(m,7H),4.32(m,1H),3.40(m,2H),2.81−3.05(m,4H),2.05(m,2H),1.12−1.34(m,6H),1.03−1.10(m,18H)
LC/MS:C2941NOSSi:m/z568(M+1)
E. 2−{6−[エチル−(4−トリフルオロメトキシ−フェノキシカルボニル)−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチル−プロピオン酸t−ブチルエステル
スキーム1. エチル−(6−トリイソプロピルシラニルスルファニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−カルバミン酸4−トリフルオロメトキシ−フェニルエステル(260.0mg;0.46ミリモル)と□−ブロモイソ酪酸t−ブチル(130uL、0.69ミリモル)を無水THF(2mL)に入れることで生じさせた溶液を0℃に冷却して、これに1.0MのTBAF溶液(690uL、0.69ミリモル)を加えた後、この反応物を室温になるまで温めて1時間撹拌し、次に水で希釈してEtOで抽出した(3回)。その有機抽出液をNaSOで乾燥させた後、溶媒を減圧下で除去した。その粗残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけてヘキサン−EtOAc(7:1)で溶離させて精製することで、2−{6−[エチル−(4−トリフルオロメトキシ−フェノキシカルボニル)−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチル−プロピオン酸t−ブチルエステルを明るい色の油として229.2mg(90%)得た。
【0282】
H NMR(300MHz,CDCl):δ6.95−7.28(m,7H),4.34(m,1H),3.41(m,2H),2.96(m,2H),2.91(m,2H),3.41(m,2H),2.06(m,2H),1.44(s,6H),1.42(s,9H),1.28(m,3H)
LC/MS:C2834NOSNa:m/z576(M+Na)
F. 2−{6−[エチル−(4−トリフルオロメトキシ−フェノキシカルボニル)−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチル−プロピオン酸
スキーム1. 2−{6−[エチル−(4−トリフルオロメトキシ−フェノキシカルボニル)−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチル−プロピオン酸t−ブチルエステル(120.8mg;0.22ミリモル)をCHCl(4mL)に入れることで生じさせた溶液を−78℃に冷却して、これにトリフルオロ酢酸(4mL)をゆっくり加えた。この反応混合物を室温になるまで温めて1.5時間撹拌した。次に、溶媒を蒸発させた後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけてCHCl−MeOH(94:6)を用いて精製することで、2−{6−[エチル−(4−トリフルオロメトキシ−フェノキシカルボニル)−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチル−プロピオン酸を白色固体として得た。
【0283】
H NMR(400MHz,CDCl):δ6.96−7.28(m,7H),4.30(m,1H),3.39(m,2H),2.85−3.10(m,4H),2.06(m,2H),1.49(s,6H),1.28(m,3H)
LC/MS:C2427NOS:m/z498(M+1)
D. 調合および投与
本発明の化合物は投与の目的でいろいろな薬剤形態物に調合可能である。このような薬
剤組成物を調合する時、個々の化合物を塩基もしくは酸付加塩の形態で活性材料として有効量で用いてこれを薬学的に受け入れられる担体と一緒に密に混合する。
【0284】
担体は投与で望まれる調剤の形態に応じて幅広く多様な形態を取り得る。このような薬剤組成物を望ましくは単一の投薬形態物にし、好適には経口投与または非経口注入に適した単一投薬形態物にする。例えば、このような組成物を経口投薬形態に調合する時、通常の薬学的媒体(pharmaceutical media)のいずれも使用可能である。それらには、経口用液状調剤、例えば懸濁液、シロップ、エリキシルおよび溶液などの場合の水、グリコール、油、アルコール類などが含まれ、或は粉末、ピル、カプセルおよび錠剤の場合の固体状担体、例えば澱粉、糖類、カオリン、滑剤、結合剤、崩壊剤などが含まれる。錠剤およびカプセルは投与が容易なことを考慮すると、それらが最も有利な経口投薬単位形態物に相当し、この場合には一般に固体状の薬学的担体を用いる。非経口用組成物の場合の担体は一般に無菌水を少なくとも主に含んで成るが、他の材料を例えば溶解性の補助などで含有させることも可能である。例えば、注射可能溶液も調製可能であり、この場合には担体に生理的食塩水溶液、グルコース溶液または生理的食塩水とグルコース溶液の混合物を含める。また、注射可能懸濁液を調製することも可能であり、この場合には適切な液状担体、懸濁剤などを用いてもよい。経皮投与に適した組成物の場合には、担体に場合により浸透強化剤および/または適切な湿潤剤を含めてよく、これらを場合により僅かな比率の如何なる性質の適切な添加剤と一緒にしてもよいが、そのような添加剤は皮膚に有害な影響を有意な度合では引き起こさない添加剤である。そのような添加剤は皮膚への投与を助長しそして/または所望組成物の調合を補助し得る添加剤である。このような組成物はいろいろな様式で投与可能であり、例えば経皮パッチ、スポットオン(spot−on)、軟膏などとして投与可能である。式Iで表される化合物の酸付加塩は相当する塩基形態に比べて高い水溶性を示すことから、水性組成物を調合しようとする時にはそれらの方が適切である。
【0285】
上述した薬剤組成物を投与が容易で投薬が均一な投薬単位形態に調合するのが特に有利である。投薬単位形態物を本明細書で用いる場合、これは、単一投薬として用いるに適していて各単位が活性材料をこれが所望治療効果をもたらすように計算された前以て決められた量で含有することに加えて必要な薬学的担体を含有する物理的に個々別々の単位を指す。そのような投薬単位形態物の例は錠剤(刻み線付きまたは被覆錠剤を包含)、カプセル、ピル、粉末パケット、ウエハ、注射可能溶液もしくは懸濁液、茶サジ1杯、テーブルスプーン1杯など、そしてそれらを複数に分けたもの(segregated multiples)である。
【0286】
薬学的に受け入れられる酸付加塩には、開示した化合物が形成し得る無毒の治療活性酸付加塩形態が含まれる。後者は、便利に、塩基形態を適切な酸で処理することで入手可能である。適切な酸には、例えば無機酸、例えばハロゲン化水素酸、例えば塩酸または臭化水素酸など、硫酸、硝酸、燐酸の如き酸、または有機酸、例えば酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、しゅう酸、マロン酸、こはく酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パルモイックアシッド(palmoic acid)の如き酸が含まれる。用語「付加塩」は、また、開示した化合物ばかりでなくこれの塩が形成し得る溶媒和物も包含する。そのような溶媒和物は例えば水化物、アルコラートなどである。逆に、そのような塩形態をアルカリで処理することでそれを遊離塩基形態に変化させることも可能である。
【0287】
立体異性体形態は式(I)で表される化合物が持ち得る可能なあらゆる異性体形態を定義するものである。特に明記しない限り、化合物の化学的表示は、可能なあらゆる立体化学的異性体形態の混合物を表し、このような混合物は基本的な分子構造を有するあらゆるジアステレオマーおよび鏡像異性体を含有する。より詳細には、立体幾何(stereogenic)中心は(R)−もしくは(S)−形態を取り得、二価の環状飽和基に存在する置換基はシス形態またはトランス形態のいずれかを取り得る。本発明は開示した化合物のジアステレオマーを包含する立体化学的異性体形態ばかりでなくそれらを任意の比率で
含有する混合物も包含する。この開示した化合物はまた互変異性形態でも存在し得る。そのような形態を前記および以下の式に明らかには示していないが、それらも本発明の範囲内に包含させることを意図する。例えば、化合物2.1または実施例3には、インダン環のC−2上にキラル中心が存在する。この化合物では、(S)異性体の方が(R)異性体よりも高い活性を示す。
【0288】
PPARアルファが介在する疾患または状態の治療に関する技術を持つ技術者は、本明細書の以下に示す試験結果および他の情報を基にして1日当たりの有効量を容易に決定し得るであろう。治療有効投薬量は一般に体重1kg当たり0.001mgから5mg、より好適には体重1kg当たり0.01mgから0.5mgであろうと考えている。この治療有効投薬量をその日全体に渡って適切な間隔で2回、3回、4回またはそれ以上の回数でサブドース(sub−doses)として投与する方が適切である可能性もある。そのようなサブドースは例えば活性材料を1単位投与形態物当たり0.05mgから250mgまたは750mg、特に0.5から50mg含有する単位投薬形態物として調合可能である。その例には2mg、4mg、7mg、10mg、15mg、25mgおよび35mg投薬形態物が含まれる。本発明の化合物をまた徐放(time−release)または皮下もしくは経皮パッチ調剤の状態で調合することも可能である。開示した化合物をまたスプレーまたは他の局所的もしくは吸入可能調剤として調合することも可能である。
【0289】
正確な投薬量および投与の頻度は、本分野の技術者に良く知られているように、用いる式(I)で表される個々の化合物、治療すべき個々の状態、治療すべき状態のひどさ、個々の患者の年齢、体重および一般的な身体的状態ばかりでなく当該患者が服用している他の薬に依存する。更に、その治療を受けさせる患者の反応に応じてそして/または本発明の化合物を処方する医者の評価に応じて1日当たりの前記有効量を少なくするか或は多くすることも可能であることも明らかである。従って、本明細書に挙げた1日当たりの有効量の範囲は単に指針である。
【0290】
開示した化合物および組成物の使用に関する詳細な情報を次の章に含める。
E. 使用
本発明の化合物は薬学的に活性があり、例えばPPARアルファ作動薬として活性がある。本発明の1つの面に従い、本化合物は、好適には、活性指数(例えばPPARアルファ効力がPPARガンマ効力を超える度合)が10以上、好適には15、25、30、50または100以上の選択的PPARアルファ作動薬である。
【0291】
PPARアルファ作動薬は、下記の状態もしくは疾患の中の1種以上を治療、予防または進行を抑制する目的で用いるに有用である:フェーズIの高脂質血症、発症前の高脂質血症、フェーズIIの高脂質血症、高血圧症、CAD(冠動脈疾患)、冠状動脈性心臓病およびトリグリセリド過剰血。本発明の好適な化合物は、血清の低密度リポタンパク(LDL)、IDLおよび/または低密度LDLおよび他の粥腫発生分子、またはアテローム性動脈硬化性合併症の原因となる分子の濃度を下げることで心臓血管合併症を軽減するに有用である。好適な化合物は、また、血清の高密度リポタンパク(HDL)濃度上昇、血清のトリグリセリド、LDLおよび/または遊離脂肪酸の濃度低下で用いるにも有用である。これはまたFPG/HbA1cを下げるにも望ましい。
組み合わせ治療
本発明の化合物を他の薬学的に活性のある薬剤と組み合わせて用いることも可能である。そのような薬剤には脂質低下薬および血圧低下薬が含まれる。
【0292】
開示した薬剤組成物または開示した薬剤組み合わせ(同じ組成物の中に配合するか否かに拘らず)を治療および予防の目的で用いる時の有効投薬量を決定する方法は本技術分野で公知である。治療の目的で本明細書で用いる如き用語「共同有効量」は、単独または組み合わせて用いる各々の活性化合物もしくは薬剤の量が研究者、獣医、医者または他の臨床医が探求する生物学的または医学的反応が組織系、動物またはヒトに現れる量を意味し、それには、治療すべき病気または疾患の症状の軽減が含まれる。予防目的(即ち疾患の発症または進行を抑制)の用語「共同有効量」は、単独または組み合わせて用いる各々の活性化合物もしくは薬剤の量が研究者、獣医、医者または他の臨床医が探求する如きある
被験体における疾患を治療するか或はそれの発症または進行を抑制する量を指す。従って、本発明は2種以上の薬剤の組み合わせを提供し、このような組み合わせでは、例えば(a)各薬剤を独立して治療もしくは予防的に有効な量で投与するか、(b)その組み合わせの中の少なくとも1種の薬剤を、これを単独で投与した場合には治療有効以下(sub−therapeutic)または予防有効以下であるが本発明に従う2番目または追加的薬剤と一緒と組み合わせて投与すると治療に有効または予防に有効な量で投与するか、或は(c)両方(またはそれ以上)の薬剤を、それらを単独で投与した場合には治療有効以下または予防有効以下であるがそれらを一緒に投与すると治療に有効または予防に有効である量で投与する。
【0293】
本発明の化合物は、PPARアルファ作動薬として、公知のフィブレートに比べて、トリグリセリドの量を下げるに有効かつ効果的であり得る。本化合物は、また、脂肪および/または脂質の代謝を向上させる能力も有することで、体重を下げるか、脂質重量を下げるか、肥満度指数を下げるか、脂質の量を下げる(例えばトリグリセリドの量を下げる)か、或は肥満または過剰体重状態を治療する方法も提供するものである。脂質低下薬の例には、胆汁酸抑制薬、フィブリックアシッド誘導体(fibric acid derivatives)、ニコチン酸およびHMGCoA還元酵素阻害薬が含まれる。具体例にはスタチン、例えばLIPITOR(商標)、ZOCOR(商標)、PRAVACHOL(商標)、LESCOL(商標)およびMEVACOR(商標)など、およびピタバスタチン(ニスバスタチン)(Nissan、Kowa Kogyo、Sankyo、Novartis)およびそれの徐放性形態物、例えばADX−159(徐放性ロバスタチン)ばかりでなくColestid、Locholest、Questran、Atromid、LopidおよびTricorなどが含まれる。
【0294】
血圧低下薬の例には、抗高血圧薬、例えばアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬(Accupril、Altace、Captopril、Lotensin、Mavik、Monopril、Prinivil、Univasc、VasotecおよびZestril)、アドレナリン遮断薬(例えばCardura、Dibenzyline、Hylorel、Hytrin、MinipressおよびMinizide)、アルファ/ベータアドレナリン遮断薬(例えばCoreg、NormodyneおよびTrandate)、カルシウムチャネル遮断薬(例えばAdalat、Calan、Cardene、Cardizem、Covera−HS、Dilacor、DynaCirc、Isoptin、Nimotop、Norvace、Plendil、Procardia、Procaradia XL、Sula、Tiazac、VascorおよびVerelan)、利尿薬、アンギオテンシンII受容体拮抗薬(例えばAtacand、Avapro、CozaarおよびDiovan)、ベータアドレナリン遮断薬(例えばBetapace、Blocadren、Brevibloc、Cartrol、Inderal、Kerlone、Lavatol、Lopressor、Sectral、Tenormin、Toprol−XLおよびZebeta)、血管拡張薬(例えばDeponit、Dilatrate、SR、Imdur、Ismo、Isordil、Isordil Titradose、Monoket、Nitro−Bid、Nitro−Dur、Nitrolingual Spray、NitrostatおよびSorbitrate)、およびこれらの組み合わせ(例えばLexxel、Lotrel、Tarka、Teczem、Lotensin HCT、Prinzide、Uniretic、Vaseretic、Zestoretic)が含まれる。
【実施例】
【0295】
F. 実施例
以下の化学的および生物学的実施例は本発明を具体的に示すものであり、本発明を限定することを意図するものでない。
実施例1
【0296】
【化77】

【0297】
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタリ−2−イルスルファニル}−2−メチル−プロピオン酸
EC50=0.023μM
実施例2
【0298】
【化78】

【0299】
2−{2−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
EC50=0.027μM
実施例3
【0300】
【化79】

【0301】
(S)−2−{2−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
EC50=0.0002μM
実施例4
【0302】
【化80】

【0303】
2−{2−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメチルスルファニルフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
EC50=0.037μM
実施例5
【0304】
【化81】

【0305】
2−メチル−2−{2−[1−ペンチル−3−(4−トリフルオロメチルスルファニルフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸
EC50=0.053μM
実施例6
【0306】
【化82】

【0307】
2−{2−[1−エチル−3−(4−イソプロピルフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
EC50=0.056μM
実施例7
【0308】
【化83】

【0309】
2−{2−[3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−エチルウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
EC50=0.075μM
実施例8
【0310】
【化84】

【0311】
2−メチル−2−{2−[1−ペンチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
EC50=0.073μM
実施例9
【0312】
【化85】

【0313】
2−{2−[3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−ペンチルウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
EC50=0.131μM
実施例10
【0314】
【化86】

【0315】
2−{2−[3−(4−イソプロピルフェニル)−1−(3−ペンチル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
EC50=0.165μM
実施例11
【0316】
【化87】

【0317】
2−{2−[3−(4−t−ブチルフェニル)−1−(3−ペンチル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
EC50=0.173μM
実施例12
【0318】
【化88】

【0319】
2−[2−(3−(ビフェニル−4−イル−1−ペンチルウレイド)インダン−5−イルスルファニル]−2−メチルプロピオン酸
EC50=0.183μM
実施例13
【0320】
【化89】

【0321】
2−{2−[3−(4−イソプロピルフェニル)−1−(3−ヘキシル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
EC50=0.184μM
実施例14
【0322】
【化90】

【0323】
2−メチル−2−{2−[1−ヘキシル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸
EC50=0.213μM
実施例15
【0324】
【化91】

【0325】
2−メチル−2−{2−[1−ヘキシル−3−(4−トリフルオロメチルスルファニルフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸
EC50=0.123μM
実施例16
【0326】
【化92】

【0327】
2−メチル−2−{2−[1−プロピル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸
EC50=0.158μM
実施例17
【0328】
【化93】

【0329】
2−メチル−2−{2−[1−ブチル−3−(4−トリフルオロメチルスルファニルフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸
EC50=0.160μM
実施例18
【0330】
【化94】

【0331】
2−メチル−2−{2−[3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸
EC50=0.135μM
実施例19
【0332】
【化95】

【0333】
2−メチル−2−{2−[1−ペンテ−4−エニル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸
EC50=0.125μM
実施例20
【0334】
【化96】

【0335】
2−メチル−2−{2−[1−(3−メチルブチル)−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
EC50=0.106μM
実施例21
【0336】
【化97】

【0337】
2−{2−[3−(4−イソプロピルフェニル)−1−(3−メチルブチル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
EC50=0.106μM
実施例22
【0338】
【化98】

【0339】
2−{6−[1−ブチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
EC50=0.219μM
実施例23
【0340】
【化99】

【0341】
2−{6−[1−ブチル−3−(4−トリフルオロメチルスルファニルフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
EC50=0.244μM
実施例24
【0342】
【化100】

【0343】
2−{6−[1−ヘキシル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
EC50=0.235μM
実施例47
【0344】
【化101】

【0345】
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
EC50=0.045μM
実施例49
【0346】
【化102】

【0347】
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルオキシ}−2−メチルプロピオン酸EC50=0.309μM
実施例50
【0348】
【化103】

【0349】
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
EC50=0.010μM
実施例51
【0350】
【化104】

【0351】
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
EC50=0.027μM
実施例52
【0352】
【化105】

【0353】
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−ブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
EC50=0.017μM
実施例53
【0354】
【化106】

【0355】
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
EC50=0.042μM
実施例54
【0356】
【化107】

【0357】
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−トリフルオロメトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニ
ル}−2−メチルプロピオン酸
EC50=0.131μM
実施例55
【0358】
【化108】

【0359】
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
EC50=0.545μM
実施例56
【0360】
【化109】

【0361】
2−{6−[1−エチル−3−(4−ヒドロキシフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
実施例57
【0362】
【化110】

【0363】
2−{6−[4−アミノフェニル)−1−エチルウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
実施例58
【0364】
【化111】

【0365】
2−{3−クロロ−6−[(4−メチル−フェノキシカルボニル)−エチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチル−プロピオン酸
EC50=0.340μM
実施例59
【0366】
【化112】

【0367】
2−{3−クロロ−6−[(4−クロロ−フェノキシカルボニル)−エチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチル−プロピオン酸
EC50=0.390μM
実施例60
【0368】
【化113】

【0369】
2−{6−エチル−(4−トリフルオロメトキシ−フェノキシカルボニル)−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチル−プロピオン酸
EC50=0.002μM
生物学的実施例1
HD bDNA検定
H4IIEラット肝臓がん細胞株をATCCから入手した。細胞を175cmの組織培養フラスコの中で培養するか或は(血清含有量が高く、ウシ胎仔血清が10%でウシ血清が10%の)培養培地が入っている96穴プレートに接種して、研究全体に渡って5%のCO下で37℃に維持した。最初に手で96穴プレートに接種(約100,000個/穴)してから24時間後に、HD遺伝子導入検定を開始した。培地を除去した後、媒体(DMSO)または試験化合物または標準を入れておいた100ulの低血清培養培地(5%炭/デキストラン処置ウシ血清)を代わりに入れた。細胞をインキュベーターに戻して24時間培養した。このチャレンジの終了時に、HD遺伝子に特異的なCE、LE、BLプローブと一緒に50ulの溶解用緩衝液を各穴に直接添加することでbDNA HD
mRNA検定を開始した。分岐(branched)DNA検定を製造業者(Bayer Diagnostics;Emeryville、CA.)のプロトコルに従って実施した。この検定の終了時に、Dynex MLXミクロタイタープレート照度計を用いて発光を量化した。EC50をS字適合利用(sigmoidal fit utilizing)Graphpad Prismを用いた非線形回帰で決定した。
生物学的実施例2
PPARδ受容体に関するトランスフェクション検定
グルタミンとFBSを10%補充しておいたDMEM/F−12培地(GIBCOBRL)の中でHEK293細胞を増殖させた。この細胞にPPAR−Ga14受容体およびGal4−ルシフェラーゼリポーターのDNAによる共トランスフェクションをDMRIE−C試薬を用いて受けさせた。次の日にDNAが入っている培地を5%の炭で処置しておいたFBS増殖用培地と交換した。6時間後に細胞を96穴プレートに接種した後、COインキュベーターに入れて37℃で一晩インキュベートした。細胞に試験化合物によるチャレンジを受けさせた後、COが5%のインキュベーターに入れて37℃で24時間インキュベートした。PromegaのSteady−Gloルシフェラーゼ検定キッ
トを用いてルシフェラーゼ活性を検定した。DMRIE−C試薬はGIBCOからカタログ番号10459−014として購入した試薬であった。OPTI−MEMI Reduced Serum MediumはGIBCOからカタログ番号31985として購入した培地であった。Steady−Gloルシフェラーゼ検定キットはPromegaからPart#E254Bとして得たキットであった。
【0370】
【表1】

【0371】
生物学的実施例3
PPARガンマ作動薬に関するaP2検定
この手順はBurris他、Molecular Endocrinology、1999、13:410(これは引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に詳述されており、そして作動薬に固有の活性のaP2検定結果はaP2 mRNA産生誘導倍率上昇(媒体と比べた)として表され得る。
【0372】
最初に手で96穴プレートに接種(約20,000個/穴)してから24時間後に、分化検定を始めてもよい。培地を除去した後、媒体(DMSO)または試験化合物を入れておいた150μlの分化用培地を代わりに入れてもよい。細胞をインキュベーターに戻して24時間培養してもよい。このチャレンジの終了時に、培地を除去した後、100ulの溶解用緩衝液を加することでbDNA aP2 mRNA検定を開始してもよい。分岐DNA検定を製造業者(Bayer Diagnostics;Emeryville、CA.)のプロトコルに従って実施することができる。結果は活性化したaP2 mRNA産生の倍率上昇(媒体対照と比べて)として表され得る。EC50およびEmaxをS字適合曲線を用いた非線形回帰で決定することができる。
【0373】
プレアジポサイト(preadipocytes)のチャレンジ後、aP2オリゴヌクレオチドを入れておいた溶解用緩衝液(Bayer Diagnostics)を用いて細胞を溶解させてもよい。インキュベーションを53℃で15分間または37℃のインキュベーターで30分間行った後、各穴から70ulの前記溶解用緩衝液を相当する捕捉用穴[70ulのブロッキング用緩衝液(blocking buffer)(Bayer
Diagnostics)を入れて前以てインキュベートしておいた]に加えてもよい。捕捉用プレートをプレートインキュベーター(Bayer Diagnostics)に入れて53℃で一晩インキュベートしてもよい。このインキュベーションを行った後、製造業者が指示するようにして、bDNAと標識化プローブをアニールさせてもよい。発光用アルカリ性ホスファターゼ基質であるジオキシタンと一緒に30分間インキュベートした後、Dynex MLXミクロタイタープレート照度計を用いて発光を量化することができる。aP2 mRNAにアニールしかつbDNA mRNA検出システムで機能するように考案したオリゴヌクレオチドプローブをProbeDesignerソフトウエア(Bayer Diagnostics)で設計する。そのソフトウエアパッケージの一連のアルゴリズムを用いて興味の持たれる目標配列を分析することで、その配列のどの領域が捕捉、標識またはスペーサープローブアニーリング用の場所として機能し得るかを決定する。そのオリゴヌクレオチドの配列は下記の通りである:
【0374】
【表2】

【0375】
生物学的実施例4
6−7週令のメスdb/dbマウスに実施例3を11日間投与
6−7週令のメスdb/dbマウス(C57 BLK S/J−m+/+Leprdb、Jackson Labs、Bar Harbor、ME)を堅い底の靴箱型ケージに1ケージ当たり4匹入れて飼育した。部屋の温度を68−72度Fに維持しかつ湿度を50−65%に維持した。部屋の明かりを12時間の明/12時間の暗サイクルにした。マウスに認定されているNIH Rat and Mouse/Auto 6F低脂肪餌#5K52(W.F.Fisher and Son,Inc.、Bound Brook、NJ経由でP M I Nutrition Int’l、セントルイス、MO)を餌として与えた。餌と水を自由に与えた。
【0376】
本化合物を0.5%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(Dow Chemical、Midland、MI)に入れて懸濁液として調製した。投与体積を体重1kg当たり10mLにした。メスdb/db糖尿病マウス(8匹/グループ)にdHO中0.5%のメチルセルロース(媒体)またはPPAR作動薬のいずれかを11日間に渡ってチューブで0.03、0.1、0.3、1、3、10mg/kg/日の量で日に1回経口投与した。投与に先立って1日目の朝に体重を測定しそして12日目に餌を与える前に体重を測定した。各グループに最終投与を行ってから18−24時間後にマウスにCO/O(70:30)で麻酔をかけ、レトロ−オービタル(retro−orbital)で肛門に穴を開けて採血して、詰まり活性化剤(clog activator)を入れておいた微細管の中に入れた後、氷の中に入れた。血清サンプルを遠心分離で調製した。COBAS Mira Plus血液化学分析装置(Roche Diagnostics、NJ)を用いて血清のグルコースとトリグリセリドを測定した。ALPCOインスリンELISAキットを用いて血清のインスリンを測定した。
【0377】
Prismプログラム(Graphpad、Monrovia、CA)を用いかつ一元分散分析に加えてダネット多重比較検定を実施することで、統計学的分析を実施した。
【0378】
【表3】

【0379】
生物学的実施例5
7週令のメスob/obマウスに本実施例を11日間投与
7週令のメスob/obマウス(C57 BL/6J−Lepob、Jackson Labs、Bar Harbor、ME)を堅い底の靴箱型ケージに1ケージ当たり2匹入れて飼育した。部屋の温度を68−72度Fに維持しかつ湿度を50−65%に維持した。部屋の明かりを12時間の明/12時間の暗サイクルにした。マウスに認定されているNIH Rat and Mouse餌#5K50(W.F.Fisher and Son,Inc.、Bound Brook、NJ経由でP M I Nutrition Int’l、セントルイス、MO、)を餌として与えた。餌と水を自由に与えた。
【0380】
本化合物を0.5%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(Dow Chemical、Midland、MI)に入れて懸濁液として調製した。投与体積を体重1kg当たり10mLにした。メスob/ob糖尿病マウス(8匹/グループ)にdHO中0.5%のメチルセルロース(媒体)またはPPAR作動薬のいずれかを11日間に渡ってチューブで0.003、0.01、0.03、0.1、0.3、1mg/kg/日の量で日に1回経口投与した。投与に先立って1日目の朝に体重を測定しそして12日目に餌を与える前に体重を測定した。各グループに最終投与を行ってから18時間後にマウスにCO/O(70%:30%)で麻酔をかけ、レトロ−オービタルで肛門に穴を開けて採血して、詰まり活性化剤を入れておいた微細管の中に入れた後、氷の中に入れた。血清サンプルを遠心分離で調製した。COBAS Mira Plus血液化学分析装置(Roche Diagnostics、NJ)を用いて血清のグルコースとトリグリセリドを測定した。ALPCOインスリンELISAキットおよびWako NEFAキットのそれぞれを用いて血清のインスリンおよび遊離脂肪酸を測定した。
【0381】
Prismプログラム(Graphpad、Monrovia、CA)を用い、一元分散分析およびダネット多重比較検定を用いることで、統計学的分析を実施した。
【0382】
【表4】

【0383】
F. 他の態様
本明細書の中の考察、実施例および請求の範囲の中に本発明の特徴および原理を示す。本発明のいろいろな適応形および修飾形が本分野の通常の技術者に明らかになると思われ、そのような他の態様もまた本発明の範囲内である。本明細書の中で引用した出版物は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

[式中、
およびRは、各々独立して、H、C1−6アルキル、(CHNR、(CHOR、(CHNH(CO)Rまたは(CHCO(ここで、R、RおよびRは、各々独立して、HまたはC1−6アルキルである)であるか、或はRとRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−7シクロアルキルであり、
mは、1から6であり、
nは、1または2であり、
Xは、OまたはSであり、ここで、nが1の時にはXは5位もしくは6位に位置しそしてnが2の時にはXは6位もしくは7位に位置し、
は、H、フェニル、C1−3アルコキシ、C1−3アルキルチオ、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、ニトロ、NR10、NHCOR10、CONHR10またはCOOR10であり、そしてRはXに対してオルソまたはメタに位置し、
は、Hまたは−(C1−5アルキレン)R15(ここで、R15は、H、C1−7アルキル、[ジ(C1−2アルキル)アミノ](C1−6アルキレン)、(C1−3アルコキシアシル)(C1−6アルキレン)、C1−6アルコキシ、C3−7アルケニルまたはC3−8アルキニルであり、ここで、Rが有する炭素原子の数は9以下である)であるか、また、Rは、−(C1−5アルキレン)R15(ここで、R15は、C3−6シクロアルキル、フェニル、フェニル−O−、フェニル−S−、またはN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルである)であってもよく、
Yは、NH、NH−CHまたはOであり、
およびRは、各々独立して、H、C1−6アルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、COR11、COOR11、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、ヒドロキシ、フェニル、NR1112、およびN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルから選択され、
は、C1−6アルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、COR13、COOR13、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、ヒドロキシ、フェニル、NR1314、およびN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルから選択されるか、
加うるに、RとRまたはRとRのいずれかが一緒になって−(CH−、−(CH−および(CH1−2N(CH1−2)qから選択される二価の飽和もしくは不飽和部分であってもよく、
pは0−2でありそしてqは1−3であり、ここで、(p+q)の合計は少なくとも2であり、
およびR10は、各々独立して、C1−6アルキルであり、
11、R12、R13およびR14は、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、
ここで、前記ヒドロカルビルおよびヘテロカルビル部分は、各々、F、Cl、Br、I、アミノ、メチル、エチル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノおよびメトキシから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物またはこれの薬学的に受け入れられる塩、C1−6エステルまたはC1−6アミド。
【請求項2】
およびRの中の一方がメチルまたはエチルである請求項1記載の化合物。
【請求項3】
およびRの各々がメチルである請求項2記載の化合物。
【請求項4】
とRが一緒になってシクロブチルまたはシクロペンチルである請求項1記載の化合物。
【請求項5】
がHである請求項1記載の化合物。
【請求項6】
がC1−3アルコキシ、C1−3アルキルチオ、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、ニトロ、NR10、NHCOR10、CONHR10またはCOOR10である請求項1記載の化合物。
【請求項7】
がHまたはC2−7アルキルである請求項1記載の化合物。
【請求項8】
がHまたはC2−5アルキルである請求項7記載の化合物。
【請求項9】
がエチルである請求項8記載の化合物。
【請求項10】
がHである請求項8記載の化合物。
【請求項11】
nが1である請求項1記載の化合物。
【請求項12】
nが2である請求項1記載の化合物。
【請求項13】
YがNH−CHである請求項1記載の化合物。
【請求項14】
YがNHである請求項1記載の化合物。
【請求項15】
XがSである請求項1記載の化合物。
【請求項16】
XがOである請求項1記載の化合物。
【請求項17】
およびRの中の少なくとも一方がHである請求項1記載の化合物。
【請求項18】
がC1−4アルキル、ハロメトキシ、ハロメチルチオまたはジ(C1−3アルキル)アミノである請求項17記載の化合物。
【請求項19】
がトリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、t−ブチル、イソプロピルまたはジメチルアミノである請求項18記載の化合物。
【請求項20】
がHであり、RがC2−7アルキルでありそしてYがNHである請求項3記載の化合物。
【請求項21】
XがSである請求項20記載の化合物。
【請求項22】
nが1である請求項20記載の化合物。
【請求項23】
nが2である請求項20記載の化合物。
【請求項24】
がC2−5アルキルである請求項20記載の化合物。
【請求項25】
がエチルである請求項24記載の化合物。
【請求項26】
がトリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、t−ブチル、イソプロピルまたはジメチルアミノである請求項20記載の化合物。
【請求項27】
およびRが各々独立してH、C1−6アルキル、(CHNRまたは(CHORであり、ここで、R、RおよびRが各々独立してHまたはC1−6アルキルであり、
mが1から6であり、
nが1または2であり、
XがOまたはSであり、ここで、nが1の時にはXが5位もしくは6位に位置しそしてnが2の時にはXが6位もしくは7位に位置し、
がH、フェニル、C1−3アルコキシ、C1−3アルキルチオ、ハロ、C1−6アルキルまたはNR10であり、そしてRがXに対してオルソまたはメタに位置し、
がHまたは−(C1−5アルキレン)R15(ここで、R15は、H、C1−7アルキル、[ジ(C1−2アルキル)アミノ](C1−6アルキレン)、(C1−3アルコキシアシル)(C1−6アルキレン)、C1−6アルコキシまたはC3−7アルケニルであり、ここで、Rが有する炭素原子の数は9以下である)であるか、また、Rが−(C1−5アルキレン)R15(ここで、R15は、C3−6シクロアルキル、フェニル、フェニル−O−、フェニル−S−、またはN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルである)であってもよく、
YがNHまたはNHCHであり、
およびRが各々独立してH、C1−6アルキル、ハロ、COR11、COOR11、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、ヒドロキシおよびNR1112から選択され、
がC1−6アルキル、ハロ、COR13、COOR13、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、フェニル、NR1314、およびN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルから選択され、
およびR10が各々独立してC1−6アルキルであり、
11、R12、R13およびR14が各々独立してHまたはC1−6アルキルであり、ここで、前記ヒドロカルビルおよびヘテロカルビル部分が各々F、Cl、アミノ、メチル、エチル、ヒドロキシおよびメトキシから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい、
請求項1記載の化合物。
【請求項28】
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオ
ン酸、
2−{2−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−{2−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメチルスルファニルフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−メチル−2−{2−[1−ペンチル−3−(4−トリフルオロメチルスルファニルフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸、
2−{2−[1−エチル−3−(4−イソプロピルフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−メチル−2−{2−[1−ペンチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−{2−[3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−エチルウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−メチル−2−{2−[1−(3−メチルブチル)−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−{2−[3−(4−イソプロピルフェニル)−1−(3−メチルブチル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−メチル−2−{2−[1−ペンテ−4−エニル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸、
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−ブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、および
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−トリフルオロメトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
から選択される請求項1記載の化合物。
【請求項29】
2−メチル−2−{2−[1−ヘキシル−3−(4−トリフルオロメチルスルファニルフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸、
2−{2−[3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−ペンチルウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−メチル−2−{2−[3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸、
2−メチル−2−{2−[1−プロピル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸、
2−メチル−2−{2−[1−ブチル−3−(4−トリフルオロメチルスルファニルフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸、
2−{2−[3−(4−イソプロピルフェニル)−1−(3−ペンチル)ウレイド]イ
ンダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−{2−[3−(4−t−ブチルフェニル)−1−(3−ペンチル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−[2−(3−(ビフェニル−4−イル−1−ペンチルウレイド)インダン−5−イルスルファニル]−2−メチルプロピオン酸、
2−{2−[3−(4−イソプロピルフェニル)−1−(3−ヘキシル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−メチル−2−{2−[1−ブチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸、
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−ブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、および
2−メチル−2−{2−[1−ヘキシル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸、
から選択される請求項1記載の化合物。
【請求項30】
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−{6−[3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−{2−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−{2−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメチルスルファニルフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、および
2−メチル−2−{2−[1−プロピル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸、
から選択される請求項1記載の化合物。
【請求項31】
2−{2−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−{2−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメチルスルファニルフェニル)ウレ
イド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
2−メチル−2−{2−[1−プロピル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸、および
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸、
から選択される請求項1記載の化合物。
【請求項32】
請求項1、20、27、28、30または31記載の化合物を含んで成る薬剤組成物。
【請求項33】
PPAR−アルファ介在疾患を治療またはそれの進行を抑制する方法であって、治療を必要としている患者に請求項1、20、27、28または31記載の化合物を含んで成る組成物を薬学的に有効な量で投与することを含んで成る方法。
【請求項34】
PPAR−アルファ介在疾患が異常脂質血症および心疾患から選択される請求項33記載の方法。
【請求項35】
前記疾患が異常脂質血症である請求項34記載の方法。
【請求項36】
前記異常脂質血症がフェーズIの高脂質血症、発症前の高脂質血症、フェーズIIの高脂質血症、高コレステロール血症、低HDLコレステロール血症およびトリグリセリド過剰血から選択される請求項34記載の方法。
【請求項37】
前記心疾患がアテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、冠状動脈性心臓病または高血圧症である請求項34記載の方法。
【請求項38】
前記患者に脂質低下薬を共同有効量で投与する段階を更に含んで成る請求項33,35または36記載の方法。
【請求項39】
前記患者に血圧低下薬を共同有効量で投与する段階を更に含んで成る請求項33,35、36または38記載の方法。

【公表番号】特表2006−503916(P2006−503916A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−501629(P2005−501629)
【出願日】平成15年10月17日(2003.10.17)
【国際出願番号】PCT/US2003/033090
【国際公開番号】WO2004/037778
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】